JP6745751B2 - 作業車 - Google Patents

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Description

本発明は、凹凸の多い路面を走行するのに適した作業車に関する。
従来では、複数の走行装置の夫々がリンク機構を介して各別に高さ変更可能に車両本体に支持され、任意の方向に折れ曲がり自在なマニピュレータが車両本体に設けられたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−142347号公報
上記従来構成では、走行路面に凹凸があっても、リンク機構により走行装置の車両本体に対する高さを変更させながら乗り越えていくことが可能であり、車両が横倒れした場合にはマニピュレータにより自力復帰させることができる等、走行機能とは異なる機能も備えている。そこで、このような構成を、凹凸の多い圃場等において走行しながら作業する農作業車に適用することが可能である。
しかし、上記構成を農作業車に適用することを想定した場合、例えば、収穫物等の物体を持ち上げて搬送する等の別の操作を行う場合には、走行装置とは別に、マニピュレータやインプルメント等の物体搬送用の作業装置を備える必要があり、構造が複雑になる不利がある。
そこで、簡素な構成でありながら、物体を搬送することが可能な作業車が望まれていた。
本発明に係る作業車の特徴構成は、
車両本体と、
前記車両本体の前後両側部において左右一対ずつ設けられ、走行駆動可能である複数の走行作動部と、
前記走行作動部を各別に前記車両本体に対して高さ位置変更自在に且つ、前記車両本体を姿勢保持可能に支持する車体支持部と、
前記車体支持部を変更操作可能な駆動操作部と、が備えられ、
複数の前記走行作動部の夫々に、走行駆動する車輪と、その車輪に対応する遊転輪とが備えられ、
前記走行作動部は、前記車輪と前記遊転輪とが共に接地して、前記車輪と前記遊転輪とにわたる前後幅にて前記車両本体を支持するように構成され、
前記車体支持部が、一端部が前記車両本体に対して横軸芯周りで揺動自在に支持された第1リンクと、一端部が前記第1リンクの他端部に横軸芯周りで揺動自在に枢支連結された第2リンクとを有する屈折リンク機構にて構成され、
前記第2リンクの他端部に前記車輪が支持され、
前記第1リンクと前記第2リンクとの連結箇所に前記遊転輪が支持され、
前記走行作動部および前記車体支持部は、縦軸心周りで旋回可能に前記車両本体に支持され、
車両前部側に位置する左右両側の前記走行作動部、及び、車両後部側に位置する左右両側の前記走行作動部が共に接地して前記車両本体を姿勢保持している状態で、前記車輪と前記遊転輪とが一体的に縦軸芯周りで向き変更可能であり、
車両前部側に位置する左右両側の前記走行作動部、及び、車両後部側に位置する左右両側の前記走行作動部うちの、いずれか一方が接地して前記車両本体を姿勢保持している状態で、他方が地上から浮上するとともに互いに近づくように旋回して物体を挟持可能である点にある。
本発明によれば、複数の走行作動部が、車体支持部によって車両本体に対して高さ位置変更自在に支持され、走行作動部および車体支持部が縦軸心周りで旋回可能に車両本体に支持される。
そして、走行作動部は車両本体の前後両側部において左右一対ずつ設けられるものであり、一対の走行作動部が、互いに近づくように旋回することにより、物体を挟持することができる。すなわち、この一対の走行作動部が物体を挟持して荷物を運ぶ手として機能する。一方、他の走行作動部を用いて車両本体を移動させることができる。その結果、車両本体を走行させるために備えられる複数の走行作動部を用いて、物体を搬送するので、特別な物体搬送用の作業装置等は不要で、簡素な構成で対応できる。
従って、簡素な構成でありながら、搬送用の物体を持ち上げて移動することが可能な作業車を提供できるに至った。
