JP5554250B2 - 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、車体やタイヤで発生した静電気を路面に放出することができる空気入りタイヤの製造方法とその空気入りタイヤに関する。
近年、燃費性能と関係が深いタイヤの転がり抵抗の低減を目的として、トレッドゴムをシリカ高配合とした空気入りタイヤが提案されている。ところが、かかるトレッドゴムは、カーボンブラック高配合としたものに比べて電気抵抗が高く、車体やタイヤで発生した静電気の路面への放出を阻害するため、ラジオノイズなどの不具合を生じやすいという問題があった。
そこで、シリカ等を配合した非導電性ゴムからなるトレッドゴムに、カーボンブラック等を配合した導電性ゴムを部分的に設けて、通電性能を発揮できるようにした空気入りタイヤが開発されている。例えば下記特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、非導電性のトレッドゴムの表面に、接地端からタイヤ幅方向内側へ接地幅の3〜35%の幅で拡がる導電シートを配設し、その一端を導電性ゴムからなるウイングゴムに接続して、静電気を放出するための導電経路を設けている。
ところが、上記の如き構造の空気入りタイヤでは、踏面におけるタイヤ幅方向両側の領域が幅広の導電性ゴムで覆われることにより、トレッドゴムに起因するタイヤ性能が幾分か損なわれる恐れがあった。即ち、このようなトレッドゴムでは、所定の要求性能(例えば、制動性能や摩耗性能)を勘案して非導電性ゴムの配合を定めているため、本来の性能を適切に発揮させるうえでは、異種ゴムとなる導電性ゴムの踏面への露出をなるべく抑えることが望まれる。
また、下記特許文献2,3に記載された空気入りタイヤでは、非導電性ゴムで形成したトレッドゴムの表面に、導電性ゴムからなる導電テープをタイヤ周方向に直線状に貼り付け、その導電テープに重複して周方向溝を形成することにより、踏面からベルト層のトッピングゴム或いはウイングゴムに至る導電経路を設けてある。周方向溝は、未加硫タイヤに加硫処理を施す際に、加硫金型が有する周方向突起を導電テープに押し当てることにより形成される。
しかしながら、上記の空気入りタイヤでは、直線状に延びる導電テープが幅狭であると、それに押し当てられる周方向突起の位置のばらつきに応じて、導電テープの全体が周方向溝に入り込み、通電性能が損なわれる恐れがあった。その一方で、導電テープを幅広にすると、導電性ゴムの踏面への露出が必要以上に多くなってしまうために不都合が生じる。これらの理由により、通電性能を確保しながら、導電性ゴムの踏面への露出を抑えることが簡単ではなかった。
特開2000−190709号公報 特開2000−313072号公報 特開平9−71112号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通電性能を確保しながら、導電性ゴムの踏面への露出を抑えることができる空気入りタイヤの製造方法と、その空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、非導電性ゴムで形成されたトレッドゴムに、静電気を路面に放出するための導電経路を設けてある空気入りタイヤの製造方法において、タイヤ外周長に対応した長さの帯状トレッドゴムを非導電性ゴムで成形する工程と、前記帯状トレッドゴムの外周面に、導電性ゴムからなる導電テープをタイヤ周方向に連続して且つ第1の曲がり箇所とそれとは逆向きの第2の曲がり箇所とをタイヤ周方向に沿って交互に繰り返して蛇行して延びるように配置するとともに、前記導電テープの先端または前記導電テープの先端に接続した別の導電テープを、前記帯状トレッドゴムの周方向端における底部または側部に至らせる工程と、前記帯状トレッドゴムの周方向端同士をジョイントしてなる環状のトレッドゴムを具備した未加硫タイヤを成形する工程と、前記未加硫タイヤに加硫処理を施して、前記トレッドゴムの外周面上で蛇行して延びる前記導電テープに重複する周方向溝を形成し、その導電テープの前記第1の曲がり箇所及び前記第2の曲がり箇所の少なくとも一方での外側頂部を前記周方向溝からはみ出させるとともに、前記導電テープの前記第1の曲がり箇所及び前記第2の曲がり箇所での内側頂部を前記周方向溝に入り込ませる工程と、を有するものである。
