JP6591005B2 - ニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法 - Google Patents

ニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、強誘電体薄膜素子に関し、特に、非鉛系のニオブ酸系強誘電体を具備する薄膜素子を製造する方法に関するものである。
強誘電体は、その特異な性質(例えば、極めて高い比誘電率、焦電性、圧電性、強誘電性など)から大変魅力的な物質であり、各性質を活かしてセラミック積層コンデンサ、焦電素子、圧電素子、強誘電体メモリなどとして利用されている。代表的な材料としては、ペロブスカイト構造を有するチタン酸バリウム(BaTiO3)やチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr1-xTix)O3、PZT)が挙げられる。なかでも、優れた分極性・圧電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が広く用いられてきた。
PZTは、鉛を含有する特定有害物質であるが、現在のところ焦電材料・圧電材料として代替できる適当な市販品が存在しないため、RoHS指令(電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令)の適用免除対象となっている。しかしながら、世界的に地球環境保全の要請はますます強まっており、鉛を含有しない強誘電体(非鉛系強誘電体)を使用した焦電素子・圧電素子の開発が強く望まれている。
また、近年における各種電子機器への小型化・軽量化の要求に伴って、薄膜技術を利用した強誘電体薄膜素子の要求が高まっている。
本明細書では、以下、強誘電体薄膜素子として圧電薄膜素子や焦電薄膜素子を念頭に置いて説明する。なお、圧電素子とは、強誘電体の圧電効果を利用する素子であり、強誘電体(圧電体)への電圧印加に対して変位や振動を発生するアクチュエータや、圧電体への応力変形に対して電圧を発生する応力センサなどの機能性電子部品として広く利用されている。また、焦電素子とは、強誘電体の焦電効果によって赤外線を含む光を検出する素子であり、人体検出用赤外線センサなどとして広く利用されている。
非鉛系圧電材料を使用した圧電体薄膜素子として、例えば特許文献1には、基板上に、下部電極、圧電薄膜、及び上部電極を有する圧電薄膜素子において、上記圧電薄膜を、組成式(NaxKyLiz)NbO3(0<x<1、0<y<1、0≦z<1、x+y+z=1)で表記されるアルカリニオブ酸化物系のペロブスカイト化合物で構成される誘電体薄膜とし、その圧電薄膜と上記下部電極の間に、バッファ層として、ペロブスカイト型結晶構造を有し、かつ、(001)、(100)、(010)、及び(111)のいずれかの面方位に高い配向度で配向され易い材料の薄膜を設けたことを特徴とする圧電薄膜素子が開示されている。特許文献1によると、鉛フリーのニオブ酸リチウムカリウムナトリウム薄膜を用いた圧電薄膜素子で、十分な圧電特性が得られるとされている。
圧電素子は、圧電体が2枚の電極で挟まれた構成を基本構造とし、用途に応じて梁状や音叉状の形状に微細加工されて作製される。そのため、非鉛系圧電材料を用いた圧電素子の実用化に際し、微細加工プロセスは非常に重要な技術の一つである。
例えば特許文献2には、基板上に圧電体薄膜(組成式:(K1-xNax)NbO3、0.4≦x≦0.7)を備えた圧電体薄膜ウェハに、Arを含むガスを用いてイオンエッチングを行う第1の加工工程と、前記第1の加工工程に続いて、フッ素系反応性ガスとArとを混合した混合エッチングガスを用いて反応性イオンエッチングを行う第2の加工工程とを実施することを特徴とする圧電体薄膜ウェハの製造方法が開示されている。特許文献2によると、圧電体薄膜を高精度に微細加工することができ、また、信頼性の高い圧電体薄膜素子と、安価な圧電体薄膜デバイスが得られるとされている。
また特許文献3には、基板上に下部電極を形成する工程と、前記下部電極上に組成式(K1-xNax)NbO3で表されるアルカリニオブ酸化物系ペロブスカイト構造の圧電膜を形成する工程と、前記圧電膜にウェットエッチングを行う工程とを備え、前記ウェットエッチング工程において、Cr膜をマスクとして用いることを特徴とする圧電膜素子の製造方法が開示されている。特許文献3によると、Cr膜をマスクとしてフッ酸系エッチング液を用い、圧電膜層をウェットエッチングすることで、下部電極層において選択的に加工を停止することができるとともに、圧電膜層を短時間で精度よく微細加工することができるとされている。
特開2007−19302号公報 特開2012−33693号公報 特開2012−244090号公報
前述したように、非鉛系強誘電体としてニオブ酸系強誘電体(例えば、ニオブ酸カリウムナトリウム,(K1-xNax)NbO3)は、大変有望な材料の一つである。PZT薄膜素子の代替品となるように、ニオブ酸系強誘電体を用いた薄膜素子を実用化・量産化するためには、寸法精度がよく低コストの微細加工プロセスを確立することは非常に重要である。
