JP5641092B2 - 無線通信システム、受信装置、送信装置、無線通信方法、受信方法、及び送信方法 - Google Patents

無線通信システム、受信装置、送信装置、無線通信方法、受信方法、及び送信方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロ波、ミリ波を用いた無線通信システムに係り、特に限られた帯域内で、より大容量の伝送を行う無線通信システム、受信装置、送信装置、無線通信方法、受信方法、及び送信方法に関する。
近年、送受信局が固定された見通し内通信システムであるマイクロ波あるいはミリ波通信システムは、モバイル通信インフラとしての需要が飛躍的に増加している。このため、モバイル通信のトラフィック増大に伴い、更なる伝送容量の大容量化が求められている。
このような市場の要求に応じて、従来、幹線系システムに用いられてきたXPIC(Cross Polarization Interference Canceller:異偏波間干渉補償器)を用いた両偏波伝送も標準的に使われるようになっている。それでも28MHzの帯域幅で128QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を使い、STM(Synchronous Transfer Mode)−1信号2本を伝送する構成が、現在の標準的な大容量システムである。このシステムよりも更に伝送容量を大容量化するため、変調多値数を128値より上げたり、帯域幅を28MHzより広くしたりすることも考えられる。
しかし、さらに変調多値数を上げても、所要C/N(Carrier to Noise power ratio)の増加の割に、その容量拡大効果は小さく、コスト対効果が下がってしまうというデメリットがある。また、帯域幅を広げれば、雑音帯域幅分だけシステムゲインが低下し、かつ装置の消費電力が増加するというデメリットがある。より広い帯域幅(例えば56MHz)は、国によっては使用できない場合もある。60GHz以上の高周波帯を使えば広帯域は確保できるが、あまりにも周波数が高いことによる部品コストの増加とともに、大気による電波吸収により伝送距離が極めて短くなってしまうという欠点がある。
以上のような制約によって、マイクロ波、ミリ波通信システムの更なる大容量化は、困難な状況になっている。
上述したように、送受信局が固定され、数GHzから数十GHzの帯域を使用するマイクロ波、ミリ波通信システムでは、伝送容量を増加させる手段として、電波の2つの偏波を利用し、独立した2つの信号を同一周波数帯域で伝送する両偏波伝送方式が用いられている。このとき、偏波間の干渉によって伝送品質が劣化するため、その干渉を補償するXPICが実装される。これは、異偏波の信号を参照して、自偏波に漏れこんだ干渉成分を抽出し、それを自偏波信号から差し引くことで干渉を除去するものである(例えば、非特許文献1参照)。このXPICを用いた両偏波伝送方式により、同一帯域幅での伝送容量は2倍になる。しかし、これ以上の容量増大を実現するには、帯域幅を拡大する以外に手段がなかった。
一方、見通し外通信システムである移動体通信や無線LANシステムでは、送受に複数のアンテナを用いるMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)技術によって、伝送容量の拡大が実現されている。受信側には周辺からの反射によって複数の信号が受信されるが、この反射の状況は通信機自体あるいは周辺の散乱を起こしている物体の移動によって時間的に変動する。送受に複数のアンテナを用いた場合、この状況は複数の伝送路が存在していることと等価となり、同一周波数帯域でアンテナ数に応じた独立の信号を伝送することができる。しかし、この移動体通信システムでは、両偏波を利用したものはない。
これまで一般には、見通し内通信であるマイクロ波、ミリ波通信システムに対し、移動体のシステムと同じMIMO技術を適用することはできないとされていた。これは、次のような理由による。送受間の距離(例えば、数km〜数十km)が、実現可能なアンテナ設置間隔(例えば、数m)に比べ非常に長く、かつ定常的には散乱環境が存在しないため、異なるアンテナから送信された信号間の相関が非常に強くなる。その結果、伝送路としては1つにしか見えず、同一周波数帯域で伝送できる信号は1つになってしまう。つまり、見通し内通信システムでは、移動体で実用化されているようなMIMOによる並行通信路は成立しないことになる。
しかし、ある特定の条件の下では、見通し内で散乱がない環境でも独立した複数の通信路を形成することができる。この原理は、本願に関連する先行技術文献である非特許文献2のp174からp175に、次のように示されている。「アンテナ間隔が広い場合、複数の送信アンテナから1つの受信アンテナに到達した信号は、送信距離がほぼ等しいため振幅は同一とみなせる。しかし、周波数が高いため、送信距離のわずかな差分によって位相は異なることになる。この位相差が存在することによって、通信路行列H(Hの要素は、振幅と位相で複素表現された各アンテナ間の伝達関数)のランクは行列Hの次数に等しくなる。つまり、独立した通信路がアンテナ数分存在することになる。例えば、アンテナが2面の場合には、行列Hは2×2の正方行列となるのでランクは2となり、2本の通信路が形成される。送受各2面のアンテナを用いた場合の通信路行列Hは、以下のようになる。

ここで、hijは、送信アンテナjから、受信アンテナiへの複素伝達関数(位相項*振幅項)である(添え字の後ろ側が送信側を示す)。通信路行列Hのランクが、独立した通信路の数になる。」
ここで重要なのは、この原理に基づく通信路の形成は、通常のMIMOのように確率論的に変動するものではなく、幾何学的な条件による固定的なものになることである。一例として、図1の構成について説明する。伝送距離R、RF周波数f1に対し、送信側(Tx)の2つのアンテナから送信された信号を受信側(Rx)の1つのアンテナで受信するときの位相差(図中のR1とR3の差、R2とR4の差)がλ/4(λは1波長)になるようなアンテナ設置間隔を設定し、2つのアンテナから送信する信号AとBの位相をπ/2ずらせておく。そうすると、一方の受信アンテナにおいて信号Aは強め合うが信号Bは相殺され、他方のアンテナではその逆になる。その結果、同一周波数で伝送された2つの信号を、受信側で2つに分離することが可能となる。この信号分離には、通信路の散乱環境は不要であり、確率論的な通常のMIMOとは異なるものである。
しかし、非特許文献2に記載されているMIMOシステムの原理は、非常に特殊な条件でのみ成立するもので、実際に存在するアンテナ設置間隔の誤差や、風や振動によるアンテナの微小な揺れの影響によって、その条件は成立しなくなってしまうため、非実用的であった。
この問題を解決するための手段として、本出願人により本願に先行して出願された関連技術として、未公開の特許文献1には、移動体のMIMOで用いられるSVD(Singular Value Decomposition:特異値分解)や、その他の行列演算を適用することで、前記の変動要因があっても安定した通信路を形成できるMIMOシステムが記載されている。
つまり、非特許文献2に示された原理的な構成に対し、未公開の特許文献1に示されているMIMOの信号処理技術を適用すれば、見通し内通信システムであっても安定した空間多重による伝送容量の増大が可能となる。
特願2006−312277、“決定論的通信路を有するMIMO通信システム及び方法”、出願日:2006/11/17(未公開)
Junji Namiki and Shigeru Takahara, "Adaptive Receiver for Cross-Polarized Digital Transmission", International Conference on Communications, June 14-18, 1981, Conference Record. Volume 3. (A82-43778 22-32) New York, Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc., 1981, p. 46.3.1-46.3.5. P.F. Driessen and G.J. Foschini, "On the capacity formula for multiple input multiple output wireless channels: a geometric interpretation," IEEE Trans. Comm., vol. 47, no. 2, pp.173-176, February 1999.
