JP2016107893A - クローラ型壁面吸着走行ロボット - Google Patents
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Abstract
【課題】建造物の広範囲を効率的且つ安定的に走行可能なクローラ型壁面吸着走行ロボットを提供する。【解決手段】本発明の少なくとも一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットは、本体部の進行方向両側に設けられ、複数の第1の吸着部が設けられたクローラと、該クローラから延在し、走行面に吸着可能な第2の吸着部を有する吸着アームとを備え、当該吸着アームは、クローラを含む平面内において本体部を基準に独立的に旋回可能に構成されている。【選択図】図6B
Description
本開示は、例えばビル、橋梁又はトンネルなどの建造物の表面上を走行可能なクローラ型壁面吸着走行ロボットに関する。
近年、我が国では過去に建造された建造物(特に、高度成長期以降に整備されたビル、橋梁又はトンネルなどのような大型社会インフラ構造物)の老朽化が進行している。このような老朽化の問題は、今後更に加速度的に増加すると見込まれており、適切な維持管理が求められている。
このような大型建造物の点検は、従来、専ら作業者によって人手で行われてきたが危険が伴うことから、建造物の表面上を遠隔操作で走行可能なロボットの利用が考案されている。この種のロボットは様々な形式が提案されているが、そのなかでも走行面に吸着可能なクローラを備えた、いわゆるクローラ型壁面吸着走行ロボットが有望視されている。
例えば特許文献1には、真空吸着式クローラによって建造物の表面に吸着しながら走行を行い、広範囲に亘って点検が可能な走行ロボットが開示されている。この種の走行ロボットでは、建造物のより広い範囲を点検するために、走行ロボットから延在されたアームに取り付けられた測定用のデバイスを利用して点検作業が実施されるが、このようなアームを利用すると、走行ロボットの転倒モーメントが増加することによって脱落リスクが増加するという問題がある。また走行面上において走行ロボットを旋回させる場合(例えば左右クローラを逆方向に駆動させる場合)もまた、通常の走行時や停車時に比べてクローラの吸着力が低下して脱落リスクが増加するという問題がある。
このような問題に対して、特許文献1では、真空吸着式のクローラに加えて、車体中心周りに旋回可能な真空吸着式アームを備えることによって、吸着力を向上させて脱落リスクを軽減することが記載されている。
しかしながら、特許文献1で用いられている真空吸着式アームは、形状変更不能なアームが走行ロボットの中心を基準に旋回可能な構成を有しているため、走行ロボットの走行状態によっては十分な吸着力を発揮できない場合がある。例えば、走行ロボットが走行面の端部近傍に位置するためにアームの吸着位置が走行面から外れてしまう場合や、アームの吸着位置に障害物が存在する場合には、走行面に対して吸着力を発揮することができない。このような場合、走行ロボットを適切な位置に再移動したり、或いは、点検そのものを断念せざるを得ず、点検作業の効率低下や点検可能範囲が狭くなってしまうという問題がある。
本発明の少なくとも一実施形態は上述の問題点に鑑みなされたものであり、建造物の広範囲を効率的且つ安定的に走行可能なクローラ型壁面吸着走行ロボットを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットは上記課題を解決するために、本体部と、前記本体部の進行方向両側にそれぞれ設けられ、走行時に前記走行面に対して吸着可能な複数の第1の吸着部を外周面上に有する無端ベルトが駆動輪の周りに取り回されて構成された少なくとも一対のクローラと、前記本体部から前後方向に沿って延在する延在部と、該延在部の先端から前記少なくとも一対のクローラを含む面に垂直方向に沿って延在する伸縮可能な屈折部と、該屈折部の先端に設けられた第2の吸着部とを有する少なくとも一対の吸着アームと、前記本体部から延在し、先端に測定部を有する測定用アームとを備え、前記少なくとも一対の吸着アームは、前記少なくとも一対のクローラを含む平面内において、前記本体部を基準に独立的に旋回可能に構成されている。
上記(1)の構成によれば、第1の吸着部によって走行面に吸着可能に構成されたクローラに加えて、第2の吸着部が設けられた吸着アームを備えることにより、走行面に対する吸着力が向上し、安定的な走行ロボットが実現される。特に、少なくとも一対の吸着アームが独立に旋回可能に構成されているため、走行ロボットが走行面の端部近傍に位置するためにアームの吸着位置が走行面から外れてしまう場合や、アームの吸着位置に障害物が存在する場合であっても、走行面に対して良好に吸着力を得ることができる。このように本構成に係る走行ロボットは様々な走行面に適用可能であるため、建造物の広範囲を効率的且つ安定的に走行可能である。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記少なくとも一対の吸着アームは、延在方向に沿って独立的に伸縮可能に構成されている。
上記(2)の構成によれば、吸着アームが独立的に伸縮可能に構成されているため、更に高い自由度で、第2の吸着部による吸着力を確実に得ることができる。その結果、本構成ではより多彩な走行面に対応できるので、建造物の広範囲を効率的且つ安定的に走行可能である。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記第2の吸着部は、前記少なくとも一対のクローラを含む平面内において前記前後方向に交差する軸周りに回動可能に構成されている。
上記(3)の構成によれば、このように第2の吸着部を回動可能に構成することにより、走行面とは同一面上にない他の面に対して吸着力を発揮することができる。これにより、より多彩な走行面に対応できるので、建造物の広範囲を効率的且つ安定的に走行可能である。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、 前記第2の吸着部は、前記屈折部との間に設けられた球面軸受を介して回動可能に構成されている。
上記(4)の構成によれば、第2の吸着部が球面軸受を介して回動可能に構成されることにより、第2の吸着部が吸着する面上に障害となる要因(例えば凹凸や勾配)が存在する場合でも、当該面に良好に密着することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)のいずれか1構成において、前記測定用アームは、延在方向に沿って伸縮可能に構成されている。
上記(5)の構成によれば、測定用アームを伸縮することにより、クローラが走行可能な範囲だけでなく、その外側に至るまで広範囲に亘って測定範囲を得ることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)から(5)のいずれか1構成において、前記測定部は、前記測定用アームの先端から吊り下げ支持され、測定面に対向する開口を有するケーシングと、前記ケーシングの内壁に付勢部材を介して接続された測定素子と、前記ケーシングの内部を減圧可能に構成された減圧手段とを備える。
