JP5639738B2 - 圧電/電歪素子の製造方法 - Google Patents

圧電/電歪素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5639738B2
JP5639738B2 JP2008033035A JP2008033035A JP5639738B2 JP 5639738 B2 JP5639738 B2 JP 5639738B2 JP 2008033035 A JP2008033035 A JP 2008033035A JP 2008033035 A JP2008033035 A JP 2008033035A JP 5639738 B2 JP5639738 B2 JP 5639738B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
film
electrostrictive
electrostrictive element
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008033035A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009194146A (ja
Inventor
貴昭 小泉
貴昭 小泉
清水 秀樹
清水  秀樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2008033035A priority Critical patent/JP5639738B2/ja
Priority to US12/367,701 priority patent/US8042239B2/en
Priority to EP20090250329 priority patent/EP2091091B1/en
Publication of JP2009194146A publication Critical patent/JP2009194146A/ja
Priority to US13/235,578 priority patent/US8479364B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5639738B2 publication Critical patent/JP5639738B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/88Mounts; Supports; Enclosures; Casings
    • H10N30/883Further insulation means against electrical, physical or chemical damage, e.g. protective coatings
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/02Forming enclosures or casings
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/42Piezoelectric device making

Description

本発明は、圧電/電歪特性の劣化を抑制しつつ耐湿性を向上した圧電/電歪素子及び当該圧電/電歪素子の製造方法に関する。
圧電/電歪アクチュエータは、サブミクロンのオーダーで変位を精密に制御することができるという利点を有する。特に、圧電/電歪セラミックスの焼成体を圧電/電歪体として用いた圧電/電歪アクチュエータは、変位を精密に制御することができる他にも、電気機械変換効率が高く、発生力が大きく、応答速度が速く、耐久性が高く、消費電力が少ないという利点も有し、これらの利点を生かして、インクジェットプリンタのヘッドやディーゼルエンジンのインジェクタに採用されている。
しかし、圧電/電歪セラミックスの焼成体を圧電/電歪体として用いた圧電/電歪アクチュエータでは、常湿下においては変位量の低下が問題とならないにもかかわらず、高湿下においては変位量の低下が問題となることがある。このような変位量の低下の原因は、圧電/電歪アクチュエータを分極したり繰り返し駆動したりしたときに圧電/電歪セラミックスの焼成体の粒界やポアなどの機械的強度が弱い部分に応力が集中することにより形成されたマイクロクラックその他の欠陥に水分が浸入して導電パスとなり、圧電/電歪体膜に印加される電界を小さくしてしまうことにあると考えられる。
このような高湿下における変位量の低下を防ぐためには、圧電/電歪体膜と電極膜とを積層した振動積層体の表面にマイクロクラックその他の欠陥を覆う被膜を形成することが有効である。
例えば、特許文献1には、振動積層体(圧電振動子)の表面に被膜(絶縁層13)を形成することにより耐湿性を向上することが記載されている。また、特許文献2にも、振動積層体(圧電素子300)の表面に被膜(保護膜100)を形成することにより耐湿性を向上することが記載されている。
特許第3552013号公報 特開2007−175989号公報
しかし、従来の技術では、振動積層体の表面に被膜を形成することにより耐湿性を向上することができるものの、被覆が振動積層体を拘束するため、圧電/電歪アクチュエータの変位量が低下してしまうという問題があった。この問題を緩和するために、特許文献2では、被膜の一部を柔軟な材料で構成することを提案しているが(段落0051)、そのような対策では十分な効果を得ることはできない。
なお、この問題は、圧電/電歪アクチュエータに限らず、圧電/電歪体膜及び電極膜を積層した振動積層体を備える圧電/電歪素子に共通する問題である。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、圧電/電歪特性の劣化を抑制しつつ耐湿性を向上した圧電/電歪素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1及び請求項2の発明は、圧電/電歪体膜及び電極膜を積層した振動積層体を備える圧電/電歪素子の製造方法であって、(a) 被膜材料成分を含有する電着塗料液を振動積層体に接触させる工程と、(b) 前記振動積層体の表面に露出し前記振動積層体を構成する第1の電極膜に至る欠陥の上に被膜となる被膜材料を選択的に電着させる工程と、を備える。
請求項1の発明においては、前記工程(a)は、前記第1の電極膜に短絡されていない前記振動積層体を構成する第2の電極膜と前記振動積層体とは別体の対向電極とを短絡した状態で前記振動積層体及び前記対向電極に前記電着塗料液を接触させ、前記工程(b)は、前記第1の電極膜と前記対向電極との間に電圧を印加し、前記第1の電極膜と前記対向電極との間に生じる電界を前記欠陥から前記電着塗料液の中に漏れ出させることにより、前記欠陥の上に被膜材料を電着させる。
請求項2の発明においては、前記工程(b)は、前記第1の電極膜と前記第1の電極膜に短絡されていない前記振動積層体を構成する第2の電極膜との間に電圧を印加し、前記第1の電極膜と前記第2の電極膜との間に生じる電界を前記欠陥から前記電着塗料液の中に漏れ出させることにより、前記欠陥の上に被膜材料を電着させる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の圧電/電歪素子の製造方法において、(c) 前記工程(a)の前に前記欠陥を成長させる工程、をさらに備える。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の圧電/電歪素子の製造方法において、(d) 前記工程(a)の前に振動積層体の表面に対する前記被膜の密着性を向上する表面処理を前記振動積層体に対して行う工程、をさらに備える。
