JP5644671B2 - 圧電膜素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電膜素子の製造方法に関するものである。
圧電体は、種々の目的に応じて様々な圧電体素子に加工され、特に電圧を加えて変形を生じさせるアクチュエータや逆に素子の変形から電圧を発生させるセンサなどの機能性電子部品として広く利用されている。
アクチュエータやセンサの用途に利用されている圧電体としては、大きな圧電特性を有する鉛系の誘電体、特にPZTと呼ばれるPb(Zr1−XTi)O系のペロブスカイト型の強誘電体が用いられている。この強誘電体は、通常、個々の元素からなる酸化物を焼結することにより形成される。
一方、各種の電子部品の小型化と高性能化とが進むのに伴い、圧電体素子においても小型化と高性能化とが強く求められている。しかしながら、従来の製法である焼結法を中心とした製造方法により作製した圧電体素子の厚みが10μm以下になると、圧電体素子を構成する結晶粒の大きさに近づき、その影響が無視できなくなる。そのため、特性のばらつきや劣化が顕著になるという問題があった。この特性のばらつきや劣化を回避するため、焼結法に変わる薄膜技術等を応用した圧電膜素子の製造方法がある。
その一例としては、RFスパッタリング法で形成したPZT圧電膜素子をインクジェットプリンタヘッドに搭載される圧電アクチュエータとして用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、環境への配慮から、鉛を含有しないニオブ酸カリウムナトリウム(以下、「KNN」という。)の非鉛圧電体を用いたKNN圧電膜素子が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
KNN圧電膜素子を用いてアクチュエータやセンサを作製する場合は、微細加工プロセスによりKNN圧電膜を梁や音叉の形状に微細加工する必要がある。このKNN圧電膜の微細加工方法としては、Cl系反応ガスによる反応性イオンエッチングを用いることが提案されている(非特許文献1参照。)。
特開平10−286953号公報 特開2007−19302号公報
C.M.Kang等の「Etching Characteristics of (Na0.5K0.5)NbO3Thin Films in an Inductively Coupled Cl2/Ar Plasma」、Ferroelectrics,357,p.179-184(2007)
圧電膜素子の微細加工においては、圧電膜が短時間で加工できることに加え、下部電極層で選択的に加工を停止できることが、高い精度で微細加工する際には必要となる。しかしながら、上記非特許文献1記載のCl系反応ガスによる反応性イオンエッチングを用いてKNN圧電膜を加工すると、KNN圧電膜層とPtなどの下部電極層とのエッチング選択比が得られないので、高い精度をもつ微細加工が要求されるアクチュエータやセンサなどへの適用が困難であった。
本発明の目的は、ウェットエッチングにより圧電膜層を短時間で微細加工することを可能とし、下部電極層において選択的に加工を停止することを可能とした圧電膜素子の製造方法を提供することにある。
本件発明者等は、圧電膜の微細加工の向上について熱意検討を行った結果、ある特定のマスクとエッチング液とを用いたウェットエッチングを、ある特定の圧電膜の形成に利用すれば、実用上に問題が生じない優れた圧電膜素子、及び圧電膜デバイスが形成できることを知り、本発明に至った。
[1]即ち、本発明は、基板上に下部電極を形成する工程と、前記下部電極上に組成式(K1−xNa)NbOで表されるアルカリニオブ酸化物系ペロブスカイト構造の圧電膜を形成する工程と、前記圧電膜にウェットエッチングを行う工程とを備え、前記ウェットエッチング工程において、Cr膜をマスクとして用いることを特徴とする圧電膜素子の製造方法にある。
[2]上記[1]記載の前記ウェットエッチング工程は、フッ酸系エッチング液を用いることを特徴とする。
[3]上記[1]記載の前記下部電極にPtを用いることを特徴とする。
[4]上記[1]記載の前記圧電膜は、擬立方晶の結晶構造を有し、前記結晶構造が(001)面方向に優先配向するよう成膜することを特徴とする。
