JP2019003301A - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】亀裂をより正確に予測することができる。【解決手段】モデル取得部は、モデル生成部または図示せぬ外部機器などから構造体モデルMDを取得する。亀裂を有さない要素E0における振幅負荷エネルギーAは、当該要素E0を構成する材料に応じて実験的に得られる相当応力σと相当弾性ひずみεとの関係に基づいて設定される。相当弾性ひずみεは亀裂変数φに依存するため、振幅負荷エネルギーAは亀裂変数φの関数として表現される。亀裂予測部は、この振幅エネルギーに比例する項を有する微分方程式を計算することにより、構造体Dに発生する亀裂を予測する。本開示は、例えば、亀裂の予測を行う亀裂予測装置に適用することができる。【選択図】図1
Description
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関し、特に、亀裂をより正確に予測することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
一般的に、半導体デバイス等の各種構造体には、その製造過程などにおいて機械的応力等の様々な応力が加わる。構造体にこのような応力が加わると、その内部に亀裂が発生することがある。このような亀裂の発生を防止するために、構造体に予め発生する可能性のある亀裂を予測する技術が用いられる。
特許文献1には、亀裂を含む断面上の異種材料の面積比に応じて各材料の応力とひずみの関係を単一の材料の応力のひずみの関係に置き換えたときの材料定数を用いて求めた破壊力学パラメータJ積分値が亀裂先端の材料の弾塑性破壊靭性値に等しくなるときの荷重を破壊荷重とする技術が開示されている。
特許文献2には、複数種類の材料の界面を跨ぐ亀裂を予測可能な技術が開示されている。特許文献2に係る技術では、構造体の内部で仮想的に亀裂を進行させたときのエネルギー解放率を算出し、エネルギー解放率の大きい方向に亀裂が進行するものと予測する。
近年、半導体デバイス等の構造体の多様化に伴い、構造体を構成する材料として金属材料や樹脂材料が広く用いられるようになってきている。したがって、金属材料や樹脂材料を用いて構成された構造体に発生する可能性のある亀裂を正確に予測可能な技術が要求されている。
特許文献1に係る技術では、界面をまたぐ亀裂に対応することが難しく、疲労破壊への対応が難しかった。特許文献2に係る技術では、計算負荷が高く、予め定めた特定面以外の面を解析することが困難であった。
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、亀裂をより正確に予測することができるものである。
本技術の一側面の情報処理装置は、所定の構造体に対応する構造体モデルを取得するモデル取得部と、前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する亀裂予測部とを備える。
前記振幅負荷エネルギーは、繰り返し負荷時の応力の最大値と最小値の差分と、歪みの最大値と最小値の差分とが積算されて設定される。
前記振幅負荷エネルギーに係る定数は、対応する材料のS-N線図の高サイクル疲労領域の特性線の傾きに応じた値として設定される。
前記振幅負荷エネルギーに係る定数は、対応する材料界面のS-N線図の高サイクル疲労剥離領域の特性線の傾きに応じた値として設定される。
前記亀裂予測部は、非周期的な繰り返し負荷に対して、応力時間変化の変曲点毎に解析区間を区切り、区切られた解析区間毎に前記構造体に発生する亀裂を予測することができる。
前記亀裂予測部は、前記構造体モデルの各位置に設定され、塑性変形時に散逸されるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する塑性散逸エネルギーに比例する項をさらに含む前記微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測することができる。
前記塑性散逸エネルギーは、相当応力を相当塑性ひずみの微小増分で積分した量を利用して設定される。
前記塑性散逸エネルギーは、相当応力と降伏応力との差と、相当塑性ひずみとの積を利用して設定され、相当応力が降伏応力より小さい場合にゼロとされる。
前記微分方程式は、空間座標の2階微分に比例する拡散項をさらに含むことができる。
本技術の一側面の情報処理方法は、所定の構造体に対応する構造体モデルを取得し、前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する。
本技術の一側面のプログラムは、所定の構造体に対応する構造体モデルを取得するモデル取得部と、前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する亀裂予測部として、コンピュータを機能させる。
本技術の一側面においては、所定の構造体に対応する構造体モデルが取得される。そして、前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂が予測される。
本技術によれば、高サイクル疲労破壊を予測することができる。この結果、亀裂をより正確に予測することができる。
なお、本明細書に記載された効果は、あくまで例示であり、本技術の効果は、本明細書に記載された効果に限定されるものではなく、付加的な効果があってもよい。
以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。また、図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
0.概要
1.第1の実施形態
2.第2の実施形態
3.コンピュータ
0.概要
1.第1の実施形態
2.第2の実施形態
3.コンピュータ
<0.概要>
[亀裂予測方法の概要]
本技術に係る亀裂予測方法(情報処理方法)の概要について説明する。本技術に係る亀裂予測方法では、フェーズフィールド(Phase Field)法の考え方を応用して構造体Dに発生する亀裂を予測する。まず、本技術に関連するフェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法について説明する。
[亀裂予測方法の概要]
本技術に係る亀裂予測方法(情報処理方法)の概要について説明する。本技術に係る亀裂予測方法では、フェーズフィールド(Phase Field)法の考え方を応用して構造体Dに発生する亀裂を予測する。まず、本技術に関連するフェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法について説明する。
微分方程式(2)の左辺は、易動度Mの逆数と、亀裂の発生の有無を表現する亀裂変数φの時間微分と、の積で構成されている。微分方程式(2)の右辺は、空間座標の2階微分の拡散項∇(ξ∇φ)と、障壁エネルギーfdoubの微分項と、弾性エネルギーfelastの微分項と、で構成されている。微分方程式(2)では、弾性エネルギーfelastの微分項によって、弾性エネルギーfelastの解放率が表現されている。
微分方程式(2)の計算を行うために、まず構造体Dの各位置にそれぞれ亀裂変数φが設定される。より詳細には、亀裂を有さない位置と、亀裂を有する位置と、で異なる亀裂変数φが設定される。例えば、亀裂を有さない位置の亀裂変数φが「0」と設定され、亀裂を有する位置の亀裂変数φが「1」と設定される。
そして、微分方程式(2)の計算を進めると、時間の経過に伴い、亀裂変数φを「0」と設定した位置のうち、亀裂変数φが「1」以上となる位置が現れる。フェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法では、所定時間が経過した後に、亀裂変数φが「1」以上である位置に亀裂が発生しているものと予測することができる。
フェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法では、微分方程式(2)を計算することにより、亀裂を迅速に予測可能である。また、フェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法では、複数種類の材料の界面を跨ぐ亀裂を予測可能であるため、複数の材料で構成された構造体Dに発生する亀裂を予測可能である。更に、フェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法では、亀裂の形状に制約がないため、高い汎用性が得られる。
フェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法では、微分方程式(2)に含まれる弾性エネルギーfelastの微分項で表現される弾性エネルギーfelastの解放率によって、脆性破壊による亀裂を予測することができる。しかし、フェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法では、微分方程式(2)に塑性変形に対応する項が含まれていないため、塑性変形を伴う疲労破壊による亀裂を予測することができない。
したがって、フェーズフィールド法の考え方を利用した亀裂予測方法では、金属材料や樹脂材料などの疲労破壊しやすい材料を用いて構成された構造体Dに発生する亀裂を正確に予測することは困難である。
そこで、本技術の発明者は、フェーズフィールド法の考え方を応用し、塑性変形時に主に熱として散逸されるエネルギー(以下、「塑性散逸エネルギーfplast」と称する)を含む項を微分方程式(2)に導入することにより、疲労破壊による亀裂を予測可能となることを見出した。以下、本技術に係るフェーズフィールド法の考え方を応用した亀裂予測方法について説明する。
(フェーズフィールド法の考え方を応用した亀裂予測方法)
本技術に係るフェーズフィールド法の考え方を応用した亀裂予測方法では、微分方程式(2)に塑性散逸エネルギーfplastの項を導入した、次の微分方程式(3)を利用する。
本技術に係るフェーズフィールド法の考え方を応用した亀裂予測方法では、微分方程式(2)に塑性散逸エネルギーfplastの項を導入した、次の微分方程式(3)を利用する。
微分方程式(3)において、塑性散逸エネルギーfplastは、弾性エネルギーfelastとは異なり、微分項ではない。これは、弾性エネルギーfelastは時間とともに解放されるのに対し、塑性散逸エネルギーfplastは時間とともに蓄積されるためである。微分方程式(3)では、塑性散逸エネルギーfplastを微分項としないことにより、塑性散逸エネルギーfplastの蓄積を表現することができる。
このように、微分方程式(3)には、弾性エネルギーfelastの解放率を表現する弾性エネルギーfelastの微分項と、塑性散逸エネルギーfplastの蓄積を表現する塑性散逸エネルギーfplastの項と、が含まれる。したがって、微分方程式(3)を計算することにより、脆性破壊及び疲労破壊の双方を考慮して、亀裂を予測することが可能となる。
なお、上述した塑性散逸エネルギーfplastでは、疲労破壊のうち、低サイクル疲労(塑性疲労)を解析することはできる。しかしながら、高サイクル疲労(弾性疲労)解析について対応することが困難であった。
そこで、本技術の発明者は、さらに、フェーズフィールド法の考え方を応用し、微分方程式(2)に、高サイクルの繰り返し疲労(負荷)を表すエネルギー(以下、振幅負荷エネルギーAと称する)を含む項を導入することにより、高サイクル疲労(弾性疲労)による亀裂を予測可能となることを見出した。
(フェーズフィールド法の考え方を応用した亀裂予測方法)
本技術に係るフェーズフィールド法の考え方を応用した亀裂予測方法では、微分方程式(2)に、振幅負荷エネルギーAの項を導入した、次の微分方程式(4)を利用する。
本技術に係るフェーズフィールド法の考え方を応用した亀裂予測方法では、微分方程式(2)に、振幅負荷エネルギーAの項を導入した、次の微分方程式(4)を利用する。
微分方程式(4)は、微分方程式(3)において、塑性散逸エネルギーfplastを、振幅負荷エネルギーAに入れ替えた式である。すなわち、微分方程式(4)は、微分方程式(2)に対して、繰り返し負荷に対応する高サイクル疲労解析を行うための振幅負荷エネルギーAの項を追加したものである。
微分方程式(4)において、振幅負荷エネルギーAは、弾性エネルギーfelastとは異なり、微分項ではない。これは、弾性エネルギーfelastは時間とともに解放されるのに対し、振幅負荷エネルギーAは時間とともに蓄積されるためである。微分方程式(4)では、振幅負荷エネルギーAを微分項としないことにより、振幅負荷エネルギーAの蓄積を表現することができる。
このように、微分方程式(4)には、弾性エネルギーfelastの解放率を表現する弾性エネルギーfelastの微分項と、振幅負荷エネルギーAの蓄積を表現する振幅負荷エネルギーAの項と、が含まれる。したがって、微分方程式(4)を計算することにより、脆性破壊及び高サイクル疲労破壊の双方を考慮して、亀裂を予測することが可能となる。
このため、本技術では、金属材料や樹脂材料などの疲労破壊のうち、高サイクル疲労(弾性疲労)しやすい材料を用いて構成された構造体Dに発生する亀裂を正確に予測可能である。また、本技術に係る亀裂予測方法でも、フェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法と同様に、複数種類の材料の界面を跨ぐ亀裂を予測可能であるため、複数の材料で構成された構造体Dに発生する亀裂を迅速に予測可能である。更に、本技術に係る亀裂予測方法でも、フェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法と同様に、亀裂の形状に制約がないため、高い汎用性が得られる。
<1.第1の実施形態>
[亀裂予測装置の詳細]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る亀裂予測装置(情報処理装置)10の構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態においては、疲労破壊のうち弾性疲労(高サイクル疲労)下について述べていく。
[亀裂予測装置の詳細]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る亀裂予測装置(情報処理装置)10の構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態においては、疲労破壊のうち弾性疲労(高サイクル疲労)下について述べていく。
亀裂予測装置10は、モデル生成部11と、モデル取得部12と、亀裂変数設定部13と、振幅負荷エネルギー設定部14と、微分方程式生成部15と、亀裂予測部16と、を備える。
モデル生成部11は、構造体Dの構成を再現したモデル(構造体モデル)MDを生成する。モデル取得部12は、モデル生成部11により生成された構造体モデルMDを取得する。
亀裂変数設定部13は、モデル取得部12により取得された構造体モデルMDの各要素Eに亀裂の有無を表現する亀裂変数φを設定する。振幅負荷エネルギー設定部14は、モデル取得部12により取得された構造体モデルMDの各要素Eに、振幅負荷エネルギーAを設定する。
微分方程式生成部15は、亀裂変数設定部13により設定された亀裂変数φと、振幅負荷エネルギー設定部14により設定された振幅負荷エネルギーAとを利用して微分方程式を作成する。
亀裂予測部16は、微分方程式生成部15により生成された微分方程式を計算することにより、構造体Dに発生する亀裂を予測する。
[亀裂予測動作の例]
図2のフローチャートは、亀裂予測装置10の亀裂予測処理を説明するフローチャートである。図3乃至図13は、図2に示す各ステップを説明するための図である。以下、図2に沿って、図3乃至図13を適宜参照しながら、第1の実施形態に係る亀裂予測処理について説明する。
