JP5654276B2 - 遮光性フィルム - Google Patents

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本発明は、遮光性フィルムに関する。より詳しくは、光学用途やオプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等の各種用途に有用な遮光性フィルムに関する。
遮光性フィルムは、例えば、レンズユニット等の光学部材の他、オプトデバイス部材、表示デバイス部材、機械部品、電気・電子部品等の各種用途において、所望の波長の光を散乱・吸収等してその波長の光を遮光するための遮光層を有するフィルムである。例えば、デジタルカメラや携帯電話用カメラのカメラモジュール等の光学用途では、レンズユニット内部での光学ノイズの発生及び拡大を抑えるために、上記のような遮光層を有する遮光性フィルムが開発、改良されている。
例えば、特許文献1には、遮光性、耐熱性に優れた遮光性フィルムとして、硬化性樹脂硬化物又はガラス転移温度が150℃以上の熱可塑性樹脂を含有する有機樹脂と黒色材料とを必須とする遮光性フィルムが開示されており、特定の有機樹脂を用いたことにより、有機樹脂中に黒色材料をより均一に分散又は溶解させることができ、得られるフィルムが遮光性に優れたものとなると記載されている。
国際公開第2009/014264号パンフレット
上記のように、遮光性や耐熱性に優れた種々の遮光性フィルムが検討・開発され、一定の成果が上がっているが、各用途での需要の増大に伴い、このような優れた遮光性フィルムを、より低コストで製造することが求められている。
遮光性フィルムの遮光層を形成する有機樹脂としては、耐熱性等に優れることからポリイミド樹脂が好適に用いられるが、低コスト化等の観点では、未だ改善の余地を残すものである。
例えば、特許文献1に記載の遮光性フィルムは、有機樹脂としてポリイミド樹脂を採用する場合には、原料であるポリアミック酸に黒色材料(カーボンブラック)を分散させたワニスを被コーティング材料に塗布し、加熱処理によって溶剤を揮発させるとともにイミド化反応を行うことにより製造される。このイミド化反応には、通常300℃程度以上の高温が必要であるため、設備面でコストが増大するという問題があった。また、遮光性フィルムは、一般に、光沢度を低減するために表面に凹凸形状を形成する必要がある。この凹凸形状の形成はイミド化(硬化)反応の前に行うことが好ましいが、イミド化工程において光沢度が変化する(高くなる)という問題もあった。
一方、ポリイミド樹脂を用いた遮光性フィルムの製造方法としては、上記ポリアミック酸を用いる方法以外に、例えば、溶融タイプのポリイミド樹脂にカーボンブラックを溶融練り込みする方法が考えられるが、この場合も、溶融温度が高温であるため製造コストの面で不利であった。
このように、従来の技術には、安価で光沢度が低く、光沢度の経時安定性にも優れる遮光性フィルムを開発するための工夫の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、安価で光沢度が低く、光沢度の経時安定性にも優れる遮光性フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記のような、ポリアミック酸ワニスを用いた場合に生じる問題点を解消すべく詳細に検討した結果、イミド化工程における光沢度の変化は、イミド化反応において塗膜が収縮することにより凹凸形状が平坦化されたり、反応で生成する水分により表面形状が不均一になったりする等、塗膜表面の凹凸形状が微妙に変化することが原因であることを見出した。そして、成膜後にイミド化反応を行うことなく遮光層を形成することができる溶剤可溶性ポリイミド樹脂に着目し、有機樹脂として溶剤可溶性ポリイミド樹脂を用い、黒色材料としてカーボンブラックを用いて遮光性フィルムを形成すると、イミド化工程における上述の問題点が解消するとともに、高温での加熱処理が不要であるため、製造コストを削減することもできることを見出した。
遮光層の表面の凹凸形状は、一般に、転写材を用いた転写法により形成されるが、用いるカーボンブラックによって、得られる遮光性フィルムの光沢度が異なったり、該フィルムを巻き取りした状態での保存時に光沢度が経時的に変化したりする場合があることを見出した。そして、比表面積が特定の値以上であるカーボンブラックを用いると、転写材の凹凸形状が高い精度で遮光層に転写され、所望の光沢度を容易に実現することができ、保存環境下及び使用環境下で安定して光沢度が維持されることを見出した。このような効果が発現するメカニズムの詳細は不明であるが、次のように推測できる。すなわち、比表面積が特定の値以上であるカーボンブラックは、1次粒子が微細であり、かつ、2次構造が疎であるため、マトリクス成分であるポリイミド樹脂中に、実質的に均一に分散した状態であると考えられる。このため、遮光層の変形し易さがごく微小な範囲においても均一となっており、転写材の微細な凹凸形状が正確に遮光層に反映され易いと考えられる。更に、巻き取り時等に遮光層に応力が加わっても、それが均一に分散されるため、表面の微細な凹凸形状が維持され易いと考えられる。
このように、本発明者は、有機樹脂として溶剤可溶性ポリイミド樹脂を用い、カーボンブラックとして比表面積が特定の値以上のものを用いると、比較的低コストで遮光性フィルムを製造することができ、しかも、得られるフィルムの光沢度が低く、その光沢度が経時安定性に優れることを見出し、更に、このような遮光性フィルムが光学用途等の各種用途に有用であることも見出し、上記課題をみごとに解決できることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、有機樹脂とカーボンブラックとを含む遮光層を有する遮光性フィルムであって、上記有機樹脂は、溶剤可溶性ポリイミド樹脂を含むものであり、上記カーボンブラックの比表面積は100m/g以上であることを特徴とする遮光性フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の遮光性フィルムは、有機樹脂とカーボンブラックとを含む遮光層を有するものであるが、遮光層は、有機樹脂とカーボンブラックとを必須とする限り、他の成分を含んでいてもよく、これらの成分は1種又は2種以上を用いることができる。
<有機樹脂>
本発明の遮光性フィルムは、遮光層に有機樹脂とカーボンブラックとを含むものであり、有機樹脂は、溶剤可溶性ポリイミド樹脂を含むものである。なお、上記有機樹脂は、溶剤可溶性ポリイミド樹脂を含む限り、他の樹脂成分を含有していてもよく、これらの成分は1種又は2種以上を用いることができる。
溶剤可溶性ポリイミド樹脂とは、有機溶剤に可溶であるポリイミド樹脂をいい、分子骨格に屈曲性の分子鎖を導入したり、分子内のイミド環同士の距離を増大させる基を導入したりすることにより、溶剤可溶性としたものである。遮光層を形成する際に溶剤可溶性ポリイミドワニスを用いると、イミド化反応は完結しているため、ワニスから脱溶剤するだけで成形体を得ることができる。従って、ポリアミド酸(ポリアミック酸)ワニスを用いる場合と比較して加熱処理の温度を低くすることができ、製造コストを低減することができる。また、塗膜表面の凹凸形状形成後にイミド化反応を行う必要がないため、イミド化工程における表面形状の変化に起因する光沢度の変化を防止することができる。更に、保存時のワニスの粘度変化が少ないため、成型加工性の点でも非常に優れている。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂としては、有機溶剤に可溶な限り特に制限されず、従来公知のものが広く使用できる。溶剤可溶性ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを、好ましくは不活性ガス雰囲気下で、イミド化することにより調製することができる。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂の調製に用いられる酸成分としては、脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物又はこれらの酸が挙げられ、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
