JP2008136932A - 不飽和結合を持つフルオロカーボンの選択的除去方法および処理ユニットおよび該処理ユニットを用いた試料処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡便で、効率よく、かつ選択的に不飽和FCを除去する方法、処理ユニットおよび該処理ユニットを用いた試料処理システムを提供すること。
【解決手段】 カルシウム化合物を主剤とする反応剤と該フルオロカーボンとの選択的化学反応を利用することを特徴とし、前記反応剤として、水酸化カルシウム,炭酸カルシウム,リン酸三カルシウム,ソーダ石灰を主剤とする試剤あるいはこれらの組合せを用いることを特徴とする不飽和FCを除去する方法、処理ユニットおよび該処理ユニットを用いた試料処理システム。
【選択図】 なし
【解決手段】 カルシウム化合物を主剤とする反応剤と該フルオロカーボンとの選択的化学反応を利用することを特徴とし、前記反応剤として、水酸化カルシウム,炭酸カルシウム,リン酸三カルシウム,ソーダ石灰を主剤とする試剤あるいはこれらの組合せを用いることを特徴とする不飽和FCを除去する方法、処理ユニットおよび該処理ユニットを用いた試料処理システム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、不飽和結合を持つフルオロカーボンの選択的除去方法および除去装置もしくは該除去装置を用いた試料処理システムに関する。
プラズマエッチングプロセス等半導体製造プロセスにおいては、排ガスとして水分、二酸化炭素(CO2)およびCHF3、CF4、C2F6、C2F4等のフルオロカーボン(FC)などが排出される。このうち、C2F4等の不飽和結合を持つFC(以下「不飽和FC」といい、CF4やC2F6等の飽和結合からなるFCを、以下「飽和FC」という。)は地球温暖化ガスの一つであるだけではなく、人体に有害であるため無害化する必要がある。一般的に、不飽和FCを含むこれらのFCを無害化する技術として燃焼法やプラズマ法などが利用されている。また、マイクロ波によるFCの分解方法も提案されている。
(1)燃焼法とは、FCを含むガスを高温で燃焼させ、FCをCO2やフッ化水素(HF)に変換し処理する方法である。
(2)プラズマ法とは、コロナ放電や無声放電を利用し、放電プラズマによってFCを他の物質に分解処理する方法であって、具体的には、FCを含む試料をコロナ放電に暴露させる一方、分解されるFCより高いイオン化ポテンシャルをもつキャリヤーガスに共存させて分解する方法が提案されている。キャリヤーガスには、酸素や水素あるいは水が含まれている(例えば特許文献1参照)。
(3)マイクロ波によるFCの分解方法とは、アプリケータ内でマイクロ波をあててマグネタイトを発熱させ、この発熱状態にあるマグネタイトにFCを接触させることによってFCを分解する方法である(例えば特許文献2参照)。
(1)燃焼法とは、FCを含むガスを高温で燃焼させ、FCをCO2やフッ化水素(HF)に変換し処理する方法である。
(2)プラズマ法とは、コロナ放電や無声放電を利用し、放電プラズマによってFCを他の物質に分解処理する方法であって、具体的には、FCを含む試料をコロナ放電に暴露させる一方、分解されるFCより高いイオン化ポテンシャルをもつキャリヤーガスに共存させて分解する方法が提案されている。キャリヤーガスには、酸素や水素あるいは水が含まれている(例えば特許文献1参照)。
(3)マイクロ波によるFCの分解方法とは、アプリケータ内でマイクロ波をあててマグネタイトを発熱させ、この発熱状態にあるマグネタイトにFCを接触させることによってFCを分解する方法である(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、上記処理方法の適用には、以下のような課題が生じることがあった。
(1)燃焼法では、同時に窒素酸化物(NOx)も発生するため、このNOxの処理にさらなる施策が必要となる。さらに、HFについても水等による処理を実施するため、この処理水は強酸性を示すことから中和処理等が必要となる。また、燃焼用の原料ガスとして大量の空気が使用され、こうしたガスを高温にするために必要となるエネルギーは多大であり、燃焼装置出口排ガスの処理も大掛かりな機構が必要となる。
(2)プラズマ法では、FCをプラズマにより分解するためプラズマ発生に必要となるエネルギーは大きい。また、FC等の完全な除去は難しく、さらに入口のFC濃度によってFCの除去効率が大きく異なるという課題があり、適用は難しい。
(3)マイクロ波によるFCの分解方法では、高価なマイクロ波発生装置を必要とし、かつ反応容器もマイクロ波がよく透過する耐熱材質に制限されるという問題があった。マイクロ波がよく透過する耐熱材料にはセラミックス系のものがあるが、これらはフッ素と反応して材質が劣化するものが多い。従って、工業的に安価にかつ安定してFCの分解を行うには、いま一つ問題があった。
(1)燃焼法では、同時に窒素酸化物(NOx)も発生するため、このNOxの処理にさらなる施策が必要となる。さらに、HFについても水等による処理を実施するため、この処理水は強酸性を示すことから中和処理等が必要となる。また、燃焼用の原料ガスとして大量の空気が使用され、こうしたガスを高温にするために必要となるエネルギーは多大であり、燃焼装置出口排ガスの処理も大掛かりな機構が必要となる。
