JP2004311778A - 固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】受光部の開口面積を大きくすると共に、スミア防止も行い、微細化に対応できる固体撮像素子を提供するものである。
【解決手段】マトリクス状に配置された複数の受光センサ部2と、この受光センサ部2の各列に対応して設けられた垂直転送部3からなる撮像領域4を備え、撮像領域4において、少なくとも受光センサ部2を除く他の領域上に遮光膜21が形成され、遮光膜21が垂直転送部3の転送電極19上のみに形成された固体撮像素子1を提供する。
【選択図】 図3
【解決手段】マトリクス状に配置された複数の受光センサ部2と、この受光センサ部2の各列に対応して設けられた垂直転送部3からなる撮像領域4を備え、撮像領域4において、少なくとも受光センサ部2を除く他の領域上に遮光膜21が形成され、遮光膜21が垂直転送部3の転送電極19上のみに形成された固体撮像素子1を提供する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の固体撮像素子、例えば民生用カムコーダ等に用いられるインターライントランスファ(IT)型のCCD固体撮像素子の構成を図13に示す(例えば非特許文献1参照)。
このCCD固体撮像素子40は、画素を構成する例えばフォトダイオードからなる受光センサ部41が多数マトリクス状に配列され、受光センサ部41の各列の一方の側に垂直方向に延びるCCD構造の垂直転送部42が形成されて、撮像領域43が構成されている。さらに、撮像領域43の垂直方向の端部に水平転送部44が配置され、この水平転送部44に電荷電圧変換手段(図示せず)を介して出力部45が接続されて構成される。
【0003】
垂直転送部42は、例えば4相駆動方式に構成され、各転送電極に4相の垂直転送パルスφV〔φV1,φV2,φV3,φV4〕が印加され、水平転送部44は、例えば2相駆動方式に構成され、それぞれの転送電極に2相の水平転送パルスφH〔φH1,φH2〕が印加される。
【0004】
次に、撮像領域の拡大平面図を図14に示し、図14のA―A線上における断面図を図15に、図2のB―B線上における断面図を図16にそれぞれ示す。
撮像領域は、図15及び図16に示すように、第1導電型、例えばn型のシリコン半導体基板50内に、第2導電型、例えばp型の第1の半導体ウェル領域51が形成され、半導体基板50の表面側に、受光センサ部41を構成するn型の半導体領域(所謂電荷蓄積領域)52とその上の表面のp型の半導体領域53からなるフォトダイオードが形成される。受光センサ部41列の一方の側には、p型の読み出しゲート部54を介して垂直転送部42を構成するn型の転送チャネル領域55が形成され、n型の転送チャネル領域55下にp型の第2の半導体ウェル領域56が形成されている。受光センサ部41列の他方の側には、水平方向に隣り合う画素間を分離するための画素分離領域、即ちp型のチャネルストップ領域57が形成されている。このp型のチャネルストップ領域57は、受光センサ部41の表面のp型の半導体領域53に電気的に接続されている。
【0005】
半導体基板50の表面上には、絶縁膜58が形成され、読み出しゲート部54、n型の転送チャネル領域55及びチャネルストップ領域57上に絶縁膜58を介して例えば2層の多結晶シリコン層591,592より転送電極59が形成されている。そして、転送チャネル領域55、転送電極59とにより垂直転送部42が構成される。尚、転送電極59は、図16に示すように、垂直方向に隣り合う受光センサ部41間において重ね合わされて形成される。転送電極59上には層間絶縁膜60を介して例えばAlからなる遮光膜61が形成される。
【0006】
遮光膜61上には、全面を覆ってパッシべーション膜62が形成され、このパッシべーション膜62上には平坦化膜63が形成され、この平坦化膜63上にはカラーフィルタ64が形成される。そして、このカラーフィルタ64上の受光センサ部41と対応する位置には、オンチップレンズ65が形成されている。
【0007】
【非特許文献1】
社団法人,映像情報メディア学会編,「テレビジョンカメラの設計技術」,1999年8月20日,p173,p180―p181,図6.14
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、固体撮像素子に対する微細化の要求が強くなってきているが、このようなインターライントランスファ型のCCD固体撮像素子50において、さらに微細化の要求に対応しようとした場合、スミア特性或いは感度特性が低下したり、垂直転送時の取り扱い電荷量が低減してしまうといった問題がさらに顕著となる。
【0009】
即ち、インターライントランスファ型のCCD固体撮像素子50においては、図15に示したように、遮光膜61の端から入射光によって垂直転送部42にスミアが発生することを防止するために、一部受光センサ部41に跨るような張り出し部66が設けられる。
【0010】
しかし、例えばスミアを防止しながら微細化に対応する場合、遮光膜61の張り出し部66により受光センサ部41の開口面積が小さくなり、受光センサ部41への光の入射量が低下して感度が低下してしまう。
【0011】
これに対して、転送電極59の幅を狭くすることで、開口面積が小さくなることを防ぐことも考えられるが、転送電極59の幅を狭くした場合、垂直転送時の取り扱い電荷量が低下し、例えば垂直転送時の取り扱い電荷量に律則される飽和信号量も減少してしまう。
【0012】
本発明は、上述の点に鑑み、スミア特性を維持し、且つ受光部の開口面積を大きくして感度特性を向上でき、微細化に対応できる固体撮像素子を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る固体撮像素子は、マトリクス状に配置された受光センサ部と、この受光センサ部の各列に対応して設けられた垂直転送部とを有して撮像領域が構成され、撮像領域において、垂直転送部の転送電極上のみに、遮光膜が形成された構成とする。
【0014】
