JP5636080B2 - pH感受性蛍光プローブ - Google Patents

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Description

本発明は、pH感受性の蛍光プローブに関する。より詳しくは、酸性領域において強い蛍光を発する蛍光プローブに関するものである。
生体の恒常性、いわゆるホメオスタシスは生命現象の本質であり、なかでも細胞内pHの維持は最も代表的な細胞機能である。このように恒常性が維持されている細胞内において、ライソゾームに代表される酸性オルガネラの存在が古くから知られており、最近ではエンドサイトーシスや細胞内輸送系、オートファジーなど様々な細胞機能に酸性オルガネラが重要な役割を果たしていることが解明されている。このような酸性オルガネラの機能を正しく評価するためには、生細胞内において酸性オルガネラが存在する特定部位のpH、特に弱酸性(pH 6程度)から中酸性(pH 4〜5程度)を測定する手段が求められており、感度の高さや操作の簡便性などの観点からpH感受性の蛍光プローブの開発が試みられている。しかしながら、従来開発されているpH感受性蛍光プローブは酸性側で蛍光強度が低下するという問題があった。
一方、インダセン骨格を有する金属イオン測定用蛍光プローブが種々提案されている。例えば、インダセン骨格を有する亜鉛イオン測定用の蛍光プローブとして特開2005-022985号公報に記載された化合物が知られているが、この化合物は亜鉛イオン捕捉用の官能基を少なくとも1個有している点で本発明の化合物とは化学構造が異なっており、また上記刊行物には上記化合物をpH感受性プローブとして使用できることについて示唆ないし教示はない。また、インダセン骨格にジメチルアミノフェニル基が結合した化合物が知られているが(Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 36, pp.1333-1335, 1997)、この化合物はカルボキシル基を有しない点で本発明の化合物とは化学構造が異なる。
特開2005-022985号公報 Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 36, pp.1333-1335, 1997
本発明の課題はpH感受性の蛍光プローブを提供することにあり、より具体的には、酸性領域において強い蛍光を発するpH感受性蛍光プローブを提供することにある。
本発明者らは、インダセン骨格に2個のカルボキシアルキル基を導入し、かつ酸性を検知する部位としてアニリン誘導体部位を導入した化合物が、酸性領域において強い蛍光を発する蛍光プローブとして機能することを見出した。この蛍光プローブは中性からアルカリ性側ではほぼ無蛍光であり、しかも高い水溶性を有していることから、細胞内における酸性オルガネラを感度よく検出することができる。本発明は上記の知見を基にして完成された。
すなわち、本発明により、下記の一般式(I):
Figure 0005636080
〔式中、R1は1又は2個のアルキル基(該アルキル基はアミノ基以外の置換基により置換されていてもよい)により置換されていてもよいアミノ基を示し;R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立にアルキル基(該アルキル基は置換基を有していてもよい)を示し;R6及びR7はそれぞれ独立にモノカルボキシアルキル基を示す〕で表される化合物、その塩、又はそのエステルが提供される。
上記発明の好ましい態様によれば、R1が1又は2個のC1-4アルキル基(該アルキル基はカルボキシル基により置換されていてもよい)により置換されていてもよいアミノ基であり、R2、R3、R4、及びR5がそれぞれ独立にC1-4アルキル基であり、R6及びR7がそれぞれ独立にモノカルボキシC1-4アルキル基である上記の化合物、その塩、又はそのエステル;R1が1又は2個のC1-4アルキル基により置換されていてもよいアミノ基であり、R2、R3、R4、及びR5がメチル基であり、R6及びR7がそれぞれ独立にカルボキシC2-3アルキル基である上記の化合物、その塩、又はそのエステル;及びR1がジエチルアミノ基であり、R2、R3、R4、及びR5がメチル基であり、R6及びR7がそれぞれ独立にカルボキシC2-3アルキル基である請求項1に記載の化合物、その塩、又はそのエステルが提供される。
別の観点からは、本発明により、上記の一般式(I)で表される化合物、その塩、又はそのエステルを含むpH感受性プローブが提供される。このpH感受性プローブは、例えば細胞内の酸性オルガネラの存在環境の測定に有用であり、エンドサイトーシスの測定などに用いることができる。
また、本発明により、細胞内の酸性領域の測定方法であって、下記の工程:
(a)上記の一般式(I)で表される化合物、その塩、又はそのエステルを細胞内に導入する工程、及び
(b)上記の一般式(I)で表される化合物又はその塩が細胞内で発する蛍光を測定する工程
を含む方法も本発明により提供される。この方法により、例えば、細胞内の酸性オルガネラの存在する酸性領域を測定することができる。
さらに、本発明により、上記一般式(I)で表される化合物により標識された生体関連物質が提供される。
