JP2008248614A - 浴室用排水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイフォン排水システムにおいて、より早く洗い場排水の水頭を高くすると共に、浴槽パンと床スラブなどの基礎位置との間を広くすることの可能な浴室用排水構造を提供する。
【解決手段】ホース36は、浴槽排出口30Bから下方向へ向けて浴槽パン38を貫通し、浴槽パン38の裏側(下側)に沿って排水升部35へ向かって配設されている。ホース36は、排水升部35の側壁を貫通し、排水升部35の裏側から表側へ一端部36Aが突出され、排水トラップ40へ接続されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、サイフォン排水システムに用いられる浴室の排水部分を構成する浴室用排水構造に関するものである。
排水システムとして、サイフォン力を利用して排水を促進させるサイフォン排水システムが知られている(特許文献1参照)。このサイフォン排水システムでは、床スラブ1に沿って無勾配で配管される横引き管2と、鉛直方向に配管される竪管3とでサイフォン排水管が構成され、横引き管2の上流端が水回り器具4と接続され、竪管3の下流端が排水立て管5と合流されている。サイフォン排水管は、排水立て管5との合流部6までは、他の管と合流されることなく配管されている(図10参照)。
このようなサイフォン排水システムにおいては、竪管3の頂部から合流部までのサイフォン水頭Hsのエネルギーにより、サイフォン排水管内の排水に下流方向へ向かうサイフォン力が作用される。また、横引き管2から水回器具4側の水頭Hpが高いほど、サイフォン力による排水の始動を早めることができる。
一方、浴室排水においては、図9に示すように、浴槽30からの排水と、洗い場32からの排水(以下、浴槽からの排水を「浴槽排水」といい、洗い場からの排水を「洗い場排水」という)を1カ所で合流させ、合流部分から下流側へ排水する構造がある。また、浴室の防水パン39は、洗い場側の部分と浴槽側の部分(以下洗い場側を「洗い場パン33」といい、浴槽側を「浴槽パン38」という)とで構成されている。
このような浴室構造において、浴槽からの排水を管Kなどで直接合流部へ誘導して流し込む場合がある。この場合、浴槽30の下面と浴槽パン38との間に管Kを配設するため、浴槽30と浴槽パン38との間にクリアランスが必要である。このクリアランスを確保するために、浴槽パン38は、洗い場パン33よりもクリアランスを含めて低い位置に配置されていることが一般的である。
しかしながら、浴槽パン38を低い位置に配置すると、床スラブなどの基礎位置14と浴槽パン38との間が狭くなり、配管や他の設置物との干渉が問題となることがある。また、リフォームなどで、既設建物の床に防水パンを設置する場合、既存の床と浴槽パンの全体が干渉しあうことになる。
また、前述のクリアランス分の高さについては、浴槽パン38の全体に洗い場排水が溜められなければ、水頭Hpとして利用できないため、洗い場排水のサイフォンの始動を早めることが難しかった。
特開平6−42019号公報
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、サイフォン排水システムにおいて、より早く洗い場排水の水頭を高くすると共に、浴槽パンと床スラブなどの基礎位置との間を広くすることの可能な浴室用排水構造を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の浴室用排水構造は、サイフォン排水システムに用いられる浴室用排水構造であって、洗い場側に設置される洗い場パンと、前記洗い場パンよりも低い位置で浴槽の下に設置される浴槽パンと、前記浴槽パンの前記洗い場パン側、または、前記洗い場パンの前記浴槽パン側に凹状に構成され、前記洗い場からの洗い場排水を流入させる排水升部と、前記排水升部の下側に配置され、前記浴槽からの浴槽排水と前記排水升部からの前記洗い場排水とが合流すると共に、下流側へ排水を流出させる流出口の構成された排水器具と、前記浴槽の排水口から前記浴槽パンの裏側へ貫通して配設され、浴槽排水を前記浴槽から前記排水器具へ導く浴槽排水路を構成する浴槽排水路部材と、を備えている。
