JP5642277B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

本発明は、EL(Electro luminescence)を利用した有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と称する)素子の製造方法および有機EL素子に関し、特に、有機EL素子における滅点不良の救済方法に関する。
従来、例えば、カソードである上部電極とアノードである下部電極との間に形成された有機層を備える有機EL素子において、製造工程中に導電性の異物などが付着または混入すると、上部電極と下部電極とが短絡などして有機EL素子が不良となる場合がある。
この場合、短絡した部分にレーザー光を照射することにより、短絡に起因する不良をリペアする方法が知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特許文献1に開示されたリペア方法は、有機EL素子に付着した導電性の異物を検出し、この異物の周辺領域の有機層に対してレーザー照射を行うものである。この方法によれば、異物に直接レーザー照射を行うことなく、異物が付着した有機EL素子の上部電極と下部電極との間に高抵抗領域を形成して、異物による上部電極と下部電極との短絡不良を救済することができる。
また、特許文献2に開示されたリペア方法は、透明基板上に、透明電極、複数の有機材料層および金属電極が順次積層されてなる有機EL素子において、複数の有機材料層のうち透明電極に接する層を、レーザー光の吸収により蒸発するリーク防止機能層として形成するものである。この構成により、リーク発生箇所にレーザー光を照射することで、リーク防止機能層を膨張および蒸発させて内部に空間を形成し、この空間によって金属電極と透明電極とを離してリークを解消することができる。
特開2004−227852号公報 特開2000−331782号公報
特許文献1に開示されたリペア方法は、レーザー照射により異物の周囲の有機層を高抵抗化して短絡不良を救済する方法であり、異物の大きさが有機層の膜厚未満である場合には有効な方法である。しかしながら、特許文献1に開示されたリペア方法では、異物の大きさが有機層の膜厚以上である場合には、上部電極と下部電極との短絡不良を救済することが難しいという問題がある。
また、特許文献2に開示されたリペア方法のように、リーク防止機能層としての有機材料層の蒸発による空間だけでは、上部電極と下部電極とが再短絡して再び不良が生じるという問題がある。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、上部電極と下部電極との短絡不良をより確実に救済することができる有機EL素子の製造方法および有機EL素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様は、下部電極、発光層を含む有機層および上部電極を備え、前記下部電極と前記上部電極とが短絡している部分を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を準備する第1の工程と、前記下部電極と前記上部電極とが短絡している部分を取り囲むように超短パルスレーザーを照射して、前記下部電極または前記上部電極の構成材料を変質させて変質部を形成すると共に、前記変質部に取り囲まれた領域に対応する前記下部電極と前記上部電極との間に前記変質部とは異なる空間を形成する第2の工程と、を含む。
本発明に係る有機EL素子の製造方法によれば、上部電極と下部電極との短絡不良を救済することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子を有機EL表示装置に適用したときの一画素の構成を示す断面図および平面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子の製造方法を説明するフローチャートである。 図3Aは、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子の製造方法において、ステップS10の工程で準備された有機EL素子の断面図である。 図3Bは、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子の製造方法において、ステップS12の工程でレーザーを照射する様子を示す断面図である。 図3Cは、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子の製造方法において、ステップS12の工程で形成される変質部および空間を示す断面図である。 図4は、本実施の形態に係る有機EL素子に対してレーザー照射した後における上部電極を光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したときの像である。 図5は、本発明の実施の形態1の他の例に係る有機EL素子の断面図である。 図6は、本発明の実施の形態2に係る有機EL素子の断面図である。 図7は、本発明の実施の形態2の他の例に係る有機EL素子の断面図である。 図8は、本発明の実施の形態3に係る有機EL素子の断面図および平面図である。 図9Aは、本発明の実施の形態3に係る有機EL素子の製造方法において、ステップS10の工程で準備された有機EL素子の断面図である。 図9Bは、本発明の実施の形態3に係る有機EL素子の製造方法において、ステップS12の工程でレーザーを照射する様子を示す断面図である。 図9Cは、本発明の実施の形態3に係る有機EL素子の製造方法において、ステップS12の工程で形成される変質部および空間を示す断面図である。 図10は、本実施の形態に係る有機EL素子に対してレーザー照射した後の上部電極の表面状態を光学顕微鏡により観察したときの像である。 図11は、本発明の実施の形態3の他の例に係る有機EL素子の断面図である。 図12は、本発明の実施の形態4に係る有機EL素子の断面図である。 図13は、本発明の実施の形態4の他の例に係る有機EL素子の断面図である。
本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様は、下部電極、発光層を含む有機層および上部電極を備え、前記下部電極と前記上部電極とが短絡している部分を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を準備する第1の工程と、前記下部電極と前記上部電極とが短絡している部分を取り囲むようにレーザーを照射して、前記下部電極または前記上部電極の構成材料を変質させると共に、前記変質された部分に取り囲まれた領域に対応する前記下部電極と前記上部電極との間に空間を形成する第2の工程と、を含む。
本態様によれば、レーザー照射によって、上部電極または下部電極の一部を変質させて変質部を形成するとともに、下部電極と上部電極との間に空間を形成することができる。これにより、短絡部分を囲む領域内に、変質部と空間とによる高抵抗化領域が形成されるので、下部電極と上部電極との間に電圧を印加したときに、変質された部分に囲まれた領域における発光領域よりも、それ以外の領域における発光領域の方により電流が流れることになる。従って、短絡している部分に起因する不良を解消することができる。
ここで、本明細書において、短絡には、下部電極と上部電極とが完全に導通している状態だけでなく、下部電極と上部電極との抵抗が他の部分と比べて小さく、電流が流れ易くなっている状態も含まれる。
