JP5644985B1 - 変形解析装置、変形解析方法及びプログラム - Google Patents

変形解析装置、変形解析方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

材料の解析データを記憶する記憶部(12)と、解析データに基づいて材料の変形の各時刻における前記材料の各要素の、応力及びその他の状態変数を算出する状態変数算出部(152)と、算出された状態変数に基づいて材料の各要素において、予め前記材料に対して求めた破断限界応力線に基づいて、破断が発生したか否かを判定する破断判定部(153)と、材料の各要素のうちの破断が発生したと判定された要素について、該要素を消去することなく、σを剛性低下を考慮した応力、Dを連続体損傷力学における損傷変数(ただし、0≰D≰1)、及びσ’を剛性低下を考慮しない応力とし、次式によりσを減少させることで、σ=(1−D)σ’該要素の剛性を低下させ、解析データを更新する応力修正部(154)とを備える。

Description

本発明は、変形解析装置、変形解析方法及びプログラムに関する。
材料の変形、例えば、板材のプレス成形においては、成形条件が適切でないと成形品に成形割れが発生することが知られている。そのため、コンピュータを用いて、様々な成形条件により板材のプレス成形のシミュレーションを行い、その結果に基づいて成形条件の妥当性を判断するという手法が用いられている(例えば、特許文献1)。
このような手法は、一般に、
(1)設定した成形条件によりプレス成形のシミュレーションを行い、そのシミュレーション結果を用いて材料各部のひずみを逐次算出する、
(2)算出されたひずみが、予め材料毎に用意された成形限界線図(Forming Limit Diagram、FLD)に描かれている成形限界線(Forming Limit Curve、FLC)を超えるか否かに基づいて成形割れの発生についての判定を行う、
(3)成形割れが発生すると判定された場合に、成形割れ発生の原因と考えられる部分の成形条件を修正する、
といった三つのステップを、成形割れが発生せず、且つ他の要求(例えば、製品の低重量化、薄型化等)をも満足するような、適切な成形条件が得られるまで繰り返し実行する、というものである。
このような、成形限界線図を参照してプレス成形のシミュレーションにより適切な成形条件を探索する手法は、製品設計段階でのコスト削減と設計期間の短縮を図る上で非常に有用なものである。
しかしながら、従来の手法は、ひずみの方向が常に一定である、いわゆる比例変形の場合の成形限界線図(比例変形FLD)を単純に参照して成形割れが発生するか否かを判定するものであり、複雑な変形を伴う実際のプレス成形に適用しても、適切な成形条件の探索をなし得ないことも多い。換言すれば、従来の手法は、変形経路依存性が強く、複雑な変形が生じる衝突等の現象には適用することができない。
そこで、近年、ひずみの代わりに、応力を用いて成形割れが発生するか否かを判定する手法(応力FLD)が開発されている。例えば、特許文献2には、比例負荷経路でひずみ空間の破断限界線を推定し、ひずみ空間の破断限界線を応力空間の破断限界線(破断限界応力線)に変換し、破断限界応力線を用いて破断危険度を算出し、算出した破断危険度から破断判定を行うという手法が開示されている。このような手法により、一つ以上の変形経路変化を含む過程における破断判定対象部位の破断判定を行うことができる。換言すれば、このような手法は、変形経路依存性が弱く、複雑な変形が生じる衝突等の現象にも適用することができる。
ところで、従来の手法では、いずれかの要素で破断が発生した場合に、その要素を消去することにより破断状態を表現している。ある要素が消去されると、その要素にかかっていた応力は、その周辺の要素に分散してかかることになる。したがって、消去される要素のサイズが小さければ、その周辺の要素にかかる応力も小さく、き裂は徐々に進展していくが、消去される要素のサイズが大きいと、その周辺の要素にかかる応力も大きくなり、シミュレーションにおけるき裂は実際以上に進展することになりやすい。したがって、従来の手法では、破断が発生した後の挙動を予測することが困難となる場合がある。
例えば、特許文献3には、筒状体を軸線を互いに平行に集合して構成した衝撃吸収体を有限要素法によりモデル化し、有限要素法によりモデル化した被衝突体と所定に衝突させて衝突解析する衝突解析装置において、上記モデル化した衝撃吸収体の圧縮時における応力と歪の関係で示す全体の抗力特性が予め設定した歪の値を超える領域で、応力が上昇するのを抑制する補正特性を設定するという手法が開示されている。より具体的には、歪εがε1を超える領域で、歪εの増加に伴って応力σが低下する補正特性が開示されている。このような手法により、応力−歪統制の幅広い特性領域で衝突を自然に精度良く再現して解析することができる。
しかしながら、特許文献3では、補正特性の具体的な設定の仕方については開示されていない。
特開2007−152407号公報 特許第4980499号公報 特開2011−53807号公報
上述したように、従来の手法では、破断が発生した後の挙動を予測することが困難となる場合がある。
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、破断が発生した後の挙動を実際の挙動に近付けることを可能とすることを目的とする。
