本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態に係る基板処理システムSYSの概略的な構成を示す平面図である。図2は、基板処理システムSYSの概略的な構成を示す正面図である。図3は、基板処理システムSYSの概略的な構成を示す側面図である。
本実施形態では、基板処理システムSYSの構成を説明するにあたり、表記の簡単のため、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。当該XYZ座標系においては、図中左右方向をX方向と表記し、平面視でX方向に直交する方向をY方向と表記する。X方向軸及びY方向軸を含む平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
図1〜図3に示すように、基板処理システムSYSは、例えば工場などの製造ラインに組み込まれて用いられ、基板Sの所定の領域に薄膜を形成するシステムである。基板処理システムSYSは、ステージユニットSTUと、基板処理ユニット(塗布装置)SPUと、基板搬入ユニットLDUと、基板搬出ユニットULUと、搬送ユニットCRUと、制御ユニットCNUとを備えている。
基板処理システムSYSは、ステージユニットSTUが例えば脚部材などを介して床面に支持されており、基板処理ユニットSPU、基板搬入ユニットLDU、基板搬出ユニットULU及び搬送ユニットCRUがステージユニットSTUの上面に配置された構成になっている。基板処理ユニットSPU、基板搬入ユニットLDU、基板搬出ユニットULU及び搬送ユニットCRUは、各ユニット内部がカバー部材によって覆われた状態になっている。基板処理システムSYSは、基板処理ユニットSPU、基板搬入ユニットLDU及び基板搬出ユニットULUがX軸方向に沿った直線上に配列されている。基板処理ユニットSPUは、基板搬入ユニットLDUと基板搬出ユニットULUとの間に設けられている。ステージユニットSTUのうち基板処理ユニットSPUが配置される部分の平面視中央部は、他の部分に対して−Z方向に窪んだ状態になっている。
本実施形態の基板処理システムSYSの処理対象である基板Sとしては、例えばシリコンなどの半導体基板、液晶パネルを構成するガラス基板、ハードディスクを構成する基板などが挙げられる。本実施形態では、例えばハードディスクを構成する基板であり、ガラスなどからなる円盤状の基材の表面にダイヤモンドがコーティングされた基板であって、平面視中央部に開口部が設けられた基板Sを例に挙げて説明する。
本実施形態の基板処理システムSYSにおける基板Sの搬入及び搬出は、当該基板Sを複数枚収容可能なカセットCを用いて行われるようになっている。カセットCは枡状に形成された容器であり、複数の基板Sの基板面が対向するように当該基板Sを一列に収容可能になっている。したがって、カセットCは、Z軸方向に基板Sを立てた状態で当該基板Sを収容する構成になっている。カセットCは、底部に開口部を有している。各基板Sは当該開口部を介してカセットCの底部に露出した状態で収容されるようになっている。カセットCは、平面視で矩形状に形成されており、例えば図2に示すように+Z側の各辺部分に係合部Cxを有している。本実施形態では、カセットCとして、基板Sを搬入する際に用いられる搬入用カセットC1と、基板Sを搬出する際に用いられる搬出用カセットC2との2種類のカセットが用いられる。搬入用カセットC1には処理前の基板Sのみが収容され、搬出用カセットC2には処理後の基板Sのみが収容される。搬入用カセットC1は基板処理ユニットSPUと基板搬入ユニットLDUとの間で用いられる。搬出用カセットC2は基板処理ユニットSPUと基板搬出ユニットULUとの間で用いられる。したがって、搬入用カセットC1と搬出用カセットC2とが混合されて用いられることは無い。搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2は、例えば同一形状、同一寸法に形成されている。
(基板搬入ユニット)
基板搬入ユニットLDUは、基板処理システムSYSのうち−X側に配置されている。基板搬入ユニットLDUは、処理前の基板Sを収容した搬入用カセットC1が供給されると共に空の搬入用カセットC1が回収されるユニットである。基板搬入ユニットLDUはY軸方向が長手になっており、複数の搬入用カセットC1がY軸方向に沿って待機可能になっている。
基板搬入ユニットLDUは、カセット出入口10及びカセット移動機構(第2移動機構)11を備えている。カセット出入口10は、基板搬入ユニットLDUを覆うカバー部材の−Y側に設けられた開口部である。カセット出入口10は、処理前の基板Sを収容した搬入用カセットC1の入口(供給口)であり、空の搬入用カセットC1の出口(回収口)である。
カセット移動機構11は、例えばベルトコンベア機構などの駆動機構を有している。本実施形態では、当該駆動機構として搬送ベルト(供給用ベルト11a及び回収用ベルト11b)を有している。搬送ベルトは、基板搬入ユニットLDUの+Y側端部から−Y側端部にかけてY軸方向に延設されており、X軸方向に2本並ぶように配置されている。
供給用ベルト11aは、2本の搬送ベルトのうち−X側に配置された搬送ベルトである。供給用ベルト11aの+Z側が搬送面となっている。供給用ベルト11aは、当該搬送面が+Y方向に移動するように回転する構成となっている。供給用ベルト11aの搬送面上には、カセット出入口10を介して基板搬入ユニットLDU内へ入ってきた搬入用カセットC1が複数載置されるようになっている。当該搬入用カセットC1は、供給用ベルト11aの回転によって搬送ユニットCRU側へ移動するようになっている。
回収用ベルト11bは、2本の搬送ベルトのうち+X側に配置された搬送ベルトである。回収用ベルト11bの+Z側が搬送面となっている。回収用ベルト11bは、搬送面が−Y方向に移動するように回転する構成となっている。回収用ベルト11bの搬送面上には、空の搬入用カセットC1が複数載置されるようになっている。当該搬入用カセットC1は、回収用ベルト11bの回転によってカセット出入口10側へ移動するようになっている。
本実施形態では、例えば供給用ベルト11a上及び回収用ベルト11b上にそれぞれ5箇所ずつ設けられた待機位置(容器待機部)で搬入用カセットC1が待機可能になっている。基板搬入ユニットLDUでは、供給用ベルト11a及び回収用ベルト11bを回転させることによって搬入用カセットC1の待機位置を移動させることができるようになっており、当該待機位置を移動させることによって搬入用カセットC1の搬送時間を短縮させることが可能になっている。
(基板処理ユニット)
基板処理ユニットSPUは、基板処理システムSYSのうちX軸方向のほぼ中央に配置されている。基板処理ユニットSPUは、基板Sに対してレジストなどの液状体を塗布して薄膜を形成する処理や、基板Sの周辺部分に形成された薄膜を除去する処理など、基板Sに対する各種処理を行うユニットである。基板処理ユニットSPUは、バッファ機構BFと、基板搬送機構(回転機構)SCと、塗布機構CTと、周縁部除去機構(調整部)EBRとを備えている。
バッファ機構BFは、基板処理ユニットSPUの+Y側端辺に沿った位置であってX軸方向に塗布機構CTを挟んだ2箇所の位置に設けられている。2箇所のバッファ機構BFのうち、塗布機構CTの−X側に配置されるバッファ機構が搬入側バッファ機構(基板搬入領域)BF1であり、塗布機構CTの+X側に配置されるバッファ機構が搬出側バッファ機構(基板搬出領域)BF2である。
搬入側バッファ機構BF1は、基板処理ユニットSPU内へ供給されてくる搬入用カセットC1を待機させる部分である。搬入側バッファ機構BF1には、カセット移動機構(第3移動機構)20が設けられている。カセット移動機構20は、例えばベルトコンベア機構などの駆動機構を有している。本実施形態では、駆動機構として2つの搬送ベルト20a及び20bが設けられている。
搬送ベルト20aは、搬入側バッファ機構BF1のX軸方向に沿った領域に設けられている。搬送ベルト20aの+Z側の面が搬送面になっており、供給されてくる搬入用カセットC1は当該搬送面上に載置されるようになっている。搬送ベルト20aは、搬送面がX軸方向へ移動するように回転する構成となっている。搬送ベルト20aの回転により、搬入用カセットC1が搬入側バッファ機構BF1内をX軸方向に移動可能になっている。搬送ベルト20bは、搬入側バッファ機構BF1内のX軸方向の中央部に設けられている。搬送ベルト20bの+Z側の面が搬送面になっており、当該搬送面に搬入用カセットC1が載置されるようになっている。搬送ベルト20bは、搬送面がY軸方向に沿って移動するように回転する構成となっている。搬送ベルト20bの回転により、搬入用カセットC1がY軸方向に移動するようになっている。このように、カセット移動機構20によって、各搬入用カセットC1は待機位置が移動するようになっている。
搬入側バッファ機構BF1は、搬送ベルト20aの形成領域に沿って複数、例えば3つの搬入用カセットC1をX軸方向に並べて待機させるようになっている(第2容器待機部)。図中−X側の待機位置P1は、例えば基板処理ユニットSPUへ供給されてくる搬入用カセットC1の待機位置である。図中X軸方向の中央の待機位置P2は、待機位置P1から移動してきた搬入用カセットC1の待機位置である。図中+X側の待機位置P3は、待機位置P2から移動してきた搬入用カセットC1の待機位置である。
待機位置P2内には、上記搬送ベルト20bの+Y側端部が配置されている。このため、待機位置P2に配置される搬入用カセットC1は、搬送ベルト20bによって待機位置P2に対して−Y側に移動し、当該移動先の待機位置P4で待機できるようになっている。待機位置P4の+Z方向上には、基板SのローディングポジションLPが設けられている。基板Sは、このローディングポジションLPを経由して塗布機構CTへ搬送されるようになっている。
搬出側バッファ機構BF2は、基板処理ユニットSPU内へ供給されてくる搬出用カセットC2を待機させる部分である。搬出側バッファ機構BF2には、カセット移動機構(第3移動機構)22が設けられている。カセット移動機構22は、例えばベルトコンベア機構などの駆動機構を有している。本実施形態では、搬入側バッファ機構BF1と同様、駆動機構として2つの搬送ベルト22a及び22bが設けられている。
搬送ベルト22aは、搬出側バッファ機構BF2のX軸方向に沿った領域に設けられている。搬送ベルト22aの+Z側の面が搬送面になっており、供給されてくる搬出用カセットC2は当該搬送面上に載置されるようになっている。搬送ベルト22aは、搬送面がX軸方向へ移動するように回転する構成となっている。搬送ベルト22aの回転により、搬出用カセットC2が搬出側バッファ機構BF2内をX軸方向に移動可能になっている。搬送ベルト22bは、搬出側バッファ機構BF2内のX軸方向の中央部に設けられている。搬送ベルト20bと同様、搬送ベルト22bの+Z側の面が搬送面になっており、当該搬送面に搬出用カセットC2が載置されるようになっている。搬送ベルト22bは、搬送面がY軸方向に沿って移動するように回転する構成となっている。搬送ベルト22bの回転により、搬出用カセットC2がY軸方向に移動するようになっている。このように、カセット移動機構22によって、各搬出用カセットC2は待機位置が移動するようになっている。
