JP5653687B2 - 芯無しトイレットペーパーロールの製造方法及びこれによる芯無しトイレットペーパーロール - Google Patents

芯無しトイレットペーパーロールの製造方法及びこれによる芯無しトイレットペーパーロール Download PDF

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Description

本発明は、一般家庭で使用される太軸ホルダーに使用される、芯無しトイレットペーパーロールの製造方法及びこれによる芯無しトイレットペーパーロールに関する。
一般家庭では、トイレットペーパーロールとして、中心部の空洞を厚紙により形成した、所謂芯有りトイレットペーパーロールが多く使用されてきたが、近年は、前記厚紙芯を用いない所謂芯無しトイレットペーパーロールが市場に提供されるようになってきた。
この芯無しトイレットペーパーロールは、芯部分がトイレットペーパーの巻き始め部分によって形成されるもので、鉄心等の巻取り軸にトイレットペーパーの先端部分を巻き付け始める際に、水若しくは水溶性の接着剤を噴霧してからトイレットペーパーを巻き付けることで製造される。
しかしながら、芯無しトイレットペーパーロールの場合は、従来の厚紙芯は用いられていないけれど、トイレットペーパーの複数層が互いに接着して固まり、その接着により空洞部が形成されるものであるため、トイレットペーパーの巻き始めの多くの部分が無駄となるという問題点があった。
そこで下記特許文献1では、トイレットペーパーの略巻始め先端箇所から所定範囲に亘るロール状の巻付け部分は、粉体状のてん料が含有された水溶液の噴霧付着にて,紙筒芯と略同等径に仮固着された円筒状仮固着部として形成したトイレットペーパーロールとすることにより、ロール中心部箇所に至るまで容易に剥離することができ、トイレットペーパーを最後まで無駄なく使い切ることができるようにしたトイレットペーパーロールが提案されている。
また、下記特許文献2では、芯なしトイレットペーパーの中心部に形成する筒状の空洞を、ペーパーの巻始め端部を折り返した状態で巻取った部分で構成し、その部分に水分を付与し、その後は普通に巻取られて形成した芯なしトイレットペーパーからなり、さらには芯なしトイレットペーパーは、芯なしトイレットペーパーの中心部に形成する筒状の空洞を、ペーパーの巻始め端部を複数回折り返した状態で巻取った部分で構成し、その部分に水分を付与し、その後は普通に巻取られて形成した芯なしトイレットペーパーが提案されている。この芯なしトイレットペーパーは、その使用の最後に残った水分で固まった筒状部分は、残りのペーパーを指で引張るだけできれいに最後のペーパーと一緒に除去できるので、一々その固まった筒状部分を別途除去するという不便がない。また、ペーパーの巻始め端部の折り返し部分への水分の付与量を調整することにより、巻取った場合に最後の端部まできれいに一枚の状態で巻き取ることができるとの作用効果を奏するものである。
特開2000−189342号公報 特許第4103960号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に係るトイレットペーパーロールは、トイレットペーパーで構成された巻芯部分を廃棄することなく、すべてのペーパー部分を使用可能とすることを提案するものであるが、上記特許文献1のように、粉体状のてん料が含有された特殊な水溶液を使用する場合は、この水溶液の分だけコスト高になるとともに、この水溶液が設備を汚し、操業性が低下する。さらに、使用前又は使用中に芯内部でシートが剥がれることがあるなどの問題があり実用的ではなかった。