本発明に係る固体撮像素子によれば、垂直転送部の転送電極上のみに、遮光膜が形成されるので、従来のように受光センサ部に跨って遮光膜の張り出し部が形成されない。これにより、開口面積が大きくなり受光センサ部への光の入射量を増加できる。従って、感度特性を向上できる。
また、転送電極の幅を小さくする必要がなくなり、垂直転送時の取り扱い電荷量を増加できる。これにより、垂直転送時の取り扱い電荷量に律則する飽和信号量を増加できる。
【0015】
また、本発明に係る固体撮像素子は、マトリクス状に配置された受光センサ部と、この受光センサ部の各列に対応して設けられた垂直転送部とを有して撮像領域が構成され、撮像領域において、垂直転送部の転送電極上及び転送電極の片側の側壁を覆って、遮光膜が形成された構成とする。
【0016】
本発明に係る固体撮像素子によれば、垂直転送部の転送電極上及び転送電極の片側の側壁を覆って、遮光膜が形成されているので、前述した作用効果に加えてスミア特性をさらに向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の一実施の形態として、CCD固体撮像素子の概略構成図(平面図)を図1に示す。
本実施の形態のCCD固体撮像素子1は、本発明をフレームインターライントランスファ(FIT)型のCCD固体撮像素子に適用した場合であり、入射光から信号電荷を発生させる撮像領域4と、撮像領域4で発生した信号電荷が一旦蓄積される蓄積部6と、水平転送部7と、出力部8とを有して構成されている。
撮像領域4においては、画素を構成する例えばフォトダイオードからなる受光センサ部2が多数マトリクス状に配列され、受光センサ部2の各列の一方の側に垂直方向に延びるCCD構造の第1の垂直転送部3が形成されている。
蓄積部6には、撮像領域4の第1の垂直転送部3のそれぞれに1対1に対応するCCD構造の第2の垂直転送部5が設けられている。
水平転送部7には、図示しない電荷電圧変換手段を介して出力部8が接続される。
【0018】
このCCD固体撮像素子1では、各受光センサ部2において受光量に応じて光電変換された信号電荷が第1の垂直転送部3に読み出され、この第1の垂直転送部3内を転送して一旦蓄積部6の第2の垂直転送部5に蓄積される。そして、1水平ライン毎の信号電荷が水平転送部7に転送され、水平転送部7内を順次転送されて出力部8を通じて出力される。
【0019】
次に、撮像領域の拡大平面図を図2に示し、図2のA―A線上における拡大断面図を図3に、図2のB―B線上における拡大断面図を図4にそれぞれ示す。
撮像領域4は、図3に示すように、第1導電型、例えばn型のシリコン半導体基板10内に、第2導電型、例えばp型の第1の半導体ウェル領域11が形成され、半導体基板10の表面側に、受光センサ部2を構成するn型の半導体領域(所謂電荷蓄積領域)12とその上の表面のp型の半導体領域13からなるフォトダイオードが形成される。受光センサ部2列の一方の側には、p型の読み出しゲート部14を介して垂直転送部3を構成するn型の転送チャネル領域15が形成され、n型の転送チャネル領域15下にp型の第2の半導体ウェル領域16が形成されている。受光センサ部2列の他方の側には、水平方向に隣り合う画素間を分離するための画素分離領域、即ちp型のチャネルストップ領域17が形成されている。このp型のチャネルストップ領域17は、受光センサ部2の表面のp型の半導体領域13に電気的に接続されている。
【0020】
半導体基板10の表面上には、絶縁膜18が形成され、読み出しゲート部14、n型の転送チャネル領域15及びチャネルストップ領域17上に絶縁膜18を介して例えば2層の多結晶シリコン層191,192より転送電極19が形成されている。そして、転送チャネル領域15、絶縁膜18及び転送電極19とにより垂直転送部3が構成される。尚、転送電極19は、図2に示すように、垂直方向に隣り合う受光センサ部2間において重ね合わされて形成される。転送電極19上には層間絶縁膜20を介して例えばAlからなる遮光膜21が形成される。
【0021】
本実施の形態では、特に、遮光膜21が、垂直転送部3の転送電極19(191)上のみに形成され、スミアに対して影響の少ない垂直方向に隣接する受光センサ部2間には形成されていない。
【0022】
さらに、本実施の形態では、遮光膜21の幅を、転送電極19の垂直転送部3にある部分、即ち転送電極19の電極部19Aの幅と比較して、同じまたは小さい構成とする。
このうち、図3では、遮光膜21の幅が、電極部19Aの幅よりも小さい場合を示している。
これにより、受光センサ部2や転送電極19の両側壁部は、遮光膜21に覆われない状態となっている。
【0023】
本実施の形態のCCD固体撮像素子1では、FIT型を採用しているため、IT型のCCD固体撮像素子と比較して、第1の垂直転送部3における転送速度を充分速くすることにより、スミアの影響を非常に小さくすることが可能になる。
このため、遮光膜21を上述したように狭い幅に形成しても、スミアの影響を受けないようにすることができる。
【0024】
このように遮光膜21を形成するには、例えば層間絶縁膜20上に遮光材をスパッタリング法またはCVD法で形成した後、通常のフォトリソグラフィ技術を用いて、レジスト膜を垂直転送部3上のみに残るようにパターニングして、遮光膜21形成用のレジストマスクを形成した後、このレジストマスクをマスクとして、ドライエッチングを行うことで形成できる。
【0025】
遮光膜21上には、全面を覆ってパッシべーション膜22が形成され、このパッシべーション膜22上には平坦化膜23が形成される。この平坦化膜23上にはカラーフィルタ24が形成される。そして、このカラーフィルタ24上の受光センサ部2と対応する位置には、オンチップレンズ25が形成される。
【0026】
本実施の形態のCCD固体撮像素子1によれば、遮光膜21が垂直転送部3の転送電極19上のみに形成され、且つ転送電極19の電極部19Aの幅よりも小さい幅で形成されている。従って、従来のような受光センサ部2上の張り出し部や転送電極の側壁を覆う部分がない分、受光センサ部2の開口面積が大きくなり、光の入射量が増加するので、感度を向上することができる。