しかしながら、ニオブ酸系強誘電体は比較的新しい材料群であるため、微細加工プロセスに関しては、現在も試行錯誤の段階である。例えば、特許文献2に記載のドライエッチング技術は、高い寸法精度を確保できるものの、真空プロセスの一種であるため高価なエッチング装置が必要となる上に、スループットが比較的低いという弱点があった。
一方、特許文献3に記載のウェットエッチング技術は、スループットが比較的高く、ドライエチングプロセスよりも製造コストの低減に有利である。ただし、ニオブ酸系強誘電体は、化学的に安定な材料であり、これまでフッ酸系エッチング液を用いなければ微細加工が難しかった。フッ酸系エッチング液は、その取扱いに厳重な安全対策を必要とする上に、使用できるエッチングマスクにも制約があるなど、量産化を考えると製造コスト低減の利点が大きく相殺されるという弱点があった。
したがって本発明の目的は、上記課題を解決し、鉛を含まないニオブ酸系強誘電体を用いた薄膜素子を寸法精度よくかつ従来よりも低コストで微細加工できる製造方法を提供することにある。
本発明の1つの態様は、ニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法であって、
基板上に下部電極膜を形成する下部電極膜形成工程と、
前記下部電極膜上にニオブ酸系強誘電体薄膜を形成する強誘電体薄膜形成工程と、
前記ニオブ酸系強誘電体薄膜上に酸化シリコン(SiO2)膜からなるエッチングマスクを所望のパターンとなるように形成するエッチングマスクパターン形成工程と、
前記ニオブ酸系強誘電体薄膜に対してキレート剤のアルカリ水溶液と過酸化水素水(H2O2 aq.)とを含むエッチング液を用いたウェットエッチングを行うことによって、前記ニオブ酸系強誘電体薄膜に所望パターンの微細加工を行う強誘電体薄膜エッチング工程とを有し、
前記ニオブ酸系強誘電体がニオブ酸カリウムナトリウム((K1-xNax)NbO3、KNN)またはニオブ酸リチウム(LiNbO3、LN)であり、
前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)類またはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)であることを特徴とするニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法を提供する。
また本発明は、上記の本発明に係るニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)前記アルカリ水溶液は、アンモニア水溶液(NH3 aq.)である。
(ii)前記エチレンジアミン四酢酸類は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩二水和物(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・三ナトリウム塩三水和物(EDTA・3Na)、エチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩四水和物(EDTA・4Na)、エチレンジアミン四酢酸・二カリウム塩二水和物(EDTA・2K)、エチレンジアミン四酢酸・三カリウム塩二水和物(EDTA・3K)、およびエチレンジアミン四酢酸・二アンモニウム塩(EDTA・2NH3)から選ばれる少なくとも一つである。
(iii)前記強誘電体薄膜エッチング工程は、前記エッチング液の温度が45℃以上100℃未満である。
(iv)前記下部電極膜は、白金(Pt)である。
(v)前記ニオブ酸系強誘電体薄膜は、結晶系が擬立方晶または正方晶であり主表面が(0 0 1)面に優先配向するようにスパッタ法により形成される。
(vi)前記基板は、その表面に熱酸化膜を有するシリコン(Si)基板である。
(vii)前記製造方法は、所望パターンに微細加工された前記ニオブ酸系強誘電体薄膜上に上部電極を形成する上部電極形成工程と、前記上部電極が形成されたニオブ酸系強誘電体薄膜を具備する前記基板からチップ状のニオブ酸系強誘電体薄膜素子を切り出すダイシング工程とを更に有する。
本発明によれば、鉛を含まないニオブ酸系強誘電体を寸法精度よくかつ従来よりも低コストのウェットエッチングにより所望のパターンに微細加工することが可能になる。その結果、製造コストを下げながら、所望のパターンに微細加工されたニオブ酸系強誘電体薄膜素子を提供することができる。
本発明に係るニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造工程(強誘電体薄膜エッチング工程まで)を示す拡大断面模式図である。 本発明に係るニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造工程(強誘電体薄膜エッチング工程より後)を示す拡大断面模式図である。 エッチング速度と溶液温度との関係を示すグラフである。 エッチング速度と溶液温度との関係を示す他のグラフである。 パッドパターン(50μm角、50μm間隔)の微細加工結果を示すSEM観察像である。 ライン&スペースパターン(ライン幅50μm、50μm間隔)の微細加工結果を示すSEM観察像である。 実施例4および基準試料における分極値と印加電圧との関係例を示したグラフである。 LN単結晶基板に対する微細加工結果を示すSEM観察像である。