しかし、実際に要求されている具体的な伝送容量は、GbE(Gigabit Ethernet(登録商標):ギガビットイーサ)対応のために必要な1Gbps(Gbit/sec)である。
MIMOのみで1Gbpsを実現するには、56MHz帯域幅で、アンテナを4面使用する構成が必要となるが、アンテナのコストがMIMOなしのシステムに比べ4倍になってしまう。マイクロ波、ミリ波の通信システムに使用されるアンテナは、数十cmから数mの大きさがあり、鉄塔やビルの屋上等に設置されるものである。このアンテナは、無線LANのアンテナのように小型、低コストのものではない。そのため、比較的大型で高価なアンテナを4面使用するのは、設置場所の確保やコストの面から、多くの場合現実的ではない。両偏波伝送にはアンテナを増やす必要はなく、アンテナ2面のMIMOと両偏波伝送の組み合わせによる伝送容量4倍増は、コスト対効果の高い構成である。
一方、広帯域化、あるいは変調方式の多値化でも以下のような問題がある。
現在の装置では、56MHz帯域幅を両偏波伝送で使用してもSTM−4(620Mbps)であるから、これをさらに2倍に上げるためには、帯域幅を112MHzにするか、1シンボルで14ビットを伝送できる16384QAMを使うしかないが、38GHzまでの帯域で考えるとどちらも非現実的である。
広帯域化による大容量化は、まず使用可能帯域幅が公的に規制されている点で限界があるというデメリットがある。それ以外に、広帯域化による大容量化は、無線通信システムの重要な指標であるシステムゲインが低下するというデメリットもある。これは、信号帯域幅が広がることで雑音の帯域幅も拡大し、受信しきい値電界値が低下することによる。また、60GHz以上の帯域では十分な広帯域を使用可能となるが、この帯域では大気の吸収が大きく、長距離の伝送ができない。
もし非特許文献2及び未公開の特許文献1に記載されている空間多重と、従来のXPICを用いた両偏波伝送と組み合わせることができれば、マイクロ波、ミリ波通信システムの伝送容量を、偏波多重で2倍、2面のアンテナを使ったMIMOによる空間多重で更に2倍、計4倍にすることが可能となる。
しかし、非特許文献2及び未公開の特許文献1には、空間多重に関する記述しかなく、両偏波伝送方式との組合せについては、何ら記載されていない。
非特許文献2及び未公開の特許文献1に記載のMIMOと、XPICとを組み合わせた無線通信システムでは、後述の参考例(図2参照)に示すように、空間と偏波とで4つの信号が合成された形で受信されるが、これを正しく復調しようとすると、他の3つの信号からの干渉を除去する回路を4つ並べる必要があると、一般的には考えられる。しかも、この構成でも正しく動作するという保証がない。そのため、空間多重と空間多重との単純な組合せは困難であると考えられる。
本発明の目的は、上記の課題に対し、MIMOによる空間多重と両偏波伝送を組み合わせたシステムを提供し、かつそのシステムを簡単な回路構成で構成し、空間と偏波という2つの多重化が重なった信号を精度良く復調する無線通信システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る無線通信システムは、固定された局に備わる複数の固定アンテナを備え、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムであって、送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行う送信部と、受信側の各アンテナで受信される信号に対して、前記偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理を行う干渉補償器と、前記干渉補償器に接続され、前記干渉補償器による信号処理とは独立して、前記MIMOの空間多重分離のための信号処理を行うMIMO信号処理回路とを具備する受信部と、を有し、送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とが、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、前記伝送路における通信路行列の情報を求めるために、前記送信側から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、前記MIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から前記通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする。
本発明に係る受信装置は、固定された局に備わる複数の固定アンテナを備え、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの受信装置であって、受信側の各アンテナで受信される信号に対して、電波の互いに直交する2つの偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理を行う干渉補償器と、前記干渉補償器に接続され、前記干渉補償器による信号処理とは独立して、MIMOの空間多重分離のための信号処理を行うMIMO信号処理回路と、を具備し、前記複数の固定アンテナ間の距離は、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差と、受信側の前記複数の固定アンテナとの関係を考慮して、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、前記伝送路における通信路行列の情報を求めるために、前記MIMO通信システムの送信装置から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、前記MIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする。
本発明に係る送信装置は、固定された局に備わる複数の固定アンテナを備え、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの送信装置であって、送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行い、前記複数の固定アンテナ間の距離と、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とは、受信側の前記複数の固定アンテナと共に、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、前記送信側から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、前記MIMO通信システムの受信装置に備わるMIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から前記通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする。
本発明に係る無線通信方法は、固定された局に備わる複数の固定アンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの無線通信方法であって、送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行い、受信側の各アンテナで受信される信号に対して、前記偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理と、前記MIMOの空間多重分離のための信号処理とを独立に行い、送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とが、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、前記伝送路における通信路行列の情報を求めるために、前記送信側から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、前記MIMOの空間多重分離のための信号処理は、前記パイロット信号から前記通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする。
本発明に係る受信方法は、固定された局に備わる複数の固定アンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの受信方法であって、受信側の各アンテナで受信される信号に対して、電波の互いに直交する2つの偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理と、MIMOの空間多重分離のための信号処理とを独立して行い、前記複数の固定アンテナ間の距離は、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差と、受信側の前記複数の固定アンテナとの関係を考慮して、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、前記伝送路における通信路行列の情報を求めるために、前記MIMO通信システムの送信装置から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、前記MIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする。
本発明に係る送信方法は、固定された局に備わる複数の固定アンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの送信方法であって、送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行い、前記複数の固定アンテナ間の距離と、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とは、受信側の前記複数の固定アンテナと共に、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、前記送信側から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、前記MIMO通信システムの受信装置に備わるMIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から前記通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする。
本発明によれば、MIMOによる空間多重と両偏波伝送を組み合わせたシステムを提供し、かつそのシステムを簡単な回路構成で構成し、空間と偏波という2つの多重化が重なった信号を精度良く復調する無線通信システムを提供することができる。
関連技術における経路長差によるMIMOを説明する図である。 本発明の参考例に係る無線通信システムの受信側構成図である。 本発明の実施例1、2に係る無線通信システムの送信側構成図である。 本発明の実施例1に係る無線通信システムの受信側構成図である。 図4におけるDEM回路の構成図である。 図4におけるMIMO信号処理回路の構成図である。 図4における干渉補償器(DEM XPIC1)の構成図である。 図7におけるXPIC回路の構成図である。 本発明の実施例2に係る無線通信システムの受信側構成図である。 図9における干渉補償器(DEM XPIC2)の構成図である。 本発明の実施例3に係る無線通信システムの送信側構成図である。 本発明の実施例3に係る無線通信システムの受信側構成図である。 本発明の実施例4に係る無線通信システムの送信側構成図である。 本発明の実施例4に係る無線通信システムの受信側構成図である。 本発明の実施例5に係る無線通信システムの送信側構成図である。 本発明の実施例5に係る無線通信システムの受信側構成図である。
次に、本発明に係る無線通信システム、受信装置、送信装置、無線通信方法、受信方法、及び送信方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の実施例を具体的に説明する前に、これに関連する参考例(構成例)について図2に基づいて説明する。
まず、複数のアンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成するMIMO通信システムにおいて、MIMOの空間多重と、電波の互いに異なる2つの偏波、すなわちV(Vertical:垂直)偏波とH(Horizontal:水平)偏波を使った両偏波伝送とを併用する場合を考える。この場合、受信側でMIMOの空間多重分離と、異偏波間の干渉成分を除去する干渉補償との両方の信号処理を実行する必要がある。この場合、MIMOの空間多重分離と異偏波間干渉補償とのそれぞれの信号処理は、その片方の信号処理しか実行しない場合と同等の精度で実行する必要がある。これを実現するための回路構成例を図2に示す。
