JP3626535B2 - 立体カメラ用レンズ制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、立体映像を撮影するための立体カメラに適用され、連係駆動される2個のレンズ部の駆動機構の補正制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6には、立体カメラを用いた撮影の様子が示されており、図示されるように、被撮像体1を撮影するために左右2台のカメラ2,3が用いられ、これらのカメラ2,3は被撮像体1を立体視する左右位置に配置される。このカメラ2,3には、フォーカスレンズ駆動機構、ズームレンズ駆動機構等が配置されたレンズ部4,5が取り付けられており、これらのレンズ部4,5内の上記駆動機構はレンズコントローラ6によって直接的に又は遠隔場所から制御される。
【0003】
即ち、このレンズコントローラ6には、フォーカス操作部7及びズーム操作部8が配置されており、このフォーカス操作部7の回転操作によりレンズ部4,5内のフォーカスレンズが駆動され、これによって近距離から遠距離までの被撮像体1にピントが合せられる。また、ズーム操作部8の回転操作によりレンズ部4,5内のズームレンズが駆動され、これによって広角(ワイド)側から望遠(テレ)側までの被撮像体1に焦点及び画角が合せられる。このようにして得られた2つの映像は、例えば映像ミキサ等により合成処理された後にモニタへ表示され、このモニタ画像を専用の眼鏡を介して見ることにより、立体映像が観察できることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記立体カメラ用レンズ制御装置では、2台のカメラ2,3で被撮像体1を立体視することから、フォーカス動作、ズーム動作においては、左右のレンズ部4,5内の各レンズが一定の関係で駆動されなければならない。しかしながら、レンズ部4,5の種類によって、例えば右側用であるか、左側用であるかの相違、或いはズーム機能の有無等によって、2台のレンズ部4,5が互いに一定の関係で作動しない場合があるという問題がある。
【0005】
このように、左右のレンズ部4,5の駆動機構の作動状態にずれがある場合は、そのずれを予め補正することが考えられ、従来では、例えば特開平5−130646号公報に示されるように、ズーム機能において左右カメラの補正ズーム値を記憶させ、この補正ズーム値を用いることによって倍率誤差をなくすことが行われている。
【0006】
しかしながら、上記のような補正を予め行った場合でも、実際の撮影時に左右のレンズ部4,5を駆動してみると、補正が十分でないため、作動状態にずれが生じる場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、2台のカメラのレンズ部による実際の撮影時に、予め設定されている補正データを無効にして、連係駆動のための新たな補正を可能とし、良好な立体映像を形成することができる立体カメラ用レンズ制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1請求項記載の発明は、2台のカメラのレンズ部に設けられた駆動機構を制御する立体カメラ用レンズ制御装置において、上記各レンズ部の駆動機構の作動状態を補正するための補正データを記憶する記憶手段と、上記各レンズ部の駆動機構を補正駆動するための補正操作手段と、上記記憶手段の補正データに基づいて上記駆動機構の作動状態を補正制御する一方、補正割込みモードに切り替えられたときは、上記補正データを用いず、上記補正操作手段の操作に基づいて上記駆動機構の作動状態を補正制御する補正制御手段と、を設け、上記補正割込みモードは、上記補正操作手段が一度で所定量だけ操作されたとき有効となるようにしたことを特徴とする。
第2請求項記載の発明は、上記補正割込みモードを、上記駆動機構が上記補正操作手段の不操作時(補正駆動が行われなくなった時)の位置から所定量だけ駆動されたとき無効となるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【作用】
上記の構成によれば、上記レンズ部の駆動機構としては、例えばフォーカス駆動機構、ズーム駆動機構等があるが、これらの駆動機構を左右レンズ部の作動範囲において一つの操作部で実際に動かしながら、例えば設定スイッチ、調整(ボリューム)ツマミ等により、その作動量(状態)が補正される。そして、この補正データはメモリに書き込まれる。従って、本番の立体撮影時には上記補正データがメモリから読み出され、駆動機構は操作部の操作値(量)と上記補正データに基づいて動かされる。
【0010】
