JP7306205B2 - Oam受信装置、oam受信方法、及びoam伝送システム - Google Patents

Oam受信装置、oam受信方法、及びoam伝送システム Download PDF

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Description

本開示は、OAM受信装置、OAM受信方法、及びOAM伝送システムに関する。
空間多重伝送と垂直偏波及び水平偏波の両偏波伝送とを組み合わせて無線通信を行う無線通信システムが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されている無線通信システムでは、MIMO(multiple-input and multiple-output)によって空間多重された空間多重信号を分離する空間多重分離処理と偏波間干渉を補償する偏波間干渉補償処理とが直列に(つまり、独立して順番に)実行されている。
一方で、近年、軌道角運動量(OAM:orbital angular momentum)を持つ電磁波を用いた無線伝送方式(つまり、OAM伝送方式)が注目されている(例えば、特許文献2)。
特開2013-211887号公報 国際公開第2016/063315号
しかしながら、OAM伝送及び両偏波伝送の組み合わせによって無線送信された信号を、偏波間干渉補償して受信する方法は、未だ提案されていない。
本開示の目的は、OAM伝送及び両偏波伝送の組み合わせによって無線送信された信号を偏波間干渉補償して受信することができる、OAM受信装置、OAM受信方法、及びOAM伝送システムを提供することにある。
第1の態様にかかるOAM受信装置は、OAM(orbital angular momentum)送信装置の複数の送信アンテナ素子からそれぞれ送信された複数の無線信号であって、各無線信号が、第1OAMモード及び第2OAMモードを用いて形成され且つ垂直偏波によって送信された第1OAMモード多重無線信号及び水平偏波によって送信された第2OAMモード多重無線信号を含む、前記複数の無線信号を受信する、複数の受信アンテナ素子と、
前記複数の受信アンテナ素子によって受信された複数の受信無線信号のそれぞれが偏波分離され且つ受信無線処理された、複数の垂直成分信号及び複数の水平成分信号のうちの前記複数の垂直成分受信信号に対して、第1OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード垂直成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード垂直成分受信信号を形成する第1OAM受信部と、
前記複数の水平成分信号に対して、第2OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード水平成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード水平成分受信信号を形成する第2OAM受信部と、
前記第1モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去する第1干渉補償部と、
前記第2モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去する第2干渉補償部と、
前記第1モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去する第3干渉補償部と、
前記第2モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去する第4干渉補償部と、
を具備する。
第2の態様にかかるOAM受信方法は、OAM(orbital angular momentum)送信装置の複数の送信アンテナ素子からそれぞれ送信された複数の無線信号であって、各無線信号が、第1OAMモード及び第2OAMモードを用いて形成され且つ垂直偏波によって送信された第1OAMモード多重無線信号及び水平偏波によって送信された第2OAMモード多重無線信号を含む、前記複数の無線信号を受信する、複数の受信アンテナ素子を具備するOAM受信装置によって実行されるOAM受信方法であって、
前記複数の受信アンテナ素子によって受信された複数の受信無線信号のそれぞれが偏波分離され且つ受信無線処理された、複数の垂直成分信号及び複数の水平成分信号のうちの前記複数の垂直成分受信信号に対して、第1OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード垂直成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード垂直成分受信信号を形成し、
前記複数の水平成分信号に対して、第2OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード水平成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード水平成分受信信号を形成し、
前記第1モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去し、
前記第2モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去し、
前記第1モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去し、
前記第2モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去する。
第3の態様にかかるOAM伝送システムは、OAM(orbital angular momentum)送信装置及びOAM受信装置を具備するOAM伝送システムであって、
前記OAM送信装置は、各無線信号が、第1OAMモード及び第2OAMモードを用いて形成され且つ垂直偏波によって送信された第1OAMモード多重無線信号及び水平偏波によって送信された第2OAMモード多重無線信号を含む、複数の無線信号を、複数の送信アンテナ素子からそれぞれ送信し、
前記OAM受信装置は、
前記送信された複数の無線信号を受信する複数の受信アンテナ素子と、
前記複数の受信アンテナ素子によって受信された複数の受信無線信号のそれぞれが偏波分離され且つ受信無線処理された、複数の垂直成分信号及び複数の水平成分信号のうちの前記複数の垂直成分受信信号に対して、第1OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード垂直成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード垂直成分受信信号を形成する第1OAM受信部と、
前記複数の水平成分信号に対して、第2OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード水平成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード水平成分受信信号を形成する第2OAM受信部と、
前記第1モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去する第1干渉補償部と、
前記第2モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去する第2干渉補償部と、
前記第1モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去する第3干渉補償部と、
前記第2モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去する第4干渉補償部と、
を具備する。
本開示により、OAM伝送及び両偏波伝送の組み合わせによって無線送信された信号を偏波間干渉補償して受信することができる、OAM受信装置、OAM受信方法、及びOAM伝送システムを提供することができる。
第1実施形態のOAM伝送システムの一例を示す図である。 第1実施形態のOAM送信装置の一例を示すブロック図である。 基本ウェイト行列(OAM送信ウェイト行列)の一例を示す図である。 第1実施形態のOAM受信装置の一例を示すブロック図である。 第2実施形態のOAM受信装置の一例を示すブロック図である。 第2実施形態のOAM受信装置におけるOAM受信処理部の一例を示すブロック図である。 ウェイト更新部の一例を示すブロック図である。 第2実施形態のOAM受信装置における等化器の一例を示すブロック図である。 係数更新部の一例を示すブロック図である。 第2実施形態のOAM受信装置における干渉補償部の一例を示すブロック図である。 係数更新部の一例を示すブロック図である。 フレームの説明に供する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
<第1実施形態>
<OAM伝送システムの概要>
図1は、第1実施形態のOAM伝送システムの一例を示す図である。図1においてOAM伝送システム1は、OAM送信装置10と、OAM受信装置30とを有している。OAM送信装置10とOAM受信装置30とは、例えば、見通し内環境に固定設置されて用いられる。
図1においてOAM送信装置10は、アンテナ素子15-1~15-4を有している。また、OAM受信装置30は、アンテナ素子31-1~31-4を有している。なお、以下では、アンテナ素子15-1~15-4を総称して「アンテナ素子15」と呼ぶことがある。また、アンテナ素子31-1~31-4を総称して「アンテナ素子31」と呼ぶことがある。ここでは、アンテナ素子15及びアンテナ素子31の個数をそれぞれ4つとしているが、これに限定されるものでなく、2以上であればよい。
アンテナ素子15-1~15-4は、例えば、円形配列されている。すなわち、アンテナ素子15は、UCA(Uniform Circular Array)アンテナを構成している。また、アンテナ素子31-1~31-4は、例えば、円形配列されている。すなわち、アンテナ素子31は、UCA(Uniform Circular Array)アンテナを構成している。
