JP5653379B2 - 磁気記憶素子、磁気メモリ及び磁気記憶装置 - Google Patents

磁気記憶素子、磁気メモリ及び磁気記憶装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、磁気記憶素子、磁気メモリ及び磁気記憶装置に関する。
メモリの大容量化を実現する方法として、磁壁を用いたスピンシフトレジスタ型のメモリが提案されている。このようなメモリの動作においては、磁性細線に複数の磁壁を有する磁壁メモリを、1ビットずつ、つまり1磁壁ずつ、順次移動させる。磁壁メモリを正確に移動するめには高度な制御が必要であり、安定した動作が困難である。
米国特許第6,834,005号明細書 特表2006−504210号公報
本発明の実施形態は、安定した動作が可能な磁気記憶素子、磁気メモリ及び磁気記憶装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、磁性細線と、応力印加部と、記録再生部と、を含む磁気記憶素子が提供される。前記磁性細線は、磁壁により区分された複数の磁区を含む閉ループである。前記応力印加部は、前記磁壁を移動させる応力を前記磁性細線に印加して前記磁壁を前記閉ループに沿って複数回周回させる。前記記録再生部は、前記磁壁の周回に伴って前記周回している前記磁区の磁化の向きを変化させて記憶情報を書き込み、前記周回している前記磁区の前記磁化の向きを検出し書き込まれた記憶情報を読み出す。
本発明の別の実施形態によれば、磁壁により区分された複数の磁区を含む閉ループの磁性細線と、前記磁壁を移動させる応力を前記磁性細線に印加して前記磁壁を前記閉ループに沿って複数回周回させる応力印加部と、前記磁壁の周回に伴って前記周回している前記磁区の磁化の向きを変化させて記憶情報を書き込み、前記周回している前記磁区の前記磁化の向きを検出し書き込まれた記憶情報を読み出す記録再生部と、第1電極と、第2電極と、を備えた磁気記憶素子が提供される。前記磁性細線は、一端部と他端部とを有し、前記一端部と前記他端部との間で前記閉ループの一部に沿って延在する高導電磁性部と、前記閉ループの他部に沿って延在し前記一端部と前記他端部とを接続し前記応力印加部により前記応力が印加され前記高導電磁性部の導電性よりも低い導電性を有する低導電磁性部と、を含む。前記第1電極は前記一端部に電気的に接続され、前記第2電極は前記他端部に電気的に接続される。前記一端部は、前記他端部と重なる部分を有し、前記低導電磁性部は、前記重なる部分と前記他端部との間に配置される。
第1の実施形態に係る磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る磁気記憶素子の構成及び動作を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る磁気記憶素子の構成及び動作を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る磁気記憶素子の構成及び動作を示す模式的斜視図である。 図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 図10(a)〜図10(c)は、第1の実施形態に係る磁気記憶素子の一部を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 図13(a)〜図13(c)は、第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る別の磁気記憶素子を示す模式的斜視図である。 第3の実施形態に係る磁気記憶装置を示す模式的斜視図である。 第3の実施形態に係る別の磁気記憶装置を示す模式的斜視図である。 第3の実施形態に係る別の磁気記憶装置を示す模式的斜視図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図1に表したように、磁気記憶素子110は、磁性細線10と、第1電極11aと、第2電極11bと、応力印加部20と、記録再生部58と、を含む。
磁性細線10は、複数の磁区を含む。磁区は、磁壁により区分される。磁性細線10は、閉ループ10lである。磁性細線10の延在方向に対して垂直な面で磁性細線10を切断したときの断面形状は、例えば四角形、円形、または、扁平円形である。断面形状は任意である。磁性細線10は閉ループ10lであり、磁性細線10の延在方向は、磁性細線10の局所において定義できる。磁性細線10の局所における磁性細線10の延在方向を細線方向ということにする。
閉ループ10lは、実質的に1つの平面内に平行でも良く、閉ループ10lは、捩れていても良い。例えば、閉ループ10lが折れ曲がっており、閉ループ10lの1つの部分と他の部分とが、互いに異なる平面内にあっても良い。
この例では、磁性細線10は、高導電磁性部10cと、低導電磁性部10iと、を含む。高導電磁性部10cは、一端部10aと、他端部10bと、を有する。高導電磁性部10cは、一端部10aと他端部10bとの間で閉ループ10lの一部10rに沿って延在する。高導電磁性部10cには、例えば、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、または、それらの元素を少なくともひとつは含む合金などが用いられる。高導電磁性部10cの材料の例については、後述する。
第1電極11aは、磁性細線10の一端部10aに電気的に接続される。第2電極11bは、磁性細線10の他端部10bに電気的に接続される。第1電極11a及び第2電極11bは、例えばスピン注入回路11cに電気的に接続される。スピン注入回路11cから供給される電流10elは、第1電極11a及び第2電極11bを介して、ループの経路に沿って高導電磁性部10cを流れる。
低導電磁性部10iは、閉ループ10lの他部10sに沿って設けられる。低導電磁性部10iは、一端部10aと他端部10bとを接続する。低導電磁性部10iは、応力印加部20により応力が印加される。低導電磁性部10iは、高導電磁性部10cの導電性よりも低い導電性を有する。低導電磁性部10iは、例えば、実質的に絶縁性である。低導電磁性部10iには、例えば、Fe、Co、Niなどの元素のうち少なくともひとつを含む酸化物、窒化物、または、酸窒化物などが用いられる。低導電磁性部10iの材料の例については、後述する。
低導電磁性部10iは、高導電磁性部10cと磁気的に結合している。これにより、磁性細線10は、磁気閉回路を形成する。
応力印加部20は、磁性細線10に応力を印加して、磁性細線10の磁壁を閉ループ10lに沿って周回させる。磁壁の周回に伴って、磁区は、閉ループ10lに沿って周回する。周回の回数は複数である。応力印加部20は、例えば、低導電磁性部10iに接する。応力印加部20により印加される応力により、逆磁歪効果が生じる。つまり、応力印加によって、磁性細線中の磁化方向が変化する。この磁化方向変化を磁性細線中にそって生じさせることによって、磁壁を磁性細線中を移動させることが可能となる。これは、スピン注入電流によるものではなく、圧力印加によるものなので、磁性細線が電流が流れる高導電磁性層である必要はなくなり、低導電磁性層であっても駆動が可能となる。これにより低導電磁性部10iにおいて、磁壁が移動する。
