JP5626849B2 - ゼオライトによるフッ素系ガスの分解処理方法 - Google Patents

ゼオライトによるフッ素系ガスの分解処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素系ガスをゼオライトに接触させて分解処理する方法に関する。
地球温暖化の主な原因は、二酸化炭素、メタン系ガス、フロンガス等の温室効果ガスの大気中への放出である。これらの温室効果ガスの一つであるフロンガスは、炭素、フッ素、塩素からなる特定フロン(CFC)と、塩素を含まない代替フロン(HFC)とに大別される。特定フロンは分解によって放出される塩素原子がオゾン層を破壊することが解明され、先進国においては既に生産が中止されたため、現在では塩素を含まずオゾン層を破壊しない物質として代替フロンの使用量が増大している。
しかしながら、代替フロンはそれ自身が二酸化炭素の数千倍から数万倍の地球温暖化係数(GWP)を有しているため、我が国では使用済み代替フロンを回収して無害な物質に変換して処理することが義務づけられている。
現在実用化されている代替フロンガスの無害化方法としては、焼成炉内で高温に加熱して熱分解するロータリーキルン法や、アルカリ土類金属またはアルカリ金属の金属化合物と代替フロンガスを接触させて反応させてフッ化金属に変換する方法が知られている(特許文献1、2参照)。
特開平10−277363号公報 特開2005−52724号公報
従来の代替フロンガスの無害化方法であるロータリーキルン法は、フッ化水素等の腐食性ガスが発生するために二次処理が必要となり、接触分解反応による処理方法でも分解生成物の二次処理が必要であった。
本発明は上述した技術背景に鑑み、特定のゼオライトがフッ素系ガスに対して高い分解特性を有することに着目したものであり、ゼオライトによるフッ素系ガスの分解処理方法の提供を目的とする。
即ち、本発明は下記[1]〜[6]に記載の構成を有する。
[1]高温下で、フッ素系ガスをカチオン種としてカルシウムを有するゼオライトに接触させて分解し、分解生成物を当該ゼオライトに吸着させることを特徴とするフッ素系ガスの分解処理方法。
[2]前記分解処理を水の存在下で行う前項1に記載のフッ素系ガスの分解処理方法。
[3]前記フッ素系ガスはフッ化炭素ガス(C)またはフッ化炭化水素ガス(C)である前項1または2に記載のフッ素系ガスの分解処理方法。
[4]前記ゼオライトは細孔径が0.5nm以上である前項1乃至3のいずれかに記載のフッ素系ガスの分解処理方法。
[5]前記ゼオライトはフォージャサイト型である前項1乃至4のいずれかに記載のフッ素系ガスの分解処理方法。
[6]前項1乃至5のいずれかに記載の方法で用いたゼオライトを洗浄、焼成して再利用するフッ素系ガスの分解処理方法。
上記[1]に記載の本発明の方法では、高温下でフッ素系ガスをカチオン種としてカルシウムを有するゼオライトに接触させることによってフッ素系ガスを分解し、当該分解生成物をゼオライトに吸着することにより、分解生成物を散逸することなく処理を行うことができる。
上記[2]に記載の発明によれば、主要なフッ素系ガスを分解処理できる。
上記[3]に記載の発明によれば、フッ化炭素ガス(C)またはフッ化炭化水素ガス(C)がHF、C、CO、SiF、HOに分解され、これらの分解生成物のうちのHF、C、SiFがゼオライトに吸着される。
上記[4]に記載の発明によれば、カチオン種としてカルシウムを有するゼオライトとして、細孔径が0.5nm以上であるゼオライトを用いることにより、フッ素系ガスに対して特に高い分解能を得ることができる。
上記[5]に記載の発明によれば、カチオン種としてカルシウムを有するゼオライトとして、フォージャサイト型のゼオライトを用いることにより、フッ素系ガスに対して特に高い分解能を得ることができる。
