JP5641699B2 - パール状ポリビニルアルコール粒子の製造方法および血管一時塞栓剤 - Google Patents

パール状ポリビニルアルコール粒子の製造方法および血管一時塞栓剤 Download PDF

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Description

本発明は、生体内において血管を一時的に塞ぎ、血流の一時的な閉塞に使用する血管塞栓剤に関しまた塞栓材料に用いるパール状ポリビニルアルコール粒子の製造方法に関する。
外科手術に伴う切開に先だって、出血を最小限に留める目的や出血防止目的以外に、切断不能な腫瘍や子宮筋腫に対して、血管閉塞により栄養を遮断する動脈塞栓術が知られている。また、抗悪性腫瘍剤と血管塞栓剤とを組み合わせて投与することにより、腫瘍内の血流を遮断し、かつ抗悪性腫瘍剤濃度を高く維持して抗腫瘍効果の向上を期待する化学塞栓療法が知られている。血管内に注入されるこれらの塞栓剤としては、EVOHの約10重量%のジメチルスルホキシド(以下、DMSOという)溶液、シアノアクリレート、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)のホルマール化粒子が知られている。
これらの塞栓剤のうちで、たとえば、EVOH(約10重量%のDMSO溶液)は、溶媒であるDMSOが毒性を有する等の点で生体に悪影響を与える可能性がある。シアノアクリレートは、ヨウ化脂肪酸エステルケン化物との混合比を調整することにより血液中での塞栓時間を制御できるが、混合比のバランスが難しい。そのため、カテーテルを通じて血管内に投与後、カテーテルを引き抜くタイミングを誤ると、カテーテル先端が血管内に接着してしまい、最悪、カテーテルの先端が血管内に残存したままになる危険性がある。また、EVOHやPVAのホルマール化粒子は、永久塞栓剤であり、一時的な塞栓用途には使用できないという問題があった。
これらの問題を解決するために、種々の検討がなされている。たとえば、特許文献1では、一時塞栓用にゼラチンスポンジが使用されているが、ゼラチンスポンジには生物由来の成分が含まれるため、特に牛を原料とするゼラチンの場合、狂牛病等の感染症を媒介する危険性がある。また、一時塞栓材として使用する場合、ゼラチンスポンジをカテーテルに通過させる為には、使用前に1mm厚程度に非常に細かく裁断する必要があり、医師の非常に高い熟練度が要求され、治療効果に個人差がでるという問題がある。また、一般に、架橋デンプンも一時塞栓材として使用されているが、血液中のアミラーゼによって、分単位で分解するため、1週間〜3ヵ月といった比較的長い一定期間有効である塞栓剤ではなかった。
特許文献2には、30%以上の水膨潤率を有し、リン酸緩衝生理食塩水において分解性がある略粒状の粒子からなる血管塞栓剤が開示されている。しかしながら、該血管塞栓剤は、水溶性ポリマーを生分解性成分の添加でブロックコポリマー化するか、架橋または変性することによって水不溶化したものであり、その分解は生分解によるものであるため、血管内の塞栓時間の制御が未だ不充分であった。
特許文献3には、パール状のポリビニルアルコール粒子を用いた血管一時塞栓剤が開示されている。該血管一時塞栓剤は生体内で吸収後、体外に自然に排斥される。また、狂牛病や、血液を媒介としたエイズ等の感染症伝播の危険性が無く、さらに、目的外の血管内において凝集詰まりを起こす危険性が少ない。したがって、スタックを起こすことが無く、カテーテル通過性が良好であることが示されている。該血管一時塞栓剤の場合、溶解速度はPVAのケン化度を調整することによって制御される。血管一時塞栓剤を、栄養を遮断する目的や、腫瘍内の血流を遮断し、かつ抗悪性腫瘍剤濃度を高く維持する目的などの場合には、塞栓時間の精密な制御は不要なので、ケン化度によって溶解速度を制御することで十分である。
しかしながら、心筋梗塞の治療薬および治療法の開発・薬理効果の評価には動物を用いた心筋梗塞モデルが必要である。従来の心筋梗塞モデルでは、開胸して心筋に通じる血管に高吸水性樹脂を構成成分とした器具等を埋め込む方法や、直接、結紮するなどの外科的処置によって血管を梗塞させる方法が行われている。しかしながらこのような外科的な方法は、動物に対する負担が大きく、術中死するなど成功率が50%と低い場合が多く、適用できる血管サイズにも制約があり、毛細血管部位で発生する梗塞モデルの作製は困難であり、また梗塞の範囲および程度の再現性も低いため、十分良好な心筋梗塞モデルの作製法とはいえなかった。
この心筋梗塞モデルを作製するには、カテーテルを用いて血管一時塞栓剤を心筋の栄養動脈に注入して血管を塞栓し、一定の期間、心筋への血流を止めることで心筋梗塞状態を作り出した後、特定の時間が経過後に正常な血流を回復させることができればよい。
しかしながら、心筋梗塞モデルの作製の場合、動脈を塞栓する必要があり、血流速度が速い動脈中では溶解速度が大きくなりがちであるため、溶解速度が速すぎない、適度な溶解速度を有する血管一時塞栓剤が必要である。
また、梗塞の程度および範囲が一定な心筋梗塞状態を再現性良く作り出すには、塞栓時間の再現性を高めることが必要であり、従来よりも精密な溶解速度の制御が求められていた。
国際公開第98/03203号公報 特開2004−167229号公報 特開2007−37989号公報
血流速度が速い血管内での使用に適した適度な溶解速度を有し、従来よりもカテーテル通過性および塞栓時間の制御性に優れた血管一時塞栓剤を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、一般式(1)で示される1,2−ジオール構造単位を0.1〜2モル%有し、ケン化度が99モル%以上のポリビニルアルコール系樹脂からなるパール状ポリビニルアルコール粒子の製造方法であって、
ビニルエステル系単量体と、ケン化によって一般式(1)で示される1,2−ジオール構造単位となりうる単量体とを共重合させてえられるポリビニルエステル系共重合体溶液を、前記ポリビニルエステル系共重合体溶液よりも粘度が高く、かつ脂肪族飽和炭化水素類、芳香族飽和炭化水素類、脂環式炭化水素類から選ばれる1種または2種以上からなる高粘性液体に分散させながらケン化するパール状ポリビニルアルコール粒子の製造方法に関する。
Figure 0005641699
