以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、この実施の形態で用いる装置の各構成要素の相対配置、装置形状等は、あくまで例示であり、それらのみに限定するものではない。
図1は、本実施形態における印刷制御装置の一例となる画像形成装置の概略構成を示す図である。図1の画像形成装置は、外部装置から受信したデータを印刷する印刷機能のみを有したものを示すが、これに限らず、原稿上の画像を読取る読取装置をさらに備えて複写機として機能するものや他の機能を加えた複合装置としてもよい。
また、印刷処理を行う記録材(被記録媒体または記録シート)としてロールシートを用いたものを例に説明する。このロールシートは連続シートの例であるが、連続シートとしては、ロール状となったもの以外でもよい。また、連続シートの切断は、画像形成装置が自動的に切断するものであってもよいし、ユーザがマニュアル指示を行って切断するものであってもよい。記録材の材質も紙には限らず、印刷処理可能なものであれば種々のものを用いることができる。また、画像形成装置は、連続シートへの印刷のみではなく、所定のサイズに予めカットされたカットシートへの印刷をも可能な画像形成装置としてもよい。
また、印刷方式は後述する画像印刷用液体インクを用いたインクジェット方式による画像の印刷には限らない。記録材に付与する記録剤として固形インクを用いてもよいし、トナーを用いた電子写真方式、昇華方式、熱転写方式、ドットインパクト方式など種々のものを採用可能である。また、複数色の記録剤を用いたカラー記録を行うものには限らず、黒色(グレーを含む)のみによるモノクロ記録を行うものとしてもよい。また、印刷は、可視画像の印刷には限らず、不可視もしくは視認が困難な画像の印刷としてもよいし、一般的な画像以外の、例えば配線パターン、部品の製造における物理的パターン、DNAの塩基配列等のプリントなど種々のものの印刷としてもよい。つまり、記録剤を記録材に付与可能なものであれば種々のタイプの記録装置に適用可能である。また、図1の画像形成装置と接続された外部装置からの指示で当該画像形成装置における印刷処理の動作を制御させる場合、この外部装置が印刷制御装置となる。
図1は、記録材としてロールシート(搬送方向において印刷単位(1ページ)の長さよりも長い連続した連続シート)を用いた画像形成装置の全体構成の概略を示す断面図である。画像形成装置は、以下の構成要素101〜115を含み、これらが1つの筐体内に配置される。ただし、これらの構成要素を複数の筐体に分けて構成してもよい。
制御ユニット108は、コントローラ(CPUまたはMPUを含む)やユーザインターフェース情報の出力器(表示情報や音響情報などの発生器)、各種I/Oインターフェースを備えた制御部を内蔵し、画像形成装置全体の各種制御を司る。
ロールシートを保持し、そして供給するユニットとして上段シートカセット101aと下段シートカセット101bの2基を備える。使用者はロールシート(以下、シート)をマガジンに装着してから画像形成装置本体に装填する。上段シートカセット101aから引き出されたシートは図中a方向に、下段シートカセット101bから引き出されたシートは図中b方向にそれぞれ搬送される。いずれのカセットからのシートも図中c方向に進行して搬送ユニット102に到達する。搬送ユニット102は、複数の回転ローラ104を通して印刷処理中にシートを図中d方向(水平方向)に搬送する。供給元のシートカセットを一方から他方に切り替える際は、既に引き出されているシートをカセット内に巻き戻し、新たに供給させるシートがセットされているカセットから新たに供給する。
搬送ユニット102の上方にはヘッドユニット105が搬送ユニット102と対向して配置される。ヘッドユニット105では複数色(本実施形態では7色)分の独立した印刷ヘッド106がシートの搬送方向に沿って保持されている。本例ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、G(グレー)、K(ブラック)の7色に対応した7つの印刷ヘッドを有す。もちろん、これら以外の色を用いたものでもよいし、これらの全てを用いる必要もない。
本画像形成装置は、搬送ユニット102によるシートの搬送に同期させて、印刷ヘッド106からインクを吐出させてシート上に画像を形成する。なお、印刷ヘッド106はインクの吐出先が回転ローラ104と重ならない位置に配置される。インクはシートに直接吐出させるのに代え、中間転写体にインクを付与した後、そのインクをシートに付与することによって画像を形成させるものとしてもよい。