本発明者等は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr1-xTix)O3、PZT)と同等の焦電特性・圧電特性を期待できる非鉛系強誘電体としてニオブ酸系強誘電体(ニオブ酸カリウムナトリウム((K1-xNax)NbO3、KNN)およびニオブ酸リチウム(LiNbO3、LN))に着目し、該材料のウェットエッチング方法について鋭意検討した。その結果、従来はフッ酸系エッチング液を用いなければ微細加工が困難とされていたニオブ酸系強誘電体が、キレート剤のアルカリ水溶液を含むエッチング液を用いることによって寸法精度よくウェットエッチング可能であることを見出した。さらに、フッ酸系エッチング液でないことから、エッチングマスクとして酸化シリコン膜を利用できることを見出した。
キレート剤は、フッ酸に比して、生体・環境に対する有害性が低いと考えられており、エッチング設備費用を含む製造コストを大きく低減することができる。また、エッチングマスクとして、より一般的な酸化シリコン膜を利用できることから、エッチングプロセスの簡素化が可能になりプロセスコストを更に低減することができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。また、ニオブ酸系強誘電体としては主にKNNを題材にして説明する。ただし、本発明は、ここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
図1は、本発明に係るニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造工程(強誘電体薄膜エッチング工程まで)を示す拡大断面模式図である。なお、以下の説明では、洗浄工程や乾燥工程を省略するが、それらの工程は必要に応じて適宜行われることが好ましい。
はじめに、基板11を用意する。基板11の材料は、特に限定されず、焦電素子や圧電素子の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、シリコン(Si)、SOI(Silicon on Insulator)、石英ガラス、砒化ガリウム(GaAs)、サファイア(Al2O3)、ステンレス鋼等の金属、酸化マグネシウム(MgO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)を用いることができる。基板11が導電性材料からなる場合は、その表面に電気絶縁膜(例えば酸化膜)を有していることが好ましい。酸化膜の形成方法に特段の限定はないが、例えば、熱酸化処理や化学気相成長(Chemical Vapor Deposition、CVD)法を好適に用いることができる。
(下部電極膜形成工程)
本工程では、基板11上に下部電極膜12を形成する(図1(a)参照)。下部電極膜12の材料は、特に限定されないが、白金(Pt)又はPtを主成分とする合金を用いることが好ましい。Ptは、後述する強誘電体薄膜エッチング工程で用いるエッチング液に対して不活性であるため、エッチングストッパとして機能することができる。下部電極膜12の形成方法に特段の限定は無いが、例えば、スパッタ法を好適に用いることができる。なお、下部電極膜12は、ニオブ酸系強誘電体薄膜の焦電特性や圧電特性を十分に発揮させるため、算術平均表面粗さRaが0.86 nm以下であることが好ましい。
(強誘電体薄膜形成工程)
本工程では、下部電極膜12上にニオブ酸系強誘電体薄膜13を形成する(図1(a)参照)。ニオブ酸系強誘電体の材料としては、KNN((K1-xNax)NbO3、0.4≦ x ≦0.7)を用いることが好ましい。ニオブ酸系強誘電体薄膜13の形成方法としては、KNN焼結体ターゲットを用いたスパッタ法や電子ビーム蒸着法が好ましい。スパッタ法や電子ビーム蒸着法は、成膜再現性、成膜速度及びランニングコストの面で優れていることに加えて、KNN結晶の配向性を制御することが可能であるためである。形成するニオブ酸系強誘電体薄膜13は、KNN結晶の結晶系が擬立方晶または正方晶であり、薄膜の主表面が(0 0 1)面に優先配向されているものが、焦電特性・圧電特性上好ましい。
なお、KNN薄膜は、合計5原子%以下の範囲でリチウム(Li)、タンタル(Ta)、アンチモン(Sb)、カルシウム(Ca)、銅(Cu)、バリウム(Ba)及びチタン(Ti)の不純物を含んでいてもよい。
また、ニオブ酸系強誘電体の材料としてLN(LiNbO3)を用いることも好ましい。他は上記KNNの場合と同様である。
(エッチングマスク形成工程)
