JP5630865B2 - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車体やタイヤで発生した静電気を路面に放出することができる空気入りタイヤとその空気入りタイヤの製造方法に関する。
近年、燃費性能と関係が深いタイヤの転がり抵抗の低減を目的として、トレッドゴムをシリカ高配合とした空気入りタイヤが提案されている。ところが、かかるトレッドゴムは、カーボンブラック高配合としたものに比べて電気抵抗が高く、車体やタイヤで発生した静電気の路面への放出を阻害するため、ラジオノイズなどの不具合を生じやすいという問題があった。
そこで、シリカ等を配合した非導電性ゴムからなるトレッドゴムに、カーボンブラック等を配合した導電性ゴムからなる導電部を設けて、通電性能を発揮できるようにした空気入りタイヤが開発されている。例えば下記特許文献1,2に記載の空気入りタイヤでは、非導電性のトレッドゴムに、接地面からタイヤ径方向内側に延びるとともに、キャップ部とベース部との間をタイヤ幅方向に延びてトレッドゴムの底面に至る導電部を設けて、静電気を放出するための導電経路を形成している。
ところが、上記のトレッドゴムでは、タイヤ周方向に連続した断面L字形状の導電部が均一なシート状に拡がっており、それ相応のボリュームを有しているため、これを低減することにより性能的に改善できる見込みがあることが分かった。また、下記特許文献3に記載された空気入りタイヤのように、タイヤ周方向に沿って螺旋状に導電部を連続させる構造も知られているが、通電性能を確保するうえでは、導電経路の長距離化を抑制しうる手段が望まれる。
特開2009−126291号公報 国際公開第2009/066605号 特開2004−136808号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、導電経路の長距離化を抑制しつつ、トレッドゴムに埋設される導電部のボリュームを低減できる空気入りタイヤと、その空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、非導電性ゴムで形成されたトレッドゴムに、導電性ゴムで形成され且つ接地面から前記トレッドゴムの側面又は底面に至る導電部を埋設している空気入りタイヤにおいて、前記導電部は、タイヤ周方向に沿って延びる導電性ゴムがタイヤ幅方向に間隔を設けて並んだ内側導電レーンと、その内側導電レーンにタイヤ径方向外側から接し、タイヤ周方向に沿って延びる導電性ゴムがタイヤ幅方向に間隔を設けて並んだ外側導電レーンとを有し、タイヤ周方向の少なくとも一部に前記内側導電レーンと前記外側導電レーンとが交差する領域が設けられ、その交差領域にてタイヤ周方向の振幅を有するジグザグ状の導電経路がタイヤ幅方向に延設されているものである。
この空気入りタイヤでは、トレッドゴムに埋設された導電部が、上記の如き内側導電レーンと外側導電レーンを有し、数多くの欠落箇所を含んで形成されるため、均一なシート状に拡がる導電部と比べて、ボリュームを有効に低減することができる。また、内側導電レーンと外側導電レーンとの交差領域では、タイヤ周方向の振幅を有するジグザグ状の導電経路がタイヤ幅方向に延びることから、導電部を単なる螺旋状に連続させた構造と比べて、導電経路の長距離化を抑制することができる。
本発明に係る空気入りタイヤでは、前記トレッドゴムが、非導電性ゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部と、非導電性ゴムで形成され且つ前記キャップ部のタイヤ径方向内側に接合されるベース部とを備える場合に、前記ベース部における前記キャップ部との接合面に前記内側導電レーンが形成され、前記キャップ部における前記ベース部との接合面に前記外側導電レーンが形成されているものが好ましい。
かかる構成によれば、いわゆるキャップ・ベース構造を有するトレッドゴムにおいて、そのキャップ部とベース部との界面に内側導電レーンと外側導電レーンとが設定されることから、トレッドゴムの構造がシンプルになり、トレッドゴムの成形工程を簡略化するうえで有益である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、前記内側導電レーン及び前記外側導電レーンの少なくとも一方が、タイヤ周方向に沿って螺旋状に連続する帯状の導電性ゴムにより形成されているものが好ましい。これにより、内側導電レーンや外側導電レーンの構造がシンプルになるため、トレッドゴムの成形工程を簡略化するうえで有益である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、前記内側導電レーンと前記外側導電レーンとが、それぞれタイヤ周方向に対する傾斜角度を大きくさせてなるシフト部分をタイヤ周方向で局部的に有し、前記内側導電レーンのシフト部分と前記外側導電レーンのシフト部分とが互いに傾斜方向を逆向きにして重なることで前記交差領域が設けられているものが好ましい。