OAM送信装置10は、「複数の無線信号」を、アンテナ素子15-1~15-4からそれぞれ送信する。各無線信号は、垂直偏波によって送信される第1OAMモード多重無線信号及び水平偏波によって送信される第2OAMモード多重無線信号を含む。第1OAMモード多重無線信号及び第2OAMモード多重無線信号は、第1のOAMモードから第Mの第2OAMモードまでのM(Mは、2以上の自然数)個のOAMモードを用いて形成されている。なお、以下では、説明を簡単にするために、一例として、第1OAMモード多重無線信号及び第2OAMモード多重無線信号が、それぞれ、2つのOAMモード(第1OAMモード、第2OAMモード)を用いて形成されるものとして説明する。この説明によっても一般性は失われない。
OAM受信装置30は、OAM送信装置10のアンテナ素子15-1~15-4からそれぞれ送信された複数の無線信号を、アンテナ素子31-1~31-4のそれぞれによって受信する。すなわち、各アンテナ素子31によって受信される無線信号は、アンテナ素子15-1~15-4からそれぞれ送信された複数の無線信号が空間多重された無線信号である。
<OAM送信装置の構成例>
図2は、第1実施形態のOAM送信装置の一例を示すブロック図である。図2においてOAM送信装置10は、変調器11-1,11-2,21-1,21-2と、信号形成部12,22と、送信無線部13-1~13-4,23-1~23-4と、偏波多重器14-1~14-4と、アンテナ素子15-1~15-4とを有している。なお、送信無線部13-1~13-4を総称して「送信無線部13」と呼ぶことができる。また、送信無線部23-1~23-4を総称して「送信無線部23」と呼ぶことができる。また、偏波多重器14-1~14-4を総称して「偏波多重器14」と呼ぶことができる。
変調器11-1,11-2,21-1,21-2は、それぞれ異なる送信ストリームを入力する。そして、変調器11-1,11-2,21-1,21-2のそれぞれは、入力した送信ストリームを変調することによって、得られる変調信号(つまり、シンボル)を出力する。すなわち、変調器11-1,11-2から同時期に2つの異なるシンボルが出力されることになる。また、変調器21-1,21-2からも同時期に2つの異なるシンボルが出力されることになる。ここで、変調器11-1,11-2,21-1,21-2は、複数の使用OAMモードと垂直偏波及び水平偏波との、複数の組み合わせにそれぞれ対応する。変調器11-1,11-2,21-1,21-2に入力される既知信号系列のパターンは、互いに異なっている。これにより、複数の使用OAMモードと垂直偏波及び水平偏波との、複数の組み合わせのそれぞれによって、異なるパターンを持つ既知信号系列が送信されることになる。
信号形成部12は、分配器12Aと、線形プリコーダ12B-1~12B-4とを有している。
分配器12Aは、同時期に入力した2つのシンボルのそれぞれを、4つの線形プリコーダ12B-1~12B-4へ出力する。すなわち、分配器12Aは、変調器11-1から受け取ったシンボルを4つの線形プリコーダ12B-1~12B-4に分配して、4つの線形プリコーダ12B-1~12B-4のそれぞれに入力させる。変調器11-2から受け取ったシンボルについても同様である。すなわち、各線形プリコーダ12Bには、分配器12Aに同時期に入力した2つのシンボルから成るシンボルベクトルが入力されることになる。
線形プリコーダ12B-1~12B-4は、複数の使用OAMモード(つまり、ここでは、第1OAMモード、第2OAMモード)に対応する「基本ウェイト行列(OAM送信ウェイト行列)」の4つの行ベクトルのそれぞれに対応する。なお、「基本ウェイト行列(OAM送信ウェイト行列)」の複数の列ベクトルは、複数の使用OAMモードにそれぞれ対応する。
図3は、基本ウェイト行列(OAM送信ウェイト行列)の一例を示す図である。図3に示す基本ウェイト行列(OAM送信ウェイト行列)の例では、列番号が0,1の2つの列ベクトルは、モード0及びモード1にそれぞれ対応している。すなわち、列番号0の列ベクトル内における4つのベクトル要素の値の間のズレ量(位相変化量)は、ゼロである。また、列番号1の列ベクトル内における4つのベクトル要素の値の間のズレ量(位相変化量)は、π/2である。
図2の説明に戻り、各線形プリコーダ12Bは、入力されたシンボルベクトルに対して、各線形プリコーダ12Bが対応する行ベクトルを乗算する。これにより、多重信号が形成される。各線形プリコーダ12Bは、形成した多重信号を、対応する送信無線部13へ出力する。
送信無線部13-1~13-4は、線形プリコーダ12B-1~12B-4から多重信号をそれぞれ受け取り、受け取った多重信号に対して送信無線処理(ディジタルアナログ変換、アップコンバート等)を施す。そして、送信無線部13-1~13-4は、送信無線処理によって得られた無線信号を偏波多重器14-1~14-4へそれぞれ出力する。
信号形成部22の分配器22A及び線形プリコーダ22B-1~22B-4は、分配器12A及び線形プリコーダ12B-1~12B-4と同様の処理を実行する。
すなわち、分配器22Aは、同時期に入力した2つのシンボルのそれぞれを、4つの線形プリコーダ22B-1~22B-4へ出力する。
線形プリコーダ22B-1~22B-4は、複数の使用OAMモード(つまり、ここでは、第1OAMモード、第2OAMモード)に対応する「基本ウェイト行列(OAM送信ウェイト行列)」の4つの行ベクトルのそれぞれに対応する。線形プリコーダ22B-1~22B-4にて用いられる複数の使用OAMモードは、線形プリコーダ12B-1~12B-4にて用いられる複数の使用OAMモードと同じである。すなわち、線形プリコーダ22B-1~22B-4にて用いられる「基本ウェイト行列(OAM送信ウェイト行列)」は、線形プリコーダ12B-1~12B-4にて用いられる「基本ウェイト行列(OAM送信ウェイト行列)」と同じである。
そして、各線形プリコーダ22Bは、形成した多重信号を、対応する送信無線部23へ出力する。
送信無線部23-1~23-4は、線形プリコーダ22B-1~22B-4から多重信号をそれぞれ受け取り、受け取った多重信号に対して送信無線処理(ディジタルアナログ変換、アップコンバート等)を施す。そして、送信無線部23-1~23-4は、送信無線処理によって得られた無線信号を偏波多重器14-1~14-4へそれぞれ出力する。
偏波多重器14-1~14-4は、送信無線部13-1~13-4から受け取る無線信号を垂直偏波信号に変換し、送信無線部23-1~23-4から受け取る無線信号を水平偏波信号に変換し、該垂直偏波信号と水平偏波信号との偏波多重無線信号をアンテナ素子15-1~15-4へ出力する。これにより、使用OAMモードによって偏波多重無線信号がアンテナ素子15-1~15-4から送信されることになる。すなわち、変調器11と、信号形成部12と、送信無線部13-1~13-4とは、垂直偏波の送信信号を形成する処理部であり、変調器21と、信号形成部22と、送信無線部23-1~23-4とは、水平偏波の送信信号を形成する処理部である。
以上のようにして、OAM送信装置10から、複数のOAMモードについてモード多重され且つ偏波多重された複数の無線信号が、アンテナ素子15-1~15-4から送信されることになる。
<OAM受信装置の構成例>
図4は、第1実施形態のOAM受信装置の一例を示すブロック図である。図4においてOAM受信装置30は、アンテナ素子31-1~31-4と、偏波分離器32-1~32-4と、受信無線部33と、OAM受信部34,35と、復調処理部36~39とを有している。なお、偏波分離器32-1~32-4を総称して「偏波分離器32」と呼ぶことができる。
アンテナ素子31-1~31-4は、OAM送信装置10のアンテナ素子15-1~15-4からそれぞれ送信された複数の無線信号(つまり、空間多重信号)を受信して、偏波分離器32-1~32-4へ出力する。
偏波分離器32-1~32-4は、アンテナ素子31-1~31-4にそれぞれ接続されている。各偏波分離器32は、接続されているアンテナ素子31から受け取る受信無線信号を、「垂直成分信号」と「水平成分信号」とに偏波分離し、受信無線部33へ出力する。すなわち、偏波分離器32-1~32-4から、4つの垂直成分信号と4つの水平成分信号とが出力されることになる。
受信無線部33は、偏波分離器32-1~32-4から受け取る、4つの垂直成分信号及び4つの水平成分信号のそれぞれに対して、受信無線処理(ダウンコンバート、アナログディジタル変換等)を施す。そして、受信無線部33は、受信無線処理後の4つの垂直成分信号をOAM受信部34へ出力し、受信無線処理後の4つの水平成分信号をOAM受信部35へ出力する。
受信無線部33は、受信無線部33A-1,33A-2,33B-1,33B-2,33C-1,33C-2,33D-1,33D-2を有している。受信無線部33A-1,33A-2は、偏波分離器32-1に接続されている。受信無線部33B-1,33B-2は、偏波分離器32-2に接続されている。受信無線部33C-1,33C-2は、偏波分離器32-3に接続されている。受信無線部33D-1,33D-2は、偏波分離器32-4に接続されている。受信無線部33A-1,33B-1,33C-1,33D-1は、偏波分離器32-1~32-4から垂直成分信号をそれぞれ受け取り、受信無線処理を施す。受信無線部33A-2,33B-2,33C-2,33D-2は、偏波分離器32-1~32-4から水平成分信号をそれぞれ受け取り、受信無線処理を施す。
OAM受信部34は、受信無線部33から受け取る、4つの垂直成分信号に対して、「OAM受信ウェイト行列(第1OAM受信ウェイト行列)」を用いた「OAM受信処理」を実行する。これにより、4つの垂直成分信号に対応するOAM受信処理後の信号、つまり、第1OAMモードに対応する「第1モード垂直成分受信信号」及び第2OAMモードに対応する「第2モード垂直成分受信信号」が得られる。
OAM受信部35は、受信無線部33から受け取る、4つの水平成分信号に対して、「OAM受信ウェイト行列(第2OAM受信ウェイト行列)」を用いた「OAM受信処理」を実行する。これにより、4つの水平成分信号に対応するOAM受信処理後の信号、つまり、第1OAMモードに対応する「第1モード水平成分受信信号」及び第2OAMモードに対応する「第2モード水平成分受信信号」が得られる。
復調処理部36~39は、第1モード垂直成分受信信号、第2モード垂直成分受信信号、第1モード水平成分受信信号、及び第2モード水平成分受信信号に対して復調処理をそれぞれ実行する。
復調処理部36は、干渉補償部362を含んでいる。干渉補償部362は、第1モード垂直成分受信信号から、第1モード水平成分受信信号及び第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、垂直偏波に対する水平偏波による干渉成分を除去する。これにより、互いに同じOAMモードに対応する垂直成分受信信号と水平成分受信信号との間の偏波間干渉を除去できるだけでなく、互いに異なるOAMモードに対応する垂直成分受信信号と水平成分受信信号との間の偏波間干渉を除去できる。