一方、上記の補正データの読出し再生時に、例えば調整ツマミが一度に、その全ストロークの50%以上操作されたとき、補正割込みモードに移行され、上記補正データの読出しを停止して、調整ツマミの値が有効とされる。従って、この場合の駆動機構は、操作部の操作値と調整ツマミの操作値に基づいて動かされる。そうして、上記調整ツマミが操作されなくなったときは、そのときの駆動機構の位置から、操作部により例えば駆動機構の全ストロークの10%以上が駆動されたとき、上記補正割込みモードは無効とされ自動的に終了することになる。
【0011】
【実施例】
図1には、実施例に係る立体カメラ用レンズ制御装置の構成が示されており、図2には当該装置の回路構成が示されている。図1において、左右2台のカメラにレンズ部(例えば左側カメラ)11とレンズ(右側カメラ)12が別個に配置されており、このレンズ部11には、フォーカスレンズ群13及びズームレンズ群14が設けられ、またこれらのレンズ群13,14を駆動するフォーカス駆動部15及びズーム駆動部16が設けられる。一方のレンズ部12にも、同様にフォーカスレンズ群17、ズームレンズ群18、フォーカス駆動部19、ズーム駆動部20が設けられる。
【0012】
そして、これらの駆動部15,16,19,20に接続して、レンズコントローラ22が配置されており、このレンズコントローラ22には、フォーカス操作部(回転操作部)23とズーム操作部(回転操作部)24が設けられている。従って、上記フォーカス操作部23によれば、上記駆動部15,19を介してフォーカスレンズ群13,17を同時に近距離から遠距離までの作動範囲において駆動することができ、ズーム操作部24によれば、上記駆動部16,20を介してズームレンズ群14,18を同時に広角位置から望遠位置までの作動範囲において駆動することができる。
【0013】
また、このレンズコントローラ22には、補正設定・記憶のためのスイッチとして、ズーム機能については、望遠(T)側から広角(W)側への作動方向の設定スイッチ26とそのクリア(C)スイッチ27、広角(W)側から望遠(T)側への作動方向の設定スイッチ28とそのクリアスイッチ29が設けられる。本実施例では、フォーカス、ズームの作動ずれを作動方向毎に別個に補正している。即ち、レンズ部11,12の駆動機構では、バックラッシュ量の違い、摩擦負荷の相違等によって、作動方向でずれ量が異なるという問題がある。例えば、フォーカス駆動機構では、近距離側から遠距離側へ作動させる方向か、遠距離側から近距離側へ作動させる方向かによって、ズーム駆動機構では、広角側から望遠側へ作動させる方向か、望遠側から広角側へ作動させる方向かによって、ずれ量が異なり、正確な駆動が行えない場合があった。そこで、実施例では、作動方向毎に補正データを設定・記憶している。
【0014】
更に、右側カメラのレンズ部12のズーム作動位置を微調整するためにズーム調整(ボリューム)ツマミ30が設けられており、このズーム調整ツマミ30は全ストロークで360度回転するようになっている。実施例では、左側のレンズ部11の作動状態を基準として右側のレンズ部12の作動状態を補正するようにしているため、右側カメラのみのズーム機構及びフォーカス機構の位置を微調整するようになっている。もちろん、右側レンズ部12を基準として左側レンズ部11の作動状態を補正するようにしてもよい。
【0015】
即ち、ズーム操作部24を操作し、補正の必要がある場合は、ズーム調整ツマミ30を操作して、右側レンズ部12のズームレンズ群18の作動位置を動かすことにより、事前の調整が行われる。上述のように実施例では、作動ずれを作動方向毎に補正しており、上記の調整が終わった後に、その動きが望遠側から広角側への作動方向であれば、設定スイッチ26を押し、広角側から望遠側への作動方向であれば、設定スイッチ28を押すようになっている。なお、クリアスイッチ27,29は現在の作動位置の補正を解除するものであり、補正データがない状態(0値)に設定される。
【0016】
一方、フォーカス機能については、遠距離(∞)から近距離(N)への作動方向の設定スイッチ31とそのクリアスイッチ32、近距離(N)から遠距離(∞)への作動方向の設定スイッチ33とそのクリアスイッチ34、そして右側カメラのレンズ部11のフォーカス動作位置を調整するフォーカス調整(ボリューム)ツマミ35が設けられており、このフォーカス調整ツマミ35も360度回転するようになっている。従って、この場合も、フォーカス操作部23を操作し、補正の必要がある場合は、フォーカス調整ツマミ35を操作してフォーカスレンズ群17の作動位置を動かして調整する。この調整が終わった後、その作動が遠距離側から近距離側への作動方向であれば、設定スイッチ31を押し、近距離側から遠距離側への作動方向であれば、設定スイッチ33を押すことにより、補正設定が前以て行われる。また、クリアスイッチ32,34により補正データがない状態(0値)に設定される。