かかる方法によれば、上記の如く配置した導電テープによって、トレッドゴムの外周面から底部または側部に至る導電経路が設けられるため、製造したタイヤにおいて通電性能を発揮できる。また、周方向溝に重複する導電テープを蛇行させることで、その導電テープの幅寸法よりも幅広の領域に導電テープが配置されるため、周方向突起の位置のばらつきを許容し、導電テープを幅広にしなくても、導電テープの全体が周方向溝に入り込む事態を回避できる。これにより、通電性能を確保しながら、導電性ゴムの踏面への露出を抑えることができる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、蛇行して延びる前記導電テープの曲がり箇所での内側頂部を前記周方向溝に入り込ませる。この場合、蛇行して延びる導電テープの曲がり箇所での内側頂部が周方向溝の溝壁または溝底に配置されるため、その導電テープの周方向溝からのはみ出しを極力少なくして、導電性ゴムの踏面への露出を効果的に抑えることができる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、蛇行して延びる前記導電テープが前記周方向溝の溝底中央を通るように形成されることが好ましい。これにより、摩耗が進行する過程において、周方向溝の溝縁での導電テープの露出が摩耗の末期まで持続することから、導電テープの周方向溝からはみ出した部分が消滅した後の通電性能を有効に維持できる。
また、本発明に係る空気入りタイヤは、非導電性ゴムで形成されたトレッドゴムに、静電気を路面に放出するための導電経路を設けてある空気入りタイヤにおいて、前記トレッドゴムが、帯状トレッドゴムの周方向端同士をジョイントして環状に成形されたものであり、そのトレッドゴムの外周面に、導電性ゴムからなる導電テープがタイヤ周方向に連続して且つ第1の曲がり箇所とそれとは逆向きの第2の曲がり箇所とをタイヤ周方向に沿って交互に繰り返して蛇行して延びるように配置され、前記導電テープの先端または前記導電テープの先端に接続した別の導電テープが、前記周方向端における底部または側部に到達し、蛇行して延びる前記導電テープに重複して周方向溝が形成され、その導電テープの前記第1の曲がり箇所及び前記第2の曲がり箇所の少なくとも一方での外側頂部が前記周方向溝からはみ出しているとともに、前記導電テープの前記第1の曲がり箇所及び前記第2の曲がり箇所での内側頂部が前記周方向溝に入り込んでいるものである。
かかる構成によれば、上記の如く配置した導電テープによって、トレッドゴムの外周面から底部または側部に至る導電経路が設けられるため、通電性能を発揮することができる。また、蛇行して延びる導電テープに重複して周方向溝が形成されているため、導電テープが幅広でなくても、導電テープの全体が周方向溝に入り込むことなく、外側頂部が周方向溝からはみ出したものにでき、通電性能を確保しながら、導電性ゴムの踏面への露出を抑えることができる。
本発明の空気入りタイヤは、蛇行して延びる前記導電テープの曲がり箇所での内側頂部が前記周方向溝に入り込んでいる。この場合、蛇行して延びる導電テープの曲がり箇所での内側頂部が周方向溝の溝壁または溝底に配置されるため、その導電テープの周方向溝からのはみ出しを極力少なくして、導電性ゴムの踏面への露出を効果的に抑えることができる。
本発明の空気入りタイヤは、蛇行して延びる前記導電テープが前記周方向溝の溝底中央を通るものが好ましい。これにより、摩耗が進行する過程において、周方向溝の溝縁での導電テープの露出が摩耗の末期まで持続することから、導電テープの周方向溝からはみ出した部分が消滅した後の通電性能を有効に維持できる。
