JP5634431B2 - 抗認知症薬 - Google Patents

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Description

この発明は、生薬成分を有効成分とする新規な抗認知症薬に関する。
社会の高齢化に伴って、老年型認知症の患者が増加しており、非常に大きな社会問題となってきている。老年型認知症は、脳器質性障害による認知症、脳以外の臓器疾患に付随する認知症、ストレスによる身体疾患に起因する認知症に大きく分けられ、中でも脳器質性障害による認知症が認知症の原因の大半を占めていると考えられている。
又、脳器質性障害は、原因の違いから、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症に分けられ、原因の6割がアルツハイマー型認知症、3割が脳血管性認知症であることが知られている。
アルツハイマー型認知症は、認知機能低下、人格の変化を主な症状とする疾患であり、前記のように老人型認知症に占める割合が大きいにもかかわらず、その発症原因については今なお不明な点が多い。そのため、アルツハイマー型認知症には、認知機能の一時的な改善をもたらすことができるドネペジル塩酸塩(一般名、特許文献1を参照。)などの薬剤は存在するものの、これらの薬剤全てで認知症の病態を治療することや、最終的に認知症が悪化することを防ぐことはできなかった。又、これらの薬剤の使用によって、食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、発疹、掻痒感などの副作用が生じることが多かった(非特許文献1を参照。)。
又、脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血の後遺症として発症したのち、場所、時間、人に対する見当識障害や記憶障害に加え、意欲低下、情緒障害、うつ的症状や行動異常などの多彩な症状を示す疾患である。この脳血管性認知症の薬としては、向精神薬(主として抗不安薬、抗うつ薬)、脳循環代謝改善薬などが使用されているが、必ずしも満足できる効果は得られていなかった。又、これらの薬剤の使用によって、眠気、倦怠感、吐気等などの副作用が生じることが多かった。
一方、当帰、川きゅう、芍薬、地黄、人参、甘草等を主成分とする生薬製剤であるエッキ錠、パナパール錠(何れも剤盛堂薬品株式会社)は、それぞれ婦人病薬、滋養強壮薬として開発され、長年にわたって販売されている。そのため、これらの薬剤の安全性は十分に確認されている(非特許文献2及び3を参照。)。又、これらの薬剤は、近年、抗不安薬、抗うつ薬、骨粗鬆症予防薬としての作用効果も確認されている。(非特許文献4〜7を参照。)。
特許第2578475号公報
「JAPIC 医療用医薬品集2012」、一般財団法人 日本医薬情報センター、平成23年9月15日、p.1711〜1714 小林麻樹子、神谷幸男、長尾哲二、水谷正寛、高橋邦夫、「漢方生薬製剤エッキのラットにおける妊娠前、妊娠期及び授乳期経口投与試験」、医薬品研究、一般財団法人 日本公定書協会、1995年、第26巻、第5号、p.346-356 佐藤昌子、関剛幸、小林幸一、笠間菊子、畔上二郎、稲田浩子、三枝克彦、中込まどか、長尾哲二、高橋邦夫、「漢方生薬製剤パナパールのラットにおける妊娠前、妊娠期及び授乳期経口投与試験」、医薬品研究、一般財団法人 日本公定書協会、1996年、第27巻、第3号、p.99-110 山口和政、矢下友子、長瀬孝彦、加藤正巳、清水雅良、高橋徹、高橋邦夫、「卵巣摘出骨粗鬆症モデルラットにおける3種漢方生薬製剤の薬理効果」、応用薬理、応用薬理研究会、1999年、第57巻、第1/2号、p.13-30 高橋 穂綱、「精神と身体の薬と健康 そしてホノミ漢方」、ホノミ漢方会報、ホノミ漢方会本部・剤盛堂薬品株式会社、2008年10月25日、第493号、p. 2-34 平澤康史、久木浩平、高橋徹、高橋邦夫、「四物湯配合生薬製剤の研究総説 当帰川きゅう製剤の「血」への関与と薬理学的検討」、漢方の臨床、東亜医学協会、2010年、第57巻、第12号、p.2085(81)-2099(95) 平澤康史、久木浩平、高橋徹、高橋邦夫、「≪当帰川きゅう製剤の薬理検討結果≫当帰,川きゅう,芍薬,地黄を配合する漢方・生薬製剤の女性病疾患領域における有用性」、医学と薬学、株式会社自然科学社、2011年、第65巻、第2号、p.165-176
上述のように、従来の抗認知症薬には食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、発疹、掻痒感等の副作用が報告されている。そこで、この発明は、既に広く使用され、安全性が十分に確認されている生薬成分を有効成分とする、副作用が少なく優れた新規の抗認知症薬を提供することを課題とする。