[式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]
一般式(1)におけるR1、R2、R3、R4、R5およびR6が水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
また、本発明の別の態様としては、一般式(1)におけるR1、R2、R3、R4、R5およびR6が水素原子であり、Xが単結合であることが好ましい。
さらに、本発明は、前記パール状ポリビニルアルコール粒子を含有する血管一時塞栓剤に関する。
本発明の塞栓剤は、生体内で吸収後、体外に自然に排斥される。また、血液由来の一時塞栓剤ではないので、狂牛病や血液を媒介としたエイズ等の感染症伝播の危険性が無く、さらに、目的外の血管内において凝集詰まりを起こす危険性が少ない。したがって、本発明によれば、スタックを起こす事が無く、カテーテル通過性が良好である。しかも、ポリビニルアルコールの結晶化等の制御が容易であることから、心筋の栄養動脈等の血流速度が速い血管の場合でも、適度な溶解速度を示し、さらに、塞栓時間の精密な制御が可能な血管一時塞栓剤用パール状PVA粒子を含有する塞栓剤を提供することができる。
なお、以下では、本発明で用いられるパール状PVA粒子を「本発明の粒子」や「本発明のパール状PVA粒子」とも表記する。
本発明の粒子は、一般式(1)で示される1,2−ジオール構造単位を0.1〜2モル%有し、ケン化度が99モル%以上のパール状ポリビニルアルコール(PVA)粒子である。かかる構造単位の含有量、あるいは熱処理条件によって、水に対する溶解度を精密に制御することが可能である。ここで、パール状とは、顆粒状や異形の粉状物ではなく、一定の球形度を有する粒子を表すものである。
球形度は、例えば球形度係数で規定される。ここで、粉末の走査型電子顕微鏡写真を撮り、その写真の単位視野内に観察される個々の粒子について輪郭の長さ(L)と、粒子の面積と同じ面積を有する円の円周(M)を測定し、MをLで除した値(M/L)の平均値を球形度係数と規定する。球形度係数が1に近いほど粒子は真球に近い。一般的に、球形度係数が0.96より小さい場合には、血管を塞栓する効果が低下するため、パール状ポリビニルアルコール(PVA)粒子の球形度係数は0.96以上であることが好ましい。球形度係数が0.98以上であればより好ましく、0.99以上であればさらに好ましい。
Figure 0005641699
[式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]
本発明のパール状PVA粒子は、一般式(1)で示される1,2−ジオール構造単位を、分子中に0.1〜2モル%有するものであり、かかる少量特定の1,2−ジオール構造単位を有する場合に限り、特に心筋梗塞モデル作製用の血管一時塞栓剤に用いられるPVA粒子として適したものになり得る。より好ましくは、0.2〜1モル%、さらに好ましくは、0.3〜0.5モル%である。構造単位の導入量が2モル%を超える場合には溶解速度が速くなりすぎるため、塞栓時間が短くなって好ましくない。一方、構造単位の導入量が0.1モル%未満の場合には、変性の効果が少なく、結晶化度の微調整が困難となり、血液中での溶解速度の制御が困難となる。
ここで、PVA系樹脂に含まれる1,2−ジオール構造単位の含有率は、ジメチルスルホキシドを溶媒とし、内部標準としてテトラメチルシランを用いて、完全にケン化したPVA系樹脂の1H−NMRスペクトルから求めることができる。具体的には、1,2−ジオール構造単位中の水酸基プロトン、メチンプロトン、メチレンプロトン、主鎖のメチレンプロトン、主鎖に連結する水酸基のプロトンなどに由来するピーク面積から算出することができる。
本発明で用いられるPVA系樹脂のケン化度は99モル%以上であり、ほぼ完全ケン化品乃至完全ケン化品が用いられる。特に実用的には、99.3〜99.9モル%が好ましい。このように高いケン化度のPVA系樹脂が好ましい理由は、本発明の目的である塞栓時間の精密な制御に、高いケン化度のPVA系樹脂が適しているからである。本発明は、動物を用いた心筋梗塞モデルの作製に用いる血管一時塞栓剤を提供することを目的としているため、心臓に通じる血流速度が速い部位を塞栓することが求められる。そのような高血流速度部位の塞栓には、むしろ血液への溶解性があまり高くないパール状PVA粒子が適しているのである。また、ケン化度が低下すると、分子間でのケン化度分布が広くなる結果、PVA粒子間で血液に溶解する時間に大きな差ができてしまう。高いケン化度にし、かつケン化度の分布を狭く制御し、側鎖の1,2−ジオール構造単位の含有量が熱処理によってPVA系樹脂の結晶化度を微調整し、血液中での溶解性を制御することで、一定の時間血流を塞栓した後に、PVA粒子を一気に溶解させることが可能となる。その結果、塞栓時間の精密な制御が可能となる。
パール状PVA粒子の平均粒径は、10〜1200μmであることが好ましい。より好ましくは30〜1000mμであり、さらに好ましくは50〜800μm、特に好ましくは100〜250μmである。平均粒径が大きすぎると、使用するカテーテルの種類によっては粒子のカテーテル通過性が著しく低下するか、または通過不能となる傾向がある。一方、パール状PVA粒子の平均粒径が小さすぎると、血管を塞栓する性能が悪く、塞栓時間が極端に短くなる。また、目的以外の、例えば回旋枝などの血管に塞栓剤が混入するため好ましくない。なお、本明細書において特に断らない限り、平均粒径はイソプロピルアルコール中にPVAを所定量分散させた状態で測定される値である。
パール状PVA粒子の平均重合度は、JISK6726に準拠して測定したとき、80〜1500であることが好ましく、より好ましくは90〜1000、さらに好ましくは、100〜800である。平均重合度が80未満の場合には、工業的に安定に生産出来る重合度域ではなく、また、塞栓時間が極端に短くなる傾向があり、目的とする動物病態モデルの作製が困難である。平均重合度が1500より大きい場合には、血管内における粒子の溶解時間が非常に長くなり、粒子が体内に残存することとなるため、血流が再開通し、且つ心筋の一部に壊死部位を持つ様な動物病態モデルの作製が困難である。ここで、本発明において一時塞栓剤とは、血管の塞栓時間がおよそ30分〜3ヵ月の範囲で任意に制御された塞栓剤をいう。