図2に示す無線通信システムは、MIMOとXPICとを組み合わせた場合の受信機に適用したものである。同図に示す受信機は、2つのアンテナ(ANT1、ANT2)11、12と、その出力側に電波のV偏波とH偏波とに応じて設けた4つの受信器(Rx)21〜24と、4つの復調器(DEM(demodulator)回路)81〜84とを有している。
復調器81には、自偏波の等化器を構成するDEM801のほか、3つの干渉補償器(IC1〜IC3)811〜813が搭載される。他の復調器82〜84も同様の構成である。各干渉補償器811〜813の入力信号は、各復調器(DEM1〜DEM4)81〜84の準同期検波結果をディジタル値に変換したもの(DEM*S(*は自分の番号を除く1〜4))である。
各復調器81〜84は、電波のV偏波とH偏波との両偏波伝送によって生じた偏波間干渉を除去する機能と、MIMOの空間多重を分離する機能とを、それぞれの干渉補償器として、各アンテナ11、12の出力側に並列に実装したものである。この例では、1つの復調すべき信号は、直接的には同じ偏波で空間多重による干渉と同じアンテナで異偏波の干渉の2つの干渉を受けている。さらに、これらの干渉信号自体も他の信号からの干渉を受けている。このため、自分の信号以外のすべての信号から干渉を受けている。その対策として、これら3つの干渉をそれぞれ補償するための干渉補償器が必要になる。これが、図2に示す3つの干渉補償器811〜813である。これらの出力をすべて差し引くことで干渉が補償される。
各復調器81〜84は、すべて同じ構成であり、各干渉補償器811〜813は、すべて入力信号が異なるため共用化することはできない。1つの復調器は、回路規模の大きな3つの干渉補償器(自偏波の等化器であるDEM801も含めると4つ)から構成されており、全体の回路規模は、さらにその4倍になってしまう。この構成では、コスト、消費電力の点で、実用上の許容範囲を超える可能性がある。
上記のようにMIMOとXPICとを組み合わせた無線通信システムにおいて、両偏波伝送によって生じた偏波間の干渉を除去する機能と、MIMOの空間多重を分離する機能とをアンテナの出力側に並列に実装した構成の場合には、回路規模が大きくなり、コスト及び消費電力の点で実用上の許容範囲を超える可能性もあるといった問題がある。
そこで、本発明の実施例では、上記の問題を解決するため、複数のアンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成するMIMO通信システムであって、受信側にMIMOの空間多重された信号の分離機能と異偏波間の干渉補償(XPIC)機能を持ち、空間多重された信号の分離と、異偏波間の干渉除去の2つの機能を独立、かつ縦列に接続し、どちらかを先に処理し、その後他方の信号処理を行う無線通信システムとしている。この無線通信システムは、簡易な構成で4つ以上の独立した信号を同一帯域で伝送するものである。
すなわち、本発明の実施例では、受信側に空間多重分離のための信号処理と、異偏波間干渉を補償するXPICの2つの機能を持ち、その2つを縦列に接続することで、2つの多重化のうちの片方を先に分離あるいは干渉補償し、その後に他方の信号処理を行うことで、MIMOに必要な信号処理回路とXPICという、最低限必要な回路のみで、2種類の多重化信号を精度を落とすことなく分離することができるようにしている。
その特徴を要約すると、以下のようにまとめることができる。
非特許文献2に示された空間多重は、経路長差に起因する信号の位相差により成立しているため、見通し内通信に対しても成立する。しかし、その成立条件は非常に厳しく、実在する劣化要因で容易に崩れる。これを補うために、本出願人による先行出願である未公開の特許文献1による通常のMIMOで用いられている信号処理回路を適用する。送信する信号に互いに直交するパイロット信号を適用すると、他の干渉成分によらず、復調すべき信号の位相情報を抽出することが可能である。また、異変波間干渉のような位相差に影響がない要因は、MIMOの条件成立に何ら影響しない。
一方、異偏波間干渉補償は、干渉源の信号を参照しながら、干渉成分を抽出することにより実行される。このとき、干渉信号、非干渉信号が空間多重されたものであろうがなかろうが、干渉補償のための信号処理には、何ら影響を与えない。
よって、空間多重と異偏波間干渉は、互いに影響することがなく、独立に信号処理を行うことができる。よって、空間と偏波という2つの多重化を組み合わせたシステムに必要な回路は、空間多重だけのシステムと、両偏波伝送だけのシステムに必要な回路だけになる。
以下、本発明の実施例について、最も基本的な構成であるアンテナ数が送受とも2面ずつの例で、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施例1に係る通信システムの送信側(送信局、送信機、送信装置、又は送信部)と受信側(受信局、受信機、受信装置、又は受信部)とに分けて、各々の構成と共に、その動作について説明する。なお、送信側、受信側とも、MIMOの信号処理に関する構成は、特許文献1の図5に示される構成例4(受信側で通信路行列Hのユニタリー行列を演算し、送信側及び受信側共に、アンテナ毎に独立な局部発振器を用いる場合)を基にしている。
[送信側の構成]
図3は、実施例1に係る通信システムの送信側構成例を示す。
図3に示す通信システムは、送信側の構成として、4つの送信器(Tx)201〜204、4つの変調器(MOD:Modulator)101〜104、2つの送信アンテナ(アンテナ1(ANT1)(以下、「第1の送信アンテナ」と呼ぶ)、アンテナ2(ANT2)(以下、「第2の送信アンテナ」と呼ぶ))13及び14、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)用の局部発振器(IF LO(Local Oscillator))96、及びRF(Radio Frequency:無線周波数)用の局部発振器(RF LO)92を有している。
送信側では、図3に示すように4本のBB(ベースバンド)信号(S1 In〜S4 In)を伝送するものとする。例えば、全部でSTM−4の伝送装置を構成するのであれば、各BB信号がSTM−1(155.52Mbps)の信号になっている。
各変調器101〜104は、各々のBB信号を入力し、パイロット信号を周期的に挿入した後、IF用の局部発振器96からのIO信号を用いて、直交変調してIFの変調波(IF信号)に周波数変換し、各送信器201〜204に出力する。
各送信器201〜204は、RF用の局部発振器92からのIO信号を用いて、入力されたIF信号をRF帯の信号(RF信号)に周波数変換し、送信出力レベルまで増幅して、第1の送信アンテナ(アンテナ1:ANT1)13及び第2の送信アンテナ(アンテナ2:ANT2)14に出力する。
各変調器101〜104間の局部発振器(IF LO)96、各送信器201〜204間の局部発振器(RF LO)92は、周波数同期しているものとするが、位相差はあっても良い。また、各BB信号のクロックは、復調器の構成によって、同期に関する条件が異なる。この条件については、後述する復調器の説明の後で述べる。
各変調器101〜104のIF周波数、各送信器201〜204のRF周波数は、すべて同一(同期しているという意味ではない)であり、送信帯域は4つの信号とも同じである。同一アンテナに接続される2つのRF信号は、異なる偏波(通常V(Vertical:垂直)とH(Horizontal:水平)で表現される)を用いている。2つの送信アンテナ13及び14の間隔dTは、RF信号の波長λよりも十分広いとする。2つの送信アンテナ13及び14を離す方向は、後述する受信側の2つの受信アンテナを離す方向と同じであれば水平でも垂直でも良い。RF信号の波長λは、次式で求められる。
ここで、cは光速度3×10(m/s)、fはRF信号の周波数(Hz)、波長λの単位は(m)である。例えば、RF周波数が30GHzのとき、波長はほぼ0.01m、つまり1cmになる。非特許文献2の原理だけで構成する固定的なMIMOシステムが非現実的なのは、この波長の短さによるものである。つまり、全体がmm単位の精度を保っていないとMIMOの伝送路成立条件が成り立たない。アンテナ設置間隔の精度をmm単位にすることは非常に困難であるし、鉄塔に取り付けられているアンテナは、風などの影響でゆっくりで微小ではあるが常に位置が変動している。よって、通信路の経路長差による受信信号の位相差をmm単位で固定させることは、非現実的である。
この問題を解決するものが、特許文献1の構成である。特許文献1には、様々なタイプの構成が示されているが、ここではMIMO信号処理を受信側だけで行う構成で説明するが、他の構成でも何ら変わりはない。なお、以降、送信側のアンテナ間隔dTと受信側のアンテナ間隔dRは等しいことを前提として説明するが、等しくなくてもMIMOシステムが構成できることが特許文献1に示されている。
上記の各送信器201〜204から送信された信号は、通信路にV/Hの偏波間の干渉があるとすると、1つの信号に他の3つの信号が重なり合って受信側に到達することになる。
以上のようにして、実施例1に係る通信システムでは、送信側の2つの送信アンテナ13及び14から後述する受信側の2つの受信アンテナへ、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交するV/Hの2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行う。
[受信側の構成]
図4は、実施例1に係る通信システムの受信側構成例を示す。
図4に示す通信システムは、受信側の構成として、2つの受信アンテナ(アンテナ1(ANT1)(以下、「第1の受信アンテナ」と呼ぶ)、アンテナ2(ANT2)(以下、「第2の受信アンテナ」と呼ぶ))11及び12を備える。そして、この第1及び第2の受信アンテナ11及び12の出力側に、4つの受信器(Rx)21〜24と、2つの復調器(DEM回路)31、32と、2つのMIMO信号処理回路41、42と、4つの干渉補償部(DEM XPIC1回路)51〜54と、RF用の局部発振器(RF LO)91と、IF用の局部発振器(IF LO)95とを有している。
第1の受信アンテナ11と、第2の受信アンテナ12とは、互いに距離dRだけ離れて設置されている。
4つの受信器21〜24のうち、第1の受信アンテナ11側に接続された2つの受信器21、22は、第1の受信アンテナ11で受信されたRF信号をV偏波信号とH偏波信号とに分離し、分離された各信号をRF用の局部発振器91から供給されるLO信号を用いてそれぞれIF信号に周波数変換し、変換された各IF信号をV偏波用の復調器31とH偏波用の復調器32とにそれぞれ出力する。この動作は、4つの受信器21〜24のうち、第2の受信アンテナ12側に接続された2つの受信器23、24も同様である。このときの偏波毎の分離は、完全ではなく相互に干渉分が発生する。従って、通信路で偏波間干渉が発生していなくても、干渉分は0にはならない。これは、送信アンテナにおいても同じである。なお、本来受信したい信号(Desire)と、それに干渉を与える異偏波側の信号(Undesire)との電力比をD/U(Desire to Undesire Power Ratio)という。
以上の動作により、4つの受信器21〜24の各出力のうち、同じ偏波同士の信号が各々の復調器(DEM回路)31、32に入力される。
図5は、DEM回路31、32の内部構成例を示す。
図5に示すように、DEM回路は、2つの復調回路(Q(Quadrature)−DEM回路)301、302と、2つのA/D変換器303、304と、2つの相関器(CORR(correlator))305、306とを有している。
各Q−DEM回路301、302は、IF用の局部発振器95から供給される同一あるいは非同期のLO信号(IF LO)を用いて各IF信号(S1 In、S2 In)を直交復調し、2つのBB信号に周波数変換し、その各BB信号を各A/D変換器303、304に出力する。
各A/D変換器303、304は、周波数変換された2つのBB信号をそれぞれディジタル信号に変換し、その各ディジタル信号(S1 Out、S2 Out)を各相関器305、306と、MIMO信号処理回路41、42とにそれぞれ出力する。一般にこの段階のLO周波数は、受信信号のキャリア周波数と同期している必要はない。その差分の周波数は、後段のキャリア再生回路で補正される(準同期検波)。
各相関器305、306は、A/D変換された2つのディジタル信号から、パイロット信号(後述参照)に相当する部分の信号を抽出し、復調しようとしている信号に適用されたパイロット信号と相関計算を行って通信路行列Hの各要素を求め、位相差情報を得る。この相関計算で求められた通信路行列Hの各要素は、MIMO信号処理回路41、42の係数(C1 Out〜C4 Out)として用いられる。
図6は、MIMO信号処理回路41、42の内部構成例を示す。
図6に示すMIMO信号処理回路は、複素乗算回路(乗算器401〜404、加算器405、404)で構成され、この回路構成により、DEM回路の各相関器305、306から供給される係数(C1〜C4)と、DEM回路出力に対応する入力信号(S1 In、S2 In)との行列演算を行う。この演算により、アンテナ設置間隔の誤差や、風によるアンテナ位置の変動といった時間的に変化しない、または非常にゆっくり変化するMIMO成立条件の変動要因の影響を除去したうえで、空間多重されていた2つの信号(S1 Out、S2 Out)が分離される。