搬出側バッファ機構BF2は、搬送ベルト22aの形成領域に沿って複数、例えば3つの搬出用カセットC2をX軸方向に並べて待機させるようになっている(第2容器待機部)。図中−X側の待機位置P5は、例えば基板処理ユニットSPUへ供給されてくる搬出用カセットC2の待機位置である。図中X軸方向の中央の待機位置P6は、待機位置P5から移動してきた搬出用カセットC2の待機位置である。図中+X側の待機位置P7は、待機位置P6から移動してきた搬出用カセットC2の待機位置である。
待機位置P6内には、上記搬送ベルト22bの+Y側端部が配置されている。このため、待機位置P6に配置される搬出用カセットC2は、搬送ベルト22bによって待機位置P6に対して−Y側に移動し、当該移動先の待機位置P8で待機できるようになっている。待機位置P8の+Z方向上には、基板SのアンローディングポジションUPが設けられている。基板Sは、このアンローディングポジションUPを経由して塗布機構CTから搬出用カセットC2側へ搬送されてくるようになっている。
基板処理ユニットSPUは、バッファ機構BFの近傍に、基板ローディング機構21及び基板アンローディング機構27を有している。基板ローディング機構21は、待機位置P4の近傍に配置されている。図4〜図6は、基板ローディング機構21の構成を概略的に示す図である。
これらの図に示すように、基板ローディング機構21は、基板上部保持機構23と、基板下部保持機構24とを有している。基板上部保持機構23は、待機位置P4の+X側に配置されている。基板上部保持機構23は、基板Sの+Z側を保持してZ軸方向に移動する。基板上部保持機構23は、昇降部材23aと、クランプ部材23bと、昇降機構23cとを有している。
昇降部材23aは、側面視L字状に形成された支柱部材であり、Z軸方向に移動可能に設けられている。昇降部材23aは、Z軸方向に延在する支柱部分と、当該支柱部分の上端からX軸方向に突出する突出部分とを有している。このうち支柱部分は、搬入用カセットC1の+Z端面よりも+Z側まで設けられている。昇降部材23aのうち突出部分は、平面視でローディングポジションLPに重なる位置に配置されている。当該突出部分の−Z側には、基板Sの形状に合うように凹部が形成されている。
クランプ部材23bは、昇降部材23aの当該凹部に取り付けられている。したがって、当該クランプ部材23bについても平面視でローディングポジションLPに重なる位置に設けられていることになる。昇降機構23cは、昇降部材23aに取り付けられた駆動部であり、搬入用カセットC1の−Z側に配置されている。昇降機構23cとしては、例えばエアシリンダなどの駆動機構を用いることができる。
基板下部保持機構24は、平面視でローディングポジションLPの中央部に重なる位置に設けられている。基板下部保持機構24は、基板Sの−Z側を保持してZ軸方向に移動する。基板下部保持機構24は、昇降部材24aと、クランプ部材24bと、昇降機構24cとを有している。昇降部材24aは、棒状に形成された支柱部材であり、Z軸方向に移動可能に設けられている。クランプ部材24bは、昇降部材24aの+Z側の先端に取り付けられており、当該クランプ部材24bについても平面視でローディングポジションLPの中央部に重なる位置に配置されていることになる。昇降機構24cは、昇降部材24aに取り付けられた駆動部であり、搬入用カセットC1の−Z側に配置されている。昇降機構24cとしては、例えばエアシリンダなどの駆動機構を用いることができる。
基板上部保持機構23の昇降機構23cと、基板下部保持機構24の昇降機構24cとは、それぞれ独立して動作させることが可能であると共に、両者を連動させて動作させることも可能となっている。
基板アンローディング機構27は、待機位置P8の近傍に配置されている。基板アンローディング機構27は、基板ローディング機構21と同一の構成になっている。図4〜図6には、基板ローディング機構21の各構成要素(ローディングポジションLPを含む)に対応する基板アンローディング機構27の構成要素(アンローディングポジションUPを含む)を、括弧内の符号によって示している。
基板アンローディング機構27は、基板上部保持機構25と、基板下部保持機構26とを有している。基板上部保持機構25は、昇降部材25aと、クランプ部材25bと、昇降機構25cとを有している。基板下部保持機構26は、昇降部材26aと、クランプ部材26bと、昇降機構26cとを有している。基板アンローディング機構27の各構成要素の位置関係や機能などについては、基板ローディング機構21の対応する構成要素と同一であるため、説明を省略する。
基板搬送機構SCは、基板処理ユニットSPUのY軸方向中央の位置であって塗布機構CTをX軸方向に挟む2箇所の位置に設けられている。2箇所の基板搬送機構SCのうち、塗布機構CTの−X側に配置されている装置が搬入側搬送機構SC1であり、塗布機構CTの+X側に配置されている装置が搬出側搬送機構SC2である。搬入側搬送機構SC1、搬出側搬送機構SC2及び塗布機構CTは、X軸方向に沿った直線上に配置されている。
搬入側搬送機構SC1は、塗布機構CT及び搬入側バッファ機構BF1のローディングポジションLPにそれぞれアクセスし、これらの間で基板Sを搬送する。図7は、搬入側搬送装置の構成を示す模式図である。図7に示すように、搬入側搬送機構SC1は、基部30と、アーム部31と、保持部32とを有している。
基部30は、ステージユニットSTUのうち窪んだ部分の上面に設けられている。基部30は、固定台30aと、回転台30bと、回転機構30cと、支持部材30dとを有している。
固定台30aは、ステージユニットSUTの窪んだ部分の上面に固定されている。基部30は、当該固定台30aを介して位置ずれしないようにステージユニットSUT上に固定された状態になっている。回転台30bは、回転機構30cを介して固定台30a上に配置されている。回転台30bは、固定台30aに対しZ軸を回転軸として回転可能に設けられている。回転機構30cは、固定台30aと回転台30bとの間に設けられており、回転台30bに対して回転力を付与する駆動機構である。支持部材30dは、−Z側の端部が回転台30b上に固定された支柱部材である。支持部材30dは、回転台30bの複数箇所、例えば2箇所に設けられている。支持部材30dの+Z側の端部は、アーム部31内に挿入されている。
アーム部31は、基部30の支持部材30dによって支持されている。アーム部31は、保持部32を基板処理ユニットSPU内の異なる位置に移動させる。アーム部31は、五角柱に形成された筐体31aを有している。筐体31aの先端面31bには、開口部31cが設けられている。筐体31aの内部には、回転機構33と、吸引機構34と、移動機構35とが設けられている。
回転機構33は、筐体31a内の+Z側に配置されている。回転機構33は、モータ装置33aと、回転軸部材33bとを有している。モータ装置33aと回転軸部材33bとは図中左右方向に一体的に移動可能になっている。モータ装置33aは、回転軸部材33bに回転力を付与する駆動装置である。回転軸部材33bは、XY平面に対して平行となるように配置された断面視円形の棒状部材である。
回転軸部材33bは、モータ装置33aの駆動力により当該円の中心を回転軸として回転するようになっている。回転軸部材33bは、一端が開口部31cから筐体31aの外部に突出するように(突出部33c)配置されている。回転軸部材33bの突出部33c側の端面には、保持部32を取り付けるための凹部33dが設けられている。凹部33dは、断面視円形に形成されている。突出部33cは、凹部33dに保持部32を取り付けた状態で当該保持部32を固定させる固定機構を有している。当該固定機構によって保持部32を固定させることにより、回転軸部材33bと保持部32とが一体的に回転するようになっている。
回転軸部材33bは、貫通孔33eを有している。貫通孔33eは、回転軸部材33bの凹部33dの底面33fと、当該回転軸部材33bの他方側の端面33gとの間を回転軸方向に沿って貫通するように形成されている。貫通孔33eを介して、回転軸部材33bの凹部33dの底面33f側と端面33g側とが連通された状態になっている。
吸引機構34は、回転軸部材33bの端面33g側に設けられている。吸引機構34は、吸引ポンプ34aなどの吸引装置を有している。吸引ポンプ34aは、回転軸部材33bの端面33gにおいて貫通孔33eに接続されている。吸引ポンプ34aは、回転軸部材33bの端面33gから貫通孔33eを吸引することで、当該貫通孔33eに連通された凹部33dの底面33f上を吸引可能になっている。
移動機構35は、筐体31a内の−Z側に配置されている。移動機構35は、モータ装置35aと、回転軸部材35bと、可動部材35cとを有している。モータ装置35aは、回転軸部材35bに回転力を付与する駆動装置である。回転軸部材35bは、一端がモータ装置35aの内部に挿入された断面視円形の棒状部材である。回転軸部材35bは、モータ装置35aによって当該円の中心を回転軸として回転するようになっている。回転軸部材35bの表面には、不図示のネジ山が形成されている。
可動部材35cは、螺合部35dと、接続部35eとを有している。螺合部35dは、回転軸部材35bと一体的に形成されており、表面には不図示のネジ穴を有している。接続部35eは、回転機構33の例えばモータ装置33aに固定されている。接続部材35eの下面にはネジ山が形成されており、当該ネジ山と螺合部35dに形成されたネジ山とがかみ合うようになっている。
モータ装置35aの駆動によって回転軸部材35bが回転すると、回転軸部材35bと螺合部35dとが一体的に回転するようになっている。螺合部35dの回転により、当該螺合部35dのネジ山とかみ合った接続部材35eが図中左右方向に移動するようになっており、接続部材35e及び当該接続部材35eに固定された回転機構33が図中左右方向に一体的に移動するようになっている。当該移動により、回転機構33の図中右端に設けられた保持部33が図中左右方向に移動するようになっている。
保持部32は、アーム部31の凹部33dに対して着脱可能に固定されている。保持部32は、例えば吸着力などの保持力を用いて基板Sを保持する。保持部32は、吸引部材36と、閉塞部材37とを有している。吸引部材36と閉塞部材37とは着脱可能に設けられている。