本工程では、成膜した圧電体薄膜13上に、後述するウェットエッチングに対するエッチングマスクを形成する。まず、フォトリソグラフィプロセスにより、圧電体薄膜13上にフォトレジストパターン14を形成する(図1(b)参照)。次に、フォトレジストパターン14上にエッチングマスク膜15を成膜する(図1(c)参照)。次に、リフトオフプロセスにより、所望のパターンを有するエッチングマスクパターン15’を形成する(図1(d)参照)。エッチングマスク膜15(エッチングマスクパターン15’)としては、エッチング液に対して十分な耐性を有する限り特段の限定は無く、例えば、スパッタ法による貴金属膜(例えば、Au膜、Pt膜、Pd膜)や酸化物膜(例えば、酸化シリコン膜)を好適に用いることができる。なかでも、取り扱いの容易性およびコストの観点から、酸化シリコン膜(例えば、SiO2膜)は特に好ましい。なお、フォトリソグラフィ/リフトオフ以外のプロセスによってエッチングマスクパターン15’を形成してもよい。
(強誘電体薄膜エッチング工程)
本工程では、ニオブ酸系強誘電体薄膜13に対してウェットエッチングを行い、エッチングマスクパターン15’によって規定されるパターンに微細加工を行う。エッチング液としては、キレート剤のアルカリ水溶液を含みフッ酸を含まないエッチング液を用いることが好ましい。これにより、従来のフッ酸系エッチング液に対して必要とされてきた安全対策コストを低減することができる。
エッチング液をより具体的に説明する。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)類やジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を好ましく用いることができる。
EDTA類としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩二水和物(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・三ナトリウム塩三水和物(EDTA・3Na)、エチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩四水和物(EDTA・4Na)、エチレンジアミン四酢酸・二カリウム塩二水和物(EDTA・2K)、エチレンジアミン四酢酸・三カリウム塩二水和物(EDTA・3K)、およびエチレンジアミン四酢酸・二アンモニウム塩(EDTA・2NH3)から選ばれる少なくとも一つを好ましく用いることができる。
これらのキレート剤は、アルカリ水溶液によく溶解することから、キレート剤の溶媒としては、アルカリ水溶液(例えば、アンモニア水溶液(NH3 aq.)や水酸化ナトリウム水溶液(NaOH aq.))を用いる。また、エッチング反応を活性化するため、本エッチング液は、過酸化水素水(H2O2 aq.)を更に含むことが好ましい。
エッチング液中のキレート剤濃度は、0.01 mol/L以上0.1 mol/L以下が好ましい。キレート剤濃度が0.01 mol/L未満だとエッチング反応が不十分になり、0.1 mol/L超になるとエッチング反応が飽和する。アルカリ水溶液は、エッチング液の水素イオン指数(pH)が9以上14未満となるように調整されることが好ましい。pHが9未満になると、キレート剤の溶解が不十分になりエッチング反応が不十分になる。過酸化水素の濃度は、2 mol/L以上8 mol/L以下が好ましい。過酸化水素濃度が2 mol/L未満だとエッチング反応が不十分になり、8 mol/L超になるとエッチング反応が飽和する。なお、エッチング液の薬品としては、それぞれ市販の試薬を用いることができる。
これらのエッチング液は、前述した酸化シリコン膜からなるエッチングマスクパターン15’およびPt(Pt合金を含む)からなる下部電極膜12に対して不活性であるため、所望のパターンを有するニオブ酸系強誘電体薄膜パターン13’を形成することができる(図1(e)参照)。エッチング温度(エッチング液の温度)は、常温より加熱した方がエッチング反応を活性化できる。具体的には、45℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましい。ただし、作業環境の安全性確保の観点から、100℃未満が好ましい。
本発明におけるエッチング反応のメカニズムは完全に解明されていないが、キレート剤と過酸化水素とを共存させることにより、化学的に非常に安定なパーオキシキレート(例えば、Nb-H2O2-EDTA)が生成することで、ニオブ酸系強誘電体がエッチングされるものと考えられる。
上記のウェットエチング後、酸化シリコン膜用のエッチング液(例えば、バッファードフッ酸)を用いてエッチングマスクパターン15’を除去することで、所望のパターンに微細加工されたニオブ酸系強誘電体薄膜を具備する強誘電体薄膜積層基板10を得ることができる(図1(f)参照)。
(上部電極形成工程)
