JP5651063B2 - 自転車用雨除けポンチョ - Google Patents
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また、雨が極めて強い場合には、上衣とズボンが別々の雨合羽を着用していたが、通常の雨降りの際には、袖のない、中央部に頭部を挿通する開口部を有し、その開口部にはフードが設けられた簡単な構造からなるポンチョ等を着用して、自転車に乗っていたのが現状である。
この従来のポンチョ50は、上半身を被覆できる大きさで、前面部と後面部とがほぼ同じ大きさ(広さ)のものからなり、その中央部に頭部開口部を有し、その開口部にフード53が形成されたものである。
膝部にポンチョの前面部が触れて、膝部分が濡れてしまう。
また風が強いときには、その風圧でポンチョの前面部が捲くれ上ってしまう。
そして、ポンチョの後面部の裾部が自転車の後輪に触れ、汚れるという問題があった。
前記特許文献1に記載の考案では、前面覆い部の裏面に係止具を設けて上記課題を解決したが、この係止具による係止では、その係止具を設けた位置が係止されるのみで、いわば点による係止であり、強風に煽られた場合には、その係止点以外の部分の本体部の裾部が捲くれ上がるという問題が残っていたのである。
この課題を解決するために、本願発明においては、重り部材を採用するのであるが、本願発明においては、この重り部材に工夫を加えて、単なる重り部材でなく、この重り部材に他の機能、例えば、他の車両運転者からの視認の向上、或いは製品としての付加価値を付与するための工夫を加えることも本願発明の課題とするところである。
更に、その係止具の係止力にも拘わらず、何らかの原因で、風圧以上の力がその係止具に付加されると、その係止具は前籠等から離脱できる。それ故、前面覆い部が前籠に係止され固定されていても何ら危険性はない。
また、前面覆い部が上記の通り、ハンドル部や前籠等を被覆でき、重り部材が存在することと相俟って、その前面覆い部とその両側の側面覆い部が両側に張り出した状態となり、膝部分に雨の滴が掛かることも少なくなる。
後面覆い部も、サドルの下方位置で、後方車輪に掛からない大きさに形成することにより、後面覆い部の裾部が汚れることも防止できる。
重り部材を透明としたことにより、この重り部材をポンチョ本体部の前方下端縁部分及び側方下端縁部分の表面側でも裏面側でも何れの側に設けることもできる。
このように構成することにより、ポケット部に収納する重りシート材を他の別の重りシート材と交換することもできるし、或いは、不使用時にポンチョを小さく畳んで収納することもできるし、重りシート材を別に仕舞って置くことも出来る。
これによって、反射部材が施された重りシート材を使用すれば、夜間、他の車両の運転者等からの視認性を向上させ、事故防止に効果を発揮する。
他方、図絵等の装飾が施されたものにあっては、ポンチョの前方下端縁部分及びその左右両側の側方下端縁部分に図柄や模様が施されたポンチョとして生まれ代わり、また他の図柄や模様が施された重りシートに入れ替えれば、その図柄等を変更することができ、使用時の気分に合わせて重りシート材を装飾体として選択して、楽しんで使用することができることとなる。
図1は、本発明の自転車用雨除けポンチョに係る一実施形態を示す正面説明図である。
本発明に係るポンチョ10は、その本体部が前面覆い部11と後面覆い部12と、これらを相互に接続する側面覆い部21、21とから構成され、これらを相互に縫製し、その上方中央部に頭部を挿通するための開口部13を設け、この開口部13の周縁部にフード14を設けたものである。
前面覆い部11は、自転車のハンドル部を被覆し、尚且つ自転車の前籠、又は、ハンドル部中央に設備されたチャイルドシートの全体を被覆できる大きさと前方延長長さを有している。
襟部15、15の相互の接合面には、面ファスナー15fを設け、相互に係着離脱自在としている。
フード14の上方前方には鍔部16を形成し、フード14の前方両側には頬覆い部18、18を設けている。
これにより、着用者の顔部の露出を出来る限り少なくすることができ、首部から雨水が浸入することを防止できるのである。
重り部材30は、透明の合成樹脂製シート材からなり、この実施形態ではPVCシートを使用しており、このPVCシートを本体部の前面覆い部11の下端縁部分の形状に裁断して、これを前面覆い11の下端縁部分に縫着して形成している。
これらの重り部材30、31を設けたことにより、本発明に係るポンチョ10を着用して自転車に乗ると、その前面覆い部11の下端縁部分に位置する前方重り部材30が前籠やチャイルドシートの前縁から下方に良好に垂れ下がり、同様に両側の側方重り部材31