上記(6)の構成によれば、測定部は吊り下げ支持されたケーシングを有することにより、より広範囲に亘って移動可能に構成されている。また測定部のケーシングの内側を減圧することにより、ケーシングの開口を測定面に吸着でき、更に、測定素子がケーシングの内壁に付勢部材を介して接続されているので、ケーシングが測定面に吸着した際に安定した状態で計測が可能である。このように、吊り下げ支持されることによって広い領域を測定範囲としてカバーしつつ、安定した姿勢で精度のよい測定が可能となる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)から(6)のいずれか1構成において、前記少なくとも一対のクローラの前後に、走行面上の付着物を除去可能な第1のスクレーパを更に備える。
上記(7)の構成によれば、第1のスクレーパによって走行面から付着物を除去することにより、クローラが有する第1の吸着部による吸着性を向上できる。これにより、走行面の状態に関わらず、良好な走行安定性が得られる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)から(7)のいずれか1構成において、前記走行面の垂直方向に沿った回転軸を有し、前記第2の吸着部の周りで回転することにより走行面上の付着物を除去可能に構成された第2のスクレーパを更に備える。
上記(8)の構成によれば、第2のスクレーパによって走行面から付着物を除去することにより、吸着アームが有する第2の吸着部による吸着性を向上できる。これにより、走行面の状態に関わらず、良好な走行安定性が得られる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、前記第2のスクレーパを走行面に接触させつつ、前記少なくとも一対の吸着アームを前記進行方向を中心として、左右に旋回させながら走行する。
上記(9)の構成によれば、第2のスクレーパによってクローラ前後における走行面上の付着物を除去できるので、第2の吸着部の吸着力だけでなく、第1の吸着部の吸着力も向上できる。これにより、走行面の状態に関わらず、良好な走行安定性が得られる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)から(9)のいずれか1構成において、前記本体部の両側に設けられた前記クローラ間の距離が可変に構成されている。
上記(10)の構成によれば、本体部の両側に設けられたクローラ間の距離を調整することにより、クローラが有する第1の吸着力による走行ロボットの保持モーメントを適宜調整できる。クローラ間の距離は、例えば、走行安定性を優先する場合には保持モーメントが大きくなるように長くし、一方、軽量化を優先したり、緻密な走行経路に適した構成(例えば小回りに有利な構成)を優先する場合には短くするとよい。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)から(10)のいずれか1構成において、前記少なくとも一対のクローラは、前記進行方向に沿ってそれぞれ複数に分割されており、前記進行方向に沿って分割された前記クローラ間の距離が可変に構成されている。
上記(11)の構成によれば、進行方向に分割されたクローラを有することにより、走行ロボットの進行方向に沿った長さが可変に構成されている。これにより、クローラが有する第1の吸着力による走行ロボットの保持モーメントを適宜調整できる。クローラ間の距離は、例えば、走行安定性を優先する場合には保持モーメントが大きくなるように長くし、一方、軽量化を優先したり、緻密な走行経路に適した構成(例えば小回りに有利な構成)を優先する場合には短くするとよい。
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)から(11)のいずれか1構成において、前記駆動輪の駆動軸は、該駆動軸が前記本体部に対して回動可能に構成された角度調整機構を介して設けられている。
(13)この実施形態では、上記(2)の構成において、前記角度調整機構は、前記本体部に接続された保持部材と、前記駆動軸に平行な方向に沿った軸周りに回動可能なように前記保持部材に保持される被保持部と、該被保持部と前記駆動軸との間を連結する連結部材とを備える。
上記(12)及び(13)の構成によれば、クローラの駆動軸が回動可能に構成された角度調整機構を有することにより、走行面に段差や障害物があった場合でも、これらの形状に応じてクローラが変形して適応できる。これにより、走行面に段差や障害物がある場合でも、クローラの走行面との接触面積を多く確保でき、良好な吸着力が得られる。
(14)本発明の少なくとも一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットは上記課題を解決するために、本体部と、前記本体部の進行方向両側にそれぞれ設けられ、走行時に前記走行面に対して吸着可能な複数の第1の吸着部を外周面上に有する無端ベルトが駆動輪の周りに取り回されて構成された少なくとも一対のクローラと、前記本体部から前後方向に沿って延在する延在部と、該延在部の先端から前記少なくとも一対のクローラを含む面に垂直方向に沿って延在する伸縮可能な屈折部と、該屈折部の先端に設けられた第2の吸着部とを有する少なくとも一対の吸着アームと、前記本体部から延在し、先端に測定部を有する伸縮可能に構成された測定用アームと、前記第1の吸着部及び前記第2の吸着部による保持モーメントを算出する保持モーメント算出部と、前記測定用アームの長さ及び傾斜角度を検知する検知部と、前記検知された前記測定用アームの長さ及び傾斜角度に基づいて、転倒モーメントを算出する転倒モーメント算出部と、前記算出された保持モーメント及び転倒モーメントに基づいて転倒リスクを判定する転倒リスク判定部と、前記転倒リスクがあると判定された場合、作業者に対してその旨を報知する報知部とを備える。
上記(14)の構成によれば、測定用アームの状態(長さや傾斜角度)に応じて転倒リスクを判定することで、走行面上における転倒事故を効果的に防止することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、建造物の広範囲を効率的且つ安定的に走行可能なクローラ型壁面吸着走行ロボットを提供できる。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
まず図1乃至図4を参照して、本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボット(以下、適宜「走行ロボット」と称する)の概要について説明する。図1は本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットの外観を示す模式図であり、図2Aは梯子方式の測定用アームの一例であり、図2Bは釣竿方式の測定用アームの一例であり、図3は図1のクローラ型壁面吸着走行ロボットの設置例を示す模式図であり、図4は図1のクローラ型壁面吸着走行ロボットの走行例を示す模式図であり、図5Aは図1のクローラ型壁面吸着走行ロボットにおいて走行中に作用するモーメントを示す模式図であり、図5Bは図1のクローラ型壁面吸着走行ロボットにおいて停止時に吸着アームを使用しない場合に作用するモーメントを示す模式図であり、図5Cは図1のクローラ型壁面吸着走行ロボットにおいて停止時に吸着アームを使用した場合に作用するモーメントを示す模式図である。