この例では、応力印加部20は、第1駆動電極21eと、第2駆動電極22eと、第1圧電材料層21pと、第2圧電材料層22pと、を含む。第1駆動電極21eと第2駆動電極22eとの間に、低導電磁性部10iが配置される。この例では、第1駆動電極21eは、閉ループ10lの内側から閉ループ10lの外側に向く方向に沿って、第2駆動電極22eと対向する。
第1圧電材料層21pは、第1駆動電極21eと低導電磁性部10iとの間に設けられる。第2圧電材料層22pは、第2駆動電極22eと低導電磁性部10iとの間に設けられる。説明を簡単にするために、第1圧電材料層21p及び第2圧電材料層22pを圧電材料層20pと呼ぶ。
圧電材料層20p(第1圧電材料層21p及び第2圧電材料層22pなど)には、電圧を印加したときに結晶が伸び縮みすることが可能な、圧電材料を用いる。圧電材料層20pには、例えば、PZT(Pb(Zr,Ti)O)、AlN、PLZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、KNbO、ZnO、SiO、LiNbO、LaGaSiO14、KNaC・4HO、Liなどが用いられる。また、圧電材料層20pには、これらの圧電材料をベースとして、特性を調整するために添加元素を印加しても良い。また、圧電材料層20pは、これらの材料を含む複数の層を積層した積層構成を有しても良い。
第1駆動電極21e及び第2駆動電極22eは、応力印加回路20cに電気的に接続される。応力印加回路20cから供給される電圧が、第1駆動電極21eと第2駆動電極22eとを介して、第1圧電材料層21p及び第2圧電材料層22pに印加される。これにより、第1圧電材料層21p及び第2圧電材料層22pにより、低導電磁性部10iに応力が印加される。これにより、低導電磁性部10i中を磁区(磁壁)は、移動できる。
磁壁は、高導電磁性部10cにおける磁壁の情報を維持しつつ、低導電磁性部10i中を移動する。このように、磁性細線10においては、磁気的閉ループ10mgが形成され、磁壁(磁区)は、磁気的閉ループ10mgに沿って磁性細線10中を移動する。
記録再生部58は、周回している磁区の磁化の向きを変化させて記憶情報を書き込む。記録再生部58は、周回している磁区の磁化の向きを検出し書き込まれた記憶情報を読み出す。
この例では、記録再生部58は、書き込み部50と、読み出し部60と、を含む。
書き込み部50は、書き込み機能部55と、第1書き込み電極56aと、第2書き込み電極56bと、を含む。書き込み機能部55は、磁性細線10の一部(この例では、高導電磁性部10cのうちの第1部分10p)に対向する。第1書き込み電極56aの一端及び第2書き込み電極56bの一端は、書き込み機能部55に接続される。第1書き込み電極56aの他端及び第2書き込み電極56bの他端は、データ書き込み回路50cに電気的に接続される。
読み出し部60は、読み出し機能部65と、第1読み出し電極66aと、第2読み出し電極66bと、を含む。読み出し機能部65は、磁性細線10の別の一部(この例では、高導電磁性部10cのうちの第2部分10q)に対向する。第1読み出し電極66aの一端及び第2読み出し電極66bの一端は、読み出し機能部65に接続される。第1読み出し電極66aの他端及び第2読み出し電極66bの他端は、データ読み出し回路60cに電気的に接続される。
なお、本願明細書において、電気的に接続される状態は、直接接して接続される状態、導電部材を介して接続される状態、スイッチング素子(例えばトランジスタなど)などを介して接続される状態を含む。
この例では、第1電極11aと応力印加部20との間に、絶縁層12aが設けられる。第2電極11bと応力印加部20との間に、絶縁層12bが設けられる。また、図1では図示を省略しているが、磁性細線10及び応力印加部20などは、絶縁層に埋め込まれている。
図2〜図4は、第1の実施形態に係る磁気記憶素子の構成及び動作を例示する模式的斜視図である。
図2〜図4に表したように、磁性細線10は、複数の磁区15を有する。複数の磁区15は、磁壁16により区画されている。1つの磁区15の中では、磁化17の方向は、実質的に一定である。2つの磁区15どうしの間の領域が、磁壁16に相当する。
図2に示した例では、磁化17の方向は、例えば、細線方向に対して実質的に垂直である。そして、磁化17は、閉ループ10lの内側から外側に向かう方向、または、外側から内側に向かう方向である。
図3に例示した磁気記憶素子110aにおいては、磁化17の方向は、例えば、細線方向に対して実質的に垂直であり、磁化17の方向は、閉ループ10lの含まれる面に対して実質的に垂直な2つの方向(互いに逆方向)である。
図4に例示した磁気記憶装置110bにおいては、磁化17の方向は、細線方向に対して実質的に平行である。
このように、磁化17の方向は任意である。ただし、細線方向に対して磁化方向が垂直に向いている構成が、より望ましい。それは、磁壁移動させるためのエネルギーが下がるため、磁壁駆動のための消費電力を低減させることが可能となるためである。
例えば、磁化方向が閉ループ10lが形成する平面に垂直であり、かつ、細線方向に垂直である場合には、磁性細線10内の任意の場所において、磁化方向が同一の方向またはその逆方向のいずれかになる。このような構成によれば、スピン偏極電流の作用が細線内で一様となるため好ましい。
磁壁16においては、磁化17の方向は、細線方向に沿って、例えば連続的に変化する。磁壁16は、磁性体の異方性エネルギーや交換スティフネスなどで決まる有限の幅を有する。磁気記憶素子110において、複数の磁区15の磁化17の方向を、0または1のビットデータと対応させる。例えば、1つの磁性細線10に設けられる記憶情報の量は、100ビット以上1,000,000(1M)ビット以下である。実施形態はこれに限らず、記憶情報の量は任意である。また、記憶情報は、磁性細線10における相対的な位置情報を示す、アドレス信号情報を含むことができる。アドレス信号情報を含める実施例においては、読み書き動作の前または後に一旦保存されたデータを所定の位置に移動させる動作が必要なくなるというメリットがある。
書き込み動作において、高導電磁性部10cに、第1電極11a及び第2電極11bを介して電流を流す。この電流は、例えば、連続的は電流である。すなわち、用いられる電流は、記憶部を1ビットずつ移動させるようなパルス電流(断続的な電流)ではない。この電流により磁性細線10内にスピン偏極電子流が発生し、その作用によって、磁区15(及び磁壁16)は、高導電磁性部10c中を細線方向に沿って移動する。従って、磁区15及び磁壁16の移動方向は、電流の流れる方向の逆(電子流の流れる方向と同じ)である。本実施形態において、磁性細線10に流す電流は、双方向に流れるようにしても良く、一方向に流れるようにしても良い。一方向に電流が流れる構成においては、シフト移動の信頼性を向上させることができる。
一方、応力印加部20により、低導電磁性部10iに応力を印加する。低導電磁性部10iにおいては、応力により歪を発生させる。そこで発生された歪により、磁性細線の磁性材料における逆磁歪効果によって、歪が印加された部位の磁化が変化する。この歪印加による駆動を磁性細線に沿って行うことにより、磁壁移動を磁性細線に沿って行うことが可能となる。すなわち、低導電磁性部10i中の磁壁16(磁区15)は、低導電磁性部10i中を細線方向に沿って移動する。この移動方向が、高導電磁性部10cにおける磁壁16(磁区15)の移動方向に一致するように、応力印加部20は、低導電磁性部10iに応力を印加する。これにより、高導電磁性部10cと低導電磁性部10iとから形成される磁気的閉ループ10mgに沿って磁壁16(磁区15)が周回する。この周回は、複数回であり、連続的である。