ここで、パイロット信号から求められる通信路行列Hの各要素は、本来振幅と位相の両方からなるが、通信路の経路長がほぼ等しいため振幅の差は極めて小さく、相対的には同じ振幅とみなせることから位相のみを考慮すればよいことになる。この点は、非特許文献2にも示されている。パイロット信号は、予め決められた既知の固定パターンである。受信側では、周期的に受信されるパイロット信号が本来のパターンからずれている量を計算することで、通信路行列Hの各要素(情報)を知ることができる。この通信路行列Hの各要素から、MIMO信号処理回路41、42の係数(C1〜C4)が求められる。
このMIMO信号処理回路41、42の各々2つの出力(S1 Out、S2 Out)は、同一偏波で伝送され、異なる受信アンテナで受信された信号である。V偏波、H偏波ともに同じ処理が行われる。次に、2つのMIMO信号処理回路41、42の出力4本のうち、同じ受信アンテナで受信された信号同士を、各々の干渉補償部(DEM XPIC1回路)51〜54に入力する。
図7は、DEM XPIC1回路51〜54の内部構成例を示す。
図7に示すDEM XPIC1回路は、キャリア再生回路(CARR REC)501、XDEM回路502、XPIC回路(本発明の干渉補償器に対応する。)503、及び加算器504を有している。キャリア再生回路501は、復調すべき自分の信号(自偏波入力)に残っているキャリア位相回転を完全に除去する。XDEM回路502は、キャリア再生回路501で生成したディジタルのLO信号(sinとcos)を受けて、そのLO信号で干渉補償の参照信号として入力された異偏波側の信号(異偏波入力)にキャリア位相回転を与える。XPIC回路503は、復調した自分の信号から得られた誤差信号とXDEM回路502の出力信号との相関をとって、干渉成分のレプリカを生成する。加算器504は、干渉を受けている自分の信号から干渉成分のレプリカを差し引く。
図8は、XPIC回路503の内部構成例を示す。
図8に示すXPIC回路503は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタ(シフトレジスタ514、乗算器515、加算器516から成る)と、その係数制御回路517とを有している。
係数制御回路517は、FIRフィルタの各タップに相当するXPIC入力信号511と誤差信号512の相関をとり、その結果を積分することで自動的に各タップ係数C1〜C5を生成する。最終的には、XPIC回路503の出力513であるレプリカを、干渉を受けている自分の信号から差し引くことで干渉が除去される。
XDEM回路502で異偏波側の信号を位相回転させるのは、送受の受信器間で干渉が発生したときのVとHの信号間のキャリア周波数の関係が、そのままXPIC回路503に入力されるようにするためである。つまり、受信側のLO周波数をRFからIFまで、すべてV/H間で同期させることにより、XPICでは送信側のV/Hのキャリア周波数差によらず、干渉が発生した段階の位相関係をBB信号において保つことができる。その結果、XPIC回路503では、干渉成分が抽出できることになる。このXPICの動作原理については、既に広く知られており、ここではこれ以上の説明は行わない。もし、受信側のRF LOをV/Hで非同期とした場合は、自偏波信号との加算前のどこかの段階で、その周波数差を補償する回路を挿入する必要がある。つまり、どのような形態であれ最終的には受信側のLOがすべて周波数同期している状況が必要である。反対側の偏波の復調器におけるXPICは、VとHが入替わっただけで、まったく同様に動作する。
こうすることで、干渉補償部(DEM XPIC1回路)51〜54において、異偏波間の干渉成分が時々刻々と変化していく場合でも、それに合わせて干渉成分のレプリカを変化させるという適応制御によって、異偏波間の干渉成分が除去される。
以上のようにして、図4に示す各干渉補償部(DEM XPIC1回路)51〜54からは、空間多重分離と異偏波間干渉除去が行われた品質の良い信号(S1 Out〜S4 Out)が出力される。
以上説明したように、図4の実施例1は、最初にMIMO信号処理回路41、42で空間多重分離を行い、その後に干渉補償部(DEM XPIC1回路)51〜54で異偏波間干渉除去を行っている。図2に示した並列の信号処理ではない。このような構成で、正常に動作する理由を以下に説明する。
異偏波間干渉がない場合に、空間多重分離がMIMO信号処理回路で実行されることは、特許文献1に示されている通りであるので、ここでは特に説明しない。特許文献1と異なるのは、異偏波間干渉が存在することだけである。異偏波間干渉が、空間多重分離に与える影響を考えるために、まず異偏波間干渉がどのようにして発生するのかを説明する。異偏波間干渉は、通信路における降雨時の雨滴により偏波面がずれることと、アンテナのXPD(Cross Polarization Discrimination:異偏波識別度)の劣化によって発生する。このような異偏波間干渉の発生要因が存在するときでも、それがまったくない場合でも、同一偏波で異なるアンテナから送信された2つの信号は、まったく同じ経路をたどって受信される。
本発明における空間多重は、2つの信号の経路長差による信号の位相差によって成立しているので、経路長がまったく変わらなければ、その通信路の独立性に何ら影響を受けない。従って、異偏波間干渉はMIMOの信号処理に影響しない。つまり、異偏波間干渉を無視して、MIMO信号処理により空間多重分離を行うことができる。空間多重分離は、異偏波間干渉があれば、干渉があるそのままの形で実行される。空間多重分離の処理によって、異偏波間干渉量は増減しないし、異偏波間干渉の有無によって空間多重分離の精度は変わらない。この点は、後で数式により示す。
空間多重分離が完了してしまえば、後は通常の異偏波間干渉を受けた信号が4種類存在するだけである。つまり、通常の両偏波伝送が独立に2組あるだけであるから、XPICを使って干渉を除去することが可能となる。
従って、図4の実施例1のように、まず空間多重の分離を行い、次に異偏波間干渉補償を行うという時系列的な処理で、正しい復調が行えることになる。
[パイロット信号に関する説明]
まず、一般的なパイロット信号に関して説明する。
パイロット信号は、通信路行列Hの情報を受信側で得るために、送信される信号系列の中に周期的に挿入される固定パターンの信号である。具体的には、一定数のQPSK(4相位相変調)送信シンボルから成る。送受で既知の信号を送信することで、受信信号から通信路の影響を知ることができる。変調器が多値QAM用のものであっても、パイロット信号の信号点座標はQPSK相当になっているので、パイロット信号の部分はQPSKで送信されることになる。
特許文献1に示されている空間多重システムの場合、アンテナが送受2面ずつでは、それぞれのアンテナから送信される信号に対し、互いに直交するパイロット信号を割当てる。
相対する送信シンボルの座標同士を掛け合わせて、全シンボル数分加算した結果が0になるとき、2つのパターンは直交しているという。つまり、直交する2つのパイロット信号(複素数表現した送信シンボルの座標)をp1(i)、p2(i)、シンボル数をnとすると、次式が成立する。
受信側では、次のような相関演算によって、通信路行列Hの各要素を求めることができる。
上式において、r1(i)は、パイロット信号が送信されているタイミングの第1の受信アンテナの受信信号であり、同様にr2(i)は第2の受信アンテナの受信信号である。もし、送受とも2つのアンテナが、十分離れて配置されていれば、第1の送信アンテナで送信された信号は、受信側の第2の受信アンテナには届かない。逆も同様である。よって、このとき、h12とh21は0となる。これが完全に独立な2つの通信路が存在している場合である。2つのアンテナが近いと、他方のアンテナに受信されるレベルが高くなるため、h12、h21が値を持つようになる。
一方、空間多重のない異偏波多重だけのシステムでは、受信信号と干渉側の信号の相関を取ることで干渉成分のレプリカを生成することが可能なため、パイロット信号は用いられない。
次に、本発明におけるパイロット信号の適用方法について説明し、パイロット信号による通信路行列Hの情報抽出が、異偏波間干渉によらず正しく行えることについて説明する。
本発明の実施例1においては、偏波と空間で4つの信号が存在し、この4つの信号に対し、互いに直交する、異なるパイロット信号p1からp4を適用する。ここでは、p1は第1の送信アンテナから送信されるV偏波V、p2は第1の送信アンテナから送信されるH偏波H、p3は第2の送信アンテナから送信されるV偏波V、p4は第2のアンテナから送信されるH偏波H、にそれぞれ適用する。
例えば、受信側で、4つの信号V、H、V、Hが重なり合った受信信号とパイロット信号p1との相関を取ると、パイロット信号p1はそれ以外のパイロット信号p2〜p4とは直交関係にあるため、相関値として現れるのはV偏波の信号Vの位相差情報のみとなる。他も同様で、復調したい信号だけの位相差情報を得ることができる。
図4の復調器31では、V偏波信号が集められており、第1の受信アンテナ11で受信されたV偏波の信号Vとパイロット信号p1、第2の受信アンテナ12で受信されたV偏波の信号Vとパイロット信号p3との相関を計算する。2つの相関計算で求められた相関係数をMIMO信号処理回路41に与えると、空間多重された信号が分離される。このとき異偏波間干渉は、信号の直交性には何ら影響せず、またMIMO信号処理回路41において何ら変化しない。H偏波側の信号も同様で、復調器32に入力されたH偏波の2つの信号H、Hとパイロット信号p2、p4との相関を取り、得られた係数で、H偏波の空間多重分離が行われる。
なお、異偏波間干渉に対する前提条件として、D/Uは∞(干渉がない状態)から最低1(0dB)までを考える。この条件から、復調すべき信号とパイロット信号との相関計算から得られる位相情報は、必ず復調すべき信号に対してのものになる。
[本発明のLO周波数、位相の関係]
送信側には、図3に示すようにIF段とRF段にそれぞれ局部発振器(LO)96、92があるが、MIMOを併用しない通常の両偏波伝送システムでは、この2つともV/H間で非同期である。一方、受信側にも図4に示すようにIF段とRF段の局部発振器(LO)91、95があるが、通常の両偏波伝送システムでは、XPICを機能させるために2つともV/H間で同期させる必要がある。実際には、IF信号からBB信号への周波数変換の際に同じIF LO信号を用いる。アンテナ間のLO信号は、特許文献1では非同期である。実施例1の送信側LO信号は、位相差があってよいが、すべて周波数同期しているものとする。受信側LO信号も同期しているものとする。
以下の説明では、Sを第1の送信アンテナ13から送信されるV偏波VとH偏波Hの加算信号、Sを第2の送信アンテナ14から送信されるV偏波VとH偏波Hの加算信号とする。また、第1の受信アンテナ11で受信される空間多重された信号をR、第2の受信アンテナ12で受信される空間多重された信号をRとする。更に、MIMO信号処理回路41から出力される第1のV偏波信号をY、第2のV偏波信号をYとする。
そうすると、パイロット信号p1とp3から算出されるMIMO信号処理回路41の係数は、次式のように与えられる。
V偏波用の復調器31では、V偏波用のパイロット信号p1とp3で相関計算を行う。その結果、空間多重、異偏波間干渉に影響されない位相検出が可能になる。算出された係数は、特許文献1に示されているものと同じ(振幅係数の1/√2は無視)になり、MIMO信号処理は次式の演算となる。
ここで、α、βをD/Uに相当する振幅比とする(α=0のときがD/U=∞、α=1のときがD/U=0dB。βも同様。)と、S、Sは次式のように表される。また、Vの位相を基準としたH、V、Hの位相をそれぞれθ1、θ2、θ3とする。この位相には、LO信号の位相差とともに、アンテナ位置のずれによる経路長差に起因する位相差を含むものとする。アンテナ位置のずれがない場合、Sは第1の受信アンテナにSに対しπ/2遅れて到達する。同様に、Sは第2の受信アンテナにSに対しπ/2遅れて到達する。よって、MIMO信号処理回路41の出力は、以下のようになる。
上式は、MIMO信号処理回路41から、それぞれ異偏波間干渉を含む第1の受信アンテナ11でのV偏波信号Vと、第2の受信アンテナ12でのV偏波信号Vが出力されることを示している。
H偏波用の復調器32も同様で、H偏波用のパイロット信号p2とp4で相関計算を行う。その結果、MIMO信号処理回路42の出力では、それぞれ異偏波間干渉を含む第1の受信アンテナ11でのH偏波信号Hと、第2の受信アンテナ12でのH偏波信号Hが得られる。
つまり、4つの信号に挿入するパイロット信号として互いに直交するようなパターンを選択すると、異偏波間干渉の程度によらず、空間多重分離のための位相情報を抽出することが可能になる。その位相情報を用いることで空間多重の分離は正常に行われ、異偏波間干渉成分はそのままの状態でMIMO信号処理回路41、42から出力される。