上記脂肪族テトラカルボン酸二無水物のうち、芳香環を有するものとしては、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等が挙げられる。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ジ(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ジ(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、α,ω−アルキレン(炭素数2〜10)ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]エーテル二無水物、ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]スルフィド二無水物、ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等が挙げられる。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂の調製に用いられるジアミンとしては、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミン等が挙げられ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらジアミン成分は、従来公知であるか又は既知方法により製造可能であり、また、市販品も入手可能である。
上記脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン等の炭素数2〜12のアルキレンジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクヘキサン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、等の炭素数8〜10の脂環基を含有する脂肪族ジアミン;m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の炭素数8〜10の芳香環を含有する脂肪族ジアミンが例示される。
上記脂環族ジアミンとしては、1,2−ジアミノシクロブタン、1,3−ジアミノシクロブタン、1,2−ジアミノシクロペンタン、1,3−ジアミノシクロペンタン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘプタン、1,3−ジアミノシクロヘプタン、1,4−ジアミノシクロヘプタン、1,2−ジアミノシクロオクタン、1,3−ジアミノシクロオクタン、1,4−ジアミノシクロオクタン、1,5−ジアミノシクロオクタン、1,2−ジアミノシクロノナン、1,3−ジアミノシクロノナン、1,4−ジアミノシクロノナン、1,5−ジアミノシクロノナン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−2−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−2,3−ジメチルシクロヘキシル)メタン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン等の炭素数4〜18、好ましくは炭素数6〜13の脂環族ジアミンが挙げられる。
上記芳香族ジアミンとしては、下記一般式(1)で表される炭素数6〜30、好ましくは炭素数12〜24の芳香族ジアミンが挙げられる。
Figure 0005654276
[式中Yは、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−C(CF)−、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基又は基(a)を表す。]
Figure 0005654276
[式中、Yは、−O−、−SO−又は−C(CH−を表す。]
上記芳香族ジアミンの具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,3’−ジアミノジフェニルケトン4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
上記ジアミンの中でも、得られるポリイミド樹脂に優れた耐熱性を与える点から、上記一般式(1)で表される芳香族ジアミンが好ましく、特に下記一般式(2)
Figure 0005654276
[式中、Xは、−SO−又は−C(CH−を表す。末端アミノ基の置換位置は、エーテル基に対して、m位又はp位である。]
で表されるジアミンが好ましい。係る好ましいジアミンの具体例としては、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン等が挙げられる。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂は、上記テトラカルボン酸二無水物とジアミンとをイミド化反応することによって得られるが、該イミド化反応は、公知の方法に従って行うことができる。例えば、有機溶媒中にてテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを重合してポリアミド酸(ポリアミック酸)を得た後、通常200℃以上の温度で加熱するか又は触媒の存在下で脱水・環化(イミド化)反応させてポリイミド樹脂を得る、いわゆる2段法が挙げられる。この場合、触媒としては例えばアミン化合物が挙げられ、イミド化反応中に生成する水を速やかに除去するために脱水剤としてカルボン酸無水物を併用してもよい。テトラカルボン酸二無水物とジアミンとをイミド化反応させる際のモル比は、特に制限がないが、ポリイミド樹脂の分子量を上げ、機械強度を高める点からは、ジアミンに対するテトラカルボン酸二無水物のモル比が0.9〜1.2であることが好ましく、0.95〜1.05の範囲がより好ましい。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂の製造方法としては、上述した以外に、例えば、テトラカルボン酸無水物とジイソシアナートとを反応させる1段法が挙げられる。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂を製造する際には、分子量を制御するためにエンドキャップ剤を用いてもよい。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂としては、下記一般式(3)
Figure 0005654276
[式中、Xは、直接結合、酸素原子、硫黄原子、スルホン基、ジメチルケイ素、二官能芳香族残基、二官能芳香族エーテル残基、2,2−プロピリデン基又は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピリデン基を表す。Yは、2価の有機基を表す。jは、1以上の整数を表す。]
で表される構造単位を有するものも好ましい。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂としてはまた、ポリイミドシロキサン樹脂も好適に用いることができる。ポリイミドシロキサン樹脂は、ジアミン成分の一部又は全部に下記一般式(4)で表されるジアミノポリシロキサンを用いることにより得られる。
Figure 0005654276
(式中、Rは2価の炭化水素基を表す。R〜R11は低級アルキル基又はフェニル基を表す。nは1〜20の整数を表す。)
上記一般式(4)で表されるジアミノポリシロキサンとしては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサンやα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリメチルフェニルシロキサン等であり、得られたポリアミド酸及びポリイミド樹脂の有機溶剤への溶解性及び熱可塑性に寄与する。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂としては、更に、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂等のイミド基を有する樹脂も好適に用いることができる。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂の分子量は、数平均分子量として、1000〜200000であることが好適である。1000未満であると、より優れた耐熱性を付与できないおそれがあり、200000を超えると、ポリマーがゲル化してしまうおそれがある。より好ましくは5000〜150000であり、更に好ましくは10000〜130000である。
