JP5508247B2 - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車体やタイヤで発生した静電気を路面に放出することができる空気入りタイヤとその製造方法に関する。
近年、燃費性能と関係が深いタイヤの転がり抵抗の低減を目的として、トレッドゴムをシリカ高配合とした空気入りタイヤが提案されている。ところが、かかるトレッドゴムは、カーボンブラック高配合としたものに比べて電気抵抗が高く、車体やタイヤで発生した静電気の路面への放出を阻害するため、ラジオノイズなどの不具合を生じやすいという問題があった。
そこで、シリカ等を配合した非導電性のトレッドゴムに、カーボンブラック等を配合した導電性のゴムからなる導電部を設けて、通電性能を発揮できるようにした空気入りタイヤが開発されている。例えば下記特許文献1,2に記載の空気入りタイヤでは、非導電性のトレッドゴムに、接地面からタイヤ径方向内側に延びるとともに、キャップ部とベース部との間をタイヤ幅方向に延びてトレッドゴムの底面に至る導電部を設けて、静電気を放出するための導電経路を形成している。
ところが、そのような構造のトレッドゴムには、高速耐久性能が低下するという問題があることが判明した。即ち、導電部がタイヤ幅方向に延びる箇所において、ベース部の外周にキャップ部よりも軟らかいゴムが配されていると、高速走行時の遠心力による歪み変形がベルト層の端部に繰り返し作用したときに、そのベルト層の端部の周辺でベース部の動きが大きくなって発熱が高まり、導電部とベース部との界面を起点としてセパレーションが発生しやすいことが分かった。
特開2009−126291号公報 国際公開第2009/066605号
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通電性能や燃費性能を保持しながら、優れた高速耐久性能を発揮できるようにした空気入りタイヤとその製造方法を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部に設けられるトレッドゴムが、非導電性のゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部と、前記キャップ部のタイヤ径方向内側に配されるベース部と、導電性のゴムで形成され且つ接地面から前記トレッドゴムの側面又は底面に至る導電部とを備える空気入りタイヤにおいて、前記導電部が、接地面からタイヤ径方向内側に延びて前記ベース部の外周面に達する第1導電部と、その第1導電部からタイヤ幅方向の一方に延びて前記トレッドゴムの側面又は底面に至る第2導電部とを有し、前記ベース部が、ベース本体部よりもゴム硬度を大きくした補強ゴム部を局部的に含んでおり、前記補強ゴム部が、非導電性のゴムで形成され且つ前記第2導電部にタイヤ径方向内側から接している、或いは、導電性のゴムで形成され且つ前記第2導電部を兼ねているものである。
この空気入りタイヤでは、接地面からトレッドゴムの側面又は底面に至る導電部を通じて静電気を路面に放出できるため、通電性能が保持される。それでいて、ベース部に局部的に含まれるゴム硬度の大きい補強ゴム部が、非導電性のゴムで形成され且つ第2導電部にタイヤ径方向内側から接していることにより、或いは、導電性のゴムで形成され且つ第2導電部を兼ねていることにより、導電部とベース部との界面を起点としたセパレーションの発生を抑えて、優れた高速耐久性能を発揮できる。また、ベース部では、主体をなすベース本体部においてゴム硬度を高く設定する必要がなく、延いてはtanδ(損失正接)を低く抑えることができるため、転がり抵抗を抑制して燃費性能を有効に保持できる。このように、本発明によれば、通電性能や燃費性能を保持しながら、優れた高速耐久性能を発揮することができる。
本発明では、前記補強ゴム部が前記ベース本体部の外周に積層して形成されているものが好ましい。かかる構成であれば、補強ゴム部による高速耐久性能の改善効果を保持しながら、補強ゴム部の厚みを控え目にして転がり抵抗を抑制できるため、燃費性能を良好に保持することができる。
