JP3592084B2 - 管内走行ロボット - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下水道の円筒配管や角型カルバート水路などの管内を軸心方向に走行して検査やメンテナンスなどの作業を行う管内走行ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば円管内を清掃するために造られた清掃ロボットは、特開平5−287171号公報に開示されるようなローラー走行式と、特開平7−2308号公報に開示されるような伸縮脚走行式(尺取虫形走行式)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ローラー走行式では、本体を管軸心位置に保持して移動させるために、傾斜状態で管内面に走行車輪を押し付けるアームを有しており、アームに大きい曲げモーメントが作用して重量の増加や大形化の要因となるという問題があった。また伸縮脚走行式では、垂直荷重であるため、先の問題は生じないが、走行が断続的なシーケンス動作となるため、動作速度に限界があり、走行速度がローラー式に比較して約1/2以下るという問題があった。また両走行方式とも、全長が管直径より長くなるため、管への投入に大きい開口面積を必要とし、マンホール程度のスペースしか確保できない場合には、ロボットの分解→投入→組立が必要で、狭く悪臭のある管内での作業が不可欠となり、3K作業となるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決して、軽量化、小型化が可能で、かつ十分な走行速度を確保でき、狭いマンホール等でも分解することなく管内に投入、揚収可能な管内走行用ロボットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の管内走行ロボットは、 管軸心に直交する面内で直径方向に配置されるロッド状の本体と、この本体の両端部にそれぞれ操舵自在に配設された走行車輪と、これら走行車輪をそれぞれ管内面に押し付ける付勢手段と、本体の姿勢を検出する複数の検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて各走行車輪の回転速度と操舵角とをそれぞれ制御し、本体を管軸心に直交する面内で直径位置に保持する走行制御装置とを具備したものである。
【0006】
上記構成によれば、走行制御装置により、検出手段の検出値に基づいて走行車輪の回転速度と操舵角とを制御することで、ロッド状の本体を管の軸心に垂直な姿勢を保持しつつ管内中心に沿って走行移動させることができ、小型化、軽量化が図れて十分な走行速度を確保でき、分解することなくマンホールなどの狭い開口部から管内への挿脱も容易に行うことができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記構成において、少なくとも一方の走行車輪が管軸心方向に所定距離をあけて複数個配置されたものである。
上記構成によれば、走行車輪と管内面への接点で管軸心を含む面内で三角形を形成することができるので、本体の姿勢を安定させることができ、走行姿勢制御が容易となる。
【0008】
さらに請求項3記載の発明は、上記構成において、付勢手段は、本体を伸縮自在な伸縮装置により構成されたものである。
上記構成によれば、本体を収縮してコンパクトすることができ、分解することなく小さいマンホールから管内に容易に投入、揚収することができ、より小型化を図ることができる。
【0009】
さらにまた請求項4記載の発明は、上記構成において、検出手段に、本体の前後方向の傾斜を検出する傾斜検出部と、管内面から本体までの距離から本体の位置を検出するセンタリング検出部と、本体の走行方向を検出する走行姿勢検出部とを具備し、前記走行制御装置を、傾斜検出部の検出値に基づいて両走行車輪の回転速度を制御し、センタリング検出部および走行姿勢検出部の検出値に基づいて両走行車輪の操舵角を制御するように構成したものである。
【0010】
上記構成によれば、検出手段により管内における本体の位置と姿勢(傾きと向き)を検出することができ、本体の姿勢制御を正確に行うことができる。
また請求項5記載の発明は、上記構成において、管軸心位置に、管軸心方向に沿う軸心回りに旋回自在な旋回アームを配設し、この伸縮作業アームに作業装置を着脱自在に設けたものである。
【0011】
上記構成によれば、旋回アームを旋回させつつ管内面に対する作業を行うことができ、作業装置の交換により複数の作業が可能となる。
さらに請求項6記載の発明は、上記構成の旋回アームを伸縮自在に構成したものである。