(2)プラズマ法では、FCをプラズマにより分解するためプラズマ発生に必要となるエネルギーは大きい。また、FC等の完全な除去は難しく、さらに入口のFC濃度によってFCの除去効率が大きく異なるという課題があり、適用は難しい。
(3)マイクロ波によるFCの分解方法では、高価なマイクロ波発生装置を必要とし、かつ反応容器もマイクロ波がよく透過する耐熱材質に制限されるという問題があった。マイクロ波がよく透過する耐熱材料にはセラミックス系のものがあるが、これらはフッ素と反応して材質が劣化するものが多い。従って、工業的に安価にかつ安定してFCの分解を行うには、いま一つ問題があった。
また、上記のように、FCの除去方法には様々な方法があるが、C2F4等の不飽和FCの選択的除去や無害化については、そうした観点に主眼を置いていないため、その選択的除去のレベルは不完全であった。一方、飽和FC等他のFC成分に影響を与えずに、不飽和FCを選択的に除去することは、他のFC成分の回収や再利用あるいは資源の有効活用による環境保全への寄与を可能とすることから、こうした観点からの不飽和FCの選択的除去の要請が強くあった。
本発明の目的は、不飽和FCを簡便な方法により選択的に無害化する技術を提供すること、つまり、簡便で、効率よく、かつ選択的に不飽和FCを除去する方法、処理ユニットおよび該処理ユニットを用いた試料処理システムを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す不飽和FCの選択的除去方法、処理ユニットおよび該処理ユニットを用いた試料処理システムによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、試料中の不飽和結合を持つフルオロカーボンを選択的に除去する方法であって、カルシウム化合物を主剤とする反応剤と該フルオロカーボンとの選択的化学反応を利用することを特徴とする。
C2F4等の不飽和FCの選択的な除去においては、従前の一般的なFC除去方法が適用できないことは、上記の通りであった。本発明者は、種々の物理的あるいは化学的手法によって、不飽和FCの選択的な除去を検証した結果、カルシウム化合物を主剤とする反応剤が、不飽和FCと選択的に化学反応し、不飽和FCを無害な生成物あるいは比較的有害性が低くその後の処理によって無害化が容易な生成物に変換することが可能であることを見出した。
つまり、種々の物質や化合物について、C2F4等の不飽和FCとの反応式における標準生成自由エネルギー(ΔG)を検討した結果、カルシウム化合物を主剤とする反応剤が、不飽和FCとの反応性に優れていることの知見を得て、後述するように、これを実証することによって、従前にない選択性の高い不飽和FCの除去方法を検証したものである。従って、不飽和FCを簡便で効率よく、かつ選択的に除去する方法を提供することが可能となり、C2F4等の不飽和FCの無害化除去が簡便に実施できるようになった。
さらに、こうした化学反応を利用した反応剤においては、その反応性の長期安定性が要求される。本発明においては、後述するように、長期間の実証過程において化学量論的に反応することが検証できた。従って、かかる反応剤の使用期間を量論的に推算することが可能となった点においても有用性が高い。
本発明は、上記不飽和結合を持つフルオロカーボンの選択的除去方法であって、前記反応剤として、水酸化カルシウム,炭酸カルシウム,リン酸三カルシウム,ソーダ石灰を主剤とする試剤あるいはこれらの組合せを用いることを特徴とする。
上記のように、本発明者は、C2F4等の不飽和FCとの反応特性から選択性の高い反応剤を見出した。特に、反応剤として、水酸化カルシウム(Ca(OH)2),炭酸カルシウム(CaCO3),リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2),ソーダ石灰を主剤とする試剤あるいはこれらの組合せが、高い反応性を有することを検証した。具体的な反応機構、あるいは各反応式における標準生成自由エネルギー(ΔG)の計算値については、後述する。本発明は、このような反応剤を利用することによって、C2F4等の不飽和FCを選択的に反応させ、簡便で効率よく除去する方法を提供することが可能となり、不飽和FCの無害化除去が簡便に実施できるようになった。
本発明は、上記反応剤を充填する、不飽和結合を持つフルオロカーボンの処理ユニットであって、
(1)該処理ユニット内部に設けられ、試料導入部および試料供出部を有する空間部、
(2)該空間部を加熱する加熱部、
(3)前記空間部の中央に配設された、吸着剤を充填する充填部、
(4)前記空間部を前記充填部と接する2つ以上の空間に分け、各部を流通可能に仕切るガイド部、
(5)一端が前記試料導入部あるいは試料供出部のいずれかに接続されるとともに、前記充填部内において螺旋状に巻回され、前記ガイド部を介して前記充填部の外部に他端が配設された流路、
を有することを特徴とする。
(1)該処理ユニット内部に設けられ、試料導入部および試料供出部を有する空間部、
(2)該空間部を加熱する加熱部、
(3)前記空間部の中央に配設された、吸着剤を充填する充填部、
(4)前記空間部を前記充填部と接する2つ以上の空間に分け、各部を流通可能に仕切るガイド部、
(5)一端が前記試料導入部あるいは試料供出部のいずれかに接続されるとともに、前記充填部内において螺旋状に巻回され、前記ガイド部を介して前記充填部の外部に他端が配設された流路、