また、上記特許文献2の場合は、この巻き始め態様に対応した設備が必要となるため、現行の設備では対応不可であるなどの問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、トイレットペーパーの巻き始め部分で巻芯部を形成する芯無しトイレットペーパーロールにおいて、巻芯形成に必要な巻き長さを短くすることでトイレットペーパーの無駄を無くすとともに、巻芯部分にほぐれが大きく生じていない芯無しトイレットペーパーロールの製造方法及びこれによる芯無しトイレットペーパーロールを提供することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、巻取り軸にトイレットペーパーの先端部分を巻き始める際、巻取り軸から法線方向に所定距離だけ離間するとともに、巻取り軸と平行する方向に沿って所定の間隔で並列されたノズルから前記巻取り軸に巻かれたトイレットペーパーに向けて水を噴霧すると同時に巻取りを開始し、所定時間経過後に水噴霧を停止した後、継続してトイレットペーパーの巻取りを行うトイレットペーパーロールの製造方法において、
前記ノズルから巻取り軸の表面までの距離が、隣接するノズル間で噴霧水の巻取り軸表面に対する巻取り軸方向の投射幅の重なり代が35mm〜57mmになるように設定されるとともに、前記噴霧水の巻取り軸表面に対する巻取り軸方向の投射幅は、149mm〜171mmであり、ノズルからの噴霧時間が0.2秒〜1.2秒とされ、前記トイレットペーパーロールの中心空洞部に形成される巻芯部の形成に必要な巻長さが、2.0m以下とされることを特徴とする芯無しトイレットペーパーロールの製造方法が提供される。
上記請求項1記載の発明は、前記ノズルから巻取り軸の表面までの距離が、隣接するノズル間で噴霧水の巻取り軸表面に対する巻取り軸方向の投射幅の重なり代が35mm〜57mmになるように設定されるとともに、巻取り軸にトイレットペーパーの先端部分を巻き始める際、巻取り軸から法線方向に所定距離だけ離間するとともに、巻取り軸と平行する方向に沿って所定の間隔で並列されたノズルから前記巻取り軸に巻かれたトイレットペーパーに向けて水を噴霧すると同時に巻取りを開始し、所定時間経過後に水噴霧を停止した後、継続してトイレットペーパーの巻取りを行うトイレットペーパーロールの製造方法において、
前記ノズルから巻取り軸の表面までの距離が、隣接するノズル間で噴霧水の巻取り軸表面に対する巻取り軸方向の投射幅の重なり代が35mm〜57mmになるように設定されるとともに、前記噴霧水の巻取り軸表面に対する巻取り軸方向の投射幅は、149mm〜171mmであり、ノズルからの噴霧時間が0.2秒〜1.2秒とされ、前記トイレットペーパーロールの中心空洞部に形成される巻芯部の形成に必要な巻長さが、2.0m以下とされることを特徴とする芯無しトイレットペーパーロールの製造方法ノズルからの噴霧時間が0.2秒〜1.2秒とするものであり、この構成によって、トイレットペーパーロールの中心空洞部に形成される巻芯部の形成に必要な巻長さが、2.0m以下となり、かつ巻芯部分にほぐれが大きく生じていない芯無しトイレットペーパーロールを得ることが可能となる。上記製造方法の場合は、従来品よりも巻芯部の形成に必要な巻長さが短くでき、無駄が削減できる。また、大規模な設備変更を伴うことなく、品質改善が可能となる。更には、特殊な水溶液を使用しないため、設備の汚染などが防止され、操業が安定化できる。
上記発明は、前記噴霧水の巻取り軸表面に対する巻取り軸方向の投射幅149mm〜171mmとすることにより必要部以外への水の投射が抑えられるようになる。
請求項に係る本発明として、前記巻取り軸の巻取り速度は、25±2m/minであり、噴霧水のペーパー巻取り方向の噴霧長さが0.13m〜0.47mである請求項1記載の芯無しトイレットペーパーロールの製造方法が提供される。
上記請求項記載の発明は、前記巻取り軸の巻取り速度は、25±2m/minとし、噴霧水のペーパー巻取り方向の噴霧長さを0.13m〜0.47mとするものである。巻取り軸の円周長は、109mm〜130mmであるため、少なくとも1周分+αの噴霧長さとすることにより、噴霧水が投射されずに巻芯部にほぐれが発生するのを防止できるようになる。