【0017】
なお、レンズコントローラ22には、レンズ部11,12の複数の組合せに対応し、複数の各種組合せの補正を設定及び実行するための選択スイッチ36が設けられ、補正データの記憶・設定(MEMO)と読出し・実行(READ)を切り替える切替えスイッチ37が設けられている。
【0018】
図2に示されるように、上記レンズコントローラ22内には、制御を統轄し、かつメモリ39が一体形成されたワンチップのCPU40が設けられ、このCPU40には上記設定スイッチ26,28,31,33、クリアスイッチ27,29,32,34、選択スイッチ36、切替えスイッチ37の制御信号が入力され、フォーカス操作部23、ズーム操作部24、調整ツマミ30,35の制御信号がA/D変換器41を介して入力される。一方、CPU40からは制御信号がD/A変換器42を介して、フォーカス駆動部15,19、ズーム駆動部16,20へ供給されており、これによって左右レンズ部11,12のフォーカスレンズ群13,17の制御、ズームレンズ群14,18の制御が行われる。
【0019】
上記のメモリ39内には、上述した補正データが記憶されることになるが、例えば上記選択スイッチ36が番号1にあるときは、アドレス100〜199に、ズーム機能における望遠(T)側から広角(W)側への作動方向の補正データを書き込み、アドレス200〜299に、ズーム機能における広角(W)側から望遠(T)側への作動方向の補正データを書き込み、アドレス300〜399に、フォーカス機能の遠距離(∞)側から近距離(N)側への作動方向の補正データを格納し、アドレス400〜499に、近距離(N)側から遠距離(∞)側への作動方向の補正データを格納する。また、この選択スイッチ36の番号2では、アドレス500〜899に、番号3ではアドレス900〜1299にというように、所定のアドレスに各駆動機構の補正データが格納される。
【0020】
また、上記補正データは操作量に対応したビット構成の0〜256の範囲の値とされ、これが上記アドレスに記憶されることになり、実施例では中間値の128が補正値なし、1が負の最大補正値、256が正の最大補正値となり、0は補正データなしの状態となる。
【0021】
更に、上記CPU40では、上記調整ツマミ30,35の操作量を常に監視しており、実施例では全ストロークの50%である180度以上が一度の操作で回転したか否かを検出し、この回転が検出されたとき、補正割込みモードに移行するようになっている。この補正割込みモードでは、上記メモリ39に格納された補正データの読出しを停止し、この補正データの代りに上記調整ツマミ30,35の操作値を用いる制御が行われる。なお、上記補正割込みモード移行への判定基準は、必ず50%である必要はなく、全ストローク量が大きい場合は、50%より小さくし、全ストローク量が小さい場合は50%よりも大きくすることが好ましい。
【0022】
また、この補正割込みモードの終了は、フォーカス又はズームの駆動機構において上記フォーカス操作部23、ズーム操作部24により駆動された量が、調整ツマミ30,35の不操作時(補正駆動されなくなった時)の位置から、全ストロークの10%(10%以外の量でもよい)以上となったときに実行しており、この判定は駆動機構の実際の駆動量を検出して行ってもよいし、又は上記操作部23,24の操作量自体を検出して行うこともできる。
【0023】
実施例は以上の構成からなり、上記CPU40の動作フローチャートを示した図3〜図5を参照しながら、その作用を説明する。まず、立体撮影に用いる左右のレンズ部11,12の組合せに応じて、選択スイッチ36の各番号を選択し、作動補正の設定・記憶をする場合は切替えスイッチ37を記憶(MEMO)側へ倒すことになる。図3において、ステップ101では、上記選択スイッチ36により選択された番号を判定し、メモリ39における先頭アドレスを決定する。即ち、上述のように、番号1が選択されているときはアドレス100、番号2が選択されているときはアドレス500を決定し、次のステップ102へ移行する。
【0024】
このステップ102では、切替えスイッチ37がMEMO側に切り替えられているか否かの判定が行われ、MEMO側(Y)のときは、ステップ103によりフォーカス操作部23、ズーム操作部24、ズーム調整ツマミ30及びフォーカス調整ツマミ35の操作値をA/D変換器41を介して検出する。次のステップ104では、上記操作値に対応した駆動制御信号をD/A変換器42を介して、各駆動部15,16,19,20へ出力しており、これによって左右カメラ11,12のフォーカスレンズ群13,17、ズームレンズ群14,18が操作された位置まで動かされる。
【0025】