このように構成された搬入側搬送機構SC1は、アーム部31がZ軸を回転軸として回転したり、XY平面方向に移動したりすることによって、塗布機構CTとローディングポジションLPとの両方に保持部32をアクセスさせる構成になっている。また、搬入側搬送機構SC1は、アーム部31内の吸引ポンプ34aの吸引力によって基板SをZ軸方向に立てた状態で保持することができるようになっており、アーム部31内の回転軸部材33bを回転させることによって基板SをZ軸方向に立てた状態で回転させることができるようになっている。なお、基板SをZ軸方向に立てた状態とは、基板Sが水平面に対して傾いた状態をいうものとする。本実施形態では、水平面に対して例えば70°以上、90°以下の角度に基板Sを立てた状態で保持し、回転させることが好ましい。当該基板を回転させるアーム部31などに配置される各回転軸部材は、複数の軸部材をカップリングによって接続させた構成であっても構わない。
図1〜図3に戻って、搬出側搬送機構SC2は、塗布機構CT、搬出側バッファ機構BF2のアンローディングポジションUP及び周縁部除去機構EBRにそれぞれアクセスし、これらの間で基板Sを搬送する。搬出側搬送機構SC2は、基部40(固定台40a、回転台40b)と、アーム部41と、保持部42とを有している。搬出側搬送機構SC2の構成は、搬入側搬送機構SC1と同一の構成になっているため、各構成要素の説明を省略する。図7には、搬入側搬送機構SC1の各構成要素に対応する搬出側搬送機構SC2の構成要素を、括弧内の符号によって示している。以下、搬出側搬送機構SC2の構成要素について言及する際には、対応する搬入側搬送機構SC1の構成要素と同一の名称を用い、当該名称の後に図7の括弧内の符号を付して記載することとする。
塗布機構CTは、基板処理ユニットSPUのうち平面視ほぼ中央に配置されており、ステージユニットSTUの窪んだ部分の上面に固定されている。塗布機構CTは、基板Sに液状体の薄膜を塗布形成する装置である。本実施形態では、塗布機構CTは、インプリント処理を行わせるための薄膜を基板S上に形成する。塗布装置CTは、−X側及び+X側の両側からアクセスすることができるようになっている。したがって、例えば−X側及び+X側の両側から基板Sの搬入及び搬出が可能になっている。塗布装置CTは、X軸方向のほぼ中央部に設定される塗布位置(図中破線で示す部分)50で塗布処理を行うようになっている。図8〜図10は、塗布機構CTの構成を示す図である。塗布機構CTは、ノズル部NZと、カップ部CPと、ノズル管理機構NMとを有している。
ノズル部NZは、ノズル移動機構51によって塗布位置50のY軸方向の中央部にアクセス可能に設けられている。ノズル部NZは、塗布位置50を挟んで+X側及び−X側にそれぞれ配置されている。ノズル部NZは、当該薄膜の構成材料である液状体を基板S上に吐出するノズル52を有している。ノズル52は、塗布位置にアクセスしたときに基板Sの中央部側から外周部側へ向けて液状体を吐出するように、折り曲げ部52bにおいて折り曲げられ形成されている。ノズル52は、基板Sの回転軸に対して−Z側に設けられている。ノズル52は、塗布位置50を基準として基板Sの表面側(+X側)と裏面側(−X側)とで同じ位置に配置されており、X軸方向に対称となるように配置されている。ノズル52は、図11に示すように、先端の吐出面52aが液状体の吐出方向に対して傾けて形成されている。ノズル52の先端が尖った状態になるため、例えば液状体の塗布を停止する際に当該液状体の切れを良くすることができるようになっている。
カップ部CPは、内側カップCP1と、外側カップCP2とを有している。内側カップCP1は、X軸方向に見て円形に形成されており、塗布位置50に配置された基板Sの側方を囲むように配置されている。外側カップCP2は、X軸方向に見てほぼ正方形に形成されており、内側カップCP1を外側から支持するように配置されている。外側カップCP2は、例えば支持部材などを介してステージユニットSTUの上面に固定されている。内側カップCP1と外側カップCP2とは、本実施形態では一体的に形成されているが、分離形成されている構成であっても勿論構わない。
内側カップCP1は、液状体を収容する収容部53を有している。収容部53には、液状体及び収容部53内の気体のうち少なくとも一方を排出する排出機構54が設けられている。排出機構54は、円形に形成された内側カップCP1の外周の接線方向に沿って設けられている。図9に示すように、排出機構54は、外側カップCP2内に設けられた配管などの流路を介して内側カップCP1の開口部53dに接続されている。このように、排出機構54は、配管及び開口部53dを介して、内側カップCP1の収容部53内に接続されている。なお、開口部53dの形状としては、図9に示されるような内側カップCP1の接線方向に沿った形状に限られず、例えば内側カップCP1の径方向に沿った形状であっても構わない。この場合、例えば排出機構54が外側カップCP2の4つの角部、あるいは4辺の中央部に配置された構成としても構わない。図9に示すように、排出機構54は、例えば外側カップCP2の各辺に1つずつ、計4つ設けられている。図9に示すように、各排出機構54は、それぞれ排出経路に接続されている。各排出経路上には気体と液体を分離する気液分離機構としてのトラップ機構55を有している。なお、図8〜図10の他の排出機構54については、排出経路及びトラップ機構55の図示を省略している。
収容部53の入口であって、内側カップCP1のうち基板Sの側部に対向する部分53aは、内側カップCP1の他の部分に対して着脱可能に設けられている。内側カップCP1は、図12に示すように、当該対向部分53aの開口寸法を調節する調節機構53bを有している。調節機構53bにより、例えば基板Sの厚さに応じて開口寸法を調節したり塗布液の跳ね返り状態によって調整することができるようになっている。ノズル52の−Y側には、カップ部CPの洗浄液を基板Sへ吐出する洗浄液ノズル部56がそれぞれ設けられている。
ノズル管理機構NMは、ノズル52の吐出状態が一定になるように管理する。ノズル管理機構NMは、カップ部CPの+X側の外面に取り付けられている。
図13は、ノズル管理機構NMを−X方向に見たときの構成を示す図である。図14は、ノズル管理機構NMを−Z方向に見たときの構成を示す図である。
これらの図に示すように、ノズル管理機構NMは、筐体BD、浸漬部57、排出部58及び予備吐出部59を有している。浸漬部57、排出部58及び予備吐出部59は、それぞれ筐体BDに形成されており、これらが一体的に形成された状態になっている。
浸漬部57は、ノズル52の先端を浸漬液にディップさせることでノズル52の先端の乾燥を防ぐことができるようになっている。浸漬液としては、例えば液状体の洗浄液などを用いることができる。筐体BDは、浸漬部57に対応する位置に溝部57aを有している。溝部57aは、ノズル52を浸漬部57に接続させる、より具体的に言えば、ノズル52を浸漬部57に嵌合させる部分である。ノズル52が溝部57aに嵌合した状態でノズル52の先端部が浸漬部57にアクセスされるようになっている。ノズル52を溝部57aに嵌合させることにより、ノズル52の先端部のアクセス時においてノズル52が例えばY方向にずれるのを防ぐことができるようになっている。
浸漬部57は、浸漬液貯留部57bを有している。浸漬液貯留部57bは、浸漬液Qを貯留する部分であり、−Z方向に至るにつれて先細りとなるように形成されている。浸漬液Qは、浸漬液貯留部57bの+Y側に設けられる浸漬液供給部57cから流路57dを経由することで当該浸漬液貯留部57bに供給されるようになっている。
排出部58は、浸漬液を排出する部分である。排出部58は、浸漬部57の−Y側に配置されており、当該浸漬部57と連通された状態になっている。排出部58が浸漬部57に連通されているため、浸漬部57からオーバーフローした浸漬液が排出されることになり、浸漬部57内の浸漬液を一定に保持することができるようになっている。筐体BDは、排出部58に対応する位置に溝部58a(接続部)を有している。溝部58aは、ノズル52を嵌合させる部分である。ノズル52を嵌合させた状態でノズル52の先端部が排出部58内にアクセスされるようになっている。
排出部58は、吸引機構58bを有している。吸引機構58bとしては、例えば吸引ポンプなどを用いることができる。吸引機構58bは、浸漬部57の浸漬液貯留部57bと連通する空間に接続されている。吸引機構58bを作動させることにより、ノズル52の先端部が配置される排出流路58c及び浸漬液貯留部57bが同時に吸引されることになる。
予備吐出部59は、ノズル52からの予備的な液状体の吐出を行わせる部分である。予備吐出部59は、排出部58の−Y側に配置されており、浸漬部57及び排出部58とは隔てられた状態で設けられている。筐体BDは、予備吐出部59に対応する位置に溝部59aを有している。溝部59aは、ノズル52を嵌合させる部分である。溝部59aは、Y方向の寸法が溝部57a及び溝部58aに比べて広く形成されている。ノズル52を溝部59aに嵌合させた状態でノズル52の先端部が予備吐出部59内にアクセスされるようになっている。
予備吐出部59は、予備吐出部材59b、ドレイン流路59c、ドレイン機構59d、吸引流路59e、吸引機構59f及び洗浄液供給機構59gを有している。ドレイン流路59cは、溝部59aが設けられた位置から−Z方向に形成される流路である。ドレイン流路59cは、ノズル52から吐出された液状体の一部が流通する。ドレイン機構59dは、ドレイン流路59cを−Z方向に流通してきた液状体を排出する部分である。
吸引流路59eは、ドレイン流路59cに接続されており、当該ドレイン流路59cから−Y方向に分岐する流路である。吸引機構59fは、吸引流路59eの−Y側端部に接続されている。吸引機構59fとしては、例えば吸引ポンプなどが用いられる。吸引機構59fを作動させることにより、吸引流路59e内が吸引されるようになっている。
予備吐出部材59bは、ノズル52から吐出される液状体を受ける部分である。予備吐出部材59bは、吸引流路59eに設けられている。予備吐出部材59bは、吸引流路59eの形成方向(Y方向)に沿って形成された線状部材である。当該予備吐出部材59bの構成材料としては、例えば金属材料や樹脂材料など、幅広く材料を用いることができる。予備吐出部材59bは、不図示の移動機構によってY方向に移動可能に設けられている。したがって、予備吐出部材59bを移動させることにより、予備吐出部材59bの+Y側端部がドレイン流路59c内に出没させることができるようになっている。予備吐出部材59bがドレイン流路59c内に突出した状態においては、ノズル52の液状体の吐出方向と予備吐出部材59bの延在方向とが直交するようになっている。洗浄液供給機構59gは、予備吐出部材59bに対して洗浄液を供給する部分である。洗浄液供給機構59gは、吸引流路59eの例えば−Z側に取り付けられており、+Z方向に洗浄液を供給可能になっている。
周縁部除去機構EBRは、塗布機構CTの+X側であって基板処理ユニットSPUの−Y側の端辺に沿った位置に設けられている。周縁部除去機構EBRは、基板Sの周縁部に形成された薄膜を除去する装置である。周縁部除去機構EBRによる除去処理は基板Sに形成された薄膜が乾燥しないうちに行うことが好ましい。このため、周縁部除去機構EBRは、塗布機構CTから基板Sを短時間で搬送可能な位置に配置されていることが好ましい。