【0012】
上記構成によれば、円形の管だけでなく、角筒管や楕円、多角形の異形管に容易に適応することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明に係る管用作業ロボットの実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図3に示すように、この作業ロボットは、ロッド状の本体1を円形管2の内面に沿って走行しつつ作業装置である回転ブラシ3を旋回移動させ管2の内面に沿って清掃するもので、この回転ブラシ3に替えて、たとえば非接触式センサ等の検査装置に交換することにより、管2の検査を行うことができ、また塗装ガンと交換することにより管2の内面を塗装を行うことができる。
【0015】
この作業ロボット1は、管2の軸心Oに直交する面内で直径位置(管中心位置)に配置されるロッド状の本体1と、この本体1の上端部に配設されてゴム製の上走行車輪4aを有する上走行装置4および下端部に配設されたゴム製の下走行車輪5a,5bを有する下走行装置5と、本体1を伸縮自在で走行車輪4a,5a,5bをそれぞれ管2の内面に押し付ける付勢手段である伸縮装置6と、本体1の姿勢を検出する複数の検出手段と、これら検出手段の検出値により各走行車輪4a,5a,5bの回転速度と各走行車輪4a,5a,5bの操舵角とをそれぞれ制御して本体を管2の軸心Oに直交する面内で直径位置に保持可能な走行制御装置9とが具備されている。
【0016】
前記検出手段として、下走行装置5に配設されて本体1および管軸心Oを含む面内で本体1の傾きαを検出する傾斜検出部である傾斜センサ7と、本体1のセンター部材1aに配設されて軸心Oに直交する面内で本体1と直角方向の管1の内面(最大部)までの距離DFf,DLr,DFf,DLrを検出する超音波やレーザ光などを使用したセンタリング検出部である非接触式の距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrとが設けられている。またこの距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrは、前後方向に一定距離れて一対が配置されることにより、管2の内面との前後位置の距離DFfとDLr,DFfとDLrから本体1の向き(走行姿勢)を検出する走行姿勢検出部が兼用されている。
【0017】
この本体1は、管1内において突っ張り状態で管軸心Oに位置するセンター部材1aを有し、全長を伸縮可能な伸縮装置6により構成され、センター部材1aの上部に設けられたシリンダライナー6aと、このシリンダライナー6aからセンター部材1aを介して下方に伸びるピストンロッド6bとを具備している。このシリンダライナー6aの前部には索体を介してロボットを吊り下げる吊下部材11が設けられている。さらにセンター部材1aの左右側面に距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrが配設され、これら距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrは管軸心Oおよび本体1に直交する面内で本体1から管2の内面までの距離DFf,DLr,DFf,DLrをそれぞれ検出するものである。
【0018】
さらにセンター部材1aの前部には、ブラシ旋回モータ12が取付けられており、管軸心O方向に突出する回転軸12aの先端部に伸縮作業アーム13が設けられている。この伸縮作業アーム13は、回転軸12aに固定されたシリンダチューブ13aと、シリンダチューブ13aから出退自在に伸びる作業ロッド13bからなり、作業ロッド13bの先端部に、内蔵モータにより回転駆動されるとともに噴射ノズル(図示せず)から洗浄水を噴射する回転ブラシ3が着脱自在に取付けられている。
【0019】
下走行装置5は、ピストンロッド6bに固定された下車輪カバー14上に、前後方向に所定間隔あけて操舵用モータ15A,15Bが垂設され、この操舵用モータ15A,15Bの出力軸に車輪支持体16A,16Bそれぞれ配設されている。そしてこれら車輪支持体16A,16Bに、走行用モータ17A,17Bによりそれぞれ回転駆動される走行車輪5aおよび走行車輪5bが配設されており、これら走行車輪5aおよび走行車輪5bを本体1の長さ方向に平行な軸心Ra,Rb回りにそれぞれ操舵自在に構成されている。また、下走行装置5に配設された傾斜センサ7は、前走行車輪5aおよび後走行車輪5bを介して管軸心Oを含む平面内で本体1の傾斜角αを検出するように構成されている。
【0020】
