JP4628015B2 - ズームレンズにおけるaf制御装置 - Google Patents
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Description
また、各焦点距離におけるズームテーブルに基づくレンズ位置とフォーカステーブルに基づくレンズ位置が大きく異なると、ズーミング動作からAF動作への切替時に像倍率が大きく変化するため、カメラのモニタを見た撮影者が不自然な印象を受けるおそれがある。
デジタルカメラ10は、撮影光学系L1〜L4を内蔵したカメラ本体部10aを有しており、このカメラ本体部10aは撮影光学系L1〜L4の光軸Oに沿う方向に長い箱型(四角筒)形状をなしている。カメラ本体部10aの上面には、電源ボタンB1等の各種ボタンが設けられており、後面には図示を省略したモニタが設けられている。
鏡胴11の後端開口にはCCD取付板12が複数のねじをもって固定されている。このCCD取付板12の方形の取付孔12aには、遮光板13、ローパスフィルタ14、パッキン15、及びCCD(撮像素子)16が光軸O方向に重ねた状態で固定されている。
さらに、2群枠24に固定されたラック体25には光軸Oと平行な案内孔25aが穿設されており、この案内孔25aには上側の案内棒17が摺動自在に嵌合している。さらに、図示は省略してあるが、このラック体25の外側端部は、鏡胴11の開口部11aと反対側面に形成された開口部11c(図4及び図5参照)を通して鏡胴11の外側に突出している。鏡胴11の外周面の該開口部11cと対応する位置には、パルスモータユニットMU4と同一構成のパルスモータユニットMU2(モータ取付板26、送りねじ27、及びパルスモータ(駆動手段)M2を具備する)が複数のねじによって固定されており、送りねじ27には、ラック体25の外端部に形成された、上記ラック溝19bと同一ピッチのラック溝25bが螺合している。上側の案内棒17、送りねじ27、及びラック体25(ラック溝25b)は回転力伝達機構の構成要素である。
なお、上下の案内棒17、4群枠18、パルスモータユニットMU2、パルスモータユニットMU4、ラック体19、2群枠24、ラック体25、CPU30、及び記憶装置40はステップズーム機構の構成要素である。
上述のように第1レンズ群L1及び第3レンズ群L3は鏡胴11に固定されているので、ズーミング時においてもフォーカシング時においても移動せず、第1レンズ群L1が図示位置より前方に移動することはない。即ち、本デジタルカメラ10は、ズーミング時及びフォーカシング時に鏡筒を繰り出さないインナーズーム、インナーフォーカスタイプである。また、電源ボタンB1をONにすると、撮影光学系L1〜L4を透過した像がCCD16によって随時自動的に撮像され、撮像された全ての画像が上記モニタに静止画として表示される。
その結果、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4がテレ端位置(ステップ19)にあると判断すれば、CPU30はパルスモータM2用のズームテーブルとパルスモータM4用のズームテーブルからデータを読み込まず、パルスモータM2とパルスモータM4にはパルス信号を送らない(第2レンズ群L2と第4レンズ群L4の光軸O方向位置を変えず、撮影スタンバイ状態となる)。一方、この場合のように第2レンズ群L2及び第4レンズ群L4がワイド端位置(ズームステップ1)にあると、CPU30は第2レンズ群L2及び第4レンズ群L4がテレ端位置にないと判断し、CPU30は、パルスモータM2用のズームテーブルとパルスモータM4用のズームテーブルから、第2レンズ群L2及び第4レンズ群L4をズームステップN(=1)からズームステップN+1(この場合は2)へ移動させるためのデータを読み込んで(ステップ:S14)、パルスモータM2とパルスモータM4に該データに基づくパルス信号を送る。すると、パルスモータM2とパルスモータM4が正転し、ラック体25が案内棒17に沿って後方に移動し、ラック体19が案内棒17に沿って前方に移動するので、第2レンズ群L2は後方に第4レンズ群L4は前方にそれぞれ移動し、やがて、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4が、現在のズームステップN(=1)より一つテレ側のズームステップN+1(=2)における現在の撮影距離L(例えばL=2mとする。本デジタルカメラ10は公知の測距手段(図示略)を備えている。)に対応した位置に移動する。