[5]上記[1]記載の前記圧電膜の組成が、0.4≦x≦0.7の範囲となるようスパッタ法により成膜することを特徴とする。
[6]上記[1]記載の前記基板に酸化膜付きSi基板を用いることを特徴とする。
本発明によれば、Cr膜をマスクとしてフッ酸系エッチング液を用い、圧電膜層をウェットエッチングすることで、下部電極層において選択的に加工を停止することができるとともに、圧電膜層を短時間で精度よく微細加工することができる。
本発明の典型的な実施の形態である圧電膜素子の一構成例を模式的に示す断面図である。 (a)〜(e)は圧電膜素子の製造工程を説明するための概略図である。 ウェットエッチング後のKNN圧電膜を示すSEM写真である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
(圧電膜素子の構成)
図1において、全体を示す符号1は、この実施の形態に係る典型的な圧電膜素子の一構成例を例示している。この圧電膜素子1は、シリコン(Si)からなる基板2を備える。その基板2の上面には、下地層となる下部電極層3が形成されている。その下部電極層3は、白金(Pt)薄膜からなる。その下部電極層3が形成された基板2上には、非鉛圧電材料である圧電膜層4が形成されている。
この圧電膜層4は、組成式(K1−xNa)NbOで表されるアルカリニオブ酸化物系ペロブスカイト構造の薄膜により形成されている(以下、KNN圧電膜層4ともいう。)。その組成比xは、0.4≦x≦0.7である。なお、この圧電膜素子1としては、基板2の表面に酸化膜(SiO膜)を形成し、基板2と下部電極層3との密着性を向上させる構成としてもよい。
この基板2としては、例えば熱酸化膜付き(001)面Si基板、これとは異なる面方位のSi基板、熱酸化膜を有しないSi基板、又はSOI基板を用いることができる。これらの基板以外にも、例えば石英ガラス基板、GaAs基板、サファイア基板、ステンレスなどの金属基板、MgO基板、又はSrTiO基板などを用いることができる。
この下部電極層3としては、算術平均表面粗さRaが0.86nmより小さい電極を用いることが好適である。これにより、KNN圧電膜層4に十分な圧電特性を発揮させることができる。この基板2と下部電極層3との間にはチタン(Ti)やタングステン(Ta)を密着層として蒸着してもよい。これにより、下部電極層3の密着性を高めることができる。なお、基板2と下部電極層3との間に密着層を有しない構成であっても、下部電極層の面方位を制御することで、下部電極層3の密着性を高めることができる。
このKNN圧電膜層4としては、擬立方晶の結晶構造を有し、その結晶構造が(001)面方向に優先配向していることが好適である。KNN圧電膜層4には、他の元素を添加しなくてもよいが、5原子数%以下のLi(リチウム)、Ta、Sb(アンチモン)、Ca(カルシウム)、Cu(銅)、Ba(バリウム)、Ti等を添加してもよい。
上記のように構成された圧電膜素子1は、この実施の形態における主要な構成である製造方法により得られる。即ち、この圧電膜素子1は、基板2上に下部電極層3を形成する工程と、下部電極層3上にKNN圧電膜層4を形成する工程と、Cr(クロム)膜をエッチングマスクとして、KNN圧電膜層4にウェットエッチングを行う工程とを有する製造方法により効果的に得られる。このウェットエッチング工程においては、フッ酸、又はフッ酸と酢酸との混合液をエッチング液として用いることが好適である(以下、「フッ酸系エッチング液という。」)。
図2を参照すると、図2(a)〜図2(e)には圧電膜素子1の製造工程の一例が例示されている。図示例によると、レジストパターン形成、Cr膜の成膜、リフトオフによるCr膜マスクパターン形成、KNN膜ウェットエッチング、及びCr膜の除去によるKNN膜パターン形成を含んでいる。
(下部電極層及びKNN圧電膜層の形成)
圧電膜素子1を製造するにあたり、先ず、基板2((100)面方位)を準備する。次に、図2(a)に示すように、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、基板2上に下部電極層3を成膜する。次に、下部電極層3上にKNN圧電膜層4をRFマグネトロンスパッタリング法で成膜する。
