JP5626741B1 - 磁気メモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】電流による書き込み及び読み出しが可能で、サイズが小さく高速な磁気メモリを提供する。【解決手段】2か所の磁壁保持部14,15を備える強磁性構造体10を用い、両端部に電流源20を接続し、一方の端部と中央部12に電圧計30を接続した。情報書き込みは電流源20から流す電流の向きによって2つの磁壁保持部のいずれかに磁壁を保持するかによって行う。情報読み出しは、電流源から一方向の読み出し電流を流し、電圧計の出力により磁壁が保持されている磁壁保持部を検出することで行う。情報書き込み時と情報読み出し時の電流経路を同じにして電流制御のためのスイッチング素子を1個にして磁気メモリのサイズの縮小を図った。また、情報の読み出しを非破壊的に行うことで、読み出し後に磁壁の位置を元に戻すための通電を不要にした。【選択図】図1

Description

本発明は、電流による書き込み及び読み出しが可能な不揮発性の磁気メモリに関する。
電子は、電気伝導を担う電荷に加え、磁性を担うスピンを有する。近年、電子の電荷を活用したエレクトロニクスに加えて、スピンの性質を積極的に利用したスピントロニクス素子の開発に注目が集まっている。例えば、スピン注入を用いたトンネル磁気抵抗素子として、スピン注入素子が提案されている。また、強磁性体中に挿入された磁壁を移動させると、その磁壁部分に起電力が発生することが知られている(非特許文献1)。
特許文献1には、強磁性構造体をメモリセルとし、電流によって磁壁を移動させることにより情報の書き込みと読み出しを行う磁気メモリが記載されている。この磁気メモリは、磁壁保持部が2か所形成された強磁性構造体の両端部に接続された第1及び第2の電極と中央部に接続された中央電極を備える。情報の記録に当たっては、両端の第1及び第2の電極から強磁性構造体に電流を流し、電流の向きによって磁壁を2か所の磁壁保持部のいずれかに保持する。磁壁が2か所の磁壁保持部のどちらに保持されているかを情報の“1”と“0”に対応させる。情報の読み出しに当たっては、第1の電極と中央電極の間に電流を流し、第2の電極と中央電極の間に流れる電流の有無により磁壁が保持されている磁壁保持部を検出して読み出しを行う。
特許第4962889号
Physical Review B 82, 054410 (2010)
特許文献1に記載された磁気メモリは、情報記憶時には強磁性構造体の両端に接続された電極の間に電流を流す。一方、情報読み出し時には、強磁性構造体の一端に接続された電極と中央に接続された電極の間に電流を流す。つまり、情報記憶時と情報読み出し時とで電流経路が異なるため、強磁性構造体に流す電流制御のためのスイッチング素子(トランジスタ)が2個必要であり、磁気メモリのサイズが大きくなる。また、一方の磁壁保持部では読み出し動作によって磁壁が他方の磁壁保持部に移動し、記憶した情報が破壊されてしまうため、読み出し後に磁壁の位置を元の磁壁保持部に戻すための通電が必要になる。
本発明は、電流による書き込み及び読み出しが可能で、サイズが小さな磁気メモリを提供することを目的とする。また、読み出し動作によって情報の破壊が生じることのない磁気メモリを提供することを目的とする。
本発明では、2か所の磁壁保持部を備える強磁性構造体を用いる磁気メモリにおいて、情報書き込み時と情報読み出し時の電流経路を同じにして電流制御のためのスイッチング素子(トランジスタ)を1個とすることで磁気メモリのサイズの縮小を図った。
また、情報の読み出しを非破壊的に行うことで、読み出し後に磁壁の位置を元に戻すための通電を不要にした。
また、磁壁保持部に情報を保持する磁気メモリのサイズを小さくするためには、磁壁幅が小さな強磁性構造体を用いることが好ましい。そのための材料選択を行った。
本発明による磁気メモリは、磁壁を安定に保持できる第1の磁壁保持部及び第2の磁壁保持部を備える強磁性構造体と、強磁性構造体の両端部に接続された第1の電極及び第2の電極と、強磁性構造体の第1の磁壁保持部と第2の磁壁保持部の間の位置に接続された第3の電極と、第1の電極と前記第2の電極に接続された電流源と、第1の電極と第3の電極の間に接続された電圧計と、を備え、電流源から第1の電極及び第2の電極を介して強磁性構造体に流す電流の向きに応じて強磁性構造体の磁壁を第1の磁壁保持部と第2の磁壁保持部のいずれかに保持させることにより情報の記録を行い、電流源から第1の電極及び第2の電極を介して強磁性構造体に一定方向の読み出し電流を流し、電圧計の出力により磁壁が保持されている磁壁保持部を特定することで情報読み出しを行う。
