JP2009096335A - 脚型ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】 力センサの設置コストおよび力センサを用いた脚部の接地状況の把握に係る演算負荷を低減するのに好適であると共に、姿勢制御に好適で、かつ、測距センサを用いた2次元距離測定装置により物体認識を行う場合に認識精度を向上するのに好適な構成の脚型ロボットを提供する。
【解決手段】 脚車輪型ロボット100は、基体10と、基体10に対して自由度を有して連結された複数の脚部12と、脚部12の脚先に回転可能に設けられた駆動輪20と、ハフ変換を用いて物体上の測定点までの距離を測定する測距センサ212aとを備える。脚部12のリンクのうち脚先に最も近いリンクは、一端に平坦面81を有する上部リンク80と、一端に平坦面86を有する下部リンク85とを備え、平坦面81の4隅に力センサ82をそれぞれ設置し、床反力の作用時に平坦面81、86が面接触するように上部リンク80および下部リンク85の一端同士を連結した。
【選択図】図4

Description

本発明は、力センサが設置された脚部と物体認識装置とを有する脚型ロボットに係り、特に、力センサの設置コストおよび力センサを用いた脚部の接地状況の把握に係る演算負荷を低減するのに好適であると共に、姿勢制御に好適で、かつ、測距センサを用いた2次元距離測定装置により物体認識を行う場合に認識精度を向上するのに好適な構成の脚型ロボットに関する。
ロボットの移動機構は、車輪型、クローラ型、脚型またはこれらを組み合わせた機構に分類される。一般に、車輪型ロボットは、平地での移動性は高いが、段差への適応性が低いという問題がある。また、クローラ型ロボットは、不整地に適し、多少の段差であれば乗り越えられるが、積極的な重心移動ができないために急な階段への適応性が低く、平地における移動性が車輪型ロボットより低いという問題があった。また、脚型ロボットは、階段への適応性が最も優れているが、平地での移動性が極端に低いという問題がある。
階段等への適用性を考慮して、脚型ロボットおよび脚型と車輪型のハイブリッドタイプのロボットに関する研究開発例が多いが、その際、脚部の接地状況を把握するセンサが不可欠である。
脚型ロボットの接地検出としては、例えば、特許文献1〜3に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の技術は、足底部にマトリクス状に複数の力センサを設置し、各力センサのセンサ信号に基づいて、力の分布状態から床反力の中心点および大きさを算出するものである。
特許文献2に記載の技術は、足底部の4隅に力センサをそれぞれ設置し、各力センサのセンサ信号に基づいて、計算により床反力の中心点および大きさを算出するものである。
特許文献3に記載の技術は、足首部に6軸力センサを設置し、6軸力センサのセンサ信号に基づいて、足首部にかかる6軸力(3軸力+3軸モーメント)から床反力の中心点および大きさを算出するものである。
また、従来、2次元距離測定装置としては、2次元レンジセンサ、レーザレンジファインダ、測域センサおよび平面センサ等があり、これら2次元距離測定装置を用いて物体認識を行う技術としては、非特許文献1に記載の技術が知られている。
非特許文献1には、2次元距離測定装置を水平方向および垂直方向の2方向に走査し、これにより得られる測定情報を用いて、マップの生成および自己位置の認識を行う技術が開示されている。この技術は、不整地を移動するクローラ型ロボットへの応用を想定したものであり、2次元距離測定装置の測定情報を用いて、人が入り込めない空間における自己位置を推定するとともにその周辺のマップ情報を生成するものである。
特開平3−184781号公報 特開2004−345024号公報 特開平10−175180号公報 石田宏、永谷圭司、五福明夫「不整地移動ロボットのための3次元自己位置推定と環境地図の構築」、第21回 日本ロボット学会学術講演会予稿集、112a、(2003−09)
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術にあってはいずれも、脚部の接地面(足底部)に力センサを設置する十分な面積を必要とするため、床面に対して脚先を点接触させるような接地面積が極小の脚部を有する脚型ロボット、または脚型ロボットの脚先に車輪が設けられた構成の脚車輪型ロボットに対しては、脚部の接地面において力センサを設置するための十分な面積が確保できず、力センサの設置が困難であるという問題があった。
また、特許文献3に記載の技術にあっては、6軸センサを用いるため、コスト高となるばかりか、高い演算能力が必要となるという問題がある。
また、非特許文献1に記載の技術にあっては、複雑な姿勢制御を必要としないクローラ型ロボットへの応用を想定したものであるため、移動できる空間があるか否かを判定できれば十分であることから、大まかな位置や形状の情報を含むマップ情報を生成するにすぎない。これに対し、脚型ロボットや脚車輪型ロボットのように複雑な姿勢制御を必要とするロボットへの応用を考えた場合、姿勢制御を行うには、階段の形状等を把握するため、物体の形状に関する詳細な情報が必要であるところ、非特許文献1記載のマップ情報では不十分であるという問題があった。
一方、測距センサ(1次元距離測定装置)を用いた2次元距離測定装置により物体認識を行うことが考えられる。この2次元距離測定装置としては、例えば、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサと、測距センサの測定方向に対して直交する走査軸の回りに測距センサを回転させる回転機構とを備え、回転機構により測距センサを回転させながら所定の走査単位角度ごとに測距センサの測定結果を取得する構成を採用することができる。
しかしながら、このような2次元距離測定装置にあっては、所定の走査単位角度ごとに物体までの距離を測定するという測定原理に基づくことから、測距センサの走査角度によって測定点間の密度(測定解像度)が異なる。このため、測定解像度が低い領域については認識精度が低下してしまう。
さらに、光学式の測距センサを採用した場合は、物体上の面のうち測定点となる箇所(以下、測定面という。)の反射率や光沢の影響を受けるため、反射率が低い領域や光沢がある領域については、平面を平面として測定できない場合がある。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、力センサの設置コストおよび力センサを用いた脚部の接地状況の把握に係る演算負荷を低減するのに好適であると共に、姿勢制御に好適で、かつ、測距センサを用いた2次元距離測定装置により物体認識を行う場合に認識精度を向上するのに好適な構成の脚型ロボットを提供することを目的としている。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の脚型ロボットは、基体と、前記基体に対して自由度を有して連結された複数の脚部と、測定範囲内に存在する物体上の面または面の境界を認識する物体認識装置とを備え、前記物体認識装置の認識結果に基づき前記脚部を駆動して移動する脚型ロボットであって、前記各脚部は、一端に平坦な面を有する第1リンクと、第2リンクと、力センサとを備え、前記第1リンクの平坦面に前記力センサを設置し、前記第1リンクおよび前記第2リンクの一方に作用する力が前記平坦面を介して他方に伝達されるように前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を連結し、
前記物体認識装置は、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサと、前記測距センサを走査する走査手段と、前記走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点について前記測距センサの測定結果を取得する測定結果取得手段と、前記測定結果取得手段で取得した測定結果を直交座標系の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段で変換された少なくとも2つの前記測定点の座標に基づいてハフ変換により前記直交座標系における線分を検出する線分検出手段と、前記線分検出手段で検出した線分に基づいて物体上の面または面の境界を認識する認識手段とを備える。
このような構成であれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に力が作用すると、第1リンクの平坦面を介して他方に伝達される。平坦面には、力センサが設置されているので、力センサにより、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力に応じた検出結果が得られる。
ここで、第1リンクおよび第2リンクは、第1リンクまたは第2リンクの一部で構成された連結機構により連結してもよいし、第1リンクおよび第2リンク以外の部材で構成された連結機構により連結してもよいし、第1リンクおよび第2リンクの一端同士を接着することにより連結してもよい。以下、発明2および7の脚型ロボットにおいて同じである。
また、第1リンクおよび第2リンクは、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力が平坦面を介して他方に伝達されるように連結されていればよく、例えば、第1リンクおよび第2リンクが接触するように連結してもよいし、第1リンクおよび第2リンクの間に間座を設けて連結してもよい。以下、発明2および7の脚型ロボットにおいて同じである。
また、第1リンクの平坦面は、任意の角度でよく、例えば、第1リンクの伸長方向に直交して形成されていてもよいし、第1リンクの伸長方向に直交する方向に対して所定の傾斜をもって形成されていてもよい。以下、発明2および7の脚型ロボットにおいて同じである。
また、脚部は、第1リンクおよび第2リンクを備えていればよく、脚部の一部または全部を第1リンクおよび第2リンクで構成することができる。例えば、脚部が、関節を介して複数のリンクを連結してなる場合は、いずれかのリンクを第1リンクおよび第2リンクで構成し、脚部が1つのリンクからなる場合は、脚部全体を第1リンクおよび第2リンクで構成することができる。以下、発明2および7の脚型ロボットにおいて同じである。
上記構成であれば、更に、走査手段により、測距センサが走査可能となる。したがって、物体の少なくとも平面的な形状を把握することができる。そして、測定結果取得手段により、走査手段の走査範囲で測定可能な測定点について測距センサの測定結果が取得され、座標変換手段により、取得された測定結果が直交座標系の座標に変換される。
次いで、線分検出手段により、変換された少なくとも2つの測定点の座標に基づいてハフ変換により直交座標系における線分が検出される。
複数の測定点に基づいて線分を検出する他の方法として、最小二乗法が知られている。
しかしながら、最小二乗法では、1つ1つの測定点を辿って線分を検出するため、測定解像度が低い領域では、物体上の面とは沿わない線分を検出してしまうことがある。これに対し、ハフ変換では、測定解像度の影響を受けにくく、測定解像度が低い領域を含んでいても、物体上の面に比較的沿った線分を検出することができる。
また、最小二乗法では、1つ1つの測定点を辿って線分を検出するため、測定面の光沢等の影響により測定結果にばらつきが生じたときは、ばらつきが生じた測定点およびその近傍領域(以下、誤差領域という。)について、実際は平坦な線分であるところ斜めの線分として検出してしまう。これに対し、ハフ変換では、ばらつきの影響を受けにくく、ばらつきの数が少なければ、誤差領域およびその両側の領域を平坦な線分として検出することができる。
また、最小二乗法では、どこからどこまでの領域を1つの連続面であるかを認識するかについて問題がある。この場合、例えば、検出した線分の傾きが急激に変化した箇所を連続面の境界として認識することが考えられるが、この認識方法では、誤差領域について、実際は誤差領域およびその両側の領域が1つの連続面であるところ両側の領域を別々の連続面として認識してしまう。これに対し、ハフ変換では、ばらつきの影響を受けにくく、ばらつきの数が少なければ、誤差領域およびその両側の領域を1つの平坦な線分として検出することができる。
ハフ変換により線分が検出されると、認識手段により、検出された線分に基づいて物体上の面または面の境界が認識される。したがって、脚型ロボットや該脚型ロボットの脚部に車輪を付加した脚車輪型ロボットのように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。
ここで、走査手段は、測距センサを走査するものであればどのような構成であってもよく、例えば、測定点の軌跡が線をなすように測距センサを1次元に走査してもよいし、測定点の軌跡が面をなすように測距センサを2次元に走査してもよい。前者の場合は、物体の平面的な形状を、後者の場合は、物体の立体的な形状を把握することができる。以下、発明2および7の脚型ロボットにおいて同じである。
また、走査手段としては、例えば、次の構成を採用することができる。
(1)回転機構
前記測距センサの測定方向に対して所定角度をなす少なくとも1つの走査軸の回りに前記測距センサを回転させる回転手段からなる構成である。
(2)移動機構
前記測距センサの測定方向とは異なる少なくとも1つの走査方向に前記測距センサを移動させる移動手段からなる構成である。なお、移動手段は、前記走査方向に延長する経路を含む経路に沿って前記測距センサを移動させてもよい。以下、発明2および7の脚型ロボットにおいて同じである。
〔発明2〕 さらに、発明2の脚型ロボットは、基体と、前記基体に対して自由度を有して連結された複数の脚部と、測定範囲内に存在する物体上の面または面の境界を認識する物体認識装置とを備え、前記物体認識装置の認識結果に基づき前記脚部を駆動して移動する脚型ロボットであって、前記各脚部は、一端に平坦な面を有する第1リンクと、第2リンクと、力センサとを備え、前記第1リンクの平坦面に前記力センサを設置し、前記第1リンクおよび前記第2リンクの一方に作用する力が前記平坦面を介して他方に伝達されるように前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を連結し、前記物体認識装置は、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサと、前記測距センサを走査する走査手段と、前記走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点について前記測距センサの測定結果を取得する測定結果取得手段と、前記測定結果取得手段で取得した測定結果を直交座標系の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段で変換された前記測定点間を線で補間する測定点間補間手段と、前記測定点間補間手段で得られた線上の点の座標に基づいてハフ変換により前記直交座標系における線分を検出する線分検出手段と、前記線分検出手段で検出した線分に基づいて物体上の面または面の境界を認識する認識手段とを備える。
このような構成であれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に力が作用すると、第1リンクの平坦面を介して他方に伝達される。平坦面には、力センサが設置されているので、力センサにより、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力に応じた検出結果が得られる。
更に、走査手段により、測距センサが走査可能となる。したがって、物体の少なくとも平面的な形状を把握することができる。そして、測定結果取得手段により、走査手段の走査範囲で測定可能な測定点について測距センサの測定結果が取得され、座標変換手段により、取得された測定結果が直交座標系の座標に変換される。
次いで、測定点間補間手段により、変換された測定点間が線で補間され、線分検出手段により、得られた線上の点の座標に基づいてハフ変換により直交座標系における線分が検出される。
複数の測定点に基づいて線分を検出する他の方法として、最小二乗法が知られている。
しかしながら、最小二乗法では、1つ1つの測定点を辿って線分を検出するため、測定解像度が低い領域では、物体上の面とは沿わない線分を検出してしまうことがある。これに対し、ハフ変換では、測定解像度の影響を受けにくく、測定解像度が低い領域を含んでいても、物体上の面に比較的沿った線分を検出することができる。
また、最小二乗法では、1つ1つの測定点を辿って線分を検出するため、測定面の光沢等の影響により測定結果にばらつきが生じたときは、誤差領域について、実際は平坦な線分であるところ斜めの線分として検出してしまう。これに対し、ハフ変換では、ばらつきの影響を受けにくく、ばらつきの数が少なければ、誤差領域およびその両側の領域を平坦な線分として検出することができる。
また、最小二乗法では、どこからどこまでの領域を1つの連続面であるかを認識するかについて問題がある。この場合、例えば、検出した線分の傾きが急激に変化した箇所を連続面の境界として認識することが考えられるが、この認識方法では、誤差領域について、実際は誤差領域およびその両側の領域が1つの連続面であるところ両側の領域を別々の連続面として認識してしまう。これに対し、ハフ変換では、ばらつきの影響を受けにくく、ばらつきの数が少なければ、誤差領域およびその両側の領域を1つの平坦な線分として検出することができる。
ハフ変換により線分が検出されると、認識手段により、検出された線分に基づいて物体上の面または面の境界が認識される。したがって、脚型ロボットや脚車輪型ロボットのように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。
ここで、補間には、測定点間を線で接続することのほか、測定点間を線で近似することが含まれ、必ずしも、測定点が線上に位置しなくてもよいし、隣接する測定点同士を対象としなくてもよい。以下、発明9の脚型ロボットにおいて同じである。
また、線には、直線、線分、多次曲線その他の曲線が含まれる。以下、発明9の脚型ロボットにおいて同じである。
〔発明3〕 さらに、発明3の脚型ロボットは、発明1および2のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記認識手段は、前記線分検出手段で検出した線分の端点の座標に基づいて物体上の面の境界を認識する。
このような構成であれば、認識手段により、検出された線分の端点の座標に基づいて物体上の面の境界が認識される。
〔発明4〕 さらに、発明4の脚型ロボットは、発明1ないし3のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記走査手段は、前記測距センサの測定方向とは異なる第1走査方向に前記測距センサを走査する第1走査手段と、前記測定方向および前記第1走査方向とは異なる第2走査方向に前記測距センサを走査する第2走査手段とからなり、前記測定結果取得手段は、前記第1走査手段および前記第2走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点について前記測距センサの測定結果を取得する。
このような構成であれば、第1走査手段により、第1走査方向に測距センサが、第2走査手段により、第2走査方向に測距センサがそれぞれ走査可能となる。したがって、物体の立体的な形状を把握することができる。そして、測定結果取得手段により、第1走査手段および第2走査手段の走査範囲で測定可能な測定点について測距センサの測定結果が取得される。
ここで、第1走査手段および第2走査手段としては、例えば、次の構成を採用することができる。
(1)回転機構
前記測距センサの測定方向に対して所定角度をなす第1走査軸の回りに前記測距センサを回転させる第1回転手段と、前記測定方向および前記第1走査軸に対して所定角度をなす第2走査軸の回りに前記測距センサを回転させる第2回転手段とからなる構成である。
(2)移動機構
前記測距センサの測定方向とは異なる第1走査方向に前記測距センサを移動させる第1移動手段と、前記測定方向および前記第1走査方向とは異なる第2走査方向に前記測距センサを移動させる第2移動手段とからなる構成である。なお、第1移動手段は、前記第1走査方向に延長する経路を含む第1経路に沿って前記測距センサを移動させてもよいし、第2移動手段は、前記第2走査方向に延長する経路を含む第2経路に沿って前記測距センサを移動させてもよい。以下、(3)、(4)においても同様である。
(3)回転機構と移動機構の組み合わせ
前記測距センサの測定方向に対して所定角度をなす走査軸の回りに前記測距センサを回転させる回転手段と、前記走査軸の軸方向とは異なる走査方向に前記測距センサを移動させる移動手段とからなる構成である。
(4)移動機構と回転機構の組み合わせ
前記測距センサの測定方向とは異なる走査方向に前記測距センサを移動させる移動手段と、前記走査方向に対して所定角度をなす走査軸の回りに前記測距センサを回転させる回転手段とからなる構成である。以下、発明11の脚型ロボットにおいて同じである。
〔発明5〕 さらに、発明5の脚型ロボットは、発明4の脚型ロボットにおいて、前記認識手段は、前記線分検出手段で検出した線分の端点の座標に基づいて物体上の面を認識する。
このような構成であれば、認識手段により、検出された線分の端点の座標に基づいて物体上の面が認識される。
〔発明6〕 さらに、発明6の脚型ロボットは、発明4および5のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記第1走査手段は、前記測定方向に対して所定角度をなす第1走査軸の回りに前記測距センサを回転させる第1回転手段であり、前記第2走査手段は、前記測定方向および前記第1走査軸に対して所定角度をなす第2走査軸の回りに前記測距センサを回転させる第2回転手段であり、前記測定結果取得手段は、前記第1回転手段により前記測距センサを回転させながら前記第1回転手段の所定単位角度ごとに前記測距センサの測定結果を取得する第1走査を、前記第2回転手段により前記測距センサを回転させながら前記第2回転手段の所定単位角度ごとに行う第2走査を行うことにより、前記第1回転手段の所定単位角度ごとおよび前記第2回転手段の所定単位角度ごとの前記測定結果を取得する。
このような構成であれば、第1回転手段により、第1走査軸の回りに測距センサが、第2回転手段により、第2走査軸の回りに測距センサがそれぞれ回転可能となる。したがって、物体の立体的な形状を把握することができる。そして、測定結果取得手段により、第2走査が行われることにより第1回転手段の所定単位角度ごとおよび第2回転手段の所定単位角度ごとの測定結果が取得される。第2走査では、第2回転手段により測距センサを回転させながら第2回転手段の所定単位角度ごとに第1走査が行われる。第1走査では、第1回転手段により測距センサを回転させながら第1回転手段の所定単位角度ごとに測定結果が取得される。
〔発明7〕 さらに、発明7の脚型ロボットは、基体と、前記基体に対して自由度を有して連結された複数の脚部と、測定範囲内に存在する物体上の面または面の境界を認識する物体認識装置とを備え、前記脚部を駆動して移動する脚型ロボットであって、前記各脚部は、一端に平坦な面を有する第1リンクと、第2リンクと、力センサとを備え、前記第1リンクの平坦面に前記力センサを設置し、前記第1リンクおよび前記第2リンクの一方に作用する力が前記平坦面を介して他方に伝達されるように前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を連結し、前記物体認識装置は、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサと、前記測距センサを走査する走査手段と、前記走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点について前記測距センサの測定結果を取得する測定結果取得手段と、前記測定結果取得手段で取得した測定結果に基づいて物体上の特徴を検出する第1特徴検出手段と、前記走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点を含む画像を撮影する撮像手段と、前記撮像手段で撮影した画像に基づいて物体上の特徴を検出する第2特徴検出手段と、前記第1特徴検出手段および前記第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界を認識する認識手段とを備える。
このような構成であれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に力が作用すると、第1リンクの平坦面を介して他方に伝達される。平坦面には、力センサが設置されているので、力センサにより、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力に応じた検出結果が得られる。
更に、走査手段により、測距センサが走査可能となる。したがって、物体の少なくとも平面的な形状を把握することができる。そして、測定結果取得手段により、走査手段の走査範囲で測定可能な測定点について測距センサの測定結果が取得され、第1特徴検出手段により、取得された測定結果に基づいて物体上の特徴が検出される。
また、撮像手段により、走査手段の走査範囲で測定可能な測定点を含む画像が撮影され、第2特徴検出手段により、撮影された画像に基づいて物体上の特徴が検出される。
そして、認識手段により、第1特徴検出手段および第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界が認識される。
ここで、物体上の特徴としては、例えば、物体上の特徴を示す点、直線、線分、多次曲線、円、楕円その他の曲線、平面、曲面その他の面、立方体、球体その他の立体的特徴が含まれる。
〔発明8〕 さらに、発明8の脚型ロボットは、発明7の脚型ロボットにおいて、前記第1特徴検出手段は、前記測定結果取得手段で取得した測定結果を直交座標系の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段で変換された少なくとも2つの前記測定点の座標に基づいてハフ変換により前記直交座標系における線分を検出する線分検出手段とを有し、前記認識手段は、前記線分検出手段で検出した線分および前記第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界を認識する。
このような構成であれば、座標変換手段により、取得された測定結果が直交座標系の座標に変換される。
そして、線分検出手段により、変換された少なくとも2つの測定点の座標に基づいてハフ変換により直交座標系における線分が検出される。
複数の測定点に基づいて線分を検出する他の方法として、最小二乗法が知られている。
しかしながら、最小二乗法では、1つ1つの測定点を辿って線分を検出するため、測定解像度が低い領域では、物体上の面とは沿わない線分を検出してしまうことがある。これに対し、ハフ変換では、測定解像度の影響を受けにくく、測定解像度が低い領域を含んでいても、物体上の面に比較的沿った線分を検出することができる。
また、最小二乗法では、1つ1つの測定点を辿って線分を検出するため、測定面の光沢等の影響により測定結果にばらつきが生じたときは、誤差領域について、実際は平坦な線分であるところ斜めの線分として検出してしまう。これに対し、ハフ変換では、ばらつきの影響を受けにくく、ばらつきの数が少なければ、誤差領域およびその両側の領域を平坦な線分として検出することができる。