(Cr膜マスクパターンの形成)
次に、図2(a)に示すように、OFPR−800などのフォトレジスト5を塗布し、露光及び現像を行い、KNN圧電膜層4上にフォトレジストパターンを形成する。
次に、図2(b)に示すように、RFマグネトロンスパッタリング法によりCr膜6を成膜する。その後、図2(c)に示すように、アセトン洗浄によりフォトレジスト5を除去するリフトオフにより、Cr膜6のマスクパターンをKNN圧電膜層4上に形成する。
(KNN膜ウェットエッチング、及びKNN膜パターン形成)
次に、図2(d)に示すように、Cr膜6をエッチングマスクとしてフッ酸系エッチング液を用い、ウェットエッチングを行うことでKNN圧電膜層4を所望の素子形状に加工する。ここで、フッ酸の濃度が酢酸濃度よりも低い場合には、十分なエッチング速度が得られない。そのため、フッ酸の濃度としては、少なくとも25%以上の濃度とすることが好適である。
(Cr膜の除去)
次に、図2(e)に示すように、Cr膜除去用のエッチング液として第二硝酸セリウムアンモニウムを用い、残留したCr膜6を除去する。KNN圧電膜層4を水洗、乾燥する。なお、第二硝酸セリウムアンモニウムに代えて、フェリシアン化カリウムなどのCr膜エッチング液を用いてもよい。
所望の素子形状を有するKNN圧電膜層4を水洗、乾燥した後、ダイシング等によりそれぞれ素子分離(チップ化)することで、所望の素子形状を有する圧電膜素子1が得られる。
(圧電膜デバイスの構成)
以上の製法により得られた圧電膜素子1の下部電極層3及び図示しない上部電極層に、電圧検知手段を接続することでセンサが得られ、電圧印加手段を接続することでアクチュエータが得られる。アクチュエータとしては、インクジェットプリンタ用ヘッド、スキャナーや超音波発生装置などに用いることができる。センサとしては、ジャイロ、超音波センサ、圧カセンサや速度・加速度センサなどに用いることができる。
アクチュエータやセンサ以外にも、フィルタデバイス、又はMEMSデバイスに適用できる圧電膜素子が得られ、電圧検知手段又は印加手段を設けた圧電膜デバイスを従来品と同等の信頼性と、安価な製造コストとで作製することができる。
(実施の形態の効果)
上記実施の形態によると、Cr膜6をエッチングマスクとして用いる工程と、フッ酸系エッチング液を用いるウェットエッチング工程とによりKNN圧電膜層4を短時間で微細加工することができる。それに加えて、下部電極層3において選択的に加工を停止する工程により、下部電極層3において選択的にエッチングを停止することができるとともに、サイドエッチングを抑制したKNN圧電膜層4を形成することができる。
以下に、本発明の更に具体的な実施の形態として、実施例及び比較例を挙げて、図2、図3、及び表1を参照しながら、圧電膜素子について詳細に説明する。なお、この実施例にあっては、圧電膜素子の典型的な一例を挙げており、本発明は、これらの実施例に限定されるものではないことは勿論である。
(下部電極層及びKNN圧電膜層の形成)
図2(a)において、基板2は、熱酸化膜付きのSi基板((100)面方位、厚さ0.525mm、熱酸化膜厚さ200nm、サイズ4インチウェハ)を用いた。RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、基板2上に下部電極層3(Pt、膜厚205nm)を形成するにあたり、基板2と下部電極層3との間に図示しないTi密着層(2.2nm)を蒸着した。Ti密着層と下部電極層3とは、基板温度100〜350℃、放電パワー200W、導入ガスAr雰囲気、圧力2.5Pa、成膜時間1〜3分、10分の条件で成膜した。
図2(a)において、下部電極層3上に(K1−xNa)NbO膜をRFマグネトロンスパッタリング法で形成した。この(K1−xNa)NbO膜(KNN圧電膜層4)は、Na/(K+Na)=0.425〜0.730の(K1−xNa)NbO焼結体をターゲットに用い、基板温度520℃、放電パワー700W、O/Arの混合比0.005、チャンバー内圧力1.3Paの条件で成膜した。このKNN圧電膜層4のスパッタ成膜時間としては、膜厚がほぼ2μmとなるように調整して行った。
(Cr膜マスクパターンの形成)