上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
上記溶剤可溶性ポリイミド樹脂は、イミド化率が100%であっても、イミド化可能なアミド結合を部分的に有していてもよい。イミド化率は、イミド結合量(モル)とイミド化可能なアミド結合量(モル)の総量に対するイミド結合量(モル)の割合を百分率で示したものである。耐熱性に優れる点からは、イミド化率が80〜100%であることが好ましい。
上述したように、上記有機樹脂は、溶剤可溶性ポリイミド樹脂以外に、他の樹脂やその樹脂原料を含むものであってもよい。上記他の樹脂やその樹脂原料としては、例えば、後述するレンズに好適に用いられるエポキシ基含有化合物や重合性不飽和結合を有する化合物等やその硬化物を含むものであってもよい。
上記有機樹脂中の溶剤可溶性ポリイミド樹脂の含有量としては、有機樹脂の固形分の総量100質量%に対して、溶剤可溶性ポリイミド樹脂の固形分が50〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、80〜100質量%である。
<カーボンブラック>
本発明の遮光性フィルムが有する遮光層は、比表面積が100m/g以上のカーボンブラックを含むものである。比表面積をこのような範囲にすることで、転写材の凹凸形状が高い精度で遮光層に転写され、所望の光沢度を容易に実現することができる。カーボンブラックの比表面積は、B.E.T.法により測定することができる。上記比表面積が100m/g未満であると、カーボンブラック中の導電経路が形成しにくく、少量の添加で高導電性を発現させることが困難になる。上記比表面積として、好ましくは、300m/g以上であり、より好ましくは、500m/g以上である。上記カーボンブラックの比表面積はまた、1800m/g以下であることが好ましい。さらに好ましくは1500m/g以下である。1800m/gを超えると、カーボンブラックの分散濃度や添加量を増加させることが困難となるため、極少量しか添加できず、高導電性が発現しないおそれがある。
カーボンブラックは、通常、透過型電子顕微鏡像において、基本単位となる粒子が融着により連鎖状あるいは不規則な鎖状に枝分かれした様々な凝集形態(アグリゲート)を有するか、2次凝集や会合することなく独立して存在する形態で観察される。上記基本単位となる粒子は、通常、ほぼ球状又は粒状の形態を呈し、それ以上、分割が困難であると認められ、これを1次粒子という。本発明で好適に使用される導電性カーボンブラックにおいては、擬似グラファイト構造と呼ばれる結晶子が集合して1次粒子を形成してなる。
1次粒子の大きさを1次粒子径というが、上記カーボンブラックは、透過型電子顕微鏡像により評価した1次粒子径が20〜100nmであることが好ましい。より好ましくは、30〜50nmである。1次粒子径の個数平均値(平均一次粒子径)が上述の範囲であることが更に好ましい。平均一次粒子径を求めるにあたっては、20個以上の1次粒子の大きさを測定しそれらの測定値の平均を求めることが好ましい。
上記1次粒子は、結晶子の集合形態により、空隙のない密な構造からなるもの、及び、空隙率の高い疎な構造からなる粒子のいずれでもよいが、空隙率の高い疎な構造からなる粒子であることが好ましい。
1次粒子の構造の疎密の程度は、上記平均1次粒子径(透過型電子顕微鏡により評価される、d)に対する、比表面積径dsの比(ds/d)の値から見積もることができる。
比表面積径dsは、B.E.T.法により測定される比表面積値Sより下記式によって算出することができる。
比表面積径(nm)=6000/(ρ×S)
(式中、ρは、真比重を表し、1.8を採用する。Sは、比表面積(m/g)を表す。)
本発明で用いるカーボンブラックの上記比(ds/d)は特に制限されず、通常、0.01〜1.2のカーボンブラックを用いることができるが、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下、特に好ましくは0.02〜0.2である。
上記カーボンブラックの分散性の指標として、ジブチルフタレート(DBP)吸油量を用いることができ、吸油量としては、100〜500ml/100gであることが好ましい。吸油量が500ml/100gを超えると、カーボンブラックの分散性が悪くなり、色相(黒色)が充分には均一とならず、カーボンブラックの粗大粒子が形成され、表面に凹凸を形成する処理を行う際の加工性が充分に優れたものにならないおそれがある。また、吸油量が100ml/100g未満であると、アグリゲートの発達度合い(ストラクチャー)が小さくなり、高導電性を発現しないおそれがある。上記吸油量としてより好ましくは、200〜500ml/100gであり、更に好ましくは、300〜500ml/100gである。
上記カーボンブラックはまた、揮発分が1%以下であることが好ましい。揮発分が1%を超えると、カーボンブラックの表面に存在する官能基数が多くなり、それらの官能基に電子がトラップされて導電性を発現しにくくなる。
上記カーボンブラックは、高導電性を発現させる観点から、導電性カーボンブラックであることが好ましい。上記導電性カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック等が挙げられる。
<遮光層形成用樹脂組成物>
本発明の遮光性フィルムは、遮光層が有機樹脂、カーボンブラック及び有機溶剤を含む遮光層形成用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)により形成されることが好ましい。上記樹脂組成物を構成する有機樹脂及びカーボンブラックは、上述したものと同様である。すなわち、有機樹脂は、溶剤可溶性ポリイミド樹脂を含むものであり、カーボンブラックは、比表面積が100m/g以上のものである。
上記樹脂組成物は、有機樹脂、カーボンブラック及び有機溶剤を必須とする限り、その他の成分を含んでいてもよく、それらの成分は1種又は2種以上を用いることができる。
上記樹脂組成物において、上記カーボンブラックは、均一に分散されていることが好ましい。樹脂組成物中でカーボンブラックを分散する場合、カーボンブラックが均一に分散した方が、遮光層におけるカーボンブラックの濃度分布が均一となり、色相(黒色)が均一となる。また、遮光性フィルムの表面に凹凸を形成する処理を行う時に、カーボンブラックが均一濃度で分散してなるものであると、加工性に優れる。
すなわち、転写法による表面凹凸形成により、転写性に優れるために所望の表面凹凸が高い精度で転写され易く、所望の光沢度を有し、光沢度安定性に優れる遮光層が得られる。
なお、遮光層形成用樹脂組成物中に分散させた場合のカーボンブラックの均一分散性は透過型電子顕微鏡(TEM)を使用することにより評価することができる。
上記カーボンブラックの含有量としては、有機樹脂とカーボンブラックとの固形分合計100質量%に対し、1〜40質量%であることが好ましい。1質量%未満であると、遮光性が充分とはならないおそれがあり、40質量%を超えると、樹脂組成物の粘度が高すぎるために扱いにくく、得られる樹脂フィルムが割れ易くなるおそれがある。より好ましくは3〜40質量%であり、更に好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは5〜20質量%である。
上記カーボンブラックの上記樹脂組成物への含有形態としては、カーボンブラックが樹脂組成物中に均一に分散していることが好適である。カーボンブラックが分散された状態で存在しない場合には、遮光性フィルムにおける遮光層を形成した際に遮光層が充分に均一に黒色とはならず、より優れた遮光性を発揮できないおそれがある。