これら搬送ユニット102、ヘッドユニット105、印刷ヘッド106を含んで本実施形態の印刷用ユニットが構成されている。
インクタンク109は各色のインクを独立して貯蔵する。インクタンク109からはチューブによって各色に対応して設けられたサブタンクまでインクが供給され、サブタンクから各印刷ヘッド106までチューブを介してインクが供給される。
印刷ヘッド106は、印刷時の搬送方向d方向に沿って各色(本実施形態では7色)のラインヘッドが並んでいる。各色のラインヘッドは、継ぎ目無く単一のノズルチップで形成されたものであってもよいし、分割されたノズルチップが一列又は千鳥配列のように規則的に並べられたものであってもよい。本実施形態では、本装置が使用可能な最大サイズのシートの印刷領域の幅分をカバーする範囲にノズルが並んでいる所謂フルマルチヘッドとする。ノズルからインクを吐出するインクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。印刷データに基づいて各ヘッドのノズルからインクが吐出されるが、吐出のタイミングは搬送用エンコーダ103の出力信号によって決定される。
シートに画像が形成された後、当該シートは搬送ユニット102から、スキャナユニット107まで搬送される。スキャナユニット107では、シート上の印刷画像や特殊パターンを光学的に読取って印刷画像に問題がないかどうかの確認や、インクの吐出状態を含む本装置の状態確認等を行う。印刷画像の確認方法としては、ヘッドの状態の確認するためのパターンを読み込むことによるインクの吐出状態を確認するものでもよいし、元画像との比較を行うことによる印刷の成否を確認するものでもよい。確認の方法は種々のものの中から適宜選択することが可能である。
シートはスキャナユニット107近傍からe方向に搬送され、カッタユニット110に導入される。カッタユニット110ではシートを所定の印刷単位の長さ毎に切断する。印刷する画像サイズに応じてこの所定の印刷単位の長さは異なる。例えばL版サイズの写真では搬送方向の長さは135mm、A4サイズでは搬送方向の長さは297mmとなる。カッタユニット110は、片面印刷の場合はページ単位でシートを切断するが、印刷ジョブの内容によってはページ単位で切断しない場合もある。また、カッタユニット110は両面印刷の場合、シートの第1面(先に印刷する面。たとえばおもて面)はページ単位で切断せずに所定の長さ分まで画像を連続して印刷し、第2面(後に印刷する面。たとえば裏面)を印刷した場合にページ単位で切断する。なお、カッタユニット110は、片面印刷や両面印刷の裏面印刷に際し、1枚の画像毎に切断するものに限らない。所定の長さ分搬送されるまで切断せず、所定の長さまで搬送された後で切断し、1枚(1頁)の画像毎に切り離すのは別のカッタ装置で手動操作等によって切断するものとしてもよい。またシートの幅方向に関しては、切断が必要な場合、別のカッタ装置を用いて切断することになる。
カッタユニット110から搬送されたシートは、ユニット内を図中f方向に搬送され、裏面印字ユニット111に搬送される。裏面印字ユニット111は、シートの片面のみに画像を印刷する場合に、シートの裏面に所定の情報を印刷させるためのユニットである。シートの裏面に印刷する情報としては、印刷画像毎に対応した文字、記号、コード等の情報(例えば、オーダー管理用番号等)が含まれる。裏面印字ユニット111は、印刷ヘッド106が両面印刷の印刷ジョブのための画像を印刷する場合、印刷ヘッド106が画像を印刷する領域以外に上記のような情報を印刷する。裏面印字ユニット111は、記録剤の押印、熱転写、インクジェットなどの方式を採用可能である。
裏面印字ユニット111を通ったシートは、次に乾燥ユニット112に搬送される。乾燥ユニット112は、インクが付与されたシートを短時間で乾燥させるために、ユニット内を図中g方向に通過するシートを温風(加温された気体(空気))で加熱するユニットである。なお、乾燥の方法は温風を用いるのに代え、冷風、ヒーターによる加温、待機させることのみによる自然乾燥、紫外光等の電磁波の照射など種々のものも採用可能である。印刷単位長さに切断されたシートは1枚ずつ乾燥ユニット112内を通過して、図中h方向に搬送されて仕分けユニット114に搬送される。