図2(b)及び(c)において、OFPR−800などのフォトレジスト5を塗布し、露光及び現像を行い、KNN圧電膜層4上にフォトレジストパターンを形成した。次に、RFマグネトロンスパッタリング法によりCr膜6を約200nm成膜した。その後、アセトン洗浄によりフォトレジスト5を除去するリフトオフにより、Cr膜マククパターンをKNN圧電膜層4上に形成した。
(フッ酸系エッチング液を用いたウェットエッチングの評価)
以上のように構成されたKNN圧電膜付き基板を実施例1〜6、及び比較例1〜3の試作品として製作した。これらの試作品について、図2(d)及び(e)に示すように、Cr膜6をエッチングマスクとしてフッ酸(HF)、又はフッ酸と酢酸との混合液をエッチング液として用い、ウェットエッチングにより微細加工を行った。そして、この微細加工特性の比較と評価を行った。この実施例1〜6、及び比較例1〜3におけるエッチング液の条件と、エッチング速度、及びサイドエッチングの比率とを下記の表1にまとめて示す。
ここで、KNN圧電膜層4、及びCr膜6におけるウェットエッチング前後の段差を測定することで、KNN圧電膜層4とCr膜6とのおおよそのエッチング選択比を求めたが、Cr膜6はフッ酸系エッチング液に対して、ほとんど反応しなかった。このため、「KNN膜厚/Cr膜厚」の比を特に規定する必要はない。但し、エッチングマスクとしてのCr膜6にピンホールが存在する場合は、ウェットエッチングの際にCr膜下部のKNN圧電膜にもダメージを与えてしまう。そのため、ピンホールのないCr膜6を作製するために成膜圧力や成膜速度を低くしておく必要がある。特に、成膜速度に関しては、4nm/min以下とすることが望ましい。
(ウェットエッチングによるエッチング速度の確認と評価)
Cr膜マスクパターンを施したKNN圧電膜付き基板に対するウェットエッチング速度を確認するため、フッ酸(49%)と酢酸(99.9%)との混合比が異なる9通りのエッチング液を作製した。
表1から明らかなように、実施例1〜6に示すフッ酸系エッチング液を用いたウェットエッチングでは、最大200(nm/min)のエッチング速度が得られた。このウェットエッチングにより、KNN圧電膜層4を短時間で精度よく微細加工することができるということが分かった。
表1の比較例1〜3に示すように、ウェットエッチングのフッ酸系エッチング液のフッ酸濃度が、KNN圧電膜層4のエッチング速度に大きな影響を及ぼすことも分かった。フッ酸の濃度が酢酸濃度よりも低い場合には、十分なエッチング速度が得られない。フッ酸の濃度としては、少なくとも25%以上の濃度とする必要があるということが分かった。
(微細パターンの形成とサイドエッチングの評価)
図3にウェットエッチングプロセスを用いて作製したKNN圧電膜層の微細パターンを示す。図3からも明らかなように、フッ酸系エッチング液を用いたウェットエッチングにより、KNN圧電膜層を短時間で微細加工できるとともに、下部電極層において選択的にエッチングを停止できるということが確認できた。
実施例1〜6においては、サイドエッチングを数%程度に抑制させており、KNN圧電膜層に良好な微細加工を行うことができた。下部電極露出のためのKNN圧電膜の窓開け加工などには十分な精度であり、エッチング液を均質に撹絆するなどの工夫で、サイドエッチングを更に低減することが可能である。
密着性の観点から、エッチングマスク材料としてはCr膜を用いることで、KNN圧電膜層の微細パターンを形成することができた。更に、Ptなどの下部電極層はフッ酸系エッチング液に対して不活性であるため、容易に下部電極層においてエッチングを停止させることができた。
下部電極層3の面内表面粗さを測定したところ、算術平均表面粗さRaが0.86nm以下であった。なお、算術平均表面粗さRaが0.86nmよりも大きい下部電極層を用い、下部電極層上にKNN圧電膜層を形成し、圧電膜素子を作製したところ、圧電デバイスの使用に耐えるものの、圧電特性の低下が見られた。よって、KNN圧電膜層4が十分な圧電特性を発揮させるためには、下部電極層3の表面は、算術平均表面粗さRaが0.86nm以下であることが好ましいということが分かった。
