JP5654015B2 - 複合めっき材料とそれを用いた電気・電子部品 - Google Patents
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Description
また、Agめっき層に導電性のグリースを塗布することも、摺動・回転時の摩耗抑制には効果がある。しかしながら、静止状態においては接触抵抗が低く安定しているものの、摺動・回転時や高温環境下においてはグリースの劣化や固化により接触抵抗が上昇しやすく、接触信頼性に劣る。
しかしながら、Ag以外の元素を含有する合金においては導電性が低下するため、通電量の増加に対しては接触信頼性の点から好ましくない。また、Ag合金めっきに用いるSbやSeなどの金属元素は人体に対する有毒性を有しており、製造時や廃棄後における環境負荷の面からは好ましくない。
例えば、摺動性を改善するために、Agめっき層中にセラミックやフッ素樹脂などの硬質粒子を分散させる方法が提案されている(特許文献1、2参照)。この方法で形成されたAgめっき層の場合、Agの摩耗に伴い硬質粒子が表層に露出した際に、硬質粒子の導電性が低いために接触抵抗が大きく上昇することがある。
このように、表面にAgまたはAg合金からなるめっき層を形成した従来のめっき材料の場合、その耐摩耗性と導電性との両立が困難であった。
このような問題は、端子を押し付ける力である接圧の調整により解決している場合が多い。しかしながら、挿入力を下げるために接圧を低くした場合では微摺動摩耗が起こりやすくなり、反対に微摺動摩耗を防ぐために接圧を高くした場合では挿入力が上昇する。
また、Snめっき層に導電性のグリースを塗布することも挿入力の低下には効果がある。しかしながら、静止状態においては接触抵抗が低く安定しているものの、高温環境下においてはグリースの劣化や固化により接触抵抗が上昇しやすく、接触信頼性に劣る。
例えば、挿抜性を向上させるために表面のSnめっき層の厚みを薄くする方法が開示されている(例えば、特許文献6、7参照)。この方法で形成されたSnめっき層の場合、嵌合・摺動性における削れ量は低減して挿抜性が良好になる。しかしながら、Snめっき層の厚みが薄いので、熱履歴を受けることによって表面のSnめっき層は基材との間の拡散で合金化して消滅してしまい、相手材との接触抵抗は増大してしまう。
このように、表面にSnまたはSn合金からなるめっき層を形成した従来のめっき材料の場合、その挿抜性と耐熱性との両立が困難であることや、製造方法が限定されるという問題があった。
本発明の第一の課題は、AgまたはAg合金からなる表面めっき層を有するめっき材料において、より一層、導電性、強度、耐摩耗性に優れ、しかも接触抵抗が上昇しにくく接触信頼性が良好であるめっき材料を提供することである。また、高い摺動性や耐摩耗性、接触信頼性が要求される接点やスイッチなどの材料として好適なめっき材料の提供を別の課題とする。さらに本発明は、上記のめっき材料を用いた電気・電子部品、例えば摺動型や回転型の接点、スイッチの提供をさらに別の課題とする。
本発明の第二の課題は、SnまたはSn合金からなる表面めっき層を有するめっき材料において、表面めっき層の表層部において潤滑性を付与することにより潤滑性を高めて挿入力の低減を図り、しかも高温環境下における接触信頼性が良好であり、かつまた密着性、曲げ加工性、導電性、耐熱剥離性などが良好なめっき材料を提供することである。また、挿抜性や潤滑性に優れ、接触信頼性の高い端子やコネクタなどの材料として好適なめっき材料の提供を別の課題とする。さらに本発明は、上記のめっき材料を用いた電気・電子部品、例えば挿抜型や嵌合型の端子、コネクタの提供をさらに別の課題とする。
(1)導電性基材の上に、銅、ニッケル、コバルト、鉄、またはこれらの元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む合金からなる下地めっき層を少なくとも1層有し、その上に銀もしくは銀合金または錫もしくは錫合金からなる表面めっき層を有する複合めっき材料であって、
前記表面めっき層の内部および/または表面に、潤滑剤、耐硫化剤、防錆剤、及び変色防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を内包する微小中空粒子が前記表面めっき層に対して0.1〜30体積%存在し、
前記下地めっき層の厚さが0.05〜2.0μmであり、前記表面めっき層の厚さが0.5〜5μmであり、かつ、
(イ)前記銀または銀合金からなる前記表面めっき層の場合、前記微小中空粒子はその総数に対して60〜70%の数が前記表面めっき層の表面から半分の厚さまでの間に含まれ、前記微小中空粒子は平均粒径0.05〜2μmの球形であり、前記微小中空粒子の直径をd(μm)、壁の厚さをt(μm)としたとき、t/dが1/100以上1/2未満であるか、または
