JP5641399B2 - 消火器ケース - Google Patents
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Description
また上記従来の消火器ケースの取付けは、壁の仕上げ工程より前工程である、壁下地材の組み上げ工程の際に、あらかじめ消火器収納用の本体を壁材の内部の所定位置及び所定高さに仕込み固定しておく必要があり、作業の順番に制限が出るものであった。通常の建築工事では、壁面の施工と消火器ケースの設置を別の作業者が行う場合が多く、消火器ケースの設置作業者が設置箇所を後追いする等、作業の順番に制限が出ることで工事の進捗に影響を及ぼすことも考えられる。
(1)本発明の消火器ケースは、
壁内に設置した消火器を壁面に設けた開口Hから取り出し得る消火器ケースであって、
壁面の開口Hの開口縁に沿って枠形成する開口枠11を有した枠部1と、
開口枠11に当接して開口Hを覆うと共に、開閉機構2によってヒンジ固定されて開閉回動し得る扉3と、
扉3の裏側に取付けられて扉3の前記開閉回動と共に傾斜回動する消火器保持部4と、を具備してなり、
保持収容された消火器は、壁面投影視にてその一部分である壁内突出部が開口Hの形状よりも下方へ外方突出した収容状態となると共に、
扉3の開口回動と共に傾斜回動してその一部が壁面よりも前方へ突出した開口状態となることを特徴とする。
(2)扉3は、枠部1の矩形形状の開口縁の下辺寄りを開閉軸として上辺から開口するものであり、消火器保持部4は、扉3の裏面に固定された固定板41を有し、この固定板に沿って消火器を起立方向に保持し、この起立方向に保持した消火器の下部の壁内突出部が、壁内にて扉3よりも下方へ突出してなることが好ましい。
(3)開閉機構2は、扉3の回動軸周りを回動可能にヒンジ固定する軸固定部21と、扉3の開閉回動量を制限する回動制限部22とから構成され、
この回動制限部22によって、消火器が傾斜回動した開口状態において、保持収容された消火器の前記壁内突出部を壁内に収まる状態に保持し、壁の反対面から突出することのないように制限することが好ましい。
(4)枠部1は、開口枠11の両側部から壁内の壁厚さ方向に枠出した左右の枠側板12を有し、
扉3は、扉裏面の両側部から、前記枠側板12それぞれの内側に対向して立設した左右の内側板32を有してなり、
開閉機構2の軸固定部21は、これら枠側板12及び内側板32のうち一方及び他方の対応位置に左右それぞれ設けられた、挿通孔及びこれに挿通する突出ピンからなり、
これら左右の突出ピンは、壁面の開口Hへ取付けた枠部1内に扉3を配置した状態で、左右それぞれの挿通孔に脱落防止機能をもって挿通し、軸固定し得ることが好ましい。
(5)内側板32は、保持収容した消火器の壁内突出部よりも下方へ延出して消火器の左右の側部を囲う形状からなり、
軸固定部21からこの内側板32の延出端までの最大距離である最延出距離32Lが、取付け部の壁厚さWよりも小さいことが好ましい。
尚併せて、開閉機構2の回動制限部22は、軸固定部21による軸固定ののちに開口枠21の内側から取付け、扉の回動角度を所定の最大開角度以内に制限するものであることが好ましい。
(6)扉3及び消火器保持部4からなる消火器保持構造と、消火器保持部4に保持された消火器Eとからなる回動部の総重心Gは、回動制限部22によって制限された最大角度の開口状態において、壁面よりも前方位置にあり、これによって最大角度の開口状態を保持し得ることが好ましい。
消火器保持部4による消火器の保持位置を、開口Hの上辺近傍の角度とし、かつ、扉3の重量が増加するように重量調整することで、消火器Eを保持し、閉収容状態にある扉3を所定の開口角度以上開くと、回動部の自重によって自動的に最大角度の開口状態となる。
・壁面の取付け部に設けられた開口Hの開口縁に沿って枠形成する開口枠11を有した枠部1
・扉3を開閉回動可能に軸支すると共に開閉角度を制御する開閉機構2
・開口枠11に当接して開口Hを覆うと共に、開閉機構2によって回動可能に軸固定されて開閉回動し得る扉3
・扉3の裏側に取付けられて扉3の前記開閉回動と共に傾斜回動する消火器保持部4