本発明で用いられるPVA系樹脂は、下記一般式(1A)で示される構造単位を有する。一般式(1A)中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示す。
Figure 0005641699
一般式(1A)で表される1,2−ジオール構造単位のR1〜R3およびR4〜R6は、全てが水素原子であることが好ましい。ただし、PVA系樹脂の特性を大幅に損なわない程度の量であれば有機基で置換されていてもよい。その場合の有機基は特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、必要に応じて、アルキル基がさらにハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボキシル基、スルホン酸基などの置換基を有していてもよい。
また、一般式(1A)で表される1,2−ジオール構造単位中のXは代表的には単結合であり、熱安定性の点や高温雰囲気下または酸性条件下での安定性の点で単結合であることがもっとも好ましい。ここで、Xが単結合とは、一般式(1)でC2とC3が直接一重結合していることをいう。ただし、本発明の効果を阻害しない範囲であれば結合鎖であってもよい。結合鎖としては特に限定されないが、例えば、アルキレン、アルケニル、フェニレン、ナフチレンなどの炭化水素が好ましく、必要に応じて、炭化水素はフッ素、塩素、臭素などのハロゲンなどで置換されていてもよい。さらに、結合鎖として、−O−、−(CH2O)m−、−(OCH2m−、−(CH2O)mCH2−、−CO−、−COCO−、−CO(CH2mCO−、−CO(C64)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO4−、−Si(OR)2−、−OSi(OR)2−、−OSi(OR)2O−、−Ti(OR)2−、−OTi(OR)2−、−OTi(OR)2O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−などが挙げられる(ただし、Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、また、mは自然数である)。これらの結合鎖の中では、製造時または使用時の安定性の点で、−CH2OCH2−、または炭素数6以下のアルキル基、とくにメチレン基が好ましい。
本発明で用いられるPVA系樹脂の製造法はとくに限定されないが、(i)ビニルエステル系モノマーと、下記一般式(2)で示される化合物との共重合体をケン化する方法、(ii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(3)で示される化合物との共重合体をケン化および脱炭酸する方法、または(iii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(4)で示される化合物との共重合体をケン化および脱ケタノールする方法などが好ましい。
Figure 0005641699
Figure 0005641699
Figure 0005641699
ここで、上記一般式(2)、(3)、(4)中のX、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、一般式(1)と同じであり、それぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示す。R7およびR8は、それぞれ独立して水素原子またはR9−CO−(式中、R9はアルキル基)である。また、R7およびR8は、それぞれ独立して水素原子または有機基を示す。
(i)、(ii)および(iii)の製造法としては例えば、特開2006−95825号公報に記載されている製造法が採用できる。
製造法(i)を用いてPVA系樹脂を製造する場合、共重合反応性および工業的な取り扱い性に優れているという点から、一般式(2)で示される化合物として、R1〜R6が水素、Xが単結合、R7〜R8がいずれもR9−CO−であり、R9がアルキル基である3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、さらにその中でも、R9がメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが特に好ましい。
なお、ビニルエステル系モノマーとして酢酸ビニルを用い、酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを共重合させる際の各モノマーの反応性比は、r(酢酸ビニル)=0.710であり、r(3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)=0.701である。一方、製造法(ii)で用いる、一般式(3)で表される化合物であるビニルエチレンカーボネートの場合の反応性比は、r(酢酸ビニル)=0.85であり、r(ビニルエチレンカーボネート)=5.4である。上記反応性比の比較から、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが酢酸ビニルとの共重合反応性に優れていることが示される。
また、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの連鎖移動定数(Cx)は、Cx(3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)=0.003(65℃)である。一方、製造法(ii)で用いるビニルエチレンカーボネートの連鎖移動定数Cx(ビニルエチレンカーボネート)=0.005(65℃)であり、製造法(iii)で用いる一般式(4)で表される化合物の一つである2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソランの連鎖移動定数Cx(2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン)=0.023(65℃)である。これらの連鎖移動定数の比較から、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンのCxは0.003と低いため、連鎖移動が過度に起こらず、重合度が高くならないという傾向や、重合速度が低下することが少ないといえる。