が良好に下方に垂れ下がることとなり、風圧にも良好に耐えることとなるのである。
この実施形態では、重り部材30、31を透明合成樹脂製シートを利用している関係上、その縫着面は、本体部の裏面でも表面でも何れの面にも縫着することができる。
上記の実施形態では、透明合成樹脂製シートを用いて、ポンチョ本体部の前面覆い部の下端縁部分と、側面覆い部の下端縁部分の表面又は裏面に縫着したが、この重り部材は、例えば、透明の合成樹脂製シートの3辺を前面覆い部11及び側面覆い部12の下端縁部分にそれそれ縫着してポケット部を形成し、このポケット部内にやはり合成樹脂製の重りシート材を収納することによって形成することができる。
重りシート材として異なる重みのシート材を用意することによって、その使用日の風の強さに応じて重量の重いものを選択して使用することができる。
更に、重りシート材として、その表面に図柄や模様が設けられたもの、或いは、光反射部材が設けられたものを使用することにより、デザインを変更したり、夜間の使用に際して、他の車両運転者の視認効果を高めたりすることができる等々、多種の効果を発揮させるものとして実施することができるのである。
この場合には、透明のポケット部は、本体部の表面側に設ける必要がある。
このようにすれば、重りシート材は1つのものとして実施でき、しかも、不使用時にはこれを折畳んで収納しておくことができ、ポンチョ本体部も重りシート材を別置出来るための、より小さく折畳んで仕舞っておくこともできるのである。
この透明部35は、透明の合成樹脂シート(PVCシート)を縫着したものである。
この透明部35は、このポンチョ10を着用して自転車に乗ると、丁度、ハンドル部分、前籠部分、又は、ハンドル部中央にチャイルドシートが設けられた自転車にあっては、このチャイルドシート部分に対応する位置に設けられており、このポンチョ10を着用した使用者が自転車に乗ると、ハンドル部分や前籠部分を確認でき、或いはチャイルドシートに子供を乗せた際には、子供の視界を妨げることなく、且つ子供の状態を確認できるという効果をも併せ持つものとなるのである。
係止具の形態については、自由に設計することができ、本発明では、クリップを使用して、強制的にポンチョ本体部10が引っ張られた際には、容易に離脱できるものを採用している。
他方、転びそうになった時等には、強制的に係止具が引っ張られて、その力によって係止具は前籠から離脱することができるものである。より詳細な具体的な構成としては、上記特許文献1に記載のものを採用することができる。
従って、係止具の前籠への固定による問題は全くなく、安全性は十分に備えているものである。
図3は、上記実施形態に係るポンチョを着用して自転車に乗った状態の側方から見た側面説明図である。
これらの使用状態を示す図によって、より明瞭に本発明の特徴部分を見て取ることができる。
この前方下端縁部分に設けた前方重り部材30が、前記した通り、透明のポケット部と重りシート材からなり、その重りシート材の表面側に装飾が施されたものを使用すれば、丁度この部分に装飾が現れ、他のものと交換すれば、他の装飾と交換することもできることとなる。しかも、この重り部材30により、ポンチョ本体部は風圧により捲くれ上がることはないのである。
尚、ポケット部に収納する重りシート材の両面に異なる装飾等を施すことにより、この1枚の重りシート材によって、2種類の図柄又は装飾等を利用し変更することが可能となるのである。
しかし、この係止具の存在は任意のものであり、これが設備されていなくとも、本発明の効果は十分に発揮されるものである。
図3から解る通り、本発明に係るポンチョ10の本体部の後面覆い部12の裾部は後輪に届かない長さに設定し、ポンチョ10の後面覆い部12の裾部が汚れないように配慮しいている。
本発明においては、その重り部材がその最大の特徴部分である。
そして、その重り部材として、上記のように、合成樹脂製シート材を直接縫着したもの、或いは、ポケット部と重りシート材との組み合わせから成るもの等を例示したが、その他の構成を採用することも自由であり、要は、重り部材がポンチョ本体部の前面覆い部とその両側の側面覆い部の下端縁部分設けられていればよいものである。
例えば、合成樹脂製シートからなる重り部材の裏面に面ファスナーを設け、これに対応する前面覆い部及び側面覆い部の下端縁部分にも面ファスナーを設けて、相互に係着できる構成とすることもできる。
上記実施形態においては、ポケット部の開口部に面ファスナー等の係止部材を適宜数設けて、ポケット部の開口を閉鎖できるようにするのも自由である。
この係止部材の存在により、内部に収納される重りシート材の飛び出しを防止することができるからである。