また上走行装置4は、シリンダライナー6aの上端部に固定された上車輪カバー18に操舵用モータ19により本体1の軸心Rc回りに操舵される車輪支持体20が配設され、この車輪支持体20に走行モータ21により回転駆動される走行車輪4aが配設されている。
【0021】
なお、ロボットへの駆動源である電源や油、水、空気等の圧力流体、清掃水、制御信号、検出信号などは図示しない伝送ケーブルおよびホースを介して供給および送受される。
【0022】
上記構成において、図4に実線で示すように、クレーンやウインチなどに連結されて巻き上げ繰出し自在な索体Wを吊下部材11に連結するとともに、本体1を伸縮装置6により収縮した状態で吊り上げ、マンホール2aから管2内に投入する。そして、本体1にケーブルやホースを接続した後、本体2をマンホール2aの開口部からずらして、伸縮装置6を伸展し本体1を管2の直径と同じ長さにするとともに、走行車輪4a,5a,5bを管2の内面に押し付ける。この時、図では本体1を上下方向に配置したが、管2の状態により水平方向または斜め方向であっても差し支えない。
【0023】
次いで、傾斜センサ7により管軸心Oを含む面内で本体1の傾斜角αを検出し、走行制御装置9ではこの検出値に基づいて走行用モータ17A,17B,21を制御して走行車輪4a,5a,5bの回転速度を操作することにより、傾斜角αを90°に保持する。またセンター部材1aに設けた距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrにより、管2内面までの距離DRf,DRr,DLf,DLrが検出されており、走行制御装置9では、この距離DRf=DRr=DLf=DLrとなる中心に本体1が位置され、かつ走行方向が管2の軸心O上に沿うように制御するとともに、操舵用モータ15a,15b,18が操作されて走行車輪4,5A,5Bの操舵角がそれぞれ制御される。なお、この構成により、管1の直線部はもちろん湾曲部なども走行することができる。また傾斜センサ7により異常が検出されると、ロボットは非常停止されて点検される。
【0024】
このように本体が管2の軸心に直交する面内で管2の中心(直径位置)に保持されて安定して前進される。そして、ブラシ旋回モータ12により伸縮作業アーム13が旋回移動されるとともに伸縮作業アーム13により回転ブラシ3が管2の内面に押し付けられ、回転ブラシ3と噴射される洗浄水により管2の内面が清掃される。清掃滓や清掃水は回収ホースで回収されて分離され排出される。また管2の内面が乾燥された後、清掃ブラシ3に替えて伸縮作業アーム13に塗装ガンを取付け、管2の内面の塗装が実施される。また、清掃ブラシ3に替えて管2の検査装置を取り付けてもよい。
【0025】
上記実施の形態によれば、伸縮装置6により管2内に突っ張り状態で本体1を設置してゴム製の走行車輪4,5A,5Bを管2の内面に押付け、走行制御装置9により、傾斜センサ7による傾斜角αと、距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrによる管2の内面までの距離DRf,DRr,DLf,DLrに基づいて本体1の走行方向と管軸心Oに垂直に制御する走行形式としたので、ロボットを大幅に小型化することができ、分解することなくマンホールから管2内に投入、揚収することができ、重量軽減ができることから、ロボット運転や投入揚収作業の労働量を大幅に軽減することができる。
【0026】
なお、上記実施の形態では、円形断面の管2を作業対象としたが、角形断面のカルバート水路などであってもよく、伸縮作業アーム13の伸縮量を回転角に応じて制御すれば、回転ブラシ3により清掃や塗装ガンによる塗装作業を行うことができる。この角形断面の水路の場合には、距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrをセンター部材1aに配設する必要も無い。
【0027】
【発明の効果】
以上に述べたごとく本発明の請求項1記載の発明によれば、走行制御装置により、検出手段の検出値に基づいて走行車輪の回転速度と操舵角とを制御することで、ロッド状の本体を管の軸心に垂直な姿勢を保持しつつ管内中心に沿って走行移動させることができ、小型化、軽量化が図れて十分な走行速度を確保でき、分解することなくマンホールなどの狭い開口部から管内への挿脱も容易に行うことができる。
【0028】
また請求項2記載の発明によれば、走行車輪と管内面への接点で管軸心を含む面内で三角形を形成することができるので、本体の姿勢を安定させることができ、走行姿勢制御が容易となる。
【0029】