請求項1ないし請求項4の発明によれば、振動積層体の表面から振動積層体を構成する第1の電極膜へ至る欠陥を被膜で覆うことができるので、圧電/電歪素子の耐湿性を向上することができる。また、振動積層体の表面に選択的に被膜を形成することができるので、被膜による圧電/電歪素子の圧電/電歪特性の劣化を抑制することができる。

請求項1の発明によれば、第2の電極膜の電位が対向電極の電位と等しくなるので、第2の電極膜の表面に被膜材料が付着することを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、対向電極が不要になるので、圧電/電歪素子の製造装置を簡略化することができる。
請求項3の発明によれば、後に発生する恐れのある欠陥を事前に成長させて被膜で覆うことができるので、圧電/電歪素子の耐湿性をより向上することができる。
請求項4の発明によれば、振動積層体の表面に対する被膜の密着性を向上することができるので、圧電/電歪素子の耐湿性をより向上することができる。

<1 第1実施形態>
<1−1 圧電/電歪素子10の構造>
{全体構造}
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法により製造される圧電/電歪素子10の模式図である。図1は、圧電/電歪素子10の断面図となっている。図1に示す圧電/電歪素子10は、インクジェットプリンタのヘッドに使用されるインク吐出用のアクチュエータの主要部となっている。
図1に示すように、圧電/電歪素子10は、空洞であるキャビティ136の上方において基体102の上面に振動積層体110を固着した構造を有している。「固着」とは、有機接着剤や無機接着剤を用いることなく、基体102と振動積層体110との界面における固相反応により基体102に振動積層体110を接合することをいう。
{基体102}
基体102は、ベース板106及び振動板108を列記した順序で下から上に積層して一体化した構造を有している。
基体102は、絶縁体の構造物である。絶縁体の種類は制限されないが、耐熱性、化学的安定性及び絶縁性の観点から、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライト、窒化アルミニウム及び窒化ケイ素からなる群より選択される少なくとも1種類を含むセラミックスの焼成体であることが望ましい。中でも、機械的強度及び靭性の観点から、安定化された酸化ジルコニウムのセラミックスの焼成体であることが望ましい。ここで、「安定化された酸化ジルコニウム」とは、安定化剤の添加によって結晶の相転移を抑制した酸化ジルコニウムをいい、安定化酸化ジルコニウムの他、部分安定化酸化ジルコニウムを含む。
ベース板106は、細長矩形の平面形状を有するキャビティ136を略均一の板厚の板に形成した構造を有している。
振動板108は、略均一の板厚の板である。振動板108の板厚は、0.5μm以上200μm以下であることが望ましい。この範囲を下回ると、振動板108が損傷しやすくなるからであり、この範囲を上回ると、振動板108の剛性が高くなり圧電/電歪素子10の屈曲変位の変位量が減少する傾向があるからである。
基体102は、例えば、絶縁セラミックスをシート状に成形したグリーンシートを圧着して焼成することにより作製する。
なお、図2の圧電/電歪素子70の模式図に示すように、ベース板106及び振動板108と同様のベース板706及び振動板708の下にインク吐出孔738を形成したベース板704をさらに積層した構造を有する基体702を基体102に代えて用いることができる。
{振動積層体110}
振動積層体110は、電極膜112、圧電/電歪体膜114、電極膜116、圧電/電歪体膜118及び電極膜120を列記した順序で下から上に積層した構造を有している。
電極膜112,116,120は、導電体の膜である。導電体の種類は制限されないが、電気抵抗及び耐熱性の観点から、白金、パラジウム、ロジウム、金若しくは銀等の金属又はこれらを主成分とする合金であることが望ましい。中でも、耐熱性に特に優れる白金又は白金を主成分とする合金であることが望ましい。
電極膜112,116,120の膜厚は、0.1μm以上15μm以下であることが望ましい。この範囲を上回ると、電極膜112,116,120の剛性が高くなり、圧電/電歪素子10の屈曲変位の変位量が減少する傾向があり、この範囲を下回ると、電極膜112,116,120の電気抵抗が上昇する傾向があるからである。
電極膜112,116,120は、導電材料を分散媒に分散させたペーストや導電材料のレジネートを溶媒に溶解させた溶液を塗布してから分散媒又は溶媒を除去し、得られた導電材料膜を焼成することにより形成してもよいし、導電材料を蒸着することにより形成してもよい。ペーストの塗布は、スクリーン印刷等により行うことができ、溶液の塗布は、スピンコート、吹きつけ等により行うことができる。導電材料の蒸着は、スパッタ蒸着、抵抗加熱蒸着等により行うことができる。もちろん、これらの形成方法は一例にすぎず、他の形成方法を採用してもよい。
圧電/電歪体膜114,118は、圧電/電歪体の膜である。圧電/電歪体の種類は制限されないが、電界誘起歪の観点から、鉛(Pb)系ペロブスカイト酸化物のセラミックスの焼成体であることが望ましく、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZrxTi1-x)O3)又は単純酸化物、複合ペロブスカイト酸化物等を導入したチタン酸ジルコン酸鉛のセラミックスの焼成体であることがさらに望ましい。中でも、チタン酸ジルコン酸鉛とマグネシウム酸ニオブ酸鉛(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3)との固溶体に酸化ニッケル(NiO)を導入したセラミックスの焼成体やチタン酸ジルコン酸鉛とニッケル酸ニオブ酸鉛(Pb(Ni1/3Nb2/3)O3)との固溶体のセラミックスの焼成体であることが望ましい。
圧電/電歪体膜114,118の膜厚は、0.2μm以上50μm以下であることが望ましい。この範囲を下回ると、圧電/電歪体膜114,118の緻密化が不十分になる傾向があり、この範囲を上回ると、圧電/電歪体膜114,118の焼結時の収縮応力が大きくなるため振動板108の板厚を厚くする必要が生じるからである。
圧電/電歪体膜114,118は、圧電/電歪材料を分散媒に分散させたペーストを塗布してから分散媒を除去し得られた圧電/電歪材料膜を焼成することにより形成する。ペーストの塗布は、スクリーン印刷等により行うことができる。また、圧電/電歪材料を分散媒に分散させたスラリーに仕掛品を浸漬し圧電/電歪材料を電極膜に向かって電気泳動させ、得られた圧電/電歪材料膜を焼成することにより圧電/電歪体膜114,118を形成してもよい。もちろん、これらの形成方法は一例にすぎず、他の形成方法を採用してもよい。
電極膜112と電極膜116とは、圧電/電歪体膜114を挟んで対向しており、電極膜116と電極膜120とは、圧電/電歪体膜118を挟んで対向している。なお、図1は、振動積層体110が2層の圧電/電歪体膜114,118を備える場合を示しているが、振動積層体が3層以上の圧電/電歪体膜を備えていてもよい。振動積層体が3層以上の圧電/電歪体膜を備える場合は、振動積層体は、圧電/電歪体膜と電極膜とを交互に積層した構造を有する。このとき、電極膜に挟まれておらず電界が印加されない不活性な圧電/電歪体膜が振動積層体の最下層又は最上層にあってもよい。また、振動積層体が備える圧電/電歪体膜が1層のみであり、当該圧電/電歪体膜の両主面に電極膜を形成した構造を振動積層体が有している場合であっても本発明を適用することは可能である。