本発明の化合物3a、3b、及び3c、並びに対照化合物3d(図中では、それぞれH2NBDP-PH、DiMeNBDP-PH、DiEtNBDP-PH、及びPhBDP-PHと表記)のpHと蛍光強度(蛍光量子収率)との相関を示した図である。 本発明の化合物3b若しくは3c、又は対照化合物3dを結合させた抗体(図中では、それぞれDiMeNBDP-IgG、DiEtNBDP-IgG、及びPhBDP-IgGと表記)のpHと蛍光強度(蛍光量子収率)との相関を示した図である。
本明細書において、「アルキル基」又はアルキル部分を含む置換基(例えばアルキルカルボニル基など)のアルキル部分は、例えば、炭素数1〜12個、好ましくは炭素数1〜6個、さらに好ましくは炭素数1〜4個の直鎖、分枝鎖、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基を意味している。好適なアルキル基の具体例としては、低級アルキル基(炭素数1〜6個のアルキル基)、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。アルキル部分を有する他の置換基(アルコキシ基)のアルキル部分についても同様である。
本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」と言う場合には、特に言及しない場合には、置換基の種類、個数、置換位置は特に限定されない。例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれでもよい)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルキルスルホネート基などを置換基として有していてもよい。
上記一般式(I)において、R1は無置換のアミノ基又は1又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基を示す。2個のアルキル基が置換する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アミノ基上に置換するアルキル基は置換基を有していてもよい(ただし置換基としてアミノ基を除く)。例えば、カルボキシル基などの置換基を有していてもよい。該アルキル基としてはC1-4アルキル基が好ましい。例えば、R1として無置換アミノ基、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノn-プロピルアミノ基、n-プロピルメチルアミノ基、カルボキシ置換エチルアミノ基などを例示することができるが、これらに限定されることはない。これらのうちジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基が好適であり、メチルエチルアミノ基及びジエチルアミノ基がさらに好適で、ジエチルアミノ基が特に好適である。ベンゼン環上に置換するR1の位置は特に限定されないが、R1がパラ位であることが好ましい。
R2、R3、R4、及びR5が示すアルキル基としてはC1-4アルキル基が好ましく、特に好ましいのはメチル基である。R6及びR7が示すモノカルボキシアルキル基としては、アルキル基の末端に1個のカルボキシル基が置換した基が好ましく、例えば、モノカルボキシC1-4アルキル基などが好ましい。特に好ましいのは、モノカルボキシエチル基、モノカルボキシプロピル基などである。
上記一般式(I)で表される本発明の化合物は酸付加塩又は塩基付加塩として存在することができる。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、又はメタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩などを挙げることができ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができる。これらのほか、グリシンなどのアミノ酸との塩を形成する場合もある。本発明の化合物又はその塩は水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質はいずれも本発明の範囲に包含される。
また、上記一般式(I)で表される本発明の化合物をエステルとすることもできる。例えば、本発明の化合物をスクシンイミジルエステルとすることによりタンパク質などへのラベル化機能を付することができ、このエステルを用いることにより上記一般式(I)で表される本発明の化合物により標識した生体関連物質(例えばタンパク質や抗体など)を製造することができる。あるいは、本発明の化合物をメチルエステルなどのアルキルエステルやメトキシメチルエステルなどのアルキルエーテルのエステルに変換することにより、細胞内への取り込み能を高めることができる。このようなエステル類は細胞内に取り込まれた後に細胞内エステラーゼの作用により加水分解を受けて上記一般式(I)で表される化合物を再生することができ、効率的に細胞内の酸性領域や酸性オルガネラの測定を行うことができる。
上記一般式(I)で表される本発明の化合物は、置換基の種類により、1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、1個又は2個以上の不斉炭素に基づく光学活性体や2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体などの立体異性体のほか、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などは、いずれも本発明の範囲に包含される。
