JP5644989B2 - スチレン系熱可塑性エラストマーの中空マイクロカプセルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中空マイクロカプセルおよびその製造方法に関する。また、本発明は安全タイヤに関する。
中空マイクロカプセル(「中空粒子」とも呼ばれる。)は、変形性、断熱性、軽量性等の様々な性質を有することから、感熱記録材料、電子写真受像材料、化粧料材料、安全タイヤに内蔵する材料などとして使用されている。例えば、感熱記録材料に使用されるアクリル系ビニルモノマー等のビニルモノマーと多官能性ビニルモノマーからなる中空粒子(特許文献1)、電子写真受像材料に使用されるスチレン−アクリル樹脂等を壁材とする中空粒子(特許文献2)、化粧料原料に使用される塩化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン等のポリマーからなる中空粒子(特許文献3)、及び安全タイヤに使用される塩化ビニリデン系重合体、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体などからなる中空粒子(特許文献4)が知られている。しかしながらこれらの中空粒子は硬く柔軟性に乏しいため大変形しにくい、空隙率が十分ではない、あるいは高価であるなどの問題点が市場から指摘されている。
また、従来、中空マイクロカプセルの製造方法として、例えば、液体を内包するマイクロカプセルを生成し、その内部の液体を抽出して中空にする方法(特許文献5)、同様のマイクロカプセルを熱膨張させてマイクロカプセルを生成する方法(特許文献6)などが用いられてきた。しかしながら、従来の方法では、短時間に、かつ均一なマイクロカプセルを生産することが困難であるという問題があった。
この問題を解決すべく、近年では、微細気泡の気液界面で、直接重合反応させて100nm〜100μmの大きさを持つ分散した中空のマイクロカプセルを製造する技術が開発されている(特許文献7)。また、水に不溶なマイクロカプセルの殻となる物質を含む水に難溶性の液体を水中に乳化分散させた乳化液中に、気泡を発生させ、気泡の周囲に該殻となる物質を凝集及び沈着させる技術が開発されている(特許文献8)。これらの技術の開発により、ポリ乳酸などを用いて中空マイクロカプセルを構築することが可能となり、中空マイクロカプセルの用途の拡大が期待されるようになっている。
一方、ポリスチレンブロックからなるハードセグメントと、ポリオレフィンブロックからなるソフトセグメントを含むスチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性と弾性を有しながら成形加工が容易であり、しかも安価であることから、近年、自動車、雑貨用品、医療用品などへ幅広く適用されつつあり、更なる用途の拡大が期待されるようになっている。
しかしながら、これまで、このようなスチレン系熱可塑性エラストマーの中空マイクロカプセルについて詳細に検討されたことはなく、その安価で簡便な製造方法については知られていなかった。
特開2007−275872号公報 特開2007−249126号公報 特開2001−199856号公報 特開2003−25806号公報 特開2002−105104号公報 特公平3−79060号公報 特開2007−21315号公報 特開2007−196223号公報
本発明の目的は、中空マイクロカプセルの用途を拡大しうるような、新規な中空マイクロカプセルを提供することにある。詳細には、大きい空隙率を有し、軽量で、かつ高い柔軟性、弾性を有し、さらに安価である中空マイクロカプセルおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ポリスチレンブロックとポリオレフィンブロックを含むスチレン系熱可塑性エラストマーの特性、中空マイクロカプセルの製造方法等について、研究を行ってきた。その結果、特定の方法を用いることにより、ポリスチレンブロックとポリオレフィンブロックを含むスチレン系熱可塑性エラストマーを原料とした高い空隙率を有する中空マイクロカプセルを製造できることを知見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)ポリスチレンブロックとポリオレフィンブロックを含むスチレン系熱可塑性エラストマーからなり、かつ空隙率が10〜95%である中空マイクロカプセル。
(2)前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量が10000〜200000の範囲であり、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が30000〜400000の範囲である、(1)に記載の中空マイクロカプセル。
(3)前記スチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体に気体を導入し、気体を導入した該水難溶性の液体を水中に分散させた後、該分散液中に気泡を発生させ、発生した気泡の周囲に該スチレン系熱可塑性エラストマーを凝集及び沈着させることを含む、(1)又は(2)に記載の中空マイクロカプセルの製造方法。
(4)安全タイヤ用である、(1)又は(2)に記載の中空マイクロカプセル。
(5)(4)に記載の中空マイクロカプセルを内蔵する安全タイヤ。
本発明により、大きい空隙率を有し、軽量で、かつ柔軟性、弾性が高く、さらに安価である中空マイクロカプセルを提供することができる。ポリスチレンブロックとポリオレフィンブロックを含むスチレン系熱可塑性エラストマーからなる中空マイクロカプセルは、衝撃吸収材料、低誘電率材料、あるいは安全タイヤの材料としての用途が考えられる。なかでも本発明の中空マイクロカプセルは、安全タイヤの材料としてタイヤ内に内蔵するのに適している。