復調処理部37は、干渉補償部372を含んでいる。干渉補償部372は、第2モード垂直成分受信信号から、第1モード水平成分受信信号及び第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、垂直偏波に対する水平偏波による干渉成分を除去する。
復調処理部38は、干渉補償部382を含んでいる。干渉補償部382は、第1モード水平成分受信信号から、第1モード垂直成分受信信号及び第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、水平偏波に対する垂直偏波による干渉成分を除去する。
復調処理部39は、干渉補償部392を含んでいる。干渉補償部392は、第2モード水平成分受信信号から、第1モード垂直成分受信信号及び第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、水平偏波に対する垂直偏波による干渉成分を除去する。
以上のように第1実施形態によれば、OAM受信装置30にて干渉補償部362は、第1モード垂直成分受信信号から、第1モード水平成分受信信号及び第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、垂直偏波に対する水平偏波による干渉成分を除去する。
このOAM受信装置30の構成により、互いに同じOAMモードに対応する垂直成分受信信号と水平成分受信信号との間の偏波間干渉を除去できるだけでなく、互いに異なるOAMモードに対応する垂直成分受信信号と水平成分受信信号との間の偏波間干渉を除去できる。これにより、OAMモード多重伝送及び両偏波伝送の組み合わせによって無線送信された信号を偏波間干渉補償して受信することができる。干渉補償部372,382,392についても同じことが言える。
なお、上記の通り、OAM送信装置10から送信される各無線信号は、垂直偏波によって送信される第1OAMモード多重無線信号及び水平偏波によって送信される第2OAMモード多重無線信号を含む。そして、第1OAMモード多重無線信号及び第2OAMモード多重無線信号は、第1のOAMモードから第MのOAMモードまでのM(Mは、2以上の自然数)個のOAMモードを用いて形成されていてもよい。すなわち、OAM受信装置30の構成を次のように表すこともできる。OAM受信装置30にてOAM受信部34は、アンテナ素子31-1~31-4によって受信された複数の受信無線信号のそれぞれが偏波分離され且つ受信無線処理された、M個の垂直成分受信信号に対して、第1OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、M個のOAMモードにそれぞれ対応する第1モード垂直成分受信信号から第Mモード垂直成分受信信号のM個の垂直成分受信信号を形成する。また、OAM受信部35は、アンテナ素子31-1~31-4によって受信された複数の受信無線信号のそれぞれが偏波分離され且つ受信無線処理された、M個の水平成分信号に対して、第2OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、M個のOAMモードにそれぞれ対応する第1モード水平成分受信信号から第Mモード水平成分受信信号のM個の水平成分受信信号を形成する。そして、OAM受信装置30は、M個の垂直成分受信信号にそれぞれ対応し、且つ、対応する垂直成分受信信号から、M個の水平成分受信信号を用いて、垂直偏波に対する水平偏波による干渉成分を除去する、M個の水平偏波干渉補償部(上記の干渉補償部362,372に対応)を有する。また、OAM受信装置30は、M個の水平成分受信信号にそれぞれ対応し、且つ、対応する水平成分受信信号から、M個の垂直成分受信信号を用いて、水平偏波に対する垂直偏波による干渉成分を除去する、M個の垂直偏波干渉補償部(上記の干渉補償部382,392に対応)を有する。
また、OAM受信装置30に対して次のような変形を施すこともできる。例えばOAM受信装置30において、受信無線部33の入力段に(例えば、偏波分離器32と受信無線部33との間に)、OAMモードを分離するための機能部(例えば、バトラーマトリックス)が、配設されてもよい。この場合でも、OAM受信部34には、アンテナ素子31-1~31-4によって受信された複数の受信無線信号のそれぞれが偏波分離され且つ受信無線処理された、M個の垂直成分受信信号が入力される、ことに変わりはない。また、OAM受信部35には、アンテナ素子31-1~31-4によって受信された複数の受信無線信号のそれぞれが偏波分離され且つ受信無線処理された、M個の水平成分信号が入力される、ことに変わりはない。
<第2実施形態>
第2実施形態では、OAM受信装置のより具体的な構成について説明する。なお、第2実施形態のOAM受信装置の基本構成は、第1実施形態のOAM受信装置30の基本構成と同じである。
<OAM受信装置の構成例>
図5は、第2実施形態のOAM受信装置の一例を示すブロック図である。図5には、第2実施形態のOAM受信装置30の一部(受信無線部33、OAM受信部34,35、及び復調処理部36~39)が示されており、他の構成については図示を省略している。
OAM受信部34は、分配器341、OAM受信処理部342,343、通信路行列推定部344、及びウェイト算出部345を有している。また、OAM受信部35は、分配器351、OAM受信処理部352,353、通信路行列推定部354、及びウェイト算出部355を有している。
分配器341は、受信無線部33A-1,33B-1,33C-1,33D-1から同時期に受け取った4つの受信無線処理後の信号のそれぞれを、OAM受信処理部342,343へ出力する。すなわち、分配器341は、受信無線部33A-1から受け取った無線処理後の信号を、OAM受信処理部342,343に分配して、OAM受信処理部342,343にそれぞれ入力させる。受信無線部33B-1,33C-1,33D-1のそれぞれから受け取った受信無線処理後の信号についても同様である。すなわち、OAM受信処理部342,343は、受信無線部33A-1,33B-1,33C-1,33D-1から同時期に受け取った4つの受信無線処理後の信号から成る、受信信号ベクトルが入力されることになる。
通信路行列推定部344は、受信無線部33A-1,33B-1,33C-1,33D-1から受け取り且つOAM送信装置10から垂直偏波によって送信された既知信号に対応する、4つの受信無線処理後の垂直成分信号に基づいて、「通信路行列(第1通信路行列)」を算出する。「第1通信路行列」は、アンテナ素子15-1~15-4とアンテナ素子31-1~31-4との間の通信路に関する通信路行列である。ここで、OAM送信装置10から、複数の使用OAMモードと垂直偏波及び水平偏波との、複数の組み合わせのそれぞれによって、異なるパターンを持つ既知信号系列が送信される。これにより、通信路行列推定部344は、互いに異なるパターンの複数の既知信号系列を分離することができるので、各組み合わせの通信路の状態が反映された「通信路行列」を算出することができる。
ウェイト算出部345は、通信路行列推定部344にて算出された通信路行列に基づいて、上記「基本ウェイト行列」の共役転置行列を修正して、「第1OAM受信ウェイト行列」の初期値を算出する。「第1OAM受信ウェイト行列」の初期値は、OAM受信処理部342,343に設定(セット)される。なお、通信路行列推定部344による通信路行列の算出、及び、ウェイト算出部345によるOAM受信ウェイト行列の初期値の算出については、後に詳しく説明する。
分配器351は、受信無線部33A-2,33B-2,33C-2,33D-2から同時期に受け取った4つの受信無線処理後の信号のそれぞれを、OAM受信処理部352,353へ出力する。すなわち、分配器351は、受信無線部33A-2から受け取った無線処理後の信号を、OAM受信処理部352,353に分配して、OAM受信処理部352,353にそれぞれ入力させる。受信無線部33B-2,33C-2,33D-2のそれぞれから受け取った受信無線処理後の信号についても同様である。すなわち、OAM受信処理部352,353は、受信無線部33A-2,33B-2,33C-2,33D-2から同時期に受け取った4つの受信無線処理後の信号から成る、受信信号ベクトルが入力されることになる。
通信路行列推定部354は、受信無線部33A-2,33B-2,33C-2,33D-2から受け取り且つOAM送信装置10から水平偏波によって送信された既知信号に対応する、4つの受信無線処理後の水平成分信号に基づいて、「通信路行列(第2通信路行列)」を算出する。「第2通信路行列」は、アンテナ素子15-1~15-4とアンテナ素子31-1~31-4との間の通信路に関する通信路行列である。ここで、OAM送信装置10から、複数の使用OAMモードと垂直偏波及び水平偏波との、複数の組み合わせのそれぞれによって、異なるパターンを持つ既知信号系列が送信される。これにより、通信路行列推定部354は、互いに異なるパターンの複数の既知信号系列を分離することができるので、各組み合わせの通信路の状態が反映された「通信路行列」を算出することができる。
ウェイト算出部355は、通信路行列推定部354にて算出された通信路行列に基づいて、「第2OAM受信ウェイト行列」の初期値を算出する。「第2OAM受信ウェイト行列」の初期値は、OAM受信処理部352,353に設定(セット)される。なお、通信路行列推定部354による通信路行列の算出、及び、ウェイト算出部355によるOAM受信ウェイト行列の初期値の算出については、Zero ForcingやMean Minimum Square Errorなどの手法の他に、上記「基本ウェイト行列」の共役転置行列を修正して、初期値を算出することも可能である。修正方法は、後に詳しく説明する。
OAM受信処理部342,343は、「第1OAM受信ウェイト行列」の2つの行ベクトル(つまり、第1OAM受信ウェイトベクトル、第2OAM受信ウェイトベクトル)にそれぞれ対応する。すなわち、OAM受信処理部342,343は、2つの使用OAMモードにそれぞれ対応する。ここでは、OAM受信処理部342,343は、モード0及びモード1にそれぞれ対応している。