上記基本構成を具備した消火器ケースは、消火器Eを収納したまま、開口Hを扉3で覆った閉収納状態S1(図5、図8、図11)、乃至、扉3を開いて前記開口Hから消火器を取り出し得る開口状態(図7、図9)の2状態になり得る。
枠部1は、外方への張り出し縁を有した四方開口枠11の両側部から壁内の壁厚さ方向に枠出した左右の枠側板12と、枠天板13とから三方枠を形成し、且つ背面側に枠背板14を有することで、下方に開口した箱型枠部を形成する。箱型枠部は扉の開口状態において収容空間内部の露出の体裁を整える。
開閉機構2は、扉3の回動軸周りを回動可能にヒンジ固定する軸固定部21と、扉3の開閉回動量を制限する回動制限部22とから構成される。 通常の使用状態においては開口状態の最大開閉回動角度が回動制限部22によって制限されるが、この制限を解除した場合でも、消火器の残りの一部が壁内にて下方に突出する突出量は消火器が壁内に収まる量となっている。
これら左右の突出ピンは、壁面の開口Hへ取付けた枠部1内に扉3を配置した状態で、左右それぞれの挿通孔に脱落防止機能をもって挿通し、軸固定し得る。
扉3は、枠部1の矩形形状の開口縁の下辺寄りを開閉軸として上辺から開口するものである。扉3は、扉裏面の両側部から、前記枠側板12それぞれの内側に対向して立設した左右の内側板32を有してなる。なお、この内側板32は、次述する消火器保持部4に固定されて扉3よりも下方へ突出してなるものとしてもよい。
消火器保持部4は、扉3の裏面に固定された固定板41を有し、この固定板41が扉3の前記開閉回動と共に傾斜回動する。固定板41はまた、壁内側の固定面に沿って消火器を保持固定する手段(実施例では固定フック41F)を有し、消火器を固定板41に沿って起立方向に保持する。実施例では、略コ字状断面の板の両側部から固定片が張り出してなり、コ字状に折り曲げられて突出した中央部分の固定板41の突出面に、消火器を保持固定する手段が設けられる。消火器を保持固定する手段として、消火器を吊り下げて保持するための複数の固定フック41Fが壁内を向くように離間して設けられる。そして両側部の固定片が扉3の裏面に当接固定され、固定板41が扉の裏面から浮いた状態で固定される。保持固定する手段は実施例のようなL字板からなる吊り下げフックに限られず、枠状のアーム、消火器を載置する底板からなる物、或いはこれらを組み合わせたものでもよい。また実施例のような扉の裏側に突設される固定板41を有することなく、消火器を保持固定する手段が扉3の裏側に直接設けられていてもよい。
壁面に設けた開口Hから消火器Eを壁内に埋め込み収容した収容状態となると共に、扉3を開口することで収容した消火器を取り出し得る開口状態となる。
壁面の開口Hの開口縁に沿って枠形成する縁なしの四方枠板からなる開口枠11、及び開口枠11の側部から壁内の壁厚さ方向に伸びる枠側板12を有した枠部1と、
開口枠11に当接して開口Hを覆うと共に、開閉機構2によって開口枠11又は枠側板12にヒンジ固定されて開閉回動し得る扉3と、
扉3の裏側に取付けられて扉3の前記開閉回動と共に傾斜回動する消火器保持部4と、を具備してなり、
前記開口Hは、保持収容された消火器の壁面投影長さの一部分のみと重なり、
消火器保持部4によって保持された消火器は、壁面投影視にて枠部1よりも外方へ突出してなる。
扉3には引き出し用の操作孔からなる横長長円状の持ち手部31が形成される。
扉3は全周側部が開口枠11内に収容されて閉収容状態となる。このとき、枠側板12の内面に設けられた戸当たり用のビス11Bが扉内面にあたって閉状態となる。の12Bは枠側板の固定ビスである。
実施例2の消火器ケースは、図11(a)のように開口枠11を壁内に収容して取り付けることもできるし、図11(b)のように開口枠11の前部を壁面から張り出す態様で取り付けることもできる。
11 開口枠
12 枠側板
12B 取付けビス
12D 枠厚
13 枠天板
13S 戸当たり
14 枠背板
15 枠底板
2 開閉機構
20 固定プレート
21 軸固定部
21H 挿通孔
21P 突出ピン
21N 脱落防止機構
22 回動制限部
3 扉
30 扉板
31 持ち手部
32 内側板
32L 最大延出量
33 内底板
34 内前板
4 消火器保持部
41 固定板
