JP5650006B2 - 作業機 - Google Patents
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Description
特許文献1の作業機の表示装置では、作業機の運転において、作業機に異常が発生するとその異常に関する異常情報をコントローラに記憶し、異常情報を当該表示装置を介して見ることができるようになっている。このように、作業機の表示装置では、異常情報を記憶することができる一方で表示装置に記憶された異常情報を消去することも可能である。
仮にユーザが作業機を多大な負荷で使用していることを隠すために、表示装置に具備された消去機能を用いて異常情報(警告情報)を消去してしまうと、作業機にどのような負荷を掛けていたか分からなくなる虞がある。
請求項1に係る発明では、異常であるか否かを判断し且つ異常であるときに警告を発生する警告発生手段と、前記警告に関する警告情報を記憶する警告記憶手段と、前記警告記憶手段に記憶された警告情報を表示する表示手段と、前記警告情報を消去する警告消去手段とを備え、前記警告記憶手段は、前記警告消去手段によって消去後に発生した警告に関する警告情報を記憶するように構成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記警告記憶手段は、警告情報の消去後に発生した警告のうち、一番最初に発生した警告に関する警告情報を記憶することを特徴とする。
ち、最後に発生した警告に関する警告情報を記憶することを特徴とする。
請求項5に係る発明では、前記警告情報は、消去不能となっていることを特徴とする。
本発明における最も好ましい技術的手段は、以下の通りである。
異常であるか否かを判断し且つ異常であるときに警告を発生する警告発生手段と、前記警告に関する警告情報を記憶する警告記憶手段と、前記警告記憶手段に記憶された警告情報を表示する表示手段と、前記警告情報を消去する警告消去手段とを備え、前記警告記憶手段は、前記警告消去手段によって消去する前に発生した警告に関する警告情報と、前記警告消去手段によって消去後に発生した警告に関する警告情報とを別々に記憶する記憶テーブルを備えていることを特徴とする。
前記表示手段は、消去前に発生した警告に関する警告情報と、消去後に発生した警告に関する警告情報とを別々に表示することを特徴とする。
前記表示手段は、前記警告情報を表示する表示装置で構成され、前記表示装置には警告消去手段にて警告情報を消去すべく消去を実行する消去実行スイッチが接続されており、前記記憶テーブルには、前記消去実行スイッチにて消去が実行された後に発生した警告に関する警告情報が記憶されることを特徴とする。
前記記憶テーブルには、消去前に発生した前記警告情報と、警告情報の消去後に発生した警告であって一番最初に発生した警告に関する警告情報とが記憶されることを特徴とする。
前記記憶テーブルには、消去前に発生した前記警告情報と、警告情報の消去後に発生した警告であって最後に発生した警告に関する警告情報とが記憶されることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、警告情報が消去されたということを把握することが可能であり、作業機内で発生した警告の発生状況も把握し易くなる。
請求項2に係る発明によれば、警告記憶手段に残っている警告情報が、消去実行スイッチによって行って消去を実行後に発生したものであると明確に知ることができる。
請求項4に係る発明によれば、消去後に最後に発生した警告情報を的確に把握することができる。
請求項5に係る発明によれば、消去後に新たに発生した警告情報については消去できないため、意図的に消去した後の情報を確実に残すことができる。
図10は本発明の作業機の全体図を示している。図10に示すように、本発明において作業機はバックホーとしているが、トラクタであってもコンバインであっても、その他の作業を行うものであってもよい。
まず、作業機の全体構成から説明する。
走行装置2は、ゴム製覆帯を有する左右一対の走行体4を備え、両走行体4を走行モータMで動作するようにしたクローラ式走行装置が採用されている。また、該走行装置2の前部にはドーザ5が設けられている。
図1は、作業機における制御システムのブロック図を示したものである。
図1に示すように、作業機における制御システムは、主に作業機の制御を行うメイン制御装置30と、このメイン制御装置30とは別に配置された表示装置15とが備えられている。メイン制御装置30と表示装置15とは、Controller Area Network(CAN通信)などの車両用通信ネットワークNを介してデータの送受信が行えるようになっている。なお、車両用通信ネットワークは、主制御部30と従制御部31とがデータの送受信が行えるものであれば何でもよく、FlexRay(フレックスレイ)であっても、その他のネットワークであってもよい。