上記[6]に記載の発明によれば、前項1〜5のいずれかの方法で用いたゼオライトを洗浄、焼成して再利用してフッ素系ガスを分解処理できる。
本発明のフッ素系ガスの分解処理方法の実施に用いる流通式分解処理装置の構成を示す模式図である。 HFC−134aのゼオライトによる分解率と被処理ガスの流通時間との関係を示すグラフである。 HFC−134aのSiOおよびAlによる分解率と被処理ガスの流通時間との関係を示すグラフである。 HFC−134aのゼオライトによる吸着率と被処理ガスの流通時間との関係を示すグラフである。
本発明は、カチオン種としてカルシウムを有するSiOおよびAlが三次元構造を形成したゼオライトでは、高温下でフッ素系ガスを分解でき、なおかつ分解生成物を当該ゼオライトに吸着できることを見出し、本発明を完成したものである。
以下に本発明の方法を詳細に説明する。
本発明の方法は、高温下で、フッ素系ガスをカチオン種としてカルシウムを有するゼオライトに接触させて分解し、分解生成物を当該ゼオライトに吸着させることを特徴とするフッ素系ガスの分解処理方法である。
ゼオライトとは、カチオン種としてアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属等を含む結晶性含水アルミノケイ酸塩であり、化学組成の一般式は下記(A1)式で表されるものであるが、本発明のゼオライトはカチオン種としてカルシウムを有することが必須である。
(M、MII 1/2〔AlSi(m+n)2(m+n)〕・xHO …(A1)
ただし、n≧m
:Li、Na、K
II:Ca2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+
フッ素系ガスに対する分解能はゼオライトのカチオン種によって異なるが、カチオン種としてカルシウムを有するゼオライトでは特に高い分解能を有する。
カチオン種としてのカルシウムは、イオン交換サイト中のカチオンの60%以上であることが好ましく、90%以上であることが特に好ましい。カルシウムが100%に近くなるほど分解能は高くなるが、95%を超えても分解能の大幅な改善は得られない。
ゼオライトの骨格はSi−O−Al−O−Siの構造が三次元的に組み合わされることによって細孔を有する形態に形成され、イオン交換サイトに負電荷を打ち消すためのカチオン(M、MII)を有し、骨格の細孔内に結晶水を保有する。また、三次元的な組合せによってA型、フォージャサイト型等の多種形態の骨格が形成される。
ゼオライトは細孔を構成する空間が極めて大きく比表面積が非常に大きいという特性を有し、さらにイオン交換サイトのカチオン(M、MII)が他のカチオンと可逆的に交換できるイオン交換能、ゼオライト自身が触媒として作用する触媒能、細孔中に物質を吸着させる吸着能等の性質を有する。
ゼオライトは骨格の細孔内にフッ素系ガス分子を取り込むことによってフッ素系ガスを吸着し、吸着した分子を分解する。フッ素系ガス分子は細孔径が大きいほどが骨格内に取り込まれ易く、分解能も高くなる。かかる観点より、ゼオライトの細孔径は0.5nm以上であることが好ましく、特に0.7nm以上が好ましく、さらには0.9nm以上が好ましい。従って、骨格のタイプは細孔径の大きいタイプが好ましく、特にフォージャサイト型が好ましい。
本発明の方法で用いるゼオライトは、粉末状、成形体のいずれも使用することができる。成形体の形状は円柱状、球状、楕円状、リング状などが使用でき、その大きさは球体積に換算される直径として、0.1〜5mmのものを使用することが好ましい。また、成形体中には、シリカ、アルミナ、粘土鉱物などのバインダー成分を含んだものを使用してもよいが、フッ素系ガスの分解効率を高めるため、バインダー成分をゼオライト化したバインダーレス成形体を使用することが好ましい。
本発明の方法では、フッ素系ガスをカチオン種としてカルシウムを有するゼオライトに高温下で接触させる。
