JP5508248B2 - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車体やタイヤで発生した静電気を路面に放出することができる空気入りタイヤとその空気入りタイヤの製造方法に関する。
近年、燃費性能と関係が深いタイヤの転がり抵抗の低減を目的として、トレッドゴムをシリカ高配合とした空気入りタイヤが提案されている。ところが、かかるトレッドゴムは、カーボンブラック高配合としたものに比べて電気抵抗が高く、車体やタイヤで発生した静電気の路面への放出を阻害するため、ラジオノイズなどの不具合を生じやすいという問題があった。
そこで、シリカ等を配合した非導電性のトレッドゴムに、カーボンブラック等を配合した導電性のゴムからなる導電部を設けて、通電性能を発揮できるようにした空気入りタイヤが開発されている。例えば下記特許文献1,2に記載の空気入りタイヤでは、非導電性のトレッドゴムに、接地面からタイヤ径方向内側に延びるとともに、キャップ部とベース部との間をタイヤ幅方向に延びてトレッドゴムの底面に至る導電部を設けて、静電気を放出するための導電経路を形成している。
ところが、そのような構造のトレッドゴムでは、導電部とベース部とが広範囲に亘って接触することから、転がり抵抗の低減効果が十分とは言えず、これを更に改善する余地があることが判明した。即ち、導電部とベース部との接触領域では、導電部を構成するゴムとベース部を構成するゴムとの伸縮性の相違に起因した歪みによりエネルギーロスが生じ、それによって転がり抵抗が増大しうるため、これを改善することで性能的に改良できる見込みがあることが分かった。
特開2009−126291号公報 国際公開第2009/066605号
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通電性能を保持しながら転がり抵抗の低減効果を向上できる空気入りタイヤと、その空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部に設けられるトレッドゴムが、非導電性のゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部と、非導電性のゴムで形成され且つ前記キャップ部のタイヤ径方向内側に配されるベース部と、導電性のゴムで形成され且つ接地面から前記トレッドゴムの側面又は底面に至る導電部とを備える空気入りタイヤにおいて、前記ベース部がタイヤ幅方向に沿って断続的に形成されていて、そのベース部の欠落箇所に前記キャップ部を形成するゴムが充填されており、前記導電部が、接地面からタイヤ径方向内側に延びて前記ベース部の外周面に達する第1導電部と、その第1導電部からタイヤ幅方向に向かって前記トレッドゴムの側面又は底面に至る第2導電部とを有し、前記第2導電部が、前記ベース部と交差して延びるように、タイヤ幅方向に間隔を設けながらタイヤ周方向に沿って螺旋状に形成されているものである。
この空気入りタイヤでは、接地面からトレッドゴムの側面又は底面に至る導電部を通じて静電気を路面に放出できることから、通電性能が保持される。それでいて、タイヤ幅方向に沿って断続的に形成されたベース部と交差して延びるように、第2導電部がタイヤ幅方向に間隔を設けながらタイヤ周方向に沿って螺旋状に形成されているため、導電部とベース部との接触領域を大幅に削減し、エネルギーロスを小さくして転がり抵抗の低減効果を向上することができる。
本発明に係る空気入りタイヤでは、前記トレッドゴムにタイヤ周方向に沿って延びる主溝が設けられ、前記主溝の形成箇所には前記ベース部が配されずに前記キャップ部を形成するゴムが充填されているものが好ましい。かかる構成によれば、剛性が低下しがちな主溝の形成箇所においてキャップ部の厚みが確保されるため、その主溝の溝底を起点としたクラック(グルーブクラック)の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、上述した本発明の空気入りタイヤが備える前記トレッドゴムを成形する工程が、非導電性のゴムリボンをタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けることにより前記ベース部を形成する工程と、導電性のゴムリボンをタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つ前記非導電性のゴムリボンとは逆向きに巻き付けることにより前記第2導電部を形成する工程とを含むものである。