また、最小二乗法では、どこからどこまでの領域を1つの連続面であるかを認識するかについて問題がある。この場合、例えば、検出した線分の傾きが急激に変化した箇所を連続面の境界として認識することが考えられるが、この認識方法では、誤差領域について、実際は誤差領域およびその両側の領域が1つの連続面であるところ両側の領域を別々の連続面として認識してしまう。これに対し、ハフ変換では、ばらつきの影響を受けにくく、ばらつきの数が少なければ、誤差領域およびその両側の領域を1つの平坦な線分として検出することができる。
ハフ変換により線分が検出されると、認識手段により、検出された線分および第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界が認識される。したがって、非特許文献1の技術が、複雑な姿勢制御を必要としないクローラ型ロボットの移動制御のための簡易なマップ情報しか生成できないのに対して、本発明は、物体上の面または面の境界として物体の少なくとも平面的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボットのように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。
〔発明9〕 さらに、発明9の脚型ロボットは、発明7の脚型ロボットにおいて、前記第1特徴検出手段は、前記測定結果取得手段で取得した測定結果を直交座標系の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段で変換された前記測定点間を線で補間する測定点間補間手段と、前記測定点間補間手段で得られた線上の点の座標に基づいてハフ変換により前記直交座標系における線分を検出する線分検出手段とを有し、前記認識手段は、前記線分検出手段で検出した線分および前記第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界を認識する。
このような構成であれば、座標変換手段により、取得された測定結果が直交座標系の座標に変換され、測定点間補間手段により、変換された測定点間が線で補間される。
そして、線分検出手段により、得られた線上の点の座標に基づいてハフ変換により直交座標系における線分が検出される。なお、最小二乗法に対しては上記同様の優位点がある。
ハフ変換により線分が検出されると、認識手段により、検出された線分および第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界が認識される。したがって、上記同様に、脚型ロボットや脚車輪型ロボットのように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。
〔発明10〕 さらに、発明10の脚型ロボットは、発明7の脚型ロボットにおいて、前記第1特徴検出手段は、前記測定結果取得手段で取得した測定結果を直交座標系の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段で変換された各測定点ごとに、当該測定点の座標およびその周辺の測定点の座標に基づいて前記直交座標系における当該測定点での傾きを算出する傾き算出手段と、前記傾き算出手段で算出した傾きの総数に対する各傾きの出現頻度を算出する出現頻度算出手段とを有し、前記認識手段は、前記出現頻度算出手段で算出した出現頻度および前記変換された各測定点の座標、並びに前記第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界を認識する。
このような構成であれば、座標変換手段により、取得された測定結果が直交座標系の座標に変換され、傾き算出手段により、変換された各測定点ごとに、その測定点の座標およびその周辺の測定点の座標に基づいて直交座標系におけるその測定点での傾きが算出され、出現頻度算出手段により、算出された傾きの総数に対する各傾きの出現頻度が算出される。
各傾きの出現頻度が算出されると、認識手段により、算出された出現頻度および変換された各測定点の座標、並びに第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界が認識される。したがって、上記同様に、脚型ロボットや脚車輪型ロボットのように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。
ここで、傾き算出手段は、例えば、複数の測定点に対する回帰直線を公知の最小二乗法で近似し、回帰直線から傾きを算出したり、直交座標系において、一の軸方向に連続する複数の測定点のうち両端2つの測定点の座標の差分値と、他の軸方向に連続する複数の測定点のうち両端2つの測定点の座標の差分値とを用いて傾きを算出したりすることができる。
〔発明11〕 さらに、発明11の脚型ロボットは、発明7ないし10のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記走査手段は、前記測距センサの測定方向とは異なる第1走査方向に前記測距センサを走査する第1走査手段と、前記測定方向および前記第1走査方向とは異なる第2走査方向に前記測距センサを走査する第2走査手段とからなり、前記測定結果取得手段は、前記第1走査手段および前記第2走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点について前記測距センサの測定結果を取得する。
このような構成であれば、第1走査手段により、第1走査方向に測距センサが、第2走査手段により、第2走査方向に測距センサがそれぞれ走査可能となる。したがって、物体の立体的な形状を把握することができる。そして、測定結果取得手段により、第1走査手段および第2走査手段の走査範囲で測定可能な測定点について測距センサの測定結果が取得される。
〔発明12〕 さらに、発明12の脚型ロボットは、発明11の脚型ロボットにおいて、前記第1走査手段は、前記測定方向に対して所定角度をなす第1走査軸の回りに前記測距センサを回転させる第1回転手段であり、前記第2走査手段は、前記測定方向および前記第1走査軸に対して所定角度をなす第2走査軸の回りに前記測距センサを回転させる第2回転手段であり、前記測定結果取得手段は、前記第1回転手段により前記測距センサを回転させながら前記第1回転手段の所定単位角度ごとに前記測距センサの測定結果を取得する第1走査を、前記第2回転手段により前記測距センサを回転させながら前記第2回転手段の所定単位角度ごとに行う第2走査を行うことにより、前記第1回転手段の所定単位角度ごとおよび前記第2回転手段の所定単位角度ごとの前記測定結果を取得する。
このような構成であれば、第1回転手段により、第1走査軸の回りに測距センサが、第2回転手段により、第2走査軸の回りに測距センサがそれぞれ回転可能となる。したがって、物体の立体的な形状を把握することができる。そして、測定結果取得手段により、第2走査が行われることにより第1回転手段の所定単位角度ごとおよび第2回転手段の所定単位角度ごとの測定結果が取得される。第2走査では、第2回転手段により測距センサを回転させながら第2回転手段の所定単位角度ごとに第1走査が行われる。第1走査では、第1回転手段により測距センサを回転させながら第1回転手段の所定単位角度ごとに測定結果が取得される。
〔発明13〕 さらに、発明13の脚型ロボットは、発明7ないし10のいずれか1の脚型ロボットにおいて、複数の前記測距センサおよび前記走査手段を備え、前記各走査手段は、当該走査手段に対応する前記測距センサを、前記測距センサの測定方向とは異なる第1走査方向に走査し、前記各測距センサは、前記測定方向および前記第1走査方向とは異なる第2走査方向に配置されている。
このような構成であれば、各走査手段により、第2走査方向に配置された各測距センサが第1走査方向にそれぞれ走査可能となる。したがって、物体の立体的な形状を把握することができる。そして、測定結果取得手段により、走査手段の走査範囲で測定可能な測定点について各測距センサの測定結果が取得される。
〔発明14〕 さらに、発明14の脚型ロボットは、発明7ないし13のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記第1特徴検出手段は、前記測定結果取得手段で取得した測定結果に基づいて物体上の特徴点を検出し、前記第2特徴検出手段は、前記撮像手段で撮影した画像から線分を検出する画像線分検出手段を有し、前記認識手段は、前記撮像手段を基準とする座標系において、前記画像線分検出手段で検出した線分と、前記第1特徴検出手段で検出した特徴点との位置関係に基づいて物体上の面または面の境界を認識する。
このような構成であれば、第1特徴検出手段により、取得された測定結果に基づいて物体上の特徴点が検出され、画像線分検出手段により、撮影された画像から線分が検出される。
そして、認識手段により、撮像手段を基準とする座標系において、検出された線分と、検出された特徴点との位置関係に基づいて物体上の面または面の境界が認識される。
〔発明15〕 さらに、発明15の脚型ロボットは、発明14の脚型ロボットにおいて、前記認識手段は、前記画像線分検出手段で検出した各線分ごとに、当該線分と、当該線分を延長した直線から所定距離内に存在する前記特徴点とを対応付け、同一の前記特徴点が対応付けられた前記線分をグループ化し、同一グループに属する前記線分の端点の座標に基づいて物体上の面または面の境界を認識する。
このような構成であれば、認識手段により、検出された各線分ごとに、その線分と、その線分を延長した直線から所定距離内に存在する特徴点とが対応付けられ、同一の特徴点が対応付けられた線分がグループ化され、同一グループに属する線分の端点の座標に基づいて物体上の面または面の境界が認識される。
〔発明16〕 さらに、発明16の脚型ロボットは、発明14および15のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記測距センサを基準とする直交座標系における所定の2軸からなる平面と、前記撮像手段を基準とする直交座標系における所定の2軸からなる平面とが平行となるように前記測距センサおよび前記撮像手段を配置した。
〔発明17〕 さらに、発明17の脚型ロボットは、発明1ないし16のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記第2リンクは、一端に平坦な面を有し、前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を、前記力の作用時に互いの前記平坦面が面接触するように連結した。
このような構成であれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に力が作用すると、互いの平坦面が面接触して他方に伝達される。
ここで、第2リンクの平坦面は、任意の角度でよく、例えば、第2リンクの伸長方向に直交して形成されていてもよいし、第2リンクの伸長方向に直交する方向に対して所定の傾斜をもって形成されていてもよい。第1の平坦面との関係も同様に任意である。
〔発明18〕 さらに、発明18の脚型ロボットは、発明1ないし17のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記平坦面は、前記第1リンクの伸長方向に直交して形成されている。
このような構成であれば、第1リンクの平坦面が伸長方向と直交しているので、第1リンクの伸長方向に力が作用すると、その力が力センサに対して垂直に伝達される。したがって、第1リンクの伸長方向に作用する力を精度よく検出することができる。
〔発明19〕 さらに、発明19の脚型ロボットは、発明1ないし18のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記脚部は、関節を介して複数のリンクを連結してなり、前記脚部のリンクのうち脚先に最も近いリンクを前記第1リンクおよび前記第2リンクにより構成した。
このような構成であれば、脚先に最も近いリンクが第1リンクおよび第2リンクにより構成されているので、床反力を精度よく検出することができる。
〔発明20〕 さらに、発明20の脚型ロボットは、発明1ないし19のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記平坦面の周縁に複数の前記力センサを設置した。
このような構成であれば、複数の力センサにより検出を行うので、平坦面における力の分布状態を把握することができる。そして、力の分布状態から、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の中心点および大きさを求めることができる。
〔発明21〕 さらに、発明21の脚型ロボットは、発明1ないし19のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記力センサは、複数点の力を検出可能な検出エリアを有する分布型の力センサであり、前記平坦面の全域にわたって前記力センサを設置した。
このような構成であれば、分布型の力センサにより検出を行うので、平坦面における力の分布状態を把握することができる。そして、力の分布状態から、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の中心点および大きさを求めることができる。
〔発明22〕 さらに、発明22の脚型ロボットは、発明1ないし21のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記第1リンクまたは前記第2リンクは、前記平坦面に対して所定角をなし、前記力が伝達される第2の平坦な面を有し、前記第2平坦面に第2力センサを設置した。
このような構成であれば、平坦面に対して第2平坦面が所定角をなしているので、力センサおよび第2力センサにより、ベクトルの異なる力を検出することができる。したがって、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の方向および大きさを求めることができる。
〔発明23〕 さらに、発明23の脚型ロボットは、発明22の脚型ロボットにおいて、前記第2平坦面は、前記平坦面に直交して形成されている。
このような構成であれば、平坦面に対して第2平坦面が直交しているので、力センサおよび第2力センサにより、ベクトルが90°異なる力を検出することができる。したがって、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の方向および大きさを比較的簡単な演算で求めることができる。
〔発明24〕 さらに、発明24の脚型ロボットは、発明22および23のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記力センサおよび前記第2力センサのセンサ信号に基づいて、前記力の方向および大きさを算出する算出手段を備える。
このような構成であれば、算出手段により、力センサおよび第2力センサのセンサ信号に基づいて、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の方向および大きさが算出される。
〔発明25〕 さらに、発明25の脚型ロボットは、発明1ないし24のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記第1リンクの側面には、前記第1リンクの先端から伸長方向に突出する把持部が設けられ、前記把持部は、前記第1リンクの径方向内側に突出する爪部を有し、前記第2リンクの側面のうち、前記第2リンクの先端からの距離が、前記第1リンクの平坦面から前記爪部までの高さに相当する距離となる位置には、前記爪部を嵌合可能な嵌合穴が形成され、前記爪部を前記嵌合穴に嵌合させて前記第1リンクおよび前記第2リンクを連結した。
〔発明26〕 さらに、発明26の脚型ロボットは、発明1ないし25のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記各脚部に回転可能に設けられた車輪と、前記各脚部を駆動するための動力を付与する第1アクチュエータと、前記各車輪を駆動するための動力を付与する第2アクチュエータと、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記基体の向きを一定方向に保ちながら、自脚型ロボットの進行方向と、前記各車輪の進行方向とが一致するように、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータを制御する。
このような構成であれば、脚車輪型ロボットの移動時において、その基体の向きを一定方向に保ちながら、脚車輪型ロボットの進行方向と各車輪の進行方向とが一致するように第1アクチュエータおよび第2アクチュエータが制御される。
〔発明27〕 さらに、発明27の脚型ロボットは、発明1ないし25のいずれか1の脚型ロボットにおいて、前記各脚部に回転可能に設けられた車輪と、前記各脚部を駆動するための動力を付与する第1アクチュエータと、前記各車輪を駆動するための動力を付与する第2アクチュエータと、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、旋回時に、前記基体を所定の回転中心位置でヨー軸周りに自転運動させたときの前記各車輪の操舵時の回転中心の描く円弧軌道と前記操舵時の回転中心との接点位置における該回転中心の運動方向と、前記各車輪の進行方向とが一致するように、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータを制御する。
このような構成であれば、旋回時は、制御手段により、基体を所定の回転中心位置でヨー軸(垂直軸)周りに自転運動させたときの各車輪の操舵時の回転中心の描く円弧軌道と操舵時の回転中心との接点位置における該回転中心の運動方向と、各車輪の進行方向とが一致するように、第1アクチュエータおよび第2アクチュエータが制御される。
〔発明28〕 さらに、発明28の脚型ロボットは、発明27の脚型ロボットにおいて、前記制御手段は、前記基体の向きを一定方向に保ちながら、自脚型ロボットの進行方向と、前記各車輪の進行方向とが一致するように、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを制御する。
このような構成であれば、脚型ロボットの移動時において、その基体の向きを一定方向に保ちながら、脚型ロボットの進行方向と各車輪の進行方向とが一致するように第1アクチュエータおよび第2アクチュエータが制御される。
以上説明したように、発明1〜16、17、23または24の脚型ロボットによれば、第1リンクまたは第2リンクの先端ではなく連結部に力センサが設置されているので、接地面積が小さい脚部を有する脚型ロボットであっても力センサを設置することができるという効果が得られる。また、6軸センサではなく力センサを用いるので、従来に比して、コストおよび演算負荷を低減することができるという効果が得られる。
さらに、発明1、2、8または9の脚型ロボットによれば、物体上の面または面の境界として物体の少なくとも平面的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボットのように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができるという効果も得られる。また、ハフ変換により線分を検出するので、測距センサを用いた2次元距離測定装置により物体認識を行う場合に、測定解像度の低下または測定結果のばらつきにより認識精度が低下する可能性を低減することができるという効果も得られる。
さらに、発明2または9の脚型ロボットによれば、測定点間を線で補間して得られた線上の点の座標に基づいて線分を検出するので、測定解像度の低下または測定結果のばらつきが生じても比較的正確な認識結果を得ることができ、認識精度が低下する可能性をさらに低減することができるという効果も得られる。
さらに、発明3の脚型ロボットによれば、物体上の面の境界を比較的正確に認識することができるという効果が得られる。
さらに、発明4の脚型ロボットによれば、物体上の面または面の境界として物体の立体的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボットのように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御にさらに好適な認識結果を得ることができるという効果が得られる。
さらに、発明5の脚型ロボットによれば、物体上の面を比較的正確に認識することができるという効果が得られる。
さらに、発明6の脚型ロボットによれば、測距センサを回転させる回転機構を採用したので、移動機構に比して、走査に必要なスペースが小さくてすみ、走査のための機構が簡素となり、しかも高速な走査を実現することができるという効果が得られる。
さらに、発明7の脚型ロボットによれば、測距センサのほか、これとは異なる方式の撮像手段を用いて物体上の特徴をそれぞれ検出し、それら2つの検出結果に基づいて物体上の面または面の境界を認識するので、測距センサによる方式の短所を撮像手段による方式で補うことができ、測距センサを用いた2次元距離測定装置により物体認識を行う場合に、認識精度が低下する可能性を低減することができるという効果が得られる。また、走査手段の走査回数を増やさなくてすむので、測定時間を短縮することができるという効果も得られる。
さらに、発明10の脚型ロボットによれば、物体上の面または面の境界として物体の少なくとも平面的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボットのように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができるという効果が得られる。また、測定点での傾きの出現頻度および各測定点の座標に基づいて物体上の面または面の境界を認識するので、測距センサを用いた2次元距離測定装置により物体認識を行う場合に、認識精度が低下する可能性をさらに低減することができるという効果も得られる。
さらに、発明11または13の脚型ロボットによれば、物体上の面または面の境界として物体の立体的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボットのように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御にさらに好適な認識結果を得ることができるという効果が得られる。
さらに、発明12の脚型ロボットによれば、測距センサを回転させる回転機構を採用したので、移動機構に比して、走査に必要なスペースが小さくてすみ、走査のための機構が簡素となり、しかも高速な走査を実現することができるという効果が得られる。
さらに、発明14の脚型ロボットによれば、画像から検出された線分と、測距センサの測定結果から検出された特徴点との位置関係に基づいて物体上の面または面の境界を認識するので、認識精度が低下する可能性をさらに低減することができるという効果が得られる。
さらに、発明15の脚型ロボットによれば、コントラスト等の影響により、撮影された画像から、実際は一つの線分として検出されるべきところ複数の線分として検出されても、測距センサの測定結果から検出された特徴点との対応関係に基づいて複数の線分を1つの線分としてグループ化し、物体上の面または面の境界を認識するので、認識精度が低下する可能性をさらに低減することができるという効果が得られる。
さらに、発明17の脚型ロボットによれば、第1リンクの伸長方向に作用する力を精度よく検出することができるという効果が得られる。
さらに、発明19の脚型ロボットによれば、床反力を精度よく検出することができるという効果が得られる。
さらに、発明20または21の脚型ロボットによれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の中心点および大きさを求めることができるという効果が得られる。
さらに、発明22の脚型ロボットによれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の方向および大きさを求めることができるという効果が得られる。
さらに、発明23の脚型ロボットによれば、第1リンクおよび第2リンクの一方に作用する力の方向および大きさを比較的簡単な演算で求めることができるという効果が得られる。
さらに、発明26、28の脚型ロボットによれば、脚型ロボットを、その向きとは関係なく自由な方向へと移動させることができるので、各方向への素早い移動を実現できると共に、例えば、脚型ロボットの各構成部が妨げとなって旋回できないような狭くて入り組んだエリアなど、脚型ロボットの向きを変更することが困難なエリアにおいても活動が可能となるという効果が得られる。
さらに、発明27の脚型ロボットによれば、旋回時に、脚型ロボットの基体を所定の回転中心位置でヨー軸周りに自転運動させたときの各車輪の操舵時の回転中心の描く円弧軌道と操舵時の回転中心との接点における該回転中心の運動方向と、各車輪の進行方向とを一致させることができるので、脚型ロボットを、所定の旋回中心位置で前後移動させずに旋回(クローラなどによる超信地旋回と同等の旋回)をさせることができるという効果が得られる。また、基体の中心位置を、自転させる時の回転中心位置とすることで、最小の旋回半径で脚型ロボットを旋回させることが可能である。
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図8並びに図13ないし図15は、本発明に係る脚型ロボットの第1の実施の形態を示す図である。
まず、本発明を適用する脚車輪型ロボット100の構成を説明する。
図1は、脚車輪型ロボット100の正面図である。
図2は、脚車輪型ロボット100の側面図である。
脚車輪型ロボット100は、図1および図2に示すように、基体10と、基体10に連結された4つの脚部12とを有して構成されている。
基体10の前方には、2本の脚部12が回転関節14を介して左右対称の位置に連結されている。また、基体10の後方には、2本の脚部12が回転関節14を介して左右対称の位置に連結されている。
回転関節14は、脚車輪型ロボット100の底面と直交する方向を軸方向として回転する。すなわち、ヨー軸回りに回転する。
各脚部12には、2つの回転関節16、18が設けられている。回転関節16、18は、回転関節14が図1のような状態であるときは、脚車輪型ロボット100の側面と直交する方向を軸方向として回転する。したがって、脚部12は、それぞれ3自由度を有する。
各脚部12の先端には、回転関節16、18と軸方向を同一にして駆動輪20が回転可能に設けられている。駆動輪20は、回転関節14の回転によりヨー軸周りに回動する。つまり、回転関節14の回転を制御することで、走行移動時の操舵制御が行われる。
一方、基体10の正面の上部中央には、水平面レーザ光を照射する水平レーザ26が設けられている。また、基体10の正面の中央左右には、垂直面レーザ光を照射する垂直レーザ28、30がそれぞれ設けられている。
基体10の正面の下部中央には、水平面レーザ光および垂直面レーザ光の反射光を含む画像を撮影するカメラ32が設けられている。
水平レーザ26は、カメラ32で水平面レーザ光の反射光を含む画像が撮影できるように下方に所定角度傾けて設けられている。同様に、垂直レーザ28は、カメラ32で垂直面レーザ光の反射光を含む画像が撮影できるように右方に所定角度傾けて設けられ、垂直レーザ30は、左方に所定角度傾けて設けられている。