一方、CPU30がズーム操作レバーZLの操作を中止していないと判断すると、CPU30は、これまでにパルスモータM2とパルスモータM4に送信した累積パルス数と各パルス信号の位相に基づいて、ズームステップN+1がテレ端位置(ズームステップ19)であるか否かを再び判断する(ステップ:S13)。そして、ズームステップ19であると判断すれば、両ズームテーブルからデータを読み込まず、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4をそれ以上移動させず、上記フォーカステーブルからデータを読み込んで、パルスモータM2とパルスモータM4に所定のパルス信号を送信し、上記と同様に第2レンズ群L2と第4レンズ群L4を、フォーカステーブルに規定されたズームステップN+1(=2)における位置に移動させ(ステップ:S16)、撮影スタンバイ状態とする。一方、この場合のように第2レンズ群L2及び第4レンズ群L4がズームステップ2にある場合は、CPU30はズームステップN+1(=2)がテレ端位置(ズームステップ19)でないと判断し、上記両ズームテーブルから第2レンズ群L2及び第4レンズ群L4をズームステップN+1(=2)からズームステップN+2(=3)における現在の撮影距離L(=2m)に対応した位置に移動させるためのデータを読み込み(ステップ:S14)、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4をズームステップN+2(=3)に移動させる。
本ズーミング動作によって、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4をワイド端とテレ端の間で移動させた場合の移動軌跡は、図8に示した通りとなる。図8は、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4の各ズームステップ(1〜19)におけるズームテーブルに基づく光軸方向位置を各撮影距離L(0.3m、0.5m、1m、2m、4m、8m、16m、32m、∞)ごとに示しており、各ズームステップにおける第2レンズ群L2と第4レンズ群L4の光軸方向位置を各撮影距離Lごとに結んだものが、ズームテーブルに基づいた各撮影距離Lの移動軌跡である(撮影距離2mの場合は、2mの場合の移動軌跡となる)。そして、ズームステップ、撮影距離L、及び像倍率の関係は図9に示す通りとなり、ステップズーミング動作がワイド端位置(ズームステップ1)とテレ端位置(ズームステップ19)との間で行われる間に像倍率が逆転することはなく、しかもズームステップが変化すれば像倍率は必ず変化する。従って、上記モニタに連続して映し出される画像の大きさの変化が不自然になることがない。
なお、ズーム操作レバーZLをワイド側とテレ側のいずれに回転させた場合も、ズーム操作レバーZLから手を離すと、ズーム操作レバーZLは初期位置に自動的に復帰する。
上記ズーミングによって第2レンズ群L2と第4レンズ群L4がズームステップN(Nは1〜19のいずれかの整数)に移動した後に、シャッターボタンB2を半押しすると(ステップ:S21)、CPU30が、電源スイッチONで、かつズーム操作レバーZLが非操作状態にあるか否かを判断する(ステップ:S22)。その結果、CPU30が、電源スイッチがOFF、またはズーム操作レバーZLが操作状態にあると判断すると、CPU30はパルスモータM2とパルスモータM4にパルス信号を送信せず、第2レンズ群L2及び第4レンズ群L4を移動させない。一方、ステップ:S22において、CPU30が、電源スイッチONで、かつズーム操作レバーZLが非操作状態であると判断すると、CPU30が上記フォーカステーブルからズームステップNおける最短撮影距離と無限遠距離位置のデータを読み込み(ステップ:S23)、CPU30からパルスモータM2とパルスモータM4にパルス信号を、その位相を変化させながら送信する。すると、パルスモータM2とパルスモータM4が回転し、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4は、まずズームステップNにおける最短撮影距離位置(本実施形態ではフォーカススキャンにおける最短撮影距離を0.3mと定めている)まで移動し(ステップ:S24)、さらにズームステップNにおける無限遠距離位置まで移動して(ステップ:S25)、フォーカススキャンを行う。図11は、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4の各ズームステップ(1〜19)におけるフォーカステーブルに基づく光軸方向位置を各撮影距離L(0.3m、0.5m、1m、2m、4m、8m、16m、32m、∞)ごとに示し、それぞれの位置を各撮影距離Lごとに結んで示している。