また、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの場合、ビニルエステル系モノマーとの共重合体をケン化する際に発生する副生物は、ビニルエステル系モノマーとして多用される酢酸ビニルに由来する構造単位からケン化時に副生する化合物と同一である。したがって、その後処理や溶剤回収系に新たに特別な装置や工程を設ける必要が無く、酢酸ビニルに用いられてきた従来からの設備を利用できるという点も、工業的に大きな利点である。
なお、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、例えば国際公開第00/24702号に記載の1,3−ブタジエンを出発物質とした合成ルートで製造された製品や、米国特許第5623086号や米国特許第6072079号に記載の技術によるエポキシブテン誘導体を中間体として製造された製品として入手可能である。また、アクロス社から試薬として入手することができる。また、1,4−ブタンジオール製造工程中の副生成物として得られる、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを精製して利用することもできる。また、1,4−ブタンジオール製造工程中の中間性生物である1,4−ジアセトキシ−1−ブテンを塩化パラジウムなどの金属触媒を用いた公知の異性化反応によって3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに変換して用いることもできる。また、再公表第00/24702号に記載の有機ジエステルの製造方法に準じて製造することもできる。
また、製造法(ii)または製造法(iii)で得られたPVA樹脂は、ケン化度が低い場合や、脱炭酸あるいは脱アセタール化が不十分な場合には側鎖にカーボネート環あるいはアセタール環が残存する場合があり、その結果、パール状PVA粒子の血液中での溶解性を阻害する場合がある。これらの点からも、製造法(i)によって本発明のPVA系樹脂を製造することがもっとも好ましい。
共重合体を構成する他のビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどが挙げられる。なかでも、経済性の観点から酢酸ビニルが好ましい。
また、上述のビニルエステル系モノマー、一般式(2)、(3)、(4)で示される化合物以外にも、樹脂の物性に大きな影響を与えない範囲であれば、共重合成分として、エチレンやプロピレンなどのα−オレフィン;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどのヒドロキシ基含有α−オレフィン類;イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸などの不飽和カルボン酸類、あるいはその塩あるいはモノ若しくはジアルキルエステル;アクリロニトリルなどのニトリル類;メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアミド類;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)などのオレフィンスルホン酸あるいはその塩、などを用いることもできる。
本発明のパール状PVA粒子は、たとえば、BRACE社の小径粒子製造装置などを用い、高濃度のPVA水溶液を、振動するノズルからPVAが溶解しない溶液、たとえばパラフィン系有機溶剤や食塩等の無機塩の冷水溶液に滴下する方法や、特開2007−37989号公報に記載された粒状ポリビニルアルコールの製造法に準じて製造することができる。具体的には、アルコールまたはアルコールと酢酸メチル(a)を溶媒とするポリビニルエステル溶液(b)を、ポリビニルエステル、該エステルのケン化物、および成分(a)のいずれとも実質的に相溶せず、かつポリビニルエステル溶液(b)よりも粘度の高い高粘性液体(c)中に粒状に分散せしめ、ケン化触媒存在下でケン化して得られる。
高粘性液体(c)中にポリビニルエステル溶液(b)を分散させる方法としては、通常は両者を混合、撹拌すればよいが、特に、ポリビニルエステル溶液(b)を振動するノズルから高粘性液体(c)中に滴下することによって、より均一な分散状態が得られ、より粒度分布がシャープで真球度が高いパール状PVA粒子が得られる。
上記のアルコールまたはアルコールと酢酸メチル(a)におけるアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール等の低級脂肪族アルコールを用いることができる。これらのアルコールは、単独であるいは2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。なかでも、ケン化反応時の粒径制御および実用的なケン化速度が得られる点から、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールを用いることが好ましい。アルコールと酢酸メチルを併用する場合は、ポリビニルエステルのケン化反応効率の点から、アルコール/酢酸メチルの割合を重量比で0.5以上とすることが好ましく、1.5以上とすることがより好ましい。また、酢酸メチルよりさらに極性が低い各種有機溶剤を併用することも可能である。
ポリビニルエステル溶液(b)におけるポリビニルエステルの含有量は、特に限定されるものではないが、溶液全体の10〜80重量%が好ましい。ポリビニルエステル溶液(b)は、ポリビニルエステルに対して0.05〜10重量部の水を含有していてもよい。少量の水の存在によりケン化物の僅かな残存酢酸基の分布がよりランダムとなり、また少量の水がケン化度を制御する役割を果たし得る。
高粘性液体(c)は、用いるポリビニルエステル、そのケン化物およびアルコールまたはアルコールと酢酸メチル(a)のいずれとも実質的に相溶せず、かつポリビニルエステル溶液(b)よりも粘度の高いものである。たとえば、流動パラフィン、灯油の如き脂肪族飽和炭化水素類、芳香族炭化水素類、脂環式炭化水素類があげられる。これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。なかでも、ポリビニルエステル溶液を均一に分散できることから、流動パラフィンが好ましい。