OAM受信処理部342は、入力された受信信号ベクトルに対して、第1OAM受信ウェイトベクトルを乗算して、「OAM受信処理」を実行する。これにより、上記の「第1モード垂直成分受信信号A11k」が得られる。また、OAM受信処理部343は、入力された受信信号ベクトルに対して、第2OAM受信ウェイトベクトルを乗算して、「OAM受信処理」を実行する。これにより、上記の「第2モード垂直成分受信信号A12k」が得られる。ここで、OAM受信処理部342は、後述する硬判定部363から受け取る「第1誤差ベクトル信号」に基づいて、「第1OAM受信ウェイトベクトル」を調整(更新)しながら、「OAM受信処理」を実行する。また、OAM受信処理部343は、後述する硬判定部373から受け取る「第2誤差ベクトル信号」に基づいて、「第2OAM受信ウェイトベクトル」を調整(更新)しながら、「OAM受信処理」を実行する。これにより、適応的なOAM受信処理が可能となる。
OAM受信処理部352,353は、「第2OAM受信ウェイト行列」の2つの行ベクトル(つまり、第3OAM受信ウェイトベクトル、第4OAM受信ウェイトベクトル)にそれぞれ対応する。すなわち、OAM受信処理部352,353は、2つの使用OAMモードにそれぞれ対応する。ここでは、OAM受信処理部352,353は、モード0及びモード1にそれぞれ対応している。
OAM受信処理部352は、入力された受信信号ベクトルに対して、第3OAM受信ウェイトベクトルを乗算して、「OAM受信処理」を実行する。これにより、上記の「第1モード水平成分受信信号A21k」が得られる。また、OAM受信処理部353は、入力された受信信号ベクトルに対して、第4OAM受信ウェイトベクトルを乗算して、「OAM受信処理」を実行する。これにより、上記の「第2モード水平成分受信信号A22k」が得られる。ここで、OAM受信処理部352は、後述する硬判定部383から受け取る「第3誤差ベクトル信号」に基づいて、「第3OAM受信ウェイトベクトル」を調整(更新)しながら、「OAM受信処理」を実行する。また、OAM受信処理部353は、後述する硬判定部393から受け取る「第4誤差ベクトル信号」に基づいて、「第4OAM受信ウェイトベクトル」を調整(更新)しながら、「OAM受信処理」を実行する。これにより、適応的なOAM受信処理が可能となる。
図6は、第2実施形態のOAM受信装置におけるOAM受信処理部の一例を示すブロック図である。図6においてOAM受信処理部342は、ウェイト更新部342A-1~342A-4と、乗算器342B-1~342B-4と、加算器342Cとを有している。図6において、主信号A0,A1,A2,A3は、それぞれ、受信無線部33A-1~33D-1から出力された信号である。また、誤差ベクトル信号E11は、後述する硬判定部363から出力された第1誤差ベクトル信号を表している。また、初期ウェイトは、ウェイト算出部345によって算出された「第1OAM受信ウェイトベクトル」の初期値である。
ウェイト更新部342A-1~342A-4には、主信号A0,A1,A2,A3がそれぞれ入力される。例えば、ウェイト更新部342A-1は、主信号A0と誤差ベクトル信号E11とに基づいて、ウェイト更新部342A-1が保持しているOAM受信ウェイトを更新して、更新後のOAM受信ウェイトを乗算器342B-1へ出力する。ウェイト更新部342A-2~342A-4も同様に、更新後のOAM受信ウェイトを、乗算器342B-2~342B-4へそれぞれ出力する。
乗算器342B-1~342B-4は、主信号A0,A1,A2,A3がそれぞれ入力される。また、乗算器342B-1~342B-4は、ウェイト更新部342A-1~342A-4から更新後のOAM受信ウェイトが入力される。各乗算器342Bは、入力される主信号とOAM受信ウェイトとを乗算して、乗算結果を加算器342Cへ出力する。
加算器342Cは、乗算器342B-1~342B-4から受け取る4つの乗算結果を加算して、加算結果をOAM受信処理後の信号(つまり、第1モード垂直成分受信信号A11k)として出力する。
図7は、ウェイト更新部の一例を示すブロック図である。ウェイト更新部342A-1~342A-4の構成は同じなので、図7には、一例としてウェイト更新部342A-1の構成が示されている。図7においてウェイト更新部342A-1は、遅延回路342A-1Aと、相関回路342A-1Bと、加算器342A-1Cと、メモリ342A-1Dとを有している。
遅延回路342A-1Aは、入力される主信号を、時間(L×Ts)だけ保持した後に出力する。換言すれば、遅延回路342A-1Aは、入力される主信号を、時間(L×Ts)だけ遅延させる。時間(L×Ts)は、或るタイミングの主信号に応じた誤差ベクトル信号E11がフィードバックされるまでに掛かる時間(つまり、フィードバック遅延時間)に対応する。Tsは、シンボル時間を表している。Lは、フィードバック遅延時間に含まれるシンボル時間Tsの数を表している。すなわち、遅延回路342A-1Aが主信号をフィードバック遅延時間分だけ遅延させることにより、相関回路342A-1Bには、主信号と該主信号に対応する誤差ベクトル信号E11とが同時期に入力されることになる。
相関回路342A-1Bは、主信号と誤差ベクトル信号E11とを用いて相関値を算出し、算出した相関値を加算器342A-1Cへ出力する。
加算器342A-1Cは、相関回路342A-1Bから受け取る相関値とメモリ342A-1Dから受け取るウェイトとを加算して、加算結果をメモリ342A-1Dへ出力する。
メモリ342A-1Dは、メモリ342A-1Dが保持しているウェイト(保持ウェイト)を加算器342A-1Cへ出力し、加算器342A-1Cから受け取る加算結果によって保持ウェイトを更新すると共に、更新した保持ウェイトを乗算器342B-1へ出力する。なお、メモリ342A-1Dには、ウェイト算出部345で算出された初期ウェイトが最初に保持され、その初期ウェイトが更新される。
なお、OAM受信処理部343,352,353は、それぞれ、OAM受信処理部342と同じ構成を有している。ただし、OAM受信処理部343には、ウェイト算出部345によって算出された「第2OAM受信ウェイトベクトル」の初期値、及び、後述する硬判定部373から出力された第2誤差ベクトル信号E12が入力される。また、OAM受信処理部352,353のそれぞれには、主信号A0,A1,A2,A3として、受信無線部33A-2~33D-2から出力された信号が入力される。また、OAM受信処理部352には、ウェイト算出部355によって算出された「第3OAM受信ウェイトベクトル」の初期値、及び、後述する硬判定部383から出力された第3誤差ベクトル信号E21が入力される。また、OAM受信処理部353には、ウェイト算出部355によって算出された「第4OAM受信ウェイトベクトル」の初期値、及び、後述する硬判定部393から出力された第4誤差ベクトル信号E22が入力される。
以上のように、OAM受信処理部342,343,352,353では、主信号と誤差ベクトル信号との相関によって、OAM受信ウェイトベクトルを更新している。
図5の説明に戻り、復調処理部36は、干渉補償部362と、等化器361と、硬判定部363と、フレーム同期部364とを有している。復調処理部37は、干渉補償部372と、等化器371と、硬判定部373と、フレーム同期部374とを有している。復調処理部38は、干渉補償部382と、等化器381と、硬判定部383と、フレーム同期部384とを有している。復調処理部39は、干渉補償部392と、等化器391と、硬判定部393と、フレーム同期部394とを有している。
等化器361は、OAM受信処理部342にて得られた信号(つまり、第1モード垂直成分受信信号A11k)から歪み成分を除去して得られた、歪み成分除去処理後の第1モード垂直成分受信信号B11kを干渉補償部362へ出力する。例えば、等化器361は、第1モード垂直成分受信信号A11kに対して、複数のフィルタ係数(以下、「複数の第1フィルタ係数」と呼ぶことがある)を用いてフィルタリングすることによって、歪み成分を除去する。ここで、等化器361は、後述する硬判定部363から受け取る「第1誤差ベクトル信号E11」に基づいて、複数の第1フィルタ係数を調整(更新)しながら、歪み成分除去処理を実行する。
等化器371は、OAM受信処理部343にて得られた信号(つまり、第2モード垂直成分受信信号A12k)から歪み成分を除去して得られた、歪み成分除去処理後の第2モード垂直成分受信信号B12kを干渉補償部372へ出力する。例えば、等化器371は、第2モード垂直成分受信信号A12kに対して、複数のフィルタ係数(以下、「複数の第2フィルタ係数」と呼ぶことがある)を用いてフィルタリングすることによって、歪み成分を除去する。ここで、等化器371は、後述する硬判定部373から受け取る「第2誤差ベクトル信号E12」に基づいて、複数の第2フィルタ係数を調整(更新)しながら、歪み成分除去処理を実行する。
等化器381は、OAM受信処理部352にて得られた信号(つまり、第1モード水平成分受信信号A21k)から歪み成分を除去して得られた、歪み成分除去処理後の第1モード水平成分受信信号B21kを干渉補償部382へ出力する。例えば、等化器381は、第1モード水平成分受信信号A21kに対して、複数のフィルタ係数(以下、「複数の第3フィルタ係数」と呼ぶことがある)を用いてフィルタリングすることによって、歪み成分を除去する。ここで、等化器381は、後述する硬判定部383から受け取る「第3誤差ベクトル信号E21」に基づいて、複数の第3フィルタ係数を調整(更新)しながら、歪み成分除去処理を実行する。
等化器391は、OAM受信処理部353にて得られた信号(つまり、第2モード水平成分受信信号A22k)から歪み成分を除去して得られた、歪み成分除去処理後の第2モード水平成分受信信号B22kを干渉補償部392へ出力する。例えば、等化器391は、第2モード水平成分受信信号A22kに対して、複数のフィルタ係数(以下、「複数の第4フィルタ係数」と呼ぶことがある)を用いてフィルタリングすることによって、歪み成分を除去する。ここで、等化器391は、後述する硬判定部393から受け取る「第4誤差ベクトル信号E22」に基づいて、複数の第4フィルタ係数を調整(更新)しながら、歪み成分除去処理を実行する。
図8は、第2実施形態のOAM受信装置における等化器の一例を示すブロック図である。図8において等化器361は、遅延回路361A-1~361A-(L-1)と、係数更新部361B-1~361B-Lと、乗算器361C-1~361C-Lと、加算器361Dとを有している。図8において主信号A11kは、OAM受信処理部342から出力されたOAM受信処理後の信号(つまり、第1モード垂直成分受信信号A11k)である。また、誤差ベクトル信号E11は、後述する硬判定部363から出力された第1誤差ベクトル信号E11を表している。
