JP3967943B2 - 蛍光プローブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蛍光プローブに関する。より具体的には一酸化窒素を捕捉して蛍光を発する蛍光プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、それ自体はほとんど蛍光性を有しない特定のフルオレセイン誘導体が、中性条件下で一酸化窒素と容易に反応して高い蛍光強度を有するトリアゾール化合物を与え、該トリアゾール誘導体が 495 nm 程度の長波長の励起光により515 nm程度の強い蛍光を発することができることが報告された(米国特許第5,874,590号明細書)。このフルオレセイン誘導体を一酸化窒素測定試薬として用いると、汎用の蛍光顕微鏡に備えられた蛍光フィルターで励起光を容易に分光することができ、個々の細胞内の蛍光を測定することにより簡便に細胞内の一酸化窒素濃度を測定できる。
【0003】
また、中性条件下において一酸化窒素と効率よく反応でき、蛍光強度に優れたトリアゾール誘導体を与えるジアミノローダミン誘導体が提案されている(米国特許第6,201,134号明細書)。このジアミノローダミン誘導体は上記フルオレセイン誘導体に比べて長波長側にシフトしており、細胞の自家蛍光領域とほとんどオーバーラップしないこと、並びに酸性領域においても蛍光の減弱がないことから、生体組織や細胞に対してダメージを与えず、細胞の自家蛍光領域よりも長波長の蛍光領域で一酸化窒素を測定することができる。
【0004】
一方、アルカリ金属イオン又はカチオン測定のために有用なイオン取り込み部を有するインダセン誘導体が知られている(特開平10-338695号公報及び特開平11-5796号公報)。しかしながら、このインダセン誘導体の蛍光発色団を用いて一酸化窒素測定を測定する試みについては全く報告がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は一酸化窒素を特異的かつ効率的に捕捉して蛍光を発する蛍光プローブを提供することにある。より具体的には、本発明の課題は、一酸化窒素の測定に有用な化合物を提供することにあり、中性条件下において一酸化窒素と効率よく反応でき、蛍光強度に優れた蛍光性物質を与える化合物を提供することにある。
【0006】
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、下記の一般式(I)で表される化合物が一酸化窒素を極めて効率的にトラップでき、蛍光強度に優れたトリアゾール誘導体を与えること、及び該化合物を用いることにより高感度かつ正確な一酸化窒素測定が可能になることを見出した。本発明はこれらの知見を基にして完成されたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、下記の一般式(I):
【化3】
(式中、R1及びR2はそれぞれフェニル環上の隣接した位置に置換するアミノ基を示し、該アミノ基のいずれか1つは置換基を有していてもよいアルキル基を1個有していてもよく;R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子、C1-6アルキル基、又はC1-6アルコキシ基を示し、R5及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示し、R6及びR9はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、カルボキシル基、C1-6アルコキシカルボニル基、又はスルホン酸基を示すが、R6はR5と一緒になってそれらが結合する2個の炭素原子とともに縮合アリール環を形成してもよく(該アリール環は置換基を有していてもよい)、及び/又はR9はR8と一緒になってそれらが結合する2個の炭素原子とともに縮合アリール環を形成してもよく(該アリール環は置換基を有していてもよい)、R7及びR10はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、アリール基、C1-6アルコキシカルボニル基、又は置換基を有していてもよいビニル基を示す)で表される化合物又はその塩を提供するものである。
【0008】
この発明の好ましい態様によれば、R6及びR9が水素原子であり、R5、R7、R8、及びR10がメチル基である上記化合物又はその塩が提供される。また、本発明により、上記の化合物又はその塩を含む一酸化窒素測定用試薬が提供される。
【0009】
別の観点からは、本発明により、下記の一般式(II):
【化4】