本発明の変形解析装置は、変形に応じて材料内部に生じる状態を示す状態変数を算出する変形解析装置であって、
材料の解析データを記憶する記憶部と、
前記解析デ−夕に基づいて前記材料の変形の各時刻における前記材料の各要素の、応力及びその他の状態変数を算出する状態変数算出部と、
算出された前記状態変数に基づいて前記材料の各要素において、予め前記材料に対して求めた破断限界応力線に基づいて、破断が発生したか否かを判定する破断判定部と、
前記材料の各要素のうちの前記破断が発生したと判定された要素について、該要素を消去することなく、
σを剛性低下を考慮した応力、Dを連続体損傷力学における損傷変数(ただし、0≦D≦l)、及びσ’を剛性低下を考慮しない応力とし、次式によりσを減少させることで、
σ=(1−D)σ’
該要素の剛性を低下させ、前記解析データを更新する剛性低下部と、
算出された前記状態変数を出力する出力部とを備えることを特徴とする。ここで、前記破断とは、破断限界応力線を超えた歪量が前記要素に与えられ、肌あれ発生又はくびれ発生を生じ、変形限界に到っている場合を指す。
また、本発明の変形解析装置の他の特徴とするところは、前記剛性低下部において、前記損傷変数Dが、別に定めるしきい値を超えた場合に、前記破断が発生したと判定された要素を消去する点にある。
本発明の変形解析方法は、材料の解析データを記憶する記憶部を備える解析装置により、変形に応じて前記材料内部に生じる状態を示す状態変数を算出する変形解析方法であって、
前記解析装置が、
前記解析データに基づいて前記材料の変形の一時刻における前記材料の各要素の、応力及びその他の状態変数を算出し、
算出された前記状態変数に基づいて前記材料の各要素において、予め前記材料に対して求めた破断限界応力線に基づいて、破断が発生したか否かを判定し、
前記材料の各要素のうちの前記破断が発生したと判定された要素について、該要素を消去することなく、
σを剛性低下を考慮した応力、Dを連続体損傷力学における損傷変数(ただし、0≦D≦l)、及びσ’を剛性低下を考慮しない応力とし、次式によりσを減少させることで、
σ=(1−D)σ’
該要素の剛性を低下させ、前記解析データを更新し、
更新された前記解析データに基づいて前記材料の変形の次時刻における前記材料の各要素の状態変数を算出し、
算出された前記状態変数を出力することを特徴とする。ここで、前記破断とは、破断限界応力線を超えた歪量が前記要素に与えられ、肌あれ発生又はくびれ発生を生じ、変形限界に到っている場合を指す。
また、本発明の変形解析方法の他の特徴とするところは、前記損傷変数Dが、別に定めるしきい値を超えた場合に、前記破断が発生したと判定された要素を消去する点にある。
本発明のプログラムは、材料の解析データを記憶する記憶部を備えるコンピュータに、変形に応じて前記材料内部に生じる状態を示す状態変数を算出する変形解析を実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記解析データに基づいて前記材料の変形の一時刻における前記材料の各要素の、応力及びその他の状態変数を算出し、
算出された前記状態変数に基づいて前記材料の各要素において、予め前記材料に対して求めた破断限界応力線に基づいて、破断が発生したか否かを判定し、
前記材料の各要素のうちの前記破断が発生したと判定された要素について、該要素を消去することなく、
σを剛性低下を考慮した応力、Dを連続体損傷力学における損傷変数(ただし、0≦D≦l)、及びσ’を剛性低下を考慮しない応力とし、次式によりσを減少させることで、
σ=(1−D)σ’
該要素の剛性を低下させ、前記解析データを更新し、
更新された前記解析データに基づいて前記材料の変形の次時刻における前記材料の各要素の状態変数を算出し、
算出された前記状態変数を出力することを実行させる。ここで、前記破断とは、破断限界応力線を超えた歪量が前記要素に与えられ、肌あれ発生又はくびれ発生を生じ、変形限界に到っている場合を指す。
また、本発明のプログラムの他の特徴とするところは、前記損傷変数Dが、別に定めるしきい値を超えた場合に、前記破断が発生したと判定された要素を消去する点にある。
本発明によれば、破断限界応力線に基づいて破断が発生したと判定された要素について、該要素を消去することなく、σを剛性低下を考慮した応力、Dを連続体損傷力学における損傷変数(ただし、0≦D≦1)、及びσ’を剛性低下を考慮しない応力とし、次式によりσを減少させることで、
σ=(1−D)σ’
該要素の剛性を低下させることにより、破断が発生した後の挙動を実際の挙動に近付けることを可能とする。