を有することを特徴とする。
上記反応剤の多くが、常態として粉状物あるいは微粒子状物であることから、如何に均等に効率的に反応条件を確保するかが重要である。本発明者は、こうした機能を確保するために、反応剤の充填層内部に螺旋状管路を挿入することによりガス予熱機能を有した処理ユニットを構成した。また、予熱されたガスを、充填層を流通可能に仕切るガイド部を介して充填層に導入することによって、予熱機能を有効に生かし、かつ均一に反応剤を接触可能な機能を有した処理ユニットを構成することができる。従って、不飽和FCを含有するガスを、こうした処理ユニットに流通させるだけで、不飽和FCを効率的に除去することができ、無害化することができる。
本発明は、上記処理ユニットを用いた試料処理システムであって、
少なくとも水分、二酸化炭素、飽和結合からなるフルオロカーボンのいずれかおよび不飽和結合からなるフルオロカーボンを含む試料を、前記処理ユニットに導入し、不飽和結合からなるフルオロカーボンを選択的に除去する処理操作を有することを特徴とする。
少なくとも水分、二酸化炭素、飽和結合からなるフルオロカーボンのいずれかおよび不飽和結合からなるフルオロカーボンを含む試料を、前記処理ユニットに導入し、不飽和結合からなるフルオロカーボンを選択的に除去する処理操作を有することを特徴とする。
カルシウム化合物を主剤とする反応剤は、不飽和FCと非常に選択的に反応することから、水分、CO2およびCHF3、CF4、C2F6等のFCなどを含む試料であっても、不飽和FCを他の共存成分に殆んど影響を与えずに除去することができる。また、こうした反応剤を充填した上記処理ユニットは、非常に効率的に不飽和FCを除去することが可能となった。本発明は、上記処理ユニットが有する、このような不飽和FCの効率的な除去機能を利用することによって、簡便で除去効率の高い試料処理システムを提供することが可能となった。従って、例えばプラズマエッチングプロセス等半導体製造プロセスの排ガスのように、従前非常に処理が困難であった試料についても、簡便で、効率よく、かつ選択的に不飽和FCを除去することが可能となった。
また、アルカリ性を示すカルシウム化合物は、同時にCO2の除去にも有用であり、上記のような試料条件においては、両方の機能によってこれらを除去することで、他の成分の処理を容易にすることができる。例えば、共存する飽和FCなどを回収する場合においては、こうした機能によってCO2成分の除去処理の負荷を軽減することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、不飽和FCを含む試料から、簡便で、効率よく、かつ選択的に不飽和FCを除去する方法、処理ユニットおよび該処理ユニットを用いた試料処理システムを提供することができる。特に、半導体製造プロセスの排ガスのように、少なくとも水分、CO2、飽和FCのいずれかおよび不飽和FCを含む試料中の不飽和FCを簡便な方法により選択的に無害化する技術を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
本発明は、不飽和FCを含む試料について、カルシウム化合物を主剤とする反応剤との選択的化学反応を利用し、不飽和FCを選択的に除去する方法であり、これに用いる処理ユニットおよび処理システムである。
本発明は、不飽和FCを含む試料について、カルシウム化合物を主剤とする反応剤との選択的化学反応を利用し、不飽和FCを選択的に除去する方法であり、これに用いる処理ユニットおよび処理システムである。
具体的には、例えば、プラズマエッチング等の半導体製造プロセス排ガスのように、水分、CO2、CHF3、CF4、C2F6、C2F4等が含まれる試料から不飽和FCを選択的に除去する方法であり、これに用いる処理ユニットおよび処理システムである。ただし、半導体製造プロセスなどにおいては、プロセス直後のガスを試料とする場合と、排ガス処理(除害処理)前あるいは処理後のガスを試料とする場合によって、不飽和FCの濃度あるいはその他の成分や濃度が大きく変化するが、高濃度の場合には、本システム導入前に不活性ガス(本システムで除去処理可能なガスが好ましい)による希釈処理を行うことによって、本システムの機能に適切に利用することができる。
以下、不飽和FCとカルシウム化合物を主剤とする反応剤との選択的化学反応に関する検証事項、こうした反応特性をさらに効率的に利用できるようにした不飽和FCの処理ユニットの構成およびその反応効率と選択性、およびこれを用いた試料処理システムについて詳述する。
<不飽和FCと反応剤との選択的化学反応>
試料中に含まれるC2F4やC3F6などの不飽和FCの除去を担う選択的化学反応であり、カルシウム化合物が、飽和FC等の成分に対して殆ど影響を及ぼさずに不飽和FCと特異的に反応することを利用したものである。具体的には、以下のカルシウム化合物によって、数100ppm〜数1000ppmの不飽和FCに対し99%以上の除去効率を得ることができる。
試料中に含まれるC2F4やC3F6などの不飽和FCの除去を担う選択的化学反応であり、カルシウム化合物が、飽和FC等の成分に対して殆ど影響を及ぼさずに不飽和FCと特異的に反応することを利用したものである。具体的には、以下のカルシウム化合物によって、数100ppm〜数1000ppmの不飽和FCに対し99%以上の除去効率を得ることができる。