高粘性液体(c)の粘度は、ポリビニルエステル溶液(b)の粘度よりも高ければ特に限定されるものではない。
ポリビニルエステル溶液(b)と高粘性液体(c)の使用割合は、重量比で2/8〜6/4とすることが好ましく、4/6〜5/5とすることがより好ましい。ポリビニルエステル溶液(b)の使用割合が20重量%未満の場合は、生産効率が低下するため好ましくない。ポリビニルエステル溶液(b)の使用割合が60重量%をこえる場合には、分散性が悪くなり、多数粒子の集合体が形成されやすくパール状PVA粒子の平均粒径が大きくなる傾向にある。
ケン化触媒としては、ポリビニルエステルをケン化してPVA系樹脂を製造する時に用いられる通常のアルカリ触媒を用いることができる。ケン化触媒の使用量は、ポリビニルエステルの濃度、目的とするケン化度により適宜決定されるが、通常、ポリビニルエステル中の酢酸ビニル単位(1モル)に対して0.1〜30ミリモル、好ましくは2〜17ミリモルの割合が適当である。
ケン化反応の反応温度は、20℃〜60℃とすることが好ましい。反応温度が20℃以下の場合には、反応速度が小さくなり反応効率が低下する。60℃をこえる場合には、溶媒の沸点以上となり安全上好ましくない。
本発明の高ケン化度のパール状PVA粒子は、得られるパール状PVA粒子の特性やパール状PVA粒子内部に取り込まれる流動パラフィンによる動物や人体への毒性や、梗塞モデル作製への悪影響を低減させるという安全性上の目的から、2段階のケン化反応により製造することが好ましい。1次ケン化では、ケン化度75〜90モル%となるまでケン化反応を行った後、反応スラリーより粒子を遠心分離器装置等の固液分離装置や実験室的にはアドバンテック濾紙No.2または、No.63による濾過により分離し、必要に応じてメタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸メチルとメタノールとの混合物などの適当な溶剤あるいは混合溶剤で洗浄を行い、1次ケン化粒子を得る。つづいて、得られた1次ケン化粒子を、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒中に分散させて、ケン化反応の追い込みを行う。99モル%以上という本発明で求められる高いケン化度が達成できたところで、反応を終了させ、1次ケン化における粒子の回収と同様の方法により、本発明のパール状PVA粒子(2次ケン化粒子)を得る。その後、必要に応じて生理食塩水にて洗浄を行なう。
パール状PVA粒子の滅菌法としては、電子線、紫外線、X線、γ線、エチレンオキサイドガス滅菌、加圧水蒸気滅菌、ヒビテン液(グルコン酸クロルヘキシジン液)に浸漬する方法や、滅菌生理食塩水による洗浄方法が用いられる。
PVA系樹脂の平均粒径は、前記製造方法で得られたパール状PVA粒子を、必要に応じて標準金網により物理的に篩い分けを行うことにより任意の粒径のパール状PVA粒子の調整を行うことができる。また、平均粒径を所望のレベルまで小さくするためには、特開昭56−120707号公報に記載された粒状ポリビニルアルコールの製造法に準じて製造する際のケン化反応時の撹拌速度を速くしたり、流動パラフィン等の高粘性液体(c)の粘度をポリビニルエステル溶液(b)の粘度より高く設定したり、高粘性液体(c)とポリビニルエステル溶液(b)の比率を制御することにより粒径を制御することもできる。
たとえば、粒径を105〜177μmの範囲とする場合には、145メッシュ(105μm)オン、80メッシュ(177μm)パスにより篩い分けされた粒径のものを用いる。また、177〜297μmに設定する場合、80メッシュ(177μm)オン、48メッシュ(297μm)パスにより篩い分けされた粒径のもの、297〜500μmに設定する場合48メッシュ(297μm)オン、32メッシュ(500μm)パスにより篩い分けされた粒径のものを用いれば良い。
また、上述のケン化反応条件によって所望の平均粒径のパール状PVA粒子を得る具体的な方法を次に説明する。たとえば、平均粒径150μm程度のパール状PVA粒子を得るには、平均重合度500のポリビニルエステルの場合、メタノール溶液(b)の濃度を40重量%とし、平均重合度150〜200のポリビニルエステルの場合はメタノール溶液(b)の濃度を50重量%として、該溶液(b)と流動パラフィン等の高粘性液体(c)の割合を重量比で50/50としてケン化反応を行なえば良い。また、平均粒径を500μm程度とするには、ポリビニルエステル(b)溶液の粘度を高粘性液体(c)より高く設定すれば良く、例えば、重合500のポリ酢酸ビニルエステル溶液の樹脂分濃度を50重量%にする。
上記の方法で得られたパール状PVA粒子を、造影剤に分散することで血管一時塞栓剤(i)にすることができる。
造影剤としては、イオン性造影剤、非イオン性造影剤のいずれも使用することができる。具体的には、イオパミロン(シエーリングAG製)、オイパロミン(富士製薬工業(株)製)、ヘキサブリックス(テルモ(株)製)、オムニパーク(第一製薬(株)製)、ウログラフィン(シエーリングAG製)、イオメロン(エーザイ(株)製)などがあげられる。
パール状PVA粒子は、カテーテル通過性を確保する必要があるという観点から、造影剤に対して、20重量%以下の割合で用いることが好ましい。この場合、パール状PVA粒子を造影剤に分散させてから、5〜15分間放置したのちに、血管一時塞栓剤として用いることが好ましい。塞栓後の再開通までの時間は、PVA系樹脂の重合度、ケン化度、1,2−ジオール構造単位の含有量、造影剤中での放置時間によって制御することができる。PVA系樹脂の重合度やケン化度を高くしたり、1,2−ジオール構造単位の含有量を減らすことにより、塞栓時間を長くすることが可能となる。また、造影剤中における事前の放置時間が長くなると、塞栓時間が短くなる。塞栓時間の制御には事前の造影剤中における放置時間の影響が大きい。放置時間が5分未満の場合は、造影剤によるパール状PVA粒子の膨潤が不充分となり、血管内塞栓後のパール状PVA粒子の再溶解が開始するまでの時間が長くなる傾向がある。一方、15分をこえると逆に造影剤によりパール状PVA粒子が膨潤し過ぎるため、パール状PVA粒子が継粉状態になったり、カテーテル内壁に付着しやすくなり、カテーテル通過性が低下し、塞栓治療の作業性が著しく低下する傾向がある。
