JP6629029B2 - 水洗式便器 - Google Patents
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Description
第1および第2の吐水口を連通する導水路は、第1の吐水口と第2の吐水口の間にピーク点を有する2方向の傾斜路を含む。
第1実施形態においては、右吐水管122の出口付近に貯留部128を設ける構成を有する水洗式便器100について説明する。
便器本体101には便鉢部106が形成される。便器本体101は、タンク(図2参照)とポンプ(不図示)を内蔵する。ポンプは、タンク内の洗浄水を左吐水口102(第3の吐水口)、後吐水口104(第1の吐水口)および前吐水口110(第2の吐水口、前吐水口110については後述)から便鉢部106に吐出する。後吐水口104から吐出された洗浄水は、便鉢部106の内壁面に形成される導水棚108(レール)の上を流れ、便鉢部106の内部を旋回し、落水する。詳細は後述するが、後吐水口104からは洗剤、洗浄水および空気の混合体を吐出することもできる。以下、洗剤、洗浄水、空気の混合体のことを単に「泡」とよぶ。
水洗式便器100の後端部には、局部洗浄機能や温風機能等を提供する機能部(不図示)が搭載されてもよい。
洗浄水は上水道から取水され、洗浄バルブ121と補給管112を経由して第1タンク116に入る(経路C1)。より具体的には、洗浄水は、第1タンク116の上部部材である受水部114に入り、受水部114の洗浄水が第1タンク116の下部部材である主タンク115に流れ込む(経路C2)。
エゼクタ127は既存技術の応用である。右吐水管122からは、洗浄水または泡のいずれかが吐出される。
水洗式便器100は、左吐水口102(第3の吐水口)、後吐水口104(第1の吐水口)のほかに、便鉢部106の前端側(x軸正方向側)に前吐水口110(第2の吐水口)を有する。主給水管118(共通給水管)から見ると、後吐水口104(第1の吐水口)は上流側にあり、前吐水口110(第2の吐水口)は下流側にある。便鉢部106の中心点をCとし、中心点Cを通りx軸方向およびy軸方向にそれぞれ延伸する仮想中心線をM1,M2とする。左吐水口102(第3の吐水口)は、中心線M1より左側の半部内、より具体的には中心線M2よりも前端側に形成される。後吐水口104(第1の吐水口)は、中心線M1よりも右側の半部内、より具体的には中心線M2よりも後端側の四半部内に形成され、前吐水口110は中心線M1よりも右側の半部内、より具体的には中心線M2よりも前端側の四半部内に形成される。
左吐水口102からの水流S3は、便鉢部106の右側に至るときに洗浄力が落ちるため、水流S2により手薄な右側部分の洗浄力を補強している。水流S1,S3は主たる洗浄力を提供し、水流S2は付加的な、あるいは、オプショナルな洗浄力を提供する。
以下、水流S1,S2を中心として説明する。
右導水経路123(後吐水口104と前吐水口110を結ぶ経路)においては、ピーク点Pから前吐水口110に向かう前傾斜路132と、ピーク点Pから後吐水口104に向かう後傾斜路134の2つの傾斜路が形成される。いいかえれば、ピーク点Pは、後吐水口104と前吐水口110の間に形成される。2つの前傾斜路132、後傾斜路134を形成できるため、単一の傾斜路に比べて各傾斜路の斜角を大きく確保できる。後吐水口104と前吐水口110の高さがほとんど変わらないときでも、ピーク点Pを高くすれば、2つの傾斜路それぞれの斜角を大きくできる。前傾斜路132および後傾斜路134の斜角を大きくできれば、右導水経路123から残水を速やかに排除しやすくなる。
なお、右導水経路123の後傾斜路134は、常時、傾斜する流路である必要はない。たとえば、後傾斜路134の端部や途中に水平路が部分的に形成されることまで妨げるものではない。前傾斜路132についても同様である。
また、後吐水口104よりも前吐水口110は高位置に形成される。具体的には、後吐水口104の最低地点(底部)よりも前吐水口110の最低地点(底部)が高位置に形成される。これにより、前吐水口110の下部において便鉢部106の領域を広く確保しやすくなる。
右吐水管122の出口を取り囲むように貯留部128が形成される。貯留部128の貯水壁136は、右吐水管122(共通吐水管)の洗浄水を後吐水口104にスムーズに導くためになめらかにカーブしている。右導水経路123を形成する導水壁142は、後導水口140を狭めるようにせり出している。
右吐水管122(共通吐水管)は、内管162および外管164の二重構造となっている。内管162の側面に洗浄水を吐出するための出口として排水口144が形成される(図5も参照)。また、外管164の先端に泡を吐出するための出口として泡出口160が形成される。排水口144および泡出口160はどちらか一方に共通化されてもよい。排水口144は、後吐水口104に向かう水平方向y1(y軸負方向)と、下方向z1(z軸負方向)の間に向けられる。より具体的には、右吐水管122の中心Uから排水口144の中心Wを結ぶベクトル(以下、「排水ベクトルf1」とよぶ)は、y1とz1の間、好ましくは、z1となす角度a3が40〜50度の範囲内に設定される。
図7に示す変形例においては、共通給水管146の出口から、2つの導水路が分岐している。右側の導水路(第1の導水路)には後吐水口104(第1の吐水口,上流側)と前吐水口110(第2の吐水口,下流側)が形成され、左側の導水路(第2の導水路)には左吐水口102(第3の吐水口)が形成される。