本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図 帯状トレッドゴムを示す斜視図 図1に示したトレッドゴムの平面図 導電テープの配置の変形例を説明する図 本発明に係る空気入りタイヤの製造方法を説明するトレッドゴムの半斜視図 未加硫タイヤと加硫金型を示す断面図 本発明の別実施形態に係るトレッドゴムの半斜視図 本発明の別実施形態に係るトレッドゴムの半斜視図 本発明の別実施形態に係るトレッドゴムの半斜視図 比較例1におけるトレッドゴムの半斜視図 比較例2におけるトレッドゴムの半斜視図 比較例3におけるトレッドゴムの半斜視図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に示した空気入りタイヤTは、一対のビード部1と、そのビード部1の各々からタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、そのサイドウォール部2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド部3とを備えている。ビード部1には、鋼線等の収束体をゴム被覆してなる環状のビード1aと、硬質ゴムからなるビードフィラー1bとが配設されている。
一対のビード部1の間にはトロイド状のカーカス層7が配され、その端部がビード1aを介して巻き上げられた状態で係止されている。カーカス層7は、少なくとも1枚(本実施形態では2枚)のカーカスプライにより構成され、該カーカスプライは、タイヤ赤道Cに対して略90°の角度で延びるコードをトッピングゴムで被覆して形成されている。カーカス層7の内周には、空気圧を保持するためのインナーライナーゴム5が配されている。
ビード部1のカーカス層7の外側には、リム装着時にリム(不図示)と接するリムストリップゴム4が設けられている。また、サイドウォール部2のカーカス層7の外側には、サイドウォールゴム9が設けられている。本実施形態では、カーカス層7のトッピングゴム、リムストリップゴム4、サイドウォールゴム9、並びに、後述するベルト層6及びベルト補強層8のトッピングゴムが、それぞれ導電性ゴムで形成されている。
トレッド部3のカーカス層7の外側には、複数枚(本実施形態では2枚)のベルトプライにより構成されたベルト層6が配されている。各ベルトプライは、タイヤ赤道Cに対して傾斜して延びるコードをトッピングゴムで被覆して形成され、該コードがプライ間で互いに逆向きに交差するように積層されている。ベルト層6の外周には、実質的にタイヤ周方向に延びるコードをトッピングゴムで被覆してなるベルト補強層8を配しているが、必要に応じて省略しても構わない。
トレッド部3には非導電性ゴムで形成されたトレッドゴム10が配され、そのトレッドゴム10に、車体やタイヤで発生した静電気を路面に放出するための導電経路を設けてある。本実施形態のトレッドゴム10は、非導電性ゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部12と、非導電性ゴムで形成され且つキャップ部12のタイヤ径方向内側に接合されるベース部11とを備える。トレッドゴム10の表面には、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝15が形成されている。
本実施形態では、トレッドゴム10の端部をサイドウォールゴム9の端部に載せてなるトレッドオンサイド構造を採用しており、トレッドゴム10の側部に、導電性ゴムで形成されたトレッドストリップ17が接合されている。但し、本発明は、これに限られるものではなく、サイドウォールゴム9の端部をトレッドゴム10の端部に載せてなるサイドオントレッド構造を採用することも可能である。
トレッドゴム10は、図2に示すような帯状トレッドゴム10aにより構成されている。符号17aは、トレッドストリップ17を構成する帯状トレッドストリップである。帯状トレッドゴム10aは、タイヤ外周長に対応した長さを有しており、タイヤTを加硫する前の状態である未加硫タイヤを成形する際に、その周方向端10b同士(図2では、片方の周方向端10bのみが図示されている。)をジョイントして環状に成形される。表面に描かれた二点鎖線は、後に形成される周方向溝15の溝縁を表している。