常温下でフッ素系ガスを含有する混合流体をゼオライトに接触させた場合、ゼオライト骨格の細孔内にフッ素系ガスを吸着することはできる。しかしこの様な処理では、フッ素系ガスは混合流体からは除去されるが、ゼオライトの細孔内には吸着されたフッ素系ガスは分解することなく存在し、フッ素系ガスを分解するには二次処理が必要である。一方、高温下でフッ素系ガスを含有する混合流体を高温下でゼオライトに接触させた場合、ゼオライトに吸着されたフッ素系ガスはゼオライトの触媒能によって分解され、さらにその分解生成物がゼオライトに吸着され、フッ素原子を含む分解生成物を散逸させることなく処理を行うことができる。
本発明における高温下とは、温度が623〜1073Kが好ましく、特に623〜823Kが好ましい。623K未満では、ゼオライトに吸着されたフッ素系ガスの分解が不十分である。一方、823Kであればフッ素系ガスに対して十分な分解能が得られ、1073KであればCFなどの難分解性のフッ素系ガスに対して更に優れた分解能が得られる。一方、それを超える高温はエネルギーコストの点で不利であるだけでなく、ゼオライトの寿命が短くなる。特に好ましい反応温度は673〜823Kである。
本発明で分解されるフッ素系ガスとしては、例えばフッ化炭素ガス(C)またはフッ化炭化水素ガス(C)を例示でき、具体的にはCF、C、CH、CHF、C、C、C、C等を例示できる。
本発明の方法でフッ素系ガスの分解処理に使用したゼオライトは繰り返し再利用することができる。
本発明の方法でフッ素化合物を吸着したゼオライトは、焼成して炭素の除去を行うことで、フッ素系ガスの分解除去に再使用することができる。
ゼオライトに吸着した分解生成物中の炭素は、COとしてゼオライトから除去することができる。焼成温度は、C+O→COなる反応が起こる温度であればよく、例えば973〜1273Kの範囲が好ましい。
ゼオライトに吸着した分解生成物中のフッ素はフッ素化合物を溶解する洗浄液で使用後のゼオライトを洗浄し、ゼオライトに吸着しているフッ素化合物を溶出して回収することができる。洗浄液はフッ素化合物を溶解できるものであれば特に限定されるものではないが、アルカリまたは酸等を適宜使用することができ、例えばアンモニウム水、水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸、硝酸などフッ素を含有しないアルカリまたは酸を挙げることができる。また、洗浄に際しては、短時間で溶出できる洗浄液が好ましく、特に洗浄液として酸を使用することが好ましい。
本発明の方法におけるフッ素系ガスとゼオライトの化学反応を、具体的なフッ素系ガス毎に説明する。
高温下で、フッ素系ガスとしてフッ化炭化水素ガス(C)の一種であるHFC−134a(C)をゼオライトに接触させた場合、下記(F1)(F2)および(F3)式の分解が進行すると考えられる。
+HO→4HF+3/2C+1/2CO …(F1)
4HF+SiO→SiF+2HO …(F2)
6HF+Al→2AlF3+3HO …(F3)
ここでHFC−134aガスの分解反応に関与するHO、後述の他のフッ素系ガスの分解反応に関与するHOおよびOは、被処理ガス(分解すべきフッ素系ガス、キャリアガスとして使用する窒素ガス)に微量に含まれている成分、および昇温過程でゼオライトから脱水されることなく骨格内に残っている水分に起因するものである。
(F1)式に示すように、ゼオライトに接触したHFC−134aは、ゼオライトの触媒作用によってHF(フッ化水素)、C(炭素)、CO(二酸化炭素)に分解する。そして、分解生成物であるHFの一部は、ゼオライトの骨格成分であるSiO(酸化ケイ素)と(F2)式に示す反応を起こしてSiF(フッ化ケイ素)およびHOを生成すると考えられる。なお、ゼオライトのもう一つの骨格成分であるAl(酸化アルミニウム)とHFとの反応性はSiOよりも低いため、(F3)式の反応は殆ど起こらないと考えられる。従って、高温下でHFC−134aをゼオライトに接触させると、(F1)式の反応が起こり、一部では(F2)式の反応が起こり、分解生成物としてHF、C、CO、SiF、HOが生成する。HF、SiF、Cはゼオライトに吸着され、それ以外の分解生成物であるCOおよびHOは吸着されることなく排出される。