例えば、書き込み部50は、周回している磁区15の磁化17の向きを、磁性細線10の第1部分10pにおいて変化させて、記憶情報を書き込む。読み出し部60は、周回している磁区15の磁化17の向きを第2部分10qにおいて検出し、書き込まれた記憶情報を読み出す。
磁気記憶素子110においては、磁壁16(磁区15)を連続的に周回させる。もし、記憶ビットごとに磁壁16(磁区15)を移動させる場合には、安定して動作させるために、非常に高度な制御が必要である。本実施形態においては、磁壁メモリを、1ビットずつ、つまり、磁壁ずつ移動させるというデバイス動作とは全く異なるデバイス動作を実施させる。実施形態においては、1ビットずつシフト動作させて読み出す動作から、全く異なる動作を行う。実施形態においては、例えば、磁壁を1ビットずつシフトレジスタ動作を行うというビット単位での高度な移動制御を必要としない。これにより、連続移動を行う単純動作のため、安定した動作が可能な磁気記憶素子を提供できる。また、磁性細線10が閉ループ状であるため、バッファ領域などが削減でき、記憶容量が増やせる。また、閉ループ10lの一方向に沿って電流を流す構成においては、動作の信頼性が向上できる。
磁気記憶素子110における書き込み動作及び読み出し動作においては、磁性細線10の高導電磁性部10cに、磁壁16を駆動させる電流を連続的に通電する。それと同時部に、応力印加部20の電極に電圧を印加して、応力印加部20により、磁性細線10の低導電磁性部10iに、磁壁16を駆動させる応力を印加する。これより、磁壁16が連続的に磁性細線10を周回運動している状態が形成される。周回運動している状態において、記録再生部58は、磁性細線10に記憶情報を書き込み、そして、読み出す。
記録再生部58は、例えば、複数の磁壁16が磁気閉回路(磁性細線10)を磁壁16が連続的に移動している状態において、移動している磁壁16の情報を連続的に再生する。記録再生部58は、複数の磁壁16が磁気閉回路を連続的に移動している状態において、移動している磁壁16の必要な位置に、磁気的情報(記憶情報)を書き込む。
記録再生部58は、書き込み動作と読み出し動作を行う1つの素子で形成されても良い。また、上記のように、記録再生部58は、第1部分10pにおいて書き込みを行う書き込み部50と、第2部分10qにおいて読み出しを行う読み出し部60と、を含んでも良い。このとき、予め設計した、第1部分10pと第2部分10qとの位置のずれと、磁壁16の移動の速度と、から、1つの磁区15が、読み出し部60で読み出されてから、記書き込み部50の位置に到達する時間がわかる。その時間後に書き込みを行っても良い。
例えば、図2に表したように、第2部分10qの閉ループ10lにおける位置から、第1部分10pの閉ループ10lにおける位置までの、磁壁16の移動の方向に沿った閉ループ10l上の距離をdrw(メートル)とする。磁区15の移動の閉ループ10lに沿った速度をv(メートル/秒)とする。書き込み部50は、読み出し部60が読み出し動作を実施してからt=drw/v(秒)後に書き込み動作を実施することができる。
例えば、磁性細線10に書き込み部50が記憶情報を書き込んだ後に、読み出し部60でその情報を読み出して、所望の情報が書き込まれたかどうかを検出するベリファイ動作を実施することができる。ベリファイ動作において所望の記憶状態が形成されていないと判定された場合には、再度書き込み動作を行う。このとき、例えば、ベリファイのための読み出し動作の後に、上記のような所定の時間が経過した後に書き込み動作を行うことで、記憶情報の書き込みが確実に行うことが容易になる。
図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図5(a)に表したように、書き込み部50において、第1書き込み電極56aと第2書き込み電極56bとの間に磁性細線10(この例では高導電磁性部10c)が、配置される。書き込み機能部55は、例えば、第1書き込み電極56aと磁性細線10との間に配置される。書き込み機能部55は、例えば、磁化固定層55aと、非磁性層55bと、を含む。この例では、磁化固定層55aと磁性細線10との間に非磁性層55bが配置される。磁化固定層55aの磁化は特定の方向に向いている。
書き込み動作においては、第1書き込み電極56aと第2書き込み電極56bとの間に電流を流す。すなわち、電子流を流す。電子流の流れの向きは、電流の流れの向きに対して反対方向である。
電子流が、第1書き込み電極56aから第2書き込み電極56bに向けて流れる場合、磁化固定層55aを通過した電子はスピン偏極される。スピン偏極された電子は、非磁性層55bを通って磁性細線10の第1部分10pに到達する。第1部分10pの磁化の方向と同じ方向のスピンを有するスピン偏極された電子は、第1部分10pを通過する。第1部分10pの磁化と逆方向のスピンを有するスピン偏極された電子は、第1部分10pの磁化にスピントルクを作用し、第1部分10pの磁化の方向が磁化固定層55aの磁化と同じ方向を向くように働く。これにより、第1部分10pの磁化は、磁化固定層55aの磁化と同じ方向となる。
電子流が、第2書き込み電極56bから第1書き込み電極56aに向けて流れる場合、第1部分10pを通過した電子はスピン偏極される。スピン偏極された電子は、非磁性層55bを介して磁化固定層55aに流れる。磁化固定層55aの磁化と同じ方向のスピンを有する電子は、磁化固定層55aを通過する。磁化固定層55aの磁化と逆方向のスピンを有する電子は、非磁性層55bと磁化固定層55aとの間の界面で反射され、第1部分10pに流入する。磁化固定層55aの磁化と逆方向のスピンを有するスピン偏極された電子は、第1部分10pの磁化にスピントルクを作用し、第1部分10pの磁化の方向が磁化固定層55aの磁化と逆方向を向くように働く。これにより、第1部分10pの磁化は、磁化固定層55aの磁化と逆方向となる。
このように、例えば、第1書き込み電極56aと第2書き込み電極56bとの間に流れる電流(電子流)の方向により、磁性細線10の磁区15の磁化17の方向を所望の方向に制御できる。
図5(a)に表したように、読み出し部60において、第1読み出し電極66aと第2読み出し電極66bとの間に磁性細線10(この例では高導電磁性部10c)が、配置される。読み出し機能部65は、例えば、第1読み出し電極66aと磁性細線10との間に配置される。読み出し機能部65は、例えば、磁化参照層65aと、非磁性層65bと、を含む。この例では、磁化参照層65aと磁性細線10との間に非磁性層65bが配置される。磁化参照層65aの磁化は、特定の方向に向いている。
読み出し動作においては、第1読み出し電極66aと第2読み出し電極66bとの間に電流を流す。例えば、電圧を印加する。磁性細線10(この例では高導電磁性部10c)の磁区15の磁化17の方向と、磁化参照層65aの磁化の方向と、の間の相対的な角度により、第1読み出し電極66aと第2読み出し電極66bとの間の抵抗が変化する。例えば、磁性細線10(この例では高導電磁性部10c)の磁区15の磁化17の方向が、磁化参照層65aの磁化の方向に対して平行のときは、抵抗は低い。反平行のときは、抵抗は高い。