(ロ)錫または錫合金からなる前記表面めっき層の場合、前記微小中空粒子はその総数に対して60〜75%の数が前記表面めっき層の表面から半分の厚さまでの間に含まれ、前記微小中空粒子は平均粒径0.1〜2μmの球形であり、前記微小中空粒子の直径をd(μm)、壁の厚さをt(μm)としたとき、t/dが1/100以上1/2未満である、
ことを特徴とする複合めっき材料。
(2)前記下地めっき層上に、微小中空粒子を含まない銀または銀合金からなる中間めっき層を有し、さらに前記中間めっき層上に銀または銀合金からなる前記表面めっき層を有する(1)に記載の複合めっき材料。
(3)前記微小中空粒子が液相中で合成された樹脂からなる(1)または(2)に記載の複合めっき材料。
(4)前記微小中空粒子がゾル−ゲル反応で生成した無機粒子からなる(1)または(2)に記載の複合めっき材料。
(5)前記中間めっき層の厚さが1.0μm以下であることを特徴とする、(2)〜(4)のいずれか1項に記載の複合めっき材料。
(6)前記表面めっき層がパルスめっき法またはPRめっき法で形成されたものである(1)〜(5)のいずれか1項に記載の複合めっき材料。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の複合めっき材料を用いて形成された電気・電子部品。
(8)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の複合めっき材料を用いて形成された摺動型もしくは回転型の接点またはスイッチ。
(9)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の複合めっき材料を用いて形成された挿抜型もしくは嵌合型のコネクタ用端子。
また、前記(ロ)の発明特定事項を含む(1)項並びに前記(1)項を直接または間接に引用する前記(3)〜(6)項記載の複合めっき材料を併せて本発明の複合材料の第2の実施形態という。
なお、特に断らない限り、前記(1)項記載の複合めっき材料と、前記第1の実施形態と第2の実施形態の複合めっき材料とを併せて、本発明の複合めっき材料という。
このような特性を有しているため、本発明の第1の実施形態における複合めっき材料は、電気・電子部品、例えば摺動型や回転型の接点、スイッチの材料として好適である。
本発明の第2の実施形態における複合めっき材料はSnまたはSn合金からなる表面めっき層に潤滑剤などの薬剤を内包した微小中空粒子を有している。この微小中空粒子が表面に露出して摩擦を受けたとき、潤滑剤が滲出して潤滑性が高まり電気・電子部品の挿入力の低減をはかることができ、しかも接触信頼性が良好となる。本発明の第2の実施形態における複合めっき材料においては、微小中空粒子の60〜75%が表面めっき層の表面から半分までの厚さの間に存在する。このような分布で微小中空粒子が分散していることで、上記のような特性を維持しつつ、微小中空粒子による導電性の阻害が防止され、挿入力の低減できる。また、微小中空粒子に薬剤として酸化防止剤、防錆剤、変色防止剤を内包させることで、酸化防止効果、防錆効果、変色防止効果も付与できる。
このような特性を有しているため、本発明の第2の実施形態における複合めっき材料は、電気・電子部品、例えば挿抜型や嵌合型の端子・コネクタの材料として好適である。
本発明の好ましい実施の形態について、表面めっき層がAgまたはAg合金の場合の第1の実施形態と、表面めっき層がSnまたはSn合金の場合の第2の実施形態とに分けて詳細に説明する。ただし、第2の実施形態については、第1の実施形態と共通する点について説明を省略することがある。これら両実施形態は同一もしくは対応する特別な技術的特徴を有し単一の発明概念を形成するものである。
本実施形態の複合めっき材料は、導電性基材の上に下地めっき層を有し、その上にAgまたはAg合金からなる表面めっき層が形成され、表面めっき層の表面、内部、もしくはその両方に潤滑剤などの薬剤を内包した微小中空粒子を有するものである。下地めっき層と表面めっき層との間には、中間めっき層を設けてもよい。
また、本実施形態の複合めっき材料の別の好ましい実施態様においては、図3の概略断面図で示したように、導電性基材1の上に下地めっき層2が少なくとも1層と微小中空粒子を含まない中間めっき層3が順に形成され、さらにその上に表面めっき層4が形成されていてもよい。
導電性基材1の材料は格別限定されるものではなく、例えば接続コネクタとしての用途を考慮し、要求される機械的強度、耐熱性、導電性に応じて、例えば、純銅;リン青銅、黄銅、洋白、ベリリウム銅、コルソン合金のような銅合金;純鉄;ステンレス鋼のような鉄合金;各種のニッケル合金;Cu被覆材料やNi被覆材料のような複合材料などから適宜に選定すればよい。
