JP5624637B2 - 多層接着シート、熱交換器形成用材料及び熱交換器 - Google Patents

多層接着シート、熱交換器形成用材料及び熱交換器 Download PDF

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Description

本発明は、最適な形状に部品加工し、組付後、加熱硬化させることによって構造物を作製するための多層接着シート、特に複雑な形状を有する被着物表面に対し精度よく接着するために、被着物と多層接着シートとの間に発生する隙間への充填性と接着強度とを高い次元で両立した多層接着シート、熱交換器形成用材料及びそれらを用いて作製された熱交換器に関するものである。
従来から、アルミニウム製熱交換器を製造する場合には、アルミニウムのシートを材料にして、ある形状に部品加工し、組み付けることが行われている。そのアルミニウムシートとしては、芯材として500〜1000μm程度の厚みのアルミニウム材料の片面若しくは両面に、芯材としてのアルミニウム材料よりも融点の低い同じアルミニウム材料をろう材として積層した構成のもの(特許文献1参照)が用いられている。
一方、アルミニウム製のろう材の場合は、その溶融温度が通常577℃程度であるため、接合時にその温度あるいはそれ以上のろう付け温度(約600℃)まで上昇させなければならず、ろう付け時に消費するエネルギーが大きいので、アルミニウム製のろう材に代えて、樹脂をコーティングした構成のアルミニウムシート(特許文献2参照)が提案されている。
近年、車載用エアコン等では特に熱交換器の軽量化が求められており、そのためには芯材であるアルミニウム材料を500μm若しくはそれ以下の厚みにしなければならない。ところが、アルミニウム材料を薄くすると強度が低下するので、芯材の強度を向上させるためにマグネシウム、銅、ケイ素等の元素を添加した高強度アルミニウム合金を用いる必要がある。
しかしながら、それらの合金は元素添加量を増やすと、強度は向上するものの、融点が低下するなどして、ろう材を積層したアルミニウムシートにおいてはろう付け性が著しく低下するという問題がある。一方、消費エネルギーを低下させるために樹脂をコーティングしたアルミニウムシートも提案されているが、湾曲した部分での接着強度が不十分であったり、耐熱性に劣るなどの問題があり、ろう付けに変わる十分に信頼に値する接着シート材料が求められている。
そこで、本出願人は、金属シートの少なくとも片面に、機能の異なる熱硬化性樹脂層を少なくとも2層有する多層接着シート、特に金属シートに接する熱硬化性樹脂層として特定の引張せん断強度、弾性率、ガラス転移温度等を有する熱硬化性樹脂層を用いたことを特徴とする多層接着シート(特許文献3参照)を提案しているが、接着剤にかかる応力が大きくなるに伴って、金属と接しない接着層部分が破壊されるという問題が生じる場合があった。
また、金属シートの片面に樹脂材料を被覆したプレコート材から熱交換器を製造する方法(特許文献4〜6参照)や、非金属材料からなる構成部材相互が接着材で接着されている熱交換器(特許文献7参照)なども知られている。しかしながら、これらの特許文献等に記載の技術においても、上記したような樹脂層破壊の問題を解決できるものではない。
特開2002−47523号公報 特開2002−243395号公報 特開2005−14380号公報 特開2004−42247号公報 特開2004−237556号公報 特開2005−214466号公報 特開2005−147588号公報
本発明は、熱交換器を軽量化しようとした場合に生じる前記のような問題点に着目してなされたものである。すなわち、本発明は、厚みが500μm以下のアルミニウム材料の芯材を用いても十分に信頼できる接着強度を有する多層接着シート、特に、構造が複雑な形状の場合には多層接着シートを湾曲して重ね合せなければならないが、そのような湾曲したシート部同士の薄い隙間にも接着剤が十分流動充填することによって、湾曲した部分でも浮きの発生が抑えられて接着強度の低下や硬化物の破損・破壊が生じず、また接着剤に係る応力が大きくなっても金属と接しない接着層部分が破壊されない多層接着シートを提供すること、及びその多層接着シートからなる熱交換器形成用材料とそれを用いて作製された熱交換器を提供することをその課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、金属シートの少なくとも片面に、機能の異なる熱硬化性樹脂のA層とB層とをこの順に積層し、しかもB層に特定の材料を配合することにより、金属シート厚を薄くしても十分な接着強度を有し、また湾曲した形状に組み付ける場合でも、浮き等が発生せずに接合することを可能にする多層接着シートを得ることができることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。すなわち、本発明によれば、以下に示す多層接着シート、熱交換器材料、熱交換器の製造方法及び熱交換器が提供される。