かかる構成によれば、交差領域に設けられるジグザグ状の導電経路の振幅を小さくして、導電経路の長距離化を効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、非導電性ゴムで形成されたトレッドゴムに、導電性ゴムで形成され且つ接地面から前記トレッドゴムの側面又は底面に至る導電部を埋設している空気入りタイヤの製造方法において、前記トレッドゴムを成形する工程が、帯状の導電性ゴムをタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つタイヤ幅方向に間隔を設けて巻き付けることにより内側導電レーンを形成する段階と、前記内側導電レーンにタイヤ径方向外側から接するように、帯状の導電性ゴムをタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つタイヤ幅方向に間隔を設けて巻き付けることにより外側導電レーンを形成し、タイヤ周方向の少なくとも一部に前記内側導電レーンと前記外側導電レーンとが交差する領域を設けて、その交差領域にタイヤ周方向の振幅を有するジグザグ状の導電経路をタイヤ幅方向に延設する段階とを含むものである。
この製造方法によれば、トレッドゴムに埋設される導電部が、上記の如き内側導電レーンと外側導電レーンとを有し、数多くの欠落箇所を含んで形成されるため、導電部のボリュームを有効に低減することができる。また、内側導電レーンと外側導電レーンとの交差領域では、タイヤ周方向の振幅を有するジグザグ状の導電経路がタイヤ幅方向に延びることから、導電部を単なる螺旋状に連続させた構造と比べて、導電経路の長距離化を抑制することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法では、前記トレッドゴムが、非導電性ゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部と、非導電性ゴムで形成され且つ前記キャップ部のタイヤ径方向内側に接合されるベース部とを備える場合に、帯状の非導電性ゴムを螺旋状に巻き付けて前記ベース部を形成する際に、その帯状の非導電性ゴムの外周面の一部を構成する帯状の導電性ゴムによって、前記ベース部における前記キャップ部との接合面に前記内側導電レーンを形成し、帯状の非導電性ゴムを螺旋状に巻き付けて前記キャップ部を形成する際に、その帯状の非導電性ゴムの内周面の一部を構成する帯状の導電性ゴムによって、前記キャップ部における前記ベース部との接合面に前記外側導電レーンを形成することが好ましい。
かかる製造方法によれば、いわゆるキャップ・ベース構造を有するトレッドゴムを成形するに際し、ベース部の形成に伴って内側導電レーンを形成し、キャップ部の形成に伴って外側導電レーンを形成できることから、上記の如き導電部を埋設したトレッドゴムを容易且つ効率的に成形することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法では、前記内側導電レーンを形成する段階で帯状の導電性ゴムを巻き付ける際に、タイヤ周方向に対する傾斜角度を大きくさせてなるシフト部分をタイヤ周方向で局部的に設け、前記外側導電レーンを形成する段階で帯状の導電性ゴムを巻き付ける際に、タイヤ周方向に対する傾斜角度を大きくさせてなるシフト部分をタイヤ周方向で局部的に設け、尚且つ、その外側導電レーンのシフト部分を前記内側導電レーンのシフト部分と傾斜方向を逆向きにして重ねるようにするものが好ましい。かかる製造方法によれば、交差領域に設けられるジグザグ状の導電経路の振幅を小さくして、導電経路の長距離化を効果的に抑制することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図 内側導電レーンと外側導電レーンの構造を示す平面図 キャップ部とベース部との界面を拡大して示す断面図 本発明の別実施形態に係る導電部の構造を示す平面図 帯状ゴムの巻き付けを行うための設備を示す概略構成図 ベース部の形成に使用する帯状ゴムの一例を示す断面図 キャップ部の形成に使用する帯状ゴムの一例を示す断面図 トレッドゴムの成形工程を概略的に示す断面図 導電部の形成過程を説明するための平面図 本発明の別実施形態に係る導電部の形成過程を説明するための平面図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に示した空気入りタイヤTは、一対のビード部1と、そのビード部1の各々からタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、そのサイドウォール部2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド部3とを備えている。ビード部1には、鋼線等の収束体をゴム被覆してなる環状のビード1aと、硬質ゴムからなるビードフィラー1bとが配設されている。
一対のビード部1の間にはトロイド状のカーカス層7が配され、その端部がビード1aを介して巻き上げられた状態で係止されている。カーカス層7は、少なくとも1枚(本実施形態では2枚)のカーカスプライにより構成され、該カーカスプライは、タイヤ赤道Cに対して略90°の角度で延びるコードをトッピングゴムで被覆して形成されている。カーカス層7の内周には、空気圧を保持するためのインナーライナーゴム5が配されている。