図2は、本発明に係るニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造工程(強誘電体薄膜エッチング工程より後)を示す拡大断面模式図である。本工程では、先の工程によって得られた所望のパターンに微細加工されたニオブ酸系強誘電体薄膜(ニオブ酸系強誘電体薄膜パターン13’)上に上部電極を形成する。まず、フォトリソグラフィプロセスにより、上部電極の形成スペースを残してフォトレジストパターン21を形成し、フォトレジストパターン21上に上部電極膜22を成膜する(図2(a)参照)。次に、リフトオフプロセスにより、上部電極22’を残して他を除去する(図2(b)参照)。上部電極膜22(上部電極22’)の材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、ニッケル(Ni)、Pt等を好適に用いることができる。
(ダイシング工程)
本工程では、上部電極22’が形成されたニオブ酸系強誘電体薄膜パターン13’を具備する基板からチップ状のニオブ酸系強誘電体薄膜素子20を切り出す(図2(c)参照)。符号11’はチップ状基板を表し、符号12’は下部電極を表す。これにより、所望のパターンに微細加工されたニオブ酸系強誘電体薄膜を具備するニオブ酸系強誘電体薄膜素子20を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[ニオブ酸カリウムナトリウム薄膜素子]
(KNN薄膜積層基板の作製)
図1に示した製造工程に沿って、KNN薄膜積層基板を作製した。基板11としては、熱酸化膜付きSi基板((1 0 0)面方位の4インチウェハ、ウェハ厚さ0.525 mm、熱酸化膜厚さ200 nm)を用いた。
はじめに、基板11と下部電極膜12との密着性を高めるための密着層として、厚さ2.2 nmのTi層をSi基板上にRFマグネトロンスパッタ法により成膜した。続いて、下部電極膜12として厚さ205 nmのPt層をTi層上にRFマグネトロンスパッタ法により成膜した(図1(a)参照)。密着層および下部電極膜のスパッタ成膜条件は、純Tiターゲットおよび純Ptターゲットを用い、基板温度250℃、放電パワー200 W、Ar雰囲気、圧力2.5 Paとした。成膜した下部電極膜12に対して表面粗さを測定し、算術平均粗さRaが0.86 nm以下であることを確認した。なお、スパッタ装置としてはRFスパッタ装置(株式会社アルバック、型式:SH-350-T10)を用いた(以下同様)。
次に、下部電極膜12上に、ニオブ酸系強誘電体薄膜13として厚さ2μmのKNN薄膜((K0.35Na0.65)NbO3)をRFマグネトロンスパッタ法により成膜した(図1(a)参照)。KNN薄膜のスパッタ成膜条件は、(K0.35Na0.65)NbO3焼結体ターゲットを用い、基板温度400〜600℃、放電パワー700〜800 W、酸素ガスとアルゴンガスの混合雰囲気(混合比:O2/Ar = 0.005)、圧力0.3〜1.3 Paとした。
(強誘電体薄膜の結晶系評価)
ペロブスカイト構造を有するKNN結晶は、本来、c軸長がa軸長よりも長い(すなわちc/a > 1である)正方晶系に属する。言い換えると、「c/a > 1」の場合、正方晶としてより安定な結晶構造が形成されている(すなわち、結晶性が高い)ことを示す。また、ペロブスカイト構造を有する強誘電体は、一般的に、初期歪みが少ない結晶のc軸方向に電界を印加したときに、より大きい分極値(圧電性や強誘電性におけるより高い利得)が得られる。
一方、基板上に成膜された薄膜結晶は、バルク結晶体とは異なり、基板や下地層の影響を受けて結晶構造が歪み易い。そこで、X線回折法(XRD)により、上記で成膜したKNN薄膜の結晶系を評価した。その結果、「c/a ≦ 1」である擬立方晶(本来の正方晶と言うよりも立方晶に近いという意味)からなるKNN薄膜が主に形成された基板と、「c/a > 1」である正方晶(本来の正方晶により近いという意味)からなるKNN薄膜が主に形成された基板とが作製されていることが判った。
(エッチング実験)
次に、上記で成膜したKNN薄膜上に、フォトレジスト(東京応化工業株式会社製、OFPR-800)を塗布・露光・現像して、フォトレジストパターン14を形成した(図1(b)参照)。続いて、エッチングマスク膜15として厚さ600 nmのSiO2膜をRFマグネトロンスパッタ法により成膜した(図1(c)参照)。SiO2膜の成膜条件は、石英板ターゲットを用い、基板温度25℃、放電パワー400 W、酸素ガスとアルゴンガスの混合雰囲気(混合比:O2/Ar = 0.033)、圧力0.7 Paとした。その後、アセトン洗浄によりフォトレジストパターン14を除去し(リフトオフ)、エッチングマスクパターン15’をKNN薄膜上に形成した(図1(d)参照)。
上記のエッチングマスクパターン15’を形成したKNN薄膜積層基板から小片(20 mm×20 mm)を切り出し、KNN薄膜に対して、種々のエッチング条件でウェットエッチングを行い、KNN薄膜パターンを形成した(図1(e),(f)参照)。なお、上述したように、用意したKNN薄膜積層基板は、KNN薄膜が擬立方晶からなるものと、KNN薄膜が正方晶からなるものとがある。