図5(b)に表したように、書き込み部50と、読み出し部60と、兼用できる。すなわち、1つの素子を書き込み部50として動作させ、または、読み出し部60として動作させることができる。
磁性細線10の高導電磁性部10cの構成の例について説明する。なお、後述するように、磁性細線10は、低導電磁性部10iを含まず、磁性細線10は、高導電磁性部10cにより形成される場合もある。このときは、以下の高導電磁性部10cに関する説明は、磁性細線10に適用できる。
高導電磁性部10cは、例えば、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む単一金属、または合金などで形成される。高導電磁性部10cには、上記の群から選択された少なくとも1つの元素を含む磁性合金を用いることができる。例えば、高導電磁性部10cに用いられる材料として、パーマロイ(NiFe合金)及びCoFe合金などが一例として挙げられる。
高導電磁性部10cには、一軸異方性定数Kuが大きく、垂直磁気異方性を示す磁性材料も必要に応じて用いることができる。異方性定数Kuが大きい材料を用いると、磁場や電流を与えていないときの磁壁幅が狭い。本実施形態において、高導電磁性部10cとして、異方性定数Kuが大きい材料を用いると、磁場を与えた場合に磁壁幅が拡大する効果が得られ易い。このような材料の例として、Fe、Co、Ni、Mn及びCrよりなる群から選択される1つ以上の元素と、Pt、Pd、Ir、Ru及びRhよりなる群から選択される1つ以上の元素と、を含む合金がある。一軸異方性定数の値は、高導電磁性部10cに含まれる磁性材料の組成や、熱処理による結晶規則性などによっても調整できる。
高導電磁性部10cには、hcp(hexagonal close-packed structure)構造(六方最密充填構造)の結晶構造を持ち、垂直磁気異方性を示す磁性材料を用いることができる。例えば、高導電磁性部10cとして、Coを主成分とする金属を含む材料を用いることができ、CoPtまたはCoPtに添加元素を加えたハード磁性材料など、hcp構造を有する他の金属を用いることもできる。また、FePtやFePtに添加元素を加えたハード磁性材料なども用いることができる。
既に説明したように、高導電磁性部10c(磁性細線10)の磁化17の方向は、細線方向に対して、実質的に垂直でも、実質的に平行でも良い。実質的に垂直である場合には、磁壁16を移動するのに要する電流値を低減できる。
高導電磁性部10cには、Co、CoPt合金、または、CoCrPt合金などを用いることができる。これらの材料においては、磁気異方性が大きく、磁気異方性の容易軸が膜面内にある。これらの材料は、hcpのc軸が膜面内にある金属結晶である。上記の材料に添加元素を加えた材料を用いても良い。
高導電磁性部10cには、Co層、CoPt層、FePt層、(Co/Ni)の積層膜、TbFe層などを用いることができる。なお、CoPtは合金で良い。これらの材料においては、hcpのc軸が膜面垂直方向に向いている。TbFe層の場合、Tbが20atomic%以上40atomic%以下である場合には、TbFe層は垂直異方性を示す。さらに、上記の材料に添加元素を加えた材料を用いても良い。
高導電磁性部10cには、希土類元素と鉄族遷移元素との合金で、垂直磁気異方性を示す材料を用いることもできる。例えば、高導電磁性部10cには、GdFe、GdCo、GdFeCo、TbFe、TbCo、TbFeCo、GdTbFe、GdTbCo、DyFe、DyCo、及び、DyFeCoの少なくともいずれかを用いることができる。
高導電磁性部10cは、上記の材料に、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Si、Bi、Ta、B、C、O、N、Pd、Pt、Zr、Ir、W、Mo、Nb及びHの少なくともいずれかの非磁性元素が添加された材料を用いることができる。これらの非磁性元素の添加により、磁気特性を調整することができる。添加により、結晶性、機械的特性または化学的特性などの各種物性を調節することができる。
磁性細線10(高導電磁性部10c)の細線方向の長さ(閉ループ10lに沿った長さ)が長いと、磁性細線10(高導電磁性部10c)は、多くの磁区15を含むことができる。全長が過度に長いと、磁性細線10の全体の電気抵抗が高くなる。磁性細線10(高導電磁性部10c)の細線方向の長さは、例えば、100nm以上10マイクロメートル(μm)以下である。
細線方向に対して垂直な平面で切断したときの磁性細線10の断面の径(直径、または、1辺の長さ)は、例えば、2ナノメートル(nm)以上〜300nm以下である。これにより、細線方向に垂直な断面内の磁化分布が生じ難くなる。
磁性細線10の閉ループ10lは、滑らかな曲線形状を有していることが好ましい。これにより、磁壁16(磁区15)が、磁性細線10中を滑らかに移動できる。
低導電磁性部10iは、例えば、磁性酸化物、磁性窒化物及び磁性酸窒化物の少なくともいずれかを含むことができる。鉄酸化物として、Fe,γ―Fe、α―Fe、または、それらに添加元素が加えられたもの、または、それらに窒化鉄や添加元素が加えられたものなどが挙げられる。CoFe、NiFe、MnFe、CrFeなども挙げられる。磁性酸化物としては、スピネル結晶構造をもつものがキュリー温度が高いものが多いので、実用的に用いやすい。また、これらは、添加元素を変えることによって、磁歪定数も変えることができるので、用いやすい。
低導電磁性部10iは、Fe、Co及びNiの少なくともいずれかを含む酸化物、Fe、Co及びNiの少なくともいずれかを含む窒化物、並びに、Fe、Co及びNiの少なくともいずれかを含む酸窒化物の少なくともいずれかを含むことができる。例えば、低導電磁性部10iは、高導電磁性部10cに用いられる材料の酸化物、窒化物及び酸窒化物の少なくともいずれかを含むことができる。これにより、磁性細線中に電流が流れないようにした絶縁物材料を用いながら、磁歪が大きい磁性材料を実現できるので、圧力印加によって磁壁を移動させることがより容易になる。
低導電磁性部10iの磁歪定数(λs)の絶対値は、10−5以上であることが好ましい。これにより、応力印加部20よって印加される応力により、低導電磁性部10iに歪が効率的に生じ、低導電磁性部10iにおける磁区15が効率的に移動できる。磁歪定数(λs)は、外部磁界を印加して強磁性層をある方向に飽和磁化させたときの形状変化の大きさを示す。外部磁界がない状態で長さLであるときに、外部磁界が印加されたときにΔLだけ変化したとすると、磁歪定数λsは、ΔL/Lで表される。この変化量は外部磁界の大きさによって変わるが、磁歪定数λsは、十分な外部磁界が印加され、磁化が飽和された状態のΔL/Lとしてあらわす。低導電磁性部10iの磁歪定数の絶対値は、10−2以下が好ましい。この値は、磁歪効果を生じる材料として知られている値の上限である。
図6は、第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図6に表したように、本実施形態に係る磁気記憶素子111においては、応力印加部20の第1駆動電極21eは、磁性細線10が延在する平面に対して垂直な方向に沿って、第2駆動電極22eと対向する。これ以外は、磁気記憶素子110と同様であるので説明を省略する。