周縁部除去機構EBRは、ディップ部、吸引部及び昇降機構(不図示)を有している。ディップ部は、例えば基板Sを回転させながら当該基板Sの周縁部を溶解液に漬け込むことで基板S周縁部に形成された薄膜を溶解して除去する部分である。吸引部は、ディップ部の溶解液に漬け込んだ後の基板Sの周縁部を吸引する部分である。昇降機構は、ディップ部及び吸引部をZ方向に移動させる移動機構である。
(基板搬出ユニット)
図1〜図3に戻って、基板搬出ユニットULUは、基板処理システムSYSのうち基板処理ユニットSPUの+X側に配置されている。基板搬出ユニットULUは、処理後の基板Sを収容した搬出用カセットC2が回収されると共に空の搬出用カセットC2が供給されるユニットである。基板搬出ユニットULUはY軸方向が長手になっており、複数の搬出用カセットC2をY軸方向に沿って配置可能になっている。
基板搬出ユニットULUは、カセット出入口60及びカセット移動機構(第2移動機構)61を備えている。カセット出入口60は、基板搬出ユニットULUを覆うカバー部材の−Y側に設けられた開口部である。カセット出入口60は、空の搬出用カセットC2の入口(供給口)であり、処理後の基板Sを収容した搬出用カセットC2の出口(回収口)である。
カセット移動機構61は、例えばベルトコンベア機構などの駆動機構を有している。本実施形態では、当該駆動機構として搬送ベルトを有している。搬送ベルトは、基板搬出ユニットULUの+Y側端部から−Y側端部にかけてY軸方向に延設されており、X軸方向に2本並ぶように配置されている。
供給用ベルト61aは、2本の搬送ベルトのうち−X側に配置された搬送ベルトである。供給用ベルト61aの+Z側が搬送面となっている。供給用ベルト61aは、当該搬送面が+Y方向に移動するように回転する構成となっている。供給用ベルト61aの搬送面上には、カセット出入口60を介して基板搬出ユニットULU内へ入ってきた搬出用カセットC2が複数載置されるようになっている。当該搬出用カセットC2は、供給用ベルト61aの回転によって搬送ユニットCRU側へ移動するようになっている。
回収用ベルト61bは、2本の搬送ベルトのうち+X側に配置された搬送ベルトである。回収用ベルト61bの+Z側が搬送面となっている。回収用ベルト61bは、搬送面が−Y方向に移動するように回転する構成となっている。回収用ベルト61bの搬送面上には、処理後の基板Sを収容した搬出用カセットC2が複数載置されるようになっている。当該搬出用カセットC2は、回収用ベルト61bの回転によってカセット出入口60側へ移動するようになっている。
本実施形態では、例えば供給用ベルト61a上及び回収用ベルト61b上にそれぞれ5つずつ設けられた待機位置(容器待機部)で搬出用カセットC2が待機可能になっている。基板搬出ユニットULUでは、供給用ベルト61a及び回収用ベルト61bを回転させることによって搬出用カセットC2の待機位置を移動させることができるようになっており、当該待機位置を移動させることによって搬出用カセットC2の搬送時間を短縮させることが可能になっている。
(搬送ユニット)
搬送ユニットCRUは、基板処理システムSYS内の+Y側端辺に沿った領域に配置されており、基板処理ユニットSPU、基板搬入ユニットLDU及び基板搬出ユニットULUのそれぞれに接するように設けられている。搬送ユニットCRUは、基板処理ユニットSPUと基板搬入ユニットLDUとの間で搬入用カセットC1を搬送すると共に、基板処理ユニットSPUと基板搬出ユニットULUの間で搬出用カセットC2を搬送する。搬送ユニットCRUは、レール機構RL及びカセット搬送装置CCを有している。
レール機構RLは、ステージユニットSTU上に固定されており、搬送ユニットCRUの−X側端部から+X側端部までX軸方向に直線状に延設されている。レール機構RLは、カセット搬送装置CCの移動位置を案内する案内機構である。レール機構RLは、Y軸方向に並んで配置される平行な2本のレール部材70を有している。
カセット搬送装置CCは、2本のレール部材70を平面視で跨ぐように当該2本のレール部材70上に設けられている。カセット搬送装置CCは、基板処理ユニットSPUのバッファ機構BF、基板搬入ユニットLDU及び基板搬出ユニットULUのそれぞれにアクセスし、搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2を保持して搬送する搬送装置である。カセット搬送装置CCは、可動部材71と、カセット支持板72と、支持板回転機構73と、カセット保持部材74と、保持部材昇降機構75(図3)と、保持部材スライド機構76(図3)とを有している。
可動部材71は、平面視でH字状に形成されており、2本のレール部材70に嵌合する凹部71aを有している。可動部材71は、不図示の駆動機構(モータ機構など)を例えば内部に有している。可動部材71は、当該駆動機構の駆動力によりレール部材70に沿った直線状の移動区間を移動可能になっている。
カセット支持板72は、可動部材71に固定された平面視矩形の板状部材である。カセット支持板72は、搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2の底部の寸法よりも大きい寸法に形成されており、当該搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2を載置した状態で安定させることができるようになっている。カセット支持板72は、可動部材71に固定されているため、可動部材71と一体的に移動するようになっている。
支持板回転機構73は、Z軸を回転軸としたXY平面上でカセット支持板72を回転させる回転機構である。支持板回転機構73は、カセット支持板72を回転させることにより、カセット搬送装置CC上に載置される搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2の長手方向の向きを変化させることができるようになっている。
カセット保持部材74は、平面視でカセット支持板72の+Y側に配置された平面視U字状の保持部材である。カセット保持部材74は、X軸方向上の位置がカセット支持板72と重なるように設けられている。カセット保持部材74は、不図示の支持部材を介して可動部材71に支持されており、可動部材71と一体的に移動するようになっている。カセット保持部材74のU字の両端部分は、それぞれ搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2に設けられた係合部Cxに係合する保持部74aとなっている。保持部74a(U字の両端部分)のX軸方向の間隔は、搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2に設けられる係合部Cxの間隔に合わせて調節可能になっている。カセット保持部材74は、保持部74aを係合部Cxに係合させることにより、搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2に対してZ軸方向の保持をより確実に行うことができるようになっている。
保持部材昇降機構75は、カセット保持部材74に設けられ、当該カセット保持部材74をZ軸方向に移動させる移動機構である。保持部材昇降機構75としては、例えばエアシリンダなどの駆動機構を用いることができる。保持部材昇降機構75によってカセット保持部材74を+Z方向に移動させることで、カセット保持部材74に保持される搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2を持ち上げることができるようになっている。逆に保持部材昇降機構75によってカセット保持部材74を−Z方向に移動させることで、持ち上げたカセットを載置することができるようになっている。
保持部材スライド機構76は、カセット保持部材74に設けられ、当該カセット保持部材74をY軸方向に移動させる移動機構である。保持部材スライド機構76は、Y軸方向に延在するガイドバー76bと、当該ガイドバー76bに沿って移動する可動部材76aとを有している。可動部材76aはカセット保持部材74に固定されている。可動部材76aがガイドバー76bに沿ってY軸方向に移動することにより、カセット保持部材74は可動部材76aと一体的にY軸方向に移動するようになっている。
(制御ユニット)
制御ユニットCNUは、基板処理システムSYSのステージユニットSTU内に設けられている。制御ユニットCNUは、例えば基板処理ユニットSPUでの基板処理動作、基板搬入ユニットLDUや基板搬出ユニットULUでのカセット移動動作、搬送ユニットCRUでの搬送動作など上記各ユニットでの諸動作を制御する制御装置や、上記各ユニットで必要となる材料の供給源などを備えている。材料の供給源としては、例えば液状体の供給源や、洗浄液の供給源、浸漬液の供給源などが挙げられる。
次に、上記のように構成された基板処理システムSYSの動作を説明する。基板処理システムSYSの各ユニットで行われる動作は、制御ユニットCNUによって制御される。以下の説明では、動作が行われるユニットを主体として説明するが、実際には制御ユニットCNUの制御に基づいて各動作が行われる。
(カセット供給動作)
まず、処理前の基板Sを収容した搬入用カセットC1を基板搬入ユニットLDUに配置させ、空の搬出用カセットC2を基板搬出ユニットULUに配置させるカセット供給動作を説明する。
例えば不図示の供給装置等により、処理前の基板Sを収容した搬入用カセットC1がカセット出入口10を介して基板搬入ユニットLDU内に供給されてくる。基板搬入ユニットLDUは、供給用ベルト11aを回転させながら搬入用カセットC1を順次供給させる。この動作により、基板搬入ユニットLDU内には処理前の基板Sを収容した搬入用カセットC1が複数配列される。
一方、例えば不図示の供給装置等により、空の搬出用カセットC2がカセット出入口60を介して基板搬出ユニットULU内に供給されてくる。基板搬出ユニットULUは、供給用ベルト61aを回転させながら搬出用カセットC2を順次供給させる。この動作により、基板搬出ユニットULU内には空の搬出用カセットC2が複数配列される。
(カセット搬送動作)
次に、基板搬入ユニットLDUに供給された搬入用カセットC1及び基板搬出ユニットULUに供給された搬出用カセットC2を、それぞれ基板処理ユニットSPUへ搬送する。このカセット搬送動作は、搬送ユニットCRUに設けられたカセット搬送装置CCを用いて行う。
搬入用カセットC1の搬送動作を説明する。搬送ユニットCRUは、カセット搬送装置CCを基板搬入ユニットLDUにアクセスさせて搬入用カセットC1を取り込ませ、当該カセット搬送装置CCを搬入側バッファ機構BF1へ移動させる。搬送ユニットCRUは、カセット搬送装置CCを移動させた後、搬入側バッファ機構BF1の待機位置P1に搬入用カセットC1を載置させる。基板搬入ユニットLDUは、取り込みが行われた後、供給用ベルト11aを移動させ、残りの搬入用カセットC1を全体的に+Y方向に移動させておく。搬入用カセットC1の移動により供給用ベルト11a上の−Y側端部のスペースが空くので、不図示の供給機構により新たな搬入用カセットC1を当該空いたスペースに供給させておく。
