前述の様に、本発明は、少なくとも:
i)少なくとも1つの分枝変性高分子(b1)および少なくとも1つの線状変性高分子(a1)を含む変性ポリマーを含む第1組成物を提供し、ここで、少なくとも1つの分枝変性高分子および少なくとも1つの線状変性高分子は、それぞれ独立して、次式(1A〜1F)から選択される少なくとも1つのアミン基およびそれらの組み合わせを含む:
(式中、Nは窒素原子であり、Cは炭素原子であり、Hは水素原子であり;
Eは少なくとも二価であり:a)(C1〜C18)アルキル(これは、1以上の以下の基:アミン基、R39R40R41Si−およびR39R40R41Si−アミン基で置換されていてもよく、ここで、R39、R40およびR41はそれぞれ独立して:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択される);(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アラルキル;b)酸素原子(O);c)硫黄原子(S);d)N−CHR8−CR9=CR10(式中、R8、R9およびR10はそれぞれ以下で定義する);e)N−CHR8−C=CHR10(式中、R8、R9およびR10はそれぞれ以下で定義する);f)N−CR8−CR9=CHR10(式中、R8、R9およびR10はそれぞれ以下で定義する);g)N−CHR8−CR9=CHR10(式中、R8、R9およびR10はそれぞれ以下で定義する);h)H−N基;k)第3アミン;およびl)R42R43R44SiN基(式中、R42、R43およびR44は、それぞれ独立して:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択される)から選択され;
R11およびR12は、それぞれ少なくとも二価であり、それぞれ独立して:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR11およびR12はそれぞれ好ましくは独立して、(C1〜C5)アルキルから選択され;
R8、R9、R10は、それぞれ独立して:水素(H)、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR8、R9およびR10は、それぞれ好ましくは独立して、(C1〜C5)アルキルから選択され;
R6は:水素(H)、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アラルキルおよび−SiR36R37R38(式中、R36、R37およびR38は、それぞれ独立して:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そして(C1〜C18)アルキルは:アミン基、R45R46R47Si基または(R45R46R47Si)2N基(ここで、R45、R46およびR47は、それぞれ独立して1以上の以下の基:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルで置換されていてもよい)からなる群から選択され;そしてR6は、好ましくは(C1〜C5)アルキルから選択され;
R7は:水素(H)、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アラルキル、−CHR8−CR9=CHR10、および−SiR51R52R53(ここで、R51、R52およびR53はそれぞれ独立して:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択される)からなる群から選択され;そしてR7は、好ましくは独立して、(C1〜C5)アルキルまたは−SiR51R52R53(式中、R51、R52、およびR53は前述されている)から選択され;
aは1または2であり;bは0または1であり;そして
ここで、少なくとも1つの分枝変性高分子は、ib)以下の構造(ib1〜ib4):の少なくとも1つを更に含む:
ib1)四価ケイ素またはスズ原子は、それぞれ、(R’’’)tM基、または(R’’’)tM(X)p基、またはM(X)z−(O)x−M(X)z基(ここで、Mはスズまたはケイ素原子であり、Oは酸素原子であり、Xはハライド原子、アルコキシ基またはヒドロキシル基(−OH基)であり、R’’’は(C1〜C6)−アルキル基であり、zは1または2であり、xは0または1であり、pは1または2であり、tは、0、1または2であり、ここで、各基について、M上に残存する自由原子価はアルファ−変性高分子と関連する);
ib2)式2A:の基
(R24O)q(R25)rSi−R29−S−Si’R26R27R28 式2A
ここで、SiおよびSi’はケイ素原子であり、Sは硫黄原子であり、Oは酸素原子であり;
R24は:水素(H)、および(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
R25、R26、R27およびR28は、同一または異なり、それぞれ独立して:水素(H)、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され、好ましくは:(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR25、R26、R27およびR28は、それぞれ更に好ましくは独立して、(C1〜C5)アルキルから選択される。別の実施形態では、R25、R26、R27およびR28は、それぞれ独立して、(C1〜C16)アルキルであり、更に好ましくは(C1〜C12)アルキルであり、なお一層好ましくは(C1〜C8)アルキルであり、そして最も好ましくは(C1〜C4)アルキルであり;
R29は:ジ−(C2〜C20)アルキルエーテル(アルキル−O−アルキル)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、および(C1〜C18)アルキルからなる群から選択される二価基であり、各基は:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、(C7〜C16)アラルキル、ニトリル、アミン、NO2、およびチオアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく;好ましくは:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、および/または(C7〜C16)アラルキルのうちの少なくとも1つで置換されていてもよい。R29は好ましくは(C1〜C16)アルキルであり、更に好ましくは(C1〜C12)アルキルであり、なお一層好ましくは(C1〜C8)アルキルであり、そして最も好ましくは(C1〜C5)アルキルである。別の実施形態では、R29は(C7〜C25)アルキルアリールであり、更に好ましくは(C7〜C16)アルキルアリールであり、最も好ましくは(C7〜C12)アルキルアリールであり;
qは0または1であり;そしてrは0または1であり;qとrとの合計(q+r)は0または1であり;そして「四価ケイ素原子」Siの残りの自由原子価はアルファ−変性高分子と関連する);
ib3)式2Bの基:
(R24O)q(R25)rSi−R29−S−H 式2B、
(式中、Siはケイ素原子であり、Sは硫黄原子であり、Oは酸素原子であり、Hは水素原子であり;
R24は:水素(H)および(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
R25は:水素(H)、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR25は好ましくは、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルから選択され;そしてR25は、更に好ましくは独立して、(C1〜C10)アルキルから選択され;
R29は:ジ−(C2〜C20)アルキルエーテル(アルキル−O−アルキル)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、および(C1〜C18)アルキルからなる群から選択される二価基である。各R29基は:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、(C7〜C16)アラルキル、ニトリル、アミン、NO2、およびチオアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、好ましくは:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、および(C7〜C16)アラルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい。一実施形態では、R29は(C1〜C16)アルキルであり、更に好ましくは(C1〜C12)アルキルであり、なお一層好ましくは(C1〜C8)アルキル、そして最も好ましくは(C1〜C5)アルキルである。別の実施形態では、R29は(C7〜C25)アルキルアリールであり、更に好ましくは(C7〜C16)アルキルアリールであり、最も好ましくは(C7〜C12)アルキルアリールであり;
qは0または1であり;そしてrは0または1であり;qとrとの合計(q+r)は0または1であり;そして「四価ケイ素原子」Siの残りの自由原子価はアルファ−変性高分子に関連する);
ib4)式2Cの基:
(R30O)s(R31)tSi−R35−N(H)u(Si’R32R33R34)v 式2C
(式中、SiおよびSi’はケイ素原子であり、Sは硫黄原子であり、Nは窒素原子であり、そしてOは酸素原子である;
R30は:水素(H)および(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
R31、R32、R33およびR34は、同一または異なり、それぞれ独立して:水素(H)、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択される。R31、R32、R33およびR34は、それぞれ好ましくは独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルから選択され;R31、R32、R33およびR34は、それぞれさらに好ましくは独立して、(C1〜C5)アルキルから選択される。別の実施形態では、R31、R32、R33およびR34はそれぞれ独立して(C1〜C16)アルキルであり、更に好ましくは(C1〜C12)アルキルであり、なお一層好ましくは(C1〜C8)アルキルであり、そして最も好ましくは(C1〜C4)アルキルである。
R35は:ジ−(C2〜C20)アルキルエーテル(アルキル−O−アルキル)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、および(C1〜C18)アルキルからなる群から選択される二価基であり、各R35基は:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、(C7〜C16)アラルキル、ニトリル、アミン、NO2、およびチオアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、好ましくは:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、および/または(C7〜C16)アラルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換され;そしてR35は好ましくは(C1〜C16)アルキルであり、更に好ましくは(C1〜C12)アルキルであり、なお一層好ましくは(C1〜C8)アルキルであり、そして最も好ましくは(C1〜C5)アルキルである。別の実施形態では、R35は(C7〜C25)アルキルアリールであり、更に好ましくは(C7〜C16)アルキルアリールであり、最も好ましくは(C7〜C12)アルキルアリールであり;
sは0または1であり;そしてtは0または1であり;sとtとの合計(s+t)は0または1であり;uは0、1または2であり;vは0、1または2であり;そしてuおよびvの合計(u+v)は2であり;「四価ケイ素原子」Siの残りの自由原子価は、それぞれアルファ−変性高分子と関連し;そして
少なくとも1つの線状変性高分子は以下の構造(iib1〜iib2)の少なくとも1つを更に含む:
iib1)式4A:
(R18O)c(R19)dSi−R20−S−Si’(R21)(R22)R23 式4A、
(式中、SiおよびSi’はそれぞれケイ素原子であり、Sは硫黄原子であり、Oは酸素原子であり;
R18は:水素(H)および(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
R19は:水素(H)、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR19は好ましくは独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルから選択され;R19は更に好ましくは(C1〜C10)アルキルから選択され;
R20は:ジ−(C2〜C20)アルキルエーテル(アルキル−O−アルキル)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、および(C1〜C18)アルキルからなる群から選択される二価基であり、各R20基は:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、(C7〜C16)アラルキル、ニトリル、アミン、NO2、およびチオアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、好ましくは:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、および/または(C7〜C16)アラルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく;そしてR20は好ましくは(C1〜C16)アルキルであり、更に好ましくは(C1〜C12)アルキルであり、なお一層好ましくは(C1〜C8)アルキル、そして最も好ましくは(C1〜C5)アルキルである。別の実施形態では、R20は(C7〜C25)アルキルアリールであり、更に好ましくは(C7〜C16)アルキルアリールであり、最も好ましくは(C7〜C12)アルキルアリールであり;
R21、R22およびR23は、同一または異なり、それぞれ独立して:水素(H)、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR21、R22およびR23は、それぞれ好ましくは独立して、(C1〜C16)アルキルであり、更に好ましくは(C1〜C12)アルキルであり、なお一層好ましくは(C1〜C8)アルキルであり、そして最も好ましくは(C1〜C5)アルキルであり;
cは0、1および2から選択される数であり;dは0、1および2から選択される数であり;そしてcとdとの合計は2(c+d=2)であり;そして
「四価ケイ素原子」Siの残りの自由原子価はアルファ−変性高分子に関連する)に対応するスルファニルシラン化合物部分。
iib2)式4B:
(R18O)c(R19)dSi−R20−S−H 式4B
(式中、Siはケイ素原子であり、Sは硫黄原子であり、Hは水素原子であり、Oは酸素原子であり;
R18は:水素(H)および(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
R19は:水素(H)、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR19は、好ましくは独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルから選択され;そしてR19は、さらに好ましくは(C1〜C10)アルキルから選択され;
R20は:ジ−(C2〜C20)アルキルエーテル(アルキル−O−アルキル)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、および(C1〜C18)アルキルからなる群から選択される二価基であり、各R20基は:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、(C7〜C16)アラルキル、ニトリル、アミン、NO2、およびチオアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、好ましくは:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、および(C7〜C16)アラルキルから選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく;そしてR20は、好ましくは(C1〜C16)アルキルであり、更に好ましくは(C1〜C12)アルキルであり、なお一層好ましくは(C1〜C8)アルキルであり、そして最も好ましくは(C1〜C5)アルキルである。別の実施形態では、R20は(C7〜C25)アルキルアリールであり、更に好ましくは(C7〜C16)アルキルアリールであり、最も好ましくは(C7〜C12)アルキルアリールであり;
cは0、1および2から選択される数であり;dは0、1および2から選択される数であり;そしてcとdとの合計は2(c+d=2)であり;そして「四価ケイ素原子」Siの残りの自由原子価はアルファ−変性高分子に関連する)に対応するスルファニルシラン化合物部分。
一実施形態では、第1組成物は、油をさらに含む。
一実施形態では、第1組成物は、フィラー、および加硫剤をさらに含む。さらなる実施形態では、第1組成物は油を更に含む。
本発明はさらに、少なくとも:1)フィラー;2)加硫剤;および3)本明細書中で記載される第1組成物の反応生成物を含む加硫ポリマー組成物も提供する。
本発明はさらに、加硫ポリマー組成物を作製する方法であって、少なくとも以下の構成成分:1)フィラー;2)加硫剤;および3)本明細書中で記載される第1組成物を反応させることを含む方法も提供する。
第1組成物は、本明細書中に記載される2以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
加硫組成物は、本明細書中に記載される2以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
以下の実施形態は、本発明の前記態様に当てはまる。
一実施形態では、分枝変性高分子(b1)および/または線状変性高分子(a1)は独立して、式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を含み、ここで、Eは、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9=CR10、N−CHR8−C=CHR10、N−CR8−CR9=CHR10、またはN−CHR8−CR9=CHR10である。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)および線状変性高分子(a1)はどちらも同じ種類のアミン基を含む。
一実施形態では、分枝変性高分子(b1)および/または線状変性高分子(a1)は、独立して、式1A、式1B、または式1Cから選択される少なくとも1つのアミン基を含み、ここで、aは2であり、bは0である。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)および線状変性高分子(a1)はどちらも同じ種類のアミン基を含む。
一実施形態では、分枝変性高分子(b1)および/または線状変性高分子(a1)は、独立して、式1A、式1B、式1C、式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を含み;そして分枝変性高分子(b1)は、式2A(ここで、R24は(C1〜C6)アルキルであり;R25、R26、R27およびR28は、同一または異なり、それぞれ独立して:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR25、R26、R27およびR28はそれぞれ好ましくは独立して、(C1〜C5)アルキルから選択される)から選択される基を含む。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)および線状変性高分子(a1)はどちらも同じ種類のアミン基を含む。
一実施形態では、分枝変性高分子(b1)および/または線状変性高分子(a1)は独立して、式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を含み、ここで、Eは、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9=CR10、N−CHR8−C=CHR10、N−CR8−CR9=CHR10、またはN−CHR8−CR9=CHR10である。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)は、式2A(式中、R24は(C1〜C6)アルキルであり;R25、R26、R27およびR28は、同一または異なり、それぞれ独立して:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR25、R26、R27およびR28は、それぞれ好ましくは独立して、(C1〜C5)アルキルから選択される)から選択される基を含む。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)および線状変性高分子(a1)はどちらも同じ種類のアミン基を含む。
一実施形態では、分枝変性高分子(b1)および/または線状変性高分子(a1)は、独立して、式1A、式1B、または式1Cから選択される少なくとも1つのアミン基を含み、ここで、aは2であり、bは0である。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)は、式2A(ここで、R24は(C1〜C6)アルキルであり;R25、R26、R27およびR28は、同一または異なり、それぞれ独立して:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR25、R26、R27およびR28は、それぞれ好ましくは独立して、(C1〜C5)アルキルから選択される)から選択される基を含む。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)および線状変性高分子(a1)はどちらも同じ種類のアミン基を含む。
一実施形態では、分枝変性高分子(b1)および/または線状変性高分子(a1)は独立して式1A、式1B、式1C、式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を含み;そして分枝変性高分子(b1)は、式2A(ここで、R29は:(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、および(C1〜C18)アルキルからなる群から選択される二価基であり、そして各R29基は:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、および/または(C7〜C16)アラルキルのうちの1つで置換されていてもよく;そしてR29は好ましくは(C1〜C5)アルキルである)から選択される基を含む。さらなる実施形態では、R24は(C1〜C6)アルキルであり;R25、R26、R27およびR28は、同一または異なり、それぞれ独立して:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR25、R26、R27およびR28は好ましくは(C1〜C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)および線状変性高分子(a1)はどちらも同じ種類のアミン基を含む。
一実施形態では、分枝変性高分子(b1)および/または線状変性高分子(a1)は独立して、式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を含み、ここで、Eは、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9=CR10、N−CHR8−C=CHR10、N−CR8−CR9=CHR10、またはN−CHR8−CR9=CHR10である。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)は、式2A(ここで、R29は:(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、および(C1〜C18)アルキルからなる群から選択される二価基であり、そして各R29基は:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)、アルコキシ、(C7〜C16)アリール、および/または(C7〜C16)アラルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;そしてR29は好ましくは(C1〜C5)アルキルである)から選択される基を含む。さらなる実施形態では、R24は(C1〜C6)アルキルであり;R25、R26、R27およびR28は、同一または異なり、それぞれ独立して、以下のもの:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR25、R26、R27およびR28はそれぞれ好ましくは独立して、(C1〜C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)および線状変性高分子(a1)はどちらも同じ種類のアミン基を含む。