周方向端10bの端面は、ジョイント時の作業性やタイヤのユニフォミティなどを考慮し、先細りとなる傾斜面により形成されている。図1は、タイヤ周方向に対して垂直となるタイヤ子午線断面であるが、トレッドゴム10については周方向端10bの端面を示している。また、以後に説明する導電テープ13,14は、図面上での識別を容易にするために、薄黒い着色を施して描いている。
図3に示すように、トレッドゴム10の外周面には、導電性ゴムからなる導電テープ13がタイヤ周方向に連続して且つ蛇行して延びるように配置されている。それでいて、図1,2に示すように、導電テープ13の先端に接続された別の導電テープ14が周方向端10bの側部に到達している。そして、蛇行して延びる導電テープ13に重複して周方向溝15が形成され、その導電テープ13の曲がり箇所CP1での外側頂部13Aが周方向溝15からはみ出している。
このように配置された導電テープ13,14によって、トレッドゴム10の外周面から側部に至る導電経路が設けられている。車体やタイヤで発生した静電気は、リムから、リムストリップゴム4、サイドウォールゴム9、導電テープ14、導電テープ13を通って路面に放出される。尚、導電テープ14がトレッドゴム10の側部に到達していれば、トレッドストリップ17を介してサイドウォールゴム9と通電できるため、導電テープ14がサイドウォールゴム9から離れていても構わない。
導電性ゴムは、体積抵抗率が10Ω・cm未満であるゴムを指し、例えば原料ゴムに補強剤としてカーボンブラックを高比率で配合することにより作製される。カーボンブラック以外にも、カーボンファイバーや、グラファイト等のカーボン系、及び金属粉、金属酸化物、金属フレーク、金属繊維等の金属系の公知の導電性付与材を配合することでも得られる。また、非導電性ゴムは、体積抵抗率が10Ω・cm以上であるゴムを指し、例えば原料ゴムに補強剤としてシリカを高比率で配合することにより作製される。
導電テープ13は、タイヤ幅方向外側に張り出した曲がり箇所CP1と、それとは逆向きの曲がり箇所CP2とをタイヤ周方向に沿って交互に繰り返しており、その曲がり箇所CP1の外側頂部13Aが周方向溝15からはみ出ている。導電テープ13は、図4に示すように、曲がり箇所CP2の外側頂部13A、或いは、両側の曲がり箇所CP1,CP2の外側頂部13Aを周方向溝15からはみ出させてもよい。導電テープ13は、ジグザグ状に屈曲して延びているが、波状に湾曲して延びるものでも構わない。
本実施形態では、曲がり箇所CP1,CP2での内側頂部13Bが周方向溝15に入り込んでおり、周方向溝15の溝壁または溝底に配置されている。このため、導電テープ13の周方向溝15からのはみ出しを極力少なくして、導電性ゴムの踏面への露出を効果的に抑えることができる。
また、本実施形態では、溝底中央15cを挟んで両側にそれぞれ外側頂部13Aの頂点が配置され、導電テープ13が周方向溝15の溝底中央15cを通るように構成されている。このため、摩耗が進行する過程において、周方向溝15の溝縁での導電テープ13の露出が摩耗の末期まで持続し、導電テープ13の周方向溝15からはみ出した部分が消滅した後に、通電性能を維持するうえで有利になる。
導電テープ13のはみ出し幅PWは、5〜10mmの範囲内にあることが好ましい。このはみ出し幅PWが5mm以上であることにより、導電テープ13が路面に接触しやすくなり、通電性能を有効に確保できる。また、はみ出し幅PWが10mm以下であることにより、導電性ゴムの踏面への露出を適切に抑えることができる。はみ出し幅PWは、踏面の外側頂部13Aの頂点から周方向溝15の溝縁までのタイヤ幅方向の距離として測定される。
導電テープ14は、トレッドストリップ17、サイドウォールゴム9またはカーカス層7のトッピングゴムから導電テープ13への通電が可能となるように配設されている。また、本実施形態では、周方向溝15の溝壁からタイヤ幅方向外側に向かって、キャップ部12を覆うように導電テープ14が配設されているため、摩耗が進行しても通電性能を維持できる。導電テープ14は、踏面からタイヤ径方向内側に離れていてもよく、ベース部11を覆う形状であっても構わない。