一方の磁壁保持部に保持されている磁壁は読み出し電流により他方の磁壁保持部に移動しない。換言すると、読み出し電流の大きさは、読み出し電流により記憶している情報が破壊されることがない大きさとした。
強磁性構造体は電流が流れる方向に垂直な方向の断面積が第1の磁壁保持部及び第2の磁壁保持部で極小となる形状とすることができる。
また、強磁性構造体は、第1の磁壁保持部及び第2の磁壁保持部を挟む両端部に互いに磁化が逆方向を向いた磁化固定膜が積層されていてもよい。これにより、強磁性構造体には1つの磁壁が挿入されることが確実になる。
強磁性構造体の材料としては、Co,Co/Ni多層膜,FePtが好ましい。
また、本発明による磁気ランダムアクセスメモリは、磁壁を安定に保持できる第1の磁壁保持部及び第2の磁壁保持部を備える強磁性構造体と、強磁性構造体の両端部に接続された第1の電極及び第2の電極と、強磁性構造体の第1の磁壁保持部と第2の磁壁保持部の間の位置に接続された第3の電極と、強磁性構造体に流れる電流をオン・オフ制御するスイッチング素子とを各々備える磁気メモリセルが2次元アレイ状に配列されたメモリセル群と、メモリセル群の中の所望の磁気メモリセルを選択する選択手段と、選択手段によって選択された磁気メモリセルの第1の電極及び第2の電極を介して強磁性構造体に流す電流の向きに応じて強磁性構造体の磁壁を前記第1の磁壁保持部と第2の磁壁保持部のいずれかに保持させることにより情報の記録を行い、選択手段によって選択された磁気メモリセルの第1の電極及び第2の電極を介して強磁性構造体に一定方向、かつ一方の磁壁保持部に保持されている磁壁が他方の磁壁保持部に移動しない大きさの読み出し電流を流し、第1の電極と第3の電極の間に発生する電圧により磁壁が保持されている磁壁保持部を特定することで情報読み出しを行うものである。
本発明によると、高集積化が可能で高速動作する不揮発性メモリを提供することができる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の磁気メモリの構成例を示す模式図。 強磁性構造体に存在する磁壁の位置と磁壁エネルギーの関係を示す図。 磁気メモリの書き込み動作を説明する模式図。 磁気メモリの書き込み動作を説明する模式図。 磁気メモリの読み出し動作を説明する模式図。 読み出し電流の波形と電圧計の出力波形の例を示す模式図。 磁気メモリの読み出し動作を説明する模式図。 読み出し電流の波形と電圧計の出力波形の例を示す模式図。 本発明の磁気メモリセルの構成例を示す概略図。 磁気ランダムアクセスメモリの構成例を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の磁気メモリの構成例を示す模式図である。
本実施例の磁気メモリは、強磁性構造体10、磁気メモリに対して情報の書き込み及び読み出しを行うための電流を流す電流源20、及び情報の読み出しに用いられる電圧計30を備える。強磁性構造体10は板状、棒状あるいは柱状などの形状を有し、第1の端部11、中央部12及び第2の端部13の3つの部分からなる。第1の端部11と中央部12の間には断面積が小さくなったくびれ領域が設けられ、このくびれ領域は磁壁を安定に保持できる第1の磁壁保持部14として機能する。また、第2の端部13と中央部12の間にも断面積が小さくなったくびれ領域が設けられ、このくびれ領域は磁壁を安定に保持できる第2の磁壁保持部15として機能する。電流源20は強磁性構造体10の第1の端部11と第2の端部13に接続されていて、強磁性構造体10に書き込み電流あるいは読み出し電流を流す。電圧計30は強磁性構造体10の第1の端部11と中央部12に接続されていて、電流源20から強磁性構造体10に読み出し電流を印加した時の電圧計30の出力に基づいて情報の読み出しを行う。なお、電圧計30は、強磁性構造体10の第2の端部13と中央部12の間に接続してもよい。