搬出用カセットC2の搬送動作についても同様に、搬送ユニットCRUは、カセット搬送装置CCを基板搬出ユニットULUにアクセスさせて搬出用カセットC2を取り込ませ、搬出側バッファ機構BF1へカセット搬送装置CCを移動させる。搬送ユニットCRUは、カセット搬送装置CCを移動させた後、搬出側バッファ機構BF2の待機位置P5に搬出用カセットC2を載置させる。基板搬出ユニットULUは、取り込みが行われた後、供給用ベルト61aを移動させ、残りの搬出用カセットC2を全体的に+Y方向に移動させておく。搬出用カセットC2の移動により供給用ベルト61a上の−Y側端部のスペースが空くので、不図示の供給機構により新たな搬出用カセットC2を当該空いたスペースに供給させておく。
(基板処理動作)
次に、基板処理ユニットSPUにおける処理動作を説明する。
基板処理ユニットSPUでは、処理前の基板Sを収容した搬入用カセットC1と空の搬出用カセットC2とを移動させる移動動作、搬入用カセットC1に収容された基板Sのローディング動作、基板Sに液状体を塗布する塗布動作、基板Sに形成された薄膜の周辺部を除去する周縁部除去動作、処理後の基板Sのアンローディング動作、空になった搬入用カセットC1と処理後の基板Sを収容した搬出用カセットC2とを移動させる移動動作、ノズル部NZのメンテナンス動作及びカップ部CPのメンテナンス動作がそれぞれ行われる。上記各動作に加え、ローディング動作と塗布動作との間、塗布動作と周縁部除去動作との間及び整形動作とアンローディング動作との間には、基板Sの搬送動作が行われる。
これらの動作のうち、まず搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2の移動動作を説明する。基板処理ユニットSPUは、搬入側バッファ機構BF1の待機位置P1に搬送された搬入用カセットC1を搬送ベルト20aによって待機位置P2へ移動させ、当該待機位置P2へ移動させた搬入用カセットC1を搬送ベルト20bによって更に待機位置P4へと移動させる。同様に、基板処理ユニットSPUは、搬出側バッファ機構BF2の待機位置P5に搬送された搬出用カセットC2を搬送ベルト22aによって待機位置P6へ移動させ、当該待機位置P6へ移動させた搬出用カセットC2を搬送ベルト22bによって更に待機位置P8へと移動させる。これらの動作により、基板処理ユニットSPU内に搬送されてきた搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2が処理開始時の位置に配置されることとなる。
次に、基板Sのローディング動作を説明する。基板処理ユニットSPUは、搬入用カセットC1が待機位置P4に配置されていることを確認した後、基板上部保持機構23をクランプ位置に配置させると共に、基板下部保持機構24の昇降部材24aを+Z方向へ移動させる。この移動により、昇降部材24aの+Z側端部に取り付けられたクランプ部材24bが搬入用カセットC1内に収容された基板Sのうち最も−Y側に配置された1枚の−Z側に当接し、当該クランプ部材24bによって基板Sの−Z側が保持される。
基板Sの−Z側を保持した後、基板処理ユニットSPUは、保持状態を維持したまま昇降部材24aを+Z方向に更に移動させる。この移動により、基板下部保持機構24によって基板Sが+Z側に持ち上げられ、基板Sの+Z側が基板上部保持機構23のクランプ部材23bに当接し、当該クランプ部材23bによって基板Sの+Z側が保持される。基板Sは、基板上部保持機構23のクランプ部材23b及び基板下部保持機構24のクランプ部材24bの両方によって保持された状態となる。
基板処理ユニットSPUは、クランプ部材23b及びクランプ部材24bによって基板Sを保持したまま、昇降部材23a及び昇降部材24aを同時に+Z方向へ移動させる。基板処理ユニットSPUは、昇降部材23a及び昇降部材24aの移動が等速となるように昇降機構23c及び昇降機構24cを連動させる。基板Sは、クランプ部材23b及びクランプ部材24bによって保持された状態で+Z方向へ移動する。基板処理ユニットSPUは、基板SがローディングポジションLPに配置されたら、昇降部材23a及び昇降部材24aの移動を停止させる。このようにして、基板Sのローディング動作を行う。
ローディング動作の後、基板処理ユニットSPUは、搬入側搬送機構SC1の保持部32をローディングポジションLPへアクセスさせ、当該ローディングポジションLPに配置された基板Sを保持部32に保持させる。保持部32をローディングポジションLPへアクセスさせる際、基板処理ユニットSPUは、回転台30bを回転させてアーム部31の先端面31bを+Y側に向けると共に、モータ装置35aを駆動させてアーム部31をY軸方向に移動させる。このアーム部31の移動に伴い、アーム部31の先端面31bに取り付けられた保持部32は、ローディングポジションLPにアクセスされる。
保持部32をアクセスさせた後、基板処理ユニットSPUは、吸引ポンプ34aを作動させ基板Sを保持部32に吸着させて保持させる。この動作により、基板Sは保持部32によってZ軸方向に立てた状態で保持されることとなる。基板処理ユニットSPUは、保持部32によって基板Sを立てた状態で保持させた後、クランプ部材23b及びクランプ部材24bによる保持力を解除し、基板Sが保持部32のみに保持された状態とする。この状態から、基板処理ユニットSPUは、保持力を解除させたクランプ部材23b及びクランプ部材24bを−Z方向へ退避させる。クランプ部材23b及び24bの退避後、基板処理ユニットSPUは、搬入側搬送機構SC1の回転台30bを回転させ、基板Sを保持したまま当該基板SをZ軸方向に立てた状態で塗布機構CT内の塗布位置へと搬送させる。
次に、基板Sに液状体を塗布する塗布動作を説明する。この塗布動作には、塗布機構CTが用いられる。基板処理ユニットSPUは、基板SをZ軸方向に立てた状態で当該基板Sを高速で回転させ、塗布機構CTに設けられたノズル52を塗布位置50にアクセスさせて当該ノズル52から基板Sへ液状体を吐出させる。
具体的には、基板処理ユニットSPUは、基板Sを塗布位置50に配置させた状態でモータ装置33aを作動させる。モータ装置33aの作用によって回転軸部材33bが回転し、回転軸部材33bに保持される保持部32が当該回転軸部材33bと一体的に回転する。この動作によって、基板SがZ軸方向に立った状態で回転する。
基板処理ユニットSPUは、基板SをZ軸方向に立てた状態で回転させた後、塗布位置50の+X側及び−X側のノズル52をそれぞれ基板Sにアクセスさせ、これらのノズル52から基板Sの表面及び裏面に液状体を吐出させる。吐出された液状体は、回転の遠心力によって基板Sの外周まで行き渡り、基板Sの両面に薄膜が形成される。
各ノズル52が基板Sの回転軸の−Z側に配置された状態となるため、保持部32及びアーム部31に接触させること無くノズル52が配置されることとなる。加えて、各ノズル52が基板Sの回転軸側から基板Sの外周側へ液状体を吐出するため、基板Sの中央部への液状体の移動が抑制されることとなる。
基板処理ユニットSPUは、基板Sを回転させながら液状体を塗布する際に、内側カップCP1を回転させるように構成してもよい。内側カップCP1を回転させるように基板処理ユニットSPUを構成する場合、当該内側カップCP1には、図9に示すようにX軸を回転軸として当該内側カップCP1を基板Sの外周に沿った方向に回転させる回転機構(第2回転機構)53cが設けられる。また、排出機構54は外側カップCP2に結合され、内側カップCP1には開口部53dが設けられる。内側カップCP1が回転するかしないかにかかわらず、基板Sの回転により、基板S上に吐出された液状体のうち基板Sをはみ出して飛散した液状体が、内側カップCP1の対向部分53aに形成される開口部を介して収容部53内へ収容される。収容部53内は、基板Sの回転によって当該回転方向へ液状体の流れ及び気体の流れが生じる。この流れに沿って液状体及び気体は外側カップCP2に接続される排出機構54を介して排出経路へ排出される。排出経路へ排出された液状体及び気体は、トラップ機構55によって分離され、気体がトラップ機構55内を通過すると共に液状体がトラップ機構55内に残留する。トラップ機構55内に残留した液状体は不図示の排出部を介して排出される。
塗布動作の後、基板処理ユニットSPUは、塗布機構CT内の基板Sに対して、+X側から搬出側搬送機構SC2の保持部42をアクセスさせ、当該保持部42によって基板Sを保持させる。保持部42による基板Sの保持動作は、上記の保持部32による基板Sの保持動作と同一である。この動作により、基板Sの一方の面が搬入側搬送機構SC1の保持部32によって保持され、基板Sの他方の面が搬出側搬送機構SC2の保持部42によって保持された状態となる。
基板処理ユニットSPUは、保持部42によって基板Sを保持させた後、吸引ポンプ34aの作動を停止させて保持部32による保持を解除させる。この動作により、基板Sは搬出側搬送機構SC2の保持部42のみによって保持されることになり、基板Sが搬入側搬送機構SC1から搬出側搬送機構SC2へと受け渡されることになる。
次に、基板Sの周囲に形成された薄膜を除去する周縁部除去動作を説明する。この周縁部除去動作には、周縁部除去機構EBRが用いられる。基板Sの受け渡し後、基板処理ユニットSPUは、搬出側搬送機構SC2の回転台40bを回転させると共にアーム部41を適宜伸縮させて、基板Sを周縁部除去機構EBRの+Z方向上に配置させる。このとき、基板処理ユニットSPUは、基板Sがディップ部のY方向中央部に配置されるように搬出側搬送機構SC2に基板Sを搬送させる。
ディップ部上に基板Sが配置された後、基板処理ユニットSPUは、昇降機構を用いてディップ部及び吸引部を+Z側へ移動させ、基板Sをディップ部の溶解液内に漬け込ませる。同時に、基板処理ユニットSPUは、吸引部を基板S側へ近づけ、基板Sにアクセスさせる。
基板処理ユニットSPUは、搬出側搬送機構SC2のモータ装置43aを作動させると共に、吸引部の吸引動作を開始させる。モータ装置43aの作用によって回転軸部材43bが回転し、回転軸部材43bに保持される吸引部材46が当該回転軸部材43bと一体的に回転する。この回転により、基板Sの周縁部の薄膜が除去されることになる。基板Sの周縁部のうち薄膜が除去された部分は、基板Sの回転により吸引部へ移動し当該吸引部によって吸引される。当該吸引動作により、基板Sの周縁部に残留した液状体や溶解液Qなどが除去される。
基板Sを所定時間回転させた後、基板処理ユニットSPUは、基板Sの回転を停止させ、吸引部による吸引動作を停止させる。基板処理ユニットSPUは、これらの動作を停止させた後、昇降機構を用いてディップ部及び吸引部を−Z側へ移動させ、基板Sの漬け込みを解除させる。このようにして、周縁部除去動作が行われる。