また、導電性基材の形状としては、条材や線材などのいずれの形状でもよい。
表面めっき層4はAgまたはAg合金で形成され、めっき材料としての電気接触特性、耐食性、はんだ付け性を確保するために設けられる。Ag合金としては、例えば、AgにPd、Cu、Snの少なくとも1種を含有しているものが好適である。これらのAg合金では、耐摩耗性を向上させることができる。
表面めっき層の厚さは0.5〜5μmである。
微小中空粒子5は、潤滑剤、耐硫化剤、防錆剤、変色防止剤から選ばれる薬剤を内包する、樹脂からなるカプセル、無機粒子からなるカプセルなどが挙げられる。
潤滑剤を内包する微小中空粒子を適用しためっき材料で接点を作製した場合、接点を摺動させるまでは潤滑剤は微小中空粒子内で安定に保存されており、接点の摺動時に表面めっき層4が削れることで微小中空粒子が表層に露出し、さらに微小中空粒子が押し潰されて潤滑剤が放出されることにより、はじめて接点間の接触部に潤滑剤が供給される。このため、表面めっき層4の表層全面に潤滑剤を塗布する場合と比べて、潤滑剤成分の経時的な品質劣化が抑制されるとともに、潤滑剤の供給量を制御して必要量の潤滑剤を摺動時にのみ放出することができる。
本実施形態における微小中空粒子に内包される薬剤としては、潤滑剤、耐硫化剤、防錆剤及び変色防止剤から選ばれる少なくとも1種を含む。一般に使用されている物質を使用することができるが、電気的接続を図る用途で用いられることを考えると、接触抵抗への影響が少ない薬剤を用いることが好ましい。
潤滑剤の例としては、パラフィン系やオレフィン系の鉱物油や合成油、高級アルコールや多価アルコールやエーテル類、高級脂肪酸やそのエステル類、液状または固形ワックスなどから選ぶことができる。
耐硫化剤、防錆剤、変色防止剤の例としては、ベンゾトリアゾール類や、メルカプタン類やイミダゾール類、チアゾール類のような含硫黄化合物があげられる。
これらの薬剤は、別の微小中空粒子に内包させても、一つの微小中空粒子に内包させて複数の機能を兼ね備えた一つの粒子としてもよい。
微小中空粒子は薬剤を内包し、めっき材の表面に露出したときに摩擦によって内部の薬剤をめっき材表面に滲出させるものであればよい。形状は、例えば、球状、楕円体状のカプセルなど任意の形が挙げられる。微小中空粒子の粒径は0.05〜2μmであり、0.1〜1μmが好ましい。粒径は平均粒径であり、実際のめっき皮膜内に分散された粒径にもばらつきがあってよい。また、上記のカプセルの粒径は、球状以外の形状のもの、例えば、楕円体状のものでは長径を意味する。
めっき浴中に分散させる微小中空粒子の粒径が大きくなると、めっき皮膜中に安定して分散させることが困難となり、かつ、めっき皮膜中に共析した場合に導電性などのめっき皮膜の特性が低下するため、微小中空粒子の粒径は0.05〜2μmである。ただし、複合めっき層の厚さが2μmよりも薄い場合には、めっき皮膜中における分散状態やめっき皮膜特性への影響を考慮し、カプセル粒径を1μm以下とすることが特に好ましい。
(壁の厚さ・直径の測定方法)
なお、本実施形態における微小中空粒子の壁の厚さtと直径dは、以下のようにして測定した値の平均値とする。得られた微小中空粒子(マイクロカプセル)とエポキシ樹脂を混合し、シリコン基板上に固定する。その後、集束イオンビーム加工装置(FIB;例えば日立ハイテクノロジーズ FB−2000A)や断面試料作成装置(例えば日本電子 クロスセクションポリッシャ)にて、試料の断面出し加工を行う。その後、加工断面を走査型電子顕微鏡(SEM:例えば日立製作所 SEMEDX Type M)にて2万倍で撮影し、得られた画像からtおよびdを算出した。
マイクロカプセルを製造する技術については、一般に知られている方法を用いることができ、例えば界面重合法、懸濁重合法、分散重合法、液中乾燥法やコアセルベーション法等の液層中で合成する各種の方法が挙げられる。このうち、めっき皮膜への共析が容易となる微細なカプセルが得やすい、界面重合法や液中乾燥法が好適であり、液−液界面で反応させることにより合成した樹脂からなる微小中空粒子が特に好ましい。
無機粒子からなる微小中空粒子を製造する技術については、通常用いられる一般的方法で行うことができ、ゾル−ゲル反応により生成させた無機粒子が好ましい。
本発明においては、表面めっき層中に共析される微小中空粒子の共析量は、めっき液中の微小中空粒子濃度の他に、電流密度、撹拌速度、界面活性剤の濃度により調節することができる。また、パルス的に電流を流すパルス電解や電流の向きを周期的に逆転されるPR電解により、さらに共析量の調製が可能となるため、表面めっき層はパルスめっき法またはPRめっき法で形成されることが好ましい。このときパルスのオン−オフ時間の設定は任意でよいが、1対1に近い方が好ましい。また、PR電解時のオン、オフ、リバース時間の設定、オン電流値、リバース電流値の設定についても任意でよいが、オフ時間がオン、リバース時間より短時間であり、またオン、リバース時間が同程度である方が好ましい。