一実施形態では、分枝変性高分子(b1)および/または線状変性高分子(a1)は、独立して、式1A、式1B、または式1Cから選択される少なくとも1つのアミン基を含み、ここで、aは2であり、bは0の数である。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)は、式2A(ここで、R29は:(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、および(C1〜C18)アルキルからなる群から選択される二価基であり、そして、各R29基は:(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C7〜C16)アリール、および/または(C7〜C16)アラルキルのうちの1つで置換されていてもよく;そしてR29は好ましくは、(C1〜C5)アルキルである。さらなる実施形態では、R24は(C1〜C6)アルキルであり;R25、R26、R27およびR28は、同一または異なり、それぞれ独立して、:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR25、R26、R27およびR28はそれぞれ好ましくは独立して、(C1〜C5)アルキルから選択される)から選択される基を含む。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)および線状変性高分子(a1)はどちらも同じ種類のアミン基を含む。
一実施形態では、分枝変性高分子(b1)および/または線状変性高分子(a1)は、独立して式1A、式1B、式1C、式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を含み;そして分枝変性高分子(b1)は、式2B(ここでR29は:(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、および(C1〜C18)アルキルからなる群から選択される二価基であり、そして各R29基は:(C1〜C4)アルキル、アルコキシ(C7〜C16)、(C7〜C16)アリール、および/または(C7〜C16)アラルキルからなる群から選択される1つの置換基で置換されていてもよく;そしてR29は好ましくは(C1〜C5)アルキルである)から選択される基を含む。さらなる実施形態では、R24は(C1〜C6)アルキルであり;R25は以下の:(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、および(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択され;そしてR25は、好ましくは(C1〜C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分枝変性高分子(b1)および線状変性高分子(a1)は、どちらも同じ種類のアミン基を含む。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、式中、Eは酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9=CR10、N−CHR8−C=CHR10またはN−CR8−CR9=CHR10、またはN−CHR8−CR9=CHR10である。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)は式2Bから選択される基を有し、式中、R29は二価の基であり、以下の基:(C6−C18)アリール、(C7−C18)アルキルアリール、および(C1−C18)アルキルからなる群から選択され、また各基は以下の基:(C1−C4)アルキル、(C7−C16)アルコキシ、(C7−C16)アリール、および/または(C7−C16)アラルキルのうち1つで置換されてもよく;またR29は好ましくは(C1−C5)アルキルである。さらなる実施形態では、R24は(C1−C6)アルキルであり;R25は以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から選択され;またR25は好ましくは(C1−C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1A、式1B、または式1Cから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、式中、aは2の数字であり、bは0の数字である。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)は式2Bから選択される基を有し、式中、R29は二価の基であり、以下の基:(C6−C18)アリール、(C7−C18)アルキルアリール、および(C1−C18)アルキルからなる群から選択され、また各基は以下の基:(C1−C4)アルキル、アルコキシ(C7−C16)、(C7−C16)アリール、および/または(C7−C16)アラルキルのうち1つで置換されてもよく;またR29は好ましくは(C1−C5)アルキルである。さらなる実施形態では、R24は(C1−C6)アルキルであり;R25は以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から選択され;またR25は好ましくは(C1−C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1A、式1B、式1C、式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、直鎖状変性高分子(a1)は、式4Aまたは式4Bに対応するスルファニルシラン(sulfanylsilane)化合物部分から選択される基を有する。さらなる実施形態では、R21、R22、およびR23は同一または互いに異なり、またそれぞれが以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から互いに独立して選択され;またR21、R22、およびR23は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、式中Eは酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9=CR10、N−CHR8−C=CHR10、N−CR8−CR9=CHR10、またはN−CHR8−CR9=CHR10である。さらなる実施形態では、式4Aまたは式4Bに対応するスルファニルシラン化合物部分から選択される基を有する。さらなる実施形態では、R21、R22、およびR23は同一または互いに異なり、またそれぞれが以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から互いに独立して選択され;またR21、R22、およびR23は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1A、式1B、または式1Cから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、式中、aは2の数字であり、bは0の数字である。さらなる実施形態では、式4Aまたは式4Bに対応するスルファニルシラン化合物部分から選択される基を有する。さらなる実施形態では、R21、R22、およびR23は同一または互いに異なり、またそれぞれが以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から互いに独立して選択され;またR21、R22、およびR23は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1A、式1B、式1C、式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、直鎖状変性高分子(a1)は式4Aに対応するスルファニルシラン化合物部分から選択される基を有する。さらなる実施形態では、R21、R22、およびR23は同一または互いに異なり、またそれぞれが以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から互いに独立して選択され;またR21、R22、およびR23は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、式中、Eは酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9=CR10、N−CHR8−C=CHR10、N−CR8−CR9=CHR10、またはN−CHR8−CR9=CHR10である。さらなる実施形態では、直鎖状変性高分子は式4Aに対応するスルファニルシラン化合物部分から選択される基を有する。さらなる実施形態では、R21、R22、およびR23は同一または互いに異なり、またそれぞれが以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から互いに独立して選択され;またR21、R22、およびR23は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1A、式1B、または式1Cから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、式中、aは2の数字であり、bは0の数字である。さらなる実施形態では、式4Aに対応するスルファニルシラン化合物部分から選択される基を有する。さらなる実施形態では、R21、R22、およびR23は同一または互いに異なり、またそれぞれが以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から互いに独立して選択され;またR21、R22、およびR23は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1A、式1B、式1C、式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、直鎖状変性高分子(a1)は式4Bに対応するスルファニルシラン化合物部分から選択される基を有する。さらなる実施形態では、R20は(C6−C18)アリール、(C7−C18)アルキルアリール、または(C1−C18)アルキルである。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1D、式1E、または式1Fから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、式中、Eは酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9=CR10、N−CHR8−C=CHR10、N−CR8−CR9=CHR10、またはN−CHR8−CR9=CHR10である。さらなる実施形態では、直鎖状変性高分子は式4Bに対応するスルファニルシラン化合物部分から選択される基を有する。さらなる実施形態では、R20は(C6−C18)アリール、(C7−C18)アルキルアリール、または(C1−C18)アルキルである。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
一実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および/または直鎖状変性高分子(a1)が独立して式1A、式1B、または式1Cから選択される少なくとも1つのアミン基を有し、式中、aは2の数字であり、bは0の数字である。さらなる実施形態では、直鎖状変性高分子は式4Bに対応するスルファニルシラン化合物部分から選択される基を有する。さらなる実施形態では、R20は(C6−C18)アリール、(C7−C18)アルキルアリール、または(C1−C18)アルキルである。さらなる実施形態では、分岐状変性高分子(b1)および直鎖状変性高分子(a1)の両方が同じ種類のアミン基を有する。
以下の実施形態は、本明細書に記載のあらゆる適用可能な態様および実施形態に適用される。
一実施形態では、変性ポリマーは変性スチレン−ブタジエンコポリマー、変性ポリブタジエン、変性ブタジエン−イソプレンコポリマー、変性ポリイソプレン、および変性ブタジエン−スチレン−イソプレンターポリマーからなる群から選択される。
一実施形態では、本発明の組成物はさらに、スチレン−ブタジエンコポリマー(これに限定されないが溶液スチレンブタジエンゴム(SSBR)やエマルジョンスチレンブタジエンゴム(ESBR)など);ポリブタジエン(90〜99パーセント、30〜70パーセント、および2〜25パーセントの濃度の1,4−シス−ポリブタジエンを含むポリブタジエン);ブタジエン−イソプレンコポリマー;ポリイソプレン;ブタジエン−スチレン−イソプレンターポリマー;およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを有する。
本発明の組成物は、本明細書に記載の2またはそれ以上の実施形態の組み合わせを有してもよい。
本発明はまた、本発明の組成物から形成される少なくとも1つの成分(component)を含む物品を提供する。一実施形態では、物品はタイヤである。
独創的な物品は、本明細書に記載の2またはそれ以上の実施形態の組み合わせを有してもよい。
アミン系重合開始剤化合物
アミン系重合開始剤化合物は第三アミン基を含み、式1G〜式1L:
で表される少なくとも1つの化合物から選択され、
式中、Mはリチウム、ナトリウム、またはカリウムであり、Nは窒素原子であり、Cは炭素原子であり、Hは水素原子であり;
Eは(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、(C7−C18)アラルキル、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9=C(M)R10、N−CHR8−C(M)=CHR10、N−C(M)R8−CR9=CHR10、またはN−CHR8−CR9=CHR10であり;
R6は次の基:水素(H)、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、(C7−C18)アラルキル、および−SiR36R37R38(R36、R37、およびR38はそれぞれ独立して次の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリールおよび(C7−C18)アラルキルからなるからなる群から選択され;R36、R37、およびR38は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される)からなる群から選択され;またR6は好ましくは(C6−C10)アリールまたは−SiR36R37R38から選択され;
R7は以下の基:水素(H)、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、(C7−C18)アラルキル、−CHR8−CR9=CHR10、および−SiR36R37R38(R36、R37、およびR38はそれぞれ独立して次の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリールおよび(C7−C18)アラルキルからなるからなる群から選択され;R36、R37、およびR38は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される)からなる群から選択され;またR7は好ましくは(C6−C10)アリール、−CHR8−CR9=C(M)R10、−CHR8−C(M)=CHR10、−C(M)R8−CR9=CHR10、−CHR8−CR9=CHR10、または−SiR36R37R38であり、ならびに
R8、R9、R10、R11、およびR12はそれぞれ独立して以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から選択され;またR8、R9、R10、R11、およびR12は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択され;
aは1または2の数字であり;bは0(zero)または1(one)の数字であり;また式1G〜式1Lはルイス塩基付加物、特に、ここに示されていないアルカリ金属カチオンと結合したルイス塩基分子を含んでいてもよい。
一実施形態では、アミン系重合開始剤化合物は、式1G〜式1L(式中、Mはリチウムであり、Nは窒素原子であり、Cは炭素原子であり、Hは水素原子であり;Eは酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9=C(M)R10、N−CHR8−C(M)=CHR10、N−C(M)R8−CR9=CHR10、またはN−CHR8−CR9=CHR10である)で表される化合物を有する第三アミン基を含む。
一実施形態では、式1G〜式1Iに関して、aは2の数字であり、bは0の数字である。
一実施形態では、式1J〜1Lに関して、Eは酸素原子(O)である。
別の実施形態では、Eは硫黄原子(S)である。
別の実施形態では、EはN−CHR8−CR9=C(M)R10、N−CHR8−C(M)=CHR10、N−C(M)R8−CR9=CHR10、またはN−CHR8−CR9=CHR10である。
アミン系開始剤化合物は、本明細書に記載の2またはそれ以上の実施形態の組み合わせを有してもよい。
「アミン系重合開始剤化合物」として本明細書中に特定されるアミン含有ヒドロカルビルアルカリ化合物は、本発明により使用され、アニオン性溶液重合反応中に、コンジュゲートしたジエン、トリエン、およびモノビニルの脂肪族モノマーおよび芳香族モノマー、ならびに他のモノマーの重合を開始する。
アミン系重合開始剤化合物は、式1Mまたは式1L:
で表される対応するプロトン化アミン系重合開始剤前駆体化合物から作製され、
式中、Mはリチウム、ナトリウム、またはカリウムであり、Nは窒素原子であり、Cは炭素原子であり、Hは水素原子であり;
Eは(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、(C7−C18)アラルキル、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9=CHR10であり;
R6は次の基:水素(H)、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、(C7−C18)アラルキル、および−SiR36R37R38(R36、R37、およびR38はそれぞれ独立して次の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリールおよび(C7−C18)アラルキルからなるからなる群から選択され;R36、R37、およびR38は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される)からなる群から選択され;またR6は好ましくは(C6−C10)アリールまたは−SiR36R37R38から選択され;
R7は以下の基:水素(H)、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、(C7−C18)アラルキル、−CHR8−CR9=CHR10、および−SiR36R37R38(R36、R37、およびR38はそれぞれ独立して以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から選択され;またR36、R37、およびR38は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される)からなる群から選択され;またR7は好ましくは(C6−C10)アリールまたは−SiR36R37R38であり;
R8、R9、R10、R11、およびR12はそれぞれ独立して以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から選択され;R8、R9、R10、R11、およびR12は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択され;
aは1または2の数字であり;またbは0(zero)または1(one)の数字である。
アミン系重合開始剤前駆体化合物は強力なルイス塩基と接触すると、アミン系重合開始剤化合物が生じ、これはヒドロカルビルアルカリ化合物またはヒドロカルビルアルカリ水素化物、好ましくはヒドロカルビルリチウム化合物、ヒドロカルビルリチウム水素化物、ヒドロカルビルナトリウム水素化物、またはヒドロカルビルカリウム水素化物、さらにより好ましくはアルキルリチウム化合物、アルキルリチウム水素化物、またはアルカリナトリウム水素化物、さらにより好ましくはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、またはtert−ブチルリチウム、溶媒中のリチウム水素化物またはナトリウム水素化物を含む。
各アミン系重合開始剤化合物は対応するヒドロカルビルアルカリ化合物を使用して調製されるが、好ましくは非極性溶媒中で、5秒〜48時間、好ましくは5秒〜10時間、さらにより好ましくは10秒〜5時間の期間で、−80℃〜130℃、好ましくは−10℃〜100℃、さらにより好ましくは20℃〜80℃の範囲の温度で、「ルイス塩基」に対する「アミン系重合開始剤前駆体化合物」を理論混合比0.1〜10、好ましくは0.4〜5、さらにより好ましくは0.8〜1.3の範囲で使用して調製された。
各アミン系重合開始剤化合物は対応するアルカリ水素化物化合物を使用して調製されるが、好ましくは双極性の非プロトン性溶媒中で、5分〜48時間、好ましくは10分〜36時間、さらにより好ましくは20分〜24時間の期間で、0℃〜130℃、好ましくは10℃〜80℃、さらにより好ましくは20℃〜60℃の範囲の温度で、「ルイス塩基」に対する「アミン系重合開始剤前駆体化合物」を理論混合比1〜10、好ましくは1〜5、さらにより好ましくは1〜2の範囲で使用して調製された。
有効なアミン系重合開始剤前駆体化合物は以下:
を含む。
好ましい実施形態では、アミン系重合開始剤化合物(本明細書に記載の)は、まずモノマーと反応してリビングポリマー(living polymer)(アルファ−変性リビングポリマー巨大分子(macromolecule))を形成する。リビングポリマーは次いでカップリング剤(本明細書に記載の)と反応して分岐状変性高分子を形成し、分岐状変性高分子とアルファ−変性リビングポリマー巨大分子を含むその組成物は次いで鎖末端変性剤化合物と反応して第一ポリマー組成物を形成する。
一実施形態では、アミン系重合開始剤化合物は式1G、1H、または1Iの化合物である。別の実施形態では、アミン系重合開始剤化合物は式1J、1K、または1Lの化合物である。
一実施形態では、結合変性剤(coupling modifier agent)はSnCl4、(R1)3SnCl、(R1)2SnCl2、R1SnCl3、SiCl4、(R1)3SiCl、(R1)2SiCl2、R1SiCl3、Cl3Si−SiCl3、Cl3Si−O−SiCl3、Cl3Sn−SnCl3、Cl3Sn−O−SnCl3である。スズおよびケイ素アルコキシドカップリング剤の例としては、Sn(OMe)4、Si(OMe)4、Sn(OEt)4およびSi(OEt)4が挙げられる。
別の実施形態では、結合変性剤は式2A(以下に記載)の化合物である。
別の実施形態では、結合変性剤は式2C(以下に記載)の化合物である。さらなる実施形態では、鎖末端変性剤化合物は式4C(以下に記載)の化合物である。
結合変性剤
化学構造(ib1)による結合変性剤としては、四塩化スズ、四臭化スズ、四フッ化スズ、四ヨウ化スズ、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四フッ化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、三ハロゲン化アルキルスズおよび三ハロゲン化アルキルケイ素、または二ハロゲン化ジアクリル(diaklyl)スズおよび二ハロゲン化ジアルキルケイ素が挙げられるが、これらもまた使用し得る。四ハロゲン化スズまたは四ハロゲン化ケイ素と結合するポリマーは、最大4つまでのアームを有し、三ハロゲン化アルキルスズおよび三ハロゲン化アルキルケイ素と結合するポリマーは最大2つまでのアームを有し、二ハロゲン化ジアルキルスズおよび二ハロゲン化ジアルキルケイ素と結合するポリマーは最大2つまでのアームを有する。ヘキサハロジシラン(hexahalo disilane)またはヘキサハロジシロキサン(hexahalo disiloxane)はまた、最大6つまでのアームを有するポリマーをもたらすカップリング剤として使用され得る。有効なハロゲン化スズおよびハロゲン化ケイ素カップリング剤として:SnCl4、(R1)2SnCl2、R1SnCl3、SiCl4、(R1)2SiCl2、R1SiCl3、Cl3Si−SiCl3、Cl3Si−O−SiCl3、Cl3Sn−SnCl3、Cl3Sn−O−SnCl3(式中、R1はヒドロカルビル基、好ましくはアルキル基である)が挙げられる。スズアルコキシドカップリング剤およびケイ素アルコキシドカップリング剤の例としてさらに、Sn(OMe)4、Si(OMe)4、Sn(OEt)4およびSi(OEt)4が挙げられる。最も好ましいカップリング剤はSnCl4、SiCl4、Sn(OMe)4、およびSi(OMe)4である。