図1に示すように、走行ロボット1は、本体部2と、本体部2の両側に設けられた少なくとも一対のクローラ4a及び4b(以下、クローラを総称する際には符号4で示す)と、本体部2から前後方向に延在する少なくとも一対の吸着アーム6a及び6b(以下、吸着アームを総称する際には符号6で示す)と、先端に測定部が設けられた測定用アーム8とを備える。
尚、本実施形態は一対のクローラ4及び一対の吸着アーム6を備える走行ロボットを例示しているが、それぞれ複数対を有する態様も本発明に係る技術的思想に含まれる。
尚、本実施形態は一対のクローラ4及び一対の吸着アーム6を備える走行ロボットを例示しているが、それぞれ複数対を有する態様も本発明に係る技術的思想に含まれる。
クローラ4a及び4bは、走行ロボット1の進行方向の垂直方向に沿って、本体部2の両側にそれぞれ設けられている。本体部2の内部にはクローラ4を駆動するための動力機構(不図示)が収納されている。動力機構について簡単に説明すると、例えば、本体部2には、クローラ4の駆動軸5(前方及び後方の駆動軸を区別して示す場合には、それぞれ符号5a及び5bを用いることとする)に動力を伝達可能な駆動用モータと、当該駆動用モータに供給される電力を蓄積するバッテリとが収納される。駆動用モータから出力された動力は、例えば複数のギアが組み合わされることにより構成された動力伝達機構を介して駆動軸5に伝達されることにより、クローラ4が回動可能に構成される。
尚、上述の駆動用モータは直流モータであってもよいし交流モータであってもよいが、交流モータの場合にはバッテリに蓄積された直流電力を交流変換するためのインバータも本体部2の内部に収納されることとなる。
クローラ4は、前後の駆動軸5に接続された駆動輪10(前方及び後方の駆動輪を区別して示す場合には、それぞれ符号10a及び10bを用いることとする)の周りに無端ベルト12が取り回されることにより構成されている。無端ベルト12の外周上には、その延在方向に沿って複数の第1の吸着部14が所定間隔(本実施例では等間隔)で配列されている。
第1の吸着部14は、無端ベルト12の外側に向かって略矩形状の開口を有するように突設されたベローズ部を有しており、該ベローズ部の内側が減圧可能に構成されている。ベローズ部の内部を減圧するための手段としては、例えば本体部2の内部に減圧ポンプ(不図示)を収納し、該減圧ポンプによってベローズ部の内壁に設けられた開口を介して、代1の吸着部1を減圧可能に構成するとよい(尚、減圧ポンプにかぎらず、圧縮空気源を使ったイジェクタ方式でも良い。また、減圧ポンプや圧縮空気現は、本体部2に搭載しても良いし、走行ロボットの外側に設置してホースを介して繋げても良い)。
クローラ4では、駆動軸5によって駆動輪10と共に無端ベルト12を回転させ、このように構成された複数の第1の吸着部14のうち走行面に接触するものを選択的に減圧することにより、走行面に接触する第1の吸着部14による吸着力を作用させながら、走行ロボット1の走行を実現する。
クローラ4では、駆動軸5によって駆動輪10と共に無端ベルト12を回転させ、このように構成された複数の第1の吸着部14のうち走行面に接触するものを選択的に減圧することにより、走行面に接触する第1の吸着部14による吸着力を作用させながら、走行ロボット1の走行を実現する。
吸着アーム6は、本体部2から上方に設置された支柱11に支持された支持部材13から前後方向に沿って延在する延在部16と、その先端から一対のクローラ4を含む平面に略垂直方向に延在する屈折部18と、屈折部18の先端に設けられた第2の吸着部20とを備える。更に、屈折部18は、延在部16に固設された固設部18aと、固設部18aから一対のクローラ4を含む平面に略垂直方向に沿って伸縮可能な伸縮部16bとを備えることにより、当該方向に沿って屈折部18の長さが可変に構成されている。そのため、屈折部18の長さを調整することで、第2の吸着部20が走行面に対して接触状態と非接触状態とを選択可能になっている。
第2の吸着部20は、上述の第1の吸着部14と類似の構造を有しており、走行面に接触した際に内側が減圧されることにより、走行面に対して吸着可能に構成されている。尚、図1では第2の吸着部の吸着面が略円形である場合を例示しているが、第1の吸着部14と同様に略矩形状であってもよいし、上記機能を発揮可能な範囲において適宜設計変更が可能である。
測定用アーム8は、支柱11の上部に設けられた接続部15を介して接続されている。接続部15は、初期状態において進行方向に沿って、且つ、クローラ4に対して略平行に格納されている測定用アーム8の上下前後左右方向に対してそれぞれ回動可能に構成されている。例えば接続部15にはユニバーサルジョイント(自在継ぎ手)などが利用可能である。
測定用アーム8は延在方向に沿って伸縮可能に構成されており、その先端に測定用のセンサ等を含む測定部24が設けられている。例えば図2Aに示される実施形態には、梯子方式の測定用アーム8の一例が示されており、略矩形状の断面を有する複数段のアーム8a、8b及び8cが接続部15側から先端に近づくに従って径が小さくなるように組み合わされている。この場合、アルミニウム合金のように軽量で剛性に優れた素材が好ましい。特に梯子方式では大きな剛性を得られる点において有利である。
一方、図2Bに示される実施形態には、釣竿方式の測定用アーム8’の一例が示されており、略円形状の断面を有する複数段のアーム8a’、8b’及び8c’が接続部15側から先端に近づくに従って径が小さくなるように組み合わされている。この場合、例えばCFPRのような更に軽量の素材が好ましい。特に釣竿方式では、梯子方式に比べて剛性は少なからず低くなるものの、軽量化に有利である。
一方、図2Bに示される実施形態には、釣竿方式の測定用アーム8’の一例が示されており、略円形状の断面を有する複数段のアーム8a’、8b’及び8c’が接続部15側から先端に近づくに従って径が小さくなるように組み合わされている。この場合、例えばCFPRのような更に軽量の素材が好ましい。特に釣竿方式では、梯子方式に比べて剛性は少なからず低くなるものの、軽量化に有利である。
測定部24は測定対象物に対して接触又は非接触状態において検査試験を実施するための測定デバイスであり、測定項目に応じた各種測定素子を備える。尚、採用可能な具体的な測定素子は公知の各種素子を適用可能であるため、ここでは詳述は割愛する。
ここで、上記構成を有する走行ロボット1の設置例について簡単に説明する。図3に示されるように、走行ロボット1は搬送車30によって測定現場(橋梁)32まで搬送された後、搬送車30に備えられたリフトシステム34を用いて測定対象となる建造物(橋脚)の表面(以下、適宜「走行面」と称する)33に走行ロボット1を設置する。この例では、リフトシステム34は搬送車30から延在するアーム36の先端に作業者が乗車可能なゴンドラ38が設けられており、ゴンドラ38に乗車した作業者によって建造物の表面に走行ロボット1が設置される。