[式中、R11及びR12は互いに結合してフェニル環上の隣接した位置に環を形成する-N=N-NR30- (式中、R30は水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す)で表される基を示すか、又はR11及びR12はフェニル環上の隣接した位置に置換するアミノ基(置換基を有していてもよいアルキル基又はアミノ基の保護基を有していてもよい)及びニトロ基の組み合わせを示し;R13及びR14はそれぞれ独立に水素原子、C1-6アルキル基、又はC1-6アルコキシ基を示し、R15及びR18はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示し、R16及びR19はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、カルボキシル基、C1-6アルコキシカルボニル基、又はスルホン酸基を示すが、R16はR15と一緒になってそれらが結合する2個の炭素原子とともに縮合アリール環を形成してもよく(該アリール環は置換基を有していてもよい)、及び/又はR19はR18と一緒になってそれらが結合する2個の炭素原子とともに縮合アリール環を形成してもよく(該アリール環は置換基を有していてもよい)、R17及びR20はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、アリール基、C1-6アルコキシカルボニル基、又は置換基を有していてもよいビニル基を示す]で表される化合物又はその塩が提供される。この発明の好ましい態様によれば、R16及びR19が水素原子であり、R15、R17、R18、及びR20がメチル基である上記化合物又はその塩が提供される。
【0010】
さらに別の観点からは、一酸化窒素の測定方法であって、(a)上記の一般式(I)で示される化合物を一酸化窒素と反応させる工程;及び、(b)上記工程(a)において生成する一般式(II)の化合物[ただし、R11及びR12は互いに結合してフェニル環上の隣接した位置に環を形成する-N=N-NR30- (式中、R30は水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す)で表される基を示す]を検出する工程を含む方法が本発明により提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本明細書において、特に言及しない場合にはアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよい。アルキル部分を有する他の置換基(アルコキシ基)のアルキル部分についても同様である。また、ある官能基について「置換基を有していてもよい」と言う場合には、置換基の種類、個数、置換位置は特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれでもよい)、水酸基、アミノ基などを置換基として有していてもよい。また、本明細書においてアリール基という場合には、単環性又は多環性のアリール基のいずれであってもよいが、好ましくはフェニル基を用いることができる。アリール環についても同様である。
【0012】
一般式(I)において、R3及び/又はR4がC1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基を示す場合には、それらの基はベンゼン環上の2-位及び6-位に結合することが好ましい。これらの基が存在すると量子収率や反応速度が向上し検出感度を高めることができる場合がある。R3及びR4が示すアルキル基としてはメチル基が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基が好ましい。R3及びR4がともに水素原子であることも好ましい。一般式(II)におけるR13及びR14についても同様である。
【0013】
R6及びR9が示すC1-6アルキル基としては、メチル基又はエチル基などが好ましく、C1-6アルコキシカルボニル基(本明細書において「C1-6アルコキシカルボニル基」とはC1-6アルコキシで置換されたカルボニル基を意味する)としてはエトキシカルボニル基などが好ましい。R6がR5と一緒になって縮合アリール環を形成する場合、及びR9がR8と一緒になって縮合アリール環を形成する場合には、形成されるアリール環としてベンゼン環が好ましい。R6及びR9が水素原子以外の基である場合には、化合物の蛍光波長が長波長側にシフトする場合があり、また水溶性が高まる場合がある。
【0014】
R7及びR10が示すアリール基としてはフェニル基が好ましく、C1-6アルコキシカルボニル基としてはエトキシカルボニル基が好ましい。ビニル基に存在する置換基としてはフェニル基、モノアミノフェニル基、又はジアミノフェニル基(例えば3,4-ジアミノフェニル基)などを挙げることができる。R7及びR10がアルキル基以外の基である場合には、化合物の蛍光波長が長波長側にシフトする場合がある。
【0015】
