図1は、本発明の実施形態を説明するための、立体撮像システムの一例を示す。
図1に示す立体撮像システム1は、2台のレンズ装置3A,3Bを含むレンズシステム2と、これらのレンズ装置3A,3Bの各々に装着された撮像装置本体4とを備えている。レンズシステム2は、さらに、2台のレンズ装置3A,3Bのフォーカスを駆動するためのフォーカスデマンド5、及びズームを駆動するためのズームデマンド6を含んで構成されている。
撮像装置本体4には、CCD撮像素子などの撮像素子や信号処理回路等(いずれも図示せず)が搭載されている。撮像装置本体4は、これに装着されたレンズ装置により結像された像を光電変換し、得られた電気信号に対して所定の信号処理を施して、映像信号として外部機器に出力する。
レンズ装置3A,3Bは、いずれも単体での使用が可能なレンズ装置である。そして、レンズ装置3Aは、詳細は後述するが、立体撮影用の機能を有するレンズ装置である。一方、レンズ装置3Bは、立体撮影用の機能を有しないレンズ装置である。なお、レンズ装置3A,3Bには、立体撮影用の機能の有無を除き、典型的にはフォーカスやズームや絞りなどのレンズ諸元に関して同一の仕様のものが用いられる。
フォーカスデマンド5及びズームデマンド6は、接続ケーブル7を介して、上記の立体撮影機能を有するレンズ装置3Aに接続されている。レンズ装置3Aとレンズ装置3Bとは、接続ケーブル8を介して互いに接続されている。
図2は、レンズシステム2、及びこれに含まれるレンズ装置3A,3Bの構成を示す。
まず、立体撮影機能を有しないレンズ装置3Bについて説明する。
レンズ装置3Bは、結像光学系と、駆動系と、制御系とで大略構成されている。
レンズ装置3Bの結像光学系は、フォーカスレンズ群FL、ズームレンズ群ZL、絞りIR等の光学素子を有している。フォーカスレンズ群FLやズームレンズ群ZLは光軸に沿って前後移動可能であり、フォーカスレンズ群FLやズームレンズ群ZLの位置が調整されることによってフォーカス調整(被写体距離の調整)やズーム調整(焦点距離の調整)が行われる。また、絞りIRの位置(開口度)が調整されることによって光量調整が行われる。これらの光学素子は、鏡胴10に収納されている。
レンズ装置3Bの駆動系は、フォーカスレンズ群FLを移動させるフォーカス駆動部20Fと、ズームレンズ群ZLを移動させるためのズーム駆動部20Zと、絞りIRを開閉させる絞り駆動部20Iとを有している。各駆動部には、モータや、モータに電力を供給するアンプや、各駆動部によって駆動される要素の位置を検出するエンコーダなどが設けられている。
レンズ装置3Bの制御系は、レンズ装置3Bの各部の動作を統括して制御するCPU22と、CPU22が実行するプログラム等を記憶した記憶部23とを有している。
上記の駆動系及び制御系は、鏡胴10の外周囲に装着されたドライブユニット11に設けられている。
このドライブユニット11には、レンズ装置3Bのズームを駆動するためのシーソースイッチや、レンズ装置3Bが装着される撮像装置本体4における録画の開始/停止を操作するためのVTRスイッチなどを含む操作部12が設けられている。そして、ドライブユニット11には、レンズ装置3Bが撮像装置本体4に装着されて使用される際に、撮像装置本体4と接続されるインターフェイス13が設けられている。
CPU22は、操作部12に含まれる上記のVTRスイッチの操作に応じて、インターフェイス13から撮像装置本体4に録画制御信号を送信する。また、インターフェイス13には、そこに接続された撮像装置本体4から、例えば撮像装置本体4に搭載される自動露出制御機能を用いる場合には絞り制御信号が入力され、撮像装置本体4に搭載されるオートフォーカス機能を用いる場合にはフォーカス制御信号が入力される。
また、ドライブユニット11には、マニュアルでレンズ装置3Bのフォーカスを駆動するためのフォーカスデマンド5が接続可能なインターフェイス14と、操作部12のシーソースイッチとは別にレンズ装置3Bのズームを駆動するためのズームデマンド6が接続可能なインターフェイス15と、が設けられている。インターフェイス14には、そこに接続されたフォーカスデマンド5から、フォーカスデマンド5における操作量に応じたフォーカス制御信号が入力される。インターフェイス15には、そこに接続されたズームデマンド6から、ズームデマンド6における操作量に応じたズーム制御信号が入力される。
また、ドライブユニット11には、例えばパーソナルコンピュータなどの外部機器が接続されるインターフェイス16が設けられている。インターフェイス16に接続される外部機器は、例えば撮像装置本体4、フォーカスデマンド5、ズームデマンド6とは別に、レンズ装置3Bの絞りやフォーカスやズームなどを駆動するために用いられる。
以上のように構成されたレンズ装置3Bは、インターフェイス13に撮像装置本体4を接続され、そして、ドライブユニット11に設けられている操作部12を用いて、又は、対応するインターフェイスにそれぞれ接続されるフォーカスデマンド5やズームデマンド6やパーソナルコンピュータ等の外部機器を用いて、単体で使用することが可能である。
例えば、ドライブユニット11の操作部12を用いて、レンズ装置3Bが単体で使用される場合に、レンズ装置3Bには、撮像装置本体4から絞り制御信号及びフォーカス制御信号が、そして操作部12のシーソースイッチからズーム制御信号がそれぞれ入力される。CPU22は、これらの絞り制御信号やフォーカス制御信号やズーム制御信号を取得し、記憶部23に記憶されたプログラムに基づいて絞り駆動部20Iやフォーカス駆動部20Fやズーム駆動部20Zを駆動し、絞りIRやフォーカスレンズ群FLやズームレンズ群ZLを目標位置に移動させる。
また、インターフェイス14にフォーカスデマンド5を、インターフェイス15にズームデマンド6それぞれ接続され、レンズ装置3Bが単体で使用される場合に、レンズ装置3Bには、撮像装置本体4から絞り制御信号が、フォーカスデマンド5からフォーカス制御信号が、ズームデマンド6からズーム制御信号がそれぞれ入力される。CPU22は、これらの絞り制御信号やフォーカス制御信号やズーム制御信号を取得し、記憶部23に記憶されたプログラムに基づいて絞り駆動部20Iやフォーカス駆動部20Fやズーム駆動部20Zを駆動し、絞りIRやフォーカスレンズ群FLやズームレンズ群ZLを目標位置に移動させる。
また、インターフェイス16にパーソナルコンピュータ等の外部機器が接続されて、レンズ装置3Bが単体で使用される場合に、レンズ装置3Bには、外部機器から絞り制御信号やフォーカス制御信号やズーム制御信号が入力される。CPU22は、これらの絞り制御信号やフォーカス制御信号やズーム制御信号を取得し、記憶部23に記憶されたプログラムに基づき、取得した制御信号に従って絞り駆動部20Iやフォーカス駆動部20Fやズーム駆動部20Zを駆動し、絞りIRやフォーカスレンズ群FLやズームレンズ群ZLを目標位置に移動させる。
レンズ装置3Bとフォーカスデマンド5やズームデマンド6や撮像装置本体4や他の外部機器との通信には、例えばシリアル通信方式が用いられ、それらの機器との接続をなすインターフェイス13,14,15,16には、例えばRS−232やRS−485などが用いられる。
このように、レンズ装置3Bは、例えばズームの駆動に関して、操作部12のシーソースイッチ、インターフェイス15に接続されるズームデマンド6、インターフェイス16に接続される外部機器を用いた駆動が可能であるが、これらの駆動手段のうちインターフェイス16に接続される外部機器が用いられる場合に、その外部機器から入力される制御信号に従って動作し、シーソースイッチやズームデマンド6から制御信号が入力された場合にそれらの制御信号は無効とするスレーブ動作モードが設けられている。なお、フォーカスや絞りの駆動、そして撮像装置本体4に対する録画指示に関しても、同様のスレーブ動作モードが設けられている。
ズームの駆動に関して外部機器からスレーブ動作モードへの切り替えを指示するモード切替信号が入力されると、CPU22は、入力されたモード切替信号を取得して、ズームの駆動に関してスレーブ動作モードへの切り替えを行う。その後、外部機器からズーム制御信号が入力されると、CPU22は、ズームの駆動に関して、入力されたズーム制御信号に従って動作する。
また、ズームの駆動に関して、典型的には応答性に優れる速度制御が用いられ、操作部12のシーソースイッチや、インターフェイス15に接続されるズームデマンド6や、インターフェイス16に接続される外部機器からは、速度制御に対応したズーム制御信号が入力されるが、位置制御が用いられる場合もある。そこで、CPU22は、入力されるズーム制御信号が速度制御か位置制御かを判定し、判定結果に応じて、ズーム駆動部20Zの駆動制御方式を速度制御又は位置制御に切り替える。なお、フォーカスや絞りの駆動に関しては、通常、位置制御が用いられる。
レンズ装置3Aは、基本的にはレンズ装置3Bと同様に構成されている。ただし、レンズ装置3Aには、立体撮影用の機能として、単体で使用される動作モード(単体モードという)と、立体撮影に際して他のレンズ装置と連動して使用される動作モード(以下、連動モードという)が設けられており、両動作モードの切り替えを行うモード切替部24が設けられている。
また、レンズ装置3Aには、上記の連動モードにおいて、他のレンズ装置と連動させるフォーカスやズームや絞りなどの制御対象に関して、レンズ装置3Aをマスタとするか否かの設定を行うマスタ設定部25とが設けられている。
モード切替部24は、ディップスイッチ30を含んで構成され、CPU22がディップスイッチ30の状態を検出し、例えばディップスイッチ30がONである場合には、動作モードを連動モードに設定し、OFFである場合に動作モードを単体モードに設定する。
単体モードにおいて、レンズ装置3Aは、上述の通り、インターフェイス13に撮像装置本体4を接続され、そして、ドライブユニット11に設けられている操作部12を用いて、又は、対応するインターフェイスにそれぞれ接続されるフォーカスデマンド5やズームデマンド6やパーソナルコンピュータ等の外部機器を用いて、単体で使用することが可能である。その際のCPU22の動作は、上述したレンズ装置3BのCPU22と同様であり、説明は省略する。
一方、連動モードにおいて、レンズ装置3Aは、レンズ装置3Bと接続され、接続されたレンズ装置3Bとの間でフォーカスやズームや絞りや録画タイミングなどの制御対象を連動させる。本レンズシステム2において、レンズ装置3Aとレンズ装置3Bとは、パーソナルコンピュータ等の外部機器が接続されるインターフェイス16間を接続ケーブル8(図1参照)で繋いで、互いに接続される。
マスタ設定部25は、ディップスイッチ31を含んで構成され、CPU22がディップスイッチ31の状態を検出し、例えばディップスイッチ31がONである場合にマスタに設定する。ディップスイッチ31は、レンズ装置3Aにおいて他のレンズ装置と連動させることのできる制御対象の数と同じ数だけ設けられており、制御対象毎に個別に設定される。