図2のフローチャートは、亀裂予測装置10の亀裂予測処理を説明するフローチャートである。図3乃至図13は、図2に示す各ステップを説明するための図である。以下、図2に沿って、図3乃至図13を適宜参照しながら、第1の実施形態に係る亀裂予測処理について説明する。
(モデル生成ステップ)
ステップS11において、モデル生成部11は、構造体Dの構成を再現したモデル(構造体モデル)MDを生成する。構造体モデルMDによって任意の構造体Dの構成を再現可能である。構造体モデルMDによってその構成を再現可能な構造体Dとしては、例えば、半導体デバイスなどの各種デバイスが挙げられる。
ステップS11において、モデル生成部11は、構造体Dの構成を再現したモデル(構造体モデル)MDを生成する。構造体モデルMDによって任意の構造体Dの構成を再現可能である。構造体モデルMDによってその構成を再現可能な構造体Dとしては、例えば、半導体デバイスなどの各種デバイスが挙げられる。
亀裂予測方法には、有限要素法(FEM:Finite Element Method)や差分法(FDM:Finite Difference Method)を利用することができる。また、陰解法や陽解法を利用することができる。有限要素法では、任意の形状に対応可能であり、高い汎用性が得られる。差分法では、計算の並列化が容易であり、計算が早いというメリットが得られる。陰解法では、タイムステップを大きくとれるというメリットが得られる。本実施形態では、有限要素法を用いるため、構造体モデルMDが複数の要素Eから構成される。
図3は、ステップS11において生成される構造体モデルMDを例示する図である。図3Aは構造体モデルMDの斜視図であり、図3Bは構造体モデルMDの図3AのA−A'線に沿った断面図である。図3に示す構造体モデルMDによってその構成が再現されている構造体Dでは、概形が立方体であり、上面の中央にZ軸方向に延びる初期亀裂が形成されている。
この場合、構造体モデルMDでは、Y軸方向上面のX軸方向中央部にZ軸方向に並ぶ5つの要素Eが亀裂を有する要素E1とされ、その他の要素Eが亀裂を有さない要素E0とされる。図3には、亀裂を有する要素E1が斜線で示され、亀裂を有さない要素E0が白抜きで示されている。なお、空孔などの自由空間を有する要素Eも、亀裂を有する要素E1と同様に扱うことが好ましい。
以下の説明では、一例として図3に示す構造体モデルMDを用いて説明するが、他の構造体モデルMDについても同様に扱うことが可能であることは勿論である。
なお、構造体モデルMDが予め用意されている場合などには、本ステップS11は省略しても構わない。
(モデル取得ステップ)
ステップS12において、モデル取得部12は、ステップS11で生成された構造体モデルMDを取得する。なお、ステップS11を行わない場合には、本ステップS12においては、図示せぬ外部機器などから構造体モデルMDを取得することができる。
ステップS12において、モデル取得部12は、ステップS11で生成された構造体モデルMDを取得する。なお、ステップS11を行わない場合には、本ステップS12においては、図示せぬ外部機器などから構造体モデルMDを取得することができる。
(亀裂変数設定ステップ)
ステップS13において、亀裂変数設定部13は、ステップS12で取得された構造体モデルMDの各要素Eに亀裂の有無を表現する亀裂変数φを設定する。
ステップS13において、亀裂変数設定部13は、ステップS12で取得された構造体モデルMDの各要素Eに亀裂の有無を表現する亀裂変数φを設定する。
具体的には、構造体モデルMDにおいて、亀裂を有さない要素E0と、亀裂を有する要素E1と、で異なる亀裂変数φが設定される。つまり、亀裂を有さない要素E0の亀裂変数φが「m」と設定され、亀裂を有する要素E1の亀裂変数φが「m」とは異なる「n」と設定される。「m」と「n」とではいずれが大きくても構わない。一例として、亀裂を有さない要素E0の亀裂変数φが「0」と設定され、亀裂を有する要素E1の亀裂変数φが「1」と設定される。
なお、構造体モデルMDに予め亀裂変数φが設定されている場合などには、本ステップS13は省略しても構わない。
(振幅負荷エネルギー設定ステップ)
ステップS14において、振幅負荷エネルギー設定部14は、ステップS12で取得された構造体モデルMDの各要素Eに、振幅負荷エネルギーAを設定する。なお、既に亀裂を有する要素E1では、弾性応答が生じないため、振幅負荷エネルギーAが蓄積されない。このため、要素E1の振幅負荷エネルギーAは「0」と設定される。
ステップS14において、振幅負荷エネルギー設定部14は、ステップS12で取得された構造体モデルMDの各要素Eに、振幅負荷エネルギーAを設定する。なお、既に亀裂を有する要素E1では、弾性応答が生じないため、振幅負荷エネルギーAが蓄積されない。このため、要素E1の振幅負荷エネルギーAは「0」と設定される。
亀裂を有さない要素E0における振幅負荷エネルギーAは、当該要素E0を構成する材料に応じて実験的に得られる相当応力σと相当弾性ひずみεとの関係に基づいて設定される。相当弾性ひずみεは亀裂変数φに依存するため、振幅負荷エネルギーAは亀裂変数φの関数として表現される。
なお、構造体モデルMDに予め振幅負荷エネルギーAが設定されている場合などには、本ステップS14は省略しても構わない。
(微分方程式生成ステップ)
ステップS15において、微分方程式生成部15は、ステップS13で設定した亀裂変数φと、ステップS14で設定した振幅負荷エネルギーAと、が利用されて微分方程式を作成する。
ステップS15において、微分方程式生成部15は、ステップS13で設定した亀裂変数φと、ステップS14で設定した振幅負荷エネルギーAと、が利用されて微分方程式を作成する。
ステップS15において生成される微分方程式としては、一例として、上記の微分方程式(4)が挙げられる。また、ステップS15においては、微分方程式(4)を改良した、次の微分方程式(5)が生成されてもよい。なお、式(5)は、拡散方程式でもある。
微分方程式(5)には、障壁エネルギーfdoubの微分項のフィッティング用定数wdoub、弾性エネルギーfelastの微分項のフィッティング用定数welast、及び振幅負荷エネルギーAの項のフィッティング用定数whcが導入されている。これにより、構造体Dの構成などに応じて、障壁エネルギーfdoubの微分項と、弾性エネルギーfelastの微分項と、振幅負荷エネルギーAの項と、のそれぞれの重み付けを最適化することが可能である。これにより、構造体Dに発生する亀裂を更に正確に予測可能となる。
なお、式(5)における振幅負荷エネルギーAは、繰り返し負荷に対応した対象材料にかかる応力振幅Δσを、図4のグラフで、応力振幅Δσ=最大応力σmax−最小応力σminと定義したときに、その負荷に対応するエネルギーである。振幅負荷エネルギーAは、次の式(6)で表される。
ここで、Δεは、ひずみ振幅であり、最大ひずみεmax−最小ひずみεminである。なお、このひずみは弾性ひずみである。
また、式(5)の振幅負荷エネルギーAに係るwhcについて、図5を参照して説明する。
図5は、対象材料のS-N線図を表している。S-N線図は、縦軸に応力振幅Δσ、横軸に破断までの繰り返し数Nをとって疲労試験結果をグラフで表したものである。実際には、繰り返し数Nによって、メカニズムの異なる低サイクル疲労(塑性疲労)領域と高サイクル疲労(弾性疲労)領域に分かれており、whcは、高サイクル疲労領域の傾きに対応したパラメータであり、解析上は、亀裂の進行速度を決めるパラメータである。
なお、ここで、関数fは、線形であってもよいし、非線形であってもよい。
異種材料が、物理結合、化学結合、粘着結合、静電結合などで結合しており、その結合力寿命が各材料のバルク内結合力よりも小さい場合、結合部に繰り返し負荷がかかると界面剥離が進行する。その際の特性は、図5および図6で示されたように、界面での疲労破断についても特性線図が得られる。