また、車両前部側に位置する左右両側の走行作動部(以下、前部側の1組という)、及び、車両後部側に位置する左右両側の走行作動部(以下、後部側の1組という)のうち、いずれか一方が接地して車両本体を姿勢保持している状態で、他方を地上から浮上させた状態で互いに近づくように旋回することにより、物体を挟持する。
すなわち、前部側の1組と後部側の1組のうちの一方が、車両本体を支持する足として機能し、前部側の1組と後部側の1組のうちの他方が、物体を挟持して荷物を運ぶ手として機能する。このように4つの走行作動部だけで物体を搬送することができ、簡素な構成で対応できる。
さらにまた、車輪と遊転輪とによって前後方向に広い接地幅にて車両本体を接地支持することができる。そして、車両本体に対する第1リンクの揺動姿勢を変更し、第1リンクに対する第2リンクの揺動姿勢を変更することで、車両本体に対して走行作動部を昇降させることができる。その結果、前部側あるいは後部側のいずれかに位置する左右両側の走行作動部により車両本体を支持する際に、左右一対の走行作動部における車輪と遊転輪とが接地することによって広い接地幅にて安定した姿勢で物体を搬送することができる。さらに、第1リンクと第2リンクとの枢支連結箇所に遊転輪が支持されるから、走行作動部の昇降操作に伴って第1リンクと第2リンクとの枢支連結箇所が地面に近づいても、遊転輪が地面に接当して円滑に案内される。又、第1リンクと第2リンクとの枢支連結用の支軸と遊転輪の支軸とを兼用することができ、遊転輪を支持する専用の支軸を別途設ける構成に比べて、支持構造の簡素化を図ることができる。
本発明においては、
複数の前記車体支持部の夫々を、縦向き軸芯周りで旋回可能に前記車両本体に支持する複数の旋回機構が備えられていると好適である。
本構成によれば、車体支持部がどのような姿勢であっても、すなわち、走行作動部の車両本体に対する高さがどのような位置にあっても、その姿勢を維持したまま車体支持部と走行作動部とを一体的に旋回させることができる。
本発明においては、
前記駆動操作部は、前記車両本体に対する前記第1リンクの揺動姿勢を変更可能な第1油圧シリンダと、前記第1リンクに対する前記第2リンクの揺動姿勢を変更可能な第2油圧シリンダとを有し、
前記旋回機構は、前記屈折リンク機構を前記縦軸芯周りで向き変更操作する旋回操作用の油圧シリンダを有していると好適である。
本構成によれば、屈折リンク機構が2つの油圧シリンダにより姿勢変更操作され、旋回機構が旋回用油圧シリンダにより姿勢変更操作される。油圧シリンダは、一般的に防水性や防塵性を備えている。このため、表面に水分や塵埃が付着しても、内部に入り込むことを防止できるため、そのことによって悪影響を受けて動作不良等を起こすおそれは少ない。従って、細かな塵埃や水分等が侵入するおそれがある作業環境であっても、良好に姿勢変更操作を行うことができる。
作業車の全体側面図である。 作業車の全体平面図である。 屈折リンク機構の平面図である。 屈折リンク機構の側面図である。 取外した状態での屈折リンク機構の取付け状態を示す正面図である。 取付けた状態での屈折リンク機構の取付け状態を示す正面図である。 旋回機構による左旋回状態を示す平面図である。 旋回機構による右旋回状態を示す平面図である。 4輪走行状態の説明図である。 2輪走行状態の説明図である。 2輪走行状態の説明図である。 自由移動状態の側面図である。 段差乗り越え状態の側面図である。 物品搬送状態の平面図である。 物品搬送状態の側面図である。 法面走行状態の側面図である。 跨ぎ走行状態の正面図である。
以下、本発明に係る作業車の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1,2に示すように、作業車には、車両全体を支持する略矩形枠状の車両本体1と、複数(具体的には4個)の走行装置2と、複数の走行装置2の夫々に対応して設けられた複数の遊転輪3と、複数の走行装置2を各別に位置変更自在に車両本体1に支持する車体支持部としての屈折リンク機構10と、屈折リンク機構10を変更操作可能な駆動操作部としての油圧駆動式の駆動機構5と、駆動機構5に作動油を供給する作動油供給装置6とが備えられている。
