JP5622078B2 - 壁面走行ロボット - Google Patents

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Description

本発明は、大型構造物である橋梁、建物、トンネル、大型タンク、あるいは船舶等の外壁や内壁に吸着して、壁面の検査、清掃、塗装、表面処理等の作業に従事する壁面走行ロボットに関するものであり、とりわけ、表面が平滑でなく、不連続な凸凹の障害物や溝等を有する壁面、あるいは埃や煤等の堆積物があったり、地下水等による湿潤で滑り易い情況にある壁面でも安定して走行し、必要な作業を遂行できる壁面走行ロボットに関するものである。
従来から自己吸着型壁面走行ロボットは知られているが、磁石式以外の吸着型走行ロボットは、大別すると、吸着盤の数によって、複数の吸着盤を有する複雑で大重量のロボットと、単一吸着盤を有する軽量簡易型のロボットとに分けられる。大重量のロボットは、落下等に対する安全対策が構造物の上部からの吊りロープで取れる場合に限られ、単一吸着盤型のロボットでも、軽量・高機能・高性能でなければ、地上からの支援ロッドと安全索の組合せでの実用的な落下対策を取ることができず、例えば安全索の取り付けが壁面上でできないことからトンネル内等での用途には実用的ではない。
一方、特許文献1においては、凹凸のある壁面等に吸着して走行させるためのブラシ型吸着盤を備えた自己吸着型走行装置が開示されている。このブラシ型吸着盤では、該吸着盤内の低圧(真空)を維持するため、ナイロンもしくはポリプロピレンからなる高密度のブラシ(線径0.08〜0.3mm)を用い、そのブラシを凹凸面に追従させているが、そのブラシの製造に際しては、ブラシ毛を鋼線のまわりで180°折り返し、折り返し部をリング状のC型チャネル内に挿入し、同チャネルを側面から圧着して、カシメ、固定している。
しかしながら、壁面走行ロボットの自己吸着性能を向上させるためには出来るだけ軽量化する必要があり、これに対して上記ブラシ型吸着盤におけるブラシ毛の固定には金属製のC型チャンネルを使用しているため、重量が重くなっている。しかも、ブラシ毛の材質からして壁面との摩擦も大きいものとなっている。また、ブラシと壁面の凹凸への密着性を高めるため、ブラシのベースプレートを吸着盤リングに取付けて押圧スプリングで壁面側に付勢して、壁面へ押付ける機構を備え、さらに、吸着盤リングの摺動部の気密性を保つために、円筒状シールゴムやOリングで覆うことでシール性の完璧を期するとしているが、この機構では横断的に長い溝型の障害に対し、うまく溝にはまって吸着盤の気密性を維持できないことは明らかであり、しかもこれらの機構は大きな重量増となる。
また、特許文献1に記載の走行装置では、壁面の凹凸に対する真空圧の維持のため吸着盤を同心状に2重にし、内外2重に配設した吸着盤にブラシを取付ける機構を備えているが、これも吸着盤下を横切る一筋の溝に対して不適切であって、重量増加を惹起するのみである。
さらに、上記走行装置は、滑落対策として、吸着力を強めて壁面摩擦力で壁面上の位置を維持しようとするものであるが、吸着力がいくら強くても、壁面と車輪との摩擦係数が埃や煤、水分等で極端に低下し、車輪等の滑りで滑落する場合に対応できていない。
特開2005−47451号公報
本発明の技術的課題は、基本的には、各種大型構造物の外壁や内壁に吸着して各種作業に従事する壁面走行ロボットの悪環境における走行性を改善し、また、各種原因により壁面から滑落するのに対する対策を講じた壁面走行ロボットを提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、壁面走行ロボット自体の軽量化を図ると共に、揚力付与によって壁面への吸着を安定化させ、特に気嚢による揚力付与においてはシャーシ上の構造物を囲んで落下時の緩衝機能をも発揮できるようにした壁面走行ロボットを提供することにある。
本発明のさらに他の技術的課題は、トンネル内等の埃や煤や水分のように車輪を滑らせる堆積物の存在が著しい壁面を走行して非破壊検査等を行うのに適した壁面走行ロボットを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によれば、三角形の頂点にそれぞれ車輪を有するシャーシと、上記シャーシの車輪の設置部分を除く該シャーシの下方に位置させて固定され、作業対象の壁面に対して平行に配設される吸着板の全周辺に、上記壁面に接する長さを持つブラシ毛の先端を上記壁面側に向けて密に配列させて基部を固化したブラシスカートを備えることにより形成された吸着部と、上記吸着板の中央に大径端が開口するベルマウスを吸着用ダクトファンの吸引口に接続してなる吸着機構と、上記シャーシにおける3箇所に設けられた、少なくとも一つの駆動輪を含む車輪が、ホイールディスクの周面に、上記壁面の凸部を跨いで走行するためのスタッドを放射方向に立設することにより構成され、それらの車輪の一部に操舵機能を持たせると共に操舵時に差動回転する機能を持たせた走行駆動機構と、ベルマウス付き揚力発生用ダクトファン、及び/または浮力を与えるヘリウムガス気嚢により構成された揚力装置と、上記シャーシに設けられ、作業対象の壁面に対して必要な作業を行うミッション機器を搭載保持する保持手段とを備えたことを特徴とする壁面走行ロボットが提供される。