本発明の化合物の代表的化合物の製造方法を本明細書の実施例に具体的に示した。従って、当業者は、これらの説明を基にして反応原料、反応条件、及び反応試薬などを適宜選択し、必要に応じてこれらの方法に修飾や改変を加えることによって、上記一般式(I)で表される本発明の化合物をいずれも製造することができる。インダセン骨格については、例えば、特開平10-338695号公報及び特開平11-5796号公報のほか、New J. Chem., 25, pp.289-292, 2001; Tetrahedron Letters, 42, pp.6711-6713, 2001; Angew. Chem. Int. Ed., 40, pp.385-387, 2001;及び特願2002-80230号明細書などに合成方法が示されているので、これらの刊行物を参照することにより当業者は本発明の化合物をさらに容易に製造可能である。上記の刊行物の開示のすべてを参照として本明細書の開示に含める。
上記一般式(I)で表される本発明の化合物は、pH感受性蛍光プローブとして有用である。上記一般式(I)で表される本発明の化合物又はその塩は、中性ないし塩基性領域において実質的に無蛍光であるか、弱い蛍光のみを有するが、酸性領域において強い蛍光を発する特徴を有している。従って、上記一般式(I)で表される本発明の化合物又はその塩は、生細胞や生組織中の酸性領域を生理条件下で測定するためのpH感受性蛍光プローブとして極めて有用である。R1で表されるアミノ基の変化に対応したpHプロファイルの変動については実施例に具体的に示した。例えば、本発明の化合物又はその塩をpH感受性プローブとして用いることにより、細胞内において酸性オルガネラが存在する特定の領域のpHを正確に測定することができる。例えば、ライソゾームに代表される酸性オルガネラの存在が古くから知られており、最近ではエンドサイトーシスや細胞内輸送系、オートファジーなど様々な細胞機能に酸性オルガネラが重要な役割を果たしていることが解明されていることから、本発明のpH感受性プローブを用いてエンドサイトーシスを測定することができる。本発明の化合物又はその塩は、R1で表される置換基について、無置換のアミノ基、又は1又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基にその種類を変化させることにより、pH感受性を適宜選択することができるので、目的に応じて適宜のpH感受性を有する化合物を容易に選択することができる。なお、本明細書において用いられる「測定」という用語については、定量及び定性を含めて最も広義に解釈すべきものである。
本発明のpH感受性蛍光プローブの使用方法は特に限定されず、従来公知の蛍光プローブと同様に用いることが可能である。通常は、生理食塩水や緩衝液などの水性媒体、又はエタノール、アセトン、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの水混合性の有機溶媒と水性媒体との混合物などに上記一般式(I)で表される化合物又はその塩を溶解し、細胞や組織を含む適切な緩衝液中にこの溶液を添加して、蛍光スペクトルを測定すればよい。本発明のpH感受性蛍光プローブを適切な添加物と組み合わせて組成物の形態で用いてもよい。例えば、緩衝剤、溶解補助剤、pH調節剤などの添加物と組み合わせることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。実施例中の化合物番号は、下記のスキーム中の化合物番号に対応している。
Figure 0005636080
例1
(1)メチル 2,4-ジメチル-3-ピロールプロピオネート(1)
メチル 5-(ベンゾイルオキシ-カルボニル)-2,4-ジメチル-3-ピロールプロピオネート(1.55 g, 4.91 mmol) を10% パラジウム/炭素を含むアセトン 150 mLに溶解し、水素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応溶液を濾過し、溶媒を減圧溜去した後、直ちにトリフルオロ酢酸 (TFA) 10 mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、室温で10分撹拌した。反応溶液にジクロルメタン 30 mLを加えた後、水、1 mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して淡い褐色の油状物質1 (0.835 g, 94%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.02 (s, 3H, NHCHCCH3), 2.16 (s, 3H, NHCCH3), 2.42-2.48 (m, 2H, COCH2), 2.69-2.74 (m, 2H, COCH2CH2), 3.66 (s, 3H, OCH3), 6.36 (s, 1H, NHCH), 7.64 (br s, 1H, NH).
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 10.2, 11.1, 19.9, 35.3, 51.4, 113.0, 116.5, 117.7, 124.1, 173.9.