発明者らは、婦人病薬や滋養強壮薬として使用されている生薬製剤が血液循環改善効果を備えていることから、これらが認知症に影響するのではと考え、前記生薬製剤が認知症に与える影響について鋭意検討した結果、この発明を完成させた。
すなわち、この発明の抗認知症薬は、当帰、川きゅう、芍薬、地黄、人参及び甘草に加えて、茯苓、白朮、桂皮、黄耆、反鼻、山薬、大蒜及び牛胆を有効成分として含有するものである。
また、この発明の抗認知症薬は、原生薬換算量で、当帰300〜1000重量部、川きゅう300〜1000重量部、芍薬300〜1500重量部、地黄300〜3000重量部、人参500〜5000重量部、甘草330〜620重量部、茯苓85〜576重量部、白朮300〜1500重量部、桂皮500〜5000重量部、黄耆120〜1200重量部、反鼻100〜1000重量部、山薬150〜1500重量部、大蒜30〜200重量部及び牛胆50〜500重量部を有効成分として含有するものである。
この発明によって、副作用が少なく、安全な抗認知症薬を提供することができる。
図1は、アミロイドクリアランス試験におけるラットの体重変化を示す。 図2は、アミロイドクリアランス試験におけるラットの右海馬1g中のβ-アミロイド含量を示す。 図3は、八方向放射状迷路課題におけるラットの体重変化を示す。 図4は、八方向放射状迷路課題の結果を示す。なお、図4(a)は正選択数、図4(b)は誤選択数、図4(c)は走行時間の結果を示す。
(1)抗認知症薬
この発明の抗認知症薬は、当帰、川きゅう、芍薬、地黄、人参及び甘草に加えて、茯苓、白朮、桂皮、黄耆、反鼻、山薬、大蒜及び牛胆を有効成分として含有するものである
また、この発明の抗認知症薬は、原生薬換算量で、当帰300〜1000重量部、川きゅう300〜1000重量部、芍薬300〜1500重量部、地黄300〜3000重量部、人参500〜5000重量部、甘草330〜620重量部、茯苓85〜576重量部、白朮300〜1500重量部、桂皮500〜5000重量部、黄耆120〜1200重量部、反鼻100〜1000重量部、山薬150〜1500重量部、大蒜30〜200重量部及び牛胆50〜500重量部を有効成分として含有するものである。
このような有効成分を含む生薬製剤として、例えば、前記のエッキ錠、パナパール錠が挙げられる。そこで、エッキ錠、パナパール錠の有効成分の含有量を以下に示す。なお、下記の有効成分の含有量は成人の1日当たりの服用量、すなわちエッキ錠の場合は12錠分3.6g、パナパール錠の場合は9錠分2.7gに含まれる量である。又、各成分の原生薬換算量を括弧内に示す。
すなわち、エッキ錠は、当帰1.8g、川きゅう0.9g、地黄0.5gから得られた当帰・川きゅう・地黄エキス0.64g、芍薬末0.90g、人参末0.30g、甘草末0.90gを有効成分として含有する。又、パナパール錠は、当帰エキス末100mg(500mg)、川きゅうエキス末100mg(500mg)、芍薬エキス末50mg(500mg)、地黄エキス末100mg(500mg)、人参エキス末300mg(3000mg)、甘草エキス末50mg(500mg)、茯苓末150mg(150mg)、白朮エキス末50mg(500mg)、桂皮エキス末50mg(1000mg)、黄耆エキス末20mg(200mg)、反鼻末180mg(180mg)、山薬末500mg(500mg)、加工大蒜末100mg(100mg)、牛胆エキス末50mg(75mg)を有効成分として含有する。
(2)有効成分
この発明の抗認知症薬の有効成分について、以下に詳説する。当帰(トウキ)は、セリ科シシウド属の多年草トウキ(Angelica acutiloba Kitagawa)又はホッカイトウキ(Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino(Umbelliferae))の根である。川きゅう(センキュウ)は、セリ科ハマゼリ属の多年草センキュウ(Cnidium officinale Makino(Umbelliferae))の根茎である。芍薬(シャクヤク)は、ボタン科ボタン属の多年草シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas(Paeoniaceae))の根である。地黄(ジオウ)は、ゴマノハグサ科レーマンニア属の植物アカヤジオウ(Rehmannia glutinosa Liboschitz var. purpurea Makino)又はRehmannia glutinosa Liboschitz(Scrophulariaceae)の根である。人参(ニンジン)は、ウコギ科オタネニンジン属の多年草オタネニンジン(Panax ginseng C. A. Meyer(Panax schinseng Nees)(Araliaceae))の根である。甘草(カンゾウ)は、マメ科カンゾウ属の多年草グリキルリザ・ウラレンシス(Glycyrrhiza uralensis Fischer)又はグリキルリザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra Linne(Leguminosae))の根である。