化学構造(ib2)から(ib4)による結合変性剤は、以下の式2Aおよび2Cに関連する本明細書に記載の対象化合物を含む。「分岐状変性高分子(またはアルファ−変性/分岐状変性高分子)」という用語は、対象結合変性剤による2またはそれ以上のリビングポリマー鎖(またはアルファ−変性リビングポリマー巨大分子)の反応生成物を意味することを意図する。
変性カップリング剤は、式2Aおよび式2C:
で表されるスルファニルシラン変性剤化合物を含み、
式中、SiおよびSi’はケイ素原子であり、Sは硫黄原子であり、Nは窒素原子であり、Oは酸素原子であり、またHは水素原子であり;
R24およびR30は以下の基:水素(H)および(C1−C6)アルキルからなる群から選択され;
R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33およびR34は同一または互いに異なり、またそれぞれ独立して以下の基:水素(H)、(C1−C18)アルキル、(C1−C18)アルコキシ、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から選択され;R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、およびR34は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C5)アルキルから選択される。別の実施形態では、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、およびR34はそれぞれ独立して(C1−C16)アルキル、より好ましくは(C1−C12)アルキル、さらにより好ましくは(C1−C8)アルキル、また最も好ましくは(C1−C4)アルキルである。
R29およびR35はそれぞれ以下の基:ジ−(C2−C20)アルキルエーテル(アルキル−O−アルキル)、(C6−C18)アリール、(C7−C18)アルキルアリール、および(C1−C18)アルキルからなる群から選択される二価の基であり、各R29またはR35基は以下の基:(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C7−C16)アリール、(C7−C16)アラルキル、アミン、および/またはチオアルキルの少なくとも1つで置換されてもよい。好ましくはR29およびR35はそれぞれ独立して(C1−C16)アルキル、より好ましくは(C1−C12)アルキル、さらにより好ましくは(C1−C8)アルキル、および最も好ましくは(C1−C5)アルキルである。別の実施形態では、R29およびR35はそれぞれ独立して(C7−C25)アルキルアリール、より好ましくは(C7−C16)アルキルアリール、および最も好ましくは(C7−C12)アルキルアリールであり;
qおよびsは独立して2または3の数字であり;rおよびuは独立して0または1の数字であり;qとrの合計(またはq+r)およびuとvの合計(またはu+v)はそれぞれ3である。
式2Aまたは式2Cには示されていないが、対象化合物はその対応するルイス塩基付加物(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、またはジメトキシエタンからの溶媒分子を有し、ケイ素原子で配位結合した)を含み得ることは理解されるであろう。
一実施形態では、R26、R27、R28、R32、R33、およびR34は同一または互いに異なり、またそれぞれ独立して水素(H)または(C1−C16)アルキルから選択され;およびアルキルは特にMe、Et、Pr(異性体)、およびBu(異性体)を含む。
一実施形態では、R29およびR35は同一または互いに異なっており、またそれぞれ独立して(C1−C16)の二価のアルキル基、または(C1−C16)の二価のアラルキル基から選択され;また二価のアルキル基は特に二価のCH2、C2H4、C3H6、およびC4H8基を含む。
一実施形態では、R29およびR35はそれぞれ独立してアルキレンである。さらなる実施形態では、アルキレンは−CH2−(メチレン)、−(CH2)2−(エチリデン)、−(CH2)3−(プロピリデン)または−(CH2)4−(ブチリデン)から選択される。
一実施形態では、R29およびR35はそれぞれ独立して二価のアラルキレンである。さらなる実施形態では、アラルキレンは−CH2−C6H4−CH2−(キシリデン)、または−C6H4−C(CH3)2−C6H4−から選択される。
一実施形態では、R24、R25、R26、R27、R28、R30、R31、R32、R33、およびR34はそれぞれ独立してアルキルである。さらなる実施形態では、アルキルはCH3−(メチル)、CH3−CH2−(エチル)、CH3−(CH2)2−(プロピル)、(CH3)2−CH−(イソ−プロピル)、CH3−(CH2)3−(n−ブチル)、(CH3)2CH−CH2−(sec−ブチル)、またはCH3−C(CH3)2−(tert−ブチル)から選択される。
一実施形態では、式2Aおよび式2Cのそれぞれに関し、R24およびR30はそれぞれ独立して(C1−C4)アルキルであり、また好ましくはメチル、エチル、プロピル異性体、またはブチル異性体である。
一実施形態では、式2Aおよび式2Cのそれぞれに関し、R26、R27、R28、R32、R33、およびR34はそれぞれ個々に(C1−C6)の直鎖状アルキル、(C6−C12)の環状アルキル、および(C6−C15)アリールからなる群から選択される。
一実施形態では、式2Aおよび式2Cのそれぞれに関し、R29およびR35はそれぞれ個々に(C1−C10)の直鎖状アルキル(二価)、(C6−C12)の環状アルキル(二価)、(C6−C15)アリール(二価)、および(C7−C12)アルキルアリール(二価)からなる群から選択される。
式2Aおよび式2Cの各化合物は、本明細書に記載の2またはそれ以上の実施形態の組み合わせを有してもよい。
結合変性剤は、好ましくは化学構造(ib2)から(ib4)により、さらにより好ましくは式2Aおよび2Cにより示される。
一実施形態では、変性カップリング剤は上記のように式2A:(R24O)q(R25)rSi−R29−S−Si’R26R27R28で表されるスルファニルシラン変性剤化合物である。
一実施形態では、R29は(C7−C100)アラルキル、(C6−C100)アリール、(C1−C100)アルキル、または(C2−C100)ジアルキルエーテル(アルキル−O−アルキル)であり、各R29基は随意に(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C7−C16)アリール、(C7−C16)アラルキル、アミン、またはチオアルキルで置換される。
一実施形態では、rは0の数字であり、またR24、R26、R27、およびR28は同一または互いに異なり、またそれぞれ独立して水素(H)、(C1−C16)アルキル、または(C1−C16)トリアルキルシリルから選択され;およびアルキルは特にMe、Et、Pr(異性体)、およびBu(異性体)を含む。
一実施形態では、R29は(C1−C16)の二価のアルキル基、または(C1−C16)の二価のアラルキル基であり;また二価のアルキル基は特に二価のCH2、C2H4、C3H6、およびC4H8基を含む。
一実施形態では、R29はアルキレンである。さらなる実施形態では、アルキレンは−CH2−(メチレン)、−(CH2)2−(エチリデン)、−(CH2)3−(プロピリデン)、または−(CH2)4−(ブチリデン)から選択される。
一実施形態では、R29は二価のアラルキレン基である。さらなる実施形態では、アラルキレン基は−CH2−C6H4−CH2−(キシリデン)または−C6H4−C(CH3)2−C6H4−から選択される。
一実施形態では、rは0の数字であり、またR24、R26、R27、およびR28はそれぞれ独立してアルキルである。さらなる実施形態では、アルキルはCH3−(メチル)、CH3−CH2−(エチル)、CH3−(CH2)2−(プロピル)、(CH3)2−CH−(イソ−プロピル)、CH3−(CH2)3−(n−ブチル)、(CH3)2CH−CH2−(sec−ブチル)、またはCH3−C(CH3)2−(tert−ブチル)から選択される。
一実施形態では、rは0の数字であり、またR24は(C1−C4)のアルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル異性体、またはブチル異性体である。
一実施形態では、R26、R27、およびR28はそれぞれ独立して(C1−C6)の直鎖状アルキル、(C6−C12)の環状アルキル、および(C6−C15)アリールからなる群から選択される。
一実施形態では、R29は(C1−C10)の直鎖状アルキル(二価)、(C6−C12)の環状アルキル(二価)、(C6−C15)アリール(二価)、および(C7−C12)アルキルアリール(二価)からなる群から選択される。
式2Aは本明細書に記載の2またはそれ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
式2Aによる有効な変性カップリング剤は、以下:
(MeO)3Si−(CH2)3−S−SiMe3、(EtO)3Si−(CH2)3−S−SiMe3、(PrO)3Si−(CH2)3−S−SiMe3、(BuO)3Si−(CH2)3−S−SiMe3、(MeO)3Si−(CH2)2−S−SiMe3、(EtO)3Si−(CH2)2−S−SiMe3、(PrO)3Si−(CH2)2−S−SiMe3、(BuO)3Si−(CH2)2−S−SiMe3、(MeO)3Si−CH2−S−SiMe3、(EtO)3Si−CH2−S−SiMe3、(PrO)3Si−CH2−S−SiMe3、(BuO)3Si−CH2−S−SiMe3、(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(BuO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、((MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(BuO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(MeO)3Si−(CH2)3−S−SiEt3、(EtO)3Si−(CH2)3−S−SiEt3、(PrO)3Si−(CH2)3−S−SiEt3、(BuO)3Si−(CH2)3−S−SiEt3、(MeO)3Si−(CH2)2−S−SiEt3、(EtO)3Si−(CH2)2−S−SiEt3、(PrO)3Si−(CH2)2−S−SiEt3、(BuO)3Si−(CH2)2−S−SiEt3、(MeO)3Si−CH2−S−SiEt3、(EtO)3Si−CH2−S−SiEt3、(PrO)3Si−CH2−S−SiEt3、(BuO)3Si−CH2−S−SiEt3、(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(BuO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、((MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(BuO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、を含む。
一実施形態では、変性カップリング剤は上記のように式2C:
(R30O)s(R31)tSi−R35−N(H)u(Si’R32R33R34)v
で表される。
一実施形態では、R35は(C7−C100)アラルキル、(C6−C100)アリール、(C1−C100)アルキル、または(C2−C100)ジアルキルエーテル(アルキル−O−アルキル)であり、各基は随意に(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C7−C16)アリール、(C7−C16)アラルキル、アミン、またはチオアルキルで置換される。
一実施形態では、tは0の数字であり、R30、R32、R33、およびR34は同一または互いに異なり、またそれぞれ独立して水素(H)、(C1−C16)アルキル、または(C1−C16)トリアルキルシリルから選択され;アルキルは特にMe、Et、Pr(異性体)、およびBu(異性体)を含む。
一実施形態では、R35は(C1−C16)の二価のアルキル基、または(C1−C16)の二価のアラルキル基であり;二価のアルキル基は特に二価のCH2、C2H4、C3H6、およびC4H8基を含む。
一実施形態では、R35はアルキレンである。さらなる実施形態では、アルキレンは−CH2−(メチレン)、−(CH2)2−(エチリデン)、−(CH2)3−(プロピリデン)、または−(CH2)4−(ブチリデン)から選択される。
一実施形態では、R35は二価のアラルキレン基である。さらなる実施形態では、アラルキレン基は−CH2−C6H4−CH2−(キシリデン)または−C6H4−C(CH3)2−C6H4−である。
一実施形態では、tは0の数字であり、R30、R32、R33、およびR34はそれぞれ独立してアルキルである。さらなる実施形態では、アルキルはCH3−(メチル)、CH3−CH2−(エチル)、CH3−(CH2)2−(プロピル)、(CH3)2−CH−(イソ−プロピル)、CH3−(CH2)3−(n−ブチル)、(CH3)2CH−CH2−(sec−ブチル)、またはCH3−C(CH3)2−(tert−ブチル)から選択される。
一実施形態では、tは0の数字であり、R30は(C1−C4)アルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル異性体、またはブチル異性体である。
一実施形態では、R32、R33、およびR34はそれぞれ独立して(C1−C6)の直鎖状アルキル、(C6−C12)の環状アルキル、および(C6−C15)アリールからなる群から選択される。
一実施形態では、R35は(C1−C10)の直鎖状アルキル(二価)、(C6−C12)の環状アルキル(二価)、(C6−C15)アリール(二価)、および(C7−C12)アルキルアリール(二価)からなる群から選択される。
式2Cは、本明細書に記載の2またはそれ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
カップリング剤は、重合中に断続的に(または規則的なもしくは不規則的な間隔で)または継続的に添加され得るが、好ましくは80パーセント超の重合転化率で、より好ましくは90パーセント超の重合転化率で添加され得る。
例えばカップリング剤は、非対称結合を所望する場合には重合中に継続的に添加され得る。この継続的な添加は通常、大部分の重合が生じているゾーンとは別個のゾーンで行う。カップリング剤は、炭化水素溶液中で、例えばシクロヘキサン中で、分配(distribution)と反応に好適な混合で重合付加物と添加され得る。カップリング剤は、典型的には高い重合率を既に達成した後にのみ添加される。例えば、カップリング剤は通常、約80パーセント超のモノマー重合率が認められた後にのみ添加される。典型的には、結合変性剤を添加する前に、モノマー重合率が少なくとも90パーセントを達成することが望ましいだろう。本発明によるカップリング剤と結合したポリマーは最小2つのアームを有する。
好ましくは、相当量のポリマー鎖末端がカップリング剤による反応の前に終端されていない;つまり、リビングポリマー鎖末端は、ポリマー鎖結合反応の際に存在し、またカップリング剤と反応することができる。結合反応は、鎖末端変性剤の添加前、添加後、またはその最中であり得る。好ましくは結合反応は鎖末端変性剤の添加前に完了する。一実施形態では、結合反応の結果、80パーセント以下のリビングポリマー鎖がカップリング剤と反応する。好ましくは65パーセント以下のポリマー鎖がカップリング剤と反応し、より好ましくは50パーセント以下のポリマー鎖がカップリング剤と反応する。
いくつかの実施形態では、10〜20パーセントのリビングポリマー鎖末端(GPCにより測定した場合)が鎖末端変性剤の添加前、カップリング剤と反応する。他の実施形態では、20〜35パーセントのリビングポリマー鎖末端が、鎖末端変性剤の添加前にカップリング剤と反応する。さらに他の実施形態では、35〜50パーセントのリビングポリマー鎖末端が、鎖末端変性剤の添加前にカップリング剤と反応する。カップリング剤は希釈せずに直接ポリマー溶液に添加してもよいが;不活性溶媒(例えばシクロヘキサン)などの溶液中にカップリング剤を添加することが有効であり得る。重合に添加される変性カップリング剤の量は様々であり、モノマーの種類、カップリング剤、鎖末端変性剤、反応条件、および所望の末端特性によるが、一般に、4molのアミン系重合開始剤化合物、好ましくは式1G〜1Lによるアミン系重合開始剤化合物、さらにより好ましくは式1J〜1Lによるアミン系重合開始剤化合物あたり、約0.01molから1.5mol未満のカップリング剤が利用され、続く残存リビングポリマー画分のポリマー鎖末端変性を可能にする。例えば、異なる種類のカップリング剤を使用した場合、0.01〜1.5mol、好ましくは0.01〜1.0mol、およびより好ましくは0.01〜0.6molの変性カップリング剤を、リビングひいてはアニオン性ポリマー鎖末端の4.0モル毎に利用する。
前に記載したスズまたはケイ素含有カップリング剤の組み合わせは、随意に使用されポリマーを結合させ得る。例えば式2Aによる様々な変性剤化合物などの様々なカップリング剤の組み合わせもまた、使用されてポリマー鎖を結合させ得る。別の実施形態では、例えば式2Aによる変性剤化合物および式2Cによる変性剤化合物などの様々なカップリング剤の組み合わせが、随意に使用されポリマー鎖を結合させ得る。さらに別の実施形態では、式2Cによるまたは式2Aによる変性カップリング剤と、例えばこれに限定されないが四塩化スズまたはテトラメトキシシランなどの他のカップリング剤との組み合わせもまた使用され得る。そのようなスズおよびケイ素カップリング剤の組み合わせ、つまり式2Aおよび2Cによる変性カップリング剤の群を含むケイ素カップリング剤を使用することにより、より低下したヒステリシスなどのタイヤゴムの特性の改良が実現し得る。特に、シリカとカーボンブラックの両方を含有するタイヤトレッド用化合物においてスズおよびケイ素カップリング剤の組み合わせを利用することが望ましい。そのような場合、弾性ポリマーの結合の際に使用されるスズとケイ素化合物のモル比は、通常、20:80〜95:5、より典型的には40:60〜90:10、および好ましくは60:40〜85:15の範囲内であり得る。最も典型的には、式2Aおよび2Cによる変性カップリング剤の群を含むカップリング剤(スズおよびケイ素化合物、ケイ素カップリング剤)の0.001〜4.5mmolの範囲が、弾性ポリマーの100グラムあたりに使用される。通常、100グラムのポリマーあたり約0.05〜約0.5mmolのカップリング剤を利用して、所望のムーニー粘度を得、またこれに続く残存リビングポリマー画分の鎖末端官能基化を可能にすることが好ましい。これより大きい量であると、末端に反応性基または不完全な結合を含むポリマーを生成する傾向があり、また不完全な鎖末端変性になる可能性のみを与える。
一実施形態では、0.01以上5.0mol未満、好ましくは0.05〜2.5mol、およびより好ましくは0.1〜1.5molのカップリング剤が、リビングリチウムポリマー鎖末端の10.0モル毎に利用される。カップリング剤は、反応容器において炭化水素溶液中(例えばシクロヘキサン中)で、分配と反応に好適な混合で重合付加物と付加され得る。
ポリマー結合反応は、0℃〜150℃、好ましくは15℃〜120℃、さらにより好ましくは40℃〜100℃の温度範囲で実施されてもよい。結合反応の継続時間に制限はないが、経済的な重合過程に関して;バッチ重合過程の場合、結合反応は通常、カップリング剤の添加後約5〜60分で停止される。
カップリング剤は、反応容器において炭化水素溶液中で、例えばシクロヘキサン中で、分配と反応に好適な混合で重合付加物と添加され得る。変性カップリング剤は、国際公開第WO/2009/148932号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載のように調製され得る。
対象変性カップリング剤は、以下に記載のスルファニルシラン化合物を含む:米国特許第6,229,036号、国際公開第WO2007/047943号、および国際公開第WO/2009/148932(それぞれがその全体が参照により本明細書に組み込まれ、スルファニルシラン化合物の調製方法を含む)。開示のスルファニルシラン化合物のなかで、ハロゲン類を含まないものが好ましい。
鎖末端変性剤
さらにポリマー特性を調節するために、鎖末端変性剤が使用される。「鎖末端変性剤」という用語は以下の式4Cに関連する本明細書に記載の対象化合物を意味することを意図する。「直鎖状変性高分子」という用語は対象末端変性剤による主要な1つのリビングポリマー鎖(またはアルファ−変性リビングポリマー巨大分子)の反応生成物を意味することを意図する。
対象鎖末端変性剤は式4C:
(R18O)c(R19)dSi−R20−S−Si’(R21)(R22)R23 (式4C)
による化合物を含む。
式4Cでは、SiおよびSi’はケイ素原子であり;Sは硫黄であり;Oは酸素であり;
cは1、2、および3から選択される整数であり;dは0、1、および2から選択される整数であり;cとdの和は3(c+d=3)であり;
R18は以下の基:(C1−C6)アルキルからなる群から選択され;
R19は以下の基:(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から選択され;またR19は好ましくは(C1−C10)アルキル化ら選択され;
R20は以下の基(C6−C18)アリール、(C7−C18)アルキルアリール、および(C1−C18)アルキルからなる群から選択される二価の基であり、各基は少なくとも以下の基:(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C7−C16)アリール、(C7−C16)アラルキル、および/またはチオアルキルで置換されてもよい。好ましくはR20は(C1−C16)アルキル、より好ましくは(C1−C12)アルキル、さらにより好ましくは(C1−C8)アルキル、および最も好ましくは(C1−C5)アルキルである。別の実施形態では、R20は(C7−C25)アルキルアリール、より好ましくは(C7−C16)アルキルアリール、および最も好ましくは(C7−C12)アルキルアリールである。
R21、R22、およびR23は同一または互いに異なり、またそれぞれ独立して以下の基:(C1−C18)アルキル、(C1−C18)アルコキシ、(C6−C18)アリール、および(C7−C18)アラルキルからなる群から選択され;またR21、R22、およびR23は好ましくは独立して(C1−C5)アルキルから選択される。別の実施形態では、R21、R22、およびR23はそれぞれ独立して(C1−C16)アルキル、より好ましくは(C1−C12)アルキル、さらにより好ましくは(C1−C8)アルキル、および最も好ましくは(C1−C4)アルキルである。
一実施形態では、R18、R19、R20、R21、R22、およびR23は同一または互いに異なり、またそれぞれ独立して水素(H)、(C1−C16)アルキル、または(C1−C16)トリアルキルシリルから選択され;またアルキルは特にMe、Et、Pr、およびBuを含む。
一実施形態では、R20は(C1−C16)の二価のアルキル基、または(C1−C16)の二価のアラルキル基から選択され;また二価のアルキル基は特に二価のMe、Et、Pr、およびBu基を含む。
一実施形態では、R20はアルキレンである。さらなる実施形態では、アルキレンは−CH2−(メチレン)、−(CH2)2−(エチリデン)、−(CH2)3−(プロピリデン)、または−(CH2)4−(ブチリデン)から選択される。
一実施形態では、R20は二価のアラルキレン基である。さらなる実施形態では、アラルキレン基は−CH2−C6H4−CH2−(キシリデン)または−C6H4−C(CH3)2−C6H4−である。
一実施形態では、R18、R19、R21、R22、およびR23はそれぞれ独立してアルキルである。さらなる実施形態では、アルキルはCH3−(メチル)、CH3−CH2−(エチル)、CH3−(CH2)2−(プロピル)、CH3−(CH2)3−(n−ブチル)、またはCH3−C(CH3)2−(tert−ブチル)から選択される。
一実施形態では、式4Cに関し、R20は(C1−C10)の直鎖状アルキル(二価)、(C6−C12)の環状アルキル(二価)、(C6−C15)のアリール(二価)、および(C7−C12)のアルキルアリール(二価)からなる群から選択される。
式4Cは、本明細書に記載の2またはそれ以上の実施形態の組み合わせを有してもよい。