本発明では、前記ベース部がタイヤ幅方向に分断され、その分断箇所の窪みに、前記補強ゴム部よりもゴム硬度が大きい前記キャップ部を形成するゴムが充填されており、前記第1導電部が前記分断箇所のタイヤ径方向外側に設けられているものが好ましい。導電部が比較的密集し且つ接地面に近い第1導電部の周辺部位では、摩耗が促進される傾向にあるものの、上記の構成によれば、第1導電部が設けられる分断箇所の窪みにゴム硬度の大きいゴムを充填していることにより、該部位での剛性を高めて早期の摩耗を抑制できる。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、上記いずれかの空気入りタイヤが備える前記トレッドゴムを成形する工程が、前記ベース本体部となるゴムと前記補強ゴム部となるゴムとを共押出して複層ゴムリボンを成形可能なゴムリボン供給装置を使用し、前記複層ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより、前記ベース部のタイヤ幅方向の一方に配される前記補強ゴム部を形成する工程と、前記ゴムリボン供給装置を使用し、前記補強ゴム部となるゴムの押出を停止して前記ベース本体部となるゴムのみを押出して単層ゴムリボンを成形し、その単層ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより、前記ベース部のタイヤ幅方向の他方に配される前記ベース本体部を形成する工程とを備えるものである。
かかる空気入りタイヤの製造方法によれば、トレッドゴムのベース部を成形するに際し、同一のゴムリボン供給装置を用いて補強ゴム部とベース本体部の双方を形成できることから、作業効率を高めることができる。
本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図 図1に示したトレッドゴムを概略的に示す断面図 本発明の別実施形態に係るトレッドゴムを示す断面図 ゴムリボンの巻き付けを行うための設備を示す概略構成図 トレッドゴムの成形工程を示す図 本発明の別実施形態に係るトレッドゴムを示す断面図 本発明の別実施形態に係るトレッドゴムを示す断面図 本発明の別実施形態に係るトレッドゴムを示す断面図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に示した空気入りタイヤTは、一対のビード部1と、そのビード部1の各々からタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、そのサイドウォール部2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド部3とを備えている。ビード部1には、鋼線等の収束体をゴム被覆してなる環状のビード1aと、硬質ゴムからなるビードフィラー1bとが配設されている。
一対のビード部1の間にはトロイド状のカーカス層7が配され、その端部がビード1aを介して巻き上げられた状態で係止されている。カーカス層7は、少なくとも1枚(本実施形態では2枚)のカーカスプライにより構成され、該カーカスプライは、タイヤ赤道Cに対して略90°の角度で延びるコードをトッピングゴムで被覆して形成されている。カーカス層7の内周には、空気圧を保持するためのインナーライナーゴム5が配されている。
カーカス層7のビード部1外周には、不図示のリムに接するリムストリップゴム4が配されている。また、カーカス層7のサイドウォール部2外周には、サイドウォールゴム9が配されている。本実施形態では、カーカスプライのトッピングゴムとリムストリップゴム4が導電性のゴムで形成され、サイドウォールゴム9が非導電性のゴムで形成されている。
カーカス層7のトレッド部3外周には、複数枚(本実施形態では2枚)のベルトプライにより構成されたベルト層6が配されている。各ベルトプライは、タイヤ赤道Cに対して傾斜して延びるコードをトッピングゴムで被覆して形成され、該コードがプライ間で互いに逆向きに交差するように積層されている。ベルト層6の外周には、実質的にタイヤ周方向に延びるコードをトッピングゴムで被覆してなるベルト補強層8を配しているが、必要に応じて省略しても構わない。
図1,2に示すように、トレッド部3に設けられるトレッドゴム10は、非導電性のゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部12と、キャップ部12のタイヤ径方向内側に配されるベース部11と、導電性のゴムで形成され且つ接地面からトレッドゴム10の底面に至る導電部13とを備える。本実施形態では、トレッドゴム10の両端部にサイドウォールゴム9の端部を載せた、いわゆるサイドオントレッド構造を採用しているが、本発明はこれに限られない。
ここで、導電性のゴムとは、体積抵抗率が10Ω・cm未満であるゴムを指し、例えば原料ゴムに補強剤としてカーボンブラックを高比率で配合することにより作製される。カーボンブラック以外にも、カーボンファイバーや、グラファイト等のカーボン系、及び金属粉、金属酸化物、金属フレーク、金属繊維等の金属系の公知の導電性付与材を配合することでも得られる。また、非導電性のゴムとは、体積抵抗率が10Ω・cm以上であるゴムを指し、例えば原料ゴムに補強剤としてシリカを高比率で配合することにより作製される。
上記の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上混合して使用される。かかる原料ゴムには、加硫剤や加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等も適宜に配合される。