周縁部除去動作の後、基板処理ユニットSPUは、基板上部保持機構25のクランプ部材25bがアンローディングポジションUPの+Z側に位置するように昇降部材25aを移動させる。昇降部材25aの移動後、基板処理ユニットSPUは、搬出側搬送機構SC2の保持部42によって基板Sを保持させた状態で回転台40bを回転させると共にアーム部41を適宜伸縮させて、保持部42をアンローディングポジションUPにアクセスさせる。この動作により、基板SがアンローディングポジションUPに配置される。
次に、基板Sのアンローディング動作を説明する。基板処理ユニットSPUは、基板SがアンローディングポジションUPに配置されていることを確認した後、基板上部保持機構25の昇降部材25aを−Z方向へ移動させると共に、基板下部保持機構26の昇降部材26aを+Z方向へ移動させる。この移動により、昇降部材25aの−Z側に取り付けられたクランプ部材25bが基板Sの+Z側に当接すると共に、昇降部材26aの+Z側端部に取り付けられたクランプ部材26bが基板Sの−Z側に当接し、当該クランプ部材25b及びクランプ部材26bによって基板Sの+Z側及び−Z側がそれぞれ保持される。
基板処理ユニットSPUは、クランプ部材25b及びクランプ部材26bの両方によって基板Sが保持されていることを確認した後、搬出側搬送機構SC2の吸引ポンプ44aの作動を停止させ、保持部42による基板Sの保持を解除する。この動作により、基板Sを保持するのはクランプ部材25b及びクランプ部材26bのみとなる。基板処理ユニットSPUは、クランプ部材25b及びクランプ部材26bによる保持状態を維持したまま昇降部材25a及び昇降部材26aを−Z方向に同時に移動させる。基板処理ユニットSPUは、昇降部材25a及び昇降部材26aの移動が等速となるように昇降機構25c及び昇降機構26cを連動させる。基板Sは、クランプ部材25b及びクランプ部材26bによって保持された状態で−Z方向へ移動する。
昇降部材25aの突出部分が搬出用カセットC2に近づいたら、基板処理ユニットSPUは、クランプ部材25bによる保持力を解除させると共に昇降部材25aの移動を停止させ、昇降部材26aのみを−Z方向へ移動させる。基板Sは、クランプ部材26bの保持力によってのみ保持された状態で−Z方向に移動する。
基板処理ユニットSPUは、基板Sが搬出用カセットC2内の収容位置に到達するまでクランプ部材26bによる保持を継続させる。当該収容位置に到達後、基板処理ユニットSPUは、クランプ部材26bによる保持を解除させ、昇降部材26aを−Z方向へ移動させる。この動作により、基板Sが搬出用カセットC2内に収容される。
上記各動作の説明では、搬入用カセットC1の最も−Y側に収容された1枚の基板Sについて順を追って動作を行っていく様子を説明したが、実際には、複数の基板Sについて連続して動作が行われる。この場合、基板処理ユニットSPUは、搬送ベルト20bを回転させ、搬入用カセットC1に収容される残りの基板Sのうち最も−Y側の基板SがローディングポジションLPに平面視で重なる位置に配置されるように当該搬入用カセットC1を−Y方向に移動させる。
同様に、基板処理ユニットSPUは、搬送ベルト22bを回転させ、搬出用カセットC2内の収容位置のうち最も−Y側の収容位置がアンローディングポジションUPに平面視で重なる位置に配置されるように当該搬出用カセットC2を−Y方向に移動させる。基板処理ユニットSPUは、搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2について当該移動を行わせながら、上記の各処理を繰り返し行わせる。
複数の基板Sについて処理を行わせる場合、基板処理ユニットSPUは、当該複数の基板Sについて並行して処理動作を行わせる。具体的には、ある基板Sについて塗布動作を行わせている間、他の基板Sについては周縁部除去動作を行わせ、更にこれらとは異なる基板Sについてはローディング動作やアンローディング動作を行わせる、というように複数の基板Sについて並行して処理動作を行わせる。このように並行処理を行わせることで、基板Sの待機時間を極力短縮させるようにし、基板Sの処理タクトの短縮を図っている。
搬入用カセットC1内に収容されていた全ての基板Sの処理が完了した場合、当該搬入用カセットC1は空の状態になり、待機位置P8に待機する搬出用カセットC2の全ての収容位置が処理後の基板Sで満たされた状態になる。基板処理ユニットSPUは、この状態を確認した後、搬送ベルト20bを上記とは逆向きに回転させて搬入用カセットC1を待機位置P4から待機位置P2へと移動させ、更には搬送ベルト20aを回転させて搬入用カセットC1を待機位置P3へと移動させる。同様に、基板処理ユニットSPUは、搬送ベルト22bを上記とは逆向きに回転させて搬出用カセットC2を待機位置P8から待機位置P6へ移動させ、更には搬送ベルト22aを回転させて搬出用カセットC2を待機位置P7へと移動させる。
次に、図15を参照して、塗布機構CTのうちノズル部NZ及びカップ部CPのメンテナンス動作を説明する。塗布動作の回数を重ねると、ノズル部NZやカップ部CPには液状体の固化物や大気中の塵や埃等の不純物が付着することがある。当該不純物は、例えばノズル52を詰らせて吐出特性を低下させたり、カップ部CP内の排出経路を塞いでしまったりする可能性がある。また、各吐出動作においてノズル52の吐出環境が変化しないように管理する必要がある。したがって、定期的にノズル部NZ及びカップ部CPのメンテナンス動作を行う必要がある。
ノズル部NZのメンテナンス動作には、ノズル管理機構NMが用いられる。ノズル52を洗浄する際には、基板処理ユニットSPUは、ノズル部NZを移動させてノズル52をノズル管理機構NMにアクセスさせる。図15Aに示すように、基板処理ユニットSPUは、浸漬部57に対応する溝部57aにノズル52を嵌合させる。ノズル52が溝部57aに嵌合された状態においては、ノズル52の先端部が浸漬液貯留部57b内の浸漬液Qに漬け込まれた状態となる。このため、ノズル52の先端部は、浸漬液Qによって保湿された状態となる(浸漬工程)。
当該浸漬工程の後、基板処理ユニットSPUは、溝部57aに嵌合されているノズル52を外し、ノズル52を排出部58へと移動させる。基板処理ユニットSPUは、図15Bに示すように、移動させたノズル52を排出部58に対応する溝部58aに嵌合させる。ノズル52が溝部58aに嵌合された状態においては、ノズル52の先端部が排出流路58c内に挿入された状態となる。この状態で、基板処理ユニットSPUは、吸引機構58bを作動させる。吸引機構58bの作動により、排出流路58c及び当該排出流路58cに連通された浸漬液貯留部57bが吸引される(吸引工程)。
この吸引動作により、ノズル52の先端部が吸引され、ノズル52の先端部が乾燥されると共にノズル52に付着する不純物が除去される。同時に、この吸引動作により、浸漬液貯留部57bが吸引され、当該浸漬液貯留部57b内の浸漬液Qが排出流路58cへと移動し、当該排出流路58cを介して排出されることになる。
吸引動作の後、溝部58aに嵌合されているノズル52を外し、ノズル52を予備吐出部59へと移動させる。基板処理ユニットSPUは、図15Cに示すように、移動させたノズル52を予備吐出部59に対応する溝部59aに嵌合させる。基板処理ユニットSPUは、当該予備吐出部59においてノズル52の予備吐出動作を行わせる(予備吐出工程)。
予備吐出動作において、基板処理ユニットSPUは、ドレイン機構59d及び吸引機構59fを作動させると共に、予備吐出部59の予備吐出部材59bの+Y側端部をドレイン流路59c内に突出させる。この状態においては、ノズル52の先端部と予備吐出部材59bとが平面視で重なった状態となる。また、ノズル52の先端部の延在方向(Z方向)と予備吐出部材59bの延在方向(Y方向)とが直交した状態となる。
この状態で、基板処理ユニットSPUは、ノズル52から液状体を予備的に吐出させる。ノズル52から吐出された液状体の一部は、当該液状体の吐出方向上に配置される予備吐出部材59bに接触し、予備吐出部材59bを伝達して−Y方向に流れる。予備吐出部材59bの配置される吸引流路59e内は吸引機構59fによって吸引されているため、液状体は−Y方向へ加速されて吸引機構59fに到達し、当該吸引機構59fから排出される。このように予備吐出部材59bは、ノズル52からの液状体の一部を受ける。
一方、ノズル52から吐出された液状体には、予備吐出部材59bに接触した後にドレイン流路59c内を−Z方向へ流通するものも存在する。この液状体は、ドレイン機構59dを介して排出されることになる。
液受工程の後、基板処理ユニットSPUは、予備吐出部材59bを洗浄させる。具体的には、洗浄液供給機構59gから予備吐出部材59bに洗浄液を供給させる。予備吐出部材59bに供給された洗浄液は、予備吐出部材59bを+Y方向及び−Y方向へ伝達して流通する。このため、予備吐出部材59bに付着した液状体は洗浄液によって除去され、予備吐出部材59bが洗浄されることになる。
基板処理ユニットSPUは、予備吐出部材59bの洗浄時においても、ドレイン流路59c及び吸引流路59eの吸引動作を継続させておく。これにより、予備吐出部材59bの+Y側端部に到達した洗浄液は、ドレイン流路59cを介してドレイン機構59dから排出される。また、予備吐出部材59bの−Y側端部に到達した洗浄液は、吸引機構59fから排出される。
予備吐出部材59bの洗浄を終了した後、基板処理ユニットSPUは、例えば予備吐出部材59bを−Y方向に移動させ、当該予備吐出部材59bを吸引流路59e内に収容させる。基板処理ユニットSPUは、予備吐出部材59bの収容後、吸引機構59fの吸引力を増加させる。吸引流路59e内の吸引圧が増加するため、予備吐出部材59bに付着した洗浄液は吸引機構59f側に移動する。この動作により、予備吐出部材59bに付着した洗浄液は吸引機構59fを介して排出される。
このようなノズル52の予備吐出動作により、当該ノズル52の吐出環境が調整されることとなる。
カップ部CPのメンテナンス動作について説明する。カップ部CPを洗浄する際には、洗浄液ノズル部56が用いられる。基板処理ユニットSPUは、上記塗布動作を行わせる際、基板Sを回転させた状態でノズル52の代わりに洗浄液ノズル部56を基板Sの+X側及び−X側からアクセスさせ、各洗浄液ノズル部56から基板Sへ洗浄液を吐出させる。基板S上に吐出された洗浄液は、回転の遠心力によって基板Sの周縁部へ移動し、基板Sの周縁部から内側カップCP1側へ飛散される。飛散した洗浄液は、対向部分53aの開口部を介して収容部53内へ収容される。このように、基板処理ユニットSPUは、内側カップCP1が回転するかしないかにかかわらず、基板Sを回転させるようにする。この動作により、収容部53に洗浄液の流れを形成させることができ、当該洗浄液の流れによって収容部53内及び排出経路内が洗浄されることになる。この洗浄液の排出は、液状体の排出と同様、トラップ機構55において気体と分離されて排出されることとなる。
カップ部CPの洗浄動作については、例えば収容部53の対向部分53aを取り外した状態で行っても構わない。洗浄動作を行う場合以外にも、例えば対向部分53aを取り外して当該対向部分53aを別途洗浄するようにしても構わないし、対向部分53aを取り外した上でカップ部CPの他の部分のメンテナンスを行っても構わない。