一実施形態では、鎖末端変性剤は、式4C、上記で説明したような[(R18O)c(R19)dSi−R20−S−Si’(R21)(R22)R23](式中、SiおよびSi’はケイ素原子であり;Sは硫黄であり;Oは酸素であり;cは1および2から選択される整数であり;dは1および2から選択される整数である)の化合物である。さらなる実施形態では、R18、R19、R21、R22、およびR23は同一または互いに異なって、またそれぞれ独立して水素(H)、(C1−C16)アルキルまたは(C1−C16)トリアルキルシリルから選択され;またアルキルは特にMe、Et、Pr、およびBuを含む。さらなる実施形態では、R20は(C1−C16)の二価のアルキル基または(C1−C16)の二価のアラルキル基から選択され;また二価のアルキル基は特に二価のMe、Et、Pr、およびBu基を含む。別の実施形態では、R20はアルキレンである。さらなる実施形態では、アルキレンは−CH2−(メチレン)、−(CH2)2−(エチリデン)、−(CH2)3−(プロピリデン)、および−(CH2)4−(ブチリデン)から選択される。別の実施形態では、R20は二価のアラルキレン基である。さらなる実施形態では、アラルキレン基は−CH2−C6H4−CH2−(キシリデン)、または−C6H4−C(CH3)2−C6H4−から選択される。
一実施形態では、R18、R19、R21、R22、およびR23はそれぞれ独立してアルキルである。さらなる実施形態では、アルキルはCH3−(メチル)、CH3−CH2−(エチル)、CH3−(CH2)2−(プロピル)、CH3−(CH2)3−(n−ブチル)、またはCH3−C(CH3)2−(tert−ブチル)から選択される。
一実施形態では、式4Cに関して、R20は(C1−C10)の直鎖状アルキル(二価)、(C6−C12)の環状アルキル(二価)、(C6−C15)アリール(二価)、および(C7−C12)アルキルアリール(二価)からなる群から選択される。
式4Cは、本明細書に記載の2またはそれ以上の実施形態の組み合わせを有してもよい。
式4Cには示されていないが、対象化合物がまた、それらの対応するルイス塩基付加物(例えば、溶媒分子である、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンを有し、ケイ素原子で配位結合した)を含んでもよいことは理解されるであろう。
対象の鎖末端変性剤の具体的な好ましい種類として以下の式:
(MeO)2(Me)Si−(CH2)3−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−(CH2)3−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−(CH2)3−S−、SiMe3、(BuO)2(Me)Si−(CH2)3−S−SiMe3、(MeO)2(Me)Si−(CH2)2−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−(CH2)2−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−(CH2)2−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−(CH2)2−S−SiMe3、(MeO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3、(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、((MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(MeO)(Me)2Si−(CH2)3−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−(CH2)3−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−(CH2)3−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−(CH2)3−S−SiMe3、(MeO)(Me)2Si−(CH2)2−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−(CH2)2−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−(CH2)2−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−(CH2)2−S−SiMe3、(MeO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(MeO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、((MeO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(MeO)2(Me)Si−(CH2)3−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−(CH2)3−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−(CH2)3−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−(CH2)3−S−SiEt3、(MeO)2(Me)Si−(CH2)2−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−(CH2)2−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−(CH2)2−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−(CH2)2−S−SiEt3、(MeO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3、(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、((MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(MeO)(Me)2Si−(CH2)3−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−(CH2)3−S−SiEt3、(PrO)(Me)2Si−(CH2)3−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−(CH2)3−S−SiEt3、(MeO)(Me)2Si−(CH2)2−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−(CH2)2−S−SiEt3、(PrO)(Me)2Si−(CH2)2−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−(CH2)2−S−SiEt3、(MeO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3、(PrO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3、(MeO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(PrO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、((MeO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(PrO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、および(BuO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、で示される化合物(および示されていないそれらの対応ルイス塩基付加物)が挙げられる。
本発明の式4Cによる鎖末端変性剤は、国際公開第WO2007/047943号および国際公開第WO/2009/148932号に記述のように調製してもよい。
対象鎖末端変性剤は、米国特許第6,229,036号、国際公開第WO2007/047943号、および国際公開第WO/2009/148932号(それぞれがその全体が参照により本明細書に組み込まれ、スルファニルシラン化合物の調製方法を含む)に記載のスルファニルシラン化合物を含む。
鎖末端変性剤は、重合中に断続的に(または規則的なもしくは不規則的な間隔で)または継続的に添加され得るが、好ましくは80パーセント超の重合転化率、およびより好ましくは90パーセント超の重合転化率で添加され得る。好ましくは、相当量のポリマー鎖末端が鎖末端変性剤による反応の前に終端されていない;つまり、リビングポリマー鎖末端は、ポリマー鎖結合反応の際に存在し、また末端変性剤と反応することができる。鎖末端変性反応は、カップリング剤の添加前、その後、またはその最中であり得る。好ましくは鎖末端変性反応はカップリング剤の添加後に完了する。例えば国際公開第WO/2009/148932号(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
一実施形態では、重合過程中に形成される20パーセント超、好ましくは35パーセント超、およびさらにより好ましくは50パーセント超のポリマー鎖(GPCにより測定した場合)が、ポリマー鎖末端変性過程で鎖末端変性剤と連結する。
一実施形態では、20パーセント超のポリマー鎖末端(GPCにより測定した場合)が、鎖末端変性剤の添加前にカップリング剤と反応する。さらに他の実施形態では、35パーセント超のポリマー鎖末端が、鎖末端変性剤の添加前にカップリング剤と反応する。
一実施形態では、20〜35パーセントのリビングポリマー鎖末端(GPCにより測定した場合)が、鎖末端変性剤の添加前にカップリング剤と反応する。他の実施形態では、35〜50パーセントのリビングポリマー鎖末端(GPCにより測定した場合)が、鎖末端変性剤の添加前にカップリング剤と反応する。さらに他の実施形態では、50〜80パーセントのリビングポリマー鎖末端が、鎖末端変性剤の添加前にカップリング剤と反応する。
一実施形態では、20パーセント超のポリマー鎖末端(GPCにより測定した場合)が、鎖末端変性剤の添加前に変性カップリング剤と反応する。さらに他の実施形態では、35パーセント超のポリマー鎖末端が鎖末端変性剤の添加前に変性カップリング剤と反応する。
一実施形態では、20〜35パーセントのリビングポリマー鎖末端(GPCにより測定した場合)が、鎖末端変性剤の添加前に変性カップリング剤と反応する。他の実施形態では、35〜50パーセントのリビングポリマー鎖末端(GPCにより測定した場合)が、鎖末端変性剤の添加前に変性カップリング剤と反応する。さらに他の実施形態では、50〜80パーセントのリビングポリマー鎖末端が、鎖末端変性剤の添加前に変性カップリング剤と反応する。
1つの実施形態において、GPCにより決定されるように、α変性リビング高分子(カップリング反応後の残留物)の50%超、好ましくは60%超、および、さらに好ましくは75%超が末端変性剤と反応する。本発明による鎖末端変性高分子は、アミン重合開始化合物由来の機能性および鎖末端変性剤由来の機能性を含む。
末端変性剤は、希釈せずにポリマー溶液に直接添加してもよいが、不活性溶媒(例えば、シクロヘキサン)等の溶液に薬品を添加するのが有益であり得る。重合に添加される鎖末端変性剤の量は、モノマーの種類、カップリング剤またはカップリング変性剤、鎖末端変性剤、反応条件、および所望される末端特性により異なるが、一般には、開始化合物中のアルカリ金属のモル当量につき、0.05〜5モル当量、好ましくは0.1〜2.0モル当量、および、最も好ましくは0.2〜1.5モル当量である。ポリマー鎖末端変性反応は、0℃〜150℃の温度範囲で行ってもよく、好ましくは15℃〜120℃、および、さらに好ましくは40℃〜100℃で行ってもよい。鎖末端変性反応時間に制限はないが、重合プロセスを経済的に行おうとすれば、例えば、バッチ重合プロセスの場合、通常は変性剤添加から約5〜60分後に鎖末端反応を終了する。
本発明はまた、少なくとも下記のステップA〜ステップCを含む、第一組成物を作る方法を提供する。ステップA:式1G〜1L(上記の各化学式)で表されるアミン重合開始化合物で、好ましくは、式1G〜1Lにおけるaは数字の2、bは数字の0であり、Eは酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N−CHR8−CR9−CR10、N−CHR8−C−CHR10またはN−CR8−CR9−CHR10であるアミン重合開始化合物を、1つまたはそれ以上のモノマータイプおよび、好ましくは、ブタジエン、スチレン、イソプレン、αメチル−スチレンまたはそれらの組み合わせから選択されたモノマー類と重合溶媒で反応させて組成物Aを形成する。好適な重合溶媒には、非極性脂肪族および非極性芳香族の溶媒が含まれ、好ましくは、ヘキサン、ヘプタン、ブタン、ペンタン、アイソパー、シクロヘキサン、トルエンおよびベンゼンが含まれる。ステップB:組成物Aを、SnCl4、(R1)3SnCl、(R1)2SnCl2、R1SnCl3、SiCl4、(R1)3SiCl、(R1)2SiCl2、R1SiCl3、Cl3Si−SiCl3、Cl3Si−O−SiCl3、Cl3Sn−SnCl3、Cl3Sn−O−SnCl3、Sn(OMe)4、Si(OMe)4、Sn(OEt)4、Si(OEt)4、または式2A(本明細書に記載の通り)、式2C(本明細書に記載の通り)、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、少なくとも1つのタイプのカップリング剤と反応させて組成物Bを形成する。組成物Aは、式2A(本明細書に記載の通り)、式2C(本明細書に記載の通り)、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、少なくとも1つのタイプのカップリング剤と反応させて組成物Bを形成することが好ましい。ステップC:組成物Bを、式4C(本明細書に記載の通り)から選択される少なくとも1つのタイプの鎖末端変性剤と反応させて変性ポリマーを形成する。
好ましい実施形態では、アミン重合開始化合物が、最初にモノマー類と反応してα変性リビング高分子を形成する。これら高分子の一部は、カップリング剤と反応して、分枝変性高分子を形成する。ステップCにおいて、α変性リビング高分子の一部は、鎖末端変性化合物と反応して、直鎖変性高分子を形成する。
1つの実施形態では、アミン重合開始化合物は、式1G、1Hまたは1Iの化合物である。
1つの実施形態では、アミン重合開始化合物は、式1J、1Kまたは1Lの化合物である。
別の実施形態では、カップリング剤は以下から選択される。すなわち、SnCl4,(R1)3SnCl,(R1)2SnCl2,R1SnCl3,SiCl4,(R1)3SiCl,(R1)2SiCl2,R1SiCl3,Cl3Si−SiCl3,Cl3Si−O−SiCl3,Cl3Sn−SnCl3,Cl3Sn−O−SnCl3,またはそれらの組み合わせから成る群である。薄いシリコンアルコキシド類のカップリング剤の例として、Sn(OMe)4,Si(OMe)4,Sn(OEt)4またはSi(OEt)4が含まれる。
別の実施形態では、カップリング剤は式2Aの化合物である。さらなる実施形態では、鎖末端変性化合物は式4Cである。
別の実施形態では、カップリング剤は式2Cの化合物である。さらなる実施形態では、鎖末端変性化合物は式4Cである。
(モノマー類)
対象の非架橋型エラストマーポリマー類を製造するのに有益であるモノマー類には、共役オレフィン類、および、αオレフィン類、内部オレフィン類、環状オレフィン類、極性オレフィン類または非共役ジオレフィン類から選択したオレフィン類が含まれる。好適な不飽和共役モノマー類として、1,3−ブタジエン、2−アルキル−1,3−ブタジエン、好ましくはイソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2−メチル−2,4−ペンタジエン、シクロペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエン等の共役ジエン類であることが好ましい。好ましいオレフィン類は、長鎖高分子αオレフィン類、より具体的には、芳香族ビニル化合物を含むがそれに限定されない、C2-20のαオレフィン類である。好ましい芳香族ビニル化合物は、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチルスチレンおよびチルベン、2,4−ジイソプロピルスチレン,4−tert−ブチルスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N、N−ジメチルアミノエチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルピリジン、およびそれらの組み合わせ等の、C1-4アルキル基置換スチレンを含むスチレンである。好適な極性オレフィン類には、アクリロニトリル、メタクリレート類、メチルメタクリレートが含まれる。好適な非共役オレフィン類には、C4-20ジオレフィン類、特に、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、4−ビニルシクロヘキセン、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、および1,4−ジビニルベンゼンを含むジビニルベンゼン、およびそれらの組み合わせが含まれる。好ましい共役ジエン類には、ブタジエン、イソプレンおよびシクロペンタジエンが含まれ、好適な芳香族α−オレフィン類には、スチレンおよび4−メチルスチレンが含まれる。
適用可能な非架橋型ポリマー類の例は、共役ジエン類、特に、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマー類、および、少なくとも1つの共役ジエン、特に、ブタジエンまたはイソプレンのランダムまたはブロック共重合であり、少なくとも1つの共役ジエンまたは少なくとも1つの芳香族α−オレフィン、および、特にスチレンと4−メチルスチレン、芳香族ジオルフィン、特にジビニルベンゼンを有するものである。特に、少なくとも1つの共役ジエン、特にブタジエンまたはイソプレンの、ランダムまたはブロック共重合体および三元重合体のホモポリマーが含まれることが好ましい。特に好ましいのは、少なくとも1つの芳香族α−オレフィンを有し、および任意選択的に少なくとも1つの芳香族ジオルフィンまたは脂肪族α−オルフィンを有し、特に、スチレン、4−メチルスチレンおよび/またはジビニルベンゼンを有するブタジエンまたはイソプレンを有する少なくとも1つの共役ジエンのランダム共重合体、任意選択的に三元重合体である。それに加えて、特に好ましいのは、イソプレンを有するブタジエンのランダム共重合体である。
(重合)
重合開始化合物を含む、重合技術に関する一般的情報:極性調整化合物および促進剤は共に、開始剤の反応性を増加し、無作為に芳香族ビニル化合物を調整し、ポリマーに導入された1,2−ポリブタジエン、1,2−ポリイソプレンまたは3,4−ポリイソプレンユニットを無作為に調整する。各化合物の量:モノマー(類):および、好適なプロセス条件は、国際公開第WO/2009/148932号に記載されており、その全体を本明細書に引用により含めることとする。通常、溶液重合は低圧力で起こり、10MPa未満であることが好ましく、温度は0℃〜120℃の範囲であることが好ましい。重合は一般に、バッチ重合、連続重合または半連続重合の条件下で行われる。重合プロセスは、形成されるポリマーが、反応混合物に実質上溶解し得る溶液重合として、または、形成されるポリマーが、反応媒体に実質上溶解し得る懸濁液/スラリー重合として行われることが好ましい。
(変性ポリマー)
本発明の、分枝変性された変性ポリマー(またはα変性/分枝変性変性ポリマー)の一部が、式P1〜P6(部分的リスト)により示されている。一部の分枝変性高分子(以下には提示されず)は、2つまたはそれ以上の開始部位を含むアミン重合開始剤から形成され得る。
上記の化学式において、「ポリマー鎖」は、pモノマーユニットを含むポリマー鎖のことであり、Nは窒素原子、Cは炭素原子、Hは水素原子、SiおよびSi’はシリコン原子、Sは硫黄原子、およびOは酸素原子であって;
Eは、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、(C7−C18)アラルキル、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、またはN−CHR8−CR9=CHR10であって;
R8,R9およびR10は、水素(H)、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルアルキルから成る群からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、R8,R9,R10はそれぞれ、(C1−C5)アルキルから独立して選択され;
R11およびR12はそれぞれ二価であり、それぞれが、水素(H)、(C1−C18)アルキル,(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルキルから成る群から独立して選択され、好ましくは、R11とR12は(C1−C5)アルキルから独立して選択され;
R6は、水素(H)、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、(C7−C18)アラルキル、および−SiR36R37R38から成る群から選択され、R36,R37およびR38は、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルキルから成る群からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、R36,R37およびR38は、(C1−C5)アルキルから独立して選択され、R6は、好ましくは(C6−C10)アリルまたは−SiR36R37R38から選択され;
R7は、水素(H),(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、(C7−C18)アラルキル、−CHR8−CR9=CHR10,および−SiR36R37R38から成る群から選択され、R36、R37およびR38は、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルキルから成る群からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、R36,R37およびR38は、(C1−C5)アルキルからそれぞれ独立して選択され、R7は、好ましくは、(C6−C10)アリル、−CR8−CR9=CHR10、または−SiR36R37R38である。
R24は、水素(H)、および(C1−C6)アルキルから成る群から選択され;
R25、R26,R27およびR28は、同じであるかまたは異なり、および、それぞれが、水素(H)、(C1−C18)アルキル、(C1−C18)アルコキシ、(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルキルから成る群から独立して選択され、好ましくは、R25、R26,R27およびR28は、(C1−C5)アルキルからそれぞれ独立して選択される。別の実施形態では、R25、R26,R27およびR28はそれぞれが独立して(C1−C16)アルキルであり、さらに好ましくは、(C1−C12)アルキルであり、さらにもっと好ましくは、(C1−C8)アルキルであり、最も好ましくは、(C1−C4)アルキルである。
R29は、(C6−C18)アリル、(C7−C18)アルキルアリル、および(C1−C18)アルキルから成る群から選択される二価の基であり、それぞれのR29基は、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C7−C16)アリル、(C7−C16)アラルキル、ニトリル、アミン、NO2,およびチオアルキルから成る群から選択される少なくとも1つの置換基で置換してもよい置換してもよい。R29は、好ましくは、(C1−C16)アルキルであり、さらに好ましくは、(C1−C12)アルキルであり、さらにもっと好ましくは、(C1−C8)アルキルであり、最も好ましくは、(C1−C5)アルキルである。別の実施形態では、R29は(C7−C25)アルキルアリルであり、さらに好ましくは(C7−C16)アルキルアリルであり、最も好ましくは(C7−C12)アルキルアリルである。
qは数字の0または1であり、および、rは数字の0または1であり、qおよびrの合計(すなわち、q+r)は数字の1であり、cおよびdの合計(すなわち、c+d)は数字の2であり、aは数字の2または3であり、および、bは数字の0または1であり、pは重合モノマーユニットの数を示し、500〜40,000である。
式P1、P2、P3、P4、P5およびP6には示されていないが、対象の化合物には、対応するルイス塩基付加物および酸化生成物が含まれると理解してよい。
直鎖変性高分子(または、α変性/ω変性高分子)の化学式の一部は、式P13〜P24(部分的リスト)により示されている。以下に示される化学式の中には、2つの開始部位を含むアミン重合開始剤から形成された高分子を表すものもある。その他のアミン開始化合物として、3つ以上の開始部位を含んでもよい。
上記の化学式において、「ポリマー鎖」は、pモノマーユニットを含むポリマー鎖であり、Nは窒素原子、Cは炭素原子、Hは水素原子、SiおよびSi’はシリコン原子、Sは硫黄原子、Oは酸素原子であり;
Eは、(C
1−C
18)アルキル、(C
6−C
18)アリル、(C
7−C
18)アラルキル、酸素原子(O),硫黄原子(S),N−CHR
8−CR
9=CHR
10であり、