導電部13を形成する導電性のゴムは、導電部13の耐久性を高めて通電性能を向上する観点から、窒素吸着比表面積:NSA(m/g)×カーボンブラックの配合量(質量%)が1900以上、好ましくは2000以上であって、且つ、ジブチルフタレート吸油量:DBP(ml/100g)×カーボンブラックの配合量(質量%)が1500以上、好ましくは1700以上を満たす配合であることが好ましい。NSAはASTM D3037−89に、DBPはASTM D2414−90に準拠して求められる。
導電部13は、接地面からタイヤ径方向内側に延びてベース部11の外周面に達する第1導電部13aと、その第1導電部13aからタイヤ幅方向の一方(図1,2における右方)に延びてトレッドゴム10の底面に至る第2導電部13bとを有する。本実施形態では、第1導電部13aがタイヤ赤道Cの近傍で傾斜し、第2導電部13bがキャップ部12とベース部11との間に介在している。車体やタイヤで発生した静電気は、リム、リムストリップゴム4、カーカスプライのトッピングゴム及び導電部13を介した導電経路を通じて路面に放出される。
ベース部11は、ベース本体部11aよりもゴム硬度を大きくした補強ゴム部11bを局部的に含んでおり、この補強ゴム部11bは、非導電性のゴムで形成され且つ第2導電部13bにタイヤ径方向内側から接している。これにより、高速走行時の遠心力による歪み変形がベルト層6の端部に繰り返し作用したときにベース部11の動きを妨げて、導電部13とベース部11との界面を起点としたセパレーションの発生を抑制し、優れた高速耐久性能を発揮できる。
本実施形態では、シート状をなす補強ゴム部11bがベース本体部11aの外周に積層して形成されている。即ち、ベース部11のタイヤ幅方向の一方では、内周側部分がベース本体部11aにより構成され、外周側部分が補強ゴム部11bにより構成されている。かかる構成であれば、補強ゴム部11bによる高速耐久性能の改善効果を保持しながらも、補強ゴム部11bの厚みを控え目にして転がり抵抗を抑制できるため、燃費性能を良好に保持することができる。
高速走行時におけるベース部11の動きを抑制するうえでは、補強ゴム部11bをベルト端BE(幅広なベルトプライの端部)に跨った領域に配することが好ましい。第2導電部13bと接する補強ゴム部11bの領域に関して、ベルト端BEを基準としたタイヤ幅方向内側、外側への距離をX、Yとした場合、距離Xはトレッドゴム10の幅10Wの15%以上であることが好ましく、距離Yは幅10Wの5%以上であることが好ましい。
このベース部11は、タイヤ幅方向に分断され、第2導電部13bを配したタイヤ幅方向の一方にのみ補強ゴム部11bを設けた非対称構造を有している。本実施形態では、分断したベース部11の右半分の全域に補強ゴム部11bを配しており、上述した好ましい領域が含まれている。補強ゴム部11bによる高速耐久性能の改善効果を確保するうえで、補強ゴム部11bの厚みtは0.5mm以上であることが好ましい。
上述のように、補強ゴム部11bのゴム硬度H11bは、ベース部11の主体をなすベース本体部11aのゴム硬度H11aよりも高い。また、キャップ部12のゴム硬度H12はゴム硬度H11bよりも高く、導電部13のゴム硬度H13はゴム硬度H11bよりも高く且つゴム硬度H12よりも低い。したがって、H12>H13>H11b>H11aの関係が満たされる。ゴム硬度は、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)に準じて25℃で測定した値を指す。
ゴム硬度H11bは例えば59〜63°であり、ゴム硬度H11aは例えば57〜61°である。これらの硬度差H11b−H11aは、2〜6°の範囲内にあることが好ましく、3〜5°の範囲内にあることがより好ましい。この硬度差が2°未満であると、補強ゴム部11bによる高速耐久性能の改善効果が小さくなる、或いは、ベース本体部11aのtanδの上昇を伴って転がり抵抗の抑制効果が小さくなる傾向にある。一方、この硬度差が6°を超えると、補強ゴム部11bが硬過ぎて又はベース本体部11aが軟らか過ぎて、他のタイヤ性能を損なう恐れがある。
ベース本体部11aのtanδ11aは、補強ゴム部11bのtanδ11bよりも低い。また、本実施形態では、tanδ11bがキャップ部12のtanδ12よりも低く、tanδ12は導電部13のtanδ13よりも低い。したがって、tanδ11a<tanδ11b<tanδ12<tanδ13の関係が満たされる。tanδは、岩本製作所製スペクトロメーター試験機により、5mm幅×1mm厚の短冊状の試験片(つかみ長さは20mm)を用いて、初期伸長率10%、動歪2%、温度60℃、振動数10Hzの条件下で測定した値を指す。
