JP5642424B2 - 洗浄用治具 - Google Patents

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Description

本発明は、サイフォン力を利用して排水するサイフォン排水システムに用いられるサイフォン排水システム用継手に関する。
近年、従来の勾配排水システムに代替可能な、サイフォン排水システムが提案されている。サイフォン排水システムは、水廻り器具とサイフォン排水管とを含んで構成されている。
サイフォン排水管は、床スラブに沿って無勾配で配管された横引き管と、垂下部をなす竪管とで構成されている。そして、横引き管と竪管とは、他の排水管と合流することなく1本の経路で排水導入管から排水立て管へ至っているという特徴を有している。このように構成されたサイフォン排水システムによれば、竪管にて発生するサイフォン力(負圧力)を利用して、水廻り器具からの排水効率の向上を図ることができる。
ところで、サイフォン排水システムにおけるサイフォン排水管は、従来の配管よりも径が小さいという特徴を有している。そこで、サイフォン排水管を洗浄する場合には、従来の排水システムと同様の方法で洗浄を行うと、不都合が生じる場合がある。例えば、後方噴射型ノズルの洗浄ホースを用いて管内の洗浄を行う場合、従来の排水管は、管径が50A程度以上であるため、洗浄ホースと管の内壁との間に充分な隙間があり、洗浄ホースから後方噴射(挿入の進行方向と逆側)された洗浄水は、洗浄ホースのノズル部よりも手前側へ噴射された後、奥側(挿入口と逆側)へ向かって流れる(特許文献1参照)。
特開2004−116137号公報
しかしながら、サイフォン排水管では、洗浄ホースと管の内壁との隙間が狭く、洗浄ホースから後方噴射された洗浄水の多くは洗浄ホースの挿入口側へ流れ、挿入口から外へ溢れてしまうという問題がある。
本発明は、上記事実を考慮し、サイフォン排水システムに用いられ、サイフォン排水管を洗浄する際に、洗浄ホースの挿入口側からの洗浄水の溢れ出しを抑制可能なサイフォン排水システム用継手を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るサイフォン排水システム用継手は、サイフォン排水システムで竪管の下流端で用いられるサイフォン排水システム用継手であって、中空とされた本体部と、前記竪管の下流端に連結可能とされ、前記竪管からの排水を前記本体部内に流入させる竪管連結部と、記竪管からの排水を排出するための排出部に連結可能とされ、前記本体部から前記排出部へ向かって排水を流出させる合流連結部と、前記竪管から流入する排水の進行方向に非対向の位置から前記本体部内を経て前記竪管内へ前記洗浄ホースを挿入可能にするホース挿入部、を備える。
上記構成のサイフォン排水システム用継手を用いて洗浄ホースでの洗浄を行うには、まず、洗浄ホースの先端をホース挿入部から挿入し、さらに本体部内から竪管連結部を経て竪管へと挿入する。そして、洗浄ホースの先端から洗浄水を噴射させて、サイフォン排水管を洗浄する。すると、竪管の下流側へ向かって流れる洗浄水は、竪管連結部を経て本体部内へ流入し、合流連結部を経て排出部へと流出する。
本発明によれば、洗浄ホースから噴射された洗浄水が本体部を経て排水立て管へ向かうので、ホース挿入部側から洗浄水が溢れ出ることを抑制することができる。また、サイフォン排水管は、竪管の下流端から水廻り器具までの間に他の管と合流していないので、下流側から上流側へ向かって洗浄ホースを容易に挿入することができる。更に、竪管が竪管連結部に連結可能とされ、合流連結部が排出部に連結可能とされることにより、サイフォン排水管を洗浄する時に、1本ずつ竪管を竪管連結部から外してサイフォン排水システム用継手に連結させると共に、サイフォン排水システム用継手の合流連結部を排出部へ連結させて、洗浄を行うことができる。
本発明の請求項2に係るサイフォン排水システム用継手では、請求項1に係るサイフォン排水システム用継手において、前記ホース挿入部は、前記本体部の側面から外側に突出され、かつ上方に屈曲された管状とされていること、を特徴とする。
本発明の請求項3に係るサイフォン排水システム用継手では、請求項1又は請求項2に係るサイフォン排水システム用継手において、前記合流連結部は、前記本体部の前記ホース挿入部と逆側の側面から外側に突出され、上方に屈曲され、かつ下方へ折り返された管状とされていること、を特徴とする。