R8、R9およびR10は、水素(H),(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルキルから成る群からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、R8、R9、R10は、(C1−C5)アルキルからそれぞれ独立して選択され;
R11およびR12はそれぞれ二価であり、それぞれが、水素(H),(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルキルから成る群から独立して選択され、好ましくは、R11およびR12は、(C1−C5)アルキルから独立して選択され;
R6は、水素(H),(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、(C7−C18)アラルキル、および−SiR36R37R38から成る群から選択され、そのうちR36,R37,R38は、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルキルから成る群からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、R36,R37およびR38は、(C1−C5)アルキルからそれぞれ独立して選択され、R6は、好ましくは、(C6−C10)アリルまたは−SiR36R37R38から選択され;
R7は、水素(H)、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、(C7−C18)アラルキル、−CHR8−CR9=CHR10,および-SiR51R52R53から成る群から選択され、そのうち、R51、R52およびR53は、(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルキルから成る群からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、R51、R52およびR53は、(C1−C5)アルキルからそれぞれ独立して選択され、および、R7は、好ましくは、(C6−C10)アリル、−CHR8−CR9=CHR10、または−SiR51R52R53から選択され;
R18は、水素(H)、および(C1−C6)アルキルから成る群から選択され;
R19は、水素(H),(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルキルから成る群から選択され、および、R19は、好ましくは、(C1−C10)アルキルから選択され;
R20は、(C6−C18)アリル、(C7−C18)アルキルアリル、および(C1−C18)アルキルから成る群から選択される二価の基であり、R20はそれぞれ、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C7−C16)アリル、(C7−C16)アラルキル、ニトリル、アミン、NO2,およびチオアルキルから成る群から選択される少なくとも1つの置換基で置換してもよい。R20は、好ましくは、(C1−C16)アルキルであり、より好ましくは、(C1−C12)アルキルであり、さらにもっと好ましくは、(C1−C8)アルキルであり、および、最も好ましくは、(C1−C5)アルキルである。別の実施形態では、R20は、(C7−C25)アルキルアリルであり、より好ましくは、(C7−C16)アルキルアリルであり、最も好ましくは(C7−C12)アルキルアリルである。
R21、R22およびR23は、同じであるかまたは異なり、および、水素(H)、(C1−C18)アルキル、(C1−C18)アルコキシ、(C6−C18)アリル、および(C7−C18)アラルキルから成る群からそれぞれ独立して選択され、R21、R22およびR23は、好ましくは、(C1−C5)アルキルからそれぞれ独立して選択される。別の実施形態では、R21、R22およびR23は、それぞれが独立して(C1−C16)アルキルであり、さらに好ましくは、(C1−C12)アルキルであり、さらにもっと好ましくは、(C1−C8)アルキルであり、最も好ましくは、(C1−C4)アルキルである。
cは、数字0、1、および2から選択される数字であり、dは、数字0、1、および2から選択される数字であり、cとdの合計は数字の2(c+d=2)であり、aは数字1または2であり、bは数字0または1であり、および、pは数字500から40,000である。
式P13〜式P18には示されていないが、対象の化合物には、対応するルイス塩基付加物および酸化生成物が含まれてもよいと理解されるだろう。
理論的制約を受けることを望まないが、式2A,2C,4A,P1,P2,P3,P4,P5,P6,P13,P14,P15,P16,P17およびP18のトリアルキル、トリアラルキル、またはトリアリルシリルの代表的な基は、それぞれ、意図しない後続反応を防ぐ保護基として機能すると信じられている。これらの保護基(−Si’R21R22R23)、(−Si’R26R27R28)、(−Si’R32R33R34)および−SiR36R37R38は、水、アルコール類、アニオン性酸類または有機酸類(例えば、塩酸、硫酸またはカルボン酸類)等の−OH基を含む化合物に暴露することにより除去し、よって「非保護の」チオール(−SH)基を形成してもよい。このような状況は通常、硫化中に現れる。ポリマーの「仕上げ」状況により、非保護のおよび/または保護された変性ポリマーの両方が存在してもよい。例えば、式2Aに従って、変性ポリマーを含有するポリマー溶液の水蒸気蒸留により、保護対象のトリアルキル、トリアラルキル、またはトリアリルシリル基の一定の割合を除去し、その結果、非保護チオール基が、式2Bに従って一定の割合の化合物を形成する。チオール基の割合は、式2A,2C,4A,P1,P2,P3,P4,P5,P6,P13,P14,P15,P16,P17およびP18中の高分子の−SiR3部分のR基の構造により大きく異なる。代替方法として、無水の仕上げ手順は、式2A、2C,4A,P1,P2,P3,P4,P5,P6,P13,P14,P15,P16,P17およびP18に従った変性ポリマーの製造に使用することができる。
変性ポリマーの非保護のチオール(−SH)基は、ポリマー骨格の不飽和部分および現存するフィラー(シリカおよび/またはカーボンブラック等)の双方との反応性を有すると信じられている。本反応の結果、ポリマー骨格またはフィラーとの結合が形成されるか、または一部のフィラーの場合、静電相互作用が発生し、その結果、ポリマー組成物内におけるフィラーの分布がより均質になると信じられている。
その結果生じるポリマーは、α変性/分枝変性高分子、およびα変性/ω変性された変性ポリマーを含み、式1A,1B,1C,1D,1E,1Fおよび2Cに表されるように、1つまたはそれ以上のアミン基を含み、通常は、ポリマーの総量は0.0001〜0.50mmol/gであり、好ましくは、0.0005〜0.25mmol/gであり、さらに好ましくは、0.0010〜0.15mmol/gであり、さらにもっと好ましくは、0.0020〜0.06mmol/gである。
その結果生じるポリマーは、α変性/分枝変性高分子、およびα変性/ω変性高分子を含み、好ましくはスルフィド基を含み、当該スルフィド基は通常、トリヒドロカルビルシリル保護基、およびチオール基を含み、ポリマーの総量は0.0001〜0.50mmol/gであり、好ましくは、0.0005〜0.25mmol/gであり、さらに好ましくは、0.0010〜0.15mmol/gであり、さらにもっと好ましくは、0.0020〜0.06mmol/gである。別の実施形態では、スルフィド基は、ポリマーの量が0.0001〜0.50mmol/gの範囲に、好ましくは、0.0005〜0.25mmol/gの範囲に、さらに好ましくは、0.0010〜0.15mmol/gの範囲に、さらにもっと好ましくは、0.0020〜0.06mmol/gの範囲に存在する。別の実施形態では、チオール基は、ポリマーの量が0.0001〜0.50mmol/gの範囲,好ましくは、0.0005〜0.25mmol/gの範囲、さらに好ましくは、0.0010〜0.15mmol/gの範囲、さらにもっと好ましくは、0.0020〜0.06mmol/gの範囲に存在する。
大多数の応用では、変性ポリマーは、共役ジオレフィンから作られたホモポリマー、共役ジオレフィンモノマーから芳香族ビニルモノマーと共に作られたコポリマー、および/または、1つまたは2つのタイプの芳香族ビニル化合物を有する、1つまたは2つのタイプの共役ジオレフィン類とのタ−ポリマーであることが望ましい。
エラストマーポリマーの共役ジオレフィンの部分の1,2−ボンド、および/または3,4−ボンド(以後、“ビニルボンド”と呼ぶ)含有量に関して特定の制限はないが、大多数の応用では、ビニルボンドの含有量は、好ましくは、10〜90重量%であり、特に好ましくは、15〜80重量%(ポリマーの総重量を基準にして)である。ポリマー中のビニルボンドの含有量が10重量%未満である場合、その結果生じる生成物の湿潤スキッド抵抗性が劣る場合がある。エラストマーポリマーのビニル含有量がビニルボンドの90重量%を超える場合、生成物の引張強度は弱まり、摩擦抵抗を示し、および、相対的に大量のヒステリシス損を生じる場合がある。
対象の変性ポリマーに使用される芳香族ビニルモノマーの量に関して特定の制限はないが、大多数の応用では、芳香族ビニルモノマー類は、総モノマー含有量の5〜60重量%を含み、より好ましくは10〜50重量%(ポリマー総量を基準にして)である。値が5重量%未満であれば、湿潤スキッド特性、摩擦抵抗、および引張強度が低減する場合がある。値が60重量%超であれば、ヒステリシス損が増加する場合がある。変性されたエラストマーポリマーは、ブロックまたはランダムコポリマーであってもよく、好ましくは、芳香族ビニル化合物ユニットの40重量%またはそれ以上が単独で結合し、10重量%またはそれ以下が、8つまたはそれ以上の芳香族ビニル化合物が連続で結合している「ブロック」に含まれる。この範囲外のコポリマーでは、多くの場合、ヒステリシスが増大する。連続接続する芳香族ビニルユニットの長さは、田中ら(Polymer, Vol. 22, 1721−1723ページ (1981))により開発された、オゾン分解ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定できる。
特定のポリマーおよび所望の最終用途応用によるが、本発明の変性ポリマーには、好ましくは、ASTM D1646(2004)に従い、MonsantoのMV2000機器を使用して測定したムーニー粘度(ML 1+4,100℃)が20〜150の範囲であり、および、好ましくは30〜100の範囲である。ムーニー粘度(ML 1+4,100℃)が20未満であれば、摩擦抵抗およびヒステリシス損特性が緩和する場合がある。さらに、非架橋型エラストマーポリマーのタックおよびコールドフローが増大し、その結果、蓄積中の処理が困難となり、初期強度は弱くなり、寸法安定性も低下する。ポリマーのムーニー粘度((ML 1+4,100℃)が150MU超であれば、処理性(フィラー組み入れおよび内部攪拌機の発熱性、ロールミル上のバンディング、押出率、押出し加工におけるダイスェウル、滑らかさ等)または、層の製造で使用される混合装置は、ムーニー粘度の高いゴム等級品を処理するよう設計されておらず、処理費用も高騰するため、否定的な影響をもたらす。
重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)により表される、対象の変性ポリマーの好ましい分子量分布は、1.2〜3.0の範囲である。
粘度性またはムーニー値を低減するために、あるいは、処理性および加硫製品の様々な性能特性を改良するために、対象の非架橋型エラストマーポリマーと共に油類を使用してもよい。例えば、国際公開第WO/2009/148932号および米国特許出願第2005/0159513号を参照し、それぞれ本明細書に引用により含めるものとする。
言及された油には、MES(軽度抽出溶媒和物)、TDAE(留出油からの芳香族系抽出物を処理した油)、T−RAEおよびS−RAEを含むRAE(残油からの芳香族系抽出物)、Nytex4700、Nytex8450、Nytex5450、Nytex832、Tufflo2000、Tufflo1200を含む、T−DAEおよびNAP(軽および重ナフテン系油)を含むDAEが含まれる。また、植物油を含む天然油類も、エクステンダー油として使うことができる。前記油類には、異なる濃度の多環芳香族化合物、パラフィン系、ナフサ系および芳香族系が含まれ、および、ガラス転移温度も異なる。上記のタイプの油は、学術誌『Kautschuk Gummi Kunststoffe』(vol.52、799−805ページ)に特徴が記されている。MES、RAEおよびTDAEは特に、ゴムのエクステンダー油として好ましい。
好ましい実施形態では、対象の変性エラストマーポリマーは、フィラーおよび加硫剤、並びに、任意に、促進剤、カップリング剤、および未変性かつ非架橋のエラストマーポリマーを含むがこれに限定されない、追加の成分と結合させ、反応させる。
対象の変性エラストマーポリマー(油拡張の実施形態を含む)には、好ましくは、存在するエラストマーポリマーの総量の少なくとも30重量%が含まれ、さらに好ましくは、少なくとも50重量%が含まれる。エラストマーポリマーの残留部分は、未変性のエラストマーポリマーである。好ましい未変性エラストマーポリマーの例は、66798−WO−PCTに列挙されており、好ましくは、スチレン−ブタジエンコポリマー、天然ゴム、ポリイソプレンが含まれ、およびポリブタジエンが好ましい。未変性ポリマーのムーニー粘度(前述の、ML 1+4,100℃ (ASTM D1646(2004))が、20〜200の範囲であり、好ましくは、25〜150であることが望ましい。対象の化合物は強化剤の役目を果たすフィラーを含むことが好ましい。
カーボンブラック、シリカ、カーボンシリカ二相フィラー、クレー、カルシウム、炭酸塩、マグネシウム炭酸塩、リグニン、ガラス粒子ベースのフィラー等の無定形フィラー等、およびそれらの混合物が、好適なフィラーの例である。フィラーの例は、国際公開第WO/2009/148932号に記述され、その全体を本明細書に引用により含めるものとする。カーボンブラックは、ポリマーの総量100重量部に対し、通常は、2〜100重量部、好ましくは、5〜100重量部、さらに好ましくは、10〜100の重量部、さらにもっと好ましくは、10〜95重量部が添加される。
シリカフィラーの直径、粒子の大きさ、およびBET表面の例は、国際公開第WO/2009/148932号を参照する。1つの実施形態として、シリカは、ポリマーの総量100重量部に対し、10〜100重量部、好ましくは、30〜100重量部、さらにもっと好ましくは30〜95重量部が添加される。
1つの実施形態として、添加するカーボンブラックおよびシリカの総含量が、ポリマーの総量100重量部に対し、30〜100重量部、および好ましくは、30〜95重量部である場合、カーボンブラックおよびシリカを一緒に添加する。
シランカップリング剤(ポリマーおよび記載のフィラーの溶化に使用される)を、本明細書に記述の変性ポリマーを含有する組成物および、フィラーの成分として使用される、シリカまたはカーボンシリカ二相フィラーに添加することが好ましい。添加されるシランカップリング剤の通常の含有量は、シリカおよび/またはカーボンシリカ二相フィラーの総量100重量部に対し、約1〜約20重量部であり、好ましくは、5〜20重量部である。シランカップリング剤の例は、国際公開第WO/2009/148932号で開示されており、ビス−(3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピル)−ジスルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−ジメチルシリル−エチル)テトラスルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−ジメチルシリル−エチル)ジスルフィド、3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、を含む。
硫黄、硫黄含有化合物、および過酸化物は、最も一般的な加硫剤である。加硫促進剤の例、およびポリマー全体に添加される促進剤の含量は、国際公開第WO/2009/148932号に開示されている。硫黄化剤に関するさらなる情報については、『Kirk−Othmer, Encyclopedia of Chemical technology 第3版』, (Wiley Interscience編, N.Y. 1982, 第20巻,365−468ページ、特に、390−402ページの「Vulcanizing Agents and Auxiliary Materials」)に記載されている。
本発明のポリマー組成物は、上述の変性ポリマー(油展種を含む)、未変性ポリマー(油展種を含む)、フィラー(カーボンブラック、シリカ、カーボン−シリカ二重相フィラー等)、シランカップリング剤、油、および他の添加剤を、混練機において、140℃〜180℃で混練し、フィラー含有配合物を形成させることにより調製できる。冷却後、加硫剤(硫黄、加硫促進剤等)を上述のフィラー含有配合物に添加し、得られた混合物をバンバリーミキサーまたは開放形ロール機を用いて混合し、所望の形状を形成させ、混合物を140℃〜180℃で硫化することにより加硫体が得られる。
本発明の加硫弾性ポリマー組成物は低い転がり抵抗、低い動的発熱性および優れたウェットスキッド性を示すため、本発明のポリマー組成物、好ましくは本明細書に記載されているような変性ポリマーおよびフィラー、加硫剤を含有する組成物、並びに加硫弾性ポリマー組成物は、タイヤ、タイヤトレッド、側面およびタイヤカーカス、並びにベルト、ホース、振動ダンパおよび履物成分等の他の工業製品の製造における使用によく適している。
変性ポリマー
適用可能な変性ポリマーの例として以下が挙げられる:変性BR(ポリブタジエン;ブタジエン/アクリル酸C1〜C4アルキルコポリマー);変性IR(1〜60重量%、好ましくは10〜50重量%のスチレン含有量を有するスチレン/ブタジエンコポリマーで、SSBRを包含し、前記ポリマーは溶液中で調製される);変性SIR(1〜60重量%、好ましくは10〜50重量%のスチレン含有量を有するスチレン/イソプレンコポリマーで、SSIRを包含し、前記ポリマーは溶液中で調製される);変性IIR(イソブチレン/イソプレンコポリマー);変性IBR(イソプレン/ブタジエンコポリマー);変性NBR(ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー);変性HNBR(部分水素化または完全水素化されたNBRゴム);並びにこれらのゴムの混合物;変性EPDM。「EPDM」という頭文字は、エチレン/プロピレン/ジエンコポリマーを意味する。
一実施形態において、変性ポリマーは変性ポリブタジエンである。
別の実施形態において、変性ポリマーは変性ブタジエン/アクリル酸C1〜C4アルキルコポリマーである。
別の実施形態において、変性ポリマーは変性ブタジエン/スチレンコポリマーである。
別の実施形態において、変性ポリマーは溶液中で調製される変性ブタジエン/スチレンコポリマー(SSBR)である。
別の実施形態において、変性ポリマーは溶液中で調製される変性イソプレン/スチレンコポリマー(SSIR)である。
別の実施形態において、変性ポリマーは変性ブタジエン/イソプレンコポリマーである。
別の実施形態において、変性ポリマーは変性ポリクロロプレンである。
別の実施形態において、変性ポリマーは合成ポリイソプレンおよび天然ゴムを包含する、変性ポリイソプレンである。
別の実施形態において、変性ポリマーは変性ポリスチレンである。
別の実施形態において、変性ポリマーはコポリマーの総重量を基準として1〜60重量%、好ましくは10〜50重量%のスチレン単位含有量を有する、変性スチレン/ブタジエンコポリマーである。
別の実施形態において、変性ポリマーはコポリマーのポリブタジエン単位画分の総重量を基準として、5〜70重量%、好ましくは50〜70重量%、または5〜25重量%の1,2−ポリブタジエン単位含有量を有する、変性スチレン/ブタジエンコポリマーである。
別の実施形態において、変性ポリマーはコポリマーの総重量を基準として1〜60重量%、好ましくは10〜50重量%のスチレン単位含有量を有する変性スチレン/イソプレンコポリマーである。
別の実施形態において、変性ポリマーはコポリマーのポリブタジエン単位画分の総重量を基準として、5〜70重量%、好ましくは50〜70重量%または5〜25重量%の1,2−ポリイソプレン単位含有量を有する、変性スチレン/イソプレンコポリマーである。
別の実施形態において、変性ポリマーはコポリマーの総重量を基準として0.1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%のイソプレン単位含有量を有する変性ブタジエン/イソプレンコポリマーである。
別の実施形態において、変性ポリマーは変性イソブチレン/イソプレンコポリマーである。
別の実施形態において、変性ポリマーは変性部分水素化ブタジエンである。
別の実施形態において、変性ポリマーは変性部分水素化スチレン−ブタジエンコポリマーである。
応用
本発明は、加硫(または架橋)弾性ポリマー組成物、並びに空気式タイヤ、タイヤトレッド、ベルト、履物成分等のそのような組成物から製造される物品のための直鎖変性高分子および分岐変性高分子を含む変性ポリマーを含む本発明の組成物の使用をさらに包含する。
対象の架橋ポリマー組成物は60℃での低Tanδ、0℃での高Tanδまたは−10℃での高Tanδ、並びに耐摩耗性、引張強度、モジュラス、発熱性、および引裂強度のうち1以上を含むバランスの良い物理的性質を示し、一方で、非架橋弾性ポリマー(加硫前化合物)を含む化合物は良好な加工性を維持する。対象の組成物は低い転がり抵抗、高いウェットグリップ、高いアイスグリップ、低い発熱性を有し、一方で良好な耐摩耗性を維持する、タイヤトレッドを製造するのに有用である。カーボンブラック、シリカ、カーボン−シリカ二重相フィラー、加硫剤等のフィラーを包含する本発明の組成物、並びに本発明の加硫弾性ポリマー組成物は、タイヤの製造に特に有効である。
本発明はまた、本発明の組成物から形成される少なくとも1つの成分を含む物品を提供する。さらなる実施形態において、前記物品はタイヤである。さらなる実施形態において、前記物品はタイヤトレッドである。さらなる実施形態において、前記物品はタイヤ側面である。別の実施形態において、本発明の物品は自動車部品である。別の実施形態において、本発明の物品は履物成分である。別の実施形態において、本発明の物品はベルト、ガスケット、シール、またはホースである。
自動車製造に関して、以下のポリマーは特に関心を持たれている:天然ゴム;−50℃を超えるガラス転移点、および高いシス1,4含有量(>90%)を有するポリブタジエンを有し、ニッケル、コバルト、チタン、ガドリニウムまたはネオジム系の触媒を用いて製造されている、エマルジョンSBRゴムおよび溶液SBRゴム;0〜75%のビニル含有量を有するポリブタジエンゴム;並びにそれらの混合物。
さらに自動車製造に関して、以下のポリマーは特に関心を持たれている:高いトランス1,4含有量(>75%)を有するポリブタジエンゴム、または、5〜40重量%のスチレンと、コポリマーのポリブタジエン画分の高いトランス1,4ポリブタジエン含有量(>75%)を好ましくは含むSBRで、各種ポリマー(SBRまたはBR)は、本明細書に参照として組み込まれる、例えば米国特許第6,693,160号;同第6,627,715号;同第6,489,415号;同第6,103,842号;同第5,753,579号;同第5,086,136号および同第3,629,213号に記載されるようなアルカリ土類金属化合物を含む2以上の開始化合物を用いて、もしくは例えば米国特許第6310152号;同第5,834,573号;同第5,753,761号;同第5,448,002号および同第5,089,574号、並びに米国特許出願公開第20030065114号に記載されるようなコバルト系触媒を用いて、または例えば欧州特許出願第1367069号;日本特許出願第11301794号および米国特許第3951936号に記載されるようなバナジウム系触媒を用いて、あるいは例えば欧州特許出願第0964008号および同第0924214号並びに米国特許第6,184,168号;同第6,018,007号;同第4,931,376号;同第5,134,199号および同第4,689,368号に記載されるようなネオジム系触媒を用いて、製造されている。
本発明の組成物は、高衝撃ポリスチレン(HIPS)およびブタジエン変性アクリロニトリル−スチレンコポリマー(ABS)を形成するのにも使用され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、国際出願PCT/US09/045553号を参照されたい。
定義
本発明は、少なくとも1つの分岐変性高分子(またはα変性/分岐変性高分子)および少なくとも1つの直鎖変性高分子(またはα変性/ω変性高分子)を含む変性ポリマーを含む第一組成物を提供する。第一組成物は、本発明の変性剤(カップリング変性剤、鎖末端変性剤またはアミン重合開始剤を含む)で変性されていない高分子を含む場合もあり、他種のカップリング剤または変性剤で変性された高分子を含む場合もある。