上記カーボンブラックを分散する手法、すなわちカーボンブラックが分散した形態の樹脂組成物の製造方法としては、種々の方法を好適に用いることができ、例えば、有機樹脂を溶剤に溶解させた樹脂バインダー溶液にカーボンブラックを混合し、分散処理する方法;カーボンブラックを分散させた分散液に有機樹脂を溶解する方法;有機樹脂を微粒子状に分散した分散体にカーボンブラックを混合し、分散処理する方法;有機樹脂とカーボンブラックとの混合物を溶融、混練処理する方法等が挙げられ、カーボンブラック及び有機樹脂に応じて適宜選択し、用いることができる。
上記樹脂組成物は、有機樹脂、カーボンブラックとともに溶剤を含むものである。そして、上記有機樹脂は、溶剤可溶性であることが好ましい。上述のように、上記有機樹脂は溶剤可溶性ポリイミド樹脂を含むものであるため、他の樹脂やその樹脂原料を含む場合には、それらの成分も溶剤可溶性であることが好ましい。これにより、カーボンブラックを樹脂組成物中に均一に分散させることが容易になるため、カーボンブラックが充分に均一に分散した樹脂組成物が得られ、結果としてカーボンブラックが充分に均一に分布した、遮光性に優れたフィルムを得ることが可能になる。また、溶剤を含むことにより、上記樹脂組成物について表面凹凸形成工程(転写工程)を行う場合に、上記樹脂組成物から構成される樹脂膜の固形分濃度を後述する好適な範囲に調整することができる。
この場合、上記樹脂組成物の製造方法としては、有機樹脂が溶解した溶液(樹脂バインダー溶液)に、カーボンブラックが分散した分散液を、混合・分散させる方法を用いることが好適である。これにより、例えば、この樹脂組成物を用いて塗布等により遮光層(黒色層)を形成した場合に、遮光層としてより均質な黒色性を得ることができ、優れた遮光性を発揮することが可能になる。
カーボンブラックが分散した分散液を調製する際、ポリビニルピロリドン等の分散剤を使用することも好ましい形態である。
上記溶剤としては、有機樹脂の種類に応じて適宜選択されるが、例えば、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、シクロヘキサノン等のケトン類;PGMEA(2−アセトキシ−1−メトキシプロパン)、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体(エーテル化合物、エステル化合物、エーテルエステル化合物等);N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;N−メチル−2−ピロリドン(より具体的には、1−メチル−2−ピロリドン等)等のピロリドン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジプチルエーテル等のエーテル類等が好適である。より好ましくは、N,N−ジメチルアセトアミド、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)等である。
上記溶剤の使用量としては、有機樹脂100重量部に対して、150重量部以上であることが好ましく、また、1900重量部以下が好ましい。より好ましくは、200重量部以上であり、また、1400重量部以下である。
上記樹脂組成物の製造方法においてはまた、カーボンブラックが、樹脂等の他の成分に分散含有又は複合化されてなる粒子(カーボンブラック含有粒子)として上記樹脂組成物中に含有されるように製造する形態であってもよい。カーボンブラック含有粒子を構成する好ましい樹脂成分としては、特に限定されないが、好ましくは、上記樹脂組成物を構成する有機樹脂又はその原料として上述した樹脂やその前駆体ポリマー等が挙げられ、中でも、ポリイミド樹脂であることが特に好適である。
上記遮光層形成用樹脂組成物において、樹脂溶液としての固形分含有量(有機樹脂とカーボンブラックとの合計含有量)は、該樹脂組成物100質量%中、4〜40質量%であることが好ましい。4質量%未満であると、溶剤が多く、フィルム乾燥に時間がかかり、また凝集等により膜厚特性が充分なものとはならないおそれがあり、40質量%を超えると、粘度が高すぎ、塗工できずフィルム化できないおそれがある。より好ましくは5〜35質量%であり、更に好ましくは10〜30質量%である。
上記遮光層形成用樹脂組成物としては、その粘度(樹脂溶液としての25℃における粘度)が10cP〜10万cP(センチポアズ)であることが好ましい。この範囲にあると、遮光層形成用樹脂組成物を容易に塗布でき、また、乾燥、固化、硬化又は反応して成膜することが可能で、形成された表面凹凸形状の平坦化の抑制が可能となる。より好ましくは500cP〜5万cPである。
上記粘度は、例えば、B型粘度計等により測定することができる。
上記遮光層形成用樹脂組成物はまた、表面調整剤を含むことが好ましい。表面調整剤は、膜の均一性の改善、具体的には穴の解消やゆず肌の解消の為に好適に使用し得るものである。表面調整剤としては、穴をなくす効果が高い点で、表面張力低下能の高い化合物が好ましく、また、ゆず肌の解消効果が高い点で、極性が高い化合物が好ましい。
上記表面調整剤としては、例えば、シリコン系表面調整剤(シリコン系添加剤)が好ましい。シリコン系表面調整剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のBYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−378、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3570(いずれも商品名)等が挙げられる。これらの中でも、極性が高い点から、BYK−306、BYK−310、BYK−333、BYK−370、BYK−375等が好ましい。表面張力低下能が高い点からは、BYK−306、BYK−307、BYK−330、BYK−333、BYK−370、BYK−377、BYK−341、BYK−375等が好ましい。また、極性が高く、かつ表面張力低下能が高い点から、BYK−306、BYK−333、BYK−375が特に好ましい。
上記遮光層形成用樹脂組成物は更に、必要に応じて、例えば硬化剤、硬化促進剤、反応性希釈剤、不飽和結合をもたない飽和化合物、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、非反応性化合物、連鎖移動剤、熱重合開始剤、嫌気重合開始剤、重合禁止剤、無機充填剤や有機充填剤、カップリング剤等の密着向上剤、熱安定剤、防菌・防カビ剤、難燃剤、艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、湿潤・分散剤、沈降防止剤、増粘剤・タレ防止剤、色分かれ防止剤、乳化剤、スリップ・スリキズ防止剤、皮張り防止剤、乾燥剤、防汚剤、帯電防止剤、導電剤(静電助剤)等の1種又は2種以上を含有してもよい。
上記遮光層形成用樹脂組成物を成膜後、溶剤成分を除去することにより、本発明の遮光層を得ることができる。上記遮光層は、溶剤可溶性ポリイミド樹脂、又は、それを更に架橋したりイミド化を進めた樹脂、及び、比表面積が100m/g以上であるカーボンブラックを必須成分とするものである。
上記遮光層における各成分の含有量としては、溶剤可溶性ポリイミド樹脂、又は、それを更に架橋したりイミド化を進めた樹脂(固形分)は、遮光層の総量100質量%に対して60〜99質量%であることが好ましい。より好ましくは、80〜95質量%である。カーボンブラックは、遮光層の総量100質量%に対して、1〜40質量%であることが好ましい。より好ましくは3〜40質量%であり、更に好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは5〜20質量%である。
また、上記遮光層における溶剤の含有量は、遮光層の総量100質量%に対して、1質量%未満であることが好ましい。
<遮光性フィルム>
本発明の遮光性フィルムは、上記遮光層形成用樹脂組成物により形成される遮光層(すなわち、上記遮光層形成用樹脂組成物から構成される遮光膜を脱溶剤(乾燥)して得られる層)を備えてなるものである。このような遮光性フィルムは、所望の波長の光を散乱・吸収等することにより、該波長の光を遮光する機能を有するものである。例えば、レンズユニットに装着される場合、光電変換センサーが感受する、可視光領域、紫外領域、赤外領域等の光を遮光する機能を有し、レンズユニット内部での光学ノイズの発生及び拡大を抑え、生じた光学ノイズを除去するものである。