解析モデルの界面上に対応したwhcxを定義することで、高サイクルにおける剥離の進行も解析可能となる。
さらに、図7を参照して、対象物に対して想定される負荷が、周期的な振動負荷でない(すなわち、非周期負荷である)場合についての対応を説明する。
非周期負荷の例として、対象にかかる応力の時刻歴が、図7に示されるような場合を考える。図7の例においては、応力振幅は、時間によってバラバラであり、また、振幅のピーク間の時間の間隔もバラバラである。
このような場合においては、解析手法上、時間軸に沿って、亀裂進行を解析していく手法となっているため、時間軸を応力の変曲点ごとに区切り、その変曲点毎の時間を区間として、その区間の応力振幅Δσを元に微分方程式を用いて解析を行い、亀裂進行判定する。1つの区間の亀裂進行判定後、次の区間の応力振幅Δσを元に微分方程式を用いて解析を行い、亀裂進行判定するという手順で処理を進めるようにする。
例えば、図7に示されるように、σmin1,σmax1,σmin2,σmax2,σmin3,σmax3は、それぞれ、応力の変曲点であり、時刻t0,t1,t2,t3,t4,t5における応力である。σmin1乃至σmax1の振幅の区間(時間)T1(t0乃至t1)においては、Δσ1=σmax1−σmin1を元に微分方程式を用いて解析が行われる。次に、σmax1乃至σmin2の振幅の区間T2(t1乃至t2)においては、Δσ2=σmax1−σmin2を元に微分方程式を用いて解析が行われる。σmin2乃至σmax2の振幅の区間T3(t2乃至t3)においては、Δσ3=σmax2−σmin2を元に微分方程式を用いて解析が行われる。次に、σmax2乃至σmin3の振幅の区間T4(t3乃至t4)においては、Δσ4=σmax2−σmin3を元に微分方程式を用いて解析が行われる。σmin3乃至σmax3の振幅の区間T5(t4乃至t5)においては、Δσ5=σmax3−σmin3を元に微分方程式を用いて解析が行われる。
以上のように、変曲点ごとに区切り、その区間のΔσを元に微分方程式を用いて解析するようにしたので、どのような負荷波形にも対応して亀裂を予測することができる。
なお、微分方程式が予め生成されている場合などには、本ステップS15は省略しても構わない。
(亀裂予測ステップ)
ステップS16においては、亀裂予測部16は、ステップS15により生成された微分方程式を計算することにより、構造体Dに発生する亀裂を予測する。なお、ステップS15を行わない場合には、本ステップS16においては外部機器などから取得した微分方程式を計算することにより構造体Dに発生する亀裂が予測される。
ステップS16においては、亀裂予測部16は、ステップS15により生成された微分方程式を計算することにより、構造体Dに発生する亀裂を予測する。なお、ステップS15を行わない場合には、本ステップS16においては外部機器などから取得した微分方程式を計算することにより構造体Dに発生する亀裂が予測される。
微分方程式を計算する際に、構造体Dに加わる応力をまず再現するために、構造体モデルMDに対して荷重条件を付与して応力解析を行う。図8は、構造体モデルMDに付与する荷重条件の一例を示している。図8に示す例では、構造体モデルMDにおいて、X軸方向左側の面を固定(拘束)した状態で、X軸方向右側の面に引張荷重を加える。そして、この荷重条件下で微分方程式を計算することにより、時間の経過が伴う各要素E0における亀裂変数φの変化が得られる。
図9は、図8に示すように構造体モデルMDに荷重条件を付与した場合の、ある時刻における振幅負荷エネルギーAの分布を示している。図9には、振幅負荷エネルギーAの等しい等エネルギー面が破線で示されている。構造体モデルMD内において、等エネルギー面が円弧状に広がっており、亀裂の先端である要素E1のY軸方向下面に近いほど振幅負荷エネルギーAが大きい。
図10は、図8に示すように構造体モデルMDに荷重条件を付与した場合の、ある時刻における亀裂変数φの分布を示している。図10には、亀裂変数φの等しい等亀裂変数面が破線で示されている。構造体モデルMD内において、等亀裂変数面は、亀裂の先端である要素E1のY軸方向下面からY軸方向下方に延びる楕円弧状に広がっている。内側の等亀裂変数面ほど亀裂変数φが大きい。
ステップS16では、所定時間が経過した後に、亀裂変数φが「1」以上である要素E0に亀裂が発生するものと予測される。例えば、要素E1のY軸方向下側の3つの要素E0の亀裂変数φが「1」以上であった場合には、図11に示すように、当該3つの要素E0に亀裂が発生したものとして当該3つの要素E0を要素E1に変更する。
また、微分方程式の計算を進める過程において、亀裂変数φが「1」以上となった要素E0の振幅負荷エネルギーAを順次「0」に変更していくことが好ましい。これにより、構造体モデルMDの亀裂を順次更新しながら微分方程式の計算を進めることができるため、より正確に亀裂を予測することができる。
このように、ステップS16においては、微分方程式を計算することによって、所定時間が経過した後の構造体モデルMDにおける亀裂を有する要素E1の分布が得られる。そして、構造体モデルMDにおける亀裂を有する要素E1の分布によって、構造体Dに発生する亀裂を予測することができる。
[微分方程式の変形例]
ステップS15で生成される微分方程式は、フェーズフィールド法の考え方に基づいて生成された微分方程式(4),(5)に限定されず、適宜変更可能である。以下、本技術で利用可能な微分方程式の変形例について説明する。
ステップS15で生成される微分方程式は、フェーズフィールド法の考え方に基づいて生成された微分方程式(4),(5)に限定されず、適宜変更可能である。以下、本技術で利用可能な微分方程式の変形例について説明する。
1.構造体Dを形成する材料に応じたカスタマイズフェーズフィールド法の考え方に基づいて生成された微分方程式(4),(5)では、空間座標の2階微分に比例する拡散項や弾性エネルギーfelastの微分項が含まれているため、多岐にわたる材料で形成された構造体Dに適用可能である。つまり、微分方程式(4),(5)では、高い汎用性が得られる。
この一方で、構造体Dを形成する材料によっては、微分方程式(4),(5)には不要な項が含まれていることになる。したがって、ステップS15では、微分方程式について、構造体Dを形成する材料に応じて、不要な項を排除するなどのカスタマイズをすることにより、構造体Dに発生する亀裂を迅速かつ的確に予測可能となる。
本技術に係る亀裂予測方法は、金属材料や樹脂材料などの高サイクル疲労破壊しやすい材料を用いて構成された構造体Dの亀裂を予測可能であればよい。このため、ステップS15で生成する微分方程式は、少なくとも、亀裂変数φの時間微分に比例する項と、ステップS14で設定した振幅負荷エネルギーAに比例する項と、を含んでいればよい。
また、図1の亀裂予測装置10は、少なくともモデル取得部12及び亀裂予測部16を備えていればよい。つまり、ステップS11,S13乃至S15を実行しない場合には、亀裂予測装置10がモデル生成部11、亀裂変数設定部13、振幅負荷エネルギー設定部14、及び微分方程式生成部15を備えていなくても構わない。また、亀裂予測装置10は、必要に応じて、上記以外の構成を含んでいてもよい。
以下、構造体Dを形成する材料の一例を挙げ、当該材料に応じてカスタマイズされた微分方程式を例示する。なお、構造体Dを形成する材料は、以下に挙げるものに限定されず、任意の材料であってよい。また、各材料に対応する微分方程式も、以下に例示するものに限定されず、任意にカスタマイズ可能である。
(a)脆性破壊しにくい材料
構造体Dを形成する材料が脆性破壊しにくい場合、例えば、振幅負荷エネルギーAの項以外の項を排除し、高サイクル疲労破壊のみを考慮した、次の微分方程式(9)を用いることができる。