「直鎖変性高分子(またはα変性/ω変性/高分子、または直鎖変性ポリマー鎖、またはα変性/ω変性/ポリマー鎖)」という用語は、1つのα変性リビング高分子が鎖末端変性剤(例えば式4Cを参照)と反応する(で終了する)ときに形成される、個々のポリマー分子を意味する。直鎖変性高分子は、ポリマー分子のα末端(アミン重合開始化合物由来の基)およびω末端(スルファニルシラン鎖末端変性剤由来の基)に、明確な極性基または極性部分を含む。「α変性」という用語は、本明細書に記載されるようなアミン重合開始化合物によるα末端でのポリマーの変性を意味する。
「分岐変性高分子(またはα変性/分岐変性高分子、または分岐変性ポリマー鎖、またはα変性/分岐変性ポリマー鎖)」という用語は、少なくとも2つのリビングポリマー鎖(α変性される2つのポリマー鎖のうち少なくとも1つ)が、カップリング剤(例えば、式2Aおよび式2Cを参照)と反応する(で終了する)ときに形成される個々のポリマー分子を意味する。「分岐変性高分子」という用語は、ω鎖末端位でカップリング点に結合している少なくとも2つのポリマー鎖を含み、一方で前記結合鎖の少なくとも1つがα位に少なくとも1つのアミン基または保護アミン基(アミンまたは保護アミン重合開始化合物由来の基)を含む。このカップリング点は「セントラル・キャップド・ポジション(central capped position)」とも呼ばれる。分岐変性高分子において、アミン重合開始化合物由来の極性基は、少なくとも1つのポリマー鎖(または少なくとも1つのポリマーアーム)末端の「自由」端に位置し、そのため、セントラル・キャップド・ポジション(central capped position)に付着したポリマー鎖(またはポリマーアーム)末端には位置していない。極性基(本発明に記載の開始化合物由来)は各自由端で存在しても、しなくてもよい。
各変性高分子の変性は、少なくとも3つの異なる種類の変性剤を使用する過程で形成され、具体的には以下の使用においてである:1)少なくとも1つのアミン重合開始剤、2)カップリング剤として、少なくとも1つのシラン系またはスタネート系変性剤化合物、並びに3)少なくとも1つのスルファイルシラン(sulfaylsilane)鎖末端変性剤。アミン重合開始剤はモノマーと反応し、「α変性」リビング高分子を形成する。少なくとも2つのリビング高分子(それらのうち少なくとも1つは高分子のアルファ末端のアミン基または保護アミン基を含む)とカップリング剤の反応により、分岐変性高分子が生じる。ここで、「α変性」高分子(反応リビングα変性高分子)は、カップリング剤由来のケイ素または錫原子に結合する。1つの「α変性リビング高分子」と1つのスルファニルシラン鎖末端変性剤の反応により、直鎖変性高分子が生じる。ここで、「α変性」高分子(反応リビングα変性高分子)は、それぞれがスルファニルシラン鎖末端変性剤由来であるケイ素または錫原子の1つの原子価を通して結合する。
前述の通り、「直鎖変性高分子」という用語は、「α変性/ω変性高分子」とも呼ばれ、高分子がアミン重合開始化合物由来の部分を有するそのα(開始)末端で、また鎖末端変性剤由来の部分を有するそのω(終)末端で、変性されることを示す。「分岐変性高分子」という用語はまた、「α変性/分岐変性高分子」とも呼ばれ、高分子がアミン開始化合物由来の部分を有するそのα(開始)末端で、またカップリング変性剤由来の部分によりその鎖内で、変性し、分岐点を形成することを示す。アニオン重合反応を開始するのに好適な窒素含有ルイス塩基はまた、アミン重合開始剤とも呼ばれる(例えば、式1G〜1L参照)。アミン重合開始剤より得られた変性ポリマーの位置は式1A〜1Fに対応している。前述の通り、カップリング剤と少なくとも2つの陰イオン性リビングポリマー鎖(またはα変性リビング高分子)との反応から得られるポリマー内の位置は、「セントラル・キャップ(cenral cap)」または「セントラル・キャップド・ポジション(central capped position)」と呼ばれ、α変性分岐高分子内に位置する。
分岐変性高分子または直鎖変性高分子の調製に使用される高分子は、既にポリマー鎖分岐を含んでいる場合があることに注意されたい。そのようなポリマー鎖分岐はカップリング変性反応前に、および鎖末端変性反応前に形成され得る。例えば、そのようなポリマー分岐はモノマー重合プロセスの途中で形成され得、または、リビング高分子と、ランダマイザー成分として若しくは重合速度促進剤として使用されるようなルイス塩基を接触させた後に、形成され得る。そのようなポリマー分岐はまた、アミン重合開始剤またはアミン重合開始剤の前駆体分子の存在を通じて開始される連鎖移動反応の途中で形成され得る。「セントラル・キャップ(central cap)」を含まない高分子の分岐点はまた、紫外線曝露や高温曝露の結果として、ラジカルが高分子の一位置に形成された場合に、形成され得る。フリーラジカルを含む高分子は、別のポリマー鎖と反応して、鎖間炭素−炭素結合を形成し得る。「直鎖変性高分子」および「分岐変性高分子」という用語は、これら議論された偶然の副反応により形成される分岐の存在を排除しない。例えば、分岐は、ビニル芳香族またはジビニル脂肪族化合物が重合混合物に添加されるときに形成し得る。
十分な量の直鎖変性高分子および分岐変性高分子が、少なくとも1つのアミン重合開始化合物、少なくとも1つのカップリング剤、および少なくとも1つのスルファニルシラン鎖末端変性剤化合物を用いることにより製造され、機能性高分子の含有量が増加した第一(非架橋)組成物が提供される。フィラー粒子をさらに含む、第二組成物における第一組成物の使用は、変性ポリマーとフィラー粒子の相互作用を増大、並びに変性ポリマーとポリマー骨格中の不飽和の相互作用を増大させるだろう。これらの相互作用は、ポリマー組成物が加硫され加硫または架橋弾性ポリマー組成物がつくられるときに特に望ましい。不飽和ポリマー骨格を有するポリマーは、第一組成物または「フィラーを含有する」第二組成物に添加される、本発明の変性ポリマー、または不飽和炭素−炭素結合を含む他のポリマーを包含する。第二組成物中のフィラー粒子の分布を改良することにより、対応する加硫物におけるヒステリシス損失が減少するだろう。
加硫ポリマーに関して、ゲル含有量は、ポリマーの重量を基準として、好ましくは50重量%超であり、より好ましくは75重量%超であり、さらにより好ましくは90重量%超である。ゲル含有量は、約0.2グラムのポリマーを150mLのトルエンに24時間、周囲温度で溶解させ、不溶分を分離・乾燥しその量を計測することにより測定できる。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、少なくとも1つの脂肪族基を意味し、また、2以上の脂肪族基も意味し得る。アルキル基は直鎖、分岐、環状またはそれらの組み合わせ、且つ飽和または不飽和であり得、好ましくはアルキル基は直鎖、分岐、環状またはそれらの組み合わせ、且つ飽和であり、より好ましくはアルキル基は直鎖且つ飽和または分岐且つ飽和である。「アルキル」という用語は、直鎖脂肪族炭化水素基(例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(Pr)、n−ブチル(Bu)、n−ペンチル、n−ヘキシル等)と分岐脂肪族炭化水素基(例えば、イソプロピル、tert−ブチル等)の両方、並びに炭素系非芳香環、脂肪族炭化水素基を包含すると理解される。ここで、「アルキル」は飽和した直鎖、分岐、環状またはそれらの組み合わせの脂肪族炭化水素基、並びに不飽和の直鎖、分岐、環状またはそれらの組み合わせの脂肪族炭化水素基を意味する。R20、R29およびR35部分として用いられるアルキル基は、本明細書で記載されるように、少なくとも二価であろうことが理解される。
「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの芳香環を意味し、また、2以上の芳香環も意味し得る。「アリール」という用語は、フェニル、ビフェニルおよび他のベンゼノイド化合物を包含し、それぞれはアルキル、アルコキシまたは酸素、窒素、硫黄およびリン含有部分等の他のヘテロ原子で任意に飽和されていると理解される。R20、R29およびR35部分として用いられるアリール基は、本明細書で記載されるように、少なくとも二価であろうことが理解される。
「アルコキシ」という用語は、メトキシ(MeO)、エトキシ(EtO)、プロポキシ(PrO)、ブトキシ(BuO)、イソプロポキシ(iPrO)、イソブトキシ(iBuO)、ペントキシ等を包含すると理解される。
「アラルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの芳香環を意味し、また、少なくとも1つのアラキル基も意味する。「アラルキル」という用語はアルキルに結合したアリール基を意味すると理解される。R20、R29およびR35として用いられるアラルキル基は、本明細書で記載されるように、少なくとも二価であろうことが理解される。
(Ca〜Cb)、例えば(C1〜C12)という命名は、本明細書で使用される場合、a個からb個の炭素原子の範囲を意味することが意図され、aからbの全ての個々の値および部分範囲を包含する。
以下の実施例は本発明をさらに例証するためのものであり、制限するためのものとして見なされるべきではない。実施例には、アミン重合開始剤前駆体化合物の調製、アミン重合開始化合物の調製、変性カップリング剤の調製、およびスルファニルシラン鎖末端変性剤の調製;変性ポリマーの調製および試験;並びに非架橋ポリマー組成物および架橋ポリマー組成物の調製および試験が含まれる。明記されていない限り、全ての部および割合は重量ベースで表現される。「一晩」という用語は、およそ16〜18時間の期間を意味し、「室温」は約20〜25℃の温度を意味する。重合は水分および酸素除外下で、窒素雰囲気下中で行われた。種々の方法は前記実施例を試験および測定するために用いられた。各技法の説明が提供される。
ブタジエンポリマーまたはスチレン−ブタジエンコポリマーの、1,4−シス−、1,4−トランス−および1,2−ポリジエンの含有量の比を、IR、1H−NMR分光法および13C−NMR分光法(ブルカー・アナリティック社のNMR(Avance400装置(1H=400MHz;13C=100MHz))により測定した。さらに、共役ジオレフィン部分中のビニル含有量を、IR吸収スペクトル(モレロ法(Morello method)、ブルカー・アナリティック社のIFS 66 FT−IR分光計)により測定した。IR試料は膨潤剤としてCS2を使用して調製した。
結合スチレン含有量:検量線をIR吸収スペクトル(IR(ブルカー・アナリティック社のIFS 66 FT−IR分光計)により作成した。IR試料は膨潤剤としてCS2を使用して調製した。スチレン−ブタジエンコポリマー中の結合スチレンのIR測定のために、以下の4本のバンドを観察した。:a)966cm-1のトランス−1.4−ポリブタジエン単位のバンド、b)730cm-1のシス−1.4−ポリブタジエン単位のバンド、c)910cm-1の1.2−ポリブタジエン単位のバンドおよび700cm-1の結合スチレン(スチレン芳香族結合)のバンド。バンドの高さ適切な吸光係数に従って標準化し、合計100%に要約した。標準化(normation)は1H−NMRおよび13C−NMRにより行った。代替的に、スチレン含有量をNMR法(NMR(ブルカー・アナリティック社のAvance400装置(1H=400MHz;13C=l00MHz)))により測定した。
芳香族ビニル含有量をNMR法(NMR(ブルカー・アナリティック社のAvance400装置(1H=400MHz;13C=l00MHz)))により測定した。
1D NMRスペクトルを、「5mm デュアル検出プローブ」を使用して、BRUKER Avance200 NMR分光計(ブルカーバイオスピン社)に収集した。磁場均一性は、重水素ロックシグナル(lock signal)を最大化することにより最適化した。試料は、重水素ロックシグナル(lock signal)を最適化することにより粗調(shim)した。試料は室温(298K)で実行された。以下の重水素化溶媒を使用した:C6D6(7.15ppmで1H;128.02ppmで13C)、CDCl3(7.24ppmで1H;77.03ppmで13C)、d8−THF(1.73、3.58ppmで1H;25.35ppmで13C)。重水素化溶媒の残りの水素イオンのシグナルは、それぞれ内部基準として使用した。
スペクトル処理のために、BRUKER 1D WINNMRソフトウェア(バージョン6.0)を使用した。得られたスペクトルの位相調整、基準線補正およびスペクトル統合は手動モードで行った。得られたパラメーターについては、表1を参照されたい。
GPC法:狭い分布のポリスチレンスタンダードで較正されたSEC
試料の調製:
a1)オイルを含まないポリマー試料:約「9〜11mg」の乾燥ポリマー試料(含水量<0.6%)を、10mLサイズの褐色バイアルを使用して、10mLのテトラヒドロフランに溶解させた。バイアルを200u/分で20分間振盪することによりポリマーを溶解した。
a2)オイルを含むポリマー試料:約「12〜14mg」の乾燥ポリマー試料(含水量<0.6%)を、10mLサイズの褐色バイアルを使用して、10mLのテトラヒドロフランに溶解させた。バイアルを200u/分で20分間振盪することによりポリマーを溶解した。
b)ポリマー溶液を、0.45μmディスポーザブルフィルターを使用して2mLバイアルに移した。2mLバイアルをGPC分析のために試料採取器上に置いた。溶離速度:1.00mL/分。注入堆積:100.00μm(GPC−方法B 50.00μm)。
測定は40℃のTHF中で行った。装置:Agilent Serie 1100 /1200;モジュールセットアップ:イソポンプ(Iso pump)、自動試料採取器、サーモスタット(thermostate)、VW検出器、RI検出器、脱気装置;カラムPLミックスB/HPミックスB。
各GPC装置において、3本のカラムが連結された状態で使用された。各カラムの長さ:300mm;カラムの種類:79911 GP− MXB、Plgel 10 μm MIXED−B GPC/SECカラム、アジレント・テクノロジー社(実際のメーカーはポリマー研究所でもある)
GPCスタンダード:EasiCal PS−1 ポリスチレンスタンダード、スパーテルA+B
スチレンスタンダード製造業者
ポリマー研究所 ポリマー研究所
バリアン社の現在の実体 バリアン・ドイッチュラント有限会社
ウェブサイト:http://www.polymerlabs.com
多分散性(Mw/Mn)を分子量分布の幅の尺度として用いた。MwおよびMn(重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn))の計算は、2つの手順のうちの1つに基づいて行った。
Mp1、Mp2、Mp3は、それぞれ、GPC曲線の1番目、2番目または3番目のピークで測定された(最大ピーク)分子量に相当する[1番目のピークMp1(最も低い分子量)は曲線の右側に位置し、最後のピーク(最も高い分子量)は曲線の左側に位置する]。最大ピーク分子量は、最大のピーク強度の位置におけるピークの分子量を意味する。Mp2およびMp3は1つの高分子にカップリングした2つまたは3つのポリマー鎖である。Mp1は1つのポリマー鎖である(基礎分子量−1つの高分子への2以上のポリマー鎖のカップリングなし)。
全カップリング率は、全てのカップリングしたポリマーおよびカップリングしていないポリマーの重量百分率の合計を包含する、全ポリマー質量に対するカップリングポリマーの重量百分率の合計を意味する。全カップリング率は下記に示したように計算される。
CR(合計)=(Σ全てのカップリングしたピーク[最大Mp2のピーク〜最も高いインデックスを付けられたピーク最大値のピーク]の面積)/(Σ全てのピーク[ピーク最大値Mp1のピーク〜最も高いインデックスを付けられたピーク最大値のピーク]の面積)。
個々のカップリング率(例えば、ピーク最大値Mp2のピークに相当するカップリングした2つのポリマーアーム)は、下記のように計算される。
CR(2つのアーム)=(ピーク最大値Mp2のピーク面積)/(Σすべてのピーク[ピーク最大値Mp1のピーク〜最も高いインデックスを付けられたピーク最大値のピーク]の面積)。
GC−MS研究
ゴム化合物は、次の2段階混合プロセスで、「380ccバンバリーミキサー(ブラベンダー社(Brabender GmbH&Co KG)製Labstation 350Sの中で、下記の表16、表17、表18および表19に記載された成分を混合することにより調製した。第一段階−加硫パッケージの成分以外の全ての成分を一緒に混合し、第一段階の配合物を形成した。第二段階−加硫パッケージの成分を第一段階の配合物に混合させ、第二段階の配合物を形成した。
ムーニー粘度は、アルファ・テクノロジー(英国)社(Alpha Technologies UK)製MV2000Eで、ASTMD1646(2004)に従い、余熱時間1分、およびローター操作時間4分、温度100℃[ML1+4(100℃)]で測定した。ゴムのムーニー粘度測定は、乾燥した(溶媒なしの)生のポリマー(未加硫ゴム)で行う。化合物のムーニー粘度は、表14および15に従って調製された未硬化(未加硫)の第二段階のポリマー化合物試料で測定する。化合物のムーニー粘度は、表20、22および24に列挙する。
未加硫流体学的性質の測定は、ASTM D 5289−95(再承認2001)に従い、ローターのない剪断レオメータ(アルファ・テクノロジー(英国)社製MDR2000E)を使用して、スコーチ時間(TS)および加硫時間(TC)を測定した。レオメータ測定は、表20、22および24に従って、未加硫の第二段階ポリマー配合物に対し、160℃の一定温度で行った。ポリマー試料の量は約4.5gである。試料の形状および形状調製は標準化され、測定装置(アルファ・テクノロジー(英国)社製MDR2000E)により規定された。
「TC50」および「TC90」は、それぞれ、加硫反応の50%および90%転化率を達成するために要する時間である。トルクを反応時間の関数として測定した。加硫転化率は発生したトルク対時間曲線から自動的に計算される。「TS1」および「TS2」は、加硫中にそれぞれのトルク最小値(ML)からトルクを1dNmおよび2dNm上昇させるのに要するそれぞれの時間である。
引張強度、切断時伸びおよび300%伸び率におけるモジュラス(モジュラス300)を、ASTM D 412−98A(再承認2002)に従い、ダンベル抜き型C試験片を使用して、測定した。標準化されたダンベル抜き型C試験片のうち、「厚さ2mm」のものを使用した。引張強度測定は、室温で、表21、23および25に従って調製された、硬化(加硫)した第二段階ポリマー試料について、測定された。第二段階の配合物は、16〜25分以内で、160℃でTC95(95%の加硫転化率)まで加硫した(表20、22および24の硬化データ参照)。
発熱性は、ASTM D 623、方法Aに従って、Doli’Goodrich’−Flexometerで、測定した。発熱測定は、表20、22および24に従って、加硫された第二段階ポリマー試料について行った。第二段階配合物は、160℃でTC95(95%加硫転化率)まで加硫した(表20、22および24の硬化データを参照)。
60℃でのTanδおよび0℃でのTanδ、並びに−10℃でのTanδの測定を、円筒状試料に対し、ガーボー・クォリメーター・テスタンラーゲン社(Gabo Qualimeter Testanlagen)(ドイツ)製の動的機械的熱的分光計「Eplexor 150N」を使用して、2Hzの振動数でそれぞれの温度で0.2%の圧縮動歪みを適応することにより、行った。60℃の温度での指数が小さい程、転がり抵抗は小さい(低い方が良好)。Tanδ(0℃)は、同じ装置および負荷条件を使用し、0℃で測定した。この温度での指数が大きいほど、ウェットスキッド抵抗が良い(高い方が良好)。60℃でのTanδおよび0℃でのTanδ、並びに−10℃でのTanδを測定した(表21、23および25を参照)。第二段階の配合物を160℃でTC95(95%加硫転化率)まで加硫した(表20、22および24の硬化データを参照)。前記プロセスにより、「直径60mm」および「高さ10mm」の、見掛け上「気泡がない」、均一な硬化ゴム円盤が形成される。試料は、上記の円盤から穿孔され、「直径10mm」および「高さ10mm」の大きさを有する。
DIN摩耗は、DIN53516(1987−06−01)に従って測定した。指数が大きいほど、耐摩耗性は低い(低い方が良好)。摩耗測定は、加硫された第二段階ポリマー配合物について、表20、22および24に従って測定された。第二段階の配合物は、160℃でTC95(95%加硫転化率)まで加硫した(表20、22および24の硬化データを参照)。
一般に、切断時伸び、引張強度、モジュラス300および0℃でのTanδの値が高いほど、試料の性能は良好であり、一方で60℃でのTanδ(発熱性および摩耗)が低いほど、試料の性能は良好である。好ましくは、TS1は>1.5分、TS2は>2.5分、TC50は3〜8分であり、TC90は8〜19分である。
変性剤調製:11種のアミン重合開始剤前駆体化合物、3種類のアミン重合開始化合物、1種類の変性カップリング剤を包含する3種類のカップリング剤、および3種類の鎖末端変性剤を、例として調製した。構造式および調製方法(または入手元)を下記に示す。アミン重合開始化合物、カップリング剤、および鎖末端変性剤の併用使用が本発明の例であるが、開始化合物(アルキルリチウム開始化合物、例えば、n−ブチルリチウム等)、カップリング剤および鎖末端変性剤の陰イオン性部分における極性ヘテロ原子が欠如している開始化合物の併用使用は、比較目的のためである。
アミン重合開始剤前駆体化合物の調製
3級アリルアミン合成の一般手順
還流冷却器および撹拌機を備えた、「500mL」の三つ口フラスコに、二級アミン、トリエチルアミン、および200mLのシクロヘキサンを装入した。少し多めの臭化アリルを滴加し、その間反応混合物は室温で撹拌した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。本質的には臭化トリエチルアンモニウム(Et3NHBr)である、粘着性の不溶性油から、有機相を除去した。続いて、溶媒を留去した。粗生成物を蒸留により精製した。
アミン重合開始剤前駆体化合物P1は下記の式P1で表わされ、以下のように調製された。
「250mL」のシュレンクフラスコに、100mLのテトラヒドロフラン、0.1molのカリウムビス(トリメチルシリル)アミドを装入した。少し多めの臭化アリル(0.11mol)を滴加し、その間反応混合物は室温で撹拌した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。テトラヒドロフラン溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をペンタン溶媒に希釈した。ペンタン溶液を濾過し、臭化カリウムを除去した。続いてペンタン溶媒を減圧下で除去した。全ての揮発性反応成分を減圧下(10mbar)、30℃の温度で除去した。化合物P1の沸点:72℃/15Torr;単離収率:68%;GCによる純度92%。
アミン重合開始剤前駆体化合物P2は下記の式P2で表わされ、以下のように調製された。
1−[2−ジアリルアミノ)−エチル]−ピペラジン P2はアルドリッチ社から購入した。
1H−NMR (200 MHz, 23°C, CDCl3): H−1, 5.66 - 5.86 ppm (ddt, 4H); H−2, 5.02 - 5.12 ppm (dd, 2H); H−3, 3.01, 3.04 ppm (d, 4H); H−4, H−5 2.77 - 2.81 ppm (t, 4H); H−2, H−1 2.33 - 2.56 ppm (m, 8H); −NH, 1.45 ppm (s, 1H).GCMS(EI、70eV):7.65分に1ピーク、M=209g/mol。
アミン重合開始剤前駆体化合物P3は下記の式P3で表わされ、以下のように調製された。
上記の3級アリルアミンを一般的な手順に従い合成した。下記の量の試薬が使用された:0.2264molのジフェニルアミン、0.2264molのトリエチルアミンおよび0.2311molの臭化アリル。臭化トリエチルアンモニウムが、茶色がかった油として、前記溶液から10分以内に分離された。溶液をデカンテーションにより分離した。溶媒を真空内で除去した。得られた粗生成物を50mLのペンタンに溶解させ、−35℃で一晩保管し、それにより約「16g」の主要な結晶性不純物(33%)である反応ジフェニルアミンを除去した。粗生成物を減圧下(1.5mbar)で蒸留した。化合物P3を118〜119℃の温度、1.5mbarの圧力で単離した。無色透明な液体が得られた。収率:24.0g、50%。
1H−NMR (200 MHz, 23°C, CDCl3) δ 7.18−7.28 (m, 4H, m−H of Ph), 6.98−7.05 (m, 4H, o−H of Ph), 6.86−6.96 (m, 2H, p−H of Ph), 5.91 (ddt, 1H, J1=17.18 Hz, J2=10.10 Hz, J3=4.80 Hz, CH2CH=CH2), 5.25 (dd, 1H, J1=17.18 Hz, J2=1.52 Hz, CH2CH=CH2), 5.14 (dd, 1H, J1=10.10 Hz, J2=1.52 Hz, CH2CH=CH2), 4.33 (d, 2H, J=4.80 Hz, CH2CH=CH2); 13C (50 MHz, 23°C, CDCl3) δ 147.77 (Cq of Ph), 134.20 (CH2CH=CH2), 129.12 (m−C of Ph), 121.19 (p−C of Ph), 120.65 (o−C of Ph), 116.31 (CH2CH=CH2), 54.66 (CH2CH=CH2).