上記遮光性フィルムは、厚みが1000μm未満であることが好ましい。厚みを1000μm未満に設定することにより、例えば、光学部材として用いた場合に、光路を短縮することができ、該光学部材を小さくすることができる。より好ましくは200〜10μm、更に好ましくは100〜20μmである。
上記遮光性フィルムの構造(構成)としては、上記遮光層を有する限り特に限定されないが、必要に応じてその他の構成要素を有してもよい。例えば、遮光層が充分な強度を持たない薄膜である場合は、充分な強度とするために基材を含むことが好適である。
上記遮光性フィルムの構造として具体的には、例えば、(1)基材と、遮光層(片面)と、必要に応じてその他の機能を有する層とからなる積層フィルムである形態、(2)基材と、遮光層(両面)と、必要に応じてその他の機能を有する層とからなる積層フィルムである形態、(3)遮光層単層フィルムである形態が好適である。上記その他の機能を有する層としては、ハードコート層、赤外線遮断層等が例示される。
これらの形態の模式図を図4に示す。図4(a)は(1)の形態を、(b)は(2)の形態を、(c−1)及び(c−2)は(3)の形態を示す。なお、図4(a)及び(b)では、基材と遮光層とからなる積層フィルムを模式的に示しているが、必要に応じ、更にその他の機能を有する層を有していてもよい。
上記(1)及び(2)の形態においては、基材により遮光性フィルムの強度を得ることができるため、遮光層を薄くすることができる。遮光層を薄くすることによって、上記樹脂組成物を塗布する際の膜厚制御を行いやすく、乾燥する際に該組成物に含まれる溶剤の蒸発除去を短時間で行うことができ、溶剤蒸発に伴う泡の生成等、遮光性能の低下をもたらす膜中の欠陥生成が抑制された遮光層が得られやすいという利点を有する。なお、これらの形態において、遮光層及び基材の配置位置は特に限定されず、いずれが入射光表面であっても本発明の作用効果を発揮するため特に限定されないが、反射防止のため、遮光層が入射光表面に配置する形態が好ましい。
上記基材としては、平滑なものが好適であるが、その材料としては、有機材料、無機材料、有機・無機複合材料又は金属材料のいずれであってもよく、これらは1種又は2種以上を用いてもよい。有機材料(例えば熱可塑性樹脂組成物、硬化性樹脂組成物)は取り扱いやすい点、無機材料(例えば、ガラス)は熱膨張率に優れる点、有機・無機複合材料は両者の特徴を備える点から好適である。
なお、上記(1)、(2)の形態の遮光性フィルムにおいては、用途での使用時に基材を剥離して用いる場合に備えて、剥離可能な基材も好ましく採用し得る。凹凸形状を有するフィルムやガラスも剥離可能な基材として好ましい。
上記基材としてはまた、耐熱性を有する材料であることが好ましい。より好ましくは、耐熱性樹脂フィルム(耐熱性樹脂を必須とするフィルム)である。基材の耐熱温度としては10%分解温度が200℃以上であることが好ましく、250℃以上がより好ましく、300℃以上が更に好ましく、350℃以上が最も好ましい。また、Tgは、80℃以上であることが好ましく、150℃以上がより好ましく、200℃以上が更に好ましく、250℃以上が最も好ましい。このような耐熱性を有する基材を用いることで、樹脂フィルムの自動実装化に好適に適用することができる。
上記基材はまた、耐リフロー性を有する材料を用いることも好ましい。耐リフロー性を有する材料として具体的には、フッ素化芳香族ポリマー、多環芳香族ポリマー、ポリイミド樹脂、含フッ素高分子化合物、ガラスフィルム及びポリエーテルケトン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことが好ましい。
上記基材としては更に、上述した材料の2種以上を混合したり、積層したりして用いることができる。中でも、2種以上を積層させて基材が多層構造を有する形態とすると、用いる材料の複数の特性が発揮されて、基材として好適に用いることができる。例えば、遮光性フィルムを100μm未満に薄膜化が必要なカメラモジュール等の用途においては、ガラス等の無機材料を薄膜化(例えば30μm〜100μm)すると割れ易いという問題があるために、有機材料及び/又は有機・無機複合材料と積層することにより、遮光層を基材の上に更に積層させる場合に、基材の変形や割れが生じず、光学部材として好適な基材となる。より好ましくは、ガラス薄膜の片面又は両面に有機材料(例えば、樹脂)を形成した形態であり、特に好ましくは、両面に有機材料(例えば、樹脂)を形成した形態である。また割れを防ぐという観点では、樹脂膜(遮光膜)を脱溶剤(乾燥)してなる層(遮光層)を形成した後に有機物を積層させてもよい。
上記基材の厚みとしては、剥離工程の有無や得ようとする樹脂フィルムの厚み等に応じて適宜選択することができる。例えば、基材としてガラスを用いる場合は、ガラスの厚みは30〜500μmであることが好ましく、より好ましくは100μmを超える厚みである。基材として樹脂を用いる場合は、例えば、ポリイミド、カプトン等は厚みが100μm程度のシートを好適に使用できるが、厚みが100μm未満のフィルム状のものが好ましい。
また上記(1)及び(2)の形態において、遮光層の厚みは、5μm以上であることが好ましい。より好ましくは10μm以上である。また、遮光層の厚みの上限としては、80μm以下であることが好ましく、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下である。また、特に好ましい範囲としては10〜30μmである。
なお、本明細書において、遮光層の厚みとは、マイクロメーターで遮光層を測定した厚みを意味する。
上記(3)の遮光層が単層である形態(遮光層単体で遮光性フィルムとなる形態)においては、遮光層の厚みは、遮光性フィルムの形態や適用する用途によっても異なるが、1〜1000μmであることが好ましい。これにより、本発明の遮光性フィルムが薄くなり、例えば、該遮光性フィルムを光学部材に用いた場合に、光路を短縮することができる。これにより、この光学部材(例えば、カメラモジュール等)を薄型化することができる。遮光層の厚みの下限としては、遮光層に用いられる遮光層形成用樹脂組成物にもよるが、フィルムの後加工が行い易く、機械的強度に優れる点から、10μm以上がより好ましく、更に好ましくは20μm以上、特に好ましくは30μm以上である。遮光層の厚みの上限としては、遮光層の材質にもよるが、遮光性能が充分となること、薄型化の要求の高いレンズユニットへの適用を踏まえれば200μm以下が好ましく、更に好ましくは100μm以下、特に好ましくは80μm以下である。また遮光層の厚みの範囲としては、より好ましくは10〜200μm、更に好ましくは20〜100μm、特に好ましくは30〜80μmである。
上記遮光性フィルムの特に好適な形態は、単層構造であることである。すなわち、上記(3)の形態の遮光層単独で構成される形態が好適である。このような形態とすることにより、遮光性フィルムの厚みを薄くすることができ、光学用途(レンズユニット)に用いる場合に、光路を短縮でき、レンズユニットの小型化、薄型化を達成することが可能になる。単層構造の遮光性フィルムの模式図を図4(c)に示す。図4(c−1)は、凹凸が片面に形成された形態であり、(c−2)は凹凸が両面に形成された形態である。
上記遮光性フィルムはその形態に係わらず、少なくとも一方の表面の光沢度が20以下であることが好ましい。遮光性フィルムの光沢度が20を超えると、遮光が充分とならず、例えば、レンズユニットとして用いた場合にノイズとして誤作動の原因となるおそれがある。より好ましくは、10以下であり、更に好ましくは、5以下である。
さらに両面とも光沢度が上記範囲であることが好ましい。
上記光沢度は、日本電色工業社製 光沢計 VG−2000を用いて、測定角度(θ)60度で測定する。
上記遮光性フィルムは、表面の光沢度を上記範囲とするために、フィルム表面を凹凸形状(凹凸構造)を有するものとすることが好適である。表面に凹凸形状を有することにより、遮光性フィルムの光沢をなくし、光の反射を防ぎ、遮光することができる。また、表面に凹凸形状を有する遮光性フィルムは、このような形態とすることにおいて、本発明の効果が発揮される点でも好適である。このように、上記遮光性フィルムが、フィルム表面の少なくとも片面に凹凸形状を有するものである形態もまた、本発明の好適な形態の1つであり、遮光性フィルムの光沢度を後述する光沢度の範囲に制御するために有効である。より好ましくは、両面に凹凸形状を有するものであり、当該効果がより充分に発揮されることとなる。