一般式(I)において、R6及びR9が水素原子であることが好ましい。また、一般式(I)において、R5、R7、R8、及びR10が置換基を有していてもよいC1-6アルキル基であることが好ましく、例えば、R5、R7、R8、及びR10がいずれもメチル基である化合物は本発明の好適な態様である。一般式(II)におけるR15、R16、R17、R18、R19、及びR20についても上記のR5、R6、R7、R8、R9、及びR10と同様である。
【0016】
上記一般式(I) において、R1及びR2はそれぞれフェニル環上の隣接した位置に置換するアミノ基を示す。R1及びR2が共に無置換のアミノ基であってもよいが、R1及びR2のうちのいずれかは1個のアルキル基で置換されていてもよく、該アルキル基は1個又は2個以上の置換基を有していてもよい。アミノ基上に置換するアルキル基としては、例えば、直鎖又は分枝鎖のC1-18 アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基)を挙げることができ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert- ブチル基などを用いることができる。アルキル基が置換基を有する場合の例としては、例えば、置換若しくは無置換のアリール基が置換したC1-6アルキル基(アラルキル基)などを挙げることができる。アリール置換アルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、パラメトキシベンジル基、パラエトキシカルボニルベンジル基、パラカルボキシベンジル基などを用いることができる。
【0017】
上記の一般式(II)において、R11及びR12は互いに結合してフェニル環上の隣接した位置に環を形成する-N=N-NR30-基を示す。ここで、R30は水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。該アルキル基としては、直鎖又は分枝鎖のC1-18アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基)を挙げることができ、該アルキル基が置換基を有する場合の例として、例えば、置換若しくは無置換のアラルキル基を挙げることができる。該アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、パラメトキシベンジル基、パラエトキシカルボニルベンジル基、パラカルボキシベンジル基などを用いることができる。
【0018】
また、R11及びR12はフェニル環上の隣接した位置に置換するアミノ基(1個の置換基を有していてもよい)及びニトロ基の組み合わせを示すが、R11及びR12のいずれか一方はアミノ基を示し、他方はニトロ基を示す。R11及びR12のいずれか一方が示すアミノ基は無置換であってもよいが、アルキル基、例えばC1-18 アルキル基、好ましくはC1-6アルキル基を1個有していてもよい。該アルキル基は置換基を有していてもよく、例えば、置換若しくは無置換のアラルキル基などがアミノ基に置換していてもよい。また、該アミノ基はアミノ基の保護基、例えば、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;トリメチルシリル基などのアルキルシリル基などを有していてもよい。ベンジル基などのアラルキル基を保護基として利用してもよい。
【0019】
上記一般式(I)又は一般式(II)で表される本発明の化合物は塩を形成する場合もある。塩の種類は特に限定されず、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれであってもよい。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、又はメタンスルホン酸塩、クエン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩を挙げることができる。また、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はメチルアミン塩、トリエチルアミン塩などの有機アミン塩を挙げることができる。さらに、グリシンなどのアミノ酸の塩を形成する場合もある。もっとも、本発明の化合物の塩はこれらの具体例に限定されることはない。
【0020】
上記一般式(I)又は一般式(II)で表される本発明の化合物は1個または2個以上の不斉炭素を有している場合がある。従って、1個または2個以上の不斉炭素に基づく光学的に純粋な形態の任意の光学異性体、光学異性体の任意の混合物、ラセミ体、純粋な形態のジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物などはいずれも本発明の範囲に包含される。また、本発明の化合物は水和物や溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質も本発明の範囲に包含されることはいうまでもない。