仕分けユニット114は、複数のトレー(本実施形態では18個)を保持しており、印刷単位の長さ等に応じでシートの排出先のトレーを区別する。各トレーにはトレー番号が割り当てられている。仕分けユニット114では、ユニット内を図中i方向に通過するシートを、各トレー上に設けられたセンサでトレーの空きやシートが満載か否かなどを確認しながら印刷画像毎に設定されたトレー番号に対応するトレーに排出していく。切断されたシートの排出先となるトレーは、印刷ジョブの発行元(ホスト装置)で特定のものが指定される場合や、画像形成装置側で空いているトレーが任意に指定される場合がある。1つのトレーには予め決められた枚数まで排出可能である。この予め決められた枚数を超える印刷ジョブの場合、複数のトレーに跨って排出される。トレーに対して排出可能なシートの枚数やサイズ、種類などは、そのトレーの大きさ(タイプ)等によって異なっている。図1において縦(上下)に並んでいるトレー(以下、大トレー)群は大サイズ(A4サイズ等、L版サイズより大きいもの)のシート、小サイズ(L版サイズ)の両方のシートの排出が可能である。また、横(左右)に並んでいるトレー(以下、小トレー)群は小サイズ(L版サイズ)のシートの排出が可能であるが大サイズのシートの排出はできない。そして、大トレーの方が小トレーより排出可能なシートの出力枚数が多い。
また、シート排出中や排出完了等の状態は、表示器を用いてユーザが識別可能にする(例えば、LED等を用いる)。例えば、トレーのそれぞれに互いに異なる色で発光する複数のLEDを設け、点灯しているLEDの色や点灯状態か点滅状態かなどによって各トレーの種々の状態をユーザに通知可能である。また、複数のトレーのそれぞれには優先順位を付すことができ、画像形成装置は、印刷ジョブを実行するにあたり、空いている(シートが存在しない)トレーを、優先順位に従って順にシートの排出先として割り当てていく。デフォルトでは、大トレーは上のトレーほど優先順位が高く、小トレーは左側ほど優先順位が高い。また大トレーより、小トレーの優先順位が高い。この優先順位はユーザがシートを取り出しやすい位置の優先順位を予め高く設定しておいてもよい。またユーザによる操作等で適宜変更可能なものとしてもよい。
シート巻取りユニット113は、ページ毎に切断されずにおもて面が印刷されたシートの巻取りを行う。両面印刷の際にはまずおもて面に画像形成が行われたシートを、カッタユニット110でページ単位では切断せず、連続したおもて面の印刷が終了した後に切断する。おもて面が印刷されたシートは、ユニット内を図中のj方向に通過し、シート巻取りユニット113が巻取る。そして、一連のページ分のおもて面の画像形成が終了して、巻き取られたシートは、先のおもて面とは反対面を印刷可能な面にして、つまり印刷ヘッド106に対向させる面を反転させて、再度ユニットの図中のk方向に搬送される。このように搬送させることで、先のおもて面とは反対の裏面の画像の印刷を行わせる。通常の片面印刷の場合は、画像が印刷されたシートは、シート巻取りユニット113による巻取りを行わせずに仕分けユニット114に搬送される。
このように、両面印刷の際は、シート巻取りユニット113を用いてシートの巻取りを行い、シートを反転させて裏面の印刷を行うため、片面印刷のときと両面印刷のときとでは仕分けユニット114への排出の際のシートの面が異なる。即ち、片面印刷の場合はシート巻取りユニット113を用いたシートの反転が行われないので、先頭ページの画像が印刷されたシートは先頭ページの画像が下を向いた状態で排出される。そして1つの印刷ジョブが複数ページあるジョブの場合、先頭ページのシートからトレーに排出され、以後後続のページへと順次排出されシートが重なっていく。このような排出をフェイスダウン排出と呼ぶ。一方、両面印刷の場合はシート巻取りユニット113を用いたシートの反転が行われるので、先頭ページの画像が印刷されたシートは先頭ページの画像が上を向いた状態で排出される。そして1つの印刷ジョブが複数枚のシートの出力を行うジョブの場合、最後のページを含むシートからトレーに排出され、以後若いページのシートへと順次排出されシートが重なっていき、最終的に先頭ページの画像が印刷されたシートが排出される。このような排出をフェイスアップ排出と呼ぶ。なお、片面印刷の場合と両面印刷の場合とで排出の際のシートの面を同じ(フェイスアップまたはフェイスダウンに統一)とすべく、片面印刷時と両面印刷時とで第1面の印刷順序(降順とするか昇順とするか)を変えるようにしてもよい。