本レンズシステム2は2台のレンズ装置3A,3Bで構成され、一方のレンズ装置3Bが上記の立体撮影用の機能を有していないため、本レンズシステム2においては、レンズ装置3A,3B間で連動させる制御対象に関して、レンズ装置3Aがマスタに設定される。ただし、レンズ装置3Aと共に、同様の立体撮影用の機能を有するレンズ装置を用いてレンズシステムが構成される場合に、レンズ装置3Aに替えて他のレンズ装置がマスタに設定される場合もある。
フォーカス、ズーム、絞り、及び録画タイミングに関してレンズ装置3Aがマスタに設定されるものとして、本レンズシステム2は、レンズ装置3Aのインターフェイス14にフォーカスデマンド5が接続され、インターフェイス15にズームデマンド6が接続され、そしてインターフェイス16にレンズ装置3Bが接続されて構成されている。
上記の制御対象に関してマスタに設定されたレンズ装置3AのCPU22は、フォーカスデマンド5から入力される制御信号に従ってレンズ装置3Aのフォーカスを駆動する。また、レンズ装置3AのCPU22は、ズームデマンド6から入力される制御信号に従ってレンズ装置3Aのズームを駆動する。さらに、レンズ装置3AのCPU22は、レンズ装置3Aが装着される撮像装置本体4から入力される制御信号に従ってレンズ装置3Aの絞りを駆動する。さらにまた、レンズ装置3AのCPU22は、レンズ装置3Aの操作部12に設けられたVTRスイッチの操作に応じて、レンズ装置3Aが装着された撮像装置本体4に対して録画の開始/停止を指示する。
そして、マスタに設定されたレンズ装置3AのCPU22は、インターフェイス16に接続されたレンズ装置3Bに対し、レンズ装置3Bにおける上記の制御対象の駆動に関して、レンズ装置3Aから送信される制御信号にのみ従って動作するスレーブ動作モードへの切り替えを指示するモード切替信号をインターフェイス16から送信し、また、それらの制御対象を駆動するための制御信号をインターフェイス16から送信する。
レンズ装置3Aがマスタに設定されない場合、即ち、レンズ装置3Aと共に、同様の立体撮影用の機能を有するレンズ装置を用いてレンズシステムが構成され、他のレンズ装置がマスタに設定される場合に、レンズ装置3Aの動作は、レンズ装置3Bと同様である。
例えば、ズームの駆動に関して、レンズ装置3Aのインターフェイス16に接続される他のレンズ装置から入力される制御信号に従って動作し、シーソースイッチやズームデマンド6から制御信号が入力された場合にそれらの制御信号は無効とするスレーブ動作モードが設けられている。なお、フォーカスや絞りの駆動、そして撮像装置本体4に対する録画指示に関しても、同様のスレーブ動作モードが設けられている。
ズームの駆動に関して他のレンズ装置からスレーブ動作モードへの切り替えを指示するモード切替信号が入力されると、CPU22は、ズームの駆動に関してスレーブ動作モードへの切り替えを行う。その後、他のレンズ装置からズーム制御信号が入力されると、CPU22は、ズームの駆動に関して、入力されたズーム制御信号に従って動作する。
以下、レンズシステム2の動作を説明する。
図3は、立体撮影に際しレンズシステム2が構成されるまでの、レンズ装置3Aの動作フローを示す。
まず、レンズ装置3AのCPU22は、モード切替部24を構成するディップスイッチ30の状態を検出し、動作モードの設定を行う(ステップS301)。
ディップスイッチ30がOFFである場合に、CPU22は、動作モードを単体モードに設定する(ステップS302)。単体モードに設定された場合のレンズ装置3Aの動作は上述した通りである。
ディップスイッチ30がONである場合に、CPU22は、動作モードを連動モードに設定する。ここで、ディップスイッチ30がONである場合に、動作モードを直ちに連動モードに設定してもよいが、本例において、CPU22は、まず、レンズ装置3Bとの接続の確認を行う。
連動モードが選択される立体撮影に際して、レンズ装置3Aのインターフェイス16には、接続ケーブル8が接続され、この接続ケーブル8を介してレンズ装置3Aとレンズ装置3Bとは接続される。そこで、CPU22は、インターフェイス16への接続ケーブル8の接続を検出する(ステップS303)。
接続ケーブル8の接続(つまりは、レンズ装置3Bの接続)を検出できなかった場合に、CPU22は、ディップスイッチ30の状態(ON)にかかわらず、動作モードを単体モードに設定する(ステップS302)。
インターフェイス16への接続ケーブル8の接続を検出した場合には、CPU22は、動作モードを連動モードに設定する(ステップS304)。
CPU22は、レンズ装置3Aの動作モードを連動モードに設定した場合に、続いてマスタ設定部25を構成するディップスイッチ31の状態を検出し、レンズ装置3Aと他のレンズ装置との間で連動させる制御対象毎にマスタの設定を行う(ステップS305)。
ディップスイッチ31がONである場合に、そのディップスイッチ31に対応する制御対象の駆動に関して、CPU22は、レンズ装置3Aをマスタに設定する(ステップS306)。
CPU22は、レンズ装置3Aをマスタに設定する場合に、レンズ装置3Aをマスタに設定する制御対象の駆動に関して、インターフェイス16に接続されているレンズ装置3Bにおける動作モードをスレーブ動作モードに切り替えるように指示するモード切替信号を、インターフェイス16からレンズ装置3Bに送信する(ステップS307)。
以後の立体撮影において、レンズ装置3Aは、レンズシステム2におけるマスタとして動作する。
ディップスイッチ31がOFFである場合に、CPU22は、そのディップスイッチ31に対応する制御対象の駆動に関して、レンズ装置3Aをマスタに設定しない。
CPU22は、レンズ装置3Aをマスタに設定しない場合に、レンズ装置3Bが接続されたインターフェイス16へのモード切替信号の入力を検出する(ステップS308)。
CPU22は、モード切替信号の入力を検出した場合に、そのモード切替信号に対応する制御対象の駆動に関して、動作モードをスレーブ動作モードに切り替える(ステップS309)。
以後の立体撮影において、レンズ装置3Aは、上記の制御対象の駆動に関して、インターフェイス16に接続されたレンズ装置3Bから送信されてインターフェイス16に入力される制御信号に従って動作する。
なお、本レンズシステム2は2台のレンズ装置3A,3Bで構成され、一方のレンズ装置3Bが上記の立体撮影用の機能を有していないため、レンズ装置3A,3B間で連動させる全ての制御対象に関して、レンズ装置3Aがマスタに設定されるものとする。
図4は、立体撮影に際しレンズシステム2が構成されるまでの、レンズ装置3Bの動作フローを示す。
レンズ装置3BのCPU22は、レンズ装置3Aが接続されたインターフェイス16へのモード切替信号の入力を検出する(ステップS401)。
CPU22は、モード切替信号の入力を検出した場合に、そのモード切替信号に対応する制御対象の駆動に関して、動作モードをスレーブ動作モードに切り替える(ステップS402)。
以後の立体撮影において、レンズ装置3Bは、レンズ装置3Aとの間で連動させるレンズ装置3Bの制御対象の駆動に関して、レンズ装置3Aから送信されてインターフェイス16に入力される制御信号に従って動作する。
図5は、レンズシステム2において、フォーカスを連動させる場合のレンズ装置3Aの動作フローを示し、図6は、レンズ装置3Bの動作フローを示す。
まず、レンズ装置3AのCPU22は、レンズ装置3Aに接続されたフォーカスデマンド5からのフォーカス制御信号の入力を検出する(ステップS501)。
フォーカス制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、このフォーカス制御信号に従ってレンズ装置3Aのフォーカスを駆動する(ステップS502)。
そして、CPU22は、レンズ装置3Bのフォーカスをレンズ装置3Aのフォーカスに合致させるようにレンズ装置3Bのフォーカスを駆動するためのフォーカス制御信号を、インターフェイス16からレンズ装置3Bに送信する(ステップS503)。
レンズ装置3A,3Bは、上記の立体撮影用の機能の有無を除き、フォーカスやズームや絞りなどのレンズ諸元も含めて同一の仕様に構成されていることから、レンズ装置3Aからレンズ装置3Bに送信されるフォーカス制御信号は、レンズ装置3Aのフォーカスを駆動するためのフォーカス制御信号と同じとすることができ、即ち、フォーカスデマンド5からレンズ装置3Aに入力されるフォーカス制御信号とすることができる。
一方、レンズ装置3BのCPU22は、レンズ装置3Aからのフォーカス制御信号の入力を検出する(ステップS601)。
フォーカス制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、このフォーカス制御信号に従ってレンズ装置3Bのフォーカスを駆動する(ステップS602)。
それにより、レンズ装置3Bのフォーカスがレンズ装置3Aのフォーカスに合致した状態が得られる。
図7は、レンズシステム2において、ズームを連動させる場合のレンズ装置3Aの動作フローを示し、図8は、レンズ装置3Bの動作フローを示す。
まず、レンズ装置3AのCPU22は、レンズ装置3Aに接続されたズームデマンド6からのズーム制御信号の入力を検出する(ステップS701)。
ズーム制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、このズーム制御信号が速度制御によるものか、あるいは位置制御によるものかを判定する(ステップS702)。
ズーム制御信号が速度制御によるものであると判定した場合に、CPU22は、これを積分して位置制御に対応したズーム制御信号に変換し(ステップS703)、変換した位置制御によるズーム制御信号に従ってレンズ装置3Aのズームを駆動する(ステップS704)。
また、ズーム制御信号が位置制御によるものであると判定した場合に、CPU22は、その入力されたズーム制御信号に応じてレンズ装置3Aのズームを駆動する(ステップS704)。
そして、CPU22は、レンズ装置3Bのズームをレンズ装置3Aのズームに合致させるようにレンズ装置3Bのズームを駆動するためのズーム制御信号を、インターフェイス16からレンズ装置3Bに送信する(ステップS705)。
レンズ装置3Aからレンズ装置3Bに送信されるズーム制御信号は、ズームデマンド6からレンズ装置3Aに入力されたズーム制御信号が速度制御によるものである場合には、位置制御に対応するように変換されたズーム制御信号となり、また、ズームデマンド6からレンズ装置3Aに入力されたズーム制御信号が位置制御によるものである場合には、その入力されたズーム制御信号となる。
一方、レンズ装置3BのCPU22は、レンズ装置3Aからのズーム制御信号の入力を検出する(ステップS801)。
ズーム制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、このズーム制御信号が、速度制御によるものか、あるいは位置制御によるものかを判定する(ステップS802)。