又、茯苓(ブクリョウ)は、サルノコシカケ科ブクリョウ属のマツホド(Wolfiporia cocos Ryvarden et Gilbertson(Poria cocos Wolf)(Polyporaceae))の菌核である。白朮(ビャクジュツ)は、キク科オケラ属の多年草オケラ(Atractylodes japonica Koidzumi ex Kitamura)の根茎(ワビャクジュツ)又はオオバナオケラ(Atractylodes macrocephala Koidzumi(Atractylodes ovata De Candolle)(Compositae))の根茎(カラビャクジュツ)である。桂皮(ケイヒ)は、クスノキ科クスノキ属シンナモムム・カッシア(Cinnamomum cassia Blume(Lauraceae))の樹皮である。黄耆(オウギ)は、マメ科ゲンゲ属の多年草の高山植物キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)又はAstragalus mongholicus Bunge(Leguminosae)の根である。
更に、反鼻(ハンピ)は、クサリヘビ科マムシ属に分類されるマムシ(Agkistrodon halys P.)又はその他近縁動物の皮及び内臓を除いたものである。山薬(サンヤク)は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のヤマノイモ(Dioscorea japonica Thunberg)又はナガイモ(Dioscorea batatas Decaisne(Dioscoreaceae))の根茎である。大蒜(ニンニク)は、ユリ科ネギ属の多年草ニンニク(Allium sativum L.)の鱗茎である。牛胆は、牛(ウシ Bos taurus L.)の胆汁を乾燥したものである。
これら有効成分は、原生薬をそのままの状態で使用できるが、原生薬から抽出した抽出物や原生薬を粉砕した粉砕物として使用するほうが好ましい。なお、抽出や粉砕は、医薬品や食品の製造に利用する公知の方法であれば特に限定することなく使用できる。
例えば、抽出は各原料をその重量の5〜30倍量、好ましくは10〜20倍量の熱水により抽出し、抽出液を濃縮及び乾燥したものが使用できる。なお、濃縮及び乾燥には、減圧蒸発濃縮、スプレイドライ、凍結乾燥等の公知の手段が使用できる。又、粉砕には、インパクトミルやジェットミルなど公知の手段が使用できる。
(3)剤形及び添加物
なお、この発明の抗認知症薬は、前記有効成分を混合してそのまま使用してもよいが、有効成分に加えて、薬学的に許容し得る添加物と混合しても使用できる。例えば、前記有効成分と適当な賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤等の添加剤等とを混合して、公知の方法によって、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤等の固形製剤に加工してもよい。又、前記有効成分と、例えば懸濁化剤、乳化剤、甘味料、エタノール等とを混合して、公知の方法によって、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等の液体製剤に加工してもよい。
なお、前記の賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、懸濁化剤、乳化剤としては、公知のものであれば特に限定することなく使用することができる。
具体的には、賦形剤として、例えば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、軽質無水ケイ酸、コーンスターチ、無機塩等が挙げられるが、これらに限定されない。結合剤としては、例えば、デンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が挙げられるが、これらに限定されない。