本発明に係る壁面走行ロボットの好ましい実施形態においては、上記シャーシにおける3箇所に設けられた車輪がすべて駆動輪として構成される。
本発明に係る壁面走行ロボットの他の好ましい実施形態においては、上記シャーシの3箇所に設けられた駆動輪のうち、主たる走行方向である前方側の1箇所を、操舵機能を持つ駆動輪とし、他の後方側の2箇所の駆動輪を、差動式駆動機能を有する駆動輪として構成される。
本発明に係る壁面走行ロボットの他の好ましい実施形態においては、上記ブラシスカートを構成するブラシ毛が、ポリフッ化エチレン系繊維またはそれと同等の低摩擦合成樹脂繊維により、吸着用ダクトファンの吸い込みで生じる空気流により曲げられて壁面との間に空隙が出来るのを抑制できる剛性を有するものとして構成され、上記ブラシスカートは、多数のブラシ毛を自己融着若しくは接着で固化した基部を、軽量高強度のCFRP(カーボン繊維強化プラスチック)からなるベースプレートで挟持させることにより構成される。上記ブラシスカートにおいては、ブラシ毛の配列線は、壁面走行ロボットの主進行方向に対して直交する一直線とならないようにして該ブラシスカートを吸着板に取り付けることが望まれる。
本発明に係る壁面走行ロボットの他の好ましい実施形態においては、上記揚力発生用ダクトファンからなる揚力装置が、揚力発生用ダクトファンの吸引口にベルマウスを連接することにより構成され、該揚力装置を、壁面走行ロボットの重心点付近において、垂直な壁面の水平方向移動時における揚力方向が上向きになるように装着し、あるいは、壁面走行ロボットの重心点付近にその向きを回転制御可能に取り付け、該揚力装置の向きを外部からの遠隔制御で調整する調整手段を備えたものとし、さらに、壁面走行ロボットの重心点付近にその向きを回転制御可能に取り付け、重力方向を検出する傾斜計を装備して、その信号に基づいて揚力装置が重力場の上方向に向けて揚力を発生するように姿勢制御する自動制御装置を備えたものとして構成される。
また、本発明に係る壁面走行ロボットの他の好ましい実施形態においては、上記ヘリウムガス気嚢からなる揚力装置を、シャーシ上の構造物を囲んで落下時の緩衝機能をも発揮する形態の気嚢にヘリウムガスを封入することにより構成し、その浮心位置を壁面走行ロボットの重心点にほぼ一致させて該気嚢を壁面走行ロボットに取り付けることができる。このヘリウムガス気嚢を用いる場合は、常にガスの浮力が重力方向と反対の方向に働くので、揚力方向の制御は不必要になる。
本発明に係る壁面走行ロボットの他の好ましい実施形態においては、上記車輪におけるホイールディスクから放射方向に立設したスタッドは、直径5cm程度の円筒形のケーブル状の物体を跨ぐ空間的寸法を有し、各スタッドの対向面に捕捉性を高める突起物を付したものとするのが、埃や煤や水分のように車輪を滑らせる堆積物の存在が著しく壁面を滑落し易いトンネル内壁面での接触式の非破壊検査などの用途に好適である。上記スタッド付きの車輪は、壁面走行ロボットの用途に応じて他のタイプの車輪に交換可能に構成することができる。
また、本発明の他の好ましい実施形態においては、ミッション機器が接触式の検査器等である場合に、それを搭載保持する保持手段が、上記吸着用ダクトファンによる壁面への吸着力の約1/3の力でミッション機器を壁面に押し付ける押し付け機構と、ミッション機器の前進方向に設けた障害物センサで障害物の存在を検知したときに駆動されてミッション機器を障害物から待避させる待避機構とを有するものとして構成される。
上記構成を有する壁面走行ロボットは、上記吸着機構、走行駆動機構、及び揚力装置を備えていることから、大型構造物である橋梁、建物、トンネル、大型タンク、あるいは船舶等の外壁や内壁に吸着して、壁面の検査、清掃、塗装、表面処理等の作業に安定的に従事させることができるものであるが、特に、煤や埃の推積で通常の走行車輪では滑落が生じる場合や、トンネル壁面上で遭遇する、配電ケーブルや地下水の導水樋等の凸型障害物や、トンネル内壁覆工の継目の溝等の凹型障害があっても、壁面で滑落したりせず、安定して走行させることができる。また、壁面走行ロボットの軽量化により、トンネル内のように、構造物上部からの安全索で壁面走行ロボットの滑落対策ができない環境でも、小型の地上支援車からの支援ロッドと安全索の組合せなどで、落下時の空中での受け止めができ、経済的、速応的な性能を持つものとして構成することができる。
以上に詳述した本発明の壁面走行ロボットによれば、各種大型構造物の外壁や内壁に吸着して各種作業に従事する壁面走行ロボットの悪環境における走行性を改善し、また、各種原因により壁面から滑落するのに対する対策を講じた壁面走行ロボットを得ることができ、しかも、壁面走行ロボット自体の軽量化を図ると共に、揚力付与によって壁面への吸着を軽減し、かつ安定化させた壁面走行ロボットを得ることができ、さらにトンネル内等の不整でコンタミネーションの著しい壁面を走行して非破壊検査等を行うのに適した壁面走行ロボットを得ることができる。