次に、この空気入りタイヤTを製造する方法の一例について説明する。このタイヤTは、トレッドゴム10に関する点を除けば、従来のタイヤ製造工程と同様にして製造できるため、トレッドゴムの成形工程を中心に説明する。
まず、図5(a)に示すように、タイヤ外周長に対応した長さの帯状トレッドゴム10aを非導電性ゴムで成形する。帯状トレッドゴム10aは、例えば、未加硫ゴムを所定の断面形状で押出成形し、それをタイヤ外周長に対応した長さでカットすることによって得られる。帯状トレッドストリップ17aは、帯状トレッドゴム10aと同時に共押出することで成形できる。
次に、図5(b)に示すように、帯状トレッドゴム10aの外周面であって、周方向溝15の形成箇所に、導電テープ13をタイヤ周方向に連続して且つ蛇行して延びるように配置する。この工程では、真っ直ぐな形状のテープを蛇行させて貼り付けてもよいし、予め蛇行した形状にしたテープを貼り付けてもよい。導電テープ13の幅寸法Wは、例えば5〜15mmであり、導電テープ13の厚みは、例えば0.1〜0.7mmである。また、蛇行形状における周期P(波長)は、例えば60〜200mmである。
このように導電テープ13を蛇行させることで、その導電テープ13の幅寸法Wよりも幅広の領域に導電テープが配置されることになる。即ち、外側頂部13Aの頂点同士のタイヤ幅方向の距離Xは、導電テープ13の幅寸法Wに比べて大きく、そのため、後述するような周方向突起の位置のばらつきを許容できる。この許容度を高めるうえで、距離Xは、周方向溝15の溝幅15W(図2参照)の200〜400%に設定することが好ましい。溝幅15Wは、溝縁間のタイヤ幅方向距離として測定される。
続いて、図5(c)に示すように、導電テープ13の先端に接続した導電テープ14を、周方向端10bにおける側部に至らせる。本実施形態では、周方向端10bの端面に導電テープ14を貼り付けることにより、その周方向端10bの端面に配置されていた導電テープ13の先端に導電テープ14が接続される。導電テープ13よりも先に、或いは、導電テープ13と同時に、導電テープ14を配設することも可能である。
その後、帯状トレッドゴム10aの周方向端10b同士をジョイントして環状のトレッドゴム10を成形し、それをカーカス層7やサイドウォールゴム9など他のタイヤ構成部材と組み合わせることで、図6のようなトレッドゴム10を具備した未加硫タイヤGTを成形する。次いで、未加硫タイヤGTを加硫金型Mにセットし、所要の熱や圧力を加えて加硫処理を施す。トレッドゴム10の表面には、加硫金型Mの成形面40が押し当てられ、周方向突起41によって周方向溝15が形成される。
このとき、導電テープ13に重複する周方向溝15を形成し、その導電テープ13の曲がり箇所での外側頂部13Aを周方向溝15からはみ出させる。これにより、図1,3に示した空気入りタイヤTが得られる。この製造方法では、上述のように導電テープ13が幅寸法Wよりも幅広の領域に配置されているため、導電テープ13に押し当たる周方向突起41のタイヤ幅方向位置のばらつきを許容できる。それ故、導電テープ13を幅広にしなくても、導電テープ13の全体が周方向溝15に入り込む事態を回避できる。
導電テープ13に重複する周方向溝15を形成するに際しては、その導電テープ13の曲がり箇所での内側頂部13Bを周方向溝15に入り込ませることが好ましい。また、導電テープ13が周方向溝15の溝底中央15cを通るように形成することが好ましい。これらの理由は、既述した通りである。
本実施形態では、導電テープ13を配設した後に帯状トレッドゴム10aを環状に成形する例を示したが、導電テープ13の先端を予め周方向端10bに配置しておくことにより、帯状トレッドゴム10aを環状に成形した後に、或いは、帯状トレッドゴム10aを環状に成形すると同時に、帯状トレッドゴム10aの外周面に導電テープ13を配置することも可能である。