尚、本実施形態では走行ロボット1は無線又は有線通信によって遠隔操作可能に構成されており、図4に示されるように、建造物の表面33に設置された走行ロボット1は遠隔操作に従って建造物の表面33上を走行する。そして、走行ロボット1は所定の目標位置において停止し、測定を実施する。測定が実施される目標位置は、建造物の表面33上に複数設定されていてもよく、走行ロボット1はこれら目標位置間を移動しながら測定を繰り返し実施する。このような一連の走行及び測定が終了すると、走行ロボット1は再び図3に示されるように、ゴンドラ38に乗車した作業員によって回収される。
尚、本実施形態では、走行ロボット1が遠隔操作される場合を例示するが、走行ロボット1は自律走行を行ってもよい。この場合、例えば走行ロボット1の内部に搭載されたメモリ等に予め走行経路、測定位置及び測定内容を予め登録しておき、それらに従って自動的に走行及び測定を実施するようにするとよい。
尚、走行ロボット1は、各種構成部品単位或いはこれらの構成部品が複数組み合わされたユニット単位で分解/組立可能に構成されていてもよい。この場合、分解された状態で現場まで搬送車で搬送し、現場で組み立てた後、設置作業に移行することができるので、特に走行ロボット1が大型である場合に良好な搬送性が得られる。
ここで建造物の表面33に設置された走行ロボット1に作用する転倒モーメントについて説明する。図5Aには走行面33上を走行する走行ロボット1に作用するモーメントが示されている。走行中の走行ロボット1では、吸着アーム6及び測定アーム8は転倒モーメントが極力小さくなるようにコンパクトに収納されている。ここで走行ロボット1の自重力をW[N]、重心高さをLg0[m]、第1の吸着部14による吸着力をFc[N]、一対のクローラ4間の距離をBc[m]とすると、走行中の走行ロボット1に作用する転倒モーメントMF0及びクローラ4による保持モーメントMacはそれぞれ次式
MF0=W・Lg0 (1)
Mac=Fc・Bc (2)
となる。一対のクローラ4における第1の吸着部14の吸着力は、MF0<Macになるように設定されており、走行中は脱落リスクがないように安定的に保持されている。
MF0=W・Lg0 (1)
Mac=Fc・Bc (2)
となる。一対のクローラ4における第1の吸着部14の吸着力は、MF0<Macになるように設定されており、走行中は脱落リスクがないように安定的に保持されている。
一方、図5Bに示されるように、走行ロボット1が目標位置に到達して停止すると、測定用アーム8を伸ばすことにより、測定を実施する。このとき、仮に吸着アーム6を使用しない場合、測定時における走行ロボット1の重心高さをLg[m]とすると、転倒モーメントMFは次式
MF=W・Lg (3)
となる。ここでLg>Lg0であるため、MF>MF0となる。すなわち、走行時に比べて転倒モーメントが大きくなるので、脱落リスクが高くなってしまう。
MF=W・Lg (3)
となる。ここでLg>Lg0であるため、MF>MF0となる。すなわち、走行時に比べて転倒モーメントが大きくなるので、脱落リスクが高くなってしまう。
このような問題は、図5Cに示されるように、測定時に吸着アーム6を使用することにより解消される。吸着アーム6が有する第2の吸着部20による吸着力をFr[N]、第2の吸着部20間の距離をBr[m]とすると第2の吸着部20による保持モーメントMarは次式
Mar=Fr・Br (4)
となる。すなわち、第1の吸着部14及び第2の吸着部20によって得られる全保持モーメントがMac+Marに増加するので、吸着アーム6を使用しない場合に比べて、効果的に脱落リスクを減少できる。
Mar=Fr・Br (4)
となる。すなわち、第1の吸着部14及び第2の吸着部20によって得られる全保持モーメントがMac+Marに増加するので、吸着アーム6を使用しない場合に比べて、効果的に脱落リスクを減少できる。
続いて、図6A及び図6Bを参照して、走行面33の端部近傍において走行ロボット1が測定を実施する場合の動作例について説明する。図6Aは走行面33の端部近傍で吸着アーム6を旋回作動する前の様子を上方から示す模式図であり、図6Bは走行面33の端部近傍で吸着アーム6を旋回作動した様子を上方から示す模式図である。
本実施形態では、初期状態において前後方向に沿って延在している吸着アーム6が、一対のクローラ4を含む平面において独立的に旋回可能に構成されている。図6Aに示されるように、走行ロボット1が走行面33の端部近傍に位置する場合、走行ロボット1の後方に位置する吸着アーム6bでは第2の吸着部20を走行面33に対して吸着させることができるものの、前方に位置する吸着アーム6aでは第2の吸着部20の位置が走行面33の範囲外となるため吸着させることができない。そのため、この状態のままでは測定時の保持モーメントが不足することにより、走行ロボット1の脱落リスクが増えてしまう。
そこで図6Bに示されるように、前方の吸着アーム6aを時計方向に旋回させる。これにより、前方の吸着アーム6aの先端に位置する第2の吸着部20が建造物の範囲内となるため、走行面33に吸着させることができる。その結果、図6Aの場合に比べて保持モーメントを増やすことができ、測定時の安定性が向上する。特に、測定用アーム8を伸ばす向きと長さに応じて、吸着アーム6の旋回角度を自在に変更できるので、測定用アーム8を伸ばして行う点検作業中の安全性(耐モーメント負荷能力)が大幅に向上する。
尚、本実施例では前方の吸着アーム6aのみを旋回させた場合を例示したが、後方に位置する吸着アーム6bのみを旋回させてもよいし、両方の吸着アーム6a及び6bを旋回させてもよい。
続いて、図7A及び図7Bを参照して、障害物35(例えば雨樋や植物など)の近傍において走行ロボット1が測定を実施する場合の動作について説明する。図7Aは障害物35の近傍で吸着アーム6を伸縮作動した様子を上方から示す模式図であり、図6Bは障害物35の近傍で吸着アーム6を伸縮作動した様子を側面から示す模式図である。
本実施形態では、吸着アーム6が伸縮可能に構成されている。吸着アーム6は走行時には転倒モーメントが最小になるようにコンパクトに格納されているが、測定時には保持モーメントが大きくなるように適宜長さを調整可能になっている。吸着アーム6の長さは、基本的に保持モーメントが大きくなるように極力大きいことが好ましいが、図7Aに示されるように、走行面上に障害物35がある場合もある。このような場合、図7Bに示されるように、障害物35を回避するために一方の吸着アーム6aの長さが短くなるように調整することにより、両方の吸着アーム6a及び6bにおける吸着力を確保でき、測定時の安定性が向上する。
特に、測定用アーム8を伸ばす向きと長さに応じて、吸着アーム6の第2の吸着部20間のスパンを自在に変更できるので、測定用アーム8を伸ばして行う点検作業中の安全性(耐モーメント負荷能力)が大幅に向上する。
尚、吸着アーム6は最大に伸ばした状態(後述するBrを最大値とする)とすることで、最大限の安定性を保ちつつ作業を行うことができる。
尚、吸着アーム6は最大に伸ばした状態(後述するBrを最大値とする)とすることで、最大限の安定性を保ちつつ作業を行うことができる。
尚、本実施例では一方の吸着アーム6aにおいて障害物35を回避する例を示したが、他方の吸着アーム6bにおいて障害物35を回避するように長さを調整してもよいし、両方の吸着アーム6a及び6bにおいて障害物35を回避するように長さを調整してもよい。