本発明に係る壁面走行ロボットの揚力発生用ダクトファンを用いた第1実施例を示す上面図である。 同実施例の後面図である。 同実施例の側面図である。 本発明に係る壁面走行ロボットのヘリウムガス気嚢を備えた第2実施例を、該ガス気嚢を鎖線によって示す上面図である。 同実施例の部分破断後面図である。 吸着板に取り付けるブラシの固定態様を示す断面図である。 駆動輪の側面図である。 同正面図である。 ミッション機器として打音式の探傷検査機を装備した例の要部拡大正面図である。 同側面図である。 探傷検査機の近辺にスタッド付き車輪を設けた状態を示す側面図である。 本発明に係る壁面走行ロボットの走行方向前方に設ける駆動輪の変形例を示す上面図である。 本発明に係る壁面走行ロボットにおけるブラシスカートの形態の変形例を示す上面図である。
以下に、本発明に係る壁面走行ロボットの実施の態様を、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に係る壁面走行ロボットは、大型構造物である橋梁、建物、トンネル、大型タンク、あるいは船舶等の外壁や内壁に吸着させて、その壁面の検査、清掃、塗装、表面処理等の作業に従事させるもので、特に、表面が平滑でなく、不連続な凸凹の障害物となる配電ケーブルや、内壁覆工のコンクリートの継目の溝等を有するトンネル内壁面において、これらの横断的な障害物を乗り越えて走行でき、また、埃や煤等の堆積物や地下水で湿潤して滑り易いトンネル内壁においても安定して走行し、必要な作業を遂行できるようにしたものである。ここでは、主としてトンネル内壁面を作業対象とする場合について説明するが、もちろん、作業対象の壁面は上記トンネル内面に限るものではない。
図1〜図3は、本発明に係る自己吸着型の壁面走行ロボットの第1実施例についての全体的構成を示すものである。この壁面走行ロボットの主要部は、三角形状をなすシャーシ(本体フレーム)1と、該三角形状のシャーシ1に取り付けられた吸着板3の周辺にブラシスカート4を付設することにより形成された吸着部2と、該吸着板3の中央に大径端が開口するベルマウス6を吸着用ダクトファン5の吸引口に接続してなる吸着機構と、上記三角形状のシャーシ1の3箇所の各頂点に設けた走行のためのスタッド付き駆動輪7と、揚力発生用ダクトファン8の吸引口にベルマウス9を連接することにより構成され、該ベルマウス9を通して吸引した気流を下方に噴出する自重量軽減のための揚力装置と、上記シャーシ1に設けられ、作業対象の壁面Wに対して必要な作業を行うミッション機器11を搭載保持するための保持手段(支持用ハウジング10)とを備えている。
さらに具体的に説明すると、上記シャーシ1は、基本的にはほぼ三角形枠状をなし、その下方に、略三角形枠状をなすシャーシ1の各頂点の内側に位置する大きさの六角形状の吸着板3を固定し、この吸着板3の全周辺を囲むように、吸着板3の外縁からその板面に対して直角方向にブラシ毛12を向け、従って作業対象の壁面Wに垂直になるようにブラシ毛12が降ろされたブラシスカート4を取り付けて、該吸着板3とブラシスカート4により吸着部2を形成させている。この吸着部2の吸着効果は、図6を参照して後述するように、このブラシスカート4を構成するブラシ毛12が密に配列され、またその先端が壁面Wと密に接触することによって高められるものである。なお、上記吸着板3は六角形状に限るものではない。
上述したように、吸着板3の周辺にブラシスカート4を取り付ける場合に、この壁面走行ロボットの主進行方向に対して直交する方向に一直線にこのブラシ毛12の配列線が並んでいると、長い横断的な凸型障害物をその側面方向から乗り越えるときにブラシスカート4におけるブラシ毛12が同時に凸型障害物に当たって走行抵抗が急上昇し、それによって駆動輪7が壁面Wを滑って、障害物を乗り越えられないことがある。この事態を避けるためには、直線状配列のブラシ毛12の配列線が走行方向に直角にならないようにしてブラシ毛12の列を吸着板3に装着すること、つまり、吸着板3の周辺の向きが走行方向と直角にならないようにすることが必要である。周辺にブラシスカート4を取り付ける上記吸着板3の形状は、このような点について配慮する必要がある。
また、上記吸着板3は、中心部が連続的に吸着用ダクトファン5のベルマウス6に移行するように形成して、ベルマウス6の口をダクトファン5の吸引口に接続している。吸着板3とベルマウス6は一体であっても、あるいは別体のものを接合したものであってもよく、ベルマウス6の吸い込み側の外縁の延長部に平板状の吸着板3が連接されていればよい。
従って、ダクトファン5が稼働すると、上記ベルマウス6により大量の空気の吸い込みがパワー効率良く行われ、吸着板3と作業対象の壁面Wの間の空間の気圧が低下して、吸着板3が壁面Wに吸着される。
上記吸着板3に連設したベルマウス6を吸着用ダクトファン5の吸引口に接続してなる軸流式ファンによる吸着機構は、送風容量が遠心ファンやピストン式ポンプよりも非常に大きく、吸着部2に多少の空気の漏洩があっても、軽量な壁面走行ロボットの全重量を保持できるだけの十分な吸着力が得られると共に、吸着板3と壁面Wの間を5cm以上空けて凸型障害物を容易に乗り越えることができ、その間にブラシスカート4で吸込み空気を一定量阻害しさえすれば、十分小さいパワーで十分な吸着力を得られ、溝型の障害物等に遭遇しても、ダクトファン5の吸込みパワーを若干上昇させることにより十分な吸着力を得ることができる。