カメラ32の左右には、障害物を検出する障害物センサ34、36がそれぞれ設けられている。
図3は、障害物センサ34、36の構成を示す図である。
障害物センサ34、36は、図3(a)に示すように、指向性の低い超音波測距センサを複数アレイ状に配列して構成することができる。また、図3(b)に示すように、指向性の高い赤外線測距センサを複数アレイ状に配列して構成することもできる。アレイ状に配列する構成に限らず、単体で構成してもよい。また、超音波測距センサまたは赤外線測距センサを複数平面上に配列したエリアセンサで構成してもよい。これにより、脚車輪型ロボット100の移動経路上に存在する物体を大まかに検出することができる。
次に、脚部12の構成を詳細に説明する。
図4は、脚部12のうち回転関節18および駆動輪20が連結するリンクの断面図である。
図5は、脚部12のうち回転関節18および駆動輪20が連結するリンクの側面図である。
脚部12のうち回転関節18および駆動輪20が連結するリンクは、図4および図5に示すように、回転関節18が連結する上部リンク80と、駆動輪20が連結する下部リンク85とを有して構成されている。
上部リンク80の一端には、上部リンク80の伸長方向に直交する矩形状の平坦面81が形成されている。平坦面81の4隅には、力センサ82がそれぞれ設置されている。
上部リンク80の両側面には、上部リンク80の先端から伸長方向に突出する把持部83がそれぞれ設けられ、把持部83の先端には、上部リンク80の径方向内側に突出する爪部83aが設けられている。爪部83aの上面には、衝撃吸収部材であるゴム84が設けられている。
下部リンク85の一端には、下部リンク85の伸長方向に直交する矩形状の平坦面86が形成されている。平坦面86は、平坦面81に面接触するため平坦面81と同形状となっている。
下部リンク85の両側面には、嵌合穴87がそれぞれ形成されている。ここで、下部リンク85の先端から嵌合穴87の上端までの高さは、平坦面81から爪部83aの上面までの高さよりも若干(所定長)小さく、嵌合穴87の内径は、爪部83aの高さよりも若干(所定長)大きくなっている。
上部リンク80および下部リンク85は、爪部83aを嵌合穴87に嵌合させて連結されている。このとき、嵌合穴87の内径に所定の遊びが存在するため、上部リンク80および下部リンク85が伸長方向に若干相対変位可能となる。そのため、駆動輪20が接地していないときは、平坦面81、86が接触せず、力センサ82には力が伝達されない。これに対し、駆動輪20が接地しているときは、平坦面81、86が面接触し、力センサ82に床反力が伝達される。また、検出の精度をより高めるには、力センサ82に所定の予圧をかけ常に面接触させて使用するのが好ましい。
上部リンク80には、上部リンク80の伸長方向と軸方向を一致させて車輪モータ50が取り付けられている。車輪モータ50の回転軸50aは、平坦面81から突出し、下部リンク85の内部に設けられた駆動傘歯車90aに連結している。
駆動傘歯車90aの下方には、回転軸89が、下部リンク85の側面に設けられた軸受88により回転可能に支持されている。回転軸89には、駆動傘歯車90aと噛み合う従動傘歯車90bおよび駆動プーリ91が連結している。
駆動プーリ91の下方には、アイドルプーリ92が回転可能に支持されている。
アイドルプーリ92の下方には、回転軸94が、下部リンク85の側面に設けられた軸受93により回転可能に支持されている。回転軸94には、従動プーリ95および駆動輪20が連結している。
駆動プーリ91、アイドルプーリ92および従動プーリ95には、駆動ベルト96が巻き掛けられている。なお、図2の例では、アイドルプーリ92に対して、駆動ベルト96の内側からテンション調整をしているが、外側からテンション調整してもよい。
駆動輪20は、車輪モータ50により駆動傘歯車90aを回転し、駆動傘歯車90aに噛み合った従動傘歯車90bを介して駆動プーリ91が回転し、駆動プーリ91に巻き掛けた駆動ベルト96により従動プーリ95が回転することにより、駆動される。
なお、他の脚部12についても同様に構成されている。
次に、脚車輪型ロボット100の移動制御システムを説明する。
図6は、脚車輪型ロボット100の移動制御システムを示すブロック図である。
各脚部12の回転関節14〜18には、図6に示すように、回転関節14〜18を回転駆動する関節モータ40がそれぞれ設けられている。各関節モータ40には、関節モータ40の回転角度位置を検出するエンコーダ42と、モータ指令信号およびエンコーダ42の出力信号に基づいて関節モータ40の駆動を制御するドライバ44が設けられている。
各脚部12の駆動輪20には、駆動輪20を回転駆動する車輪モータ50がそれぞれ設けられている。各車輪モータ50には、車輪モータ50の回転角度位置を検出するエンコーダ52と、モータ指令信号およびエンコーダ52の出力信号に基づいて車輪モータ50の駆動を制御するドライバ54が設けられている。
脚車輪型ロボット100は、さらに、CPU60と、力センサ用プロセッサ66と、脚車輪型ロボット100の姿勢を検出する3軸姿勢センサ70と、カメラ32の画像信号を処理するビジョンプロセッサ72と、外部のPC等と無線通信を行う無線通信部74と、ビジョンプロセッサ72および無線通信部74とCPU60の入出力を中継するハブ76と、警告音等を出力するスピーカ78とを有して構成されている。
3軸姿勢センサ70は、ジャイロ若しくは加速度センサ、またはその両方を有し、地軸に対して脚車輪型ロボット100の姿勢の傾きを検出する。
CPU60は、モータ指令出力I/F61を介してドライバ44、54にモータ指令信号を出力し、角度取込I/F62を介してエンコーダ42、52の出力信号を入力する。また、センサ入力I/F63を介して、力センサ用プロセッサ66から床反力解析データを、障害物センサ34および3軸姿勢センサ70からセンサ信号をそれぞれ入力する。また、通信I/F64を介してハブ76と信号の入出力を行い、サウンド出力I/F65を介してスピーカ78に音声信号を出力する。
力センサ用プロセッサ66は、各脚部12に4つずつ設けられた力センサ82からセンサ信号を入力し、入力したセンサ信号に基づいて、各脚部12ごとに、脚部12が接地している支持脚であるか、脚部12が接地していない遊脚であるかを判定する。また、入力したセンサ信号に基づいて、各脚部12ごとに床反力の中心点および大きさを算出する。そして、判定結果および算出結果を床反力解析データとして出力する。
図7は、平坦面81の平面図である。
図7に示すように、力センサ82の横方向の間隔をWとし、縦方向の間隔をHとし、右上、左上、右下および左下の力センサ82で検出した床反力をそれぞれFA、FB、FCおよびFDとする。床反力の中心点(xc、yc)は、モーメントが0となる点であるので、下式(1)、(2)により算出することができる。
Figure 2009096335
ただし、Ft=FA+FB+FC+FDである。
床反力の大きさは、FA、FB、FCおよびFDを加算することにより算出することができる。
次に、CPU60で実行される処理を説明する。
CPU60は、ROM等の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、その制御プログラムに従って、図13のフローチャートに示す昇降制御処理を実行する。
図13は、昇降制御処理を示すフローチャートである。
昇降制御処理は、脚部12の昇降制御を行う処理であって、CPU60において実行されると、まず、図13に示すように、ステップS100に移行する。
ステップS100では、ビジョンプロセッサ72から画像を取り込み、ステップS102に移行する。
ステップS102では、取り込んだ画像に基づいて光切断法により階段の特徴点を抽出する。
図14は、光切断法の原理を説明するための図である。
光切断法は、三角測量の原理により計測対象上の座標を求める計測法である。図14に計測座標系を示す。
計測対象上の座標P(x0、y0、z0)は、カメラ32の撮像素子上の任意の座標をPs(xi、yi、zi)とすると、下式(3)により求められる。
Figure 2009096335
次に、得られた三次元座標から、レーザ光の反射光の不連続点または屈曲点を階段の特徴点として抽出する。
図15は、階段にレーザ光を照射した状態およびカメラ32の撮像素子の画像を示す図である。
脚車輪型ロボット100の移動経路上に階段が存在すると、図15(a)左側に示すように、水平レーザ26から照射された水平面レーザ光が階段の蹴込板および床面で反射し、カメラ32により、その反射光を含む階段の画像が撮影される。その画像に対して画像処理を行うと、図15(a)右側に示すように、蹴込板での反射光エッジおよび床面での反射光エッジを抽出することができる。そして、そのエッジ画像および上式により得られた三次元座標に基づいて、反射光エッジの不連続点に対応する実座標を算出することができる。
また、図15(b)左側に示すように、垂直レーザ28から照射された垂直面レーザ光が階段の蹴込板および踏板で反射し、カメラ32により、その反射光を含む階段の画像が撮影される。その画像に対して画像処理を行うと、図15(b)右側に示すように、蹴込板での反射光エッジおよび踏板での反射光エッジを抽出することができる。また、垂直レーザ30についても同様であり、図15(c)右側に示すように、蹴込板での反射光エッジおよび踏板での反射光エッジを抽出することができる。そして、それらエッジ画像および上式により得られた三次元座標に基づいて、反射光エッジの屈曲点に対する実座標を算出することができる。
図13に戻り、次いで、ステップS104に移行して、抽出した特徴点に基づいて階段の幅を算出し、ステップS106に移行して、抽出した特徴点に基づいて階段の段鼻部の実座標を算出し、ステップS108に移行する。
ステップS108では、算出した階段の幅および段鼻部の実座標、並びに3軸姿勢センサ70のセンサ信号に基づいて逆運動学計算および重心計算を行い、ステップS110に移行して、ステップS108の計算結果に基づいて脚先(駆動輪20)の着地位置を決定し、ステップS112に移行する。
ステップS112では、決定した着地位置に基づいてドライバ44、54へのモータ指令信号を生成し、ステップS114に移行して、生成したモータ指令信号をドライバ44、54に出力し、ステップS116に移行する。
ステップS116では、力センサ用プロセッサ66からの床反力解析データに基づいて、脚先が踏板に着地したか否かを判定し、脚先が着地したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS116で、脚先が着地しないと判定したとき(No)は、ステップS112に移行する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
脚車輪型ロボット100の移動経路上に階段が存在すると、水平レーザ26から照射された水平面レーザ光、および垂直レーザ28、30から照射された垂直面レーザ光がそれぞれ階段で反射し、カメラ32により、それら反射光を含む画像が撮影される。次いで、ステップS100、S102を経て、カメラ32で撮影された画像が取り込まれ、取り込まれた画像から階段の特徴点が抽出される。次いで、ステップS104〜S110を経て、抽出された特徴点に基づいて階段の幅および段鼻部の実座標が算出され、算出された階段の幅および段鼻部の実座標に基づいて脚先の着地位置が決定される。そして、ステップS112、S114を経て、決定された着地位置に基づいてモータ指令信号が生成され、生成されたモータ指令信号がドライバ44、54に出力される。これにより、駆動輪20が回転するとともに回転関節14〜18が駆動し、脚車輪型ロボット100が姿勢を適切に保ちつつ階段を乗り越える。また、状況によっては階段を回避、停止する。したがって、脚型ロボットと同様に階段への適応性が高い。
図8は、接地前後の状態を示す脚部12の断面図である。
脚部12が段鼻部に接地していない場合は、図8左側に示すように、下部リンク85が自重で下がるため、平坦面81、86が接触せず、力センサ82には力が伝達されない。そのため、各力センサ82により、力が作用しないときのセンサ信号が出力され、力センサ用プロセッサ66により、センサ信号に基づいて脚部12が遊脚であると判定される。この判定結果は、床反力解析データとしてCPU60に出力される。
これに対し、脚部12が段鼻部に接地している場合は、図8右側に示すように、下部リンク85に床反力が作用するため、平坦面81、86が面接触し、力センサ82に床反力が伝達される。そのため、各力センサ82により、床反力に応じたセンサ信号が出力され、力センサ用プロセッサ66により、センサ信号に基づいて脚部12が支持脚であると判定される。また、センサ信号に基づいて床反力の中心点および大きさが算出される。この判定結果および算出結果は、床反力解析データとしてCPU60に出力される。
したがって、CPU60では、力センサ用プロセッサ66からの床反力解析データに基づいて、各脚部12ごとに支持脚か遊脚かを把握することができ、支持脚である脚部12については、床反力の中心点および大きさを把握することができる。
以上の例では、遊脚時、力センサ82の値が「0」であるが、より高精度に検出を行うためには、着地前後の非線形を避けるため、あらかじめ平坦面81、86に所定の予圧をかけておく。
一方、平地では、車輪走行で移動することができる。したがって、車輪型と同様に平地での移動性が高い。
このようにして、本実施の形態では、一端に平坦面81を有する上部リンク80と、一端に平坦面86を有する下部リンク85と、力センサ82とを備え、平坦面81に力センサ82を設置し、床反力の作用時に平坦面81、86が面接触するように上部リンク80および下部リンク85の一端同士を連結した。
これにより、脚先でなく上部リンク80および下部リンク85の連結部に力センサ82が設置されているので、接地面積が小さい脚部12を有する脚車輪型ロボット100であっても力センサ82を設置することができる。また、6軸センサではなく力センサ82を用いるので、従来に比して、コストおよび演算負荷を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、平坦面81は、上部リンク80の伸長方向に直交して形成されている。
これにより、上部リンク80の伸長方向に作用する床反力を精度よく検出することができる。
さらに、本実施の形態では、脚部12のリンクのうち脚先に最も近いリンクを上部リンク80および下部リンク85により構成した。
これにより、床反力を精度よく検出することができる。
さらに、本実施の形態では、平坦面81の4隅に力センサ82をそれぞれ設置し、各力センサ82のセンサ信号に基づいて床反力の中心点および大きさを算出する。
これにより、床反力の中心点および大きさを求めることができる。
さらに、本実施の形態では、レーザ26〜30およびカメラ32からなる画像センサを備え、カメラ32で撮影した画像に基づいて階段を認識し、その認識結果に基づいてモータ40、50を制御する。
これにより、画像センサを用いて未知の階段を認識しながら脚部12の昇降制御を行うので、未知の階段に対して高い適応性を実現することができる。また、人が活動する環境での動作を行えるので、人と一緒に行動する用途に用いられるホームロボット、パーソナルロボット等に好適である。
さらに、本実施の形態では、画像センサを基体10の正面に設けた。
これにより、脚車輪型ロボット100の移動経路上に存在する物体を広い視野で検出することができる。
さらに、本実施の形態では、水平レーザ26から照射された水平面レーザ光の反射光の撮影状態に基づいて階段の幅を算出し、垂直レーザ28、30から照射された2つの垂直面レーザ光の反射光の撮影状態に基づいて階段の段鼻部の実座標を算出する。
これにより、階段の特徴のうち脚部12の昇降制御に有効な特徴を検出することができるので、未知の階段に対して高い適応性を実現することができる。
上記第1の実施の形態において、脚車輪型ロボット100は、発明1ないし28の脚型ロボットに対応し、上部リンク80は、発明1、2、7、17ないし25の第1リンクに対応し、下部リンク85は、発明1、2、7、17、19、22または25の第2リンクに対応している。
なお、上記第1の実施の形態においては、平坦面81の4隅に力センサ82をそれぞれ設置したが、これに限らず、図9に示すように、複数点の力を検出可能な検出エリアを有する分布型の力センサ82aを平坦面81の全域にわたって設置することもできる。
図9は、分布型の力センサ82aを設置した場合の接地前後の状態を示す脚部12の断面図である。
分布型の力センサ82aを設置した場合は、力センサ82aのセンサ信号から力の分布状態が分かるので、床反力の中心点および大きさを同時に求めることができる。
図10は、互いに直交する2つの面に力センサ82a、97を設置した場合の脚部12の断面図である。
さらに、図10に示すように、平坦面81と直交する把持部83の内周面に力センサ97を設置し、力センサ82a、97のセンサ信号に基づいて、床反力の方向および大きさを算出することもできる。
力センサ用プロセッサ66は、力センサ82a、97からセンサ信号を入力し、入力したセンサ信号に基づいて、各脚部12ごとに床反力の方向および大きさを算出する。力センサ82aの検出力をFd1、力センサ97の検出力をFd2、床反力をFrとすると、上部リンク80および下部リンク85の伸長方向に対する床反力Frの傾きαは、下式(4)により算出することができる。
Figure 2009096335
床反力Frは、下式(5)により算出することができる。
Figure 2009096335
ここで、ジャイロセンサ、加速度センサ等の姿勢検出センサを上部リンク80または下部リンク85に設置し、姿勢検出センサのセンサ信号または脚車輪型ロボット100の内界情報に基づいて、上部リンク80または下部リンク85の傾きθが求まっていれば、床反力Frの垂直方向に対する傾きを算出することができる。
なお、この原理は、2次元に関するものであるが、3次元に拡張する際も同様に適用することができる。
これにより、脚部12が支持脚か遊脚かだけでなく、床反力の方向および大きさを求めることができる。
この場合において、脚車輪型ロボット100は、発明7ないし9の脚型ロボットに対応し、上部リンク80は、発明7の第1リンクに対応し、下部リンク85は、発明7の第2リンクに対応し、力センサ97は、発明7または9の第2力センサに対応している。また、力センサ用プロセッサ66は、発明9の算出手段に対応し、把持部83の内周面は、発明7または8の第2平坦面に対応している。
また、上記第1の実施の形態においては、脚先に駆動輪20が設けられた脚部12を有する脚車輪型ロボット100に適用したが、これに限らず、図11および図12に示すように、脚先に駆動輪20が設けられていない脚部を有する脚型ロボットに適用することもできる。
図11は、複数の力センサ82を設置した場合の接地前後の状態を示す脚部の断面図である。
図12は、分布型の力センサ82aを設置した場合の接地前後の状態を示す脚部の断面図である。
図11の例では、平坦面81の4隅に力センサ82をそれぞれ設置している。これに対し、図12の例では、平坦面81の全域にわたって分布型の力センサ82aを設置している。
また、上記第1の実施の形態においては、平坦面81に力センサ82を設置したが、これに限らず、平坦面86、爪部83aの上面または嵌合穴87の上面に力センサ82を設置することもできる。
また、図10の構成においては、把持部83の内周面に力センサ97を設置したが、これに限らず、把持部83の内周面に対向する下部リンク85の側面に力センサ97を設置することもできる。
また、上記第1の実施の形態においては、嵌合穴87の内径に所定の遊びを設けたが、これに限らず、嵌合穴87の内径を爪部83aの高さと同一とし、爪部83aを嵌合穴87に嵌合させたときに平坦面81、86が面接触するように上部リンク80および下部リンク85を伸長方向に固定してもよい。
また、上記第1の実施の形態においては、本発明に係る脚型ロボットを、階段を乗り越える場合について適用したが、これに限らず、階段以外の段差を乗り越える場合についても同様に適用することができる。
また、上記第1の実施の形態においては、本発明に係る脚車輪型ロボット100の構成を、基体10の前方に左右一対及び後方に左右一対の4本の脚部12を有する構成としたが、これに限らず、基体10の中央に左右一対の脚部12を設ける構成や、3本の脚部12を対称に設ける構成、5本以上の脚部12を設ける構成など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の構成としても良い。また、多脚とした場合には、不要な脚部12を走行制御に用いないように制御するようにしても良い。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図16ないし図20は、本発明に係る脚型ロボットの第2の実施の形態を示す図である。
本発明を適用する、本実施の形態の脚車輪型ロボット100は、上記第1の実施の形態の脚車輪型ロボット100の各機能に加え、脚車輪型ロボット100を、基体10の向きを一定方向に保持した状態で任意の進行方向に走行移動させる機能と、脚車輪型ロボットを、所定の旋回中心位置で前後移動させずに旋回させる(超信地旋回させる)機能とを有している。
つまり、本実施の形態における脚車輪型ロボット100は、上記各機能を実現するためのアクチュエータの制御処理(CPU60の制御プログラムの実行による制御処理)が追加されたのみで、力センサ82の設置構造など、その他の構成は、上記第1の実施の形態の脚車輪型ロボット100と同様となる。従って、上記第1の実施の形態と同様の機能については説明を適宜省略し、追加された機能部分については詳細に説明する。
以下、図16〜図18に基づき、本実施の形態のCPU60で実行される走行移動時の制御処理を説明する。
ここで、図16(a)及び(b)は、脚車輪型ロボット100の車輪走行移動時の姿勢を示す図である。
以下の各走行制御処理時においては、脚車輪型ロボット100の姿勢が、図16(b)に示すように、膝屈曲姿勢となるように各関節モータ40を制御する。但し、膝屈曲姿勢における走行制御時に、脚部12が互いに干渉する(接触などする)場合は、図16(a)に示すように、膝伸展姿勢となるように各関節モータ40を制御する。
上記姿勢制御時においては、力センサ用プロセッサ66からの各脚部12に対する床反力解析データに基づき、脚先の駆動輪20が4輪共に均等に接地しているかを判断し、不均等の場合は調整を行う。各駆動輪20が均等に接地した状態で膝屈曲姿勢又は膝伸展姿勢へと移行すると、各種走行制御処理が開始される。
まず、基体10の向きを一定の方向に保持(固定)した状態で、脚車輪型ロボット100を目的の進行方向に向けて走行させるときの走行制御処理(以下、無変向走行制御処理と称す)について説明する。
CPU60は、ROM等の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、その制御プログラムに従って、無変向走行制御処理を実行する。
ここで、無変向走行制御処理は、脚車輪型ロボット100を、その基体10の向きを一定の方向に保持した状態で、目的の進行方向に移動させるものであるため、基体10の前方側に設けられたカメラ32や障害物センサ34、36などを、後方や側方などにも設けることが望ましい。これら後方及び側方をカバーできるカメラ及び障害物センサによって、脚車輪型ロボット100を、基体10の向きとは異なる方向に移動させるときに、その進行方向の環境(地形の状態等)を把握し、適切な制御を行うことができる。
また、無変向走行制御処理は、具体的に、無変向走行制御指令があったときに実行され、時々刻々の、ロボットの進行方向(角度α)、ロボット進行方向速度Vcを入力として、基体10の向きを一定の方向に保持した状態で、脚車輪型ロボット100を前記入力された進行方向へと走行させるための、各脚部12の回転関節14(joint0)の角度(操舵角度)θi0(i=0,1,2,3,・・・)、各脚部12の各駆動輪20の回転角速度ωi(i=0,1,2,3,・・・)を算出し、各アクチュエータに指令を与えるものである。
本実施の形態の脚車輪型ロボット100は、上記第1の実施の形態で述べたように、基体10の前方に左右一対及び後方に左右一対の計4本の脚部12を有している。
従って、ここでは、各脚部12の駆動輪20の操舵角度θi0を、基体10の上面側から見て、左前輪操舵角度θ00、右前輪操舵角度θ10、左後輪操舵角度θ20、右後輪操舵角度θ30とする。なお、回転関節14によって各脚部12をヨー軸周りに回動させたときに、基体10の上面側から見て、左前輪操舵角度θ00及び右後輪操舵角度θ30は、反時計回り方向を正方向とし、右前輪操舵角度θ10及び左後輪操舵角度θ20は、時計回り方向を正方向とする。
また、各脚部12の駆動輪20の回転角速度ωiを、左前輪回転角速度ω0、右前輪回転角速度ω1、左後輪回転角速度ω2、右後輪回転角速度ω3とする。
また、各脚部12の駆動輪20の線速度Vi(i=0,1,2,3,・・・)を、左前輪線速度V0、右前輪線速度V1、左後輪線速度V2、右後輪線速度V3とする。
ここで、図17(a)〜(c)は、無変向走行制御時の脚車輪型ロボット100の走行状態例を示す図である。なお、図17(a)〜(c)は、脚車輪型ロボット100を上面側から見た図であり、各駆動輪20に付けられた黒塗りの半円の目印は、「θ00=θ10=θ20=θ30=0[°]」のときの基準となる向きを示す。
また、左右前輪は上記目印のある方向に進行する回転方向が正回転方向となり、左右後輪は目印の無い方向に進行する回転方向が正回転方向となる。
まず、図17(a)に基づき、基体10の向きを一定方向に保持(固定)した状態で、脚車輪型ロボット100を、基体10の向いている方向(前方向)に直進走行させる場合の無変向走行制御処理を説明する。
本実施の形態では、基体10の向いている方向(前方向)をロボットの進行方向とした場合に、進行方向を表す角度αを「0[°]」とする。そして、前方向の0[°]を基準に、各進行方向に対応するαを決定する。
ここでは、脚車輪型ロボット100を、基体10の前方向に直進させるので、進行方向αとして「0[°]」が入力され、更に、進行方向速度Vcが入力される。
進行方向α(0[°])及び進行方向速度Vcが入力されると、各駆動輪20の操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3が算出される。
基体10の向きを保持した状態のまま、脚車輪型ロボット100を前方向に直進走行させるためには、図17(a)の各駆動輪20から伸びる矢印に示すように、各駆動輪20の進行方向を基体10の向いている方向(前方向)に全て揃える必要がある。従って、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、例えば、「θ00=θ10=θ20=θ30=0[°]」と算出される。
また、この場合に、直進走行させるための各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=V1=Vc」、「V2=V3=−Vc」と算出される。
なお、各脚部12が互いに干渉しなければ、例えば、「θ00=θ10=0[°]」、「θ20=θ30=π(180[°])又は−π(−180[°])」、「V0=V1=V2=V3=Vc」などの組み合わせとしても良い。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、下式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。