上記構成の浴室用排水構造では、洗い場パンよりも浴槽パンが低い位置に設置され、浴槽パンの洗い場パン側、または、前記洗い場パンの前記浴槽パン側に凹状の排水升部が構成されている。ここで、洗い場パンとは、浴室に用いられる防水パンであって、洗い場側を構成する部分をいう。また、浴槽パンとは、浴室に用いられる防水パンであって、浴槽側を構成する部分をいう。洗い場パンと浴槽パンとは、一体的に構成されていても、別体で構成されていてもよい。
洗い場側からの洗い場排水は、排水升部に流入し、排水升部から排水器具へ流入する。一方、浴槽からの浴槽排水は、浴槽の排水口から浴槽排水路を経て排水器具へ流入する。浴槽排水路を構成する浴槽排水路部材は、浴槽パンの表側から裏側へ貫通して配設されている。したがって、浴槽の下面と浴槽パンとの間に、浴槽排水路部材を配設するためのクリアランスを設ける必要がなく、浴槽パンの位置を高くすることができるので、床スラブなどの基礎位置と浴槽パンとの間隔を広くすることができる。
また、浴槽パンの位置を高くすることができるので、浴槽パンに構成する排水升部の深さも深くなる。これにより、排水升部において構成される洗い場排水の水頭を、少ない排水量で高くすることができ、サイフォンの始動を早くすることができる。
また、洗い場側からの洗い場排水を、排水升部に流入させるので、清掃しにくい浴槽パン上に洗い場排水が溢れてしまうことを低減することができる。
本発明の請求項2に記載の浴室用排水構造は、前記浴槽排水路部材は、前記浴槽パンの裏側から前記排水升部の側壁を貫通して前記排水升部の表側へ突出され、一端部が前記排水器具の上部へ接続されていること、を特徴とする。
上記のような構成で、浴槽パンの裏側に配設された浴槽排水路部材を排水器具へ接続することができる。
本発明の請求項3に記載の浴室用排水構造は、前記浴槽排水路部材の一端部が前記排水器具の側部へ接続されていること、を特徴とする。
このように、浴槽パンの裏側に配設された浴槽排水路部材の一端部を直接排水器具に接続することもできる。
本発明の請求項4に記載の浴室用排水構造は、前記排水升部から前記排水器具への流入口に設けられ、前記排水器具から前記排水升部への排水の逆流を阻止する逆止手段、をさらに備えたものである。
この構成によれば、排水升部から排水器具への流入口に逆止手段が設けられているので、浴槽から溜め流しが行われている時に、この流入口から排水が溢れることを防止することができる。また、この流入口が逆止手段で閉鎖されていても、洗い場からの排水は排水升部に貯留され、さらに大量の排水であれば浴槽パン上に貯留されるので、洗い場に排水が溢れることも防止することができる。
本発明の請求項5に記載の浴室用排水構造は、前記逆止手段が、逆止弁を含んで構成されていること、を特徴とする。
このように、逆止弁により容易に、排水器具から排水升部への排水の逆流を阻止することができる。
本発明の請求項6に記載の浴室用排水構造は、前記逆止手段が、前記排水器具に流入した排水に対して浮力を有し排水器具の水位に応じて移動して前記流入口を閉鎖するフローティング部材、を含んで構成されていること、を特徴とする。
このように、水に対して浮力を有するフォローティング部材を用いることによっても、満水時に排水が排水器具から排水升部へ逆流することを阻止することができる。
本発明の請求項7に記載の浴室用排水構造は、前記排水器具は、排水トラップを含んで構成されていること、を特徴とする。
このように、排水器具に排水トラップを形成することにより、浴槽側と洗い場側の排水トラップを共用にすることができる。
本発明は、上記構成としたので、サイフォン排水システムにおいて、洗い場排水の水頭を高くすると共に、浴槽パンと床スラブなどの基礎位置との間を広くすることができる。
また、洗い場側からの洗い場排水を、排水升部に流入させるので、清掃しにくい浴槽パン上に洗い場排水が溢れてしまうことを低減することができる。