この製造方法であれば、ベース部を構成する非導電性のゴムリボンと第2導電部を構成する導電性のゴムリボンとが逆向きに巻き付けられるため、上述した本発明の空気入りタイヤを製造するに際し、ベース部と交差して延びる第2導電部を容易且つ確実に形成することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法では、前記ベース部を形成する工程では、前記ベース部を形成するゴムと前記キャップ部を形成するゴムとを共押出してなる複層ゴムリボンを巻き付けることにより、前記キャップ部を形成するゴムが欠落箇所に充填された前記ベース部を形成するものが好ましい。
かかる製造方法によれば、キャップ部を形成するゴムが欠落箇所に充填されたベース部を、複層ゴムリボンの巻き付けによって形成できることから、成形時間を短縮して生産性を高めることができる。また、歯抜け状に形成したベース部の欠落箇所にゴムを充填する手法と比べて、ゴム界面に余分なエアが入り込む恐れを軽減できるために有益である。
本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図 ベース部と第2導電部を示す平面図 加硫成形後のトレッド部を示す断面図 ゴムリボンの巻き付けを行うための設備を示す概略構成図 トレッドゴムの成形工程を概略的に示す断面図 本発明の別実施形態に係るトレッドゴムを示す断面図 本発明の別実施形態に係るトレッドゴムを示す断面図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に示した空気入りタイヤTは、一対のビード部1と、そのビード部1の各々からタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、そのサイドウォール部2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド部3とを備えている。ビード部1には、鋼線等の収束体をゴム被覆してなる環状のビード1aと、硬質ゴムからなるビードフィラー1bとが配設されている。
一対のビード部1の間にはトロイド状のカーカス層7が配され、その端部がビード1aを介して巻き上げられた状態で係止されている。カーカス層7は、少なくとも1枚(本実施形態では2枚)のカーカスプライにより構成され、該カーカスプライは、タイヤ赤道Cに対して略90°の角度で延びるコードをトッピングゴムで被覆して形成されている。カーカス層7の内周には、空気圧を保持するためのインナーライナーゴム5が配されている。
カーカス層7のビード部1外周には、不図示のリムに接するリムストリップゴム4が配されている。また、カーカス層7のサイドウォール部2外周には、サイドウォールゴム9が配されている。本実施形態では、カーカスプライのトッピングゴム、リムストリップゴム4及びサイドウォールゴム9が、それぞれ導電性のゴムで形成されている。
カーカス層7のトレッド部3外周には、複数枚(本実施形態では2枚)のベルトプライにより構成されたベルト層6が配されている。各ベルトプライは、タイヤ赤道Cに対して傾斜して延びるコードをトッピングゴムで被覆して形成され、該コードがプライ間で互いに逆向きに交差するように積層されている。ベルト層6の外周には、実質的にタイヤ周方向に延びるコードをトッピングゴムで被覆してなるベルト補強層8を配しているが、必要に応じて省略しても構わない。
トレッド部3に配されるトレッドゴム10は、非導電性のゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部12と、非導電性のゴムで形成され且つキャップ部12のタイヤ径方向内側に配されるベース部11と、導電性のゴムで形成され且つ接地面からトレッドゴム10の側面に至る導電部13とを備える。本実施形態では、サイドウォールゴム9の端部にトレッドゴム10の端部を載せた、いわゆるトレッドオンサイド構造を採用しており、導電性のゴムで形成されたウイングゴム19がトレッドゴム10の両端部に接している。
ここで、導電性のゴムとは、体積抵抗率が10Ω・cm未満であるゴムを指し、例えば原料ゴムに補強剤としてカーボンブラックを高比率で配合することにより作製される。カーボンブラック以外にも、カーボンファイバーや、グラファイト等のカーボン系、及び金属粉、金属酸化物、金属フレーク、金属繊維等の金属系の公知の導電性付与材を配合することでも得られる。また、非導電性のゴムとは、体積抵抗率が10Ω・cm以上であるゴムを指し、例えば原料ゴムに補強剤としてシリカを高比率で配合することにより作製される。
上記の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上混合して使用される。かかる原料ゴムには、加硫剤や加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等も適宜に配合される。
