JP5651928B2 - 固体撮像素子、撮像装置 - Google Patents
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Description
一般的に、バスラインは、アルミニウム等の金属で形成される。
図10及び図11に示すように、半導体基板61の素子分離層62以外の部分の表面付近に、水平転送レジスタ63が形成されている。半導体基板61の上には、ゲート絶縁膜64を介して、多結晶シリコンから成る水平転送電極65が形成されている。水平転送電極65は、1つ置きに、第1相の水平転送パルスφH1と第2相の水平転送パルスφH2とが印加される。
図10において、水平転送レジスタ63の下方に、第2相の水平転送パルスφH2を供給するバスライン68が配置され、さらにその下方に、第1相の水平転送パルスφH1を供給するバスライン67が配置されている。これらのバスライン67,68は、コンタクト部66によって、水平転送電極65に電気的に接続されている。
水平転送レジスタ63の上には、水平転送電極65の上方を覆って、遮光膜69が形成されている。
また、接続専用の領域まで水平転送電極65を伸ばすことによって、水平転送電極65同士間や水平転送電極65と遮光膜69との間で負荷容量が増大し、水平転送レジスタ63上の部分の水平転送電極65からバスライン67,68までの抵抗が大きくなる。
従って、水平転送駆動パルスが鈍化し、水平電荷転送の高速化や低消費電力化が困難になるとともに、水平転送の劣化に繋がる可能性がある。
水平CCDレジスタのチャネル上、即ち活性領域上において金属からなるバスラインと多結晶シリコンからなる水平転送電極とを接続させる技術である。
そのため、ポテンシャルシフトを生じないように、水平転送電極とバスラインとを接続することが求められる。
さらに、水平転送電極とバスラインとを接続するコンタクト部において、水平転送電極とバスラインとの界面付近に、水平転送電極の多結晶シリコン層の仕事関数及びバスラインの金属層の仕事関数の間の大きさの仕事関数を有するバリアメタル層が形成されている。これにより、バスラインが水平転送レジスタ上に形成されていても、ポテンシャルシフトが発生しないようにすることが可能になる。
また、転送電極の負荷容量を低減することができるので、電荷転送を高速化したり、消費電力を低減したりすることが可能になる。
さらにまた、本発明によれば、ポテンシャルシフトが発生しないようにすることが可能になるため、信号電荷の転送の劣化を防いで、信号電荷の転送を良好に行うことが可能になる。即ち、固体撮像素子で得られる画像の画質を良好にすることができる。
また、固体撮像素子の電荷転送を高速化して、撮像装置の動作を高速化することや、撮像装置の消費電力を低減することが可能になる。
さらに、固体撮像素子の信号電荷の転送を良好に行って、撮像装置で得られる画像の画質を良好にすることができる。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.固体撮像素子の第1の実施の形態
2.固体撮像素子の第2の実施の形態
3.固体撮像素子の第3の実施の形態
4.固体撮像素子の第4の実施の形態
5.変形例
6.撮像装置の実施の形態
本発明の固体撮像素子の第1の実施の形態の概略構成図(平面図)を、図1に示す。
本実施の形態は、本発明の固体撮像素子をCCD固体撮像素子に適用したものである。
このCCD固体撮像素子1は、画素を構成し、例えばフォトダイオードからなり、光電変換が行われる、複数個の受光部2が、マトリクス状に配置されて構成されている。
各列の受光部2の左側に、垂直方向Vに延びる垂直転送レジスタ3が配置され、この垂直転送レジスタ3の一端(下端)に、水平方向Hに延びる水平転送レジスタ4が接続されている。水平転送レジスタ4の左端には、出力アンプ5と出力端子6が接続されている。
図3に示すように、シリコン基板又は基板上のシリコン層から成る半導体基体11の素子分離層12以外の部分の表面付近に、水平転送レジスタ4が形成されている。この水平転送レジスタ4は、具体的には、半導体基体11に形成された不純物領域による転送チャネル領域によって構成される。
半導体基体11の上には、ゲート絶縁膜13を介して、多結晶シリコンから成る水平転送電極14が形成されている。そして、水平転送レジスタ4と、その上方の水平転送電極14とにより、水平転送部が構成される。
なお、図3の水平転送レジスタ4よりも右側には、図示しないが、垂直転送部の垂直転送レジスタ3及び垂直転送電極が設けられている。垂直転送レジスタ3及び受光部1のフォトダイオードも、半導体基体11内に形成されている。