カーカス層7のビード部1外周には、不図示のリムに接するリムストリップゴム4が配されている。また、カーカス層7のサイドウォール部2外周には、サイドウォールゴム9が配されている。本実施形態では、カーカスプライのトッピングゴム、リムストリップゴム4及びサイドウォールゴム9が、それぞれ導電性ゴムで形成されている。
カーカス層7のトレッド部3外周には、複数枚(本実施形態では2枚)のベルトプライにより構成されたベルト層6が配されている。各ベルトプライは、タイヤ赤道Cに対して傾斜して延びるコードをトッピングゴムで被覆して形成され、該コードがプライ間で互いに逆向きに交差するように積層されている。ベルト層6の外周には、実質的にタイヤ周方向に延びるコードをトッピングゴムで被覆してなるベルト補強層8を配しているが、必要に応じて省略しても構わない。
トレッド部3には非導電性ゴムで形成されたトレッドゴム10が配され、そのトレッドゴム10に、導電性ゴムで形成され且つ接地面からトレッドゴム10の底面に至る導電部13を埋設している。本実施形態のトレッドゴム10は、非導電性ゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部12と、非導電性ゴムで形成され且つキャップ部12のタイヤ径方向内側に接合されるベース部11とを備える。また、このタイヤTでは、トレッドゴム10の両端部にサイドウォールゴム9の端部を載せた、いわゆるサイドオントレッド構造を採用しているが、これに限られるものではない。
ここで、導電性ゴムとは、体積抵抗率が10Ω・cm未満であるゴムを指し、例えば原料ゴムに補強剤としてカーボンブラックを高比率で配合することにより作製される。カーボンブラック以外にも、カーボンファイバーや、グラファイト等のカーボン系、及び金属粉、金属酸化物、金属フレーク、金属繊維等の金属系の公知の導電性付与材を配合することでも得られる。また、非導電性ゴムとは、体積抵抗率が10Ω・cm以上であるゴムを指し、例えば原料ゴムに補強剤としてシリカを高比率で配合することにより作製される。
上記の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上混合して使用される。かかる原料ゴムには、加硫剤や加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等も適宜に配合される。
導電部13を形成する導電性ゴムは、導電部13の耐久性を高めて通電性能を向上する観点から、窒素吸着比表面積:NSA(m/g)×カーボンブラックの配合量(質量%)が1900以上、好ましくは2000以上であって、且つ、ジブチルフタレート吸油量:DBP(ml/100g)×カーボンブラックの配合量(質量%)が1500以上、好ましくは1700以上を満たす配合であることが好ましい。NSAはASTM D3037−89に、DBPはASTM D2414−90に準拠して求められる。
このタイヤTでは、ベース部11とキャップ部12の両方を非導電性ゴムで形成しているため、トレッドゴム10を非導電性ゴムで形成したことによる改善効果(シリカ高配合とした場合には、転がり抵抗の低減効果や濡れた路面での制動性能の向上効果)を良好に高められる。車体やタイヤで発生した静電気は、リム、リムストリップゴム4、サイドウォールゴム9、カーカスプライのトッピングゴム及び導電部13を介した導電経路を通じて路面に放出される。
導電部13は、リム又はリムから通電可能なゴムに接続されるように設けられ、静電気を路面に放出するための導電経路を構成する。このタイヤTにおいて、カーカスプライのトッピングゴム、リムストリップゴム4及びサイドウォールゴム9のうち、何れか又は全てを非導電性ゴムで形成することも可能であり、その場合には、サイドウォールゴム9、リムストリップゴム4、或いはリムに接触するリムストリップゴム4の外壁面にまで導電部13を延長させればよい。また、ベルト層6やベルト補強層8のトッピングゴムを非導電性ゴムで形成することも可能である。
本実施形態では、導電部13が傾斜して接地面に露出するタイヤ赤道Cの周辺でベース部11をタイヤ幅方向に分断し、その分断箇所の窪み14にキャップ部12を形成するゴムを充填している。このような構造において、キャップ部12のゴム硬度Hcをベース部11のゴム硬度Hbよりも高くすることにより、例えば、ゴム硬度Hcを67±5°、ゴム硬度Hbを57±5°、硬度差Hc−Hbを1〜20°(好ましくは3〜15°)と設定することにより、導電部13が比較的密集し且つ接地面に近くなる部位にゴム硬度の高いゴムが多く配され、該部位での剛性を高めて早期の摩耗を抑制できる。ゴム硬度は、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)に準じて25℃で測定した値を指す。