遅延回路361A-1~361A-(L-1)は、それぞれ、入力される主信号A11kを時間Ts分だけ遅延させて出力する。そして、遅延回路361A-1~361A-(L-1)は、係数更新部361B-2~361B-Lの入力段にそれぞれ配設されている。これにより、係数更新部361B-1~361B-Lには、時間TsずつずれたL個の主信号A11kが同時期に入力されることになる。
各係数更新部361Bは、入力される主信号A11kと誤差ベクトル信号E11とに基づいて、各係数更新部361Bが保持しているフィルタ係数を更新して、更新後のフィルタ係数を乗算器361Cへ出力する。
各乗算器361Cは、主信号A11kとフィルタ係数とを乗算して、乗算結果を加算器361Dへ出力する。
加算器361Dは、乗算器361C-1~361C-Lから受け取るL個の乗算結果を加算して、加算結果を等化処理後の信号B11kとして出力する。以上のように、等化器361は、例えば、FIR(Finite Impulse Response)フィルタである。
図9は、係数更新部の一例を示すブロック図である。係数更新部361B-1~361B-Lの構成は同じなので、図9には、一例として係数更新部361B-1の構成が示されている。図9において係数更新部361B-1は、遅延回路361B-1Aと、相関回路361B-1Bと、加算器361B-1Cと、メモリ361B-1Dとを有している。図9において主信号Akは、第1モード垂直成分受信信号である。また、誤差ベクトル信号Akは、後述する硬判定部363から出力された第1誤差ベクトル信号を表している。
遅延回路361B-1Aは、入力される主信号A11kを、時間(L×Ts)だけ保持した後に出力する。換言すれば、遅延回路361B-1Aは、入力される主信号A11kを、時間(L×Ts)だけ遅延させる。時間(L×Ts)は、或るタイミングの主信号A11kに応じた誤差ベクトル信号E11がフィードバックされるまでに掛かる時間(つまり、フィードバック遅延時間)に対応する。Lは、フィードバック遅延時間に含まれるシンボル時間Tsの数を表している。すなわち、遅延回路361B-1Aが主信号A11kをフィードバック遅延時間分だけ遅延させることにより、相関回路361B-1Bには、主信号A11kと該主信号A11kに対応する誤差ベクトル信号E11とが同時期に入力されることになる。
相関回路361B-1Bは、主信号A11kと誤差ベクトル信号E11とを用いて相関値を算出し、算出した相関値を加算器361B-1Cへ出力する。
加算器361B-1Cは、相関回路361B-1Bから受け取る相関値とメモリ361B-1Dから受け取るフィルタ係数とを加算して、加算結果をメモリ361B-1Dへ出力する。
メモリ361B-1Dは、メモリ361B-1Dが保持しているフィルタ係数(保持フィルタ係数)を加算器361B-1Cへ出力し、加算器361B-1Cから受け取る加算結果によって保持フィルタ係数を更新すると共に、更新した保持フィルタ係数を乗算器361C-1へ出力する。
なお、等化器371,381,391は、等化器361と同じ構成を有している。ただし、等化器371には、主信号A12kとして、第2モード垂直成分受信信号A12kが入力され、誤差ベクトル信号E12として、後述する第2誤差ベクトル信号E12が入力される。また、等化器381には、主信号A21kとして、第1モード水平成分受信信号A21kが入力され、誤差ベクトル信号E211として、後述する第3誤差ベクトル信号E21kが入力される。また、等化器371には、主信号A22kとして、第2モード水平成分受信信号A22kが入力され、誤差ベクトル信号E22として、後述する第4誤差ベクトル信号E22が入力される。
以上のように、等化器361,371,381,391では、主信号と誤差ベクトル信号との相関によって、フィルタ係数を更新している。
図5の説明に戻り、干渉補償部362は、歪み成分除去処理後の第1モード垂直成分受信信号B11kから、第1モード水平成分受信信号A21k及び第2モード水平成分受信信号A22kの両方を用いて、垂直偏波に対する水平偏波による干渉成分を除去する。例えば、干渉補償部362は、第1モード水平成分受信信号A21kに対して複数のフィルタ係数(以下では、「複数の第5フィルタ係数」と呼ばれることがある)を用いてフィルタリングすることにより、「第1水平干渉成分レプリカ」を形成する。また、干渉補償部362は、第2モード水平成分受信信号A22kに対して複数のフィルタ係数(以下では、「複数の第6フィルタ係数」と呼ばれることがある)を用いてフィルタリングすることにより、「第2水平干渉成分レプリカ」を形成する。「第1水平干渉成分レプリカ」及び「第2水平干渉成分レプリカ」は、垂直偏波に対する水平偏波による干渉成分のレプリカである。そして、干渉補償部362は、歪み成分除去処理後の第1モード垂直成分受信信号B11kから、「第1水平干渉成分レプリカ」及び「第2水平干渉成分レプリカ」を減算して、干渉補償処理後の第1モード垂直成分受信信号C11kを形成する。ここで、干渉補償部362は、後述する硬判定部363から受け取る「第1誤差ベクトル信号E11」に基づいて、複数の第5フィルタ係数及び複数の第6フィルタ係数を調整(更新)しながら、干渉補償処理を実行する。これにより、適応的な干渉補償処理が可能となる。
干渉補償部372は、歪み成分除去処理後の第2モード垂直成分受信信号B12kから、第1モード水平成分受信信号A21k及び第2モード水平成分受信信号A22kの両方を用いて、垂直偏波に対する水平偏波による干渉成分を除去する。例えば、干渉補償部372は、第1モード水平成分受信信号A21kに対して複数のフィルタ係数(以下では、「複数の第7フィルタ係数」と呼ばれることがある)を用いてフィルタリングすることにより、「第3水平干渉成分レプリカ」を形成する。また、干渉補償部372は、第2モード水平成分受信信号A22kに対して複数のフィルタ係数(以下では、「複数の第8フィルタ係数」と呼ばれることがある)を用いてフィルタリングすることにより、「第4水平干渉成分レプリカ」を形成する。「第3水平干渉成分レプリカ」及び「第4水平干渉成分レプリカ」は、垂直偏波に対する水平偏波による干渉成分のレプリカである。そして、干渉補償部372は、歪み成分除去処理後の第2モード垂直成分受信信号B12kから、「第3水平干渉成分レプリカ」及び「第4水平干渉成分レプリカ」を減算して、干渉補償処理後の第2モード垂直成分受信信号C12kを形成する。ここで、干渉補償部372は、後述する硬判定部373から受け取る「第2誤差ベクトル信号E12」に基づいて、複数の第7フィルタ係数及び複数の第8フィルタ係数を調整(更新)しながら、干渉補償処理を実行する。
干渉補償部382は、歪み成分除去処理後の第1モード水平成分受信信号B21kから、第1モード垂直成分受信信号A11k及び第2モード垂直成分受信信号A12kの両方を用いて、水平偏波に対する垂直偏波による干渉成分を除去する。例えば、干渉補償部382は、第1モード垂直成分受信信号A11kに対して複数のフィルタ係数(以下では、「複数の第9フィルタ係数」と呼ばれることがある)を用いてフィルタリングすることにより、「第1垂直干渉成分レプリカ」を形成する。また、干渉補償部382は、第2モード垂直成分受信信号A12kに対して複数のフィルタ係数(以下では、「複数の第10フィルタ係数」と呼ばれることがある)を用いてフィルタリングすることにより、「第2垂直干渉成分レプリカ」を形成する。「第1垂直干渉成分レプリカ」及び「第2垂直干渉成分レプリカ」は、水平偏波に対する垂直偏波による干渉成分のレプリカである。そして、干渉補償部382は、歪み成分除去処理後の第1モード水平成分受信信号B21kから、「第1垂直干渉成分レプリカ」及び「第2垂直干渉成分レプリカ」を減算して、干渉補償処理後の第1モード水平成分受信信号C21kを形成する。ここで、干渉補償部382は、後述する硬判定部383から受け取る「第3誤差ベクトル信号E21」に基づいて、複数の第9フィルタ係数及び複数の第10フィルタ係数を調整(更新)しながら、干渉補償処理を実行する。
干渉補償部392は、歪み成分除去処理後の第2モード水平成分受信信号B22kから、第1モード垂直成分受信信号A11k及び第2モード垂直成分受信信号A12kの両方を用いて、水平偏波に対する垂直偏波による干渉成分を除去する。例えば、干渉補償部392は、第1モード垂直成分受信信号A11kに対して複数のフィルタ係数(以下では、「複数の第11フィルタ係数」と呼ばれることがある)を用いてフィルタリングすることにより、「第3垂直干渉成分レプリカ」を形成する。また、干渉補償部392は、第2モード垂直成分受信信号A12kに対して複数のフィルタ係数(以下では、「複数の第12フィルタ係数」と呼ばれることがある)を用いてフィルタリングすることにより、「第4垂直干渉成分レプリカ」を形成する。「第3垂直干渉成分レプリカ」及び「第4垂直干渉成分レプリカ」は、水平偏波に対する垂直偏波による干渉成分のレプリカである。そして、干渉補償部392は、歪み成分除去処理後の第2モード水平成分受信信号B22kから、「第3垂直干渉成分レプリカ」及び「第4垂直干渉成分レプリカ」を減算して、干渉補償処理後の第2モード水平成分受信信号C22kを形成する。ここで、干渉補償部392は、後述する硬判定部393から受け取る「第4誤差ベクトル信号E22」に基づいて、複数の第11フィルタ係数及び複数の第12フィルタ係数を調整(更新)しながら、干渉補償処理を実行する。
図10は、第2実施形態のOAM受信装置における干渉補償部の一例を示すブロック図である。図10において干渉補償部362は、干渉成分レプリカ形成部362A-1,362A-2と、加算器(減算器)362Bとを有している。図10において主信号B11kは、等化器361から出力された歪み成分除去処理後の第1モード垂直成分受信信号B11kである。また、主信号A21kは、OAM受信処理部352から出力された第1モード水平成分受信信号A21kである。また、主信号A22kは、OAM受信処理部353から出力された第2モード水平成分受信信号A22kである。また、誤差ベクトル信号E11は、後述する硬判定部363から出力された第1誤差ベクトル信号E11を表している。
干渉成分レプリカ形成部362A-1は、第1モード水平成分受信信号A21kに対して複数のフィルタ係数を用いてフィルタリングすることにより、第1水平干渉成分レプリカを形成する。干渉成分レプリカ形成部362A-2は、第2モード水平成分受信信号A22kに対して複数のフィルタ係数を用いてフィルタリングすることにより、第2水平干渉成分レプリカを形成する。