本発明の請求項に係るサイフォン排水システム用継手では、請求項1〜3のいずれか1項に係るサイフォン排水システム用継手において、前記ホース挿入部の前記洗浄ホースの挿入位置は、前記合流連結部よりも高い位置に設定されていること、を特徴とする。
本発明は、上記構成としたので、サイフォン排水管を洗浄する際に、洗浄ホースの挿入口側からの洗浄水の溢れ出しを抑制することができる。
第1実施形態に係るサイフォン排水システムの全体構成を示す概略図である。 第1実施形態に係るサイフォン排水システムの貯留槽と配管の接続を示した斜視図である。 貯留槽の外側が防音シートで覆われている状態を示す概略図である。 第1実施形態に係るサイフォン排水システム用継手(非洗浄時)の断面図である。 第1実施形態に係るサイフォン排水管の洗浄ホースの概略図である。 第1実施形態に係るサイフォン排水システム用継手(非洗浄時)の断面図である。 第1実施形態に係るサイフォン排水システム用継手の変形例(洗浄時)の断面図である。 (A)は第1実施形態に係るサイフォン排水システム用継手の変形例(非洗浄時)の断面図であり、(B)は開口付近(閉鎖時)を開口側からみた概略図である。 (A)は第1実施形態に係るサイフォン排水システム用継手の変形例(洗浄時)の断面図であり、(B)は開口付近(開口時)を開口側からみた概略図であり、(C)は開口付近(洗浄時)を開口側からみた概略図である。 第1実施形態に係るサイフォン排水システム用継手の変形例(非洗浄時)の断面図である。 第1実施形態に係るサイフォン排水システム用継手の変形例(洗浄時)の断面図である。 第1実施形態に係るサイフォン排水システム用継手の他の変形例(非洗浄時)の断面図である。 図12のサイフォン排水システム用継手の流入連結蓋の上面図である。 第1実施形態に係るサイフォン排水システム用継手の他の変形例を用いたサイフォン排水システムの全体構成図である。 図14のサイフォン排水システム用継手(非洗浄時)の断面図である。 第2実施形態に係るサイフォン排水システムの全体構成を示す概略図である。 第2実施形態に係る洗浄用継手の構成を示す概略図である。 サイフォン排水システムの洗浄形態としてその他の形態を示した概略説明図である。 サイフォン排水システムの洗浄形態としてその他の形態を示した概略説明図である。 サイフォン排水システムの洗浄形態としてその他の形態を示した概略説明図である。
[第1実施形態]
以下に、本発明に係る第1実施形態を図面に基づき説明する。
(サイフォン排水システムの構成)
まず、本発明に係るサイフォン排水システム用継手60が用いられるサイフォン排水システムの構成について説明する。図1は、一時貯留槽方式のサイフォン排水システムの全体構成を示す概略図である。本実施形態では、一時貯留槽方式のサイフォン排水システムを用いて説明するが、本発明は、貯留槽の設置されない非一時貯留槽方式のサイフォン排水システムにも用いることができる。
本実施形態のサイフォン排水システム10は、サイフォン力を利用して水廻り器具からの排水を効率よく排出する排水システムである。本実施形態では、サイフォン排水システムを、複数階で構成された集合住宅に用いた例について説明する。なお、サイフォン排水システムは、集合住宅に好適に用いられるが、集合住宅以外の戸建て住宅や工場等にも用いることができる。
本実施形態に係るサイフォン排水システム10は、図1に示すように、排水を下方へ流す排水立て管12を備えている。この排水立て管12は、集合住宅の上下方向(縦方向)に延設され、集合住宅の各階の床スラブ14を貫いている。なお、本実施形態では、サイフォン排水管が排水立て管12へ合流する構成のもので説明するが、排水立て管12を備えず、サイフォン排水管からの排水が他の排出部へ排出される構成であってもよい。
集合住宅の各階の各戸には、排水がなされる複数の水廻り器具16が設けられている。水廻り器具16は、例えば、台所流し、洗面台、洗濯機、ユニットバス等で構成されている。
水回り器具16には、水回り器具16から排出される排水を流す排水導入管18の一端がそれぞれ接続されている。排水導入管18の他端は、貯留槽50と接続されている。排水導入管18は、貯留槽50側が低くなるように勾配をもって配設されている。
貯留槽50は、水廻り器具16からの排水を一時貯留するためのものである。貯留槽50の内部には、図2に示すように、貯留空間52が構成されている。貯留空間52は、仕切部材54によって3つの個別貯留部52A、52B、52Cに区画されている。前述した水廻り器具16からの複数の排水導入管18A〜18Cは、個別貯留部52A、52B、52C、へ各々連結されている。また、貯留槽50の個別貯留部52A、52B、52Cには、各々にサイフォン排水管22A、22B、22C(これらをまとめて「サイフォン排水管22」という)が接続されている。