図1Aは、実験により得られる応力−ひずみ関係c及び従来手法により得られる応力−ひずみ関係cを示す図である。 図1Bは、剛性低下を考慮しない応力−ひずみ関係c及び本手法により得られる(剛性低下を考慮した)応力−ひずみ関係cを示す図である。 図2は、解析装置の概略構成の一例を示す図である。 図3Aは、要素構成データのデータ構造の一例を示す図である。 図3Bは、節点座標データのデータ構造の一例を示す図である。 図3Cは、変位条件データのデータ構造の一例を示す図である。 図3Dは、荷重条件データのデータ構造の一例を示す図である。 図4は、試験片の一例を示す図である。 図5Aは、評価点データのデータ構造の一例を示す図である。 図5Bは、時刻−節点座標データのデータ構造の一例を示す図である。 図5Cは、時刻−評価点状態データのデータ構造の一例を示す図である。 図6Aは、解析装置の動作フローの一例を示すフローチャートである。 図6Bは、破断判定実行処理の一例を示すフローチャートである。 図6Cは、応力修正処理の一例を示すフローチャートである。 図7Aは、解析パラメータの各パターンの一例を示す図である。 図7Bは、各パターンで共通の破断限界応力線の一例を示す図である。 図8は、解析結果の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、有限要素法(Finite Element Method、FEM)を用いて材料の変形解析を行う。また、応力FLDに基づいて破断判定を行う。いずれかの要素(実際には、要素が有するいずれかの評価点)で破断が発生した場合に、当該要素を即座に消去するのではなく、当該要素の剛性を徐々に低下させ、剛性がある程度低下した時点で、当該要素を消去するようにする。要素の剛性低下は、当該要素にかかる応力を操作することにより表現する。具体的には、連続体損傷力学の考え方に基づき、次式のように表現する。
σ=(1−D)σ’ ・・・(式1)
ここで、σは剛性低下を考慮した応力、Dは連続体損傷力学における損傷変数(ただし、0≦D≦1)、σ’は剛性低下を考慮しない応力である。式1によれば、損傷変数Dが大きくなると、剛性低下を考慮した応力σは小さくなる。
連続体損傷力学とは、材料の損傷と破壊の進行過程を連続体力学的な立場から解析するための力学理論である。連続体損傷力学では、損傷状態を適切な巨視力学的損傷変数を用いてモデル化すると共に、この損傷変数を用いて損傷材料の力学的挙動と損傷の発達を記述する。損傷の発達は、例えば、次式のように記述される。
Figure 0005644985
ここで、D’は損傷変数Dの変化率(損傷速度)、Yは損傷同伴変数、Sは材料定数、pは累積塑性ひずみ、p’は累積塑性ひずみpの変化率、pは累積塑性ひずみpのしきい値、H()はHeaviside関数である。そして、損傷変数Dが増大して臨界値Dに達したとき、即ち、次式が成立したときに、き裂の発生あるいは破壊が生じるものと考える。
Figure 0005644985
損傷変数Dは、損傷過程での微小分布空隙の発達に伴う荷重負担有効面積の減少率と解釈することができる。荷重負担有効面積の減少は、外力により引き起こされる応力σの効果を拡大する。この拡大された応力(有効応力)σ’は、次式のように記述される。
σ’=σ/(1−D) ・・・(式4)
式1は、この式4から導かれたものである。
図1A、図1Bは、本発明の概念を示す図である。
図1Aには、実験により得られる応力−ひずみ関係c及び従来手法(破断が発生した要素を消去する手法)により得られる応力−ひずみ関係cが示されている。ここで、横軸はひずみを、縦軸は応力を示す。また、応力σは、破断限界応力を示す。図1Aに矢印で示されるように、本発明の目的は、曲線cを曲線cに近付けることである。
そこで、いずれかの要素で破断が発生した場合に、当該要素を消去するのではなく、当該要素の剛性を徐々に低下させることにより、これを実現する。図1Bには、剛性低下を考慮しない応力−ひずみ関係c及び本手法により得られる(剛性低下を考慮した)応力−ひずみ関係cが示されている。ここで、横軸はひずみを、縦軸は応力を示す。また、応力σは、破断限界応力を示す。図1Bに矢印で示されるように、破断要素の剛性を徐々に低下させることにより、曲線cが得られる。
図2は、このような解析を行う解析装置1の概略構成の一例を示す図である。
解析装置1は、記憶部12に予め記憶されているプログラムに基づいて、同じく記憶部12に記憶されているデータ及び/又は不図示の他の装置に記憶されているデータを参照し、各種の処理を実行する。また、解析装置1は、ユーザにより操作部13を介して入力された指示に応じて各種の処理を実行し、その結果を表示部14に出力する。そのために、解析装置1は、通信部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、処理部15とを備える。
通信部11は、解析装置1を不図示のネットワークに接続するための通信インターフェース回路を備える。そして、通信部11は、不図示の他の装置からネットワークを介して受信したデータを、処理部15に供給する。また、通信部11は、処理部15から供給されたデータを、ネットワークを介して他の装置に送信する。
記憶部12は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、及び光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを備える。記憶部12は、処理部15での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部12は、ドライバプログラムとして、操作部13を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部14を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、記憶部12は、アプリケーションプログラムとして、解析データの作成を行うアプリケーションプログラム、材料の変形解析を行うアプリケーションプログラム等を記憶する。また、記憶部12は、データとして、解析の対象、条件等を示す解析データ、破断限界応力線を示す限界線データ、解析の終了時刻を示す終了時刻データ等を記憶する。また、記憶部12は、他のデータとして、各要素の評価点を示す評価点データ、現在の時刻を示す時刻カウンタ、時々刻々の各節点の座標を示す節点座標データ、時々刻々の各評価点の状態を示す評価点状態データ等を記憶する。さらに、記憶部12は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