上記ブラシスカート4のブラシ毛12は、テフロンの商標で提供されているフッ素樹脂繊維(ポリフッ化エチレン系繊維)またはそれと同等程度の低摩擦合成樹脂材により形成して、壁面Wとの摩擦を最小限にすることが望まれる。ブラシスカート4の丈は5cm以上、7cm未満程度と高くし、またブラシ毛12の線径は、ダクトファン5の吸い込みで生じる空気流で曲げられて、壁面Wとの間に空隙が出来るのを防ぐため、0.4mm以上が良いが、ある程度の柔軟性をもたせるため、例えば上記丈が5cmの場合、0.6mm以下程度にする必要がある。要は、ブラシスカート4がダクトファン5の空気流によって大きく曲げられて、壁面Wとの間に空隙が出来るのを抑制できる剛性を有するものとして構成され、しかも、壁面Wの凹凸に倣って壁面Wとの間にできるだけ隙間を形成しない柔軟性を持たせるように形成される。
一般に、ブラシ毛はそれを固定するベースプレートから抜けやすく、したがって前記特許文献1に記載しているような製法で固定するのが一般的であるが、鋼線を挟んでブラシ毛を折り曲げ金属製のC型チャネルでカシメているために、ブラシスカートの総重量が大きくなり、結果的に壁面走行ロボットの重量も増し、壁面Wから滑落し易くなって、吸着パワーも大きくしなければならないという問題がある。
この事態を避けるために、上記ブラシスカート4は、図6に示すように多数のブラシ毛12の固化した基部を軽量高強度のCFRPからなるベースプレート14a,14bで挟持させることにより構成し、更に具体的には、上記フッ素樹脂等のCFRPや他の軽量高強度プラスチック材からなる芯材12aを用いて、ブラシ毛12を該芯材12aのまわりで180°折り返し、その部分をエポキシ系等の接着剤13による接着や加熱融着により固化し、それを軽量なCFRP材等からなる一対のベースプレート14a,14bにより挟持させ、必要に応じて、高強度繊維のフィラメント15によりそれらの固縛を行い、ブラシ毛12を該ベースプレート14a,14bに固定してブラシスカート4を構成している。このブラシスカート4の一方のベースプレート14bは、吸着板3の外縁に図示しないビス等で取り付けられる。このようなブラシ毛12の固定手段は、ブラシ毛12に応力をかけず、ブラシ毛12の折損を防ぎ得る点で優れるものである。
上記シャーシ1に吊下げ固定した吸着板3は、作業対象の壁面Wに一定の距離を置いて平行に相対抗させ、吸着板3の外縁に取り付けたブラシスカート4とによって、該ブラシスカート4の内側に吸着部2を形成しているが、吸着板3と壁面Wとの距離を一定に保つため、後述するスタッド付きのフォーク型の駆動輪7を、上記吸着部2における吸着力もしくは吸着板3の中心からほぼ等距離で最大限離した3箇所に、すなわち、上記三角形状のシャーシ1の各頂点付近に配設している。このうち、主たる走行方向である前方側の1箇所は操舵機能を持つ2個の駆動輪7であり、他の後方側の2箇所の駆動輪7は差動式駆動機能を有する駆動輪7であるが、一般的には、それらの3輪をすべて駆動輪とする必要はなく、車輪の走行駆動機構として、一部の車輪に操舵機能を持たせると共に、全体の車輪に操舵時に差動回転して上記壁面Wに対する滑りが生じないようにする機能を持たせればよい。
上記操舵機能を有する駆動輪を用いるのは、特に、障害物の乗り越え性能を発揮させるために有効なものである。操舵性能を有する車輪が駆動輪でなく、非駆動輪の場合は、壁面走行に特に問題はないにしても、障害物の乗り越え時に走行抵抗が高まるので、他の駆動輪が空転を起こす可能性が高まり、一度空転が起きると、続いて滑落が始まることになる。この時点で走行方向の前方側にある操舵輪が駆動輪であることは、その障害物の乗り越えのために走行抵抗が高まるのを抑制し、円滑な乗り越えのために有効に作用するものである。
図1〜図3に示す第1実施例では、走行方向の後方側の左右2箇所にある差動式の駆動輪7が、シャーシ1の後方左右端に設けた駆動輪支持器18によってそれらの駆動軸17が回転自在に支持され、それらの駆動軸17は、後述する操舵装置23と共に、外部から駆動制御される差動駆動機構20によって、壁面Wとの間に滑りが生じないように、それぞれ必要な速度で駆動されるものである。
一方、走行方向前方にある上記操舵式の駆動輪7は、近接位置に同軸の2個の駆動輪7を設け、それらの操舵を行う操舵軸22を遠隔回転操作される操舵装置23を介して回転制御可能にしたものであるが、この第1実施例では、ミッション機器11としての打音式探傷検査機を操舵の回転中心に置く場合を示しているため、上記操舵軸22にミッション機器11を搭載保持するための保持手段としての支持用ハウジング10を取り付け、2個の駆動輪7をミッション機器11の支持用ハウジング10の両側に配置している。この場合は、ここに取り付ける1対の駆動輪7においても操舵による内輪差が生じるので、差動式にする必要があり、上記支持用ハウジング10にも作動駆動機構が付設される。
上記構成を有する第1実施例の壁面走行ロボットにおいては、シャーシ1を三角形状の枠により形成しているが、これは必ずしも三角形状にする必要はない。しかしながら、この壁面走行ロボットでは、自重の倍以上の吸着力で壁面Wに吸着させるため、車輪を保持するシャーシの剛性が低いと自励振動を惹起することになる。このロボットは、自重を最小限にする必要があり、最小限の重量でシャーシの剛性を高めるには、車輪の設置部分間を直線的に結ぶ部材が最も構造効率がよく、従って、三つの車輪を持つこの壁面歩行ロボットでは三角形が良いことになる。