加算器(減算器)362Bは、主信号B11kから第1水平干渉成分レプリカ及び第2水平干渉成分レプリカを減算して、干渉補償処理後の第1モード垂直成分受信信号C11kを出力する。
図10に示すように、例えば、干渉成分レプリカ形成部362A-1は、遅延回路362C-1~362C-(K-1)と、係数更新部362D-1~362D-Kと、乗算器362E-1~362E-Kと、加算器362Fとを有している。なお、干渉成分レプリカ形成部362A-2は、干渉成分レプリカ形成部362A-1と同じ構成を有している。ただし、干渉成分レプリカ形成部362A-2には、主信号A21kの代わりに、主信号A22kが入力される。
遅延回路362C-1~362C-(K-1)は、それぞれ、入力される主信号A21kを時間Ts分だけ遅延させて出力する。そして、遅延回路362C-1~362C-(K-1)は、係数更新部362D-2~362D-Kの入力段にそれぞれ配設されている。これにより、係数更新部362D-1~362D-Kには、時間TsずつずれたM個の主信号A21kが同時期に入力されることになる。
各係数更新部362Dは、入力される主信号A21kと誤差ベクトル信号E11とに基づいて、各係数更新部362Dが保持しているフィルタ係数を更新して、更新後のフィルタ係数を乗算器362Eへ出力する。
各乗算器362Eは、主信号A21kとフィルタ係数とを乗算して、乗算結果を加算器362Fへ出力する。
加算器362Fは、乗算器362E-1~362E-Kから受け取るK個の乗算結果を加算して、加算結果を第1水平干渉成分レプリカとして出力する。以上のように、干渉成分レプリカ形成部362A-1は、例えば、FIR(Finite Impulse Response)フィルタである。
図11は、係数更新部の一例を示すブロック図である。係数更新部362D-1~362D-Kの構成は同じなので、図11には、一例として係数更新部362D-1の構成が示されている。図11において係数更新部362D-1は、遅延回路362D-1Aと、相関回路362D-1Bと、加算器362D-1Cと、メモリ362D-1Dとを有している。なお、干渉成分レプリカ形成部362A-1の係数更新部362D-1では、主信号A21kは、第1モード水平成分受信信号A21kであり、干渉成分レプリカ形成部362A-2の係数更新部362D-1では、主信号A22kは、第2モード水平成分受信信号A22kである。また、誤差ベクトル信号E11は、後述する硬判定部363から出力された第1誤差ベクトル信号E11を表している。
遅延回路362D-1Aは、入力される主信号A21kを、時間(L×Ts)だけ保持した後に出力する。換言すれば、遅延回路362D-1Aは、入力される主信号A21kを、時間(L×Ts)だけ遅延させる。時間(L×Ts)は、或るタイミングの主信号B11kに応じた誤差ベクトル信号E11がフィードバックされるまでに掛かる時間(つまり、フィードバック遅延時間)に対応する。Lは、フィードバック遅延時間に含まれるシンボル時間Tsの数を表している。すなわち、遅延回路362D-1Aが主信号A21kをフィードバック遅延時間分だけ遅延させることにより、相関回路362D-1Bには、主信号A21kと、該主信号A21kと同時期の主信号B11kに対応する誤差ベクトル信号E11とが同時期に入力されることになる。
相関回路362D-1Bは、主信号A21kと誤差ベクトル信号E11とを用いて相関値を算出し、算出した相関値を加算器362D-1Cへ出力する。
加算器362D-1Cは、相関回路362D-1Bから受け取る相関値とメモリ362D-1Dから受け取るフィルタ係数とを加算して、加算結果をメモリ362D-1Dへ出力する。
メモリ362D-1Dは、メモリ362D-1Dが保持しているフィルタ係数(保持フィルタ係数)を加算器362D-1Cへ出力し、加算器362D-1Cから受け取る加算結果によって保持フィルタ係数を更新すると共に、更新した保持フィルタ係数を乗算器362E-1へ出力する。
なお、干渉補償部372,382,392は、干渉補償部362と同じ構成を有している。ただし、干渉補償部372には、主信号B12kとして、歪み成分除去処理後の第2モード垂直成分受信信号B12kが入力され、誤差ベクトル信号E12として、第2誤差ベクトル信号E12が入力される。また、干渉補償部382には、主信号B21kとして、歪み成分除去処理後の第1モード水平成分受信信号B21kが入力され、誤差ベクトル信号E21として、第3誤差ベクトル信号E21が入力される。そして、干渉補償部382には、主信号A11k,A12kとして、第1モード垂直成分受信信号A11k及び第2モード垂直成分受信信号A11kが入力される。また、干渉補償部392には、主信号B22kとして、歪み成分除去処理後の第2モード水平成分受信信号B22kが入力され、誤差ベクトル信号E22として、第4誤差ベクトル信号E22が入力される。そして、干渉補償部392には、主信号A11k,A12kとして、第1モード垂直成分受信信号A11k及び第2モード垂直成分受信信号A12kが入力される。
以上のように、干渉補償部362,372,382,392では、主信号と誤差ベクトル信号との相関によって、フィルタ係数を更新している。
図5の説明に戻り、硬判定部363は、干渉補償部362にて得られた干渉補償処理後の第1モード垂直成分受信信号C11kに対応する、コンスタレーション上の受信信号点(以下では、「第1受信信号点」と呼ぶことがある)に基づいて、「第1シンボル」を特定する。例えば、硬判定部363は、OAM送信装置10にて用いられた変調方式(PSK(phase-shift keying)、QAM(quadrature amplitude modulation)等)に対応するコンスタレーション上の複数のシンボルのうちで、「第1受信信号点」に最も近いシンボルを「第1シンボル」として特定する。そして、硬判定部363は、例えば、「第1受信信号点」と「第1シンボル」との差ベクトルを、「第1受信信号点」と「第1シンボル」との誤差を示す「第1誤差ベクトル信号E11」として出力する。
硬判定部373は、硬判定部363と同様に、干渉補償部372にて得られた干渉補償処理後の第2モード垂直成分受信信号C12kに対応する、コンスタレーション上の受信信号点(以下では、「第2受信信号点」と呼ぶことがある)に基づいて、「第2シンボル」を特定する。そして、硬判定部373は、例えば、「第2受信信号点」と「第2シンボル」との差ベクトルを、「第2受信信号点」と「第2シンボル」との誤差を示す「第2誤差ベクトル信号E12」として出力する。
硬判定部383は、硬判定部363と同様に、干渉補償部382にて得られた干渉補償処理後の第1モード水平成分受信信号C21kに対応する、コンスタレーション上の受信信号点(以下では、「第3受信信号点」と呼ぶことがある)に基づいて、「第3シンボル」を特定する。そして、硬判定部383は、例えば、「第3受信信号点」と「第3シンボル」との差ベクトルを、「第3受信信号点」と「第3シンボル」との誤差を示す「第3誤差ベクトル信号E21」として出力する。
硬判定部393は、硬判定部363と同様に、干渉補償部392にて得られた干渉補償処理後の第2モード水平成分受信信号C22kに対応する、コンスタレーション上の受信信号点(以下では、「第4受信信号点」と呼ぶことがある)に基づいて、「第4シンボル」を特定する。そして、硬判定部393は、例えば、「第4受信信号点」と「第4シンボル」との差ベクトルを、「第4受信信号点」と「第4シンボル」との誤差を示す「第4誤差ベクトル信号E22」として出力する。
フレーム同期部364,374は、OAM送信装置10から垂直偏波によって送信されてOAM受信装置30によって受信された既知信号と、予め保持している既知信号とのパターンマッチングによって、フレーム先頭タイミングを検出する。そして、フレーム同期部364,374は、検出したフレーム先頭タイミングを通信路行列推定部344へ出力する。これにより、通信路行列推定部344は、フレーム内の所定タイミングに配置されている既知信号を抽出することができる。
フレーム同期部384,394は、OAM送信装置10から水平偏波によって送信されてOAM受信装置30によって受信された既知信号と、予め保持している既知信号とのパターンマッチングによって、フレーム先頭タイミングを検出する。そして、フレーム同期部384,394は、検出したフレーム先頭タイミングを通信路行列推定部354へ出力する。これにより、通信路行列推定部354は、フレーム内の所定タイミングに配置されている既知信号を抽出することができる。
<OAM伝送システムの動作例>
以上の構成を有するOAM伝送システムの動作例について説明する。
<OAM送信装置の動作例>
OAM送信装置10は、連続した複数のフレームを用いて信号を送信する。図12は、フレームの説明に供する図である。
図12に示すように、各フレームは、フレームの先頭部分に「既知信号系列(パイロット信号系列)」がマッピングされ、先頭部分を除く部分に「データ信号系列」がマッピングされる。変調器11-1,11-2,変調器21-1,21-2に入力される既知信号系列のパターンは、互いに異なる。
また、変調器11,21では、既知信号系列に対しては、変調方式として、BPSK又はQPSKが用いられる。一方、変調器11,21では、データ信号系列に対しては、変調方式として、BPSK、QPSK、16QAM、32QAM、64QAM、128QAM、及び256QAM等が用いられる。
<OAM受信装置の動作例>
〈フレーム同期〉
OAM受信装置30は、フレーム同期を確立するために、OAM受信処理部342,343,352,353と、復調処理部36~39とをONにする。そして、フレーム同期部364,374,384,394は、フレーム先頭タイミングを検出し、検出したフレーム先頭タイミングを通信路行列推定部344,354へ出力する。そして、OAM受信装置30は、OAM受信処理部342,343,352,353をOFFにする。
〈通信路行列の推定、OAM受信ウェイトベクトルの初期値の算出〉
OAM受信装置30は、通信路行列推定部344,354及びウェイト算出部345,355をONにする。そして、通信路行列推定部344,354は、フレーム先頭タイミングに基づいて、受信無線部33から受け取る受信無線処理後の信号から「既知信号」を抽出し、抽出した「既知信号」に基づいて、通信路行列を算出する。