続いて、図8A及び図8Bを参照して、走行面33の端部近傍において走行ロボット1が測定を実施する場合の動作について説明する。図8Aは走行面33の端部近傍で吸着アーム6が有するチルト機構を作動させた様子を上方から示す模式図であり、図7Bは図7AのI−I線断面図である。
図6Aを参照して前述したように、走行ロボット1が走行面33の端部近傍に位置する場合、走行ロボット1の後方に位置する吸着アーム6bでは第2の吸着部20を走行面に吸着させることができるものの、前方に位置する吸着アーム6aでは第2の吸着部20の位置が走行面33の範囲外となるため吸着させることができない。そのため、この状態のままでは測定時の保持モーメントが不足することにより、走行ロボット1の脱落リスクが増えてしまう。
本実施形態では、第2の吸着部20は一対のクローラ4を含む平面内において進行方向に直交する回動軸周りに回動可能に構成されている。そこで図8A及び図8Bに示されるように、屈折部18の先端に設けられた第2の吸着部20を回動することにより、建造物の他の表面(走行面33ではない他の表面)に第2の吸着部20を吸着させることができる。ここで、回動された第2の吸着部20の吸着面には、第2の吸着部20のみによる吸着力Frに加えて、走行ロボット1の自重力W[N]が作用する。そのため、回動された第2の吸着部20の吸着面における静止摩擦係数をμ、走行ロボット1の重心位置からの距離Br2と[m]すると、本実施形態に係る走行ロボット1の全保持モーメントMar2は次式
Mar2=Fr・Br1+μ(Fr+W)Br2−(Fr+W)Br3 (5)
となる。ここで回動された第2の吸着部20による保持モーメント(μ(Fr+W)Br2−(Fr+W)Br3)は、回動されない他方の第2の吸着部20による保持モーメント(Fr・Br1)より大きくなる。そのため、走行面33の端部近傍においても良好な安定性を確保することができる。
Mar2=Fr・Br1+μ(Fr+W)Br2−(Fr+W)Br3 (5)
となる。ここで回動された第2の吸着部20による保持モーメント(μ(Fr+W)Br2−(Fr+W)Br3)は、回動されない他方の第2の吸着部20による保持モーメント(Fr・Br1)より大きくなる。そのため、走行面33の端部近傍においても良好な安定性を確保することができる。
上述のように走行面33の端部近傍において回動される第2の吸着部20は、球面軸受を介して回動可能に構成されているとよい。本実施形態では、回動された第2の吸着部20の吸着面は走行面に対して垂直な平面である場合について簡単に説明したが、場合によっては当該吸着面に勾配や凹凸が存在している場合がある。このような場合であっても、球面軸受を介して回動可能に構成されることにより、第2の吸着部20を様々な状態にある吸着面に良好に密着させることができ、より効果的に保持モーメントを得ることができる。
続いて図9を参照して、測定用アーム8に設けられた測定部24の変形例について説明する。図9は図1の走行ロボット1の測定用アーム8に設けられた測定部24の変形例を示す模式図である。
本変形例に係る測定部24は、測定用アーム8の先端からワイヤー38を介して吊り下げ支持された測定ユニット40を備える。測定ユニット40はワイヤー38に接続されたケーシング42を有しており、当該ケーシング42は測定面43に対向するように設けられた開口を有する。ケーシング42の内側には、超音波探傷子のような測定素子44が付勢部材46を介して接続されている。付勢部材46は例えばバネであり、図9に示されるように、ケーシング42の開口が測定面43に接触した際に測定素子44が測定面43に対して少なからず付勢されるように構成されている。本実施形態では特に、測定ユニット40にはケーシング42内を減圧するための減圧手段48が備えられており、ケーシング42内が減圧されることにより吊り下げ支持された測定ユニット40が測定面43に吸着固定されるように構成されている。これにより吊り下げ支持によって自由度のある状態で測定ユニット40を移動可能にしつつ、測定時には測定ユニット40を安定的に固定できる。特に測定用アーム8を伸縮することによって、測定ユニット40を走行ロボット1が走行可能な範囲外に移動することができるので、広範囲に亘って精度の高い測定が可能となる。
より好ましくは、ケーシング42の開口が測定対象に接触していない状態において測定素子44がケーシング42の開口外側に位置しており、測定面43に当接した際にケーシング42内に押し込まれるように構成されるとよい。これにより、測定面43に対して測定素子44が安定的に付勢されるので、精度のよい測定が可能となる。
また、ケーシング42の開口側がベローズ構造を有してもよい。この場合、ケーシング42内が減圧された際にベローズ構造が縮小されることにより、測定対象に対してケーシング42の密着性を良好に得ることができるので、測定ユニット40の安定度が増し、より精度のよい測定が可能となる。
また、ケーシング42の開口側がベローズ構造を有してもよい。この場合、ケーシング42内が減圧された際にベローズ構造が縮小されることにより、測定対象に対してケーシング42の密着性を良好に得ることができるので、測定ユニット40の安定度が増し、より精度のよい測定が可能となる。
尚、測定素子44の検知信号は、走行ロボット1の外部に接続された電気信号線47を介して送受信可能に構成されている。また減圧手段48に供給される負圧は、負圧供給ライン49を介して走行ロボット1の外部から供給される。
続いて図10A及び図10Bを参照して、他の実施形態に係る走行ロボット1の構成例について説明する。図10Aは本発明の少なくとも一実施形態に係る走行ロボット1を上方から示す模式図であり、図10Bは図10Aを側方から見た模式図である。
本実施形態では、走行ロボット1は各クローラ4の進行方向前後に、走行面33上の付着物を除去可能な第1のスクレーパ50を更に備える。第1のスクレーパ50は各クローラ4の駆動軸5a及び5b間にあるフレーム構造52から支持部材54を介して、クローラ4の延在方向に略垂直な軸周りに回動可能に構成されている。走行面33にはコケや草木等が存在している場合があり、この場合、クローラ4が有する第1の吸着部14の吸着力を低下させる要因となり得る。本実施形態では、第1のスクレーパ50によって走行時にクローラ4が接触する走行面33上に存在するこれらの要因を予め除去しながら走行する。これにより、走行面33に汚れがある場合であっても、走行ロボット1の安定性を良好に確保することができる。
尚、支持部材54のフレーム構造52に対する傾斜角度を可変に構成することにより、第1のスクレーパ50の走行面33への接触状態を可変にしてもよい。例えば、走行面33が汚れている場合にのみ第1のスクレーパ50を走行面33に接触させることで汚れの除去を行う一方で、走行面33が汚れていない場合には第1のスクレーパ50を走行面33から乖離させることで走行抵抗を低減できる。これにより、走行面33の状況に応じて安定的で効率的な走行が実現できる。
尚、第1のスクレーパ50の動力源は、例えば上述の本体部2に収納されたバッテリであり、不図示の駆動用モータによって駆動可能に構成されている。
続いて図11A及び図11Bを参照して、他の実施形態に係る走行ロボット1の構成例について説明する。図11Aは本発明の少なくとも一実施形態に係る走行ロボットを上方から示す模式図であり、図11Bは図11Aを側方から見た模式図である。