本発明の中空マイクロカプセルは、ポリスチレンブロックおよびポリオレフィンブロックを含むスチレン系熱可塑性エラストマーからなる。すなわち、前記スチレン系熱可塑性エラストマーの連続相で囲まれた殻により、外部と連通しない独立気泡が内包されている構造を有する。本発明において、ポリスチレンブロックは、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、α−エチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレンおよびp−メチルスチレンから選ばれる少なくとも1種の単位から構成されることが好ましく、スチレン及びα−メチルスチレンから選ばれる少なくとも1種の単位から構成されることが好ましい。中でもスチレンから構成されることがさらに好ましい。
本発明において、ポリオレフィンは、オレフィンの重合体およびポリエンの両者を含む概念である。ポリオレフィンブロックは、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレンおよびエチン(アセチレン)から選ばれる少なくとも1種の単位から構成さ
れることが好ましい。
また、前記スチレン系熱可塑性エラストマーは水素添加されていてもよい。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーとして、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)及びスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリイソプレン−ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリ(エチレン−1−ブテン)−ポリ(α−メチルスチレン)、及びポリ(α−メチルスチレン)−ポリ(エチン−プロピレン)−ポリ(α−メチルスチレン)を例示できる。更に、これらのジブロック体、ラジアル体、ランダム共重合体も使用することができる。
また、前記スチレン系熱可塑性エラストマーには、官能基を含むスチレン系熱可塑性エラストマーも含まれる。官能基としては、無水マレイン酸基、エポキシ基、オキサゾリル基、アミノ基等が挙げられる。なかでも、無水マレイン酸基、エポキシ基が好ましい。これらの官能基はグラフト共重合、ランダム共重合などの周知の方法で含有させることができる。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーのメルトフローレシオ(MFR、JIS K7210に準拠する)は230℃、荷重2.16kgの条件で、0.5〜20/10分の範囲が好ましく、1〜15/10分の範囲がさらに好ましい。また、GPC(Gel Permeation Chromatography)によるポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは10000〜200000の範囲であり、さらに好ましくは20000〜130000の範囲である。また、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは30000〜400000の範囲であり、さらに好ましくは50000〜200000の範囲である。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーにおけるポリスチレンブロックの含有率は、好ましくは5〜80質量%であり、更に好ましくは10〜60質量%である。
また、前記スチレン系熱可塑性エラストマーの硬さ(JIS K-6253に準拠、デュロメーター タイプA)は、好ましくは10〜110の範囲であり、さらに好ましくは20〜95の範囲である。また、該スチレン系熱可塑性エラストマーの引っ張り弾性率(JIS K-7113に準拠、引っ張り速度10mm/min)は好ましくは5〜50MPaの範囲であり、さらに好ましくは8〜30MPaの範囲である。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーを上記の範囲とすることにより、中空マイクロカプセルの製造が容易になり、良好な物性が得られる。
本発明の中空マイクロカプセルの数平均粒子径は用途に応じて変えることができるが、好ましくは0.2〜80μmの範囲であり、さらに好ましくは0.5〜50μmの範囲である。また、本発明の中空マイクロカプセルは、単一の独立気泡を含有していても複数の独立気泡を含有していてもよいが、好ましくは単一の独立気泡を含む。
また、本発明の中空マイクロカプセルの形状は用途に応じて変えることができるが、好ましくは大気圧下で略球状である。
本発明の中空マイクロカプセルの空隙率は10〜95%であり、好ましくは20〜80%である。空隙率は、中空マイクロカプセルの用途に応じて制御可能である。空隙とは、独立気泡をいう。本発明における空隙率は、大気圧での体積に基づいて、下記式により求められる。
空隙率(%)=マイクロカプセル内の空隙の体積/マイクロカプセルの空隙を含む全体積)×100
本発明の中空マイクロカプセルは、前記スチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体に気体を導入し、気体を導入した該水難溶性の液体を水中に分散させた後、かかる分散液中に、例えば超音波照射などの手法によって気泡を発生させ、発生した気泡の周
囲に該スチレン系熱可塑性エラストマーを凝集及び沈着させて製造することができる。