電極膜112の主要部は、基体102と圧電/電歪体膜114との間にあるが、電極膜112の端部はキャビティ136が形成されている領域の外側に引き出されて駆動信号の給電部142となっている。また、電極膜116の主要部は、圧電/電歪体膜114と圧電/電歪体膜118との間にあるが、電極膜116の端部は圧電/電歪体膜114と圧電/電歪体膜118との間からキャビティ136が形成されている領域の外側に引き出されて駆動信号の給電部144となっている。電極膜112と電極膜120とは、圧電/電歪体膜114,118の端面に形成された電極膜122によって電気的に短絡されている。以下では、これらの電気的に短絡された電極膜112,120,122を外部電極膜132と呼び、外部電極膜132とは電気的に短絡されていない電極膜116を内部電極膜134と呼ぶ。
{被膜128}
図3は、図1のA部を拡大した模式図である。図3に示すように、圧電/電歪体膜118には多数のマイクロクラックその他の欠陥(以下では、単に「欠陥」という)152が存在しており、そのうちの一部の欠陥(以下では、「表面露出欠陥」という)154は、振動積層体110の表面に露出するとともに、内部電極膜134に至っている。圧電/電歪素子10は、表面露出欠陥154を選択的に覆う被膜128を備える。もちろん、表面露出欠陥154の位置、大きさ、数等は個々の圧電/電歪素子10によって異なるので、被膜128の位置、大きさ、数等も個々の圧電/電歪素子10によって異なる。このような被膜128を振動積層体110の表面に形成すれば、表面露出欠陥154に水分が浸入して振動積層体110の表面と内部電極膜134とを結ぶ導電パスを形成することを防ぐことができるので、圧電/電歪素子10の耐湿性を向上することができる。また、振動積層体10の表面に選択的に被膜128を形成することができるので、被膜128による圧電/電歪素子10の圧電/電歪特性の劣化を抑制することができる。
被膜128は、絶縁体の膜である。被膜128は、振動積層体110の表面に露出している表面露出欠陥154の上に被膜材料を電着して後処理を行うことにより形成する。
{圧電/電歪素子10の動作}
このような構造により、給電部142と給電部144との間に駆動信号を給電し、圧電/電歪体膜114,118に電界を印加すると、圧電/電歪体膜114,118を積層方向と垂直な方向に伸縮させ、一体化された振動板108及び振動積層体110を屈曲させることができる。この屈曲により、圧電/電歪素子10は、キャビティ136の内部のインクを押圧する。
<1−2 圧電/電歪素子10の製造方法>
図4は、第1実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法を説明するフローチャートである。また、図5は、第1実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法に使用する電着塗装装置160の模式図である。
{積層構造体100の作製}
図4に示すように、圧電素子の製造にあたっては、まず、基体102の上面に振動積層体110を固着した積層構造体100を作製する(ステップS101)。
{欠陥の成長}
続いて、給電部142と給電部144との間に直流電圧を印加して圧電/電歪体膜114,118を分極するとともに(ステップS102)、給電部142と給電部144との間に駆動信号を供給して振動積層体110を駆動する(ステップS103)。電着塗料液164に積層構造体100を浸漬する前に分極及び駆動を行うことは必須ではないが、分極及び駆動を事前に行っておけば、後に発生する恐れのある欠陥を事前に成長させて被膜128で覆うことができるので、圧電/電歪素子10の耐湿性をより向上することができる。欠陥を事前に成長させる処理としては、分極及び駆動の両方を行うことが望ましいが、分極及び駆動のいずれか片方のみを行うことも妨げられない。また、分極及び駆動を行うことに代えて又は分極及び駆動を行うことに加えて、積層構造体100を低温と高温とに交互に曝すヒートショック試験その他の処理を行ってもよい。この欠陥を成長させる処理は省略することもできる。
{表面処理}
続いて、振動積層体110の表面に対する被膜128の密着性を向上する表面処理を振動積層体110に対して行う(ステップS104)。電着塗料液164に積層構造体100を浸漬する前にこの表面処理を行えば、振動積層体110の表面に対する被膜128の密着性を向上することができるので、圧電/電歪素子10の耐湿性をより向上することができる。振動積層体110の表面に対する被膜の密着性を向上する表面処理には、プラズマクリーニングにより振動積層体110の表面に付着している有機化合物を除去する処理、振動積層体110の表面に自己組織化膜を形成する処理等がある。なお、欠陥を成長させる処理を行う前に表面処理を行ってもよい。この表面処理は省略することもできる。
{被膜材料の電着}
続いて、図5に示すように、振動積層体110とは別体の対向電極162と外部電極膜132とを電気的に短絡した状態で、被膜材料成分を含有する電着塗料液164に積層構造体100の全体及び対向電極162を浸漬し、振動積層体110及び対向電極162の表面に電着塗料液164を接触させる(ステップS105)。
対向電極162は、白金を材質とする平板である。もちろん、対向電極162の材質を白金以外の金属としてもよい。対向電極162を平板とすることは必須ではなく、図6に示すような曲板である対向電極762や図7に示すような積層構造体100を内部に収容することができるコイルである対向電極862を対向電極162に代えて用いることができる。
電着塗料液164には、被膜材料成分を溶媒に溶解させた溶液及び被膜材料成分を分散媒に分散させた分散液のいずれも使用することができる。電着塗料液164は、被膜材料成分が正に帯電しているカチオン型及び被膜材料成分が負に帯電しているアニオン型のいずれであってもよい。被膜材料の例としては、エポキシ樹脂・ポリイミド樹脂・ポリアミドイミド樹脂・アクリル樹脂等の炭素系高分子化合物、シリコーン樹脂等のケイ素系高分子化合物、表面に分散剤を吸着させ帯電させたアルミナ等の酸化物のナノ粒子等を挙げることができる。溶媒又は分散媒の例としては、水等の無機溶媒、アルコール等の有機溶媒を挙げることができる。なお、電着塗料液164がブロック化イソシアネート等の硬化剤やスズ化合物等の触媒を含んでいてもよい。
積層構造体100及び対向電極162を電着塗料液164に浸漬した後に、内部電極膜134と対向電極162との間に電圧を印加し、表面露出欠陥154に向かって被膜材料成分を電気泳動させ、表面露出欠陥154の上に被膜材料を選択的に電着させる(ステップS106)。もちろん、電着塗料液164がカチオン型ならば、内部電極膜134を電源の負極に接続するとともに対向電極162を電源の正極に接続し、電着塗料液164がアニオン型ならば、内部電極膜134を電源の正極に接続するとともに対向電極162を電源の負極に接続する。表面露出欠陥154の上への選択的な電着が可能であるのは、表面露出欠陥154が導電パスとなって内部電極膜134と対向電極162との間に生じる電界が表面露出欠陥154から電着塗料液164の中に漏れ出し、漏れ出した電界により被膜材料成分が表面露出欠陥154に引き寄せられるからである。