本実施形態では、走行ロボット1は吸着アーム6の先端に設けられた第2の吸着部20の周りに回転可能な第2のスクレーパ60を備える。第2のスクレーパ60は第2の吸着部20とは独立的に走行面33に垂直な軸周りに回転可能に構成されている。これにより、第2の吸着部20の吸着位置がコケや草木等によって汚れている場合であっても、第2のスクレーパ50を駆動することによって汚れを除去することで、第2の吸着部20による吸着力を良好に得ることができる。
更に、本実施形態では第2のスクレーパ60を作動させた状態で、吸着アーム6を走行ロボット1の前後方向を中心として、左右方向における一対のクローラ4を含む幅をカバーするように旋回させながら走行してもよい(図11Aの矢印を参照)。この場合、クローラ4の走行面33上の汚れを第2のスクレーパ60によって予め除去することができる。これにより、第2の吸着部20だけでなく第1の吸着部14における吸着性を良好に確保できるので、走行ロボット1の安定性を効果的に向上できる。
続いて図12乃至及び図14を参照して、上述の走行ロボット1の更なる構成バリエーションについて説明する。図12乃至図14は、それぞれ本発明の少なくとも一実施形態に係る走行ロボット1の変形例を示す模式図である。
まず図12に示される実施形態では、一対のクローラ4が走行ロボット1の進行方向に垂直な方向に沿って延在する延長部材70を介して本体部2に連結されている。言い換えると、図6Aに示される基本構成(一対のクローラ4が本体部に対して直接的に設けられている場合)に比べて、延長部材70が設けられている分、一対のクローラ4間の距離Bcが長い。そのため、式(2)において一対のクローラ4による保持モーメントMac(=Fc・Bc)が大きくなり、より良好な安定性が得られる。
尚、延長部材70は走行ロボット1に対して脱着可能に構成されることにより、仕様(例えば測定対象物や目的)に応じて走行ロボット1のサイズが可変にしてもよい。例えば走行ロボット1の安定性を優先する場合には、長さの大きな延長部材70を介して本体部2に各クローラ4を取り付けるとよい。一方、走行ロボット1の軽量化を優先したり、緻密な走行経路に適した構成(例えば小回りに有利な構成)を優先する場合には、延長部材70の長さを小さくしたり、或いは、延長部材70を省略するとよい。また、不要な機能を省いたモジュールを組み合わせることで走行ロボット1の全体重量を軽量化することができ、吸着力不足によって脱落するリスクも効果的に軽減できる。
より好ましくは、延長部材70を含む走行ロボット1の各構成要素が分割可能に構成されており、各分割された部材を、作業員にとって容易にハンドリング可能な重量(例えば30kg以下)とするとよい。これにより、現場において作業員の人手によって、容易に組み立て可能となり、十分な体勢が確保できない現場であっても人力だけでセッティングを行うことができる。
続いて図13に示される実施形態では、本体部2の両側に設けられた一対のクローラ4がそれぞれ前後2つに分割されており(分割後の前方及び後方のクローラを区別する際には、それぞれ「f」「r」の添字を付すこととする)、当該分割された各々が進行方向に垂直な方向に沿って延在する延長部材70を介して本体部2に連結されている。これにより、図12の場合と同様に、進行方向に垂直な方向に沿った一対のクローラ4間の距離Bcが可変に構成されている。その結果、図6Aに示される基本構成(一対のクローラ4が本体部2に対して直接的に設けられている場合)に比べて、延長部材70が設けられている分、一対のクローラ4間の距離Bcが長くなることによって、式(2)において一対のクローラ4による保持モーメントMac(=Fc・Bc)が大きくなり、より良好な安定性が得られる。
本実施形態では更に、分割されたクローラ4のうち前方の2つの延長部材70fに連結された第1の中継部材72と、後方の2つの延長部材70rに連結された第2の中継部材74とを備えている。第1の中継部材72は走行ロボット1の進行方向に沿って延在する延長部材76を介して本体部2に連結されており、延長部材76の長さを調整することによって走行ロボット1の進行方向に沿った長さが可変に構成されている。その結果、図6Aに示される基本構成(一対のクローラ4が本体部2に対して直接的に設けられている場合)に比べて、一対のクローラ4による保持モーメントが大きくなり、より良好な安定性が得られる。
尚、本実施形態に限らず、様々な大きさを有するクローラ4を組み合わせてもよい。例えば、クローラ間隔をより広くするように構成することで安定性を優先してもよいし、また走行面が平面でなく曲面である場合にも対応可能なように、クローラ4の形状、長さ、間隔を適宜変更してもよい。
尚、延長部材70,76は走行ロボット1に対して脱着可能に構成されることにより、仕様に応じて走行ロボット1のサイズを可変にするとよい。例えば走行ロボット1の安定性を優先する場合には、長さの大きな延長部材70,76を介して本体部2に各クローラ4を取り付けるとよい。一方、走行ロボット1の軽量化を優先したり、緻密な走行経路に適した構成(例えば小回りに有利な構成)を優先する場合には、延長部材70,76の長さを小さくしたり、或いは、延長部材70,76を省略するとよい。
続いて図14に示される変形例では、本体部2の両側に設けられる各クローラ4は、フレーム構造52に対する駆動軸5a,5bの位置が回動可能に構成された角度調整機構80を備える。角度調整機構80は、走行ロボット1のフレーム構成52側に設けられた保持部材82と、該保持部材82に保持される被保持部84と駆動軸5との間を連結する連結部材86とを備える。連結部材86は保持部材82に対して駆動軸5に平行な方向に沿った回動軸周りに回動可能に保持されている。これにより、図14に示されるように走行面33上に段差90が存在する場合には、当該段差90に応じて角度調整機構80が機能することにより(具体的には、駆動軸5に連結された連結部材86が保持部材82に対して回動軸周りに回動することにより)、クローラ4の表面が段差90に追従して接触面積を増加することができる。その結果、走行面33上に段差90が存在する場合であっても、クローラ4の外周上に配列された第1の吸着部14による吸着力を良好に得ることができ、走行ロボット1の走行安定性を確保することができる(段差の乗り越え性能が向上する)。
尚、図14に示されるように、角度調整機構80は各クローラ4のうち前方の駆動軸5aだけでなく後方の駆動軸5bに対しても同様に設けられている。
続いて図15乃至図17を参照して、走行ロボット1で実施される転倒防止制御について説明する。図15は本発明の少なくとも一実施形態に係る走行ロボット1における転倒防止制御に係る構成を示す図であり、図16は走行面上における走行ロボット1に作用する保持モーメントを示す模式図であり、図17は測定時の走行ロボット1に作用する転倒モーメントを示す模式図である。
図15に示される転倒防止制御に係る構成100は、例えば本体部2の内部に収納されたマイクロプロセッサのような演算処理装置によって構成されている。本構成100は、第1の吸着部14及び第2の吸着部20による保持モーメントを算出する保持モーメント算出部110と、測定用アーム8の長さ及び傾斜角度を検知する検知部120と、前記検知された前記測定用アームの長さ及び傾斜角度に基づいて、転倒モーメントを算出する転倒モーメント算出部130と、前記算出された保持モーメント及び転倒モーメントに基づいて転倒リスクを判定する転倒リスク判定部140と、前記転倒リスクがあると判定された場合、作業者に対してその旨を報知する報知部150とを備える。