微分方程式(9)には、亀裂変数φの時間微分の項、及び振幅負荷エネルギーAの項のみが含まれる。なお、振幅負荷エネルギーAの項には、フィッティング用定数whcが含まれていてもよい。このように、振幅負荷エネルギーAの項以外の項を排除して簡単化された微分方程式(9)を用いることにより、計算負荷を大幅に小さくすることができる。
構造体Dを形成する材料が脆性破壊しにくい場合、例えば、振幅負荷エネルギーAの項以外の項を排除し、高サイクル疲労破壊のみを考慮した、次の微分方程式(9)を用いることができる。
式(13)では、弾性率Bijklをテンソル(行列)として扱うことにより、弾性率Bの異方性を適切に予測結果に反映させることができる。このため、微分方程式(10)を計算することによって、弾性率Bが異方性を有する材料で形成された構造体Dに発生する亀裂を的確に予測することができる。
なお、構造体Dを形成する材料の弾性率Bが等方性を有する場合には、弾性エネルギーfelastは、式(13)に代えて、次の式(14)で表すことができる。
式(14)中、νはポアソン比を示し、γはせん断ひずみを示す。
また、式(14)中の弾性率Bは、例えば、図12に示すような亀裂変数φに依存する関数とすることができる。図12に示す関数では、亀裂変数φが大きくなるにつれて、弾性率Bが小さくなる。つまり、図12に示す関数では、振幅負荷エネルギーAの蓄積に伴って構造体Dを形成する材料の弾性が低下することを表現することができる。
(c)靭性値が異方性を有する材料
構造体Dを形成する材料の靭性値が異方性を有する場合、例えば、拡散項の係数を亀裂変数φの勾配の関数、すなわち界面の法線方向の関数とする、次の微分方程式(15)を用いることができる。
構造体Dを形成する材料の靭性値が異方性を有する場合、例えば、拡散項の係数を亀裂変数φの勾配の関数、すなわち界面の法線方向の関数とする、次の微分方程式(15)を用いることができる。
式(16)における勾配エネルギーfgradは、次の式(17)で表される。式(16)における弾性エネルギーfelastは、次の式(19)で表される。
式(17)におけるκは、材料定数を示し、次の式(18)で表される。
式(18)を用いることによって、界面の向きに応じて拡散係数を変えることができ、亀裂の進行のしやすさを方向によって変化させることができる。これにより、靭性値の異方性を予測結果に適切に反映させることができる。このため、微分方程式(15)を計算することによって、靭性値が異方性を有する材料で形成された構造体Dに発生する亀裂を的確に予測することができる。
(d)脆性破壊と高サイクル疲労破壊とが同時に進行する材料
構造体Dが脆性破壊と高サイクル疲労破壊とが同時に進行する材料によって形成されている場合、構造体Dには脆性破壊と高サイクル疲労破壊との組み合わせによる亀裂が発生する。脆性破壊と高サイクル疲労破壊との組み合わせによる亀裂を予測するために、例えば、微分方程式(20)を用いることができる。
構造体Dが脆性破壊と高サイクル疲労破壊とが同時に進行する材料によって形成されている場合、構造体Dには脆性破壊と高サイクル疲労破壊との組み合わせによる亀裂が発生する。脆性破壊と高サイクル疲労破壊との組み合わせによる亀裂を予測するために、例えば、微分方程式(20)を用いることができる。
微分方程式(20)では、弾性エネルギーfelastの解放率によって脆性破壊を解析することができるとともに、振幅負荷エネルギーAの蓄積によって高サイクル疲労破壊を解析することもできる。したがって、微分方程式(20)を計算することによって、構造体Dに発生する脆性破壊と高サイクル疲労破壊との組み合わせによる亀裂を予測可能となる。
2.界面の安定化
構造体Dにおける亀裂を良好に表現するために、構造体モデルMDにおいて亀裂を有さない要素E0と亀裂を有する要素E1との界面を安定化することが好ましい。つまり、亀裂を有さない要素E0の亀裂変数φが「0」近傍の値であり、亀裂を有する要素E1の亀裂変数が「1」近傍の値であり、いずれの要素Eもなるべく亀裂変数が「0」と「1」との中間の値である状態とならないことが好ましい。
構造体Dにおける亀裂を良好に表現するために、構造体モデルMDにおいて亀裂を有さない要素E0と亀裂を有する要素E1との界面を安定化することが好ましい。つまり、亀裂を有さない要素E0の亀裂変数φが「0」近傍の値であり、亀裂を有する要素E1の亀裂変数が「1」近傍の値であり、いずれの要素Eもなるべく亀裂変数が「0」と「1」との中間の値である状態とならないことが好ましい。
上述した式(27)は、図13に示すようなダブルウェル関数である。つまり、障壁エネルギーfdoubが亀裂変数φ=0,1において極小値をとる。このため、亀裂変数φは、「0」又は「1」近傍の値をとりやすく、「0」と「1」との中間の値をとりにくい。これにより、構造体モデルMDにおいて亀裂を有さない要素E0と亀裂を有する要素E1との界面が安定化する。
また、式(27)では、構造体Dを形成する材料における亀裂の発生しにくさをエネルギー障壁edoubによって表現することが可能である。つまり、亀裂が発生しやすい材料の場合にはエネルギー障壁edoubを低くし、亀裂が発生しにくい材料の場合にはエネルギー障壁edoubを高くすることができる。
以上により、本技術の第1の実施形態によれば、構造体に発生する延性破壊のうち、高サイクル疲労(弾性疲労)による亀裂を迅速に予測することができる。
なお、第1の実施形態は、構造体に発生する疲労破壊のうち、高負荷の塑性ひずみに入らない疲労(低サイクル疲労)を考慮しない場合、低負荷の高サイクル疲労(弾性疲労)しか考慮しない場合について説明した。ただし、材料によっては、構造体に発生する疲労破壊として、低負荷の高サイクル疲労(弾性疲労)だけでなく、高負荷の塑性ひずみ(低サイクル疲労)を考慮が必要な場合があり、この場合について、次の第2の実施形態で説明する。
<2.第2の実施形態>
第2の実施形態に係る技術として、低負荷の高サイクル疲労(弾性疲労)および高負荷の低サイクル疲労(塑性疲労)を含む構造体に発生する疲労破壊を予測可能な方法について説明する。なお、以降は、第1の実施形態との差分に焦点をあてて説明する。
第2の実施形態に係る技術として、低負荷の高サイクル疲労(弾性疲労)および高負荷の低サイクル疲労(塑性疲労)を含む構造体に発生する疲労破壊を予測可能な方法について説明する。なお、以降は、第1の実施形態との差分に焦点をあてて説明する。
微分方程式(28)は、微分方程式(4)において、塑性散逸エネルギーfplastの項を追加した式である。また、微分方程式(28)は、微分方程式(3)において、振幅負荷エネルギーAの項を追加した式であるともいえる。すなわち、微分方程式(28)は、微分方程式(2)に対して、繰り返し負荷に対応する低サイクル疲労解析を行うための塑性散逸エネルギーfplastと高サイクル疲労解析を行うための振幅負荷エネルギーAの項を追加したものである。低負荷の高サイクル疲労(弾性疲労)および高負荷の塑性ひずみ(低サイクル疲労)の両方含む場合は、この式(28)を用いて、予測が行われる。
微分方程式(28)において、塑性散逸エネルギーfplastおよび振幅負荷エネルギーAは、弾性エネルギーfelastとは異なり、微分項ではない。これは、弾性エネルギーfelastは時間とともに解放されるのに対し、塑性散逸エネルギーfplastおよび振幅負荷エネルギーAは時間とともに蓄積されるためである。微分方程式(28)では、塑性散逸エネルギーfplastおよび振幅負荷エネルギーAを微分項としないことにより、塑性散逸エネルギーfplastおよび振幅負荷エネルギーAの蓄積を表現することができる。
このように、微分方程式(28)には、弾性エネルギーfelastの解放率を表現する弾性エネルギーfelastの微分項と、塑性散逸エネルギーfplastの蓄積を表現する塑性散逸エネルギーfplastの項と、振幅負荷エネルギーAの蓄積を表現する振幅負荷エネルギーAの項と、が含まれる。したがって、微分方程式(28)を計算することにより、脆性破壊及び疲労破壊(高低サイクル疲労含む)の双方を考慮して、亀裂を予測することが可能となる。