さらに、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記第1の工程において、前記下部電極および前記上部電極の少なくとも一方の構成材料が透明金属酸化物である有機エレクトロルミネッセンス素子を準備することが好ましい。
本態様によれば、レーザーとしてフェムト秒レーザーを用いることにより、透明金属酸化物の組織構造を容易に変化させて高抵抗化することができる。
さらに、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記第2の工程において、前記レーザーを照射することにより、前記透明金属酸化物を粒状構造に変質させて高抵抗化することが好ましい。
さらに、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記第1の工程において、前記有機層が前記発光層に隣接する電子輸送層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を準備し、前記第2の工程において、前記発光層と前記電子輸送層との間に前記空間を形成するようにしてもよい。あるいは、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記第1の工程において、前記有機層の一つとして前記上部電極に隣接する電子輸送層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を準備し、前記第2の工程において、前記上部電極と前記電子輸送層との間に前記空間を形成するようにしてもよい。
さらに、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記第1の工程において、前記短絡している部分が前記有機層に導電性の異物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を準備するようにしてもよい。
本態様によれば、導電性の異物による短絡を解消することができる。
さらに、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記第2の工程において、前記導電性の異物と前記上部電極との間に前記空間を形成することが好ましい。
本態様によれば、空間によって導電性の異物が上部電極と非接触状態とすることができるので、導電性の異物による電流経路を遮断することができる。これにより、短絡不良を完全に解消することができる。特に、本態様では、変質部による有限な抵抗値に、空間による無限大に近い抵抗値が加わるので、低階調表示の際における有機層の抵抗値の上昇や有機層の経時変化に伴う抵抗値の上昇があったとしても、リペアした画素のEL電流を確保することができ、十分な輝度を確保することができる。
しかも、空間はレーザー照射部付近に形成されるので、レーザー照射領域を小さくするだけで、本態様の構成を実現することができる。これにより、リペア領域を小さくすることができるので、表示上リペア痕が視認されないようにすることができ、リペア後においても高品質な表示を実現することができる。また、リペア領域を小さくすることで、リペア画素の有機層の寿命も向上させることができる。
さらに、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記レーザーは、超短パルスレーザーであることが好ましい。ここで、前記超短パルスレーザーのパルス幅は、100fs〜20psであることが好ましい。さらに、前記レーザーの波長は、900〜2500nmであることが好ましい。
本態様によれば、超短パルスレーザーによって有機層にレーザーを照射する時間を短くすることができるので、有機層へのダメージを低減しつつ、短絡部分を高抵抗化することができる。
さらに、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記第1の工程において、前記上部電極の上方に保護層が形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子を準備し、前記第2の工程において、前記保護層を介して、前記レーザーを照射するようにしてもよい。さらに、前記第1の工程において、前記保護層の上方に調光層が形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子を準備し、前記第2の工程において、前記保護層および調光層を介して、前記レーザーを照射するようにしてもよい。
本態様によれば、保護層が形成された有機EL素子であっても、簡便に短絡不良を解消することができる。
また、本発明に係る有機EL素子の一態様は、下部電極、発光層を含む有機層および上部電極を備え、前記下部電極または前記上部電極の構成材料がレーザー照射によって変質された部分と、前記変質された部分に取り囲まれた領域に対応する前記有機層に形成された空間とを有するものである。
本態様によれば、レーザー照射によって上部電極または下部電極の一部を変質させた部分と、変質された部分に囲まれた空間とによって、高抵抗化領域を形成することができる。これにより、下部電極と上部電極との間に電圧を印加したときに、変質された部分に囲まれた領域における発光領域よりも、それ以外の領域における発光領域の方により電流が流れることになる。従って、短絡している部分に起因する不良を解消することができる。
さらに、本発明に係る有機EL素子の一態様において、前記下部電極および前記上部電極の少なくとも一方の構成材料は、透明金属酸化物であることが好ましい。
本態様によれば、レーザーとしてフェムト秒レーザーを用いることにより、透明金属酸化物の組織構造を容易に変化させて高抵抗化することができる。
さらに、本発明に係る有機EL素子の一態様において、前記変質された部分は、前記透明金属酸化物が粒状構造に変化して高抵抗化されていることが好ましい。ここで、前記変質された部分のシート抵抗値は、1MΩ/□以上であることが好ましい。
本態様によれば、レーザー照射によって変質された部分の抵抗値を、レーザー照射されていない部分の抵抗値よりも高くすることができ、短絡不良を解消することができる。
さらに、本発明に係る有機EL素子の一態様において、前記有機層は、前記発光層に隣接する電子輸送層を含み、前記空間は、前記発光層と前記電子輸送層との間に形成されるように構成してもよい。あるいは、本発明に係る有機EL素子の一態様において、前記有機層は、前記上部電極に隣接する電子輸送層を含み、前記空間は、前記上部電極と前記電子輸送層との間に形成されるように構成してもよい。
さらに、本発明に係る有機EL素子の一態様において、前記変質された部分に取り囲まれた領域に対応する前記有機層に、導電性の異物が含まれていることが好ましい。
本態様によれば、導電性の異物による短絡を解消することができる。
さらに、本発明に係る有機EL素子の一態様において、前記空間は、前記導電性の異物と前記上部電極との間に形成されることが好ましい。
本態様によれば、空間によって導電性の異物が上部電極と非接触状態とすることができるので、導電性の異物による電流経路を遮断することができる。これにより、短絡不良を完全に解消することができる。特に、本態様では、変質部による有限な抵抗値に、空間による無限大に近い抵抗値が加わるので、低階調表示の際における有機層の抵抗値の上昇や有機層の経時変化に伴う抵抗値の上昇があったとしても、リペアした画素のEL電流を確保することができ、十分な輝度を確保することができる。