また、遮光膜の張り出し部がない分、例えば転送電極19の幅を大きくすることができる。従って、転送電極19の幅を広げることにより、転送電極19の取り扱い電荷量を増加することができる。これにより、例えば取り扱い電荷量に律則する飽和信号量を増加できる。
【0027】
本実施の形態では、遮光膜21は、第1の垂直転送部3の転送チャネル領域15上に接続して形成されている。遮光膜21は垂直転送部3における転送スピードや転送電極19(191,192)の膜厚、電極材料等に応じて部分的に形成することも可能である。この場合、遮光膜が形成されない箇所では総膜厚を薄くできる。
【0028】
次に、本発明の他の実施の形態を図5及び図6に示す。
尚、図5及び図6は図2に示す撮像領域のA―A線上の拡大断面図に相当している。
前述した実施の形態では、遮光膜21が垂直転送部3の転送電極19(191)上のみに形成された構成を示したが、本実施の形態では、図6に示すように、遮光膜21が、垂直転送部3の転送電極19(191)上及び転送電極19(191)の片側の側壁を覆って形成される。
この場合、遮光膜21は、スミアに対して影響が強いチャネルストップ領域17側の側壁に形成する。即ち、遮光膜21は転送電極19上から転送電極19のチャネルストップ領域17側の側壁にかけて連続して形成される。
その他の部分は、図1〜図4に示した場合と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略している。
【0029】
本実施の形態のCCD固体撮像素子によれば、遮光膜21が、転送電極19上から、スミアに対して影響が強い転送電極19のチャネルストップ17側の側壁にかけて連続して形成されているので、前述した実施の形態の作用効果に加えてスミア特性を向上できる。
【0030】
尚、遮光膜21は、図6に示すように、転送電極19(191)の読み出しゲート領域14側の側壁、即ち、転送電極19(191)上から転送電極19(191)の読み出しゲート領域14側の側壁にかけて連続して形成することもできる。この場合は、遮光膜21を転送電極19(191)上と転送電極19(191)の読み出しゲート部17側の側壁を覆って形成した場合に比べてスミア特性が多少劣る。
【0031】
本実施の形態においても、上述した実施の形態と同様に、遮光膜21は第1の垂直転送部3の転送チャネル領域15上に接続して形成されている。遮光膜21は垂直転送部3における転送スピードや転送電極19(191,192)の膜厚、電極材料等に応じて部分的に形成することも可能である。この場合、遮光膜21が形成されない箇所では総膜厚を薄くできる。
【0032】
ここで、転送電極の低抵抗化や微細化等により、転送電極を上述した2層の電極層ではなく、1層の電極層のみで構成することもできる。
【0033】
次に、このような構成の固体撮像素子に本発明を適用した場合の実施の形態を、図7〜図10を用いて説明する。
図7は撮像領域の拡大平面図であり、また、図8は図7のA―A線上の拡大断面図であり、また、図9は図7のB―B線上の拡大断面図であり、さらに、図10は図7のC―C線上の断面図である。
本実施の形態では、図7に示すように、転送電極30が、1つの画素2に対して2つの転送電極301,302が配置されて構成されている。この転送電極30は、例えば金属膜や多結晶シリコン膜等からなる1層の電極層のみで構成されている。そして、転送電極30は、図8及び図10に示すように、その上面の角部が除去されて斜面(テーパー状)となっている。尚、隣接する転送電極301及び転送電極302との間(所謂ギャップ部35)には層間絶縁膜20のみが形成されている。
その他の部分は、図2〜図4と同様の構成であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0034】
転送電極30を、前述したような、上面の角部が除去されて斜面とされた形状にするには、例えば電極材料層を形成した後、レジストマスクを角部に斜面を有する転送電極19のパターンに形成して、エッチバックにより、このレジストマスクの形状を電極材料層に転写する。
このようにして、図8及び図10に示したように、水平及び垂直方向に隣接する受光センサ部2間において、受光センサ部2に向かって斜面を有する2つの転送電極301及び302が形成される。
【0035】
このような本実施の形態の固体撮像素子では、垂直転送レジスタが、例えば4相駆動方式に構成され、各転送電極30(301,302)に4相の駆動パルスφV〔φV1,φV2,φV3,φV4〕が印加される。例えば各画素2に蓄積された信号電荷を読み出す際は、φV1及びφV3に例えば10〜15V程度の電圧を印加することで、蓄積された信号電荷が、転送電極302に対応する読み出しゲート部(図示せず)を介して、垂直転送レジスタ3の転送チャネル領域15へと読み出しされる。
【0036】
そして、本実施の形態においても、遮光膜21は、垂直転送部3の転送電極30上にのみ、即ち電極部30A上にのみに形成する。
また、遮光膜21は、転送電極30の電極部30Aの幅以下の幅に形成する。
【0037】
本実施の形態によれば、上述した実施の形態の場合と同様に、遮光膜21が垂直転送部3の転送電極30上のみに形成され、転送電極30の電極部30Aの幅よりも小さい幅で形成されるので、従来のような受光センサ部上の張り出し部や転送電極の側壁を覆う部分がない分、受光センサ部2の開口面積が大きくなり、光の入射量が増加するので、感度を向上することができる。
【0038】
また、遮光膜の張り出し部がない分、例えば転送電極30の幅を大きくすることができる。従って、転送電極30の幅を広げることにより、転送電極30の取り扱い電荷量を増加することができる。これにより、例えば取り扱い電荷量に律則する飽和信号量を増加できる。
【0039】
また、転送電極30の上面の角部が、受光センサ部2へと向かって斜面となっているので、この形状により受光センサ部2に入射する光の範囲を広げることができ、受光センサ部2への光の入射量をさらに増加させて、例えば転送電極30の上面の角部が斜面とされていない構成に比べて感度特性をさらに向上することができる。