さらに請求項3記載の発明によれば、本体を収縮してコンパクトすることができ、分解することなく小さいマンホールから管内に容易に投入、揚収することができ、より小型化を図ることができる。
【0030】
さらにまた請求項4記載の発明によれば、検出手段により管内における本体の位置と姿勢(傾きと向き)を検出することができ、本体の姿勢制御を正確に行うことができる。
【0031】
また請求項5記載の発明によれば、旋回アームを旋回させつつ管内面に対する作業を行うことができ、作業装置の交換により複数の作業が可能となる。
さらに請求項6記載の発明によれば、円形の管だけでなく、角筒管や楕円、多角形の異形管に容易に適応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る管用作業ロボットの実施の形態を示す側面図である。
【図2】同管用作業ロボットの背面図である。
【図3】同管用作業ロボットの斜視図である。
【図4】同管用作業ロボットの投入、揚収状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 本体
1a センター部材
2 管
2a マンホール
3 回転ブラシ
4 上走行装置
4a 走行車輪
5 下走行装置
5a,5b 走行車輪
6 伸縮装置
7 傾斜センサ
8Rf,8Rr,8Lf,8Lr 距離センサ
9 走行制御装置
12 ブラシ旋回モータ
13 伸縮作業アーム
15A,15B 操舵用モータ
17A,17B 走行用モータ
19 操舵用モータ
21 走行用モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下水道の円筒配管や角型カルバート水路などの管内を軸心方向に走行して検査やメンテナンスなどの作業を行う管内走行ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば円管内を清掃するために造られた清掃ロボットは、特開平5−287171号公報に開示されるようなローラー走行式と、特開平7−2308号公報に開示されるような伸縮脚走行式(尺取虫形走行式)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ローラー走行式では、本体を管軸心位置に保持して移動させるために、傾斜状態で管内面に走行車輪を押し付けるアームを有しており、アームに大きい曲げモーメントが作用して重量の増加や大形化の要因となるという問題があった。また伸縮脚走行式では、垂直荷重であるため、先の問題は生じないが、走行が断続的なシーケンス動作となるため、動作速度に限界があり、走行速度がローラー式に比較して約1/2以下るという問題があった。また両走行方式とも、全長が管直径より長くなるため、管への投入に大きい開口面積を必要とし、マンホール程度のスペースしか確保できない場合には、ロボットの分解→投入→組立が必要で、狭く悪臭のある管内での作業が不可欠となり、3K作業となるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決して、軽量化、小型化が可能で、かつ十分な走行速度を確保でき、狭いマンホール等でも分解することなく管内に投入、揚収可能な管内走行用ロボットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の管内走行ロボットは、 管軸心に直交する面内で直径方向に配置されるロッド状の本体と、この本体の両端部にそれぞれ操舵自在に配設された走行車輪と、これら走行車輪をそれぞれ管内面に押し付ける付勢手段と、本体の姿勢を検出する複数の検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて各走行車輪の回転速度と操舵角とをそれぞれ制御し、本体を管軸心に直交する面内で直径位置に保持する走行制御装置とを具備したものである。
【0006】
上記構成によれば、走行制御装置により、検出手段の検出値に基づいて走行車輪の回転速度と操舵角とを制御することで、ロッド状の本体を管の軸心に垂直な姿勢を保持しつつ管内中心に沿って走行移動させることができ、小型化、軽量化が図れて十分な走行速度を確保でき、分解することなくマンホールなどの狭い開口部から管内への挿脱も容易に行うことができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記構成において、少なくとも一方の走行車輪が管軸心方向に所定距離をあけて複数個配置されたものである。
上記構成によれば、走行車輪と管内面への接点で管軸心を含む面内で三角形を形成することができるので、本体の姿勢を安定させることができ、走行姿勢制御が容易となる。
【0008】