フッ化炭素ガス(C2n+2)、他のフッ化炭化水素ガス(C)を分解した場合には、下記(F4)〜(F7)式に示すように、HFおよびCが生成し、あるいはさらにCOまたはHOが生成する。
フッ化炭素ガス(C2n+2)の分解は下記(F4)式に示すとおりである。
2n+2+2nHO→(2n+2)HF+nCO …(F4)
フッ化炭化水素ガス(C)の分解では、n、m、lの数によって下記の3通りの反応となる。
(i) m<l(l=2n−m+2)のとき
+1/2(l−m)H
→lHF+1/4(4n−l+m)C+1/4(l−m)CO …(F5)
(ii) m>lのとき
+1/2(l−m)O→lHF+nC+1/2(l−m)HO …(F6)
(iii) m=lのとき
→lHF+nC …(F7)
上記の(F4)〜(F7)式で生成したHFは、主に(F2)式に示すSiOとの反応によって主にSiFおよびHOを生成すると考えられる。一方、特に高い温度では、生成したHFはゼオライト中のカルシウムと(F8)式の反応によってCaFとHOを生成する。
2HF+Ca(OH) → CaF+HO+H … (F8)
これらの場合も、HFC−134aの分解処理と同様に、生成したHF、SiF、CaF、Cはゼオライトに吸着され、CO、HOは吸着されることなく排出される。
本発明のフッ素系ガスの分解処理方法を実施するための装置の一例である流通式分解処理装置の構成を図1に模式的に示す。
流通式分解処理装置(1)において、(10)は円筒型の反応容器であり、加熱器(11)内に配置されている。前記反応容器(10)内には粉末状の分解処理剤が気体流通可能な状態に充填され、充填された分解処理剤は、熱電対(図示省略)によって温度が監視されるとともに、温度制御装置(12)で加熱器(11)を制御することにより、設定された反応温度に加熱される。フッ素系ガスは、マスフローコントローラ(20)により窒素ガス(N)とともに流量調節がなされ、混合された被処理ガスとして導入管(16)に送り込まれ、予備加熱器(13)を通過する間に設定された反応温度に予備加熱された後、前記反応容器(10)の下端の導入口(14)から反応容器(10)内に導入される。被処理ガスは反応容器(10)を通過する間に分解処理剤と接触し、フッ素系ガスが分解処理され、上端の送出口(15)から処理済みガスとして送り出される。前記反応容器(10)から送出管(17)に送出された処理済みガスは、送出管(17)の途中に設けられた採取口(18)から随時採取されてガスクロマトグラフ等により分析がなされ、フッ素系ガス濃度が監視される。(21)はフッ素系ガスの導入口、(22)は窒素ガスの導入口であり、これらのガス流量は独立して制御される。また、予備加熱器(13)は温度制御装置(12)によって温度制御がなされる。
上述した流通式分解処理装置(1)において、フッ素系ガスを分解処理する方法について説明する。
まず、反応容器(10)に分解処理剤であるゼオライト(または対照する分解処理剤)を充填し、導入管(16)から窒素ガスを導入して系内を非酸化性雰囲気とし、温度制御装置(12)により加熱器(11)内を反応に適した温度に設定する。次に、被処理ガスとしてフッ素系ガスおよび窒素ガスを所定の流量で導入管(16)に導入し、予備加熱器(13)で反応温度に加熱して反応容器(10)に導入する。被処理ガスが反応容器(10)内を通過する間にフッ素系ガスと分解処理剤が接触し、上記(F1)(F2)式、あるいは後述する対照用分解処理剤の反応式に基づいてフッ素系ガスが分解される。処理済みの混合ガスは、送出管(17)上の採取口(18)から適宜採取され、ガスクロマトグラフ等により処理済みガスの定性分析および定量分析がなされる。