ここで、上記遮光性フィルムが遮光層以外の層をも有する場合、上記凹凸形状は、この遮光層以外の層が形成されている面とは反対側の遮光層表面に形成されていることが好ましい。すなわち、上記遮光性フィルムは、遮光層表面の少なくとも片面に凹凸形状を有するものであることが好ましい。遮光層に凹凸形状が形成されることにより、光の反射を抑制し、遮光性を充分に優れたものとすることができる。より好ましくは、遮光層の両表面が凹凸形状であることである。遮光層が遮光性フィルムの表面に形成されていない場合、凹凸形状は、遮光層と遮光性フィルムの表面にある層との両方に形成することが好ましい。
上記凹凸形状としては、例えば、入射光が鏡面反射せずに散乱される程度に表面が平滑でなければよい。また、表面の凹凸は遮光したい光を散乱するのに適当な大きさであることが好ましい。例えば、遮光性フィルムをレンズユニットに用いる場合には、可視光領域、紫外線領域及び赤外領域などの光を効果的に散乱するものである。
この場合、フィルムの線粗さ(JIS 2001)のRa(算術平均粗さ)は、0.5μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.7μm以上、更に好ましくは1.0μm以上、特に好ましくは2.0μm以上である。フィルムの最大高さRzに関しては、10μm以上であることが好ましい。より好ましくは15μm以上、更に好ましくは20μm以上、特に好ましくは25μm以上である。また、平均高さRcに関しては、5μm以上であることが好ましい。より好ましくは8μm以上、更に好ましくは10μm以上、最も好ましくは15μm以上である。
ここで、フィルムの線粗さ(JIS 2001)とは、JIS B 0601−2001表面粗さ−定義に準じた計算式を用いて求められるものである。
算術平均粗さ(Ra)とは、図1に示すように、基準長さにおける絶対値の平均を表したものであり、下記式(i)から求めることができる。なお、式中、Rnとは、粗さ曲線の平均線の高さを0としたときのn点目の計測線の高さを表す。
Figure 0005654276
最大高さRzとは、図2に示すように、基準長さにおける輪郭曲線の中で、最も高い山の高さ(Rp)と、最も深い谷の深さ(Rv)との和で表したものであり、下記式(ii)から求めることができる。なお、山とは、平均線より上にある部分を意味し、谷とは、平均線より下にある部分を意味する。
Rz=Rp+Rv (ii)
平均高さRcとは、図3に示すように、基準長さにおける輪郭曲線(粗さ曲線)要素の高さ(Rti)の平均値を表したものであり、下記式(iii)から求めることができる。なお、輪郭要素とは、隣り合う山と谷とを一組としたものである。この場合の輪郭要素を構成する山(谷)には、最低高さと最低長さの規定があり、高さ(深さ)が最大高さの10%以下、又は、長さが計算区間の長さの1%以下であるものは、ノイズとして、前後に続く谷(山)の一部とする。
Figure 0005654276
上記表面凹凸形状としては、上述した形状の凹凸を有する限り特に限定されないが、カーボンブラック以外の微粒子を遮光性フィルムに含有させずに凹凸形状が形成されていることが好ましい。微粒子を含有させて凹凸形状を形成する場合は、通常、微粒子が白色又は淡色微粒子であることから、遮光性フィルムの表面近傍に存在する該微粒子が光の透過路となり、遮光性フィルムの遮光性が充分に優れたものとならないおそれがある。本発明の遮光性フィルムにおいて含有され得る微粒子は耐熱性が高いことが好ましいが、球状シリカ、シリコーン樹脂粒子等の耐熱性の高い粒子は白色である。このような白色(又は淡色)微粒子を用いると、優れた遮光性を得るための黒色化の阻害要因となるため、多量のカーボンブラックの添加が必要となることから、表面の均一な凹凸形成には不利である。また、微粒子を用いて凹凸形状を形成する場合、均一な凹凸形成のためには粒度分布が揃った粒子が必要であり高価になるおそれがある。
上記遮光性フィルムはまた、遮光層の表面抵抗値が1×1010Ω/□以下であることが好適である。表面抵抗値が上記範囲であると、遮光性フィルムに充分な導電性を持たせることができる。より好ましくは、1×10Ω/□以下である。
上記遮光性フィルムの耐熱性としては、該フィルムを高温で加熱したときにフィルム形状の変化で評価することができる。フィルム形状の変化としては、加熱した前後におけるフィルムの寸法(面内の縦方向、横方向のそれぞれの長さ、厚み方向の長さ)の変化が小さいほど好ましく、形状保持性に優れたものであることが好ましい。形状保持性に優れる(耐熱性を有する)ことの具体例としては、200℃で1分加熱した際に、加熱前に対する加熱後の各長さの変化率(寸法変化率)が10%以下となることである。寸法変化率が10%以下であると、上述した用途において、通常使用される条件で遮光性フィルムの特性を充分に発揮することができ、例えば、レンズユニット内部での光学ノイズの発生及び拡大を抑えることができる。より好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
なお、寸法変化率を測定するときの試料の大きさは、適宜選択すればよく、例えば、縦50.0mm×横10.0mm×厚さ35〜80μmサイズの試料を用いることができる。
上記寸法変化率の測定条件としては、より厳しい条件で行ってもよく、加熱温度としては、250℃であることが好ましい。また、加熱保持時間としては、2分であることが好ましい。より好ましくは、5分であり、更に好ましくは、10分である。このような厳しい条件で、寸法変化率が上記範囲であるような遮光性フィルムがより好ましい。
また上記寸法変化率としてより好ましくは、260℃で2分加熱した際に、加熱前に対する加熱後の各長さの変化率(寸法変化率)が10%以下であることが好ましい。測定条件としては、空気雰囲気下で行うことが好ましい。すなわち、上記遮光性フィルムは、該フィルムを空気雰囲気下で260℃で2分間加熱したときに、加熱前に対する加熱後における縦、横、厚みのそれぞれの寸法変化率が10%以下であることが好ましい。260℃2分間の加熱にて寸法変化が小さい(寸法変化率が10%以下である)ことによって、上記遮光性フィルムをレンズユニットに用いる場合に、半田リフロー工程に充分に耐え得るものとすることができる。この場合における寸法変化率としては、より好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
上記遮光性フィルムの形状としては、用途に応じて適宜選択することができ、レンズユニットに装着する場合には、レンズを固定する淵に貼ることにより、効果的に光路以外の光の透過・光の反射を抑え、光学ノイズを低くすることができる。すなわち、レンズユニット用途においては、図5に模式的に示すように、遮光性フィルム(中でも、遮光層)がレンズを固定する淵に貼られることが好ましく、レンズユニットにおけるレンズと遮光層との位置関係としては、レンズユニットの断面図として見ると、図6に模式的に示したものであることが好ましい。この場合、遮光性フィルムにおける遮光層は、レンズユニット入射光側からみると、図7に模式的に示すような平面形状(輪の形状)であることが好ましい。輪の中心は空洞でもよく、可視光を透過する透明フィルムであってもよく、レンズであってもよい。好ましくは、輪の中心は空洞であることである。
上記表面に凹凸形状を有する遮光性フィルムの製造方法としては、上述した遮光層形成用樹脂組成物から構成される樹脂膜の表面に、転写法により凹凸形状を形成する工程(「表面凹凸形成工程」ともいう。)と、該樹脂膜を脱溶剤(乾燥)させる工程(「乾燥工程」ともいう。)とを有する方法であることが好適である。これにより、再現性よく微細なレベルで凹凸形状を形成することができ、凹凸形状の大きさや深さ等の形態を精密に制御することができる。すなわち、平坦性に優れながら均一で微細な凹凸形状に基づくマット性を表面に付与することができる。更に、必要に応じてその他の工程を含むものであってもよい。
このように、本発明の遮光性フィルムの遮光層の表面凹凸形状が、転写法により形成されるものであることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記表面凹凸形成工程は、特願2008−326148の第81〜86段落及び第88〜91段落に記載の方法に準じて行うことができる。