ベース部11の分断箇所の窪み14には、補強ゴム部11bよりもゴム硬度が大きいキャップ部12を形成するゴムが充填され、その分断箇所のタイヤ径方向外側に第1導電部13aが設けられている。このため、第1導電部13aの周辺部位の剛性を高めて、早期の摩耗を抑制できる。即ち、キャップ部12の局所的なボリューム増により第1導電部13aによる剛性低下を相殺し、トレッドゴム10の剛性を均一化して偏摩耗の発生を抑制できる。また、キャップ部12のボリューム増によってコーナリングパワーが増し、乾燥路面での操縦安定性能の向上にも資する。
ベース部11は、タイヤのユニフォミティを確保する観点から、本実施形態のようにタイヤ赤道Cを含む中央域にて分断され、該中央域に導電部13の第1導電部13aが設けられることが好ましい。同じくユニフォミティを高めるうえでは、ベース部11の分断が左右均等に、具体的には、分断したベース部11の端部から窪み14までの左右の幅寸法の比率11WL/11WRが1.0±0.2となることが好ましい。
ベース部11の分断幅14Wは、トレッドゴム10の幅10Wの2〜10%であることが好ましく、これが2%未満であると、偏摩耗の抑制効果が小さくなる傾向にあり、10%を超えると、第1導電部13aが過度に幅広になると共に、転がり抵抗が大きくなる傾向にある。また、偏摩耗を的確に抑制するうえで、分断幅14Wは、第1導電部13aの幅13Wの±10mmの範囲内にあることが好ましい。この幅13Wは、ベース部11の外周面から接地面に至るまでの区間で計測され、本実施形態では第1導電部13aが傾斜する区間となる。
本実施形態では、第1導電部13aが窪み14よりも幅広で、即ち幅13Wが分断幅14Wよりも大きく、窪み14ではなくベース部11のタイヤ径方向外側にて導電部13が接地面に露出する。導電部13は、第1導電部13aの幅13Wを適度に有しながら、その先端部をタイヤ幅方向に延ばしており、接地面上での露出頻度を確保してパターンデザインの自由度を高めている。それでいて、第1導電部13aは、導電経路が冗長にならないよう、ベース部11の分断箇所のタイヤ径方向外側で直線状に傾斜して延びている。
導電部13が露出する接地面は、正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した状態でタイヤを平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えたときの路面に接地するトレッド部の表面を指す。正規リムは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば"Design Rim"、ETRTOであれば"Measuring Rim"となる。
正規内圧は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES"に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、タイヤが乗用車用である場合には180KPaとする。また、正規荷重は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば上記の表に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" であるが、タイヤが乗用車用である場合には内圧180KPaの対応荷重の85%とする。
導電部13は、リム又はリムから通電可能なゴムに接続されるように設けられて導電経路を構成する。このタイヤTにおいて、カーカスプライのトッピングゴム及びリムストリップゴム4の片方又は両方を非導電性のゴムで形成することも可能であり、その場合には、リムストリップゴム4、或いはリムに接触するリムストリップゴム4の外壁面にまで導電部13を延長させればよい。また、ベルト層6やベルト補強層8のトッピングゴムを非導電性のゴムで形成することも可能である。
本発明では、サイドウォールゴム9の端部にトレッドゴム10の端部を載せた、いわゆるトレッドオンサイド構造を適用してもよく、かかる場合には、サイドウォールゴム9を導電性のゴムで形成すればよい。また、図3のように、接地面からトレッドゴム10の側面に至るように導電部13を設けてもよく、これをトレッドオンサイド構造と併用する場合には、第2導電部13bの露出端をトレッドゴム10の側面沿いにタイヤ径方向内側に延ばして、導電性のゴムで形成したサイドウォールゴム9に接続すればよい。
次に、この空気入りタイヤTを製造する方法の一例について説明する。尚、このタイヤTは、トレッドゴム10に関する点を除けば、従来のタイヤ製造工程と同様にして製造できるため、トレッドゴムの成形工程を中心に説明する。本実施形態では、いわゆるリボン巻き工法によってベース部11を形成する。リボン巻き工法とは、小幅で帯状をなす未加硫ゴムリボンをタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けて所望の断面形状を有するゴム部材を成形する工法である。