次のステップ105では、設定スイッチ26,28,31,33が押されたか否かが検出され、いずれかの設定スイッチが押されている(Y)ときは、ステップ106にてメモリ39内の該当するアドレスに補正データを書き込む。即ち、左右2台のカメラで相関的に一定動作が行われていない場合は、ズーム調整ツマミ30とフォーカス調整ツマミ35により、右側カメラのレンズ部12のズーム位置、フォーカス位置の調整が行われる。そして、例えばズームの望遠(T)側から広角(W)側への作動方向で調整をした場合は、設定スイッチ26を押すことにより、ズーム調整ツマミ30で設定された補正データが記憶される。例えば、現在のズーム作動位置のアドレス198に、補正データとして118が格納される。
【0026】
このステップ105にて、”N”のときはステップ107にて、クリアスイッチ27,29,32,34が押されたか否かを判定しており、いずれかのクリアスイッチが押された場合はステップ108により該当アドレスの補正データがクリアされ、0値が書き込まれる。即ち、上記設定スイッチ26,28,31,33で設定された補正データを0値にすることができ、上記クリアスイッチ27,29,32,34を押したまま、フォーカス操作部23やズーム操作部24を操作すれば、ある範囲が一度でクリアされる。
【0027】
次に、上記ステップ102にて、切替えスイッチ37がREADへ切り替えられている(N)ときは、「A」を介して図4のステップ201へ移行する。このステップ201では、上記フォーカス操作部23、ズーム操作部24の操作値がA/D変換器41を介して読み出される。そして、ステップ202では、上記ズーム調整ツマミ30、フォーカス調整ツマミ35が180度(全ストロークの50%)以上回転したか否かを判定しており、いずれかの調整ツマミ30,35が一度で180度以上大きく操作された場合は、ステップ203へ移行し、動かされた調整ツマミ30,35のイネーブルフラグをオンし、補正割込みモードへ移行することになる。
【0028】
また、上記ステップ202で”N”のときは、ステップ204へ移行し、ズーム調整ツマミ30のイネーブルフラグがオンか否かを判定しており、ズーム調整ツマミ30が180度以上回された場合は、上記ステップ203にてイネーブルフラグが立てられているので、ステップ205へ移行する。このステップ205では、ズーム調整ツマミ30において180度回された後の操作値が、上記ズーム操作部24の操作値に加えられて補正される形で、D/A変換器42へ出力される。なお、この操作値は右側レンズ部12の操作値として出力される。一方、上記ステップ204にて”N”のときは、補正割込みモードへ移行していない状態であるので、ステップ206へ移行し、予め設定されている補正データに基づいた駆動制御が行われる。即ち、ズーム操作部24の操作値の示すアドレスと作動方向から、メモリ39に格納されている補正データが読み出され、次のステップ207では、上記補正データと共に、ズーム操作部24の操作値がD/A変換器42へ出力される(右側レンズ部12の操作値として)。
【0029】
次のステップ208では、フォーカス調整ツマミ35のイネーブルフラグがオンか否かを判定しており、直前にフォーカス調整ツマミ35が180度以上回された場合は、上記ステップ203にてイネーブルフラグが立てられ、補正割込みモードであるステップ209へ移行する。このステップ209では、フォーカス調整ツマミ35で180度回された後の操作値が上記フォーカス操作部23の操作値と共に、右側レンズ部12の操作値としてD/A変換器42へ出力される。一方、上記ステップ208にて”N”のときは、補正割込みモードへ移行していない状態であるので、ステップ210では、フォーカス操作部35の操作値の示すアドレスと作動方向から、メモリ39に格納されている補正データが読み出され、次のステップ211では、上記補正データと共に、フォーカス操作部23の操作値がD/A変換器42へ出力され(右側レンズ部12の操作値として)、図5のステップ212へ移行する。
【0030】
図5のステップ212では、フォーカス操作部23とズーム操作部24の操作値が左側レンズ部11の操作値として、D/A変換器42へ出力される。このようにして、補正割込みモードへ移行した場合は、右側レンズ部12のフォーカスレンズ群17及びズームレンズ群18が調整ツマミ30,35の値と操作部23,24の操作値により、左側レンズ部11の各レンズ群13,14が操作部23,24の操作値により駆動され、また補正割込みモードへ移行しない場合は、右側のレンズ部12の各レンズ群17,18が予め設定されている補正データと上記操作部23,24の操作値に基づいて、左側のレンズ部11の各レンズ群17,18が操作部23,24の操作値に基づいて動かされる。従って、予め設定した補正が不十分な場合でも、調整ツマミ30,35の操作によって、2台のカメラのズーム駆動機構、フォーカス駆動機構は、確実に一定の関係で(誤差なく)作動させられ、立体視が可能な良好な映像を得ることができる。