導電部13を形成する導電性のゴムは、導電部13の耐久性を高めて通電性能を向上する観点から、窒素吸着比表面積:NSA(m/g)×カーボンブラックの配合量(質量%)が1900以上、好ましくは2000以上であって、且つ、ジブチルフタレート吸油量:DBP(ml/100g)×カーボンブラックの配合量(質量%)が1500以上、好ましくは1700以上を満たす配合であることが好ましい。NSAはASTM D3037−89に、DBPはASTM D2414−90に準拠して求められる。
このタイヤTでは、ベース部11とキャップ部12の両方を非導電性のゴムで形成しているため、非導電性のトレッドゴムを使用することによる改善効果(トレッドゴム10をシリカ高配合とした場合には、転がり抵抗の低減効果や濡れた路面での制動性能の向上効果)を良好に高められる。車体やタイヤで発生した静電気は、リム、リムストリップゴム4、サイドウォールゴム9、ウイングゴム19及び導電部13を介した導電経路を通じて路面に放出される。
導電部13は、リム又はリムから通電可能なゴムに接続されるように設けられ、静電気を路面に放出するための導電経路を構成する。このタイヤTにおいて、カーカスプライのトッピングゴム、リムストリップゴム4、サイドウォールゴム9及びウイングゴム19のうち、何れか又は全てを非導電性のゴムで形成することも可能であり、その場合には、サイドウォールゴム9、リムストリップゴム4、或いはリムに接触するリムストリップゴム4の外壁面にまで導電部13を延長させればよい。また、ベルト層6やベルト補強層8のトッピングゴムを非導電性のゴムで形成することも可能である。
導電部13が露出する接地面は、正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した状態でタイヤを平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えたときの路面に接地するトレッド部の表面を指す。正規リムは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば"Design Rim"、ETRTOであれば"Measuring Rim"となる。
正規内圧は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES"に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、タイヤが乗用車用である場合には180KPaとする。また、正規荷重は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば上記の表に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" であるが、タイヤが乗用車用である場合には内圧180KPaの対応荷重の85%とする。
ベース部11は、欠落箇所14を周期的に有するようにして、タイヤ幅方向に沿って断続的に形成され、そのベース部11の欠落箇所14にはキャップ部12を形成するゴムが充填されている。後述する耐グルーブクラック性能を高めるうえで、キャップ部12のゴム硬度Hcはベース部11のゴム硬度Hbよりも高いことが好ましい。ゴム硬度Hcは67±5°、ゴム硬度Hbは57±5°、それらの硬度差Hc−Hbは1〜20°が例示される。ゴム硬度の数値は、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)に準じて25℃で測定した値である。
導電部13は、接地面からタイヤ径方向内側に延びてベース部11の外周面に達する第1導電部13aと、その第1導電部13aからタイヤ幅方向に(本実施形態では図1の右方向に)向かってトレッドゴム10の側面に至る第2導電部13bとを有する。本実施形態では、第1導電部13aが、タイヤ赤道Cの近傍で傾斜して接地面に露出するとともに、その先端部をタイヤ幅方向に延ばしており、接地面上での露出頻度を確保してパターンデザインの自由度を高めている。
第2導電部13bは、図2に示すように、ベース部11と交差して延びるように、タイヤ幅方向に間隔を設けながらタイヤ周方向に沿って螺旋状に形成されている。かかる構成に基づき、ベース部11の外周に接する導電部13の領域が大幅に削減されるため、エネルギーロスを小さくして転がり抵抗の低減効果を向上することができる。第2導電部13bは、図2において不図示の第1導電部13aと点Pにおいて連なり、点Qにおいてウイングゴム19に接する。
ベース部11の欠落箇所14では、充填されたキャップ部12を形成するゴムに第2導電部13bが接触するものの、このキャップ部12を構成するゴムは、ベース部11を構成するゴムに比べてエネルギーロスが小さく、第2導電部13bとの接触領域で生じるエネルギーロスが転がり抵抗に及ぼす影響は軽視することができる。かかる観点からも、キャップ部12のゴム硬度Hcはベース部11のゴム硬度Hbよりも高いことが好ましい。