ここで走行ロボット1の転倒リスクの判定基準について、具体的に説明する。図16に示されるように、各クローラ4の吸着力(すなわち、無端ベルトに配列されている複数の第1の吸着部14のうち走行面33に接触しているものによる全吸着力)FC[N]は、吸着面積をSC[m2]、第1の吸着部14の内部圧力(減圧手段によって減圧された圧力)と大気圧との差圧をΔPC[Pa]とすると、次式
Fc[N]=Sc・ΔPc (6)
となる。
Fc[N]=Sc・ΔPc (6)
となる。
また2本の吸着アーム6がそれぞれ有する第2の吸着部20による吸着力FaR、FaLは、第2の吸着部20の吸着面積をSa[m]、第2の吸着部20の内部圧力と大気圧との差圧をΔPaR,ΔPaL[Pa]とすると、それぞれ次式
FaR[N]=Sa・ΔPaR (7−1)
FaL[N]=Sa・ΔPaL (7−2)
となる。
FaR[N]=Sa・ΔPaR (7−1)
FaL[N]=Sa・ΔPaL (7−2)
となる。
まずX−X断面において走行ロボット1に作用する保持モーメントについて計算する。走行ロボット1に対して、吸着力FaRの作用点を支点として転倒しようとするモーメント負荷に対する保持モーメントMXRは、次式
MXR=FC・(LRsinθR−Bc/2)+FC・(LRsinθR+Bc/2)+FaL(LL・sinθL+LR・sinθR) (8−1)
により算出される。ここでθR、θLはそれぞれ前後の吸着アームの進行方向に対する傾斜角度である。
一方、走行ロボット1に対して、吸着力FaLの作用点を支点として転倒しようとするモーメント負荷に対する保持モーメントMXLは次式
MXL=FC・(LLsinθL−Bc/2)+FC・(LLsinθL+Bc/2)+FaR(LL・sinθL+LR・sinθR) (8−2)
により算出される。
MXR=FC・(LRsinθR−Bc/2)+FC・(LRsinθR+Bc/2)+FaL(LL・sinθL+LR・sinθR) (8−1)
により算出される。ここでθR、θLはそれぞれ前後の吸着アームの進行方向に対する傾斜角度である。
一方、走行ロボット1に対して、吸着力FaLの作用点を支点として転倒しようとするモーメント負荷に対する保持モーメントMXLは次式
MXL=FC・(LLsinθL−Bc/2)+FC・(LLsinθL+Bc/2)+FaR(LL・sinθL+LR・sinθR) (8−2)
により算出される。
続いてY−Y断面において走行ロボット1に作用する保持モーメントについて計算する。走行ロボット1に対して、吸着力FaRの作用点を支点として転倒しようとするモーメント負荷に対する保持モーメントMYRは、次式
MYR=2FC・LRcosθR+FaL(LLcosθL+LRcosθR) (8−3)
により算出される。
一方、走行ロボット1に対して、吸着力FaLの作用点を支点として転倒しようとするモーメント負荷に対する保持モーメントMYLは、次式
MYL=2FC・LLcosθL+FaL(LLcosθL+LRcosθR) (8−4)
により算出される。
MYR=2FC・LRcosθR+FaL(LLcosθL+LRcosθR) (8−3)
により算出される。
一方、走行ロボット1に対して、吸着力FaLの作用点を支点として転倒しようとするモーメント負荷に対する保持モーメントMYLは、次式
MYL=2FC・LLcosθL+FaL(LLcosθL+LRcosθR) (8−4)
により算出される。
従って、上式(8−1)乃至(8−4)を用いて、走行ロボット1に作用する最小保持モーメントは、次式
Mmin=min(MXR,MXL,MYR,MYL) (9)
により求められる。このような保持モーメントに関する一連の演算は、保持モーメント算出部110によって実施される。
Mmin=min(MXR,MXL,MYR,MYL) (9)
により求められる。このような保持モーメントに関する一連の演算は、保持モーメント算出部110によって実施される。
次に図17に示されるように、測定用アーム8を長さがH[m]になるまで伸ばした時の転倒モーメントが最大となるのは、測定用アーム8を走行面33に対して垂直方向(すなわち、走行ロボット1から見て真上方向)に伸ばしたときである。このときの転倒モーメントMFは、次式
MF=m1g・(H/2+H0)+m2・g・h (10)
により求められる。ここで、m1[kg]は測定用アーム8の重量であり、m2[kg]は測定用アーム8を除いた走行ロボット1の重量である。またH0は測定用アーム8の本体部2への接続位置である接続部15の走行面33からの高さであり、h[m]は走行ロボット1の重心高さである(すなわち、(H/2+H0)は測定用アーム8の自重力が作用する測定用アームの重心高さである)。
このような転倒モーメントに関する一連の演算は、転倒モーメント算出部130によって実施される。
MF=m1g・(H/2+H0)+m2・g・h (10)
により求められる。ここで、m1[kg]は測定用アーム8の重量であり、m2[kg]は測定用アーム8を除いた走行ロボット1の重量である。またH0は測定用アーム8の本体部2への接続位置である接続部15の走行面33からの高さであり、h[m]は走行ロボット1の重心高さである(すなわち、(H/2+H0)は測定用アーム8の自重力が作用する測定用アームの重心高さである)。
このような転倒モーメントに関する一連の演算は、転倒モーメント算出部130によって実施される。
走行面33上において走行ロボット1が転倒することなく安定して走行するためには、保持モーメントMminが転倒モーメントMFより大きいこと(すなわち、MF<Mmin)が必要である。従って、走行面33上で走行ロボット1が安定するための条件式は、式(9)及び(10)を代入することにより、次式
H<2×[Mmin−g(m2h+m1H0)]/m1・g (11)
となる。
H<2×[Mmin−g(m2h+m1H0)]/m1・g (11)
となる。
本実施形態に係る走行ロボット1では、検知部120によって測定用アームの長さHを監視可能に構成されている。そして、その監視結果は転倒リスク判定部140において、上記条件式(11)に照らし合わされることによって、転倒リスクの有無が判定される。その結果、転倒リスクがあると判定された場合、報知部150によって、作業者にその旨が報知される。
このように本実施形態によれば、測定用アーム8の状態に応じて転倒リスクを判定することで、走行面33上における転倒事故を効果的に防止することができる。
このように本実施形態によれば、測定用アーム8の状態に応じて転倒リスクを判定することで、走行面33上における転倒事故を効果的に防止することができる。
尚、ΔPc,ΔPaR,ΔPaLは、それぞれ第1の吸着部及び第2の吸着部に圧力センサを設けることにより、大気圧との差圧をリアルタイムに検出可能に構成してもよい。この場合、走行面33の状況に応じて逐次変化する第1の吸着部及び第2の吸着部の圧力値に応じてリアルタイムに転倒防止制御を実施できるので、より効果的に転倒リスクを軽減することができる。