しかも、空間はレーザー照射部付近に形成されるので、レーザー照射領域を小さくするだけで、本態様の構成を実現することができる。これにより、リペア領域を小さくすることができるので、表示上リペア痕が視認されないようにすることができ、リペア後においても高品質な表示を実現することができる。また、リペア領域を小さくすることで、リペア画素の有機層の寿命も向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る有機EL素子の製造方法および有機EL素子について、図面に基づき説明する。なお、以下では、全ての図を通じて同一または相当する要素には同じ符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子1について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子を有機EL表示装置に適用したときの一画素の構成を示しており、図1(a)は、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子の断面図である。また、図1(b)は、同有機EL素子の平面図である。なお、図1(a)は、図1(b)のA−A’線における断面図である。
本実施の形態に係る有機EL素子1は、陽極と陰極とで挟まれた有機層を含む有機機能デバイスであり、図1(a)に示すように、基板10と、基板10上に形成された平坦化層20と、平坦化層20上に形成された隔壁50と、平坦化層20の上に順次形成された、下部電極31と、正孔注入層(HIL:Hole Injection Layer)41と、発光層(EML:Emitting Layer)42と、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)43と、上部電極32と、薄膜封止層61と、封止用樹脂層62と、透光基板70とを備える。
本実施の形態において、正孔注入層41、発光層42および電子輸送層43は有機層40を構成する層である。有機層40は、発光層42を含み、下部電極31と上部電極32との間に形成される。有機層40の厚さは、例えば、100〜200nmである。なお、有機層40としては、正孔注入層41、発光層42および電子輸送層43の他に、正孔輸送層(HTL:Hole Transport Layer)や電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)を含むように構成してもよい。この場合、電子注入層としてはポリフェニレンビニレン(PPV)などを用いることができ、正孔輸送層としてはトリフェルアミンやポリアニリンなどを用いることができる。
基板10は、透明基板を用いることができ、例えば、厚みが0.5mmである透明の無アルカリガラスからなる透明ガラス基板である。また、基板10として、樹脂からなる可撓性のフレキシブル基板を用いることもできる。なお、基板10は必ずしも透明である必要はなく、本実施の形態にようにトップエミッション型の有機EL素子1の場合は、シリコン基板等の非透明な基板を用いることもできる。
平坦化層20は、トランジスタ等の回路素子を含む駆動回路と、当該駆動回路を平坦化するための平坦化膜とからなる。駆動回路は、有機EL表示装置における画素を選択するためのスイッチングトランジスタ、各画素における発光層の発光を制御するための駆動トランジスタなどの薄膜トランジスタ、または、その他電源供給線や映像信号線の配線などからなる。平坦化膜としては、例えば、絶縁性の有機材料を用いることができる。本実施の形態における有機EL表示装置の平坦化層20には複数の薄膜トランジスタ(TFT)が形成されており、平坦化層20が形成された基板10は、アクティブマトリクス型のTFTアレイ基板として構成されている。
下部電極31は、正孔が供給される、つまり、駆動回路部から電流が流れ込む陽極(アノード)であり、平坦化層20上に形成される。また、本実施の形態における有機EL素子1はトップエミッション型であるので、下部電極31は、反射電極として構成されている。反射電極としての下部電極31は、例えば、Alまたは銀合金APCなどの反射金属の単層構造、あるいは、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)などの透明金属酸化物と銀合金APCなどの反射金属との2層構造とすることができる。下部電極31の厚みは、例えば10〜40nmとすることができる。なお、本実施の形態における下部電極31は、発光領域51ごとに分離形成されている。また、ボトムエミッション型の有機EL表示装置とする場合、下部電極31は、ITOなどの透明金属酸化物からなる透明電極とすることができる。
正孔注入層41は、下部電極31上に形成され、正孔を安定的に、または正孔の生成を補助して、発光層42に正孔を注入する機能を有する。正孔注入層41を形成することにより、駆動電圧を低電圧化することができるとともに、素子を長寿命化することができる。正孔注入層41は、正孔注入性の材料を主成分とする所定の有機材料を用いて形成することができ、例えばPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)またはアニリンなどの化合物などを用いることができる。なお、正孔注入層41も発光領域51ごとに分離形成されている。
発光層42は、正孔注入層41上に形成されており、下部電極31と上部電極32とに所定の電圧が印加されることにより注入された電子と正孔とが再結合して生じるエネルギーにより、当該発光層42の発光材料が励起されて発光する。発光層42は、発光領域51ごとに所定の電界発光機能を有する有機材料によって構成された有機発光層であり、例えば、下層としてα−NPD(Bis[N−(1−naphthyl)−N−phenyl]benzidine)を用い、上層としてAlq3(tris−(8−hydroxyquinoline)aluminum)を用いた積層構造となっている。なお、発光層42も発光領域51ごとに分離形成されている。
電子輸送層43は、発光層42と上部電極32との間に形成され、上部電極32から注入された電子を発光層42内へ効率良く輸送するとともに、発光層42と上部電極32との界面での励起子の失活防止をし、さらには正孔をブロックする機能を有する。本実施の形態において、電子輸送層43は、発光層42および上部電極32に隣接して形成され、また、各発光領域51に共通となるように形成されている。
上部電極32は、電子が供給される、つまり、駆動回路部へ電流が流れ出す陰極(カソード)であり、下部電極31に対して負の電圧を発光層42に印加して、電子を発光層42に注入する機能を有する。上部電極32は、下部電極31と対向するように形成された透明電極であって、電子輸送層43上に形成される。なお、本実施の形態における上部電極32は、各発光領域51に共通となるように形成された共通電極である。
上部電極32の材料および構成は、特に限定されるものではないが、透過率の高い材料および構造を用いることが好ましい。これにより、発光効率が高いトップエミッション型の有機EL表示装置を実現することができる。上部電極32の材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO:Indium Zinc Oxide)などの透明金属酸化物を用いることができる。また、上部電極32は、Mg、Agなどの材料を用いた透明電極とすることもできる。なお、上部電極32の厚みは、例えば、10〜40nmとすることができる。
隔壁50は、発光層42を複数の発光領域51に分離して区画するためのバンクであり、例えば、レジストなどの黒色の感光性樹脂によって形成されている。