ωi=2Vi/D ・・・(6)

但し、上式(6)において、Dは車輪径である。
各駆動輪20の操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、各駆動輪20の現在の操舵角度及び回転角速度を取得する。そして、現在の操舵角度と、上記算出した前方向に直進させるための操舵角度とから回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、現在の回転角速度と、上記算出した前方向に直進させるときの回転角速度とから、駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
このようにして、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を算出すると、これらの指令値を各モータのドライバに入力する。そして、入力された指令値に基づき各関節モータ40及び車輪モータ50が駆動されると、これにより、脚車輪型ロボット100の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度が変化し、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向(前方向)に直進走行する。
なお、基体10の向きを一定方向に保持した状態で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して反対側(真後ろ)の方向に直進走行させる場合は、上記前方向のときと駆動輪20の回転方向を正反対とすればよい。
例えば、「θ00=θ10=θ20=θ30=0[°]」及び「V0=V1=V2=V3=−Vc」、又は「θ00=θ10=0[°]」、「θ20=θ30=π若しくは−π[°]」、「「V0=V1=−Vc」及び「V2=V3=Vc」などとする。
次に、図17(b)に基づき、基体10の向きを保持した状態(前方向に向けたままの状態)で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して右斜め前方向に直進走行させる場合の無変向走行制御処理を説明する。
ここでは、脚車輪型ロボット100を、基体10の右斜め前方向に直進させるので、進行方向αとして「α(−90<α<0)[°](但し、反時計回りが正方向)」が入力され、更に、進行方向速度Vcが入力される。
そして、進行方向α[°]及び進行方向速度Vcが入力されると、各駆動輪20の操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3が算出される。
基体10の向きを保持した状態で、脚車輪型ロボット100を右斜め前方向(α[°]の方向)に直進走行させるためには、図17(b)の各駆動輪20から伸びる矢印に示すように、各駆動輪20の進行方向を、基体10の向いている方向に対して右斜め前方向に全て揃える必要がある。
従って、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、例えば、「θ00=θ30=α[°]」、「θ10=θ20=−α[°]」と算出される。
また、この場合に、直進走行させるための各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=V1=Vc」、「V2=V3=−Vc」と算出される。
なお、各脚部12が互いに干渉しなければ、例えば、「θ00=θ30=α[°]」、「θ10=θ20=−α−π[°]」、「V0=V2=Vc」、「V1=V3=−Vc」などの組み合わせとしても良い。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、上記前方向への直進走行のときと同様に、回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値と、駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値とを算出する。
このようにして、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を算出すると、これらの指令値を各モータのドライバに入力する。そして、入力された指令値に基づき各関節モータ40及び車輪モータ50が駆動されると、これにより、脚車輪型ロボット100の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度が変化し、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して右斜め前方向に直進走行する。
なお、基体10の向きを保持した状態で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して左斜め後方に直進走行させる場合は、上記右斜め前方向のときの各駆動輪20の回転方向を正反対とすればよい。また、左斜め前方向に直進移動させる場合は、進行方向αを「0<α<90[°]」の範囲で設定し、更に、操舵角度の符号を正反対とすればよい。また、右斜め後方に直進走行させる場合は、左斜め前方向のときの各駆動輪20の回転方向を正反対とすればよい。
次に、図17(c)に基づき、基体10の向きを保持した状態で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して左真横方向に直進走行させる場合の無変向走行制御処理を説明する。
ここでは、脚車輪型ロボット100を、基体10の左真横方向に直進させるので、進行方向αとして「α(90(π/2))[°]」が入力され、更に、進行方向速度Vcが入力される。
そして、進行方向α[°]及び進行方向速度Vcが入力されると、各駆動輪20の操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3が算出される。
基体10の向きを保持した状態で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して左真横方向(π/2[°]の方向)に直進走行させるためには、図17(c)の各駆動輪20から伸びる矢印に示すように、各駆動輪20の進行方向を左真横方向に全て揃える必要がある。
従って、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、例えば、「θ00=θ10=θ20=θ30=π/2[°]」と算出される。
また、この場合に、直進走行させるための各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=V2=Vc」、「V1=V3=−Vc」と算出される。
なお、各脚部12が互いに干渉しなければ、例えば、「θ00=θ20=π/2[°]」、「θ10=θ30=−π/2[°]」、「V0=V1=V2=V3=Vc」などの組み合わせとしても良い。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、上記前方向への直進走行のときと同様に、回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値と、駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値とを算出する。
このようにして、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を算出すると、これらの指令値を各モータのドライバに入力する。そして、入力された指令値に基づき各関節モータ40及び車輪モータ50が駆動されると、これにより、脚車輪型ロボット100の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度が変化し、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して左真横方向に直進走行する。
なお、基体10の向きを保持した状態で、脚車輪型ロボット100を、その向いている方向に対して右真横方向に直進走行させる場合は、上記左真横方向のときの各駆動輪20の回転方向を正反対とすればよい。
次に、脚車輪型ロボット100を所定の旋回中心位置で前後移動させずに旋回(超信地旋回)させる走行制御処理(以下、超信地旋回制御処理と称す)について説明する。
CPU60は、ROM等の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、その制御プログラムに従って、超信地旋回制御処理を実行する。
ここで、超信地旋回制御処理は、クローラ機構を有したパワーショベルや戦車などの車両が行う超信地旋回と同等の旋回動作を脚車輪型ロボット100に行わせるものである。
また、超信地旋回とは、クローラ機構を有した車両が、左右のクローラを同速度で互いに反対方向に回転させることで、前後に進まず、車体の向きを変える旋回方法であり、これは、クローラ機構に限らず、左右に最低2輪の独立した駆動輪を有する車両であれば実現可能な旋回方法である。
本実施の形態においては、具体的に、超信地旋回制御指令があったときに実行され、ロボットの旋回角速度Ω、旋回中心(xc,yc)を入力として、脚車輪型ロボット100を旋回中心(xc,yc)で超信地旋回させるための、各脚部12の回転関節14(joint0)の角度(操舵角度)θ00、θ10、θ20、θ30、各脚部12の各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3を算出し、各アクチュエータに指令を与えるものである。
脚車輪型ロボット100を超信地旋回させるためには、基体10を、旋回中心(xc,yc)でヨー軸周りに自転させたときに、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心が描く円弧軌道と各駆動輪20の前記回転中心との接点における運動方向と、各駆動輪20の進行方向とが一致するように各回転関節14の関節モータ40を制御すると共に、各駆動輪20が前記運動方向に応じた回転方向に一定速度で回転するように各車輪モータ50を制御する必要がある。
ここで、図18(a)及び(b)は、基体10の座標(0,0)及び座標(xc,yc)を回転中心とした場合の超信地旋回制御時の脚車輪型ロボット100の走行状態を示す図である。
なお、図18(a)及び(b)においては、基体10を上面側から見た平面において、長手方向の軸をx軸、それと直交する方向の軸をy軸とし、基体10の中心位置の座標を(x,y)=(0,0)とする。
まず、図18(a)に基づき、基体10の中心位置の座標(0,0)を旋回中心とした場合の超信地旋回制御処理について説明する。
この場合は、旋回角速度Ωと、旋回中心座標(0,0)とが入力される。
旋回角速度Ω及び旋回中心座標(0,0)が入力されると、下式(7)に基づき、基体10のx軸と各駆動輪20の回転中心とのなす角度φ0、φ1、φ2、φ3が算出される。

tanφ=Wt/Wb ・・・(7)

但し、上式(7)は、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心とした場合の式である。また、上式(7)において、Wtはトレッド(車輪間隔)であり、Wbはホイールベースである。
なお、φ0〜φ3は、x軸と、各駆動輪20の回転中心とのなす角度のうち最小の角度とし、φの正方向は、駆動輪によってはΩの正方向とは異なる。
t及びWbは既知であるため(予め情報を持っておく)、上式(7)から、上記角度φ0、φ1、φ2、φ3を算出することができる。
なお、旋回中心が基体10の中心座標(0,0)であるので、上記角度φ0、φ1、φ2、φ3はいずれも等角度「φ0=φ1=φ2=φ3=φ」となる。
また、基体10が旋回座標(0,0)でヨー軸周りに自転時に、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心の描く円弧軌道と該回転中心との接点における運動方向は、図18(a)の各駆動輪20から伸びる矢印線に示すように、円弧軌道上の各回転中心を通る接線方向(図中の矢印線方向)となる。
各駆動輪20の回転中心に対する角度「φ0=φ1=φ2=φ3=φ」が算出されると、次に、各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるための操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30を算出する。
各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるためには、図18(a)に示すように、各駆動輪20の進行方向と、旋回中心と回転中心とを結ぶ線分との成す角度が直角(π/2(90[°]))となるように操舵すれば良く、従って、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、「θ00=θ10=θ20=θ30=−(π/2−φ)」と算出される。
一方、下式(8)に基づき、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心と旋回中心(0,0)との距離L0、L1、L2、L3が算出される。
Figure 2009096335
但し、上式(8)は、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心とした場合の式である。
なお、トレッドWt及びホイールベースWbから、左前輪の回転中心の座標は(Wb/2,Wt/2)、右前輪の回転中心の座標は(Wb/2,−Wt/2)、左後輪の回転中心の座標は(−Wb/2,Wt/2)、右後輪の回転中心の座標は(−Wb/2,−Wt/2)と表すことができる。
なお、旋回中心が基体10の中心座標(0,0)であるので、距離L0、L1、L2、L3は、等距離「L0=L1=L2=L3=L」となる。
距離L0、L1、L2、L3が算出されると、次に、これらの距離Lと旋回角速度Ωとから、下式(9)に基づき、各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3を算出する。

0=V1=V2=V3=LΩ (9)

但し、上式(9)は、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心とした場合の式である。
ここで、先述したように、左右前輪は黒半円の目印のある方向に進行する回転方向が正回転方向となり、左右後輪は目印の無い方向に進行する回転方向が正回転方向となる。
また、各駆動輪20の向きは、図18(a)に示すようになるので、線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=V3=−LΩ」、「V1=V2=LΩ」と算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、各駆動輪20の現在の操舵角度及び回転角速度を取得する。そして、現在の操舵角度と、上記算出した操舵角度とから回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、現在の回転角速度と、上記算出した回転角速度とから、駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
このようにして、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を算出すると、これらの指令値を各モータのドライバに入力する。そして、入力された指令値に基づき各関節モータ40及び車輪モータ50が駆動されると、これにより、脚車輪型ロボット100の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度が変化し、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心として、脚車輪型ロボット100が前後移動せずにその場で旋回(超信地旋回)する。
次に、基体10の中心座標(0,0)以外の座標を旋回中心とした場合の超信地旋回制御処理について説明する。以下、この超信地旋回制御処理を、旋回中心オフセット型超信地旋回制御処理と称す。
この場合は、旋回角速度Ωと、基体10の中心座標(0,0)以外の座標である旋回中心座標(xc,yc)≠(0,0)とが入力される。
そして、旋回角速度Ω及び旋回中心座標(xc,yc)が入力されると、下式(10)に基づき、基体10のx軸と各駆動輪20の回転中心とのなす角度φ0、φ1、φ2、φ3が算出される。

tanφ0=(Wt/2−yc)/(Wb/2−xc)
tanφ1=(Wt/2+yc)/(Wb/2−xc)
tanφ2=(Wt/2−yc)/(Wb/2+xc)
tanφ3=(Wt/2+yc)/(Wb/2+xc) ・・・(10)

但し、上式(10)は、脚車輪型ロボット100の脚部12が、基体10の前方に左右一対及び後方に左右一対の計4本の場合の式である。
具体的に、入力された旋回中心座標(xc,yc)と、既知のWt及びWbとを、上式(10)に代入して、基体10のx軸と各駆動輪20の回転中心とのなす角度φ0、φ1、φ2、φ3を算出する。
なお、旋回中心が基体10の中心座標以外の座標となるので、上記角度φ0、φ1、φ2、φ3はそれぞれ異なる角度となる。
また、基体10が、旋回中心座標(xc,yc)でヨー軸周りに自転時に、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心の描く円弧軌道と該回転中心との接点における運動方向は、図18(b)の各駆動輪20から伸びる矢印線に示すように、各円弧軌道上の各回転中心を通る接線方向(図中の矢印線方向)となる。また、旋回中心と各駆動輪20の回転中心との距離はそれぞれ異なるため、各回転中心の描く円弧軌道も異なる。
各駆動輪20の回転中心に対する角度φ0、φ1、φ2、φ3が算出されると、次に、各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるための操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30を算出する。
各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるためには、図18(b)に示すように、各駆動輪20の回転方向と、旋回中心と回転中心とを結ぶ線分との成す角度が直角(π/2(90[°]))となるように操舵すれば良く、従って、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、「θi0=−(π/2−φi)(i=0,1,2,3)」と算出される。
一方、下式(11)に基づき、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心と旋回中心(xc,yc)との距離L0、L1、L2、L3が算出される。
Figure 2009096335
先述したように、旋回中心が基体10の中心座標(0,0)以外の座標であるので、距離L0、L1、L2、L3は、それぞれ異なる距離となる。
距離L0、L1、L2、L3が算出されると、次に、これらの距離と旋回角速度Ωとから、下式(12)に基づき、各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3を算出する。

|Vi|=|LiΩ| (12)