導電部13が露出する接地面は、正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した状態でタイヤを平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えたときの路面に接地するトレッド部の表面を指す。正規リムは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば"Design Rim"、ETRTOであれば"Measuring Rim"となる。
正規内圧は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES"に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、タイヤが乗用車用である場合には180KPaとする。また、正規荷重は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば上記の表に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" であるが、タイヤが乗用車用である場合には内圧180KPaの対応荷重の85%とする。
導電部13は、接地面からタイヤ径方向内側に延びてベース部11の外周面に達する第1導電部13aと、その第1導電部13aに連続して設けられ且つタイヤ幅方向に(本実施形態では図1の右方向に)延びてトレッドゴム10の底面に至る第2導電部13bとを有する。本実施形態では、第1導電部13aが、タイヤ赤道Cの近傍で傾斜して接地面に露出するとともに、その先端部をタイヤ幅方向に延ばしており、接地面上での露出頻度を確保してパターンデザインの自由度を高めている。
図2は、導電部13が有する第2導電部13を平面視した図である。導電部13は、内側導電レーン40と、その内側導電レーン40にタイヤ径方向外側から接する外側導電レーン50とを有し、この導電レーン40,50は、それぞれタイヤ周方向CDに沿って延びる導電性ゴム90がタイヤ幅方向WDに間隔を設けて並ぶことにより構成されている。図例では、内側導電レーン40を構成する導電性ゴム90が右上がりの方向に傾斜し、外側導電レーン50を構成する導電性ゴム90が右下がりの方向に傾斜している。説明の便宜上、前者に90a、後者に90bの符号を付している。
このように、内側導電レーン40と外側導電レーン50とで構成される部分(本実施形態では第2導電部13b)は、数多くの欠落箇所60を含んだ網目状に形成されるため、従来の均一なシート状に拡がる導電部と比べて、導電部13のボリュームが大幅に低減される。そして、このボリュームが低減された分、欠落箇所60には、ベース部11又はキャップ部12を形成する非導電性ゴムが配され、それにより上述した改善効果(転がり抵抗の低減効果や濡れた路面での制動性能の向上効果など)が高められる。
また、内側導電レーン40と外側導電レーン50とが交差する領域CA(以下、交差領域CA)では、図2に矢印で示しているように、タイヤ周方向CDの振幅を有するジグザグ状の導電経路がタイヤ幅方向WDに延びるように設けられる。これにより、導電部を単なる螺旋状に連続させた構造と比べて、導電経路の長距離化を抑制でき、通電性能を確保するうえで有利になる。交差領域CAは、タイヤ周方向の少なくとも一部に設けられ、タイヤ周方向の全域に亘って設けることも可能である。
導電経路の長距離化を抑えるうえでは、本実施形態のように、交差領域CAにおいて、内側導電レーン40を構成する導電性ゴム90aと、外側導電レーン50を構成する導電性ゴム90aとが、それぞれタイヤ周方向CDに対して傾斜し、且つ、その傾斜方向を逆向きにすることが好ましい。タイヤ周方向CDに対する導電性ゴム90a,90bの傾斜角度θは、例えば5〜27°に設定される。
導電経路の長距離化を抑える観点から、交差領域CAにおけるジグザグ状の導電経路の振幅Aは200mm以下であることが好ましく、そのジグザグ状の導電経路の波長Lは、トレッドゴム10の幅10Wの10%以下であることが好ましい。また、トレッドゴム10の成形工程を簡略化するうえで、振幅Aは20mm以上であることが好ましく、波長Lは幅10Wの5%以上であることが好ましい。振幅A及び波長Lは、帯状の導電性ゴム90の幅中央にて測定される。
図3に拡大して示すように、本実施形態では、ベース部11におけるキャップ部12との接合面に内側導電レーン40が形成され、キャップ部12におけるベース部11との接合面に外側導電レーン50が形成されている。かかる構成であれば、ベース部11或いはキャップ部12の内部に内側導電レーン40や外側導電レーン50を埋没させる必要がないため、トレッドゴム10の構造がシンプルになり、トレッドゴム10の成形工程を簡略化するうえで有益である。
内側導電レーン40及び外側導電レーン50の少なくとも一方は、タイヤ周方向に沿って螺旋状に連続する帯状の導電性ゴムにより形成されていることが好ましい。本実施形態では、製造方法の説明において後述するように、内側導電レーン40を構成する導電性ゴム90aと、外側導電レーン50を構成する導電性ゴム90bとが、いずれもタイヤ周方向CDに沿って螺旋状に連続する帯状の導電性ゴムで形成されている。かかる構成であれば、導電レーン40,50の構造がシンプルになり、トレッドゴム10の成形工程を簡略化するうえで有益である。