これらのバスライン16,17は、金属配線層により形成され、水平転送レジスタ4と並行するように水平方向Hに延びて形成されている。
バスライン16,17を形成する金属配線層の材料としては、例えば、アルミニウム、タングステン、銅等を使用することができる。なお、その他の金属元素や合金をバスライン16,17に使用しても構わない。
これにより、図10及び図11に示した、水平転送レジスタの外部にバスライン及びコンタクト部を配置した構成のように水平転送電極とバスラインとを接続する専用の領域を設ける必要がなくなる。
この遮光膜18としては、例えば、タングステンやアルミニウムを使用することができる。
図10及び図11に示した構成では、バスラインと同じ層の金属層により遮光膜を形成していたが、本実施の形態では、バスライン16,17の間にスリット状の隙間がある。そのため、本実施の形態では、このスリット状の隙間を埋めるために、バスライン16,17よりも下層の金属層により遮光膜18を形成している。
このように遮光膜18を形成していることにより、水平転送レジスタ4内に光が入射して信号電荷が変化することを、防止することができる。
これらの材料の仕事関数は、バスライン16,17の金属配線層と、水平転送電極14の多結晶シリコン層との、各仕事関数の間の大きさである。
また、これらの材料以外であっても、バスライン16,17の金属配線層と、水平転送電極14の多結晶シリコン層との、各仕事関数の間の大きさの仕事関数を有する材料であれば、同様に使用することが可能である。
まず、従来の構成の場合と同様に、水平転送電極14の多結晶シリコン層をパターニングして、水平転送電極14を形成する。
その後、水平転送電極14を、絶縁層で覆う。
次に、コンタクト部15となる部分の絶縁層をエッチングにより除去して、絶縁層に水平転送電極14に達する穴を形成する。
次に、スパッタリング等により、バリアメタル層21の材料(TiN,TiW,WN,TaN等)の膜を成膜する。これにより、穴の底部においては、水平転送電極14に接してバリアメタル層21が形成される。
次に、バスライン16,17となる金属配線層を、穴の内部を埋めて全面的に形成する。
次に、金属配線層をパターニングして、バスライン16,17を形成する。このパターニングの際に、バスライン16,17よりも外側の絶縁層上の不要なバリアメタル層も除去する。
このようにして、コンタクト部15において、水平転送電極14とバスライン16,17との間に、バリアメタル層21を形成することができる。
なお、上述した方法以外の方法を用いて、バリアメタル層21を形成しても構わない。
これにより、水平転送レジスタ4におけるポテンシャルシフトの発生を抑制することができるので、水平転送レジスタ4において、信号電荷の転送劣化を防いで、信号電荷の転送を良好に行うことが可能になる。即ち、CCD固体撮像素子1で得られる画像の画質を良好にすることができる。
これにより、CCD固体撮像素子1の面積を低減することができるため、CCD固体撮像素子1のチップの大きさを低減することが可能となる。このため、理収即ち、ウエハ1枚から得られるCCD固体撮像素子1のチップの個数を増やすことが可能となる。
しかも、水平転送電極14を水平転送レジスタ4の外部にまで延長する必要がなくなるため、水平転送電極14の負荷容量を低減することができる。このため、水平転送レジスタ4における信号電荷の転送を高速化したり、CCD固体撮像素子1の消費電力を低減したりすることが可能になる。
これに対して、例えば、コンタクト部15の周囲に開口を有し、コンタクト部15及びその周囲を除いた水平転送電極14上全体に、遮光膜18を形成するようにしても構わない。この場合、例えば、遮光膜の開口の大きさを、コンタクト部15の大きさよりも数μm程度大きくする。
本発明の固体撮像素子の第2の実施の形態の概略構成図(要部の拡大平面図)を、図4に示す。また、図4のB−B´における断面図を、図5に示す。
なお、概略平面図は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態も、本発明の固体撮像素子をCCD固体撮像素子に適用したものである。
これらのバスライン22,23は、金属配線層により形成され、水平転送レジスタ4と並行するように水平方向Hに延びて形成されている。
バスライン22,23を形成する金属配線層の材料としては、例えば、アルミニウム、タングステン、銅等を使用することができる。なお、その他の金属元素や合金をバスライン22,23に使用しても構わない。
これにより、図10及び図11に示した、水平転送レジスタの外部にバスライン及びコンタクト部を配置した構成のように水平転送電極とバスラインとを接続する専用の領域を設ける必要がなくなる。