ここで、カルシウム化合物とは、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2)などの化合物あるいはこれらを主成分とする化合物をいう。また、これらの化合物を各々混合して使用することも好適である(例えばソーダ石灰等)。カルシウム化合物は、反応温度および試料処理温度における性状の安定性から、その融点は500℃以上が好ましい。
不飽和FCとの反応については、具体的には、例えば下式1〜3のようなC2F4との反応機構によって、C2F4を除去することができる。他のカルシウム化合物についても、同様の反応が成立する。
2Ca(OH)2+C2F4→2CaF2+2H2O+2CO・・(式1)
2CaCO3+C2F4→2CaF2+2CO+2CO2・・(式2)
2Ca3(PO4)2+3C2F4+6H2O→6CaF2+6CO+4H3PO4・・(式3)
2Ca(OH)2+C2F4→2CaF2+2H2O+2CO・・(式1)
2CaCO3+C2F4→2CaF2+2CO+2CO2・・(式2)
2Ca3(PO4)2+3C2F4+6H2O→6CaF2+6CO+4H3PO4・・(式3)
各反応式における標準生成自由エネルギー(ΔG)の計算値を下表1に示す。エネルギーレベルの観点からは、カルシウム化合物が不飽和FCとの優れた反応性の可能性を示している。こうした知見を基に検証した結果、現実に優れた反応性を有することが実証できた。具体的には、後述するように、その加熱温度は200〜500℃好ましくは300〜400℃が好適である。
このとき、反応生成物である一酸化炭素(CO)は酸化、リン酸(H3PO4)は、中和によって比較的容易に安全化できる。また、ソーダ石灰については、Ca(OH)2と水酸化ナトリウム(Na(OH))の混合物であり、Ca(OH)2成分が、上記機能によってC2F4との反応に寄与するものである。さらに、Ca(OH)2やソーダ石灰のように、アルカリ性を示すカルシウム化合物は、同時にCO2の除去にも有用であり、これらを含む試料条件においては、両方の除去機能によって他の成分の処理を容易にすることができる。
また、ここで用いるカルシウム化合物は、粉状や粒状等形状は問わないが、処理ガスの圧力損失や後段での処理の負荷を考慮すると、粒状体あるいは粉状体をバインドした粒状体等が好ましく、また表面積を大きくして活性を確保することが好ましい。
<不飽和FCの処理ユニット>
カルシウム化合物を反応剤とする不飽和FCの処理ユニット(以下「処理ユニット」という。)の構成には、上記のような反応効率を維持するための高温状態の確保が必要であり、また上記反応剤の多くが、常態として粉状物あるいは微粒子状物であることから、如何に均等に効率的に反応条件を確保するかが重要である。こうした機能を確保するために、処理ユニット10は、図1(A)に例示するように、試料導入部1および試料供出部2を有し、内部に反応剤3を充填する充填層4を設けた空間部5を有するとともに、充填層4内部に螺旋状管路(予熱流路)6を挿入することによりガス予熱機能を有した処理ユニット10を構成した。また、予熱されたガスは、螺旋状管路6の他端から拡散部7に吹き出すとともに、充填層4を流通可能に仕切るガイド部8を介して充填層4に導入することによって、予熱機能を有効に生かし、かつ均一に反応剤3を接触可能なガス流を形成することができる。さらに、図1(B)のように、試料導入部1および試料供出部2を同一方向からの取り合いとすることによって、図1(C)のように、二重の螺旋状を形成することも可能であり、より高い予熱機能を確保することが可能となる。
カルシウム化合物を反応剤とする不飽和FCの処理ユニット(以下「処理ユニット」という。)の構成には、上記のような反応効率を維持するための高温状態の確保が必要であり、また上記反応剤の多くが、常態として粉状物あるいは微粒子状物であることから、如何に均等に効率的に反応条件を確保するかが重要である。こうした機能を確保するために、処理ユニット10は、図1(A)に例示するように、試料導入部1および試料供出部2を有し、内部に反応剤3を充填する充填層4を設けた空間部5を有するとともに、充填層4内部に螺旋状管路(予熱流路)6を挿入することによりガス予熱機能を有した処理ユニット10を構成した。また、予熱されたガスは、螺旋状管路6の他端から拡散部7に吹き出すとともに、充填層4を流通可能に仕切るガイド部8を介して充填層4に導入することによって、予熱機能を有効に生かし、かつ均一に反応剤3を接触可能なガス流を形成することができる。さらに、図1(B)のように、試料導入部1および試料供出部2を同一方向からの取り合いとすることによって、図1(C)のように、二重の螺旋状を形成することも可能であり、より高い予熱機能を確保することが可能となる。
つまり、図1(A)〜(C)に例示すような予熱流路6を含有する筒型処理ユニット10の充填層4に、Ca(OH)2,CaCO3,Ca3(PO4)2,ソーダ石灰の何れか一種類以上の反応剤3を充填し、この処理ユニット10を電気ヒータ9により加熱する。不飽和FCを含む試料を試料導入部1から導入すると、試料はまず処理ユニット10内の予熱流路6によりその温度は上昇し、その後加熱されている反応剤3と接触することにより不飽和FCを反応処理することができる。不飽和FCが処理された試料は、試料供出部2から供出される。