図7は、第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図7に表したように、本実施形態に係る磁気記憶素子112においては、磁性細線10の閉ループ10lは、角が丸い矩形状の形状を有する。そして、高導電磁性部10cは、第1方向に沿って延在する部分を有する第1辺部s1と、第1方向に沿って延在する部分を有する第1辺部s1と離間する第2辺部s2と、第1辺部s1の一端と第2辺部s2の一端とに接続され、第1方向に対して垂直な第2方向に延在する部分を有する第3辺部s3と、を有している。第1辺部s1と第3辺部s3との連結部分の形状は曲線状であり、第2辺部s2と第3辺部s3との連結部分の形状は曲線状である。高導電磁性部10cは、例えばU字状の形状を有する。
低導電磁性部10iは、第1辺部s1の他端(一端部10aに相当する)と、第2辺部s2の他端(他端部10bに相当する)と、に接続されている。低導電磁性部10iは、例えば、第2方向に延在する部分を有している。
第1電極11aは、第1辺部s1の他端(一端部10aに相当する)に接続されている。第2電極11bは、第2辺部s2の他端(他端部10bに相当する)に接続されている。
この例では、応力印加部20の第1駆動電極21eは、磁性細線10が延在する平面(第1方向と第2方向とを含む平面)に対して垂直な方向(第3方向)に沿って、第2駆動電極22eと対向する。これ以外は、磁気記憶素子110と同様であるので説明を省略する。
磁気記憶素子111及び112によっても、安定した動作が可能な磁気記憶素子が提供できる。
図8は、第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図8に表したように、本実施形態に係る磁気記憶素子113においては、磁性細線10の高導電磁性部10cの一端部10aは、他端部10bと重なる部分を有している。一端部10aは、一端部10aを通り閉ループ10lの内側から閉ループ10lの外側に向く方向A1に対して垂直な平面に投影したときに、他端部10bと重なる部分を有している。そして、低導電磁性部10iは、一端部10aのうちの上記の重なる部分と、他端部10bとの間に配置される。
この例では、磁性細線10の閉ループ10lの一部の経路l1は、低導電磁性部10iの膜面に対して垂直方向に沿う。
この例では、応力印加部20の第1駆動電極21eは、磁性細線10の閉ループ10lの上記の一部の経路l1に対して垂直な方向に沿って、第2駆動電極22eと対向する。これ以外は、磁気記憶素子110と同様であるので説明を省略する。
磁気記憶素子113においては、低導電磁性部10iと高導電磁性部10cとにおける磁気的結合が、低導電磁性部10iの膜面と高導電磁性部10cの膜面との間において行われる。膜面においては、磁壁16(磁区15)の良好な状態において、磁気的結合が行われる。これにより、低導電磁性部10iと高導電磁性部10cとの間において、磁壁16(磁区15)の移動がよりスムーズになる。磁気記憶素子113によっても、安定した動作が可能な磁気記憶素子が提供できる。
この例において、例えば、磁性細線10の一端部10aの厚さを他端部10bの厚さよりも薄くすることができる。これにより、低導電磁性部10iを介した磁化方向の転写に非対称性が形成され、他端部10bから一端部10aへの一方向の転写を実現することができる。また、この場合、磁性細線10中の電流駆動磁壁移動に関しては、一端部10aから他端部10bに向かう方向に移動するように電流の向きを設定することにより、閉ループ10l内の磁壁移動方向は一方向に決まる。
図9は、第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図9に表したように、本実施形態に係る磁気記憶素子114においては、第1電極11aは、一端部10aを通り閉ループ10lの内側から閉ループ10lの外側に向く方向A1に対して垂直な平面に投影したときに、第2電極11bと重ならない。
例えば、高導電磁性部10cにおいて、磁性変質層を設ける。例えば、一端部10aは、他端部10bよりも小さい飽和磁化Ms、及び、他端部10bよりも小さい一軸異方性定数Kuの少なくともいずれかを有するようにする。一端部10aと他端部10bとにおいて、飽和磁化Ms及び一軸異方性定数Kuの少なくともいずれかに関しての非対称性を設ける。磁性変質層は、例えば、イオン注入または拡散などにより形成できる。
他端部10bにおける磁化方向が、強磁性結合、または、反強磁性結合により、一端部10aに転写される。一端部10aの磁化情報は、上記の非対称性により、他端部10bに転写されにくい。例えば、第1電極11aから電流流を注入し、第2電極11bから電子流を流れ出させる。電子流を流したときに、上記の磁気結合により、一端部10aの磁化17の方向が電子流によって効率的に反転し、磁化17の方向は、磁性細線10中を転送される。磁気記憶素子114においては、より安定した動作が可能になる。
図10(a)〜図10(c)は、第1の実施形態に係る磁気記憶素子の一部の構成を例示する模式的斜視図である。
これらの図は、応力印加部20の構成の例を示している。
図10(a)に表したように、1つの例の応力印加部20においては、第1圧電材料層21pの厚さは、低導電磁性部10iと第1圧電材料層21pとの界面に対して垂直な平面内において、変化する。第1圧電材料層21pにおいて、生じる応力が変化する。この構成により、磁壁16の移動に方向性を付与し易くなる。この例では、第2圧電材料層22pの厚さは、低導電磁性部10iと第2圧電材料層22pとの界面に対して垂直な平面内において、変化する。これにより、磁壁16の移動に方向性をさらに付与し易くなる。
図10(b)に表したように、1つの例の応力印加部20においては、第1駆動電極21eは、第1圧電材料層21pの一部に接する。すなわち、第1圧電材料層21pは、第1駆動電極21eと接する部分と、接していない部分と、を有する。例えば、第1圧電材料層21pの一部に外部電圧を印加して応力を発生させ、その他の部分においては、発生する弾性波を利用する。この構成により、磁壁16の移動に方向性を付与し易くなる。この例では、第2駆動電極22eは、第2圧電材料層22pの一部に接する。これにより、磁壁16の移動に方向性をさらに付与し易くなる。
図10(c)に表したように、1つの例の応力印加部20においては、第1駆動電極21eは、複数の要素電極25a〜25cを有する。複数の第1駆動電極21eが設けられると見なしても良い。複数の要素電極25a〜25cに電圧を印加するタイミングをシフトさせる。この構成により、磁壁16の移動に方向性を付与し易くなる。この例では、第2駆動電極22eは、複数の要素電極26a〜26cを有する。複数の第2駆動電極22eが設けられると見なしても良い。これにより、磁壁16の移動に方向性をさらに付与し易くなる。
図11は、第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図11に表したように、実施形態に係る磁気記憶素子115においては、基板5が設けられる。そして、複数の磁性細線10と、複数の第1電極11aと、複数の第2電極11bと、複数の応力印加部20と、複数の記録再生部58と、が、基板5の上に設けられている。複数の磁性細線10を設けることで、記憶容量が増大する。この構成においては、外部圧力を印加するために、複数の磁性細線に対して一対の電極が設けられる。つまり、図11に例示した構成は、図1、図2、図6、図7、図8及び図9に例示したような1つの閉回路の磁性細線に対して一対の圧力印加電極が設けられる構成と比べて、この電極には大きな面積を必要としない。このため、メモリとしての密度を上げやすくなる。このように、複数磁性細線のブロックごとに一斉に圧力印加を加える機構は、メモリ密度を向上させるという観点で有効な構成である。