解析データは、解析の対象、条件等を示すデータであり、例えば、材料の形状を示す解析モデルデータ、材料定数を示す材料特性データ、境界条件を示す境界条件データ、解析の制御に係る解析制御パラメータ等が含まれる。解析データは、ユーザが操作部13を介して手動で入力してもよいし、処理部15が解析データの作成を行うアプリケーションプログラムに基づいて自動で作成してもよい。
解析モデルデータは、材料の形状を示すデータであり、例えば、材料の各要素の節点を示す要素構成データ(図3A)、各節点の座標を示す節点座標データ(図3B)等が含まれる。
図3A〜図3Dは、各種データのデータ構造の一例を示す図である。
図3Aには、要素構成データのデータ構造の一例が示されている。要素構成データには、各要素について、当該要素の番号、当該要素が有する節点の番号等が含まれる。
また、図3Bには、節点座標データのデータ構造の一例が示されている。節点座標データには、各節点について、当該節点の番号、当該節点のX座標、Y座標、及びZ座標等が含まれる。
図4は、解析モデルデータに基づいて表示される試験片の一例を示す図である。
図4には、6面体要素を用いてモデル化されたJIS(Japanese
Industrial Standards)5号試験片が平面図により示されている。
材料特性データは、材料定数を示すデータであり、例えば、密度、ヤング率、ポアソン比等が含まれる。
また、応力−ひずみ関係として、式5のSwift則を用いる場合に、K、ε、n等が含まれる。
Figure 0005644985
なお、応力−ひずみ関係は、これに限定されるものではなく、これ以外のもの(例えば、Voce則)でもよい。また、構成方程式という形式ではなく、応力−ひずみ関係を多直線近似化し、値を直接入力してもよい。
さらに、損傷関連定数として、式2におけるD´(損傷速度)、式3におけるD(破断判定される損傷度のしきい値)等が含まれる。
なお、これらの材料定数は、試験(例えば、単軸引張試験)の解析結果が実験結果と一致するように決定する。具体的には、
(1)材料定数の初期値を決定する。
(2)試験の解析を行って破断ひずみ及び応力−ひずみ関係を算出する。
(3)破断ひずみ及び応力−ひずみ関係が実験により得られたものと一致するか否かを判定する。
(4)破断ひずみが一致しない又は応力−ひずみ関係が一致しなければ、材料定数の値を変更する。
(5)破断ひずみ及び応力−ひずみ関係が共に一致するまで(2)〜(4)を繰り返すことにより、材料定数を調整する。
ただし、応力−ひずみ関係は、特に破断ひずみ周辺で精度が低下するため、その比較は、特に損傷が発生しない最大応力点以前において行う。
境界条件データは、境界条件を示すデータであり、例えば、変位条件を示す変位条件データ(図3C)、荷重条件を示す荷重条件データ(図3D)等が含まれる。
図3Cには、変位条件データのデータ構造の一例が示されている。変位条件データには、各節点について、当該節点の番号、当該節点のX変位、Y変位、及びZ変位等が含まれる。
また、図3Dには、荷重条件データのデータ構造の一例が示されている。荷重条件データには、各節点について、当該節点の番号、当該節点のX荷重、Y荷重、及びZ荷重等が含まれる。
図2に戻り、操作部13は、解析装置1の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、キーボード、タッチパッド等である。ユーザは、操作部13を介して文字、数字等を入力することができる。操作部13は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、処理部15に供給される。
表示部14は、映像、画像、文字等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部14は、処理部15から供給された映像データに応じた映像、画像データに応じた画像、文字データに応じた文字等を表示する。
処理部15は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。処理部15は、解析装置1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部15は、解析装置1の各種の処理が記憶部12に記憶されているプログラム、操作部13の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、通信部11、表示部14等の動作を制御する。処理部15は、記憶部12に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部12は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