複数の走行装置2は夫々、横軸芯周りで回転可能に支持された車輪7と、車輪7の軸支部8に内装された油圧モータ9とを備えている。各走行装置2は、油圧モータ9を作動させることにより、各別に車輪7を回転駆動することができる。
この実施形態で、車体の前後方向を定義するときは、車体進行方向に沿って定義し、車体の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、図1に符号(A)で示す方向が車体前後方向であり、図2に符号(B)で示す方向が車体左右方向である。
駆動機構5は、複数の屈折リンク機構10の姿勢を各別に変更可能である。複数の屈折リンク機構10夫々の中間屈折部11(図4参照)に自由回転自在に遊転輪3が支持されている。そして、1つの走行装置2と当該走行装置2に対応する1つの遊転輪3とにより1組の走行作動部12が構成され、1組の走行作動部12は1つの屈折リンク機構10によって姿勢変更可能に支持される。車両本体1の前後両側に夫々左右一対ずつ合計4組の走行作動部12が備えられる。従って、屈折リンク機構10、走行装置2及び遊転輪3の夫々が、車両本体1の前後両側に夫々左右一対ずつ備えられている。
車両本体1は、車両本体1の全周を囲うとともに、全体を支持する矩形枠状の支持フレーム13を備えている。作動油供給装置6は車両本体1の内部に収納して支持されている。詳述はしないが、作動油供給装置6には、車両に搭載されるエンジンにて駆動されるとともに、駆動機構5に向けて作動油を送り出す油圧ポンプ、油圧ポンプから駆動機構5に供給される作動油を制御する複数の油圧制御弁、作動油タンク等が備えられ、駆動機構5に対する作動油の給排あるいは流量の調節等を行う。
車両本体1の内部には、作動油供給装置6の動作を制御する制御装置15が備えられている。制御装置15の制御動作については詳述はしないが、図示しない手動入力装置にて入力される制御情報、あるいは、予め設定して記憶されている制御情報に基づいて、駆動機構5及び油圧モータ9に対する作動油の供給状態を制御する。
次に、走行装置2を車両本体1に支持するための支持構造について説明する。
複数(具体的には4つ)の走行装置2は、屈折リンク機構10を介して車両本体1に対して各別に昇降自在に支持されている。屈折リンク機構10は旋回機構16により縦軸芯周りで向き変更可能に車両本体1に支持されている。
屈折リンク機構10は、旋回機構16を介して縦軸芯Y周りで揺動自在に支持フレーム13に支持されている。旋回機構16には、支持フレーム13に連結されるとともに、屈折リンク機構10を揺動自在に支持する車体側支持部17(図3、図4参照)と、屈折リンク機構10を旋回操作させる旋回用油圧シリンダ(以下、旋回シリンダと称する)18とが備えられている。
説明を加えると、図3,4,5,6に示すように、車体側支持部17は、支持フレーム13における横側箇所に備えられた上下一対の角筒状の前後向きフレーム体19に対して、横側外方から挟み込む状態で嵌め合い係合するとともに、取外し可能にボルト連結される連結部材20と、連結部材20の車体前後方向外方側箇所に位置する外方側枢支ブラケット21と、連結部材20の車体前後方向の内方側箇所に位置する内方側枢支ブラケット22と、外方側枢支ブラケット21に支持される縦向きの回動支軸23とを備え、回動支軸23の軸芯Y周りで回動自在に屈折リンク機構10を支持している。
屈折リンク機構10には、上下方向の位置が固定された状態で且つ縦軸芯Y周りで回動自在に車体側支持部17に支持される基端部24と、一端部が基端部24の下部に横軸芯X1周りで揺動自在に支持された第1リンク25と、一端部が第1リンク25の他端部に横軸芯X2周りで揺動自在に支持され且つ他端部に走行装置2が支持された第2リンク26とが備えられている。