図12は、第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図12に表したように、実施形態に係る磁気記憶素子116においては、複数の磁性細線10と、複数の第1電極11aと、複数の第2電極11bと、複数の記録再生部58と、が、基板5の上に設けられている。この例では、1つの応力印加部20が設けられる。1つの応力印加部20が、複数の磁性細線10(この例では、低導電磁性部10i)に応力を印加する。
この例も、図11に例示した構成と同様に、複数の磁性細線に対して一対の電極が設けられる構成なので、メモリ密度を向上させやすい。
図13(a)〜図13(c)は、第1の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図13(a)〜図13(c)に表したように、実施形態に係る磁気記憶素子116a〜116cにおいては、複数の磁性細線10と、複数の第1電極11aと、複数の第2電極11bと、複数の記録再生部58と、が、基板5の上に設けられている。1つの応力印加部20が、複数の磁性細線10(この例では、低導電磁性部10i)に応力を印加する。
この例も、図11及び図12と同様に、複数の磁性細線に対して一対の電極が設けられる構成を形成しているので、メモリ密度を向上させやすい。磁気記憶素子116a〜116cにおいても、圧電材料に対して、磁壁移動のために方向性をもたせて、電圧を印加できる。例えば、図13(c)に示した例おいて、平行に配置された複数の電極(第1駆動電極e1)に対して、交互に異なる電圧を与えることができる。このような場合であっても、磁性細線のそれぞれに一対の電極を設ける場合と比較すると、複数磁性細線の全体に対する電極の数が減少できるので、メモリ密度が上げやすくなる。
磁気記憶素子116aにおいては、応力印加部20の第1駆動電極21eの数は、1つである。磁気記憶素子116b及び116cにおいては、応力印加部20の第1駆動電極21eの数は、3つである。第1駆動電極21eは、複数設けることができる。磁気記憶素子116bにおいては、複数の第1駆動電極21eのそれぞれは、複数の磁性細線10の延在方向を含む平面に沿って延在する。磁気記憶素子116cにおいては、複数の第1駆動電極21eのそれぞれは、複数の磁性細線10の延在方向を含む平面に対して直交する方向に沿って延在する。
磁気記憶素子115、116、及び、116a〜116cによっても、安定した動作が可能な磁気記憶素子が提供できる。
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態に係る磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。 図14に表したように、本実施形態に係る磁気記憶素子120は、磁性細線10と、応力印加部20と、記録再生部58と、を含む。この例では、磁性細線10には、低導電磁性部10iは設けられない。磁性細線10は、高導電磁性部10cにより形成される。磁性細線10は、閉ループ10lである。
応力印加部20により応力が印加されると、磁性細線10おける磁化に逆磁歪効果が生じ、これにより磁性細線10(高導電磁性部10c)における磁化方向が変化する。この磁化方向変化を生じさせる応力印加が磁性細線10に沿って行われることで、磁壁が磁性細線10に沿って移動させることが可能となる。
応力印加部20は、第1駆動電極21eと、第1圧電材料層21pと、を含む。第1駆動電極21eは、磁性細線10に沿って設けられる。第1圧電材料層21pは、第1駆動電極21eと磁性細線10との間に設けられる。例えば、第1圧電材料層21pは、閉ループ10lの全体に沿って磁性細線10に接する。これ以外の構成は磁気記憶素子110と同様なので説明を省略する。
この例では、第1駆動電極21eと磁性細線10(高導電磁性部10c)とは、応力印加回路20cに電気的に接続される。第1駆動電極21eと磁性細線10との間に電圧を印加して、第1圧電材料層21pに電圧を印加する。第1圧電材料層21pにより応力が磁性細線10に印加される。これにより、磁性細線10の磁壁16が磁性細線10の閉ループ10lに沿って磁性細線10中を移動して、周回する。
この場合も、記録再生部58は、磁壁16の周回に伴って周回している磁区15の磁化17の向きを変化させて記憶情報を書き込み、周回している磁区15の磁化17の向きを検出し書き込まれた記憶情報を読み出す。
本実施形態によっても、安定した動作が可能な磁気記憶素子を提供できる。
本実施形態においては、例えば、磁性細線10には電流を通電しない。磁性細線10に印加する応力により、磁壁16を移動させる。磁壁16の移動に電流を用いず、応力印加部20に供給する電圧を用いる。これにより、消費電力を低くすることができる。また、構成が簡単であり、記憶密度を増大し易い。
磁気記憶素子120における磁性細線10(高導電磁性部10c)、応力印加部20及び記録再生部58には、第1の実施形態に関して説明した構成を適用できる。
図15は、第2の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図15に表したように、本実施形態に係る磁気記憶素子121においては、応力印加部20は、第2駆動電極22eと、第2圧電材料層22pと、をさらに含む。第2駆動電極22eは、磁性細線10に沿って設けられる。第1駆動電極21eと第2駆動電極22eとの間に磁性細線10が配置される。第2圧電材料層22pは、第2駆動電極22eと磁性細線10との間に設けられる。この場合には、第1駆動電極21eと第2駆動電極22eとが、応力印加回路20cに電気的に接続される。第1駆動電極21eと第2駆動電極22eとの間に電圧を印加して、第1圧電材料層21p及び第2圧電材料層22pに電圧を印加する。第1圧電材料層21p及び第2圧電材料層22pにより、磁性細線10に応力を印加する。これにより、磁性細線10の磁壁16が磁性細線10の閉ループ10lに沿って磁性細線10中を移動して、周回する。この例において、磁性細線10を応力印加回路20cにさらに接続し、所望の電圧を第1圧電材料層21pと第2圧電材料層22pとに独立して印加しても良い。
磁気記憶素子121によっても、安定した動作が可能な磁気記憶素子を提供できる。
図16は、第2の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図16に表したように、本実施形態に係る磁気記憶素子122においては、基板5が設けられる。複数の磁性細線10と複数の記録再生部58(図16では省略)とが、基板5の上に設けられる。この例では、1つの応力印加部20が設けられる。応力印加部20の第1駆動電極21eと第2駆動電極22eとの間に、複数の磁性細線10が配置される。複数の磁性細線10どうしの間に、圧電材料層20pが配置される。応力印加部20は、複数の磁性細線10に応力を印加する。
磁気記憶素子121によっても、安定した動作が可能な磁気記憶素子を提供できる。複数の磁性細線10を設けることで、記憶容量が増大する。