次に、本発明の浴室用排水構造の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の浴室用排水構造は、サイフォン排水システムに用いられるものである。サイフォン排水システムは、サイフォン力を利用して水回り器具からの排水を効率よく排出する排水システムである。図1には、本実施形態に係る浴室用排水構造10が用いられるサイフォン排水システムの全体構成が概略図にて示されている。
サイフォン排水システムは、主に、複数階で構成された集合住宅などに用いられ、排水を下方へ流す排水立て管12を備えている。この排水立て管12は、集合住宅の上下方向(縦方向)に延設され、集合住宅の各階の床スラブ14を貫いている。
集合住宅の各階の各戸には、浴室16が設けられており、この浴室16から排水を行うために浴室用排水構造10が構成されている。浴室用排水構造10には、サイフォン排水管22が接続されている。サイフォン排水管22は、床スラブ14に沿って配設される横引き管24と、この横引き管24と連通する竪管26とを備えて構成されている。横引き管24は、床スラブ14上で水平方向に無勾配で配設されている。横引き管24と連通する竪管26は、排水立て管12に沿って、上下方向(鉛直方向)に配設されている。この竪管26は、合流部継手28を介して排水立て管12と連結されている。合流部継手28は、竪管26からの排水を排水立て管12へ合流させる。
横引き管24及び竪管26は、1本の排水管で構成され、合流部継手28までは他の排水管と途中で合流することなく、排水立て管12へ排水を導くようになっている。また、横引き管24及び竪管26は、排水が満流で流れるように管の内径が設定されている。横引き管24内の排水には、サイフォン水頭Hsのエネルギーにより、排水方向へ向かうサイフォン力が作用される。
次に、浴室用排水構造10について説明する。
浴室用排水構造10は、浴室16(図1参照)から排水を行うために構成されている。図2に示すように、浴室16は、浴槽30及び洗い場32を備えている。
浴槽30の下側には、浴槽排出口30Bが構成され、浴槽排出口30Bには、浴槽排出口30Bから排出される排水(以下「浴槽排水34」という)を後述する排水トラップ40へ導くホース36が接続されている。
浴室16の床部分は、防水パン39で構成されている。この防水パン39の浴槽側を浴槽パン38、洗い場側を洗い場パン33とする。浴槽パン38は、洗い場パン33よりも低い位置に配置され、洗い場パン33は浴槽パン38側へ僅かに傾斜している。また、浴槽パン38の洗い場パン33側には、凹状の排水升部35が構成されている。シャワー水などの洗い場32からの排水(以下「洗い場排水37」という)は、排水升部35へ流入する。
なお、本実施形態では、排水升部35を浴槽パン38の洗い場パン33側に構成しているが、排水升部35は洗い場パン33の浴槽パン38側に構成してもよい。この場合には、洗い場パン33の浴槽パン38側の一部を浴槽パン38よりも低く落とし込んで構成することができる。
ホース36は、浴槽排出口30Bから下方向へ向けて浴槽パン38を貫通し、浴槽パン38の裏側(下側)に沿って排水升部35へ向かって配設されている。ホース36は、排水升部35の側壁を貫通し、排水升部35の裏側から表側へ一端部36Aが突出され、排水トラップ40へ接続されている。
排水升部35の下側には、排水トラップ40が配置されている。排水トラップ40は、目皿42、仕切部材44、貯留部46、流出部48、及び逆止弁50を備えている。
目皿42には、浴槽排水流入口42A、洗い場排水流入口42Bが構成されている。浴槽排水流入口42Aには、前述のホース36が連結され、浴槽30から排水トラップ40へ浴槽排水34が流入する構成とされている。洗い場排水流入口42Bは排水升部35と排水トラップ40とを連通させており、排水升部35からら排水トラップ40へ洗い場排水37を流入させる。