また、この空気入りタイヤTでは、ベース部11を断続的に形成していることで、ベース部11のボリュームが通常よりも低減されたものとなるため、ロードノイズと呼ばれる騒音の発生を抑えてノイズ性能の向上効果が得られる。ロードノイズは、路面の凹凸が入力となってタイヤが加振された際に、その振動が車体に伝わって引き起こされる騒音であり、トレッドゴム10の中ではベース部11が支配的である。
図3に示すように、加硫成形後のトレッド部3には、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の(本実施形態では四本の)主溝15がトレッドゴム10に設けられる。この主溝15の形成箇所には、ベース部11が配されずにキャップ部12を形成するゴムが充填されていることが好ましく、したがって欠落箇所14であることが好ましい。これにより、剛性が低下しがちな主溝15の形成箇所においてキャップ部12の厚みを確保し、グルーブクラックの発生を抑制することができる。
また、このタイヤTでは、第2導電部13bがタイヤ幅方向に間隔を設けて螺旋状に形成されることにより、主溝15の形成箇所に配される第2導電部13bのボリュームが低減される。主溝15の溝底からベルト層6又はベルト補強層8までの厚みは、導電部13の有無に関係なく一定であるため、このように第2導電部13bのボリュームを低めることで、主溝15の形成箇所に配されるキャップ部12を形成するゴムが増え、耐グルーブクラック性能を良好に向上できる。
本実施形態では、主溝15により区画された陸部17の形成箇所において、ベース部11が複数に分断されている。それ故、ベース部11が適度に細かく途切れたものとなり、ベース部11に交差して延在する第2導電部13bを簡便に設けることができる。また、ベース部11のボリュームが低減されることにより、上述したノイズ性能の向上効果を高めるうえでも有益である。
断続したベース部11の幅11Wは、5〜45mmであることが好ましい。これが5mm未満であると、ベース部11が細かくなり過ぎて、ベース部11の本来の機能が損なわれる恐れがある。一方、45mmを超えると、第2導電部13bとの接触領域を減らしにくくなり、転がり抵抗の低減効果が小さくなる傾向にある。
ベース部11の欠落幅14Wは、幅11Wの80〜200%であることが好ましく、100〜200%であることがより好ましい。これが80%未満であると、第2導電部13bとの接触領域が増えて、転がり抵抗の低減効果が小さくなる傾向にある。一方、200%を超えると、ベース部11のボリュームを確保するのが難しくなり、ベース部11の本来の機能が損なわれる恐れがある。
次に、この空気入りタイヤTを製造する方法の一例について説明する。このタイヤTは、トレッドゴム10に関する点を除けば、従来のタイヤ製造工程と同様にして製造できるため、トレッドゴムの成形工程を中心に説明する。本実施形態では、いわゆるリボン巻き工法によってベース部11を形成する。リボン巻き工法とは、小幅で帯状をなす未加硫ゴムリボンをタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けて所望の断面形状を有するゴム部材を成形する工法である。
ゴムリボン20の成形及び巻き付けは、図4に例示したような設備を用いて行うことができる。この設備は、二種のゴムを共押出して複層ゴムリボン20を成形可能なゴムリボン供給装置30と、ゴムリボン供給装置30より供給されたゴムリボン20が巻き付けられる回転支持体31と、ゴムリボン供給装置30及び回転支持体31の作動制御を行う制御装置32とを備える。回転支持体31は、軸31aを中心としたR方向の回転と、軸方向への移動とが可能に構成されている。
押出機33は、ホッパー33a、スクリュー33b、バレル33c、スクリュー33bの駆動装置33d、及び、ギアポンプを内蔵するヘッド部33eを備えている。これと同様に、押出機34もホッパー34a、スクリュー34b、バレル34c、駆動装置34d及びヘッド部34eを備える。一対の押出機33、34の先端には、口金36が付設されたゴム合体部35が設けられている。
ホッパー33a,34aに投入されたゴム材料は、それぞれスクリュー33b、34bで混練されながら前方に送り出され、ヘッド部33e、34eを経由し、ゴム合体部35にて所定の形状で合体し、複層ゴムリボン20として吐出口36aから押出成形される。成形されたゴムリボン20は、ロール37によって前方に送り出され、ローラ38によって押さえ付けられながら回転支持体31に巻き付けられる。
トレッドゴム10の成形工程では、図5(A)に示すように、回転支持体31の外周面に非導電性のゴムリボン20をタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付け、それによってベース部11を形成する。このゴムリボン20は、ベース部11を形成するゴム20aとキャップ部12を形成するゴム20bとを共押出してなる複層ゴムリボンである。本実施形態では、この複層ゴムリボン20を巻き付けることにより、ゴム20bが欠落箇所14に充填されたベース部11を形成している。