[1] 金属シートの少なくとも片面に、組成の異なる熱硬化性樹脂のA層と熱硬化性樹脂のB層とを有する多層接着シートであって、該A層は該金属シート上に、該B層は該A層上にそれぞれ設けられ、かつ該B層が、あらかじめエポキシ樹脂に均一に分散させた、平均粒径1μm以下の球状もしくは粒子状のアクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムを、前記B層を形成する熱硬化性樹脂100質量部に対し、1〜10質量部含有する多層接着シート。
] 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ系の熱硬化性樹脂である前記[1]に記載の多層接着シート。
] 前記金属シートが、アルミニウム材料である前記[1]又は[2]に記載の多層接着シート。
] 前記[1]から[]の何れかに記載の多層接着シートからなる熱交換器形成用材料。
] 前記[]に記載の熱交換器形成用材料を接着加工することにより熱交換器を形成する熱交換器の製造方法。
] 前記[]に記載の熱交換器形成用材料を接着加工することにより形成された熱交換器。
本発明の多層接着シートは、接着強度に優れるとともに、その部品の形状が複雑で積層シートを湾曲して積層しなければならない場合であっても、浮きが発生せずに強固に接着できる特性を有している。それは、その多層接着シートの湾曲部におけるシート同士の間の薄い隙間にも、熱硬化性樹脂層の熱溶融物が流動充填されるためであり、これにより、本発明の多層接着シートは、精度よく接着することができる。また、被着物表面が複雑な凹凸面を有していても、その凹凸面に沿って精度よく湾曲する特性を有している。そして、この場合、その多層接着シートの湾曲部における被着物表面と該多層接着シートとの間の薄い隙間にも、熱硬化性樹脂層の熱溶融物が流動充填されることから、本発明の多層接着シートは、表面が複雑な凹凸面を有する被着物表面に対しても精度よく接着することができる。更に、その流動した接着剤(熱硬化性樹脂層)も高強度であることから、より高い応力がかかる製品にも適用することができる。本発明の多層接着シートは、熱交換器形成材料として好適なものであり、本発明の多層接着シートを用いて従来の方法に従って接着加工することにより、軽量かつ安価な熱交換器を簡便に作製することができる。
本発明の多層接着シートの隙間充填特性の測定法を示す説明図である。 本発明の多層接着シートの構成の一例を示す説明図である。 本発明の多層接着シートを用いて形成した熱交換器の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
〔1〕金属シート
本発明の多層接着シートは、芯材としての金属シートの少なくとも片面に、機能の異なる熱硬化性樹脂を少なくとも2層以上設けたものである。この場合の金属シートとしては、従来公知の各種の金属(合金を含む)を用いることができる。このようなものとしては、アルミニウム合金、銅合金、鉄合金、マグネシウム合金等からなるシートが挙げられる。金属シートは、1層のみで構成されていてもよいし、2層以上の多層構造でもよい。
本発明の多層接着シートを熱交換器形成用材料として使用する場合には、金属シートは熱伝導率の高いものが用いられ、それに加えて軽量であることや耐食性の高いことが求められ、その観点からアルミニウム材料からなるものが最適である。ここでいうアルミニウム材料とは、アルミニウム合金材料のことであり、高強度化、耐食性の向上、加工性の改善等の目的で、アルミニウム金属に、マグネシウム、銅、ケイ素、マンガン、鉄、クロム、ジルコニウム、チタン等の元素を通常0.1〜10原子%添加したものである。JIS記号に基づき具体例を挙げれば、A2017(Al−Cu系)、A3003(Al−Mn系)、A5052(Al−Mg系)等がある。また、金属シートの厚みは、特に制限はないが、通常50〜2000μmであり、好ましくは70〜1000μm、特に好ましくは400〜1000μmである。
金属シートの表面には、所望により各種表面処理を行なうことができる。この場合の表面処理としては、例えば、アルミニウム表面と樹脂層の密着性向上を目的とした処理、例えば、リン酸クロメート処理、クロム酸クロメート処理等が挙げられる。また必要に応じて焼鈍処理を施すこともできる。
前記のような金属シートの少なくとも片面に、各々機能の異なる熱硬化性樹脂からなるA層とB層という少なくとも2層の熱硬化性樹脂層を、A層の上方にB層が形成されるように順次積層することにより、本発明に係る積層構造を有する多層接着シートが得られる。
〔2〕熱硬化性樹脂層
前記A層及びB層を構成する熱硬化性樹脂としては、その硬化温度が常温以上、300℃以下のものが好ましい。硬化温度が常温よりも低いと、接着シートとしての保存安定性が悪くなるため、常温以下の低温で保存しなければならず、また、部品加工、取付けも常温以下の低温で行わなければならず、取扱い性が悪くなる。逆に、硬化温度が300℃より高いと、加熱硬化させるのに300℃より高い温度にする必要があり、接合作業性が悪くなる。とりわけ芯材として使用可能なアルミニウム材料が耐熱性の観点から制約を受けることになり、熱交換器の軽量化に求められる金属シートの薄肉化が困難になる。また、樹脂の分解等の可能性もあり、好ましくない。硬化温度が常温以上、300℃以下の熱硬化性樹脂としては、従来公知の各種のものを用いることができる。このようなものには、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が包含される。