ここでは、ズーム制御信号が位置制御信号であるので、CPU22は、ズーム駆動部20Zの駆動制御方式を位置制御に切り替え(ステップS803)、入力されたズーム制御信号に従って、ズームを駆動する(ステップS804)。
なお、ズーム制御信号が速度制御信号である場合に、CPU22は、ズーム駆動部20Zの駆動制御方式を速度制御に切り替え(ステップS805)、入力されたズーム制御信号に従って、ズームを駆動する(ステップS806)。
レンズ装置3A,3Bが単体で使用される場合に、それらのズームは、典型的には速度制御が用いられるが、両レンズ装置3A,3B間でズームを連動させる際に、上記の通り、位置制御とすることによって、両レンズ装置3A,3Bのズームを不整合なく駆動することができる。
絞りを連動させる場合のレンズ装置3A、3Bの動作については、レンズ装置3A,3Bにおける絞りの駆動がフォーカスの駆動と同様に位置制御であり、レンズ装置3Aが装着される撮像装置本体4からレンズ装置3Aに絞り制御信号が入力される点を除いて、フォーカスを連動させる場合と同様である。
図9は、レンズシステム2において、VTRスイッチを連動させる場合のレンズ装置3Aの動作フローを示し、図10は、レンズ装置3Bの動作フローを示す。
まず、レンズ装置3AのCPU22は、レンズ装置3Aの操作部12に設けられたVTRスイッチの操作を検出する(ステップS901)。
VTRスイッチの操作を検出した場合に、CPU22は、その操作に応じて、レンズ装置3Aが装着された撮像装置本体4に対して、録画の開始/停止を指示する(ステップS902)。
そして、CPU22は、レンズ装置3Bが装着された撮像装置本体4における録画の開始/停止をレンズ装置3Aが装着された撮像装置本体4における録画の開始/停止に合致させるための録画制御信号を、インターフェイス16からレンズ装置3Bに送信する(ステップS903)。
一方、レンズ装置3BのCPU22は、レンズ装置3Aからの録画制御信号の入力を検出する(ステップS1001)。
録画制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、この録画制御信号に従って、レンズ装置3Bが装着された撮像装置本体4に対して、録画の開始/停止を指示する(ステップS1002)。
それにより、両撮像装置本体4における録画の開始/停止が同期した状態が得られる。
本レンズシステム2における以上のレンズ装置3A,3Bの動作において、立体撮影用の機能を有するレンズ装置3Aは、立体撮影に際し、自らがマスタに設定された場合においてのみ、マスタ設定がなされた制御対象の駆動に関してレンズ装置3Aから送信される制御信号に従って動作するようにレンズ装置3Bに対して指示する。
例えばレンズ装置3Aにおいて、フォーカス及びズーム並びに録画タイミングに関してはマスタの設定がなされ、絞りに関してはマスタの設定がなされない場合に、絞りに関しては、レンズ装置3A,3Bの各々に、そのレンズ装置が装着される撮像装置本体4から自動露出制御機能による絞り制御信号が入力され、レンズ装置3A,3Bの各々において、入力された絞り制御信号に従って絞りが駆動されるようにレンズシステム2が構成される。
そこで、レンズ装置3Aと共にレンズシステム2を構成する他のレンズ装置として、立体撮影用の機能、即ち、レンズ装置3Aが他のレンズ装置と連動させることのできる制御対象に関して、自らがマスタとなる機能を有しない従来のレンズ装置3Bを用いることができる。さらに、レンズ装置3Aを含む3台以上の複数のレンズ装置を用いて、レンズシステムを構成することも容易である。
なお、レンズ装置3Aにおいて他のレンズ装置と連動させることのできる制御対象の数と同じ数のディップスイッチ31がレンズ装置3Aのマスタ設定部25に設けられ、制御対象毎に個別にマスタの設定がなされるものとして説明したが、1つのディップスイッチ31で全ての制御対象に関して一括してマスタの設定がなされるように構成することもできる。それによれば、制御対象毎にマスタの設定を行う場合に比べて、設定が容易に行え、また、マスタの設定漏れをなくすことができる。さらに、レンズ装置3Aと共に、同様の立体撮影用の機能を有するレンズ装置を用いてレンズシステムを構成する場合に、レンズ装置3Aと他のレンズ装置との間でマスタの設定が競合する可能性を低減することができる。
また、レンズ装置3Aにおけるマスタの設定を、ディップスイッチ31によって行うものとして説明したが、例えば、フォーカスやズームの駆動に関しては、レンズ装置3Aへのフォーカスデマンド5やズームデマンド6の接続をもって、レンズ装置3Aをマスタに設定するように構成することもできる。即ち、レンズ装置3AのCPU22が、インターフェイス14へのフォーカスデマンド5の接続を検出し、これを検出した場合に、フォーカスの駆動に関して、レンズ装置3Aをマスタに設定し、同様に、インターフェイス15へのズームデマンド6の接続を検出し、これを検出した場合に、ズームの駆動に関して、レンズ装置3Aをマスタに設定するように構成することもできる。この場合に、フォーカスデマンド5やズームデマンド6のいずれかがレンズ装置3Aに接続されたことをもって、レンズ装置3Aにおいて他のレンズ装置と連動させることのできる全ての制御対象に関して一括してマスタの設定がなされるように構成してもよい。
以上、レンズシステム2におけるレンズ装置3A,3Bの基本的な動作について説明した。ここで、レンズシステム2において、レンズ装置3A,3Bは、立体撮影用の機能の有無を除き、フォーカスやズームや絞りなどのレンズ諸元に関して同一の仕様であるものとして説明したが、レンズ装置3A,3Bの個体差等に起因して、共通の制御信号に対し、レンズ装置3A,3B間において、フォーカスやズームや絞りの駆動にズレが生じ得る。また、レンズ装置3A,3Bの仕様が異なる場合にも、共通の制御信号に対し、フォーカスやズームや絞りの駆動にズレが生じ得る。そこで、フォーカスやズームや絞りに関して、共通の制御信号に対するレンズ装置3A,3B間のズレを補正するための構成について、以下に説明する。
図11は、レンズ装置3A,3B間で連動させる制御対象の不一致を補正するための補正装置の構成の一例を示す。
図11に示す補正装置100は、レンズシステム2を構成する複数のレンズ装置の各々に一対一対応で接続される複数の操作端末を備え、図示の例においては、レンズ装置3Aに接続される操作端末101Aと、レンズ装置3Bに接続される操作端末101Bとを備えている。
操作端末101Aは、接続ケーブル8を介して、レンズ装置3Aにおいて外部機器を接続可能なインターフェイス16に接続されている。同様に、操作端末101Bは、接続ケーブル8を介して、レンズ装置3Bにおいて外部機器を接続可能なインターフェイス16に接続されている。そして、操作端末101Aと操作端末101Bとは、互いに通信可能に構成されている。
図12は、操作端末101A,101Bの要部機能ブロックを示す。
図12に示すように、操作端末101A,101Bの各々は、その主たる構成要素として、表示入力部110と、操作部111と、記憶部112と、外部入出力部113と、電源部114と、制御部115とを備えている。
表示入力部110は、画像(静止画像および動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達するとともに、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル120と、操作パネル121とを含んで構成されている。
表示パネル120としては、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electro-Luminescence Display)などが用いられる。
操作パネル121は、表示パネル120の表示面に表示される画像を視認可能に、表示パネル120上に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するものである。
操作パネル121上においてユーザの指や尖筆による操作がなされると、操作パネル121は、その操作に起因して発生する検出信号を制御部115に出力する。制御部115は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル120上の操作位置(座標)を算出し、その操作位置に表示されている情報に応じた処理を実行する。
操作部111は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものであり、例えば、操作端末101A,101Bの主電源をオン/オフするためのスイッチなどが挙げられる。
記憶部112は、制御部115の制御プログラムや制御データ、さらには制御部115によって実行されるアプリケーションソフトウェアを記憶するものである。記憶部112は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体を用いて実現される。
外部入出力部113は、例えば、RS−232やRS−485、あるいはUSB(ユニバーサルシリアルバス)といった有線通信、あるいはBluetooth(登録商標)やIrDA(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)といった無線通信によって、操作端末101A,101Bに接続される全ての外部機器との通信を行うインターフェイスの役割を果たす。
本例において、操作端末101Aは、接続ケーブル8を介して、その外部入出力部113にレンズ装置3Aを接続される。また、操作端末101Bは、接続ケーブル8を介して、その外部入出力部113にレンズ装置3Bを接続される。そして、操作端末101A,101Bは、それらの外部入出力部113において、無線通信によって互いに接続される。
電源部114は、例えばバッテリ等を含んで構成され、操作端末101A,101Bの各部に電力を供給するものである。
制御部115は、例えばマイクロプロセッサを含んで構成され、記憶部112に記憶された制御プログラムや制御データやアプリケーションソフトウェアに従って動作し、端末101A,101Bの各部を統括して制御する。例えば、制御部115は、表示パネル120への表示制御、操作部111や操作パネル121を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御、外部入出力部113を介した外部機器との通信制御を行う。
本例において、レンズ装置3A,3B間のズレを補正するための補正処理は、詳細は後述するが、補正用アプリケーションソフトウェアによって実現される。
以上の構成を備える操作端末101A,101Bとして、例えばスマートフォンを好適に用いることができる。スマートフォンは、近年、著しく普及が進み、また、可搬性に優れるため、操作端末101A,101Bとしてスマートフォンを用いることにより、場所を選ばず簡便にレンズ装置3A,3Bの補正が可能となり、利便性を高めることができる。