ウェイト算出部345,355は、通信路行列推定部344,354で算出された通信路行列に基づいて、「使用OAMモード」に対応する「基本ウェイト行列」の共役転置行列を修正して、「OAM受信ウェイ行列」の初期値を算出する。そして、ウェイト算出部345,355は、算出した「OAM受信ウェイト行列」の初期値を、OAM受信処理部342,343,352,353にセットする。そして、OAM受信装置30は、通信路行列推定部344,354及びウェイト算出部345,355をOFFにする。
〈データ信号の受信〉
OAM受信装置30は、OAM受信処理部342,343,352,353をONにする。そして、OAM受信処理部342,343,352,353は、硬判定部363,373,383,393から受け取る「誤差ベクトル信号」に基づいて、「OAM受信ウェイトベクトル」を調整(更新)しながら、「OAM受信処理」を実行する。
等化器361,371,381,391は、硬判定部363,373,383,393から受け取る「誤差ベクトル信号」に基づいて、複数のフィルタ係数を調整(更新)しながら、歪み成分除去処理を実行する。
干渉補償部362,372,382,392は、硬判定部363,373,383,393から受け取る「誤差ベクトル信号」に基づいて、複数のフィルタ係数を調整(更新)しながら、干渉補償処理を実行する。
硬判定部363,373,383,393は、干渉補償部362,372,382,392にて得られた干渉補償処理後の信号に対応する、コンスタレーション上の受信信号点に基づいて、「シンボル」を特定する。そして、硬判定部363,373,383,393は、特定した「シンボル」と受信信号点との誤差を示す誤差ベクトル信号を、OAM受信処理部342,343,352,353、等化器361,371,381,391、及び、干渉補償部362,372,382,392へ出力する。なお、硬判定部363,373,383,393によって特定されたシンボルは、復調処理部36~39の後段の機能部(図示せず)へ出力される。
ここで、「OAM受信ウェイト行列」の初期値の更新は、通信路行列の算出に既知信号が用いられるため、最も頻繁に行うとしてもフレーム周期である。これに対して、OAM受信処理部342,343,352,353は、硬判定部363,373,383,393から受け取る「誤差ベクトル信号」に基づいて、「OAM受信ウェイトベクトル」を、逐次(例えばシンボル周期で)、調整(更新)する。これにより、OAM送信装置10とOAM受信装置30との間の通信状況に対してよりマッチした「OAM受信ウェイトベクトル」を用いて、OAM受信処理を実行することができる。このように、OAM受信ウェイトベクトルの逐次調整により通信状況にマッチしたOAM信ウェイトベクトルが得られるので、ウェイト算出部345,355によるOAM信ウェイトベクトルの初期化は、例えば、通信の開始時に実行されればよい。
なお、以上の説明では、OAM送信装置10は、OAM受信装置30に通信路行列を算出させるために、複数の使用OAMモード及び両偏波を用いて既知信号を送信するものとして説明したが、これに限定されない。OAM送信装置10は、OAM受信装置30に通信路行列を算出させるために、1つの使用OAMモード(例えば、モード0)及び両偏波を用いて既知信号を送信してもよい。
ここで、通信路行列推定部344,354による通信路行列の算出、及び、ウェイト算出部345,355によるOAM受信ウェイト行列の初期値の算出について詳しく説明する。
まず、送信信号と受信信号との関係は、次の式(1)で表すことができる。
Figure 0007306205000001
y(t)は、時刻tの受信信号(OAM分離後、つまりOAM受信処理後の信号)である。x(t)は、時刻tの送信信号(OAM多重化前の信号)である。Hは、通信路行列である。Wは、OAM送信ウェイト行列である。Wは、OAM受信ウェイト行列である。
次に、送信アンテナ素子と受信アンテナ素子とが正対する理想状態を考える。このとき、通信路行列Hは、巡回行列(Hid)となる。ここで、OAM送信装置10は、N個の送信アンテナ素子から成るUCAアンテナを有し、OAM受信装置30は、N個の受信アンテナ素子から成るUCAアンテナを有しているものとする。
巡回行列の性質から、式(1)における「WHW」は、DFT(Discrete Fourier Transform)行列Dを用いた対角化(A)が可能である。従って、式(1)は、次の式(2)のように変形することができる。
Figure 0007306205000002
ここで、Aは、式(3)で表される。また、Aは、対角行列であるので、式(4)のような形となる。
Figure 0007306205000003
Figure 0007306205000004
ここで、OAM送信装置10のUCAアンテナ及びOAM受信装置30のUCAアンテナを実際に設置する際には、例えば1°より小さい微小角が生じるため、通信路行列Hは、理想状態の通信路行列Hidにはならない。
非理想状態の通信路行列Hnidは、次の式(5)のようにモデル化することができる。
Figure 0007306205000005
Rは、理想状態の通信路行列Hidに対する非理想状態の通信路行列Hnidの差分を表す行列である。
このときの送信信号と受信信号との関係は、次の式(6)で表すことができる。
Figure 0007306205000006
式(6)において、OAM受信ウェイト行列Wに、DFT行列Dの共役転置をRの逆行列によって修正したものを用いることにより、式(2)に表したような対角化が可能となる。ここで、「DFT行列Dの共役転置をRの逆行列によって修正したもの」を、例えば次の式(7)で表すと、対角化(A)は次の式(8)によって表すことができる。
Figure 0007306205000007
Figure 0007306205000008
このため、式(7)に表したOAM受信ウェイト行列を得るためには、Rの逆行列を算出できればよい。上記の通り、理想状態の通信路行列Hidに対する非理想状態の通信路行列Hnidの差分を表す行列である。
まず、理想状態の通信路行列Hidを算出することは、理想的な状態にあるN個の送信アンテナ素子とN個の受信アンテナ素子との間のパス(dk,l)に基づく位相回転を算出することと同義である。各パスに基づく位相回転量は、設計値である「アンテナ素子の数(N)」、「アレー半径(r)」、「波長(λ)」、及び、設置時に測定した送受信間の「伝送距離(Z)」によって、幾何学的に算出することができる。ここで、パス(dk,l)は、k番目の送信アンテナ素子とl番目の受信アンテナ素子との間のパスを意味している。
パス(dk,l)は、次の式(9)で表すことができる。また、理想状態の通信路行列Hidは、次の式(10)で表すことができる。
Figure 0007306205000009
Figure 0007306205000010
また、非理想状態の通信路行列Hnidは、既知信号(パイロット信号(p))を用いて推定することができる。受信信号(y)とパイロット信号(p)とは、次の式(11)で表される関係がある。
Figure 0007306205000011
Dは、行列サイズがN×NのDFT行列である。
そして、次の式(12)に表すように、予め計算しておいた行列(s-1)を受信信号に行列積することによって、推定された通信路行列H^nidを算出することができる。
Figure 0007306205000012
以上のように、通信路行列推定部344,354は、例えば式(12)を用いて、通信路行列H^nidを算出することができる。そして、ウェイト算出部345,355は、通信路行列H^nidと理想状態の通信路行列Hidとを用いてRを算出する。そして、ウェイト算出部345,355は、式(7)に示すように、DFT行列(つまり、基本ウェイト行列)Dの共役転置をRの逆行列によって修正することによって、「OAM受信ウェイト行列」の初期値を算出することができる。
以上のように第2実施形態によれば、OAM受信装置30にてOAM受信部34は、硬判定部363にて得られた第1誤差ベクトル信号及び硬判定部373にて得られた第2誤差ベクトル信号に基づいて、第1OAM受信ウェイト行列を調整(更新)しながら、OAM受信処理を実行する。
このOAM受信装置30の構成により、適応的なOAM受信処理が可能となる。
また、OAM受信装置30にて通信路行列推定部344は、受信無線部33A-1,33B-1,33C-1,33D-1から受け取り且つOAM送信装置10から垂直偏波によって送信された既知信号に対応する、4つの受信無線処理後の垂直成分信号に基づいて、第1通信路行列を算出する。そして、ウェイト算出部345は、通信路行列推定部344にて算出された第1通信路行列に基づいて、基本ウェイト行列の共役転置行列を修正して、第1OAM受信ウェイト行列の初期値を算出する。
このOAM受信装置30の構成により、OAM送信装置10とOAM受信装置30との間の通信状況に対して許容される精度範囲内でマッチした、第1OAM受信ウェイト行列の初期値を算出することができる。
また、OAM受信装置30にてOAM受信部34は、垂直偏波及び第1OAMモードによって送信されたデータ信号に対応する第1誤差ベクトル信号、及び、垂直偏波及び第2OAMモードによって送信されたデータ信号に対応する第2誤差ベクトル信号に基づいて、第1OAM受信ウェイト行列を調整する。ここで、OAM送信装置10は、各フレームの先頭部分において既知信号を送信し、各フレームの先頭部分を除くデータ送信部分においてデータ信号を送信している。
このOAM受信装置30の構成により、第1OAM受信ウェイト行列をシンボル周期で調整できるので、第1OAM受信ウェイト行列を、OAM送信装置10とOAM受信装置30との間の通信状況に対してよりマッチした値により高速に近づけることができる。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1 OAM伝送システム
10 OAM送信装置
11 変調器
12 信号形成部
12A 分配器
12B 線形プリコーダ
13 送信無線部
14 偏波多重器
15 アンテナ素子
21 変調器
22 信号形成部
22A 分配器
22B 線形プリコーダ
23 送信無線部
30 OAM受信装置
31 アンテナ素子
32 偏波分離器
33 受信無線部
34 OAM受信部
35 OAM受信部
36 復調処理部
37 復調処理部
38 復調処理部
39 復調処理部
341 分配器
342 OAM受信処理部
343 OAM受信処理部
344 通信路行列推定部
345 ウェイト算出部
351 分配器
352 OAM受信処理部
353 OAM受信処理部
354 通信路行列推定部
355 ウェイト算出部