請求項に係る本発明として、前記ノズルは、水と空気との二流体ノズルとされ、水の噴霧圧力が0.18±0.05MPaとされ、空気の噴霧圧力が0.25±0.05MPaとされ、水圧力:空気圧力の比率が1:1.1〜1:1.7とされる請求項1または2記載の芯無しトイレットペーパーロールの製造方法が提供される。
上記請求項記載の発明は、前記ノズルは、水と空気との二流体ノズルとし、水の噴霧圧力を0.18±0.05MPa、空気の噴霧圧力を0.25±0.05MPaとし、かつ水圧力:空気圧力の比率が1:1.1〜1:1.7となるように設定するものである。この条件を満足することにより、噴霧水の水粒子の径を概ね10〜30μm(従来の場合は、概ね40〜60μm)とすることができ、細かい水粒子をトイレットペーパーに均一に塗布することが可能になり、芯際部分でのシワの発生を抑制できるようになる。
請求項に係る本発明として、トイレットペーパーロールの中心空洞部に、トイレットペーパーの複数層が互いに接着して固まった巻芯部が形成された芯無しトイレットペーパーロールであって、
前記巻芯部の形成に必要な巻長さが、2.0m以下とされることを特徴とする請求項1記載の芯無しトイレットペーパーロールの製造方法によって製造された芯無しトイレットペーパーロールが提供される。
以上詳説のとおり本発明によれば、トイレットペーパーの巻き始め部分で巻芯部を形成する芯無しトイレットペーパーロールにおいて、巻芯形成に必要な巻き長さを短くすることでトイレットペーパーの無駄を無くすとともに、巻芯部分にほぐれが大きく生じていない芯無しトイレットペーパーロールを得ることが可能となる。
芯無しトイレットペーパーロールの斜視図である。 製造装置の概略図である。 製造手順(その1)である。 製造手順(その2)である。 製造手順(その3)である。 製造手順(その4)である。 噴霧水投射部を示す、(A)は断面図、(B)は投射方向に平行な面から見た平面図である。 スプレー距離が過大な場合を模式的に示した、(A)は噴霧水投射図、(B)は噴霧水投射分布図、(C)は幅方向の水密度分布図である。 スプレー距離が過小な場合を模式的に示した、(A)は噴霧水投射図、(B)は噴霧水投射分布図、(C)は幅方向の水密度分布図である。 スプレー距離が適性な場合を模式的に示した、(A)は噴霧水投射図、(B)は噴霧水投射分布図、(C)は幅方向の水密度分布図である。 ロール耐圧強度の試験要領を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔芯無しトイレットペーパーロール〕
本発明に係る芯無しトイレットペーパーロール1は、トイレットペーパーロール1の中心空洞部に、トイレットペーパーの複数層が互いに水素結合により接着して固まった巻芯部1aが形成されたものである。本発明では、この巻芯部1aを形成しているペーパーの巻長さが、2.0m以下、好ましくは1.0m以下とされるものであり、かつ巻芯部分に大きくほぐれが生じていないことを条件としたものである。
前記トイレットペーパーロール1は、単層からなる1プライ、二層からなる2プライ、三層からなる3プライとすることができる。
また、トイレットペーパーを構成するパルプ繊維としては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ、などから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。好ましくは木材パルプであり、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を使用するのが望ましい。古紙パルプを含有しない、木材パルプ100%であるのが望ましい。各層又はいずれかの層中に、必要により、分散剤、苛性ソーダ、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