処理済みガスの分析結果により、未反応のフッ素系ガスが基準値以下まで分解されたことが確認されれば、処理済みガスは大気中に放出される。また、分析結果により、基準値を超えるフッ素系ガスが存在している場合は、未反応のフッ素系ガスを回収して再び分解処理を行う。
なお、本発明のフッ素系ガスの分解処理方法は、フッ素系ガスを反応容器内に流通させて連続的に接触反応を行う流通式に限定されない。密閉された反応容器内で反応剤とフッ素系ガスを接触させるバッチ式の分解処理によっても実施することができる。
(実施例)
上述した流通式分解処理装置を用いてHFC−134aの分解実験を行った。
ゼオライトは骨格のタイプ、カチオン種、SiO/Al比、細孔径の異なる5種類のもの(東ソー株式会社製)を使用した。特性を表1に示す。各ゼオライトは550℃で脱水処理を行って活性化したものを使用した。
また、対照用分解処理剤として、ゼオライトの骨格成分であるSiOおよびAlを使用した。
Figure 0005626849
図1の流通式分解処理装置(1)において、反応容器(10)は内直径50mm×高さ181mm、容量355.4mlの円筒体である。HFC−134aは窒素ガスとともに被処理ガスとして各々所定の流量で導入管(16)に導入し、反応容器(10)内に充填し所定温度に加熱した分解処理剤に連続的に接触させた。反応容器(10)を通過する間に分解処理がなされた処理済みガスは、送出管(17)上の採取口(18)から一定時間毎に採取してガスクロマトグラフで分析し、反応前後におけるHFC−134aのピーク面積から一点検量線法を用いてHFC−134a濃度を算出し、下記式により分解率を算出した。
分解率(%)=〔1−(C/C)〕×100
:処理済みガス中のHFC−134aの濃度
:被処理ガス中のHFC−134aの濃度
処理条件は各分解処理剤で共通であり、前記反応容器(10)にそれぞれ20gの分解処理剤を充填し、HFC−134aの流量を10cm/min、Nガス流量を50cm/minとし、反応温度:823Kで120分間あるいは分解率の低下が顕著になるまで分解処理を行った。
HFC−134aと各ゼオライトとの接触による分解反応における分解生成物のうち、HF、C、SiFはゼオライトに吸着した状態で反応容器(10)内に留まり、HOは処理済みガスとして窒素ガスとともに排出される。5種類のゼオライトによるHFC−134aの分解率と被処理ガスの流通時間と関係を図2に示す。
また、表2にHFC−134aの分解反応および分解生成物を示す。
Figure 0005626849
図2より、Caをカチオン種として有するゼオライト1〜3では、Liを主なカチオン種として有するゼオライト4やカチオン種がNaのみのゼオライト5よりも高分解率を持続し、高い分解能を有するものであった。
3種類のCaカチオン型のゼオライト1〜3を相互に比較すると、骨格がフォージャサイト型で細孔径の大きいゼオライト2、3は、骨格がA型で細孔径の小さいゼオライト1よりも特に分解能が高かった。
また、ゼオライト2とゼオライト3とはSiO/Al比が異なるものであるが、同等の分解能を有するものであった。
分解処理後のゼオライトはいずれも黒色を帯び、分解生成物であるCの生成を確認することができた。特にCaカチオン型のゼオライト1〜3は、Liカチオン型のゼオライト4およびNaカチオン型のゼオライト5よりも濃い黒色を呈し、Cの生成量が多いことを示唆するものであり、図2に示した分解能の結果と一致するものであった。
また、分解処理前および分解処理後の各ゼオライトを、蛍光X線分析装置によりSi、Al、F、Ca、K、Na、Mgの8元素を定量分析した。分析対象である分解処理後のゼオライトにはHFC−134aの分解生成物であるフッ素が含まれている。表3に8元素の合計を100%とするフッ素元素含有量をatom%で示す。