〔2−1〕A層
本発明においては、A層の熱硬化性樹脂としては、特にエポキシ樹脂の使用が好ましい。エポキシ樹脂としては、通常よく知られているビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、特殊多官能型エポキシ樹脂などがあるが、それらを単独で、若しくは組合せて用いることができる。
前記エポキシ樹脂は硬化剤で硬化させてもよい。硬化剤としては、従来公知のものが用いられ、特に制約はされないが、例えば、通常の低級アミンや、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、複素環状ポリアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド及びその誘導体、イミダゾール系化合物等のアミン系硬化剤や、カルボン酸無水物系硬化剤の他、ルイス酸錯化合物等が挙げられる。該硬化剤の使用割合は、エポキシ樹脂100質量部当り、2〜30質量部、好ましくは3〜20質量部である。
また、前記エポキシ樹脂を用いる場合には、エポキシ樹脂用硬化促進剤を添加することができる。エポキシ樹脂用硬化促進剤としては、常温において実質上エポキシ化合物と反応を示さないものであれば従来公知の各種のものを用いることができる。このような硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、オクチル酸スズ、ジシアンジアミド、三塩化ホウ素/第3級アミン錯塩、三フッ化ホウ素/アミン錯塩、イミダゾールや第3級アミン等の含窒素化合物を変成してその表面に不活性膜を形成した微粉末状物質等が挙げられる。エポキシ樹脂用硬化促進剤の配合割合は特に制約されないが、一般には、エポキシ樹脂100質量部に対し、0.01〜5質量部、好ましくは0.02〜3質量部の割合である。
A層には、前記熱硬化性樹脂及び所望により用いられる硬化剤や硬化促進剤のほかに、補助成分として、例えば、シリカやアルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク等の充填剤や顔料、染料、シランカップリング剤、可とう性付与剤、消泡剤を適量添加することができる。
〔2−2〕B層
本発明の多層接着シートは、金属シートの少なくとも片面に前記A層を設け、その上にB層を設けたものである。B層はアクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムを含有するものである。このようにB層中にアクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムを含有させると、多層接着シートのB層の引張り強度や隙間充填性を所望の範囲に調整し易くなり、その結果、B層に亀裂(破損や破壊)が派生するのを防止できるので、信頼性の高い製品(例えば熱交換器)を得ることができる。
前記B層に含有されるアクリルゴムとは、アルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルの重合、またはそれを主体とする共重合により得られるゴム状弾性体である。
本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。また、アルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルである。
前記アルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基としては、1−プロピル基(n−プロピル基)、1−メチルエチル基(iso−プロピル基)、1−ブチル基(n−ブチル基)、2−メチルプロピル基(iso−ブチル基)、1−メチルプロピル基(sec−ブチル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)等が挙げられる。1−ヘキシル基(n−ヘキシル基)、1−ヘプチル基(n−ヘプチル基)、1−オクチル基(n−オクチル基)、6−メチルヘプチル基(iso−オクチル基)、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。従って、アルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、1−プロピルエステル(n−プロピルエステル)、1−メチルエチルエステル(iso−プロピルエステル)、1−ブチルエステル(n−ブチルエステル)、2−メチルプロピルエステル(iso−ブチルエステル)、1−メチルプロピルエステル(sec−ブチルエステル)、1,1−ジメチルエチルエステル(tert−ブチルエステル)、アクリル酸又はメタクリル酸の1−ヘキシルエステル(n−ヘキシルエステル)、1−ヘプチルエステル(n−ヘプチルエステル)、1−オクチルエステル(n−オクチルエステル)、6−メチルヘプチルエステル(iso−オクチルエステル)、2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