図13は、補正用アプリケーションソフトウェアが実行された際の操作端末101A,101Bの表示入力部110に表示される操作画面の一例を示す。
図13に示す例において、操作端末101Aの表示入力部110に表示される操作画面は、スライドスイッチ130と、切り替えタブ131と、スライダーバー132,133と、メモリーボタン群134と、アクションボタン群135と、転送ボタン136とで大略構成されている(FIG.13A)。
本例において、操作端末101Bの表示入力部110に表示される操作画面は、操作端末101Aの表示入力部110に表示される操作画面と同一に構成されており、スライドスイッチ130と、切り替えタブ131と、スライダーバー132,133と、メモリーボタン群134と、アクションボタン群135と、転送ボタン136とで大略構成されている(FIG.13B)。
スライドスイッチ130は、操作端末101A,101B間における通信の確立・切断を指示するためのものであり、ユーザの指や尖筆がスライドスイッチ130に重ねられた状態でドラッグ操作されることにより、通信の確立を指示するON位置と、確立されている通信の切断を指示するためのOFF位置との間で移動される。
いずれかの操作端末においてユーザ操作によりスライドスイッチ130がON位置に移動されると、操作端末101A,101Bの各々において、それらの間で通信を確立するための処理が実行される。また、いずれかの操作端末においてユーザ操作によりスライドスイッチ130がOFF位置に移動されると、操作端末101A,101Bの各々において、それらの間で確立されている通信を切断するための処理が実行される。
切り替えタブ131は、レンズ装置3A,3B間で連動させるフォーカス、ズーム、絞りのうちから補正を行う制御対象(以下、補正制御対象という)を選択するためのものである。切り替えタブ131は、補正制御対象としてフォーカスを選択するためのフォーカスタブ131aと、ズームを選択するためのズームタブ131bと、絞りを選択するための絞りタブ131cとを含んで構成されている。
操作端末101A,101B間で通信が確立されている場合に、いずれかの操作端末において、ユーザ操作により、例えばフォーカスタブ131aが選択されると、操作端末101A,101Bの各々において、補正制御対象をフォーカスとするための処理が実行される。ズームタブ131b、絞りタブ131cが選択された場合も同様である。
スライダーバー132は、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関して、共通の目標値を設定するためのものである。
スライダーバー132は、補正制御対象の操作範囲を示すバー132aと、バー132a上における位置に応じて目標値を示すスライダー132bとを含んで構成されている。
バー132aは、例えば、補正制御対象がフォーカスの場合にはNear(至近)端からInf(無限遠)端の範囲を示す。また、バー132aは、例えば、補正制御対象がズームの場合にはWide(広角)端からTele(望遠)端の範囲を示す。さらに、バー132aは、例えば、補正制御対象が絞りの場合には最小絞り端から開放端の範囲を示す。
レンズ装置3A,3Bには、フォーカスやズームや絞りの可動範囲に関する情報を記憶した図示しないEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory
)が設けられている。操作端末101Aは、補正用アプリケーションソフトウェアが実行された際に、接続しているレンズ装置3AのEEPROMからフォーカスやズームや絞りの可動範囲をそれぞれ取得する。操作端末101Bは、補正用アプリケーションソフトウェアが実行された際に、接続しているレンズ装置3BのEEPROMから、フォーカスやズームや絞りの可動範囲をそれぞれ取得する。操作端末101A,101Bは、取得したレンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関する可動範囲をバー132aに割り当てる。
なお、レンズ装置3A,3Bが、立体撮影用の機能の有無を除き、フォーカスやズームや絞りなどのレンズ諸元に関して同一の仕様である場合に、基本的に、それらの可動範囲は同じであるが、レンズ装置3A,3Bが、フォーカスやズームや絞りなどのレンズ諸元に関して仕様が異なる場合などにおいて、それらの可動範囲が異なる場合もある。そこで、例えばフォーカスについては、レンズ装置3A,3Bの各々のフォーカスのNear端のうち最もNear側にあるものを下限とし、Inf端のうち最もInf側にあるものを上限として、その下限から上限までの範囲を操作端末101A,101Bの各々のバー132aに割り当てるようにすればよい。
スライダー132bは、ユーザの指や尖筆がスライダー132bに重ねられた状態で、バー132aに沿ってドラッグ操作されることにより、バー132aに沿って移動される。
操作端末101A,101B間で通信が確立されている場合に、いずれかの操作端末においてスライダー132bがユーザ操作によって移動された場合に、その位置情報は、他の操作端末に送信される。他の操作端末においては、ユーザ操作に拠ることなく、受信した位置情報に基づいてスライダー132bを移動させる。それにより、操作端末101A,101B間において、バー132a上でのスライダー132bの位置の同期がとられ、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関して、共通の目標値が設定される。
そして、操作端末101Aは、そのスライダーバー132において設定された目標値にレンズ装置3Aの補正制御対象を駆動するための制御信号を、レンズ装置3Aに対して送信する。並行して、操作端末101Bは、そのスライダーバー132において設定された目標値にレンズ装置3Bの補正制御対象を駆動するための制御信号を、レンズ装置3Bに対して送信する。即ち、補正装置100は、レンズ装置3A,3Bに対して共通の制御信号を送信し、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象を一括して駆動することが可能に構成されている。
スライダーバー133は、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関して、個別の補正値を設定するためのものである。即ち、操作端末101Aの表示入力部110に表示されるスライダーバー133は、操作端末101Aが接続しているレンズ装置3Aの補正制御対象に関する補正値を設定する。また、操作端末101Bの表示入力部110に表示されるスライダーバー133は、操作端末101Bが接続しているレンズ装置3Bの補正制御対象に関する補正値を設定する。
操作端末101Aのスライダーバー133は、操作端末101Aが接続しているレンズ装置3Aの補正制御対象に関して、その補正可能範囲を示すバー133aと、バー133a上における位置に応じて補正値を示すスライダー133bとを含んで構成されている。
バー133aには、例えば、スライダーバー132において設定された目標値を中心に、その前後の所定の範囲が割り当てられる。
スライダー133bは、ユーザの指や尖筆がスライダー133bに重ねられた状態で、バー133aに沿ってドラッグ操作されることにより、バー133aに沿って移動される。
操作端末101Bのスライダーバー133は、操作端末101Bが接続しているレンズ装置3Bの補正制御対象に関して、その補正可能範囲を示すバー133aと、バー133a上における位置に応じて補正値を示すスライダー133bとを含んで構成されている。
バー133aには、例えば、スライダーバー132において設定された目標値を中心に、その前後の所定の範囲が割り当てられる。
スライダー133bは、ユーザの指や尖筆がスライダー133bに重ねられた状態で、バー133aに沿ってドラッグ操作されることにより、バー133aに沿って移動される。
操作端末101Aにおけるバー133a上でのスライダー133bの位置と、操作端末101Bにおけるバー133a上でのスライダー133bの位置とは、互いに同期がとられることはなく、よって、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関して、個別の補正値が設定される。
操作端末101Aのスライダーバー133において補正値が設定された場合に、操作端末101Aは、スライダーバー132において設定された目標値にスライダーバー133において設定された補正値を加味した制御値にレンズ装置3Aの補正制御対象を駆動するための制御信号を、レンズ装置3Aに対して送信する。同様に、操作端末101Bのスライダーバー133において補正値が設定された場合に、操作端末101Bは、スライダーバー132において設定された目標値にスライダーバー133において設定された補正値を加味した制御値にレンズ装置3Bの補正制御対象を駆動するための制御信号を、レンズ装置3Bに対して送信する。即ち、補正装置100は、レンズ装置3A,3Bの各々に対して個別の制御信号を送信し、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象を独立して駆動することも可能に構成されている。
メモリーボタン群134は、スライダーバー132において設定された目標値、及びスライダーバー133において設定された補正値を記憶するために記憶部112(図12参照)に確保される複数の記憶領域のいずれかを選択するためのものである。
メモリーボタン群134は、複数のメモリーボタン134a,134b,134c・・・を含んで構成されている。メモリーボタン134a,134b,134c・・・の各々には、所定の記憶領域が割り当てられている。
操作端末101A,101B間で通信が確立されている場合に、いずれかの操作端末において、ユーザ操作によって例えばメモリーボタン134aが押されると、操作端末101A,101Bの各々において、以後のメモリー処理の対象となる記憶領域をメモリーボタン134aに割り当てられた記憶領域とする処理が実行される。他のメモリーボタン134b,134c・・・が選択された場合も同様である。
アクションボタン群135は、メモリーボタン群134において選択された記憶領域への書き込みや消去などのメモリー処理を指示するためのものである。
アクションボタン群135は、メモリーボタン群134において選択された記憶領域への書き込みを指示する書き込みボタン135aと、選択された記憶領域の消去を指示する消去ボタン135bと、全ての記憶領域の消去を指示する全消去ボタン135cとを含んで構成されている。