操作ユニット115は、ユーザが種々の操作を行ったり、ユーザに種々の情報を通知したりするためのユニットである。例えば、ユーザに指定された画像が印刷されたシートはどこのトレーに積載されているか、あるいは当該画像が印刷中か印刷終了かなど、オーダー毎の印刷状況の確認が可能である。また、インク残量や、シートの残量等、装置の各種状態の確認、ヘッドクリーニング等の装置メンテナンスの実施の指示を行うためにユーザが操作/確認可能である。
図2は、図1で示した画像形成装置における制御に関わる構成を説明するためのブロック図である。画像形成装置200は図1に示した画像形成装置である。ただし、下記の構成は一例であり、種々の変更が可能である。
CPU201、ROM202、RAM203、画像処理部207、エンジン制御部208、スキャナ制御部209が主に制御ユニット108に含まれる。そして、制御ユニット108にHDD204、操作部206、外部I/F205などがシステムバス210を介して接続される。
CPU201は、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)形態の中央演算処理部であり、図1の制御ユニット108に含まれる。CPU201は、プログラムの実行やハードウェアの起動により画像形成装置200全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201が実行するためのプログラムや画像形成装置200の各種動作に必要な固定データを格納する。RAM203は、CPU201がワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。HDD204は、CPU201が実行するためのプログラム、印刷データ、画像形成装置200の各種動作に必要な設定情報を、内蔵するハードディスクに記憶させたり、読み出したりすることが可能である。なお、HDD204に代えて、他の大容量記憶装置としてもよい。
操作部206は、ユーザが種々の操作を行うためのハードキーやタッチパネル、またユーザに種々の情報を提示(通知)するための表示部を含み、図1の操作ユニット115に対応するものである。またユーザへの情報の提示は音声発生器からの音響情報に基づく音響(ブザー、音声等)を出力することによっても行うこともできる。
画像処理部207は、画像形成装置200で扱う印刷データ(例えば、ページ記述言語で表されたデータ)の画像データ(ビットマップ画像)への展開(変換)や画像処理を行う。入力された印刷データに含まれる画像データの色空間(たとえばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(たとえばsRGB)に変換する。また、画像データに対し、有効な(画像形成装置200が印刷処理可能な)画素数への解像度変換、画像解析、画像補正等、様々な画像処理が必要に応じて施される。これらの画像処理によって得られた画像データは、RAM203または、HDD204に格納される。
エンジン制御部208は、CPU201等から受信した制御コマンドに応じて、印刷データに基づく画像をシート上に印刷する処理の制御を行う。各色の印刷ヘッド106へのインク吐出指示や、記録媒体上でのドット位置(インクの着弾位置)を調整するための吐出タイミング設定、ヘッド駆動状態取得に基づく調整等を行う。印刷データに応じて印刷ヘッドの駆動制御を行い、印刷ヘッドからインクを吐出させシート上に画像を形成させる。また、カセットからシートを引き出す引き出しローラの駆動指示、引き出されたシートを搬送させる搬送ローラの駆動指示、搬送ローラの回転状況取得等を行う等、搬送ローラの制御を行い、シートを適切な速度及び経路で搬送および停止させる。
スキャナ制御部209は、CPU201等から受信した制御コマンドに応じて、イメージセンサーの制御を行い、シート上の画像を読取り、赤(R)、緑(G)および青(B)色のアナログ輝度データを取得し、デジタルデータに変換する。イメージセンサーとしては、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサー等を採用可能である。また、イメージセンサーはリニアイメージセンサーとしてもエリアイメージセンサーとしてもよい。また、スキャナ制御部209は、イメージセンサーの駆動指示、該駆動に基づくイメージセンサーの状況取得を行い、イメージセンサーから取得した輝度データを解析し、印刷ヘッド106からのインクの不吐やシートの切断位置の検出等を行う。スキャナ制御部209で画像が正しく印刷されていると判定されたシートは、シート上のインクの乾燥処理が施された後に、指定された仕分けユニットのトレーに排出される。