【0021】
上記の一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物(ただし、R11 及びR12 がフェニル環上の隣接した位置に置換するアミノ基及びニトロ基の組み合わせを示す化合物)のうち、代表的化合物としてR3、R4、R6、及びR9が水素原子であり、R5、R7、R8、及びR10がいずれもメチル基である化合物、並びにR13、R14、R16、及びR19が水素原子であり、R15、R17、R18、及びR20がいずれもメチル基である化合物の製造例を以下のスキームに示した。また、各合成ステップの詳細は本明細書の実施例に具体的に説明されている。従って、上記の一般式(II)で表される化合物が一般式(I)で表される化合物の製造中間体として有用であることが理解されよう。また、一般式(II)で示される化合物のうち、R11 及びR12 が互いに結合してフェニル環上の隣接した位置に環を形成する-N=N-NR30-基を示す化合物については、スキーム中の末尾のステップに示すように、上記一般式(I)で表される化合物と一酸化窒素とを反応させることにより製造可能である。この化合物は、後述のように強い蛍光性を有しており、一酸化窒素の測定に有用である。
【0022】
【化5】
【0023】
上記スキーム中の一般的な説明と実施例の具体的説明を参照することにより、一般式(I)及び一般式(II)に包含される化合物を容易に製造できることが当業者には理解されよう。また、インダセン骨格については、例えば、特開平10-338695号公報及び特開平11-5796号公報のほか、New J. Chem., 25, pp.289-292, 2001; Tetrahedron Letters, 42, pp.6711-6713, 2001; 及びAngew. Chem. Int. Ed., 40, pp.385-387, 2001などに合成方法が示されているので、これらの刊行物を参照することにより当業者は本発明の化合物をさらに容易に製造可能である。
【0024】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、中性条件下において一酸化窒素と効率的に反応して、収率よく一般式(II)の化合物(ただし、R11 及びR12 は互いに結合してフェニル環上の隣接した位置に環を形成する-N=N-NR30-基を示す化合物)を生成する性質を有している。一般式(I)で表される化合物自体は、中性条件下において485 nm程度の励起光を照射した場合にはほとんど蛍光を発しないが、上記一般式(II)の化合物は同じ条件下において極めて強い蛍光を発する性質を有している。従って、一般式(I)で表される化合物を生体組織中や細胞内に取り込ませて一酸化窒素と反応させ、蛍光性の上記一般式(II)の化合物を生成させてこの化合物の蛍光を測定することにより、生体組織中や細胞内の一酸化窒素を測定することができる。特に、本発明の一般式(I)の化合物は一酸化窒素との反応性に優れており、高感度かつ正確に一酸化窒素の測定を行なえるという優れた特徴を有している。
【0025】
従って、本発明により提供される一酸化窒素の測定方法は、一般式(I)で表される化合物と一酸化窒素とを反応させて一般式(II)の化合物を生成させ、一般式(II)の化合物(ただし、R11 及びR12 は互いに結合してフェニル環上の隣接した位置に環を形成する-N=N-NR30-基を示す化合物)の蛍光を測定する工程を含んでいる。本明細書において「測定」という用語は、検出、定量、定性など種々の目的の測定を含めて最も広義に解釈されるべきである。上記反応は好ましくは中性条件下に行うことができ、例えば、pH 6.0〜8.0 の範囲、好ましくはpH 6.5〜7.8 の範囲、より好ましくはpH 6.8〜7.6 の範囲で行うことができる。もっとも、本発明の化合物を用いた一酸化窒素の測定は中性領域ないし弱酸性領域に限定されることはなく、例えば、胃の粘膜細胞など強酸性の条件においても測定が可能である。
【0026】
蛍光の測定は、従来公知の蛍光測定方法に準じて行うことができる(例えば、Wiersma, J.H., Anal. Lett., 3, pp.123-132, 1970; Sawicki, C.R., Anal. Lett., 4, pp.761-775, 1971; Damiani, P. and Burini, G., Talanta, 8, pp.649-652, 1986; Damiani, P. and Burini, G., Talanta, 8, pp.649-652, 1986; Misko, T.P., Anal. Biochem. 214, pp.11-16, 1993 などの刊行物を参照)。本発明の一酸化窒素測定においては、例えば、励起光として485 nm 程度の光を照射し、525 nm程度の蛍光を測定することが好ましい。このような波長の光を用いると、汎用の蛍光顕微鏡に備えられた蛍光フィルターでも効率的に分光することができ、特殊なフィルターを用いずに高感度な測定が可能になる。