粒子濃度分布は以下のように測定した。
すなわち、めっき皮膜を集束イオンビーム加工装置(FIB;例えば日立ハイテクノロジーズ FB−2000A)や断面試料作成装置(例えば日本電子 クロスセクションポリッシャ)にて、めっき皮膜に対して垂直に断面出し加工を行う。その後、加工断面を走査型電子顕微鏡(SEM:例えば日立製作所 SEMEDX Type M)にて2万倍で撮影した。得られた画像に表れている微小中空粒子の面積および個数を測定することによって、粒子濃度を算出した。
導電性基材1の上部に形成される下地めっき層2は、導電性基材1とストライクめっきで形成される中間めっき層3との密着性を向上させるとともに、基材成分が表層側に熱拡散することを防止するバリア層としても機能する。この下地めっき層2に融点が1000℃以上の高融点金属を用いた場合、一般に接点やスイッチが受ける200℃以下の熱履歴においては、下地めっき層2は熱拡散を起こしにくく、基材成分が表層側に熱拡散することを有効に防止する。
高融点金属のうち、価格の点やめっき処理が行いやすい点などから、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)が好適である。また、これらの元素を含む合金めっき層やめっき後に熱処理して合金化した化合物層も同様に有効であり、例えば、Cu−Sn、Ni−Sn、Ni−P、Co−P、Ni−Co、Ni−Co−P、Ni−Cu、Ni−Feなどをあげることができる。
このような複合めっき材料では下地めっき層と表面めっき層の密着性がさらに向上する。
本実施形態の複合めっき材料は、下地めっき層2上に、ストライクめっきによって形成されたAgまたはAg合金からなる中間めっき層3を有してもよい。中間めっき層3のめっき材料は、微小中空粒子を含有しないこと以外は表面めっき層4と同様である。下地めっき層2と表面めっき層4の間に中間めっき層3を設けることで、中間めっき層との密着性を良化させることができる。このような効果を得る観点から、中間めっき層の厚さは0.1〜1.0μmであり、0.1〜0.5μmであることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態に係る複合めっき材料によれば、表面めっき層の表面側から内部にかけて微小中空粒子の濃度が傾斜的に低下する構造が得られる。具体的には、表層上部には表面めっき層の60体積%を越える粒子が分布し、表層下部には60%未満の粒子が分布する。さらにその下方の中間めっき層には中空粒子が含まれていない。一方その連続相をなす合金はAgもしくはAg合金で中間めっき層から表面めっき層にかけて統一されており、良好な電気的特性あるいは耐摩耗性を実現することができる。
なお、銀などの貴な金属の場合、置換反応による密着力の弱い皮膜が形成されることを防ぐため、ストライクめっきが施されることがあるが、ストライクめっきによる層(中間めっき層)は表面めっき層に比べて十分に薄く、めっきの表面特性に影響を与えることはない。
本実施形態の複合めっき材料は、導電性基材の上に下地めっき層を有し、その上にSnまたはSn合金からなる表面めっき層が形成され、表面めっき層の表面、内部、もしくはその両方に潤滑剤などの薬剤を内包した微小中空粒子を有するものである。
また、本実施形態の他の一実施態様における表面めっき層4を模式的に示す断面図を図4に示す。図4に示す表面めっき層4において、微小中空粒子5は均一な粒径でなくとも良いが、表面めっき層4には0.1〜30体積%、好ましくは1〜30体積%の割合で存在しており、かつ表面めっき層中に含まれる微小中空粒子の総数に対して60〜75%の量が前記表層上部4aに含まれ、残りが表層下部4bに含まれているものである。
導電性基材1の材料は格別限定されるものではなく、例えば接続コネクタとしての用途を考慮し、要求される機械的強度、耐熱性、導電性に応じて、例えば、純銅;リン青銅、黄銅、洋白、ベリリウム銅、コルソン合金のような銅合金;純鉄;ステンレス鋼のような鉄合金;各種のニッケル合金;Cu被覆材料やNi被覆材料のような複合材料などから適宜に選定すればよい。
また、導電性基材の形状としては、条材や線材などのいずれの形状でもよい。
表面めっき層4はSnまたはSn合金で形成され、めっき材料としての電気接触特性、耐食性、はんだ付け性を確保するために設けられる。Sn合金としては、例えば、SnにAg、Bi、Cu、Zn、In、Pb、Biの中から少なくとも1種を含有しているものが好適である。これらのSn合金では、挿抜性をさらに向上させることができるうえ、はんだ付け性が良好になり、さらに、ウィスカの発生を抑えることができるからである。