操作端末101A,101B間で通信が確立されている場合に、いずれかの操作端末において、ユーザ操作によって書き込みボタン135aが押されると、操作端末101A,101Bの各々において、スライダーバー132における共通の目標値、並びに操作端末101Aのスライダーバー133における補正値、及び操作端末101Bのスライダーバー133における補正値のセットを、選択されている記憶領域に書き込む処理が実行される。なお、いずれかの操作端末において消去ボタン135bないし全消去ボタン135cが押されると、操作端末101A,101Bの各々において、選択されている記憶領域ないし全ての記憶領域を消去する処理が実行される。
転送ボタン136は、メモリーボタン134a,134b,134c・・・の各々に割り当てられている記憶領域に記憶された制御対象(フォーカス、ズーム、絞り)毎の上記の目標値及び補正値のセットの群からなる補正データを、レンズ装置3A,3Bのうち、その制御対象に関してマスタに設定されているレンズ装置の記憶部23(図2参照)に送信するためのものである。
操作端末101A,101B間で通信が確立されている場合に、いずれかの操作端末において、ユーザ操作によって転送ボタン136が押されると、操作端末101A,101Bの各々において、接続しているレンズ装置のマスタ設定情報を取得する処理が実行される。
立体撮影用の機能、即ち、複数のレンズ装置との間で連動させる制御対象の駆動に関して自らがマスタとなる機能を有するレンズ装置において、マスタ設定部25(図2参照)における設定情報(ディップスイッチ31のON・OFF)は、その記憶部23(図2参照)に一時的に記憶されており、操作端末101A,101Bの各々は、接続しているレンズ装置に対してマスタ設定情報の要求信号を送信する。上記の立体撮影機能を有しているレンズ装置は、マスタ設定情報の要求信号を受信すると、その記憶部に記憶されているマスタ設定情報を操作端末に対して送信する。
そして、マスタ設定情報の取得結果に従って、操作端末101A,101Bにおいて、制御対象毎に、その制御対象に関してマスタに設定されているレンズ装置の記憶部23に補正データを送信する処理が実行される。
なお、本レンズシステム2においては、上述の通り、レンズ装置3Bが立体撮影用の機能を有していないため、レンズ装置3A,3B間で連動させるフォーカス、ズーム、絞りに関して、レンズ装置3Aがマスタに設定され、よって、フォーカス、ズーム、絞りに関する補正データは、いずれもレンズ装置3Aの記憶部23に送信される。
以下、補正装置100を用いてレンズシステム2の各レンズ装置の補正データを取得する処理について説明する。
図14は、フォーカスに関する補正データを取得する場合のフローを示す。
まず、操作端末101A又は操作端末101Bのいずれかにおいて、初期設定のための操作を行う(ステップS1401)。初期設定のための操作としては、例えば、操作端末101A,101B間における通信が確立されていない場合に、操作端末101A,101B間における通信を確立するためのスライドボタン130のON位置への移動、そして、フォーカスを補正制御対象とするためのフォーカスタブ131aの選択が挙げられる。
初期設定を経て、操作端末101A,101B間における通信が確立され、また、操作端末101A,101Bの各々において補正制御対象がフォーカスに設定された後、操作端末101A又は操作端末101Bのいずれかにおいて、スライダーバー132のスライダー132bを操作し、レンズ装置3A,3Bのフォーカスに関する共通の目標値を設定する(ステップS1402)。
目標値の設定は、例えば、バー132aが示すフォーカスの操作範囲の一方の端(Near端、あるいはInf端)を始点とし、メモリーボタン134a,134b,134c・・・の数に応じて、操作範囲の全域を包含するように適宜な間隔をおいて設定することができる。
操作端末101Aは、そのスライダーバー132において設定された目標値にレンズ装置3Aのフォーカスを駆動するための制御信号を、レンズ装置3Aに対して送信し、レンズ装置3Aのフォーカスを駆動する。並行して、操作端末101Bは、そのスライダーバー132における設定を操作端末101Aに同期させ、設定された目標値にレンズ装置3Bのフォーカスを駆動するための制御信号を、レンズ装置3Bに対して送信し、レンズ装置3Bのフォーカスを駆動する(ステップS1403)。
レンズ装置3A,3Bが装着されている撮像装置本体4の各々から映像信号がモニター等の表示装置に出力され、ユーザは、表示装置に表示される画像に基づいてレンズ装置3A,3B間でフォーカスが一致しているか否を判定する(ステップS1404)。
フォーカスが一致していないと判定した場合に、必要に応じて、操作端末101Aにおいてスライダーバー133のスライダー133bを操作し、レンズ装置3Aのフォーカスに関する補正値を設定する(ステップS1405)。
操作端末101Aのスライダーバー133において補正値が設定された場合に、操作端末101Aは、スライダーバー132において設定された目標値にスライダーバー133において設定された補正値を加味した値にレンズ装置3Aのフォーカスを駆動するための制御信号を、レンズ装置3Aに対して送信し、レンズ装置3Aのフォーカスを駆動する(ステップS1406)。
また、必要に応じて、操作端末101Bにおいてスライダーバー133のスライダー133bを操作し、レンズ装置3Bのフォーカスに関する補正値を設定する(ステップS1407)。
操作端末101Bのスライダーバー133において補正値が設定された場合に、操作端末101Bは、スライダーバー132において設定された目標値にスライダーバー133において設定された補正値を加味した値にレンズ装置3Bのフォーカスを駆動するための制御信号を、レンズ装置3Bに対して送信し、レンズ装置3Bのフォーカスを駆動する(ステップS1408)。
なお、フォーカスを一致させるための補正は、レンズ装置3A,3Bの双方のフォーカスを補正することによって行う必要はなく、レンズ装置3A,3Bのいずれか一方のフォーカスのみを補正することによって行うようにしてもよい。
レンズ装置3A,3Bのフォーカスが一致していると判定した場合に、操作端末101A又は操作端末101Bのいずれかにおいて、メモリーボタン群134のいずれかのメモリーボタンを選択し、そして、書き込みボタン135aを押す(ステップS1409)。
操作端末101A,101Bの各々は、スライダーバー132における共通の目標値、並びに操作端末101Aのスライダーバー133における補正値、及び操作端末101Bのスライダーバー133における補正値のセットを、選択した記憶領域に記憶させる(ステップS1410)。
以上のプロセスを、全ての目標値について繰り返し行った後(ステップS1411)、操作端末101A又は操作端末101Bのいずれかにおいて、転送ボタン136を押す(ステップS1412)。
操作端末101A,101Bの各々は、フォーカスに関してマスタに設定されているレンズ装置(以下、マスタレンズ装置という)を検出し、マスタレンズ装置の記憶部23に補正データを送信する(ステップS1413)。
ズーム、及び絞りに関しても、フォーカスに関する補正データを取得する場合と同様にして、それらの補正データを取得することができる。なお、操作端末101A,101Bによるレンズ装置3A,3Bの駆動は、フォーカス、ズーム、絞りのいずれに関しても、位置制御によるものである。
以上、2つの操作端末101A,101Bを用いてレンズ装置3A,3Bの2台のレンズ装置の補正データを取得する場合について説明したが、レンズ装置の数と同数の操作端末を用いることにより、3台以上の複数のレンズの補正データを取得する場合にも、柔軟に対応することが可能である。
次に、補正データに基づくレンズシステム2の動作を説明する。
図15は、レンズシステム2において、補正データに基づいてフォーカスを連動させる場合のレンズ装置3Aの動作フローを示し、図16は、レンズ装置3Bの動作フローを示す。
まず、レンズ装置3AのCPU22は、レンズ装置3Aに接続されたフォーカスデマンド5からのフォーカス制御信号の入力を検出する(ステップS1501)。
フォーカス制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、記憶部23に記憶されたフォーカスに関する補正データを参照し、フォーカス制御信号に対応する目標値を検索する(ステップS1502)。
フォーカス制御信号に対応する目標値が補正データに含まれている場合には、CPU22は、フォーカス制御信号に対応する目標値を、その目標値に関連付けられているレンズ装置3Aの補正値を加味して補正し、レンズ装置3Aのフォーカスを駆動するための補正フォーカス制御信号を生成する(ステップS1503)。
また、CPU22は、フォーカス制御信号に対応する目標値を、その目標値に関連付けられているレンズ装置3Bの補正値を加味して補正し、レンズ装置3Bのフォーカスを駆動するための補正フォーカス制御信号を生成する(ステップS1504)。
フォーカス制御信号に対応する目標値が補正データに含まれていない場合には、対応する目標値の前後の補正データに含まれる目標値を選択し、選択した前後の目標値に関連付けられているレンズ装置3Aの補正値を用いて、フォーカス制御信号に対応する目標値に応じた補正値を補間する。(ステップS1505)。
そして、CPU22は、フォーカス制御信号に対応する目標値を、補間した補正値を加味して補正し、レンズ装置3Aのフォーカスを駆動するための補正フォーカス制御信号を生成する(ステップS1506)。
また、CPU22は、選択した前後の目標値に関連付けられているレンズ装置3Bの補正値を用いて、フォーカス制御信号に対応する目標値に応じた補正値を補間する(ステップS1507)。
そして、CPU22は、フォーカス制御信号に対応する目標値を、補間した補正値を加味して補正し、レンズ装置3Bのフォーカスを駆動するための補正フォーカス制御信号を生成する(ステップS1508)。
次いで、CPU22は、生成したレンズ装置3Aの補正フォーカス制御信号に従ってレンズ装置3Aのフォーカスを駆動する(ステップS1509)。
そして、CPU22は、生成したレンズ装置3Bの補正フォーカス制御信号を、インターフェイス16からレンズ装置3Bに送信する(ステップS1510)。
一方、レンズ装置3BのCPU22は、レンズ装置3Aからのフォーカス制御信号(補正フォーカス制御信号)の入力を検出する(ステップS1601)。
フォーカス制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、このフォーカス制御信号に従ってレンズ装置3Bのフォーカスを駆動する(ステップS1602)。
それにより、レンズ装置3Bのフォーカスがレンズ装置3Aのフォーカスに合致した状態が得られる。
図17は、レンズシステム2において、補正データに基づいてズームを連動させる場合のレンズ装置3Aの動作フローを示し、図18は、レンズ装置3Bの動作フローを示す。
まず、レンズ装置3AのCPU22は、レンズ装置3Aに接続されたズームデマンド6からのズーム制御信号の入力を検出する(ステップS1701)。