説明を加えると、基端部24は、平面視で矩形枠状に設けられ、車体横幅方向内方側に偏倚した箇所において、回動支軸23を介して縦軸芯Y周りで回動自在に、車体側支持部17の外方側枢支ブラケット21に支持されている。旋回シリンダ18は、一端部が、内方側枢支ブラケット22に回動自在に連結され、他端部が、基端部24における回動支軸23に対して横方向に位置ずれした箇所に回動自在に連結されている。
基端部24の左右両側部に亘って第1リンク25の一端側に備えられた支持軸27が回動自在に架設支持され、第1リンク25は基端部24の下部に対して支持軸27の軸芯周りで回動自在に連結されている。
図4に示すように、第1リンク25は、基端側アーム部25bと他端側アーム部25aとを有している。第1リンク25の一端側箇所には、斜め上外方に向けて延びる基端側アーム部25bが一体的に形成されている。第1リンク25の他端側箇所には、斜め上外方に向けて延びる他端側アーム部25aが一体的に形成されている。
図3に示すように、第2リンク26は、左右一対の帯板状の板体26a,26bを備えて平面視で二股状に形成されている。第2リンク26の第1リンク25に対する連結箇所は一対の板体26a,26bが間隔をあけている。一対の板体26a,26bで挟まれた領域に、第1リンク25と連結するための連結支軸28が回動自在に支持されている。第2リンク26の第1リンク25に対する連結箇所とは反対側の揺動側端部には走行装置2が支持されている。図4に示すように、第2リンク26の揺動側端部は車両本体1から離れる方向に略L字状に延びるL字状延設部26Aが形成され、L字状延設部26Aの延設側端部に走行装置2が支持されている。
複数(4個)の屈折リンク機構10の夫々に対応して駆動機構5が備えられている。図1,4に示すように、駆動機構5には、車両本体1に対する第1リンク25の揺動姿勢を変更可能な第1油圧シリンダ29と、第1リンク25に対する第2リンク26の揺動姿勢を変更可能な第2油圧シリンダ30とが備えられている。第1油圧シリンダ29及び第2油圧シリンダ30は、夫々、第1リンク25の近傍に集約して配置されている。
第1リンク25、第1油圧シリンダ29及び第2油圧シリンダ30が、平面視において、第2リンク26の一対の板体26a,26bの間に位置する状態で配備されている。図3,4に示すように、第1油圧シリンダ29は、第1リンク25に対して車体前後方向内方側に位置して、第1リンク25の長手方向に沿うように設けられている。第1油圧シリンダ29の一端部が円弧状の第1連動部材31を介して基端部24の下部に連動連結されている。第1油圧シリンダ29の一端部は、別の第2連動部材32を介して第1リンク25の基端側箇所に連動連結されている。第1連動部材31及び第2連動部材32は、両側端部が夫々、相対回動可能に枢支連結されている。第1油圧シリンダ29の他端部は、第1リンク25に一体的に形成された他端側アーム部25aに連動連結されている。
第2油圧シリンダ30は、第1油圧シリンダ29とは反対側、すなわち、第1リンク25に対して車体前後方向外方側に位置して、第1リンク25の長手方向に略沿うように設けられている。第2油圧シリンダ30の一端部が第1リンク25の基端側に一体的に形成された基端側アーム部25bに連動連結されている。第2油圧シリンダ30の他端部は、第3連動部材34を介して第2リンク26の基端側箇所に一体的に形成されたアーム部35に連動連結されている。第2油圧シリンダ30の他端部は、別の第4連動部材36を介して第1リンク25の揺動端側箇所にも連動連結されている。第3連動部材34及び第4連動部材36は、両側端部が夫々、相対回動可能に枢支連結されている。
第2油圧シリンダ30の作動を停止した状態で第1油圧シリンダ29を伸縮操作すると、第1リンク25、第2リンク26及び走行装置2の夫々が、相対姿勢を一定に維持したまま一体的に、基端部24に対する枢支連結箇所の横軸芯X1周りで揺動する。第1油圧シリンダ29の作動を停止した状態で第2油圧シリンダ30を伸縮操作すると、第1リンク25の姿勢が一定に維持されたまま、第2リンク26及び走行装置2が、一体的に、第1リンク25と第2リンク26との連結箇所の横軸芯X2周りで揺動する。