表面めっき層の厚さは0.5〜5μmであり、1〜5μmであることが好ましい。
このような複合めっき材料は、例えば薬剤を内包した微小中空粒子を分散したSnまたはSn合金めっき液中において下地めっき層2を有する基材1に表面めっき層4を施す際に、単一のめっき槽中で撹拌速度や電流密度などのめっき条件を連続的に変化させることや、微小中空粒子の濃度が異なる複数のめっき槽を用いて連続的にめっきすることにより、微小中空粒子5の分散濃度が異なるめっき層を形成して得られる。
微小中空粒子5は、潤滑剤、酸化防止剤、防錆剤、変色防止剤から選ばれる薬剤を内包する、樹脂からなるカプセル、無機粒子からなるカプセルなどが挙げられる。
潤滑剤を内包する微小中空粒子を適用しためっき材料で接点を作製した場合、第1の実施形態で述べたと同様である。
潤滑剤の例としては、第1の実施形態で述べたと同様である。
酸化防止剤、防錆剤、変色防止剤の例としては、ベンゾトリアゾール類や、メルカプタン類やイミダゾール類、チアゾール類のような含硫黄化合物があげられる。
これらの薬剤は、別の微小中空粒子に内包させても、一つの微小中空粒子に内包させて複数の機能を兼ね備えた一つの粒子としてもよい。
微小中空粒子は薬剤を内包し、めっき材の表面に露出したときに摩擦によって内部の薬剤をめっき材表面に滲出させるものであればよい。形状は、例えば、球状、楕円体状のカプセルなど任意の形が挙げられる。微小中空粒子の粒径は0.1〜2μmであり、0.2〜1μmが好ましい。粒径は平均粒径であり、実際のめっき皮膜内に分散された粒径にもばらつきがあってよい。また、上記のカプセルの粒径は、球状以外の形状のもの、例えば、楕円体状のものでは長径を意味する。
めっき浴中に分散させる微小中空粒子の粒径が大きくなると、めっき皮膜中に安定して分散させることが困難となり、かつ、めっき皮膜中に共析した場合に導電性などのめっき皮膜の特性が低下するため、微小中空粒子の粒径は2μm以下であることが好ましい。ただし、複合めっき層の厚さが2μmよりも薄い場合には、めっき皮膜中における分散状態やめっき皮膜特性への影響を考慮し、カプセル粒径を1μm以下とすることが特に好ましい。
(壁の厚さ・直径の測定方法)
なお、本実施態様における微小中空粒子の壁の厚さtと直径dは、上記第1の実施形態と同様に測定した値の平均値とする。
中空微粒子は上記第1の実施形態と同様に製造できる。めっき液への共析も上記第1の実施形態と同様であり、好ましい共析量も同じである。粒子濃度分布の測定も第1の実施形態と同様である。
導電性基材1の上部に形成される下地めっき層2は、導電性基材1と表面めっき層4との密着性を向上させるとともに、基材成分が表層側に熱拡散することを防止するバリア層としても機能する。この下地めっき層2に融点が1000℃以上の高融点金属を用いた場合、一般に接点やスイッチが受ける200℃以下の熱履歴においては、下地めっき層2は熱拡散を起こしにくく、基材成分が表層側に熱拡散することを有効に防止する。
好ましい金属や化合物層は、上記第1の実施形態と同様である。
<実施例1>
各実施例で作製した各複合めっき材料について、摩擦係数、接触抵抗、密着性、耐久性、曲げ加工性、耐硫化性の評価を実施した。評価方法は次の通りである。
バウデン型摩擦試験機を用いて、導電性基材上の表面めっき層側の表面を摺動させた際の往復100回摺動後の動摩擦係数を評価した。測定条件は、荷重0.98N(100gf)、摺動距離10mm、摺動速度100mm/分とした。相手材は3mmRの鋼球プローブを用いた。Rは、該鋼球プローブの半径を示す。
定電流通電時の電圧を測定することにより評価した。先端が5mmRのAgプローブを荷重0.49N(50gf)で接触させ、10mA通電時の電圧を測定し、n=10の平均値より接触抵抗を算出した。Rは、該Agプローブ先端の曲率半径を示す。なお、測定は初期および150℃×1000時間加熱後に実施した。
めっき表面からクロスカットを施し、テープピール試験により評価した。クロスカット後のめっき表面に、粘着テープ(寺岡製作所、商品名:631S)を貼り付けて引き剥がした際に、めっき皮膜の剥離が見られないものを○(良)、剥離が見られたものを×(不良)として評価した。
往復100回摺動後に、摺動部における基材または下地めっき層の露出が見られるかを評価した。摺動部を450倍でマイクロスコープ観察し、基材や下地めっき層の露出が見られないものを○(良)、露出が見られたものを×(不良)として評価した。