第1導電部13aは、第2導電部13bと同様に導電レーン40,50で構成することもできるが、導電部13全体に占めるボリュームの割合が第2導電部13bよりも少ないうえ、摩耗に晒される部分でもあるため、本実施形態では、第1導電部13aを均一なシート状に形成している。このように、導電部13は、少なくとも第2導電部13bにおいて、上記の如き導電レーン40,50を有していることが好ましい。
図4は、交差領域CAをタイヤ周方向において局部的に設けた例である。この例では、内側導電レーン40と外側導電レーン50とが、それぞれタイヤ周方向CDに対する傾斜角度を大きくさせてなるシフト部分40a,50aをタイヤ周方向CDで局部的に有し、そのシフト部分40aとシフト部分50aとが互いに傾斜方向を逆向きにして重なることで交差領域CAが設けられている。交差領域CAの前後の領域では、導電レーン40,50がタイヤ周方向CDに対して略平行に延びている。
かかる構成によれば、内側導電レーン40や外側導電レーン50を構成する導電性ゴム90を大きく傾斜させることができ、交差領域CAに設けられるジグザグ状の導電経路の振幅を小さくして、導電経路の長距離化を効果的に抑制することができる。この場合、交差領域CAでのタイヤ周方向CDに対する導電性ゴム90a,90bの傾斜角度は、例えば10〜30°に設定でき、その前後の領域でのタイヤ周方向CDに対する導電性ゴム90a,90bの傾斜角度は、例えば0〜5°に設定できる。
次に、この空気入りタイヤTを製造する方法の一例について説明する。このタイヤTは、トレッドゴム10に関する点を除けば、従来のタイヤ製造工程と同様にして製造できるため、トレッドゴムの成形工程を中心に説明する。本実施形態では、いわゆるリボン巻き工法によってトレッドゴム10を成形する例を示す。リボン巻き工法とは、小幅で未加硫の帯状ゴムをタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けて、所望の断面形状を有するゴム部材を成形する工法である。
帯状ゴムの成形及び巻き付けは、図5に例示したような設備を用いて行うことができる。この設備は、二種のゴムを共押出して複層の帯状ゴム20を成形可能な帯状ゴム供給装置30と、帯状ゴム供給装置30より供給された帯状ゴム20が巻き付けられる回転支持体31と、帯状ゴム供給装置30及び回転支持体31の作動制御を行う制御装置32とを備える。回転支持体31は、軸31aを中心としたR方向の回転と、軸方向への移動とが可能に構成されている。
押出機33は、ホッパー33a、スクリュー33b、バレル33c、スクリュー33bの駆動装置33d、及び、ギアポンプを内蔵するヘッド部33eを備えている。これと同様に、押出機34もホッパー34a、スクリュー34b、バレル34c、駆動装置34d及びヘッド部34eを備える。一対の押出機33、34の先端には、口金36が付設されたゴム合体部35が設けられている。
ホッパー33aにゴム材料である非導電性ゴムを投入し、ホッパー34aにゴム材料である導電性ゴムを投入すると、各ゴムはスクリュー33b、34bで混練されながら前方に送り出され、ヘッド部33e、34eを経由し、ゴム合体部35にて所定の形状で合体され、複層の帯状ゴム20として吐出口36aから押出成形される。成形された帯状ゴム20は、ロール37によって前方に送り出され、ローラ38によって押さえ付けられながら回転支持体31に巻き付けられる。
図6(A)は、ベース部11の形成に使用する複層の帯状ゴム20を示しており、巻き付け時には、図6の下側が回転支持体31に対向する内周側となる。帯状ゴム20は、帯状の非導電性ゴム21と、その帯状の非導電性ゴム21の外周面の一部を構成する帯状の導電性ゴム90とからなる。この帯状の導電性ゴム90は、後述するように内側導電レーン40を構成する。図6(B)は、導電性ゴム90を中央からずらして形成した例である。帯状ゴム20の断面は、三角形状に限られず、楕円形状など他の形状でもよい。
帯状ゴム20を押出成形する際に、ヘッド部34e内のギアポンプの回転を制止し、必要であればスクリュー34bの回転も制止して、導電性ゴム90の押出を停止すれば、図6(C)のような非導電性ゴム21のみで形成した単層の帯状ゴム20が得られる。このようなヘッド部33e、34e内のギアポンプ及びスクリュー33b、34bの作動は制御装置32により制御され、帯状ゴム20における単層と複層との切り換えを行うことができる。
導電性ゴム90の幅90Wは、帯状ゴム20の全幅20Wの10〜50%が好ましく、10〜30%がより好ましい。この比率が10%以上であることにより、導電性ゴム90の幅寸法を確保して断線の発生を抑制できるため、通電性能を保持するうえで有益となる。また、この比率が50%以下であることにより、導電性ゴムのボリュームを良好に低減することができる。