また、車輪が三角形の頂点である三箇所で壁面Wに接するようにした構成は、トンネル内壁面のように3次元曲面で凹凸がある場合、その壁面に全車輪を常時接触させるために必要なものであり、即ち、凹凸がある壁面に全車輪を常時接触できるのは互いに離れた位置にある3個の車輪のみである。更に、3個の車輪の良いところは、各車輪の壁面への押し付け力を容易にほぼ均等にできることである。これに対し、4輪車や5輪車等の多輪車における各車輪は、不均等に接地したり、一部の車輪が浮き上がったりして、各々の車輪への荷重が大きく異なり、しかもどの車輪が浮き上がるかは壁面形状とロボットの位置によって左右され、不定である。
上記3輪は、ほとんど車輪としての役割を果たさないような車輪が生じるのを排除し、軽量化と走行の安定化に資するために有効なものである。
図4及び図5に示す第2実施例は、後述するように、上記第1実施例の揚力発生用ダクトファン8とベルマウス9からなる自重量軽減のための揚力装置に代えて、ヘリウムガス気嚢26からなる揚力装置を用いた点に主たる差異を有するものであるが、この第2実施例におけるシャーシ1や吸着部2等の構成、及び上述した駆動操舵系の構成及び作用については、第1実施例と変わるところがないので、図中の同一または相当部分に第1実施例と同一の符号を付してそれらの説明は省略する。また、図4及び図5の第2実施例においては、以下に説明する変形例等を適用することができる。
図12は、上記第1実施例における走行方向前方に設ける操舵機能を持つ駆動輪7が1つの場合で、ミッション機器11を駆動輪7と一体化してその脇に装備した変形例を示しているが、かかる構成の場合に上記差動式にする必要がないのはもちろんである。なお、図12におけるその他の構成は第1実施例と変わるところがないので、共通する部分に同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
上記各壁面走行ロボットにおいて、外部からの操舵装置23の制御による操舵でカーブを切った時には、駆動輪7には内輪差が生じるので、特に、後方両側の駆動輪7は差動式にしていないと、何れかの駆動輪が壁面Wを滑ることになり、それが滑落の原因となる。また、特定の車輪に駆動力の多くを受け持たせることは、大きな駆動力を受け持った車輪が滑り易くなり、滑落の原因になるので、3個所の駆動輪7の全部に均等に駆動力を受け持たせ、任意の走行速度において各駆動輪7の回転速度が合うように駆動制御し、互いの駆動輪7間で壁面W上での滑りが生じないように駆動することが望まれる。
このように、3箇所のスタッド付き駆動輪7は、壁面Wでの走行抵抗と垂直な壁面Wの登攀時に負荷されるロボットの総重量のすべてを担って走行しなければならない。駆動輪7が3箇所に分かれ、吸着力もしくは吸着板3の中心から最も離れた位置にそれらを配置しているのは、壁面Wの凸凹を乗り越える時にロボット全体の壁面Wに対する上下動が大きくなって、ブラシスカート4の先端が浮き上がり、吸着部2における吸着力の低下が生じるのを最小限にするためと、壁面Wへの吸着力を三等分にして、各駆動輪7にかかる吸着力の負荷を均等化する効果を発揮させるためである。
上記壁面走行ロボットが、トンネル内の壁面W等を走行環境とする場合には、トンネル内の壁面W上に設置された配電ケーブル等の凸型障害物を乗り越えられると共に、トンネル内壁覆工のコンクリートの継ぎ目の溝等の凹型障害を徒渉できなければならない。トンネル内敷設の最近のケーブルは、表皮が平滑性の高いプラスチック材でできているため、こうしたケーブルの乗り越え時にケーブル表皮と駆動輪との間で滑りが生じ、滑落に至る可能性がある。
このような事態を回避するため、上記駆動輪7は、図7及び図8に示すように、ホイールディスク7aに長目のスタッド7bを放射方向に突出させて、そのスタッド7b間にケーブル等の凸型障害を跨ぐ空間を設けるのが適切である。具体的には、上記ホイールディスク7aから放射方向に立設した多数のスタッド7bが、直径5cm程度の円筒形のケーブル状の物体を跨ぐ空間的寸法を有するように形成される。
なお、上記スタッド7bを有する駆動輪7を3箇所に設けても、ブラシスカート4が壁面Wから離れて持ち上がる可能性があり、そのため、ブラシスカート4が持ち上がって壁面Wとの間から多くの空気が吸着部2に流入することにより吸着部内圧が上昇したときには、その圧力を検出して、圧力が一定値以上になっている間だけ吸着用ダクトファン5を高パワー稼働し、吸着力を維持するように構成することもできる。
また、表面が平滑なケーブルとの滑りを防ぐためには、各スタッド7bの中間部で隣のスタッドと相対するスタッドの対向面に捕捉性を高めるトゲ状で高摩擦性の突起物7cを付け、乗り越えようとするケーブル等との接触による滑落を防止するようにしている。
さらに、上記スタッド付き駆動輪7は、作業対象の壁面Wに傷を付けてはいけない場合や、壁面Wがガラス等の平滑度が高く硬い場合に、軟質ゴム製のタイヤなど、他のタイプの駆動輪に交換可能にしておくこともできる。