複数(4つ)の屈折リンク機構10夫々の中間屈折部11に自由回転自在に遊転輪3が支持されている。図1,2に示すように、遊転輪3は走行装置2の車輪7と略同じ外径の車輪にて構成されている。図3に示すように、第1リンク25と第2リンク26とを枢支連結する連結支軸28が、第2リンク26よりも車体横幅方向外方側に突出するように延長形成されている。連結支軸28の延長突出箇所に遊転輪3が回動自在に支持されている。つまり、第1リンク25と第2リンク26とを枢支連結する連結支軸28が、遊転輪3の回動支軸を兼用する構成となっており、部材の兼用により構成の簡素化を図っている。
図7,8に示すように、屈折リンク機構10、走行装置2、遊転輪3、及び、駆動機構5の夫々が、一体的に、回動支軸23の軸芯Y周りで回動自在に外方側枢支ブラケット21に支持されている。そして、旋回シリンダ18を伸縮させることにより、それらが一体的に回動操作される。走行装置2が前後方向に向く直進状態から左旋回方向及び右旋回方向に夫々、約45度ずつ旋回操作させることができる。
前後向きフレーム体19に対する連結部材20のボルト連結を解除すると、旋回機構16、屈折リンク機構10、走行装置2、遊転輪3、及び、駆動機構5の夫々が、一体的に組付けられた状態で、車両本体1から取り外すことができる。又、前後向きフレーム体19に対して連結部材20をボルト連結することで、上記各装置が一体的に組付けられた状態で、車両本体1に取付けることができる。
作動油供給装置6から複数の屈折リンク機構10夫々の第1油圧シリンダ29及び第2油圧シリンダ30に作動油が供給される。油圧制御弁により作動油の給排が行われて、第1油圧シリンダ29及び第2油圧シリンダ30を伸縮操作させることができる。油圧制御弁は制御装置15によって制御される。
又、油圧モータ9に対応する油圧制御弁により作動油の流量調整が行われることで、油圧モータ9すなわち車輪7の回転速度を変更することができる。油圧制御弁は、手動操作にて入力される制御情報あるいは予め設定記憶されている制御情報等に基づいて制御装置15によって制御される。
図1に示すように、この作業車は種々のセンサを備える。具体的には、それぞれの第1油圧シリンダ29に設けられた第一キャップ側圧力センサS1及び第一ヘッド側(反キャップ側)圧力センサS2、それぞれの第2油圧シリンダ30に設けられた第二キャップ側圧力センサS3及び第二ヘッド側(反キャップ側)圧力センサS4を備える。第一キャップ側圧力センサS1は、第1油圧シリンダ29のキャップ側室の油圧を検出する。第一ヘッド側圧力センサS2は、第1油圧シリンダ29のヘッド側室の油圧を検出する。第二キャップ側圧力センサS3は、第2油圧シリンダ30のキャップ側室の油圧を検出する。第二ヘッド側圧力センサS4は、第2油圧シリンダ30のヘッド側室の油圧を検出する。又、図示はしていないが、上記各油圧シリンダ18,29,30は、伸縮ストローク量を検出可能なストロークセンサを内装しており、操作状態を制御装置15にフィードバックするように構成されている。
なお、各圧力センサS1,S2,S3,S4の取り付け位置は上記した位置に限られるものではない。各圧力センサS1,S2,S3,S4は、対応するキャップ側室又はヘッド側室の油圧を検出(推定)可能であればよく、弁機構から対応するキャップ側室又はヘッド側室の間の配管に設けられてもよい。
これらのセンサの検出結果に基づいて、車両本体1を支持するために必要な力が算出され、その結果に基づいて、それぞれの第1油圧シリンダ29及び第2油圧シリンダ30への作動油の供給が制御される。具体的には、第一キャップ側圧力センサS1の検出値と第一ヘッド側圧力センサS2の検出値とに基づき、第1油圧シリンダ29のキャップ側室とヘッド側室との差圧から、第1油圧シリンダ29のシリンダ推力が算出される。また、第二キャップ側圧力センサS3の検出値と第二ヘッド側圧力センサS4の検出値とに基づき、第1油圧シリンダ29と同様に、第2油圧シリンダ30のシリンダ推力が算出される。