前記トイレットペーパーロール1のロール径は100〜119mmであり、米坪(JIS P 8124準拠)は15〜20g/mであり、縦方向の紙力(JIS P 8111準拠)は280〜600cN、横方向の紙力(JIS P 8111準拠)は50〜200cNとされる。
〔製造方法〕
前記芯無しトイレットペーパーロール1は、図2に示されるように、2つの繰出しローラ3A、3B上に載置された原反2から繰り出されたトイレットペーパー4が、2つの巻取りロール5A、5Bの中間上部に位置する巻取り軸6の周面に巻き取られることによって製造されるようになっている。前記芯無しトイレットペーパーロール1の上部にはライダーロール7によって加圧されている。また、前記巻取り軸から法線方向に所定距離Lだけ離間するとともに、巻取り軸6と平行する方向に沿って所定の間隔で並列されたノズル8、8…から巻取り軸6に巻かれたトイレットペーパー4に向けて水を噴霧するように設置されている。
前記ノズル8としては、好ましくは水と空気との二流体ノズルが使用される。水の噴霧圧力と空気の噴霧圧力とを対等とする場合は、水の噴霧圧力が0.18±0.05MPa、空気の噴霧圧力が0.18±0.05MPa程度に設定される。この場合は、噴霧水の粒径は概ね40〜60μmである。また、噴霧水の水粒子の径を概ね10〜30μmとしてシワの発生を抑えたい場合は、水の噴霧圧力を0.18±0.05MPa、空気の噴霧圧力を0.25±0.05MPaとし、かつ水圧力:空気圧力の比率が1:1.1〜1:1.7に設定する。
また、前記巻取り軸6の直径は35〜41mmであり、その周長は109〜130mmである。この巻取り軸6は、25±2m/minの回転速度で回転される。
具体的な手順は、図3に示されるように、原反2からのシート4を巻取り軸6を経由して巻取りロール5Bよりも側方に突出させる。なお、図3〜図6の手順図では、ライダーロール7が省略されている。
次いで、図4に示されるように、巻取りロール5Bの側方に配置されたエア噴射ノズル9からエアを噴射し、突出したシート部分4aを巻取り軸6を巻き込むように反対側に折り返す。そして、図5に示されるように、ノズル8から噴霧水を巻取り軸6に向けて噴射し、突出したシート部分4aに噴霧水を投射すると同時に巻取りを開始し、所定時間経過後に水噴霧を停止した後も、巻取りを継続し、図6に示されるように、巻取り軸6に巻かれたトイレットペーパーロール1とした後、巻取り軸6を縮小させて引き抜いた後、トイレットペーパーロール1を軸方向に所定の寸法毎に裁断する。
〔噴霧水の投射〕
本発明に係る製造方法では、ノズル8から噴霧水の投射は、ノズル8から巻取り軸6の表面までの距離(図7のスプレー距離:L寸法)が、隣接するノズル8,8間で噴霧水の巻取り軸6表面に対する巻取り軸方向の投射幅(図7の拡散距離:L寸法)の重なり代(図7のラッピング距離:L寸法)が35mm〜57mm、好ましくは35mm〜52mmになるように設定されるとともに、ノズル8からの噴霧時間が0.2秒〜1.2秒、好ましくは0.2秒〜0.3秒とされるものであり、これにより、前記トイレットペーパーロール1の中心空洞部に形成される巻芯部1aの形成に必要な巻長さが、2.0m以下、好ましくは1.0m以下とされるものである。噴霧時間の0.3秒は、下限側の0.2秒が望ましいことが後述の実施例が判明したため、その近傍範囲として設定したものである。
原理的には、噴霧水がムラなく均一に必要最小限の適正量だけ塗布されていれば、巻芯形成に必要な巻長さを縮小できるようになるとともに、巻芯部にほぐれが大きく生じていない品質の安定したトイレットペーパーロール1を得ることができる。
例えば、投射幅Lの重なり代Lが過大である場合は、図8に示されるように、噴霧水の塗布にムラが生じてしまう。図8(C)は幅方向の水密度の分布状態をグラフにした図であるが、投射幅Lの重なり代Lが過大な結果、水密度にはムラが生じるとともに、噴霧水が多いため巻芯部の形成に必要な巻長さも必然的に長くなる。
一方、投射幅Lの重なり代Lが過小である場合は、図9に示されるように、噴霧水が投射されない部分がノズル8,8間の中央部に生じてしまうため、巻芯部にほぐれが生じてしまうとともに、部分的な過剰塗布によりシワになりやすい。