ここで、外部電極膜132は対向電極162と電気的に短絡され、外部電極膜132の電位は対向電極162の電位と等しくなっているので、主要部が積層構造体100の表面にあり電着塗料液162と接触していたとしても、外部電極膜132の表面には被膜材料が付着しにくくなっている。ただし、このことは、振動積層体110を構成する電極膜112,116,120,122の一部を対向電極162と電気的に短絡して対向電極162と同じ極に接続することを必須とするものではなく、電極膜112,116,120,122の全てをまとめて対向電極162とは逆の極に接続してもよい。
表面露出欠陥154の上に被膜材料を電着した後に、積層構造体100及び対向電極162を電着塗料液164から引き上げて振動積層体110の表面から電着塗料液164を除去し(ステップS107)、積層構造体100を対向電極162から分離する(ステップS108)。
{後処理}
続いて、対向電極162から分離された積層構造体100に後処理を行い、被膜材料の膜を最終的な被膜128にする(ステップS109)。後処理には、被膜材料の膜をより強固にする処理、被膜材料の膜をより緻密化する処理、被膜材料の膜を振動積層体110の表面により強力に定着させる処理、必要のない部分に付着した被膜材料を除去する処理等がある。例えば、被膜材料が樹脂ならば、加熱や光の照射によって重合反応を進行させることが望ましいし、被膜材料が酸化物のナノ粒子ならば、焼成により焼結させることが望ましい。また、外部電極膜132を対向電極162と電気的に短絡しなかったために対向電極132の表面に多量の被膜材料が付着したならば、機械研磨等によりそれを除去することが望ましい。
<2 第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態に係る被膜材料の電着方法(ステップS105〜S108)に代えて採用することができる被膜材料の電着方法に関する。
図8は、第2実施形態に係る被膜材料の電着方法を説明するフローチャートである。また、図9は、第2実施形態に係る被膜材料の電着方法に使用する電着塗装装置260の模式図である。
第2実施形態に係る被膜材料の電着方法では、まず、図9に示すように、振動積層体110とは別体の対向電極262と外部電極膜132とを電気的に短絡した状態で、振動積層体110の上に電着塗料液264の液滴を形成するとともに液滴の上に対向電極262を設置し、振動積層体110及び対向電極262の表面に電着塗料液264を接触させる(ステップS201)。対向電極262及び電着塗料液264は、第1実施形態に係る被膜材料の電着方法で使用した対向電極162及び電着塗料液164と同様のものを使用することができる。このように積層構造体100の表面のうち被膜材料を電着させる必要がある部分のみに電着塗料液264を接触させるようにすれば、被膜128を形成する必要がない部分に被膜材料が付着することを抑制することができる。
この後に、内部電極膜134と対向電極262との間に電圧を印加し、表面露出欠陥154に向かって被膜材料成分を電気泳動させ、表面露出欠陥154の上に被膜材料を選択的に電着させる(ステップS202)。表面露出欠陥154の上への選択的な電着が可能であるのは、表面露出欠陥154が導電パスとなって内部電極膜134と対向電極262との間に生じる電界が表面露出欠陥154から電着塗料液264の中に漏れ出し、漏れ出した電界により被膜材料成分が表面露出欠陥154に引き寄せられるからである。また、表面露出欠陥154の上に被膜材料を電着した後に、振動積層体110の表面から電着塗料液264を除去し(ステップS203)、積層構造体100を対向電極262から分離する(ステップS204)。
<3 第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態に係る被膜材料の電着方法(ステップS105〜S108)に代えて採用することができる被膜材料の電着方法に関する。
図10は、第3実施形態に係る被膜材料の電着方法を説明するフローチャートである。また、図11は、第3実施形態に係る被膜材料の電着方法に使用する電着塗装装置360の模式図である。
第3実施形態に係る被膜材料の電着方法では、まず、振動積層体110の上に電着塗料液364の液滴を形成し、振動積層体110の表面に電着塗料液364を接触させる(ステップS301)。電着塗料液364は、第1実施形態に係る被膜材料の電着方法で使用した電着塗料液164と同様のものを使用することができる。このように積層構造体100の表面のうち被膜材料を電着させる必要がある部分のみに電着塗料液364を接触させるようにすれば、被膜128を形成する必要がない部分に被膜材料が付着することを抑制することができる。
この後に、内部電極膜134と外部電極膜132との間に電圧を印加し、表面露出欠陥154に向かって被膜材料成分を電気泳動させ、表面露出欠陥154の上に被膜材料を選択的に電着させる(ステップS302)。表面露出欠陥154の上への選択的な電着が可能であるのは、表面露出欠陥154が導電パスとなって内部電極膜134と外部電極膜132との間に生じる電界が表面露出欠陥154から電着塗料液364の中に漏れ出し、漏れ出した電界により被膜材料成分が表面露出欠陥154に引き寄せられるからである。また、表面露出欠陥154の上に被膜材料を電着した後に、振動積層体110の表面から電着塗料液364を除去する(ステップS303)。
<4 第4実施形態>
<4−1 圧電/電歪素子40の構造>
図12は、本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法と同様の製造方法により製造される圧電/電歪素子40の模式図である。図12は、圧電/電歪素子40の断面図となっている。図12に示す圧電/電歪素子40は、インクジェットプリンタのヘッドに使用されるインク吐出用のアクチュエータの主要部となっている。
図12に示すように、圧電/電歪素子40の振動積層体410は、圧電/電歪体膜412、電極膜414、圧電/電歪体膜416、電極膜418、圧電/電歪体膜420、電極膜422、圧電/電歪体膜424、電極膜426及び圧電/電歪体膜428を列記した順序で積層した構造を有している。なお、図12は、振動積層体410が5層の圧電/電歪体膜412,416,420,424,428を備える場合を示しているが、振動積層体が備える圧電/電歪体膜の層数を増減してもよい。もちろん、振動積層体が備える圧電/電歪体膜が1層のみであり、当該圧電/電歪体膜の両主面に電極膜を形成した構造を振動積層体が有している場合であっても本発明を適用することは可能である。
圧電/電歪体膜412,416,420,424,428及び電極膜410,414,418,422,426は、それぞれ、第1実施形態に係る圧電/電歪素子10の圧電/電歪体膜114,118及び電極膜112,116,120と同様の材料で同様の方法により形成することができる。
電極膜414,422は、振動積層体410の一の側面に露出しており、当該一の側面に形成された電極膜430によって電気的に短絡されている。また、電極膜418,426は、振動積層体410の他の側面に露出しており、当該他の側面に形成された電極膜432によって電気的に短絡されている。電極膜430,432の一部は、駆動信号の給電部442,444となっている。