本発明において、水難溶性の液体とは、20℃における水100質量部に対する溶解度が5質量部以下、より好ましくは2質量部以下のものをいう。水に難溶性の液体は、好ましくは低沸点、さらに好ましくは沸点5〜50℃であり、具体的には塩化メチレン、クロロホルムなどが好ましく挙げられる。なかでも塩化メチレンが好ましい。水に難溶性の液体におけるスチレン系熱可塑性エラストマーの含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1〜10質量%である。このような濃度にすることで、後述するスチレン系熱可塑性エラストマーを含む分散液を得るのが容易になる。また、ここで前記スチレン系熱可塑性エラストマーの濃度を調節することによって中空マイクロカプセルのカプセル厚みを制御できる。例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーの濃度が高い程、マイクロカプセルのカプセル膜厚を厚くできる。
続いて、前記スチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体に気体を導入する。気体の導入は、前記スチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体をオートクレーブなどの圧力容器内に封入後、気体を導入し、0.20MPa以上、好ましくは0.30MPa以上に保持することにより行うことができる。好ましくは、2.0MPa以下に保持する。また気体の導入の際の温度は、好ましくは10〜50℃である。続いて、室温で10〜120分保持し、オートクレーブ内の圧力を大気圧に戻す。
導入する気体は特に制限されないが、好ましくは窒素、空気、アルゴン、ヘリウム、水素等であり、さらに好ましくは窒素又は空気である。
このようにして気体を導入したスチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体を水中に分散させる。前記スチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体を水中に良好に分散させるには、前記スチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは1.5〜10質量部である。また、水中に塩化メチレンなどの水難溶性の液体を添加しておくことも好ましい。これは、後述する超音波を付与した場合に、微細気泡が発生し易くなるためである。水中に添加する水難溶性の液体は、前記スチレン系熱可塑性エラストマーを溶解した溶媒と同一のものであることが好ましい。
分散させる方法としては、前記気体を導入したスチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体を微細管を用いて水中に供給する方法などを用いることが好ましい。小規模の実験においては、マイクロシリンジを使用して、前記水難溶性の液体を水中に適下することができる。
続いて、前記スチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体を分散させた分散液中に気泡を発生させる。
気泡の発生は、例えば、該分散液に超音波を照射することにより、生成することができる。この場合、具体的には、該分散液中のスチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体の液滴に超音波を付与する。超音波の付与により、水中の下方に分散した乳化液から、微細な気泡が上方に浮き上がり、その際に、前記スチレンケイ熱可塑性エラストマーが気泡周囲に取り込まれ、微細な中空マイクロカプセルが生成する。
上述した気体を導入したスチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体を水中に分散させる工程、及び分散液中に気泡を発生させる工程は、例えば、前記気泡を発生させた乳化液を供給するための微細管、超音波振動子及び水槽を備えた装置により行うことができる。このような装置は、例えば、特開2005−74369号公報に記載されている装置などを参考にして製造することができる。
超音波の周波数やその照射時間は特に規定するものではなく、適宜サンプルに応じて決めることができる。周波数は、20〜100kHzが好ましい。周波数がこの範囲であると、気泡が破壊されることなく、安定した気泡の生成が可能となる。また、照射時間は、1〜500秒が好ましく、5〜300秒がさらに好ましい。
続いて、前記方法により生成された中空マイクロカプセルは、ろ過などの方法により乳化液から分離することができる。この際、比較的多量の水を加えて、前記水難溶性の液体を水に吸収させることが好ましい。
気泡の周囲にスチレン系熱可塑性エラストマーを凝集及び沈着させることにより、気泡の数を減らし、厚みの小さいスチレン系熱可塑性エラストマーの殻の生成が容易となるため、中空マイクロカプセルの空隙率を大きくすることが容易となる。
そして、中空マイクロカプセルの空隙率が大きいスチレン系熱可塑性エラストマーの中空マイクロカプセルは、柔軟性、弾性率が大きく、高圧下で大変形が可能であり、しかも軽量である。
本発明の中空マイクロカプセルは、安全タイヤに内蔵する材料として使用することが好ましい。本発明において、「安全タイヤ」とは、中空ドーナツ状のタイヤをリムに装着したタイヤ・リム組立体の内部に、高圧ガスと発泡材料を内蔵するタイヤを指す。
本発明の安全タイヤは、発泡材料として、本発明の中空マイクロカプセルが使用される。また、高圧ガスとしては、空気、窒素、アルゴンなどを使用することができる。