これらに対して、本願発明に従って噴霧水を適性な塗布量に設定した場合は、図10に示されるように、図10(C)の幅方向の水密度の分布状態から分かるように、幅方向にムラなく均一に噴霧水が塗布されるようになるとともに、塗布量が適性であるため巻芯部に大きなほぐれが生じにくいものとなる。
なお、図8(B)、図9(B)及び図10(B)の四角線での囲みは、ノズル8の噴射口がスリット状となっているため、実際の噴射領域を示したものである。
〔実施例1〕
実施例1では、L(mm)スプレー距離:137mm、L(mm)スプレーピッチ:114mm、L(mm)ラッピング距離:57mm、L(mm)拡散距離:171mm、スプレー角度θ(°):64°、迎え角θ(°):20°、噴霧圧力・水(MPa):0.18MPa、噴霧圧力・エアー(MPa):0.18MPaに条件を固定した状態で、噴霧時間(秒)を0.2秒〜2.0秒の間で変化させた。なお、噴霧長さ(m)は、巻取り軸6の巻取り速度と流れ方向の噴霧水の拡がりから計算した。
評価は、芯形成に必要な巻長さ(m)、ロール耐圧強度(N)、芯部分のほぐれ評価の3項目で評価した。前記芯形成に必要な巻長さ(m)は、剥がして使用できない巻芯部の巻長さであり、シートを50m/minの速度で巻取り、ロールホルダーから外れる若しくは破れて引きちぎられるまで引出して、残った巻芯部分の重量を測定し、米坪及びロール巾から巻長さを計算した。前記ロール耐圧強度(N)は、日本電産シンポ株式会社製 FGS-100VCを用いて、下降速度10mm/minにてロールを圧縮していき、第一ピークの圧力を測定した。100N以上であれば合格とする(図11に示すように、120mm×40mmの金属プレート9を上記速度で下降させ、ロールを圧縮)。前記芯部分のほぐれ評価は、表1に示すように、目視判断により、ほぐれが0〜1個で◎、2〜4個で○、5〜10個で×の評価とした。
Figure 0005653687
総合評価は、表2のとおり、芯形成に必要な巻長さ(m)とほぐれ評価との組合せて評価した。
Figure 0005653687
以上の試験結果を表3に示す。
Figure 0005653687
表3において、噴霧時間(秒)が0.2秒、0.5秒及び1.0秒の3ケースが総合評価で○の評価となっている。
〔実施例2〕
実施例2では、L(mm)スプレー距離を50mm〜160mmの間で変化させるとともに、スプレー角度θ(°)を77°〜60°の範囲で変化させた。これに伴い、L(mm)ラッピング距離は-34mm〜72mmの間で変化し、L(mm)拡散距離は80mm〜186mmの間で変化する。噴霧圧力・水(MPa):0.18MPa、噴霧圧力・エアー(MPa):0.18MPaに条件を固定した状態で、噴霧時間(秒)を1.2秒で固定した。
以上の試験結果を表4に示す。
Figure 0005653687
表4において、L(mm)ラッピング距離が、35mmと43mmの2ケースで総合評価が○となっている。
〔実施例3〕
実施例3では、L(mm)スプレー距離を50mm〜160mmの間で変化させるとともに、スプレー角度θ(°)を77°〜60°の範囲で変化させた。これに伴い、L(mm)ラッピング距離は-34mm〜72mmの間で変化し、L(mm)拡散距離は80mm〜186mmの間で変化する。噴霧圧力・水(MPa):0.18MPa、噴霧圧力・エアー(MPa):0.18MPaに条件を固定した状態で、噴霧時間(秒)を0.2秒で固定した。
以上の試験結果を表5に示す。
Figure 0005653687
表5において、L(mm)ラッピング距離が35mm〜57mmとし、前記噴霧水の巻取り軸表面に対する巻取り軸方向の投射幅(拡散距離:L )が149mm〜171mmした4ケースで総合評価が○となっている。
〔実施例1〜3のまとめ〕