処理ユニット10に導入する試料は、0.1〜2.0[cm/s]好ましくは0.2〜0.5[cm/s]の線速が好適である。また、処理ユニット10内圧力は、少なくとも0MpaGを保持し、それ以上であることが好ましい。さらに処理ユニット10に導入する試料中の酸素などの他成分に関しては、特に規定する項目はない。処理ユニット10の材質については、ニッケル材,ステンレス材等の金属材を使用することができるが、ステンレス材が好ましく、より好ましくはステンレス316材が好適である。また、必要な場合には、ガイド部8にフィルタを設ける、あるいはガイド部8自体を、焼結材等フィルタ機能を有する素材で構成することも好適である。
<実施例>
次に、上記のような処理ユニットを用い、図2に例示する実験装置を用いて、実際に不飽和FCとカルシウム化合物との反応性を検証した結果を詳述する。
次に、上記のような処理ユニットを用い、図2に例示する実験装置を用いて、実際に不飽和FCとカルシウム化合物との反応性を検証した結果を詳述する。
〔実施例1〕
(1)使用した処理ユニット
内径33mm,長さ150mmのステンレス316製の処理ユニット(図1(A)と同一構造)に水酸化カルシウムを約40g充填し、電気ヒータにより処理ユニットを300℃に加熱した。
(2)実験条件
図2に示す装置に、この加温された処理ユニット10をセットし、約3000ppmC2F4/Heバランスのガス21を減圧弁22により調圧し、マスフローコントローラー(堀場エステック社製、型式:SEC−4400MC−MK3)23により処理ユニット10へ導入する流量を調整した。このとき、線速を0.2cm/s、処理ユニット10内部圧力を0MpaGに調整した。また、C2F4の無害化の効果を確認するために、処理ユニット10入口と出口のC2F4濃度をフーリエ変換赤外分光測定装置(FT−IR、Thermo−Nicolet社製、型式:AVATAR)24により計測した。なお、本実験に使用したガス21中のC2F4以外の成分濃度は、1ppm以下である。
(3)実験結果
処理ユニット10出口におけるC2F4の濃度は、0.1ppm以下であった。
(1)使用した処理ユニット
内径33mm,長さ150mmのステンレス316製の処理ユニット(図1(A)と同一構造)に水酸化カルシウムを約40g充填し、電気ヒータにより処理ユニットを300℃に加熱した。
(2)実験条件
図2に示す装置に、この加温された処理ユニット10をセットし、約3000ppmC2F4/Heバランスのガス21を減圧弁22により調圧し、マスフローコントローラー(堀場エステック社製、型式:SEC−4400MC−MK3)23により処理ユニット10へ導入する流量を調整した。このとき、線速を0.2cm/s、処理ユニット10内部圧力を0MpaGに調整した。また、C2F4の無害化の効果を確認するために、処理ユニット10入口と出口のC2F4濃度をフーリエ変換赤外分光測定装置(FT−IR、Thermo−Nicolet社製、型式:AVATAR)24により計測した。なお、本実験に使用したガス21中のC2F4以外の成分濃度は、1ppm以下である。
(3)実験結果
処理ユニット10出口におけるC2F4の濃度は、0.1ppm以下であった。
〔実施例2〕
(1)実験条件
実施例1と同様の実験条件において、処理ユニット10の圧力を0.2MpaG,線速を0.6cm/sに調整した。
(2)実験結果
その効果を確認したところ、処理ユニット10出口のC2F4濃度は、0.1ppm以下であった。
(1)実験条件
実施例1と同様の実験条件において、処理ユニット10の圧力を0.2MpaG,線速を0.6cm/sに調整した。
(2)実験結果
その効果を確認したところ、処理ユニット10出口のC2F4濃度は、0.1ppm以下であった。
〔実施例3〕
(1)実験条件
実施例1と同様の実験条件において、処理ユニット10に導入するガスの組成を、次のように設定し、このガス中のC2F4無害化効果を、処理ユニット10出口のC2F4濃度をFT−IR24により計測することにより確認した。
C2F4:約2500ppm
H2O:5000ppm
N2:バランス
(2)実験結果
結果は、処理ユニット10出口のC2F4濃度は、0.1ppm以下であった。
(1)実験条件
実施例1と同様の実験条件において、処理ユニット10に導入するガスの組成を、次のように設定し、このガス中のC2F4無害化効果を、処理ユニット10出口のC2F4濃度をFT−IR24により計測することにより確認した。
C2F4:約2500ppm
H2O:5000ppm
N2:バランス
(2)実験結果
結果は、処理ユニット10出口のC2F4濃度は、0.1ppm以下であった。
〔実施例4〕
(1)実験条件
実施例1と同様にして、処理ユニット10に充填する反応剤をCa3(PO4)2に変更し、処理ユニット10の加熱温度を400℃に設定して、その効果を確認した。
(2)実験結果
結果は、実施例1と同様であった。図3は、試料を処理ユニット10に導入した場合(Reactor)と導入しなかった場合(Bypass)とのFT−IR24によって測定した吸収スペクトルの相違を例示する。後者では大きなピーク(スケールオーバー)が見られるのに対し、前者ではC2F4の吸収スペクトルについて全くピークが見られなかった。
(1)実験条件
実施例1と同様にして、処理ユニット10に充填する反応剤をCa3(PO4)2に変更し、処理ユニット10の加熱温度を400℃に設定して、その効果を確認した。