従って、線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=−L0Ω」、「V1=L1Ω」、「V2=L2Ω」、「V3=−L3Ω」と算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、各駆動輪20の現在の操舵角度及び回転角速度を取得する。そして、現在の操舵角度と、上記算出した操舵角度とから回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、現在の回転角速度と、上記算出した回転角速度とから、駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
このようにして、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を算出すると、これらの指令値を各モータのドライバに入力する。そして、入力された指令値に基づき各関節モータ40及び車輪モータ50が駆動されると、これにより、脚車輪型ロボット100の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度が変化し、基体10における中心位置(0,0)以外の座標(xc,yc)を旋回中心として、脚車輪型ロボット100が前後移動せずに旋回(超信地旋回)する。
次に、図19及び図20に基づき、本実施の形態の動作を説明する。
ここで、図19(a)及び(b)は、脚車輪型ロボット100の走行経路の一例を示す図である。また、図20は、ロボットの重心位置の一例を示す図である。
脚車輪型ロボット100は、障害物センサ34、36のセンサ信号に基づき、自己の移動経路上に何も障害物が存在しない(平地である)と判断すると、移動モードを、脚部12を用いる脚部移動モードから駆動輪20を用いる車輪走行移動モードへと切り替える。
平地では、脚車輪型ロボット100は、上記した無変向走行で移動することができる。また、上記した超信地旋回及び旋回中心オフセット型超信地旋回を行うことができる。
また、無変向走行時及び超信地旋回時は、脚車輪型ロボット100が膝屈曲姿勢となるように関節モータ40が制御される。
車輪走行移動モードへと切り替えられると、脚車輪型ロボット100は、脚部12の各関節モータ40を制御して膝屈曲姿勢へと移行する。車輪走行移動モードでは、駆動輪20を4輪とも用いるため、力センサ用プロセッサ66からの各脚部12に対する床反力解析データに基づき、脚先の駆動輪20が4輪共に均等に接地しているかを判断し、不均等の場合は調整を行う。このようにして、各駆動輪20が均等に接地した状態で膝屈曲姿勢へと移行すると、各種走行制御が開始される。
まず、無変向走行制御時の脚車輪型ロボット100の動作について説明する。
ここでは、図19(a)に示すような通路を、脚車輪型ロボット100で走行移動させることとする。なお、図19(a)及び(b)は、走行経路の一部を真上から見た俯瞰図である。
図19(a)に示すように、通路は、最初、基体10の向いている方向(前方向)に直進しないと通れないほど幅が狭くなっているので、まず、通路への進入前において、通路の伸びる方向と基体10の向きとを合わせると共に、進入位置及び進入角度を調整する。
そして、無変向走行制御指令を入力し、脚車輪型ロボット100を、無変向走行制御モードへと移行させる。これにより、脚車輪型ロボット100は、CPU60において、基体10の向きを保持した状態で、目的の進行方向へと走行移動する制御を行う。
まず最初は、脚車輪型ロボット100を、前方向に直進移動させたいので、ロボットの進行方向α=0[°]、及びロボット進行方向速度Vcを入力する。これにより、各駆動輪20の操舵角度が「θ00=θ10=θ20=θ30=0[°]」と算出され、各駆動輪20の線速度が「V0=V1=V2=V3=Vc」と算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
CPU60は、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3を算出すると、次に、角度取込I/F62を介して、現在の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度を取得する。ここでは、取得した操舵角度と上記算出した操舵角度との差分値を算出し、該差分値に基づき回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、取得した現在の回転角速度と、上記算出した回転角速度との差分値を算出し、該差分値に基づき駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
CPU60は、上記算出した、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を各モータのドライバに入力する。この指令値により、各関節モータ40が駆動され、各脚部12の回転関節14がヨー軸周りに回動して目標の操舵角度へと変化する。その後、各車輪モータ50が駆動され、各駆動輪20が指令値に応じた回転角速度で回転駆動する。これにより、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、基体10の向いている方向(前方向)に通路へと進入すると共に通路内を直進走行する。
脚車輪型ロボット100が前方向にしばらく直進すると、通路は右に略直角に折れ曲がり、更に路幅も広くなるので、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して右真横方向に直進移動するように制御する。つまり、進行方向として、α=−90(−π/2)[°]を入力し、更に、進行方向速度Vcを入力する。
これにより、操舵角度として、「θ00=θ10=θ20=θ30=α[°]」が算出され、線速度として、「V0=V2=−Vc」、「V1=V3=Vc」が算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
CPU60は、各駆動輪20の現在の操舵角度及び回転角速度を取得し、これらと上記算出した操舵角度及び回転角速度とから各指令値を算出する。この指令値により、各関節モータ40及び各車輪モータ50が駆動され、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して右真横方向に直進走行する。これにより、通路の曲がり角で脚車輪型ロボット100を旋回せずに、その曲がった先へと走行させることができる。
脚車輪型ロボット100が右真横方向にしばらく直進すると、通路は右斜め下方向に折れ曲がるので、今度は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して右斜め後ろ方向に直進移動するように制御する。つまり、進行方向として、α(通路の角度<0)[°]を入力し、更に、進行方向速度Vcを入力する。
これにより、例えば、操舵角度として、「θ00=θ30=π+α[°]」及び「θ10=θ20=−(π+α)[°]」が算出され、線速度として、「V0=V1=−Vc」及び「V2=V3=Vc」が算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
そして、各駆動輪20の現在の操舵角度及び回転角速度を取得し、これらと上記算出した操舵角度及び回転角速度とから各指令値を算出する。この指令値により、各関節モータ40及び各車輪モータ50が駆動され、脚車輪型ロボット100は、基体10の向きを保持した状態で、その向いている方向に対して右斜め後ろ方向に直進走行する。
次に、超信地旋回制御時の脚車輪型ロボット100の動作について説明する。
ここでは、図19(b)に示すような通路を、脚車輪型ロボット100で走行移動させることとする。
図19(b)に示すように、通路は、最初真っ直ぐに伸びており、その後、略直角に右に折れ曲がり、その先で行き止まりとなっている。
まず、通路の伸びる方向と基体10の向きとを合わせ、進入位置を微調整した後に、脚車輪型ロボット100を前方向に直進走行させる。これにより、脚車輪型ロボット100は、通路へと進入すると共に通路内を直進走行する。
脚車輪型ロボット100は、しばらく直進すると、やがて曲がり角へと到達するので、時計回りに旋回して、基体10の向きを脚車輪型ロボット100が進行できる向きへと変更する。
図19(b)に示す曲がり角であれば、前移動を伴う旋回動作でも十分に右折できるが、ここでは、超信地旋回により右折することとする。そのため、超信地旋回制御指令を入力し、この指令により、脚車輪型ロボット100を、超信地旋回制御モードへと移行させる。これにより、脚車輪型ロボット100は、CPU60において、前後移動を行わずに所定の旋回中心位置でロボットを旋回する制御処理を行う。
まず、旋回角速度Ω(基体10を時計回りに回転させる角速度)と、旋回中心座標(0,0)とを入力する。更に、略直角に右折させるので、旋回角度−90[°]を入力する。
旋回角速度Ω、旋回中心座標(0,0)及び旋回角度(−90[°])が入力されると、上式(7)に基づき、基体10のx軸と各駆動輪20の回転中心とのなす角度φ0、φ1、φ2、φ3が算出される。
各駆動輪20の回転中心に対する角度「φ0=φ1=φ2=φ3=φ」が算出されると、次に、各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるための操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30が算出される。
具体的に、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30として、「θ00=θ10=θ20=θ30=−(π/2−φ)」が算出される。
また、上式(8)に基づき、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心と旋回中心(0,0)との距離L0、L1、L2、L3が算出される。
旋回中心が基体10の中心座標(0,0)となっているので、距離L0、L1、L2、L3は、等距離「L0=L1=L2=L3=L」となる。
次に、距離Lと旋回角速度Ωとから、上式(9)に基づき、各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3を算出する。
ここでは、脚車輪型ロボット100を、時計回りに旋回(Ω<0)させるので、線速度V0、V1、V2、V3は、「V1=V2=LΩ」、「V0=V3=−LΩ」と算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、角度取込I/F62を介して、現在の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度を取得する。ここでは、取得した操舵角度と上記算出した操舵角度との差分値を算出し、該差分値に基づき回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、取得した現在の回転角速度と、上記算出した回転角速度との差分値を算出し、該差分値に基づき駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
CPU60は、上記算出した、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を各モータのドライバに入力する。この指令値により、各関節モータ40が駆動され、各脚部12の回転関節14がヨー軸周りに回動して目標の操舵角度へと変化する。その後、各車輪モータ50が駆動され、各駆動輪20が指令値に応じた回転角速度で回転駆動する。これにより、脚車輪型ロボット100は、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心として、前後移動せずにその場で時計回りに90[°]旋回(超信地旋回)する。
そして、脚車輪型ロボット100を、時計回りに90[°]旋回して右折させると、その先の通路を、前方向へと直進走行させる。
図19(b)に示すように、右折した先の通路は袋小路となっているため、脚車輪型ロボット100は、やがて通路の行き止まりへと到達する。
脚車輪型ロボット100は、これ以上先に進めないため(各種センサにより状況を把握)、180[°]旋回して通路を引き返すことになる。
ここでは、通路の幅が前後移動を伴う旋回動作(例えば、Uターン)を行えるほど広くないため、上記右折のときと同様に、超信地旋回制御モードへと移行し、超信地旋回により180[°]旋回して、脚車輪型ロボット100の向きを変更し、引き返すこととする。
また、図19(b)に示すように、通路幅が自転ぎりぎりの幅となっているので、脚車輪型ロボット100を最小の旋回半径で旋回させる必要がある。従って、旋回中心座標(0,0)と、旋回角速度Ω(基体10を時計回りに回転させる角速度)と、旋回角度180[°]とを入力する。なお、脚部12が通路にぶつからないように、脚車輪型ロボット100の各脚部12の姿勢を膝伸展姿勢へと変更する。
旋回中心座標(0,0)、旋回角速度Ω及び旋回角度180[°]が入力されると、上記右折のときと同様に、操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30として、「θ00=θ10=θ20=θ30=−(π/2−φ)」が算出され、線速度V0、V1、V2、V3として、「V1=V2=LΩ」、「V0=V3=−LΩ」が算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、各指令値が算出され、関節モータ40及び車輪モータ50が駆動される。
これにより、基体10の中心座標(0,0)を旋回中心として、脚車輪型ロボット100が前後移動せずにその場で時計回りに180[°]旋回(超信地旋回)し、真後ろ方向へと向きを変える。
ここで、脚車輪型ロボット100が、例えば、遠隔操作で人手により走行制御される場合や、自動制御で且つ基体10の後ろ側にも各種センサやカメラを備えている場合などは、無変向走行制御により、前を向いたまま真後ろに走行させて通路を引き返させることも可能である。しかし、自動制御の場合で且つ各種センサが基体10の前側にしか備わっていない場合は、基体10の向きと進行方向とを合わせる必要がある。従って、後者の場合などに、超信地旋回は有用な旋回手段となる。
次に、旋回中心オフセット型超信地旋回制御時の脚車輪型ロボット100の動作について説明する。
いま、車輪走行移動モードへと移行し、脚車輪型ロボット100の各関節モータ40が制御され、ロボットの姿勢が膝屈曲姿勢に変更されたとする。このとき、ロボットの重心が図20に示すように、基体10の中心位置の座標から外れた位置となるとする。
この場合は、重心位置が基体10の中心位置の座標(0,0)から外れているため、中心位置を旋回中心として超信地旋回を行わせると旋回がアンバランスとなり、不具合が発生する恐れがある。
このようなときに、本実施の形態の超信地旋回制御指令モードにおいては、任意の旋回中心で超信地旋回させることができるので、旋回角速度Ωを入力すると共に、基体10における、脚車輪型ロボット100の重心位置に対応する座標(xg,yg)を旋回中心座標(xc,yc)として入力する。
そして、旋回角速度Ω及び旋回中心座標(xc,yc)=(xg,yg)が入力されると、上式(10)に基づき、基体10のx軸と各駆動輪20の回転中心とのなす角度φ0、φ1、φ2、φ3が算出される。
各駆動輪20の回転中心に対する角度φ0、φ1、φ2、φ3が算出されると、次に、各回転中心の運動方向と各駆動輪20の進行方向とを一致させるための操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30を算出する。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30は、「θi0=−(π/2−φi)(i=0,1,2,3)」と算出される。
次に、上式(11)に基づき、各駆動輪20の操舵時のヨー軸周りの回転中心と旋回中心(xc,yc)との距離L0、L1、L2、L3を算出する。
距離L0、L1、L2、L3が算出されると、次に、これらの距離と旋回角速度Ωとから、上式(12)に基づき、各駆動輪20の線速度V0、V1、V2、V3を算出する。
ここでは、脚車輪型ロボット100を反時計回りに旋回(Ω>0)させるとして、線速度V0、V1、V2、V3は、「V0=−L0Ω」、「V1=L1Ω」、「V2=L2Ω」、「V3=−L3Ω」と算出される。
更に、線速度V0、V1、V2、V3は、上式(6)に従って、回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3に変換される。
操舵角度θ00、θ10、θ20、θ30、及び各駆動輪20の回転角速度ω0、ω1、ω2、ω3が算出されると、次に、角度取込I/F62を介して、現在の各駆動輪20の操舵角度及び回転角速度を取得する。ここでは、取得した操舵角度と上記算出した操舵角度との差分値を算出し、該差分値に基づき回転関節14の関節モータ40を駆動する指令値を算出する。更に、取得した現在の回転角速度と、上記算出した回転角速度との差分値を算出し、該差分値に基づき駆動輪20の車輪モータ50を駆動する指令値を算出する。
CPU60は、上記算出した、各駆動輪20の操舵制御の指令値及び速度制御の指令値を各モータのドライバに入力する。この指令値により、各関節モータ40及び各車輪モータ50が駆動され、これにより、基体10における重心座標と対応する座標(xg,yg)を旋回中心として、脚車輪型ロボット100がバランスのとれた状態で反時計回りに超信地旋回する。
このようにして、本実施の形態では、各種走行制御時(旋回制御も含む)に、脚車輪型ロボット100の姿勢を膝屈曲姿勢又は膝伸展姿勢に変更時に、床反力解析データに基づき、各駆動輪20が均等に接地するように関節モータ40を制御する。
これにより、安定した走行移動及び旋回動作が可能となり、転倒の不安が軽減される。また、旋回動作時において、駆動輪20のすべりを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、基体10の向きを一定の方向に保持した状態で、脚車輪型ロボット100が目的の進行方向に走行するように関節モータ40及び車輪モータ50を制御する。
これにより、旋回を行わず(向きを変えず)に自由な方向へ移動できるので、各方向への素早い移動を実現できると共に、脚車輪型ロボット100の各構成部が妨げとなって旋回できないような狭くて入り組んだエリアなど、脚車輪型ロボットの向きを変更することが困難なエリアにおいても活動が可能となる。
さらに、本実施の形態では、脚車輪型ロボット100を前後移動させずに所定の旋回中心位置で旋回(超信地旋回)するように関節モータ40及び車輪モータ50を制御する。このとき、基体10における中心位置の座標を旋回中心座標とする制御(超信地旋回制御)と、基体10における中心位置以外の座標を旋回中心座標とする制御(旋回中心オフセット型超信地旋回制御)とを行うことが可能である。
これにより、基体10の中心位置を旋回中心位置とする場合は、最小の旋回半径で脚車輪型ロボットを旋回をさせることが可能である。また、基体10の中心位置以外を旋回中心位置とする場合は、例えば、基体10の中心位置と重心位置とが異なる場合などに、重心位置を旋回中心として超信地旋回させることができるので、脚車輪型ロボット100を、バランスよく超信地旋回させることが可能である。
上記第2の実施の形態において、関節モータ40は、発明26ないし28の第1アクチュエータに対応し、車輪モータ50は、発明26ないし28の第2アクチュエータに対応し、CPU60による、無変向走行性制御処理、超信地旋回処理、旋回中心オフセット型超信地旋回処理は、発明26ないし28の制御手段に対応している。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図21ないし図39は、本発明に係る脚型ロボットの第3の実施の形態を示す図である。
まず、本発明を適用する脚車輪型ロボット100の構成を説明する。
図21は、脚車輪型ロボット100の正面図である。
図22は、脚車輪型ロボット100の側面図である。
脚車輪型ロボット100は、図21および図22に示すように、基体10と、基体10に連結された4つの脚部12とを有して構成されている。
基体10の前部には、2本の脚部12が回転関節14を介して左右対称の位置に連結されている。また、基体10の後部には、2本の脚部12が回転関節14を介して左右対称の位置に連結されている。回転関節14は、脚車輪型ロボット100の底面と直交する方向を軸方向として回転する。すなわち、ヨー軸回りに回転する。
各脚部12には、2つの回転関節16、18が設けられている。回転関節14は、下方を軸方向として回転し、回転関節16、18は、回転関節14が図21の状態であるときは、脚車輪型ロボット100の側面と直交する方向を軸方向として回転する。すなわち、回転関節14が図21の状態であるときは、ピッチ軸回りに回転し、回転関節14が図21の状態から90度回転した状態であるときは、ロール軸回りに回転する。したがって、脚部12は、それぞれ3自由度を有する。
各脚部12の先端には、回転関節16、18と軸方向を同一にして駆動輪20が回転可能に設けられている。
各脚部12の先端には、脚車輪型ロボット100の移動経路上に存在する物体までの距離を測定する前方脚先センサ22と、接地面までの距離を測定する下方脚先センサ24とが設けられている。
一方、基体10の正面には、3次元距離測定装置200が取り付けられている。3次元距離測定装置200の座標系(以下、センサ座標系という。)は、基体10の奥行き(前後の長さ)方向をxrs軸、基体10の幅(左右の長さ)方向をyrs軸、基体10の高さ方向をzrs軸とし、xrs軸は基体10の前方を、yrs軸は基体10の右方を、zrs軸は基体10の上方をそれぞれ正の方向とする。
さらに、本実施の形態における脚車輪型ロボット100は、上記第1の実施の形態の脚車輪型ロボット100と同様に、各脚部12に力センサ82が設置されており、その設置構造は、上記第1の実施の形態の脚車輪型ロボット100と同様(図4などに示す構造と同様)となっている。
さらに、本実施の形態における脚車輪型ロボット100は、上記第2の実施の形態の脚車輪型ロボット100と同様に、無変向走行制御処理、超信地旋回制御処理および旋回中心オフセット型超信地旋回制御処理を行う機能を有している。
次に、3次元距離測定装置200の外観構造を説明する。
図23は、3次元距離測定装置200の正面図(yrs−zrs平面)である。
図24は、3次元距離測定装置200の側面図(xrs−zrs平面)である。
図25は、3次元距離測定装置200の上面図(yrs−xrs平面)である。
3次元距離測定装置200は、図23ないし図25に示すように、下側支持板204と、下側支持板204の上方に設けられた上側支持板206と、上側支持板206の上方に設けられたカメラ支持板208とを有して構成されている。下側支持板204と上側支持板206、および上側支持板206とカメラ支持板208は、それぞれ複数の支柱により支持されている。
カメラ支持板208は、図24に示すように、下側支持板204および上側支持板206に対してxrs軸の正の方向に迫り出して設けられている。カメラ支持板208の迫り出した部分には、カメラ222が取り付けられている。
下側支持板204の下面には、モータ216が取り付けられている。モータ216の回転軸(以下、駆動回転軸という。)は、下側支持板204を下方から貫通し、下側支持板204と上側支持板206の間に配置されたプーリ220aに連結している。
一方、下側支持板204の下面であってモータ216から水平方向に所定距離隔てた位置には、2次元距離測定装置212が取り付けられている。2次元距離測定装置212は、回転軸(以下、従動回転軸という。)を有し、従動回転軸が下側支持板204を下方から貫通し、下側支持板204と上側支持板206の間に配置されたプーリ220bに連結している。
プーリ220a、220bには、ベルト221が巻き掛けられている。したがって、モータ216によりプーリ220aが回転し、プーリ220aに巻き掛けたベルト221によりプーリ220bが回転することにより、2次元距離測定装置212は、図25に示すように、zrs軸回りに回転する。
図26は、測距センサの走査範囲を示す図である。
2次元距離測定装置212は、測距センサを内蔵し、図26に示すように、測距センサを、zrs軸およびその測定方向に対して直交する軸回りに回転させながら所定の走査単位角度ごとに測距センサの測定結果を取得する。測距センサの走査範囲は、脚車輪型ロボット100が階段の昇降や障害物の回避を行うことを目的としているため、脚車輪型ロボット100の下方を重点的に走査するように設定されている。なお、2次元距離測定装置212および測距センサの原点位置(走査角度θおよびφが0°の位置)においては、測距センサの測定方向がxrs軸と一致し、測距センサの回転軸がyrs軸と一致する。測距センサの回転軸は、2次元距離測定装置212の走査角度によって向きが変化するが、原点位置においてyrs軸と一致するため、説明の便宜上、測距センサの回転軸をyrs’軸と表記する。
3次元距離測定装置200は、2次元距離測定装置212を回転駆動する回転駆動機構(モータ216、エンコーダ218、プーリ220a、220b、ベルト221および下側支持板204)が、図26に示す走査範囲外に設けられているため、図26に示す走査範囲であれば、3次元距離測定装置200を構成する各機構部によって、測距センサ212aの走査が阻害されない。
また、脚車輪型ロボット100の走行経路上の障害物を認識できればよいので、zrs軸回りの回転駆動による走査範囲も、前方180°までをカバーする必要はなく、2次元距離測定装置212から水平方向に所定距離隔てて配置されたモータ216およびエンコーダ218を走査範囲外とする範囲でも十分である。したがって、2次元距離測定装置212の回転駆動範囲を、モータ216およびエンコーダ218を含まない範囲とする。
次に、脚車輪型ロボット100の移動制御システムを説明する。
図27は、脚車輪型ロボット100の移動制御システムを示すブロック図である。
各脚部12の回転関節14〜18には、図27に示すように、回転関節14〜18を回転駆動する関節モータ40がそれぞれ設けられている。各関節モータ40には、関節モータ40の回転角度位置を検出するエンコーダ42と、モータ指令信号およびエンコーダ42の出力信号に基づいて関節モータ40の駆動を制御するドライバ44が設けられている。
各脚部12の駆動輪20には、駆動輪20を回転駆動する車輪モータ50がそれぞれ設けられている。各車輪モータ50には、車輪モータ50の回転角度位置を検出するエンコーダ52と、モータ指令信号およびエンコーダ52の出力信号に基づいて車輪モータ50の駆動を制御するドライバ54が設けられている。
脚車輪型ロボット100は、さらに、CPU60と、脚車輪型ロボット100の姿勢を検出する3軸姿勢センサ70と、外部のPC等と無線通信を行う無線通信部74と、無線通信部74とCPU60の入出力を中継するハブ76と、警告音等を出力するスピーカ78とを有して構成されている。
3軸姿勢センサ70は、ジャイロ若しくは加速度センサ、またはその両方を有し、地軸に対して脚車輪型ロボット100の姿勢の傾きを検出する。
CPU60は、モータ指令出力I/F61を介してドライバ44、54にモータ指令信号を出力し、角度取込I/F62を介してエンコーダ42、52の出力信号を入力する。また、センサ入力I/F63を介して、3次元距離測定装置200、前方脚先センサ22、下方脚先センサ24および3軸姿勢センサ70からそれぞれセンサ信号を入力する。また、通信I/F64を介してハブ76と信号の入出力を行い、サウンド出力I/F65を介してスピーカ78に音声信号を出力する。
次に、2次元距離測定装置212の制御構造を説明する。
図28は、2次元距離測定装置212の制御構造を示すブロック図である。
2次元距離測定装置212は、図28に示すように、測定範囲内に存在する物体上の測定点までの距離を測定する測距センサ212aと、測距センサ212aを回転駆動するモータ212cと、モータ212cの回転角度位置を検出するエンコーダ212dと、指令信号およびエンコーダ212dの出力信号に基づいてモータ212cの駆動を制御するドライバ212bとを有して構成されている。
ドライバ212bは、センシングプロセッサ210からの指令信号において設定された走査角度範囲(例えば、−40°〜+40°等の所定の角度範囲)および走査単位角度(例えば、0.36°等の所定の単位角度)に基づいて、モータ212cの回転軸を走査単位角度ずつ回転させる制御を行う。
モータ212cは、測距センサ212aのレーザ出力部(不図示)および受光部(不図示)をyrs’軸回りに回転駆動するように設けられており、ドライバ212bからの制御信号に応じて、自己の回転軸を走査単位角度(Δθ)ずつ回転駆動する。
次に、3次元距離測定装置200の制御構造を説明する。
図29は、3次元距離測定装置200の制御構造を示すブロック図である。
3次元距離測定装置200は、図29に示すように、センシングプロセッサ210と、2次元距離測定装置212と、モータ216と、エンコーダ218と、指令信号およびエンコーダ218の出力信号に基づいてモータ216の駆動を制御するドライバ214と、カメラ222とを有して構成されている。
センシングプロセッサ210は、専用のプログラムを実行し、ドライバ212bに指令信号を与えて測距センサ212aを回転させ、測距センサ212aの走査範囲で測定可能な領域(以下、走査平面という。)内に存在する物体上の測定点までの距離を測定する第1走査処理を実行するとともに、1つの走査平面に対する第1走査処理が終了するごとに、ドライバ214に指令信号を与えて2次元距離測定装置212を回転させる第2走査処理を実行する。
センシングプロセッサ210は、さらに、第1走査処理および第2走査処理を経て2次元距離測定装置212で測定した距離の情報(以下、距離情報という。)に基づいて、測定範囲内に存在する物体上の連続面を認識する処理を実行する。
次に、3次元距離測定装置200の距離測定の原理を説明する。
図30は、2次元距離測定装置212の距離測定の原理を説明するための図である。
2次元距離測定装置212は、測距センサ212aが、モータ212cの回転軸の回転駆動に応じて、yrs’軸回りに走査単位角度ずつ回転し、かつ、回転するごとに、図30に示すように、レーザ出力部からレーザ光を出力するとともに、出力光に対する物体(図30中の障害物)からの反射光を受光部で受光し、各走査角度に応じた距離(図30中の測定距離L(物体と受光部との間の距離))を測定する。
図31は、第1走査処理および第2走査処理により走査を行った場合を示す図である。同図(a)は、測距センサ212aをyrs’軸回りに回転させたときの測定距離Lと走査角度θとの関係を示す図であり、同図(b)は、2次元距離測定装置212をzrs軸回りに回転させたときの走査平面と走査角度φとの関係を示す図である。
第1走査処理は、例えば、図31(a)に示すように、測距センサ212aをyrs’軸回りに走査単位角度ずつ回転させながら、原点位置に対する各走査角度(図31(a)中のθ1、θ2、θ3)に応じた距離情報(図31(a)中のL(θ1)、L(θ2)、L(θ3))を測定する処理となる。
また、第1走査処理における、モータ212cの回転軸の回転中心と、レーザの走査軌道線の両端とを結んで形成される平面が、走査平面(物体が存在しない場合は扇形の平面)となる。
ドライバ214は、センシングプロセッサ210からの指令信号において設定された走査角度範囲および走査単位角度(Δφ)に基づいて、モータ216の回転軸を走査単位角度ずつ回転させる制御を行う。
モータ216は、減速機(不図示)、プーリ220a、220bおよびベルト221を介して、2次元距離測定装置212をzrs軸回りに回転駆動するように設けられており、ドライバ214からの制御信号に応じて、自己の回転軸を走査単位角度ずつ回転駆動する。これにより、モータ216の回転軸の回転駆動に応じて、プーリ220a、220bを介して従動回転軸に回転駆動力が伝達され、2次元距離測定装置212がzrs軸回りに走査単位角度ずつ回転する。
すなわち、第2走査処理は、図31(b)に示すように、2次元距離測定装置212をzrs軸回りに走査単位角度ずつ回転させる処理となる。そして、第1走査処理と第2走査処理とを交互に連続して行うことにより、第1走査処理によって形成される走査平面をzrs軸回りに連続して形成する。
図32は、3次元距離測定装置200の距離の計測例を示す図である。
これにより、例えば、図32に示すように、壁、ついたて、スタンド、棚等の物体の立体的な形状を把握することができる。
また、図31(b)に示すように、第2走査処理後の各測定点の距離情報をL(θi,φj)と表記する。ここで、iは、yrs’軸回りの走査角度に応じて各測定点に付与される通し番号であり、jは、zrs軸回りの走査角度に応じて各測定点に付与される通し番号である。
次に、3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を説明する。
図33は、3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を示すフローチャートである。
物体認識処理は、CPU60からの指令信号に基づいて、センシングプロセッサ210が、ROM(不図示)に記憶された専用のプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することで実現される処理であって、処理が実行されると、図33に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、3次元距離測定装置200において、CPU60からの指令信号に基づいて、測距センサ212aおよび2次元距離測定装置212の走査角度範囲および走査単位角度を設定し、ステップS202に移行する。ここで、CPU60からの指令信号には、走査角度範囲および走査単位角度の情報が含まれている。
ステップS202では、2次元距離測定装置212に指令信号を出力することにより、ドライバ212b、モータ212cおよびエンコーダ212dを駆動し、測距センサ212aを、ステップS200で設定されたyrs’軸回りの走査角度範囲内において、ステップS200で設定された走査単位角度ずつyrs’軸回りに回転させるとともに、各走査角度に応じた距離情報を測定する第1走査処理を実行し、ステップS204に移行する。
ステップS204では、ステップS202で測定した距離情報に対して、メディアンフィルタを用いたフィルタリング処理を実行してノイズ成分を除去し、ステップS206に移行する。
ステップS206では、ステップS204でノイズ除去後の回転座標系の距離情報を直交座標系の座標情報に変換する。これにより、第1走査処理で得られた各測定点の距離情報は、その第1走査処理の走査平面を2次元平面とする直交座標系(以下、走査平面座標系という。)の座標情報に変換される。
次いで、ステップS210に移行して、ステップS206で変換された座標情報に基づいてハフ変換により直交座標系における線分を検出する。
図34は、ハフ変換の原理を説明するための図である。同図(a)は、x−y平面を示し、同図(b)は、ρ−θ平面を示す。なお、同図(a)のx軸、y軸は、走査平面座標系における軸を示し、センサ座標系における軸とは別個のものである。
ハフ変換は、デジタル画像処理で用いられる特徴抽出法の一つである。古典的には直線の検出を行うものだったが、さらに一般化されて様々な形態(円や楕円等の方程式の形で表現できるもの)に対して用いられている。ハフ変換の特徴は、画像中の直線が途中で切断されている場合や、雑音が存在する場合でも、比較的良好な結果を得ることができる点である。
図34(a)に示すように、走査平面座標系における直線ax+by+c=0を考える。
この直線から原点に垂線を下ろし、垂線の長さをρ、垂線とx軸とのなす角をθとしたとき、この直線は、下式(13)により表すことができる。
Figure 2009096335
上式(13)は、下式(14)に変形することができる。

ρ=xcosθ+ysinθ …(14)

したがって、1組の(ρ、θ)に対して1本の直線が対応することとなる。ここで、点(ρ、θ)を直線ax+by+c=0のハフ変換と呼ぶ。また、走査平面座標系の任意の点(x0、y0)を通る直線群は、下式(15)により表すことができる。

ρ=x0cosθ+y0sinθ …(15)