従って、金属層を全面に形成して、パターニングすることにより、水平転送レジスタ4用のバスライン22,23と、垂直転送レジスタ3用の金属層(遮光膜又は配線層等)とを、同時に形成することができる。
バリアメタル層21としては、例えば、チタンナイトライド(TiN)、チタンタングステン(TiW)、タングステンナイトライド(WN)、タンタルナイトライド(TaN)等を使用することができる。これらの材料の仕事関数は、バスライン22,23の金属配線層と、水平転送電極14の多結晶シリコン層との、各仕事関数の間の大きさである。
また、これらの材料以外であっても、バスライン22,23の金属配線層と、水平転送電極14の多結晶シリコン層との、各仕事関数の間の大きさの仕事関数を有する材料であれば、同様に使用することが可能である。
これにより、第1の実施の形態と同様に、水平転送レジスタ4におけるポテンシャルシフトの発生を、抑制することができるので、水平転送レジスタ4において、信号電荷の転送劣化を防いで、信号電荷の転送を良好に行うことが可能になる。即ち、CCD固体撮像素子で得られる画像の画質を良好にすることができる。
これにより、第1の実施の形態と同様に、CCD固体撮像素子のチップの大きさを低減することが可能となり、理収即ち、ウエハ1枚から得られるCCD固体撮像素子のチップの個数を増やすことが可能となる。また、水平転送電極14の負荷容量を低減することができるため、水平転送レジスタ4における信号電荷の転送を高速化したり、CCD固体撮像素子の消費電力を低減したりすることが可能になる。
本発明の固体撮像素子の第3の実施の形態の概略構成図(要部の拡大平面図)を、図6に示す。また、図6のC−C´における断面図を、図7に示す。
なお、概略平面図は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態も、本発明の固体撮像素子をCCD固体撮像素子に適用したものである。
これらのバスライン22,24は、金属配線層により形成され、水平転送レジスタ4と並行するように水平方向Hに延びて形成されている。
バスライン22,24を形成する金属配線層の材料としては、例えば、アルミニウム、タングステン、銅等を使用することができる。なお、その他の金属元素や合金をバスライン22,24に使用しても構わない。
これにより、図10及び図11に示した、水平転送レジスタの外部にバスライン及びコンタクト部を配置した構成のように水平転送電極とバスラインとを接続する専用の領域を設ける必要がなくなる。
従って、金属層を全面に形成して、パターニングすることにより、水平転送レジスタ4用の第1相の水平転送パルスφH1を供給するバスライン22と、垂直転送レジスタ3用の金属層(遮光膜又は配線層等)とを、同時に形成することができる。
開口22Aの大きさは、例えば、バスライン24と水平転送電極14とのコンタクト部15の大きさよりも、数μm程度大きく形成する。
そして、本実施の形態では、2つのバスライン22,24によって、水平転送レジスタ4用の遮光膜を兼ねている。特に上層のバスライン24には、水平転送レジスタ4上に隙間がないので、他に遮光膜を設けなくても、2つのバスライン22,24によって充分に遮光することができる。
バリアメタル層21としては、例えば、チタンナイトライド(TiN)、チタンタングステン(TiW)、タングステンナイトライド(WN)、タンタルナイトライド(TaN)等を使用することができる。これらの材料の仕事関数は、バスライン22,24の金属配線層と、水平転送電極14の多結晶シリコン層との、各仕事関数の間の大きさである。
また、これらの材料以外であっても、バスライン22,24の金属配線層と、水平転送電極14の多結晶シリコン層との、各仕事関数の間の大きさの仕事関数を有する材料であれば、同様に使用することが可能である。
これにより、第1の実施の形態と同様に、水平転送レジスタ4におけるポテンシャルシフトの発生を、抑制することができるので、水平転送レジスタ4において、信号電荷の転送劣化を防いで、信号電荷の転送を良好に行うことが可能になる。即ち、CCD固体撮像素子で得られる画像の画質を良好にすることができる。
これにより、第1の実施の形態と同様に、CCD固体撮像素子のチップの大きさを低減することが可能となり、理収即ち、ウエハ1枚から得られるCCD固体撮像素子のチップの個数を増やすことが可能となる。また、水平転送電極14の負荷容量を低減することができるため、水平転送レジスタ4における信号電荷の転送を高速化したり、CCD固体撮像素子の消費電力を低減したりすることが可能になる。
第1の実施の形態〜第3の実施の形態は、受光部からなる画素が縦横に配置されたエリアセンサであったが、本発明は、受光部からなる画素が直線状に配置されたラインセンサにも適用することができる。この場合を、本発明の固体撮像素子の第4の実施の形態として示す。