LRMS (ESI+) m/z 182 [M+H]+.
(2)1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ビス-(2-メトキシカルボニルエチル)-8-(4-アミノフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(2a)
化合物1 (0.542 g, 2.99 mmol)、4-アミノベンズアルデヒド (0.153 g, 1.49 mmol) を触媒量のTFAを含むジクロルメタン 300 mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、室温で一晩撹拌した。テトラクロロ-1,4-ベンゾキノン (p-chloranil) (0.361 g, 1.47 mmol) を加え、さらに10分撹拌を続けた。反応溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた残渣を、トリエチルアミン (TEA) を1% 含むジクロルメタン/メタノール (9:1) を溶出溶媒とし、アルミナカラムクロマトグラフィーで繰り返し精製し、赤緑がかった固体を得た。得られた固体を、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA) 3 mLを含むトルエン100 mLに溶解し、室温で撹拌しながらトリフルオロボランエーテラート(BF3・OEt2 )3 mLをゆっくり滴下した後、10分撹拌した。反応溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた残渣を、ジクロルメタン/メタノール (95:5)を溶出溶媒とし、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、赤色の固体2a (40.1 mg, 5.2%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.41 (s, 6H, NCCCH3), 2.33-2.28 (m, 4H, COCH2), 2.53 (s, 6H, NCCH3), 2.61-2.67 (m, 4H, COCH2CH2), 3.65 (s, 6H, OCH3), 3.93 (br s, 2H, NH2), 6.76-6.78 (m, 2H, NH2CCHCH), 6.96-6.99 (m, 2H, NH2CCH).
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 12.0, 12.4, 19.2, 34.2, 51.5, 115.3, 124.7, 128.7, 128.9, 131.4, 139.5, 141.8, 147.1, 153.4, 173.0.
HRMS (ESI+) Calcd for [M+Na]+ m/z 534.23516, Found 534.23846 (Δ 3.30 mmu).
(3)1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ビス-(2-カルボキシエチル)-8-(4-アミノフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(3a)
化合物2a (40.1 mg, 78.4 μmol) をジクロルメタン 1 mLに溶解し、メタノール 20 mL、1 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液5 mLを順次加え、室温で一晩撹拌した。反応溶液に水30 mLを加えてジクロルメタンで洗浄した後、UV (365 nm) 照射下で溶液が緑色の蛍光を発するようになるまで1 mol/L 塩酸 (約5 mL) を加え、溶液を酸性にした。ジクロルメタンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた残渣をセミプレパラティブ HPLCを用いて以下の条件で2度精製した;A/B = 50/50 (0 min) to 0/100 (20 min), then A/B = 70/30 (0 min) to 0/100 (30 min) (solvent A: H2O, 0.1% TFA; solvent B: アセトニトリル/H2O = 80/20, 0.1% TFA)。目的の化合物が含まれるフラクションの水系溶液をジクロルメタンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して橙色の固体3a (32.0 mg, 84%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 1.37 (s, 6H, NCCCH3), 2.24 (t, 4H, J = 7.4, 8.0 Hz, COCH2), 2.38 (s, 6H, NCCH3), 2.54 (t, 4H, J = 7.4, 8.0 Hz, COCH2CH2), 6.73-6.75 (m, 2H, NCCHCH), 6.83-6.86 (m, 2H, NCCH).
13C NMR (75 MHz, CD3OD) δ 12.5, 12.7, 20.3, 35.3, 116.6, 125.2, 130.1, 130.4, 132.7, 140.8, 144.0, 150.2, 154.6, 176.5.
HRMS (ESI+) Calcd for [M+Na]+ m/z 506.20386, Found 506.20729 (Δ 3.43 mmu).