図示を省略しているが、前記ミッション機器11を搭載保持する保持手段としての前記支持用ハウジング10の内部には、ミッション機器11を壁面Wに対して接離する方向に摺動可能に支持させ、ロボットの壁面Wへの全吸着力の約1/3の力で検査機等のミッション機器を壁面に押し付ける押し付け機構として、ミッション装置11を壁面W側に付勢するばね等を設け、また、ミッション機器11の前後に設けた一対の障害物センサ25で電気ケーブル等の凸型障害物の存在を検知したときに駆動されて、ミッション機器11を壁面Wから最大で5cm程度後退させ、それによって障害物から待避させる待避機構とを有している。この待避機構としては、上記ばねの付勢力に抗してミッション装置11を後退させる直線駆動のアクチュエータ等が用いられる。上記1対の障害物センサ25は、前方の障害物センサ25が障害物を検出したときに、検査部を引き上げ、後方の障害物センサ25で障害物の乗り越え検知することにより障害物の通過を確認し、その間の検査機の待避を行うものである。
図9及び図10には、ミッション機器11として打音式の探傷検査機を装備した例を示している。この検査機は、ハンマー11bが壁面Wから5mm位離れた位置にあって、このハンマーが自動的に一定の時間間隔、たとえば1秒毎に壁面を打ち、この振動を壁面Wに押し付けられつつ移動する遊び車状の感知器11aで感知して、壁面W内のキズを捜すものである。この場合、感知器11aは駆動輪7の外径よりも5mmほど壁面W方向に突出していて、前記吸着機構による壁面Wへの吸着力がこの感知器11aに掛かることにより壁面に押し付けられつつ押し戻され、壁面に密着し、ハンマー11bによる振動音が感知される。
この検査機では、ハンマー11b及び感知部11aと壁面Wとの間の距離が小さいために、不連続な凸凹の障害物がある場合、この検査機の本体が乗り上げた障害物上で滑り、それが原因で滑落を生じることがあるので、図11に示すように、ミッション装置11である検査機の底部を覆うように、スタッド付き車輪27を密に装着することにより、滑落を防止することができる。この場合、スタッド付き車輪27は前述した駆動輪7のスタッド7bのように長いスタッドを設ける必要はなく、短寸のスタッド27aとすることができる。このスタッド付き車輪27は遊び車でも良いが、駆動輪の方が障害物の乗り越え性能が良くなる。
さらに、上記壁面走行ロボットにおいては、自重量軽減のために揚力発生用ダクトファン8とベルマウス9からなる揚力装置を、支持柱28により吸着板3に支持させて壁面走行ロボットの重心点付近に備えている。なお、図面においては、壁面走行ロボットの全体的な重量分布が明確でないので、必ずしも重心点付近に上記揚力装置を図示していないが、重心点付近に揚力を作用させないと有効な自重量軽減を行うことができないので、設計に際しては上記揚力装置の設置位置について十分に配慮する必要がある。また、重心点付近に揚力装置を取り付けるにしても、そこに単一の取付部材で直接的に取り付ける必要はなく、揚力の作用ベクトルが重力場に対して上向きに働くように、複数の取付部材により実質的に重心点付近に取り付けたのと同様な揚力を付与することができる。
一方、図4及び図5に示す第2実施例においては、上記第1実施例の揚力発生用ダクトファン8とベルマウス9からなる揚力装置に代えて、ヘリウムガス気嚢26からなる揚力装置を用いるようにしている。この揚力装置は、ヘリウムガスを封入して揚力を付与する気嚢26を、シャーシ1上の構造物を囲んで、壁面走行ロボットの不慮の落下時における緩衝機能をも発揮する形態を持つドーナツ状などに形成し、即ち、吸着用ダクトファン5の排気口に接続してその排気を外部に導出するテーパダクト29の挿通空間を中央の偏寄位置に形成したガス気嚢26を設け、それにより上記落下時における他の設備機器との接触でそれらの設備機器を破損させるのを防止すると同時に、シャーシ1上の構造物を上記接触による破損から保護するものである。そして、そのガス気嚢26の浮心位置を壁面走行ロボットの重心点にほぼ一致させて該気嚢26を壁面走行ロボットに取り付けている。
上記ガス気嚢26を壁面走行ロボットに取り付けるに当たっては、図示したように、吸着用ダクトファン5の排気口に接続したテーパダクト29によりガス気嚢26の中心の挿通空間の内周面を保持させたり、あるいは、吸着板3に固定するなど任意手段を用いることができる。このガス気嚢26は、上述したように、その浮心位置を壁面走行ロボットの重心点にほぼ一致させて壁面走行ロボットに取り付けるが、例えばミッション機器の変更によって壁面走行ロボットの重心点も移動するため、正確に一致させることは不可能であり、上記浮心位置と重心点との位置の違いは、それによって生じる力が吸着用ダクトファン5による吸着機構によって吸収できる程度であれば差し支えない。揚力発生用ダクトファン8の取付位置についても同様である。
なお、ここでは、第1実施例における揚力発生用ダクトファン8等からなる揚力装置に代えて、ヘリウムガス気嚢26からなる揚力装置を用いる旨を説明したが、両者の揚力装置を併用することもでき、この場合には、それぞれの揚力装置の小型化を図ることによりシャーシ1上への併設を実現することができる。
上記第1実施例のダクトファン8とベルマウス9からなる揚力装置は、壁面走行ロボットの使用態様に応じて各種態様で壁面走行ロボットに設けることができる。例えば、垂直な壁面Wの水平方向移動に多用される壁面走行ロボットにおいては、図1〜図3、あるいは図13に示すように、その壁面Wの水平方向移動時における揚力方向が上向きになるように固定的に装着することができ、それによって、構成が簡単化さればかりでなく、壁面Wの水平走行時の壁面状態が急に滑りやすくなった場合などにおける滑落対策としてきわめて有効である。