処理部15は、制御部151と、状態変数算出部152と、破断判定部153と、応力修正部154とを備える。これらの各部は、処理部15が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして解析装置1に実装されてもよい。
以下、制御部151の処理について説明する。
ユーザにより操作部13を介して、材料の変形解析を行うアプリケーションプログラムの実行が指示された場合に、解析装置1は、このプログラムに基づいて処理を開始する。
このプログラムにより実現される制御部151は、データを初期化する。即ち、制御部151は、記憶部12から解析モデルデータを取得し、取得した解析モデルデータに基づいて、各要素について所定数(例えば、八つ)の評価点を決定する。そして、制御部151は、決定した評価点を示す評価点データ(図5A)を作成し、当該評価点データを記憶部12に格納する。また、制御部151は、現在の時刻を示す時刻カウンタ、時々刻々の各節点の座標を示す時刻−節点座標データ(図5B)、及び時々刻々の各評価点の状態を示す時刻−評価点状態データ(図5C)を記憶するための領域を記憶部12に確保し、それぞれを「0」に初期化する。
図5A〜図5Cは、各種データのデータ構造の他の一例を示す図である。
図5Aには、評価点データのデータ構造の一例が示されている。評価点データには、各要素について、当該要素の番号、当該要素が有する評価点の番号等が含まれる。
また、図5Bには、時刻−節点座標データのデータ構造の一例が示されている。時刻−節点座標データには、各時刻における各節点について、当該節点の番号、当該節点のX座標、Y座標、及びZ座標等が含まれる。
また、図5Cには、時刻−評価点状態データのデータ構造の一例が示されている。時刻−評価点状態データには、各時刻における各評価点について、当該評価点の番号、当該評価点のひずみ、応力、破断が発生済みか否かを示す破断フラグ、損傷変数(損傷度)、及び累積損傷速度等が含まれる。
制御部151は、状態変数算出部152に処理の実行を指示し、状態変数(例えば、ひずみ、応力等)を算出させる。
制御部151は、破断判定部153に処理の実行を指示し、応力FLDに基づく破断判定を実行させる。
制御部151は、いずれかの評価点で破断が発生したか否かを判定する。即ち、制御部151は、記憶部12に記憶されている時刻カウンタを参照し、時刻を取得する。また、制御部151は、取得した時刻をキーとして、記憶部12に記憶されている時刻−評価点状態データを参照し、対応する各評価点を特定する。そして、制御部151は、特定した各評価点のうち、いずれかの評価点の破断フラグが破断発生済みを示すか否かを判定する。
いずれかの評価点で破断が発生した場合に、即ち、いずれかの評価点の破断フラグが破断発生済みを示す場合に、制御部151は、応力修正部154に処理の実行を指示し、当該評価点の応力を修正させる。
制御部151は、時刻を一つ進行させる。即ち、制御部151は、記憶部12に記憶されている時刻カウンタを参照し、時刻を取得する。また、制御部151は、取得した時刻をインクリメント(+1)し、時刻を更新する。そして、制御部151は、記憶部12に記憶されている時刻カウンタを参照し、更新した時刻を格納する。
制御部151は、終了時刻に達したか否かを判定する。即ち、制御部151は、記憶部12に記憶されている終了時刻データを参照し、終了時刻を取得する。そして、制御部151は、更新した時刻が取得した終了時刻に達したか否かを判定する。
終了時刻に達していない場合に、制御部151は、状態変数算出部152に対して状態変数の算出指示を行う。
一方、終了時刻に達した場合に、制御部151は、解析結果を出力する。即ち、制御部151は、記憶部12から時刻−節点座標データ及び時刻−評価点状態データを取得する。そして、制御部151は、取得した時刻−節点座標データ及び時刻−評価点状態データを、所定の態様で表示部14に出力する。そして、制御部151は、処理を終了する。
以下、状態変数算出部152の処理について説明する。
状態変数算出部152は、記憶部12から解析データ、評価点データ、時刻−節点座標データ、及び時刻−評価点状態データを取得し、取得した解析データ、評価点データ、時刻−節点座標データ、及び時刻−評価点状態データに基づいて材料の変形解析を進行させ、現在時刻における節点座標及び状態変数を算出する。具体的には、状態変数算出部152は、記憶部12に記憶されている時刻カウンタを参照し、時刻を取得する。また、状態変数算出部152は、取得した時刻の直前時刻をキーとして、記憶部12に記憶されている時刻−評価点状態データを参照し、対応する各評価点の応力を取得する。また、状態変数算出部152は、取得した応力を各節点の荷重に変換し、変換した荷重に基づいて各節点の変位(座標)を算出する。さらに、状態変数算出部152は、算出した変位に基づいて各評価点のひずみを算出し、算出したひずみに基づいて各評価点の応力を算出する。
状態変数算出部152は、記憶部12に記憶されている時刻−節点座標データを参照し、算出した各節点の座標を、取得した時刻と対応付けて格納する。また、状態変数算出部152は、記憶部12に記憶されている時刻−評価点状態データを参照し、算出した各評価点のひずみ及び応力を、取得した時刻と対応付けて格納する。そして、状態変数算出部152は、処理を終了する。
なお、変形解析には、商用のアプリケーションプログラムであるAbaqus(登録商標)を用いる。しかしながら、他のアプリケーションプログラム(例えば、OpenFOAM(登録商標))を用いることも可能である。