アクリルゴムを構成する成分が、前記アルキル基がエステル結合された(メタ)アクリル酸エステルを主体とする共重合体である場合、その共重合成分としては、2−クロロエチルビニルエーテルやメチルビニルケトン等が挙げられる。このものの配合割合は、50質量%未満が好ましい。
また、アクリロニトリルブタジエンゴムとは、少なくともアクリロニトリルとブタジエンとを構成単位とする共重合体である。アクリロニトリルブタジエンゴムは、前記アクリロニトリルとブタジエンとの配合割合はアクリロニトリルが50質量%未満、好ましくは35〜10質量%の範囲とするのがよい。また、アクリロニトリルブタジエンゴムは、前記2つの構成単位を含んでいれば、これを共重合可能な他の構成単位を含んでいても良い。この共重合可能な他の構成単位としては、カルボキシル基含有単量体やイソプレン、スチレン等が挙げられる。他の構成単位の配合割合は、0〜10質量%程度である。
前記アクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムの配合割合は、熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂100質量部に対し、1〜10質量部の範囲とすることが好ましい。この範囲よりもアクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムの配合量が少なくなると、多層接着シートとして引張り応力の調整性の面で不利であり、例えば多層接着シートを用いて熱交換器を製造した時に十分信頼性のある熱交換器を得ることが困難となり、また、アクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムの配合量がこの範囲を超えると、隙間充填性が低下するので好ましくない。引張り応力の調整性と隙間充填性の面から特に好ましいアクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムの配合割合は、1〜10質量部、更に好ましい配合割合は4〜7質量部である。
前記アクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムの好ましい形状は球状もしくは粒子状である。その際の粒径は平均粒径で1μm以下、好ましくは500nm以下、特に樹脂強度の面から300nm以下のものを用いるのが好ましい。また、前記アクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムは、あらかじめエポキシ樹脂等に均一に分散させたものを用いるのが引張り応力の調整性に優れ、しかも精度の高い接着シートが得られるので好ましい。なお、この場合、用いられるエポキシ樹脂は、前記A層やB層で用いられるエポキシ樹脂から選択してもよいし、他のものを用いてもよい。
本発明では、このB層に含有する前記アクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムの一部として、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体を用いることができる。フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体を用いることにより、B層の引張り応力を50MPa以上に調整しやすくなり、その結果、B層に亀裂(破損や破壊)が発生するのを防止できるので、信頼性の高い製品、例えば熱交換器等を得ることができ好ましい。
このようなフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体は、フェノール性水酸基を有するジカルボン酸成分、例えば、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシフタル酸、3−ヒドロキシフタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸、フェノール性水酸基を有しないジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジカルボキシルナフタレン、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−メチレン二安息香酸等に対して、ジアミン、例えば、3,3’−ジアミン−4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフロロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ジフロロメタン、3,4−ジアミノ−1,5−ベンゼンジオール、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビスフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)メタン等、フェノール性水酸基を含有しないジアミンとして、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノナフタレン、ピペラジン、ヘキサネチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、m−キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニル等を加え、これらを例えば、亜リン酸エステルとピリジン誘導体の存在下で縮合剤を使用して、N−メチル−2−ピロリドンによって代表される有機溶媒中で窒素等の不活性雰囲気下にて加熱攪拌、縮合反応を行って、フェノール性水酸基を含有するポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体を生成させることにより得られる。中でも下記式(1)で示される共重合体を使用するのが好ましい。
Figure 0005624637

(式中、x、y、z、l、m及びnは、それぞれ平均重合度であって、x=3〜7、y=1〜4、z=5〜15、l+m=2〜200の整数をそれぞれ示し、m/(l+m)≧0.04である。)
このフェノール性水酸基を含有するポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体の配合割合は、隙間充填特性を15mm以上とする範囲で適宜選択されるが、通常前記アクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムの使用量の50質量%未満の範囲である。
B層は、前記アクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムのほか、前述の熱硬化性樹脂及び所望により用いられる硬化剤や硬化促進剤及び他の添加剤等を組み合わせた層である。なお、前記A層にもB層に含有するアクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴム、所望により用いられるフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体を含有することができる。
〔3〕多層接着シート
本発明の多層接着シートは、前記金属シート、A層及びB層とをこの順に積層したものであるが、特に前記B層の厚さ10〜100μmの隙間充填特性が15mm以上でしかも引張り応力が50MPa以上とするのが好ましい。また、A層に用いる熱硬化性樹脂において、その硬化後のガラス転移温度(Tg)は120℃以上、300℃以下であることが好ましい。120℃未満では耐熱性が悪く、特に車載用エアコンにおいては、外気温の高い夏場や、平均気温の高い南国の使用に耐えることができないし、また、300℃超では、耐熱性は十分に満足できるが、樹脂の強靭性がなくなって脆くなってしまい、せん断強度が低下してしまうので好ましくない。加えて、本発明のA層に用いる熱硬化性樹脂において、その硬化後の80℃における弾性率は1×10Pa以上、1×1010Pa以下であるのが好ましい。1×10Pa未満では、樹脂が柔らかく、接着層が凝集破壊しやすくなり、一方、1×1010Pa超では、靭性がなくなり、接着層が脆くなるので好ましくない。
前記B層の隙間充填特性としては、特に厚さ10〜100μmでの隙間充填特性が15mm以上、60mm以下の特性を有する樹脂層であることが好ましい。ここでいうところの隙間充填特性とは、図1に示す長方形のテストピースを用い形成された接点を有する隙間を充填する能力を長さで表したものであり、15mm未満では、多層接着シートを部品加工し、多層に重ね合せて取り付け後、加熱硬化させる際に、特に湾曲した部分の狭い隙間に十分に樹脂が充填されずに、浮きが発生したり、湾曲部分での接着強度が不十分になってしまう。一方、60mm超では、加熱硬化させる際にB層の樹脂層が流れやすすぎて、樹脂の流失が生じて、安定して積層するのが難しくなり、作業性が著しく低下する。なお、隙間充填特性の具体的な評価(測定)方法については、後述の実施例において詳しく説明する。
また、B層の引張り応力とは、下記引張り試験により測定させるものである。
引張り試験:
最表層の熱硬化性樹脂層を形成する材料からASTM D−638 タイプI型に基づく試験片を作成し、これを引張り試験用の試験片とする。この試験片を用いて、JIS K 7113に準拠し、試験速度5mm/minの条件で引張り応力を測定する。