361 等化器
362 干渉補償部
363 硬判定部
364 フレーム同期部
371 等化器
372 干渉補償部
373 硬判定部
374 フレーム同期部
381 等化器
382 干渉補償部
383 硬判定部
384 フレーム同期部
391 等化器
392 干渉補償部
393 硬判定部
394 フレーム同期部

Claims (8)

  1. OAM(orbital angular momentum)送信装置の複数の送信アンテナ素子からそれぞれ送信された複数の無線信号であって、各無線信号が、第1OAMモード及び第2OAMモードを用いて形成され且つ垂直偏波によって送信された第1OAMモード多重無線信号及び水平偏波によって送信された第2OAMモード多重無線信号を含む、前記複数の無線信号を受信する、複数の受信アンテナ素子と、
    前記複数の受信アンテナ素子によって受信された複数の受信無線信号のそれぞれが偏波分離され且つ受信無線処理された、複数の垂直成分信号及び複数の水平成分信号のうちの前記複数の垂直成分受信信号に対して、第1OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード垂直成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード垂直成分受信信号を形成する第1OAM受信部と、
    前記複数の水平成分信号に対して、第2OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード水平成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード水平成分受信信号を形成する第2OAM受信部と、
    前記第1モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去する第1干渉補償部と、
    前記第2モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去する第2干渉補償部と、
    前記第1モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去する第3干渉補償部と、
    前記第2モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去する第4干渉補償部と、
    を具備するOAM受信装置。
  2. 前記第1干渉補償部によって干渉成分が除去された信号に対応するコンスタレーション上の第1受信信号点に基づいて第1シンボルを特定すると共に、該特定された第1シンボルと前記第1受信信号点との誤差を示す第1誤差ベクトル信号を出力する、第1硬判定部と、
    前記第2干渉補償部によって干渉成分が除去された信号に対応するコンスタレーション上の第2受信信号点に基づいて第2シンボルを特定すると共に、該特定された第2シンボルと前記第2受信信号点との誤差を示す第2誤差ベクトル信号を出力する、第2硬判定部と、
    をさらに具備し、
    前記第1OAM受信部は、前記第1誤差ベクトル信号及び前記第2誤差ベクトル信号に基づいて、前記第1OAM受信ウェイト行列を調整する、
    請求項1記載のOAM受信装置。
  3. 前記OAM送信装置から前記垂直偏波によって送信された既知信号に基づいて、前記複数の送信アンテナ素子と前記複数の受信アンテナ素子との間の通信路に関する通信路行列を算出する通信路行列推定部と、
    前記算出された通信路行列に基づいて、前記第1OAMモード及び前記第2OAMモードに対応する基本ウェイト行列の共役転置行列を修正して、前記第1OAM受信ウェイト行列の初期値を算出するウェイト算出部と、
    をさらに具備する、請求項2に記載のOAM受信装置。
  4. 前記OAM送信装置は、各フレームの先頭部分において前記既知信号を送信し、各フレームの前記先頭部分を除くデータ送信部分においてデータ信号を送信し、
    前記第1OAM受信部は、前記垂直偏波及び前記第1OAMモードによって送信されたデータ信号に対応する前記第1誤差ベクトル信号、及び、前記垂直偏波及び前記第2OAMモードによって送信されたデータ信号に対応する前記第2誤差ベクトル信号に基づいて、前記第1OAM受信ウェイト行列を調整する、
    請求項3記載のOAM受信装置。
  5. 前記第1干渉補償部は、
    前記第1モード水平成分受信信号に対して複数の第1フィルタ係数を用いてフィルタリングすることによって、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による第1水平干渉成分レプリカを形成する第1干渉成分レプリカ形成部と、
    前記第2モード水平成分受信信号に対して複数の第2フィルタ係数を用いてフィルタリングすることによって、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による第2水平干渉成分レプリカを形成する第2干渉成分レプリカ形成部と、
    を具備し、
    前記第1干渉成分レプリカ形成部は、前記第1誤差ベクトル信号に基づいて前記複数の第1フィルタ係数を調整し、
    前記第2干渉成分レプリカ形成部は、前記第1誤差ベクトル信号に基づいて前記複数の第2フィルタ係数を調整する、
    請求項4記載のOAM受信装置。
  6. 前記第1OAM受信部と前記第1干渉補償部との間に設けられ、且つ、前記第1モード垂直成分受信信号に対して複数の第3フィルタ係数を用いてフィルタリングすることによって歪み成分を除去する第1等化部と、
    前記第1OAM受信部と前記第2干渉補償部との間に設けられ、且つ、前記第2モード垂直成分受信信号に対して複数の第4フィルタ係数を用いてフィルタリングすることによって歪み成分を除去する第2等化部と、
    をさらに具備し、
    前記第1等化部は、前記第1誤差ベクトル信号に基づいて前記複数の第3フィルタ係数を調整し、
    前記第2等化部は、前記第2誤差ベクトル信号に基づいて前記複数の第4フィルタ係数を調整する、
    請求項5記載のOAM受信装置。
  7. OAM(orbital angular momentum)送信装置の複数の送信アンテナ素子からそれぞれ送信された複数の無線信号であって、各無線信号が、第1OAMモード及び第2OAMモードを用いて形成され且つ垂直偏波によって送信された第1OAMモード多重無線信号及び水平偏波によって送信された第2OAMモード多重無線信号を含む、前記複数の無線信号を受信する、複数の受信アンテナ素子を具備するOAM受信装置によって実行されるOAM受信方法であって、
    前記複数の受信アンテナ素子によって受信された複数の受信無線信号のそれぞれが偏波分離され且つ受信無線処理された、複数の垂直成分信号及び複数の水平成分信号のうちの前記複数の垂直成分受信信号に対して、第1OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード垂直成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード垂直成分受信信号を形成し、
    前記複数の水平成分信号に対して、第2OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード水平成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード水平成分受信信号を形成し、
    前記第1モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去し、
    前記第2モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去し、
    前記第1モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去し、
    前記第2モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去する、
    OAM受信方法。
  8. OAM(orbital angular momentum)送信装置及びOAM受信装置を具備するOAM伝送システムであって、
    前記OAM送信装置は、各無線信号が、第1OAMモード及び第2OAMモードを用いて形成され且つ垂直偏波によって送信された第1OAMモード多重無線信号及び水平偏波によって送信された第2OAMモード多重無線信号を含む、複数の無線信号を、複数の送信アンテナ素子からそれぞれ送信し、
    前記OAM受信装置は、
    前記送信された複数の無線信号を受信する複数の受信アンテナ素子と、
    前記複数の受信アンテナ素子によって受信された複数の受信無線信号のそれぞれが偏波分離され且つ受信無線処理された、複数の垂直成分信号及び複数の水平成分信号のうちの前記複数の垂直成分受信信号に対して、第1OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード垂直成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード垂直成分受信信号を形成する第1OAM受信部と、
    前記複数の水平成分信号に対して、第2OAM受信ウェイト行列を乗算することにより、前記第1OAMモードに対応する第1モード水平成分受信信号及び前記第2OAMモードに対応する第2モード水平成分受信信号を形成する第2OAM受信部と、
    前記第1モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去する第1干渉補償部と、
    前記第2モード垂直成分受信信号から、前記第1モード水平成分受信信号及び前記第2モード水平成分受信信号の両方を用いて、前記垂直偏波に対する前記水平偏波による干渉成分を除去する第2干渉補償部と、
    前記第1モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去する第3干渉補償部と、
    前記第2モード水平成分受信信号から、前記第1モード垂直成分受信信号及び前記第2モード垂直成分受信信号の両方を用いて、前記水平偏波に対する前記垂直偏波による干渉成分を除去する第4干渉補償部と、
    を具備する、
    OAM伝送システム。
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