導電性基材の圧延方向と直角に90°曲げ(0.2R)を施し、曲げ部におけるめっき皮膜の割れにより評価した。曲げ部について500倍でSEM観察し、めっき皮膜に割れが見られないものを○(良)、割れが見られたものを×(不良)として評価した。Rは、複合めっき材料の板厚(mm)を示す。
往復100回摺動後に硫化試験を行い、摺動部において表面めっき層の変色が見られるかを評価した。硫化試験後に摺動部を40倍で顕微鏡観察し、変色の見られないものを○(良)、変色が見られたものを×(不良)として評価した。
参考例1−1〜1−10、比較例1−1〜1−4
表1−1に示す化学成分組成の銅または銅合金を鋳造、圧延、焼鈍を行い厚さ0.2mmの純銅(C1020:基材A)、黄銅(C2600:基材B)、リン青銅(C5210:基材C)、コルソン系合金(Cu−Ni−Si:基材D)を作製した。ステンレス(SUS304:基材E、厚さ0.2mm)については購入した。これらの基材にめっき前処理として脱脂処理および酸洗処理を順次施し、その後下地めっき層の形成を行い、ストライクめっきで中間めっき層を形成し、表面めっき層を順次施して、複合めっき材料を作製した。各層を形成する際のめっき条件については表1−2に、作製しためっき材料については表1−3に示した。表1−3中の表層含有量とは、表面めっき層の外表面側(表面から表面めっき層の厚みの半分まで)に含まれる微小中空粒子の総量に対する割合である。なお、電流密度を変化させることにより、めっき皮膜に含まれる含有量を操作することが可能である。表層含有量を変化させる方法は、表層めっきの工程中に、電流密度を調整することにより達成でき、具体的には含有量を上げる場合には記載の範囲内で電流密度を上げ、共析量を減らす場合には記載の範囲内で電流密度を下げた。
なお、各めっき層厚は次の通りとした。
下地めっき層:0.5μm
中間めっき層:0.2μm
表面めっき層:1.0μm
微小中空粒子としては、界面重合法によりポリアミド系の外壁を形成し、内部にジフェニルエーテル系潤滑剤を内包するカプセルを用いた。得られた微小粒子の形状は平均粒径0.3μmの球形であった。微小中空粒子の直径をd(μm)、壁の厚さt(μm)としたときのt/dの値は0.3であった(平均粒径、t,dの測定方法は上述の通りである)。
これに対して、参考例の複合めっき材料はいずれも摺動性および接触信頼性が良好であり、耐久性も保たれている。参考例の複合めっき材料において微小中空粒子は、摺動によって表面に露出して摩擦を受けたときに内部の薬剤を表面に滲出させ必要な潤滑性を付与しつつ、接触信頼性等を阻害しない。
本発明例1−1〜1−4、比較例1−5〜1−8、参考例1−11〜1−53
表1−1に示す化学成分組成の銅または銅合金を鋳造、圧延、焼鈍を行い厚さ0.2mmの純銅(C1020:基材A)、黄銅(C2600:基材B)、リン青銅(C5210:基材C)、コルソン系合金(Cu−Ni−Si:基材D)を作製した。ステンレス(SUS304:基材E、厚さ0.2mm)については購入した。これらの基材にめっき前処理として脱脂処理および酸洗処理を順次施し、その後下地めっき層の形成を行い、ストライクめっきで中間めっき層を形成し、表面めっき層を順次施して、めっき材料を作製した。各層を形成する際のめっき条件については表1−2に、作製しためっき材料については表1−5に示した。表1−5中の表層含有量とは、表面めっき層の外表面側(表面から表面めっき層の厚みの半分まで)に含まれる微小中空粒子の総量に対する割合である。
微小中空粒子としては、界面重合法によりポリアミド系の外壁を形成し、内部にジフェニルエーテル系潤滑剤を内包するカプセルと、参考例1−24のようにゾル−ゲル法によりシリカの外壁を形成したカプセルを用いた。また参考例1−21、1−22、1−23、1−24のカプセルは、潤滑剤に加えて耐硫化剤(2−メルカプトベンゾイミダゾール)を合わせて内包するものとした。得られた微小粒子の形状は球形であった。
t/dは微小中空粒子の直径をd(μm)、壁の厚さt(μm)としたときの値であり、測定方法は上述の通りである。
これに対して、表1−6に示されるように、本発明例の複合めっき材料はいずれも密着性、耐久性、曲げ加工性に優れ、しかも摺動性および接触信頼性が良好であった(参考例1−50は密着性に劣るが、密着性を要求されない用途であれば使用できる)。また、耐硫化剤を含む参考例1−21〜1−24では、これらに加えて、耐硫化性にも優れていた。本発明例の複合めっき材料において微小中空粒子は、摺動によって表面に露出して摩擦を受けたときに内部の薬剤を表面に滲出させ必要な潤滑性、耐硫化性を付与しつつ、接触信頼性等を阻害しないという優れた効果を奏している。
各実施例で作製した各複合めっき材料について、摩擦係数、接触抵抗、微摺動摩耗(フレッティング生成の有無)、密着性、耐熱剥離性、曲げ加工性、耐酸化性の評価を実施した。評価方法は次の通りである。