ホスト装置211は、上述した外部装置に対応し、本画像形成装置200の外部に接続され、画像形成装置200に印刷を行わせるための画像データの供給源となる装置であり、種々の印刷ジョブのオーダーを発行する。
ホスト装置211は、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)によって実現してもよいし、他のタイプのデータ供給装置としてもよい。他のタイプのデータ供給装置としては、画像をキャプチャーして画像データを生成する画像キャプチャー装置がある。画像キャプチャー装置は、原稿上の画像を読取って画像データを生成するリーダ(スキャナ)、ネガフィルムやポジフィルムを読取って画像データを生成するフィルムスキャナなどである。また、画像キャプチャー装置の他の例として静止画を撮影してデジタル画像データを生成するデジタルカメラ、動画を撮影して動画像データを生成するデジタルビデオもある。その他、ネットワーク上にフォトストレージを設置したり、着脱可能な可搬性メモリを挿入するソケットを設けたりし、フォトストレージや可搬性メモリに格納された画像ファイルを読み出して画像データに生成して印刷するものとしてもよい。また、汎用的なPCに代え、本画像形成装置専用の端末とするなど、種々のデータ供給装置としてもよい。これらのデータ供給装置は画像形成装置の構成要素としてもよいし、画像形成装置の外部に接続した別の装置としてもよい。また、ホスト装置211をPCとした場合、PCの記憶装置に、OS、画像データを生成するアプリケーションソフトウェア、画像形成装置200用のプリンタドライバがインストールされる。プリンタドライバは、本画像形成装置200を制御したり、アプリケーションソフトウェアから供給された画像データを画像形成装置200が扱える形式に変換して印刷データを生成したりする。また、印刷データから画像データへの変換をホスト装置211側で行ってから画像形成装置200に供給するようにしてもよい。なお、以上の処理の全てをソフトウェアで実現することは必須ではなく、一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現するようにしてもよい。ホスト装置211から供給される画像データやその他のコマンド、更にステータス信号等は、外部I/F205を介して画像形成装置200と送受信可能である。外部I/F205はローカルI/FであってもネットワークI/Fであってもよい。また、外部I/F205は、有線による接続であっても無線による接続であっても構わない。
画像形成装置200内の上記した各構成はシステムバス210を介して接続され、互いに通信可能である。
なお、以上の例では、1つのCPU201が図2に示した画像形成装置200内の全ての構成要素を制御するものとしたが、この構成以外としてもよい。即ち、各機能ブロックのいくつかが別途CPUを備え、それぞれのCPUによって個別に制御するものとしてもよい。また、各機能ブロックは図2に示した構成以外の分担のさせ方により個別の処理部または制御部として適宜分割したり、いくつかを統合したりするなど、種々の形態を採用可能である。また、メモリからのデータの読み出しにはDMAC(Direct Memory Access Controller)も用いることもできる。
次に以上の構成において、画像形成装置200により印刷ジョブを実行する際の処理の流れについて説明する。図3は、画像形成装置200が印刷ジョブを受け付け、この印刷ジョブを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、CPU201が、ROM202またはHDD204に格納されている制御プログラムをRAM203にロードし、それを実行することにより行われる処理の流れを示す。なお、ユーザによる操作部206からの操作でシートカセット101a、101bにそれぞれセットされているシートのサイズ(ロール幅)とシート種(普通紙、光沢紙、フィルム等の材質)がRAM203に登録されているものとする。