【0031】
更に、図5において、ステップ213では、上記ズーム調整ツマミ30の不操作時(補正駆動されなくなった時)の位置から、駆動量が全ストローク(望遠位置から広角位置までのストローク)の10%以上変化したか否が判定され、10%以上動いたときは、ステップ214にて、ズーム調整ツマミ30のイネーブルフラグがオフされる。一方、ステップ215では、上記フォーカス調整ツマミ35の不操作時の位置から、駆動量が全ストローク(近距離から遠距離までのストローク)の10%以上変化したか否が判定され、10%以上動いたときは、ステップ216にて、フォーカス調整ツマミ35のイネーブルフラグがオフされる。従って、実施例では、調整ツマミ30,35の操作終了後、各駆動機構が一定量だけ動かされたときは、それぞれの補正割込みモードが自動的に終了することになる。
【0032】
上記実施例では、調整ツマミ30,35として、回転ボリューム(絶対値)ツマミを用いたが、この調整ツマミには、スライド操作するもの、ロータリーエンコーダを用いたもの等、その他の操作部材を用いることができる。また、実施例では、調整ツマミ30,35により、補正割込みモードへ切り替えるようにしたが、この切替えは、補正操作手段以外の他の切替えスイッチ等により実行するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、第1請求項記載の発明によれば、2台のカメラのレンズ部の駆動機構において、予めメモリに記憶させた補正データに基づいて作動状態を補正制御する一方、実際の撮影時に補正割込みモードに切り替えられたときは、補正データを無効とし、補正操作手段の操作により上記駆動機構の作動状態を補正制御できるようにしたので、メモリに格納する補正設定が不十分であっても、再生時の修正が可能となり、左右カメラのレンズ部間の作動ずれを確実になくすことができ、良好な立体映像を形成することが可能となる。
【0034】
また、補正操作手段である例えば調整ツマミが一度に、所定量だけ大きく操作されたとき補正割込みモードへ切り替えられるようにしたので、補正割込みモードへの切替えや補正操作がスムーズに実行でき、操作性が向上するという利点がある。更に、第2請求項記載の発明によれば、上記駆動機構が上記補正操作手段の不操作時の位置から所定量だけ駆動されたとき、補正割込みモードを無効としたので、補正割込みモードを自動的に終了させることができ、使い勝手のよい装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る立体カメラ用レンズ制御装置の構成を示す図である。
【図2】図1のレンズ制御装置における回路構成を示す図である。
【図3】実施例のCPUにおける動作を示すフローチャートである。
【図4】実施例のCPUにおける動作を示し、図3の「A」と「C」の間の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施例のCPUにおける動作を示し、図4の「B」に続く動作を示すフローチャートである。
【図6】従来における立体カメラを用いた撮影状態を示す図である。
【符号の説明】
2,3 … カメラ、
4,5,11,12 … レンズ部、
6,22 … レンズコントローラ、
7,23 … フォーカス操作部、
8,24 … ズーム操作部、
26,28,31,33 … 設定スイッチ、
27,29,32,34 … クリアスイッチ、
30 … ズーム調整ツマミ、
35 … フォーカス調整ツマミ、
39 … メモリ、
40 … CPU。
Claims (2)
- 2台のカメラのレンズ部に設けられた駆動機構を制御する立体カメラ用レンズ制御装置において、
上記各レンズ部の駆動機構の作動状態を補正するための補正データを記憶する記憶手段と、
上記各レンズ部の駆動機構を補正駆動するための補正操作手段と、
上記記憶手段の補正データに基づいて上記駆動機構の作動状態を補正制御する一方、補正割込みモードに切り替えられたときは、上記補正データを用いず、上記補正操作手段の操作に基づいて上記駆動機構の作動状態を補正制御する補正制御手段と、を設け、
上記補正割込みモードは、上記補正操作手段が一度で所定量だけ操作されたとき有効となるようにしたことを特徴とする立体カメラ用レンズ制御装置。 - 上記補正割込みモードは、上記駆動機構が上記補正操作手段の不操作時の位置から所定量だけ駆動されたとき無効となるようにしたことを特徴とする上記請求項1記載の立体カメラ用レンズ制御装置。
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