さらに請求項3記載の発明は、上記構成において、付勢手段は、本体を伸縮自在な伸縮装置により構成されたものである。
上記構成によれば、本体を収縮してコンパクトすることができ、分解することなく小さいマンホールから管内に容易に投入、揚収することができ、より小型化を図ることができる。
【0009】
さらにまた請求項4記載の発明は、上記構成において、検出手段に、本体の前後方向の傾斜を検出する傾斜検出部と、管内面から本体までの距離から本体の位置を検出するセンタリング検出部と、本体の走行方向を検出する走行姿勢検出部とを具備し、前記走行制御装置を、傾斜検出部の検出値に基づいて両走行車輪の回転速度を制御し、センタリング検出部および走行姿勢検出部の検出値に基づいて両走行車輪の操舵角を制御するように構成したものである。
【0010】
上記構成によれば、検出手段により管内における本体の位置と姿勢(傾きと向き)を検出することができ、本体の姿勢制御を正確に行うことができる。
また請求項5記載の発明は、上記構成において、管軸心位置に、管軸心方向に沿う軸心回りに旋回自在な旋回アームを配設し、この伸縮作業アームに作業装置を着脱自在に設けたものである。
【0011】
上記構成によれば、旋回アームを旋回させつつ管内面に対する作業を行うことができ、作業装置の交換により複数の作業が可能となる。
さらに請求項6記載の発明は、上記構成の旋回アームを伸縮自在に構成したものである。
【0012】
上記構成によれば、円形の管だけでなく、角筒管や楕円、多角形の異形管に容易に適応することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明に係る管用作業ロボットの実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図3に示すように、この作業ロボットは、ロッド状の本体1を円形管2の内面に沿って走行しつつ作業装置である回転ブラシ3を旋回移動させ管2の内面に沿って清掃するもので、この回転ブラシ3に替えて、たとえば非接触式センサ等の検査装置に交換することにより、管2の検査を行うことができ、また塗装ガンと交換することにより管2の内面を塗装を行うことができる。
【0015】
この作業ロボット1は、管2の軸心Oに直交する面内で直径位置(管中心位置)に配置されるロッド状の本体1と、この本体1の上端部に配設されてゴム製の上走行車輪4aを有する上走行装置4および下端部に配設されたゴム製の下走行車輪5a,5bを有する下走行装置5と、本体1を伸縮自在で走行車輪4a,5a,5bをそれぞれ管2の内面に押し付ける付勢手段である伸縮装置6と、本体1の姿勢を検出する複数の検出手段と、これら検出手段の検出値により各走行車輪4a,5a,5bの回転速度と各走行車輪4a,5a,5bの操舵角とをそれぞれ制御して本体を管2の軸心Oに直交する面内で直径位置に保持可能な走行制御装置9とが具備されている。
【0016】
前記検出手段として、下走行装置5に配設されて本体1および管軸心Oを含む面内で本体1の傾きαを検出する傾斜検出部である傾斜センサ7と、本体1のセンター部材1aに配設されて軸心Oに直交する面内で本体1と直角方向の管1の内面(最大部)までの距離DFf,DLr,DFf,DLrを検出する超音波やレーザ光などを使用したセンタリング検出部である非接触式の距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrとが設けられている。またこの距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrは、前後方向に一定距離れて一対が配置されることにより、管2の内面との前後位置の距離DFfとDLr,DFfとDLrから本体1の向き(走行姿勢)を検出する走行姿勢検出部が兼用されている。
【0017】
この本体1は、管1内において突っ張り状態で管軸心Oに位置するセンター部材1aを有し、全長を伸縮可能な伸縮装置6により構成され、センター部材1aの上部に設けられたシリンダライナー6aと、このシリンダライナー6aからセンター部材1aを介して下方に伸びるピストンロッド6bとを具備している。このシリンダライナー6aの前部には索体を介してロボットを吊り下げる吊下部材11が設けられている。さらにセンター部材1aの左右側面に距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrが配設され、これら距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrは管軸心Oおよび本体1に直交する面内で本体1から管2の内面までの距離DFf,DLr,DFf,DLrをそれぞれ検出するものである。