このため、本技術では、金属材料や樹脂材料などの低サイクル疲労(塑性疲労)および高サイクル疲労(弾性疲労)を含む疲労破壊しやすい材料を用いて構成された構造体Dに発生する亀裂を正確に予測可能である。また、本技術に係る亀裂予測方法でも、フェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法と同様に、複数種類の材料の界面を跨ぐ亀裂を予測可能であるため、複数の材料で構成された構造体Dに発生する亀裂を迅速に予測可能である。更に、本技術に係る亀裂予測方法でも、フェーズフィールド法の考え方による亀裂予測方法と同様に、亀裂の形状に制約がないため、高い汎用性が得られる。
[亀裂予測装置の詳細]
図14は、本技術の第2の実施形態に係る亀裂予測装置(情報処理装置)101の構成を示すブロック図である。亀裂予測装置101は、モデル生成部11と、モデル取得部12と、亀裂変数設定部13と、エネルギー設定部111と、微分方程式生成部112と、亀裂予測部16と、を備える。
図14は、本技術の第2の実施形態に係る亀裂予測装置(情報処理装置)101の構成を示すブロック図である。亀裂予測装置101は、モデル生成部11と、モデル取得部12と、亀裂変数設定部13と、エネルギー設定部111と、微分方程式生成部112と、亀裂予測部16と、を備える。
図14の亀裂予測装置101は、振幅負荷エネルギー設定部14が、エネルギー設定部111に入れ替わった点と、微分方程式生成部15が微分方程式生成部112に入れ替わった点とが、図1の亀裂予測装置10と異なっている。図14の亀裂予測装置101は、モデル生成部11と、モデル取得部12と、亀裂変数設定部13と、亀裂予測部16とを備える点が図1の亀裂予測装置10と共通している。
すなわち、エネルギー設定部111は、構造体モデルMDの各要素Eに、振幅負荷エネルギーAと塑性散逸エネルギーfplastとをそれぞれ設定する。
微分方程式生成部112は、亀裂変数設定部13により設定された亀裂変数φと、エネルギー設定部111により設定された振幅負荷エネルギーAと、エネルギー設定部111により設定された塑性散逸エネルギーfplastとを利用して微分方程式を作成する。
したがって、図14の亀裂予測部16は、微分方程式生成部112により生成された微分方程式を計算することにより、構造体Dに発生する亀裂を予測する。
[亀裂予測動作の例]
図15のフローチャートは、図14の亀裂予測装置101の亀裂予測処理を説明するフローチャートである。以下、図15に沿って、第2の実施形態に係る亀裂予測処理について説明する。なお、図15のステップS111乃至S113、およびS116は、図2のステップS11乃至S13、およびS16と基本的に同様の処理を行うため、その詳細な説明は省略する。
図15のフローチャートは、図14の亀裂予測装置101の亀裂予測処理を説明するフローチャートである。以下、図15に沿って、第2の実施形態に係る亀裂予測処理について説明する。なお、図15のステップS111乃至S113、およびS116は、図2のステップS11乃至S13、およびS16と基本的に同様の処理を行うため、その詳細な説明は省略する。
(モデル生成ステップ)
ステップS111において、モデル生成部11は、構造体Dの構成を再現したモデル(構造体モデル)MDを生成する。
ステップS111において、モデル生成部11は、構造体Dの構成を再現したモデル(構造体モデル)MDを生成する。
(モデル取得ステップ)
ステップS112において、モデル取得部12は、ステップS111で生成された構造体モデルMDを取得する。
ステップS112において、モデル取得部12は、ステップS111で生成された構造体モデルMDを取得する。
(亀裂変数設定ステップ)
ステップS113において、亀裂変数設定部13は、ステップS112で取得された構造体モデルMDの各要素Eに亀裂の有無を表現する亀裂変数φを設定する。
ステップS113において、亀裂変数設定部13は、ステップS112で取得された構造体モデルMDの各要素Eに亀裂の有無を表現する亀裂変数φを設定する。
(振幅負荷エネルギー設定ステップ)
ステップS114において、エネルギー設定部111は、ステップS112で取得された構造体モデルMDの各要素Eに、塑性散逸エネルギーfplastと振幅負荷エネルギーAとを設定する。なお、ここでは、図2のステップS14との差分である、塑性散逸エネルギーfplastの設定についてのみ説明する。
ステップS114において、エネルギー設定部111は、ステップS112で取得された構造体モデルMDの各要素Eに、塑性散逸エネルギーfplastと振幅負荷エネルギーAとを設定する。なお、ここでは、図2のステップS14との差分である、塑性散逸エネルギーfplastの設定についてのみ説明する。
すなわち、既に亀裂を有する要素E1では、塑性変形が生じないため、塑性散逸エネルギーfplastが蓄積されない。このため、要素E1の塑性散逸エネルギーfplastは「0」と設定される。
亀裂を有さない要素E0における塑性散逸エネルギーfplastは、当該要素E0を構成する材料に応じて実験的に得られる相当応力σと相当塑性ひずみεpとの関係に基づいて設定される。相当塑性ひずみεpは亀裂変数φに依存するため、塑性散逸エネルギーfplastは、亀裂変数φの関数として表現される。
図16は、ステップS114において要素E0に設定される塑性散逸エネルギーfplastの表現方法の一例を示す図である。図16は、構造体Dを形成する材料から得られる相当応力−相当塑性ひずみ線図の一例を示している。図16では、縦軸が相当応力σを示し、横軸が相当塑性ひずみεpを示している。また、図16には降伏応力σYが示されている。
図16に示す相当応力−相当塑性ひずみ線図が得られる材料は、相当応力σが降伏応力σY未満の領域で弾性変形し、相当応力σが降伏応力σY以上の領域で塑性変形する。塑性散逸エネルギーfplastは、相当応力σが降伏応力σY以上のとき、当該材料の塑性変形により主に熱エネルギーとして散逸されるエネルギーを表現するものである。
塑性散逸エネルギーfplastは、例えば、図16A及び図16Bに斜線で示す領域の面積として定義することが可能である。図16Aに斜線で示す領域の面積は、相当応力σを相当塑性ひずみεpの微小増分で積分した量を利用して、例えば、次の式(29)によって算出可能である。
ただし、式(30)において、相当応力σが降伏応力σYより小さい場合の塑性散逸エネルギーfplastをゼロとする。
塑性散逸エネルギーfplastの表現方法は、構造体Dを形成する材料や物理現象などに応じて、正確に亀裂を予測できるように使い分けることが可能である。なお、塑性散逸エネルギーfplastを表現する関数は、式(29)及び式(30)に限定されず、相当応力σと相当塑性ひずみεpとの関係に基づいて適宜作成可能である。
なお、構造体モデルMDに振幅負荷エネルギーAおよび塑性散逸エネルギーfplastが予め設定されている場合などには、本ステップS114は省略しても構わない。
(微分方程式生成ステップ)
ステップS115において、微分方程式生成部112は、ステップS113で設定した亀裂変数φと、ステップS114で設定された振幅負荷エネルギーAと、ステップS114で設定された塑性散逸エネルギーfplastが利用されて微分方程式を作成する。
ステップS115において、微分方程式生成部112は、ステップS113で設定した亀裂変数φと、ステップS114で設定された振幅負荷エネルギーAと、ステップS114で設定された塑性散逸エネルギーfplastが利用されて微分方程式を作成する。
ステップS115において生成される微分方程式としては、一例として、上記の微分方程式(28)が挙げられる。また、ステップS115においては、微分方程式(28)を改良した、次の微分方程式(31)が生成されてもよい。なお、式(31)は、拡散方程式でもある。