強磁性構造体10の材料としては、形成される磁壁幅が小さく、かつ移動が容易な特性をもつ材料が好ましく、例えばCo,Co/Ni多層膜,FePtなどを用いることができる。本実施例では、強磁性構造体10としてCo/Ni多層膜を用いた。また、本実施例では強磁性構造体の形状を板状とし、大きさは幅20nm,長さ120nm,厚さ2nmで2個所のくびれの位置は板の両端より内部に40nmの位置とし、くびれ幅4nmとした。
図2は、強磁性構造体に存在する磁壁の位置と磁壁エネルギーの関係を示す図である。磁壁に蓄えられるエネルギーは、強磁性構造体の磁壁位置の断面積に比例するため、第1の磁壁保持部14及び第2の磁壁保持部15で極小値をとり、第1の磁壁保持部14と第2の磁壁保持部15の間の中央部12の個所で極大値を取る。すなわち、磁壁は第1の磁壁保持部14あるいは第2の磁壁保持部15においてエネルギー的に安定となり、この2つの磁壁保持部のいずれかに保持される。また、2つの磁壁保持部14,15の間にはエネルギー障壁Ebが存在し、一方の磁壁保持部に保持されている磁壁にこのエネルギー障壁Ebを超えるエネルギーを与えて駆動すると磁壁を他方の磁壁保持部に移動させることができる。本実施例の強磁性構造体の場合、エネルギー障壁Ebは、磁気異方性定数Ku=4×105J/m3,交換スティフネスAex=10-11J/m,断面積Scross=10nm2なので、Eb=(Kuex1/2cross=7.2×10-20Jと見積もられる。
図3及び図4は、本実施例の磁気メモリの書き込み動作を説明する模式図である。図3は、第1の磁壁保持部14に保持されている磁壁16を第2の磁壁保持部15に移動する書き込み動作の説明図である。磁壁は強磁性構造体10に電流を流すことによって移動させることができる。第1の磁壁保持部14に保持されている磁壁16を第2の磁壁保持部15に移動する場合には、図3に示すように、電流源20から強磁性構造体に対して第2の端部13から第1の端部11の方向に書き込み電流IWを流す。書き込み電流IWをパルス電流とする場合、前述のエネルギー障壁Eb(7.2×10-20J)を超えるには、例えば大きさ100μAの電流をパルス幅1nsで与えればよい。
図4は、第2の磁壁保持部15に保持されている磁壁16を第1の磁壁保持部14に移動する書き込み動作の説明図である。この場合には、電流源20から強磁性構造体10に対して第1の端部11から第2の端部13の方向に書き込み電流IWを流す。書き込み電流は、例えば大きさ−100μAの電流をパルス幅1nsで与えればよい。
例えば、第1の磁壁保持部14に磁壁が存在する状態を“1”、第2の磁壁保持部15に磁壁が存在する状態を“0”と定義すれば、磁壁の存在する場所により2値のデジタル磁気記録を行なうことができる。磁壁16は、第1の磁壁保持部14あるいは第2の磁壁保持部15に保持された後は、書き込み電流を遮断してもその磁壁保持部に永久的に保持される。従って、本実施例の磁気メモリは不揮発メモリとなる。
なお、本実施例では、強磁性構造体10の第1の端部11と第2の端部13の上に、磁化が互いに逆方向を向いた磁化固定層41,42を積層している。磁化固定層41,42を積層することで、それと強磁性結合する第1の端部11の磁化と第2の端部13の磁化は互いに逆向きに固定される。この構造により、強磁性構造体10の第1の端部11と第2の端部13の間には必ず1個の磁壁が挿入されること、換言すると安定状態では第1の磁壁保持部14あるいは第2の磁壁保持部15のいずれかに必ず磁壁が保持されることが保証される。磁化固定層41,42としては、Co,Co/Ni多層膜,FePtなどを用いることができる。図では、磁性膜を垂直磁化膜として示しているが、磁性膜が面内磁化膜であっても同様である。
図5は、本実施例の磁気メモリの読み出し動作を説明する模式図である。図5は、磁気メモリを構成する強磁性構造体10の第1の磁壁保持部14に磁壁16が保持されている場合、すなわち情報“1”を読み出す場合の動作を示している。図6は、そのときの読み出し電流の波形と電圧計の出力波形の例を示す模式図である。