【0027】
また、特に高感度な測定が必要な場合には、上記の一酸化窒素の測定を酸素源の存在下に行ってもよい。酸素源としては、例えば、酸素、オゾン、又はオキシド化合物などを用いることが可能である。酸素としては、一般的には溶存酸素を用いることができるが、必要に応じて、反応系内に酸素ガスを導入するか、酸素発生用試薬(例えば、過酸化水素など)を添加してもよい。オキシド化合物としては N-O, S-O, P-Oなど容易に酸素原子が開裂されるオキシド結合を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、PTIO(2- フェニル-4,4,5,5- テトラメチルイミダゾリン-1- オキシル-3- オキシド: Maeda, H., et al., J. Leuk. Biol., 56, pp.588-592, 1994; Akaike, T., et al., Biochemistry, 32, pp.827-832, 1993)またはその誘導体(PTIOのフェニル基のp-位にカルボキシル基が導入されたカルボキシPTIOなど)、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリエチルアミンオキサイドなどを用いることができる。
【0028】
上記のオキシド化合物のうち、 PTIO 及びその誘導体(例えばカルボキシPTIOなど)は特に好ましい化合物であり、当業者に容易に入手可能な化合物である(東京化成株式会社、Organic Chemicals Catalog, 32, 1994 などに記載されている)。なお、オキシド化合物はそれ自体を反応試薬として用いてもよいが、リポソーム等に封入したものを用いることもできる。酸素源の量は特に限定されないが、少なくとも測定すべき一酸化窒素に対して 1μM 以上、好ましくは10〜30μM 、より好ましくは10〜20μM 程度の量であることが好ましい。生体試料などの測定では、試料中に10〜20μM 程度の量を添加することが好ましいが、一般的には、溶存酸素により必要量の酸素源が供給される。酸素源の量が極端に少ないと測定感度が低下する場合があり、酸素源の量が極端に多いと蛍光による発光に不都合を生じる場合がある。従って、測定すべき一酸化窒素の量を予試験若しくは公知の方法で予測して適宜の濃度範囲の酸素源を添加することが好ましい。反応は10〜25℃の温度範囲で行うことが可能である。なお、蛍光プローブを用いた一酸化窒素の測定方法に関しては長野哲雄ら、化学と教育、47、pp.665-669、1999などに詳細に記載されているので、当業者は上記刊行物を参照しつつ、本発明の化合物を用いて高感度に一酸化窒素を測定することができる。
【0029】
実施例
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。以下の実施例中、化合物番号は上記スキーム中の化合物番号に対応させてある。
例1
(a)化合物(2)の製造
氷冷下、濃硫酸6 mLに発煙硝酸1 mLを3回に分けて加えて混酸を調製し、そこへ4-アセトアミドベンズアルデヒド(1.91 g, 11.7 mmol)を少量ずつ加えた。添加終了後、直ちに反応混合物を氷にあけ、析出晶を濾取した後、冷水でよく洗浄して乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロルメタン)で精製し、水より再結晶して淡黄色の針状固体を得た(1.57 g, 収率64%)。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 2.36 (3H, s), 8.16 (1H, dd, J=8.79, 1.65Hz), 8.74 (1H, d, J=1.65Hz), 9.04 (1H, d, J=8.79Hz), 9.99 (1H,s), 10.63 (1H, s)
MS(El) 208 (M+)
m.p. 156℃
【0030】
(b)化合物(3)の製造