ここで、x−y平面において3点P1、P2、P3を通るそれぞれの直線群の軌跡をρ−θ平面に描くと、図34(b)に示すように正弦曲線となる。この3点がx−y平面において同一直線上に存在するのであれば、ρとθの値は同一となり、ρ−θ平面において、3点に対応する曲線は1点で交わることになる。
ハフ変換の原理を利用すれば、複数の測定点の座標に基づいて線分を検出することができる。すなわち、n(n≧2)個の測定点に対して、ρ−θ平面上ではn個の曲線が描かれ、このうちm(n≧m≧2)個の曲線が1点で交わっていれば、このm個の曲線に対応するm個の測定点は、x−y平面において同一直線上にあるということになる。
次いで、図33に示すように、ステップS220に移行して、検出した線分の端点を連続面の境界(凹凸のエッジ)として判定する。複数の線分が重なり合っているとき、または複数の線分が所定距離内に存在するときは、1つの線分であるとみなし、それら線分の端点のうち最も離れた2点を連続面の境界として判定する。
次いで、ステップS224に移行して、連続面の境界として判定した端点の座標情報をセンサ座標系に変換し、変換された座標情報を各線分ごとに対応付けてRAM等のメモリ(不図示)に記憶し、ステップS226に移行する。
ステップS226では、第2走査処理の走査角度範囲および走査単位角度に対応するすべての走査平面についてステップS202〜S224の処理が終了したか否かを判定し、処理が終了したと判定したとき(Yes)は、ステップS236に移行する。
ステップS236では、メモリに記憶された座標情報に基づいて面データを生成する。連続面の境界として判定した端点を結ぶ線分(ステップS220で、1つの線分であるとみなしたもの)は、連続面と走査平面が交わる交線であるので、面データの生成は、例えば、ある走査平面において、連続面の境界として判定した端点を結ぶ線分と、zrs軸回りに隣接する走査平面において、連続面の境界として判定した端点を結ぶ線分との傾きおよび座標が所定範囲にあるものを連続面と判定し、それら線分に対応する座標情報を対応付けたり、公知の補間法を用いてつなぎ合わせたりすることにより行う。例えば、傾きが0に近い連続面は、水平面とみなすことができるので、そこが歩行可能な面であると判定することができる。
次いで、ステップS238に移行して、ハブ76および通信I/F64を介して、ステップS236で生成した面データをCPU60に出力し、一連の処理を終了する。
一方、ステップS226で、すべての走査平面についてステップS202〜S224の処理が終了しないと判定したとき(No)は、ステップS240に移行して、3次元距離測定装置200に指令信号を出力することにより、ドライバ214、モータ216およびエンコーダ218を駆動し、2次元距離測定装置212を、ステップS200で設定されたzrs軸回りの走査角度範囲内において、ステップS200で設定された走査単位角度ずつzrs軸回りに回転させる第2走査処理を実行し、ステップS202に移行する。
次に、CPU60で実行される処理を説明する。
CPU60は、ROM等の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、その制御プログラムに従って、図35のフローチャートに示す昇降制御処理を実行する。
図35は、昇降制御処理を示すフローチャートである。
昇降制御処理は、脚部12の昇降制御を行う処理であって、CPU60において実行されると、まず、図35に示すように、ステップS300に移行する。
ステップS300では、3次元距離測定装置200から面データを入力し、ステップS302に移行して、入力した面データに基づいて、センサ座標系における各測定点の座標をグローバル座標系の座標に変換し、連続面の周縁上の点を階段の特徴点として検出する。
次いで、ステップS304に移行して、検出した階段の特徴点に基づいて階段の幅を算出し、ステップS306に移行して、検出した階段の特徴点に基づいて階段の段鼻部の実座標を算出し、ステップS308に移行する。
ステップS308では、算出した階段の幅および段鼻部の実座標、並びに3軸姿勢センサ70のセンサ信号に基づいて逆運動学計算および重心計算を行い、ステップS310に移行して、ステップS308の計算結果に基づいて脚先(駆動輪20)の着地位置を決定し、ステップS312に移行する。
ステップS312では、前方脚先センサ22および下方脚先センサ24からそれぞれセンサ信号を入力し、ステップS314に移行して、入力した前方脚先センサ22のセンサ信号に基づいて蹴込板までの距離を算出し、ステップS316に移行して、入力した下方脚先センサ24のセンサ信号に基づいて脚先と踏板の位置関係を算出し、ステップS318に移行する。
ステップS318では、決定した着地位置および算出した両距離に基づいてドライバ44、54へのモータ指令信号を生成し、ステップS320に移行して、生成したモータ指令信号をドライバ44、54に出力し、ステップS322に移行する。
ステップS322では、脚先が踏板に着地したか否かを判定し、脚先が着地したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS322で、脚先が着地しないと判定したとき(No)は、ステップS312に移行する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
脚車輪型ロボット100の移動経路上に階段が存在し、これを乗り越える場合を説明する。
センシングプロセッサ210では、まず、ステップS200を経て、CPU60からの指令信号に基づいて、センシングプロセッサ210において走査角度範囲および走査単位角度が設定される。
ここで、2次元距離測定装置212は、測距範囲20〜4095[mm]、最大走査角度範囲240°、角度分解能0.36°の2次元レンジセンサであることとする。走査角度範囲が240°であれば、図32に示す走査平面を形成する走査角度範囲と同じとなり、2次元距離測定装置212の上方にある下側支持板204、プーリ220a、220bおよびベルト221が走査範囲に含まれないことになる。
また、第1走査処理に対して、走査角度範囲240°および走査単位角度0.36°が設定され、第2走査処理に対して、走査角度範囲−40°〜+40°および走査単位角度10°が設定されたとする(この場合は、走査平面が9つ形成される)。走査角度範囲−40°〜+40°であれば、2次元距離測定装置212から水平方向に所定距離隔てて配置されたモータ216およびエンコーダ218が走査範囲に含まれないことになる。
次いで、ステップS202を経て、第1走査処理に対して設定された走査角度範囲および走査単位角度に基づいて、ドライバ212bに指令信号が出力されることにより第1走査処理が実行される。最初は、zrs軸回りの走査角度φが0°の位置(原点位置)に対する第1走査処理が実行される。
その結果、ドライバ212bにより、センシングプロセッサ210からの指令信号およびエンコーダ212dからの出力信号に基づいて、モータ212cの回転軸が回転駆動し、測距センサ212aがyrs’軸回りに走査単位角度Δθ=0.36°ずつ回転するとともに、各走査角度に応じた距離が測定される。各距離情報は、データ列L(θi,φj)としてセンシングプロセッサ210に出力される。
なお、yrs’軸回りの走査範囲内には、基体10以外に、2次元距離測定装置212の駆動機構等の走査を阻害する物が一切存在しないため、走査範囲内に存在する物体の正確な距離情報を得ることができる。
1つの走査平面に対する第1走査処理が終了すると、ステップS204を経て、第1走査処理で測定された距離情報に対してフィルタリング処理が行われる。これにより、測定情報におけるノイズ成分が除去される。
図36は、第1走査処理による測定結果を示すグラフである。
ここで、ノイズ成分除去後の各測定点の測定距離L[mm]は、例えば、図36に示すようになる。図36において、横軸は、各走査角度に応じた測定点の番号(第1走査角度番号)であり、縦軸は、各走査角度番号の測定点に対する測定距離L[mm]である。
図36の例では、脚車輪型ロボット100の歩行経路上に、段差が一定でかつ踏板が連続面となっている階段が存在することが分かる。
次いで、ステップS206を経て、フィルタリング処理後の回転座標系の距離情報が直交座標系の座標情報に変換される。
図37は、図36の各測定点の回転座標系の距離情報を直交座標系の座標情報に変換した結果を示すグラフである。
図36の各測定点の回転座標系の距離情報は、座標変換により、図37に示すように、各走査角度に対応するxrs軸方向の距離[mm]とzrs軸方向の距離[mm]とで表される2次元の座標情報となる。図37において、横軸は、xrs軸方向の距離Lx[mm]であり、縦軸は、zrs軸方向の距離Lz[mm]である。
次いで、ステップS210を経て、変換された座標情報に基づいてハフ変換により直交座標系における線分が検出される。
図38は、直交座標系における測定点およびハフ変換の結果を示すグラフである。
直交座標系において各測定点は、図38(a)に示すように、蹴込板および踏板の輪郭に沿った複数の点の集合として表される。図38(a)の例では、1段目の踏板に対応する領域において、いくつかの測定点が連続面から外れた領域に分布しているが、これは、測定面である踏板の光沢等の影響により測定結果にばらつきが生じたものであり、誤差領域A1である。また、領域A2は、他の領域と比べて測定解像度が低くなっている。
この測定結果に対してハフ変換を行うと、図38(b)に示すように、各踏板の輪郭に沿った線分が検出される。
複数の測定点に基づいて線分を検出する他の方法として、最小二乗法が知られている。
しかしながら、最小二乗法では、1つ1つの測定点を辿って線分を検出するため、低解像度領域A2では、踏板の輪郭とは沿わない線分を検出してしまうことがある。これに対し、ハフ変換では、測定解像度の影響を受けにくく、低解像度領域A2を含んでいても、図38(b)に示すように、踏板の輪郭に比較的沿った線分を検出することができる。
また、最小二乗法では、1つ1つの測定点を辿って線分を検出するため、誤差領域A1について、実際は平坦な線分であるところ斜めの線分として検出してしまう。これに対し、ハフ変換では、ばらつきの影響を受けにくく、ばらつきの数が少なければ、図38(b)に示すように、誤差領域A1およびその両側の領域を平坦な線分として検出することができる。
また、最小二乗法では、どこからどこまでの領域を1つの連続面であるかを認識するかについて問題がある。この場合、例えば、検出した線分の傾きが急激に変化した箇所を連続面の境界として認識することが考えられるが、この認識方法では、誤差領域A1について、実際は誤差領域A1およびその両側の領域が1つの連続面であるところ両側の領域を別々の連続面として認識してしまう。これに対し、ハフ変換では、ばらつきの影響を受けにくく、ばらつきの数が少なければ、図38(b)に示すように、誤差領域A1およびその両側の領域を1つの平坦な線分として検出することができる。
次いで、ステップS220、S224を経て、検出された線分の端点が連続面の境界として判定され、連続面の境界として判定された端点の座標情報がセンサ座標系に変換され、変換された座標情報がメモリに記憶される。
1つの走査平面について測定が終了すると、ステップS240を経て、第2走査処理に対して設定された走査角度範囲および走査単位角度に基づいて、ドライバ214に指令信号が出力されることにより第2走査処理が実行される。
その結果、ドライバ214により、センシングプロセッサ210からの指令信号およびエンコーダ218からの出力信号に基づいて、モータ216の回転軸が回転駆動し、2次元距離測定装置212がzrs軸回りに走査単位角度10°ずつ回転する。第2走査処理によって、2次元距離測定装置212の向きが1つ前の状態に対してzrs軸回りに10°だけ変化する。そして、この状態で、ステップS202を経て、第1走査処理が再び実行される。すなわち、zrs軸回りに10°ずれた位置に新たな走査平面が形成され、この走査平面について第1走査処理が実行される。
ここで、2次元距離測定装置212が基体10の正面に取り付けられているため、基体10が走査範囲内に含まれてしまうが、脚車輪型ロボット100の前方および歩行経路上を含む範囲においては阻害物が一切ないため、脚車輪型ロボット100の歩行制御を行うのに十分な走査範囲が確保できているといえる。
すべての走査平面について測定が終了すると、ステップS236を経て、メモリに記憶された座標情報に基づいて面データが生成される。
図39は、連続面の判定結果を示す図である。
面データは、図39に示すように、zrs軸回りに隣接する走査平面間において、傾きおよび座標が近い線分をつなぎ合わせることで生成される。図39の例では、例えば、走査平面φ0において、1段目の踏板に対応する領域(φ0、2)の線分と、走査平面φ1において、1段目の踏板に対応する領域(φ1、2)の線分とが1つの連続面を構成すると判定されるので、その連続面については、それら線分の端点の座標情報を対応付けた面データが生成される。
なお、同様に、走査平面φ0における領域(φ0、2i(iは2以上の整数))の線分および走査平面φ1における領域(φ1、2i)の線分が1つの連続面を、走査平面φ0における領域(φ0、2j(jは1以上の整数)−1)の線分および走査平面φ1における領域(φ1、2j−1)の線分が1つの連続面を構成すると判定され、面データが生成される。
面データは、ステップS238を経て、ハブ76および通信I/F64を介してCPU60に出力される。
CPU60では、面データを入力すると、ステップS302を経て、入力された面データに基づいて階段の特徴点が検出される。また、入力された面データが解析され、例えば、傾きが0に近い連続面が水平面とみなされ、脚車輪型ロボット100が歩行可能な面であると判定される。
歩行可能な面であると判定されると、ステップS304〜S310を経て、検出された階段の特徴点に基づいて階段の幅および段鼻部の実座標が算出され、算出された階段の幅および段鼻部の実座標に基づいて脚先の着地位置が決定される。
さらに、ステップS312〜S316を経て、脚先センサ22、24からそれぞれセンサ信号が入力され、蹴込板までの距離および脚先と踏板の位置関係が算出される。そして、ステップS318、S320を経て、決定された着地位置および算出された両距離に基づいてモータ指令信号が生成され、生成されたモータ指令信号がドライバ44、54に出力される。これにより、駆動輪20が回転するとともに回転関節14〜18が駆動し、脚車輪型ロボット100が姿勢を適切に保ちつつ階段を乗り越える。また、状況によっては階段を回避、停止する。したがって、脚型ロボットと同様に階段への適応性が高い。
なお、段差が一定でかつ踏板が連続面となる階段を例に挙げたが、段差が一定でない階段、蹴込板の無い階段等に対しても、正確にその面を認識することができるので、脚車輪型ロボット100の階段への適応性を高めることができる。
一方、平地では、脚車輪型ロボット100は、車輪走行で移動することができる。したがって、車輪型ロボットと同様に平地での移動性が高い。
このようにして、本実施の形態では、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサ212aを備え、測距センサ212aを走査し、その走査範囲で測定可能な測定点について測距センサ212aの測定結果を取得し、取得した測定結果を直交座標系の座標に変換し、変換された少なくとも2つの測定点の座標に基づいてハフ変換により直交座標系における線分を検出し、検出した線分に基づいて連続面または連続面の境界を認識する。
これにより、連続面または連続面の境界として物体の少なくとも平面的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボット100のように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。また、ハフ変換により線分を検出するので、測距センサ212aを用いた2次元距離測定装置212により物体認識を行う場合に、測定解像度の低下または測定結果のばらつきにより認識精度が低下する可能性を低減することができる。
さらに、最小二乗法に比して、検出が困難となるエッジに対してロバストな検出が可能となる。
さらに、本実施の形態では、検出した線分の端点の座標に基づいて連続面または連続面の境界を認識する。
これにより、連続面または連続面の境界を比較的正確に認識することができる。
さらに、本実施の形態では、測距センサ212aをyrs’軸回りに回転させるモータ212c等からなるyrs’軸回転機構と、測距センサ212aをzrs軸回りに回転させるモータ216等からなるzrs軸回転機構とを備え、yrs’軸回転機構により測距センサ212aを回転させながらyrs’軸回転機構の走査単位角度ごとに測距センサ212aの測定結果を取得する第1走査を、zrs軸回転機構により測距センサ212aを回転させながらzrs軸回転機構の走査単位角度ごとに行う第2走査を行うことにより、yrs’軸回転機構の走査単位角度ごとおよびzrs軸回転機構の走査単位角度ごとの測定結果を取得する。
これにより、連続面または連続面の境界として物体の立体的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボット100のように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御にさらに好適な認識結果を得ることができる。また、測距センサ212aを回転させる回転機構を採用したので、移動機構に比して、走査に必要なスペースが小さくてすみ、走査のための機構が簡素となり、しかも高速な走査を実現することができる。
さらに、本実施の形態では、モータ216およびエンコーダ218と、2次元距離測定装置212とを水平方向に所定距離隔てて配置し、駆動回転軸の回転駆動力を、プーリ220a、ベルト221およびプーリ220bを介して従動回転軸へと伝達し、2次元距離測定装置212をzrs軸回りに回転駆動する構成とした。
これにより、2次元距離測定装置212の走査角度範囲内には、走査を阻害するものが一切なくなるので、正確な距離情報を得ることができる。また、モータ216およびエンコーダ218と、2次元距離測定装置212とを水平方向に配置したので、3次元距離測定装置200の高さ方向の占有率を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、脚先センサ22、24を備え、脚先センサ22、24で測定した距離に基づいて階段を認識し、その認識結果に基づいてモータ40、50を制御する。
これにより、脚先センサ22、24を用いて未知の階段を認識しながら脚部12の昇降制御を行うので、従来に比して、未知の階段に対して高い適応性を実現することができる。また、人が活動する環境での動作を行えるので、人と一緒に行動する用途に用いられるホームロボット、パーソナルロボット等に好適である。
さらに、本実施の形態では、3次元距離測定装置200を基体10の正面に設け、脚先センサ22、24を脚部12の先端に設けた。
これにより、脚車輪型ロボット100の移動経路上に存在する物体を広い視野で検出することができるとともに、階段昇降時に駆動輪20と階段の距離を精度よく測定することができる。
さらに、本実施の形態では、前方脚先センサ22の測定結果に基づいて階段の蹴込板までの距離を算出し、下方脚先センサ24の測定結果に基づいて駆動輪20と階段の踏板の位置関係を算出する。
これにより、階段の特徴のうち脚部12の昇降制御にさらに有効な特徴を検出することができるので、未知の階段に対してさらに高い適応性を実現することができる。
上記第3の実施の形態において、ステップS202、S240は、発明1、4若しくは6の測定結果取得手段に対応し、ステップS206は、発明1の座標変換手段に対応している。また、ステップS210は、発明1、3若しくは5の線分検出手段に対応し、ステップS220、S236は、発明1、3若しくは5の認識手段に対応している。
また、上記第3の実施の形態において、yrs’軸は、発明6の第1走査軸に対応し、zrs軸は、発明6の第2走査軸に対応し、yrs’軸回転機構は、発明4若しくは6の第1走査手段、または発明6の第1回転手段に対応し、zrs軸回転機構は、発明4若しくは6の第2走査手段、または発明6の第2回転手段に対応している。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図40および図41は、本発明に係る脚型ロボットの第4の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、上記第3の実施の形態に対して、直交座標系において、測定点間を線分で接続した上でハフ変換を行う点が異なる。なお、以下、上記第3の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第3の実施の形態と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
まず、3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を説明する。
図40は、3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を示すフローチャートである。
物体認識処理は、センシングプロセッサ210において実行されると、図40に示すように、ステップS200〜S206を経て、ステップS208に移行する。
ステップS208では、ステップS206で変換された座標情報に基づいて、走査平面座標系においてx軸方向に隣接する測定点の間を線分で接続し、ステップS210に移行して、得られた線上の点の座標情報に基づいてハフ変換により直交座標系における線分を検出する。
そして、ステップS220、S224を経て、ステップS226に移行して、すべての走査平面についてステップS202〜S224の処理が終了したか否かを判定し、処理が終了したと判定したとき(Yes)は、ステップS236、S238を経て、一連の処理を終了する。
一方、ステップS226で、すべての走査平面についてステップS202〜S224の処理が終了しないと判定したとき(No)は、ステップS240を経て、ステップS202に移行する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
脚車輪型ロボット100の移動経路上に階段が存在し、これを乗り越える場合を説明する。上記第3の実施の形態とは、ハフ変換により線分を検出する点が異なるので、異なる部分についてのみ説明する。
ステップS208、S210を経て、変換された座標情報に基づいて測定点間が線分で接続され、得られた線上の点の座標情報に基づいてハフ変換により直交座標系における線分が検出される。
図41は、直交座標系における測定点、線分接続の結果およびハフ変換の結果を示すグラフである。
直交座標系において各測定点は、図41(a)に示すように、蹴込板および踏板の輪郭に沿った複数の点の集合として表される。図41(a)の例では、1段目の踏板に対応する領域において、いくつかの測定点が連続面から外れた領域に分布しているが、これは、測定面である踏板の光沢等の影響により測定結果にばらつきが生じたものであり、誤差領域A1である。また、領域A2は、他の領域と比べて測定解像度が低くなっている。
この測定結果に対して線分接続を行うと、図41(b)に示すように、各測定点が1つの線で接続される。これにより、測定点が存在しない測定点間は、線上の点で補間されることになる。
この接続結果に対してハフ変換を行うと、図41(c)に示すように、各蹴込板および各踏板の輪郭に沿った線分が検出される。
なお、線分接続を行わず、図41(a)の測定結果に対してハフ変換を行うと、図44(b)に示すように、各踏板の輪郭に沿った線分が検出されるが、各蹴込板に沿った線分は検出することができない。
このようにして、本実施の形態では、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサ212aを備え、測距センサ212aを走査し、その走査範囲で測定可能な測定点について測距センサ212aの測定結果を取得し、取得した測定結果を直交座標系の座標に変換し、変換された測定点間を線分で接続し、得られた線上の点の座標に基づいてハフ変換により直交座標系における線分を検出し、検出した線分に基づいて連続面または連続面の境界を認識する。
これにより、物体上の連続面または連続面の境界として物体の少なくとも平面的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボット100のように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。また、ハフ変換により線分を検出するので、測距センサ212aを用いた2次元距離測定装置212により物体認識を行う場合に、測定解像度の低下または測定結果のばらつきにより認識精度が低下する可能性を低減することができる。さらに、測定点間を線分で接続して得られた線上の点の座標に基づいて線分を検出するので、測定解像度の低下または測定結果のばらつきが生じても比較的正確な認識結果を得ることができ、認識精度が低下する可能性をさらに低減することができる。
さらに、最小二乗法に比して、検出が困難となるエッジに対してロバストな検出が可能となる。
上記第4の実施の形態において、ステップS202、S232は、発明2の測定結果取得手段に対応し、ステップS206は、発明2の座標変換手段に対応し、ステップS210は、発明2の線分検出手段に対応している。また、ステップS220、S228は、発明2の認識手段に対応している。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図42ないし図49は、本発明に係る脚型ロボットの第5の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、上記第3の実施の形態に対して、測距センサ212aの測定結果およびカメラ222から取得した画像(以下、カメラ画像という。)に基づいて連続面の境界を認識する点が異なる。なお、以下、上記第3の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第3の実施の形態と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
まず、3次元距離測定装置200の外観構造を説明する。
カメラ222は、zrs軸の負の方向を向いており、脚車輪型ロボット100の足元およびその周辺の画像を撮影することができる。カメラ222の座標系(以下、カメラ座標系という。)は、センサ座標系と同様に、xrs軸、yrs軸、zrs軸と同一方向をそれぞれxca軸、yca軸、zca軸とし、センサ座標系とは原点位置が異なる。すなわち、カメラ222は、センサ座標系におけるxrs−yrs平面と、カメラ座標系におけるxca−yca平面とが平行となるように配置されている。なお、xrs−zrs平面とxca−zca平面、およびyrs−zrs平面とyca−zca平面も同様に平行の関係にある。