ゴムリボン20の成形及び巻き付けは、図4に例示したような設備を用いて行うことができる。この設備は、二種のゴムを共押出して複層ゴムリボン20を成形可能なゴムリボン供給装置30と、ゴムリボン供給装置30より供給されたゴムリボン20が巻き付けられる回転支持体31と、ゴムリボン供給装置30及び回転支持体31の作動制御を行う制御装置32とを備える。回転支持体31は、軸31aを中心としたR方向の回転と、軸方向への移動とが可能に構成されている。
押出機33は、ホッパー33a、スクリュー33b、バレル33c、スクリュー33bの駆動装置33d、及び、ギアポンプを内蔵するヘッド部33eを備えている。これと同様に、押出機34もホッパー34a、スクリュー34b、バレル34c、駆動装置34d及びヘッド部34eを備える。一対の押出機33、34の先端には、口金36が付設されたゴム合体部35が設けられている。
ホッパー33a,34aに投入されたゴム材料は、それぞれスクリュー33b、34bで混練されながら前方に送り出され、ヘッド部33e、34eを経由し、ゴム合体部35にて所定の形状で合体し、複層ゴムリボン20として吐出口36aから押出成形される。成形されたゴムリボン20は、ロール37によって前方に送り出され、ローラ38によって押さえ付けられながら回転支持体31に巻き付けられる。
トレッドゴム10の成形工程では、図5(A)に示すように、回転支持体31の外周面に複層ゴムリボン20をタイヤ周方向に沿って巻き付ける。複層ゴムリボン20は、ベース本体部11aとなるゴム20aと補強ゴム部11bとなるゴム20bとを共押出して成形されており、複層ゴムリボン20の巻き付けによって、ベース部11のタイヤ幅方向の一方(右方)に配される補強ゴム部11bが形成される。このとき、ゴム20aを内周側に、ゴム20bを外周側に配置することで、補強ゴム部11bをベース本体部11aの外周に積層して形成できる。
次に、図5(B)に示すように、ベース部11のタイヤ幅方向の他方(左方)に配されるベース本体部11aを形成する。この工程では、同じゴムリボン供給装置30を使って、ゴム20bの押出を停止してゴム20aのみを押出して単層ゴムリボン20’を成形し、その単層ゴムリボン20’をタイヤ周方向に沿って巻き付ける。上記(A)で示した補強ゴム部11bを形成するための工程と、(B)で示したベース本体部11aを形成するための工程とは、順序が逆であっても構わない。
続いて、図5(C)に示すように、非導電性のゴムによりキャップ部12の半分12Lを形成する。このとき、キャップ部12を形成するゴムを窪み14に充填するとともに、後工程で導電部13を載せるための斜面16を、ベース部11の分断箇所のタイヤ径方向外側に形成する。キャップ部12は、リボン巻き工法又は押出成形法により形成できる。押出成形法とは、所定の断面形状を有する未加硫ゴム部材を押出成形し、その端部同士をジョイントして環状に成形する工法である。
そして、図5(D)のように、導電性のゴムにより導電部13を形成した後、非導電性のゴムによりキャップ部12の残り半分12Rを形成する。導電部13は接地面からトレッドゴム10の底面に至るように配設され、第1導電部13aが斜面16に載り、第2導電部13bが補強ゴム部11bに載る。導電部13は、ゴムシートの配置により、若しくはリボン巻き工法により形成でき、それらの併用も可能である。
図5では記載を省略しているが、トレッドゴム10の内周にはベルト層6とベルト補強層8が配設されており、このトレッドゴム10を、カーカス層7やサイドウォールゴム9など他のタイヤ構成部材と組み合わせることにより、図1に示した空気入りタイヤTを製造できる。
[別実施形態]
(1)前述の実施形態では、補強ゴム部11bをベース本体部11aの外周に積層して形成した例を示したが、図6に示すように、分断したベース部11の片方をタイヤ幅方向に区画し、ベルト端に近い側を補強ゴム部11bで構成して第2導電部13bに接触させても構わない。或いは、図7に示すように、ベース部11の分断箇所をオフセットし、第2導電部13bが配されたタイヤ幅方向の一方に補強ゴム部11bを形成することも考えられる。
(2)前述の実施形態では、補強ゴム部11bが、非導電性のゴムで形成され且つ第2導電部13bにタイヤ径方向内側から接する例を示したが、本発明では、図8に例示したように、補強ゴム部11bが、導電性のゴムで形成され且つ第2導電部13bを兼ねているものでもよい。この場合において、補強ゴム部11bを形成する導電性のゴムは、第1導電部13aを形成する導電性のゴムよりもゴム硬度やtanδが低くてもよく、優れた対候性を保有している必要もない。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。