GCMS(EI、70eV):14.62分に1ピーク、209[M+]100%。
アミン重合開始剤前駆体化合物P4は下記の式P4で表わされる。
1,4−ジアリルピペラジン P4の調製手順:還流冷却器および撹拌機を備えた500mLのフラスコ中で反応を行った。トリエチルアミンを用いて、ピペラジンの第2級アミノ基を脱プロトン化した。反応物のピペラジンおよびトリエチルアミンを250mLのシクロヘキサンに室温で溶解させた。下記において、臭化アリルを注射器で滴加し、その配合物を一晩撹拌した。白色のろう質沈殿物または不溶性の茶色がかった油が観察された。有機相を不溶性画分からデカントし、溶媒、並びに臭化アリルおよびトリエチルアミン等の過剰の試薬を、常圧下で100℃の温度までで、留去した。生成物を、102℃、20mbarの減圧下で粗生成物から蒸留により精製した。試薬の量は表6に詳細に記されている。
1,4−ジアリル−ピペラジンP4の
1H−NMRデータ:
1H−NMR (200 MHz, 23°C, CDCl3): H−1, 5.65 - 5.85 ppm (ddt, 4H, J1= 17.18 Hz, J2= 10.11Hz, J3= 6.57 Hz); H−2, 4.99 - 5.10 ppm (dd, 2H, J1= 17.18 Hz, J2=10.11 Hz, J3= 6.57 Hz); H−3, ppm (dd, 4H, J1=6.57 Hz); H−4, H−5 2.37 ppm (m, 4H).GCMS(EI、70eV):7.65分に1ピーク、M=166.27g/mol。
アミン重合開始剤前駆体化合物P5は下記の式P5で表わされ、以下のように調製された。
上記の3級アリルアミンを一般的な手順に従い合成した。下記の量の試薬が使用された:0.1037molのジ−n−オクチルアミン、0.1037molのトリエチルアミンおよび0.1155molの臭化アリル。24時間後、臭化トリエチルアンモニウムが溶液から大きな白色の結晶性沈殿物として分離された。溶液を濾過により除去した。続いて、溶媒を真空内で除去した。粗生成物を減圧下(1.5mbar)で蒸留した。化合物P5を130〜132℃の温度、1.5mbarで単離した。無色透明な液体が得られた。収率:16.2g、57%。
1H−NMR (200 MHz, 23°C, CDCl3) δ 5.83 (ddt, 1H, J1=17.18 Hz, J2=10.10 Hz, J3=6.57 Hz, CH2CH=CH2), 5.12 (dd, 1H, J1=17.18 Hz, J2=2.02 Hz, CH2CH=CH2), 5.05 (dd, 1H, J1=10.10 Hz, J2=2.02 Hz, CH2CH=CH2), 3.04 (d, 2H, J=6.57 Hz, CH2CH=CH2), 2.36 (t, 4H, J=7.08 Hz, AllN(CH2(CH2)6CH3)2), 1.32−1.50 (m, 4H, AllN(CH2(CH2)6CH3)2), 1.24 (br. s, 20H, AllN(CH2(CH2)6CH3)2), 0.85 (t, 6H, J=6.82 Hz, AllN(CH2(CH2)6CH3)2).
GCMS(EI、70eV):13.57分に1ピーク、281[M+]3%、182[M+−C7H15]100%。
アミン重合開始剤前駆体化合物P6は下記の式P6で表わされ、以下のように調製された。
上記の3級アリルアミンを一般的な手順に従い合成した。下記の量の試薬が使用された:0.0600molの4−ピペリジノピペリジン、0.0600molのトリエチルアミンおよび0.0693molの臭化アリル。臭化トリエチルアンモニウムが大きな白色の結晶性沈殿物として、溶液から1時間以内に分離された。溶液を濾過により分離した。続いて溶媒を真空内で除去した。得られた粗生成物を15mLのペンタンに溶解させ、−30℃で一晩保管し、それにより微量の結晶性不純物である4−ピペリジノピペリジンを除去した。粗生成物をその後減圧下(2.4mbar)で蒸留した。化合物P6は99〜101℃/2.4mbarで、無色透明な液体として単離され、静置後黄色になった。収率:7.5g、60%。
1H−NMR (200 MHz, 23°C, CDCl3) δ 5.83 (ddt, 1H, J1=17.18 Hz, J2=10.10 Hz, J3=6.57 Hz, CH2CH=CH2), 5.12 (dd, 1H, J1=17.18 Hz, J2=2.02 Hz, CH2CH=CH2), 5.08 (dd, 1H, J1=10.10 Hz, J2=2.02 Hz, CH2CH=CH2), 2.89−3.04 (m, 2H, AllN(CH2CH2)2CHN), 2.92 (d, 2H, J=6.57 Hz, CH2CH=CH2), 2.42−2.49 (m, 4H, CHN(CH2CH2)2CH2), 2.14−2.32 (m, 1H, AllN(CH2CH2)2CHN) 1.78−1.93 (m, 2H, AllN(CH2CH2)2CHN), 1.62−1.78 (m, 2H, AllN(CH2CH2)2CHN), 1.46−1.61 (m, 2+4H, AllN(CH2CH2)2CHN および CHN(CH2CH2)2CH2), 1.31−1.46 (m, 2H, CHN(CH2CH2)2CH2); 13C DEPT (50 MHz, 23°C, CDCl3) δ 135.46 (CH2CH=CH2), 117.54 (CH2CH=CH2), 62.78 (AllN(CH2CH2)2CHN), 61.82 (CH2CH=CH2), 53.48 (AllN(CH2CH2)2CHN), 50.04 (CHN(CH2CH2)2CH2), 27.57 (AllN(CH2CH2)2CHN), 26.42 (CHN(CH2CH2)2CH2), 24.80 (CHN(CH2CH2)2CH2).GCMS(EI、70eV):13.66分に1ピーク、208[M+]20%、123[M+−C5H11N]100%.
アミン重合開始剤前駆体化合物P7は下記の式P7で表わされ、以下のように調製された。
125mLのテトラヒドロフラン中の、0.43molのアリルイソプロピルアミンおよび0.43molのn−ブチルリチウム(n−ヘキサン中で15wt%)を原料とする0.43molのリチウムアリル(イソプロピル)アミドを含む250mLのシュレンクフラスコの内容物を、第二のシュレンクフラスコ中に含まれる25mLのテトラヒドロフラン中1,2−ジクロロエタン(0.210mole)に室温で滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。続いて、50mLの水をTHF溶液に添加した。得られた混合物をジエチルエーテルを用いて抽出した。ジエチルエーテル画分を組み合わせて、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濾過し、ジエチルエーテルを減圧下で除去した。全ての揮発性反応成分を30℃の温度の減圧下(10mbar)で除去した。化合物P7を蒸留によって精製した。P7の単離収率:52%;GCによる純度89%。
アミン重合開始剤前駆体化合物P8は下記の式P8で表わされ、以下のように調製された。
上記の3級アリルアミンを一般的な手順に従い合成した。下記の量の試薬が使用された:0.2022molのピペリジン、0.2022molのトリエチルアミンおよび0.2082molの臭化アリル。臭化トリエチルアンモニウムが大きな白色の結晶性沈殿物として30分以内に溶液から分離された。溶液を濾過により分離した。続いて溶媒を常圧下(1bar)で除去した。粗生成物を常圧下で蒸留により精製し、P8を沸点である149〜150℃で単離した。無色透明の液体を得た。収率:15.0g、60%。
1H−NMR (200 MHz, 23°C, CDCl3) δ 5.83 (ddt, 1H, J1=17.18 Hz, J2=10.10 Hz, J3=6.57 Hz, CH2CH=CH2), 5.10 (dd, 1H, J1=17.18 Hz, J2=2.02 Hz, CH2CH=CH2), 5.06 (dd, 1H, J1=10.10 Hz, J2=2.02 Hz, CH2CH=CH2), 2.90 (d, 2H, J=6.57 Hz, CH2CH=CH2), 2.29−2.34 (m, 4H, N(CH2CH2)2CH2), 1.48−1.59 (m, 4H, N(CH2CH2)2CH2) 1.31−1.44 (m, 2H, N(CH2CH2)2CH).GCMS(EI、70eV):6.54分に1ピーク、124[M+]85%、98[M+−CH2=CH]100%。
アミン重合開始剤前駆体化合物P9、4−アリル−モルフォリンは下記の式P9で表わされる。
4−アリル−モルフォリン P9の調製手順:還流冷却器および撹拌機を備えた500mLのフラスコ中で反応を行った。トリエチルアミンを用いて、モルフォリンの第2級アミノ基を脱プロトン化した。反応物であるモルフォリンおよびトリエチルアミンを室温で「250mLのシクロヘキサン」に溶解させた。下記において、臭化アリルを注射器で滴加し、配合物を一晩撹拌した。添加している間、反応は発熱特性を示し、白色のろう質沈殿物または不溶性の茶色がかった油が観察できた。有機相を不溶性画分からデカントし、溶媒、並びに臭化アリルおよびトリエチルアミン等の過剰な試薬を常圧下、100℃の温度までで、または真空内で、留去した。生成物を蒸留により精製し、常圧下または真空内で粗生成物を形成させた。使用された反応成分の量の詳細は、表7に記される。
1H−NMR (200 MHz, 23°C, CDCl3): H−1, 5.66 - 5.86 ppm (ddt, 4H, J1= 16,67 Hz, J2= 10.11Hz, J3= 6.57 Hz); H−2, 5.05 - 5.15 ppm (dd, 2H, J1= 16.67 Hz, J2=10.11 Hz, J3= 6.57 Hz); H−3, ppm (d, 4H, J3= 6.57 Hz); H−4, ppm (dt, 4H, J1= 9.10 Hz); H−5, ppm (dt, 4H, J1= 9.10 Hz).GCMS(EI、70eV):5.29分に1ピーク、M=127.19g/mol。
アミン重合開始剤前駆体化合物P10は下記の式P10で表わされ、以下のように調製された。
上記の3級アリルアミンを一般的な手順に従い合成した。下記の量の試薬が使用された:0.2396molのピロリジン、0.2396molのトリエチルアミンおよび0.2500molの臭化アリル。臭化トリエチルアンモニウムが溶液から茶色がかった油として分離された。溶液をデカンテーションにより分離し、溶媒を常圧下(1bar)で除去した。粗生成物を常圧下で蒸留により精製し、化合物P10を沸点である120〜122℃で単離した。収率:13.6g、51%。
1H−NMR (200 MHz, 23°C, CDCl3) δ 5.88 (ddt, 1H, J1=17.18 Hz, J2=10.10 Hz, J3=6.57 Hz, CH2CH=CH2), 5.13 (dd, 1H, J1=17.18 Hz, J2=2.02 Hz, CH2CH=CH2), 5.03 (dd, 1H, J1=10.10 Hz, J2=2.02 Hz, CH2CH=CH2), 3.05 (d, 2H, J=6.57 Hz, CH2CH=CH2), 2.41−2.48 (m, 4H, N(CH2CH2)2), 1.70−1.76 (m, 4H, N(CH2CH2)2).GCMS(EI、70eV):4.71分に1ピーク、110[M+]100%。
アミン重合開始剤前駆体化合物P11は下記の式P11で表わされ、以下のように調製した。
1−(2−アミノエチルアミン)−ピペラジン試薬をメタノール/NaOMe溶液に溶解させ、臭化アリルをゆっくりと添加した。溶媒を留去し、粗生成物をシクロヘキサンで抽出した。常圧(1bar)、高温下における抽出完了後、シクロヘキサン溶媒を留去した。茶色がかった透明な液体が得られた。
GCMS(EI、70eV):12.04分に1ピーク、M=249g/mol(C15H27N3)。
開始化合物
シクロヘキサン中20wt%溶液として、アルドリッチ社(Aldrich)から購入したn−ブチルリチウムを「開始剤I1」と表示した。
アミン重合開始化合物の調製
アミン重合開始化合物I2の調製
N−アリルビス(トリメチールシリル)アミンP1とn−BuLi/TMEDAの反応
反応は不活性雰囲気中で行った。乾燥したn−BuLi(0.046g/0.72mmole;ヘキサン溶媒を低圧下で除去した)を、0.6mLのC6D6に含まれる0.084g(0.73mmol)のTMEDAと混合した。次いで0.147g(0.73mmol)のN−アリルビス(トリメチールシリル)アミンP1を室温で添加した。上記調製手順完了の10分後に行った1H−NMRスペクトルでは、n−ブチルリチウムは観測されなかった。同一量の化合物を使用し、50℃の反応温度で行ったもう1つの反応においても、同一の反応生成物を得た。さらにここで、NMR分光法によってもn−ブチルリチウムは検出されなかった。従って、アミン重合開始化合物I2の生成は、広範な反応温度範囲で、非常に迅速かつおよび定量的に発生する。
アミン重合開始化合物I3の調製およびNMR調査
N−アリルピロリジンP10とn−BuLi/TMEDAの反応
反応は不活性雰囲気中で行った。乾燥したn−BuLi(0.050g(0.78mmol);ヘキサン溶媒を低圧下で除去した)を、0.6mLのC6D6に含まれる0.081g(0.70mmol)のTMEDAと混合した。次いで0.078g(0.70mmol)のN−アリルピロリジンP10を室温で添加した。上記調製手順の完了10分後に行った1H−NMRスペクトルでは、TMEDAの付加物であるアリルリチウム塩の100%の生成が見られた。
1H−NMR(200MHz、23℃、C6D6)δ6.27(td、1H、J1=11.37Hz、J2=5.56Hz、CHLi−CH=CH2)、4.22(d、1H、J=5.56Hz、CHLi−CH=CH2)、2.73−2.83(m、4H、N(CH2CH2)2)、2.00(s、12H、TMEDAのNMe2)、1.98(s、4H、TMEDAのNCH2)、1.90(d、2H、J=11.37Hz、CHLi−CH=CH2)、1.60−1.70(m、4H、N(CH2CH2)2);13C(50MHz、23℃、C6D6)δ133.67(CHLi−CH=CH2)、96.54(CHLi−CH=CH2)、56.92(TMEDAのNCH2)、54.24(N(CH2CH2)2)、52.40(CHLi−CH=CH2)、46.09(TMEDAのNMe2)、24.23(N(CH2CH2)2)。
アミン重合開始化合物I4の調製およびNMR調査
ジフェニルアリルアミンP3とn−BuLi/TMEDAの反応
反応は不活性雰囲気中で行った。乾燥したn−BuLi(0.050g(0.78mmol);ヘキサン溶媒を低圧下で除去した)を0.6mLのC6D6に含まれる0.081g(0.70mmol)のTMEDAと混合した。次いで0.150g(0.70mmol)のジフェニルアリルアミンP3を室温で添加した。
上記調製手順の完了10分後に行った1H−NMRスペクトルでは、TMEDAの付加物であるアリルリチウム塩の90%の生成が見られた。
2回目の1H−NMR測定によれば、最終反応混合物を55℃まで1時間温めた時点で、転化率は90%を維持した。
1H−NMR(200MHz、23℃、C6D6)δ7.39−7.45(m、4H、Phのo−H)、7.09−7.18(m、4H、Phのm−H)、6.72−6.81(m、2H、Phのp−H)、6.21(dd、1H、J1=12.12Hz、J2=5.81Hz、CHLi−CH=CH2)、4.58(d、1H、J=5.81Hz、CHLi−CH=CH2)、1.92(d、2H、J=12.12Hz、CHLi−CH=CH2)、1.77(s、12H、TMEDAのNMe2)、1.70(s、4H、TMEDAのNCH2);13C(50MHz、23℃、C6D6)δ148.61、128.87、121.07、120.15(芳香族炭素)、133.44(CHLi−CH=CH2)、87.41(CHLi−CH=CH2)、56.65(TMEDAのNCH2)、45.85(TMEDAのNMe2)、31.90(CHLi−CH=CH2)。
カップリング変性剤
カップリング剤C1は下記式C1で表される。四塩化スズ(C1)はアルドリッチ社(Aldrich)から購入した。
SnCl4 (式C1)
カップリング剤C2は下記式C2で表される。四塩化ケイ素(C2)はアルドリッチ社(Aldrich)から購入した。
Si(OMe)4 (式C2)
カップリング剤C3は下記式C3で表され、下記のとおり調製した。
調製経路1(C3):
100mLシュレンク管に、25mLのテトラヒドロフラン(THF)、79.5mg(10mmol)の水素化リチウム、およびその後、クロムトン社(Cromton GmbH)製の1.80g(10mmol)のgamma−メルカプトプロピルトリメトキシシラン[Silquest A−189]を装入した。反応混合物を24時間室温で撹拌し、さらに2時間50℃で撹拌した。次いでtert−ブチルジメチルクロロシラン(1.51g(10mmol))を10gのTHF中に溶解し、得られた溶液をその後シュレンク管に滴加した。塩化リチウムが沈殿した。懸濁液を約24時間室温で撹拌し、さらに2時間50℃で撹拌した。THF溶媒を真空下で除去し、次いでシクロヘキサン(30mL)を添加した。白色の沈殿をその後濾過により分離した。シクロヘキサン溶媒を真空下(減圧下)で除去した。得られた無色の溶液はGCによって99%純粋であることがわかり、従ってさらなる精製は不要であった。2.9g(9.2mmol)の変性カップリング剤1が得られた。
別の調製経路2(C3):
100mLシュレンク管に、クロムトン社(Cromton GmbH)製の1.80g(10mmol)のgamma−メルカプトプロピルトリメトキシシラン[Silquest A−189]、25mLのテトラヒドロフラン(THF)、およびその後、10mLのTHF中に溶解した0.594g(11mmol)のナトリウムメタノラートを装入した。反応混合物を18時間室温で撹拌した。次いでtert−ブチルジメチルクロロシラン(1.51g(10mmol))を10gTHF中に溶解し、次いで得られた溶液をシュレンク管に滴加した。塩化ナトリウムが沈殿した。懸濁液を約24時間室温で撹拌し、さらに2時間50℃で撹拌した。THF溶媒を真空下で除去した。次いでシクロヘキサン(30mL)を添加した。白色の沈殿を、その後濾過により分離した。シクロヘキサン溶媒を真空下(減圧下)で除去した。得られた無色の溶液はGCによって89%純粋であることがわかった。さらなる精製は分割蒸留(fractionated distillation)で行い、2.2g(7.2mmol)変性カップリング剤C3を得た。
鎖末端変性剤
鎖末端変性剤E2は式E2で表され、下記のとおり調製した。
250mLシュレンク管に、100gのシクロヘキサン、8.6g(85mmol)トリエチルアミン、およびABCR社(ABCR GmbH)の14.4g(79.8mmol)gamma−メルカプトプロピル(メチル)ジメトキシシランを装入した。トリメチルクロロシラン(17.4g(160mmol))を50gシクロヘキサンで希釈し、得られた溶液をその後シュレンク管に滴加した。即座に白色の塩化トリエチルアンモニウムが沈殿した。懸濁液を約24時間室温で撹拌し、さらに3時間60℃で撹拌した。白色の沈殿はその後濾過により分離した。得られた無色の溶液を真空下で蒸留し、17.2g(68.1mmol)の目標変性剤E2を得た。
鎖末端変性剤E3は下記式E3であらわされ、下記の通り調製された。
鎖末端変性剤E3の調製は、上記の変性カップリング剤C3と同様に行ったが、双方の調製経路において、所定のクロムトン社(Cromton GmbH)製gamma−メルカプトプロピルトリメトキシシラン[10mmol;Silquest A−189]は、ABCR社(ABCR GmbH)製gamma−メルカプトプロピル(メチル)ジメトキシシラン(10mmole)で代替された。
鎖末端変性剤E3の調製が「調製経路1」に従って行われた場合、2.7g(9.3mmol)の化合物E3が得られた。
鎖末端変性剤E3の調製が「調製経路2」に従って行われた場合、2.3g(7.9mmol)の化合物E3が得られた。
鎖末端変性剤E4は下記式E4で表され、アルドリッチ社(Aldrich)から購入した。
1,3−ブタジエンの単独重合
A)アミン重合開始化合物の調製
アニオン性1,3−ブタジエン重合の応用のための、アミン重合開始剤前駆体化合物からアミン重合開始化合物を調製する手順。
反応は不活性雰囲気中、乾燥箱の中で行った。n−ブチルリチウム(7.76g(18.19mmol))を、ヘキサン中の15wt%溶液として、2.12g(18.19mmol)のTMEDAと混合した。その淡黄色の溶液を、次いで5mLのシクロヘキサン中の、18.19mmolのアミン重合開始剤前駆体化合物(第三級アリルアミン)溶液に滴加した。反応溶液は橙色から真紅へと変化した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、更なる精製をすることなく、シクロヘキサン中の1,3−ブタジエン溶液に添加し、ブタジエン重合を開始した。いずれの場合も、低分子量のポリブタジエン(Mw〜Mn〜1000)が生成された。
B)ポリブタジエンの低分子量調製