(2)実験結果
結果は、実施例1と同様であった。図3は、試料を処理ユニット10に導入した場合(Reactor)と導入しなかった場合(Bypass)とのFT−IR24によって測定した吸収スペクトルの相違を例示する。後者では大きなピーク(スケールオーバー)が見られるのに対し、前者ではC2F4の吸収スペクトルについて全くピークが見られなかった。
〔実施例5〕
(1)実験条件
実施例1と同様にして、処理ユニット10に充填する反応剤をソーダ石灰に変更して、その効果を確認した。
(2)実験結果
結果は、実施例1と同様であった。
(1)実験条件
実施例1と同様にして、処理ユニット10に充填する反応剤をソーダ石灰に変更して、その効果を確認した。
(2)実験結果
結果は、実施例1と同様であった。
〔実施例6〕
(1)実験条件
実施例1と同様にして、処理ユニット10の加熱温度を250〜350℃まで変化させ、試料を処理ユニット10に導入しなかった場合(Bypass)、導入した処理ユニット10の加熱温度を250℃、300℃、350℃に設定した場合について、その効果を確認した。
(2)実験結果
実験結果として、FT−IR24によって測定した吸収スペクトルの相違を図4に例示する。250℃に加熱した場合には、C2F4の吸収スペクトルについて依然小さなピークが見られるのに対し、300℃以上では全くピークが見られなかった。300℃以上において高い反応効率を得ることができることが判った。
(1)実験条件
実施例1と同様にして、処理ユニット10の加熱温度を250〜350℃まで変化させ、試料を処理ユニット10に導入しなかった場合(Bypass)、導入した処理ユニット10の加熱温度を250℃、300℃、350℃に設定した場合について、その効果を確認した。
(2)実験結果
実験結果として、FT−IR24によって測定した吸収スペクトルの相違を図4に例示する。250℃に加熱した場合には、C2F4の吸収スペクトルについて依然小さなピークが見られるのに対し、300℃以上では全くピークが見られなかった。300℃以上において高い反応効率を得ることができることが判った。
〔実施例7〕
(1)実験条件
Ca(OH)2を反応剤とする処理ユニット10を、6ヶ月間、実際の半導体製造プロセス排ガス処理装置の排ガス流路にセットし実装状態で稼動させた後に、その前後の反応状態を確認した。処理ユニット10から供出されるガス中のC2F4濃度を測定し、処理ユニット10の反応効果を検証した。
(2)実験結果
6ヶ月間の実装試験後の処理ユニット10においても、処理ユニット10から供出されるガス中のC2F4濃度は検出限界レベル以下であることを実証することができ、化学量論的に下式1が成立することが判った。つまり、長期の使用においても量論的に反応することが検証でき、使用期間を量論的に推算することが可能であることが判った。
2Ca(OH)2+C2F4→2CaF2+2H2O+2CO・・(式1)
(1)実験条件
Ca(OH)2を反応剤とする処理ユニット10を、6ヶ月間、実際の半導体製造プロセス排ガス処理装置の排ガス流路にセットし実装状態で稼動させた後に、その前後の反応状態を確認した。処理ユニット10から供出されるガス中のC2F4濃度を測定し、処理ユニット10の反応効果を検証した。
(2)実験結果
6ヶ月間の実装試験後の処理ユニット10においても、処理ユニット10から供出されるガス中のC2F4濃度は検出限界レベル以下であることを実証することができ、化学量論的に下式1が成立することが判った。つまり、長期の使用においても量論的に反応することが検証でき、使用期間を量論的に推算することが可能であることが判った。
2Ca(OH)2+C2F4→2CaF2+2H2O+2CO・・(式1)
<上記処理ユニットを用いた処理システム>
上記処理ユニットは、種々の成分が共存する試料から不飽和FCを、選択的にかつ効率的に除去する機能を有している。こうした機能は、半導体製造プロセスの排ガスのように少なくとも水分、CO2、飽和FCのいずれかおよび不飽和FCを含む試料に対して、排ガスの無害化のみならず、他の成分を回収する場合において非常に有用な手段となる。
上記処理ユニットは、種々の成分が共存する試料から不飽和FCを、選択的にかつ効率的に除去する機能を有している。こうした機能は、半導体製造プロセスの排ガスのように少なくとも水分、CO2、飽和FCのいずれかおよび不飽和FCを含む試料に対して、排ガスの無害化のみならず、他の成分を回収する場合において非常に有用な手段となる。
このとき、後述するように、処理ユニットに導入される試料の条件(他の成分の組成)によって、不飽和FCに対する選択的除去特性を確認することができるとともに、アルカリ性を示すカルシウム化合物は、同時にCO2の除去にも有用であり、上記のような試料条件においては、両方の機能によってこれらの成分の処理手段の負荷を軽減することが可能となる。
具体的に、処理手段A1,A1’,A2,A3およびA4から構成される処理システムにおいて、ソーダ石灰を反応剤とする処理ユニットを用いた以下の3つの処理システムにおける実施例について報告する。ここで、処理手段A1およびA1’とは試料中の水分とCO2を吸着除去する第1吸着手段A1、処理手段A2とは主として飽和FCを分離除去するガス分離膜モジュールからなるガス分離手段A2、処理手段A3とは希ガス成分を吸着濃縮する第2吸着手段A3、処理手段A4とは不飽和FCと反応する反応剤が充填された反応手段A4(上記処理ユニットに相当する)をいう。