そして、このフォーカススキャンを行うためのデータは、いずれのズームステップにある場合にも(Nが1〜19のいずれの値の場合にも)、パルスモータM2に送信するパルス信号のパルスレートとパルスモータM4に送信するパルス信号のパルスレートの比が、各ズームステップ個別の定数値(所定値)となるように規定されているので、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4がフォーカススキャンを行うとき、各ズームステップにおいて第4レンズ群L4は第2レンズ群L2の該定数倍移動する(該定数倍の速度で移動する)。さらに詳細には、パルスモータM2側とパルスモータM4側のパルスレート比は、各ズームステップごとに個別の値であり、図11に示すように、ズームステップ1〜14においては0:1であり(第2レンズ群L2は移動しない)、ズームステップ15及び16においては1:1であり(第2レンズ群L2と第4レンズ群L4の移動量及び移動速度の比が1:1)、ズームステップ17及び18においては1:2であり(第2レンズ群L2と第4レンズ群L4の移動量及び移動速度の比が1:2)、ズームステップ19においては1:3(第2レンズ群L2と第4レンズ群L4の移動量及び移動速度の比が1:3)と定められている。
さらに、ズームステップ17〜19におけるパルスモータM2へのパルス信号のパルスレートはいずれの撮影距離Lの場合も同じなので、図8に示すように、ズームステップ17〜19における第2レンズ群L2の各撮影距離Lの移動軌跡は互いに平行であり、このようにすることにより、ズーム軌跡を単純化しながら決定している。
一方、ステップ:S28において、CPU30がピーク値がないと判断すると、CPU30がフォーカステーブルからピーク値がない場合のデータを読み込んで(ステップ:S32)、該データに従って第2レンズ群L2と第4レンズ群L4を所定の規定位置(例えば、ズームレンズ系の焦点距離がズームステップN、かつ、撮影距離Lが所定距離(例えば2m)の場合に合焦する位置、または過焦点位置)まで移動させて(ステップ:S33)、上記モニタに合焦不能サインを表示する(ステップ:S34)。
しかも、ズームテーブルによって定められた第2レンズ群L2と第4レンズ群L4の移動軌跡は、フォーカステーブルに従って第2レンズ群L2と第4レンズ群L4をズーミングしたと仮定した場合の移動軌跡とほぼ同じとなるように設定されている(近似されている)ので、ステップズーミング動作におけるステップ:S16の動作(第2レンズ群L2と第4レンズ群L4を両ズームテーブルに規定された位置からフォーカステーブルに規定された位置に移動させる動作)時に像倍率は殆ど変化せず、この時にモニタを見た撮影者が不自然に感じることはない。
さらに本実施形態のように、両パルスモータM2、M4のパルス角を同一とし、かつ、パルスモータM2と第2レンズ群L2の間の回転力伝達機構(上側の案内棒17、ラック体19、送りねじ21)と、パルスモータM4と第4レンズ群L4の間の回転力伝達機構(上側の案内棒17、ラック体25、送りねじ27)を同一構成とし(同一移動ピッチとし。即ち、両パルスモータM2、M4が同じ角度だけ回転すると、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4が光軸O方向に同じ距離だけ移動する。)、さらに、各ズームステップにおいてパルスモータM2側とパルスモータM4側のパルスレート比を、各ズームステップにおける第2レンズ群L2と第4レンズ群L4のフォーカス動作時の移動量比と同一に設定し、第2レンズ群L2及び第4レンズ群L4を規定の移動軌跡に従ってフォーカシングさせると、制御系をより簡単にすることが可能になる。即ち、このように各ズームステップにおけるパルスモータM2側とパルスモータM4側のパルスレート比を上記移動量比と同一とし、各ズームステップにおいて変化させないことにより(一定とすることにより)、各ズームステップごとに第2レンズ群L2と第4レンズ群L4の一方のフォーカステーブルのみを用意すれば足りる(他方のレンズ群に対応するパルスモータには、そのパルスレートが、一方のレンズ群と対応するパルスモータ側のパルス信号に対して移動量比(移動速度比)倍のパルス信号がCPU30から送られる)ので、各ズームステップごとに内容の全く異なる2つのフォーカステーブルを用意する必要がなくなる。
また本発明は、フォーカスレンズ及びズームレンズとして機能する移動レンズ群を2つ備えるズームレンズ系だけでなく、このような移動レンズ群を一つ、または3つ以上備えるズームレンズ系にも適用可能である。さらに、4群以外の構成のズームレンズ系や、2群レンズと4群レンズ以外の組み合わせの2つのレンズ群がフォーカスレンズ及びズームレンズとして機能するズームレンズ系にも適用可能である。