また、本発明のパール状PVA粒子を造影剤に溶解することで血管一時塞栓剤(ii)にすることができる。具体的には、造影剤100重量部に対して、パール状PVA粒子を20重量%以内で添加し、50℃〜70℃程度で加温し、30分〜2時間程度で溶解することで得られたペースト状の血管一時塞栓剤である。
さらに、前記ペースト状血管一時塞栓剤に本発明のパール状PVA粒子を分散することで血管一時塞栓剤(iii)にすることができる。該塞栓剤(iii)は、ペースト状血管一時塞栓剤中に溶解したPVA系樹脂(A)と分散状態であるパール状PVA粒子(B)の混合重量比を変えることにより、塞栓時間を制御できる。混合において、溶解したPVA系樹脂(A)の割合が小さすぎる場合は、血管内塞栓の際、血管径によっては、血管内塞栓時間が長くなりすぎる場合があり、大きすぎる場合は、塞栓時間が極めて短く(たとえば、15分程度)なりやすく、目的とする塞栓時間が得られない場合がある。
本発明の血管一時塞栓剤には、薬効成分を混合してもよい。薬効成分は、造影剤とパール状PVA粒子の混合時や薬効成分を溶解させた溶媒中でパール状PVA粒子に吸蔵して担持させる方法等により血管一時塞栓剤に配合することができる。薬効成分としては、スマンクス、シクロホスファミドなどの抗悪性腫瘍剤、ステロイド系ホルモン剤、肝臓疾患薬、糖尿病薬、抗酸化剤、ペプチド系薬物、悪性腫瘍に対する分子標的治療薬、抗生物質等の化学療法剤やヘパリン等の血栓生成抑制剤などがあげられる。また、細胞増殖因子である塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子β1(TGF−β1)、血管内皮細胞増殖因子(VFGF)などがあげられる。
本発明の一時塞栓剤を血液中に塞栓する場合に用いるカテーテルは、特に限定されるものではなく、CORDIS(コーディス)社製のカテーテル、MASS TRANSITやテルモ(株)社製のカテーテル、プログレートなど適宜選択することができる。
以下、本発明のパール状PVA粒子および該粒子の製造方法、血液一時塞栓剤を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」をいう。
実施例1(パール状PVA粒子A:平均粒径150μm、ケン化度99.6モル%、パール状ケン化物 平均重合度500、変性率0.3モル%の製造)
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル900g、メタノール1440g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(以下、3,4DABという)5.4gを仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.2モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながらチッ素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。この場合、3,4DABによる酢酸ビニル変性率は約0.3モル%である。
酢酸ビニルの重合率が92%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを20ppm添加して重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し、(酢酸ビニル−3,4DAB)共重合体のメタノール溶液を得た。
得られた(酢酸ビニル−3,4DAB)共重合体のメタノール溶液にメタノールを加えて樹脂分40%に調整した。この溶液100部を撹拌機つき反応缶に仕込み、温度を30℃に保って撹拌しながら、ケン化反応触媒としてNaOHのNa含量換算で2%メタノール溶液を、ポリ酢酸ビニルの酢酸ビニル単位に対して3mmolの割合で添加した。続いて流動パラフィン100部を加えて、撹拌速度を300回転に調節したところ、ポリ酢酸ビニルエステルは球形状で流動パラフィン中に分散した。温度を30℃に保って反応させ、60分経過後に反応を停止し、遠心分離装置により固液分離を行うことによりパール状PVA粒子を分離した。この粒子を温度50℃の酢酸エチル溶液を用いて抽出法により洗浄し、次いで真空乾燥機を用いて温度80℃で24時間乾燥した。
得られたパール状PVA粒子(1次ケン化粒子)100部を、再度メタノール溶液500部に分散し、ケン化触媒(Na重量換算で2%NaOHメタノール溶液)を20部添加して、温度50℃で、2時間かけて2次ケン化を行なった。その後、再度遠心分離装置によりパール状PVA粒子を分離し、温度50℃の酢酸エチル溶液を用いて抽出法により洗浄し、次いで真空乾燥機を用いて温度80℃で24時間乾燥することでパール状PVA粒子Aを作製した。
パール状PVA粒子Aについて、テトラメチルシランを内部標準とし、溶媒としてDMSO-d6を用いて、1H−NMRで測定して算出したところ、1,2−ジオール構造の側鎖の含有量が0.3モル%であった。
(平均重合度)
JISK6726に準拠して測定した結果、パール状PVA粒子Aの平均重合度は500であった。
(ケン化度)
パール状PVA粒子Aもケン化度は、残存酢酸ビニルおよび3,4DABの加水分解に要するアルカリ消費量を用いて、JISK6726に準拠して測定した。測定されたパール状PVA粒子Aのケン化度は、99.6モル%であった。
(平均粒径)
パール状PVA粒子Aの平均粒径は、PVA粒子(10重量部)をイソプロピルアルコール(100重量部)中に分散させ、レーゼンテックM100(インライン式粒体モニタリングシステム、レーゼンテック社製)で平均コード長(μm)を測定することでこれを平均粒径とした。具体的には、0.8〜1200μmの範囲を38チャンネルのコード長に分割、各チャンネルの粒子数をカウントし、下式(2)によって求めた。
平均コード長=Σ(Yi×Mi2)/ΣYi (2)
(ただし、YiはレーゼンテックM100によりモニタリングしたときの粒子のカウント数、Miは各チャンネルのコード長である。)
上記方法で測定されたパール状PVA粒子Aの平均粒径は、150μmであった。
比較例1