化合物(2) (953 mg, 4.58 mmol)と2,4-ジメチルピロール (0.94 mL, 9.16 mmol)を250 mLのジクロルメタンに溶解し、アルゴン気流下で数滴のトリフルオロ酢酸を加え、室温で一晩遮光して攪拌した。薄層クロマトグラフィー(展開溶媒; ジクロルメタン, シリカゲル)で原料消失を確認した後、DDQ (2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン, 1.07 g, 4.58 mmol)のジクロルメタン溶液120 mLを加えた。15分攪拌後、水で一回洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロルメタン)で精製して褐色固体 を得た(442 mg, 収率26%)。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.35 (6H, s), 2.33 (3H, s), 2.35 (6H, s), 5.91 (2H, s), 7.60 (1H, dd, J=8.61, 2.01Hz), 8.20 (1H, d, J=2.01Hz), 8.93 (1H, d, J=8.61Hz), 10.46 (1H, s)
MS(El) 378 (M+)
【0031】
(c)化合物(4)の製造
化合物(3) (285 mg, 0.75 mmol)をメタノール 20 mLに溶かし、この溶液に1N HCl 20 mLを加え、100℃で1時間加熱還流した。反応液を冷却後、2N NaOHで中和し、水層をジクロルメタンで5回抽出した。ジクロルメタン層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して褐色固体を得た(250 mg, 収率99%)。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.46 (6H, s), 2.34 (6H, s), 5.91 (2H, s), 6.17 (2H, s), 6.90 (1H, d, J=8.43Hz), 7.29 (1H, dd, J=8.43, 1.83Hz), 8.09 (1H, d, J=1.83Hz)
MS(El) 336 (M+)
【0032】
(d)化合物(5)の製造
化合物(4) (250 mg, 0.74 mmol)を濃塩酸を飽和させジクロルメタン 50 mLに溶解した。この溶液を氷冷下で20分間攪拌した後、SnCl2-2H2O (3.35 g, 14.9 mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。薄層クロマトグラフィー(展開溶媒; メタノール/ジクロルメタン= 1/9, アルミナ)で反応の進行を確認した後、反応液を2N NaOHで3回洗い塩基性にした。NaOH層を合わせてジクロルメタンで3回抽出した。ジクロルメタン層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して茶褐色固体を得た(215 mg, 収率95%)。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.46 (6H, s), 2.33 (6H, s), 3.39 (2H, s), 3.49 (2H, s), 5.89 (2H, s), 6.62 (1H, dd, J=8.25, 1.83Hz), 6.63 (1H, d, J=1.83Hz), 6.75 (1H, d, J=8.25Hz)
MS(El) 306 (M+)
【0033】
(e)化合物(6)
化合物(5) (129 mg, 0.42 mmol)を20 mLのジクロルメタンに溶解した。アルゴン気流下でDIEA (ジイソプロピルエチルアミン, 1 mL, 5.7 mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。さらにBF3-OEt2 (1 mL, 7.9 mmol)を加えて40分間攪拌したところ、少しして蛍光が現れた。反応終了後、反応液を水で1回、2N NaOHで2回洗い、水層とNaOH層を合わせてジクロルメタンで3回抽出する。全てのジクロルメタン層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を減圧留去した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; メタノール/ジクロルメタン=1/20)で精製して橙色固体を得た(105 mg, 収率71%)。
1H-NMR (300MHz, CD3OD) δ 1.56 (6H,s), 2.46 (6H,s), 6.01 (2H,s), 6.47 (1H, dd, J=7.86, 1.83Hz), 6.60 (1H, d, J=1.83Hz), 6.83 (1H, d, J=7.86Hz)
MS(El) 354 (M+)
【0034】
(f)化合物(7)
化合物(6) (50 mg, 0.14 mmol)に2N HClを25 mL加え、氷冷下で攪拌しながらNaNO2 (10 mg, 0.15 mmol)の水溶液を少量ずつ加えた。添加終了後、反応液を室温に戻して15分間攪拌した。反応液をジクロルメタンで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を減圧留去した。残渣を分取クロマトグラフィー (展開溶媒; アセトニトリル/水= 1/1, 0.1% トリフルオロ酢酸)で精製して赤褐色固体を得た(15 mg, 収率29%)。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.26 (6H, s), 2.57 (6H, s), 5.99 (2H, s), 7.41 (1H, d, J=8.43Hz), 7.87 (1H, s), 8.07 (1H, d, J=8.43Hz)