車両本体1には、例えば、三軸加速度センサ等からなる加速度センサS5が備えられている。加速度センサS5の検出結果に基づき、車両本体1の前後左右の傾きが検知され、その結果に基づいて車両本体1の姿勢が制御される。つまり、車両本体1の姿勢が目標の姿勢となるよう、それぞれの第1油圧シリンダ29及び第2油圧シリンダ30への作動油の供給が制御される。
走行装置2には、車輪7の回転速度を検出する回転センサS6を備える。回転センサS6にて算出された車輪7の回転速度に基づいて、車輪7の回転速度が目標の値となるように、油圧モータ9への作動油の供給が制御される。
上述したように、本実施形態の作業車は、屈折リンク機構10を介して走行装置2を支持する構成とし、油圧駆動式の駆動機構5としての油圧シリンダ29,30により、屈折リンク機構10の姿勢を変更操作する構成であり、しかも、走行駆動も油圧モータにて行う構成であるから、水分や細かな塵埃等による影響を受け難く、農作業に適したものになる。
このような構成の作業車の使用例として、次のような走行形態がある。
〈平坦地での走行形態〉
平坦地を走行する場合、図9,10,11に示すように、複数種の異なる走行形態のいずれかにて走行することができる。すなわち、図9に示すように、4個の走行装置2(具体的には車輪7)が全て接地し且つ4個の遊転輪3が全て地面から浮上する4輪走行状態と、図10に示すように、車体前後方向の一方側に位置する走行装置2(車輪7)が浮上し且つその走行装置2(車輪7)に対応する遊転輪3が接地するとともに、車体前後方向の他方側に位置する走行装置2(車輪7)が接地し且つその走行装置2(車輪7)に対応する遊転輪3が浮上する2輪走行状態である。
2輪走行状態として、走行装置2(車輪7)と遊転輪3との関係が車体前後方向で反対となる状態、すなわち、図11に示すように、車体前後方向一方側に位置する走行装置2(車輪7)が接地し且つその走行装置2(車輪7)に対応する遊転輪3が地面から浮上するとともに、車体前後方向他方側に位置する走行装置2(車輪7)が浮上し且つその走行装置2(車輪7)に対応する遊転輪3が接地する状態もある。
説明を加えると、屈折リンク機構10は、4組の走行作動部12の夫々において、走行装置2(車輪7)が接地し且つそれに対応する遊転輪3が地面から浮上する走行状態と、遊転輪3が接地し且つそれに対応する走行装置2(車輪7)が地面から浮上する自由移動状態とに切り換え可能に構成されている。
上記4輪走行状態では、4組の走行作動部12が全て走行状態に設定され、上記2輪走行状態では、4個の走行作動部12のうちの車体前後方向一方側の2組の走行作動部12が走行状態に設定され、且つ、反対側の2組の走行作動部12が自由移動状態に設定される。
又、上記したような4輪走行状態と2輪走行状態以外にも、例えば、4個の走行作動部12のうちの3個の走行作動部12が走行状態となり、他の1個の走行作動部12が自由移動状態となる一部走行状態に切り換えることも可能である。これにより、3個の走行作動部12によって安定的に接地しながら、1つの走行作動部12を例えば、段差の上側にまで延ばす等の操作を行うことができる。それ以外にも、一部走行状態として、4個の走行作動部12のうちの3個の走行作動部12が自由移動状態となり、他の1個の走行作動部12を走行状態に切り換えることも可能である。
要するに、駆動機構5が、4個の走行作動部12のうちの全てのものが走行状態となる全部走行状態と、4個の走行作動部12のうちの少なくとも一つが走行状態となり、残りのものが自由移動状態となる一部走行状態とに切り換え可能である。
上記したような走行形態の他、図12に示すように、4組全ての走行作動部12を全て自由移動状態に切り換えて使用することもできる。この場合には、駆動走行することはできないが、手動で楽に押し移動させることができる。