例えば、メイン制御装置30は、走行2速制御、アンロード切換制御、スタータ切換制御、盗難防止制御などを行うことが可能である。
走行2速制御は、走行装置2を高速と低速とに切り換える走行2速スイッチ32からのオン又はオフの入力信号に基づいて、走行装置2を高速と低速とに切り換える制御である。アンロード切換制御は、運転席9の側方に設けられたレバーロックスイッチ33からのオン又はオフの入力信号に基づいて、ポンプから吐出された作動油を制御弁に供給可能と供給不能とに切り換える制御である。スタータ切換制御は、スタータスイッチ34からのオン又はオフの入力信号に基づいてスタータリレー35を切り換える制御である。盗難防止制御は、エンジンを始動するエンジンキーに内蔵されたIDコードと、当該メイン制御装置30に内蔵されたIDコードとの照合が成立したときにスタータリレー35をオフからオンにすることを許可し、照合が不成立であるときにスタータリレー35をオフからオンにすることを許可しない制御である。盗難防止手段は、新しいエンジンキーのIDコードを当該メイン制御装置30に登録する登録機能が設けられている。なお、メイン制御装置30は、各種装置を制御するものであればよく、例示した制御に限定されない。
具体的には、このメイン制御装置30には、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ(エンジン回転検出器)40aと、水温を検出する水温センサ(水温検出器)40bと、燃料(残量)を検出する燃料センサ(燃料検出器)40cとが接続されている。即ち、メイン制御装置30には、エンジン回転センサ40a、水温センサ40b、燃料センサ40cなどの検出器40で検出した状態が入力されるようになっている。なお、メイン制
御装置30には、エンジンを始動するエンジンキーのIDコード、バッテリーの電圧なども入力されるようになっている。
図2に示すように、表示装置15は、様々な情報を表示可能な表示部41と、表示部41を制御する制御部31とを備えている。
具体的には、表示装置15を正面視すると、当該表示装置15の左側には12個の単一式LED表示部41Aが設けられ、下側にはセグメント式表示部41Bが設けられ、右側には上下に並ぶ2つの指針式表示部41Cが設けられている。
詳しくは、表示装置15に設けられたLED表示部41Aには、走行用LED表示部41A1、登録用LED表示部41A2、抜き忘れLED表示部41A3、燃料用LED表示部41A4、水温用LED表示部41A5、警告用LED表示部41A6などがある。
詳しくは、このセグメント式表示部41Bは、7つのセグメント42により構成されたセグメント群43(7セグメントという)が左右方向に5個配置され、7セグメント43の周りに、文字(Y、M、D、AM、PM)や記号(△)で構成された9つのセグメントが配置され、7セグメント43の間にドット(:、.)から構成された4つのセグメントが配置されることにより構成されている。7セグメント43は、数字、文字、記号等を表示するためのものであり、7セグメント43の周りに配置された文字や記号のセグメントは、画面操作を指示したり、どのような画面であるか分かるように補足するものである。
図3に示すように、エンジンキーにてシリンダを回し、表示装置15に電源を供給した
後に、表示装置15に接続された第1スイッチ50を押すと、セグメント式表示部41Bにはアワーメータ(累積時間)が表示される。
なお、アワーメータとは、作業機1を製造する製造メーカが作業機1を出荷後、作業機1の駆動した累積時間のことであり、メイン制御装置30又は表示装置15に記憶されるようになっている。
セグメント式表示部41Bに時刻が表示されている状態で、第2スイッチ51を押すと、セグメント式表示部41Bにはエンジン回転数が表示される。さらに、セグメント式表示部41Bにエンジン回転数が表示されている状態で、第2スイッチ51を押すと、セグメント式表示部41Bには、作業機1に発生している警告の警告コードNが表示される。なお、作業機1に複数の警告が発生している場合は、警告コードNが順番に表示される。警告が発生していない場合は、警告コードNは表示されない。なお、セグメント式表示部41Bの左側に表示された「E:」は、右側の数値が警告コードであることを示している。
図2に示すように、指針式表示部41Cは、回転中心部を中心として所定角度で回動する針部45と、針部45と重なるようにゲージ表示部46とを備えていて、針部45の回動し、ゲージ表示部46に対する針部45の先端部の位置によって様々な情報を表示するものである。
燃料用指針式表示部41C1は、針部45の先端がゲージ表示部46の上端を指し示したときは燃料が満タンであることを示し、ゲージ表示部46の下端を示したときは燃料が不足(無くなっている)であることを示す。