PVAとして、ケン化度99.3モル%、平均重合度300の未変性PVAを用いたほかは、実施例1の方法に従って、PVA粒子Vを作製した。比較例1の場合、3,4DABによる酢酸ビニル変性率は0モル%である。
実施例2
実施例1のパール状PVA粒子Aを、所定量ナスフラスコに投入した後、ナスフラスコをロータリーエバポレータに取り付けた。ナスフラスコ内の空気をチッ素で置換後、ナスフラスコを所定温度のオイルバスに浸し、所定時間回転させることで熱処理を行った。実施例2は、オイルバス温度および回転時間を変えることで熱処理条件を変化させたものである。実施例ごとの条件については表1に示す。
比較例2〜3
比較例1のPVA粒子Vを、実施例2と同様の方法で熱処理した。比較例2〜3は、オイルバス温度および回転時間を変えることで熱処理条件を変化させたものであり、比較例ごとの条件については表1に示す。
実施例3(パール状PVA粒子B:平均粒径150μm、ケン化度99.7モル%、パール状ケン化物 平均重合度470、変性率0.5モル%の製造)
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル900g、メタノール1440g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(以下、3,4DABという)9gを仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.3モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながらチッ素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。この場合、3,4DABによる酢酸ビニル変性率は約0.5モル%である。
酢酸ビニルの重合率が98%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを20ppm添加して重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し、(酢酸ビニル−3,4DAB)共重合体のメタノール溶液を得た。
得られた(酢酸ビニル−3,4DAB)共重合体のメタノール溶液にメタノールを加えて樹脂分40%に調整した。この溶液100部を撹拌機つき反応缶に仕込み、温度を30℃に保って撹拌しながら、ケン化反応触媒としてNaOHのNa含量換算で2%メタノール溶液を、ポリ酢酸ビニルの酢酸ビニル単位に対して3.2mmolの割合で添加した。続いて流動パラフィン100部を加えて、撹拌速度を300回転に調節したところ、ポリ酢酸ビニルエステルは球形状で流動パラフィン中に分散した。温度を30℃に保って反応させ、60分経過後に反応を停止し、遠心分離装置により固液分離を行うことによりパール状PVA粒子を分離した。この粒子を温度50℃の酢酸エチル溶液を用いて抽出法により洗浄し、次いで真空乾燥機を用いて温度80℃で24時間乾燥した。
得られたパール状PVA粒子(1次ケン化粒子)100部を、再度メタノール溶液500部に分散し、ケン化触媒(Na重量換算で2%NaOHメタノール溶液)を20部添加して、温度50℃で、2時間かけて2次ケン化を行なった。その後、再度遠心分離装置によりパール状PVA粒子を分離し、温度50℃の酢酸エチル溶液を用いて抽出法により洗浄し、次いで真空乾燥機を用いて温度80℃で24時間乾燥することでパール状PVA粒子Bを作製した。
パール状PVA粒子Bについて、テトラメチルシランを内部標準とし、溶媒としてDMSO-d6を用いて、1H−NMRで測定して算出したところ、1,2−ジオール構造の側鎖の含有量が0.5モル%であった。
実施例4および5
実施例3のパール状PVA粒子Bを、所定量ナスフラスコに投入した後、ナスフラスコをロータリーエバポレータに取り付けた。ナスフラスコ内の空気をチッ素で置換後、ナスフラスコを所定温度のオイルバスに浸し、所定時間回転させることで熱処理を行った。実施例4および5は、オイルバス温度および回転時間を変えることで熱処理条件を変化させたものである。実施例ごとの条件については表1に示す。
実施例6(パール状PVA粒子C:平均粒径150μm、ケン化度99.7モル%、パール状ケン化物 平均重合度480、変性率1.5モル%の製造)
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル900g、メタノール1440g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(以下、3,4DABという)27gを仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.3モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながらチッ素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。この場合、3,4DABによる酢酸ビニル変性率は約1.5モル%である。
酢酸ビニルの重合率が96.5%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを20ppm添加して重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し、(酢酸ビニル−3,4DAB)共重合体のメタノール溶液を得た。
得られた(酢酸ビニル−3,4DAB)共重合体のメタノール溶液にメタノールを加えて樹脂分40%に調整した。この溶液100部を撹拌機つき反応缶に仕込み、温度を30℃に保って撹拌しながら、ケン化反応触媒としてNaOHのNa含量換算で2%メタノール溶液を、ポリ酢酸ビニルの酢酸ビニル単位に対して3.5mmolの割合で添加した。続いて流動パラフィン100部を加えて、撹拌速度を300回転に調節したところ、ポリ酢酸ビニルエステルは球形状で流動パラフィン中に分散した。温度を30℃に保って反応させ、60分経過後に反応を停止し、遠心分離装置により固液分離を行うことによりパール状PVA粒子を分離した。この粒子を温度50℃の酢酸エチル溶液を用いて抽出法により洗浄し、次いで真空乾燥機を用いて温度80℃で24時間乾燥した。