なお、貯留槽50は、排水時における貯留槽50での音の室内への影響を考慮して、図3に示すように、外側を防音シート50Sで覆ってもよい。
サイフォン排水管22は、図1に示すように、床スラブ14に沿って配設される横引き管24と、この横引き管24と連通する竪管26とを備えて構成されている。横引き管24は、貯留槽50と連通され、床スラブ14上で水平方向に無勾配で配設されている。なお、サイフォン排水システムに限らず、あらゆる無勾配排水システムにおいて、無勾配で配設される部分(無勾配部)には、従来排水方式で規定の勾配を確実に設置するために使われてきた硬管を使用しなくても良く、作業性、コスト性を考慮して可撓管が用いられ、一般的に中間接続継手は用いられない。横引き管24と連通する竪管26は、排水立て管12に沿って、上下方向(鉛直方向)に配設されている。竪管26は、サイフォン排水システム用継手60を介して合流部継手42と連結され、合流部継手42は排水立て管12同士を連結する継手40連結されている。
なお、横引き管24及び竪管26は、同径の排水管で構成され、サイフォン排水システム用継手60までは他の排水管と途中で合流することなく、排水立て管12へ排水を導くようになっている。また、横引き管24及び竪管26は、排水が満流で流れるように管の内径が設定されている。横引き管24内の排水には、サイフォン水頭Hsのエネルギーにより、排水方向へ向かうサイフォン力が作用される。
図4に示すように、サイフォン排水システム用継手60は、本体部62、流入連結部64、流出連結部66、挿入部68、及び、閉鎖部材70を備えている。本体部62は、略円筒形状とされ筒軸が鉛直方向に配置されている。本体部62の筒内には、中空部60Aが構成されている。本体部62には、円筒の上流端側に流入連結部64が設けられ、下流端側に流出連結部66が設けられている。また、本体部62の側面には、挿入部68が構成されている。なお、本体部62は、透明体であることが好ましい。透明体で構成することにより、内部を見ながら、後述する洗浄ホース80の挿入などを容易に行うことができる。
流入連結部64は、中空部60Aに連通する複数の孔で構成されており、複数の竪管26を各々挿入可能とされている。複数の孔各々の外側には、竪管26との連結状態を保持する保持部材65が設けられている。竪管26は、保持部材65を介して流入連結部64と着脱可能とされている。保持部材65は、竪管26の外面と係合する係合部を有していて係合により竪管26を保持するものであってもよいし、竪管26の先端外周と保持部材65の内周にねじを切っておいてねじ螺合により竪管を保持するものであってもよい。流入連結部64の中空部60A側には、段差部60Dが構成されており、段差部60Dに、竪管26の先端部が当接されるようになっている。段差部60Dよりも中空部60A側には、中空部60Aへ向かって大径となるテーパー部60Tが本体部62と一体的に構成されている。
流出連結部66は、合流部継手42を連結可能とされると共に中空部60Aに連通する開口孔で構成されている。開口孔の外側には、合流部継手42との連結状態を保持する保持部材67が設けられている。
挿入部68は、本体部62の側面から外側に突出された円筒形状とされ、内側に中空部60Aに連通されると共に後述する洗浄ホース80を挿入可能な大きさの開口68Aが形成されている。
閉鎖部材70は、挿入部68を覆うような蓋形状とされ、挿入部68に取り付けて、開口68Aを閉鎖可能とされている。閉鎖部材70は、ネジ式で挿入部68の外側に取り付けてもよいし、その他の係合方法により取り付けてもよい。
図5に示すように、洗浄ホース80は、ホース本体部82、及び、ノズル部84を備えている。ノズル部84には、洗浄水を挿入後方側へ後方噴射するノズル84Nが構成されている。
なお、洗浄ホースとしては、後方噴射型の他に、洗浄水をノズルから前方へ噴射する前方噴射型のものや、前方及び後方の両方に噴射可能なハイブリッドの前方・後方噴射型のものがあるが、本願では、後方噴射型のものを用いる。サイフォン排水システムでは、サイフォン排水管の径が小さく、前方噴射では通管しにくいため、後方噴射での洗浄が適している。