本発明では、タイヤ幅方向の最外側に位置する周方向溝15に代えて、タイヤ幅方向の中央側に位置する周方向溝15に、導電テープ13を重複させてもよい。また、トレッドゴム10に形成される全ての周方向溝15に導電テープ13を重複させても構わないが、導電性ゴムの踏面への露出を抑えるうえでは、本実施形態のように一部の周方向溝を対象にすることが好ましい。
本発明では、導電テープ14に代えて、延長させた導電テープ13の先端を周方向端10bの側部に至らせてもよい。また、周方向端10bの側部ではなく、周方向端10bの底部に到達させても構わない。但し、周方向端10bの側部に到達させた場合には、カーカス層7やベルト層6、ベルト補強層8のトッピングゴムを非導電性ゴムで形成できる。導電テープ13の先端または導電テープ13の先端に接続される導電テープ14は、リム装着時にリムから通電可能なゴムに接続されるように配置される。
図7に示す帯状トレッドゴム10aでは、導電テープ14を使用せずに、外周面に配置した導電テープ13を延長させ、その導電テープ13の先端を周方向端10bにおける底部に到達させている。かかる場合には、車体やタイヤで発生した静電気が、リムから、リムストリップゴム4、サイドウォールゴム9またはカーカス層7のトッピングゴム、ベルト層6及びベルト補強層8のトッピングゴム、導電テープ13を通って路面に放出される。
図8は、導電テープ13の周期を大きくし、且つ、両側の曲がり箇所の外側頂部13Aを周方向溝15からはみ出させた例である。かかる構成によれば、周方向突起の位置のばらつきに対する許容度を高めながら、導電性ゴムの踏面への露出を抑えることができる。図9は、周方向溝15がジグザグ状に延びること、及び、導電テープ14がベース部11を覆うこと以外は、図8と同様の構成である。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。評価に供したタイヤのサイズは215/50R17であり、以下に説明する構造を除き、各例におけるタイヤ構造やトレッドパターン、ゴム配合は共通である。タイヤの各性能評価は、次のようにして行った。
(1)通電性能
新品時と摩耗後(周方向溝の溝深さの10%が摩耗した状態)のタイヤを対象として、静電気を路面に放出しうる導電経路が存在する場合を○、存在しない場合を×として、通電性能を評価した。
(2)制動性能
導電性ゴムの踏面への露出を低減したことによる効果の指標として、新品時のタイヤを実車に装着して乾燥路面を走行し、速度100km/hからブレーキをかけたときの制動距離を測定し、その測定値の逆数に基づいて評価した。比較例1の結果を100として指数評価し、数値が大きいほど制動性能に優れていることを示す。
比較例1〜比較例3
図10のように、ベース部11を導電性ゴムで形成し、キャップ部12をタイヤ径方向に貫通する導電性ゴム部25を設けた点で、後述する実施例1と相違するものを比較例1とした。同じく、図11のように直線状に延びる導電テープ23を配置した点で、実施例1と相違するものを比較例2とした。また、図12のように、導電テープ14に代えて、踏面上でタイヤ幅方向に延びる導電テープ24を配置した点で、比較例2と相違するものを比較例3とした。導電テープ23の幅寸法は15mmとした。
実施例1,2
図1に示した構造のタイヤにおいて、図2のように導電テープ13,14を配置したものを実施例1とし、図8のように導電テープ13,14を配置したものを実施例2とした。導電テープ13の幅寸法は10mmとした。また、実施例2では、導電テープ13の周期を実施例1の3倍とした。評価結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例1では、導電性ゴムの踏面への露出が多いために制動性能が比較的に劣っている。比較例2,3では、導電性ゴムがテープになっているが、導電性ゴムの踏面への露出が比較例1と同等であるために、やはり制動性能が比較的に劣る結果となった。比較例3では、摩耗後に通電性能が発揮されない。これらに対し、実施例1,2では、通電性能を確保しながらも、比較例1〜3に比べて制動性能に優れていることが分かる。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 リムストリップゴム