(4)1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ビス-(2-メトキシカルボニルエチル)-8-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン (2b)
化合物1 (0.574 g, 3.17 mmol)、4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド (0.236 g, 1.58 mmol) を触媒量のTFAを含むジクロルメタン 300 mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、室温で一日撹拌した。p-Chloranil (0.384 g, 1.56 mmol) を加え、さらに10分撹拌を続けた。反応溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた残渣を、TEAを1% 含むジクロルメタン/メタノール(9:1)を溶出溶媒とし、アルミナカラムクロマトグラフィーで繰り返し精製し、緑がかった固体を得た。得られた固体を、DIEA 5 mLを含むトルエン 100 mLに溶解し、室温で撹拌しながらBF3・OEt2 5 mLをゆっくり滴下した後、10分撹拌した。反応溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた残渣を、ジクロルメタン/メタノール (#1 97:3; #2 99:1; #3 100:0) を溶出溶媒とし、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで3度精製し、茶色の固体3a (228 mg, 27%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.40 (s, 6H, NCCCH3), 2.33-2.38 (m, 4H, COCH2), 2.53 (s, 6H, NCCH3), 2.61-2.67 (m, 4H, COCH2CH2), 3.02 (s, 6H, NCH3), 3.65 (s, 6H, OCH3), 6.75-6.80 (m, 2H, NCCHCH), 7.01-7.06 (m, 2H, NCCH).
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 12.1, 12.5, 19.4, 34.3, 40.3, 51.6, 112.4, 122.5, 128.7, 128.8, 131.6, 139.6, 142.4, 150.7, 153.3, 173.1.
HRMS (ESI+) Calcd for [M+Na]+ m/z 562.26646, Found 562.26315 (Δ -3.32 mmu).
(5)1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ビス-(2-カルボキシエチル)-8-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(3b)
化合物2b (50.8 mg, 94.2 μmol) をジクロルメタン 1 mLに溶解し、メタノール 20 mL、1 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液5 mLを順次加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液に水30 mLを加えてジクロルメタンで洗浄した後、UV (365 nm) 照射下で溶液が緑色の蛍光を発するようになるまで1 mol/L 塩酸 (約5 mL) を加え、溶液を酸性化した。ジクロルメタンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた残渣をセミプレパラティブ HPLCを用いて以下の条件で精製した;A/B = 60/40 (0 min) to 0/100 (30 min) (solvent A: H2O, 0.1% TFA; solvent B: acetonitrile/H2O = 80/20, 0.1% TFA)。目的の化合物が含まれるフラクションの水系溶液をジクロルメタンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して赤色の固体3b (40.3 mg, 84%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD + DMF-d7) δ 1.34 (s, 6H, NCCCH3), 2.21-2.26 (m, 4H, COCH2), 2.39 (s, 6H, NCCH3), 2.51-2.56 (m, 4H, COCH2CH2), 2.91 (s, 6H, NCH3), 6.77-6.80 (m, 2H, NCCHCH), 6.94-6.97 (m, 2H, NCCH).
13C NMR (75 MHz, CD3OD + DMF-d7) δ 12.6, 12.8, 20.3, 35.3, 40.5, 113.6, 123.5, 130.1, 130.6, 132.7, 140.8, 143.9, 152.5, 154.6, 175.9.
HRMS (ESI-) Calcd for [M-H]- m/z 510.23757, Found 510.23776 (Δ 0.19 mmu).
(6)1,3,5,7-テトラメチル-2-(2-カルボキシエチル)-6-(2-スクシンイミジルオキシカルボニルエチル)-8-[4-(N,N-ジメチルアミノ)-フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン (4b)
化合物3b (11.1 mg, 21.7 μmol) をN,N-ジメチルホルムアミド (DMF) 2 mLに溶解した。氷冷下、100 mmol/L N-ヒドロキシスクシンイミド (NHS) DMF溶液、100 mmol/L ウォーターソルブル・カルボジイミド (WSCD) DMF溶液 (それぞれ32.6 μmol) を順次加えていき、徐々に室温に戻していきながら24時間撹拌した。溶媒を減圧溜去し、セミプレパラティブ HPLCを用いて以下の条件で精製した;A/B = 50/50 (0 min) to 0/100 (20 min) (solvent A: H2O, 0.1% TFA; solvent B: acetonitrile/H2O = 80/20, 0.1% TFA)。目的の化合物が含まれるフラクションの水系溶液をジクロルメタンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して赤色の固体4b (2.6 mg, 20%) を得た。原料回収率41%。
HRMS (ESI+) Calcd for [M+Na]+ m/z 631.25154, Found 631.25518 (Δ 3.64 mmu).