次に、本実施形態における、サイフォン排水管22の洗浄について説明する。サイフォン排水管22(竪管26、及び横引き管24)を洗浄する際には、まず、サイフォン排水システム用継手60の閉鎖部材70を挿入部68から取り外し、挿入部68を開放する。そして、図6に示すように、洗浄ホース80をノズル部84から開口68Aへ挿入し、中空部60Aを経て流入連結部64、竪管26へ挿入する。そして、洗浄水を噴出させつつ、ノズル部84を上流側へと移動させて竪管26内を洗浄し、横引き管24内へも挿入して洗浄する。サイフォン排水管22は、途中で他の管と合流されていないため、洗浄ホース80は他の枝管に挿入されてしまうことがなく、スムーズに上流へと送ることができる。
洗浄時にノズル部84から噴射された洗浄水はサイフォン排水管22に付着した汚れ等を洗浄しつつ、これらの汚れと共に下流側へ流れ、流入連結部64から中空部60Aへ流入する。そして、洗浄水は、流入連結部64と対向する位置に配置された流出連結部66へ向かい、合流部継手42、継手40を経て、排水立て管12へ流出される。
サイフォン排水管22は、従来工法の排水管と比較して径が小さいため、洗浄ホース80から噴射された洗浄水(特に後方噴射型の場合)は、洗浄ホースの挿入側へ向かうが、本実施形態では、サイフォン排水管22の下流側から洗浄ホース80を挿入しているので、挿入側へ向かった洗浄水を下流側へ流すことができる。また、洗浄ホース80を挿入する挿入部68は、洗浄水の中空部60Aへの流入方向と対向していないため、挿入部68からの洗浄水の流出を抑制することができる。
このように、本実施形態のサイフォン排水システム用継手60をサイフォン排水システム10の合流部に設置し、洗浄ホース80をサイフォン排水システム用継手60の挿入部68から上流へ向かって挿入することにより、洗浄水の挿入部68からの溢れ出しを抑制してサイフォン排水管22を容易に洗浄することができる。
なお、本実施形態では、流入連結部64の中空部60A側にテーパー部60Tを形成したが、テーパー部60Tは必ずしも必要ではない。特に、テーパー部60Tを形成することにより、洗浄ホース80のノズル部84を容易に流入連結部64へ挿入することができる。
また、図7に示すように、本実施形態のサイフォン排水システム用継手60の挿入部68の内側に、従動回転可能なローラ対68Rを取り付け、ローラ対68Rで洗浄ホース80の外側を保持するようにしてもよい。このように、ローラ対68Rを設けることにより、洗浄ホース80の送り出し、及び、引き込みを、スムーズに行うことができる。なお、ローラ対68Rに代えて、他の回転部材、例えば、ボールベアリングなどを設けても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、サイフォン排水システム用継手60の挿入部68の開口68Aを、取り外し可能な閉鎖部材70で閉鎖しているが、閉鎖部材70に代えて、シャッタ部材72で開口68Aを閉鎖してもよい。この場合には、図8(A)、図9(A)に示すように、挿入部として本体部62から突出させることなく開口68Aを構成する。そして、本体部62の開口68Aを挟んだ両側面に鉛直方向に沿って互いに平行に一対のガイド部74(図8(B)参照)を形成し、このガイド部74にシャッタ部材72をスライド可能に係合させる。シャッタ部材72の下辺に洗浄ホース80用の切欠穴72Kを設けておけば、シャッタ部材72が閉鎖位置P1に配置されているときには、切欠穴72Kは開口68Aよりも下側に配置されて開口68Aが閉鎖される。シャッタ部材72を開放位置P2に配置して開口68Aを開放することにより(図9(B)参照)、洗浄ホース80の挿入、操作が容易になる。また、洗浄ホース80の挿入後にシャッタ部材72を洗浄位置P3に配置することにより(図9(C)参照)、開口68Aの大部分が閉鎖され、開口68Aからの洗浄水の流出を抑制することができる。
また、本実施形態では、サイフォン排水システム用継手60と継手40との間に合流部継手42を配設したが、合流部継手42を配設することなくサイフォン排水システム用継手60の流出連結部66を直接継手40へ連結させてもよい。