貯留部46は、有底円筒状とされており、開口された円筒上部に目皿42が配置され、浴槽排水流入口42A及び洗い場排水流入口42Bから排水が流入される。貯留部46の側壁には、下流側へ排水を流出させるための流出部48が構成されている。この流出部48にサイフォン排水管22が接続される。
目皿42の下側、及び貯留部46の底面には、仕切部材44が設けられている。目皿42側の仕切部材44Aは円筒状とされ、目皿42の浴槽排水流入口42A及び洗い場排水流入口42Bが円筒の内側に配置されている。貯留部46側の仕切部材44Bは円筒状とされ、仕切部材44Aの外側に所定距離離間して配置されている。仕切部材44Aの円筒の下側先端辺は、流出部48の下側よりも更に下側に配置され、仕切部材44Bの円筒の上側先端辺は、流出部48の上側よりも更に上側に配置され、仕切部材44Aと44Bとは、上下方向にオーバーラップされている。仕切部材44Bよりも下側に封水Fが貯留され、封水Fによって、下流側の配管からの臭気が遮断されている。
逆止弁50は、浴槽排水流入口42Aを閉鎖する浴槽閉鎖板50A、及び、洗い場排水流入口42Bを閉鎖する洗い場閉鎖板50Bを備えている。浴槽閉鎖板50Aと洗い場閉鎖板50Bとは、所定の角度をもって連結部50Cで連結されており、連結部50Cは浴槽排水流入口42Aと洗い場排水流入口42Bとの間に配置されている。逆止弁50は、連結部50Cを中心に回動可能とされ、浴槽閉鎖板50Aが浴槽排水流入口42Aを閉鎖している時には洗い場閉鎖板50Bは開放され、洗い場閉鎖板50Bが洗い場排水流入口42Bを閉鎖している時には浴槽閉鎖板50Aは開放される。
本実施形態では、洗い場排水37の水頭Hpは、図2に示すように、排水升部35内に構成される。図9に示すように、ホースKを浴槽パン38の上側に配設した場合には、排水トラップ40上に構成される凹部内で構成可能な水頭Hpは、僅かである。したがって、本実施形態のように、排水升部35を構成することにより、少ない排水量で水頭Hpを高くすることができ、サイフォンの始動を早めることができる。
また、本実施形態のようにホース36を浴槽パン38の下側に配設することにより(図2参照)、ホースKを浴槽パン38の上側に配設した場合(図9参照)と比較して、床スラブ14と浴槽パン38との間の間隔Sを長くすることができる。
次に、本実施形態の浴室用排水構造10での排水について説明する。
浴槽30からの浴槽排水34は、図3(A)に示すように、浴槽排出口30Bからホース36を経て排水トラップ40の貯留部46へ流出する。浴槽排水34は、通常溜め流しとなるため、排水トラップ40の貯留部46は満水となり、流出部48からサイフォン排水管22が満流状態となって、サイフォン力を発生させて排水が行われる。このとき、図3(B)に示すように、逆止弁50の洗い場閉鎖板50Bは、貯留部46内の水圧により洗い場排水流入口42Bの外側へ向かって押されて、洗い場排水流入口42Bを閉鎖する。したがって、浴槽排水34が洗い場32に溢れることを防止することができる。
また、浴槽排水34は、途中で大気開放されず、ホース36を経て直接排水トラップ40に送られる。したがって、浴槽30内における水位をサイフォン排水の水頭として利用することができ、サイフォン排水の始動を早めることができる。
サイフォン力により浴槽排水34が排水されて浴槽30の水位が下がると、浴槽30に溜められた水の押し込み圧よりもサイフォンによる負圧が強くなり、図3(C)に示すように、洗い場閉鎖板50Bにより閉鎖されている洗い場排水流入口42Bから気泡Bが入り込み始める。これにより、気泡Bの混入した排水がサイフォン排水管22を流れるようになり、サイフォン力が弱くなり、排水の完了時に封水Fが下流側へ流出されることを防止することができる。
一方、洗い場32からの洗い場排水37は、図4(A)に示すように、排水升部35へ流入し、浴槽30からの排水が行われていない場合には、水圧で逆止弁50の洗い場閉鎖板50Bを押し開いて、洗い場排水流入口42Bから排水トラップ40の貯留部46へ流入する。そして、仕切部材44A、44Bの間を経て流出部48からサイフォン排水管22へと流出する。