複層ゴムリボン20を使用することにより、成形時間を短縮して生産性を高めることができる。本発明では、歯抜け状に形成したベース部11の欠落箇所14にゴム20bを充填する手法も採用できるが、その場合には、ゴム界面に余分なエアが入り込んでエア溜まりと呼ばれる工程不良を起こす懸念があるため、本実施形態のような手法が有益である。ゴムリボン20を巻き付ける際には、タイヤ幅方向に隣り合うリボンが相互に縁を突き合わせてもよいが、それらを相互にオーバーラップさせても構わない。
このようにして形成したベース部11は、図2に示す通りであるが、欠落箇所14において必ずしも左右に完全に分断されている必要はなく、ゴムリボン20の巻き付けに応じてタイヤ周方向の一箇所で繋がっていても構わない。また、幅11Wや欠落幅14Wを調整する際には、ゴム20aかゴム20bの押出を減らして、ゴムリボン20の断面に占める割合を変化させてもよい。或いは、どちらかのゴムの押出を停止することでゴムリボン20を一時的に単層にしてもよく、かかる手法によれば、ベース部11を欠落箇所14で完全に分断することも可能である。
次に、図5(B)に示すように、導電性のゴムリボンをタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つ前述した非導電性のゴムリボン20とは逆向きに巻き付けることにより第2導電部13bを形成する。図2に示すように、第2導電部13bは、タイヤ幅方向に隣り合うゴムリボンが相互に縁を離して並列しており、ベース部11とは逆向きに傾斜する。このため、ベース部11と交差して延びる第2導電部13bを容易且つ確実に形成でき、ベース部11との接触領域が大幅に削減される。
続いて、図5(C)に示すように、非導電性のゴムによりキャップ部12の半分12Lを形成する。斜面16は、後工程で第1導電部13aを載せるために形成している。キャップ部12は、リボン巻き工法又は押出成形法により形成できる。リボン巻き工法の場合には、図4の設備を用いて、ゴム20bのみからなる単層のゴムリボンを巻き付ければよい。押出成形法は、所定の断面形状を有する未加硫ゴム部材を押出成形し、その端部同士をジョイントして環状に成形する工法である。
そして、図5(D)のように、導電性のゴムにより第1導電部13aを形成した後、非導電性のゴムによりキャップ部12の残り半分12Rを形成する。導電部13は接地面からトレッドゴム10の側面に至るように配設され、第1導電部13aが斜面16に載り、第2導電部13bがベース部11の外周に配される。第1導電部13aは、ゴムシートの配置により、若しくはリボン巻き工法により形成できる。次いで、トレッドゴム10の両端部にウイングゴム19を設けて第2導電部13bに接触させる。
図5では記載を省略しているが、トレッドゴム10の内周にはベルト層6とベルト補強層8が配設されており、このトレッドゴム10を、カーカス層7やサイドウォールゴム9など他のタイヤ構成部材と組み合わせることにより、図1に示した空気入りタイヤTを製造できる。
トレッドゴム10を成形するに際しては、図6に示すように、主溝15の形成箇所において、第2導電部13bをトレッドゴム10の表面側に膨出させることが好ましい。かかる第2導電部13bを形成するには、図5(A)の工程においてゴムリボン20の巻き付けを調整し、対応する欠落箇所14を予め膨出させておけばよい。これにより、トレッドゴム10の表面に金型を押し当てて主溝15を形成したときに、第2導電部13bがフラットな形状に近付き、導電経路の無駄な迂回を抑えられる。
本実施形態では、導電部13がトレッドゴム10の側面に到達している例を示すが、図7に示すように導電部13がベース部11の側方を通ってトレッドゴム10の底面に到達しても構わない。かかる場合には、カーカスプライのトッピングゴム又はサイドウォールゴム9に第2導電部13bが接続される。また、トレッドゴム10の端部にサイドウォールゴム9の端部を載せた、いわゆるサイドオントレッド構造の適用も可能であり、その場合にはウイングゴム19を省略できる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。評価に供したタイヤのサイズは195/65R15であり、トレッドゴムを構成するキャップ部のゴム硬度Hcは67°、ベース部のゴム硬度Hbは57°である。
(1)通電性能(電気抵抗値)
リムに装着したタイヤに所定の荷重を負荷し、リムを支持する軸からタイヤが接地する金属板に印加電圧(1000V)をかけて電気抵抗値を測定した。
(2)転がり抵抗