さらに、本発明はデジタルカメラ10だけでなく、銀塩カメラ、内視鏡、測距儀等にも適用可能である。
10a カメラ本体部
10a1 回転軸
10b グリップ
11 鏡胴
11a 開口部
11b 環状取付面
11c 開口部
12 CCD取付板
12a 取付孔
13 遮光板
14 ローパスフィルタ
15 パッキン
16 CCD(撮像素子)
17 案内棒(回転力伝達機構)
18 4群枠
18a 案内孔
18a1 突部
19 ラック体(回転力伝達機構)
19a 案内孔
19b ラック溝(回転力伝達機構)
20 モータ取付板
21 送りねじ(回転力伝達機構)
22 3群枠
22a 支持孔
23 シャッターブロック
24 2群枠
24a 案内溝
24b 案内孔
24c 支持孔
25 ラック体(回転力伝達機構)
25a 案内孔
25b ラック溝(回転力伝達機構)
26 モータ取付板
27 送りねじ(回転力伝達機構)
28 1群枠
29 フィルタねじ
30 CPU(制御手段)
40 記憶装置
B1 電源ボタン
B2 シャッターボタン
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群(移動レンズ群)
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群(移動レンズ群)
M2 M4 パルスモータ(駆動手段)
ZL ズーム操作レバー
Claims (8)
- ズームレンズ系の変倍レンズ群及び焦点調節レンズ群として機能する移動レンズ群と、
上記移動レンズ群をフォーカシングさせ、かつ、仮に該移動レンズ群をワイド端とテレ端との間で変倍させた場合は変倍動作中に像倍率の逆転や不変化現象を引き起こすデータを収納したフォーカステーブルと、
上記移動レンズ群をワイド端位置とテレ端位置との間で像倍率を逆転させることなく変化させながら変倍させるためのデータを収納した、上記フォーカステーブルとは別個のズームテーブルと、
上記フォーカステーブルとズームテーブルに従い、上記移動レンズ群を光軸方向に移動させる駆動手段と、
を備え、
上記ズームテーブルとフォーカステーブルのテレ端及びワイド端におけるデータ値を一致させたことを特徴とするズームレンズにおけるAF制御装置。 - 請求項1記載のズームレンズにおけるAF制御装置において、
上記駆動手段は、ズーミング終了後自動的に、上記フォーカステーブルのデータに基づいて上記移動レンズ群を移動させるズームレンズにおけるAF制御装置。 - 請求項1または2記載のズームレンズにおけるAF制御装置において、
上記移動レンズ群を2つ具備しているズームレンズにおけるAF制御装置。 - 請求項2または3記載のズームレンズにおけるAF制御装置において、
上記複数の移動レンズ群に複数段のズームステップを有するズームステップ軌跡を与えるステップズーム機構を備え、
上記各移動レンズ群のAF動作時の移動軌跡を、上記各ズームステップにおける上記各移動レンズ群の移動量比が、上記各ズームステップ個別の所定値となるように設定したズームレンズにおけるAF制御装置。 - 請求項4記載のズームレンズにおけるAF制御装置において、
上記駆動手段が、上記各移動レンズ群に駆動力をそれぞれ付与する、ステップ角が互いに等しい、上記移動レンズ群と同数のパルスモータであり、
上記各パルスモータの駆動力を上記各移動レンズ群に伝達する、移動ピッチが等しい、上記移動レンズ群と同数の回転力伝達機構と、
上記各パルスモータにそれぞれ個別のパルスレートのパルス信号を送信する制御手段と、を備え、
AF動作時に上記各パルスモータに送信されるパルス信号のパルスレートの比が、対応する移動レンズ群の移動量比と同一となるように上記フォーカステーブルによって規定したズームレンズにおけるAF制御装置。 - 請求項3から5のいずれか1項記載のズームレンズにおけるAF制御装置において、
少なくとも一つのズームステップの上記移動量比が整数比であるズームレンズにおけるAF制御装置。 - 請求項2から6のいずれか1項記載のズームレンズにおけるAF制御装置において、
上記複数の移動レンズ群が、4群からなるレンズ系のそれぞれ第2群と第4群であるズームレンズにおけるAF制御装置。 - 請求項7記載のズームレンズにおけるAF制御装置において、
AF動作時における、上記第4群の移動量を、上記第2群の移動量より大きくしたズームレンズにおけるAF制御装置。
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