図7(A)は、キャップ部12の形成に使用する複層の帯状ゴム20´を示している。帯状ゴム20´は、帯状の非導電性ゴム22と、その帯状の非導電性ゴム22の内周面の一部を構成する帯状の導電性ゴム90とからなる。この帯状の導電性ゴム90は、後述するように外側導電レーン50を構成する。図7(B)は、導電性ゴム90をずらして形成した帯状ゴム20´を示し、図7(C)は、非導電性ゴム22のみで形成した単層の帯状ゴム20´を示している。帯状ゴム20´は、帯状ゴム20と同様に成形でき、好ましい幅比率も上述の通りである。
トレッドゴム10の成形工程では、回転支持体31の外周面に帯状の非導電性ゴム21をタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付け、それによって図8(A)のようにベース部11を形成する。このとき、使用する帯状ゴム20は、ベース部11の左側部分11Lの形成時には単層(図6(C)参照)とし、右側半分11Rの形成時には複層(図6(A)又は(B)参照)とする。ベース部11は、必ずしも左右に完全に分断されている必要はなく、帯状ゴムの巻き付けに応じてタイヤ周方向の一箇所で繋がっていても構わない。
帯状ゴム20は、タイヤ幅方向に隣り合う帯状ゴムが、図9(A)のように相互に縁をオーバーラップさせて、或いは、相互に縁を突き合わせて巻き付けられる。そして、この帯状ゴム20の巻き付けに伴い、帯状の導電性ゴム90aがタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つタイヤ幅方向に間隔を設けて巻き付けられ、それにより内側導電レーン40が形成される。尚、図9及び図10では、非導電性ゴム21,22との区別ができるように、導電性ゴム90に着色をしている。
次に、帯状の非導電性ゴム22をタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付け、それによって図8(B)に示すようにキャップ部12の左側半分12Lを形成する。この左側半分12Lの形成では、図7(C)で示した単層の帯状ゴム20´を使用する。斜面16は、後工程で第1導電部13aを載せるために形成している。
続いて、図8(C)に示すように、一端が接地面に露出し、他端が内側導電レーン40又は外側導電レーン50(但し、本実施形態では、未だ外側導電レーン50が形成されていない。)に接続される導電性ゴムを設けて、第1導電部13aを形成する。この導電性ゴムと、内側導電レーン40及び外側導電レーン50とは、何れを先に形成しても構わない。第1導電部13aは、リボン巻き工法のほか、導電性ゴムからなるゴムシートの配設によっても形成できる。
そして、帯状の非導電性ゴム22をタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付け、それによって図8(D)に示すようにキャップ部12の右側半分12Rを形成する。このとき、ベース部11との接合面の周辺では、図7(A)又は(B)で示した複層の帯状ゴム20´を使用する。この帯状ゴム20´の巻き付けに伴い、帯状の導電性ゴム90bがタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つタイヤ幅方向に間隔を設けて巻き付けられ、図9(B)のように外側導電レーン50が形成される。
外側導電レーン50は、内側導電レーン40にタイヤ径方向外側から接するように形成され、外側導電レーン50を構成する導電性ゴム90bを、内側導電レーン40を構成する導電性ゴム90aとは逆向きに巻き付けることで、交差領域CAが設けられる。交差領域CAは、タイヤ周方向の少なくとも一部に設けられ、図2で説明したように、タイヤ周方向の振幅を有するジグザグ状の導電経路がタイヤ幅方向に延びるように設けられる。
本実施形態では、帯状ゴム20を巻き付ける際に、延いては帯状の非導電性ゴム21を螺旋状に巻き付けてベース部11を形成する際に、帯状の導電性ゴム90aによって、ベース部11におけるキャップ部12との接合面に内側導電レーン40が形成される。また、帯状ゴム20´を巻き付ける際に、延いては帯状の非導電性ゴム22を螺旋状に巻き付けてキャップ部12を形成する際に、帯状の導電性ゴム90bによって、キャップ部12におけるベース部11との接合面に外側導電レーン50が形成される。そのため、帯状の導電性ゴム90を単体で巻き付ける場合に比べて、成形効率が良好に高められる。
トレッドゴム10の成形では、適宜に押出成形法を採用してもよく、リボン巻き工法との併用も可能である。押出成形法は、所定の断面形状を有する未加硫ゴム部材を押出成形し、その端部同士をジョイントして環状に成形する工法である。
図8では記載を省略しているが、トレッドゴム10の内周にはベルト層6とベルト補強層8が配設されており、このトレッドゴム10を、カーカス層7やサイドウォールゴム9など他のタイヤ構成部材と組み合わせることにより、図1に示した空気入りタイヤTを製造できる。このようにして製造されたタイヤTは、加硫成形工程において加硫処理が施されるとともに、トレッドゴム10の表面にトレッドパターンが設けられる。