ズーム制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、このズーム制御信号が速度制御によるものか、あるいは位置制御によるものかを判定する(ステップS1702)。
ズーム制御信号が速度制御によるものであると判定した場合に、CPU22は、これを積分して位置制御に対応したズーム制御信号に変換する(ステップS1703)。
次いで、CPU22は、記憶部23に記憶されたズームに関する補正データを参照し、位置制御によるズーム制御信号に対応する目標値を検索する(ステップS1704)。
ズーム制御信号に対応する目標値が補正データに含まれている場合には、CPU22は、ズーム制御信号に対応する目標値を、その目標値に関連付けられているレンズ装置3Aの補正値を加味して補正し、レンズ装置3Aのズームの駆動するための補正ズーム制御信号を生成する(ステップS1705)。
また、CPU22は、ズーム制御信号に対応する目標値を、その目標値に関連付けられているレンズ装置3Bの補正値を加味して補正し、レンズ装置3Bのズームを駆動するための補正ズーム制御信号を生成する(ステップS1706)。
ズーム制御信号に対応する目標値が補正データに含まれていない場合には、対応する目標値の前後の補正データに含まれる目標値を選択し、選択した前後の目標値に関連付けられているレンズ装置3Aの補正値を用いて、ズーム制御信号に対応する目標値に応じた補正値を補間する。(ステップS1707)。
そして、CPU22は、ズーム制御信号に対応する目標値を、補間した補正値を加味して補正し、レンズ装置3Aのズームを駆動するための補正ズーム制御信号を生成する(ステップS1708)。
また、CPU22は、選択した前後の目標値に関連付けられているレンズ装置3Bの補正値を用いて、ズーム制御信号に対応する目標値に応じた補正値を補間する(ステップS1709)。
そして、CPU22は、ズーム制御信号に対応する目標値を、補間した補正値を加味して補正し、レンズ装置3Bのズームを駆動するための補正ズーム制御信号を生成する(ステップS1710)。
次いで、CPU22は、生成したレンズ装置3Aの補正ズーム制御信号に従ってレンズ装置3Aのズームを駆動する(ステップS1711)。
そして、CPU22は、生成したレンズ装置3Bの補正ズーム制御信号を、インターフェイス16からレンズ装置3Bに送信する(ステップS1712)。
一方、レンズ装置3BのCPU22は、レンズ装置3Aからのズーム制御信号(補正ズーム制御信号)の入力を検出する(ステップS1801)。
ズーム制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、このズーム制御信号が、速度制御によるものか、あるいは位置制御によるものかを判定する(ステップS1802)。
ここでは、ズーム制御信号が位置制御信号であるので、CPU22は、ズーム駆動部20Zの駆動制御方式を位置制御に切り替え(ステップS1803)、入力されたズーム制御信号に従って、ズームを駆動する(ステップS1804)。
それにより、レンズ装置3Bのフォーカスがレンズ装置3Aのフォーカスに合致した状態が得られる。
なお、ズーム制御信号が速度制御信号である場合に、CPU22は、ズーム駆動部20Zの駆動制御方式を速度制御に切り替え(ステップS1805)、入力されたズーム制御信号に従って、ズームを駆動する(ステップS1806)。
補正データを用いて絞りを連動させる場合のレンズ装置3A、3Bの動作については、レンズ装置3A,3Bにおける絞りの駆動がフォーカスの駆動と同様に位置制御であり、レンズ装置3Aが装着される撮像装置本体4からレンズ装置3Aに絞り制御信号が入力される点を除いて、フォーカスを連動させる場合と同様である。
図19は、補正用アプリケーションソフトウェアが実行された際の操作端末101A,101Bの表示入力部110に表示される操作画面の他の例を示す。
図19に示す例は、立体撮影用の機能を有するレンズ装置3Aに接続している操作端末101Aの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.19A)において、スライダーバー133が省略されている点で、図13に示す例と相違する。なお、操作端末101Bの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.19B)は、図13に示す例と同一に構成されている。
本例において、フォーカスやズームや絞りに関して、共通の制御信号に対するレンズ装置3A,3B間のズレは、操作端末101Bにおいてスライダーバー133を操作し、操作端末101Bが接続しているレンズ装置3Bの補正値を設定することによって補正される。
図20は、補正用アプリケーションソフトウェアが実行された際の操作端末101A,101Bの表示入力部110に表示される操作画面の他の例を示す。
図20に示す例は、立体撮影用の機能を有するレンズ装置3Aに接続している操作端末101Aの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.20A)において、スライダーバー133が省略されている点で、図13に示す例と相違する。また、立体撮影用の機能を有しないレンズ装置3Bに接続している操作端末101Bの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.20B)において、スライダーバー132が省略されている点で、図13に示す例と相違する。
本例において、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関する共通の目標値は、操作端末101Aのスライダーバー132において設定され、操作端末101Aは、そのスライダーバー132において設定された目標値にレンズ装置3Aの補正制御対象を駆動するための制御信号を、レンズ装置3Aに対して送信する。同時に、操作端末101Aは、そのスライダーバー132において設定された目標値を、操作端末101Bに対して送信する。目標値を受信した操作端末101Bは、その目標値にレンズ装置3Bの補正制御対象を駆動するための制御信号を、レンズ装置3Bに対して送信する。
また、フォーカスやズームや絞りに関して、共通の制御信号に対するレンズ装置3A,3B間のズレは、操作端末101Bにおいてスライダーバー133を操作し、操作端末101Bが接続しているレンズ装置3Bの補正値を設定することによって補正される。
なお、図20に示す例とは逆に、操作端末101Aにおいてスライダーバー132を省略し、操作端末101Bにおいてスライダーバー133を省略するように構成することもできる
図21は、補正用アプリケーションソフトウェアが実行された際の操作端末101A,101Bの表示入力部110に表示される操作画面の他の例を示す。
図21に示す例は、立体撮影用の機能を有しないレンズ装置3Bに接続している操作端末101Bの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.21B)において、スライダーバー132,133が省略されている点で、図13に示す例と相違する。なお、操作端末101Aの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.21A)は、図13に示す例と同一に構成されている。
本例において、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関する共通の目標値は、操作端末101Aのスライダーバー132において設定され、操作端末101Aは、そのスライダーバー132において設定された目標値にレンズ装置3Aの補正制御対象を駆動するための制御信号を、レンズ装置3Aに対して送信する。同時に、操作端末101Aは、そのスライダーバー132において設定された目標値を、操作端末101Bに対して送信する。目標値を受信した操作端末101Bは、その目標値にレンズ装置3Bの補正制御対象を駆動するための制御信号を、レンズ装置3Bに対して送信する。
また、フォーカスやズームや絞りに関して、共通の制御信号に対するレンズ装置3A,3B間のズレは、操作端末101Aにおいてスライダーバー133を操作し、操作端末101Aが接続しているレンズ装置3Aの補正値を設定することによって補正される。
なお、図21に示す例とは逆に、操作端末101Aにおいてスライダーバー132,133を省略するように構成することもできる
図22は、補正用アプリケーションソフトウェアが実行された際の操作端末101A,101Bの表示入力部110に表示される操作画面の他の例を示す。
図22に示す例は、立体撮影用の機能を有するレンズ装置3Aに接続している操作端末101Aの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.22A)において、操作端末101Aが接続しているレンズ装置3Aの補正制御対象に関する補正値を設定するためのスライダーバー133Aに加えて、操作端末101Bが接続しているレンズ装置3Bの補正制御対象に関する補正値を設定するためのスライダーバー133Bが設けられている点で、図13に示す例と相違する。また、立体撮影用の機能を有しないレンズ装置3Bに接続している操作端末101Bの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.22B)において、スライダーバー132,133が省略されている点で、図13に示す例と相違する。
本例において、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関する共通の目標値は、操作端末101Aのスライダーバー132において設定され、操作端末101Aは、そのスライダーバー132において設定された目標値にレンズ装置3Aの補正制御対象を駆動するための制御信号を、レンズ装置3Aに対して送信する。同時に、操作端末101Aは、そのスライダーバー132において設定された目標値を、操作端末101Bに対して送信する。目標値を受信した操作端末101Bは、その目標値にレンズ装置3Bの補正制御対象を駆動するための制御信号を、レンズ装置3Bに対して送信する。
また、フォーカスやズームや絞りに関して、共通の制御信号に対するレンズ装置3A,3B間のズレは、操作端末101Aにおいてスライダーバー133A,133Bを必要に応じて操作し、レンズ装置3A,3Bの双方又はいずれか一方の補正値を設定することによって補正される。
図22に示す例によれば、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関する共通の目標値の設定、及びレンズ装置3A,3Bの個別の補正値の設定を一つの操作端末101Aのみで行うことができ、操作性が高まる。