バウデン型摩擦試験機を用いて、導電性基材の圧延方向と直角に摺動させた際の動摩擦係数を評価した。測定条件は、荷重2.94N(300gf)、摺動距離10mm、摺動速度100mm/分、摺動回数1回とした。相手材は板厚0.25mmの黄銅条にリフローSnめっき(1μm)した材料とし、0.5mmRの張出加工をしたものを用いた。
定電流通電時の電圧を測定することにより評価した。先端が5mmRのAgプローブを荷重0.98N(100gf)で接触させ、10mA通電時の電圧を測定し、n=10の平均値より接触抵抗を算出した。なお、測定は初期および160℃×120時間加熱後に実施した。
微摺動摩耗試験:
微摺動時における接触抵抗の測定として、摺動距離20μm、荷重2Nで1000回摺動する間における接触抵抗の最大値を評価した。フレッティングピークがみられないものを○(良)、フレッティングにより抵抗が大幅に上昇したものを×(不良)として評価した。
めっき表面からクロスカットを施し、テープピール試験により評価した。クロスカット後のめっき表面に、粘着テープ(寺岡製作所、商品名:631S)を貼り付けて引き剥がした際に、めっき皮膜の剥離が見られないものを○(良)、剥離が見られたものを×(不良)として評価した。
耐熱剥離性:
160℃において120時間の熱処理を施した後に、導電性基材の圧延方向と直角に180℃曲げを施し、テープピール試験により評価した。曲げ戻した後のめっき表面に、粘着テープ(寺岡製作所、商品名:631S)を貼り付けて引き剥がした際に、めっき皮膜の剥離が見られないものを○(良)、剥離が見られたものを×(不良)として評価した。
導電性基材の圧延方向と直角に90°曲げ(0.2R)を施し、曲げ部におけるめっき皮膜の割れにより評価した。曲げ部について500倍でSEM観察し、めっき皮膜に割れが見られないものを○(良)、割れが見られたものを×(不良)として評価した。
摺動後に加熱試験(180℃で30分間)を行い、摺動部において表面めっき層の変色が見られるかを評価した。加熱試験後に表面を40倍で顕微鏡観察し、変色の見られないものを○(良)、変色が見られたものを×(不良)として評価した。
本発明例2−1、参考例2−1〜2−9、比較例2−1〜2−4
表2−1に示す化学成分組成の銅または銅合金を鋳造、圧延、焼鈍を行い厚さ0.2mmの純銅(C1020:基材A)、黄銅(C2600:基材B)、リン青銅(C5210:基材C)、コルソン系合金(Cu−Ni−Si:基材D)を作製した。ステンレス(SUS304:基材E、厚さ0.2mm)については購入した。これらの基材にめっき前処理として脱脂処理および酸洗処理を順次施し、その後下地めっき層の形成を行い、表面めっき層を施して、複合めっき材料を作製した。各層を形成する際のめっき条件については表2−2に、作製しためっき材料については表2−3に示した。表2−3中の表層含有量とは、表面めっき層の外表面側(表面から表面めっき層の厚みの半分まで)に含まれる微小中空粒子の総数に対する割合である。なお、電流密度を変化させることにより、めっき皮膜に含まれる含有量を操作することが可能である。表層含有量を変化させる方法は、表層めっきの工程中に、電流密度を調整することにより達成でき、具体的には含有量を上げる場合には記載の範囲内で電流密度を上げ、共析量を減らす場合には記載の範囲内で電流密度を下げた。
なお、各めっき層厚は次の通りとした。
下地めっき層:0.5μm
表面めっき層:5.0μm
微小中空粒子としては、界面重合法によりポリアミド系の外壁を形成し、内部にジフェニルエーテル系潤滑剤を内包するカプセルを用いた。得られた微小粒子の形状は平均粒径0.3μmの球形であった。微小中空粒子の直径をd(μm)、壁の厚さt(μm)としたときのt/dの値は0.3であった(平均粒径、t,dの測定方法は上述の通りである)。
これに対して、本発明例の複合めっき材料は摺動性および接触信頼性が良好である。本発明例の複合めっき材料において微小中空粒子は、摺動によって表面に露出して摩擦を受けたときに内部の薬剤を表面に滲出させ必要な潤滑性を付与しつつ、接触信頼性を阻害しないという優れた効果を奏している。各参考例はいずれも本発明例と同等の結果を示した。
本発明例2−2〜2−5、比較例2−5〜2−8、参考例2−10〜2−51
表2−1に示す化学成分組成の銅または銅合金を鋳造、圧延、焼鈍を行い厚さ0.2mmの純銅(C1020:基材A)、黄銅(C2600:基材B)、リン青銅(C5210:基材C)、コルソン系合金(Cu−Ni−Si:基材D)を作製した。ステンレス(SUS304:基材E、厚さ0.2mm)については購入した。これらの基材にめっき前処理として脱脂処理および酸洗処理を順次施し、その後下地めっき層の形成を行い、ストライクめっきで中間めっき層を形成し、表面めっき層を順次施して、めっき材料を作製した。各層を形成する際のめっき条件については表2−2に、作製しためっき材料については表2−5に示した。表2−5中の表層含有量とは、表面めっき層の外表面側(表面から表面めっき層の厚みの半分まで)に含まれる微小中空粒子の総数に対する割合である。