この作業車では、上記したような平坦面での走行の他にも、独特の使用形態として、次のような形態で使用することが可能である。
〈2脚直立形態〉
車両本体1を大きく傾斜させて、走行装置2を高所に乗せることができる。
すなわち、図13に示すように、車体前後方向一方側の2組の走行作動部12における走行装置2と遊転輪3とを全て接地させている状態で、車体前後方向他方側の2組の走行作動部12を支持する屈折リンク機構10を用いて、他方側が上昇するように車両本体1を大きく傾斜させる。そして、車両本体1の重心位置Wが一方側の2組の走行作動部12による接地幅L内に位置するまで傾斜すると、他方側の2組の走行作動部12を支持する屈折リンク機構10を大きく伸長させて、走行装置2を高い所にある地面に乗せることができる。
この2脚直立形態においては、高い所へ乗り上げる形態以外にも、図14,15に示すように、他の物体を持ち上げる動作も行うことが可能である。すなわち、上記したように、車体前後方向一方側の2組の走行作動部12における走行装置2と遊転輪3とを接地させている状態で車両本体1を大きく傾斜させ、車両本体1の重心位置Wが一方側の2組の走行作動部12による接地幅L内に位置するまで傾斜させる。さらに、車体前後方向他方側の2組の走行作動部12について、左右両側の走行作動部12が互いに近づくように旋回作動させる。車体前後方向他方側の2組の走行作動部12における夫々の走行装置2によって、搬送対象となる物体Mを把持して持ち上げる。物体Mを把持している状態で、車体前後方向一方側の2組の走行作動部12にて車両本体1の姿勢を維持しながら走行して移動することができ、物体Mの搬送を行える。
〈法面走行形態〉
図16に示すように、4組全ての走行作動部12について、屈折リンク機構10の姿勢を、走行装置2及び遊転輪3の夫々が車体前後方向外端部よりも車体前後方向外側に位置する伸展姿勢に変更操作する。走行装置2と遊転輪3とが全て接地している状態で、第1リンク25及び第2リンク26をできるだけ水平姿勢に近付けて車両本体1の高さを低い位置に下げる。このような状態で、法面を乗り上がりながら走行する。この走行形態では、車体前後方向に沿う接地幅が広くなり、大きく傾斜している法面であっても、転倒することなく安定した状態で走行することができる。
〈段差乗り越え形態〉
4組の走行作動部12のうちの3組の走行作動部12における走行装置2と遊転輪3とが全て接地させて、車両本体1を地面に安定的に接地支持している状態で、残り1組の走行作動部12を支持する屈折リンク機構10を大きく伸長させて、例えば、図13に示すように、走行装置2を段差の上部面に乗せる。そして、各組の走行作動部12における屈折リンク機構10を伸縮させながら、1組ずつ走行作動部12を段差の上部面に乗り移りながら移動することで、段差を乗り越えることが可能となる。図13では、段差が高い場合を示しているが、低い段差であれば、車両本体1が乗り上がることができる。
〈跨ぎ走行形態〉
図17に示すように、4組の走行作動部12の全てについて、屈折リンク機構10を大きく伸長させて車両本体1を接地面から大きく上昇させる。例えば、畝を跨いだ状態で車両本体1を畝の上方に位置させた状態で作業を行うことができる。畝に植えられている作物が成長しても、作物の上方側から例えば、薬剤散布や収穫作業等を行うことができる。
尚、詳細な説明は省略するが、上記したような各種の形態で走行する場合、手動操作にて入力される制御情報あるいは予め設定記憶されている制御情報等に基づいて、指令された内容に対応する形態となるように、制御装置15が各油圧シリンダ18,29,30及び各油圧モータ9の作動を制御する。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、屈折リンク機構10の姿勢変更のために、駆動操作部として、第1油圧シリンダ29と第2油圧シリンダ30とを備える構成としたが、この構成に代えて、屈折リンク機構10の揺動支点部に油圧モータを備えて、その油圧モータによって屈折リンク機構10の姿勢を変更する構成でもよい。