なお、図22に示す例とは逆に、操作端末101Bにおいて、操作端末101Aが接続しているレンズ装置3Aの補正制御対象に関する補正値を設定するためのスライダーバー133a、及び操作端末101Bが接続しているレンズ装置3Bの補正制御対象に関する補正値を設定するためのスライダーバー133bを設けるように構成することもできる。
図23は、補正用アプリケーションソフトウェアが実行された際の操作端末101A,101Bの表示入力部110に表示される操作画面の他の例を示す。
図23に示す例は、操作端末101Aの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.23A)、及び操作端末101Bの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.23B)において、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関する共通の目標値、及び個別の補正値を設定するためのスライダーバーの構成が図13に示す例と相違する。
操作端末101Aのスライダーバー132’は、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関して、共通の目標値を設定するとともに、レンズ装置3Aの補正制御対象に関して、個別の補正値を設定するように構成されている。また、操作端末101Bのスライダーバー132’は、レンズ装置3Bの補正制御対象に関して、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関して、共通の目標値を設定するとともに、個別の補正値を設定するよう構成されている。
操作端末101Aのスライダーバー132’は、補正制御対象の操作範囲を示すバー132aと、レンズ装置3Aの補正制御対象に関して、その補正可能範囲を示すバー132cと、バー132a上における位置に応じて目標値を示すとともに、バー132c上における位置に応じて補正値を示すスライダー132bと、を含んで構成されている。バー132cは、バー132aに略直交するように延在して設けられている。
スライダー132bは、ユーザの指や尖筆がスライダー132bに重ねられた状態で、操作範囲を示すバー132aに沿ってドラッグ操作されることにより、バー132aに沿って移動される。また、スライダー132bは、補正可能範囲を示すバー132cに沿ってドラッグ操作されることにより、バー132cに沿って移動される。
操作範囲を示すバー132aに沿ってスライダー132bが移動されるのに伴って、補正可能範囲を示すバー132cは、スライダー132bに付随してバー132aに沿って移動される。
操作端末101Bのスライダーバー132’は、補正制御対象の操作範囲を示すバー132aと、レンズ装置3Bの補正制御対象に関して、その補正可能範囲を示すバー132cと、バー132a上における位置に応じて目標値を示すとともに、バー132c上における位置に応じて補正値を示すスライダー132bと、を含んで構成されている。バー132cは、バー132aに略直交するように延在して設けられている。なお、ユーザ操作によるスライダー132b、及びスライダー132bに付随するバー132cの移動は、操作端末101Aのスライダーバー132’と同一である。
操作端末101A,101B間で通信が確立されている場合に、いずれかの操作端末において、操作範囲を示すバー132aに沿ってスライダー132bがユーザ操作によって移動された場合に、その位置情報は、他の操作端末に送信される。他の操作端末においては、ユーザ操作に拠ることなく、受信した位置情報に基づいて、バー132aに沿ってスライダー132bを移動させる。それにより、操作端末101A,101B間において、バー132a上でのスライダー132bの位置の同期がとられ、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関して、共通の目標値が設定される。
必要に応じて、操作端末101Aにおいて、補正可能範囲を示すバー132cに沿ってスライダー132bがユーザ操作によって移動され、レンズ装置3Aの補正制御対象に関する補正値が設定され、また、操作端末101Bにおいて、補正可能範囲を示すバー132cに沿ってスライダー132bがユーザ操作によって移動され、レンズ装置3Bの補正制御対象に関する補正値が設定される。操作端末101A,101Bにおけるバー132c上でのスライダー132bの位置は、互いに同期がとられることはなく、よって、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関して、個別の補正値が設定される。
図13、及び図19から図23にそれぞれ示した例においては、操作端末101A,101Bのうち少なくとも一方の操作端末に、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関する共通の目標値を設定するためのスライダーバー132(132’)が設けられ、操作端末101Aからレンズ装置3Aに、また操作端末101Bからレンズ装置3Bに対して共通の制御信号が送信されるように構成されている。かかる構成によれば、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象を共通の目標値に一括して駆動することができ、共通の制御信号に対するレンズ装置3A,3B間の補正制御対象のズレを容易に検出し、そのズレを補正することが可能である。
なお、図13、及び図19から図23にそれぞれ示した例において、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関する共通の目標値、及び個別の補正値をスライダーバー132(132’),133によって設定するものとして説明したが、例えば、ボリュームの回転角度や数値入力によって設定するように構成することもできる。
また、図13、及び図19から図23にそれぞれ示した例においては、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関する共通の目標値を設定し、その共通の目標値に対して、レンズ装置3A及び/またはレンズ装置3Bの個別の補正値を設定することによって、共通の制御信号に対するレンズ装置3A,3B間の補正制御対象のズレを補正しているが、共通の目標値を設定せず、一方のレンズ装置の補正制御対象に関して複数の任意の目標値を設定し、各目標値に駆動された一方のレンズ装置の補正制御対象に他方のレンズ装置の補正制御対象を合わせるようにしても補正することは可能である。
図24は、補正用アプリケーションソフトウェアが実行された際の操作端末101A,101Bの表示入力部110に表示される操作画面の他の例を示す。
図24に示す例には、操作端末101Aの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.24A)、及び操作端末101Bの表示入力部110に表示される操作画面(FIG.24B)において、スライダーバー132の機能が図13に示す例と相違し、また、スライダーバー133が省略されている点で、図13に示す例と相違する。
本例において、操作端末101Aのスライダーバー132は、操作端末101Aが接続しているレンズ装置3Aの補正制御対象の目標値を設定するためのものである。また、操作端末101Bのスライダーバー132は、操作端末101Bが接続しているレンズ装置3Bの補正制御対象の目標値を設定するためのものである。
スライダーバー132は、補正制御対象の操作範囲を示すバー132aと、バー132a上における位置に応じて目標値を示すスライダー132bとを含んで構成され、スライダー132bは、ユーザの指や尖筆がスライダー132bに重ねられた状態で、バー132aに沿ってドラッグ操作されることにより、バー132aに沿って移動される。
操作端末101Aにおけるバー123a上でのスライダー123bの位置と、操作端末101Bにおけるバー123a上でのスライダー123bの位置とは、互いに同期がとられることはなく、よって、レンズ装置3A,3Bの補正制御対象に関して、個別の目標値が設定される。
記憶部112(図12参照)に確保された複数の記憶領域の各々には、操作端末101Aのスライダーバー132において設定された目標値、及び操作端末101Bのスライダーバー132において設定された目標値のセットが書き込まれる。
操作端末101A,101Bの各々は、制御対象毎に、マスタに設定されているレンズ装置を検出して、その制御対象に関する補正データをマスタレンズ装置に送信する。その際、マスタレンズ装置の目標値を共通の目標値とし、マスタレンズ装置の補正値を0とし、そして、マスタレンズ装置の目標値に対する他のレンズ装置の目標値の差分を、他のレンズ装置の補正値として、複数の記憶領域の各々に記憶された目標値のセット群から補正データを生成し、この補正データをマスタレンズ装置に送信する。
なお、図22に示した例と同様に、操作端末101Aが接続しているレンズ装置3Aの補正制御対象に関する目標値を設定するためのスライダーバー132に加えて、操作端末101Bが接続しているレンズ装置3Bの補正制御対象に関する補正値を設定するためのスライダーバー132を設けるようにしてもよい。
図25は、フォーカスに関する補正データを取得する場合のフローを示す。なお、以下の説明においては、レンズ装置3Aのフォーカスに関して複数の任意の目標値を設定し、各目標値に駆動されたレンズ装置3Aのフォーカスにレンズ装置3Bのフォーカスを合わせるものとして説明する。
まず、操作端末101Aにおいて、初期設定のための操作を行う(ステップS2501)。
初期設定において、操作端末101A,101B間における通信が確立され、また、操作端末101A,101Bの各々において補正制御対象がフォーカスに設定された後、操作端末101Aにおいて、スライダーバー132のスライダー132bを操作し、レンズ装置3Aのフォーカスの目標値を設定する(ステップS2502)。
目標値の設定は、例えば、バー132aが示すフォーカスの可動範囲の一方の端(Near端、あるいはInf端)を始点とし、メモリーボタン134a,134b,134c・・・の数に応じて、可動範囲の全域を包含するように適宜な間隔をおいて設定することができる。
操作端末101Aは、そのスライダーバー132において設定された目標値にレンズ装置3Aのフォーカスを駆動するための制御信号を、レンズ装置3Aに対して送信し、レンズ装置3Aのフォーカスを駆動する(ステップS2503)。
レンズ装置3A,3Bが装着されている撮像装置本体4の各々から映像信号がモニター等の表示装置に出力され、ユーザは、表示装置に表示される画像に基づいてレンズ装置3A,3B間でフォーカスが一致しているか否を判定する(ステップS2504)。
フォーカスが一致していないと判定した場合に、操作端末101Bにおいてスライダーバー132のスライダー132bを操作し、レンズ装置3Bのフォーカスに関する目標値を設定する(ステップS2505)。