Abaqus(登録商標)では、動的陽解法に基づいて状態変数が求められる。動的陽解法とは、加速度項を考慮した動的な釣り合い式(運動方程式)を、反復計算なしに解く手法である。まず、一つの要素に対する運動方程式(式6)を材料全体について重ね合わせることにより、材料全体に対する運動方程式が求められる。
Figure 0005644985
ここで、Mは質量マトリクス、uは変位、Pは等価節点力ベクトル、Fは節点外力ベクトルである。次に、求められた運動方程式を解くことにより、変位uが求められる。そして、変位−ひずみ関係等に基づいて、求められた変位uから状態変数が求められる。なお、運動方程式を解くには、格子点法の一つである中央差分法を用いる。しかしながら、他の解法(前方差分法、後方差分法、ラグランジュ法、スペクトル法等)を用いることも可能である。
以下、破断判定部153の処理について説明する。
破断が発生していない各評価点について、破断判定部153は、状態変数算出部152により算出された当該評価点の応力に基づいて当該評価点の最大主応力及び最小主応力を算出する。即ち、破断判定部153は、記憶部12に記憶されている時刻カウンタを参照し、時刻を取得する。また、破断判定部153は、取得した時刻をキーとして、記憶部12に記憶されている時刻−評価点状態データを参照し、対応する各評価点を特定する。特定した各評価点について、破断判定部153は、当該評価点の破断フラグを参照し、当該破断フラグが破断発生済みを示すか否かを判定する。そして、当該破断フラグが破断発生済みを示さない場合に、破断判定部153は、当該評価点の応力を抽出し、抽出した応力に基づいて最大主応力及び最小主応力を算出する。
破断判定部153は、当該評価点の最大主応力及び最小主応力の関係が破断限界応力線を超えたか否かを判定する。即ち、破断判定部153は、記憶部12から限界線データを取得する。そして、破断判定部153は、当該評価点の最大主応力及び最小主応力の関係が、取得した限界線データが示す破断限界応力線を超えたか否かを判定する。
当該評価点の最大主応力及び最小主応力の関係が破断限界応力線を超えた場合に、破断判定部153は、当該評価点で破断が発生したと判定し、その旨を記録する。即ち、当該評価点の最大主応力及び最小主応力の関係が、取得した限界線データが示す破断限界応力線を超えた場合に、破断判定部153は、当該評価点の破断フラグを、破断発生済みを示すように変更する。そして、破断判定部153は、処理を終了する。
以下、応力修正部154の処理について説明する。
破断判定部153により破断が発生したと判定された各評価点について、応力修正部154は、当該評価点の損傷速度を算出する。即ち、応力修正部154は、記憶部12に記憶されている時刻カウンタを参照し、時刻を取得する。また、応力修正部154は、取得した時刻をキーとして、記憶部12に記憶されている時刻−評価点状態データを参照し、対応する各評価点を特定する。特定した各評価点について、応力修正部154は、当該評価点の破断フラグを参照し、当該破断フラグが破断発生済みを示すか否かを判定する。そして、当該破断フラグが破断発生済みを示す場合に、応力修正部154は、当該評価点の番号、ひずみ、及び応力を抽出する。
また、応力修正部154は、取得した時刻の直前時刻及び抽出した評価点番号をキーとして、記憶部12に記憶されている時刻−評価点状態データを参照し、対応する評価点を特定する。さらに、応力修正部154は、特定した評価点の損傷度を抽出する。
そして、応力修正部154は、抽出したひずみ、応力、及び損傷度に基づき、式2を用いて損傷速度を算出する。
応力修正部154は、当該評価点の損傷度を算出する。即ち、応力修正部154は、特定した評価点の累積損傷速度を抽出する。また、応力修正部154は、抽出した累積損傷速度に算出した損傷速度を加算し、累積損傷速度を更新する。そして、応力修正部154は、更新した累積損傷速度を抽出した損傷度に加算し、損傷度を更新する。応力修正部154は、更新した損傷度及び累積損傷速度を、当該評価点の損傷度及び累積損傷速度として、記憶部12に格納する。
応力修正部154は、当該評価点の損傷度がしきい値を超えたか否かを判定する。即ち、応力修正部154は、記憶部12に記憶されている材料特性データを参照し、損傷度のしきい値を抽出する。そして、応力修正部154は、抽出したしきい値を更新した損傷度が超えたか否かを判定する。
当該評価点の損傷度がしきい値を超えていない場合に、応力修正部154は、当該評価点の応力を修正する(減少させる)。即ち、応力修正部154は、抽出した応力及び更新した損傷度に基づき、式1を用いて修正応力を算出する。応力修正部154は、算出した修正応力を、当該評価点の応力として、記憶部12に格納する。
一方、当該評価点の損傷度がしきい値を超えた場合に、応力修正部154は、当該評価点を有する要素を消去する。即ち、応力修正部154は、抽出した評価点番号をキーとして、記憶部12に記憶されている評価点データを参照し、対応する要素の番号及び他の評価点の番号を抽出する。そして、応力修正部154は、抽出した要素番号をキーとして、記憶部12に記憶されている要素構成データを参照し、対応する要素に係る項目を削除する。また、応力修正部154は、抽出した要素番号をキーとして、記憶部12に記憶されている評価点データを参照し、対応する要素に係る項目を削除する。さらに、応力修正部154は、取得した時刻及び抽出した各評価点番号をキーとして、記憶部12に記憶されている時刻−評価点状態データを参照し、対応する各評価点の応力を「0」に変更する。そして、応力修正部154は、処理を終了する。