6 ベルト層
7 カーカス層
9 サイドウォールゴム
10 トレッドゴム
10a 帯状トレッドゴム
10b 周方向端
13 導電テープ
13A 外側頂部
13B 内側頂部
14 導電テープ
15 周方向溝
15c 溝底中央
41 周方向突起
CP1 曲がり箇所(第1の曲がり箇所)
CP2 曲がり箇所(第2の曲がり箇所)

Claims (6)

  1. 非導電性ゴムで形成されたトレッドゴムに、静電気を路面に放出するための導電経路を設けてある空気入りタイヤの製造方法において、
    タイヤ外周長に対応した長さの帯状トレッドゴムを非導電性ゴムで成形する工程と、
    前記帯状トレッドゴムの外周面に、導電性ゴムからなる導電テープをタイヤ周方向に連続して且つ第1の曲がり箇所とそれとは逆向きの第2の曲がり箇所とをタイヤ周方向に沿って交互に繰り返して蛇行して延びるように配置するとともに、前記導電テープの先端または前記導電テープの先端に接続した別の導電テープを、前記帯状トレッドゴムの周方向端における底部または側部に至らせる工程と、
    前記帯状トレッドゴムの周方向端同士をジョイントしてなる環状のトレッドゴムを具備した未加硫タイヤを成形する工程と、
    前記未加硫タイヤに加硫処理を施して、前記トレッドゴムの外周面上で蛇行して延びる前記導電テープに重複する周方向溝を形成し、その導電テープの前記第1の曲がり箇所及び前記第2の曲がり箇所の少なくとも一方での外側頂部を前記周方向溝からはみ出させるとともに、前記導電テープの前記第1の曲がり箇所及び前記第2の曲がり箇所での内側頂部を前記周方向溝に入り込ませる工程と、を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記第1の曲がり箇所及び前記第2の曲がり箇所のうち一方では外側頂部が前記周方向溝からはみ出し、他方では外側頂部が前記周方向溝に入り込むようにする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 蛇行して延びる前記導電テープが前記周方向溝の溝底中央を通るように形成される請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 非導電性ゴムで形成されたトレッドゴムに、静電気を路面に放出するための導電経路を設けてある空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッドゴムが、帯状トレッドゴムの周方向端同士をジョイントして環状に成形されたものであり、
    そのトレッドゴムの外周面に、導電性ゴムからなる導電テープがタイヤ周方向に連続して且つ第1の曲がり箇所とそれとは逆向きの第2の曲がり箇所とをタイヤ周方向に沿って交互に繰り返して蛇行して延びるように配置され、前記導電テープの先端または前記導電テープの先端に接続した別の導電テープが、前記周方向端における底部または側部に到達し、
    蛇行して延びる前記導電テープに重複して周方向溝が形成され、その導電テープの前記第1の曲がり箇所及び前記第2の曲がり箇所の少なくとも一方での外側頂部が前記周方向溝からはみ出しているとともに、前記導電テープの前記第1の曲がり箇所及び前記第2の曲がり箇所での内側頂部が前記周方向溝に入り込んでいることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 前記第1の曲がり箇所及び前記第2の曲がり箇所のうち一方では外側頂部が前記周方向溝からはみ出し、他方では外側頂部が前記周方向溝に入り込んでいる請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 蛇行して延びる前記導電テープが前記周方向溝の溝底中央を通る請求項4又は5に記載の空気入りタイヤ。
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