操作端末101Bは、スライダーバー132において設定された目標値にレンズ装置3Bのフォーカスを駆動するための制御信号を、レンズ装置3Bに対して送信し、レンズ装置3Bのフォーカスを駆動する(ステップS2506)。
レンズ装置3A,3Bのフォーカスが一致していると判定した場合に、操作端末101A又は操作端末101Bのいずれかにおいて、開いている記憶領域を選択するように、メモリーボタン群134のいずれかのメモリーボタンを選択し、そして、書き込みボタン135aを押す(ステップS2507)。
操作端末101A,101Bの各々は、操作端末101Aのスライダーバー132における目標値、及び操作端末101Bのスライダーバー132における目標値のセットを、選択した記憶領域に記憶させる(ステップS2508)。
以上のプロセスを、全ての目標値について繰り返し行った後(ステップS2509)、操作端末101A又は操作端末101Bのいずれかにおいて、転送ボタン136を押す(ステップS2510)。
操作端末101A,101Bの各々は、フォーカスに関してマスタに設定されているレンズ装置を検出し、マスタレンズ装置の記憶部23に補正データを送信する(ステップS2511)。
図26は、レンズシステム2において、補正データに基づいてフォーカスを連動させる場合のレンズ装置3Aの動作フローを示す。
まず、レンズ装置3AのCPU22は、レンズ装置3Aに接続されたフォーカスデマンド5からのフォーカス制御信号の入力を検出する(ステップS2601)。
上記の通り、フォーカスに関してマスタに設定されているレンズ装置3Aの補正値は0であることから、フォーカス制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、入力されたフォーカス制御信号に従って、レンズ装置3Aのフォーカスを駆動する(ステップS2602)。
次いで、CPU22は、記憶部23に記憶されたフォーカスに関する補正データを参照し、フォーカス制御信号に対応する目標値を検索する(ステップS2603)。
フォーカス制御信号に対応する目標値が補正データに含まれている場合には、CPU22は、フォーカス制御信号に対応する目標値を、その目標値に関連付けられているレンズ装置3Bの補正値を加味して補正し、レンズ装置3Bのフォーカスの駆動するための補正フォーカス制御信号を生成する(ステップS2604)。
フォーカス制御信号に対応する目標値が補正データに含まれていない場合には、対応する目標値の前後の補正データに含まれる目標値を選択し、選択した前後の目標値に関連付けられているレンズ装置3Bの補正値を用いて、フォーカス制御信号に対応する目標値に応じた補正値を補間する。(ステップS2605)。
そして、CPU22は、フォーカス制御信号に対応する目標値を、補間した補正値を加味して補正し、レンズ装置3Bのフォーカスを駆動するための補正フォーカス制御信号を生成する(ステップS2606)。
次いで、CPU22は、生成したレンズ装置3Bの補正フォーカス制御信号を、インターフェイス16からレンズ装置3Bに送信する(ステップS2607)。
レンズ装置3Aから補正フォーカス制御信号を受信した際のレンズ装置3Bの動作は、図16を参照して説明した通りである。
図27は、レンズシステム2において、補正データに基づいてズームを連動させる場合のレンズ装置3Aの動作フローを示す。
まず、レンズ装置3AのCPU22は、レンズ装置3Aに接続されたズームデマンド6からのズーム制御信号の入力を検出する(ステップS2701)。
ズーム制御信号の入力を検出した場合に、CPU22は、このズーム制御信号が速度制御によるものか、あるいは位置制御によるものかを判定する(ステップS2702)。
ズーム制御信号が速度制御によるものであると判定した場合に、CPU22は、これを積分して位置制御に対応したズーム制御信号に変換し(ステップS2703)、変換した位置制御によるズーム制御信号に従ってレンズ装置3Aのズームを駆動する(ステップS2704)。
また、ズーム制御信号が位置制御によるものであると判定した場合に、CPU22は、その入力されたズーム制御信号に応じてレンズ装置3Aのズームを駆動する(ステップS2704)。
次いで、CPU22は、記憶部23に記憶されたズームに関する補正データを参照し、位置制御によるズーム制御信号に対応する目標値を検索する(ステップS2705)。
ズーム制御信号に対応する目標値が補正データに含まれている場合には、CPU22は、ズーム制御信号に対応する目標値を、その目標値に関連付けられているレンズ装置3Bの補正値を加味して補正し、レンズ装置3Bのズームの駆動するための補正ズーム制御信号を生成する(ステップS2706)。
ズーム制御信号に対応する目標値が補正データに含まれていない場合には、対応する目標値の前後の補正データに含まれる目標値を選択し、選択した前後の目標値に関連付けられているレンズ装置3Bの補正値を用いて、ズーム制御信号に対応する目標値に応じた補正値を補間する。(ステップS2707)。
そして、CPU22は、ズーム制御信号に対応する目標値を、補間した補正値を加味して補正し、レンズ装置3Bのズームを駆動するための補正ズーム制御信号を生成する(ステップS2708)。
次いで、CPU22は、生成したレンズ装置3Bの補正ズーム制御信号を、インターフェイス16からレンズ装置3Bに送信する(ステップS2709)。
レンズ装置3Aから補正ズーム制御信号を受信した際のレンズ装置3Bの動作は、図18を参照して説明した通りである。
また、補正データを用いて絞りを連動させる場合のレンズ装置3A、3Bの動作については、レンズ装置3A,3Bにおける絞りの駆動がフォーカスの駆動と同様に位置制御であり、レンズ装置3Aが装着される撮像装置本体4からレンズ装置3Aに絞り制御信号が入力される点を除いて、フォーカスを連動させる場合と同様である。
このように、一方のレンズ装置の補正制御対象に関して複数の任意の目標値を設定し、各目標値に駆動された一方のレンズ装置の補正制御対象に他方のレンズ装置の補正制御対象を合わせるようにして、共通の制御信号に対するレンズ装置3A,3B間の補正制御対象のズレを補正するように構成した場合には、マスタに設定されるレンズ装置3Aにおける補正値は常に0となる。従って、レンズ装置3Aは、自己の制御対象の駆動に関しては、入力される制御信号に従って動作すればよいことになり、そのCPU22における処理負担が軽減され、応答性の向上を図ることができる。
以上の説明において、補正装置100は、レンズ装置3A,3Bに一対一対応で接続される操作端末101A,101Bによって構成され、操作端末101A,101Bとしてスマートフォンが好適に用いられるものとしたが、複数のレンズ装置を接続可能なパーソナルコンピュータ等を用いて一つの端末で構成することもできる。
以上、説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
(1) 少なくとも一つの制御対象を連動させて使用される複数のレンズ装置に、該制御対象を駆動するための共通の制御信号が入力された際の該制御対象の不一致を前記複数のレンズ装置間で補正するための補正装置であって、前記複数のレンズ装置の各々に一対一対応で接続され、接続しているレンズ装置に対して該レンズ装置の前記制御対象を駆動するための制御信号を送信する端末群を備え、前記端末群は、前記端末群の全ての端末の各々から、その端末が接続している前記レンズ装置に対して該レンズ装置の前記制御対象を駆動するための前記共通の制御信号を送信し、および、前記端末群の全ての端末、又はいずれか一つの端末を除くその余の端末の各々から、その端末が接続しているレンズ装置に対して該レンズ装置の前記制御対象を駆動するための個別の制御信号を送信可能に構成されており、前記端末群は、互いに通信可能に接続され、前記共通の制御信号と前記個別の制御信号とを相互に保持する補正装置。
(2) (1)に記載の補正装置であって、前記共通の制御信号を送信するための共通の制御値を前記端末群の全ての端末に設定するための第1操作部を有する補正装置。
(3) (2)に記載の補正装置であって、前記個別の制御信号を送信するための個別の制御値を該個別の制御信号を送信する端末毎に設定するための、該個別の制御信号を送信する端末と同数の第2操作部を有する補正装置。
(4) (3)に記載の補正装置であって、前記第1操作部、及び前記第2操作部の全てが、前記端末群の一つの端末に集約して設けられている補正装置。
(5) (2)に記載の補正装置であって、前記端末群の各端末は、タッチパネルを含み、前記第1操作部は、前記複数のレンズ装置の前記制御対象の操作範囲を示すバーと、該バーに沿って移動可能とされ、該バー上の位置に応じて前記共通の制御値を示すスライダーとを含み、前記タッチパネルに表示される補正装置。
(6) (3)に記載の補正装置であって、前記端末群の各端末は、タッチパネルを含み、前記第1操作部は、前記複数のレンズ装置の前記制御対象の操作範囲を示すバーと、該バーに沿って移動可能とされ、該バー上の位置に応じて前記共通の制御値を示すスライダーとを含み、前記第2操作部の各々は、該第2操作部が設けられた端末が接続している前記レンズ装置の前記制御対象の補正可能範囲を示すバーと、該バーに沿って移動可能とされ、該バー上の位置に応じて前記個別の制御値を示すスライダーとを含み、前記第1操作部及び前記第2操作部の各々は、前記タッチパネルに表示される補正装置。
(7) 少なくとも一つの制御対象を連動させて使用される複数のレンズ装置に、該制御対象を駆動するための共通の制御信号が入力された際の該制御対象の不一致を前記複数のレンズ装置間で補正するための補正装置であって、前記複数のレンズ装置の各々に一対一対応で接続され、接続しているレンズ装置に対して該レンズ装置の前記制御対象を駆動するための制御信号を送信する端末群を備え、前記端末群は、前記端末群の全ての端末の各々から、その端末が接続しているレンズ装置に対して該レンズ装置の前記制御対象を駆動するための個別の制御信号を送信可能に構成されており、前記端末群は、互いに通信可能に接続され、前記個別の制御信号を相互に保持する補正装置。
(8) (7)に記載の補正装置であって、前記個別の制御信号を送信するための個別の制御値を該個別の制御信号を送信する端末毎に設定するための、前記端末群に含まれる端末と同数の操作部を有する補正装置。
(9) (8)に記載の補正装置であって、前記操作部の全てが、前記端末群の一つの端末に集約して設けられている補正装置。
(10) (8)又は(9)に記載の補正装置であって、前記端末群の各端末は、タッチパネルを含み、前記操作部の各々は、該操作部が設けられた端末が接続している前記レンズ装置の前記制御対象の操作範囲を示すバーと、該バーに沿って移動可能とされ、該バー上の位置に応じて前記個別の制御値を示すスライダーとを含み、前記タッチパネルに表示される補正装置。
(11) (1)から(10)のいずれかに記載の補正装置であって、前記複数の端末の各々は、スマートフォンである補正装置。