すなわち、通信路行列の情報を求めるために、送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、異なるアンテナで送信する信号間でも、同じアンテナで送信する異偏波の信号間でも、互いに直交する信号系列とすることが好ましい。
以上、送信側のLOが周波数同期していることを前提に説明したが、実際には位相差が時間的に変化していれば周波数差が存在することになる。上記の式は、この周波数差の存在を許容できることを示している。つまり、周波数差があっても、それによる位相差を正しく検出できれば、空間多重の直交通信路を維持できる。どこまでの周波数差を検出できるかは、全信号に対するパイロット信号の比率と、信号の速度に依存する。パイロット信号を増やす、あるいは高速信号を伝送する装置では、周波数差の許容範囲が拡大する。IFのLOは、周波数が低いため、その周波数差は十分小さく、実用上は同期させる必要がない。回路の実装上の条件から、異なるLOを使用するのであれば非同期になり、同じLOを使えば同期になる。RFのLOも同様で、その周波数差が十分小さければ、周波数同期している必要はない。
以上説明したように、本実施例によれば、以下に記載するような効果を奏する。
第1の効果は、2つの信号演算(MIMOとXPIC)を独立に、かつ時系列的に実行しているので、必要以上に多数の信号を用いた演算が不要になり、簡単な回路構成にできることである。
第2の効果は、2つの信号演算は、ともに線形処理であり、どちらを先に実行しても同じ結果が得られるようになっているので、装置の実現に適した回路構成が選択できることである。
第3の効果は、2つの信号演算を個別に実行してよいことが理論的に裏付けられているため、復調動作の安定性が保証されていることである。このことは、上記の数式(「数3」〜[数6])により示されている。すなわち、本実施例におけるMIMOの空間多重は、2つの信号の経路長差による信号の位相差によって成立しているので、経路長がまったく変わらなければ、その通信路の独立性に何ら影響を受けない。よって、異偏波間干渉はMIMOの信号処理に影響せず、異偏波間干渉を無視して、MIMO信号処理により空間多重分離を行うことができる。つまり、空間多重分離は、異偏波間干渉があれば、干渉があるそのままの形で実行されるが、空間多重分離の処理によって異偏波間干渉量は増減せず、異偏波間干渉の有無によって空間多重分離の精度は変わらない。
第4の効果は、MIMOと両偏波伝送の組合せ自体の効果として、MIMOのみによる伝送容量4倍増ではアンテナが4面必要になるのに対し、MIMOと両偏波伝送の組合せではアンテナが2面で済むのでコスト対効果が高いことと、帯域拡大と両偏波伝送の組合せでは帯域を拡大するためにシステムゲインが低下するのに対し、MIMOと両偏波伝送の組合せでは帯域を拡大しないのでシステムゲインが低下しないことである。
次に、本発明の実施例2に係る通信システムについて、図9、図10を参照して説明する。
前述の図6、図8を見ると判るように、MIMO信号処理もXPICにおける信号処理も、線形演算である。従って、どちらを先に処理しても同じ結果が得られることになる。このため、実施例2の受信側構成では、実施例1とは逆に、MIMO信号処理回路よりもXPICを先に配置した構成となっている。
図9は、実施例2に係る通信システムの受信側構成例を示す。
図9に示す通信システムの受信側の構成要素は、図4とほぼ同じなので、その詳細については特に説明しない。図9に示すように、第1及び第2のアンテナ11、12に接続されたV偏波信号及びH偏波信号の各受信器21〜24の出力側に、4つの干渉補償部(DEM XPIC2回路)61〜64が配置され、その後段に2つのMIMO信号処理回路41、42が配置され、その後段に4つのDEM回路71〜74が配置されている。
図10は、DEM XPIC2回路61〜64の内部構成例を示す。
図10に示すDEM XPIC2回路は、前述した図5に示すDEM回路内の2つの復調回路(Q−DEM回路)301、302及びA/D変換器303、304と、前述した図7に示すDEM XPIC1回路内のXPIC回路(本発明の干渉補償器に対応する。)503及び加算器504とを有している。実施例1の構成と比べると、A/D変換を行う位置は、復調演算の前になるので、A/D変換器と他の機能との組合せが変わっている他は、実質的な差異はない。
異偏波間干渉は、元になる信号が空間多重された信号であってもなくても、その干渉分を抽出することができれば補償することが可能である。DEM XPIC2回路61〜64の出力信号で誤差信号を生成できれば、その誤差信号とXPIC回路503の入力信号との相関を取ることによって、空間多重されたままの形で干渉レプリカが生成されることになる。つまり、空間多重を無視して、XPICによる干渉補償が実行できる。XPICの処理によって、空間多重通信路の直交性は変化しないし、空間多重によってXPICによる干渉補償の精度は変わらない。干渉補償が完了してしまえば、後は通常の空間多重を受けただけの信号が2つ存在するだけであるから、MIMO信号処理回路41、42によって分離することが可能となる。
従って、図9の実施例2のように、まず異偏波間干渉を行い、次に補償空間多重の分離を行うという時系列的な処理で、正しい復調が行えることになる。実施例2の場合は、受信側ではXPICが先に動作し、干渉補償がされてからパイロット信号の検出が行われるため、異偏波間干渉は通信路行列の情報抽出に影響しないことは明らかである。
[クロック同期]
パイロット信号を同じタイミングで観測する必要があることと、A/D変換した後の信号をすべての回路で使用する必要があるため、4つの送信信号系列間では、クロック同期している必要がある。
実施例2では、最初に異偏波信号を分離するが、偏波ごとにクロック同期を行うため、送信側で同じ偏波同士がクロック同期していれば、問題なく動作する。
[他の実施例]
上記の説明は、最もコスト対効果の高いアンテナが送受2面ずつの例で説明したが、3面ずつ、あるいは4面ずつでも、本質的には変わりがなく、本発明の構成を適用することが可能である(後述の実施例5参照)。アンテナ面数に比例して伝送容量を拡大することができる。アンテナをどこまで増やすかは、コスト対効果の判断による。多面アンテナでの空間多重化については、特許文献1に示されている。
以上、実際に用いられる準同期復調を前提に説明したが、本発明は同期検波の復調器であっても適用できることは言うまでもない。この場合、実施例1でも2でも、最初にあるDEM回路で同期したLO信号を使うことになる。その制御信号(APC信号)は、最終段の復調結果から得られる誤差信号から生成され、後段のキャリア同期回路は不要となる。
また、IF信号をBB信号に変換する部分をアナログ直交復調回路として説明したが、A/D変換した後ディジタルの直交復調回路で実現しても良い。また、アナログ乗算器で周波数変換した後、A/D変換してディジタル直交復調回路で実現しても良い。この部分の回路構成をどのようにしても、本発明の効果に本質的な影響はなく、信号速度、IF周波数等により、最適な構成を選択すればよい。
本発明においては変調多値数には、特に制限はない。QPSKを使って、大容量(当然128QAMを使った場合の容量よりは少ないが)でありながら、システムゲインの高いシステムとすることもできる。逆に、コストに問題がなければ、256QAM以上の超多値変調方式を用いて、極限まで高い容量とすることも可能である。
また、MIMOの空間多重と、両偏波伝送時の異偏波間干渉は、独立に扱えるので、本発明の送信機、受信機におけるMIMOの信号処理回路の実装に関しては、特許文献1の構成(構成例1〜7)をすべて含むことができる。以下、この場合の実施例について、図11〜図16を参照して説明する。
図11は、本発明の実施例3に係る無線通信システムの送信側(送信部)の構成を示す。図11の例は、図3に示す実施例1に係る無線通信システムの送信側の構成を、特許文献1に示されている構成例1、2(送信側で通信路行列Hのユニタリー行列を演算する場合)の送信側に適用したものである。
図11に示す無線通信システムは、前述した図3(実施例1)の構成と同様に、送信側に2本の送信アンテナ13a、13bを有し、受信側に2本の受信アンテナ11a、11bを有し、送信側及び受信側間に互いに直交する伝送路を固定的に形成するMIMOシステム(見通し内通信システム)である。
図11において、dTは、2本の送信アンテナ13a及び13bの設置間隔(素子間隔)、dRは、2本の受信アンテナ11a及び11bの設置間隔(素子間隔)、Rは、伝送路の送受信間距離、Δθは、送受信アンテナ間の対向伝送路に対する対角経路の角度をそれぞれ示す。また、λは、伝送されるRF信号の波長、ψは、第2の送信アンテナ13bのアンテナ位置変動によるRF信号の位相シフト、をそれぞれ示す。
図11に示す無線通信システムにおいて、送信側及び受信間の伝送路における通信路行列H(前述した4つの要素h11、h12、h21、h22から成る。)は、MIMOにおけるSVD(特異値分解)の行列演算を適用して、H=U・Λ1/2・Vで表現される。ここで、Vは送信側での行列演算で用いるユニタリー行列(Vは行列Vのエルミート転置行列)、Uは受信側での行列演算で用いるユニタリー行列、Λ1/2は特異値直交行列である。送信側でのユニタリー行列Vによる行列演算では、受信側から送信側へユニタリー行列構築のためのフィードバック情報が受け渡される。
図11に示すMIMOシステムの送信部は、4つのBB信号S1〜S4を入力し、送信側の2本のアンテナ13a、13bから送信される2つの信号s、sとして、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波V、Hを使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行う。この送信部は、V偏波用の変調器101aと、H偏波用の変調器101bとを有する。両変調器101a、101bは、図3に示すV偏波用の変調器101、102と、H偏波用の変調器103、104とにそれぞれ対応し、いずれも複素乗算回路(ユニタリー行列Vの4つの要素V11、V12、V21、V22を係数として用いる4つの乗算器と、その乗算信号を加算する2つの加算器)で構成される。
V偏波用の変調器101aは、2つのBB信号S1、S2をそれぞれ乗算器に並列に入力し、ユニタリー行列Vの4つの要素V11、V12、V21、V22とそれぞれ乗算し、S1及びV11の乗算信号と、S2及びV21の乗算信号との加算信号をV偏波の信号Vとし、S1及びV12の乗算信号と、S2及びV22の乗算信号との加算信号をV偏波の信号VとするMIMOの空間多重化の信号処理を行う。この信号処理で得られたV偏波の信号V、Vは、それぞれ第1、第2の送信アンテナ13a、13bに送られる。
一方、H偏波用の変調器101bは、2つのBB信号S3、S4をそれぞれ乗算器に並列に入力し、ユニタリー行列Vの4つの要素V11、V12、V21、V22とそれぞれ乗算し、S3及びV11の乗算信号と、S4及びV12の乗算信号との加算信号をH偏波の信号Hとし、S3及びV12の乗算信号と、S4及びV22の乗算信号との加算信号をH偏波の信号HとするMIMOの空間多重化の信号処理を行う。この信号処理で得られたH偏波の信号H、Hは、それぞれ第1、第2の送信アンテナ13a、13bに送られる。
これにより、同一の帯域で2つの独立した信号であるV偏波の信号VとH偏波の信号Hとが、第1の送信アンテナ13aから送信される信号sとして、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って両偏波伝送される。また、同一の帯域で2つの独立した信号であるV偏波の信号VとH偏波の信号Hとが、第2の送信アンテナ13bから送信される信号sとして、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って両偏波伝送される。
図12は、本発明の実施例3に係る無線通信システムの受信側の構成を示す。図12の例は、図4に示す実施例1に係る無線通信システムの受信側の構成を、特許文献1に示されている構成例1〜3(送信側で通信路行列Hのユニタリー行列を演算する場合、又は受信側で通信路行列Hのユニタリー行列を演算し、送信側にアンテナ毎に独立した局部発振器を用いる場合)の受信側に適用したものである。
図12に示すMIMOシステムの受信部は、前述した実施例1と同様に、受信側の2本の受信アンテナ11a、11bで受信される2つの信号r、rに対して、MIMOの空間多重分離のための信号処理を行う2つのMIMO信号処理回路41a、41bと、偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理を行う4つのXPIC回路51a〜51dを有する干渉補償部とを具備する。MIMO信号処理回路と干渉補償部とは、縦列に接続され、個々の信号処理が独立に行われる。
両MIMO信号処理回路41a、41bは、図4に示すV偏波側のMIMO信号処理回路41と、H偏波側のMIMO信号処理回路42とにそれぞれ対応し、いずれも複素乗算回路(ユニタリー行列Uのエルミート転置行列Uの4つの要素U11、U12、U21、U22を係数として用いる4つの乗算器と、その乗算信号を加算する2つの加算器)で構成される。