表示装置15の制御部31は、メイン制御装置30と当該表示装置15とのデータ(情報)の送受信を行ったり、入力された様々な情報(検出情報、警告情報)を表示部41に表示させるための制御を行うものであり、CPUや汎用IC等から構成されている。また、表示装置15における「通常表示モード」や「特別表示モード」は、表示装置15の制御部31に組み込まれた制御プログラムにて実行するものであっても、メイン制御装置30に組み込まれた制御プログラムであってもよい。
メイン制御装置30は、警告発生手段55と、警告記憶手段56と、警告消去手段57とを備えている。警告発生手段55及び警告消去手段57は、メイン制御装置30内に格納されたプログラム等で構成されている。
警告発生手段55は、検出器40によって検出された検出情報などに基づいて作業機1が異常であるか否かを判断すると共に、異常であると判断したときには警告を発生するも
のである。
また、警告発生手段55は、CAN通信異常、燃料センサ断線異常、水温センサ断線異常など異常が発生したときに警告を発生する。
燃料センサ断線異常とは、燃料センサ40cで検出される抵抗値が所定以上であって非常に抵抗値が大きく当該燃料センサ40cとメイン制御装置30とが断線であると考えられる異常である。水温センサ断線異常とは、水温センサ40bで検出される抵抗値が所定以上であって非常に抵抗値が大きく当該水温センサ40bとメイン制御装置30とが断線であると考えられる異常である。
例えば、CAN通信異常に関する警告コードNは「01」とされ、オーバーヒートに関する警告コードNは「15」とされ、燃料センサ断線異常に関する警告コードNは「17」とされ、水温センサ断線異常に関する警告コードNは「18」とされている。
つまり、警告発生手段55は、メイン制御装置30に入力される様々な情報を用いて作業機1が異常であるか否かを判断し、異常であると判断した場合には、その異常に関する警告に対応した警告コードNを発生する。なお、警告発生手段55によって発生する警告は、当然の如く、上述した例に限定されず、どのような警告であってもよい。
さらに、各記憶テーブルは、初期アワーメータ部、初期時期部、消去後アワーメータ部、消去後時期部、最終アワーメータ部、最終時期部、カウント部、累積カウント部とに分けられる。
このとき、警告記憶手段56は、初めてオーバーヒートの警告が発生したときの累積時間である「100時間」を、オーバーヒートに対応する初期アワーメータ部に記憶させると共に、オーバーヒートの発生時期である「2009年3月2日」をオーバーヒートに対応する初期時期部に記憶させる。説明の便宜上、初期アワーメータ部に記憶した警告情報を初期累積時間、初期時期部に記憶した警告情報を初期発生時期ということがある。
消去後時期部は、警告消去手段57によって警告情報が消去後(後述する消去実行スイッチを押した後)、新たに警告が発生したときに、警告の発生時期を警告情報として記憶する部分である。
このとき、警告記憶手段56は、累積時間である「140時間」をオーバーヒートに対応する消去後アワーメータ部に記憶させると共に、オーバーヒートが発生した時期である「2009年7月6日」をオーバーヒートに対応する消去後時期部に記憶させる。
図6(a)に示すように、例えば、既に最終アワーメータ部に累積時間である「100時間」が記憶され、且つ、既に最終時期部に時期である「2009年3月2日」が記憶されている場合において、その後、2009年7月6日に同じ警告コードNにおいて警告が発生し、そのときの累積時間が140時間であったとする。
なお、説明の便宜上、最終時期部に記憶した警告情報を最新累積時間、最終時期部に記憶した警告情報を最新発生時期ということがある。
さて、警告記憶手段56にて記憶された様々な警告情報は、表示装置15を上述した通常表示モードではなく特別表示モードにすると表示することができる。つまり、表示装置15を、警告記憶手段56に記憶された警告情報を表示する表示手段として動作させることができる。
そして、表示装置15を特別表示モードにした後、第2スイッチ51を数秒間長押し、表示装置15を「特別表示モード」の中の「警告来歴モード」にする。警告来歴モードにした後、第2スイッチ51を長押しすると、まず、セグメント式表示部41Bに警告情報の警告コードNが表示される(警告コード表示画面)。
そして、警告コード表示画面が表示されている状態で第2スイッチ51を押すと、警告コードNに対応する記憶テーブルから中間発生回数(カウント部に記憶した警告情報)が表示装置15に読み出され、セグメント式表示部41Bに中間発生回数(カウント部に記憶した警告情報)が表示される。
さらに、第2スイッチ51を押すと、警告コードNに対応する記憶テーブルから初期発生時期(初期時期部に記憶した警告情報)が読み出され、セグメント式表示部41Bに初期発生時期の一部(年数)が表示され、次に、第2スイッチ51を押すと、初期発生時期の一部(月日)が表示される。このように、第2スイッチ51を押す毎に記憶テーブルから警告情報が順番に読み出され、セグメント式表示部41Bに表示されることになる。