図13は、図12のB部を拡大した模式図である。図13に示すように、振動積層体410を構成する圧電/電歪体膜418には欠陥452が存在しており、そのうちの一部の表面露出欠陥454は、振動積層体410の表面に露出するとともに、電極膜426に至っている。圧電/電歪素子40は、表面露出欠陥454を選択的に覆う被膜429を備える。もちろん、表面露出欠陥454の位置、大きさ、数等は個々の圧電/電歪素子40によって異なるので、被膜429の位置、大きさ、数等も個々の圧電/電歪素子40によって異なる。このような被膜429を振動積層体410の表面に形成すれば、表面露出欠陥454に水分が浸入して振動積層体410の表面と内部電極膜434とを結ぶ導電パスを形成することを防ぐことができるので、圧電/電歪素子40の耐湿性を向上することができる。
被膜429は、絶縁体の膜である。被膜429は、振動積層体410の表面に露出している表面露出欠陥454の上に被膜材料を電着して後処理を行うことにより形成する。
{圧電/電歪素子40の動作}
このような構造により、給電部442と給電部444との間に駆動信号を給電し、圧電/電歪体膜412,416,420,424,428に電界を印加すると、圧電/電歪体膜412,416,420,424,428を積層方向に伸縮させることができる。この伸縮により、圧電/電歪素子40はインクを押圧する。
{圧電/電歪素子40の製造}
このような圧電/電歪素子40も、第1実施形態〜第3実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法と同様の製造方法により製造することができる。図14〜図16は、第1実施形態〜第3実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法と同様の製造方法により第4実施形態に係る圧電/電歪素子40を製造する場合に使用する電着塗装装置4602,4604,4606の模式図である。図14〜図16に示すように、第1実施形態〜第3実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法と同様の製造方法により圧電/電歪素子40を製造する場合、給電部442,444をそれぞれ圧電/電歪素子10の給電部142,144の代わりに用いる。
<5 その他>
上述の説明では、アクチュエータを例として圧電/電歪素子の製造方法を説明したが、同様に製造方法により、センサ、共振子等のアクチュエータ以外の圧電/電歪素子も製造することができ、表面露出欠陥を被膜で選択的に覆った圧電/電歪素子を得ることができる。ただし、アクチュエータの場合、圧電/電歪体膜の変形が大きく表面露出欠陥が生じやすいので、本発明の圧電/電歪素子の製造方法を適用した場合の耐湿性の向上の効果が特に大きい。
{実施例1}
実施例1では、第1実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法により圧電/電歪素子10を製造した。ただし、実施例1では、ステップS104の表面処理は省略した。
実施例1では、基体102は部分安定化酸化ジルコニウム、電極膜112,116は白金、電極膜120は金、圧電/電歪体膜114,118はチタン酸ジルコン酸鉛とニッケル酸ニオブ酸鉛との固溶体で構成した。また、電着塗料液164は水性のカチオン型とし、被膜材料成分にエポキシ樹脂を用いた。被膜材料を電着するときの電気泳動条件は、温度25℃、印加電圧400V、電圧印加時間20秒とした。さらに、後処理として、洗浄を行うとともに温度100℃で15分間予備乾燥を行った後に、紫外線を照射してエポキシ樹脂を硬化させた。これにより、膜厚が0.3μmの被膜128が形成された。
得られた圧電/電歪素子10について、温度40℃、湿度55%の常湿条件において振動積層体110を駆動してレーザドップラー変位計で屈曲変位の変位量を測定するとともに絶縁抵抗計で絶縁抵抗を測定し、その後に、温度40℃、湿度85%の高湿条件において同様にして屈曲変位の変位量及び絶縁抵抗を測定し、試験合格率を調べた。その結果を図17に示す。
{実施例2}
実施例2では、第1実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法と同様の製造方法により圧電/電歪素子40を製造した。ただし、実施例2では、ステップS104の表面処理は省略し、電極膜430,432のいずれも対向電極162には接続せず、まとめて電源の正極に接続した。
実施例2では、電極膜412,416,420,424,428は銀とパラジウムとの合金、圧電/電歪体膜412,416,420,424,428はチタン酸ジルコン酸鉛とニッケル酸ニオブ酸鉛との固溶体で構成した。また、電着塗料液164は水性のアニオン型とし、被膜材料成分にポリイミド樹脂を用いた。被膜材料を電着するときの電気泳動条件は、温度25℃、印加電圧400V、電圧印加時間20秒とし、後処理として、洗浄を行うととともに温度100℃で15分間予備乾燥を行った後に、温度210℃で30分間加熱しポリイミド樹脂を硬化させた。これにより、膜厚が0.3μmの被膜429が形成された。加えて、実施例2では、電極膜430,432の表面に付着した被膜材料を機械研磨により除去する作業を被膜429の形成後に行った。
得られた圧電/電歪素子40について、実施例1と同様にして、屈曲変位の変位量及び絶縁抵抗を測定し、試験合格率を調べた。その結果を図17に示す。
{実施例3}
実施例3では、被膜材料成分にカルボン酸系の分散剤を用いて負に帯電させたアルミナナノ粉末を用い、後処理として、電気炉中で温度900℃で2時間焼成することによりアルミナナノ粒子を焼結させたことを除いては、実施例1と同様にして圧電/電歪素子10を製造した。これにより、膜厚が0.2μmの被膜128が形成された。
得られた圧電/電歪素子10について、実施例1と同様にして、屈曲変位の変位量及び絶縁抵抗を測定し、試験合格率を調べた。その結果を図17に示す。
{実施例4}
実施例3では、被膜材料成分にシリカ微粒子及びメチル基含有シロキサンオリゴマーを用い、後処理として、温度120℃で15分間熱処理して被膜材料の膜をゲル化させたこと及びステップS104の表面処理を省略しなかったことを除いては、実施例1と同様にして圧電/電歪素子10を製造した。これにより、ゲル膜の中にシリカ微粒子が分散した被膜128が形成された。
得られた圧電/電歪素子10について、実施例1と同様にして、屈曲変位の変位量及び絶縁抵抗を測定し、試験合格率を調べた。その結果を図17に示す。
{比較例1}
ステップS103,S105〜S109の処理を省略した点を除いては実施例1と同様にして圧電/電歪素子を製造した。
得られた圧電/電歪素子について、実施例1と同様にして、屈曲変位の変位量及び絶縁抵抗を測定し、試験合格率を調べた。その結果を図17に示す。
{比較例2}
ステップS103,S105〜S109の処理を省略した点を除いては実施例2と同様にして圧電/電歪素子を製造した。
得られた圧電/電歪素子について、実施例1と同様にして、屈曲変位の変位量及び絶縁抵抗を測定し、試験合格率を調べた。その結果を図17に示す。
{実施例及び比較例の対比}
図17に示すように、常温条件においては、本発明の範囲内の実施例1〜4及び本発明の範囲外の比較例1〜2のいずれでも屈曲変位の変位量及び絶縁抵抗の合格率は良好であるが、高温条件においては、本発明の範囲内の実施例1〜4では屈曲変位の変位量及び絶縁抵抗の合格率は良好であるが、高温条件においては不良である。
この発明は詳細に説明されたが、上述した説明は、全ての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。特に、第1実施形態〜第4実施形態において説明したことを組み合わせて使用することは当然に予定されている。