電流源20から強磁性構造体10に読み出し電流パルスを印加する。図示した例では、強磁性構造体10に第2の端部13から第1の端部11に向かう方向の読み出し電流IRを印加している。この読み出し電流IRによって、第1の磁壁保持部14に保持されている磁壁16は第2の磁壁保持部15の方向に移動する。但し、このとき読み出し電流IRによって磁壁に与えられるエネルギーは、磁壁が図2に示したエネルギー障壁Ebを超えることができないエネルギーとなるように調整されている。本実施例の場合、エネルギー障壁Ebは 7.2×10-20Jであるので、例えば読み出し電流IRとして大きさ50μAの電流をパルス幅1nsで与えればよい。
このとき、第1の磁壁保持部14に保持されている磁壁16は読み出し電流パルスの印加によって第2の磁壁保持部15の方向に移動し、第1の磁壁保持部14と中央部12の幅広部の間の位置17まで達するがエネルギー障壁のため中央部12の幅広部を超えることができない。そして、読み出し電流パルスの印加が止まると、第1の磁壁保持部14と中央部12の幅広部の間の位置17にあった磁壁は、磁壁エネルギーが低い第1の磁壁保持部14の方に戻り、第1の磁壁保持部14に達してそこに安定的に保持される。このとき強磁性構造体10の中央部12には磁壁移動により起電力が発生する。起電力の方向は磁壁移動の方向に依存するので、強磁性構造体10の第1の端部11と中央部12に接続された電圧計30には図6に示したような出力波形が得られる。
図7は、本実施例の磁気メモリの読み出し動作を説明する別の模式図である。図7は、磁気メモリを構成する強磁性構造体10の第2の磁壁保持部15に磁壁16が存在する場合、すなわち情報“0”を読み出す場合の動作を示している。図8は、そのときの読み出し電流の波形と電圧計の出力波形の例を示す模式図である。
電流源20から強磁性構造体10に、図5の場合と同様に第2の端部13から第1の端部11に向かう方向の読み出し電流IRを流す。読み出し電流IRは、情報“1”の読み出しの時と同じであり、例えば大きさ50μAの電流をパルス幅1nsで与える。この読み出し電流によって、強磁性構造体10第2の磁壁保持部15に保持されている磁壁は第2の端部13の方向に移動する。但し、このとき読み出し電流が磁壁に与えるエネルギーは、磁壁16が図2に示したエネルギー障壁Ebを超えることがない大きさのエネルギーであり、第2の端部13の幅広部に達するのに必要なエネルギーより小さいので、磁壁16は強磁性構造体10の第2の端部13の幅広部に達することができない。
そして、読み出し電流パルスの印加が止まると、第2の磁壁保持部15と第2の端部13の幅広部の間に位置していた磁壁は、磁壁エネルギーが低い第2の磁壁保持部15の方に戻り、第2の磁壁保持部15に達してそこに安定的に保持される。このとき強磁性構造体10の第2の端部13の部分には磁壁移動により起電力が発生する。しかし、電圧計30は強磁性構造体10の第1の端部11と中央部12に接続されているため、電圧計30はこの磁壁移動による起電力を検出することができず、結果として電圧計30の出力には変化が生じない。
こうして、強磁性構造体に同じ読み出し電流を流して電圧計の出力を観察することにより、磁気メモリを構成する強磁性構造体の2つの磁壁保持部のどちらに磁壁が保持されているかを特定することができる。つまり、強磁性構造体10に同じ読み出し電流を流したとき、磁気メモリに記憶されている情報が“1”であるか“0”であるかによって電圧計30の出力が異なるので、電圧計の出力に基づいて情報を読み出すことができる。
なお、ここでは読み出し電流を強磁性構造体10の第2の端部13から第1の端部11の方向に流したが、逆に第1の端部11から第2の端部13に向かって読み出し電流を流しても構わない。また、電圧計30を接続する個所も、強磁性構造体10の第1の端部11と中央部12ではなく、第2の端部13と中央部12に接続するようにしてもよい。
本実施例によると、一方の磁壁保持部に保持されている磁壁は読み出し電流により他方の磁壁保持部に移動しない。すなわち、本実施例の読み出し方法は、磁気メモリに記憶されている情報を破壊することのない非破壊読み出しであるので、破壊読み出しの場合に必要であった情報読み出しの後に破壊された情報を復元するための動作が不要である。従って、本実施例によると、破壊読み出しの場合に比べて高速に情報を読み出すことができる。
図9は、本発明の磁気メモリセルの構成例を示す概略図である。