MS(El) 365 (M+)
【0035】
例2:試験例
(a)蛍光スペクトル
化合物(6)及び化合物(7)の蛍光特性を測定した。量子収率はF-4500 (日立)、それ以外のスペクトルはLS50B (Perkin Elmer)で測定した。化合物(6)はジメチルスルホキシドを共溶媒として 0.1 M ナトリウム-リン酸バッファー (pH 6.5)に溶解して20℃で測定した。量子収率は0.1M NaOH水溶液中でのフルオレセインを0.85として算出した。その結果、化合物(6)及び化合物(7)のモル吸光係数はそれぞれ9.0(496 nm)及び6.0(499 nm)(×10000/M/cm、カッコ内は波長)であり、化合物(7)の最大蛍光波長は507 nmであった。また、化合物(6)及び化合物(7)の蛍光量子収率はそれぞれ0.001及び0.51であった。
【0036】
(b)一酸化窒素との反応
化合物(6)に一酸化窒素発生試薬であるNOC 13を添加して励起及び蛍光スペクトルの変化を測定した。化合物(6)の10 μM溶液 (0.2% DMSO 共溶媒)にNOC 13を添加して37 ℃で1時間インキュベートしてから励起及び蛍光スペクトルを測定した。測定はスリット幅をEx/Em = 7.5/5.0 nmとし、励起波長を485 nm、蛍光波長を525 nmとして行った。極大からずらして測定しているのは散乱光の影響を除くためである。結果を図1に示す。NOC 13の添加濃度に依存して蛍光の増加が認められた。
【0037】
(c)活性酸素種との反応性
化合物(6)の10 μM 溶液 (0.2% DMSO 共溶媒)に活性酸素種を3分後に添加して、30分測定した。活性酸素種としては、一酸化窒素 (NO)、過酸化水素水(H2O2)、ヒドロキシルラジカル(・OH)を用いた。測定はスリット幅をEx/Em = 5.0/2.5 nmとし、励起波長を495 nm、蛍光波長を512 nmとして行った。これらの活性酸素種のほか、NOから変化したNO2 -やNO3 -についても測定を行った。NOとしては飽和NO水溶液 (1.9 mM)を10μL加え、H2O2は最終濃度が1 mMになるように過酸化水素を加えた。・OHは1分後に最終濃度が1 mMになるように過酸化水素を加え、その2分後に最終濃度が100 μMになるように過塩素酸第一鉄を加えた。NO2 -及びNO3 -は、最終濃度が100 μMになるようにそれぞれNaNO2、NaNO3を加えた。結果を図2に示す。化合物(6)は一酸化窒素のみで顕著な蛍光の増加を与えたが、それ以外の反応種とは全く反応せず、蛍光の増加は認められなかった。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】 化合物(6)にNOC 13を添加して励起及び蛍光スペクトルの変化を測定した結果を示した図である。図中、(A)は励起スペクトル(Em: 525 nm)、(B)は蛍光スペクトル(Ex: 485 nm)を示す。蛍光強度の高い曲線から順にNOC 13濃度が2.0μM、1.0μM、0.50μM、0.33μM、及び0μMの場合の結果を示す。
【図2】 化合物(6)に一酸化窒素のほか、各種の活性酸素種を反応させた結果を示した図である。一酸化窒素のみが時間経過とともに顕著な蛍光の増加を与えており、それ以外の反応種では蛍光の増加が認められない。
Claims (6)
- 下記の一般式(I):
- R6及びR9が水素原子であり、R5、R7、R8、及びR10がメチル基である請求項1に記載の化合物又はその塩。
- 請求項1又は2に記載の化合物又はその塩を含む一酸化窒素測定用試薬。
- 下記の一般式(II):
- R16及びR19が水素原子であり、R15、R17、R18、及びR20がメチル基である請求項4に記載の化合物又はその塩。
- 一酸化窒素の測定方法であって、(a)請求項1に記載の一般式(I)で示される化合物を一酸化窒素と反応させる工程;及び、(b)上記工程(a)において生成する請求項4に記載の一般式(II)の化合物[ただし、R11及びR12は互いに結合してフェニル環上の隣接した位置に環を形成する-N=N-NR30- (式中、R30は水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す)で表される基を示す]を検出する工程を含む方法。
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