尚、斜面の傾きをゆるくすることで光の入射量を増加させることが可能である。
【0040】
図7の場合では、転送電極30の上側の角部を斜面(テーパー状)に形成したが、図11に示すように、転送電極30の形状を断面略三角形状に形成することもできる。
転送電極30をこのような形状にするには、例えば電極材料層を形成した後、レジストマスクを断面が三角形状となる転送電極30のパターンに形成して、エッチバックにより、このレジストマスクの形状を電極材料層に転写する。
この場合においても、水平及び垂直方向に隣接する受光センサ部2間において、受光センサ部2に向かって斜面を有する2つの転送電極301及び302が形成される。
【0041】
このように転送電極30を断面略三角形状に形成した場合、前述した転送電極30の上方のそれぞれの角部がテーパー状とした場合に比べて、受光センサ部2に入射する光の範囲をさらに広げることができ、受光センサ部2への光の入射量をさらに増加させて、感度特性をさらに向上することができる。
【0042】
本実施の形態においても、上述した実施の形態と同様に、遮光膜21は第1の垂直転送部3を構成する転送チャネル領域15上にのみ形成したが、遮光膜21は垂直方向への転送スピードや転送電極30(301,302)の膜厚、電極材料等に応じて、部分的に形成することも可能である。
【0043】
例えば図12に示すように、転送電極301及び転送電極302との間の層間絶縁膜22が介在されている部分(所謂ギャップ部)35上の周囲のみ遮光膜21を形成することができる。
即ち、転送電極301及び転送電極302との間のギャップ部35は、層間絶縁膜22のみが形成されているので、転送電極30(301,302)に覆われている部分に比べて、入射光が垂直転送部3の転送チャネル領域15に入り込み易い。従って、この入射光が入り込み易いギャップ部35のみを覆うようにして遮光膜21を形成したものである。
このような構成とした場合、遮光膜が形成されない部分、即ちギャップ部35以外の転送電極30の部分では総膜厚を薄くできる。
【0044】
上述した実施の形態では、本発明をフレームインターライントランスファ(FIT)型のCCD固体撮像素子に適用して説明したが、例えばインターライントランスファ(IT)型のCCD固体撮像素子に適用することもできる。
【0045】
本発明は、例えば民生用カムコーダ等のある程度のスミアが許容される用途において、垂直方向の転送スピードが速いCCD固体撮像素子を用いる場合に、最大の効果を発揮することができる。
【0046】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る固体撮像素子によれば、受光センサ部上の張り出し部や転送電極の側壁を覆う部分がない分、受光センサ部の開口面積が広がり、感度特性を向上することができる。
また、転送電極の幅を広げることができるので、転送電極の取り扱い電荷量を増加することができる。これにより、取り扱い電荷量に律則する飽和信号量も増加することができる。
【0048】
遮光膜を、転送電極上及び転送電極の片側の側壁を覆って形成した場合は、前述した効果に加えてスミア特性をさらに向上することができる。
【0049】
従って、さらなる微細化に対応できる固体撮像素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体撮像素子の一実施の形態を示す概略平面図である。
【図2】図1の固体撮像素子の撮像領域を示す拡大平面図である。
【図3】図2に示す撮像領域のA―A線上の拡大断面図である。
【図4】図2に示す撮像領域のB―B線上の拡大断面図である。
【図5】本発明に係る固体撮像素子の他の実施の形態を示す拡大断面図(その1)である。
【図6】本発明に係る固体撮像素子の他の実施の形態を示す拡大断面図(その2)である。
【図7】転送電極を単層とした場合の撮像領域を示す拡大平面図である。
【図8】図7の撮像領域のA―A線上の拡大断面図である。
【図9】図7の撮像領域のB―B線上の拡大断面図である。
【図10】図7の撮像領域のC―C線上の拡大断面図である。
【図11】転送電極の他の形状を示す図である。
【図12】遮光膜を部分的に形成した場合の撮像領域を示す拡大平面図である。
【図13】従来の固体撮像素子の概略平面図である。
【図14】図13の固体撮像素子の撮像領域を示す拡大平面図である。
【図15】図14に示す撮像領域のA―A線上の拡大断面図である。
【図16】図14に示す撮像領域のB―B線上の拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・CCD固体撮像素子、2・・・受光センサ部、3・・・第1の垂直転送部、4・・・撮像領域、5・・・第2の垂直転送部、6・・・蓄積部、7・・・水平転送部、8・・・出力部、10・・・n型のシリコン半導体基板、11・・・p型の第1の半導体ウェル領域、12・・・n型の半導体領域、13・・・p型の半導体領域、14・・・p型の読み出しゲート部、15・・・n型の転送チャネル領域15、16・・・p型の第2の半導体ウェル領域、17・・・p型のチャネルストップ領域17、18・・・絶縁膜、19(191,192)・・・転送電極、19A・・・電極部、20・・・層間絶縁膜、21・・・遮光膜21、22・・・パッシべーション膜、23・・・平坦化膜、24・・・カラーフィルタ、25・・・オンチップレンズ、30(301,302)・・・転送電極、30A・・・電極部、35・・・ギャップ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の固体撮像素子、例えば民生用カムコーダ等に用いられるインターライントランスファ(IT)型のCCD固体撮像素子の構成を図13に示す(例えば非特許文献1参照)。