図17は、第2の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図17に表したように、本実施形態に係る別の磁気記憶素子123は、磁性細線10と、応力印加部20と、記録再生部58と、を含む。この例では、磁性細線10には、高導電磁性部10cは設けられない。磁性細線10は、低導電磁性部10iにより形成される。磁性細線10は、閉ループ10lである。
この場合も、応力印加部20により応力が印加されると、磁性細線10における磁化に逆磁歪効果が生じ、これにより磁性細線10(低導電磁性部10i)における磁化方向が変化する。この磁化方向変化を生じさせる応力印加が磁性細線10に沿って行われることで、磁壁が磁性細線10に沿って移動させることが可能となる。
この場合も、記録再生部58は、磁壁16の周回に伴って周回している磁区15の磁化17の向きを変化させて記憶情報を書き込み、周回している磁区15の磁化17の向きを検出し書き込まれた記憶情報を読み出す。
本実施形態によっても、安定した動作が可能な磁気記憶素子を提供できる。
本実施形態においては、例えば、磁性細線10には電流を通電しない。磁性細線10に印加する応力により、磁壁16を移動させる。磁壁16の移動に電流を用いず、応力印加部20に供給する電圧を用いる。これにより、消費電力を低くすることができる。また、構成が簡単であり、記憶密度を増大し易い。
図18は、第2の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図18に表したように、本実施形態に係る磁気記憶素子124においても、磁性細線10は、低導電磁性部10iにより形成される。応力印加部20は、第2駆動電極22eと、第2圧電材料層22pと、をさらに含む。第2駆動電極22eは、磁性細線10に沿って設けられる。第1駆動電極21eと第2駆動電極22eとの間に磁性細線10が配置される。第2圧電材料層22pは、第2駆動電極22eと磁性細線10との間に設けられる。
磁気記憶素子124によっても、安定した動作が可能な磁気記憶素子を提供できる。
図19は、第2の実施形態に係る別の磁気記憶素子の構成を例示する模式的斜視図である。
図19に表したように、本実施形態に係る磁気記憶素子125においても、磁性細線10は、低導電磁性部10iにより形成される。これ例においても、基板5が設けられる。複数の磁性細線10と複数の記録再生部58(図19では省略)とが、基板5の上に設けられる。この例では、1つの応力印加部20が設けられる。応力印加部20の第1駆動電極21eと第2駆動電極22eとの間に、複数の磁性細線10が配置される。複数の磁性細線10どうしの間に、圧電材料層20pが配置される。応力印加部20は、複数の磁性細線10に応力を印加する。
磁気記憶素子125によっても、安定した動作が可能な磁気記憶素子を提供できる。複数の磁性細線10を設けることで、記憶容量が増大する。
(第3の実施形態)
図20は、第3の実施形態に係る磁気記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図20に表したように、本実施形態に係る磁気記憶装置280は、複数の磁気記憶素子を含む。この例では、磁気記憶素子として、第1の実施形態に関して説明した磁気記憶素子110が用いられている。実施形態はこれに限らず、第1及び第2実施形態に関して説明し任意の磁気記憶素子及びその変形を用いることができる。
磁気記憶装置280によれば、安定した動作が可能な磁気記憶装置を提供できる。
図21は、第3の実施形態に係る別の磁気記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図21に表したように、本実施形態に係る磁気メモリ285において、図20に関して説明した磁気記憶装置280を複数含む。磁気記憶装置280は、1ブロックとなる。複数の磁気記憶装置280は、列方向または行方向に沿って並ぶ。ブロックの下層に、図示しないトランジスタが配置される。
図22は、第3の実施形態に係る別の磁気記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図22に表したように、磁気メモリ285は、メモリセルアレイ300を含む。メモリセルアレイ300は、マトリクス状に配列された複数のメモリセルを有する。メモリセルは、例えば、磁気記憶素子110とスイッチング素子320と、を含む。メモリセルは、第1及び第2実施形態に係る任意の磁気記憶素子及びその変形を含む。
メモリセルアレイ300には、各行に設けられたワード線WL1〜WLmと、各列に設けられた情報読み出し用ビット線BL1〜BLnと、が設けられている。
ワード線WL1〜WLmは、各配線を選択するデコーダ及び書き込み回路等を有する駆動回路410A、410Bに接続されている。また、ビット線BL1〜BLnは、各配線を選択するデコーダ及び読み出し回路等を備えて駆動回路420A、420Bに接続されている。
図22においては、磁気記憶素子110の記録再生部58を省略して、図示していない。記録再生部58の一端は、例えば、図示しない書き込み選択用のスイッチング素子に接続される。記録再生部58の他端は、図示しない電流源に接続される。
複数のメモリセルに対して1個の記録再生部58を設けてもよい。この場合は、集積度を高めることができる。また、各メモリセルに1個の記録再生部58を設けた場合は、データの転送速度を高めることができる。
実施形態によれば、安定した動作が可能な磁気記憶素子、磁気メモリ及び磁気記憶装置が提供できる。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気記憶素子、磁気記憶装置及び磁気メモリに含まれる磁性細線、高導電磁性部、低導電磁性部、応力印加部、駆動電極、圧電材料層、記録再生部、書き込み部及び読み出し部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気記憶素子、磁気記憶装置及び磁気メモリを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気記憶素子、磁気記憶装置及び磁気メモリも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
5…基板、 10…磁性細線、 10a…一端部、 10b…他端部、 10c…高導電磁性部、 10el…電流、 10i…低導電磁性部、 10l…閉ループ、 10mg…磁気的閉ループ、 10p…第1部分、 10q…第2部分、 10r…一部、 10s…他部、 11a…第1電極、 11b…第2部分、 11c…スピン注入回路、 12a、12b…絶縁層、 15…磁区、 16…磁壁、 17…磁化、 20…応力印加部、 20c…応力印加回路、 20p…圧電材料層、 21e…第1駆動電極、 21p…第1圧電材料層、 22e…第2駆動電極、 22p…第2圧電材料層、 25a〜25c…要素電極、 26a〜26c…要素電極、 50…書き込み回路、 50c…データ書き込み回路、 55…書き込み機能部、 55a…磁化固定層、 55b…非磁性層、 56a…第1書き込み電極、 56b…第2書き込み電極、 58…記録再生部、 60…読み出し回路、 60c…データ読み出し回路、 65…読み出し機能部、 65a…磁化参照層、 65b…非磁性層、 66a…第1読み出し電極、 66b…第2読み出し電極、 110〜116、116a〜116c、120〜125…磁気記憶素子、 280…磁気記憶装置、 285…磁気メモリ、 300…メモリセルアレイ、 320…スイッチング素子、 410A、420A…駆動回路、 A1…方向、 BL1〜BLn…ビット線、 WL1〜WLm…ワード線、 drw…距離、 l1…経路、 s1〜s3…第1〜第3辺部