ピーク点Pは不連続点である必要はなく、図8に示すように連続点であってもよい。この場合にも、ピーク点Pは、右導水経路123の中点Qよりも前吐水口110に近い側に形成される。また、前傾斜路132の曲率よりも後傾斜路134の曲率を大きくすることで、前吐水口110からの残水排除を優先してもよい。
第2実施形態においては、右吐水管122の出口付近に隔壁154を設ける構成を有する水洗式便器100について説明する。図9,10に関連して説明する以外の構成は第1実施形態と同様である。
図3と異なり、右吐水管122と右導水経路123は、隔壁154によって隔てられている。右吐水管122は、洗浄水を吐出する第1ノズル156と、泡を吐出する第2ノズル158を有する。第1ノズル156は隔壁154を貫通する。このため、右吐水管122の洗浄水の一部は後吐水口104から吐出され、残りは第1ノズル156および右導水経路123を介して前吐水口110から吐出される。一方、泡は第1ノズル156とは別の第2ノズル158から吐出される。第2ノズル158は、隔壁154を貫通しないため、泡は右吐水管122の出口付近に溜まり、後吐水口104から吐出される。隔壁154によって右導水経路123が遮蔽されるため、第2ノズル158の泡が右導水経路123に入り込むことはない。
なお、第1実施形態と同様、第2ノズル158は右吐水管122の外管164に泡出口160として形成されてもよい。
右吐水管122(共通吐水管)の排水口144(出口)付近に貯留部128を設けるとともに、後吐水口104(第1の吐水口)へ至る後導水口140(第1の導水口)よりも、前吐水口110(第2の吐水口)へ至る前導水口138(第2の導水口)を高位置に形成することで、後吐水口104からの吐水を優先できる。また、右吐水管122(共通吐水管)の排水口144(出口)付近に隔壁154を設けることで、第1ノズル156の洗浄水だけが右導水経路123に入り込むように水流制御が可能となる。
本発明のある態様における水洗式便器は、便器本体(便器本体101)と、第1および第2の吐水口(後吐水口104、前吐水口110)と、を備える。
第1および第2の吐水口を連通する導水路(右導水経路123)は、第1の吐水口と第2の吐水口の間にピーク点を有する2方向の傾斜路を含む。
導水路を1方向の単一傾斜路とするのではなく、導水路の途中にピーク点を設けて第1および第2の導水口それぞれの方向に傾斜する2方向の傾斜路とすることにより、傾斜路を急峻化しやすくなる。この結果、導水路の残水を排除しやすくなる。導水路は全てが傾斜する必要はなく、一部に水平部分を有してもよい。
共通給水管は、「筒状」の導水路に限らず、経路、たとえば、便鉢本体に形成される導水路として構成されてもよい。
後方とは、便鉢を平面視したときの後端側半部内に存在することを意味し、前方とは、前端側半部内に存在することを意味する。また、第1および第2の吐水口には後端側から給水されてもよい。この場合には、上流に近い第1の吐水口の方に第2の吐水口よりも強い水勢を与えやすくなる。
ピーク点を第2の吐水口側に形成することにより、ピーク点から第2の吐水口に向かう下降傾斜路をより急峻化しやすくなる。
第2の吐水口を高い位置に形成することで便鉢部内壁面をより広く使うことができる。
Claims (8)
- 便器本体と、
第1および第2の吐水口と、を備え、
前記第1および第2の吐水口を連通する導水路は、前記第1の吐水口と前記第2の吐水口の間にピーク点を有する2方向の傾斜路を含み、
前記第2の吐水口に向かって洗浄水が流れる際に、上り勾配があることを特徴とする水洗式便器。 - 前記便器本体に搭載され、前記第1および第2の吐水口にそれぞれ洗浄水を供給する共通給水管、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の水洗式便器。
- 前記便器本体の後方側に前記第1の吐水口が形成され、前方側に前記第2の吐水口が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の水洗式便器。
- 前記ピーク点は、前記導水路の中間地点よりも前記第2の吐水口側に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水洗式便器。
- 前記ピーク点から前記第1の吐水口へ向かう傾斜路の斜角よりも、前記ピーク点から前記第2の吐水口へ向かう傾斜路の斜角が大きくなるように前記導水路が形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の水洗式便器。
- 前記ピーク点から前記第1の吐水口へ向かう傾斜路の斜角は、1度以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の水洗式便器。
- 前記第1および第2の吐水口に洗浄水を供給する第1の導水路とは別に、更に、第3の吐水口に洗浄水を供給する第2の導水路が形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の水洗式便器。
- 前記第1の吐水口よりも前記第2の吐水口は高い位置に形成されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の水洗式便器。
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