このCCD固体撮像素子40は、画素を構成する例えばフォトダイオードからなる受光センサ部41が多数マトリクス状に配列され、受光センサ部41の各列の一方の側に垂直方向に延びるCCD構造の垂直転送部42が形成されて、撮像領域43が構成されている。さらに、撮像領域43の垂直方向の端部に水平転送部44が配置され、この水平転送部44に電荷電圧変換手段(図示せず)を介して出力部45が接続されて構成される。
【0003】
垂直転送部42は、例えば4相駆動方式に構成され、各転送電極に4相の垂直転送パルスφV〔φV1,φV2,φV3,φV4〕が印加され、水平転送部44は、例えば2相駆動方式に構成され、それぞれの転送電極に2相の水平転送パルスφH〔φH1,φH2〕が印加される。
【0004】
次に、撮像領域の拡大平面図を図14に示し、図14のA―A線上における断面図を図15に、図2のB―B線上における断面図を図16にそれぞれ示す。
撮像領域は、図15及び図16に示すように、第1導電型、例えばn型のシリコン半導体基板50内に、第2導電型、例えばp型の第1の半導体ウェル領域51が形成され、半導体基板50の表面側に、受光センサ部41を構成するn型の半導体領域(所謂電荷蓄積領域)52とその上の表面のp型の半導体領域53からなるフォトダイオードが形成される。受光センサ部41列の一方の側には、p型の読み出しゲート部54を介して垂直転送部42を構成するn型の転送チャネル領域55が形成され、n型の転送チャネル領域55下にp型の第2の半導体ウェル領域56が形成されている。受光センサ部41列の他方の側には、水平方向に隣り合う画素間を分離するための画素分離領域、即ちp型のチャネルストップ領域57が形成されている。このp型のチャネルストップ領域57は、受光センサ部41の表面のp型の半導体領域53に電気的に接続されている。
【0005】
半導体基板50の表面上には、絶縁膜58が形成され、読み出しゲート部54、n型の転送チャネル領域55及びチャネルストップ領域57上に絶縁膜58を介して例えば2層の多結晶シリコン層591,592より転送電極59が形成されている。そして、転送チャネル領域55、転送電極59とにより垂直転送部42が構成される。尚、転送電極59は、図16に示すように、垂直方向に隣り合う受光センサ部41間において重ね合わされて形成される。転送電極59上には層間絶縁膜60を介して例えばAlからなる遮光膜61が形成される。
【0006】
遮光膜61上には、全面を覆ってパッシべーション膜62が形成され、このパッシべーション膜62上には平坦化膜63が形成され、この平坦化膜63上にはカラーフィルタ64が形成される。そして、このカラーフィルタ64上の受光センサ部41と対応する位置には、オンチップレンズ65が形成されている。
【0007】
【非特許文献1】
社団法人,映像情報メディア学会編,「テレビジョンカメラの設計技術」,1999年8月20日,p173,p180―p181,図6.14
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、固体撮像素子に対する微細化の要求が強くなってきているが、このようなインターライントランスファ型のCCD固体撮像素子50において、さらに微細化の要求に対応しようとした場合、スミア特性或いは感度特性が低下したり、垂直転送時の取り扱い電荷量が低減してしまうといった問題がさらに顕著となる。
【0009】
即ち、インターライントランスファ型のCCD固体撮像素子50においては、図15に示したように、遮光膜61の端から入射光によって垂直転送部42にスミアが発生することを防止するために、一部受光センサ部41に跨るような張り出し部66が設けられる。
【0010】
しかし、例えばスミアを防止しながら微細化に対応する場合、遮光膜61の張り出し部66により受光センサ部41の開口面積が小さくなり、受光センサ部41への光の入射量が低下して感度が低下してしまう。
【0011】
これに対して、転送電極59の幅を狭くすることで、開口面積が小さくなることを防ぐことも考えられるが、転送電極59の幅を狭くした場合、垂直転送時の取り扱い電荷量が低下し、例えば垂直転送時の取り扱い電荷量に律則される飽和信号量も減少してしまう。
【0012】
本発明は、上述の点に鑑み、スミア特性を維持し、且つ受光部の開口面積を大きくして感度特性を向上でき、微細化に対応できる固体撮像素子を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る固体撮像素子は、マトリクス状に配置された受光センサ部と、この受光センサ部の各列に対応して設けられた垂直転送部とを有して撮像領域が構成され、撮像領域において、垂直転送部の転送電極上のみに、遮光膜が形成された構成とする。
【0014】
本発明に係る固体撮像素子によれば、垂直転送部の転送電極上のみに、遮光膜が形成されるので、従来のように受光センサ部に跨って遮光膜の張り出し部が形成されない。これにより、開口面積が大きくなり受光センサ部への光の入射量を増加できる。従って、感度特性を向上できる。
また、転送電極の幅を小さくする必要がなくなり、垂直転送時の取り扱い電荷量を増加できる。これにより、垂直転送時の取り扱い電荷量に律則する飽和信号量を増加できる。
【0015】
また、本発明に係る固体撮像素子は、マトリクス状に配置された受光センサ部と、この受光センサ部の各列に対応して設けられた垂直転送部とを有して撮像領域が構成され、撮像領域において、垂直転送部の転送電極上及び転送電極の片側の側壁を覆って、遮光膜が形成された構成とする。
【0016】
本発明に係る固体撮像素子によれば、垂直転送部の転送電極上及び転送電極の片側の側壁を覆って、遮光膜が形成されているので、前述した作用効果に加えてスミア特性をさらに向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の一実施の形態として、CCD固体撮像素子の概略構成図(平面図)を図1に示す。
本実施の形態のCCD固体撮像素子1は、本発明をフレームインターライントランスファ(FIT)型のCCD固体撮像素子に適用した場合であり、入射光から信号電荷を発生させる撮像領域4と、撮像領域4で発生した信号電荷が一旦蓄積される蓄積部6と、水平転送部7と、出力部8とを有して構成されている。