図4に示した導電部13を設ける場合には、内側導電レーン40を形成する段階で、図10(A)に示すように帯状の導電性ゴム90aを巻き付けてシフト部分40aを設けるとともに、外側導電レーン50を形成する段階で、図10(B)に示すように帯状の導電性ゴム90bを巻き付けてシフト部分50aを設け、そのシフト部分50aをシフト部分40aと傾斜方向を逆向きにして重ねればよい。
[別実施形態]
(1)前述の実施形態では、ベース部を左右に分断して形成した例を示したが、これに限られず、ベース部を連続させて形成してもよい。また、前述の実施形態では、導電部がトレッドゴムの底面に到達する例を示したが、導電部をトレッドゴムの側面に到達させてサイドウォールゴムに接続するようにしても構わない。
(2)キャップ部とベース部との界面に内側導電レーン及び外側導電レーンを設定しない場合には、内側導電レーンを構成する帯状の導電性ゴムを有する帯状の非導電性ゴムと、外側導電レーンを構成する帯状の導電性ゴムを有する帯状の非導電性ゴムとが、同じゴムであっても構わない。その場合、例えば、図6(A)に示した帯状ゴム20を使用して内側導電レーン40を形成した後、その帯状ゴム20を裏返して図7(A)に示した帯状ゴム20´と同様な姿勢にし、それを用いて外側導電レーン50を形成することもできる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。評価に供したタイヤのサイズは245/55R19であり、以下に説明する導電部の構造を除いて、各例におけるタイヤ構造やゴム配合は共通である。
評価項目は、次の通りである。
通電性能:導電経路の存否に基づいて通電性能の有無を評価した。
転がり抵抗:転がり抵抗試験機によって転がり抵抗を測定した。比較例1の結果を100として指数評価し、数値が小さいほど転がり抵抗が小さいことを示す。
制動性能:濡れた路面において、走行速度を100km/hから0km/hに落としたときの制動距離を測定し、逆数を算出した。比較例1の結果を100として指数評価し、数値が大きいほど制動性能に優れていることを示す。
タイヤ周方向に連続した断面L字形状の導電部を備えること以外は、実施例1と同じものを比較例1、導電部を備えていないこと以外は、実施例1と同じものを比較例2とした。また、図1に示した構造のタイヤにおいて、導電部が図2のような内側導電レーンと外側導電レーンとを有するものを実施例1,2とした。更に、内側導電レーンと外側導電レーンとが全周で平行に延び、交差領域が設けられていないこと以外は、実施例1と同じものを比較例3とした。評価結果を表1に示す。
Figure 0005630865
表1に示すように、比較例1では、転がり抵抗が相対的に高く、制動性能が比較的に劣っている。また、比較例2は、導電部を具備しないために通電性能が発揮されない。一方、実施例1,2では、通電性能を保持しつつ、導電部のボリュームを低減できたことに伴って、転がり抵抗や制動性能が改善されている。尚、実施例1では、導電部を構成する帯状の導電性ゴムが幅狭であり、断線を防止する観点からは実施例2の方が好ましい。比較例3では、内側導電レーンと外側導電レーンとの交差領域を設けていないために通電性能が発揮されない。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
10 トレッドゴム
11 ベース部
12 キャップ部
13 導電部
13a 第1導電部
13b 第2導電部
21 帯状の非導電性ゴム
22 帯状の非導電性ゴム
40 内側導電レーン
40a シフト部分
50 外側導電レーン
50a シフト部分
60 欠落箇所
90 帯状の導電性ゴム
CA 交差領域

Claims (7)

  1. 非導電性ゴムで形成されたトレッドゴムに、導電性ゴムで形成され且つ接地面から前記トレッドゴムの側面又は底面に至る導電部を埋設している空気入りタイヤにおいて、
    前記導電部は、タイヤ周方向に沿って延びる導電性ゴムがタイヤ幅方向に間隔を設けて並んだ内側導電レーンと、その内側導電レーンにタイヤ径方向外側から接し、タイヤ周方向に沿って延びる導電性ゴムがタイヤ幅方向に間隔を設けて並んだ外側導電レーンとを有し、
    タイヤ周方向の少なくとも一部に前記内側導電レーンと前記外側導電レーンとが交差する領域が設けられ、その交差領域にてタイヤ周方向の振幅を有し且つトレッド展開面視においてジグザグ状の導電経路がタイヤ幅方向に延設されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッドゴムが、非導電性ゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部と、非導電性ゴムで形成され且つ前記キャップ部のタイヤ径方向内側に接合されるベース部とを備え、
    前記ベース部における前記キャップ部との接合面に前記内側導電レーンが形成され、前記キャップ部における前記ベース部との接合面に前記外側導電レーンが形成されている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記内側導電レーン及び前記外側導電レーンの少なくとも一方が、タイヤ周方向に沿って螺旋状に連続する帯状の導電性ゴムにより形成されている請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 非導電性ゴムで形成されたトレッドゴムに、導電性ゴムで形成され且つ接地面から前記トレッドゴムの側面又は底面に至る導電部を埋設している空気入りタイヤにおいて、