微分方程式(31)には、障壁エネルギーfdoubの微分項のフィッティング用定数wdoub、弾性エネルギーfelastの微分項のフィッティング用定数welast、塑性散逸エネルギーfplastの項のフィッティング用定数wplast、及び振幅負荷エネルギーAの項のフィッティング用定数whcが導入されている。これにより、構造体Dの構成などに応じて、障壁エネルギーfdoubの微分項と、弾性エネルギーfelastの微分項と、塑性散逸エネルギーfplastの項と、振幅負荷エネルギーAの項と、のそれぞれの重み付けを最適化することが可能である。これにより、構造体Dに発生する亀裂を更に正確に予測可能となる。
ここで、第1の実施形態において、振幅負荷エネルギーAについて上述された微分方程式の変形例、例えば、式(9)、式(10)、式(15)、式(20)、および式(24)などは、振幅負荷エネルギーAを塑性散逸エネルギーfplastに変えて、同様に適用される。
なお、微分方程式が予め生成されている場合などには、本ステップS115は省略しても構わない。
(亀裂予測ステップ)
ステップS116において、亀裂予測部16は、ステップS115で生成された微分方程式を計算することにより、構造体Dに発生する亀裂を予測する。なお、ステップS115を行わない場合には、本ステップS116においては外部機器などから取得した微分方程式を計算することにより構造体Dに発生する亀裂が予測される。
ステップS116において、亀裂予測部16は、ステップS115で生成された微分方程式を計算することにより、構造体Dに発生する亀裂を予測する。なお、ステップS115を行わない場合には、本ステップS116においては外部機器などから取得した微分方程式を計算することにより構造体Dに発生する亀裂が予測される。
以上により、本技術の第2の実施形態によれば、構造体に発生する疲労破壊(低サイクル疲労(塑性疲労)および高サイクル疲労(弾性疲労))による亀裂を迅速に予測することができる。
すなわち、本技術の第2の実施形態によれば、脆性亀裂、低サイクル疲労(塑性疲労)による亀裂、高サイクル繰り返し疲労による亀裂など、すべての亀裂現象が一気通貫で解析可能となる。すなわち、本技術によれば、構造体Dに発生する亀裂を迅速かつより正確に予測可能となる。
[その他の実施形態]
以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態では構造体モデルMDの要素Eを1次要素としたが、必要に応じて、構造体モデルMDの要素Eを2次要素としてもよい。この場合、構造体モデルMDの各要素E内における亀裂変数φの分布を考慮することができるため、構造体Dの亀裂を更に正確に予測可能となる。
以上のように、本技術によれば、亀裂有無を表現する場の亀裂変数φを振幅負荷エネルギーに比例する項をソース項とした拡散方程式で時間発展させた方程式を数値的に解くようにした。
これにより、界面をまたぐような亀裂にも対応し、亀裂形状も自由に変化できるフェーズフィールド法の利点を生かしながら、金属/樹脂の弾性域での高サイクル疲労破壊を予測可能になる。
さらに、本技術によれば、亀裂有無を表現する場の亀裂変数φを塑性散逸エネルギーに比例する項と、亀裂有無を表現する場の亀裂変数φをソース項とした拡散方程式で時間発展させた方程式を数値的に解くようにした。
これにより、界面をまたぐような亀裂にも対応し、亀裂形状も自由に変化できるフェーズフィールド法の利点を生かしながら、金属/樹脂の塑性域での低サイクル繰り返し疲労破壊および弾性域での高サイクル疲労破壊を予測可能になる。これにより、亀裂をより正確に予測することができる。
<3.コンピュータ>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここでコンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等が含まれる。
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここでコンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等が含まれる。
図17は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
図17に示されるコンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303は、バス304を介して相互に接続されている。
バス304にはまた、入出力インタフェース305も接続されている。入出力インタフェース305には、入力部306、出力部307、記憶部308、通信部309、およびドライブ310が接続されている。
入力部306は、例えば、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチパネル、入力端子などよりなる。出力部307は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、出力端子などよりなる。記憶部308は、例えば、ハードディスク、RAMディスク、不揮発性のメモリなどよりなる。通信部309は、例えば、ネットワークインタフェースよりなる。ドライブ310は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディア311を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU301およびバス304を介して、RAM303にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM303にはまた、CPU301が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
コンピュータ(CPU301)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア311に記録して適用することができる。その場合、プログラムは、リムーバブルメディア311をドライブ310に装着することにより、入出力インタフェース305を介して、記憶部308にインストールすることができる。
また、このプログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することもできる。その場合、プログラムは、通信部309で受信し、記憶部308にインストールすることができる。
その他、このプログラムは、ROM302や記憶部308に、あらかじめインストールしておくこともできる。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
なお、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本技術は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 所定の構造体に対応する構造体モデルを取得するモデル取得部と、
前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する亀裂予測部と
を備える情報処理装置。
(2) 前記振幅負荷エネルギーは、繰り返し負荷時の応力の最大値と最小値の差分と、歪みの最大値と最小値の差分とが積算されて設定される
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記振幅負荷エネルギーに係る定数は、対応する材料のS-N線図の高サイクル疲労領域の特性線の傾きに応じた値として設定される
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4) 前記振幅負荷エネルギーに係る定数は、対応する材料界面のS-N線図の高サイクル疲労剥離領域の特性線の傾きに応じた値として設定される