この引張り応力は30MPa以上、特に50MPa以上が好ましい。この引張り応力が50MPa未満であると、この多層接着シートを成形後、冷媒やエアー等の応力によりB層に亀裂(破損や破壊)が発生してしまう。しかも、このB層の亀裂はA層の破損や破壊を引き起こすため、A層と金属シートとの界面付近で剥離が発生し、結果的に信頼性の高い製品、例えば熱交換器を得ることができないので好ましくない。好ましい引張り応力は55MPa以上、更に好ましくは65MPa以上である。
また、本発明の多層接着シートの更に他の態様は、前記態様と同様に、各々機能の異なる熱硬化性樹脂からなるA層とB層という少なくとも2層の熱硬化性樹脂層を順次積層することにより得られるもので、この多層接着シートを構成するB層の下記引張り試験による引張り応力は50MPa以上である。
本発明の多層接着シートの好ましい態様は、図2に示すように、芯材である金属シート1の少なくとも片面に、これら機能の異なる熱硬化性樹脂をA層、B層として設けたものである。多層接着シートを用いて、部品加工、組付後、加熱硬化させて、熱交換器を製造する際に、その積層構造体の湾曲部分においても十分な接着強度を持たせるためには、引張せん断強度の高い熱硬化性樹脂を湾曲部分の隙間に十分に充填させることが重要である。ところが、芯材である金属シートに熱硬化性樹脂を1層のみ設けた構成のものでは、引張せん断強度を高めようとすると、隙間充填性が低下し、反対に隙間充填性を高めようとすると引張せん断強度が低下する。つまり、引張せん断強度と隙間充填性とは相反する性質がある。
そこで、従来は、これら相反する特性を有する熱硬化性樹脂層をA層、B層として積層することで、両方の特性を満足し、引張せん断強度の高い熱硬化性樹脂を湾曲部分の隙間に十分に充填させることを可能としたが(特許文献3参照)、B層はA層に比べ硬化後の強度が低いため、B層同士を接着・硬化させた場合、引張力や衝撃によりB層に亀裂(破損又は破壊)が発生し、それによりA層にも亀裂(破損又は破壊)が発生して、その結果金属シートとA層との界面付近で剥離してしまう場合がある。
本発明においては、この点を改善し、最表層であるB層の引張り応力を50MPa以上とすることにより、B層の硬化後の強度を向上させ、その結果、金属シートとA層と間、A層内部、A層とB層との間及びB層内部のいずれにおいても層間剥離や層破壊の発生がない多層接着シートとすることができた。
A層とB層の厚さは任意に定めることができるが、それらを合せた全体の厚みは、当該多層接着シートを熱交換器の作製に用いた場合における熱交換器の軽量化と、そのための多層接着シートの薄膜化という観点から、10μm以上、200μm以下とすることが好ましく、15μm以上、150μm以下とすることがより好ましい。その範囲の中で、要求される引張せん断強度と隙間充填性のバランスを考えて、A層とB層の厚さの比を変化させることができる。つまり、湾曲の程度が穏やかで、引張せん断強度を重視する場合には、A層の厚みの比を高くし、反対に湾曲の程度が大きく、その隙間が複雑な形状になっているような場合には、隙間充填性を重視して、B層の厚みの比を高くすることができる。一般的には、A層に対するB層の厚さの比(B/A)は0.5以上、20以下が好ましい。
また、本発明の接着シートの引張せん断強度が、常温で5MPa以上である樹脂層であることが好ましい。5MPa未満では、部品加工、取り付け後、加熱硬化させて作製した構造物としての強度が低下してしまうので好ましくない。好ましくは8MPa以上が好ましい。
次に、本発明による図2に示した構成の多層接着シートの製造方法の一例について述べる。これは、金属シートの両面にA層とB層を積層した構造の多層接着シートであるが、他の構成のものも同様の方法で製造することができる。
A層用の熱硬化性樹脂組成物からなるA層形成塗工液と、B層用の熱硬化性樹脂組成物からなるB層形成塗工液とを次の手順で調製し、先ず始めに、ロールコーター、コンマコーター、バーコーター等を用いて、A層形成塗工液を前記の金属シートの片面に要望する塗布厚さになるように塗布する。これをドライヤーを通して80〜120℃で1〜5分間加熱処理し、熱硬化性樹脂組成物中の溶剤を除去して乾燥させ、A層を形成する。次に、この反対面にも同様の方法でA層を形成させ、両面塗工品を作製する。次いで、各A層の上に、B層形成塗工液をA層の場合と同様の方法で塗布して乾燥させ、金属シートの両面に各A、B2層ずつの熱硬化性樹脂を有する両面構成の多層接着シートを作製する。
<塗工液の調製>
(1)予め、エポキシ樹脂を所望する粘度になるように溶剤で希釈しておいた樹脂液に、無機フィラーからなる充填剤、エラストマーからなる可とう性付与剤、シランカップリング剤を添加し攪拌する。
(2)前記(1)の液に硬化剤及び硬化促進剤を添加し、更に混合する。
本発明の多層接着シートは、そのシートからプレス加工等により、所定の寸法・形状の部品を成形し、その部品を互いに積層し組み付け、そのA層及びB層の溶融温度に加熱して接着するようにして使用される。本発明の多層接着シートは、その部品の形状が複雑な場合には、多層接着シートを湾曲して積層しなければならないが、そういう薄い隙間が多数発生する構造であっても、接着剤が流動充填することによって、湾曲した部分でも浮きが発生せずに接着させることができる。