次に、3次元距離測定装置200の制御構造を説明する。
センシングプロセッサ210は、さらに、測距センサ212aの測定結果およびカメラ画像に基づいて連続面の境界を認識する処理を実行する。
次に、カメラ222および3次元距離測定装置200を用いた物体認識の原理を説明する。
図42は、カメラ222および3次元距離測定装置200を用いた物体認識の原理を説明するための図である。
まず、図42に示すように、カメラ222により、脚車輪型ロボット100の足元およびその周辺の画像を撮影し、カメラ画像から線分を検出する。
次いで、3次元距離測定装置200により、各走査平面ごとに測定された測定点の座標から連続面の境界をセンサ特徴点として判定し、座標変換によりセンサ特徴点をカメラ画像に投影する。
そして、カメラ画像から検出した線分(以下、カメラ画像の線分という。)と、センサ特徴点の投影点との位置関係に基づいて連続面の境界を認識する。
これにより、3次元距離測定装置200により得られたセンサ特徴点にのみ基づいて認識を行う場合、およびカメラ画像にのみ基づいて認識を行う場合よりも、認識精度を向上することができる。
次に、3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を説明する。
図43は、3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を示すフローチャートである。
物体認識処理は、センシングプロセッサ210において実行されると、図43に示すように、まず、ステップS150に移行する。
ステップS150では、カメラ222から画像を取得し、ステップS152に移行して、カメラ画像に対して歪み補正処理を実行し、ステップS154に移行して、歪み補正されたカメラ画像からSobel、Cannyフィルタ等によりエッジを抽出するエッジ抽出処理を実行し、ステップS156に移行して、エッジ抽出されたカメラ画像からハフ変換により線分を検出する。
次いで、ステップS200〜S220を経て、ステップS224に移行して、連続面の境界として判定した端点の座標情報をセンサ座標系に変換し、変換された座標情報をメモリに記憶し、ステップS226に移行する。
ステップS226では、第2走査処理の走査角度範囲および走査単位角度に対応するすべての走査平面についてステップS202〜S224の処理が終了したか否かを判定し、処理が終了したと判定したとき(Yes)は、ステップS228に移行する。
ステップS228では、メモリに記憶された座標情報に基づいて、連続面の境界として判定した端点をセンサ特徴点とし、座標変換によりセンサ特徴点をカメラ画像に投影する。
図44は、センサ座標系、カメラ座標系およびカメラ222の撮像素子面の座標系を示す図である。
センサ特徴点は、一般的なピンホールモデルを用いてカメラ画像に投影することができる。
カメラ222の撮像素子面の座標系をΣcm、測距センサ212aとカメラ222との相対位置をr=(rx、ry、rz)、カメラ222のレンズの焦点距離をf、撮像素子の有効画素幅をW、撮像素子の有効画素高さをHすると、センサ座標系におけるP(xrs1、yrs1、zrs1)rs=(xrs1−rx、yrs1−ry、zrs1−rz)caは、図44(a)、(b)に示すように、撮像素子面の座標系における座標P’に投影することができる。座標P’は、下式(16)により求めることができる。
Figure 2009096335
なお、図44および上式(16)において、センサ座標系Σrs、カメラ座標系Σca、撮像素子面の座標系Σcmでの座標(a、b、c)をそれぞれ(a、b、c)rs、(a、b、c)ca、(a、b、c)cmと表記する。
次いで、図43に示すように、ステップS230に移行して、カメラ画像において、カメラ画像の各線分ごとに、その線分と、その線分を延長した直線から所定距離内に存在するセンサ特徴点とを対応付け、ステップS232に移行して、同一のセンサ特徴点が対応付けられた線分をグループ化し、ステップS234に移行して、同一グループに属する線分の端点の座標に基づいて連続面の境界線を判定する。
図45は、カメラ画像の線分およびセンサ特徴点の対応付け、グループ化および境界線の判定を行う場合を説明するための図である。
図45(a)に示すように、カメラ画像から傾きが近い2つの線分l1、l2が検出され、線分l1、l2の周辺に4つの投影点P1〜P4が得られたとする。この場合、線分l1を延長した直線から所定距離内に投影点P2、P3、P4が存在するため、同図(b)に示すように、線分l1に対して投影点P2、P3、P4が対応付けられる。また、線分l2を延長した直線から所定距離内に投影点P1、P2、P3が存在するため、線分l2に対して投影点P1、P2、P3が対応付けられる。
次いで、線分l1、l2には、投影点P2、P3が共通して対応付けられているので、線分l1、l2が1つのグループとしてグループ化される。
そして、同一グループに属する線分l1の端点P5、P6および線分l2の端点P7、P8の座標に基づいて、同図(c)に示すように、最小二乗法により直線近似が行われ、得られた直線が連続面の境界線として判定される。
これにより、コントラスト等の影響により、カメラ画像から、実際は一つの線分として検出されるべきところ複数の線分として検出されても、センサ特徴点との対応関係に基づいて複数の線分を1つの線分としてグループ化し、連続面の境界線を判定することができる。
次いで、図43に示すように、ステップS237に移行して、連続面の境界線として判定した直線に関する情報に基づいて境界データを生成し、ステップS239に移行して、ハブ76および通信I/F64を介して、生成した境界データをCPU60に出力し、一連の処理を終了する。
一方、ステップS226で、すべての走査平面についてステップS202〜S224の処理が終了しないと判定したとき(No)は、ステップS240を経て、ステップS202に移行する。
次に、昇降制御処理を説明する。
図46は、昇降制御処理を示すフローチャートである。
昇降制御処理は、CPU60において実行されると、まず、図46に示すように、ステップS301に移行する。
ステップS301では、3次元距離測定装置200から境界データを入力し、ステップS302に移行して、入力した境界データに基づいて、カメラ座標系の座標をグローバル座標系の座標に変換し、連続面の境界線上の点を階段の特徴点として検出する。
次いで、ステップS302〜S320を経て、ステップS322に移行して、脚先が踏板に着地したか否かを判定し、脚先が着地したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS322で、脚先が着地しないと判定したとき(No)は、ステップS312に移行する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
脚車輪型ロボット100の移動経路上に階段が存在し、これを乗り越える場合を説明する。上記第3の実施の形態とは、測距センサ212aの測定結果およびカメラ画像に基づいて連続面の境界を認識する点が異なるので、異なる部分についてのみ説明する。
図47は、カメラ画像の処理結果を示す図である。
センシングプロセッサ210では、まず、ステップS150を経て、カメラ222から画像が取得される。例えば、図47(a)に示すような画像が得られたとする。次いで、ステップS152を経て、カメラ画像に対して歪み補正処理が実行され、同図(b)に示すように、歪みが補正された画像が得られる。次いで、ステップS154を経て、歪み補正されたカメラ画像に対してエッジ抽出処理が実行され、同図(c)に示すように、エッジだけが抽出された画像が得られる。そして、ステップS156を経て、エッジ抽出されたカメラ画像から線分が検出される。その結果、同図(d)に示すように、6つの線分が得られる。
次いで、ステップS200〜S226を経て、すべての走査平面について第1走査処理による測定結果が得られる。
すべての走査平面について測定が終了すると、ステップS228を経て、メモリに記憶された座標情報に基づいて座標変換によりセンサ特徴点がカメラ画像に投影される。
図48は、連続面の判定結果を示す図である。
図49は、センサ特徴点のカメラ画像への投影結果を示す図である。
走査平面φ0については、図48に示すように、(1)床面に対応する領域(φ0、0)と1段目の蹴込板に対応する領域(φ0、1)との交点、(2)領域(φ0、1)と1段目の踏板に対応する領域(φ0、2)との交点、(3)領域(φ0、2)と2段目の蹴込板に対応する領域(φ0、3)との交点、および(4)領域(φ0、3)と2段目の踏板に対応する領域(φ0、4)との交点の4つの交点がセンサ特徴点として判定される。したがって、この4つのセンサ特徴点は、図49に示すように、カメラ画像を中央右上から中央左下にきる走査平面φ0上の投影点としてカメラ画像に投影される。
走査平面φ1については、図48に示すように、(1)床面に対応する領域(φ1、0)と1段目の蹴込板に対応する領域(φ1、1)との交点、(2)領域(φ1、1)と1段目の踏板に対応する領域(φ1、2)との交点、(3)領域(φ1、2)と2段目の蹴込板に対応する領域(φ1、3)との交点、および(4)領域(φ1、3)と2段目の踏板に対応する領域(φ1、4)との交点の4つの交点がセンサ特徴点として判定される。したがって、この4つのセンサ特徴点は、図49に示すように、カメラ画像を中央真上から中央真下にきる走査平面φ1上の投影点としてカメラ画像に投影される。
走査平面φ2については、図48に示すように、(1)床面に対応する領域(φ2、0)と1段目の蹴込板に対応する領域(φ2、1)との交点、(2)領域(φ2、1)と1段目の踏板に対応する領域(φ2、2)との交点、(3)領域(φ2、2)と2段目の蹴込板に対応する領域(φ2、3)との交点、および(4)領域(φ2、3)と2段目の踏板に対応する領域(φ2、4)との交点の4つの交点がセンサ特徴点として判定される。したがって、この4つのセンサ特徴点は、図49に示すように、カメラ画像を中央左上から中央右下にきる走査平面φ2上の投影点としてカメラ画像に投影される。
次いで、ステップS230〜S234を経て、カメラ画像において、カメラ画像の線分とセンサ特徴点が対応付けられ、同一のセンサ特徴点が対応付けられた線分がグループ化され、同一グループに属する線分の端点の座標に基づいて直線近似により連続面の境界線が判定される。図49の例では、カメラ画像の線分と各投影点の位置関係から2つの直線が連続面の境界線として判定される。
そして、ステップS237、S239を経て、連続面の境界線として判定された直線に関する情報に基づいて境界データが生成され、生成された境界データがCPU60に出力される。
CPU60では、境界データを入力すると、ステップS302を経て、入力された境界データに基づいて階段の特徴点が検出される。また、入力された境界データが解析され、例えば、傾きが0に近い連続面が水平面とみなされ、脚車輪型ロボット100が歩行可能な面であると判定される。
このようにして、本実施の形態では、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサ212aと、測距センサ212aの走査範囲で測定可能な測定点を含む画像を撮影するカメラ222とを備え、測距センサ212aを走査し、その走査範囲で測定可能な測定点について測距センサ212aの測定結果を取得し、取得した測定結果に基づいてセンサ特徴点を検出し、カメラ222から画像を取得し、カメラ画像から線分を検出し、検出したカメラ画像の線分およびセンサ特徴点に基づいて連続面の境界を認識する。
これにより、測距センサ212aのほか、これとは異なる方式のカメラ222を用いて物体上の特徴をそれぞれ検出し、それら2つの検出結果に基づいて連続面の境界を認識するので、測距センサ212aによる方式の短所をカメラ222による方式で補うことができ、測距センサ212aを用いた2次元距離測定装置212により物体認識を行う場合に、認識精度が低下する可能性を低減することができる。また、第2走査処理の走査回数を増やさなくてすむので、測定時間を短縮することができる。
さらに、本実施の形態では、測距センサ212aを走査し、その走査範囲で測定可能な測定点について測距センサ212aの測定結果を取得し、取得した測定結果を直交座標系の座標に変換し、変換された少なくとも2つの測定点の座標に基づいてハフ変換により直交座標系における線分を検出し、検出した線分に基づいてセンサ特徴点を検出する。
これにより、連続面の境界として物体の少なくとも平面的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボット100のように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。また、ハフ変換により線分を検出するので、測距センサ212aを用いた2次元距離測定装置212により物体認識を行う場合に、測定解像度の低下または測定結果のばらつきにより認識精度が低下する可能性を低減することができる。
さらに、最小二乗法に比して、検出が困難となるエッジに対してロバストな検出が可能となる。
さらに、本実施の形態では、検出した線分の端点の座標に基づいてセンサ特徴点を検出する。
これにより、連続面の境界を比較的正確に認識することができる。
さらに、本実施の形態では、カメラ画像から線分を検出し、カメラ画像において、カメラ画像の線分とセンサ特徴点の位置関係に基づいて連続面の境界を認識する。
これにより、認識精度が低下する可能性をさらに低減することができる。
さらに、本実施の形態では、カメラ画像の各線分ごとに、その線分と、その線分を延長した直線から所定距離内に存在するセンサ特徴点とを対応付け、同一のセンサ特徴点が対応付けられた線分をグループ化し、同一グループに属する線分の端点の座標に基づいて連続面の境界線を判定する。
これにより、コントラスト等の影響により、カメラ画像から、実際は一つの線分として検出されるべきところ複数の線分として検出されても、センサ特徴点との対応関係に基づいて複数の線分を1つの線分としてグループ化し、連続面の境界線を判定するので、認識精度が低下する可能性をさらに低減することができる。
上記第5の実施の形態において、カメラ222は、発明7、14または16の撮像手段に対応し、yrs’軸回転機構は、発明11若しくは12の第1走査手段、または発明12の第1回転手段に対応し、zrs軸回転機構は、発明11若しくは12の第2走査手段、または発明12の第2回転手段に対応している。また、ステップS152〜S156は、発明7、8若しくは14の第2特徴検出手段に対応し、ステップS156は、発明14または15の画像線分検出手段に対応している。
また、上記第5の実施の形態において、ステップS206、S210、S220は、発明7、8若しくは14の第1特徴検出手段に対応し、ステップS202、S240は、発明7、8、11、12若しくは14の測定結果取得手段に対応している。また、ステップS206は、発明8の座標変換手段に対応し、ステップS210は、発明8の線分検出手段に対応し、ステップS234は、発明7、8、14若しくは15の認識手段に対応している。
また、上記第5の実施の形態において、yrs’軸は、発明12の第1走査軸に対応し、zrs軸は、発明12の第2走査軸に対応している。
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明の第6の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図50は、本発明に係る脚型ロボットの第6の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、上記第5の実施の形態に対して、直交座標系において、測定点間を線分で接続した上でハフ変換を行う点が異なる。なお、以下、上記第5の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第5の実施の形態と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
まず、3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を説明する。
図50は、3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を示すフローチャートである。
物体認識処理は、センシングプロセッサ210において実行されると、図50に示すように、ステップS150〜S206を経て、ステップS208に移行する。
ステップS208では、ステップS206で変換された座標情報に基づいて、走査平面座標系においてx軸方向に隣接する測定点の間を線分で接続し、ステップS210に移行して、得られた線上の点の座標情報に基づいてハフ変換により直交座標系における線分を検出する。
そして、ステップS220、S224を経て、ステップS226に移行して、すべての走査平面についてステップS202〜S224の処理が終了したか否かを判定し、処理が終了したと判定したとき(Yes)は、ステップS228〜S239を経て、一連の処理を終了する。
一方、ステップS226で、すべての走査平面についてステップS202〜S224の処理が終了しないと判定したとき(No)は、ステップS240を経て、ステップS202に移行する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
脚車輪型ロボット100の移動経路上に階段が存在し、これを乗り越える場合を説明する。上記第5の実施の形態とは、ハフ変換により線分を検出する点が異なるので、異なる部分についてのみ説明する。
ステップS208、S210を経て、変換された座標情報に基づいて測定点間が線分で接続され、得られた線上の点の座標情報に基づいてハフ変換により直交座標系における線分が検出される。
直交座標系において各測定点は、図41(a)に示すように、蹴込板および踏板の輪郭に沿った複数の点の集合として表される。図41(a)の例では、1段目の踏板に対応する領域において、いくつかの測定点が連続面から外れた領域に分布しているが、これは、測定面である踏板の光沢等の影響により測定結果にばらつきが生じたものであり、誤差領域A1である。また、領域A2は、他の領域と比べて測定解像度が低くなっている。
この測定結果に対して線分接続を行うと、図41(b)に示すように、各測定点が1つの線で接続される。これにより、測定点が存在しない測定点間は、線上の点で補間されることになる。
この接続結果に対してハフ変換を行うと、図41(c)に示すように、各蹴込板および各踏板の輪郭に沿った線分が検出される。
なお、線分接続を行わず、図41(a)の測定結果に対してハフ変換を行うと、図44(b)に示すように、各踏板の輪郭に沿った線分が検出されるが、各蹴込板に沿った線分は検出することができない。
このようにして、本実施の形態では、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサ212aを備え、測距センサ212aを走査し、その走査範囲で測定可能な測定点について測距センサ212aの測定結果を取得し、取得した測定結果を直交座標系の座標に変換し、変換された測定点間を線分で接続し、得られた線上の点の座標に基づいてハフ変換により直交座標系における線分を検出し、検出した線分に基づいて連続面の境界を認識する。
これにより、連続面の境界として物体の少なくとも平面的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボット100のように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。また、ハフ変換により線分を検出するので、測距センサ212aを用いた2次元距離測定装置212により物体認識を行う場合に、測定解像度の低下または測定結果のばらつきにより認識精度が低下する可能性を低減することができる。さらに、測定点間を線分で接続して得られた線上の点の座標に基づいて線分を検出するので、測定解像度の低下または測定結果のばらつきが生じても比較的正確な認識結果を得ることができ、認識精度が低下する可能性をさらに低減することができる。
さらに、最小二乗法に比して、検出が困難となるエッジに対してロバストな検出が可能となる。
上記第6の実施の形態において、ステップS152〜S156は、発明9の第2特徴検出手段に対応し、ステップS206〜S210、S220は、発明9の第1特徴検出手段に対応し、ステップS202、S240は、発明9の測定結果取得手段に対応している。また、ステップS206は、発明9の座標変換手段に対応し、ステップS208は、発明9の測定点間補間手段に対応し、ステップS210は、発明9の線分検出手段に対応し、ステップS234は、発明9の認識手段に対応している。
〔第7の実施の形態〕
次に、本発明の第7の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図51ないし図54は、本発明に係る脚型ロボットの第7の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、上記第5の実施の形態に対して、直交座標系における各測定点での傾きを算出し、各傾きの出現頻度を算出し、算出した出現頻度および各測定点の座標に基づいて連続面の境界を認識する点が異なる。なお、以下、上記第5の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第5の実施の形態と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
まず、3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を説明する。
図51は、3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を示すフローチャートである。
物体認識処理は、センシングプロセッサ210において実行されると、図51に示すように、ステップS150〜S206を経て、ステップS408に移行する。
ステップS408では、ステップS206で変換された座標情報に基づいて、直交座標系における各測定点での傾きを算出する。
図52は、傾きの算出例を示す図である。なお、同図のx軸、z軸は、走査平面座標系における軸を示し、センサ座標系およびカメラ座標系における軸とは別個のものである。
測定点での傾きは、走査平面座標系において、各測定点ごとに、その測定点の座標と、x軸方向に隣接する所定数の測定点の座標とに基づいて、図52(a)に示すように、最小二乗法により算出することができる。
図52(a)に示すように、最小二乗法により、傾きの算出対象の測定点(図52(a)中の白丸)を含む前後所定数の測定点に対する回帰直線を近似し、回帰直線の傾きを対象の測定点での傾きとする。最小二乗法は、データのばらつきによる影響は少ないが、計算量が比較的多くなる。
また、別の方法として、各測定点に対して、所定数の他の測定点を挟む前後2つの測定点の座標の差分値に基づいて傾きを算出することもできる。
図52(b)に示すように、前後2つの測定点のz座標の差分値である第1差分値(例えば、注目する測定点のz座標をziとすると、zi+2−zi-2)を算出するとともに、前後2つの測定点のx座標の差分値である第2差分値(例えば、注目する測定点のx座標をxiとすると、xi+2−xi-2)を算出し、これら算出結果から、注目する測定点での傾き(第1差分値/第2差分値)を求める。この方法では、データのばらつきによる影響が最小二乗法よりも大きくなるが、計算が、単純な引き算と割り算のみで済むため最小二乗法よりも高速に傾きを算出することができる。
次いで、図51に示すように、ステップS410に移行して、ステップS408で算出した傾きの総数に対する各傾きの出現頻度を算出する。例えば、測定点の総数に対する各傾きの測定点の個数を出現頻度として算出する。
次いで、ステップS412に移行して、ステップS410で算出した各傾きの出現頻度のなかから未処理の傾きの出現頻度を選択し、ステップS414に移行して、選択した出現頻度とあらかじめ設定された閾値とを比較し、選択した出現頻度が閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上であると判定したとき(Yes)は、ステップS416に移行する。
ステップS416では、選択した出現頻度に係る傾きおよびその所定範囲の傾きを有する測定点の座標情報に基づいて、それら測定点のうち座標が連続するものを含む領域を連続面であると判定し、連続面であると判定した領域において、傾きが急激に変化する測定点を連続面の境界として判定する。
次いで、ステップS418に移行して、連続面の境界として判定した測定点の座標情報をセンサ座標系に変換し、変換された座標情報をメモリに記憶し、ステップS420に移行する。
ステップS420では、すべての傾きについてステップS414〜S418、S434の処理が終了したか否かを判定し、終了したと判定したとき(Yes)は、ステップS226に移行する。
ステップS226では、すべての走査平面についてステップS202〜S420の処理が終了したか否かを判定し、処理が終了したと判定したとき(Yes)は、ステップS228〜S239を経て、一連の処理を終了する。
一方、ステップS226で、すべての走査平面についてステップS202〜S420の処理が終了しないと判定したとき(No)は、ステップS240を経て、ステップS202に移行する。
一方、ステップS420で、すべての傾きについてステップS414〜S418、S434の処理が終了しないと判定したとき(No)は、ステップS412に移行する。
一方、ステップS414で、選択した出現頻度が閾値未満であると判定したとき(No)は、ステップS434に移行して、選択した出現頻度に係る傾きを有する測定点の座標情報を測定ノイズとして除外し、ステップS420に移行する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
脚車輪型ロボット100の移動経路上に階段が存在し、これを乗り越える場合を説明する。上記第5の実施の形態とは、傾きの出現頻度に基づいて連続面の境界を判定する点が異なるので、異なる部分についてのみ説明する。
まず、ステップS408を経て、変換された座標情報に基づいて各測定点での傾きが算出される。
図53は、最小二乗法により算出したx軸方向およびz軸方向の傾きの一例を示す図である。
ここでは、最小二乗法により各測定点での傾きを算出する。ここで、最小二乗法を用いた場合に、図53(a)および(b)に示すように、最小二乗法を適用する複数の測定点に対して、x軸方向の傾きと、z軸方向の傾きとが異なる場合がある。そこで、下式(17)および(18)に示すように、x軸方向およびz軸方向の傾きを求める2つの直線の方程式を用いて最小二乗法計算を行う。