重合は、温度調節ユニットを備えた二重壁の2Lのガラス製反応器の中で行い、その反応器を窒素でパージした後、シクロヘキサン溶媒、アミン重合開始化合物、1,3−ブタジエンモノマー、および任意に、鎖末端変性剤を添加した。シクロヘキサン溶媒(400g)を周囲温度で反応器の中に添加した。重合反応器を温度55℃に調節し、溶媒を撹拌した。次いで別々に調製した18.19mmolのアミン重合開始化合物の溶液を重合器の中に注入した。55℃の平均温度に達するように、反応器を数分間撹拌させておき、ついで1,3−ブタジエン(10g)を添加して、重合反応を開始させた。重合は温度55℃で、60分〜140分の間の異なる時間行った。
重合プロセスの停止のために、ポリマー溶液を重合器から別の容器の中へ移動した。ポリマーは「0.1g IRGANOX 1520」で安定化させた。得られたポリマー溶液を次いで真空中55℃で8時間乾燥し、粘着性の無色から淡褐色の油が生成された。ポリブタジエンを1H−NMR分光法とCI MSを使用して特徴づけした。重合条件および低分子量ポリマーに関する詳細を下記表に要約する。
1,3−ブタジエンとスチレンの共重合(実施例1−33)
共重合は、二重壁の20リットルの鋼鉄製反応器内で行い、その反応器をまず窒素でパージした後、有機溶媒、モノマー、極性配位化合物(polar coordinator compound)、開始化合物または、他の成分を添加した。重合反応器を、特に指示がない限り60℃に調節した。次いで、シクロヘキサン溶媒(9000グラム)、ブタジエンモノマー、スチレンモノマー、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を、この順序で添加し、混合物を1時間撹拌した。その後、微量の水分または他の不純物を除去するために、n−ブチルリチウムで滴定した。アミン重合開始剤前駆体化合物を重合反応器中に添加した。その後、in−situでアミン重合開始化合物を生成し、重合反応を開始させるため、追加のn−ブチルリチウムを添加した。重合は、重合温度が60℃を超えないようにして80分間行った。その後、全ブタジエンモノマー量の0.5%を添加し、次いでカップリング剤を添加した。混合物を20分撹拌した。その後、全ブタジエンモノマー量の1.8%を添加し、その後、特に指示がない限り、鎖末端変性剤を添加した。重合プロセスの停止のため、ポリマー溶液を、45分後に、ポリマーの安定剤として100mLのエタノール、1.4gの濃塩酸(濃度36%)、および5gのIRGANOX 1520を含む独立した二重壁の鋼鉄製反応器の中へ移動した。この混合物を15分撹拌した。得られたポリマー溶液を一時間水蒸気でストリッピングして、溶媒および他の揮発性物質を取り除き、70℃のオーブンで30分乾燥し、さらに1日〜3日間、室温で乾燥した。
得られたポリマー組成物とその特性のいくつかを下記表14および25に要約する。特に指示がない限り、量はmmolで表される。同一の重合条件下(同じオペレータ―により、同じ日に、同じ重合反応器中で)で調製された実施例は、実施例番号に隣接した同一の文字(たとえば1A、2A)で指定される。
下記表中の「−」の使用は、何の成分も添加されなかったことを示す。
略語「N.M.」は、測定が行われなかったか、対応するデータが入手できなかったことを意味するよう意図される。
ポリマー組成物
ポリマー組成物は、350ccバンバリーミキサーの中で、下記表16に記載された成分を組み合わせ配合することにより調製し、160℃で20分間加硫した。各組成物の実施例の加硫プロセスデータおよび物理的特性を、下記表24および25に示す。
表16:ポリマー22H、23H、12I、19I〜20I、24I、25J、26J、14K、25K、27K、16L、12N
2、33N
2、20P、37Pおよび38Pを使用したポリマー組成物
追加のポリマー組成物は、350ccのバンバリーミキサーの中で、下記表17に記載された成分を組み合わせ配合することにより調製し、160℃で20分加硫した。各組成物の実施例の加硫プロセスデータおよび物理的特性を、下記表20および21に示す。
追加のポリマー組成物は、350ccのバンバリーミキサーの中で、下記表18に記載された成分を組み合わせ配合することにより調製し、160℃で20分加硫した。各組成物の実施例の加硫プロセスデータおよび物理的特性を、下記表20および21に示す。
追加のポリマー組成物は、350ccのバンバリーミキサーの中で、下記表19に記載された成分を組み合わせ配合することにより調製し、160℃で20分加硫した。各組成物の実施例の加硫プロセスデータおよび物理的特性を、下記表22および23に示す。
表22:加硫プロセスデータおよびシリカ含有ポリマー加硫物組成物特性
本発明の重要な1つの応用は、より低い「60℃でのTanδ」値、より高い「0℃でのTanδ」値、またはより高い「−10℃でのTanδ」値をもつ、エラストマーポリマー組成物の製造である。タイヤの転がり抵抗、タイヤのウェットグリップ性能、またはタイヤのアイスグリップ性能に関連する、この三つのうち1つの値が改善されれば、他の二つの値は、耐摩耗性および加工可能性などの他の物理的特性と同様に、重要なタイヤ性能特性の改善に悪影響を与えるべきではない。より低い「60℃でのTanδ」値をもつポリマー組成物から作られたタイヤトレッドは、対応するより低い転がり抵抗を有し、一方より高い「0℃でのTanδ」値を持つものは、対応するより良いウェットスキッド特性を有し、また、より高い「−10℃でのTanδ」値をもつものは、対応するより良いアイスグリップ性を有する。
アミン重合開始剤前駆体化合物とヒドロカルビルアルカリ化合物からのアミン重合開始化合物の生成を論証するために、3つの前駆体化合物、P1、P10およびP3をn−ブチルリチウムと接触させる。アミン重合開始化合物、I2、I3およびI4の生成が、1Hおよび13C NMR分光法により証明された。ついで異なる重合開始化合物が、アミン重合開始剤前駆体化合物、P8、P10、P6、P5およびP3、ならびにn−ブチルリチウムから調製された(表9参照)。続いて、生成された開始化合物は、低分子量ポリマーの調製に使用され、生成された開始化合物の、ブタジエンモノマーを活性化および重合する能力を示した(表10参照)。アルファ変性/オメガ変性線状高分子の「アルファ位」における、または、アルファ変性/分枝変性ポリマー高分子のポリマーアーム端における部分構造は、アミン開始化合物の構造に由来し、本発明の第一のポリマー組成物の式1A〜1Fに対応する。
それぞれ本明細書に記載されたとおり、開始化合物、カップリング変性剤、および鎖末端変性剤の組み合わせは、60℃での低いTanδ値で測定された、減少したヒステリシス損失;0℃でのTanδで測定された、湿面上での改善されたグリップ性;−10℃でのTanδで測定された、氷で覆われた表面上での改善されたグリップ性;および、機械的応力に対する減少した加硫物発熱値を持つ、変性ポリマー加硫物を生成することが分かった。従来のポリマー調製と比較すると、A)アミン重合開始化合物を、B)カップリング剤、およびC)スルファニルシラン鎖末端変性剤化合物と組み合わせる本発明の方法は、より高いポリマー変性、および対応するポリマー加硫物における改善された性能を提供する。
式1A〜1Fで表される部分を含む変性ポリマー(式1G〜1Lで表される上記アミン重合開始化合物から生成された)、カップリング変性剤(本明細書に記載)、および鎖末端変性剤(本明細書に記載)の組み合わせは、60℃での低いTanδ値で測定された、減少したヒステリシス損失;0℃でのTanδで測定された、湿面上での改善されたグリップ性(改善されたウェットスキッド抵抗);−10℃でのTanδで測定された、氷で覆われた表面上での改善されたグリップ性;および機械的応力に対する、減少した加硫物発熱値を持つポリマーを生成することが分かった。
下記に明示された、本発明の開始化合物は、カップリング変性剤(本明細書に記載)、および鎖末端変性剤(本明細書に記載)との組み合わせにより、増加したカップリング率をもつポリマーを生産することが分かった。増加したカップリング率は、ポリマー粘着性のリスクを有利に減少させる。そのうえ、増加したカップリング率は、ポリマー溶液の粘性を減少させ、したがって重合溶媒中のより高いポリマー濃度を可能にし、結果としてポリマー生産量を増加させる。式1J〜1Lで表される本発明の開始化合物(式1D〜1Fで表される変性ポリマー部分に由来する)は、下記からなる群から選択される二価のE基を含む:(i)すくなくとも1つの下記の基で置換された(C1−C18)アルキル:第三級アミン基、および、R39、R40およびR41がそれぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリールおよび(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択されるR39R40R41SiN基;(ii)酸素原子;(iii)硫黄原子;(iv)N−CHR8−CR9=C(M)R10,N−CHR8−C(M)=CHR10、またはN−C(M)R8−CR9=CHR10;(v)N−CHR8−CR9=CHR10;(vi)H−N基;および(vii)R36、R37およびR38がそれぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリールおよび(C7〜C18)アラルキルからなる群から選択される、R36R37R38SiN基。
以下の開始化合物はカップリング変性剤(本明細書に記載)および鎖末端変性(本明細書に記載)と組み合わせて、増加したカップリング速度でポリマーを製造することも発見されている。式1Gないし1I記載の本発明の開始化合物(式1Aないし1C記載の変性ポリマー部分由来)は、以下を含む:aは数2であり、およびbは数0であり;R6は、(C1〜C18)アルキルから選択され、第3級アミン基、R45R46R47SiN基または(R45R46R47Si)2N基の少なくとも1つで置換され、R45,R46およびR47はそれぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリールおよび(C7〜C18)アラルキルからなる群より選択され;およびR6は好ましくは(C1〜C5)アルキルから選択される。
以下の開始化合物はカップリング変性剤(本明細書に記載)および鎖末端変性剤(本明細書に記載)と組み合わせて、増加したカップリング速度でポリマーを製造することも発見されている。式1Gないし1I記載の本発明の開始化合物(式1Aないし1C記載の変性ポリマー部分由来)は、以下を含む:aは数1であり、およびbは数1であり;R7は、水素(H);フェニル基(C6H5);−CHR8−CR9=CHR10;および−SiR51R52R53からなる群より選択され、R6は、(i)アミン基、R45R46R47Si基またはR45R46R47Siアミン基の少なくとも1つで置換され、R45,R46およびR47はそれぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリールおよび(C7〜C18)アラルキルからなる群より選択される(C1〜C18)アルキル;(ii)水素(H);および(iii)R36,R37およびR38はそれぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリールおよび(C7〜C18)アラルキルからなる群より選択される−SiR36R37R38からなる群より選択される。
例えば、本発明に従い、開始剤を用いて作られる本発明の変性ポリマー20Iは、カップリング速度が25.9%であるのに対し、変性ポリマー19Iおよび24I(比較例)は、共に米国特許第5,502,131号に対応する開始化合物を用いて作られ、カップリング速度がそれぞれ24.7%および23.9%である。同じカップリング変性剤および同じ鎖末端変性は各実施例において同一の大文字が用いられた(例えばI)。また、本発明の開始剤を用いて作られる変性ポリマー13Eはカップリング速度が28.7%であるのに対し、変性ポリマー14E(比較例)は、米国特許第5,502,131号に対応する開始化合物を用いて作られ、カップリング速度が24.5%しかなかった。また、本発明の開始剤を用いて作られる変性ポリマー20Gはカップリング速度が25.9%であるのに対し、変性ポリマー19G(比較例)は、米国特許第5,502,131号に対応する開始化合物を用いて作られ、カップリング速度が24.7%しかなかった。実施例34Nはアミン開始剤を含んでいない。
前述のように、対象のエラストマーポリマーの重要な応用はエラストマーポリマー組成物を製造するときにこの組成物を用いることであり、組成物はタイヤトレッドで特に用いられ、並びに以下の1以上の重要な特性を持つ:60℃でのTanδ値が相対的に低い(または減少する)組成物によって示されるように、転がり抵抗が減少する;0℃でのTanδ値が相対的に高い組成物によって示されるように、湿潤スキッド抵抗が増加する;−10℃でのTanδ値が相対的に高い組成物によって示されるように、アイスグリップが向上する;および/またはタイヤ発熱値が相対的に低い。ポリマーおよびその組成物に依存して、1つ、2つ、3つまたは4つの前述の特性値を向上させることができ、Tanδ値または発熱値を著しく悪化させることはない。シリカまたはカーボンブラックを含む組成物の製造のために用いられるこれらのポリマーのポリマー製造およびポリマー特性、およびポリマーから形成される加硫物は表14および表15に記載される。配合と加硫配合物は表16,表17,表18および表19に記載される。表21で説明されるように、「シリカ含有」ポリマー組成物は、本発明記載のアミン重合開始化合物、カップリング剤、およびスルファニルシレン鎖末端変性化合物を用いて変性されるオイルフリーのポリマーから製造される。アミン系重合開始剤には、重合リアクター内で、アミン系重合開始前駆体化合物、P1, P2,P3,P4,P5,P6およびn−ブチルリチウムから、in situで製造されるものもある(表20および21の試験シリーズEおよびGのポリマー13E,14E,19Gおよび20G参照、または表22および23の試験シリーズ8Cおよび11Dのポリマー4630−7,4630−8参照)。アミン重合開始化合物12(表14のポリマー1A,4Bおよび5B参照)はアミン系重合開始前駆体化合物、P1およびn−ブチルリチウムから、個々の反応器で製造され、次いで重合反応を開始するために、重合リアクター内に移される。本発明に対応して、表21の実施例5B1にて、アミン重合開始化合物12とカップリング剤C1およびスルホニルシラン化合物E2との化合は、アミン重合開始化合物なしで製造した対実施例(同じ文字B1で示された実施例、とりわけ参考例6B1)と比べると、「0℃でのTanδ」値は比較的高く、「−10℃でのTanδ」値は比較的高く、および「60℃でのTanδ」値は比較的低かった。同様に、表21の実施例13Eおよび14Eにて、前駆体P2またはP3およびn−ブチルリチウムから製造された、アミン重合開始化合物とカップリング剤C1およびスルホニルシラン鎖末変性化合物E3との化合は、アミン重合開始化合物なしで製造した対実施例(同じ文字Eで示された実施例、とりわけ参考例12Eおよび15E)と比べると、「0℃でのTanδ」値は比較的高く、「−10℃でのTanδ」値は比較的高く、「60℃でのTanδ」値は比較的低かった。変性ポリマー化合加硫物の実施例に記載された引張強度、モジュラス300および破断伸びは向上し、または少なくとも著しく悪化することはなかった。
表20に示されるように、加硫物の動力学的変形が起こっている最中に、または比較できる範囲において、対象の変性ポリマーを用いることにより、発熱値は減少する。ポリマーの「発熱値」の減少により、結果物である組成物の耐久性が向上し、全体的な弾性が増加すると考えられる。引張強度およびモジュラス300は、参考のポリマーと比較において悪化せず、機械的ストレスの条件下でより強い耐性を持った安定的なポリマーのネットワークを形成することが示された。「破断伸び」の値はわずかに減少したものの、引張強度およびモジュラス300は、Tanδ値が向上したことを考慮すると依然として大いに許容できる。
表20はまた、スコーチ時間(TS)および回復時間(TC)は未変性ポリマーと比較することができ、それゆえ、対応のポリマー組成物は良好な加工性を持つ。
表23は「シリカ含有」ポリマー化合物が、本発明に記載の、アミン重合開始化合物、カップリング剤およびスルファニルシレン鎖末端変性化合物を用いることにより変性されて、油展ポリマーから製造されることを示す。本発明に対応して、表23の実施例8Cにおいて、前駆体P1およびn−ブチルリチウムから製造された、アミン重合開始化合物とカップリング剤C1またはC2、およびスルファニルシレン鎖末端変性化合物E3との組み合わせは、アミン重合開始化合物を用いることなく製造された対応の実施例(特に同じ文字Cの参考例9Cで示された)と比較すると、「−10℃でのTanδ」値は比較高く、および「60℃でのTanδ」値は比較的低く、「0℃でのTanδ」値は同じ範囲であった。所定の変性ポリマー化合物加硫物の実施例(表23参照)の引張強度、モジュラス300および破断伸びは改善したか、または少なくとも著しく悪化することはなかった。しかしながら、参考例9Cでは、アミン重合開始化合物および鎖末端変性化合物を用いることなく製造された参考例7Cと比較すると、「60℃でのTanδ」値および「0℃でのTanδ」値は改善していることを示す。従って、アミン重合開始化合物、カップリング剤および鎖末端変性化合物を有利に含む、正しく選択されたある変性化合物は、変性ポリマー加硫物の転がり抵抗、ウェットグリップおよびアイスグリップの改善をもたらす。
さらに、「オイルフリー、変性SSBR−シリカ」加硫物に関して、表20の実施例13Eおよび14Eにおいて、前駆体P2またはP3およびn−ブチルリチウムから製造されたアミン重合開始化合物と、カップリング剤C1およびスルファニルシレン鎖末端変性化合物E3との化合物は、アミン重合開始化合物を使用しないで製造された対応実施例(実施例15E)と比較すると、相対的に発熱値が低かった。
さらに、「油展、変性SSBR−シリカ」加硫物に関して、表22の実施例8Cおよび11Dにおいて、前駆体P1およびn−ブチルリチウムから製造されたアミン重合開始化合物と、カップリング剤C2およびスルファニルシレン鎖末端変性化合物E3との化合物は、アミン重合開始化合物を使用しないで製造された対応実施例(実施例7Cおよび実施例10D)と比較すると、相対的に発熱が低かった。
この技術の前述の利点は変性ポリマー組成物を含んだカーボンブラックにおいても確認された。
本発明に対応して、表25の実施例19Iおよび20Iにおいて、前駆体P5、P6またはP1およびn−ブチルリチウムから製造されたアミン重合開始化合物と、カップリング剤C1およびスルファニルシレン鎖末端変性化合物E3との化合物は、アミン重合開始化合物を使用しないで製造された対応実施例(同じ文字Iで示された、特に参考例12I)と比較すると、「0℃でのTanδ」値は相対的に高く、「10℃でのTanδ」値は相対的に高く、および「60℃でのTanδ」値は相対的に低かった。所定の「変性ポリマー加硫物」の実施例の引張強度、モジュラス300および破断伸びは改善したか、または少なくとも著しく悪化することはなかった。
さらに、「油点、変性SSBR−カーボンブラック」加硫物に関して、表24の実施例19Iおよび20Iにおいて、前駆体P5、P6またはP1およびn−ブチルリチウムから製造されたアミン重合開始化合物と、カップリング剤C1およびスルファニルシレン鎖末端変性化合物E3との化合物は、アミン重合開始化合物を使用しないで製造された対応実施例(同じ文字Iで示された、特に参考例12I)と比較すると、相対的に加硫物発熱値が低かった。
ポリマー連鎖にすでに添加された極性基は、分子を含む別の極性基の添加に負に影響することがよくある。発見された有利に向上した加硫物のパフォーマンス特性、特に優れたヒステリシスエネルギー損失、濡れたまたは氷の表面上での向上したグリップ特性は、アミン重合イニシエーター前駆体化合物P1,P3,P5,P6,P8およびP10、およびn−ブチルリチウムから作られたアミン重合開始化合物から形成されたリビングポリマーを含むアミン基が、カップリング剤C1,C2またはC3を用いる効率的なポリマーカップリングと、鎖末端変性剤E2またはE3を用いる効率的な鎖末端変性の両方を妨げない。別の鎖末端変性剤の適用は、加硫物のパフォーマンス特性を悪化させることがよくある。
例えば、「オイルフリー、変性SSBR−カーボンブラック」加硫物に関して、表25の実施例20Pおいて、前駆体P6およびn−ブチルリチウムから製造されたアミン重合開始化合物と、スルファニルシレン鎖末端変性化合物E3との化合物は、ポリマー鎖末端変性のために別の鎖末端変性化合物E4またはカップリング剤C2から製造された対応実施例(同じ文字Pで示された、特に参考例37Pおよび38P)と比較すると、加硫物「60℃でのTanδ」値は低く、「−10℃でのTanδ」値は高かった。
さらに、「オイルフリー、変性SSBR−シリカ」加硫物に関して、表21の実施例13Oおいて、前駆体P2およびn−ブチルリチウムから製造されたアミン重合開始化合物と、スルファニルシレン鎖末端変性化合物E3との化合物は、ポリマー鎖末端変性のために別の鎖末端変性化合物E4またはカップリング剤C2から製造された対応実施例(同じ文字Oで示された、特に参考例35Oおよび36O)と比較すると、加硫物「60℃でのTanδ」値は低く、「−10℃でのTanδ」値は高かった。
前述の利点は、「シリカ含有」ポリマー組成物は勿論、「カーボンブラック含有」ポリマー組成物においても概して確認されることは、特に有利である。
さらに、本発明に記載の、「オイルフリー」変性ポリマーおよび「油展」変性ポリマーが「カーボンブラック含有」ポリマー組成物および「シリカ含有」ポリマー組成物においてポリマー源として用いられたことは、有利である。