本発明の少なくとも一実施形態は、例えばビル、橋梁又はトンネルなどの建造物の表面上を走行可能なクローラ型壁面吸着走行ロボットに利用可能である。
1 クローラ型壁面吸着走行ロボット
2 本体部
4 クローラ
5 駆動軸
6 吸着アーム
8 測定用アーム
10 駆動輪
11 支柱
12 無端ベルト
13 支持部材
14 第1の吸着部
15 接続部
16 延在部
18 屈折部
20 第2の吸着部
24 測定部
30 搬送車
32 測定現場(橋梁)
33 走行面
34 リフトシステム
36 アーム
38 ゴンドラ
40 測定ユニット
42 ケーシング
43 測定面
44 測定素子
46 付勢部材
48 減圧手段
50 第1のスクレーパ
52 フレーム構造
54 支持部材
60 第2のスクレーパ
70 延長部材
72 第1の中継部材
74 第2の中継部材
76 延長部材
80 角度調整機構
82 保持部材
84 被保持部
86 連結部材
90 段差
100 転倒防止制御装置
110 保持モーメント算出部
120 検知部
130 転倒モーメント算出部
140 転倒リスク判定部
150 報知部
2 本体部
4 クローラ
5 駆動軸
6 吸着アーム
8 測定用アーム
10 駆動輪
11 支柱
12 無端ベルト
13 支持部材
14 第1の吸着部
15 接続部
16 延在部
18 屈折部
20 第2の吸着部
24 測定部
30 搬送車
32 測定現場(橋梁)
33 走行面
34 リフトシステム
36 アーム
38 ゴンドラ
40 測定ユニット
42 ケーシング
43 測定面
44 測定素子
46 付勢部材
48 減圧手段
50 第1のスクレーパ
52 フレーム構造
54 支持部材
60 第2のスクレーパ
70 延長部材
72 第1の中継部材
74 第2の中継部材
76 延長部材
80 角度調整機構
82 保持部材
84 被保持部
86 連結部材
90 段差
100 転倒防止制御装置
110 保持モーメント算出部
120 検知部
130 転倒モーメント算出部
140 転倒リスク判定部
150 報知部
Claims (14)
- 本体部と、
前記本体部の進行方向両側にそれぞれ設けられ、走行時に前記走行面に対して吸着可能な複数の第1の吸着部を外周面上に有する無端ベルトが駆動輪の周りに取り回されて構成された少なくとも一対のクローラと、
前記本体部から前後方向に沿って延在する延在部と、該延在部の先端から前記少なくとも一対のクローラを含む面に垂直方向に沿って延在する伸縮可能な屈折部と、該屈折部の先端に設けられた第2の吸着部とを有する少なくとも一対の吸着アームと、
前記本体部から延在し、先端に測定部を有する測定用アームと
を備え、
前記少なくとも一対の吸着アームは、前記少なくとも一対のクローラを含む平面内において、前記本体部を基準に独立的に旋回可能に構成されていることを特徴とするクローラ型壁面吸着走行ロボット。 - 前記少なくとも一対の吸着アームは、延在方向に沿って独立的に伸縮可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
- 前記第2の吸着部は、前記少なくとも一対のクローラを含む平面内において前記前後方向に交差する軸周りに回動可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
- 前記第2の吸着部は、前記屈折部との間に設けられた球面軸受を介して回動可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
- 前記測定用アームは、延在方向に沿って伸縮可能に構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
- 前記測定部は、
前記測定用アームの先端から吊り下げ支持され、測定面に対向する開口を有するケーシングと、
前記ケーシングの内壁に付勢部材を介して接続された測定素子と、
前記ケーシングの内部を減圧可能に構成された減圧手段と
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。 - 前記少なくとも一対のクローラの前後に、走行面上の付着物を除去可能な第1のスクレーパを更に備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
- 前記走行面の垂直方向に沿った回転軸を有し、前記第2の吸着部の周りで回転することにより走行面上の付着物を除去可能に構成された第2のスクレーパを更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
- 前記第2のスクレーパを走行面に接触させつつ、前記少なくとも一対の吸着アームを前記進行方向を中心として、左右に旋回させながら走行することを特徴とする請求項8に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
- 前記本体部の両側に設けられた前記クローラ間の距離が可変に構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
- 前記少なくとも一対のクローラは、前記進行方向に沿ってそれぞれ複数に分割されており、前記進行方向に沿って分割された前記クローラ間の距離が可変に構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
- 前記駆動輪の駆動軸は、該駆動軸が前記本体部に対して回動可能に構成された角度調整機構を介して設けられていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
- 前記角度調整機構は、
前記本体部に接続された保持部材と、
前記駆動軸に平行な方向に沿った軸周りに回動可能なように前記保持部材に保持される被保持部と、
該被保持部と前記駆動軸との間を連結する連結部材と
を備えることを特徴とする請求項12に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。 - 本体部と、
前記本体部の進行方向両側にそれぞれ設けられ、走行時に前記走行面に対して吸着可能な複数の第1の吸着部を外周面上に有する無端ベルトが駆動輪の周りに取り回されて構成された少なくとも一対のクローラと、
前記本体部から前後方向に沿って延在する延在部と、該延在部の先端から前記少なくとも一対のクローラを含む面に垂直方向に沿って延在する伸縮可能な屈折部と、該屈折部の先端に設けられた第2の吸着部とを有する少なくとも一対の吸着アームと、
前記本体部から延在し、先端に測定部を有する伸縮可能に構成された測定用アームと、
前記第1の吸着部及び前記第2の吸着部による保持モーメントを算出する保持モーメント算出部と、
前記測定用アームの長さ及び傾斜角度を検知する検知部と、
前記検知された前記測定用アームの長さ及び傾斜角度に基づいて、転倒モーメントを算出する転倒モーメント算出部と、
前記算出された保持モーメント及び転倒モーメントに基づいて転倒リスクを判定する転倒リスク判定部と、
前記転倒リスクがあると判定された場合、作業者に対してその旨を報知する報知部と
を備えることを特徴とするクローラ型壁面吸着走行ロボット。
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