上記乾燥工程については、通常の乾燥方法により行えばよいが、乾燥温度としては、100〜250℃であることが好ましい。
本発明の遮光性フィルムの製造方法として具体的には、遮光層形成樹脂組成物を転写材となる鋳型フィルム(1)(たとえばマットPETフィルム)に塗布し乾燥した後、鋳型フィルム(1)の非接触側の表面に、鋳型フィルム(2)を積層した状態で加圧ロールによる転写処理を行った後、両面の鋳型フィルム(1)、(2)を剥離することによって、遮光層単層からなる遮光性フィルムを得ることができる。また、遮光層形成樹脂組成物を転写材となる鋳型フィルム(1)に塗布し乾燥した後、鋳型フィルム(1)の非接触側の表面に、マットロール(ロール表面が転写材)による転写処理を行った後、鋳型フィルム(1)を剥離することによって、遮光層単層からなる遮光性フィルムを製造することができる。
また、基材フィルムの両面に順次、遮光層形成樹脂組成物からなる膜を形成し、転写材として鋳型フィルムを積層する方法あるいはマットロールを転写材とする方法により、基材の両面に、凹凸表面を有する遮光層を備える遮光フィルムを製造することができる。
なお、表面凹凸形成させる際、遮光層形成樹脂組成物からなる塗布膜における溶剤含有量は特に限定されず、組成物中の有機樹脂の種類、分子量、膜の粘性等により適宜選択すればよい。表面凹凸形成後に溶剤が残留する場合は、適宜乾燥すればよい。
本発明の遮光性フィルムによれば、製造工程において高温での加熱処理を要するイミド化(硬化)工程が不要であるため、イミド化反応に起因する表面凹凸形状の変化を防止することができる。
<レンズユニット>
本発明の遮光性フィルムは、レンズとともにレンズユニットを構成することもできる。このようなレンズユニットは、上述した遮光層形成用樹脂組成物から形成される遮光層を有する遮光性フィルムを用いて構成されるため、耐リフロー性及び耐熱性を有し、光学用途やオプトデバイス用途に特に有用であり、その他、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等として用いることができるものである。
なお、上記レンズユニットにおいては、上記遮光性フィルムとレンズとを備えることとなるが、これらの数としては、それぞれ一つ以上備えられていればよく、レンズユニットの用途等に応じて、装着する数を適宜設定することができ、複数備えていてもよい。
上記レンズユニットの詳細については、特願2008−326148の第98〜123段落の記載に準ずる。
このような、上記遮光性フィルムとレンズとを備えるレンズユニットもまた、本発明の1つである。
本発明の遮光性フィルムは、上述のような構成であるので、安価で光沢度が低く、光沢度の経時安定性にも優れるものである。このような遮光性フィルムや該遮光性フィルムを備えたレンズユニットは、光学部材やオプトデバイス部材、表示デバイス部材、機械部品、電気・電子部品等の各種用途に有用なものであり、特に、デジタルカメラや携帯電話のカメラモジュール用に好適である。
図1は、遮光性フィルムの線粗さ(Ra)を求める場合の遮光性フィルムの断面模式図の一つを示す。 図2は、遮光性フィルムの最大高さ(Rz)を求める場合の遮光性フィルムの断面模式図の一つを示す。 図3は、遮光性フィルムの平均高さ(Rc)を求める場合の遮光性フィルムの断面模式図の一つを示す。 図4は、遮光性フィルムの好ましい形態の一つを示す断面模式図である。 図5は、レンズユニットの好ましい形態の一つであるカメラモジュールの構成を示す断面模式図である。 図6は、レンズユニットにおける遮光性フィルムとレンズとの関係を示す断面模式図である。 図7は、レンズユニットにおける遮光性フィルムの好ましい形態の一つを示す平面模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<溶剤可溶性ポリイミド樹脂溶液の調製>
調製例1
混合溶媒(N−メチル−2−ピロリドン/γ−ブチロラクトン/キシレン=8/1/1)に、酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジアミン成分として2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンを、酸成分/ジアミン成分がモル比で等モルとなるよう混合し、180℃で加熱することにより、数平均分子量15,000のポリイミド樹脂が10質量%で溶解する可溶性ポリイミド樹脂溶液PI(1)を調製した。
なお、得られた溶液の一部について、溶媒を除去し、溶液中の樹脂成分を粉末化して、KBr錠剤法で赤外吸収スペクトルを測定したところ、環状イミド結合に由来する5.6μmの吸収を認めたが、アミド結合に由来する6.06μmの吸収を認めることはできず、樹脂成分はほぼ100%イミド化していることが確かめられた。
また、数平均分子量は、GPCにより評価した。
調製例2〜4
酸成分及びジアミン成分を表1に示す化合物とし、混合比を表1のように変更した以外は調製例1と同様にして、表1に示す数平均分子量のポリイミド樹脂が10質量%で溶解するポリイミド樹脂溶液PI(2)〜(4)を調製した。いずれの調製例においても、KBr錠剤法により、樹脂成分がほぼ100%イミド化していることが確認された。
Figure 0005654276
<カーボンブラック分散液の調製>
調製例5
温度計、冷却管、ガス導入管、及び、攪拌機を備えた反応機に、N,N−ジメチルアセトアミド188部、ポリビニルピロリドン(和光純薬工業社製、K−30)2部、カーボンブラックとして、表2に示す、CB−1を10部添加混合した。
攪拌速度600rpmにて10分予備分散した後、ジルコニアビーズ600部を投入し、攪拌速度1200rpmとし、50℃まで昇温して50℃到達後、3時間攪拌した。攪拌速度1200rpmで攪拌しながら45℃まで冷却後、SUS製500メッシュで吸引濾過しビーズを分離することにより、カーボンブラックが5質量%の割合で分散含有されてなる分散液(CB分散液(1))を調製した。
調製例6及び7
CB−1の代わりに、表2に示すカーボンブラックを用いたこと以外は調製例5と同様にして、カーボンブラックが5質量%の割合で分散含有されてなる分散液(CB分散液(2)及び(3))を調製した。
なお、CB分散液(2)は、CB−2を分散含有するものであり、CB分散液(3)は、CB−3を分散含有するものである。
なお、使用したカーボンブラックは以下のようにして評価した。
<平均1次粒子径>
透過型電子顕微鏡像(10万倍)より、任意に20個選んで、数平均粒子径を算出した。透過型電子顕微鏡としては、日本電子製 JEM2100F(加圧電圧200kV)を用いた。
<比表面積>
B.E.T.法により窒素吸着量より求めた。
測定装置は、マウンテック製 Macsorb1210を用いた。
<比表面積径/平均1次粒子径>
比表面積径を比表面積値より、下記式により算出し、算出値の平均1次粒子径に対する比を算出した。
比表面積径(nm)=6000/(ρ×S)
(式中、ρは、真比重を表し、1.8を採用した。Sは、比表面積(m/g)を表す。)
Figure 0005654276
<遮光性フィルムの作製>
実施例1
(遮光層形成用樹脂組成物の調製)
攪拌機を備えた反応機に、室温で、ポリイミド樹脂溶液PI(1)1000部及びCB分散液(1)250部を添加混合し、攪拌した後、加圧濾過することにより、遮光層形成用樹脂組成物(1)を調製した。
(遮光性フィルムの作製)
得られた遮光層形成用樹脂組成物(1)を、帝人デュポン社製マットペットフィルム(銘柄:PSG、厚さ100μm)にスロットダイ方式(塗工幅25cm)で塗布し、150℃で1時間乾燥させた後、樹脂膜(1)の形成されたフィルム(1)(樹脂膜付きフィルム(1))を得た。
次に、樹脂膜付きフィルム(1)のマットペットフィルム非接触面に、鋳型フィルムを用いた転写ロール法により、転写を行い、遮光性フィルム(1)を作製した。
すなわち、1対の転写ロール(ロールA、ロールB)が備えられた熱カレンダー装置を用い、樹脂膜付きフィルム(1)と鋳型フィルムとを、樹脂膜(1)のマットペットフィルム非接触面が鋳型フィルムと接触する(積層状態となる)よう、転写ロール間に供給することにより、樹脂膜付きフィルム(1)のマットペットフィルム非接触面に転写を行った。更に、両面の鋳型フィルムから剥離することにより、遮光層単層からなる遮光フィルム(1)を得た。