薄膜封止層61は、上部電極32上に形成される保護層であって、発光層42などの有機層や上部電極32などを水分や酸素から保護し、発光層42などが劣化することを防止する。本実施の形態において、薄膜封止層61は透明であることが要求されることから、薄膜封止層61の材料としては、例えば、窒化珪素(SiN)、酸窒化珪素(SiON)、または有機膜等の透明絶縁材料を用いることができる。
封止用樹脂層62は、上記した基板10上に形成された平坦化層20から薄膜封止層61までの一体形成された層(有機EL層)と透光基板70とを接合する接着層であるとともに、有機EL層を保護する保護層としても機能する。封止用樹脂層62の材料としては、例えば、アクリル系またはエポキシ系の樹脂などを用いることができる。
さらに、有機EL素子1には、製造工程において、下部電極31と上部電極32との間に導電性の異物100が混入しており、後述するレーザー照射前において、下部電極31と上部電極32とは異物100を介して短絡している。なお、異物100による短絡箇所は、発光領域51における欠陥部の一例である。
そして、異物100の周辺に位置する上部電極32の一部に、変質部32aが形成されている。変質部32aは、上部電極32の構成材料がレーザー光の照射によって変質された部分である。すなわち、変質部32aは、レーザー光の照射痕として観察することができる。本実施の形態において、上部電極32はITOで構成されているので、変質部32aは、レーザー光の照射によってITOの組織構造が粒状の組織構造に変質させられた部分であり、他の部分よりも高抵抗化している。
上部電極32へのレーザー光の照射は、異物100による短絡箇所を包囲するように行われる。例えば、上部電極32に対して、異物100を中心に10μm程度離れた周囲に定められる20μm×20μmの正方形の輪郭線上をトレースしてレーザー光を照射する。その結果、上部電極32において、異物100を取り囲むように、図1(b)に示すようなロの字形状(額縁状)の変質部32aが形成される。変質部32aの抵抗値は、レーザー光の照射を受けていない上部電極32の本来の抵抗値よりも高くなっており、変質部32aのシート抵抗値は1MΩ/□以上である。なお、以下の説明では、レーザー光が照射された箇所の抵抗値が、レーザー光が照射される前の抵抗値と比べて高くなっていることを高抵抗化するという。
また、図1(a)および図1(b)に示すように、有機EL素子1には、上部電極32の変質部32aに取り囲まれた領域における下部電極31と上部電極32との間に、空間80が形成されている。空間80は、上部電極32へのレーザー照射によって変質部32aとともに形成される。空間80は、レーザー照射部付近の有機層40内に、すなわち、変質部32aが形成される付近の有機層40内に形成され、変質部32aと同様に、レーザー光の照射痕として観察することができる。本実施の形態において、空間80は、変質部32aを挟んで変質部32aの周囲に形成されるとともに、有機層40内における発光層42と電子輸送層43との間に形成されている。
以上、本実施の形態に係る有機EL素子1によれば、短絡不良の原因となる異物100を囲むように上部電極32の一部を変質させて変質部32aが形成されているとともに、変質部32aに取り囲まれた領域に対応する下部電極31と上部電極32との間に空間80が形成されている。これにより、下部電極31と上部電極32との間において、変質部32aによる高抵抗化領域に加えて、空間80の電流障壁による高抵抗化領域を形成することができる。この結果、下部電極31と上部電極32とに電圧を供給したときに、変質部32aによって囲まれた領域における発光領域51よりも、それ以外の領域における発光領域51の方により電流が流れることになる。従って、異物100による下部電極31と上部電極32との間の短絡に起因する不良を解消(リペア)することができ、発光領域51の発光を回復させることができる。
次に、本実施の形態に係る有機EL素子1の製造方法について説明する。この製造方法には、有機EL素子1の短絡に起因する不良をリペアする工程が含まれる。
まず、本実施の形態に係る有機EL素子1の製造方法におけるフローについて、図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子の製造方法を説明するフローチャートである。
まず、下部電極31と上部電極32とが短絡している短絡部分を有する有機EL素子1を準備する(S10)。具体的には、当該短絡部分を有する有機EL素子を含む有機ELパネルを準備する。有機ELパネルは、上述のとおり、有機EL素子1が画素単位でマトリクス状に配置されたものである。
次に、準備した有機ELパネルにおいて、画素ごとの発光領域を検査し、各発光領域において下部電極31と上部電極32とが短絡している短絡部分を欠陥部として検出する(S11)。
次に、レーザー照射を開始して、検出した短絡部分に起因する不良をレーザー照射することによってリペアする(S12)。
以下、上述した各々の工程について、図3A、図3Bおよび図3Cを用いて詳細に説明する。図3A〜図3Cは、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子の製造方法の各工程における有機EL素子の断面図であって、図3Aは、ステップS10の工程で準備された有機EL素子の断面図であり、図3Bは、ステップS12の工程においてレーザーを照射する様子を示す断面図であり、図3Cは、ステップS12の工程において形成される変質部および空間を示す断面図である。なお、図3A〜図3Cには、異物100により下部電極31および上部電極32が短絡された有機EL素子の断面構造が表されている。
まず、短絡部分を有する有機EL素子を準備する工程(S10)について、図3Aを用いて説明する。
まず、基板10上に、絶縁性の有機材料からなる平坦化膜を成膜して平坦化層20を形成し、その後、平坦化層20上に下部電極31を形成する。下部電極31は、例えば、スパッタリング法により、平坦化層20上に膜厚が30nmのAlを成膜し、その後、フォトリソグラフィおよびウエットエッチングによってパターン形成することができる。
次に、例えば、PEDOTをキシレンよりなる溶剤に溶かし、このPEDOT溶液を下部電極31上にスピンコートすることにより、正孔注入層41を形成する。
次に、正孔注入層41の上に、例えば、真空蒸着法によりα−NPD、Alq3を積層し、発光層42を形成する。
次に、例えば、ニトロ置換フルオレノン誘導体などの化合物を積層して電子輸送層43を形成する。電子輸送層43の積層方法としては、蒸着法、スピンコート法、キャスト法などを用いることができる。
続いて、電子輸送層43が形成された基板を大気曝露させることなく、上部電極32を形成する。具体的には、電子輸送層43の上に、スパッタリング法によって、膜厚が35nmのITO(Indium Tin Oxide)を形成することにより、上部電極32を形成する。
上記製造工程により、発光素子としての機能をもつ有機EL素子が形成される。なお、有機EL表示装置を製造する場合においては、マトリクス状に区画された複数の発光層42を形成するために、下部電極31の形成工程と正孔注入層41の形成工程との間に、感光性樹脂からなる隔壁50を所定形状にパターン形成する工程を含む。