〔実施例8〕
(1)試料条件
テストガスとして、希ガス(Xe),水分,CO2が0.3%,3.1%,0.3%、およびFCとしてCF4濃度1000ppm,CHF3濃度100ppm,C2F6濃度200ppm,C2F4濃度500ppmの窒素バランスガスとし、流量を25slmに設定した。
(2)実験処理システム
図5に例示するように、第1吸着手段A1によって水分とCO2を除去し、ガス分離膜モジュールからなるガス分離手段A2によって主として飽和FCを除去し、第2吸着手段A3によって希ガス成分を濃縮する。濃縮された試料は、反応剤が充填された反応手段A4によって不飽和FCを除去し、再度第3吸着手段A1’によって、水分とCO2を除去し精製される。このときの反応手段A4の入口および出口の試料組成を測定した。
(3)実験結果
下表2のように、CHF3、CF4、C2F6、という他の成分に影響を及ぼすことなくC2F4を選択的に除去することができ、かつCO2も前述のFT−IRによる測定で検出限界レベルまで除去することができた。
(1)試料条件
テストガスとして、希ガス(Xe),水分,CO2が0.3%,3.1%,0.3%、およびFCとしてCF4濃度1000ppm,CHF3濃度100ppm,C2F6濃度200ppm,C2F4濃度500ppmの窒素バランスガスとし、流量を25slmに設定した。
(2)実験処理システム
図5に例示するように、第1吸着手段A1によって水分とCO2を除去し、ガス分離膜モジュールからなるガス分離手段A2によって主として飽和FCを除去し、第2吸着手段A3によって希ガス成分を濃縮する。濃縮された試料は、反応剤が充填された反応手段A4によって不飽和FCを除去し、再度第3吸着手段A1’によって、水分とCO2を除去し精製される。このときの反応手段A4の入口および出口の試料組成を測定した。
(3)実験結果
下表2のように、CHF3、CF4、C2F6、という他の成分に影響を及ぼすことなくC2F4を選択的に除去することができ、かつCO2も前述のFT−IRによる測定で検出限界レベルまで除去することができた。
〔実施例9〕
(1)試料条件
テストガスとして、水分を含まないこと以外は、実施例8と同様に設定した。
(2)実験処理システム
図6に例示するように、最初にガス分離膜モジュールからなるガス分離手段A2によって主として飽和FCを除去し、その後第1吸着手段A1によって水分とCO2を除去し、第2吸着手段A3によって希ガス成分を濃縮する。濃縮された試料は、反応剤が充填された反応手段A4によって不飽和FCを除去し、再度第3吸着手段A1’によって、水分とCO2を除去し精製される。このときの反応手段A4の入口および出口の試料組成を測定した。
(3)実験結果
上表2のように、反応手段A4の入口においては、既にC2F6が除去され、微量ながら水分が存在するという点において実施例8と相違する点があったが、CHF3やCF4という他の成分に影響を及ぼすことなくC2F4を選択的に除去することができ、かつCO2も検出限界レベルまで除去することができた。
(1)試料条件
テストガスとして、水分を含まないこと以外は、実施例8と同様に設定した。
(2)実験処理システム
図6に例示するように、最初にガス分離膜モジュールからなるガス分離手段A2によって主として飽和FCを除去し、その後第1吸着手段A1によって水分とCO2を除去し、第2吸着手段A3によって希ガス成分を濃縮する。濃縮された試料は、反応剤が充填された反応手段A4によって不飽和FCを除去し、再度第3吸着手段A1’によって、水分とCO2を除去し精製される。このときの反応手段A4の入口および出口の試料組成を測定した。
(3)実験結果
上表2のように、反応手段A4の入口においては、既にC2F6が除去され、微量ながら水分が存在するという点において実施例8と相違する点があったが、CHF3やCF4という他の成分に影響を及ぼすことなくC2F4を選択的に除去することができ、かつCO2も検出限界レベルまで除去することができた。
〔実施例10〕
(1)試料条件
テストガスとして、水分およびC2F6を含まないこと以外は、実施例8と同様に設定した。
(2)実験処理システム
図7に例示するように、最初に反応剤が充填された反応手段A4によって不飽和FCを除去し、その後第1吸着手段A1によって水分とCO2を除去し、ガス分離膜モジュールからなるガス分離手段A2によって主として飽和FCを除去し、第2吸着手段A3によって希ガス成分を濃縮する。濃縮された試料は、再度第3吸着手段A1’によって、水分とCO2を除去し精製される。このときの反応手段A4の入口および出口の試料組成を測定した。
(3)実験結果
上表2のように、CHF3およびCF4という他の成分に影響を及ぼすことなくC2F4を選択的に除去することができた。またCO2については検出限界レベルまで除去することができた。
(1)試料条件
テストガスとして、水分およびC2F6を含まないこと以外は、実施例8と同様に設定した。
(2)実験処理システム
図7に例示するように、最初に反応剤が充填された反応手段A4によって不飽和FCを除去し、その後第1吸着手段A1によって水分とCO2を除去し、ガス分離膜モジュールからなるガス分離手段A2によって主として飽和FCを除去し、第2吸着手段A3によって希ガス成分を濃縮する。濃縮された試料は、再度第3吸着手段A1’によって、水分とCO2を除去し精製される。このときの反応手段A4の入口および出口の試料組成を測定した。