z=ax・x+bx …(17)
x=az・z+bz …(18)

そして、上式(17)におけるaxおよびbxを下式(19)により算出し、上式(18)におけるazおよびbzを下式(20)により算出する。
Figure 2009096335
xおよびbx、並びにazおよびbzを算出すると、これらの算出結果を代入した、上式(17)および(18)の直線と、最小二乗計算に用いた各測定点との距離を残差hxおよびhzとして算出するとともに、前記各測定点に対する残差hxの二乗和と、残差hzの二乗和とを算出する(下式(21))。
Figure 2009096335
残差hxの二乗和および残差hzの二乗和が算出されると、両者を比較して値の小さい方の直線を、正しい直線として採用し、この直線の傾きに基づいて、算出対象の測定点での傾きを求める。具体的に、残差hxの二乗和の方が小さければ、「a=ax、b=bx」とし、残差hzの二乗和の方が小さければ、「a=1/az、b=1/bz」とする。
次いで、ステップS410〜S414を経て、各傾きの出現頻度が算出され、未判定の傾きの出現頻度が選択され、選択された出現頻度が閾値以上であるか否かが判定される。このとき、閾値以上であれば、ステップS416を経て、選択された出現頻度に係る傾きおよびその所定範囲の傾きを有する測定点の座標情報に基づいて連続面の境界が判定される。
図54は、ある走査平面に対する傾きの出現頻度の一例を示す図である。
例えば、図54に示すような出現頻度が得られたとする。図54の例では、傾きが0近傍の出現頻度が比較的高くなっており、これらの傾きを有する測定点の座標が連続していれば、その連続する測定点を含む領域が連続面であると判定される。脚車輪型ロボット100の移動経路上には、段差が一定でかつ踏板が連続面となっている階段が存在しているため、踏板に対応する水平面が、傾き0および略0の測定点の連続する座標として現われる。この場合、そこに水平面があると推定することができる。
そして、連続面であると判定された領域において、傾きが急激に変化する測定点が連続面の境界として判定される。図48の例では、ある走査平面について、(1)床面に対応する領域と1段目の蹴込板に対応する領域との交点、(2)領域と1段目の踏板に対応する領域との交点、(3)領域と2段目の蹴込板に対応する領域との交点、(4)領域と2段目の踏板に対応する領域との交点の4つの交点が、連続面の境界として判定される。
次いで、ステップS418を経て、連続面の境界として判定された測定点の座標情報がセンサ座標系に変換され、変換された座標情報がメモリに記憶される。
一方、閾値未満であれば、ステップS434を経て、測定ノイズとして測定点の座標情報が除外される。
ステップS414〜S418、S434の処理は、すべての傾きについて行われる。
このようにして、本実施の形態では、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサ212aを備え、測距センサ212aを走査し、その走査範囲で測定可能な測定点について測距センサ212aの測定結果を取得し、取得した測定結果を直交座標系の座標に変換し、変換された各測定点ごとに、その測定点の座標およびその周辺の測定点の座標に基づいて直交座標系におけるその測定点での傾きを算出し、算出した傾きの総数に対する各傾きの出現頻度を算出し、算出した出現頻度および変換された各測定点の座標に基づいて連続面の境界を認識する。
これにより、連続面の境界として物体の少なくとも平面的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボット100のように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。また、測定点での傾きの出現頻度および各測定点の座標に基づいて連続面の境界を認識するので、測距センサ212aを用いた2次元距離測定装置212により物体認識を行う場合に、認識精度が低下する可能性を低減することができる。
上記第7の実施の形態において、ステップS152〜S156は、発明10の第2特徴検出手段に対応し、ステップS206、S408〜S416は、発明10の第1特徴検出手段に対応し、ステップS202、S240は、発明10の測定結果取得手段に対応している。また、ステップS206は、発明15の座標変換手段に対応し、ステップS408は、発明10の傾き算出手段に対応し、ステップS410は、発明10の出現頻度算出手段に対応し、ステップS234は、発明10の認識手段に対応している。
なお、上記第3および第4の実施の形態においては、物体上の連続面または連続面の境界を認識するように構成したが、これに限らず、物体上の断続面その他の面またはその境界を認識するように構成することもできる。
また、上記第4および第6の実施の形態においては、隣接する測定点の間を線分で接続するように構成したが、これに限らず、直線、多次曲線その他の曲線で測定点間を接続し、または直線、線分、多次曲線その他の曲線で測定点間を近似するように構成することもできる。この場合、必ずしも、測定点が線上に位置しなくてもよいし、隣接する測定点同士を対象としなくてもよい。
また、上記第4および第6の実施の形態においては、線分接続により得られた線上の点の座標に基づいてハフ変換により線分を検出するように構成したが、これに限らず、得られた線から所定距離内に存在する点の座標に基づいてハフ変換により線分を検出するように構成することもできる。
また、上記第5ないし第7の実施の形態において、3次元距離測定装置200は、測距センサ212aをyrs’軸回りに回転させ、2次元距離測定装置212をzrs軸回りに回転させる構成としたが、これに限らず、複数の測距センサ212aと、測距センサ212aの測定方向に対して直交する走査軸の回りに測距センサ212aをそれぞれ回転させる複数の回転機構とを備え、各測距センサ212aをzrs軸回りに配置する構成とすることもできる。
これにより、上記第5ないし第7の実施の形態と同様に、連続面の境界として物体の立体的な形状を把握することができるので、脚型ロボットや脚車輪型ロボット100のように複雑な姿勢制御を必要とするロボットの姿勢制御に好適な認識結果を得ることができる。
また、上記第5ないし第7の実施の形態においては、カメラ画像からハフ変換により線分を検出するように構成したが、これに限らず、次のような検出方法により線分を検出するように構成することもできる。
第1の検出方法としては、エッジ抽出処理のパラメータを変えてエッジ抽出処理を複数回実行し、エッジ抽出された各カメラ画像からハフ変換により線分を検出する。そして、検出したすべての線分に基づいて連続面の境界を認識する。これにより、認識精度が低下する可能性をさらに低減することができる。
第2の検出方法としては、シャッター速度や絞り等のカメラ222の撮影条件を変えて複数の画像をカメラ222から取得し、それらカメラ画像に対して歪み補正処理およびエッジ抽出処理をそれぞれ実行し、エッジ抽出された各カメラ画像からハフ変換により線分を検出する。そして、検出したすべての線分に基づいて連続面の境界を認識する。これにより、認識精度が低下する可能性をさらに低減することができる。
また、上記第5ないし第7の実施の形態においては、物体上の連続面の境界を認識するように構成したが、これに限らず、物体上の連続面、断続面その他の面またはその境界を認識するように構成することもできる。
また、上記第5ないし第7の実施の形態においては、連続面の境界線として判定した直線に関する情報に基づいて境界データを生成するように構成したが、これに限らず、例えば、連続面の境界線として判定した直線に関する情報およびセンサ特徴点の座標情報に基づいて面データを生成するように構成することもできる。
連続面の境界として判定したセンサ特徴点を結ぶ線分は、連続面と走査平面が交わる交線であるので、面データの生成は、例えば、ある走査平面においてセンサ特徴点を結ぶ線分と、z軸回りに隣接する走査平面においてセンサ特徴点を結ぶ線分との傾きおよび座標が所定範囲にあるものを連続面と判定し、それら線分および連続面の境界線として判定した直線に対応する座標情報を対応付けたり、公知の補間法を用いてつなぎ合わせたりすることにより行う。例えば、傾きが0に近い連続面は、水平面とみなすことができるので、そこが歩行可能な面であると判定することができる。
また、上記第5ないし第7の実施の形態においては、座標変換によりセンサ特徴点をカメラ画像に投影するように構成したが、これに限らず、カメラ画像の線分を走査平面座標系の平面に投影してもよいし、センサ特徴点およびカメラ画像の線分を他の座標系の平面または空間に投影してもよい。すなわち、カメラ画像の線分とセンサ特徴点の位置関係を判定する座標系は任意とすることができる。
また、上記第5ないし第7の実施の形態においては、カメラ画像から線分を検出し、検出した線分に基づいて連続面の境界を認識するように構成したが、これに限らず、物体上の特徴を示す点、直線、多次曲線、円、楕円その他の曲線、平面、曲面その他の面、立方体、球体その他の立体的特徴をカメラ画像から検出し、検出した特徴に基づいて連続面の境界を認識するように構成することもできる。
また、上記第5ないし第7の実施の形態においては、測距センサ212aの測定結果に基づいてセンサ特徴点を検出し、検出したセンサ特徴点に基づいて連続面の境界を認識するように構成したが、これに限らず、物体上の特徴を示す直線、線分、多次曲線、円、楕円その他の曲線、平面、曲面その他の面、立方体、球体その他の立体的特徴を検出し、検出した特徴に基づいて連続面の境界を認識するように構成することもできる。
また、上記第5ないし第7の実施の形態においては、センサ座標系におけるxrs−yrs平面と、カメラ座標系におけるxca−yca平面とが平行となるようにカメラ222を配置したが、これに限らず、測距センサ212aの走査範囲で測定可能な測定点を含む画像を撮影できれば、測距センサ212aに対して任意の位置および向きで配置することができる。
また、上記第3ないし第7の実施の形態においては、エンコーダ218を駆動回転軸に設けて構成としたが、これに限らず、従動回転軸に設けて構成とすることもできる。
これにより、伝達誤差の影響を受けずに第2走査処理における走査角度を高精度に検出することができる。
また、上記第3ないし第7の実施の形態においては、プーリ220a、220bおよびベルト221を介して、駆動回転軸の回転駆動力を従動回転軸へと伝達するように構成としたが、これに限らず、複数の歯車を介して、駆動回転軸の回転駆動力を従動回転軸へと伝達するように構成とすることもできる。
また、上記第3ないし第7の実施の形態においては、第1走査処理における距離情報の取得を離散的(第2走査処理で回転させてから第1走査処理で距離情報を取得)に行う構成としたが、これに限らず、走査角度と測定距離との対応付けを行うことで連続的(第2走査処理で回転させつつ、第1走査処理で距離情報を取得)に行う構成とすることもできる。
また、上記第3ないし第7の実施の形態においては、CPU60からの指令信号に基づいて、走査角度範囲および走査単位角度を設定するように構成としたが、これに限らず、3次元距離測定装置200にあらかじめ設定しておく構成とすることもできる。
また、上記第3ないし第7の実施の形態において、3次元距離測定装置200は、測距センサ212aをyrs’軸回りに回転させ、2次元距離測定装置212をzrs軸回りに回転させる構成としたが、これに限らず、測距センサ212aをzrs軸回りに回転させ、2次元距離測定装置212をyrs’軸回りに回転させる構成とすることもできる。また、yrs’軸およびzrs軸回りに限らず、測距センサ212aの測定方向に対して互いに直交する2つの軸であれば、どの方向の軸回りでもよい。さらに、このような回転機構に限らず、測距センサ212aの測定方向とは異なる第1走査方向に測距センサ212aを移動させ、測距センサ212aの測定方向および第1走査方向とは異なる第2走査方向に測距センサ212aを移動させるように移動機構として構成することもできる。この場合、移動経路の形状としては、直線のほか円弧その他の曲線を採用することができる。回転機構と移動機構の組み合わせることもできる。
このような構成の変更は、複数の測距センサ212aおよび回転機構を備える上記構成についても同様に適用することができる。
また、上記第5ないし第7の実施の形態においては、図55(a)に示すように、2次元距離測定装置212自身を回転させているが、これに限らず、光学式の測距センサを有する2次元距離測定装置であれば、図55(b)に示すように、測定方向の光軸上に挿入したミラーを回転させてもよい。
図55は、測距センサの測定方向を変更する場合の構成を示す図である。
また、上記第3ないし第7の実施の形態は、独立の実施の形態として説明したが、上記第1または第2の実施の形態に対して上記第3ないし第7の実施の形態を適用することもできる。
また、上記第3ないし第7の実施の形態においては、本発明に係る脚型ロボットを、階段を乗り越える場合について適用したが、これに限らず、階段以外の段差を乗り越える場合についても同様に適用することができる。
また、上記第3ないし第7の実施の形態においては、本発明に係る脚型ロボットを脚車輪型ロボット100に適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。例えば、直動関節で脚構造を実現する脚車輪型ロボットや他の構成のロボット、車両その他の装置に適用することができる。また、認識情報の伝達手段と組み合わせることにより視覚障害者が外界を認識するための手段としての装置、認識方法への展開も考えられる。
脚車輪型ロボット100の正面図である。 脚車輪型ロボット100の側面図である。 障害物センサ34、36の構成を示す図である。 脚部12のうち回転関節18および駆動輪20が連結するリンクの断面図である。 脚部12のうち回転関節18および駆動輪20が連結するリンクの側面図である。 脚車輪型ロボット100の移動制御システムを示すブロック図である。 平坦面81の平面図である。 接地前後の状態を示す脚部12の断面図である。 分布型の力センサ82aを設置した場合の接地前後の状態を示す脚部12の断面図である。 互いに直交する2つの面に力センサ82a、97を設置した場合の脚部12の断面図である。 複数の力センサ82を設置した場合の接地前後の状態を示す脚部の断面図である。 分布型の力センサ82aを設置した場合の接地前後の状態を示す脚部の断面図である。 昇降制御処理を示すフローチャートである。 光切断法の原理を説明するための図である。 階段にレーザ光を照射した状態およびカメラ32の撮像素子の画像を示す図である。 (a)及び(b)は、脚車輪型ロボット100の車輪走行移動時の姿勢を示す図である。 無変向走行制御時の脚車輪型ロボット100の走行状態例を示す図である。 (a)及び(b)は、基体10の座標(0,0)及び座標(xc,yc)を回転中心とした場合の超信地旋回制御時の脚車輪型ロボット100の走行状態を示す図である。 (a)及び(b)は、脚車輪型ロボット100の走行経路の一例を示す図である。 ロボットの重心位置の一例を示す図である。 脚車輪型ロボット100の正面図である。 脚車輪型ロボット100の側面図である。 3次元距離測定装置200の正面図(yrs−zrs平面)である。 3次元距離測定装置200の側面図(xrs−zrs平面)である。 3次元距離測定装置200の上面図(yrs−xrs平面)である。 測距センサの走査範囲を示す図である。 脚車輪型ロボット100の移動制御システムを示すブロック図である。 2次元距離測定装置212の制御構造を示すブロック図である。 3次元距離測定装置200の制御構造を示すブロック図である。 2次元距離測定装置212の距離測定の原理を説明するための図である。 第1走査処理および第2走査処理により走査を行った場合を示す図である。 3次元距離測定装置200の距離の計測例を示す図である。 3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を示すフローチャートである。 ハフ変換の原理を説明するための図である。 昇降制御処理を示すフローチャートである。 第1走査処理による測定結果を示すグラフである。 図30の各測定点の回転座標系の距離情報を直交座標系の座標情報に変換した結果を示すグラフである。 直交座標系における測定点およびハフ変換の結果を示すグラフである。 連続面の判定結果を示す図である。 3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を示すフローチャートである。 直交座標系における測定点、線分接続の結果およびハフ変換の結果を示すグラフである。 カメラ222および3次元距離測定装置200を用いた物体認識の原理を説明するための図である。 3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を示すフローチャートである。 センサ座標系、カメラ座標系およびカメラ222の撮像素子面の座標系を示す図である。 カメラ画像の線分およびセンサ特徴点の対応付け、グループ化および境界線の判定を行う場合を説明するための図である。 昇降制御処理を示すフローチャートである。 カメラ画像の処理結果を示す図である。 連続面の判定結果を示す図である。 センサ特徴点のカメラ画像への投影結果を示す図である。 3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を示すフローチャートである。 3次元距離測定装置200で実行される物体認識処理を示すフローチャートである。 傾きの算出例を示す図である。 最小二乗法により算出したx軸方向およびz軸方向の傾きの一例を示す図である。 ある走査平面に対する傾きの出現頻度の一例を示す図である。 測距センサの測定方向を変更する場合の構成を示す図である。
符号の説明
100 脚車輪型ロボット
10 基体
12 脚部
14〜18 回転関節
20 駆動輪
26 水平レーザ
28、30 垂直レーザ
32 カメラ
34、36 障害物センサ
40、50 モータ
42、52 エンコーダ
44、54 ドライバ
80 上部リンク
85 下部リンク
81、86 平坦面
82、82a、97 力センサ
83 把持部
83a 爪部
87 嵌合穴
90a、90b 傘歯車
91、92、95 プーリ
96 駆動ベルト
84 ゴム
88、93 軸受
50a、89、94 回転軸
200 3次元距離測定装置
204 下側支持板
206 上側支持板
208 カメラ支持板
210 センシングプロセッサ
212 2次元距離測定装置
212a 測距センサ
212c、216 モータ
212d、218 エンコーダ
212b、214 ドライバ
220a、220b プーリ
221 ベルト
32、222 カメラ

Claims (28)

  1. 基体と、前記基体に対して自由度を有して連結された複数の脚部と、測定範囲内に存在する物体上の面または面の境界を認識する物体認識装置とを備え、前記物体認識装置の認識結果に基づき前記脚部を駆動して移動する脚型ロボットであって、
    前記各脚部は、一端に平坦な面を有する第1リンクと、第2リンクと、力センサとを備え、
    前記第1リンクの平坦面に前記力センサを設置し、前記第1リンクおよび前記第2リンクの一方に作用する力が前記平坦面を介して他方に伝達されるように前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を連結し、
    前記物体認識装置は、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサと、前記測距センサを走査する走査手段と、前記走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点について前記測距センサの測定結果を取得する測定結果取得手段と、前記測定結果取得手段で取得した測定結果を直交座標系の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段で変換された少なくとも2つの前記測定点の座標に基づいてハフ変換により前記直交座標系における線分を検出する線分検出手段と、前記線分検出手段で検出した線分に基づいて物体上の面または面の境界を認識する認識手段とを備えることを特徴とする脚型ロボット。
  2. 基体と、前記基体に対して自由度を有して連結された複数の脚部と、測定範囲内に存在する物体上の面または面の境界を認識する物体認識装置とを備え、前記物体認識装置の認識結果に基づき前記脚部を駆動して移動する脚型ロボットであって、
    前記各脚部は、一端に平坦な面を有する第1リンクと、第2リンクと、力センサとを備え、
    前記第1リンクの平坦面に前記力センサを設置し、前記第1リンクおよび前記第2リンクの一方に作用する力が前記平坦面を介して他方に伝達されるように前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を連結し、
    前記物体認識装置は、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサと、前記測距センサを走査する走査手段と、前記走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点について前記測距センサの測定結果を取得する測定結果取得手段と、前記測定結果取得手段で取得した測定結果を直交座標系の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段で変換された前記測定点間を線で補間する測定点間補間手段と、前記測定点間補間手段で得られた線上の点の座標に基づいてハフ変換により前記直交座標系における線分を検出する線分検出手段と、前記線分検出手段で検出した線分に基づいて物体上の面または面の境界を認識する認識手段とを備えることを特徴とする脚型ロボット。
  3. 請求項1および2のいずれか1項において、
    前記認識手段は、前記線分検出手段で検出した線分の端点の座標に基づいて物体上の面の境界を認識することを特徴とする脚型ロボット。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記走査手段は、前記測距センサの測定方向とは異なる第1走査方向に前記測距センサを走査する第1走査手段と、前記測定方向および前記第1走査方向とは異なる第2走査方向に前記測距センサを走査する第2走査手段とからなり、前記測定結果取得手段は、前記第1走査手段および前記第2走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点について前記測距センサの測定結果を取得することを特徴とする脚型ロボット。
  5. 請求項4において、
    前記認識手段は、前記線分検出手段で検出した線分の端点の座標に基づいて物体上の面を認識することを特徴とする脚型ロボット。
  6. 請求項4および5のいずれか1項において、
    前記第1走査手段は、前記測定方向に対して所定角度をなす第1走査軸の回りに前記測距センサを回転させる第1回転手段であり、前記第2走査手段は、前記測定方向および前記第1走査軸に対して所定角度をなす第2走査軸の回りに前記測距センサを回転させる第2回転手段であり、前記測定結果取得手段は、前記第1回転手段により前記測距センサを回転させながら前記第1回転手段の所定単位角度ごとに前記測距センサの測定結果を取得する第1走査を、前記第2回転手段により前記測距センサを回転させながら前記第2回転手段の所定単位角度ごとに行う第2走査を行うことにより、前記第1回転手段の所定単位角度ごとおよび前記第2回転手段の所定単位角度ごとの前記測定結果を取得することを特徴とする脚型ロボット。
  7. 基体と、前記基体に対して自由度を有して連結された複数の脚部と、測定範囲内に存在する物体上の面または面の境界を認識する物体認識装置とを備え、前記物体認識装置の認識結果に基づき前記脚部を駆動して移動する脚型ロボットであって、
    前記各脚部は、一端に平坦な面を有する第1リンクと、第2リンクと、力センサとを備え、
    前記第1リンクの平坦面に前記力センサを設置し、前記第1リンクおよび前記第2リンクの一方に作用する力が前記平坦面を介して他方に伝達されるように前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を連結し、
    前記物体認識装置は、物体上の測定点までの距離を測定する測距センサと、前記測距センサを走査する走査手段と、前記走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点について前記測距センサの測定結果を取得する測定結果取得手段と、前記測定結果取得手段で取得した測定結果に基づいて物体上の特徴を検出する第1特徴検出手段と、前記走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点を含む画像を撮影する撮像手段と、前記撮像手段で撮影した画像に基づいて物体上の特徴を検出する第2特徴検出手段と、前記第1特徴検出手段および前記第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界を認識する認識手段とを備えることを特徴とする脚型ロボット。
  8. 請求項7において、
    前記第1特徴検出手段は、前記測定結果取得手段で取得した測定結果を直交座標系の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段で変換された少なくとも2つの前記測定点の座標に基づいてハフ変換により前記直交座標系における線分を検出する線分検出手段とを有し、前記認識手段は、前記線分検出手段で検出した線分および前記第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界を認識することを特徴とする脚型ロボット。
  9. 請求項7において、
    前記第1特徴検出手段は、前記測定結果取得手段で取得した測定結果を直交座標系の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段で変換された前記測定点間を線で補間する測定点間補間手段と、前記測定点間補間手段で得られた線上の点の座標に基づいてハフ変換により前記直交座標系における線分を検出する線分検出手段とを有し、前記認識手段は、前記線分検出手段で検出した線分および前記第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界を認識することを特徴とする脚型ロボット。
  10. 請求項7において、
    前記第1特徴検出手段は、前記測定結果取得手段で取得した測定結果を直交座標系の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段で変換された各測定点ごとに、当該測定点の座標およびその周辺の測定点の座標に基づいて前記直交座標系における当該測定点での傾きを算出する傾き算出手段と、前記傾き算出手段で算出した傾きの総数に対する各傾きの出現頻度を算出する出現頻度算出手段とを有し、前記認識手段は、前記出現頻度算出手段で算出した出現頻度および前記変換された各測定点の座標、並びに前記第2特徴検出手段の検出結果に基づいて物体上の面または面の境界を認識することを特徴とする脚型ロボット。
  11. 請求項7ないし10のいずれか1項において、
    前記走査手段は、前記測距センサの測定方向とは異なる第1走査方向に前記測距センサを走査する第1走査手段と、前記測定方向および前記第1走査方向とは異なる第2走査方向に前記測距センサを走査する第2走査手段とからなり、前記測定結果取得手段は、前記第1走査手段および前記第2走査手段の走査範囲で測定可能な前記測定点について前記測距センサの測定結果を取得することを特徴とする脚型ロボット。
  12. 請求項11において、
    前記第1走査手段は、前記測定方向に対して所定角度をなす第1走査軸の回りに前記測距センサを回転させる第1回転手段であり、前記第2走査手段は、前記測定方向および前記第1走査軸に対して所定角度をなす第2走査軸の回りに前記測距センサを回転させる第2回転手段であり、前記測定結果取得手段は、前記第1回転手段により前記測距センサを回転させながら前記第1回転手段の所定単位角度ごとに前記測距センサの測定結果を取得する第1走査を、前記第2回転手段により前記測距センサを回転させながら前記第2回転手段の所定単位角度ごとに行う第2走査を行うことにより、前記第1回転手段の所定単位角度ごとおよび前記第2回転手段の所定単位角度ごとの前記測定結果を取得することを特徴とする脚型ロボット。
  13. 請求項7ないし10のいずれか1項において、
    複数の前記測距センサおよび前記走査手段を備え、前記各走査手段は、当該走査手段に対応する前記測距センサを、前記測距センサの測定方向とは異なる第1走査方向に走査し、前記各測距センサは、前記測定方向および前記第1走査方向とは異なる第2走査方向に配置されていることを特徴とする脚型ロボット。
  14. 請求項7ないし13のいずれか1項において、
    前記第1特徴検出手段は、前記測定結果取得手段で取得した測定結果に基づいて物体上の特徴点を検出し、前記第2特徴検出手段は、前記撮像手段で撮影した画像から線分を検出する画像線分検出手段を有し、前記認識手段は、前記撮像手段を基準とする座標系において、前記画像線分検出手段で検出した線分と、前記第1特徴検出手段で検出した特徴点との位置関係に基づいて物体上の面または面の境界を認識することを特徴とする脚型ロボット。
  15. 請求項14において、
    前記認識手段は、前記画像線分検出手段で検出した各線分ごとに、当該線分と、当該線分を延長した直線から所定距離内に存在する前記特徴点とを対応付け、同一の前記特徴点が対応付けられた前記線分をグループ化し、同一グループに属する前記線分の端点の座標に基づいて物体上の面または面の境界を認識することを特徴とする脚型ロボット。
  16. 請求項14および15のいずれか1項において、
    前記測距センサを基準とする直交座標系における所定の2軸からなる平面と、前記撮像手段を基準とする直交座標系における所定の2軸からなる平面とが平行となるように前記測距センサおよび前記撮像手段を配置したことを特徴とする脚型ロボット。
  17. 請求項1ないし16のいずれか1項において、
    前記第2リンクは、一端に平坦な面を有し、
    前記第1リンクおよび前記第2リンクの一端同士を、前記力の作用時に互いの前記平坦面が面接触するように連結したことを特徴とする脚型ロボット。
  18. 請求項1ないし17のいずれか1項において、
    前記平坦面は、前記第1リンクの伸長方向に直交して形成されていることを特徴とする脚型ロボット。
  19. 請求項1ないし18のいずれか1項において、
    前記脚部は、関節を介して複数のリンクを連結してなり、
    前記脚部のリンクのうち脚先に最も近いリンクを前記第1リンクおよび前記第2リンクにより構成したことを特徴とする脚型ロボット。
  20. 請求項1ないし19のいずれか1項において、
    前記平坦面の周縁に複数の前記力センサを設置したことを特徴とする脚型ロボット。
  21. 請求項1ないし19のいずれか1項において、
    前記力センサは、複数点の力を検出可能な検出エリアを有する分布型の力センサであり、
    前記平坦面の全域にわたって前記力センサを設置したことを特徴とする脚型ロボット。
  22. 請求項1ないし21のいずれか1項において、
    前記第1リンクまたは前記第2リンクは、前記平坦面に対して所定角をなし、前記力が伝達される第2の平坦な面を有し、
    前記第2平坦面に第2力センサを設置したことを特徴とする脚型ロボット。
  23. 請求項22において、
    前記第2平坦面は、前記平坦面に直交して形成されていることを特徴とする脚型ロボット。
  24. 請求項22および23のいずれか1項において、
    前記力センサおよび前記第2力センサのセンサ信号に基づいて、前記力の方向および大きさを算出する算出手段を備えることを特徴とする脚型ロボット。
  25. 請求項1ないし24のいずれか1項において、
    前記第1リンクの側面には、前記第1リンクの先端から伸長方向に突出する把持部が設けられ、前記把持部は、前記第1リンクの径方向内側に突出する爪部を有し、
    前記第2リンクの側面のうち、前記第2リンクの先端からの距離が、前記第1リンクの平坦面から前記爪部までの高さに相当する距離となる位置には、前記爪部を嵌合可能な嵌合穴が形成され、
    前記爪部を前記嵌合穴に嵌合させて前記第1リンクおよび前記第2リンクを連結したことを特徴とする脚型ロボット。
  26. 請求項1ないし25のいずれか1項において、
    前記各脚部に回転可能に設けられた車輪と、前記各脚部を駆動するための動力を付与する第1アクチュエータと、前記各車輪を駆動するための動力を付与する第2アクチュエータと、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記基体の向きを一定方向に保ちながら、自脚型ロボットの進行方向と、前記各車輪の進行方向とが一致するように、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータを制御することを特徴とする脚型ロボット。
  27. 請求項1ないし25のいずれか1項において、
    前記各脚部に回転可能に設けられた車輪と、前記各脚部を駆動するための動力を付与する第1アクチュエータと、前記各車輪を駆動するための動力を付与する第2アクチュエータと、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、旋回時に、前記基体を所定の回転中心位置でヨー軸周りに自転運動させたときの前記各車輪の操舵時の回転中心の描く円弧軌道と前記操舵時の回転中心との接点位置における該回転中心の運動方向と、前記各車輪の進行方向とが一致するように、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータを制御することを特徴とする脚型ロボット。
  28. 請求項27において、
    前記制御手段は、前記基体の向きを一定方向に保ちながら、自脚型ロボットの進行方向と、前記各車輪の進行方向とが一致するように、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータを制御することを特徴とする脚型ロボット。
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