そのうち、V偏波側のMIMO信号処理回路41aは、第1の受信アンテナ11aで受信される信号rのうちの2つのBB信号S1、S2が空間多重されたV偏波信号Vと、第2の受信アンテナ11bで受信される信号rのうちの2つのBB信号S1、S2が空間多重された偏波信号Vとをそれぞれ乗算器に並列に入力し、行列Uの4つの要素U11、U12、U21、U22とそれぞれ乗算し、その各出力側にて、加算器により、V及びU11の乗算信号と、V及びU12の乗算信号とを加算し、V及びU21の乗算信号と、V及びU22の乗算信号とを加算する。このようにして、MIMOの空間多重された信号が分離される。この信号処理で得られた両加算信号は、それぞれXPIC回路51a、51bと、XPIC回路51c、51dに送られる。
一方、H偏波側のMIMO信号処理回路41bは、第1の受信アンテナ11aで受信される信号rのうちの2つのBB信号S3、S4が空間多重された偏波信号Hと、第2の受信アンテナ11bで受信される信号rのうちの偏波信号Hとをそれぞれ乗算器に並列に入力し、行列Uの4つの要素U11、U12、U21、U22とそれぞれ乗算し、H及びU11の乗算信号と、H及びU12の乗算信号とを加算し、その各出力側にて、加算器により、H及びU21の乗算信号と、H及びU22の乗算信号とを加算する。このようにして、MIMOの空間多重された信号が分離される。この信号処理で得られた両加算信号は、それぞれXPIC回路51a、51bと、XPIC回路51c、51dに送られる。
上記の各MIMO信号処理回路41a、41aによる信号処理では、ユニタリー行列Uの4つの要素U11、U12、U21、U22を用いた行列演算により、アンテナ設置間隔の誤差や、風によるアンテナ位置の変動といった時間的に変化しない、または非常にゆっくり変化するMIMO成立条件の変動要因の影響を除去したうえで、空間多重されていた信号が分離される。
各XPIC回路51a〜51は、図4に示す各干渉補償部(DEM XPIC1回路)51〜54に対応し、前述同様のキャリア再生回路、XDEM回路、XPIC回路(FIRフィルタ、係数制御回路)、及び加算器を有し、次にような信号処理を行う。すなわち、キャリア再生回路は、復調すべき自分の信号に残っているキャリア位相回転を完全に除去する。XDEM回路は、キャリア再生回路で生成したディジタルのLO信号を受けて、そのLO信号で干渉補償の参照信号として入力された異偏波側の信号にキャリア位相回転を与える。XPIC回路は、復調した自分の信号から得られた誤差信号とXDEM回路の出力信号との相関をとって、干渉成分のレプリカを生成する。加算器は、干渉を受けている自分の信号から干渉成分のレプリカを差し引く。これにより、XPIC回路51a〜51dは、空間多重分離と異偏波間干渉除去を行った4つのBB信号S1、S3、S2、S4をそれぞれ出力する。
図13は、本発明の実施例4に係る無線通信システムの送信側の構成を示す。図13の例は、図3に示す実施例1に係る無線通信システムの送信側の構成を、特許文献1に示されている構成例3〜5(受信側で通信路行列Hのユニタリー行列を演算し、送信側に、又は送信側及び受信側共に、アンテナ毎に独立した局部発振器を用いる場合)の送信側に適用したものである。
図13に示す送信側の構成は、前述した図11の実施例4と比べると、2つの変調器101a、101bに代えて、入力される4つのBB信号S1〜S4に対し、アンテナ13a、13b毎に互いに異なるパイロット信号(Pilot1、2)を加算する加算器と、その加算信号と互いに独立した局部発信器(LO〜LO)からの各LO信号を乗算する乗算器とを有するV偏波用及びH偏波用の変調器111a及び111bを設けている点が相違している。この場合、図中に示すように、伝送路における通信路行列H(=U・Λ1/2・V)の各要素h11、h12、h21、h22の値は、それぞれ1、−j・ejφ、−j、1・ejφとなる(行列演算の詳細は特許文献1参照)。図中の太い矢印は、伝送路品質が√2及び√2に比例して構築された仮想直交伝送路を示している。
V偏波用の変調器111aは、入力されるBB信号S1、S2に対し、加算器にて互いに異なるパイロット信号(Pilot1、2)を加算(挿入)した後、乗算器にて各局部発振器(LO1、LO2)からの互いに直交するLO信号(LO信号と、LO信号にejψを乗算した信号)を乗算して周波数変換することにより、S1に対応するV偏波の信号Vと、S2に対応するV偏波の信号Vとを生成し、それぞれ第1、第2の送信アンテナ13a、13bに出力する。
一方、H偏波用の変調器111aは、入力されるBB信号S3、S4に対し、加算器にて互いに直交するパイロット信号(Pilot1、2)を加算(挿入)した後、乗算器にて各局部発信器(LO、LO)からの互いに直交するLO信号(LO信号と、LO信号にejψを乗算した信号)を乗算して周波数変換することにより、S3に対応するH偏波の信号Hと、S4に対応するH偏波の信号Hとを生成し、それぞれ第1、第2の送信アンテナ13a、13bに出力する。
これにより、同一の帯域で2つの独立した信号であるV偏波の信号VとH偏波の信号Hとが、第1の送信アンテナ13aから送信される信号sとして、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って両偏波伝送される。また、同一の帯域で2つの独立した信号であるV偏波の信号VとH偏波の信号Hとが、第2の送信アンテナ13bから送信される信号sとして、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って両偏波伝送される。
図14は、本発明の実施例4に係る無線通信システムの受信側の構成を示す。図14の例は、図4に示す実施例1に係る無線通信システムの受信側の構成を、特許文献1に示されている構成例4、5(受信側で通信路行列Hのユニタリー行列を演算し、送信側及び受信側共にアンテナ毎に独立した局部発振器を用いる場合)の受信側に適用したものである。
図14に示す受信側の構成は、前述した図12の実施例3と比べると、2つのMIMO信号処理回路41a、41bと4つのXPIC回路51a〜51dとの代わりに、V偏波側、H偏波側のMIMO信号処理回路42a、42bと、4つのXPIC回路52a〜52dとを設けている点が相違する。
そのうち、両MIMO信号処理回路42a、42bは、図4に示すV偏波側のMIMO信号処理回路41と、H偏波側のMIMO信号処理回路42とにそれぞれ対応し、いずれも複素乗算回路(互いに直交するLO信号が入力される2つの乗算器と、ユニタリー行列Uのエルミート転置行列Uの4つの要素U11、U12、U21、U22を係数として用いる4つの乗算器と、その乗算信号を加算する2つの加算器)で構成される。この場合、行列Uの4つの要素U11、U12、U21、U22の値は、それぞれ1/√2、je−jψ/√2、j・e−jφ/√2、e−j(ψ+φ)/√2、となる。また、各XPIC回路52a〜52dは、図4に示す各干渉補償部(DEM XPIC1回路)51〜54に対応し、前述同様のキャリア再生回路、XDEM回路、XPIC回路(FIRフィルタ、係数制御回路)、及び加算器を有する。
V偏波側のMIMO信号処理回路42aは、第1の受信アンテナ11aからのV偏波の信号Vと、第2の受信アンテナ11aからのV偏波の信号Vとを乗算器に入力し、互いに直交する2つのLO信号(LO信号と、LO信号にejφ1を乗算したLO信号)と乗算して周波数変換し、その出力信号r1、r2から各信号V、Vに含まれるパイロット信号を検出した後、それぞれ対応する乗算器に並列に入力する。そして、各乗算器にて、行列Uの4つの要素の各値(1/√2、je−jψ/√2、j・e−jφ/√2、e−j(ψ+φ)/√2)とそれぞれ乗算し、その出力側で、対応する加算器にて、r及び1/√2の乗算信号と、r及びj・e−jφ/√2の乗算信号とを加算し、r及びje−jψ/√2の乗算信号と、r及びe−j(ψ+φ)/√2の乗算信号とを加算する。このようにして、MIMOの空間多重された信号が分離される。この信号処理で得られた両加算信号は、それぞれXPIC回路52a、52bと、XPIC回路52c、52dに送られる。
一方、H偏波側のMIMO信号処理回路42aは、第1の受信アンテナ11aからのH偏波の信号Hと、第2の受信アンテナ11aからのH偏波の信号Hとを乗算器に入力し、互いに直交する2つのLO信号(LO信号と、LO信号にejφ1を乗算したLO信号)と乗算して周波数変換し、その出力信号r1、r2から各信号H、Hに含まれるパイロット信号を検出した後、それぞれ対応する乗算器に並列に入力する。そして、各乗算器にて、行列Uの4つの要素の各値(1/√2、je−jψ/√2、j・e−jφ/√2、e−j(ψ+φ)/√2)とそれぞれ乗算し、その出力側で、対応する加算器にて、r及び1/√2の乗算信号と、r及びj・e−jφ/√2の乗算信号とを加算し、r及びje−jψ/√2の乗算信号と、r2及びe−j(ψ+φ)/√2の乗算信号とを加算する。このようにして、MIMOの空間多重された信号が分離される。この信号処理で得られた両加算信号は、それぞれXPIC回路52a、52bと、XPIC回路52c、52dに送られる。
上記の各MIMO信号処理回路42a、42aによる信号処理では、ユニタリー行列Uの4つの要素を用いた行列演算により、アンテナ設置間隔の誤差や、風によるアンテナ位置の変動といった時間的に変化しない、または非常にゆっくり変化するMIMO成立条件の変動要因の影響を除去したうえで、空間多重されていた信号が分離される。
各XPIC回路52a〜52dは、図4に示す各干渉補償部(DEM XPIC1回路)51〜54に対応し、前述同様のキャリア再生回路、XDEM回路、XPIC回路(FIRフィルタ、係数制御回路)、及び加算器を有し、次のような信号処理を行う。すなわち、キャリア再生回路は、復調すべき自分の信号に残っているキャリア位相回転を完全に除去する。XDEM回路は、キャリア再生回路で生成したディジタルのLO信号を受けて、そのLO信号で干渉補償の参照信号として入力された異偏波側の信号にキャリア位相回転を与える。XPIC回路は、復調した自分の信号から得られた誤差信号とXDEM回路の出力信号との相関をとって、干渉成分のレプリカを生成する。加算器は、干渉を受けている自分の信号から干渉成分のレプリカを差し引く。これにより、XPIC回路52a〜52dは、空間多重分離と異偏波間干渉除去を行った4つのBB信号S1、S3、S2、S4をそれぞれ出力する。
従って、本実施例では、前述した実施例3と同様の作用効果を得るほか、受信側から送信側へのフィードバック情報を必要としないで、送信側の局部発振器による処理の前にパイロット信号を生成し、受信側の局部発振器による処理の後にそのパイロット信号を検出するため、送信側でユニタリー行列を演算しない構成で、送信側に独立の局部発振器を用いても、さらに受信側に独立の局部発振器を用いても、互いに直交する伝送路を形成することができる。
図15は、本発明の実施例5に係る無線通信システムの送信側の構成を示す。図15の例は、図3に示す実施例1に係る無線通信システムの送信側の構成を、特許文献1に示されている構成例6、7(3つ又は4つのアンテナで、受信側でユニタリー行列を演算し、送信側に、又は送信側及び受信側共に、アンテナ毎に独立した局部発振器を用いる場合)の送信側に適用したものである。
図15に示す送信側の構成は、前述した図13の実施例4と比べると、2つの送信アンテナ13a、13bに加えて3つ目の送信アンテナ13cを設けている点と、V偏波用とH偏波用の2つの変調器111a、111bに代えて、入力される6つのBB信号S1〜S6に対し、互いに独立した局部発信器(LO)からの互いに直交するLO信号を乗算する複数の乗算器を有する変調器121を設けている点が相違している。図中の太い矢印は、伝送路品質が√3、√3、及び√3に比例して構築された仮想直交伝送路を示している。
変調器121は、入力される6つのBB信号S1〜S6に対し、次の処理を行う。
1)乗算器にて、BB信号S1と、局部発信器(LO)からのLO信号と乗算し、その出力信号をV偏波の信号Vとして第1の送信アンテナ13aに出力する。
2)乗算器にて、BB信号S2と、局部発信器(LO)からのLO信号にejψL1を乗算した出力とを乗算し、その乗算信号をV偏波の信号Vとして第2の送信アンテナ13bに出力する。
3)乗算器にて、BB信号S3と、局部発信器(LO)からのLO信号にejψL2を乗算した出力とを乗算し、その乗算信号をV偏波の信号Vとして第3の送信アンテナ13cに出力する。
4)乗算器にて、BB信号S4と、局部発信器(LO)からのLO信号にejψL3を乗算した出力とを乗算し、その乗算信号をH偏波の信号Hとして第1の送信アンテナ13aに出力する。
5)乗算器にて、BB信号S5と、局部発信器(LO)からのLO信号にejψL4を乗算した出力とを乗算し、その乗算信号をH偏波の信号Hとして第2の送信アンテナ13bに出力する。
6)乗算器にて、BB信号S6と、局部発信器(LO)からのLO信号にejψL5を乗算した出力とを乗算し、その乗算信号をH偏波の信号Hとして第3の送信アンテナ13cに出力する。