S301において、外部I/F205を介して印刷ジョブを受け付けると、この印刷ジョブの処理を開始する。受け付けた印刷ジョブは一旦HDD204に蓄積される。ここで、1つの印刷ジョブ内でのページ毎の印刷順序を仮決めしておく。即ち、フェイスダウン排出を行う場合、両面印刷であれば第1面には偶数ページを降順で、第2面には奇数ページを昇順でそれぞれ印刷するよう決定する。片面印刷であれば昇順で印刷するよう決定する。両面印刷であっても製本印刷の場合、製本レイアウトに従い、先頭ページがフェイスダウンで最初に排出され、その他はレイアウトに従うよう決定する。入力された印刷ジョブが1ページの印刷であれば印刷順序の仮決めは行われない。
そして、S302に進み、グループ決定処理に移る。ここで、グループとは連続して印刷させる単位のことを指し、同一のグループとなるのは印刷設定が同一の隣り合ったページであり、異なる印刷ジョブのページが同一のグループとなることもある。また、両面印刷の場合、第1面に配置されるページと第2面に配置されるページとのペアとそれぞれ隣に配置されるページのペアとが同一の印刷設定のものが同一のグループとなる。ただし、両面印刷と片面印刷とを同一のグループとする場合は、両面印刷の第1面のページと片面印刷ジョブの印刷設定(使用するシートと画質モード)が同一のものとし、印刷処理自体は両面印刷の手順で実行する。同一のグループとなった場合、ページ間でシートをシートカセットに引き戻す処理を行わない(異なるグループの場合は引き戻す)。また、同一のグループとなったものが両面印刷であった場合、第1面への印刷を連続して行い(異なる印刷ジョブのものも含む)、その後、第2面への印刷を行う。これによりシートの反転回数を減らし、効率的な印刷処理を実現する。なお、シートの同一面に連続して印刷させる場合、ページ間に余白を設定する処理も含む。
また、S301の処理はS302の処理を行っている間も順次行い、印刷ジョブ内での印刷順序の仮決めとHDD204への蓄積は新たな印刷ジョブが入力される毎に行われる。
図4は、S302のグループ決定処理の詳細を示すフローチャートである。図4の処理を行うにあたって、S301で仮決めした印刷順序の第1面の先頭に印刷する印刷ページから以降の処理を順次行っていく。
S401では処理対象の印刷ページの次の印刷ページがあるか判断する。ここで、次の印刷ページとは、S301における仮決めにより、シートの同一面で隣に配置させるページとなったものを指す。また、処理対象の印刷ページがシートの同一面の最後尾に配置させるページであった場合、次の印刷ジョブが入力されていた場合、その印刷ジョブにおいて同シートの最初に配置させるページを指す。
S402では処理対象のページと次のページの印刷設定を比較する。ここでの比較は同一のシートに連続して印刷させることが可能かどうかを判断するための比較なので、比較する印刷設定は、使用可能なシート(シートサイズ、シート種)に関する設定を含む。また、画質モードが異なると、一旦インクの予備吐出などが必要である場合もあり、この場合、連続した印刷ができないことがあるので、画質モードも比較するようにしてもよい。また、処理対象のページが両面印刷にかかるものである場合、その反対面に配置されるページと、処理対象のページの次のページの反対面に配置されるページの印刷設定も比較する。処理対象のページまたは次のページの一方のみが両面印刷の場合、印刷ページが存在する面のみの比較となる。いずれにしても、ここでは同一のシートの同一面に複数のページを連続して印刷可能であるかを判断するための比較を行う。
そして、S403では、S402における比較の結果、違いなし(同一のシートの同一面に複数のページを連続して印刷可能である)か判断し、違いなしであると判断された場合、S404に進み、違いがあると判断された場合、S409に進む。
S404では、次の印刷ページが処理対象のページとは別のトレーにシートを排出させる必要があるか判断する。別のトレーに排出させる場合とは、処理対象のページと次の印刷ページとが互いに異なる印刷ジョブである場合、処理対象のページでトレーの許容枚数を超えたため次の印刷ページの排出先が別のトレーとなる場合などがある。ここで肯定判定が行われた場合はS405に進み、否定判定が行われた場合はS408に進む。