また、図10及び図11に示すように、内部に中空部42Aの構成された合流部継手42の上流端に、竪管26を連結可能な流入連結部44を形成し、流入連結部44の外側に、竪管26との連結状態を保持する保持部材45を設ける構成としてもよい。この場合にも、流入連結部44の中空部42A側に段差部42Dを構成して竪管26の先端部が当接されるようにし、段差部42Dよりも中空部42A側に、中空部42Aへ向かって大径となるテーパー部42Tを構成する。また、継手40との連結部分が中空部42A内に流入した排水や洗浄水を流出させる流出連結部46となる。そして、合流部継手42の側面に洗浄ホース80を挿通可能な挿入穴43を構成し、通常時には栓41で挿入穴43を閉鎖するようにしてもよい。栓41は、シール性に優れたゴムや樹脂で構成することができる。
また、本実施形態では、サイフォン排水システム用継手60の流入連結部64は、本体部62と一体的に構成されている例について説明したが、図12に示すように、本体部62の上側を開口形状とし、流入連結部を別部材の流入連結蓋64Fとしてもよい。流入連結蓋64Fは、略円板状とされ、竪管26を差し込み可能な複数の連結穴64Hが構成されると共に(図13参照)、外縁部分が本体部62の外側に外挿可能なように凸条とされている。連結穴64Hの下側には、竪管26が当接される段部64Dが構成され、段部64Dから中空部60Aへ向かって大径となるテーパー形状とされている。流入連結蓋64Fを本体部62の上側へ取り付けて本体部62の開口を覆い、連結穴64Hへ竪管26を差し込むことにより、本発明のサイフォン排水システム用継手60として用いることができる。
また、図14に示すように、サイフォン排水システム用継手60の流入連結部64が、竪管26の上側に配置されるように構成することもできる。この場合には、図15にも示すように、本体部62を上側へ長く形成し、上端を開口形状とする。そして、段部64Dの構成されない流入連結蓋64Fで開口を閉鎖し、竪管26を連結穴64Hへ挿通させて先端を本体部62の下部に配置させる。この構成によれば、竪管26の大部分がサイフォン排水システム用継手60の内部に配置されるので、竪管26を保護することができる。
また、本実施形態では、サイフォン排水システム用継手60を常時サイフォン排水システムに設置している例について説明したが、サイフォン排水システム用継手60は、洗浄時にのみ用い、非洗浄時には公知の継手により、竪管26を排水立て管12へ接続してもよい。常時設置しないのであれば、サイフォン排水システム用継手60には、閉鎖部材70は必要ではない。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は説明する。
本実施形態のサイフォン排水システム11は、図16に示すように、第1実施形態で説明したサイフォン排水システム用継手60を備えておらず、合流部継手42に竪管26及び排水立て管12が連結されている。複数の竪管26は合流部継手42に連結後に合流され、合流部継手42が排水立て管12へ連結されている。本実施形態では、洗浄用継手90を用いて、サイフォン排水管22を洗浄する。
図17に示すように、洗浄用継手90は、本体部92、竪管連結部94、ホース挿入部(以下、「挿入部」という)96、及び、合流連結部98を備えている。
本体部92は、内部に中空部92Aが構成されており、本体部92に、竪管連結部94、ホース挿入部96、及び、合流連結部98が形成されている。
竪管連結部94は、本体部92の上側に配置され、竪管26を外挿可能な円筒形状とされている。竪管連結部94の筒内は、中空部92Aに連通されている。
挿入部96は、本体部92の側面から外側に突出され上方向に屈曲された管状とされている。挿入部96の管内は、中空部92Aに連通されると共に洗浄ホース80を挿入可能な管径とされている。
合流連結部98は、本体部92の挿入部96と逆側の側面から外側に突出され上方向に屈曲された後に下方向へU字に折り返された管状とされている。このU字の上端は、挿入部96の上端よりも低い位置に配置されるように構成されている。合流連結部98は、先端が合流部継手42の竪管連結部42Bに連結可能とされると共に、管内が中空部92Aに連通されている。なお、合流連結部98は、可撓管を用いて構成することもできる。
次に、本実施形態における、サイフォン排水管22の洗浄について説明する。サイフォン排水管22(竪管26、及び横引き管24)を洗浄する際には、まず、竪管26の下流端部を合流部継手42から取り外し、洗浄用継手90の竪管連結部94へ連結する。次に、洗浄ホース80をノズル部84から挿入部96へ挿入し、中空部92Aを経て竪管連結部94、竪管26へ挿入する。そして、洗浄水を噴出させつつ、ノズル部84を上流側へと移動させて竪管26内を洗浄し、横引き管24内へも挿入して洗浄する。サイフォン排水管22は、途中で他の管と合流されていないため、洗浄ホース80が他の枝管に挿入されてしまうことがなく、スムーズに上流へと送ることができる。