【0018】
さらにセンター部材1aの前部には、ブラシ旋回モータ12が取付けられており、管軸心O方向に突出する回転軸12aの先端部に伸縮作業アーム13が設けられている。この伸縮作業アーム13は、回転軸12aに固定されたシリンダチューブ13aと、シリンダチューブ13aから出退自在に伸びる作業ロッド13bからなり、作業ロッド13bの先端部に、内蔵モータにより回転駆動されるとともに噴射ノズル(図示せず)から洗浄水を噴射する回転ブラシ3が着脱自在に取付けられている。
【0019】
下走行装置5は、ピストンロッド6bに固定された下車輪カバー14上に、前後方向に所定間隔あけて操舵用モータ15A,15Bが垂設され、この操舵用モータ15A,15Bの出力軸に車輪支持体16A,16Bそれぞれ配設されている。そしてこれら車輪支持体16A,16Bに、走行用モータ17A,17Bによりそれぞれ回転駆動される走行車輪5aおよび走行車輪5bが配設されており、これら走行車輪5aおよび走行車輪5bを本体1の長さ方向に平行な軸心Ra,Rb回りにそれぞれ操舵自在に構成されている。また、下走行装置5に配設された傾斜センサ7は、前走行車輪5aおよび後走行車輪5bを介して管軸心Oを含む平面内で本体1の傾斜角αを検出するように構成されている。
【0020】
また上走行装置4は、シリンダライナー6aの上端部に固定された上車輪カバー18に操舵用モータ19により本体1の軸心Rc回りに操舵される車輪支持体20が配設され、この車輪支持体20に走行モータ21により回転駆動される走行車輪4aが配設されている。
【0021】
なお、ロボットへの駆動源である電源や油、水、空気等の圧力流体、清掃水、制御信号、検出信号などは図示しない伝送ケーブルおよびホースを介して供給および送受される。
【0022】
上記構成において、図4に実線で示すように、クレーンやウインチなどに連結されて巻き上げ繰出し自在な索体Wを吊下部材11に連結するとともに、本体1を伸縮装置6により収縮した状態で吊り上げ、マンホール2aから管2内に投入する。そして、本体1にケーブルやホースを接続した後、本体2をマンホール2aの開口部からずらして、伸縮装置6を伸展し本体1を管2の直径と同じ長さにするとともに、走行車輪4a,5a,5bを管2の内面に押し付ける。この時、図では本体1を上下方向に配置したが、管2の状態により水平方向または斜め方向であっても差し支えない。
【0023】
次いで、傾斜センサ7により管軸心Oを含む面内で本体1の傾斜角αを検出し、走行制御装置9ではこの検出値に基づいて走行用モータ17A,17B,21を制御して走行車輪4a,5a,5bの回転速度を操作することにより、傾斜角αを90°に保持する。またセンター部材1aに設けた距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrにより、管2内面までの距離DRf,DRr,DLf,DLrが検出されており、走行制御装置9では、この距離DRf=DRr=DLf=DLrとなる中心に本体1が位置され、かつ走行方向が管2の軸心O上に沿うように制御するとともに、操舵用モータ15a,15b,18が操作されて走行車輪4,5A,5Bの操舵角がそれぞれ制御される。なお、この構成により、管1の直線部はもちろん湾曲部なども走行することができる。また傾斜センサ7により異常が検出されると、ロボットは非常停止されて点検される。
【0024】
このように本体が管2の軸心に直交する面内で管2の中心(直径位置)に保持されて安定して前進される。そして、ブラシ旋回モータ12により伸縮作業アーム13が旋回移動されるとともに伸縮作業アーム13により回転ブラシ3が管2の内面に押し付けられ、回転ブラシ3と噴射される洗浄水により管2の内面が清掃される。清掃滓や清掃水は回収ホースで回収されて分離され排出される。また管2の内面が乾燥された後、清掃ブラシ3に替えて伸縮作業アーム13に塗装ガンを取付け、管2の内面の塗装が実施される。また、清掃ブラシ3に替えて管2の検査装置を取り付けてもよい。
【0025】
上記実施の形態によれば、伸縮装置6により管2内に突っ張り状態で本体1を設置してゴム製の走行車輪4,5A,5Bを管2の内面に押付け、走行制御装置9により、傾斜センサ7による傾斜角αと、距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrによる管2の内面までの距離DRf,DRr,DLf,DLrに基づいて本体1の走行方向と管軸心Oに垂直に制御する走行形式としたので、ロボットを大幅に小型化することができ、分解することなくマンホールから管2内に投入、揚収することができ、重量軽減ができることから、ロボット運転や投入揚収作業の労働量を大幅に軽減することができる。