エッチング液は、構成薬品として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA、和光純薬工業株式会社製、試薬研究用、純度99.5%)と、アンモニア水(NH3 aq.、関東化学株式会社製、電子工業用、含量29%)と、過酸化水素水(H2O2 aq.、関東化学株式会社製、電子工業用、含量30%)とを用い、後述する表1に示すような分量で混合して作製した。また、他のエッチング液として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の代わりに、エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩二水和物(EDTA・2Na、株式会社同仁化学研究所、純度99.5%以上)を用い、後述する表1に示すような分量で混合したエッチング液も作製した。エッチング温度(エッチング液の温度)は、常温(20℃)〜94℃とした(表1に併記した)。
Figure 0006591005
(エッチング性評価)
(1)エッチング速度
各エッチング実験において、所定時間のエッチングを行った後、バッファードフッ酸(BHF 16、関東化学株式会社製、半導体用、含量22%)でSiO2マスクを除去した。その後、KNN薄膜の段差を計測することよってエッチング性(ここでは、KNN薄膜の段差をエッチング時間で除した平均エッチング速度)を評価した。結果を表1に併記する。
表1の結果から、キレート剤濃度は、エッチング速度に対する影響が比較的小さいことが判る(実施例1,2,11,12参照)。また、過酸化水素濃度も、エッチング速度に対する影響が比較的小さいことが判る(実施例12,13参照)。アルカリ水溶液濃度が下がると、エッチング速度が若干低下することが判る(実施例2,9,10参照)。これは、エッチング液のpHが低下して(アルカリ性が弱くなって)、キレート剤の溶解度が低下したためと考えられる。
一方、エッチング温度(溶液温度)は、エッチング速度に与える影響が大きかった。図3は、エッチング速度と溶液温度との関係を示すグラフである。図3は、実施例1〜8および比較例1の結果をまとめたものである。図3に示したように、溶液温度(エッチング温度)を高めるほどエッチング速度が増加することが判る。
また、KNN薄膜の結晶系がエッチング速度に与える影響も大きいことが判った。図4は、エッチング速度と溶液温度との関係を示す他のグラフである。図4は、実施例14〜24の結果をまとめたものである。図4においても、図3と同様に、溶液温度(エッチング温度)を高めるほどエッチング速度が増加することが判る。ただし、図4(実施例14〜22)におけるエッチング速度の上昇カーブは、図3(実施例1〜8)におけるエッチング速度の上昇カーブと比べて、全体的に高温側にシフトしていた。実施例14〜22と実施例1〜8との差異は、表1に示したように、基本的にKNN薄膜の結晶系である。
図3〜4の現象については、次のように考えることができる。実施例1〜8のKNN薄膜は「c/a ≦ 1」であり擬立方晶と見なすことができ、実施例14〜22のKNN薄膜は「c/a > 1」であり正方晶と見なすことができる。実施例14〜22のKNN薄膜は、KNN結晶が本来有する正方晶に比較的近いため、より安定な結晶構造が形成されている(内部エネルギーが低い状態にある)と考えることができる。その結果、エッチング液との化学反応が進行しにくく、エッチング反応の活性化に比較的高温を要したものと考えられる。これに対し、実施例1〜8のKNN薄膜は、本来、正方晶であるKNN結晶が擬立方晶を示していることから、結晶が比較的大きな内部歪みを有している(内部エネルギーが高い状態にある)と考えることができる。その結果、エッチング液との化学反応が進行し易く、エッチング速度の上昇カーブが低温側にシフトしたものと考えられる。
一方、表1、図4に示したように、EDTAの代わりにEDTA・2Naを用いたエッチング液(実施例23〜24)においても、十分なエッチング速度を得られることが確認された。
なお、比較例2は、エッチング液のアルカリ性が弱くなっていると共に溶液温度が低かったことから、十分なエッチング速度が得られなかった。比較例3は、アルカリ水溶液を混合していないことから、キレート剤がほとんど溶解せず、エッチング反応が生じなかった。比較例4は、キレート剤を混合していないことから、同じくエッチング反応が生じなかった。また、過酸化水素水を混合していない比較例5も、エッチング反応が生じなかった。
ここで、量産性の観点から許容できるエッチング速度について、簡単に考察する。表1に示したように、実施例1〜3,14〜15のエッチング速度は、10 nm/min未満(数nm/min程度)であり、ドライエッチングプロセスによるエッチング速度と同等のレベルである。しかしながら、本発明のプロセスはウェットエッチングプロセスであり、ドライエッチングプロセスよりもはるかに多数枚の試料を同時にエッチングすることができる。例えば、100枚を同時にウェットエッチングすることを想定すると、製造上のスループットは、100倍のエッチング速度と同等になる。このことから、本発明のプロセスのエッチング速度がドライエッチングプロセスのそれと同等であったとしても、量産性の観点から十分な効果があると言える。言い換えると、2 nm/min以上のエッチング速度が得られれば、製造コストの低減に十分寄与することができる。