崩壊剤として、例えば、デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられるが、これらに限定されない。界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80等が挙げられるが、これらに限定されない。
滑沢剤として、例えば、タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されない。流動性促進剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
懸濁化剤として、大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられるが、これらに限定されない。又、乳化剤として、脂肪酸モノグリセリド、レシチン等が挙げられるが、これらに限定されない。
(4)投与量など
この発明の抗認知症薬は、患者の年齢、体重、疾患の程度によって異なるが、通常成人で有効成分の重量として1〜10g、好ましくは1.5〜3.0gを、1日数回(3回程度)に分けて投与することが好ましい。なお、この抗認知症薬は、医薬品として単独で利用するほか、健康食品や一般食品等と一緒に利用してもよい。
以下、この発明について実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、この発明の特許請求の範囲は、以下の実施例によって如何なる意味においても制限されない。
1.アミロイドクリアランス試験
この発明の抗認知症薬であるエッキ錠、パナパール錠の投与が、β-アミロイドを脳室内投与したラットにおいて、海馬のβ-アミロイド含量の減少に与える影響を調べた。以下にその詳細を示す。
(1)試験動物、被験物質、モデル作製用物質
(a)試験動物
試験動物は、30〜34(リタイア)週齢のJcl:Wistar雌性ラット(日本クレア、入手1日後の体重:269〜407g)を使用した。試験動物は、入手後5日間の検疫期間及びその後の3日間の馴化期間の間、一般状態の観察と体重測定を行って、異常のないラットのみを使用した。なお、ラットの餌には固形試料(CRF-1、オリエンタル酵母工業)を使用した。又、群分け日及び投薬期間中の午前中に1日1回ラットの体重を測定した。ここで、体重は、電子天秤(PG2002-S、PB3002、メトラー・トレド)により測定した。
(b)被験物質
被験物質は、エッキ錠(粉体)又はパナパール錠(粉体)を媒体に懸濁して、懸濁液として調製した。なお、媒体には、メトローズ(登録商標)SM-100(信越化学工業)0.5w/v%を含む注射用水(大塚製薬工場)を撹拌調製したものを使用した。
(c)モデル作製用物質
β-アミロイドは以下のようにして調製した。まず、β-アミロイド(1-42、AnaSpec Inc.)0.5mgに100%HFIP(Sigma-Aldrich) 0.5mLを注射筒で少しずつ加えて溶解した。β-アミロイドをチューブに入れ、4℃で2時間振り混ぜたのち、50μLずつチューブに分注して-20℃で保存した。保存したβ-アミロイドを解凍し、デシケータを使用して溶媒を蒸発させた。溶媒を蒸発させたβ-アミロイドに、氷冷下で100%HFIP 550μL加えて振盪機で約10秒間混ぜたのち、チューブに110μLずつ分注した。溶媒をデシケータによって蒸発させ-20℃で保存した。チューブにHEPES bufferered salineを8μL加え、振盪機で約1分間混ぜた。
(2)実験手順
検疫期間及び馴化期間が終了した試験動物を使用して、被験薬が、脳内に投与したβ-アミロイドの減少に与える影響を調べた。具体的には、下記の(a)卵巣摘出、(b)群分け、(c)被験物質又は媒体の投与、β-アミロイドの注入、(d)海馬のβ-アミロイド含量の測定、(e)統計学処理など、を行った。なお、実験は、時期をずらして2クール行った。以下にその詳細を示す。
(a)卵巣摘出
卵巣の摘出手術は、次のようにして行った。ラットをペントバルビタールナトリウム40mg/kg(投与液量:0.8mL/kg、東京化成工業)を腹腔内投与して麻酔した。麻酔したラットの背部を電気バリカンにて剃毛して、皮膚面をアルコール綿で消毒した。背中側から卵巣付近の皮膚を切開したのち、卵巣及び卵管を引き出して卵巣の手前の卵管部分を縫合糸により結紮して、両側の卵巣を切除した。卵巣を摘出したのち、切開した皮膚を縫合糸により縫合した。
(b)群分け
卵巣摘出したラットを、媒体対照群、パナパール錠投与群、エッキ錠投与群、の3つに群分け(各群5匹ずつ/クール)した。なお、群分けは、コンピュータ(IBUKI)を使用して、無作為抽出法により各群の平均体重がほぼ等しくなるように群分けした。