なお、第2スイッチ51を押す毎に各警告情報を記憶テーブルから読み出すとしているが、警告コード表示画面にて警告コードNを表示したときに、当該警告コードNに対応する記憶テーブルの警告情報を一括して読み出し、一時的に保存して、その後、第2スイッチ51を押すたびに順に警告情報をセグメント式表示部41Bに表示してもよい。
警告消去手段57は、警告記憶手段56に記憶された警告情報を論理消去するものであって、後述するように、論理消去された警告情報は警告記憶手段56内に存在しないものとして処理される。
つまり、警告消去手段57によって警告情報を消去すると、消去された警告情報は、警告記憶手段56内に無いと扱われ、消去された警告情報は、警告記憶手段56から読み出すことができないようになり、表示装置15によって表示できなくなる。
機1の警告の発生状況を把握することができなかった。
一方、本発明では、消去後アワーメータ部に保存されている警告情報(中間累積時間)、消去後時期部に保存されている警告情報(中間発生時期)をみれば、少なくとも、消去作業を行ったことが把握できると共に、消去後に発生した警告情報から、過去に発生した警告を推測することができる。一度発生した警告は再び発生し易いため、消去後アワーメータ部や消去後時期部に対応する警告コードNをみれば、消去前の警告が何であるか推測することも可能である。
上述した実施形態では、消去後アワーメータ部の警告情報や消去後時期部の警告情報は上書きとなって更新されることから、警告記憶手段56は、警告情報の消去後に発生した警告のうち、最後に発生した警告情報を記憶することができる構成である。そのため、消去後アワーメータ部の警告情報や消去後時期部の警告情報は、消去後に発生した警告情報のうち、最新のものであると認識することができる。これに代え、警告記憶手段56は、警告情報の消去後に発生した警告のうち、一番最初に発生した警告情報を記憶する構成であってもよい。
、表示装置15で表示するだけでなく、パーソナルコンピュータなどをメイン制御部30や表示装置15に接続できるようにして、外部に取り出せるようにするようにしてもよい。消去後記憶部分に記憶された警告情報の取り出し方法は、パーソナルコンピュータで取り出すだけでなく、外部のフラッシュメモリを接続して取り出しても良いし、その他の方法であってもよい。
上述した実施形態では、警告発生手段55と警告記憶手段56と警告消去手段57とをメイン制御装置30に設けていたが、警告発生手段55、警告記憶手段56、警告消去手段57は、作業機1のどこに設けても良い。例えば、警告発生手段55、警告記憶手段56、警告消去手段57とを表示装置15に設けてもよいし、これらを、作業機1を制御する制御装置のいずれかに設けるようにしてもよい。
30 メイン制御装置
31 制御部
55 警告発生手段
56 警告記憶手段
Claims (5)
- 異常であるか否かを判断し且つ異常であるときに警告を発生する警告発生手段と、前記警告に関する警告情報を記憶する警告記憶手段と、前記警告記憶手段に記憶された警告情報を表示する表示手段と、前記警告情報を消去する警告消去手段とを備え、
前記警告記憶手段は、前記警告消去手段によって消去する前に発生した警告に関する警告情報と、前記警告消去手段によって消去後に発生した警告に関する警告情報とを別々に記憶する記憶テーブルを備えていることを特徴とする作業機。 - 前記表示手段は、消去前に発生した警告に関する警告情報と、消去後に発生した警告に関する警告情報とを別々に表示することを特徴とする請求項1に記載の作業機。
- 前記表示手段は、前記警告情報を表示する表示装置で構成され、前記表示装置には警告消去手段にて警告情報を消去すべく消去を実行する消去実行スイッチが接続されており、前記記憶テーブルには、前記消去実行スイッチにて消去が実行された後に発生した警告に関する警告情報が記憶されることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機。
- 前記記憶テーブルには、消去前に発生した前記警告情報と、警告情報の消去後に発生した警告であって一番最初に発生した警告に関する警告情報とが記憶されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の作業機。
- 前記記憶テーブルには、消去前に発生した前記警告情報と、警告情報の消去後に発生した警告であって最後に発生した警告に関する警告情報とが記憶されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の作業機。
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