次に、上部電極32の上に、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により膜厚が500nmの窒化珪素を成膜して、薄膜封止層61を形成する。薄膜封止層61は、上部電極32の表面に接して形成されるので、特に保護層としての条件を厳しくすることが好ましく、上記した窒化珪素に代表されるような非酸素系無機材料を用いることが好ましい。また、薄膜封止層61としては、例えば、酸化珪素や酸窒化珪素のような酸素系無機材料を用いたり、これらの無機材料を複数層に形成したりした構成としても構わない。なお、薄膜封止層61の形成方法は、プラズマCVD法に限らず、アルゴンプラズマを用いたスパッタリング法など、その他の方法であってもよい。
次に、薄膜封止層61の表面に、封止用樹脂層62を塗布する。その後、塗布された封止用樹脂層62の上に、透明ガラスからなる透光基板70を配置する。ここで、透光基板70の主面に、予めカラーフィルタ(調光層)を形成しておいてもよい。この場合、カラーフィルタが形成された面を薄膜封止層61に対向させて、塗布された封止用樹脂層62上に透光基板70を配置する。なお、薄膜封止層61、封止用樹脂層62および透光基板70は、保護層として機能する。
最後に、透光基板70を上面側から下方に加圧しつつ熱またはエネルギー線を付加して封止用樹脂層62を硬化することで、透光基板70と薄膜封止層61とを接着する。
このような方法により、図3Aに示される有機EL素子1を形成することができる。なお、下部電極31、正孔注入層41、発光層42、電子輸送層43、上部電極32の形成工程は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
また、有機EL素子1の発光領域51には、欠陥部、つまり、前述した製造工程において導電性の異物100が混入することによって下部電極31と上部電極32との間に短絡箇所が生じると、当該有機EL素子1を含む有機ELパネルには、短絡箇所に起因する不良として滅点が生じる。異物100は、例えば、下部電極31の材料であるAlが、当該下部電極31の形成後に下部電極31上に付着したものである。このような導電性の異物100が付着した状態で、正孔注入層41、発光層42および電子輸送層43などの有機層40ならびに上部電極32が積層されると、下部電極31と上部電極32との間に短絡部分が生じる。このような短絡箇所があると、本来は発光を駆動するための電流が当該短絡箇所に集中して流れてしまうので、この発光領域51は十分にまたは全く発光することができなくなる。このように正常な発光機能を喪失した発光領域51に対応する画素を、以下では、滅点画素という。
次に、図2における有機EL素子の欠陥部を検出する工程(S12)について説明する。この工程では、異物100により短絡した部分、または、混入した異物100そのものを検出する。
下部電極31と上部電極32とが短絡した部分または異物100そのものの検出は、例えば、各画素に中間輝度階調に対応した輝度信号電圧を入力して正常画素の発光輝度に比べた低輝度画素の発光輝度を、CCDカメラを用いた輝度測定装置または目視により検出することにより行う。なお、短絡した部分または異物100の検出方法は、この方法に限らず、例えば、有機EL素子の下部電極31および上部電極32の間に流れる電流値を測定し、電流値の大きさに基づいて検出してもよい。この場合、順バイアス電圧を印加すると正常画素と同等の電流値が得られ、逆バイアスの電圧を印加するとリーク発光が観測される画素を、滅点画素と判断してもよい。
次に、有機EL素子1の欠陥部に起因する不良をレーザー照射によりリペアする工程(S12)について説明する。この工程では、図3Bに示すように、発光領域51内において短絡した部分の上方の上部電極32に対して、透光基板70側からレーザー光200の照射を開始する。
具体的には、異物100を検出した後、異物100によって下部電極31と上部電極32とが短絡した部分を取り囲むように、所定形状の輪郭線上に沿って線状にレーザー光200を照射して、下部電極31の構成材料を変質させる。本実施の形態では、正方形の輪郭線上に沿って1周分、レーザー光200を照射した。なお、レーザー光200の焦点は、上部電極32に合わせて設定される。
レーザー光200は、レーザー発振装置を用いて発振させることができ、例えば、出力エネルギーが1〜30μJで、パルス幅が数フェムト秒から数ピコ秒オーダーである超短パルスレーザーを用いることができる。好適なパルス幅の範囲は、100fs〜20psである。これにより、有機層40に照射するレーザーのパルス時間を短くすることができるので、有機層40へのダメージを低減しつつ、短絡部分を高抵抗化することができる。なお、レーザー光200の波長としては、900〜2500nmとすることができる。
このように、超短パルスレーザーの照射により、アモルファス(非晶質)状態の上部電極32の構成材料を変質させて容易に高抵抗化することができる。特に、超短パルスレーザーは、他のレーザーでは加工が容易ではない透明導電性材料について高抵抗化することができる。
このように、レーザー光200を照射することによってレーザー光200が照射された上部電極32の領域の組織構造は、図3Cに示すように、粒状の組織構造を有する変質部32aに変化する。ここでいう粒状の組織構造とは、多数の粒子が、粒子間に空隙を残存させつつ集合した組織構造のことを意味する。この粒状の組織構造を構成する各粒子の粒径は、一例として、10〜500nmである。また、変質部32aの内部には、各々の粒子の間に空隙が生じている。この空隙により、変質部32aでは、変質していない部分の上部電極32と比べて電流が流れにくくなっており、高抵抗になっていると考えられる。なお、変質していない部分の上部電極32のシート抵抗値は、一例として50Ω/□であり、変質部32aの抵抗値は、40MΩ/□である。
また、図3Cに示すように、レーザー光200を照射することによって、変質部32aの周辺に空間80が形成される。空間80は、レーザー光200が直接照射された部分に形成されるものではなく、レーザー光200の熱や異物100の振動によって形成されると考えられる。すなわち、有機層40を構成する2層が、レーザー光200の熱によって分離したり、あるいは、レーザー光200のエネルギーを吸収した異物100の振動によって分離したりする。このように、空間80は、有機層40を構成する2層のうちの上層が下層から浮くように剥離して形成される。
本実施の形態において、空間80は、レーザー光200が直接照射される変質部32aを挟んで形成されるとともに、発光層42と電子輸送層43との間に形成される。すなわち、空間80によって発光層42と電子輸送層43とが分離されている。
ここで、異物100によって下部電極31と上部電極32とが短絡した場合の有機EL素子1にレーザー照射したときの上部電極32の様子について、図4を用いて説明する。なお、上部電極32の材料は、ITOを用いた。
図4(a)は、本実施の形態に係る有機EL素子に対してレーザー照射した後における上部電極の表面状態を光学顕微鏡により観察したときの像である。図4(b)は、本実施の形態に係る有機EL素子に対してレーザー照射した後の断面SEM像である。
図4(a)において、額縁状に黒っぽく観察される部分が変質部32aであり、変質部32aの周辺において白っぽく観察される部分が空間80である。
また、図4(b)に示すように、上部電極32の組織が変質して粒状構造の変質部32aが形成されていることが分かる。また、変質部32aの両側において、発光層42と電子輸送層43とを剥離するように空間80が形成されていることが分かる。