(c)被験物質又は媒体の投与、β-アミロイドの注入
卵巣摘出後約3週間から、被験物質又は媒体をラットに2週間投与した。被験物質又は媒体の最終投与日にラットの脳の右側海馬にβ-アミロイドを注入した。なお、被験物質又は媒体の投与、β-アミロイドの注入は、以下のようにして行った。
(c1)被験物質又は媒体の投与
被験物質の投与は、ディスポーザブルラット用経口ゾンデ(フチガミ器械)を取り付けたポリプロピレン製ディスポーザブル注射筒(テルモ)を使用して、懸濁液をスターラーで撹拌しながら1日1回行った。
なお、エッキ錠を含む懸濁液は、投与日における試験動物の体重に応じて、有効成分として1.0g/kg、添加物を含めて1.3g/kgの用量を含み、かつ投与液量が5mL/kgとなるように媒体に懸濁したものを使用した。又、パナパール錠を含む懸濁液は、投与日における試験動物の体重に応じて、有効成分として1.0g/kg、添加物を含めて1.5g/kgの用量を含み、かつ投与液量が5mL/kgとなるように媒体に懸濁したものを使用した。
(c2)β-アミロイドの注入
ラットの卵巣を摘出してから2週間以上飼育したのち、ペントバルビタールナトリウム(投与液量:0.8mL/kg、東京化成工業)40mg/kgを腹腔内投与して麻酔した。ラットの頭部の毛を刈ってラット用脳定位固定装置に固定した。頭皮を切開して、頭蓋骨を露出させ、頭蓋骨上の結合組織を綿棒で取り除き、ブロワーで乾燥させてbregmaの位置を見やすくした。手術用の直針を用いてbregmaより側方2mm(右側)、後方3.5mmの頭蓋骨にステンレスパイプ刺入用の穴を開けた。骨表面から3.8mmの深さまで外径0.5mmのステンレスパイプを垂直に刺入した。このステンレスパイプを介して、海馬歯状回部にβ-アミロイド(1-42)溶液2μL(2.5μg/2μL)をシリンジポンプで10分間かけて注入した。頭皮を縫合し、動物を脳定位固定装置からはずし、飼育ケージに戻した。
(d)海馬のβ-アミロイド含量の測定
β-アミロイドを注入したラットの脳の海馬のβ-アミロイド含量は、(d1)脳摘出、(d2)脳サンプルの調製、(d3)脳サンプル中のβ-アミロイド含量の測定という手順で測定した。
(d1)脳摘出
β-アミロイド注入から約24時聞後に、ラットを20%イソフルラン麻酔下で背位に固定した。ラットの腹大動脈を切開して放血し、脳を摘出して氷水で冷やした生理食塩液に入れた。脳から左右両側の海馬を取り出して、それぞれサンプル容器(マイクロテストチューブ、2.OmL、Eppendorf)に入れ、それぞれの重量を測定した。
(d2)脳サンプルの調製
左右の海馬組織1gに対して、2mLのCell lysis bufferを加え、氷水下にてテフロン(登録商標)ホモジナイザーでホモゲナイズした。ホモジネートを冷却遠心機で遠心分離(約4℃、14,000rpm、20分間)して、上清を冷凍庫[設定温度:-25℃(許容範囲:-30〜-20℃)]に入れて保管した。なお、Ce11 1ysis bufferは、A液[TBS(pH7.4)10mL、100mM EDTA 100μL、100mM EGTA 100μL、1% Triton X-100 100μL]と、B液[Protease inhibitor cocktail 100μL]とを使用直前に混合したものである。
(d3)脳サンプル中のβ-アミロイド濃度の測定
保管した脳サンプル中のβ-アミロイドの濃度を、Human/Rat βAmyloid(42) ELISA Kit wako(高感度品、和光純薬)を使用して、添付の説明書に沿って測定した。
(e)統計的処理など
媒体対照群と被験物質の各投与群との間で2群間比較検定を行った。2群間比較はF検定による等分散性の検定を行って、等分散の場合はStudentのt検定、不等分散の場合はAspine-Welchのt検定を行った。又、有意水準は危険率5%未満を有意とし、5%未満(p<0.05)と1%未満(p<0.01)に分けて表示した。なお、有意差検定は、市販の統計プログラム(SASシステム;SAS Institute Japan)を使用した。
(3)実験結果
(a)体重の変化
実験結果を図1に示す。図1に示すように、投与期間中は、各群とも徐々に増加を示し、媒体対照群との間に有意差は認められなかった。又、投与開始から15日目に脳を摘出したが、この日は、エッキ錠投与群で、媒体対照群と比較して有意な体重値の増加が認められた。
(b)β-アミロイド含量の減少
右側海馬にβ-アミロイドを注入し、両側海馬中のβ-アミロイドの含量を測定した。その結果、左側海馬中のβ-アミロイド含量は各群ともほぼ同程度であった。一方、右側海馬中のβ-アミロイド含量は、各群の間に違いが認められた。各群の右側海馬中のβ-アミロイド含量を表1及び図2に示す。