S405では、これまでに使用すると決まっているトレー数が印刷開始最低トレー数より小さいか判断する。使用すると決まっているトレー数は、RAM203に記憶されている必要なトレー数であり、後述のようにS407で順次追加しながら更新される。印刷開始最低トレー数は、ここでの印刷処理に使用可能なトレーのうち、現在使用可能なトレーの数である。CPU201は仕分けユニット114の各トレーが空いている(シートがない)かどうか、またエラー状態でないかどうかを定期的に監視しており、これから行う印刷処理によって使用すべきトレーを現在使用可能かどうか判別可能である。なお、印刷開始最低トレー数は必ずしも使用可能な全てのトレー数と一致させる必要はなく、使用可能なトレー数よりいくつか少なめにしたり多めにしたりしてもよい。これは現在空いていなくてもすぐにユーザが取り去ることを見込めたり、また緊急の印刷ジョブのために常にいくつかのトレーを空けておいたりするためである。前者の場合、早くユーザにシートを取り去らせるため音響を発生させるなどしてもよい。これはユーザが任意に指定可能としてもよい。S405で肯定判定が行われた場合はS407に進み、否定判定が行われた場合はS406に進む。
S406では、処理対象の印刷ページと次の印刷ページとが(同一のグループとした場合に)両面印刷を行うべきものであるか判断する。ここで否定判定が行われた場合、S407に進み、肯定判定が行われた場合、S409に進む。
S407では、RAM203に記憶されている、必要なトレー数に1を加える。なお、印刷ジョブを1つ受け付けた時点で最低1つはトレーを使用するため、印刷ジョブ開始時は1が設定され、その後、順次1つずつ加えられていく。また、印刷ジョブによっては使用可能なトレーが異なるため、トレーの種類に応じて個別にトレー数を記憶するようにしてもよい。
S408では、処理対象の印刷ページと次の印刷ページとを結合し、同一グループとすることを決定する。なお、結合は単純に2ページを結合するのではなく、ページ間に余白を設ける処理などを含み、また2ページを1ページにするのではなく、後の切断処理においてページ間での切断も行われる。S409では、処理対象の印刷ページと次の印刷ページとは結合せず、それぞれ別のグループとすることを決定する。そしてS401で否定判定が行われるまで、以上の処理を繰り返す。ただし、次の印刷ページがなくなるまで処理を繰り返すものに代え、S409で2つ目のグループが決定された場合に、1つ目のグループの印刷処理を行えるように図3の処理に戻るようにしてもよい。この場合でも、後続の印刷ページの処理を並行して図4のフローに従って行う。
図3に戻る。以上のようにグループ決定処理を経て少なくとも1つのグループが決定されると、S303において印刷開始可能かどうか判断する。ここでは使用可能なトレーの数を判断し、両面印刷の場合は1グループ分の印刷処理が可能な数のトレーが使用可能かどうか判断する。片面印刷の場合は1つでも使用可能なトレーがあるか判断する。ここでこれらの判断を行うのは、S405における判断時から使用可能なトレーの数が変化していた場合、これを後続の判断に反映させるためである。ここで肯定判定が行われた場合、S304に進む。
S304では、印刷対象のグループが両面印刷であるか否か判断する。両面印刷である場合はS305に進み、1グループ分の印刷を実行する。このとき、フェイスダウン排出を行う場合、第1面に配置すべきページを降順で印刷し、第2面に配置すべきページは昇順で印刷する。そして第2面への印刷が行われるとシートをページ単位で切断し(製本印刷等の場合、ページ単位では切断されないこともある)、各トレーに排出する。このとき複数の印刷ジョブが同一グループになっている場合であっても、全ての印刷対象の印刷ジョブの第1面のみを先に印刷し、その後で第1面とは逆の順序で第2面への印刷が行われる。例えば、1〜6ページを順におもて、裏と配置させる2つの印刷ジョブが同一グループとなった場合、まず2つ目の印刷ジョブの6ページ、4ページ、2ページをシートの第1面に印刷させる。そして、1つ目の印刷ジョブの6ページ、4ページ、2ページを第1面に続けて印刷させる。その後、シートの切断と反転が行われ、第2面に1つ目の印刷ジョブの1ページ、3ページ、5ページ、2つ目の印刷ジョブの1ページ、3ページ、5ページが印刷される。
S304で片面印刷であると判断された場合はS306に進み、S303における判断に従い、使用可能なトレー数分だけ印刷を行う。このとき、フェイスダウン排出を行う場合、先頭ページから昇順で印刷を行う。ここで片面印刷の場合、グループを決定したにも関わらず、使用可能なトレー数分だけ印刷するのは、両面印刷のようにシート巻取りユニット113を使用しないため、予定を変更してもその後の印刷に影響を及ぼさないためである。