41F 固定フック
B 手すり
WB 壁ボード
WF 壁面
WD 壁厚
E 消火器
G 回動部の総重心
H 開口
ST スタッド
S0 扉差し込み状態
S1 閉収容状態
S2 開口状態
K 巾木
Claims (4)
- 消火器(E)を壁内に設置し、壁面に設けた開口(H)から取り出し得る消火器ケースであって、
前記開口は(H)は、消火器(E)の正面視投影長よりも小さい開口大きさであって、
壁面の開口(H)の開口縁に沿って枠形成する開口枠(11)を有した枠部(1)と、開口枠(11)に当接して開口(H)を覆うと共に開閉機構(2)によってヒンジ固定されて開閉回動し得る扉(3)と、扉(3)の裏側に取付けられて扉(3)の前記開閉回動と共に傾斜回動する消火器保持部(4)と、を具備してなり、
壁面取り付け部に取り付けた枠部(1)の開口枠(11)内に、略水平に扉(3)を差し込んで大きく開口させた差し込み状態(S0)とし、開口枠(11)の内側から軸固定部(21)で扉(3)を回動可能にヒンジ固定され、
保持収容された消火器(E)は、その一部分である壁内突出部が壁面投影視にて開口(H)の形状よりも下方へ突出した閉収容状態となると共に、扉(3)の開口回動と共に傾斜回動してその一部が壁面よりも前方へ突出した開口状態となり、
前記扉(3)は、枠部(1)の開口縁の下辺寄りを開閉軸として上方から開口するものであり、消火器保持部(4)は、扉(3)の裏面に固定された固定板(41)に沿って消火器(E)を起立方向に保持し、保持した消火器(E)の起立方向下部の壁内突出部が、閉収容状態の壁内にて扉(3)よりも鉛直下方へ突出してなり、
前記開閉機構(2)は、扉(3)を開閉回動可能に軸固定する軸固定部(21)と、扉(3)の開閉回動量を所定の最大角度内に制限する回動制限部(22)とから構成され、
前記枠部(1)は、開口枠(11)の両側部から壁内の壁厚さ方向に枠出した左右の枠側板(12)を有し、
前記扉(3)は、扉裏面の両側部から、前記枠側板(12)それぞれの内側に対向して立設した左右の内側板(32)を有してなり、開閉機構(2)の前記軸固定部(21)は、これら枠側板(12)及び内側板(32)のうち一方及び他方の対応位置に左右それぞれ設けられた、挿通孔(21H)及びこれに挿通する突出ピン(21P)からなり、これら左右の突出ピン(21P)は、壁面の開口(H)へ取付けた枠部(1)内に扉(3)を配置した状態で、左右それぞれの挿通孔(21H)に挿通し、軸固定し得る消火器ケース。 - 前記内側板(32)は、保持収容した消火器の壁内突出部よりも下方へ延出して消火器の左右の側部を囲う形状からなり、
軸固定部(21)からこの内側板(32)の延出端までの最大距離である最延出距離(32L)が、取付け部の壁厚(WD)よりも小さく設定され、 開閉機構(2)の前記回動制限部(22)は、軸固定部(21)による軸固定ののちに開口枠(11)の内側から取付けて、扉の回動角度を制限するものである請求項1記載の消火器ケース。 - 扉(3)と、扉(3)の裏面に固定された消火器保持部(4)と、消火器保持部(4)に保持された消火器(E)とからなる回動部の総重心(G)の位置が、回動制限部(22)によって制限された最大角度の開口状態において、壁面(WF)よりも前方にあることで、最大角度の開口状態を保持し得る請求項1又は請求項2のいずれかに記載の消火器ケース。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の消火器ケースの取付け方法であって、
枠部(1)を壁面取付け部の開口(H)に取り付ける工程と、
固定ビスでビス止めする枠取り付け工程と、
壁面取り付け部に取り付けた枠部(1)の開口枠(11)内に、略水平に扉(3)を差し込んで大きく開口させた差し込み状態(S0)とし、開口枠(11)の内側から軸固定部(21)で扉(3)を回動可能にヒンジ固定する蓋差し込み工程と、
差し込み状態(S0)から扉を閉口方向に回動させ、開口枠(11)の内側から回動制限部(22)を取り付けて回動量を制限する制限工程と、
を含む消火器ケースの取り付け方法。
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