上記実施例1〜実施例3の結果より、隣接するノズル8,8間で噴霧水の巻取り軸6表面に対する巻取り軸方向の投射幅の重なり代(図7のL寸法)が35mm〜57mm、好ましくは35mm〜52mmの範囲とし、前記噴霧水の巻取り軸表面に対する巻取り軸方向の投射幅(拡散距離:L )が149mm〜171mmの範囲とし、ノズル8からの噴霧時間が0.2秒〜1.2秒の範囲とすることにより、総合評価で○となり、本発明の所期の目的を達成することが判明した。
〔実施例4〕
本実施例4では、芯際部分にシワが発生するのを抑制するために、二流体ノズル8の最適な水圧力:空気圧力の比を検証したものである。一般的に、二流体ノズルを使用した場合、水の噴霧圧力を同じならば、エアの噴霧圧力を大きくすると、水粒子の粒径が小さくなるため、細かい水粒子で均一に塗布することが可能となる。
(mm)スプレー距離を110mm〜137mmの間で変化させるとともに、スプレー角度θ(°)を70°〜66°の範囲で変化させた。これに伴い、L(mm)ラッピング距離は40mm〜64mmの間で変化し、L(mm)拡散距離は154mm〜178mmの間で変化する。噴霧圧力・水(MPa):0.18MPaで固定し、噴霧圧力・エアー(MPa)を0.15〜0.35MPaの間で変化させた。噴霧時間(秒)は0.2秒で固定した。
以上の試験結果を表6に示す。
Figure 0005653687
表6より、空気の噴霧圧力を0.25±0.05MPaの範囲で、総合評価が◎となり、L(mm)ラッピング距離が64mm以外のケースでは、総合評価が○となった。
水の噴霧圧力を0.18とし、空気の噴霧圧力が0.20〜0.30MPaとした場合、水圧力:空気圧力の比率は1:1.1〜1:1.7となる。この場合の噴霧水の水粒子の径は概ね10〜30μmの範囲である。
1…トイレットペーパーロール、1a…巻芯部、2…原反、3A・3B…繰出しローラ、4…トイレットペーパー(シート)、5A・5B…巻取りロール、6…巻取り軸、7…ライダーロール、8…ノズル、9…エア噴射ノズル

Claims (4)

  1. 巻取り軸にトイレットペーパーの先端部分を巻き始める際、巻取り軸から法線方向に所定距離だけ離間するとともに、巻取り軸と平行する方向に沿って所定の間隔で並列されたノズルから前記巻取り軸に巻かれたトイレットペーパーに向けて水を噴霧すると同時に巻取りを開始し、所定時間経過後に水噴霧を停止した後、継続してトイレットペーパーの巻取りを行うトイレットペーパーロールの製造方法において、
    前記ノズルから巻取り軸の表面までの距離が、隣接するノズル間で噴霧水の巻取り軸表面に対する巻取り軸方向の投射幅の重なり代が35mm〜57mmになるように設定されるとともに、前記噴霧水の巻取り軸表面に対する巻取り軸方向の投射幅は、149mm〜171mmであり、ノズルからの噴霧時間が0.2秒〜1.2秒とされ、前記トイレットペーパーロールの中心空洞部に形成される巻芯部の形成に必要な巻長さが、2.0m以下とされることを特徴とする芯無しトイレットペーパーロールの製造方法。
  2. 前記巻取り軸の巻取り速度は、25±2m/minであり、噴霧水のペーパー巻取り方向の噴霧長さが0.13m〜0.47mである請求項1記載の芯無しトイレットペーパーロールの製造方法。
  3. 前記ノズルは、水と空気との二流体ノズルとされ、水の噴霧圧力が0.18±0.05MPaとされ、空気の噴霧圧力が0.25±0.05MPaとされ、水圧力:空気圧力の比率が1:1.1〜1:1.7とされる請求項1または2記載の芯無しトイレットペーパーロールの製造方法。
  4. トイレットペーパーロールの中心空洞部に、トイレットペーパーの複数層が互いに接着して固まった巻芯部が形成された芯無しトイレットペーパーロールであって、
    前記巻芯部の形成に必要な巻長さが、2.0m以下とされることを特徴とする請求項1記載の芯無しトイレットペーパーロールの製造方法によって製造された芯無しトイレットペーパーロール。
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