洗い場排水37の量が多くなると、図4(B)に示すように、排水トラップ40内が満水となり、排水升部35にも洗い場排水37が溜まる。これにより、洗い場排水37の水面が高くなる。この水位をサイフォン力の起動を早めるための水頭Hpとして利用することができる。
また、浴槽30からの排水が行われている時には、図4(C)に示すように、洗い場排水流入口42Bが閉鎖されているため、洗い場排水37は、排水升部35及び浴槽パン38上に溜められる。したがって、洗い場排水37が洗い場に溢れることを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態の浴室用排水構造10によれば、洗い場排水37の水頭Hpを少ない排水量で高くすることができる。
また、浴槽パン38と床スラブ14との間隔Sを広くできるので、この間隔Sに設置される物との干渉を避けることができる。
例えば、既存の建物で浴室下にモルタルが施工されている部分にユニットバスを設置する場合、間隔Sが狭いと、図8(A)に示すように、モルタル部Mと浴槽パン38とが干渉し合い、図8(B)に示すように、浴槽パン38に対応する部分の全て、及び、排水トラップ40に対応する部分のモルタル部Mを削り取る作業が必要であった。
本実施形態の構成であれば、既存の建物にユニットバスを設置する場合、間隔Sが広いので、図5(A)に示すように、モルタル部Mと浴槽パン38とは干渉し合うことがない。したがって、図5(B)に示すように、ホース36に対応する部分、及び、排水トラップ40に対応する部分のモルタル部Mを削り取ればよく、作業量を少なくすることができる。
なお、本実施形態では、ホース36が排水升部35の側壁を貫通し、ホース36の一端部36Aが排水トラップ40の上部から接続されている例について説明したが、ホース36は、排水升部35へ突出させる必要はなく、図6に示すように、排水トラップ40の側面に接続させてもよい。この場合には、浴槽排水流入口42A、及び、逆止弁50の浴槽閉鎖板50Aは不要となる。
また、本実施形態では、逆止弁50を用いて排水トラップ40から排水升部35への排水の逆流を防止したが、逆止手段としては、他の構成のものを用いることもできる。例えば、図7に示すように、フローティング部材を用いた逆止構造53を用いることもできる。逆止構造53は、水に対して浮力を有するフローティング部材54によって、洗い場排水流入口42Bを閉鎖するものである。フローティング部材54にはホース36が貫通され、フローティング部材54は排水トラップ40の目皿42の下側に配置されている。ホース36の周りには、フローティング部材54の移動を上下方向にガイドすると共に、下側への移動を所定位置で規制するガイド部材55が設けられている。
排水が行われていない時には、図7(A)に示すように、フローティング部材54はガイド部材55のフランジ部55A上に配置されており、洗い場排水流入口42Bは開放されている。浴槽排水の溜め流しなどにより貯留部46の水位が上昇すると、フローティング部材54も上昇する。そして、貯留部46が満水になると、図7(B)に示すように、フローティング部材54が上昇して、洗い場排水流入口42Bがフローティング部材54によって閉鎖される。
また、本実施形態では、洗い場排水流入口42Bからの排水の逆流を防止したが、浴槽排水34、浴槽パン38の容量などを考慮して、洗い場パン33側に排水が溢れることがなければ、逆止手段は必ずしも必要ではない。
また、本実施形態では、浴槽排水34と洗い場排水37とが合流される部分が排水トラップ40で構成されている例について説明したが、必ずしも排水トラップで構成されている必要はない。特に、排水トラップで構成されていることにより、洗い場側と浴槽側の排水トラップを共用とすることができる。
また、排水トラップについて、本実施形態では水封式のものを用いた例について説明したが、必ずしも水封式である必要はなく、他のタイプの排水トラップ、例えば、サイフォン排水に適したメンブレンタイプの排水トラップを用いてもよい。