(7)1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ビス-(2-メトキシカルボニルエチル)-8-[4-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン (2c)
化合物1 (0.542 g, 2.99 mmol)、4-(N,N-ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド (0.265 g, 1.49 mmol) を触媒量のTFAを含むジクロルメタン 300 mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、室温で一晩撹拌した。p-Chloranil (0.370 g, 1.51 mmol) を加え、さらに10分撹拌を続けた。反応溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた残渣を、TEAを1% 含むジクロルメタン/メタノール (#1 95:5; #2 98:2; #3 100:0)を溶出溶媒とし、アルミナカラムクロマトグラフィーで3度精製し、緑がかった固体を得た。得られた固体を、DIEA 5 mLを含むトルエン 100 mLに溶解し、室温で撹拌しながらBF3・OEt2 5 mLをゆっくり滴下した後、10分撹拌した。反応溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた残渣を、ジクロルメタン/メタノール (#1 98:2; #2 100:0; #3 95:5) を溶出溶媒とし、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで3度精製し、橙色の固体2c (136 mg, 16%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.22 (t, 6H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 1.44 (s, 6H, NCCCH3), 2.36 (t, 4H, J = 7.3, 8.4 Hz, COCH2), 2.53 (s, 6H, NCCH3), 2.65 (t, 4H, J = 7.3, 8.4 Hz, COCH2CH2), 3.41 (q, 4H, J = 7.0 Hz, NCH2), 3.65 (s, 6H, OCH3), 6.74 (d, 2H, J = 8.6 Hz, NCCHCH), 6.99 (d, 2H, J = 8.6 Hz, NCCH).
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 12.1, 12.3, 12.5, 19.3, 34.3, 44.3, 51.6, 112.0, 121.6, 128.6, 129.0, 131.7, 139.6, 142.6, 148.2, 153.1, 173.1.
HRMS (ESI+) Calcd for [M+H]+ m/z 568.31582, Found 568.31626 (Δ 0.44 mmu).
(8)1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ビス-(2-カルボキシエチル)-8-[4-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン (3c)
化合物2c (136 mg, 239 μmol) をジクロルメタン 3 mLに溶解し、メタノール 20 mL、1 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液5 mLを順次加え、室温で4時間撹拌した。反応溶液に水30 mLを加えてジクロルメタンで洗浄した後、UV (365 nm) 照射下で溶液が緑色の蛍光を発するようになるまで1 mol/L 塩酸 (約5 mL) を加え、溶液を酸性化した。ジクロルメタンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた化合物を、ジクロルメタン/アセトン (1:1) を展開溶媒としてプレパラティブ TLCを用いて精製し、橙色の固体3c (118 mg, 91%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 1.10 (t, 6H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 1.39 (t, 6H, NCCCH3), 2.25 (t, 4H, J = 7.5, 7.9 Hz, COCH2), 2.39 (s, 6H, NCCH3), 2.56 (t, 4H, J = 7.5, 7.9 Hz, COCH2CH2), 3.33 (q, 4H, J = 7.0 Hz, NCH2), 6.75 (d, 2H, J = 8.8 Hz, NCCHCH), 6.93 (d, 2H, J = 8.8 Hz, NCCH).
13C NMR (75 MHz, CD3OD) δ 12.5, 12.7, 20.4, 35.3, 45.4, 113.3, 122.8, 130.3 (representing two different carbons), 132.8, 140.8, 144.2, 149.7, 154.4, 176.5.
HRMS (ESI-) Calcd for [M-H]- m/z 538.26887, Found 538.26446 (Δ -4.40 mmu).
(9)1,3,5,7-テトラメチル-2-(2-カルボキシエチル)-6-(2-スクシンイミジルオキシカルボニルエチル)-8-[4-(N,N-ジエチルアミノ)-フェニル]-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン (4c)
化合物3c (25.7 mg, 47.6 μmol) をDMF 2 mLに溶解した。氷冷下、100 mmol/L NHS DMF溶液、100 mmol/L WSCD DMF溶液 (それぞれ47.6 μmol) を順次加えていき、徐々に室温に戻していきながら14時間撹拌した。溶媒を減圧溜去し、ジクロルメタン/アセトン (1:1) を展開溶媒としてプレパラティブ TLCを用いて精製し、赤色の固体4c (13.4 mg, 44%) を得た。
HRMS (ESI+) Calcd for [M+H]+ m/z 637.30090, Found 637.30278 (Δ 1.89 mmu).