(カセット搬送動作)
次に、空になった搬入用カセットC1を基板搬入ユニットLDUへ搬送すると共に処理後の基板Sが収容された搬出用カセットC2を基板搬出ユニットULUへ搬送するカセット搬送動作を説明する。
搬入用カセットC1の搬送動作を説明する。この搬送動作は、上記の搬送動作で用いたカセット搬送装置CCを用いて行う。搬送ユニットCRUは、カセット搬送装置CCを基板処理ユニットSPUの搬入側バッファ機構BF1まで移動させ、待機位置P3で待機している空の搬入用カセットC1の取り込み動作をカセット搬送装置CCに行わせる。
搬入用カセットC1の取り込み後、搬送ユニットCRUは、カセット搬送装置CCを基板搬入ユニットLDUへ向けて−X方向に移動させる。当該移動後、搬送ユニットCRUは、カセット支持板72上に載置された空の搬入用カセットC1を回収用ベルト11bの+Y側端部上に載置させ、カセット保持部材74を+Y側へ退避させる。
搬出用カセットC2の搬送動作を説明する。この搬送動作は、上記搬入用カセットC1の搬送動作と同様、カセット搬送装置CCを用いて行う。搬送ユニットCRUは、基板処理ユニットSPUの搬出側バッファ機構BF2までカセット搬送装置CCをX軸方向に移動させ、待機位置P7で待機している搬出用カセットC2の取り込みをカセット搬送装置CCに行わせる。
取り込み動作の後、搬送ユニットCRUは、カセット搬送装置CCを基板搬出ユニットULUへ向けて+X方向に移動させる。当該移動後、搬送ユニットCRUは、カセット支持板72上に載置された搬出用カセットC2を回収用ベルト61bの+Y側端部上に載置させ、カセット保持部材74を+Y側へ退避させる。
(カセット回収動作)
次に、空になった搬入用カセットC1及び処理後の基板Sを収容した搬出用カセットC2を回収するカセット回収動作を説明する。
基板搬入ユニットLDUは、空になった搬入用カセットC1が搬送されてきたことを確認した後、回収用ベルト11bを回転させ、カセット出入口10を介して当該搬入用カセットC1を基板搬入ユニットLDUの外部へ搬送させる。搬入用カセットC1が基板搬入ユニットLDUに搬送されてくる度に、この動作を繰り返す。
同様に、基板搬出ユニットULUは、処理後の基板Sを収容した搬出用カセットC2が搬送されてきたことを確認した後、回収用ベルト61bを回転させ、−Y方向へ移動させ、カセット出入口60を介して当該搬出用カセットC2を基板搬出ユニットULUの外部へ搬送させる。搬出用カセットC2が基板搬出ユニットULUに搬送されてくる度に、この動作を繰り返す。
(カセット補充動作)
搬送ユニットCRUは、待機位置P1及び待機位置P5が空いた状態になっていることを確認した後、カセット搬送装置CCによって当該待機位置P1及び待機位置P5に次の搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2を搬送させる。搬送ユニットCRUは、まずカセット搬送装置CCを基板搬入ユニットLDUまで移動させて次の搬入用カセットC1を取り込ませる。取り込み動作の後、搬送ユニットCRUは、カセット搬送装置CCを搬入側バッファ機構BF1まで移動させ、取り込んだ搬入用カセットC1を待機位置P1に載置させる。同様に、搬送ユニットCRUは、カセット搬送装置CCを基板搬出ユニットULUに移動させて次の搬出用カセットC2を取り込ませ、その後カセット搬送装置CCを搬出側バッファ機構BF2に移動させて搬出用カセットC2を待機位置P5に載置させる。
搬入用カセットC1が待機位置P1から待機位置P2へ移動し、搬出用カセットC2が待機位置P5から待機位置P6へ移動すると、待機位置P1及び待機位置P5が再び空いた状態になる。この空いた状態の待機位置P1及び待機位置P5には、更に次の搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2を搬送しそれぞれ待機させることができる。このように、搬入側バッファ機構BF1及び搬出側バッファ機構BF2の待機位置P1及び待機位置P5が空いた状態になる毎に、搬送ユニットCRUは、基板搬入ユニットLDUから搬入用カセットC1を搬送させ、基板搬出ユニットULUから搬出用カセットC2を搬送させる。
以上のように、本実施形態によれば、ノズル管理機構NMがノズル52の先端部を浸漬液Qに漬け込んで洗浄する浸漬部57を有するので、ノズル52の先端を確実に洗浄することができる。加えて、ノズル管理機構NMがノズル52から予備的に吐出される液状体を受ける予備吐出部59を有するので、ノズルの吐出状態を良好に保つことができる。これにより、ノズル52の吐出状態を良好に維持することができる。更に、ノズル管理機構NMにはノズル52の先端を吸引する吸引機構58bが設けられているので、ノズル52の先端に付着した異物等を除去することができ、ノズル52の先端を清浄に保つことができる。
本実施形態では、ノズル管理機構NMがカップ部CPに取り付けられているため、カップ部CPにおける塗布動作位置からノズル管理機構NMの各アクセス位置までのノズル52の移動を短時間で行わせることができる。更に、排出部58が浸漬部57に隣接して設けられているので、浸漬部57の浸漬液を効率的に排出することができる。加えて、排出部58からの浸漬液の排出量を調整しやすくなるため、例えば浸漬部57からオーバーフローした浸漬液を排出させるなど、幅広い排出の態様を取ることができる。
本実施形態では、予備吐出部59がノズル52から予備的に吐出される液状体を受ける予備吐出部材59bを有し、当該予備吐出部材59bが線状に形成されているため、平面ではなく線で液状体を受けることができる。このため、液状体の吐出方向に拘らず確実に液状体を受けることができる。また、予備吐出部59には液受用の平面部よりも体積の小さい予備吐出部材59b(線状部材)を設ければ済むため、予備吐出部59の寸法を抑えることができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、カップ部CPを洗浄するための洗浄液を吐出するノズルとして洗浄液ノズル部56を配置する構成としたが、これに限られることは無く、例えば洗浄液ノズルとして、上記のノズル52を兼用して用いる構成であっても構わない。この場合、ノズル52の供給源を液状体と洗浄液とで切り替え可能な切替機構(不図示)を配置させるようにする。これにより、装置構成を複雑化することなく効率的にメンテナンスを行うことが可能となる。
また、上記実施形態においては、ノズル部NZの位置を基板Sの回転軸の−Z側に配置させ、重力方向に沿って液状体を吐出する構成としたが、これに限られることは無く、例えばノズル部NZの位置を基板Sの回転軸の+Z側に配置し、重力方向に逆らって液状体を吐出する構成であっても構わない。
また、上記実施形態においては、ノズル52が折り曲げ部52bにおいて折り曲げられた構成としたが、これに限られることは無く、例えばノズル52が基板Sの回転軸の−Z側へ向けて曲線状に形成された構成であっても構わない。これにより、液状体の流通をスムーズにすることができる。
また、上記実施形態においては、ノズル52が基板Sの表面側と裏面側とで同じ位置に配置されている構成としたが、これに限られることは無く、例えばノズル52の表面側の位置と裏面側の位置とを異なる位置に配置する構成であっても構わない。例えば塗布位置50の+X側についてはノズル52を基板Sの回転軸の−Z側に配置し、塗布位置50の−X側についてはノズル52を基板Sの回転軸の+Z側に配置する構成であっても構わない。勿論、+Z側及び−Z側の配置を逆にしても構わない。
また、上記実施形態では、ノズル管理機構NMをカップ部CPに取り付けた構成としたが、これに限られることは無く、ノズル部NZの移動可能な範囲であれば、他の位置に配置させる構成としても構わない。
また、上記実施形態では、カップ部CP内を洗浄する際に、洗浄液ノズル部56を用いて基板Sに洗浄液を吐出する構成としたが、これに限られることは無く、例えば基板Sとは異なる洗浄液吐出用の基板を塗布位置50に配置させ、当該洗浄液吐出用の基板に洗浄液を吐出する構成としても構わない。これにより、薄膜形成以外に用いる基板Sの消費を抑えることができる。
また、上記実施形態においては、基板搬送機構SCが基板処理ユニットSPU内の2箇所に配置された構成としたが、これに限られることは無く、例えば基板搬送機構SCが1箇所に配置された構成であっても構わないし、3箇所以上に配置された構成であっても構わない。
また、上記実施形態において、基板搬入ユニットLDUはカセット移動機構11としてベルトコンベア機構を有している構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、ベルトコンベア機構以外にも例えば搬入用カセットC1の係合部Cxを保持するホーク部材を有する構成であっても構わない。このホーク部材としては、例えばカセット搬送装置CCのカセット保持部材74と同様の構成とすることができる。ホーク部材によって搬入用カセットC1の係合部Cxを保持して基板搬入ユニットLDU内を移動させる構成とすることができる。当該ホーク部材は、基板搬出ユニットULUのカセット移動機構61として用いることも可能である。
また、上記実施形態においては、搬入側バッファ機構BF1及び搬出側バッファ機構BF2において、搬入用カセットC1及び搬出用カセットC2の待機位置を移動する機構として搬送ベルト20a、20b、22a及び22bを例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば搬入側バッファ機構BF1において、搬入用カセットC1を待機位置P1、待機位置P2、待機位置P4、待機位置P2、待機位置P3と順に移動させる移動機構を設ける構成であっても構わない。バッファ機構BF2においても同様に、搬出用カセットC2を待機位置P5、待機位置P6、待機位置P8、待機位置P6、待機位置7と順に移動させる移動機構を設ける構成であっても構わない。このような移動機構としては、例えば搬入用カセットC1、搬出用カセットC2の係合部Cxを保持するホーク部材を有する構成などが挙げられる。このホーク部材としては、例えばカセット搬送装置CCのカセット保持部材74と同様の構成とすることができる。
また、上記実施形態では、搬入側搬送装置SC1が単独で基板Sを保持して回転させる構成としたが、これに限られることは無く、例えば搬入側搬送装置SC1と搬出側搬送装置SC2とで1つの基板Sの表裏を挟むように保持して回転させる構成であっても構わない。この場合、搬入側搬送装置SC1及び搬出側搬送装置SC2のうち一方を主動的に回転させ、他方を従動的に回転させる構成としても構わないし、両方を主動的に回転させる構成としても構わない。搬入側搬送装置SC1と搬出側搬送装置SC2とで基板Sの表裏を保持することにより、基板Sの表面側及び裏面側の気流等の状態を極力等しくすることができる。基板Sの両面側の状態を調整することにより、基板Sの両面に塗布される膜質が異なってしまうのを防ぐことができる。