撮像領域4においては、画素を構成する例えばフォトダイオードからなる受光センサ部2が多数マトリクス状に配列され、受光センサ部2の各列の一方の側に垂直方向に延びるCCD構造の第1の垂直転送部3が形成されている。
蓄積部6には、撮像領域4の第1の垂直転送部3のそれぞれに1対1に対応するCCD構造の第2の垂直転送部5が設けられている。
水平転送部7には、図示しない電荷電圧変換手段を介して出力部8が接続される。
【0018】
このCCD固体撮像素子1では、各受光センサ部2において受光量に応じて光電変換された信号電荷が第1の垂直転送部3に読み出され、この第1の垂直転送部3内を転送して一旦蓄積部6の第2の垂直転送部5に蓄積される。そして、1水平ライン毎の信号電荷が水平転送部7に転送され、水平転送部7内を順次転送されて出力部8を通じて出力される。
【0019】
次に、撮像領域の拡大平面図を図2に示し、図2のA―A線上における拡大断面図を図3に、図2のB―B線上における拡大断面図を図4にそれぞれ示す。
撮像領域4は、図3に示すように、第1導電型、例えばn型のシリコン半導体基板10内に、第2導電型、例えばp型の第1の半導体ウェル領域11が形成され、半導体基板10の表面側に、受光センサ部2を構成するn型の半導体領域(所謂電荷蓄積領域)12とその上の表面のp型の半導体領域13からなるフォトダイオードが形成される。受光センサ部2列の一方の側には、p型の読み出しゲート部14を介して垂直転送部3を構成するn型の転送チャネル領域15が形成され、n型の転送チャネル領域15下にp型の第2の半導体ウェル領域16が形成されている。受光センサ部2列の他方の側には、水平方向に隣り合う画素間を分離するための画素分離領域、即ちp型のチャネルストップ領域17が形成されている。このp型のチャネルストップ領域17は、受光センサ部2の表面のp型の半導体領域13に電気的に接続されている。
【0020】
半導体基板10の表面上には、絶縁膜18が形成され、読み出しゲート部14、n型の転送チャネル領域15及びチャネルストップ領域17上に絶縁膜18を介して例えば2層の多結晶シリコン層191,192より転送電極19が形成されている。そして、転送チャネル領域15、絶縁膜18及び転送電極19とにより垂直転送部3が構成される。尚、転送電極19は、図2に示すように、垂直方向に隣り合う受光センサ部2間において重ね合わされて形成される。転送電極19上には層間絶縁膜20を介して例えばAlからなる遮光膜21が形成される。
【0021】
本実施の形態では、特に、遮光膜21が、垂直転送部3の転送電極19(191)上のみに形成され、スミアに対して影響の少ない垂直方向に隣接する受光センサ部2間には形成されていない。
【0022】
さらに、本実施の形態では、遮光膜21の幅を、転送電極19の垂直転送部3にある部分、即ち転送電極19の電極部19Aの幅と比較して、同じまたは小さい構成とする。
このうち、図3では、遮光膜21の幅が、電極部19Aの幅よりも小さい場合を示している。
これにより、受光センサ部2や転送電極19の両側壁部は、遮光膜21に覆われない状態となっている。
【0023】
本実施の形態のCCD固体撮像素子1では、FIT型を採用しているため、IT型のCCD固体撮像素子と比較して、第1の垂直転送部3における転送速度を充分速くすることにより、スミアの影響を非常に小さくすることが可能になる。
このため、遮光膜21を上述したように狭い幅に形成しても、スミアの影響を受けないようにすることができる。
【0024】
このように遮光膜21を形成するには、例えば層間絶縁膜20上に遮光材をスパッタリング法またはCVD法で形成した後、通常のフォトリソグラフィ技術を用いて、レジスト膜を垂直転送部3上のみに残るようにパターニングして、遮光膜21形成用のレジストマスクを形成した後、このレジストマスクをマスクとして、ドライエッチングを行うことで形成できる。
【0025】
遮光膜21上には、全面を覆ってパッシべーション膜22が形成され、このパッシべーション膜22上には平坦化膜23が形成される。この平坦化膜23上にはカラーフィルタ24が形成される。そして、このカラーフィルタ24上の受光センサ部2と対応する位置には、オンチップレンズ25が形成される。
【0026】
本実施の形態のCCD固体撮像素子1によれば、遮光膜21が垂直転送部3の転送電極19上のみに形成され、且つ転送電極19の電極部19Aの幅よりも小さい幅で形成されている。従って、従来のような受光センサ部2上の張り出し部や転送電極の側壁を覆う部分がない分、受光センサ部2の開口面積が大きくなり、光の入射量が増加するので、感度を向上することができる。
また、遮光膜の張り出し部がない分、例えば転送電極19の幅を大きくすることができる。従って、転送電極19の幅を広げることにより、転送電極19の取り扱い電荷量を増加することができる。これにより、例えば取り扱い電荷量に律則する飽和信号量を増加できる。
【0027】
本実施の形態では、遮光膜21は、第1の垂直転送部3の転送チャネル領域15上に接続して形成されている。遮光膜21は垂直転送部3における転送スピードや転送電極19(191,192)の膜厚、電極材料等に応じて部分的に形成することも可能である。この場合、遮光膜が形成されない箇所では総膜厚を薄くできる。
【0028】
次に、本発明の他の実施の形態を図5及び図6に示す。
尚、図5及び図6は図2に示す撮像領域のA―A線上の拡大断面図に相当している。
前述した実施の形態では、遮光膜21が垂直転送部3の転送電極19(191)上のみに形成された構成を示したが、本実施の形態では、図6に示すように、遮光膜21が、垂直転送部3の転送電極19(191)上及び転送電極19(191)の片側の側壁を覆って形成される。
この場合、遮光膜21は、スミアに対して影響が強いチャネルストップ領域17側の側壁に形成する。即ち、遮光膜21は転送電極19上から転送電極19のチャネルストップ領域17側の側壁にかけて連続して形成される。
その他の部分は、図1〜図4に示した場合と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略している。