【0026】
なお、上記実施の形態では、円形断面の管2を作業対象としたが、角形断面のカルバート水路などであってもよく、伸縮作業アーム13の伸縮量を回転角に応じて制御すれば、回転ブラシ3により清掃や塗装ガンによる塗装作業を行うことができる。この角形断面の水路の場合には、距離センサ8Rf,8Rr,8Lf,8Lrをセンター部材1aに配設する必要も無い。
【0027】
【発明の効果】
以上に述べたごとく本発明の請求項1記載の発明によれば、走行制御装置により、検出手段の検出値に基づいて走行車輪の回転速度と操舵角とを制御することで、ロッド状の本体を管の軸心に垂直な姿勢を保持しつつ管内中心に沿って走行移動させることができ、小型化、軽量化が図れて十分な走行速度を確保でき、分解することなくマンホールなどの狭い開口部から管内への挿脱も容易に行うことができる。
【0028】
また請求項2記載の発明によれば、走行車輪と管内面への接点で管軸心を含む面内で三角形を形成することができるので、本体の姿勢を安定させることができ、走行姿勢制御が容易となる。
【0029】
さらに請求項3記載の発明によれば、本体を収縮してコンパクトすることができ、分解することなく小さいマンホールから管内に容易に投入、揚収することができ、より小型化を図ることができる。
【0030】
さらにまた請求項4記載の発明によれば、検出手段により管内における本体の位置と姿勢(傾きと向き)を検出することができ、本体の姿勢制御を正確に行うことができる。
【0031】
また請求項5記載の発明によれば、旋回アームを旋回させつつ管内面に対する作業を行うことができ、作業装置の交換により複数の作業が可能となる。
さらに請求項6記載の発明によれば、円形の管だけでなく、角筒管や楕円、多角形の異形管に容易に適応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る管用作業ロボットの実施の形態を示す側面図である。
【図2】同管用作業ロボットの背面図である。
【図3】同管用作業ロボットの斜視図である。
【図4】同管用作業ロボットの投入、揚収状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 本体
1a センター部材
2 管
2a マンホール
3 回転ブラシ
4 上走行装置
4a 走行車輪
5 下走行装置
5a,5b 走行車輪
6 伸縮装置
7 傾斜センサ
8Rf,8Rr,8Lf,8Lr 距離センサ
9 走行制御装置
12 ブラシ旋回モータ
13 伸縮作業アーム
15A,15B 操舵用モータ
17A,17B 走行用モータ
19 操舵用モータ
21 走行用モータ
Claims (6)
- 管軸心に直交する面内で直径方向に配置されるロッド状の本体と、
この本体の両端部にそれぞれ操舵自在に配設された走行車輪と、
これら走行車輪をそれぞれ管内面に押し付ける付勢手段と、
本体の姿勢を検出する複数の検出手段と、
前記検出手段の検出値に基づいて各走行車輪の回転速度と操舵角とをそれぞれ制御し、本体を管軸心に直交する面内で直径位置に保持する走行制御装置とを具備した
ことを特徴とする管内走行ロボット。 - 少なくとも一方の走行車輪を、管軸心方向に所定距離をあけて複数個配置した
ことを特徴とする請求項1記載の管内走行ロボット。 - 付勢手段を、本体を伸縮自在な伸縮装置により構成した
ことを特徴とする請求項1または2記載の管内走行ロボット。 - 検出手段に、本体の前後方向の傾斜を検出する傾斜検出部と、管内面から本体までの距離から本体の位置を検出するセンタリング検出部と、本体の走行方向を検出する走行姿勢検出部とを具備し、
前記走行制御装置を、傾斜検出部の検出値に基づいて両走行車輪の回転速度を制御し、センタリング検出部および走行姿勢検出部の検出値に基づいて両走行車輪の操舵角を制御するように構成した
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の管内走行ロボット。 - 管軸心位置に、管軸心方向に沿う軸心回りに旋回自在な旋回アームを配設し、
この旋回アームに作業装置を設けた
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の管内走行ロボット。 - 旋回アームを伸縮自在に構成した
ことを特徴とする請求項5記載の管内走行ロボット。
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