(3)実験結果
上表2のように、CHF3およびCF4という他の成分に影響を及ぼすことなくC2F4を選択的に除去することができた。またCO2については検出限界レベルまで除去することができた。
以上のように、処理ユニットは、例えば半導体製造プロセス排ガス中の種々のFCが含まれる試料から、不飽和FCを機能的に除去するのみならず、高純度な希ガスあるいは特定の成分を回収精製する場合に必要な、C2F4等の不飽和FCの選択的な除去を可能とする、排出ガス中の除去技術としても使用できる。
1 試料導入部
2 試料供出部
3 反応剤
4 充填層
5 空間部
6 螺旋状管路(予熱流路)
7 拡散部
8 ガイド部
9 電気ヒータ
10 処理ユニット
2 試料供出部
3 反応剤
4 充填層
5 空間部
6 螺旋状管路(予熱流路)
7 拡散部
8 ガイド部
9 電気ヒータ
10 処理ユニット
Claims (4)
- 試料中の不飽和結合を持つフルオロカーボンを選択的に除去する方法であって、カルシウム化合物を主剤とする反応剤と該フルオロカーボンとの選択的化学反応を利用することを特徴とする不飽和結合を持つフルオロカーボンの選択的除去方法。
- 前記反応剤として、水酸化カルシウム,炭酸カルシウム,リン酸三カルシウム,ソーダ石灰を主剤とする試剤あるいはこれらの組合せを用いることを特徴とする請求項1記載の不飽和結合を持つフルオロカーボンの選択的除去方法。
- 請求項1または2に係る反応剤を充填する処理ユニットであって、
(1)該処理ユニット内部に設けられ、試料導入部および試料供出部を有する空間部、
(2)該空間部を加熱する加熱部、
(3)前記空間部の中央に配設された、吸着剤を充填する充填部、
(4)前記空間部を前記充填部と接する2つ以上の空間に分け、各部を流通可能に仕切るガイド部、
(5)一端が前記試料導入部あるいは試料供出部のいずれかに接続されるとともに、前記充填部内において螺旋状に巻回され、前記ガイド部を介して前記充填部の外部に他端が配設された流路、
を有することを特徴とする不飽和結合を持つフルオロカーボンの処理ユニット。 - 請求項3に係る処理ユニットを用いた試料処理システムであって、
少なくとも水分、二酸化炭素、飽和結合からなるフルオロカーボンのいずれかおよび不飽和結合からなるフルオロカーボンを含む試料を、前記処理ユニットに導入し、不飽和結合からなるフルオロカーボンを選択的に除去する処理操作を有することを特徴とする試料処理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006325345A JP2008136932A (ja) | 2006-12-01 | 2006-12-01 | 不飽和結合を持つフルオロカーボンの選択的除去方法および処理ユニットおよび該処理ユニットを用いた試料処理システム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011526882A (ja) * | 2008-07-04 | 2011-10-20 | ザ サウス アフリカン ニュークリア エナジー コーポレイション リミテッド | ガス状化合物の混合物からガス状成分を回収するガス状成分回収方法 |
WO2012026945A1 (en) | 2010-08-27 | 2012-03-01 | Empire Technology Development Llc | Hydrofluorocarbon elimination device |
JP2021154240A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | 日本エア・リキード合同会社 | 希ガス回収システムおよび回収方法 |
-
2006
- 2006-12-01 JP JP2006325345A patent/JP2008136932A/ja active Pending
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WO2012026945A1 (en) | 2010-08-27 | 2012-03-01 | Empire Technology Development Llc | Hydrofluorocarbon elimination device |
JP2013542052A (ja) * | 2010-08-27 | 2013-11-21 | エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー | ハイドロフルオロカーボン除去デバイス |
EP2608868A4 (en) * | 2010-08-27 | 2018-01-17 | Empire Technology Development LLC | Hydrofluorocarbon elimination device |
JP2021154240A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | 日本エア・リキード合同会社 | 希ガス回収システムおよび回収方法 |
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