(2)エッチング選択比
一部の試料を用いて、KNN薄膜/SiO2マスクのエッチング選択比を調査した。その結果、60以上のエッチング選択比が得られることが確認された。
(3)下部電極等への影響
一部の試料を用いて、下部電極膜12(ここではPt膜)が露出するまでエッチングを行い、下部電極等への影響を調査した。その結果、下部電極のエッチングや剥離などは起こらないことが確認された。言い換えると、下部電極膜12をエッチングストッパとして活用できることが確認された。
(5)エッチング精度
実施例5のエッチング条件を用いて、KNN薄膜に対してパッドパターンやライン&スペースパターンの微細加工を行い、走査型電子顕微鏡(SEM)による微細組織観察を行った。図5は、パッドパターン(50μm角、50μm間隔)の微細加工結果を示すSEM観察像である。図6は、ライン&スペースパターン(ライン幅50μm、50μm間隔)の微細加工結果を示すSEM観察像である。図5,6に示したように、いずれのパターンにおいても、非常にきれいに精度よく加工できていることが確認された。なお、サイドエッチング量は、膜厚程度であった。
(圧電体薄膜素子の作製)
本発明のウェットエッチングを施してパターン形成したKNN薄膜上に、図2に示した製造工程に沿って、フォトレジストパターン21を形成し、RFマグネトロンスパッタ法により上部電極膜22としてPt層(厚さ100 nm)を形成した(図2(a)参照)。上部電極膜の成膜条件は、下部電極膜12の場合と同様に、純Ptターゲットを用い、基板温度250℃、放電パワー200 W、Ar雰囲気、圧力2.5 Paとした。
その後、アセトン洗浄によりフォトレジストパターン21を除去し(リフトオフ)、上部電極膜22’をKNN薄膜上に残した(図2(b)参照)。次に、ダイシングを行いチップ状のKNN薄膜素子を作製した。
また、基準試料として、本発明のウェットエッチングによりパターン形成を行っていないKNN薄膜上に上部電極膜22(Pt層、厚さ100 nm)を形成した試料も用意した。本試料は、強誘電体薄膜エッチング工程の影響を全く受けていない試料であり、成膜したKNN薄膜の強誘電体特性の基準となる試料として用意した。
(強誘電体特性の測定)
得られたKNN薄膜素子に対して、強誘電体特性評価システムを用いて分極特性と誘電率とリーク電流密度とを測定した。
図7は、実施例4および基準試料における分極値と印加電圧との関係例を示したグラフである。図7に示したように、実施例4と基準試料とは、分極値のヒステリシスループがほぼ完全に一致しており、その分極特性において実質的に変化なしと言えた。
誘電率においては、基準試料と実施例4との差異は1%程度であった。この程度の差異は、試料個体差または測定誤差の範疇であり、実質的に変化なしと言えた。また、リーク電流密度おいても、その差異は試料個体差または測定誤差の範疇であった(実施例4の方が、むしろ基準試料よりもリーク電流密度が小さくなっていた)。すなわち、実質的に変化なしと言えた。
上記の強誘電体特性の測定結果から、本発明の強誘電体薄膜エッチング工程は、KNN薄膜の強誘電体特性を劣化させることなしに微細加工できることが確認された。
[ニオブ酸リチウム薄膜素子]
(LN基板の用意)
ここでは、実験の簡便化のため、ニオブ酸リチウム(LiNbO3、LN)の単結晶基板(10 mm×10 mm×0.5 mm)を用意した。該LN単結晶基板上にフォトレジストパターン14を形成し、続いて、エッチングマスク膜15として厚さ600 nmのSiO2膜をプラズマCVD法により成膜した。次に、リフトオフによりエッチングマスクパターン15’を形成した。
(エッチング実験およびエッチング性評価)
先のKNN薄膜素子と同様にエッチング実験およびエッチング性評価を行った。その結果、KNN薄膜素子と同様のエッチング性が得られることが確認された。図8は、LN単結晶基板に対する微細加工結果を示すSEM観察像である。図8に示したように、非常にきれいに精度よく加工できていることが確認された。
[エッチング液]
(エッチング実験およびエッチング性評価)
エッチング液におけるその他のキレート剤として、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA、和光純薬工業株式会社製、試薬研究用、純度99%以上)、エチレンジアミン四酢酸・三ナトリウム塩三水和物(EDTA・3Na、株式会社同仁化学研究所、純度98.0%以上)、エチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩四水和物(EDTA・4Na、株式会社同仁化学研究所、純度98.0%以上)、エチレンジアミン四酢酸・二カリウム塩二水和物(EDTA・2K、株式会社同仁化学研究所、純度99.0%以上)、エチレンジアミン四酢酸・三カリウム塩二水和物(EDTA・3K、株式会社同仁化学研究所、純度99.0%以上)、およびエチレンジアミン四酢酸・二アンモニウム塩(EDTA・2NH3、株式会社同仁化学研究所、純度99.0%以上)を用いてエッチング液を調合した。その他は、先のエッチング液(キレート剤としてEDTAまたはEDTA・2Naを使用)の場合と同様にして、KNN薄膜素子に対してエッチング実験およびエッチング性評価を行った。その結果、EDTAまたはEDTA・2Naを使用したエッチング液と同様のエッチング性が得られることが確認された。