表1及び図2から、パナパール錠投与群では、媒体対照群と比較して、β-アミロイド含量は少なく、又、エッキ錠投与群では、媒体対照群と比較して、β-アミロイド含量は少なく、減少傾向(P<0.1)が認められた。
2.八方向迷路課題
卵巣摘出した雌性ラットの脳室内にβ-アミロイドを連続投与すると、海馬アセチルコリン遊離量の低下及び八方向放射状迷路課題における空間記憶障害を発現することが、既に報告されている(Iwasaki K, et al: Ovariectomy combined with amyloid β1-42 impairs memory by decreasing acetylcholine release and α+7nAChR expression without induction of apoptosis in the hippocampus CAI neurons of rats. Neurotox Res 6:299-309 (2004)を参照。)。
そこで、アルツハイマー病モデルであるβ-アミロイド脳室内投与ラットを作成して、この発明の抗認知症薬であるパナパール錠を前記ラットに投与し、抗認知症薬の投与がラットの空間記憶障害に与える影響を八方向放射状迷路課題により調べた。以下にその詳細を示す。
(1)試験動物、被験物質、モデル作製用物質
(a)試験動物
試験動物は、31〜38(リタイア)週齢のJcl:Wistar雌性ラット(日本クレア、入手1日後の体重:269〜398g)を使用した。試験動物は、入手後5日間の検疫期間及びその後の4日間の馴化期間の間、一般状態の観察と体重測定を行って、異常のないラットのみを使用した。なお、ラットの餌には固形試料(CRF-1、オリエンタル酵母工業)を使用した。又、実験の開始から終了まで間、一定期間ごとにラットの体重を測定した。
(b)被験物質
被験物質は、パナパール錠(粉体)を媒体に懸濁して、懸濁液として調製した。なお、媒体には、メトローズ(登録商標)SM-100(信越化学工業)0.5w/v%を含む注射用水(大塚製薬工場)を撹拌調製したものを使用した。
被験物質の投与は、ディスポーザブルラット用経口ゾンデ(フチガミ器械)を取り付けたポリプロピレン製ディスポーザブル注射筒(テルモ)を使用して、懸濁液をスターラーで撹拌しながら1日1回行った。なお、β-アミロイド注入日は、β-アミロイドの注入前に投与した。再生試行実施日は試行の1時間前に1回行った。
なお、被験物質は、投与日における試験動物の体重に応じて、有効成分として1.0g/kg、添加物を含めて1.5g/kgの用量を含み、かつ投与液量が5mL/kgとなるように調製したものを使用した。
(c)モデル作製用物質
β-アミロイドは、同じ製造元(AnaSpec Inc.)から入手した(1-40)と(1-42)の2種類をそれぞれ調製準備したのち、両者を混合して調製した。その詳細を以下に示す。
(c1)β-アミロイド(1-40)の調製準備
β-アミロイド(1-40)1mgにHFIP(Sigma-Aldrich)lmLを注射筒で少しずつ加えて溶解した。溶解したβ-アミロイド(1-40)をチューブに入れ、4℃で2時間振り混ぜたのち、50μLずつチューブに分注して-20℃で保存した。保存したβ-アミロイド(1-40)を解凍し、デシケータを使用して溶媒を蒸発させた。溶媒を蒸発させたβ-アミロイド(1-40)に、氷冷下で28%アンモニア水(和光純薬工業)275μL及びHFIP 275μL加えて振盪機で約10秒間混ぜたのち、ピペットに全量詰めた。最初の20〜30μLを捨てたのち、チューブに10μLずつ分注した。溶媒をデシケータによって蒸発させ-20℃で保存した。
(c2)β-アミロイド(1-42)の調製準備
β-アミロイド(1-42)0.5mgにHFIP(Sigma-Aldrich) 0.5mLを注射筒で少しずつ加えて溶解した。溶解したβ-アミロイド(1-42)をチューブに入れ、4℃で2時間振り混ぜたのち、50μLずつチューブに分注して-20℃で保存した。保存したβ-アミロイド(1-42)を解凍し、デシケータを使用して溶媒を蒸発させた。溶媒を蒸発させたβ-アミロイド(1-42)に、氷冷下でHFIP 550μL加えて振盪機で約10秒間混ぜたのち、ピペットに全量詰めた。最初の20〜30μLを捨てたのち、チューブに10μLずつ分注した。溶媒をデシケータによって蒸発させ-20℃で保存した。
(c3)モデル作製用物質の調製