以上より、KNN圧電膜層を短時間で微細加工するためには、ピンホールのないCr膜をエッチングマスクとして、フッ酸もしくはフッ酸と酢酸との混合液であるフッ酸系エッチング液を用い、ウェットエッチングプロセスを行うことが好適であるということが理解できる。但し、フッ酸の濃度が25%以下の場合には、KNN圧電膜層のエッチング速度が大きく落ちるため、現実的な微細加工には馴染まない。
[変形例]
以上の説明からも明らかなように、本発明の圧電膜素子の製造方法、及び圧電膜デバイスを上記実施の形態、実施例、及び変形例に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態、実施例、変形例、及び図示例の中で説明した特徴の組合せの全てが本発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。本発明の技術思想の範囲内において種々の構成が可能であり、次に示すような変形例も可能である。
上記実施の形態では、フッ酸と酢酸との混合比が異なるフッ酸系エッチング液を用いたが、例えば硝酸、又は水などの溶液を添加したフッ酸系エッチング液を用いた場合も、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
上記実施の形態では、エッチングマスクとしてCr膜を用いたが、密着性さえ確保できれば、耐フッ酸性の有機レジストやNi(ニッケル)膜などをエッチングマスクとして用いることができる。但し、フッ酸系溶液に対して有機レジストをエッチングマスクとして用いる場合には、極めて厚く有機レジスト膜を設ける必要があり、Ni膜では、製膜レートが遅く、コスト高になりやすいという問題もある。
上記実施の形態では、単層のエッチングマスクを用いたが、多層のエッチングマスクであってもよい。その一例としては、例えばCr膜エッチングマスク上に有機レジスト膜を形成したもの、Ni膜エッチングマスク上にCr膜エッチングマスクを形成したもの、及びCr膜エッチングマスク上にNi膜エッチングマスクを形成したものであっても、上記実施例と同等の効果が得られる。
上記実施の形態ではCr膜マスクパターンの形成工程においてリフトオフを用いたが、これに限定されるものではなく、例えばCr膜をエッチングする工程としてもよい。
上記実施例では、KNN電圧膜層をスパッタ法により形成したが、スパッタ法以外に、エアロゾルデポジション法、ゾルゲル法、水熱合成法などにより形成してもよい。例えば、KNN膜は、実施例と同様に形成された下部電極上に、KOH、NaOH、Nb粉末を原料とした水熱合成法により厚さ10μmに形成される。製膜条件は、KOH溶液10mol/L、Nb粉末補填量が、3.0g、保持温度230℃、保持時間10hrとした。NaOH溶液は、KNN膜の組成比Na/K+Naに応じて、3〜15mol/Lで調整した。
1…圧電膜素子、2…基板、3…下部電極層、4…圧電膜層、5…フォトレジスト、6…Cr膜

Claims (5)

  1. 基板上に下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極上に組成式(K1−xNa)NbOで表されるアルカリニオブ酸化物系ペロブスカイト構造の圧電膜を形成する工程と、
    前記圧電膜にフッ酸系エッチング液を用いてウェットエッチングを行う工程とを備え、
    前記ウェットエッチング工程において、Cr膜をマスクとして用いることを特徴とする圧電膜素子の製造方法。
  2. 前記下部電極にPtを用いることを特徴とする請求項1記載の圧電膜素子の製造方法。
  3. 前記圧電膜は、擬立方晶の結晶構造を有し、前記結晶構造が(001)面方向に優先配向するよう成膜することを特徴とする請求項1または2に記載の圧電膜素子の製造方法。
  4. 前記圧電膜の組成が、0.4≦x≦0.7の範囲となるようスパッタ法により成膜することを特徴とすること特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の圧電膜素子の製造方法。
  5. 前記基板に酸化膜付きSi基板を用いることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の圧電膜素子の製造方法。
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