微小中空粒子としては、界面重合法によりポリアミド系の外壁を形成し、内部にジフェニルエーテル系潤滑剤を内包するカプセルと、ゾル−ゲル法によりシリカの外壁を形成したカプセルを用いた。また参考例2−20〜2−23のカプセルは、潤滑剤に加えて酸化防止剤(2−メルカプトベンゾイミダゾール)を合わせて内包するものとした。得られた微小粒子の形状は球形であった。
t/dは微小中空粒子の直径をd(μm)、壁の厚さt(μm)としたときの値であり、測定方法は上述の通りである。
これに対して、表2−6に示されるように、本発明例の複合めっき材料はいずれも密着性、耐熱剥離性、曲げ加工性に優れ、しかも摺動性が良好であり、微摺動摩耗によってもフレッティングを生成することがなく、接触信頼性が良好であった。また、酸化防止剤を含む参考例2−20〜2−23では、これらに加えて、耐酸化性にも優れていた。本発明例の複合めっき材料において微小中空粒子は、摺動によって表面に露出して摩擦を受けたときに内部の薬剤を表面に滲出させ必要な潤滑性、耐酸化性を付与しつつ、接触信頼性等を阻害しないという優れた効果を奏している。
2 下地めっき層
3 中間めっき層
4 表面めっき層
5 微小中空粒子
c 中心線
Claims (9)
- 導電性基材の上に、銅、ニッケル、コバルト、鉄、またはこれらの元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む合金からなる下地めっき層を少なくとも1層有し、その上に銀もしくは銀合金または錫もしくは錫合金からなる表面めっき層を有する複合めっき材料であって、
前記表面めっき層の内部および/または表面に、潤滑剤、耐硫化剤、防錆剤、及び変色防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を内包する微小中空粒子が前記表面めっき層に対して0.1〜30体積%存在し、
前記下地めっき層の厚さが0.05〜2.0μmであり、前記表面めっき層の厚さが0.5〜5μmであり、かつ、
(イ)前記銀または銀合金からなる前記表面めっき層の場合、前記微小中空粒子はその総数に対して60〜70%の数が前記表面めっき層の表面から半分の厚さまでの間に含まれ、前記微小中空粒子は平均粒径0.05〜2μmの球形であり、前記微小中空粒子の直径をd(μm)、壁の厚さをt(μm)としたとき、t/dが1/100以上1/2未満であるか、または
(ロ)錫または錫合金からなる前記表面めっき層の場合、前記微小中空粒子はその総数に対して60〜75%の数が前記表面めっき層の表面から半分の厚さまでの間に含まれ、前記微小中空粒子は平均粒径0.1〜2μmの球形であり、前記微小中空粒子の直径をd(μm)、壁の厚さをt(μm)としたとき、t/dが1/100以上1/2未満である、
ことを特徴とする複合めっき材料。 - 前記下地めっき層上に、微小中空粒子を含まない銀または銀合金からなる中間めっき層を有し、さらに前記中間めっき層上に銀または銀合金からなる前記表面めっき層を有する請求項1に記載の複合めっき材料。
- 前記微小中空粒子が液相中で合成された樹脂からなる請求項1または2に記載の複合めっき材料。
- 前記微小中空粒子がゾル−ゲル反応で生成した無機粒子からなる請求項1または2に記載の複合めっき材料。
- 前記中間めっき層の厚さが0.1〜1.0μmであることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の複合めっき材料。
- 前記表面めっき層がパルスめっき法またはPRめっき法で形成されたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合めっき材料。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合めっき材料を用いて形成された電気・電子部品。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合めっき材料を用いて形成された摺動型もしくは回転型の接点またはスイッチ。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合めっき材料を用いて形成された挿抜型もしくは嵌合型のコネクタ用端子。
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