また、本実施形態では、排水トラップを40の流出部48にサイフォン排水管22を直接が接続した例について説明したが、必ずしも流出部48に直接サイフォン排水管22を接続する必要はない。流出部48には、サイズ50Aなど大径の在来排水管を接続し、その下流側にサイズ20A、25Aなどのサイフォン排水管を接続してもよい。
本実施形態の浴室用排水構造が適用されるサイフォン排水システムの説明図である。 本実施形態の浴室用排水構造の概略構成図である。 本実施形態の浴室用排水構造における浴槽側排水時の排水過程(A)〜(C)を示す図である。 本実施形態の浴室用排水構造における洗い場側排水時の排水過程(A)〜(C)を示す図である。 本実施形態の浴室用排水構造を既存の建物の浴槽下モルタル部分に適用した例を示す図である。 本実施形態の浴室用排水構造におけるホース接続の変形例を示す図である。 本実施形態の浴室用排水構造における逆止構造の変形例を示す図である。 浴槽からの排水ホースを浴槽パン上に配設する浴室用排水構造を既存の建物の浴槽下モルタル部分に適用した例を示す図である。 浴槽からの排水ホースを浴槽パン上に配設する浴室用排水構造を示す図である。 サイフォン排水システムを示す説明図である。
符号の説明
10 浴室用排水構造
14 床スラブ
22 サイフォン排水管
24 横引き管
26 竪管
28 合流部継手
30 浴槽
32 洗い場
33 洗い場パン
34 浴槽排水
35 排水升部
36 ホース
37 洗い場排水
38 浴槽パン
39 防水パン
40 排水トラップ
46 貯留部
48 流出部
50 逆止弁
53 逆止構造
54 フローティング部材
55 ガイド部材

Claims (7)

  1. サイフォン排水システムに用いられる浴室用排水構造であって、
    洗い場側に設置される洗い場パンと、
    前記洗い場パンよりも低い位置で浴槽の下に設置される浴槽パンと、
    前記浴槽パンの前記洗い場パン側、または、前記洗い場パンの前記浴槽パン側に凹状に構成され、前記洗い場からの洗い場排水を流入させる排水升部と、
    前記排水升部の下側に配置され、前記浴槽からの浴槽排水と前記排水升部からの前記洗い場排水とが合流すると共に、下流側へ排水を流出させる流出口の構成された排水器具と、
    前記浴槽の排水口から前記浴槽パンの裏側へ貫通して配設され、浴槽排水を前記浴槽から前記排水器具へ導く浴槽排水路を構成する浴槽排水路部材と、
    を備えた、浴室用排水構造。
  2. 前記浴槽排水路部材は、前記浴槽パンの裏側から前記排水升部の側壁を貫通して前記排水升部の表側へ突出され、一端部が前記排水器具の上部へ接続されていること、を特徴とする請求項1に記載の浴室用排水構造。
  3. 前記浴槽排水路部材は、一端部が前記排水器具の側部へ接続されていること、を特徴とする請求項1に記載の浴室用排水構造。
  4. 前記排水升部から前記排水器具への流入口に設けられ、前記排水器具から前記排水升部への排水の逆流を阻止する逆止手段、をさらに備えた請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の浴室用排水構造。
  5. 前記逆止手段が、逆止弁を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の浴室用排水構造。
  6. 前記逆止手段が、前記排水器具に流入した排水に対して浮力を有し排水器具内の水位に応じて移動して前記流入口を閉鎖するフローティング部材、を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の浴室用排水構造。
  7. 前記排水器具は、排水トラップを含んで構成されていること、を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の浴室用排水構造。
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