洗浄時にノズル部84から噴射された洗浄水は下流側へ流れ、竪管連結部94から中空部92Aへ流入する。そして、洗浄水は、合流連結部98へ向かい、合流部継手42を経て、排水立て管12へ流出される。
本実施形態でも、サイフォン排水管22の下流側から洗浄ホース80を挿入しているので、洗浄ホースの挿入側へ向かった洗浄水を下流側へ流すことができる。また、洗浄ホース80の挿入部96は、洗浄水の中空部92Aへの流入方向と対向しておらず、合流連結部98の上端よりも高い位置に配置されるので、挿入部96からの洗浄水の流出を抑制することができる。
このように、本実施形態の洗浄用継手90を用いることにより、既存のサイフォン排水システムに変更を加えることなく、サイフォン排水管22を容易に洗浄することができる。
[その他の形態]
サイフォン排水システムにおいては、前述したように、洗浄ホースと管の内壁との隙間が狭く、洗浄ホースから後方噴射された洗浄水の多くは洗浄ホースの挿入口側へ流れ、挿入口から外へ溢れてしまうという問題を有している。そこで、この溢れ出しを解消するために、洗浄ホースの挿入側へ戻る洗浄水をポンプ100Pを用いて吸い出してもよい。この場合には、図18に示すように、サイフォン排水管22への洗浄ホース80の挿入を、貯留槽50側から行い、洗浄水をノズル84Nから後方噴射させて洗浄を行うと共に、貯留槽50へ溢れる洗浄水を、ポンプ100Pで吸引して別の容器102へ排出させることができる。
また、貯留槽50を備えていないサイフォン排水システムにおいては、図19に示すように、水廻り器具16としての浴槽16Yからサイフォン排水管22へ洗浄ホース80を挿入し、後方噴射により洗浄を行う。このとき、浴槽16Yの開口部分に蓋Fを配置しておき、洗浄水が浴槽16Yの外側へ向かって飛び出すことを抑制する。そして、ポンプ100Pで吸引して別の容器102へ排出させることができる。
また、並列配置されているサイフォン排水管22同士を、洗浄時にのみ連結させ、一方のサイフォン排水管22を洗浄するときの洗浄水を、他のサイフォン排水管22へ流出させるようにしてもよい。この場合には、図20に示すように、H形状の洗浄連結継手110を用いて2本のサイフォン排水管22同士を連結させることができる。洗浄の際には、竪管26の下流端から洗浄ホース80を挿入し、洗浄を行う。後方噴射された洗浄水は、一部が他のサイフォン排水管22へ流出することから、洗浄中の竪管26の下流端からの溢れ出し量を少なくすることができる。
10 サイフォン排水システム
12 排水立て管
22 サイフォン排水管
24 横引き管
26 竪管
44 流入連結部
46 流出連結部
60 サイフォン排水システム用継手
62 本体部
64 流入連結部
65 保持部材
66 流出連結部
80 洗浄ホース
90 洗浄用継手
92 本体
4 竪管連結部
96 ホース挿入部
98 合流連結部

Claims (4)

  1. サイフォン排水システムで竪管の下流端で用いられるサイフォン排水システム用継手であって、
    中空とされた本体部と、
    前記竪管の下流端に連結可能とされ、前記竪管からの排水を前記本体部内に流入させる竪管連結部と、
    記竪管からの排水を排出するための排出部に連結可能とされ、前記本体部から前記排出部へ向かって排水を流出させる合流連結部と、
    前記竪管から流入する排水の進行方向に非対向の位置から前記本体部内を経て前記竪管内へ洗浄ホースを挿入可能にするホース挿入部と、
    を備えたサイフォン排水システム用継手。
  2. 前記ホース挿入部は、前記本体部の側面から外側に突出され、かつ上方に屈曲された管状とされている請求項1に記載のサイフォン排水システム用継手。
  3. 前記合流連結部は、前記本体部の前記ホース挿入部と逆側の側面から外側に突出され、上方に屈曲され、かつ下方へ折り返された管状とされている請求項1又は請求項2に記載のサイフォン排水システム用継手。
  4. 前記ホース挿入部の前記洗浄ホースの挿入位置は、前記合流連結部よりも高い位置に設定されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のサイフォン排水システム用継手。
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