これにより、同一の帯域で2つの独立した信号であるV偏波の信号VとH偏波の信号Hとが、第1の送信アンテナ13aから送信される信号sとして、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って両偏波伝送される。
また、同一の帯域で2つの独立した信号であるV偏波の信号VとH偏波の信号Hとが、第2の送信アンテナ13bから送信される信号sとして、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って両偏波伝送される。
さらに、同一の帯域で2つの独立した信号であるV偏波の信号VとH偏波の信号Hとが、第3の送信アンテナ13cから送信される信号sとして、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って両偏波伝送される。
図16は、本発明の実施例5に係る無線通信システムの受信側の構成を示す。図16の例は、図4に示す実施例1に係る無線通信システムの受信側の構成を、特許文献1に示されている構成例6、7(3つ又は4つのアンテナで、受信側でユニタリー行列を演算し、送信側に又は送信側及び受信側共にアンテナ毎に独立した局部発振器を用いる場合)の受信側に適用したものである。
図16に示す受信側の構成は、前述した図14の実施例4と比べると、2つの受信アンテナ11a、11bに加えて3つ目の受信アンテナ11cを設けている点と、2つのMIMO信号処理回路42a、42bと4つのXPIC回路52a〜52dとの代わりに、MIMO信号処理回路43と、6つのXPIC回路53a〜53dとを設けている点が相違する。
MIMO信号処理回路43は、次の処理を行う。
1)乗算器にて、第1の受信アンテナ11aからのV偏波の信号Vと、局部発振器(LO)からのLO信号とを乗算し、その出力信号rを2つのXPIC回路53a、53bに並列に出力する。
2)乗算器にて、第2の受信アンテナ11bからのV偏波の信号Vと、局部発振器(LO)からのLO信号にejφL1を乗算した信号とを乗算し、その出力信号rを2つのXPIC回路53c、53dに並列に出力する。
3)乗算器にて、第3の受信アンテナ11cからのV偏波の信号Vと、局部発振器(LO)からのLO信号にejφL2を乗算した信号とを乗算し、その出力信号rを2つのXPIC回路53e、53fに並列に出力する。
4)乗算器にて、第1の受信アンテナ11aからのH偏波の信号Hと局部発振器(LO)からのLO信号とを乗算し、その出力信号rを2つのXPIC回路53a、53bに並列に出力する。
5)乗算器にて、第2の受信アンテナ11bからのH偏波の信号Hと、局部発振器(LO)からのLO信号にejφL1を乗算した信号とを乗算し、その出力信号rを2つのXPIC回路53c、53dに並列に出力する。
6)乗算器にて、第3の受信アンテナ11cからのH偏波の信号Hと局部発振器(LO)からのLO信号にejφL2を乗算した信号とを乗算し、その出力信号rを2つのXPIC回路53e、53fに並列に出力する。
各XPIC回路53a〜53fは、図4に示す各干渉補償部(DEM XPIC1回路)51〜54に対応し、前述同様のキャリア再生回路、XDEM回路、XPIC回路(FIRフィルタ、係数制御回路)、及び加算器を有し、次にような信号処理を行う。すなわち、キャリア再生回路は、復調すべき自分の信号に残っているキャリア位相回転を完全に除去する。XDEM回路は、キャリア再生回路で生成したディジタルのLO信号を受けて、そのLO信号で干渉補償の参照信号として入力された異偏波側の信号にキャリア位相回転を与える。XPIC回路は、復調した自分の信号から得られた誤差信号とXDEM回路の出力信号との相関をとって、干渉成分のレプリカを生成する。加算器は、干渉を受けている自分の信号から干渉成分のレプリカを差し引く。これにより、XPIC回路53a〜53fは、空間多重分離と異偏波間干渉除去を行った6つのBB信号S1、S4、S2、S5、S3、S6をそれぞれ出力する。
従って、本実施例でも、前述した実施例3と同様の作用効果を得ることができる。
以上、上記各実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記各実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下には限られない。
(付記1)
固定された局に備わる複数の固定アンテナを備え、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムであって、
送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行う送信部と、
受信側の各アンテナで受信される信号に対して、前記偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理を行う干渉補償器と、前記干渉補償器に接続され、前記干渉補償器による信号処理とは独立して、前記MIMOの空間多重分離のための信号処理を行うMIMO信号処理回路とを具備する受信部と、
を有し、
送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナと、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とが、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されていることを特徴とする無線通信システム。
(付記2)
前記伝送路における通信路行列の情報を求めるために、前記送信側から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、
前記MIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から前記通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)
前記干渉補償器及び前記MIMO信号処理回路は、縦列に接続されることを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記4)
前記MIMO信号処理回路は、前記干渉補償器よりも前段側に配置されることを特徴とする付記3に記載の無線通信システム。
(付記5)
前記MIMO信号処理回路は、前記干渉補償器よりも後段側に配置されることを特徴とする付記3に記載の無線通信システム。
(付記6)
前記干渉補償器は、前記偏波間の干渉成分の変化に合わせて当該干渉成分のレプリカを変化させて生成し、干渉を受けている自偏波の信号から当該レプリカを差し引くことで前記干渉成分を除去することを特徴とする付記1から5のいずれか1に記載の無線通信システム。
(付記7)
固定された局に備わる複数の固定アンテナを備え、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの受信装置であって、
受信側の各アンテナで受信される信号に対して、電波の互いに直交する2つの偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理を行う干渉補償器と、
前記干渉補償器に接続され、前記干渉補償器による信号処理とは独立して、MIMOの空間多重分離のための信号処理を行うMIMO信号処理回路と、
を具備し、
前記複数の固定アンテナ間の距離は、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差と、受信側の前記複数の固定アンテナとの関係を考慮して、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されていることを特徴とする受信装置。
(付記8)
前記干渉補償器及び前記MIMO信号処理回路は、縦列に接続されることを特徴とする付記7に記載の受信装置。
(付記9)
前記MIMO信号処理回路は、前記干渉補償器よりも前段側に配置されることを特徴とする付記8に記載の受信装置。
(付記10)
前記MIMO信号処理回路は、前記干渉補償器よりも後段側に配置されることを特徴とする付記8に記載の受信装置。
(付記11)
前記MIMO信号処理回路は、パイロット信号から通信路行列の複数の要素を求めることで前記偏波間の干渉に影響されない空間多重分離のための位相情報を検出し、検出された位相情報を用いて空間多重された2つの独立した信号を分離し、
前記干渉補償器は、前記偏波間の干渉成分の変化に合わせて当該干渉成分のレプリカを変化させて生成し、干渉を受けている自偏波の信号から当該レプリカを差し引くことで前記干渉成分を除去することを特徴とする付記7から10のいずれか1に記載の受信装置。
(付記12)
固定された局に備わる複数の固定アンテナを備え、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの送信装置であって、
送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行い、
前記複数の固定アンテナ間の距離と、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とは、受信側の前記複数の固定アンテナと共に、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されていることを特徴とする送信装置。
(付記13)
固定された局に備わる複数の固定アンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの無線通信方法であって、
送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行い、
受信側の各アンテナで受信される信号に対して、前記偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理と、前記MIMOの空間多重分離のための信号処理とを独立に行い、
送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナと、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とが、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されていることを特徴とする無線通信方法。
(付記14)
固定された局に備わる複数の固定アンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの受信方法であって、
受信側の各アンテナで受信される信号に対して、電波の互いに直交する2つの偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理と、MIMOの空間多重分離のための信号処理とを独立して行い、
前記複数の固定アンテナ間の距離は、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差と、受信側の前記複数の固定アンテナとの関係を考慮して、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されていることを特徴とする受信方法。
(付記15)
固定された局に備わる複数の固定アンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの送信方法であって、
送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行い、
前記複数の固定アンテナ間の距離と、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とは、受信側の前記複数の固定アンテナと共に、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されていることを特徴とする送信方法。
(付記16)
送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、付記1に記載の無線通信システム。
(付記17)
送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、付記7に記載の受信装置。
(付記18)
送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、付記12に記載の送信装置。
(付記19)
送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、付記13に記載の無線通信方法。
(付記20)
送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、付記14に記載の受信方法。
(付記21)
送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、付記15に記載の送信方法。
この出願は、2007年11月30日に出願された日本出願特願2007−310697号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、マイクロ波、ミリ波を用いた無線通信システムであって、限られた帯域内で、より大容量の伝送を行う通信システムに利用可能である。