得られたパール状PVA粒子(1次ケン化粒子)100部を、再度メタノール溶液500部に分散し、ケン化触媒(Na重量換算で2%NaOHメタノール溶液)を22部添加して、温度50℃で、2時間かけて2次ケン化を行なった。その後、再度遠心分離装置によりパール状PVA粒子を分離し、温度50℃の酢酸エチル溶液を用いて抽出法により洗浄し、次いで真空乾燥機を用いて温度80℃で24時間乾燥することでパール状PVA粒子Cを作製した。
パール状PVA粒子Cについて、テトラメチルシランを内部標準とし、溶媒としてDMSO-d6を用いて、1H−NMRで測定して算出したところ、1,2−ジオール構造の側鎖の含有量が1.5モル%であった。
実施例7および8
実施例6のパール状PVA粒子Cを、所定量ナスフラスコに投入した後、ナスフラスコをロータリーエバポレータに取り付けた。ナスフラスコ内の空気をチッ素で置換後、ナスフラスコを所定温度のオイルバスに浸し、所定時間回転させることで熱処理を行った。実施例7および8は、オイルバス温度および回転時間を変えることで熱処理条件を変化させたものである。実施例ごとの条件については表1に示す。
比較例4
PVAとして、ケン化度99.7モル%、平均重合度450の未変性PVAを用いたほかは、実施例1の方法に従って、PVA粒子Wを作製した。比較例4の場合、3,4DABによる酢酸ビニル変性率は3モル%である。
比較例5および6
比較例4のPVA粒子Wを、実施例2と同様の方法で熱処理した。比較例5および6は、オイルバス温度および回転時間を変えることで熱処理条件を変化させたものであり、比較例ごとの条件については表1に示す。
(溶解性の評価)
100mlのビーカーに水70gを入れ、これに100〜212μmに分級したパール状PVA粒子を3g投入し、室温で2分間撹拌する。その後、ビーカーを37℃の水槽に入、撹拌しながらLASENTEC M100F(レーゼンテック社製、取り込み時間24.75秒)を用いてPVA粒子の粒子数を測定する。測定開始直後の粒子数に対する3時間後の粒子数の比率を残存率とし、残存率を溶解性の評価指標として採用した。実施例1〜8および比較例1〜6のPVA粒子について残存率を測定した結果を表1に示す。
(カテーテル通過性の評価)
直径5cmのシャーレに、実施例1〜8および比較例1〜6のパール状PVA粒子2gをとり、造影剤(オイパミロン300)を8g入れた。薬さじで1分撹拌した後、2ccのシリンジにて吸い取り、カテーテル(マイクロカテーテル2.3Fr)につないでピストンを押し、PVA/造影剤溶液を押し込んだ。評価基準は以下のとおりである。結果を表1に示す。
(評価基準)
○:抵抗無く押し出すことができた。
△:抵抗を感じたものの、押し出すことができた。
×:抵抗のため、押し出すことができなかった。
100mlのビーカーに水70gを入れ、これに100〜212μmに分級したパール状PVA粒子を3g投入し、室温で2分間撹拌する。その後、ビーカーを37℃の水槽に入、撹拌しながらLASENTEC M100F(レーゼンテック社製、取り込み時間24.75秒)を用いてPVA粒子の粒子数を測定する。測定開始直後の粒子数に対する3時間後の粒子数の比率を残存率とし、残存率を溶解性の評価指標として採用した。実施例1〜8および比較例1〜6のPVA粒子について残存率を測定した結果を表1に示す。
Figure 0005641699
この結果から、本発明のパール状PVA粒子は、血管一時塞栓剤として血管中に充填された場合、その粒子群の溶解速度が速すぎず、適度でることが判り、且つ、1,2−ジオール構造単位の含有量、および熱処理条件によってその溶解速度を調節できるので、目的に応じた血管一時塞栓剤が容易に得られる点で有用と考えられる。また、抵抗なくカテーテルを通過させることができる。
一方、比較例の未変性PVAの場合、熱処理を行わないと溶解速度が速すぎ、また、熱処理の程度によって溶解速度を制御することは難しく、適度の溶解速度をもつPVA粒子を得ることは困難である。また、カテーテルを通過させることが困難であるか、または不可能である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示される1,2−ジオール構造単位を0.1〜2モル%有し、ケン化度が99モル%以上のポリビニルアルコール系樹脂からなるパール状ポリビニルアルコール粒子の製造方法であって、
    ビニルエステル系単量体と、ケン化によって一般式(1)で示される1,2−ジオール構造単位となりうる単量体とを共重合させてえられるポリビニルエステル系共重合体溶液を、前記ポリビニルエステル系共重合体溶液よりも粘度が高く、かつ脂肪族飽和炭化水素類、芳香族飽和炭化水素類、脂環式炭化水素類から選ばれる1種または2種以上からなる高粘性液体に分散させながらケン化することを特徴とするパール状ポリビニルアルコール粒子の製造方法。
    Figure 0005641699
    [式中、R 、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R、R、およびRはそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]
  2. 前記一般式(1)におけるR、R、R、R、RおよびRが水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である請求項記載のパール状ポリビニルアルコール粒子の製造方法。
  3. 前記一般式(1)におけるR、R、R、R、RおよびRが水素原子であり、Xが単結合である請求項1または2記載のパール状ポリビニルアルコール粒子の製造方法。
  4. 下記一般式(1)で示される1,2−ジオール構造単位を0.1〜2モル%有し、ケン化度が99モル%以上のポリビニルアルコール系樹脂からなるパール状ポリビニルアルコール粒子を含有することを特徴とする血管一時塞栓剤。
    Figure 0005641699
    [式中、R 、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R、R、およびRはそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]
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