(10)1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ビス-(2-メトキシカルボニルエチル)-8-フェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン (2d)
化合物1 (0.634 g, 3.50 mmol)、ベンズアルデヒド (0.185 g, 1.74 mmol) を触媒量のTFAを含むジクロルメタン 300 mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、室温で一晩撹拌した。p-Chloranil (0.428 g, 1.74 mmol) を加え、さらに10分撹拌を続けた。反応溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた化合物を、TEAを1% 含むジクロルメタンを溶出溶媒とし、アルミナカラムクロマトグラフィーで繰り返し精製し、緑色の固体を得た。得られた固体を、DIEA 5 mLを含むトルエン 100 mLに溶解し、室温で撹拌しながらBF3・OEt2 5 mLをゆっくり滴下した後、10分撹拌した。反応溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた残渣を、ジクロルメタンを溶出溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、橙色の固体2d (273 mg, 32%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.29 (s, 6H, NCCCH3), 2.32-2.38 (m, 4H, COCH2), 2.54 (s, 6H, NCCH3), 2.61-2.66 (m, 4H, COCH2CH2), 3.65 (s, 6H, OCH3), 7.25-7.28 (m, 2H, benzene), 7.46-7.49 (m, 3H, benzene).
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 11.8, 12.6, 19.3, 34.2, 51.6, 128.0, 128.9, 129.1, 130.9, 135.4, 139.4, 140.9, 154.0, 173.0.
HRMS (ESI+) Calcd for [M+Na]+ m/z 519.22426, Found 519.22433 (Δ 0.07 mmu).
(11)1,3,5,7-テトラメチル-2,6-ビス-(2-kルボキシエチル)-8-フェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン (3d)
化合物2d (40.1 mg, 78.4 μmol) をジクロルメタン 1 mLに溶解し、メタノール 20 mL、1 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液5 mLを順次加え、室温で一晩撹拌した。反応溶液に水30 mLを加えてジクロルメタンで洗浄した後、UV (365 nm) 照射下で溶液が緑色の蛍光を発するようになるまで1 mol/L 塩酸 (約5 mL) を加え、溶液を酸性にした。ジクロルメタンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して得られた残渣をセミプレパラティブ HPLCを用いて以下の条件で精製した;A/B = 50/50 (0 min) to 0/100 (20 min), then A/B = 70/30 (0 min) to 0/100 (30 min) (solvent A: H2O, 0.1% TFA; solvent B: アセトニトリル/H2O = 80/20, 0.1% TFA)。目的の化合物が含まれるフラクションの水系溶液をジクロルメタンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して赤色の固体3d (32.0 mg, 84%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 1.19 (s, 6H, NCCCH3), 2.23 (t, 4H, J = 8.1 Hz, COCH2), 2.40 (s, 6H, NCCH3), 2.55 (t, 4H, J = 8.1 Hz, COCH2CH2), 7.21-7.46 (m, 5H, benzene).
13C NMR (75 MHz, CD3OD/NaOD) δ 12.2 (representing two different carbons), 22.0, 39.3, 129.5, 130.2, 130.4, 132.0, 132.2, 136.9, 140.4, 142.1, 155.2, 181.8.
HRMS (ESI+) Calcd for [M+Na]+ m/z 491.19296, Found, 491.18910 (Δ -3.87 mmu)
(12)1,3,5,7-テトラメチル-2-(2-カルボキシエチル)-6-(2-スクシンイミジルオキシカルボニルエチル)-8-フェニル-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン (4d)
化合物3d (12.4 mg, 26.5 μmol) をDMF 2 mLに溶解した。氷冷下、100 mmol/L NHS DMF溶液、100 mmol/L WSCD DMF溶液 (それぞれ39.7 μmol) を順次加えていき、徐々に室温に戻していきながら24時間撹拌した。溶媒を減圧溜去し、セミプレパラティブ HPLCを用いて以下の条件で精製した;A/B = 50/50 (0 min) to 0/100 (20 min) (solvent A: H2O, 0.1% TFA; solvent B: アセトニトリル/H2O = 80/20, 0.1% TFA)。目的の化合物が含まれるフラクションの水系溶液をジクロルメタンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧溜去して赤色の固体4d (4.0 mg, 27%) を得た。原料回収率24%。
HRMS (ESI-) Calcd for [M-H]- m/z 564.21175, Found 564.21392 (Δ 2.18 mmu).