得られた遮光フィルムについて60°光沢度を測定した結果、マットペットフィルム非接触面である鋳型フィルム転写面側の表面は3、マットペットフィルム接触面側は3であった。
なお、鋳型フィルムとしては、帝人デュポン社製マットペットフィルム(銘柄:PSG、厚さ100μm)を用いた。
また、転写時に於いて、樹脂膜(マットペットフィルム非接触面)側に転写ロールAとして、ゴム製のロールを用い、鋳型フィルム側に転写ロールBとしてSUS製のロールを用い、転写工程において、転写ロールAの表面は180℃に、転写ロールBの表面は140℃に、それぞれ加熱保持された。また、他の転写条件は、以下の通りである。
樹脂膜、鋳型フィルムの供給速度:いずれも、1m/min
転写時の転写ロール間にかかる圧力:線圧で20N/mm
実施例2、3及び比較例1
ポリイミド樹脂溶液の種類、CB分散液の種類及び配合量を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして遮光層形成用樹脂組成物を調製し、更に、遮光性フィルム(2)、(3)及び(c1)を夫々作製した。
実施例4
(遮光層形成用樹脂組成物の調製)
攪拌機を備えた反応機に、室温で、ポリイミド樹脂溶液(4)1000部、CB分散液(2)360部を添加混合し、攪拌した後、加圧濾過することにより、遮光層形成用樹脂組成物(4)を調製した。
(遮光性フィルムの作製)
得られた遮光層形成用樹脂組成物(4)を、帝東レ・デュポン社製カプトンフィルム(Vタイプ、厚さ25μm)を基材として、実施例1と同様にして、基材の両面に順次、樹脂膜(4−1)、(4−2)を形成することにより樹脂膜(4−1)/基材/樹脂膜(4−2)の3層構成の樹脂フィルム(4)を得た。
次に、樹脂フィルム(4)の両面に、帝人デュポン社製マットペットフィルム(銘柄:PSG、厚さ100μm)を積層した状態で、実施例1と同様にして、転写ロールによる転写処理を行うことにより、遮光性フィルム(4)を作製した。
比較例2
(ポリアミド酸溶液の調製)
I.S.T社製ポリ(アミド)イミドワニスPyre−ML RC5083(固形分18.5%)を、固形分が10質量%となるようN−メチル−2−ピロリドンで稀釈することにより、ポリアミド酸溶液PA(1)を調製した。
(遮光層形成用樹脂組成物の調製)
攪拌機を備えた反応機に、室温で、ポリアミド酸溶液PA(1)1000部、CB分散液(1)500部を添加混合し、攪拌した後、加圧濾過することにより、遮光層形成用樹脂組成物(c2)を調製した。
(遮光性フィルムの作製)
得られた遮光層形成用樹脂組成物(c2)を、帝人デュポン社製マットペットフィルム(銘柄:PSG、厚さ100μm)にスロットダイ方式(塗工幅25cm)で塗布し、130℃で10分乾燥させた後、樹脂膜(c2)の形成されたフィルム(c2)(樹脂膜付きフィルム(c2))を得た。
樹脂膜付きフィルム(c2)のマットペットフィルム非接触面に、実施例1と同様にして、鋳型フィルムを転写材として転写ロールによる転写処理を行い、鋳型フィルムを剥離することにより、転写樹脂膜(c2)を得た。
次に、転写樹脂膜(c2)を250℃のイナートオーブンに入れ、窒素雰囲気下で、250℃より350℃まで昇温(昇温速度約10℃/min)し、350℃到達より1時間加熱保持することにより、遮光性フィルム(c2)を作製した。
転写樹脂膜(c2)における鋳型フィルム転写面の60°光沢度は3であったが、遮光性フィルム(c2)における鋳型フィルム転写面の60°光沢度は7であった。
Figure 0005654276
実施例1〜4、比較例1及び2で得られた遮光性フィルム(1)〜(4)、(c1)及び(c2)の表面(転写ロール法において鋳型フィルムが積層された面)について、以下に示す方法で遮光層膜厚、60°光沢度、光沢度安定性及び表面抵抗値を評価した。結果を表4に示す。
なお、実施例4で得られた遮光性フィルム(4)においては全体の膜厚から基材フィルムの厚みを差し引き、2で割った値を遮光層厚みとした。
<遮光層の厚み>
マイクロメーター(ミツトヨ社製、No.293−230)により測定した。
<光沢度>
得られたフィルム(転写樹脂膜及び遮光性フィルム)に関し、転写処理した表面の光沢度を測定した。
光沢度は、堀場製作所社製ハンディ光沢時計(グロスチェッカ IG−331)を用いて、測定角度(θ)60度における光沢度を測定することにより求めた。なお、上記光沢度は、5ヶ所で測定し、ばらつきの範囲を測定値として記載した。
<光沢度安定性>
遮光性フィルムの巻取り状態での経時安定性の代替評価として、本試験を行った。
各実施例及び比較例で作製した各遮光フィルムを、5cm角に細断し、3枚重ね、平滑なガラス板上に配置し、底面が8cm角の正方形で平滑なガラス面からなる重さ0.5kgのおもりをのせた状態で、35℃、60%RHの恒温恒湿雰囲気下で48時間保持した。
保持する前後における、60°光沢度の変化量により、以下の基準で安定性を評価した。
○:光沢度の変化量が、±2以下
×:光沢度の変化量が、±2より大きい
なお、測定試料は、積み重ねた3枚の内、2枚目のフィルムとし、該フィルムの転写ロールによって転写材である鋳型フィルムを積層した側の表面について光沢度を測定した。
<表面抵抗値>
測定装置としてディジタル超絶縁計/微小電流計DSM−8104(日置電機社製)を用い、測定電極として平板試料用電極SME−8310(日置電機社製)を用いて以下に示す測定条件にて測定した。
測定電圧:0.1V
積分時間(SAMPL):300ms
Discharge10秒→Charge45秒→Measure(測定)15秒
Figure 0005654276
表4に示す結果から、カーボンブラックとして比表面積が100m/g以上のものを用いた場合(実施例1〜4)には、比表面積が100m/g未満のものを用いた場合(比較例1)と比較して光沢度安定性に優れることが分かった。
また、比較例2に示したように、ポリイミド樹脂として、ポリアミック酸からイミド化工程を経て得られるものを用いた場合には、イミド化工程の前後で光沢度が大幅に変化することが分かった。
これらのことから、ポリイミド樹脂として溶剤可溶性のものを用いること、及び、カーボンブラックとして比表面積が100m/g以上のものを用いることに技術的意義が存在することが確認された。
1:遮光層
2:基材
3:遮光性フィルム
4:レンズ
5:赤外カットフィルター
6:バレル
7:センサーレンズ
8:コバ

Claims (7)

  1. 有機樹脂とカーボンブラックとを含む遮光層を有する遮光性フィルムであって、
    該有機樹脂は、溶剤可溶性ポリイミド樹脂を含むものであり、
    該カーボンブラックの比表面積は500/g以上である
    ことを特徴とする遮光性フィルム。
  2. 前記遮光層は、前記有機樹脂、前記カーボンブラック及び有機溶剤を含む遮光層形成用樹脂組成物により形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮光性フィルム。
  3. 前記遮光層の表面の少なくとも片面が凹凸形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の遮光性フィルム。
  4. 前記遮光層の表面の凹凸形状が転写法により形成されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遮光性フィルム。
  5. 前記カーボンブラックは、透過型電子顕微鏡像による平均一次粒子径が30〜100nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遮光性フィルム。
  6. 前記遮光層は、表面抵抗値が1×1010Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の遮光性フィルム。
  7. 前記遮光層は、表面抵抗値が6×10 Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の遮光性フィルム。
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