Claims (21)

  1. 磁壁により区分された複数の磁区を含む閉ループの磁性細線と、
    前記磁壁を移動させる応力を前記磁性細線に印加して前記磁壁を前記閉ループに沿って複数回周回させる応力印加部と、
    前記磁壁の周回に伴って前記周回している前記磁区の磁化の向きを変化させて記憶情報を書き込み、前記周回している前記磁区の前記磁化の向きを検出し書き込まれた記憶情報を読み出す記録再生部と、
    を備えた磁気記憶素子。
  2. 第1電極と、
    第2電極と、
    をさらに備え、
    前記磁性細線は、
    一端部と他端部とを有し、前記一端部と前記他端部との間で前記閉ループの一部に沿って延在する高導電磁性部と、
    前記閉ループの他部に沿って延在し前記一端部と前記他端部とを接続し前記応力印加部により前記応力が印加され前記高導電磁性部の導電性よりも低い導電性を有する低導電磁性部と、
    を含み、
    前記第1電極は前記一端部に電気的に接続され、
    前記第2電極は前記他端部に電気的に接続される請求項1記載の磁気記憶素子。
  3. 前記低導電磁性部は、前記高導電磁性部と磁気的に結合している請求項記載の磁気記憶素子。
  4. 前記低導電磁性部は、磁性酸化物、磁性窒化物及び磁性酸窒化物の少なくともいずれかを含む請求項またはに記載の磁気記憶素子。
  5. 前記低導電磁性部は、Fe、Co及びNiの少なくともいずれかを含む酸化物、Fe、Co及びNiの少なくともいずれかを含む窒化物、並びに、Fe、Co及びNiの少なくともいずれかを含む酸窒化物の少なくともいずれかを含む請求項のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  6. 前記低導電磁性部の磁歪定数の絶対値は、10−5以上10−2以下である請求項のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  7. 前記応力印加部は、前記低導電磁性部に接する請求項のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  8. 前記応力印加部は、
    第1駆動電極と、
    前記第1駆動電極と前記低導電磁性部との間に設けられた第1圧電材料層と、
    を含む請求項のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  9. 前記応力印加部は、
    第2駆動電極であって、前記第1駆動電極と前記第2駆動電極との間に前記低導電磁性部が配置される第2駆動電極と、
    前記第2駆動電極と前記低導電磁性部との間に設けられた第2圧電材料層と、
    をさらに含む請求項記載の磁気記憶素子。
  10. 前記第1圧電材料層の厚さは、前記低導電磁性部と前記第2圧電材料層との界面に対して垂直な平面内において変化する請求項記載の磁気記憶素子。
  11. 前記応力印加部は、
    前記磁性細線に沿って設けられた第1駆動電極と、
    前記第1駆動電極と前記磁性細線との間に設けられた第1圧電材料層と、
    を含む請求項1記載の磁気記憶素子。
  12. 前記応力印加部は、
    前記磁性細線に沿って設けられた第2駆動電極であって、前記第1駆動電極と前記第2駆動電極との間に前記磁性細線が配置される第2駆動電極と、
    前記第2駆動電極と前記磁性細線との間に設けられた第2圧電材料層と、
    をさらに含む請求項1記載の磁気記憶素子。
  13. 前記第1駆動電極は、前記第1圧電材料層の一部に接する請求項〜1のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  14. 前記磁性細線は、第1部分と第2部分とを有し、
    前記記録再生部は、
    前記周回している前記磁区の磁化の向きを前記第1部分において変化させて記憶情報を書き込む書き込み部と、
    前記周回している前記磁区の前記磁化の向きを前記第2部分において検出し書き込まれた記憶情報を読み出す読み出し部と、
    を含む請求項1〜1のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  15. 前記第2部分の前記閉ループにおける位置から、前記第1部分の前記閉ループにおける位置までの、前記磁壁の移動の方向に沿った前記閉ループ上の距離は、drw(メートル)であり、
    前記磁区の前記移動の前記閉ループに沿った速度は、v(メートル/秒)であり、
    前記書き込み部は、前記読み出し部が前記読み出し動作を実施してからdrw/v(秒)後に書き込み動作を実施する請求項1記載の磁気記憶素子。
  16. 複数の前記磁性細線が設けられ、
    応力印加部は、前記複数の磁性細線に前記応力を印加する請求項1〜1のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  17. 前記応力印加部は、PZT(Pb(Zr,Ti)O)、AlN、PLZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、KNbO、ZnO、SiO、LiNbO、LaGaSiO14、KNaC・4HO、及び、Liの少なくともいずれかを含む請求項1〜1のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  18. 磁壁により区分された複数の磁区を含む閉ループの磁性細線と、
    前記磁壁を移動させる応力を前記磁性細線に印加して前記磁壁を前記閉ループに沿って複数回周回させる応力印加部と、
    前記磁壁の周回に伴って前記周回している前記磁区の磁化の向きを変化させて記憶情報を書き込み、前記周回している前記磁区の前記磁化の向きを検出し書き込まれた記憶情報を読み出す記録再生部と、
    第1電極と、
    第2電極と、
    を備え、
    前記磁性細線は、
    一端部と他端部とを有し、前記一端部と前記他端部との間で前記閉ループの一部に沿って延在する高導電磁性部と、
    前記閉ループの他部に沿って延在し前記一端部と前記他端部とを接続し前記応力印加部により前記応力が印加され前記高導電磁性部の導電性よりも低い導電性を有する低導電磁性部と、
    を含み、
    前記第1電極は前記一端部に電気的に接続され、
    前記第2電極は前記他端部に電気的に接続され、
    前記一端部は、前記他端部と重なる部分を有し、
    前記低導電磁性部は、前記重なる部分と前記他端部との間に配置される磁気記憶素子。
  19. 前記第1電極は、前記第2電極と重ならない請求項1記載の磁気記憶素子。
  20. 請求項1〜19のいずれか1つに記載の磁気記憶素子を複数備えた磁気記憶装置。
  21. 請求項2記載の磁気記憶装置を複数備えた磁気メモリ。
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