【0029】
本実施の形態のCCD固体撮像素子によれば、遮光膜21が、転送電極19上から、スミアに対して影響が強い転送電極19のチャネルストップ17側の側壁にかけて連続して形成されているので、前述した実施の形態の作用効果に加えてスミア特性を向上できる。
【0030】
尚、遮光膜21は、図6に示すように、転送電極19(191)の読み出しゲート領域14側の側壁、即ち、転送電極19(191)上から転送電極19(191)の読み出しゲート領域14側の側壁にかけて連続して形成することもできる。この場合は、遮光膜21を転送電極19(191)上と転送電極19(191)の読み出しゲート部17側の側壁を覆って形成した場合に比べてスミア特性が多少劣る。
【0031】
本実施の形態においても、上述した実施の形態と同様に、遮光膜21は第1の垂直転送部3の転送チャネル領域15上に接続して形成されている。遮光膜21は垂直転送部3における転送スピードや転送電極19(191,192)の膜厚、電極材料等に応じて部分的に形成することも可能である。この場合、遮光膜21が形成されない箇所では総膜厚を薄くできる。
【0032】
ここで、転送電極の低抵抗化や微細化等により、転送電極を上述した2層の電極層ではなく、1層の電極層のみで構成することもできる。
【0033】
次に、このような構成の固体撮像素子に本発明を適用した場合の実施の形態を、図7〜図10を用いて説明する。
図7は撮像領域の拡大平面図であり、また、図8は図7のA―A線上の拡大断面図であり、また、図9は図7のB―B線上の拡大断面図であり、さらに、図10は図7のC―C線上の断面図である。
本実施の形態では、図7に示すように、転送電極30が、1つの画素2に対して2つの転送電極301,302が配置されて構成されている。この転送電極30は、例えば金属膜や多結晶シリコン膜等からなる1層の電極層のみで構成されている。そして、転送電極30は、図8及び図10に示すように、その上面の角部が除去されて斜面(テーパー状)となっている。尚、隣接する転送電極301及び転送電極302との間(所謂ギャップ部35)には層間絶縁膜20のみが形成されている。
その他の部分は、図2〜図4と同様の構成であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0034】
転送電極30を、前述したような、上面の角部が除去されて斜面とされた形状にするには、例えば電極材料層を形成した後、レジストマスクを角部に斜面を有する転送電極19のパターンに形成して、エッチバックにより、このレジストマスクの形状を電極材料層に転写する。
このようにして、図8及び図10に示したように、水平及び垂直方向に隣接する受光センサ部2間において、受光センサ部2に向かって斜面を有する2つの転送電極301及び302が形成される。
【0035】
このような本実施の形態の固体撮像素子では、垂直転送レジスタが、例えば4相駆動方式に構成され、各転送電極30(301,302)に4相の駆動パルスφV〔φV1,φV2,φV3,φV4〕が印加される。例えば各画素2に蓄積された信号電荷を読み出す際は、φV1及びφV3に例えば10〜15V程度の電圧を印加することで、蓄積された信号電荷が、転送電極302に対応する読み出しゲート部(図示せず)を介して、垂直転送レジスタ3の転送チャネル領域15へと読み出しされる。
【0036】
そして、本実施の形態においても、遮光膜21は、垂直転送部3の転送電極30上にのみ、即ち電極部30A上にのみに形成する。
また、遮光膜21は、転送電極30の電極部30Aの幅以下の幅に形成する。
【0037】
本実施の形態によれば、上述した実施の形態の場合と同様に、遮光膜21が垂直転送部3の転送電極30上のみに形成され、転送電極30の電極部30Aの幅よりも小さい幅で形成されるので、従来のような受光センサ部上の張り出し部や転送電極の側壁を覆う部分がない分、受光センサ部2の開口面積が大きくなり、光の入射量が増加するので、感度を向上することができる。
【0038】
また、遮光膜の張り出し部がない分、例えば転送電極30の幅を大きくすることができる。従って、転送電極30の幅を広げることにより、転送電極30の取り扱い電荷量を増加することができる。これにより、例えば取り扱い電荷量に律則する飽和信号量を増加できる。
【0039】
また、転送電極30の上面の角部が、受光センサ部2へと向かって斜面となっているので、この形状により受光センサ部2に入射する光の範囲を広げることができ、受光センサ部2への光の入射量をさらに増加させて、例えば転送電極30の上面の角部が斜面とされていない構成に比べて感度特性をさらに向上することができる。
尚、斜面の傾きをゆるくすることで光の入射量を増加させることが可能である。
【0040】
図7の場合では、転送電極30の上側の角部を斜面(テーパー状)に形成したが、図11に示すように、転送電極30の形状を断面略三角形状に形成することもできる。
転送電極30をこのような形状にするには、例えば電極材料層を形成した後、レジストマスクを断面が三角形状となる転送電極30のパターンに形成して、エッチバックにより、このレジストマスクの形状を電極材料層に転写する。
この場合においても、水平及び垂直方向に隣接する受光センサ部2間において、受光センサ部2に向かって斜面を有する2つの転送電極301及び302が形成される。
【0041】
このように転送電極30を断面略三角形状に形成した場合、前述した転送電極30の上方のそれぞれの角部がテーパー状とした場合に比べて、受光センサ部2に入射する光の範囲をさらに広げることができ、受光センサ部2への光の入射量をさらに増加させて、感度特性をさらに向上することができる。
【0042】
本実施の形態においても、上述した実施の形態と同様に、遮光膜21は第1の垂直転送部3を構成する転送チャネル領域15上にのみ形成したが、遮光膜21は垂直方向への転送スピードや転送電極30(301,302)の膜厚、電極材料等に応じて、部分的に形成することも可能である。
【0043】