以上、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子1の製造方法によれば、上部電極32にレーザー光を照射することによって、上部電極32の一部を変質させて変質部32aを形成するとともに、変質部32a付近における有機層40内に空間80を形成することができる。これにより、上部電極32および有機層40内に高抵抗化領域を形成することができるので、下部電極31と上部電極32とに電圧を供給したときに、変質部32aによって囲まれた領域における発光領域51よりも、それ以外の領域における発光領域51の方により電流が流れることになる。従って、異物100による下部電極31と上部電極32との間の短絡に起因する不良を解消(リペア)することができ、発光領域51の発光を回復させることができる。
なお、本実施の形態において、レーザー光200の照射は、上部電極32に対して行ったが、下部電極31に対して行うこともできる。特に、下部電極31が透明導電性材料からなる場合には、レーザーの焦点位置を調整して、下部電極31に対してレーザー照射を行うことにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、この場合、透光基板70側からではなく、透明ガラスからなる基板10側からレーザー照射することもできる。
また、本実施の形態において、空間80は、発光層42と電子輸送層43との間に形成されているが、空間80は、図5に示すように、上部電極32と電子輸送層43との間に形成され、上部電極32が電子輸送層43から浮くように剥離して形成される場合もある。この場合であっても、上記と同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る有機EL素子2について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態2に係る有機EL素子の断面図である。なお、図6において、図1に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略または簡略化する。
本実施の形態に係る有機EL素子2は、リペア(レーザー照射)前において下部電極31と上部電極32とが導電性の異物を介さずに短絡している点で、実施の形態1に係る有機EL素子1と異なる。
図6に示すように、本実施の形態に係る有機EL素子2では、有機層40を構成する層の一部に予定外に薄くなった部分である薄膜部が形成されている。この結果、当該薄膜部における下部電極31と上部電極32との間の抵抗が、薄膜部以外の他の部分の抵抗と比べて非常に小さくなってしまい、薄膜部において電流が流れ易くなっているために短絡が生じている。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、薄膜部を囲むようにして上部電極32の一部に変質部32aが形成されているともに、変質部32aの周辺に空間80が形成されている。なお、図6に示すように、空間80は、発光層42と電子輸送層43との間に形成されており、電子輸送層43が発光層42から浮くように剥離して形成される。また、変質部32aおよび空間80は、実施の形態1と同様の方法により、上部電極32に対してレーザー光を照射することによって形成される。
以上、本実施の形態に係る有機EL素子2によれば、短絡不良の原因となる薄膜部を囲むように上部電極32の一部を変質させて変質部32aが形成されているとともに、有機層40内に空間80が形成されている。これにより、実施の形態1と同様に、変質部32aおよび空間80による高抵抗化領域を形成することができるので、薄膜部による下部電極31と上部電極32との間の短絡不良を解消(リペア)することができ、発光領域51の発光を回復させることができる。
なお、本実施の形態に係る有機EL素子2の製造方法は、実施の形態1と同様にして行うことができる。また、本実施の形態においても、赤、緑および青の色調整を行うためのカラーフィルタを備える構成としてもよい。また、本実施の形態においても、下部電極31に対してレーザー照射を行うようにしても構わない。
また、本実施の形態において、空間80は、発光層42と電子輸送層43との間に形成されているが、空間80は、図7に示すように、上部電極32と電子輸送層43との間に形成され、上部電極32が電子輸送層43から浮くように剥離して形成される場合もある。この場合であっても、上記と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、有機層40に薄膜部が形成されることによって下部電極31と上部電極32とが短絡している例を示したが、有機層40にピンホールなどの欠陥が生じて下部電極31と上部電極32とが直接接触して短絡している場合にも適用することができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る有機EL素子3について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態3に係る有機EL素子の断面図である。図8は、本発明の実施の形態3に係る有機EL素子を有機EL表示装置に適用したときの一画素の構成を示しており、図8(a)は、本発明の実施の形態3に係る有機EL素子の断面図である。また、図8(b)は、同有機EL素子の平面図である。なお、図8(a)は、図8(b)のA−A’線における断面図である。なお、図8において、図1に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略または簡略化する。
本実施の形態に係る有機EL素子3は、リペア(レーザー照射)前において下部電極31と上部電極32とが導電性の異物100を介して短絡している点で、実施の形態1に係る有機EL素子1と同様であるが、有機層40に形成される空間81が変質部32aで囲まれる領域内の全体に形成されている点で、実施の形態1に係る有機EL素子1と異なる。
図8(a)および図8(b)に示すように、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、導電性の異物100を囲むようにして上部電極32の一部に変質部32aが形成されている。
また、本実施の形態においても、変質部32aを挟んで変質部32aの周囲に空間81が形成されているが、変質部32aによって囲まれる領域内の空間81は、変質部32aによって囲まれる領域内の全体に形成されている。すなわち、空間81は、上述の実施の形態1において、変質部32aに囲まれる領域内における空間80が拡大して、当該領域内全体において空間80が繋がった状態である。
しかも、本実施の形態における空間81は、図8(a)に示すように、発光層42と電子輸送層43との間に形成されているとともに、導電性の異物100と電子輸送層43との間に形成されている。すなわち、電子輸送層43と発光層42とが大きく剥離し、電子輸送層43と発光層42との積層方向における離間距離が大きくなっており、異物100が電子輸送層43と非接触状態となっている。
なお、変質部32aおよび空間81は、上部電極32に対してレーザー光を照射することによって形成することができる。
次に、本実施の形態に係る有機EL素子3の製造方法について、図9A、図9Bおよび図9Cを用いて説明する。図9A〜図9Cは、本発明の実施の形態3に係る有機EL素子の製造方法の各工程における有機EL素子の断面図であり、それぞれ図3A〜図3Cに対応する。
本実施の形態に係る製造方法は、実施の形態1に係る製造方法と同様であり、まず、図9Aに示すように、異物100による短絡部分を有する有機EL素子3を準備する。この工程では、図3Aで説明した工程と同様にして、滅点画素となる短絡不良を有する有機EL素子3を準備する。
次に、実施の形態1と同様の方法によって、有機EL素子3の欠陥部、すなわち、異物100により短絡した部分などを検出する。