また、壁面走行ロボットが壁面Wを各種方向に向かって走行する場合には、上記ダクトファン8とベルマウス9からなる揚力装置は、壁面走行ロボットの重心点付近にその向きを回転制御可能に取り付け、該揚力装置の向きを外部からの遠隔制御で調整する調整手段を備えることにより、ロボットの走行姿勢に応じて、上向きの揚力が発生するように操縦するのも適切である。
更に、自動的に揚力を上方に向けて発生させるためには、上記ダクトファン8とベルマウス9からなる揚力装置を、壁面走行ロボットの重心点付近にその向きを回転制御可能に取り付け、壁面走行ロボット本体または上記揚力装置に重力方向を検出する傾斜計を装備して、その出力信号に基づいて揚力装置が重力場の上方向に向けて揚力を発生するように姿勢制御する自動制御装置を備えたものとすることができる。
これに対し、上述した第2実施例のように、揚力装置としてヘリウムガス気嚢26を用いる場合には、常にガスの浮力が重力方向と反対の方向に働くので、揚力方向の制御は不必要になる。しかも、ガス気嚢26として、図4及び図5に示すようなシャーシ1上の構造物を囲んでそれらを保護するドーナツ状などに形成することにより、ガス気嚢26の浮心位置を壁面走行ロボットの重心点にほぼ一致させて壁面走行ロボットに取り付けることが容易になる。
このような揚力装置による滑落防止対策は、スタッド7b付きの駆動輪7を使う等、駆動輪7の壁面Wへの食い付きを良くすること、吸着機構のパワー効率を上げて吸着力を高める方策と共に、ロボットの全備重量の大幅な減少を実現することが極めて有効である。
また、上記壁面走行ロボットでは、垂直な壁面Wで極めて摩擦が少なく、吸着力だけでは滑落して走行が不能となるような場合でも、装備した上記ベルマウス9を付したダクトファン8により、自重量にほぼ匹敵する揚力を出して、滑落を防ぐこともできる。
一方、上記壁面走行ロボットの走行抵抗を低減する方策として、吸着板3の外縁のブラシスカート4のブラシ毛12をフッ素樹脂等の低摩擦材で作ることについては前述したが、それに加えて、上記ブラシスカート4におけるブラシ毛12の配列線が、壁面走行ロボットの主進行方向に対して直交する一直線とならないように該ブラシスカート4を吸着板3に取り付けておくのが有効であり、これによって、直線状に配列したブラシスカート4が一度に長大な凸型障害物に当たって走行抵抗が急上昇し、駆動輪が滑って、障害物を乗り越えられなくなったり、滑落したりするのを抑制することができる。
具体的には、図13に例示する変形例のように、主たる走行方向に対してブラシスカート4が直交する一直線にならないように、周辺にブラシスカート4を取り付ける吸着板3の形状自体を、太目のシャトル型としたり、図1のような六角形に限らず、七角形、八角形等とするなどして、ブラシの配列線が走行方向に対して直角にならないように吸着板3に装着することが重要である。
なお、図13におけるその他の構成は、第1実施例と変わるところがないので、共通する部分に同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
また、上述した壁面走行ロボットは、トンネル内のように、構造物上部から安全索で吊下することにより滑落時に宙吊りにできない状況では、地上からの支援ロッドによりその先端からの安全索で落下対策を行わなければならず、このため、壁面走行ロボットの総重量は、通常、ミッション機器11の1〜2kgを含んで、5〜6kg程度に限られる。これ以上に重量が大きくなると、落下時に、例えば鉄道用トンネルの場合には架線施設への接触等で他の設備機器を損傷させるリスクが大きくなる。
しかるに、上記壁面走行ロボットにおいては、全体的な重量を著しく軽量化しているので、滑落対策ができない環境でも、小型の地上支援車からの支援ロッドと安全索の組合せなどで、落下時の空中での受け止めができ、他の設備機器への損傷のリスクも大きく軽減することができる。特に、ヘリウムガス気嚢26を備えた揚力装置を装備している壁面走行ロボットでは、落下時における他の設備機器への接触による当該設備機器及び壁面走行ロボットの損傷を最小限に留めることができる。
1 シャーシ
2 吸着部
3 吸着板
4 ブラシスカート
5 吸着用ダクトファン
6 ベルマウス
7 駆動輪
7a ホイールディスク
7b スタッド
8 揚力発生用ダクトファン
9 ベルマウス
11 ミッション機器
12 ブラシ毛
14a,14b ベースプレート
20 差動駆動機構
23 操舵装置
25 障害物センサ
26 ガス気嚢
W 壁面

Claims (12)

  1. 三角形の頂点にそれぞれ車輪を有するシャーシと、
    上記シャーシの車輪の設置部分を除く該シャーシの下方に位置させて固定され、作業対象の壁面に対して平行に配設される吸着板の全周辺に、上記壁面に接する長さを持つブラシ毛の先端を上記壁面側に向けて密に配列させて基部を固化したブラシスカートを備えることにより形成された吸着部と、
    上記吸着板の中央に大径端が開口するベルマウスを吸着用ダクトファンの吸引口に接続してなる吸着機構と、