(2)上記実施形態では、車体支持部として屈折リンク機構10が備えられる構成としたが、この構成に代えて、車体支持部として、例えば、任意の方向に折れ曲がり自在なロボットアーム等を用いて、走行作動部12を支持する構成でもよく、要するに、走行作動部12を各別に車両本体1に対して高さ位置変更自在に支持するとともに、車両本体を姿勢保持可能に支持する構成であればよく、具体構造は種々変更して実施することができる。
(3)上記実施形態では、走行装置2が油圧モータ9により駆動される構成としたが、この構成に代えて、例えば、車両に搭載されたエンジンの動力がチェーン伝動機構等の機械式伝動機構を介して車輪7に供給される構成でもよい。
(4)上記実施形態では、走行装置2が1つの車輪7を備える構成としたが、この構成に代えて、走行装置2として、複数の輪体にクローラベルトが巻回されたクローラ走行装置を備える構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、旋回機構16に、屈折リンク機構10の全体を旋回操作可能な旋回用油圧シリンダ18が備えられる構成としたが、旋回操作を電動モータや油圧モータにより行うものでもよい。
本発明は、凹凸の多い路面を走行するのに適した作業車に適用できる。
1 車両本体
3 遊転輪
5 駆動操作部
7 車輪
10 屈折リンク機構(車体支持部)
12 走行作動部
16 旋回機構
18 旋回用油圧シリンダ
25 第1リンク
26 第2リンク
29 第1油圧シリンダ
30 第2油圧シリンダ
X1 横軸芯
X2 横軸芯

Claims (3)

  1. 車両本体と、
    前記車両本体の前後両側部において左右一対ずつ設けられ、走行駆動可能である複数の走行作動部と、
    前記走行作動部を各別に前記車両本体に対して高さ位置変更自在に且つ、前記車両本体を姿勢保持可能に支持する車体支持部と、
    前記車体支持部を変更操作可能な駆動操作部と、が備えられ、
    複数の前記走行作動部の夫々に、走行駆動する車輪と、その車輪に対応する遊転輪とが備えられ、
    前記走行作動部は、前記車輪と前記遊転輪とが共に接地して、前記車輪と前記遊転輪とにわたる前後幅にて前記車両本体を支持するように構成され、
    前記車体支持部が、一端部が前記車両本体に対して横軸芯周りで揺動自在に支持された第1リンクと、一端部が前記第1リンクの他端部に横軸芯周りで揺動自在に枢支連結された第2リンクとを有する屈折リンク機構にて構成され、
    前記第2リンクの他端部に前記車輪が支持され、
    前記第1リンクと前記第2リンクとの連結箇所に前記遊転輪が支持され、
    前記走行作動部および前記車体支持部は、縦軸心周りで旋回可能に前記車両本体に支持され、
    車両前部側に位置する左右両側の前記走行作動部、及び、車両後部側に位置する左右両側の前記走行作動部が共に接地して前記車両本体を姿勢保持している状態で、前記車輪と前記遊転輪とが一体的に縦軸芯周りで向き変更可能であり、
    車両前部側に位置する左右両側の前記走行作動部、及び、車両後部側に位置する左右両側の前記走行作動部うちの、いずれか一方が接地して前記車両本体を姿勢保持している状態で、他方が地上から浮上するとともに互いに近づくように旋回して物体を挟持可能である作業車。
  2. 複数の前記車体支持部の夫々を、縦向き軸芯周りで旋回可能に前記車両本体に支持する複数の旋回機構が備えられている請求項1記載の作業車。
  3. 前記駆動操作部は、前記車両本体に対する前記第1リンクの揺動姿勢を変更可能な第1油圧シリンダと、前記第1リンクに対する前記第2リンクの揺動姿勢を変更可能な第2油圧シリンダとを有し、
    前記旋回機構は、前記屈折リンク機構を前記縦軸芯周りで向き変更操作する旋回操作用の油圧シリンダを有している請求項2記載の作業車。
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