次に、実施の形態1と同様の方法によって、有機EL素子3の欠陥部に起因する不良をレーザー照射によりリペアする。すなわち、図9Bに示すように、レーザー光200の焦点を上部電極32に設定して、画素内において短絡した部分の上方の上部電極32に対して、透光基板70側からレーザー光を照射する。レーザーの種類は、実施の形態1と同様のものを用いることができる。レーザー光が照射された上部電極32の領域は、図9Cに示すように、粒状の組織構造を有する変質部32aに変化する。このとき、レーザー光200の照射によって、変質部32aによって囲まれる領域内の全体に空間81が形成される。空間81の形成は、実施の形態1と同様であり、レーザー光200の熱や異物100の振動によって形成される。この場合、レーザー光200による熱のエネルギーや異物100の振動のエネルギーが大きくなると有機層40を構成する2層が分離しやすくなり、変質部32aによって囲まれる領域内の全体に空間81が形成される。
図10は、本実施の形態に係る有機EL素子に対してレーザー照射した後の上部電極の表面状態を光学顕微鏡により観察したときの像である。
図10において、額縁状に黒っぽく観察される部分が変質部32aであり、変質部32aによって囲まれる領域内の全体において白っぽく観察される部分と変質部32aによって囲まれる領域外の近傍において白っぽく観察される部分とが空間81である。
以上、本実施の形態に係る有機EL素子3によれば、短絡不良の原因となる異物100を囲むように変質部32aが形成されているとともに、有機層40内において変質部32aによって囲まれる領域内の全体に空間81が形成されている。このように、本実施の形態における空間81は、実施の形態1における空間80よりも空間の領域が拡大しているので、さらに高抵抗化することができ、実施の形態1に比べて、より確実に短絡不良を解消することができる。
さらに、本実施の形態では、空間81によって導電性の異物100が電子輸送層43と非接触状態となっているので、異物100による電流経路を遮断することができる。これにより、短絡不良を完全に解消することができる。
特に、本実施の形態では、有限な抵抗値である変質部32aに加えて、異物100と上部電極32とが分離されて無限大に近い抵抗値である空間81が形成されるので、低階調表示の際に有機層40の抵抗値が上昇したり、あるいは、有機層40の経時変化に伴って抵抗値が上昇したりしても、リペアした画素のEL電流を確保することができる。これにより、リペアした画素においても十分な輝度を確保することができ、リペア後においても高品質な表示を実現することができる。
しかも、空間81は、変質部32a付近、すなわちレーザー照射部付近に形成されるので、レーザー照射領域を小さくするだけで、変質部32aに囲まれる領域全体にわたって空間81を形成することができる。これにより、変質部32aに囲まれるリペア領域を小さくすることができるので、表示上においてリペア痕が視認されにくくすることができ、リペア後においても高品質な表示を実現することができる。また、リペア領域を小さくすることで、リペアされた画素における有機層40の寿命を向上させることもできる。
なお、本実施の形態においても、赤、緑および青の色調整を行うためのカラーフィルタを備える構成としてもよい。また、本実施の形態においても、下部電極31に対してレーザー照射を行うようにしても構わない。
また、本実施の形態において、空間81は、発光層42と電子輸送層43との間に形成されているが、空間81は、図11に示すように、上部電極32と電子輸送層43との間に形成され、上部電極32が電子輸送層43から浮くように剥離して形成される場合もある。この場合、空間81によって異物100が上部電極32と非接触状態となっているので、異物100による電流経路を遮断することができ、短絡不良を完全に解消することができる。また、上記同様に、無限大に近い抵抗値である空間81によってリペア画素の有機層40の抵抗値が上昇しても十分な輝度を確保することができる。さらに、変質部32aに囲まれるリペア領域を小さくすることができるので、リペア痕を目立たなくすることができるとともに、リペア画素における有機層40の寿命を向上させることができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る有機EL素子4について、図12を用いて説明する。図12は、本発明の実施の形態4に係る有機EL素子の断面図である。なお、図12において、図1に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略または簡略化する。
本実施の形態に係る有機EL素子4は、実施の形態2と同様に、リペア(レーザー照射)前において下部電極31と上部電極32とが導電性の異物を介さずに短絡している。すなわち、本実施の形態に係る有機EL素子4では、有機層40を構成する層の一部に予定外の薄膜部が形成されたために短絡が生じている。
本実施の形態においては、実施の形態3と同様に、薄膜部を囲むようにして上部電極32の一部に変質部32aが形成されているともに、有機層40内において変質部32aによって囲まれる領域内の全体に空間81が形成されている。なお、図12に示すように、空間81は、発光層42と電子輸送層43との間に形成されている。また、変質部32aおよび空間81は、実施の形態3と同様の方法により、上部電極32に対してレーザー光を照射することによって形成される。
以上、本実施の形態に係る有機EL素子4によれば、短絡不良の原因となる薄膜部を囲むように上部電極32の一部を変質させて変質部32aが形成されているとともに、有機層40内において変質部32aによって囲まれる領域内の全体に空間81が形成されている。これにより、実施の形態3と同様に、空間81によって導電性の異物100が電子輸送層43と非接触状態となっているので、異物100による電流経路を遮断することができる。これにより、短絡不良を完全に解消することができる。
さらに、第3の実施形態と同様に、有限な抵抗値である変質部32aに加えて、無限大に近い抵抗値である空間81が形成されるので、抵抗値が上昇してもリペアした画素のEL電流を確保することができ、リペアした画素においても十分な輝度を確保することができる。
また、第3の実施形態と同様に、空間81は、変質部32a付近、すなわちレーザー照射部付近に形成されるので、レーザー照射領域を小さくするだけで、変質部32aに囲まれる領域全体にわたって空間81を形成することができる。これにより、変質部32aに囲まれるリペア領域を小さくすることができるので、リペア痕を視認しにくくすることができるとともに、リペア画素の有機層40の寿命を向上させることができる。
なお、本実施の形態に係る有機EL素子4の製造方法は、実施の形態1と同様にして行うことができる。また、本実施の形態においても、赤、緑および青の色調整を行うためのカラーフィルタを備える構成としてもよい。また、本実施の形態においても、下部電極31に対してレーザー照射を行うようにしても構わない。
また、本実施の形態において、空間81は、発光層42と電子輸送層43との間に形成されているが、空間81は、図13に示すように、上部電極32と電子輸送層43との間に形成される場合もある。この場合であっても、上記と同様の効果が得られる。
以上、本発明に係る有機EL素子の製造方法および有機EL素子について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態において、有機EL素子は、さらに、隔壁50で分離された各発光領域51を覆うように、薄膜封止層61および封止用樹脂層62の上方に、赤、緑および青の色調整を行うための調光層であるカラーフィルタを備える構成としてもよい。この場合、リペアのためのレーザー照射は、保護層とともにカラーフィルタを介して行われる。なお、カラーフィルタは、透光基板70の下面(有機層40側の面)に形成しておくことができる。