そして、S307では図4の処理でグループが決定済みの印刷ジョブの印刷処理が終了したか判断し、まだ終了していないものがあればS308に進み、新たな印刷ジョブが追加されているか判断する。新たな印刷ジョブが追加されていればS302から処理を繰り返し、なければS303から処理を繰り返す。そして、S307で肯定判定が行われた場合、一連の処理を終了し、新たな印刷ジョブが入力されるのを待つ。
以上のような処理により、印刷処理に際して必要なトレー数と使用可能なトレー数に基づく印刷開始最低トレー数のそれぞれを特定する。そして特定されたそれぞれのトレー数に従って同一のジョブグループとする同一シートの同一面に配置されるページの数が決定される。これにより、印刷を開始した後にトレーへの排出ができないことによる印刷処理の停止を防止できる。特に両面印刷の場合、第1面への印刷を連続して行った後、シート巻取りユニット113でシートを巻き取ったまま印刷を停止させることがなくなり、このシートを廃棄したり、後続の両面印刷が行えないなどの不都合を防止できる。また、各トレーにはシートが適切に仕分けられるので、ユーザによる回収作業は容易となる。また、使用可能なトレーの数は複数回確認するので、できる限り最新の状態に基づき印刷処理及びシートの排出が行える。
また、片面印刷の場合、1つでもトレーが使用可能であれば、印刷を実行するようにしたが、1つトレーが空く毎に印刷と停止を繰り返すと非効率なため、予め決められた数分のトレーが使用可能となったときに印刷を開始するようにしてもよい。このときの数は、必要なトレー数と比例させて変動させてもよい。
また、以上の例では印刷開始最低トレー数を、現在使用可能なトレー数、またはそれよりいくつか少ない、または多い数としたが、他の条件で決定してもよい。即ち、同一のグループとできる数(上限)を、仕分けユニット114のトレー数に従って決定するようにしてもよい。また仕分けユニット114のトレー数が可変である場合には、そのトレー数を特定し、そのトレー数に従って同一のグループとできる数(上限)を決定する。
なお、使用するトレーは1つ追加される毎に、他の印刷ジョブによって使用されないよう、リザーブしておくのが好ましい。これにより、印刷開始の際、先の確認時よりも使用可能なトレー数が減ることがなくなる。そして、必要な数のトレーが使用可能であることが確認されてから印刷を開始するので、一旦開始した印刷が無駄にならず、また以降の印刷が滞る可能性を低減させることができる。
また、両面印刷の場合、1つの印刷ジョブが複数のグループに分かれる場合、シートの順序がバラバラになるため、それぞれ異なるトレーに排出させるようにする。また、このようにバラバラになるのを防ぐため、両面印刷の場合、1つの印刷ジョブが異なるグループとならないようにしてもよい。
また、1つの印刷ジョブにより排出されるシートの枚数が1つのトレーの許容枚数を超えることにより複数のトレーに排出される場合、互いに隣接したトレー群を排出先として決定するようにしてもよい。このようにすればユーザによる取り出し作業が容易となる。
また、シートの残量が不足した場合も印刷処理が停止してしまうため、1つのグループとすべきページ数はシートの残量を超えない範囲とするのが好ましい。
なお、以上の説明において、印刷を行う部分を除いた、印刷順序のスケジューリングや結合の可否等の処理をホスト装置や外付けコントローラなどの外部装置で実現し、それに従って画像形成装置に印刷を実行させるようにしてもよい。その際、外部装置は画像形成装置からステータス(セットされているシート、トレーの空き状況等)を取得して印刷順序やグループの決定等を行うことが好ましい。この場合、この外部装置が印刷制御装置として機能することになる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、1つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータが連動して実行するようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウェアで実現する必要はなく、一部または全部をハードウェアによって実現するようにしてもよい。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(他の実施形態への応用、他の実施形態との組合せ等を含む)も可能である。