すなわち、本発明の中空マイクロカプセルはガス中に浮遊した状態となる。この際、タイヤの内圧を常時適正に保持するためには、タイヤ内からできるだけガスが漏れ出ない構造が好ましい。そのためには例えば、タイヤ内壁をガスバリア性樹脂の層で被覆するのが好ましい。該ガスバリア性樹脂としては、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、液晶ポリマー、ポリアミドなどが挙げられる。高圧下でのタイヤ内の本発明の中空マイクロカプセルの占有体積は、10〜85%が好ましく、20〜70%がさらに好ましい。
正常走行時には、タイヤ内が高圧であるために、タイヤ内の中空マイクロカプセルは大変形し、パンク時には、タイヤ内が減圧状態となるために、該中空マイクロカプセルが大変形から回復し、遠心力でタイヤ破損に集中してその破損部分を被覆する。
そのため、該タイヤもそれ以上のガス漏れが少なくなるために、その形態が十分に保持され、パンク後も車両がかなりの距離を走行することが可能となり、運転者はパンク後、車両を安全な場所まで移動させることができる。すなわち、本発明の中空マイクロカプセルにより、安全性に優れたタイヤを製造することが可能となり、そのために交通事故を大幅に減少させることが可能となろう。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)スチレン系熱可塑性エラストマー
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては以下のものを使用した。
旭化成(株)製 スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体 タフテックM1911
スチレン/エチレン、ブタジエン=30/70(質量比)、官能基含有
Mw:101000、 Mn: 62000、 MFR(230℃、 2.16kg荷重):4.5g/10分、 硬さ(JIS K-6253, デュロメーター タイプA):84、 引っ張り弾性率(JIS K-7113, 引っ張り速度 10mm/min):20MPa
(2)スチレン系熱可塑性エラストマーのマイクロカプセルの製造
上記のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体を0.5g計量して30ccの塩化メチレンに溶解した。
次に上記の共重合体の塩化メチレン溶液を耐圧容器である、オートクレーブ中に移し、オートクレーブを密封後、窒素ガスを該耐圧容器内に導入して系内の圧力を0.30MPaとしたのち、30分間室温で保持した。その後、該耐圧容器内の圧力を大気圧に戻した。
別に用意したシャーレに、塩化メチレンの1質量%水溶液を満たした。次に、マイクロシリンジを使用してオートクレーブ内のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体を含む塩化メチレン溶液を抜き取った後、シャーレ内の塩化メチレンの1質量%水溶液中に少しずつ滴下した。ブロック共重合体を含む液滴はシャーレ内の塩化メチレン1質量%水溶液の下部に分散した。上記塩化メチレン溶液の滴下が終わったら、次に70W出力の超音波を超音波発生装置の水槽下部から上記のシャーレ内へ向けて、出力42kHzで30秒間、照射した後、室温で静置した。
この際に、シャーレ内部を光学顕微鏡で観察すると、シャーレの下部に分散した乳化液に含まれる液滴の内部から泡状の微細粒子が生成し、上方へ浮いていくのが認められた。このような微細粒子の生成は約30分間続いた後止まった。
次に、シャーレ内の液表面付近に浮遊した微細粒子を、ピペットで吸引・回収した後、ろ過して水分を乾燥することで、固体のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の中空マイクロカプセルを得た。
(3)スチレン系熱可塑性エラストマーのマイクロカプセルの観察
得られたブロック共重合体の中空マイクロカプセルを金蒸着した後に、その走査型電子顕微鏡観察を行なった。得られた中空マイクロカプセルの走査型電子顕微鏡写真を図1、2に示す。図1、2は粒子径3−5μm程度の別個のマイクロカプセルに関して、同一倍率で撮影しており、図中のスケールバーは1μmを示す。図1では得られた球状の中空マイクロカプセルの外観が見られる。図2はへき開した該ブロック共重合体のマイクロカプセルの走査型電子顕微鏡写真である。本実施例により得られた上記マイクロカプセルが中空であることがこの写真からも確認できる。ここではマイクロカプセルの中心に単一の大きな独立気泡が認められ、このマイクロカプセルの走査型電子顕微鏡写真から計算したその空隙率は約51%であった。
スチレン系熱可塑性エラストマーの中空マイクロカプセルの走査型電子顕微鏡写真、スケールバー=1μm スチレン系熱可塑性エラストマーの中空マイクロカプセルのへき開面の走査型電子顕微鏡写真、スケールバー=1μm

Claims (2)

  1. ポリスチレンブロックとポリオレフィンブロックを含むスチレン系熱可塑性エラストマーを含む水難溶性の液体からなる高分子溶液に気体を導入し、気体を導入した該高分子溶液を水中に分散させた後、該分散液中に気泡を発生させ、発生した気泡の周囲に該スチレン系熱可塑性エラストマーを凝集及び沈着させることを含む、ポリスチレンブロックとポリオレフィンブロックを含むスチレン系熱可塑性エラストマーからなり、かつ空隙率が10〜95%である中空マイクロカプセルの製造方法。
  2. 前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量が10000〜200000の範囲であり、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が30000〜400000の範囲である、請求項1に記載の製造方法
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