本発明の多層接着シートは、熱交換器形成用材料として有利に用いられる。図3に、本発明の多層接着シートで形成した熱交換器の1つの実施例についてその断面の一部を模式図で示す。図3において、11は熱交換器を示し、12、13は本発明の多層接着シートを示す。山形をしたより狭い空間部分Xは冷媒オイル、水、LLC等の液体が流れる部分であり、他のより広い空間部分Yは空気が流動する部分である。
この熱交換器を用いて2つの流体(液体、気体)間の熱交換を行うには、本発明の多層接着シート12、13を介して、図3に示すように、液体と空気を交流させる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、多層接着シートの物性は、次に示す方法に従って評価した。
[引張せん断強度]
金属シート(アルミニウム板)の片面に、A層形成塗工液を乾燥後の厚みが所定の厚みになるようにバーコーターで塗布し、熱風ドライヤーに入れて、100℃で3分間加熱乾燥させ、A層を形成した。次に、そのA層上に、B層形成塗工液を乾燥後の厚みが所定の厚みになるようにA層の場合と同様に塗布・乾燥させてB層を形成し、引張せん断強度測定用の多層接着シートのサンプルを作製した。次いで、こうして作製したサンプルをJIS K 6850に準拠した試験片の形状、大きさに加工し、多層接着シート同士を最表層の熱硬化性樹脂層(B層)の面が互いに相対するように重ね合わせ、1.5mmのアルミニウム板で挟みピンチコックで締め付けた状態で、熱風ドライヤーに入れて200℃で30分間、加熱硬化させた。このようにして作製した引張せん断強度測定用の試験片を用いて、JIS K 6850に準拠し、引張速度5mm/分の条件で引張せん断強度を測定した。
[B層の引張り応力]
B層形成塗工液からASTM D−638 タイプI型に基づく試験片を作製した。次に、この試験片を用いて、JIS K 7113に準拠し、試験速度5mm/minの条件で引張り応力を測定した。
[隙間充填特性]
図2に示すように、引張せん断強度測定用サンプルと同一の方法で作製した1つの多層接着シートサンプルS1(厚さ1.0mm、幅25mm、長さ55mm)を垂直にして、水平にしたもう一つの多層接着シートサンプルS2(厚さ1.0mm、幅25mm、長さ60mm)の上に置き、多層接着シートサンプルS1の片側を多層接着シートサンプルS2に接触させ、他の側にスペーサーロッド(直径1.5mm)を介在させて組み付けた後、硬化温度200℃で30分間加熱し、両者を接着させた。接着加熱後、多層接着シートサンプルS1と多層接着シートサンプルS2との隙間に溶融して流動充填された接着剤のサンプル長手方向における長さ(隙間充填長さ)を測定し、隙間充填特性とした。
実施例1
[A層形成塗工液の調製]
フェノール・ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:HP7200−L)(固形分70%トルエン溶液品)71.4質量部に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート828)50.0質量部を攪拌混合し溶解させ、エポキシ樹脂溶液を作製した。次に、この中に可とう性付与剤として、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体(日本化薬(株)製、商品名:BP−40D)(固形分40%DMF溶液品)125.0質量部、充填剤として酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:タイペークR−580)100.0質量部、シランカップリング剤(チッソ(株)製、商品名:サイラエースS−510)1.0質量部を加え、ホモジナイザーで混合した。更にその後、その中に硬化剤(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピキュアDICY15)5.9質量部、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン0.5質量部を加え、A層の熱硬化性樹脂組成物からなるA層形成塗工液を調製した。
[B層形成塗工液の調製]
次に、フェノール・ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:HP7200−L)(固形分70%トルエン溶液品)142.9質量部に、硬化剤(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピキュアDICY15)5.2質量部、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン0.5質量部、アクリルゴム含有エポキシ樹脂〔球状アクリルゴム(ガラス転移温度−30℃、質量平均粒径300nm)6質量部をエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート807)24質量部に均一に分散したもの〕30質量部を加え、ホモジナイザーで混合して、B層用の熱硬化性樹脂組成物からなる塗工液Bを調製した。