ドラム走行試験により転がり抵抗値を測定し、その逆数を算出した。走行条件は、ドラム径を1.7m、キャンバ角を0°、空気圧を210kPa、走行速度を80km/h、荷重を4300Nとした。比較例1の結果を100として指数評価し、数値が大きいほど転がり抵抗が低減されていることを示す。
(3)ノイズ性能
実車(FF車、1500cc)を用いた走行試験において、リム15×6−JJ、空気圧210kPa、速度60km/hで評価コースを走行し、その際に発生するノイズを騒音計測器で計測することにより評価を行った。比較例1の結果を100として指数評価し、数値が大きいほどノイズ性能に優れていることを示す。
(4)耐グルーブクラック性能
試作タイヤをJIS規定のリムに装着して空気圧を220kPaとし、JIS最大荷重を負荷して、オゾン濃度80pphm及び温度38℃の雰囲気中で、ドラム試験機を用いて時速30km/hで3週間走行させた後、オゾンクラックの発生状態を目視で確認し、その数や大きさによりJISK6259に準拠して耐グルーブクラック性能の判定を行った。比較例1を基準外観とし、それよりもオゾンクラックの発生が少ないものを「良」、多いものを「不良」として評価した。
図1に示した構造のタイヤにおいて、ベース部をタイヤ幅方向に沿って連続的に形成するとともに、断面L字形状の導電部がタイヤ周方向に連続するように、第2導電部がシート状に拡がっているものを比較例1とした。また、前述の実施形態で示したように、図1に示した構造のタイヤにおいて、ベース部をタイヤ幅方向に沿って断続的に形成するとともに、第2導電部が、ベース部と交差して延びるように、タイヤ幅方向に間隔を設けながらタイヤ周方向に沿って螺旋状に形成されているものを実施例1とした。
Figure 0005508248
表1に示すように、通電性能については、比較例1と実施例1の双方において保持されている。それでいて、実施例1では、比較例1よりも転がり抵抗を低減できており、更にはノイズ性能や耐グルーブクラック性能においても優れた結果が得られている。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
10 トレッドゴム
11 ベース部
12 キャップ部
13 導電部
13a 第1導電部
13b 第2導電部
14 ベース部の欠落箇所
15 主溝
19 ウイングゴム
20 非導電性のゴムリボン
20b キャップ部を形成するゴム

Claims (4)

  1. トレッド部に設けられるトレッドゴムが、非導電性のゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部と、非導電性のゴムで形成され且つ前記キャップ部のタイヤ径方向内側に配されるベース部と、導電性のゴムで形成され且つ接地面から前記トレッドゴムの側面又は底面に至る導電部とを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記ベース部がタイヤ幅方向に沿って断続的に形成されていて、そのベース部の欠落箇所に前記キャップ部を形成するゴムが充填されており、
    前記導電部が、接地面からタイヤ径方向内側に延びて前記ベース部の外周面に達する第1導電部と、その第1導電部からタイヤ幅方向に向かって前記トレッドゴムの側面又は底面に至る第2導電部とを有し、
    前記第2導電部が、前記ベース部と交差して延びるように、タイヤ幅方向に間隔を設けながらタイヤ周方向に沿って螺旋状に形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッドゴムにタイヤ周方向に沿って延びる主溝が設けられ、前記主溝の形成箇所には前記ベース部が配されずに前記キャップ部を形成するゴムが充填されている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2に記載の空気入りタイヤが備える前記トレッドゴムを成形する工程が、
    非導電性のゴムリボンをタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けることにより前記ベース部を形成する工程と、
    導電性のゴムリボンをタイヤ周方向に沿って螺旋状に且つ前記非導電性のゴムリボンとは逆向きに巻き付けることにより前記第2導電部を形成する工程とを含む空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記ベース部を形成する工程では、前記ベース部を形成するゴムと前記キャップ部を形成するゴムとを共押出してなる複層ゴムリボンを巻き付けることにより、前記キャップ部を形成するゴムが欠落箇所に充填された前記ベース部を形成する請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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