本実施の形態も、本発明の固体撮像素子をCCD固体撮像素子に適用したものである。
各受光部31の下側に、左右方向に延びる転送レジスタ33が配置され、受光部31と転送レジスタ33との間に、読み出しゲート32が設けられている。
読み出しゲート32は、各受光部31に共通して1本に形成されている。これにより、読み出しゲート32を駆動させることにより、各受光部31に蓄積された信号電荷を同時に転送レジスタ33に読み出すことができる。
転送レジスタ33の左端には、出力アンプ34と出力端子35が接続されている。
上述した第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、水平転送レジスタ4が1つのみ形成されていたが、本発明は、水平転送レジスタが複数形成されている構成にも、同様に適用することが可能である。
例えば、特開2004−312664号公報や特開2007−165650号公報に記載されているように、水平転送レジスタを2つ設けることも可能である。
本発明では、水平転送部やラインセンサの電荷転送部を、3相で駆動する場合にも適用することが可能である。
第1の実施の形態及び第2の実施の形態を変形して、3相で駆動する場合には、単純にバスラインの本数を3本に増やせばよい。
第3の実施の形態を変形して、3相で駆動する場合には、第1相のバスラインと第3相のバスラインを同じ配線層で形成すればよい。
また、第3の実施の形態に対して、下層の開口部を有するバスラインと、上層のバスラインとを逆にして、第2相の駆動パルスφH2を供給するバスラインの方を下層にしても構わない。
本発明において、受光部や転送レジスタが形成される半導体基体、転送電極の半導体層は、シリコンに限定されるものではなく、他の半導体材料を使用することも可能である。
次に、本発明の撮像装置の実施の形態を説明する。
本発明の撮像装置の一実施の形態の概略構成図(ブロック図)を、図9に示す。
この撮像装置としては、例えば、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話のカメラ等が挙げられる。
このような撮像装置500において、固体撮像素子として、前述した実施の形態の固体撮像素子等の、本発明の固体撮像素子を用いることができる。
例えば、固体撮像素子は、ワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像部と、信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
本発明の撮像装置は、例えば、カメラや撮像機能を有する携帯機器等、各種の撮像装置に適用することができる。また、「撮像」の広義の意味として、指紋検出装置等も含む。
Claims (3)
- 縦横にマトリクス状に配置された、光電変換が行われる複数の受光部と、
前記受光部の各列に設けられた垂直転送部と、
シリコンからなる半導体基体に形成された水平転送レジスタと、
前記水平転送レジスタの上に、多結晶シリコン層によって形成された水平転送電極と、
前記水平転送レジスタ及び前記水平転送電極によって構成され、前記垂直転送部の一端に接続され、前記受光部に蓄積された信号電荷を転送する水平転送部と、
前記水平転送電極に駆動パルスを供給するために、前記水平転送電極の前記水平転送レジスタ上の部分に電気的に接続され、金属層によって形成された2本のバスラインと、
前記水平転送電極と前記バスラインとを接続するコンタクト部において、前記水平転送電極と前記バスラインとの界面付近に形成され、前記水平転送電極の前記多結晶シリコン層の仕事関数及び前記バスラインの前記金属層の仕事関数の間の大きさの仕事関数を有する、バリアメタル層とを含み、
前記バスラインとは別に形成された遮光膜及び前記2本のバスラインによって、もしくは、前記2本のバスラインによって、前記水平転送レジスタ全体が覆われて遮光されており、
前記遮光膜を形成する代わりに、前記2本のバスラインのうちの1本のバスラインが、もう1本のバスラインより上層に、前記水平転送レジスタ全体及び前記もう1本のバスライン上を覆って形成されている
固体撮像素子。 - 前記バリアメタル層が、TiN,TiW,WN,TaNのいずれかである、請求項1に記載の固体撮像素子。
- 入射光を集光する集光光学部と、
請求項1又は請求項2に記載の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子で光電変換されて得られた信号を処理する信号処理部とを含む
撮像装置。
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