MOSトランジスタ50は、2つのn型半導体51,52と一つのp型半導体53からなる。n型半導体52に接続されたドレイン電極54は、電極55を介して接地されている。n型半導体51にはソース電極56が接続されている。ゲート電極57のON/OFFにより、ソース電極56とドレイン電極54の間に流れる電流のON/OFFが制御される。ソース電極56は、その上に積層された何層かの電極を介して強磁性構造体10の第2の端部13に接続されている。ビット線58は強磁性構造体10の第1の端部11に接続されている。本実施例の磁気メモリセルは、更に強磁性構造体10の中央部12に接続された出力線59を有する。
本実施例の磁気メモリセルは1個のスイッチング素子50により、書き込み及び読み出しを行うことができる。図9からわかるように、この磁気メモリセルの占める面積は、2F×4F=8F2と高集積である。なお、磁気メモリセルの寸法を縮小して高集積化を図るためには強磁性構造体10の寸法を小さく抑えることが必要であり、そのためには磁壁幅を小さくできる強磁性材料を選択する必要がある。強磁性材料であっても、例えばパーマロイは磁壁幅が100nm程度になるため、強磁性構造体の寸法が大きくなって磁気メモリセルの大きさを小さくすることができない。この磁壁幅が小さいという観点からすると、強磁性体構造体の材料としてはCo,Co/Ni多層膜,FePtなどが好ましい。磁壁幅dwはdw=(Aex/Ku-1/2と表わされるので、Coで5.8nm、Co/Ni多層膜で5nm、FePtで14nmと見積もられる。
図10は、図9に示した磁気メモリセルを複数個アレイ状に配置して構成した磁気ランダムアクセスメモリの構成例を示す図である。ゲート電極57とビット線58及び出力線59が磁気メモリセルに電気的に接続されている。ビット線58を制御するドライバとしてビット線ドライバ61が設置され、ゲート電極57を制御するドライバとしてゲートドライバ62が設置されている。また、出力線59の信号は読み出し回路63に供給され、信号の読み出しが行われる。ビット線ドライバ61とゲート線ドライバ62により、情報の書き込みあるいは読み出しを行う磁気メモリセルが選択される。磁気ランダムアクセスメモリへの情報の書き込みは、選択された磁気メモリセルに正方向あるいは負方向の書き込み電流パルスを印加することで行われる。また、磁気ランダムアクセスメモリからの情報読み出しは、選択された磁気メモリセルに例えば正方向の読み出し電流パルスを印加し、その時の出力線の電圧を検知することで行われる。
本実施例の磁気メモリの情報書き込み時間及び読み出し時間は、(磁壁の走る距離)/(磁壁の移動速度)により決まる。本実施例の場合、(磁壁の走る距離)は30nm程度、磁壁の移動速度は15m/s程度であるため、書き込み時間及び読み出し時間は10n秒程度である。従って、GHz帯域で動作する高速な磁気メモリを実現できる。
また、磁気メモリセルの占める面積は8F2と高集積であってDRAMと同等の集積化が可能であり、高集積化SRAMとしての利用が期待できる。
磁気メモリとして磁性トンネル接合を利用したMRAMも開発が進められている。しかし、磁性トンネル接合にはMgO等の酸化膜が使用され、酸化膜は電流による劣化があるため書き換え耐性の点で難点がある。この点、本発明の磁気メモリは酸化膜を使用しないため電流による劣化の心配がなく、書き換え耐性に優れるという利点もある。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10 強磁性構造体
11 第1の端部
12 中央部
13 第2の端部
14 第1の磁壁保持部
15 第2の磁壁保持部
16 磁壁
20 電流源
30 電圧計
41 磁化固定層
42 磁化固定層
50 MOSトランジスタ
54 ドレイン電極
56 ソース電極
57 ゲート電極
58 ビット線
59 出力線
61 ビット線ドライバ
62 ゲートドライバ
63 読み出し回路

Claims (3)

  1. 磁壁を安定に保持できる第1の磁壁保持部及び第2の磁壁保持部を備える強磁性構造体と、
    前記強磁性構造体の両端部に接続された第1の電極及び第2の電極と、
    前記強磁性構造体の前記第1の磁壁保持部と前記第2の磁壁保持部の間の位置に接続された第3の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極に接続された電流源と、
    前記第1の電極と前記第3の電極の間に接続された電圧計と、を備え、