評価項目は、次の通りである。
高速耐久性能:直径2000mmのドラムに4.1kNの荷重でタイヤを回転自在に押し付けて速度を10km/hずつ上げていき(室温35℃)、ベルト端の周辺でセパレーションによる故障が発生したときの速度と走行時間、セパレーションの発生箇所を調査した。
通電性能:導電経路の存否に基づいて通電性能の有無を評価した。
燃費性能:転がり抵抗試験機によって転がり抵抗を測定した。比較例1の結果を100として指数評価し、数値が小さいほど燃費性能に優れていることを示す。
評価に供したタイヤのサイズは245/55R19であり、各例におけるタイヤ構造はトレッドゴムを除いて共通である。ベース部をベース本体部のみで形成したこと以外は、実施例1と同じものを比較例1、導電部を具備しないこと以外は比較例1と同じものを比較例2とした。また、図2,8,9に示したトレッド構造を、それぞれ実施例1〜3とした。トレッドゴムのゴム硬度及びtanδは、それぞれ表1,2に示した通りである。tanδの数値は、比較例1のキャップゴムを100としたときの指数で表している。評価結果を表3に示す。
Figure 0005508247
Figure 0005508247
Figure 0005508247
表3に示すように、補強ゴム部を具備しない比較例1では高速耐久性能が劣っており、導電部を具備しない比較例2では通電性能が発揮されない。一方、実施例1〜3では、比較例1に比べて転がり抵抗が僅かに上昇しているものの、通電性能と燃費性能を保持しながら優れた高速耐久性能を発揮できている。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 リムストリップゴム
6 ベルト層
7 カーカス層
9 サイドウォールゴム
10 トレッドゴム
11 ベース部
11a ベース本体部
11b 補強ゴム部
12 キャップ部
13 導電部
13a 第1導電部
13b 第2導電部
20 複層ゴムリボン
20’ 単層ゴムリボン
30 ゴムリボン供給装置

Claims (4)

  1. トレッド部に設けられるトレッドゴムが、非導電性のゴムで形成され且つ接地面を構成するキャップ部と、前記キャップ部のタイヤ径方向内側に配されるベース部と、導電性のゴムで形成され且つ接地面から前記トレッドゴムの側面又は底面に至る導電部とを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記導電部が、接地面からタイヤ径方向内側に延びて前記ベース部の外周面に達する第1導電部と、その第1導電部からタイヤ幅方向の一方に延びて前記トレッドゴムの側面又は底面に至る第2導電部とを有し、
    前記ベース部が、ベース本体部よりもゴム硬度を大きくした補強ゴム部を局部的に含んでおり、前記補強ゴム部が、非導電性のゴムで形成され且つ前記第2導電部にタイヤ径方向内側から接している、或いは、導電性のゴムで形成され且つ前記第2導電部を兼ねていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記補強ゴム部が前記ベース本体部の外周に積層して形成されている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベース部がタイヤ幅方向に分断され、その分断箇所の窪みに、前記補強ゴム部よりもゴム硬度が大きい前記キャップ部を形成するゴムが充填されており、前記第1導電部が前記分断箇所のタイヤ径方向外側に設けられている請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の空気入りタイヤが備える前記トレッドゴムを成形する工程が、
    前記ベース本体部となるゴムと前記補強ゴム部となるゴムとを共押出して複層ゴムリボンを成形可能なゴムリボン供給装置を使用し、前記複層ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより、前記ベース部のタイヤ幅方向の一方に配される前記補強ゴム部を形成する工程と、
    前記ゴムリボン供給装置を使用し、前記補強ゴム部となるゴムの押出を停止して前記ベース本体部となるゴムのみを押出して単層ゴムリボンを成形し、その単層ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより、前記ベース部のタイヤ幅方向の他方に配される前記ベース本体部を形成する工程とを備える空気入りタイヤの製造方法。
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