また、上記実施形態においては、周縁部除去装置EBRを搬出側搬送装置SC2側にのみ配置する構成としたが、これに限られることは無く、例えば搬入側搬送装置SC1側にも配置する構成としても構わない(図1の一点鎖線部分)。このように構成することにより、例えば搬入側搬送装置SC1及び搬出側搬送装置SC2の両方に塗布動作及び周縁部除去動作をそれぞれ行わせることができる。
例えば、搬入側搬送装置SC1によって塗布装置を行わせている間に、搬出側搬送装置SC2によって周縁部除去動作を行わせることができ、逆に搬入側搬送装置SC1に周縁部除去動作を行わせている間に、搬出側搬送装置SC2によって塗布動作を行わせることができる。このように、2つの基板搬送装置SCを交互に塗布装置CTにアクセスさせることによりパラレル処理を行わせることができるので、効率的な処理が可能となり、処理タクトの一層の短縮化を図ることができる。
また、上記のように搬入側搬送装置SC1と搬出側搬送装置SC2とで1つの基板Sを同時に保持して回転させる構成とした場合、周縁部除去装置EBR内を塗布装置CT内に設けるようにしても構わない。この構成により、搬入側搬送装置SC1と搬出側搬送装置SC2とで基板Sを保持して回転させつつ塗布動作を行わせ、塗布動作の後に当該塗布動作と連続して周縁部除去動作を行わせることが可能となる。これにより、1つの装置において塗布動作及び周縁部除去動作を行うことができこととなるため、処理の効率化を図ることができる。また、塗布動作及び周縁部除去動作を1つの塗布装置CT内で行わせることにより、例えば一の基板Sに対する塗布動作及び周縁部除去動作を行った後、搬出側搬送装置SC2によって当該一の基板Sを搬出させつつ、搬入側搬送装置SC1によって次に処理する基板Sを搬入させることができる。搬入側搬送装置SC1によるローディング動作と搬出側搬送装置SC2によるアンローディング動作とを同時に行うことができるため、効率的な処理が可能となる。
また、上記実施形態においては、搬入側バッファ機構BF1及び搬出側バッファ機構BF2において、カセット移動機構20、22の構成をベルトコンベア機構として説明したが、これに限られることは無い。例えば図16に示すように、アーム機構によってカセットCを搬送させる構成としても構わない。
図16は、上記実施形態における図1に対応する図であり、カセット移動機構20、22の構成を示す図である。図17は、図16のカセット移動機構20を拡大して示す図である。図18は、カセット移動機構20の一部の構成を示す図である。図19は、カセット移動機構20を+Y方向に見たときの図である。カセット移動機構20及びカセット移動機構22は同一の構成になっているため、以下ではカセット移動機構20を代表させて説明する。図17及び図18には、待機位置P1〜P4と待機位置P5〜P8とを対応させて示している。
図16から図18に示すように、カセット移動機構20は、カセット載置部材20a及びカセット搬送アーム20bを有している。カセット載置部材20aは、待機位置P1〜P3のそれぞれに設けられた板状部材である。カセット載置部材20aの+Z側の面には、搬入用カセットC1が載置されるようになっている。
図16及び図17に示すように、待機位置P2に設けられるカセット載置部材20aは不図示の駆動部によってY方向に移動可能になっている。このため、待機位置P2に設けられるカセット載置部材20aは、当該駆動部により待機位置P2と待機位置P4との間を移動可能になっている。待機位置P1及びP3に設けられたカセット載置部材20aは固定された状態になっている。
図17及び図19に示すように、カセット載置部材20aの+Z側の面(載置面)には、搬入用カセットC1の外周に沿うように環状の凸部20cが形成されている。この凸部20cが設けられていることにより、搬入用カセットC1がカセット載置部材20a上に載置された状態で搬入用カセットC1が凸部20c内に嵌まった状態となる。このため、搬入用カセットC1の位置合わせが可能になると共に、搬入用カセットC1の位置ずれを防止できるようになっている。
カセット搬送アーム20bは、待機位置P1〜P3のうち2箇所に設けられている。カセット搬送アーム20bは、Z方向視におけるカセット載置部材20aの外周に沿って形成されている。カセット搬送アーム20bは、不図示の駆動部によってX方向及びZ方向に移動可能に設けられている。図18に示すように、カセット搬送アーム20bは、アーム支持部材20dに固定されて支持された状態となっている。アーム支持部材20dには、不図示の駆動機構が接続されている。当該不図示の駆動機構は、アーム支持部材20dをX方向及びZ方向に移動可能に形成されている。カセット搬送アーム20bは、アーム支持部材20dの移動と一体的に移動可能になっている。図19に示すように、カセット搬送アーム20bは、カセット載置部材20aの+Z側及び−Z側を移動可能に設けられている。
次に、上記のように構成されたカセット移動機構20の動作を説明する。以下の動作の説明においても、カセット移動機構20を代表させて説明するが、カセット移動機構22についても同様の動作が行われる。
基板処理ユニットSPUは、例えば待機位置P1に設けられたカセット載置部材20a上に搬入用カセットC1が載置された状態で、カセット搬送アーム20bをカセット載置部材20aの−Z側から+Z側へ移動させる。この動作により、カセット搬送アーム20bが搬入用カセットC1を受け取り、カセット載置部材20aに対して搬入用カセットC1を持ち上げた状態となる。
基板処理ユニットSPUは、搬入用カセットC1を受け取ったカセット搬送アーム20bを+X方向に移動させ、待機位置P2で当該移動を停止させる。移動を停止させた後、基板処理ユニットSPUは、カセット搬送アーム20bをカセット載置部材20aの−Z方向に移動させる。この動作により、カセット搬送アーム20bが搬入用カセットC1をカセット載置部材20aに渡すと共に、カセット搬送アーム20bがカセット載置部材20aの−Z側に移動する。
基板処理ユニットSPUは、カセット搬送アーム20bをカセット載置部材20aの−Z側に移動させた後、当該カセット搬送アーム20bを−X方向に移動させる。この動作により、カセット搬送アーム20bが元の位置(待機位置P1)に戻されることになる。同時に、基板処理ユニットSPUは、待機位置P3に配置されているカセット搬送アーム20bを−X方向に移動させる。この動作により、待機位置P2のカセット載置部材20aの−Z側にカセット搬送アーム20bが配置される。
基板処理ユニットSPUは、待機位置P2のカセット載置部材20a上に搬入用カセットC1が載置された状態において、当該カセット載置部材20aを待機位置P4に移動させる動作を行う。当該動作により、搬入用カセットC1が待機位置P2から待機位置P4へ移動する。この場合、待機位置P2に配置されるカセット搬送アーム20bについては移動することなく、カセット載置部材20aのみが待機位置P2に移動するように構成されている。待機位置P4において基板Sが処理された後、基板処理ユニットSPUは、カセット載置部材20aを待機位置P4から待機位置P2へと移動させる。この動作により、搬入用カセットC1が待機位置P2に戻される。
基板処理ユニットSPUは、新たに待機位置P2に配置された図中+X側のカセット搬送アーム20bを+Z方向に移動させ、搬入用カセットC1を当該カセット搬送アーム20bに受け取らせる。搬入用カセットC1を受け取らせた後、基板処理ユニットSPUは、このカセット搬送アーム20bを+X方向に移動させ、待機位置P3で当該移動を停止させる。移動を停止させた後、基板処理ユニットSPUは、カセット搬送アーム20bを−Z方向に移動させ、搬入用カセットC1を待機位置P3のカセット載置部材20a上に載置させる。
このように、基板処理ユニットSPUは、図中−X側に配置されたカセット搬送アーム20bについては待機位置P1と待機位置P2との間を移動させ、図中+X側に配置されたカセット搬送アーム20bについては待機位置P2と待機位置P3との間を移動させる。この動作により、待機位置P1に配置される搬入用カセットC1の搬送と、待機位置P2に配置される搬入用カセットC1の搬送とを別個に行うことができる。
また、基板処理ユニットSPUは、待機位置P2のカセット載置部材20aを待機位置P2と待機位置P4との間で移動させる。この動作により、待機位置P2に搬送されてきた搬入用カセットC1を待機位置P4へ移動させることができ、待機位置P4の搬入用カセットC1を待機位置P2へ戻すことができる。
また、上記実施形態では、予備吐出部59においてノズル52の予備吐出動作を行う態様を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、排出部58にノズル52を接続させて予備吐出動作を行う態様であっても構わない。
例えば、基板Pへの吐出動作後のノズル52を浸漬部57の浸漬液Qに浸漬させる。予備吐出動作を行う場合には、浸漬液からノズル52を上昇させ、排出部58の溝部58aにノズル52を嵌合させる。この状態で、例えば吸引機構58bを作動させること無く、ノズル52から液状体を予備吐出させる。予備吐出された液状体は、排出流路58cを介して排出されることになる。
このように、予備吐出部59を用いずに排出部58にてノズル52の予備吐出動作を行うことにより、タクトを短縮させることができる。また、排出部58は、浸漬液Qの排出部と液状体の排出部とを兼ねることになるため、排出部58の管理を一元化させることができ、処理全体のタクトを短縮することができる。
なお、この場合において、浸漬液Qとして、ノズル52から吐出される液状体と同一の液体を用いることが好ましい。このようにすることで、排出部58からは同一種類の液体である浸漬液Q及び液状体が排出されることになるため、排出部58からの排出液の管理がより効率的となる。
また、予備吐出動作については、例えば浸漬部57にて予備吐出動作を行う態様であっても構わない。この場合、まず、基板Sへの吐出動作後のノズル52を浸漬部57の浸漬液Qに浸漬させる。予備吐出動作を行う場合には、浸漬液からノズル52を上昇させ、ノズル52が浸漬液に浸漬されていない状態でノズル52から液状体を予備吐出させる。予備吐出された液状体は、浸漬液貯留部57b内に溜まることになる。浸漬液貯留部57aに溜まった液状体については、例えば吸引機構58bを作動させることにより、適宜排出部58から排出させることができる。
このように、浸漬部57においてノズル52の予備吐出動作を行うことにより、処理全体のタクトを更に短縮することができる。また、予備吐出に用いた液状体を新たな浸漬液Qとして用いることができるため、浸漬液Q(液状体)の消費量を抑えることができるという利点もある。
なお、この場合においても、浸漬液Qとして、ノズル52から吐出される液状体と同一の液体を用いても構わない。このようにすることで、浸漬液貯留部57bに溜まった液状体を、ノズル52の先端を浸漬させる浸漬液Qとして用いることができる。更に、排出部58からは同一種類の液体である浸漬液Q及び液状体が排出されることになるため、排出部58からの排出液の管理がより効率的となる。