図6A〜図6Cは、解析装置1の動作フローの一例を示す図である。なお、以下に説明する動作フローは、予め記憶部12に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部15により、解析装置1の各要素と協働して実行される。
図6Aには、制御部151の動作フローの一例が示されている。
ユーザにより操作部13を介して、変形解析の実行が指示された場合に、制御部151は、データを初期化する(ステップS600)。
制御部151は、状態変数算出部152に処理の実行を指示し、状態変数(例えば、ひずみ、応力等)を算出させる(ステップS602)。
制御部151は、破断判定部153に処理の実行を指示し、応力FLDに基づく破断判定を実行させる(ステップS604)。
図6Bには、破断判定部153の動作フローの一例が示されている。
破断が発生していない各評価点について、破断判定部153は、算出された当該評価点の応力に基づいて当該評価点の最大主応力及び最小主応力を算出する(ステップS620)。
破断判定部153は、当該評価点の最大主応力及び最小主応力の関係が破断限界応力線を超えたか否かを判定する(ステップS622)。
当該評価点の最大主応力及び最小主応力の関係が破断限界応力線を超えた場合に(ステップS622−Yes)、破断判定部153は、当該評価点で破断が発生した旨を記録する(ステップS624)。そして、破断判定部153は、処理を終了する。
図6Aに戻り、制御部151は、いずれかの評価点で破断が発生したか否かを判定する(ステップS606)。
いずれかの評価点で破断が発生した場合に(ステップS606−Yes)、制御部151は、応力修正部154に処理の実行を指示し、当該評価点の応力を修正させる(ステップS608)。
図6Cには、応力修正部154の動作フローの一例が示されている。
破断が発生した各評価点について、応力修正部154は、当該評価点の損傷速度を算出する(ステップS630)。
応力修正部154は、当該評価点の損傷度を算出する(ステップS632)。
応力修正部154は、当該評価点の損傷度がしきい値を超えたか否かを判定する(ステップS634)。
当該評価点の損傷度がしきい値を超えていない場合に(ステップS634−No)、応力修正部154は、当該評価点の応力を修正する(ステップS636)。
一方、当該評価点の損傷度がしきい値を超えた場合に(ステップS634−Yes)、応力修正部154は、当該評価点を含む要素を消去する(ステップS638)。そして、応力修正部154は、処理を終了する。
図6Aに戻り、制御部151は、時刻を一つ進行させる(ステップS610)。
制御部151は、終了時刻に達したか否かを判定する(ステップS612)。
終了時刻に達していない場合に(ステップS612−No)、制御部151は、状態変数の算出指示(ステップS602)に戻る。
一方、終了時刻に達した場合に(ステップS612−Yes)、制御部151は、解析結果を出力する(ステップS614)。そして、制御部151は、処理を終了する。
以下、本実施形態の一実施例について説明する。
本実施例では、図4に示される形状の試験片(JIS5号試験片)を矢印方向に一定速度で引っ張るという引張試験の解析を行った。応力FLDに基づく破断判定の有無、破断要素の剛性低下の有無、及び損傷関連定数の大小がそれぞれ異なる、解析パラメータのいくつかのパターンについて、応力−ひずみ関係を算出し、剛性低下の程度を確認した。
図7Aは、解析パラメータの一例を示す図である。
図7Aには、解析パラメータの各パターンの一例が示されている。ここで、pは破断判定及び剛性低下をいずれも行わないパターンを、pは破断判定のみ行うパターン(従来手法)を、p〜pは破断判定及び剛性低下をいずれも行うパターン(本手法)を示す。また、p〜pは、損傷関連定数(具体的には、損傷速度D´)がそれぞれ異なるパターンを示す。なお、それ以外の材料定数は、各パターンで同じものである。
図7Bには、解析パラメータの各パターンで共通の破断限界応力線の一例が示されている。最大主応力及び最小主応力の関係が破断限界応力線cを超えた場合に、破断が発生したと判定し、剛性低下を開始する。
図8は、解析結果の一例を示す図である。
図8には、解析パラメータの各パターンについて算出された応力−ひずみ関係が示されている。ここで、横軸は公称ひずみを、縦軸は公称応力を示す。図8に示される応力−ひずみ関係から、破断が発生した後、パターンp(従来手法)は、破断要素の消去により剛性が急速に低下するのに対し、パターンp〜p(本手法)は、破断要素にかかる応力の減少により剛性が徐々に低下することが確認できる。また、損傷関連定数の大小により、剛性低下の程度を調整可能であることも確認できる。
以上説明したように、破断が発生した要素にかかる応力を減少させ、その要素の剛性を徐々に低下させることにより、破断が発生した後の挙動を実際の挙動に近付けることが可能となる。
本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