11 第1の受信アンテナ
12 第2の受信アンテナ
13 第1の送信アンテナ
14 第2の送信アンテナ
21、22、23、24 受信器
31、32 復調器(実施例1)
41、42 MIMO信号処理回路
51、52、53、54 干渉補償部(実施例1)
61、62、63、64 干渉補償部(実施例2)
71、72、73、74 復調器(実施例2)
101、102、103、104 送信器
201、202、203、204 変調器

Claims (20)

  1. 固定された局に備わる複数の固定アンテナを備え、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムであって、
    送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行う送信部と、
    受信側の各アンテナで受信される信号に対して、前記偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理を行う干渉補償器と、前記干渉補償器に接続され、前記干渉補償器による信号処理とは独立して、前記MIMOの空間多重分離のための信号処理を行うMIMO信号処理回路とを具備する受信部と、
    を有し、
    送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とが、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、
    前記伝送路における通信路行列の情報を求めるために、前記送信側から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、
    前記MIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から前記通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記干渉補償器及び前記MIMO信号処理回路は、縦列に接続されることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記MIMO信号処理回路は、前記干渉補償器よりも前段側に配置されることを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
  4. 前記MIMO信号処理回路は、前記干渉補償器よりも後段側に配置されることを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
  5. 前記干渉補償器は、前記偏波間の干渉成分の変化に合わせて当該干渉成分のレプリカを変化させて生成し、干渉を受けている自偏波の信号から当該レプリカを差し引くことで前記干渉成分を除去することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信システム。
  6. 固定された局に備わる複数の固定アンテナを備え、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの受信装置であって、
    受信側の各アンテナで受信される信号に対して、電波の互いに直交する2つの偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理を行う干渉補償器と、
    前記干渉補償器に接続され、前記干渉補償器による信号処理とは独立して、MIMOの空間多重分離のための信号処理を行うMIMO信号処理回路と、
    を具備し、
    前記複数の固定アンテナ間の距離は、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差と、受信側の前記複数の固定アンテナとの関係を考慮して、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、
    前記伝送路における通信路行列の情報を求めるために、前記MIMO通信システムの送信装置から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、
    前記MIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする受信装置。
  7. 前記干渉補償器及び前記MIMO信号処理回路は、縦列に接続されることを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  8. 前記MIMO信号処理回路は、前記干渉補償器よりも前段側に配置されることを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  9. 前記MIMO信号処理回路は、前記干渉補償器よりも後段側に配置されることを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  10. 前記MIMO信号処理回路は、パイロット信号から通信路行列の複数の要素を求めることで前記偏波間の干渉に影響されない空間多重分離のための位相情報を検出し、検出された位相情報を用いて空間多重された2つの独立した信号を分離し、
    前記干渉補償器は、前記偏波間の干渉成分の変化に合わせて当該干渉成分のレプリカを変化させて生成し、干渉を受けている自偏波の信号から当該レプリカを差し引くことで前記干渉成分を除去することを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の受信装置。
  11. 固定された局に備わる複数の固定アンテナを備え、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの送信装置であって、
    送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行い、
    前記複数の固定アンテナ間の距離と、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とは、受信側の前記複数の固定アンテナと共に、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、
    前記送信側から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、
    前記MIMO通信システムの受信装置に備わるMIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から前記通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする送信装置。
  12. 固定された局に備わる複数の固定アンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの無線通信方法であって、
    送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行い、
    受信側の各アンテナで受信される信号に対して、前記偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理と、前記MIMOの空間多重分離のための信号処理とを独立に行い、
    送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とが、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、
    前記伝送路における通信路行列の情報を求めるために、前記送信側から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、
    前記MIMOの空間多重分離のための信号処理は、前記パイロット信号から前記通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする無線通信方法。
  13. 固定された局に備わる複数の固定アンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの受信方法であって、
    受信側の各アンテナで受信される信号に対して、電波の互いに直交する2つの偏波間の干渉成分を適応制御により除去する信号処理と、MIMOの空間多重分離のための信号処理とを独立して行い、
    前記複数の固定アンテナ間の距離は、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差と、受信側の前記複数の固定アンテナとの関係を考慮して、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、
    前記伝送路における通信路行列の情報を求めるために、前記MIMO通信システムの送信装置から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、
    前記MIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする受信方法。
  14. 固定された局に備わる複数の固定アンテナを用い、複数の伝送路を固定的に形成し、固定見通し内環境内でのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行うMIMO通信システムの送信方法であって、
    送信側の各アンテナから送信される信号として、MIMOの空間多重化に加え、電波の互いに直交する2つの偏波を使って、同一の帯域で2つの独立した信号を伝送する両偏波伝送を行い、
    前記複数の固定アンテナ間の距離と、送信側の前記複数の固定アンテナからそれぞれ送信される複数の信号の位相差とは、受信側の前記複数の固定アンテナと共に、固定見通し内環境内でのMIMO伝送を可能にするように調整されており、
    前記送信側から送信される信号を構成する送信信号系列に周期的に挿入するパイロット信号は、送信する全ての信号間で互いに直交する信号系列であり、
    前記MIMO通信システムの受信装置に備わるMIMO信号処理回路は、前記パイロット信号から前記通信路行列の複数の要素を求めることによって、偏波間の干渉にかかわらず空間多重分離のための位相情報を検出し、該位相情報を用いることにより空間多重されている複数の独立信号を多重分離することを特徴とする送信方法。
  15. 送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
    前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信システム。
  16. 送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
    前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、請求項に記載の受信装置。
  17. 送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
    前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、請求項11に記載の送信装置。
  18. 送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
    前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、請求項12に記載の無線通信方法。
  19. 送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
    前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、請求項13に記載の受信方法。
  20. 送信側の前記複数の固定アンテナ間の距離と、受信側の前記複数の固定アンテナ間の距離とが、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第一アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第一距離と、送信側の前記複数の固定アンテナに含まれる第二アンテナから受信側の前記複数の固定アンテナに含まれる任意のアンテナへの第二距離との差分が、第一及び第二アンテナから各々送信される第一及び第二信号の波長の4分の1に等しくなるように調節され、
    前記第一アンテナの前記第一信号と前記第二アンテナの前記第二信号との間の位相差が、前記第一及び第二信号の波長の半分に等しくなるように調節されることを特徴とする、請求項14に記載の送信方法。
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