    前記強磁性構造体は第1の端部、中央部及び第2の端部を有し、前記第1の端部と前記中央部の間に断面積が極小値をとる前記第1の磁壁保持部を有すると共に前記第2の端部と前記中央部の間に断面積が極小値をとる前記第2の磁壁保持部を有し、前記第1の端部は幅広部を備え当該幅広部から前記第1の磁壁保持部に向かって断面積が単調に減少し、前記第2の端部は幅広部を備え当該幅広部から前記第2の磁壁保持部に向かって断面積が単調に減少し、前記中央部は幅広部を備え当該幅広部から前記第1の磁壁保持部及び前記第2の磁壁保持部に向かって断面積が単調に減少し、
    前記第1の電極は前記第1の端部の幅広部に接続され、前記第2の電極は前記第2の端部の幅広部に接続され、前記第3の電極は前記中央部の幅広部に接続され、
    前記電流源から前記第1の電極及び前記第2の電極を介して前記強磁性構造体に流す電流の向きに応じて前記強磁性構造体の磁壁を前記第1の磁壁保持部と前記第2の磁壁保持部のいずれかに保持させることにより情報の記録を行い、
    前記電流源から前記第1の電極及び前記第2の電極を介して前記強磁性構造体に一定方向、かつ一方の磁壁保持部に保持されている磁壁が当該磁壁保持部に向かって断面積が単調に減少している部分に移動するが他方の磁壁保持部にまでは移動せず、印加が止まると移動した磁壁が前記保持されていた磁壁保持部に戻る大きさの読み出し電流を流し、磁壁移動により発生する起電力を前記電圧計で検出することにより前記磁壁が保持されている磁壁保持部を特定することで情報読み出しを行うことを特徴とする磁気メモリ。
  2. 請求項記載の磁気メモリにおいて、前記強磁性構造体は、前記第1の磁壁保持部及び前記第2の磁壁保持部を挟む両端部に互いに磁化が逆方向を向いた磁化固定膜が積層されていることを特徴とする磁気メモリ。
  3. 磁壁を安定に保持できる第1の磁壁保持部及び第2の磁壁保持部を備える強磁性構造体と、前記強磁性構造体の両端部に接続された第1の電極及び第2の電極と、前記強磁性構造体の前記第1の磁壁保持部と前記第2の磁壁保持部の間の位置に接続された第3の電極と、前記強磁性構造体に流れる電流をオン・オフ制御するスイッチング素子とを各々備える磁気メモリセルが2次元アレイ状に配列されたメモリセル群と、
    前記メモリセル群の中の所望の磁気メモリセルを選択する選択手段と、を有し、
    前記強磁性構造体は第1の端部、中央部及び第2の端部を有し、前記第1の端部と前記中央部の間に断面積が極小値をとる前記第1の磁壁保持部を有すると共に前記第2の端部と前記中央部の間に断面積が極小値をとる前記第2の磁壁保持部を有し、前記第1の端部は幅広部を備え当該幅広部から前記第1の磁壁保持部に向かって断面積が単調に減少し、前記第2の端部は幅広部を備え当該幅広部から前記第2の磁壁保持部に向かって断面積が単調に減少し、前記中央部は幅広部を備え当該幅広部から前記第1の磁壁保持部及び前記第2の磁壁保持部に向かって断面積が単調に減少し、
    前記第1の電極は前記第1の端部の幅広部に接続され、前記第2の電極は前記第2の端部の幅広部に接続され、前記第3の電極は前記中央部の幅広部に接続され、
    前記選択手段によって選択された磁気メモリセルの前記第1の電極及び前記第2の電極を介して前記強磁性構造体に流す電流の向きに応じて前記強磁性構造体の磁壁を前記第1の磁壁保持部と前記第2の磁壁保持部のいずれかに保持させることにより情報の記録を行い、
    前記選択手段によって選択された磁気メモリセルの前記第1の電極及び前記第2の電極を介して前記強磁性構造体に一定方向、かつ一方の磁壁保持部に保持されている磁壁が当該磁壁保持部に向かって断面積が単調に減少している部分に移動するが他方の磁壁保持部にまでは移動せず、印加が止まると移動した磁壁が前記保持されていた磁壁保持部に戻る大きさの読み出し電流を流し、磁壁移動により前記第1の電極と前記第3の電極の間に発生する起電力を検出することにより前記磁壁が保持されている磁壁保持部を特定することで情報読み出しを行うことを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
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