第1実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法により製造される圧電/電歪素子の断面図である。 別例に係る圧電/電歪素子の断面図である。 図1のA部を拡大した模式図である。 第1実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法を説明するフローチャートである。 第1実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法に使用する電着塗装装置の模式図である。 別例に係る電着塗装装置の模式図である。 別例に係る電着塗装装置の模式図である。 第2実施形態に係る被膜材料の電着方法を説明するフローチャートである。 第2実施形態に係る被膜材料の電着方法に使用する電着塗装装置の模式図である。 第3実施形態に係る被膜材料の電着方法を説明するフローチャートである。 第3実施形態に係る被膜材料の電着方法に使用する電着塗装装置の模式図である。 第1実施形態〜第3実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法と同様の製造方法により製造される圧電/電歪素子の断面図である。 図12のB部を拡大した模式図である。 第1実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法と同様の製造方法により第4実施形態に係る圧電/電歪素子を製造する場合に使用する電着塗装装置の模式図である。 第2実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法と同様の製造方法により第4実施形態に係る圧電/電歪素子を製造する場合に使用する電着塗装装置の模式図である。 第3実施形態に係る圧電/電歪素子の製造方法と同様の製造方法により第4実施形態に係る圧電/電歪素子を製造する場合に使用する電着塗装装置の模式図である。 屈曲変位の変位量及び絶縁抵抗の試験合格率を示す図である。
符号の説明
10,40 圧電/電歪素子
110,410 振動積層体
112,116,120,410,414,418,422,426 電極膜
128,429 被膜
154,454 表面露出欠陥

Claims (4)

  1. 圧電/電歪体膜及び電極膜を積層した振動積層体を備える圧電/電歪素子の製造方法であって、
    (a) 被膜材料成分を含有する電着塗料液を振動積層体に接触させる工程と、
    (b) 前記振動積層体の表面に露出し前記振動積層体を構成する第1の電極膜に至る欠陥の上に被膜となる被膜材料を選択的に電着させる工程と、
    を備え、
    前記工程(a)は、
    前記第1の電極膜に短絡されていない前記振動積層体を構成する第2の電極膜と前記振動積層体とは別体の対向電極とを短絡した状態で前記振動積層体及び前記対向電極に前記電着塗料液を接触させ、
    前記工程(b)は、
    前記第1の電極膜と前記対向電極との間に電圧を印加し、前記第1の電極膜と前記対向電極との間に生じる電界を前記欠陥から前記電着塗料液の中に漏れ出させることにより、前記欠陥の上に被膜材料を電着させる、
    圧電/電歪素子の製造方法。
  2. 圧電/電歪体膜及び電極膜を積層した振動積層体を備える圧電/電歪素子の製造方法であって、
    (a) 被膜材料成分を含有する電着塗料液を振動積層体に接触させる工程と、
    (b) 前記振動積層体の表面に露出し前記振動積層体を構成する第1の電極膜に至る欠陥の上に被膜となる被膜材料を選択的に電着させる工程と、
    を備え、
    前記工程(b)は、
    前記第1の電極膜と前記第1の電極膜に短絡されていない前記振動積層体を構成する第2の電極膜との間に電圧を印加し、前記第1の電極膜と前記第2の電極膜との間に生じる電界を前記欠陥から前記電着塗料液の中に漏れ出させることにより、前記欠陥の上に被膜材料を電着させる、
    圧電/電歪素子の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の圧電/電歪素子の製造方法において、
    (c) 前記工程(a)の前に前記欠陥を成長させる工程、
    をさらに備える圧電/電歪素子の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の圧電/電歪素子の製造方法において、
    (d) 前記工程(a)の前に振動積層体の表面に対する前記被膜の密着性を向上する表面処理を前記振動積層体に対して行う工程、
    をさらに備える、
    圧電/電歪素子の製造方法
JP2008033035A 2008-02-14 2008-02-14 圧電/電歪素子の製造方法 Expired - Fee Related JP5639738B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008033035A JP5639738B2 (ja) 2008-02-14 2008-02-14 圧電/電歪素子の製造方法
US12/367,701 US8042239B2 (en) 2008-02-14 2009-02-09 Piezoelectric/electrostrictive element and method of manufacturing the same
EP20090250329 EP2091091B1 (en) 2008-02-14 2009-02-11 Piezoelectric/electrostrictive element and method of manufacturing the same
US13/235,578 US8479364B2 (en) 2008-02-14 2011-09-19 Piezoelectric/electrostrictive element and method of manufacturing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008033035A JP5639738B2 (ja) 2008-02-14 2008-02-14 圧電/電歪素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009194146A JP2009194146A (ja) 2009-08-27
JP5639738B2 true JP5639738B2 (ja) 2014-12-10

Family

ID=40578685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008033035A Expired - Fee Related JP5639738B2 (ja) 2008-02-14 2008-02-14 圧電/電歪素子の製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (2) US8042239B2 (ja)
EP (1) EP2091091B1 (ja)
JP (1) JP5639738B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080112151A1 (en) 2004-03-04 2008-05-15 Skyworks Solutions, Inc. Overmolded electronic module with an integrated electromagnetic shield using SMT shield wall components