Figure 0005626849
表3より、分解処理前のゼオライトに含まれていなかったFが分解処理後のゼオライトに含まれており、ゼオライトがFを捕捉していることを裏付けられた。
表1に記載した5種類のゼオライトのうち、Caカチオン型のゼオライト1〜3について、前記流通式分解処理装置を用いて298Kにおける吸着率を調べた。前記反応容器(10)にはそれぞれ20gのゼオライトを充填し、HFC−134aの流量を10cm/min、Nガス流量を50cm/min、吸着温度(ゼオライトの温度)を298Kに設定し、被処理ガスを120分間流通させて吸着処理を行った。吸着率の算出は、分解率と同じく、送出管(17)上の採取口(18)から一定時間毎に採取した処理済みガスをガスクロマトグラフで分析し、吸着前後におけるHFC−134aのピーク面積から一点検量線法を用いてHFC−134a濃度を算出したものである。
吸着率(%)=〔1−(C/C)〕×100
:処理済みガス中のHFC−134aの濃度
:被処理ガス中のHFC−134aの濃度
図4に吸着率の変化を示す。図4に示すように、ゼオライト2、3は高い吸着率を持続するが、カチオン種としてカルシウムを有しないゼオライト1は初期段階から低吸着率であった。
(比較例)
分解処理剤としてSiOを用いた場合、下記(F9)式に基づいた反応が進行し、分解生成物のうちの固体のCは反応容器(10)内に留まり、気体のSiF、HOおよびCOは処理済みガスとして窒素ガスとともに排出された。
2C+2SiO→2SiF+3C+2HO+CO …(F9)
また、分解処理剤としてAlを用いた場合、下記(F10)式に基づいて反応が進行し、固体のAlFおよびCは反応容器(10)内に留まり、気体のHOは処理済みガスとして窒素ガスとともに排出された。
3C+4Al→4AlF+6C+2HO …(F10)
SiOおよびAlによるHFC−134aの分解率と被処理ガスの流通時間と関係を図3に示す。
5種類のゼオライトによる分解率の時間経過(図2)とゼオライトの骨格成分であるSiOおよびAlによる分解率の時間経過(図3)とを比較すると、SiOおよびAlはそれぞれ単独ではHFC−134aに対する分解能は極めて低いが、これらが三次元構造を形成するゼオライトはHFC−134aに対して高い分解能を示し、ゼオライトの有用性を裏付けている。
本発明は地球温暖化ガスであるHFC−134a等のフッ素系ガスの分解処理に利用することができる。
1…流通式分解処理装置
10…反応容器
11…加熱器
12…温度制御装置
13…予備加熱器
16…導入管
17…送出管
21…HFC−134aの導入口
22…窒素ガスの導入口

Claims (6)

  1. 623〜1073K下で、フッ素系ガスをカチオン種としてカルシウムを有するゼオライトに接触させて分解し、分解生成物を当該ゼオライトに吸着させることを特徴とするフッ素系ガスの分解処理方法。
  2. 前記分解処理を水の存在下で行う請求項1に記載のフッ素系ガスの分解処理方法。
  3. 前記フッ素系ガスはフッ化炭素ガス(C)またはフッ化炭化水素ガス(C)である請求項1または2に記載のフッ素系ガスの分解処理方法。
  4. 前記ゼオライトは細孔径が0.5nm以上である請求項1乃至3のいずれかに記載のフッ素系ガスの分解処理方法。
  5. 前記ゼオライトはフォージャサイト型である請求項1乃至4のいずれかに記載のフッ素系ガスの分解処理方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の方法で用いたゼオライトを洗浄、焼成して再利用するフッ素系ガスの分解処理方法。
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