例2:本発明のpH感受性蛍光プローブの光学特性及びpH依存的変化
本発明の化合物3a(H2NBDP-PH)、3b(DiMeNBDP-PH)、及び3c(DiEtNBDP-PH)と対照化合物としてpH検知部位であるアニリン性アミノ基を有しない化合物3d(PhBDP-PH)の光学特性を測定した。結果を表1に示す。化合物3a、3b、及び3cはHenderson-Hasselbach式に従ったpH 依存性を示し、pH感受性プローブとして機能することが明らかとなった(図1)。各化合物とも中性からアルカリ性環境ではほぼ無蛍光で、弱酸性ないし中酸性程度のpKaを持ち、脱プロトン化体が酸性側でプロトン化されることでその蛍光量子収率は250〜300倍に増大した。
Figure 0005636080
例3
本発明の化合物にタンパク質などへのラベル化機能を付すため2個のカルボキシル基のうち1つをスクシンイミジル(NHS)エステルとした化合物4b及び4cを合成した。対照化合物としてアニリン性アミノ基を有しない化合物4dを合成した。
IgGに対して4b及び4c、対照として、4dを以下の方法でラベル化し、それぞれDiMeNBDP-IgG、DiEtNBDP-IgG、及びPhBDP-IgGを得た。IgGとしては市販のヒト化モノクローナル抗体治療薬であるハーセプチン:登録商標(Herceptin:登録商標)を用いた。Herceptinを200 mmol/L リン酸ナトリウム緩衝液(pH 8.37)(NaPi buffer) に溶解し、1.0 mg/mL Herceptin/NaPi 溶液を調製した。1.0 mLの1.0 mg/mL Herceptin/NaPi 溶液に化合物4b、4c、又は4dを加えた。遮光下に1時間静置し、PD10 カラム (GE Healthcare) を用いて溶出溶液をPBS pH 7.4 (GIBCO) とし、ラベル化されたIgGを単離した。DiMeNBDP-IgG及びDiEtNBDP-IgGは酸性になるにつれて化合物3b及び3cと同様に蛍光が増大したが、対照であるPhBDP-IgGではpH変動による蛍光の変化は認められなかった(図2)。
上記の例2及び例3の結果より以下が確認された。
(1)本発明の化合物におけるR1で表されるアミノ基を適宜選択することにより、酸性領域における所望のpH範囲でのpH変動を好適な蛍光強度で測定することができる。従って、本発明の化合物はpH感受性プローブとして有用である。
(2)一般に酸性オルガネラのpHは、初期エンドソームが6.5〜6.0程度、後期エンドソームが6.0〜5.0程度、ライソゾームが4.8〜4.5程度とされている。本発明の化合物は、これらのpH範囲においてpH依存的に蛍光強度が変動するので細胞内酸性オルガネラの存在する酸性領域を測定するpH感受性プローブとして有用である。
(3)本発明の化合物は、そのpH感受性を損なうことなく生体関連物質(タンパク質やIgGなど)を標識(ラベル化)することができる。標識される生体関連物質を適宜選択することにより、エンドサイトーシスや細胞内輸送系、オートファジーなどの酸性オルガネラが関与する細胞機能を測定することができる。
(4)本発明の化合物におけるR1で表されるアミノ基の選択は、測定対象とするpH範囲により異なるが、例えば、R1がジエチルアミノ基である化合物3c、4cは、酸性オルガネラのpH変動を高感度に、広いpH範囲にわたり測定することができるので特に有用である。
本発明の化合物は酸性領域において強い蛍光を発するpH感受性蛍光プローブとして有用である。

Claims (4)

  1. 下記の一般式(I):
    Figure 0005636080
    〔式中、R1ジエチルアミノ基を示し;R2、R3、R4、及びR5はメチル基を示し;R6及びR7はモノカルボキシエチル基を示す〕で表される化合物のスクシンイミジルエステルで標識された抗体
  2. モノクローナル抗体である請求項1に記載の抗体。
  3. ヒト化モノクローナル抗体である請求項1に記載の抗体。
  4. ヒト化モノクローナル抗体がIgGである請求項1に記載の抗体。
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