上述した実施形態や実施例は、本発明の理解を助けるために説明したものであり、本発明は、記載した具体的な構成のみに限定されるものではない。例えば、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。すなわち、本発明は、本明細書の実施形態や実施例の構成の一部について、削除・他の構成に置換・他の構成の追加をすることが可能である。
10…圧電体薄膜積層基板、
11…基板、11’…チップ状基板、12…下部電極膜、12’…下部電極、
13…圧電体薄膜、13’…圧電体薄膜パターン、14…フォトレジストパターン、
15…エッチングマスク膜、15’…エッチングマスクパターン、
20…圧電体薄膜素子、
21…フォトレジストパターン、22…上部電極膜、22’…上部電極。

Claims (8)

  1. ニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法であって、
    基板上に下部電極膜を形成する下部電極膜形成工程と、
    前記下部電極膜上にニオブ酸系強誘電体薄膜を形成する強誘電体薄膜形成工程と、
    前記ニオブ酸系強誘電体薄膜上に酸化シリコン膜からなるエッチングマスクを所望のパターンとなるように形成するエッチングマスクパターン形成工程と、
    前記ニオブ酸系強誘電体薄膜に対してキレート剤のアルカリ水溶液と過酸化水素水とを含むエッチング液を用いたウェットエッチングを行うことによって、前記ニオブ酸系強誘電体薄膜に所望パターンの微細加工を行う強誘電体薄膜エッチング工程とを有し、
    前記ニオブ酸系強誘電体がニオブ酸カリウムナトリウムであり、
    前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸類またはジエチレントリアミン五酢酸であることを特徴とするニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載のニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法において、
    前記アルカリ水溶液は、アンモニア水溶液であることを特徴とするニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法において、
    前記エチレンジアミン四酢酸類は、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩二水和物、エチレンジアミン四酢酸・三ナトリウム塩三水和物、エチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩四水和物、エチレンジアミン四酢酸・二カリウム塩二水和物、エチレンジアミン四酢酸・三カリウム塩二水和物、およびエチレンジアミン四酢酸・二アンモニウム塩から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とするニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法において、
    前記強誘電体薄膜エッチング工程は、前記エッチング液の温度が45℃以上100℃未満であることを特徴とするニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法において、
    前記下部電極膜は、白金であることを特徴とするニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法において、
    前記ニオブ酸系強誘電体薄膜は、結晶系が擬立方晶または正方晶であり主表面が(0 0 1)面に優先配向するようにスパッタ法により形成されることを特徴とするニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法において、
    前記基板は、その表面に熱酸化膜を有するシリコン基板であることを特徴とするニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法において、
    所望パターンに微細加工された前記ニオブ酸系強誘電体薄膜上に上部電極を形成する上部電極形成工程と、
    前記上部電極が形成されたニオブ酸系強誘電体薄膜を具備する前記基板からチップ状のニオブ酸系強誘電体薄膜素子を切り出すダイシング工程とを更に有することを特徴とするニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法。
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