US8399972B2 (en) 2004-03-04 2013-03-19 Skyworks Solutions, Inc. Overmolded semiconductor package with a wirebond cage for EMI shielding
JP5639738B2 (ja) * 2008-02-14 2014-12-10 日本碍子株式会社 圧電/電歪素子の製造方法
JP5480388B2 (ja) * 2009-10-12 2014-04-23 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 圧電部材の欠陥の修復
US8878548B2 (en) * 2010-06-11 2014-11-04 Baker Hughes Incorporated Method for treating and sealing piezoelectric tuning forks
JP2012043844A (ja) * 2010-08-13 2012-03-01 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪アクチュエータ
WO2012075011A2 (en) * 2010-11-30 2012-06-07 Michael Haag Method for deposition of nanoparticles onto substrates and high energy density device fabrication
KR101964508B1 (ko) 2014-05-15 2019-04-01 엠에스엠에이치, 엘엘씨 리튬 끼워진 나노결정 애노드
EP3143659B1 (en) 2014-05-15 2021-06-23 Msmh, Llc Method for producing sulfur charged carbon nanotubes and cathodes for lithium ion batteries
WO2015176045A1 (en) 2014-05-15 2015-11-19 Quickhatch Corporation Methods and systems for the synthesis of nanoparticles including strained nanoparticles
CN109155615B (zh) * 2016-06-01 2022-08-26 株式会社村田制作所 谐振子以及谐振装置

Family Cites Families (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4296421A (en) * 1978-10-26 1981-10-20 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording device using thermal propulsion and mechanical pressure changes
US4588998A (en) * 1983-07-27 1986-05-13 Ricoh Company, Ltd. Ink jet head having curved ink
US4516140A (en) * 1983-12-27 1985-05-07 At&T Teletype Corporation Print head actuator for an ink jet printer
US4897673A (en) * 1989-02-28 1990-01-30 Juki Corporation Method for connecting nozzle tube of ink jet nozzle with piezoelectric element
US5459501A (en) * 1993-02-01 1995-10-17 At&T Global Information Solutions Company Solid-state ink-jet print head
JPH06252469A (ja) * 1993-02-25 1994-09-09 Nec Corp 積層圧電アクチュエータの製造方法
JP3570447B2 (ja) * 1994-12-21 2004-09-29 セイコーエプソン株式会社 積層型インクジェット式記録ヘッド、及びその製造方法、及び記録装置
JP3552013B2 (ja) * 1996-12-09 2004-08-11 セイコーエプソン株式会社 インクジェット式記録ヘッド
DE69710240T2 (de) * 1996-04-10 2002-06-27 Seiko Epson Corp Tintenstrahlaufzeichnungskopf
US7052594B2 (en) * 2002-01-31 2006-05-30 Sri International Devices and methods for controlling fluid flow using elastic sheet deflection
EP0890440B1 (en) * 1997-07-10 2004-04-07 Seiko Epson Corporation Ink jet printing head
KR100764323B1 (ko) * 1998-02-18 2007-10-05 소니 가부시끼 가이샤 압전 작동기와 그 제조 방법 및 잉크젯 프린트헤드
JP2000351212A (ja) * 1999-06-11 2000-12-19 Hitachi Koki Co Ltd 圧電体素子及びこれを用いた圧電アクチュエータ並びにこれを備えたインクジェットプリントヘッド
JP4802353B2 (ja) * 1999-12-08 2011-10-26 Tdk株式会社 積層型圧電セラミック電子部品及びその製造方法
US6411012B2 (en) * 1999-12-08 2002-06-25 Tdk Corporation Multilayer piezoelectric element and method of producing the same
JP2002185148A (ja) * 2000-12-11 2002-06-28 Hitachi Ltd 多層配線基板の層間短絡防止方法および多層配線基板および多層配線基板の製造方法およびこれらを用いた電子機器
US6701593B2 (en) * 2001-01-08 2004-03-09 Nanodynamics, Inc. Process for producing inkjet printhead
WO2003061024A1 (fr) * 2002-01-15 2003-07-24 Matsushita Electric Industrial Co.,Ltd. Dispositif de commande piezo-electrique, tete a jet d'encre et imprimante a jet d'encre
GB0305461D0 (en) * 2003-03-10 2003-04-16 Transense Technologies Plc Improvements in the construction of saw devices