(c1)及び(c2)で調製準備したβーアミロイド(1-40)及びβ-アミロイド(1-42)を解凍したのち、それぞれにHEPES bufferered salineを20μLずつ加えた。各チューブを振盪機で約1分間混ぜたのち、遠心分離機(約30秒)でチューブの側面に付いた液を落とした。β-アミロイド(1-40)のチューブにβ-アミロイド(1-42)2μLを加え[βーアミロイド(1-40):β-アミロイド(1-42)=10:1]、振盪機で約1分間混ぜた。遠心分離機(約30秒)でチューブの側面に付いた液を落とし、37℃で2時間30分インキュベートした。
(d)実験装置
八方向放射状迷路課題は、床から45cmの高さに設置した八方向放射状迷路課題装置(NS-M501、株式会仕ニューロサイエンス、以下、課題装置と省略する。) を使用して行なった。課題装置は、直径30cmのプラットフォームから放射状にアーム(12.5x50×40cm)が突き出しており、プラットフォームと各アームの間にはギロチンドアが設けられている。又、各プラットフォームには餌ペレットを入れるためのフードカップが設置されている。なお、体重は、電子天秤(PB3002、PG2002-S、PB3002-S/FACT、メトラー・トレド)を使用して測定した。
(2)実験手順
検疫期間及び馴化期間が終了した試験動物を使用して、被験物質の投与が八方向放射状迷路課題における空間記憶障害に与える影響を調べた。具体的には、(a)卵巣摘出、(b)予備訓練試行、(c)訓練試行、(d)群分け、(e)抗認知症薬、媒体、β-アミロイドの投与、(f)再生試行、(g)統計学処理など、の手順で行った。なお、実験は、時期をずらして2クール行った。以下にその詳細を示す。
(a)卵巣摘出
試験動物の卵巣摘出手術は、次のようにして行った。まず、ラットをペントバルビタールナトリウム40mg/kg(投与液量:0.8mL/kg)を、腹腔内投与して麻酔した。麻酔したラットの背部を電気バリカンにて剃毛して、皮膚面をアルコール綿で消毒した。ラットの背中側から卵巣付近の皮膚を切開したのち、卵巣及び卵管を引き出して卵巣の手前の卵管部分を縫合糸により結紮して、両側の卵巣を切除した。卵巣を摘出したのち、切開した皮膚を縫合糸により縫合した。なお、卵巣摘出手術の翌日から制限給餌を行った。又、実験対照である偽手術動物は、卵巣及び卵管を引き出して卵巣位置を確認したのち、皮膚を縫合し、同様に制限給餌した。
(b)予備訓練試行
予備訓練試行は、試験動物の課題装置及び餌ペレットに対する馴化を目的として、制限給餌開始3日後から3日間の間、1日2試行(1回目試行と2回目の試行の間に60分以上の間隔を空けた。) 行った。具体的には、同じケージで飼育した複数ラットを、全てのフードカップに大量の餌ペレットを入れた課題装置内に、10分間放置した。
(c)訓練試行
訓練試行は、予備訓練試行終了日の翌日から、1匹ずつ1日1試行(ただし、ガイドカニューレ植え込み手術日のラットは訓練試行を行わなかった。) を14回行った。訓練試行は、具体的には、以下の手順で行った。まず、餌ペレットをアームのフードカップにそれぞれ1個ずつ置いた。つぎに、ラットを中央のプラットフォーム部に置き、1分後にギロチンドアを開放して訓練試行を開始し、ラットが全てのアームに進入して全ての餌ペレットを取り終わるか、開始後300秒経過した時点で試行終了とした。
実験データは、観察者が目視観察によって、ラットが全ての餌ペレットを取り終えるまでの時間(走行時間、最大300秒)を測定するとともに、選択したアームの位置を記録することによって採取した。ここで、実験データのうち、餌ペレットのあるアームに進入して餌を取った場合を正選択、一度進入したアームに再度進入した場合を誤選択とした。そして、ラットが1試行中に開始から連続して正選択した回数を正選択数(最高8回)、全ての餌ペレットを取り終えるまでに誤選択した回数を誤選択数として評価した。
なお、ガイドカニューレ植え込み手術は、訓練試行開始から7日後又は8日後に以下の手順で行った。ラットをペントバルビタールナトリウム40mg/kg(投与液量:0.8mL/kg)を腹腔内投与して麻酔した。ラットの頭部の毛を刈ってラット用脳定位固定装置に固定し、ヨードチンキで頭部表面を消毒し、頭皮を切開した。頭蓋骨を露出させ、頭蓋骨上の結合組織を綿棒で取り除き、プロワーで乾燥させてbregmaの位置を見やすくした。長さ13mmの22Gのステンレススチール製のガイドカニューレをマニュピレーターに固定し、Paxinos and Watsonの脳図譜(1986)に従って、側脳室(A:-0.8、L:±L5、V:3.5)に挿入した。微小ビスを頭蓋骨に固定し、これを支柱に歯科用セメント(GC社)で頭蓋骨に固定した。
(d)群分け
群分け日以前の訓練試行において正選択数が6以上で誤選択数が2以下の習得成績を3試行以上達成した動物を、学習基準に達した動物として以後の実験に使用し、それ以外の動物は群分け除外した。