例えば、本実施形態では、解析装置1は、図2に示される各部を備えるとしたが、その一部については、不図示のサーバ装置が備えてもよい。サーバ装置は、例えば、解析装置1の記憶部12に相当する記憶部を備え、この記憶部に記憶されているプログラム、データ等を解析装置1に送信し、解析装置1に処理を実行させてもよい。あるいは、サーバ装置は、解析装置1の記憶部12及び処理部15に相当する記憶部及び処理部を備え、この記憶部に記憶されているプログラム、データ等を用いて処理を実行し、その結果のみを解析装置1に提供してもよい。
また、処理部15が備える各機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
本発明は、応力FLDに基づいて破断判定を行う変形解析装置、変形解析方法及びプログラムに適用可能である。

Claims (6)

  1. 変形に応じて材料内部に生じる状態を示す状態変数を算出する変形解析装置であって、
    材料の解析データを記憶する記憶部と、
    前記解析デ−夕に基づいて前記材料の変形の各時刻における前記材料の各要素の、応力及びその他の状態変数を算出する状態変数算出部と、
    算出された前記状態変数に基づいて前記材料の各要素において、予め前記材料に対して求めた破断限界応力線に基づいて、破断が発生したか否かを判定する破断判定部と、
    前記材料の各要素のうちの前記破断が発生したと判定された要素について、該要素を消去することなく、
    σを剛性低下を考慮した応力、Dを連続体損傷力学における損傷変数(ただし、0≦D≦l)、及びσ’を剛性低下を考慮しない応力とし、次式によりσを減少させることで、
    σ=(1−D)σ’
    該要素の剛性を低下させ、前記解析データを更新する剛性低下部と、
    算出された前記状態変数を出力する出力部とを備えることを特徴とする変形解析装置。ここで、前記破断とは、破断限界応力線を超えた歪量が前記要素に与えられ、肌あれ発生又はくびれ発生を生じ、変形限界に到っている場合を指す。
  2. 前記剛性低下部において、前記損傷変数Dが、別に定めるしきい値を超えた場合に、前記破断が発生したと判定された要素を消去することを特徴とする請求項1に記載の変形解析装置。
  3. 材料の解析データを記憶する記憶部を備える解析装置により、変形に応じて前記材料内部に生じる状態を示す状態変数を算出する変形解析方法であって、
    前記解析装置が、
    前記解析データに基づいて前記材料の変形の一時刻における前記材料の各要素の、応力及びその他の状態変数を算出し、
    算出された前記状態変数に基づいて前記材料の各要素において、予め前記材料に対して求めた破断限界応力線に基づいて、破断が発生したか否かを判定し、
    前記材料の各要素のうちの前記破断が発生したと判定された要素について、該要素を消去することなく、
    σを剛性低下を考慮した応力、Dを連続体損傷力学における損傷変数(ただし、0≦D≦l)、及びσ’を剛性低下を考慮しない応力とし、次式によりσを減少させることで、
    σ=(1−D)σ’
    該要素の剛性を低下させ、前記解析データを更新し、
    更新された前記解析データに基づいて前記材料の変形の次時刻における前記材料の各要素の状態変数を算出し、
    算出された前記状態変数を出力することを特徴とする変形解析方法。ここで、前記破断とは、破断限界応力線を超えた歪量が前記要素に与えられ、肌あれ発生又はくびれ発生を生じ、変形限界に到っている場合を指す。
  4. 前記損傷変数Dが、別に定めるしきい値を超えた場合に、前記破断が発生したと判定された要素を消去することを特徴とする請求項3に記載の変形解析方法。
  5. 材料の解析データを記憶する記憶部を備えるコンピュータに、変形に応じて前記材料内部に生じる状態を示す状態変数を算出する変形解析を実行させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記解析データに基づいて前記材料の変形の一時刻における前記材料の各要素の、応力及びその他の状態変数を算出し、
    算出された前記状態変数に基づいて前記材料の各要素において、予め前記材料に対して求めた破断限界応力線に基づいて、破断が発生したか否かを判定し、
    前記材料の各要素のうちの前記破断が発生したと判定された要素について、該要素を消去することなく、
    σを剛性低下を考慮した応力、Dを連続体損傷力学における損傷変数(ただし、0≦D≦l)、及びσ’を剛性低下を考慮しない応力とし、次式によりσを減少させることで、
    σ=(1−D)σ’
    該要素の剛性を低下させ、前記解析データを更新し、
    更新された前記解析データに基づいて前記材料の変形の次時刻における前記材料の各要素の状態変数を算出し、
    算出された前記状態変数を出力することを実行させるためのプログラム。ここで、前記破断とは、破断限界応力線を超えた歪量が前記要素に与えられ、肌あれ発生又はくびれ発生を生じ、変形限界に到っている場合を指す。
  6. 前記損傷変数Dが、別に定めるしきい値を超えた場合に、前記破断が発生したと判定された要素を消去することを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
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