また、上記の実施の形態では、下部電極31を陽極、上部電極32を陰極とする構成について示したが、下部電極31を陰極、上部電極32を陽極とする構成であってもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本発明に係る有機EL素子の製造方法および有機EL素子は、有機EL表示装置等のフラットパネルディスプレイ、または、これを備えた、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータあるいは携帯電話などの表示装置、特に、大画面および高解像度が要望される表示装置に広く利用することができる。
1、2、3、4 有機EL素子
10 基板
20 平坦化層
31 下部電極
32 上部電極
32a 変質部
40 有機層
41 正孔注入層
42 発光層
43 電子輸送層
50 隔壁
51 発光領域
61 薄膜封止層
62 封止用樹脂層
70 透光基板
80、81 空間
100 異物
200 レーザー光

Claims (19)

  1. 下部電極、発光層を含む有機層および上部電極を備え、前記下部電極と前記上部電極とが短絡している部分を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を準備する第1の工程と、
    前記下部電極と前記上部電極とが短絡している部分を取り囲むように超短パルスレーザーを照射して、前記下部電極または前記上部電極の構成材料を変質させて変質部を形成すると共に、前記変質部に取り囲まれた領域に対応する前記下部電極と前記上部電極との間に前記変質部とは異なる空間を形成する第2の工程と、を含む
    有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記第1の工程において、前記下部電極および前記上部電極の少なくとも一方の構成材料が透明金属酸化物である有機エレクトロルミネッセンス素子を準備する
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記第2の工程において、前記超短パルスレーザーを照射することにより、前記透明金属酸化物を粒状構造に変質させて高抵抗化された前記変質部を形成する
    請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記第1の工程において、前記有機層が前記発光層に隣接する電子輸送層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を準備し、
    前記第2の工程において、前記発光層と前記電子輸送層との間に前記空間を形成する
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記第1の工程において、前記有機層の一つとして前記上部電極に隣接する電子輸送層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を準備し、
    前記第2の工程において、前記上部電極と前記電子輸送層との間に前記空間を形成する
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記第1の工程において、前記短絡している部分が前記有機層に導電性の異物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を準備する
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 前記第2の工程において、前記導電性の異物と前記上部電極との間に前記空間を形成する
    請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 前記超短パルスレーザーのパルス幅は、100fs〜20psである
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  9. 前記超短パルスレーザーの波長は、900〜2500nmである
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  10. 前記第1の工程において、前記上部電極の上方に保護層が形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子を準備し、
    前記第2の工程において、前記保護層を介して、前記超短パルスレーザーを照射する
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  11. 前記第1の工程において、前記保護層の上方に調光層が形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子を準備し、
    前記第2の工程において、前記保護層および調光層を介して、前記超短パルスレーザーを照射する
    請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  12. 下部電極、発光層を含む有機層および上部電極を備え、
    前記下部電極または前記上部電極の構成材料が超短パルスレーザー照射によって変質された部分と、
    前記変質された部分に取り囲まれた領域に対応する前記有機層に形成された空間とを有する
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記下部電極および前記上部電極の少なくとも一方の構成材料は、透明金属酸化物である
    請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記変質された部分は、前記透明金属酸化物が粒状構造に変化して高抵抗化されている
    請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記変質された部分のシート抵抗値は、1MΩ/□以上である
    請求項15に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記有機層は、前記発光層に隣接する電子輸送層を含み、
    前記空間は、前記発光層と前記電子輸送層との間に形成されている
    請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 前記有機層は、前記上部電極に隣接する電子輸送層を含み、
    前記空間は、前記上部電極と前記電子輸送層との間に形成されている
    請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 前記変質された部分に取り囲まれた領域に対応する前記有機層に、導電性の異物が含まれている
    請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 前記空間は、前記導電性の異物と前記上部電極との間に形成される
    請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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