    前記導電部は、タイヤ周方向に沿って延びる導電性ゴムがタイヤ幅方向に間隔を設けて並んだ内側導電レーンと、その内側導電レーンにタイヤ径方向外側から接し、タイヤ周方向に沿って延びる導電性ゴムがタイヤ幅方向に間隔を設けて並んだ外側導電レーンとを有し、
    タイヤ周方向の少なくとも一部に前記内側導電レーンと前記外側導電レーンとが交差する領域が設けられ、その交差領域にてタイヤ周方向の振幅を有するジグザグ状の導電経路がタイヤ幅方向に延設されており、
    前記内側導電レーンと前記外側導電レーンとが、それぞれタイヤ周方向に対する傾斜角度を大きくさせてなるシフト部分をタイヤ周方向で局部的に有し、前記内側導電レーンのシフト部分と前記外側導電レーンのシフト部分とが互いに傾斜方向を逆向きにして重なることで前記交差領域が設けられていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 非導電性ゴムで形成されたトレッドゴムに、導電性ゴムで形成され且つ接地面から前記トレッドゴムの側面又は底面に至る導電部を埋設している空気入りタイヤの製造方法において、
    前記トレッドゴムを成形する工程が、
    帯状の導電性ゴムをタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つタイヤ幅方向に間隔を設けて巻き付けることにより内側導電レーンを形成する段階と、
    前記内側導電レーンにタイヤ径方向外側から接するように、帯状の導電性ゴムをタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つタイヤ幅方向に間隔を設けて巻き付けることにより外側導電レーンを形成し、タイヤ周方向の少なくとも一部に前記内側導電レーンと前記外側導電レーンとが交差する領域を設けて、その交差領域にタイヤ周方向の振幅を有し且つトレッド展開面視においてジグザグ状の導電経路をタイヤ幅方向に延設する段階とを含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記トレッドゴムが、非導電性ゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部と、非導電性ゴムで形成され且つ前記キャップ部のタイヤ径方向内側に接合されるベース部とを備え、
    帯状の非導電性ゴムを螺旋状に巻き付けて前記ベース部を形成する際に、その帯状の非導電性ゴムの外周面の一部を構成する帯状の導電性ゴムによって、前記ベース部における前記キャップ部との接合面に前記内側導電レーンを形成し、
    帯状の非導電性ゴムを螺旋状に巻き付けて前記キャップ部を形成する際に、その帯状の非導電性ゴムの内周面の一部を構成する帯状の導電性ゴムによって、前記キャップ部における前記ベース部との接合面に前記外側導電レーンを形成する請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 非導電性ゴムで形成されたトレッドゴムに、導電性ゴムで形成され且つ接地面から前記トレッドゴムの側面又は底面に至る導電部を埋設している空気入りタイヤの製造方法において、
    前記トレッドゴムを成形する工程が、
    帯状の導電性ゴムをタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つタイヤ幅方向に間隔を設けて巻き付けることにより内側導電レーンを形成する段階と、
    前記内側導電レーンにタイヤ径方向外側から接するように、帯状の導電性ゴムをタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つタイヤ幅方向に間隔を設けて巻き付けることにより外側導電レーンを形成し、タイヤ周方向の少なくとも一部に前記内側導電レーンと前記外側導電レーンとが交差する領域を設けて、その交差領域にタイヤ周方向の振幅を有するジグザグ状の導電経路をタイヤ幅方向に延設する段階とを含み、
    前記内側導電レーンを形成する段階で帯状の導電性ゴムを巻き付ける際に、タイヤ周方向に対する傾斜角度を大きくさせてなるシフト部分をタイヤ周方向で局部的に設け、
    前記外側導電レーンを形成する段階で帯状の導電性ゴムを巻き付ける際に、タイヤ周方向に対する傾斜角度を大きくさせてなるシフト部分をタイヤ周方向で局部的に設け、尚且つ、その外側導電レーンのシフト部分を前記内側導電レーンのシフト部分と傾斜方向を逆向きにして重ねるようにすることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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