[多層接着シートの作製]
A層形成塗工液を、厚さ100μmのアルミニウム板の片面に塗布して乾燥(100℃、3分間)させ、膜厚5μmのA層を設けた。次に、その反対面にも同様の方法で膜厚5μmのA層を設けた。次いで、B層形成塗工液を、前記のように設けたA層の上に塗布して乾燥(100℃、3分間)させ、膜厚75μmのB層を設けた。次に、その反対面にも同様の方法で膜厚75μmのB層を設け、こうして本発明による機能の異なる熱硬化性樹脂層を両面に2層有する多層接着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
実施例2
実施例1において、B層形成塗工液で用いるアクリルゴム含有エポキシ樹脂に代え、アクリロニトリルブタジエンゴム含有エポキシ樹脂〔粒子状アクリロニトリルブタジエンゴム(ガラス転移温度−30℃、一次粒子径70nm、二次粒子径200〜300nm)6質量部をエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート807)24質量部に均一に分散したもの〕30質量部を用いた以外は全て実施例1と同様にして多層接着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
実施例3
実施例1において、アクリルゴム含有エポキシ樹脂30質量部に代え、アクリルゴム含有エポキシ樹脂15質量部、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体を7.5質量部用いた以外は全て実施例1と同様にして多層接着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
実施例4
実施例1において、アクリルゴム含有エポキシ樹脂30質量部に代え、アクリロニトリルブタジエンゴム含有エポキシ樹脂を15質量部、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体を7.5質量部用いた以外は全て実施例1と同様にして多層接着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
実施例5
実施例1でアクリルゴム含有エポキシ樹脂を15質量部とした以外は全て実施例1と同様にして多層接着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
実施例6
実施例2において、アクリロニトリルブタジエンゴム含有エポキシ樹脂を15質量部とした以外は全て実施例2と同様にして多層接着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
比較例1
実施例1において、B層形成塗工液としてアクリルゴム含有エポキシ樹脂を用いなかった以外は全て実施例1と同様にして多層接着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
Figure 0005624637
表1より、本発明の多層接着シート(実施例1〜6)は、比較例1に比べて引張り応力が高いものであることが分かる。また、実施例1〜6のものは比較例1に比べ、高い引張り応力と良好な隙間充填性を有すること、すなわち引張り応力と隙間充填特性とのバランスのよい接着特性を呈していることが分かる。
本発明は、軽量で高強度な熱交換器の作製等に好適に利用することができる。
1:芯材
A:A層
B:B層
S1、S2:多層接着シートサンプル
11:熱交換器

Claims (6)

  1. 金属シートの少なくとも片面に、組成の異なる熱硬化性樹脂層のA層と熱硬化性樹脂のB層とを有する多層接着シートであって、該A層は該金属シート上に、該B層は該A層上にそれぞれ設けられ、かつ該B層が、あらかじめエポキシ樹脂に均一に分散させた、平均粒径1μm以下の球状もしくは粒子状のアクリルゴム及び/又はアクリロニトリルブタジエンゴムを、前記B層を形成する熱硬化性樹脂100質量部に対し、1〜10質量部含有する多層接着シート。
  2. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ系の熱硬化性樹脂である請求項1に記載の多層接着シート。
  3. 前記金属シートが、アルミニウム材料である請求項1又は2に記載の多層接着シート。
  4. 請求項1〜の何れか一項に記載の多層接着シートからなる熱交換器形成用材料。
  5. 請求項に記載の熱交換器形成用材料を接着加工することにより熱交換器を形成する熱交換器の製造方法。
  6. 請求項に記載の熱交換器形成用材料を接着加工することにより形成された熱交換器。
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