例えば図12に示すように、転送電極301及び転送電極302との間の層間絶縁膜22が介在されている部分(所謂ギャップ部)35上の周囲のみ遮光膜21を形成することができる。
即ち、転送電極301及び転送電極302との間のギャップ部35は、層間絶縁膜22のみが形成されているので、転送電極30(301,302)に覆われている部分に比べて、入射光が垂直転送部3の転送チャネル領域15に入り込み易い。従って、この入射光が入り込み易いギャップ部35のみを覆うようにして遮光膜21を形成したものである。
このような構成とした場合、遮光膜が形成されない部分、即ちギャップ部35以外の転送電極30の部分では総膜厚を薄くできる。
【0044】
上述した実施の形態では、本発明をフレームインターライントランスファ(FIT)型のCCD固体撮像素子に適用して説明したが、例えばインターライントランスファ(IT)型のCCD固体撮像素子に適用することもできる。
【0045】
本発明は、例えば民生用カムコーダ等のある程度のスミアが許容される用途において、垂直方向の転送スピードが速いCCD固体撮像素子を用いる場合に、最大の効果を発揮することができる。
【0046】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る固体撮像素子によれば、受光センサ部上の張り出し部や転送電極の側壁を覆う部分がない分、受光センサ部の開口面積が広がり、感度特性を向上することができる。
また、転送電極の幅を広げることができるので、転送電極の取り扱い電荷量を増加することができる。これにより、取り扱い電荷量に律則する飽和信号量も増加することができる。
【0048】
遮光膜を、転送電極上及び転送電極の片側の側壁を覆って形成した場合は、前述した効果に加えてスミア特性をさらに向上することができる。
【0049】
従って、さらなる微細化に対応できる固体撮像素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体撮像素子の一実施の形態を示す概略平面図である。
【図2】図1の固体撮像素子の撮像領域を示す拡大平面図である。
【図3】図2に示す撮像領域のA―A線上の拡大断面図である。
【図4】図2に示す撮像領域のB―B線上の拡大断面図である。
【図5】本発明に係る固体撮像素子の他の実施の形態を示す拡大断面図(その1)である。
【図6】本発明に係る固体撮像素子の他の実施の形態を示す拡大断面図(その2)である。
【図7】転送電極を単層とした場合の撮像領域を示す拡大平面図である。
【図8】図7の撮像領域のA―A線上の拡大断面図である。
【図9】図7の撮像領域のB―B線上の拡大断面図である。
【図10】図7の撮像領域のC―C線上の拡大断面図である。
【図11】転送電極の他の形状を示す図である。
【図12】遮光膜を部分的に形成した場合の撮像領域を示す拡大平面図である。
【図13】従来の固体撮像素子の概略平面図である。
【図14】図13の固体撮像素子の撮像領域を示す拡大平面図である。
【図15】図14に示す撮像領域のA―A線上の拡大断面図である。
【図16】図14に示す撮像領域のB―B線上の拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・CCD固体撮像素子、2・・・受光センサ部、3・・・第1の垂直転送部、4・・・撮像領域、5・・・第2の垂直転送部、6・・・蓄積部、7・・・水平転送部、8・・・出力部、10・・・n型のシリコン半導体基板、11・・・p型の第1の半導体ウェル領域、12・・・n型の半導体領域、13・・・p型の半導体領域、14・・・p型の読み出しゲート部、15・・・n型の転送チャネル領域15、16・・・p型の第2の半導体ウェル領域、17・・・p型のチャネルストップ領域17、18・・・絶縁膜、19(191,192)・・・転送電極、19A・・・電極部、20・・・層間絶縁膜、21・・・遮光膜21、22・・・パッシべーション膜、23・・・平坦化膜、24・・・カラーフィルタ、25・・・オンチップレンズ、30(301,302)・・・転送電極、30A・・・電極部、35・・・ギャップ部
Claims (7)
- マトリクス状に配置された受光センサ部と、
前記受光センサ部の各列に対応して設けられた垂直転送部とを有して撮像領域が構成され、
前記撮像領域において、前記垂直転送部の転送電極上のみに、遮光膜が形成されている
ことを特徴とする固体撮像素子。 - 前記遮光膜の幅が、前記垂直転送部の前記転送電極の幅以下であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 前記撮像領域と水平転送部との間に、信号電荷がいったん蓄積される蓄積部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 前記転送電極が単層の電極層のみで構成されていることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 前記転送電極は、上面の角部が除去されて斜面となっていることを特徴とする請求項4記載の固体撮像素子。
- 前記転送電極は、断面略三角形状とされていることを特徴とする請求項4記載の固体撮像素子。
- マトリクス状に配置された受光センサ部と、
前記受光センサ部の各列に対応して設けられた垂直転送部とを有して撮像領域が構成され、
前記撮像領域において、遮光膜が、前記垂直転送部の転送電極上及び前記転送電極の片側の側壁を覆って形成されている
ことを特徴とする固体撮像素子。
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Cited By (1)
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-
2003
- 2003-04-08 JP JP2003104324A patent/JP2004311778A/ja active Pending
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