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(5) 前記亀裂予測部は、非周期的な繰り返し負荷に対して、応力時間変化の変曲点毎に解析区間を区切り、区切られた解析区間毎に前記構造体に発生する亀裂を予測する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6) 前記亀裂予測部は、前記構造体モデルの各位置に設定され、塑性変形時に散逸されるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する塑性散逸エネルギーに比例する項をさらに含む前記微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7) 前記塑性散逸エネルギーは、相当応力を相当塑性ひずみの微小増分で積分した量を利用して設定される
前記(6)に記載の情報処理装置。
(8) 前記塑性散逸エネルギーは、相当応力と降伏応力との差と、相当塑性ひずみとの積を利用して設定され、相当応力が降伏応力より小さい場合にゼロとされる
前記(6)または(7)に記載の情報処理装置。
(9) 前記微分方程式は、空間座標の2階微分に比例する拡散項をさらに含む
前記(6)乃至(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10) 所定の構造体に対応する構造体モデルを取得し、
前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する
情報処理方法。
(11) 所定の構造体に対応する構造体モデルを取得するモデル取得部と、
前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する亀裂予測部と
して、コンピュータを機能させるプログラム。
(1) 所定の構造体に対応する構造体モデルを取得するモデル取得部と、
前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する亀裂予測部と
を備える情報処理装置。
(2) 前記振幅負荷エネルギーは、繰り返し負荷時の応力の最大値と最小値の差分と、歪みの最大値と最小値の差分とが積算されて設定される
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記振幅負荷エネルギーに係る定数は、対応する材料のS-N線図の高サイクル疲労領域の特性線の傾きに応じた値として設定される
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4) 前記振幅負荷エネルギーに係る定数は、対応する材料界面のS-N線図の高サイクル疲労剥離領域の特性線の傾きに応じた値として設定される
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(5) 前記亀裂予測部は、非周期的な繰り返し負荷に対して、応力時間変化の変曲点毎に解析区間を区切り、区切られた解析区間毎に前記構造体に発生する亀裂を予測する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6) 前記亀裂予測部は、前記構造体モデルの各位置に設定され、塑性変形時に散逸されるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する塑性散逸エネルギーに比例する項をさらに含む前記微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7) 前記塑性散逸エネルギーは、相当応力を相当塑性ひずみの微小増分で積分した量を利用して設定される
前記(6)に記載の情報処理装置。
(8) 前記塑性散逸エネルギーは、相当応力と降伏応力との差と、相当塑性ひずみとの積を利用して設定され、相当応力が降伏応力より小さい場合にゼロとされる
前記(6)または(7)に記載の情報処理装置。
(9) 前記微分方程式は、空間座標の2階微分に比例する拡散項をさらに含む
前記(6)乃至(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10) 所定の構造体に対応する構造体モデルを取得し、
前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する
情報処理方法。
(11) 所定の構造体に対応する構造体モデルを取得するモデル取得部と、
前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する亀裂予測部と
して、コンピュータを機能させるプログラム。
10 亀裂予測装置(情報処理装置), 11 モデル生成部, 12 モデル取得部,13 亀裂変数設定部, 14 振幅負荷エネルギー設定部,15 微分方程式生成部, 16 亀裂予測部,110 亀裂予測装置, 111 エネルギー設定部, 112 微分方程式生成部 ,MD 構造体モデル, E,E0,E1 要素
Claims (11)
- 所定の構造体に対応する構造体モデルを取得するモデル取得部と、
前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する亀裂予測部と
を備える情報処理装置。 - 前記振幅負荷エネルギーは、繰り返し負荷時の応力の最大値と最小値の差分と、歪みの最大値と最小値の差分とが積算されて設定される
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記振幅負荷エネルギーに係る定数は、対応する材料のS-N線図の高サイクル疲労領域の特性線の傾きに応じた値として設定される
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記振幅負荷エネルギーに係る定数は、対応する材料界面のS-N線図の高サイクル疲労剥離領域の特性線の傾きに応じた値として設定される
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記亀裂予測部は、非周期的な繰り返し負荷に対して、応力時間変化の変曲点毎に解析区間を区切り、区切られた解析区間毎に前記構造体に発生する亀裂を予測する
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記亀裂予測部は、前記構造体モデルの各位置に設定され、塑性変形時に散逸されるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する塑性散逸エネルギーに比例する項をさらに含む前記微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記塑性散逸エネルギーは、相当応力を相当塑性ひずみの微小増分で積分した量を利用して設定される
請求項6に記載の情報処理装置。 - 前記塑性散逸エネルギーは、相当応力と降伏応力との差と、相当塑性ひずみとの積を利用して設定され、相当応力が降伏応力より小さい場合にゼロとされる
請求項6に記載の情報処理装置。 - 前記微分方程式は、空間座標の2階微分に比例する拡散項をさらに含む
請求項1に記載の情報処理装置。 - 所定の構造体に対応する構造体モデルを取得し、
前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する
情報処理方法。 - 所定の構造体に対応する構造体モデルを取得するモデル取得部と、
前記構造体モデルの各位置に設定され、亀裂の有無を表現する亀裂変数の時間微分に比例する項と、前記構造体モデルの各位置に設定され、繰り返し負荷時にかかるエネルギーを前記亀裂変数を利用して表現する振幅負荷エネルギーに比例する項とを含む微分方程式を計算することにより、前記構造体に発生する亀裂を予測する亀裂予測部と
して、コンピュータを機能させるプログラム。
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