JP5637428B2 - めっき装置 - Google Patents
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このような小さい直径のボールにめっきを施すためには、めっき処理中のボール同士の付着を防止するために、ボールの分散性を向上させる必要がある。
特許文献1に開示される方法では、高速回転の遠心力によって、めっき槽内に装入されためっき液を回転円周部に配置されたポーラスリングからめっき液を排出しながらめっきを行なうため、めっき槽内へめっき液の補給を常に行なう必要があった。
これらの問題は、特に電子部品用複合ボール等の微小球体へのめっきを行なう上で大きな問題となる。
本発明の目的は、垂直軸で水平回転可能なめっき槽を用いためっき装置において、高価なめっき液を大量に使用することなく、めっき層の形成に重要なめっき液の温度変化を抑制することができ、平滑かつ均一なめっき層を形成できるめっき装置を提供することである。
本発明のめっき槽の内周部は、円盤状の底部に接続し前記底部を拡張するように続く第1傾斜部と、該第1傾斜部に接続する円筒部と、該円筒部に接続し前記円筒部を縮小するように続く第2傾斜部とを具備することが好ましい。
また、陰極を前記円筒部に配設することがより好ましい。
また、前記外槽には、前記温度調整溶液を保温、冷却または加温する温度調節装置を具備することが好ましい。
本発明のめっき装置は、めっき槽の外周部が温度調整溶液に接することで、めっき液を間接的に保温、冷却または加温することができる。これにより、温度変化しやすい少量のめっき液によるめっき処理であっても、めっき液の温度変化を緩和することが可能となり、平滑かつ均一なめっき層の形成が実現できる。
本発明のめっき装置は、垂直軸1に支持された水平回転可能なめっき槽2と、該めっき槽内周部に配設された陰極2cと、めっき槽2内の中央部に陽極3とを具備するめっき装置において、めっき槽2内にはめっき液6を保持する。そして、めっき槽2は、めっき液6を冷却または加温する温度調整溶液5を保持する外槽4内に配置され、めっき槽2の外周部は温度調整溶液5に接しており、めっき液6の温度変化を緩和することができる構成を採用する。これにより、本発明のめっき装置は、形成するめっき組成に応じた適正温度のめっき液を用いてめっきすることができる。
めっき槽2の円筒部2cの一部に配置する陰極には、例えばチタン、真ちゅう、ステンレス、銅などを使用できる。
本発明のめっき装置は、温度調整溶液5を冷却または加温する、電気ヒーターや循環型チラーといった温度調節装置8を外槽4に付けることが好ましい。また、このとき、外槽4またはめっき槽2内に温度センサー9を配置することで、電気ヒーターや循環型チラーといった温度調節装置8と連動して、最適なめっき液温度を維持することができる。これにより、めっき液6が適正な温度を維持した状態でめっきを行なうことができる。
また、図示していないが、外槽底部4aには温度調整溶液5を排出するための配管を設けて、温度調整溶液5を循環させる循環機構を設けることもできる。
例えば、Niめっき層を形成する際には、めっき液温度を60℃付近で使用することが好ましいが、外気との温度差でめっき液温度が下降する場合がある。Niめっきのめっき液温度が下降すると、めっき液中の成分の溶解度が減少するため塩が析出する。この塩がめっき層に取り込まれると、表面のザラつきなどの不良を引き起こす。また、めっき液の成分濃度が安定しないため、正確な膜厚制御が困難になる。本発明のめっき装置は、めっき液の温度変化を緩和することができるので、このようなめっきをする際に、有効である。
微小金属球7をめっき槽2に送入後、陽極3を設置し、垂直軸1を正回転と逆回転を交互に繰返し、被めっき物が遠心力により陰極2cに接触した時に通電し、めっきを行なった。このとき、めっき槽2を支持する垂直軸1を加速回転→定速回転→減速回転→休止の回転パターンで動作し、定速回転時にのみ通電してめっきを行なうことで平滑性や外観が良好なめっき層を形成することができ、本発明の有効性が確認できた。
はんだめっき層を形成する際には、めっき液温度を20℃付近で使用することが好ましいが、電解に伴う発熱により液温度が上昇してしまうことがある。Snめっき液の液温が上昇すると、めっき液中の2価のSnが酸化し、4価のSnになる反応が速くなるなど、めっき液の安定性を損なうため、正確な膜厚制御や合金組成の制御が困難になる。本発明のめっき装置は、めっき液の温度変化を緩和することができるので、はんだめっきをする際にも有効である。
そして、上述したNiめっき層の形成と同様な回転動作で、垂直軸1を回転しながらめっきを行なった。このとき、はんだめっき層を厚くするために、図2に示すように送入パイプ10と排出パイプ11を使用して、はんだめっき液中の成分濃度を一定に保つようにした。これにより、平滑性や外観および合金組成が良好で安定しためっき皮膜を得ることができ、本発明の有効性が確認できた。
2.めっき槽
2a.めっき槽底部
2b.第1傾斜部
2c.陰極
2d.第2傾斜部
2e.めっき槽上部
3.陽極
4.外槽
4a.外槽底部
4b.外槽側面
5.温度調整溶液
6.めっき液
7.微小金属球
8.温度調節装置
9.温度センサー
10.送入パイプ
11.排出パイプ
Claims (1)
- 垂直軸で水平回転可能なめっき槽と、該めっき槽内周部に配設された陰極と、前記めっき槽内中央部に陽極とを具備するめっき装置において、前記めっき槽の内周部は、円盤状の底部に接続し前記底部を拡張するように続く第1傾斜部と、該第1傾斜部に接続する円筒部と、該円筒部に接続し前記円筒部を縮小するように続く第2傾斜部とを具備し、前記円筒部に陰極が配設されており、前記めっき槽上面は、底部と平行な平板状の上蓋で覆われ、該上蓋の中央部には、開口部が形成され、該開口部には円筒部材が接続されており、前記めっき槽はめっき液を保持して、該めっき液を保温、冷却または加温し、前記めっき液を所定の温度に維持する温度調整溶液を保持する外槽内に配置され、前記めっき槽および前記上蓋ならびに前記円筒部材が前記温度調整溶液に接しており、前記外槽には、前記温度調整溶液を保温、冷却または加温する温度調節装置を具備することを特徴とするめっき装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2010020924A JP5637428B2 (ja) | 2010-02-02 | 2010-02-02 | めっき装置 |
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