その結果、各クールにおいて、学習基準に達した動物が偽手術動物で5匹以上、卵巣摘出動物で10匹以上いたため、ガイドカニューレ植え込み手術日以降において成績の良い動物(正選択数が多く、誤選択数が少ない動物)を各クール15匹(偽手術動物5匹、卵巣摘出動物10匹)選別し、それ以外の動物は除外した。ただし、成績の良い動物でも走行時間が300秒となる回数が多い動物は、その他の動物で必要匹数を得られる場合には除外した。
選別された動物のうち、卵巣摘出動物の群分けはコンピュータ(IBUKI)を使用して、無作為抽出法により各群の平均体重、群分け日前日の訓練試行における正選択数、及び誤選択数がほぼ等しくなるように投与開始日に群分けした。偽手術動物は投与開始日に振り分けた。
(e)被験物質、媒体、β-アミロイドの投与
群分け日から、試験動物に媒体又はパナパール錠1.5g/kgを1日1回、14日間経口投与した。媒体又は被験物質の投与開始日(群分け日)から4日後及び5日後に、(d)と同様にして訓練試行を行った。媒体又は被験物質の投与開始6日後から、β-アミロイドを7日間脳室内投与した。なお、β-アミロイドは以下のようにして脳室内投与した。
まず、インナーチューブの一端をマイクロシリンジに接続して、モデル作製用物質をマイクロシリンジに吸い込み、インナーチューブの他の一端を事前に植え込んだガイドカニューレを介して脳室内に挿入した。つぎに、マイクロシリンジのシリンジポンプを押して、左右両側脳室同時に1.0μL/minで10分間(片側に10μLで両側に20μL)かけて、モデル作製用物質を投与した。なお、偽手術群は脳室内投与しなかった。
(f)再生試行
再生試行は、β-アミロイド投与終了日の翌日、被験物質投与後1時間に開始した。再生試行は、訓練試行と同様の方法で正選択数、誤選択数及び走行時間を測定した。再生試行の行動はビデオカメラで撮影し、DVDレコーダーを用いてDVD-Rに録画した。録画した映像は二次データとした。
(g)統計処理など
再生試行における正選択数、誤選択数ならびに走行時間は、群ごとに平均及び標準誤差を算出した。又、有意差検定は、偽手術群と媒体対照群、媒体対照群と被験物質投与群の2群間比較検定を行った。正選択数及び誤選択数はWilcoxonの順位和検定を行った。走行時間はF検定による等分散性の検定を行って、等分散の場合はStudentのt検定、不等分散の揚合はAspin-Welch検定を行った。更に、有意水準は危険率5%未満を有意とし、5%未満(p<0.05)と1%未満(p<0.01)に分けて表示した。なお、有意差検定には、市販の統計プログラム(SASシステム;SAS Institute Japan)を使用した。
(3)実験結果
(a)体重の変化
実験結果を図3に示す。図3に示すように、投与期間中は、媒体対照群と偽手術群とを比較して体重に有意差は認められなかった。又、図3に示すように、パナパール錠投与群と媒体対照群とを比較して体重値に有意差は認められなかった。すなわち、この発明の抗認知症薬は試験動物の体重に影響を与えないことが分かった。
(b)八方向放射状迷路課題
実験結果を表2及び図4に示す。なお、図4(a)は正選択数、図4(b)は誤選択数、図4(c)は走行時間の結果を示す。
表2及び図4から、八方向放射状迷路課題の再生試行において、媒体対照群は、偽手術群と比較して、正選択数の有意な減少、誤選択数の有意な増加及び走行時間の有意な延長が認められた。又、パナパール錠投与群は、媒体対照群と比較して、誤選択数の有意な減少及び走行時間の有意な短縮が認められた。一方、正選択数には差が認められなかった。すなわち、この発明の抗認知症薬は、β-アミロイド脳室内投与ラットの空間記憶障害に対して有意な改善作用を示すことが明らかに確認された。

Claims (2)

  1. 当帰、川きゅう、芍薬、地黄、人参及び甘草に加えて、茯苓、白朮、桂皮、黄耆、反鼻、山薬、大蒜及び牛胆を有効成分として含有する抗認知症薬。
  2. 原生薬換算量で、当帰300〜1000重量部、川きゅう300〜1000重量部、芍薬300〜1500重量部、地黄300〜3000重量部、人参500〜5000重量部、甘草330〜620重量部、茯苓85〜576重量部、白朮300〜1500重量部、桂皮500〜5000重量部、黄耆120〜1200重量部、反鼻100〜1000重量部、山薬150〜1500重量部、大蒜30〜200重量部及び牛胆50〜500重量部を有効成分として含有する請求項に記載の抗認知症薬。
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