ポケット部に収納する重りシート材の表面に施す模様、図柄等の装飾部材は、全く自由に選択することができ、また反射部材の材質等も全く自由に選択することができる。
ポンチョ本体部の前面覆い部に設けた透明部の形状、大きさ、材質等も全く自由である。
縫製箇所に関しては、その裏面から防水テーブを接着することが望ましい。
フードに設けた鍔部や頬覆い部等は任意の構成要素であり、これなしに実施することも可能である。
勿論、フード根元部に設けた引き絞り用の紐部材も、これを設けずに実施することも可能である。
この係止具は、前籠又はチャイルドシートの前方壁面を構成する構成骨部材に係止させるようにすることも可能である。
以上、本発明は、極めて簡易な構成ではあるが、その重り部材の付加により自転車走行中に風圧によって捲れ上ることが防止され、しかも緊急の場合にはその重り部材は何ら自転車本体とは連結されていないために、容易に離脱が可能で、極めて安全性に富む雨除けポンチョを提供することができた。
11 前面覆い部
12 後面覆い部
13 開口部
14 フード
15 襟部
15f 面ファスナー
16 鍔部
18 頬覆い部
19 紐部材
21 側面覆い部
30、31 重り部材
35 透明部
Claims (6)
- 使用者の身体の外周を被覆できる本体部の略中央に使用者の頭部を挿通するための開口部(13)が設けられ、この開口部(13)を覆うように使用者の頭部を被覆できるフード(14)が設けられ、使用者がこれを着用して自転車に乗った際に、当該本体部は、自転車の形状に沿う形状を有して、前記開口部(13)から前方方向に、自転車のハンドル部、前籠及びチャイルドシートを被覆出来る前面覆い部(11)と、自転車の前籠部の両側側面から自転車及び使用者の両側面をそれぞれ覆う側面覆い部(21, 21)と、使用者の背部を覆う後面覆い部(12)とからなる形状を有し、前面覆い部(11)は後面覆い部(12)よりもその面積を広くし且つ前方延長長さを長く形成して、前面覆い部(11)が自転車のハンドル部、前籠及びチャイルドシートを被覆できるように形成した自転車用雨除けポンチョにおいて、
前面覆い部(11)の下端縁部分とその左右両側の側面覆い部(21, 21)の下端縁部分に重り部材(30, 31)を設け、
この重り部材(30, 31)が、前面覆い部(11)の下端縁部分とその左右両側の側面覆い部(21, 21)の下端縁部分に設けたポケット部とこのポケット部内に収納される重りシート材とから成り、
前記ポケット部を、透明の合成樹脂製シート材を本体部の表面側に縫着することによって形成し、重りシート材の少なくとも一方の面には光反射部材を施し又は図絵の装飾を施したものであることを特徴する自転車用雨除けポンチョ。 - 前面覆い部(11)の下端縁部分とその左右両側の側面覆い部(21, 21)の下端縁部分に設けたポケット部を連続的に設け、
このポケット部に収納する重りシート材も相互に連続的に設け、且つ、その重りシート材の境界部、即ち前面覆い部と側面覆い部との境界に対応する部位を折曲自在とし平面視略コ字形状としたことを特徴とする請求項1に記載の自転車用雨除けポンチョ。 - 前面覆い部(11)の裏面に係止具を少なくとも1つ設け、この係止具を前籠又はチャイルドシートの適宜位置に係止させることができ、且つ、この係止具に外方から風圧以上の力が付加された際には、この係止具が前記前籠又はチャイルドシートから離脱することを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車用雨除けポンチョ。
- 前面覆い部(11)のハンドル対応部分と前籠又はチャイルドシート対応部位に透明部(35)を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の自転車用雨除けポンチョ。
- 頭部挿通用の開口部(13)の前方に切り込みを設けて襟部(15, 15)を形成し、この襟部の両側縁部には相互に係着離脱自在な面ファスナー(15f)を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の自転車用雨除けポンチョ。
- フード(14)の上方前方に鍔部(16)を設け、フード(14)の前方両側には頬覆い部(18, 18)を形成し、且つフード(14)の根元部に紐挿通部を形成し、この紐挿通部に紐部材(19)を挿通して、フード(14)根元部を絞り込むことができるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の自転車用雨除けポンチョ。
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