    上記シャーシにおける3箇所に設けられた、少なくとも一つの駆動輪を含む各車輪が、ホイールディスクの周面に、上記壁面の凸部を跨いで走行するためのスタッドを放射方向に立設することにより構成され、それらの車輪の一部に操舵機能を持たせると共に操舵時に差動回転する機能を持たせた走行駆動機構と、
    ベルマウス付き揚力発生用ダクトファン、及び/または浮力を与えるヘリウムガス気嚢により構成された揚力装置と、
    上記シャーシに設けられ、作業対象の壁面に対して必要な作業を行うミッション機器を搭載保持する保持手段と、
    を備えたことを特徴とする壁面走行ロボット。
  2. 上記シャーシにおける3箇所に設けられた車輪がすべて駆動輪である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の壁面走行ロボット。
  3. 上記シャーシの3箇所に設けられた駆動輪のうち、主たる走行方向である前方側の1箇所が操舵機能を持つ駆動輪であり、他の後方側の2箇所の駆動輪が差動式駆動機能を有する駆動輪である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の壁面走行ロボット。
  4. 上記ブラシスカートを構成するブラシ毛が、ポリフッ化エチレン系繊維またはそれと同等の低摩擦合成樹脂繊維により、吸着用ダクトファンの吸い込みで生じる空気流により曲げられて壁面との間に空隙が出来るのを抑制できる剛性を有するものとして構成され、
    上記ブラシスカートは、多数のブラシ毛の固化した基部を、軽量高強度の繊維強化プラスチックからなるベースプレートで挟持させることにより構成した、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の壁面走行ロボット。
  5. 上記ブラシスカートにおけるブラシ毛の配列線が、壁面走行ロボットの主進行方向に対して直交する一直線とならないようにして該ブラシスカートを吸着板に取り付けた、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の壁面走行ロボット。
  6. 上記揚力発生用ダクトファンからなる揚力装置が、揚力発生用ダクトファンの吸引口にベルマウスを連接することにより構成され、該揚力装置を、壁面走行ロボットの重心点付近において、垂直な壁面の水平方向移動時における揚力方向が上向きになるように装着した、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の壁面走行ロボット。
  7. 上記揚力発生用ダクトファンからなる揚力装置が、揚力発生用ダクトファンの吸引口にベルマウスを連接することにより構成され、該揚力装置を、壁面走行ロボットの重心点付近にその向きを回転制御可能に取り付け、該揚力装置の向きを外部からの遠隔制御で調整する調整手段を備えた、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の壁面走行ロボット。
  8. 上記揚力発生用ダクトファンからなる揚力装置が、揚力発生用ダクトファンの吸引口にベルマウスを連接することにより構成され、該揚力装置を、壁面走行ロボットの重心点付近にその向きを回転制御可能に取り付け、重力方向を検出する傾斜計を装備して、その信号に基づいて揚力装置が重力場の上方向に向けて揚力を発生するように姿勢制御する自動制御装置を備えた、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の壁面走行ロボット。
  9. 上記ヘリウムガス気嚢からなる揚力装置が、シャーシ上の構造物を囲んで落下時の緩衝機能をも発揮する形態の気嚢にヘリウムガスを封入することにより構成され、その浮心位置を壁面走行ロボットの重心点にほぼ一致させて該気嚢を壁面走行ロボットに取り付けた、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の壁面走行ロボット。
  10. 上記車輪におけるホイールディスクから放射方向に立設したスタッドが、直径5cm程度の円筒形のケーブル状の物体を跨ぐ空間的寸法を有し、各スタッドの対向面に捕捉性を高める突起物を付した、
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の壁面走行ロボット。
  11. 上記スタッド付きの車輪を、他のタイプの車輪と交換可能に構成した、
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の壁面走行ロボット。
  12. ミッション機器を搭載保持する保持手段が、上記吸着用ダクトファンによる壁面への吸着力の約1/3の力でミッション機器を壁面に押し付ける押し付け機構と、ミッション機器の前進方向に設けた障害物センサで障害物の存在を検知したときに駆動されてミッション機器を障害物から待避させる待避機構とを有している、
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の壁面走行ロボット。
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