JP2004064067A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪膜型素子
JP4549622B2 (ja) * 2002-12-04 2010-09-22 リコープリンティングシステムズ株式会社 インクジェット式記録ヘッド及びそれを用いたインクジェット式記録装置
KR100481996B1 (ko) * 2003-06-17 2005-04-14 주식회사 피에조닉스 압전방식 잉크젯 프린터헤드와 제조방법
JP2005072113A (ja) * 2003-08-21 2005-03-17 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス
US7344228B2 (en) * 2004-08-02 2008-03-18 Fujifilm Dimatix, Inc. Actuator with reduced drive capacitance
US7497962B2 (en) * 2004-08-06 2009-03-03 Canon Kabushiki Kaisha Method of manufacturing liquid discharge head and method of manufacturing substrate for liquid discharge head
DE602006018214D1 (de) * 2005-03-22 2010-12-30 Brother Ind Ltd Piezoelektrischer Aktuator, Vorrichtung um Flüssigkeit zu transportieren, Verfahren um piezoelektrischen Aktuator herzustellen
US7737612B1 (en) * 2005-05-25 2010-06-15 Maxim Integrated Products, Inc. BAW resonator bi-layer top electrode with zero etch undercut
JP2007189199A (ja) * 2005-12-12 2007-07-26 Tdk Corp キャパシタおよびその製造方法
JP4844717B2 (ja) * 2005-12-27 2011-12-28 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2007017989A (ja) 2006-07-19 2007-01-25 Sony Corp 画素数変換装置及び画素数変換方法
JP5639738B2 (ja) * 2008-02-14 2014-12-10 日本碍子株式会社 圧電/電歪素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8479364B2 (en) 2013-07-09
US20090205181A1 (en) 2009-08-20
EP2091091B1 (en) 2014-05-28
EP2091091A2 (en) 2009-08-19
EP2091091A3 (en) 2011-12-21
US20120007474A1 (en) 2012-01-12
US8042239B2 (en) 2011-10-25
JP2009194146A (ja) 2009-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5639738B2 (ja) 圧電/電歪素子の製造方法
JP4933554B2 (ja) 積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システム、並びに積層型圧電素子の製造方法
EP1659643B1 (en) Piezoelectric/Electrostrictive device
WO2010024277A1 (ja) 積層型圧電素子および噴射装置ならびに燃料噴射システム
WO2011013689A1 (ja) 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置ならびに燃料噴射システム
JP5859370B2 (ja) エネルギ変換素子およびその製造方法
JP4885869B2 (ja) 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置
WO2006001334A1 (ja) 積層型電子部品及びこれを用いた噴射装置
WO2011065182A1 (ja) 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置ならびに燃料噴射システム
WO2016190110A1 (ja) 圧電薄膜、圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド、インクジェットプリンタおよび圧電アクチュエータの製造方法
CN100448047C (zh) 叠层型电子部件及其制法、叠层型压电元件及喷射装置
JP2010074033A (ja) 積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム
JPWO2009082007A1 (ja) 積層型圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システム
JP5856312B2 (ja) 積層型圧電素子およびこれを備えた圧電アクチュエータ、噴射装置ならびに燃料噴射システム
JP4803956B2 (ja) 圧電セラミックスおよびこれを用いた積層型圧電素子並びに噴射装置
KR20160054832A (ko) 유연소재가 적용된 압전 박막소자의 제작 방법 및 이를 이용한 압전 박막소자
JP2013247216A (ja) 圧電素子およびそれを備えたインクジェットヘッド
JP5679677B2 (ja) 積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム
WO2016121278A1 (ja) 積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム
JP6221270B2 (ja) 電気−機械変換素子の製造装置、電気−機械変換素子の製造方法
JP2005129871A (ja) 積層型圧電素子及びこれを用いた噴射装置
JPH10181013A (ja) 圧電アクチュエータとその製造方法
JP5328750B2 (ja) 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置
JP3894861B2 (ja) 積層型圧電素子及び噴射装置
WO2013146984A1 (ja) 積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140917

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141021

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141027

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5639738

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees