JP3563493B2 - 炉内洗浄装置と洗浄方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、軽水冷却型原子炉などの原子炉圧力容器内の炉内構造物や、作業用プール内の機器の洗浄、点検、検査、補修などを行う作業装置に係り、特に炉内構造物に堆積あるいは付着したクラッドや異物を洗浄して回収する炉内洗浄装置と洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉圧力容器内の原子炉圧力容器壁とシュラウドの間(以下アニュラス部と称す)において、ジェットポンプを設置したバッフルプレート上に堆積、あるいは付着したクラッドや異物は、定期点検などの機会に洗浄すると共に、このクラッドや異物が再び炉水中に混入しないように外部に回収している。
【0003】
従来の洗浄作業としては、吸引ノズルを長尺のポールをつなぎ合わせて、水中で深さ約20mのアニュラス部におけるバッフルプレート上まで誘導し、燃料交換機や作業台車上から作業員の手によりポールを操作して、吸引ノズルを移動させることにより洗浄と回収の作業を実施していた。
【0004】
前記アニュラス部にはジェットポンプなどが存在していて、狭あいでアクセス性が悪いが、ジェットポンプなどの機器を取り外さない場合には、上記のポールをジェットポンプ間の狭あい部へ挿入して行う必要がある。
なお、作業性を向上させるために、ジェットポンプの分解可能な部分を予め取り外してから洗浄作業を行う場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
洗浄作業に際して、ジェットポンプなどの機器の分解や取り外しを行わない場合では、アニュラス部には給水スパージャや炉心スプレイ配管もあり、さらにシュラウド上部胴と原子炉圧力容器壁との間が狭く、シュラウドラグがあることから上部から吸引ノズルを接近させることが困難である。
【0006】
また、ジェットポンプなどが存在して内部が複雑、狭あいであり、さらに原子炉圧力容器の上部からの吸引ノズルの接近をますます困難にしている。特に長尺のポールの先端にある吸引ノズルを移動させる場合に、ジェットポンプライザー下のジェットポンプアダプタ間の洗浄や回収は不可能であり、洗浄あるいは回収ができない範囲があった。
【0007】
さらに、長尺のポールは重量が大きく取扱いが困難であり、水中下の20m以上も先の吸引ノズルを移動操作するには、水の粘性によりポールがたわんだり、視認性が悪いことから作業性が著しく劣っていた。
特にジェットポンプ間の洗浄を行う場合には、その都度ポールの上げ下げや分解、組立を行う必要が生じることから作業性が悪い。
【0008】
また、作業性を向上させるために、ジェットポンプなどの機器を予め分解、取り外して洗浄を行う場合には、この洗浄と回収作業の他に分解、撤去、復旧の作業が必要となり、全作業量が増大して期間が余分にかかると共に、作業員が受ける被曝量も増加するという問題があった。
【0009】
本発明の目的とするところは、自走式の洗浄装置本体とこれを支援するホースケーブル処理装置とにより、原子炉圧力容器内の炉水中でジェットポンプなどの炉内機器を取り外さずにバッフルプレート上を洗浄する炉内洗浄装置と洗浄方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、原子炉圧力容器内の水中でバッフルプレート上を走行しながら洗浄作業を行う炉内洗浄装置において、吸引ホースを接続しクラッドや異物を吸引し回収する吸引回収部、およびケーブルと接続し前記吸引回収部を走行駆動する走行部を備えた洗浄装置本体と、前記洗浄装置本体に接続され洗浄装置本体の転倒を防止するための気体を導入可能な気室と、前記吸引ホースに接続した吸引ポンプと、前記ケーブルに接続された制御部とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の炉内洗浄装置において、前記吸引回収部は、原子炉圧力容器内のクラッドや異物を掻き出すための洗浄ブラシと、掻き出されたクラッドや異物を吸引する吸引ノズルとを有することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の炉内洗浄装置において、前記走行部は、1対のクローラと、これらクローラを駆動するクローラ駆動部とを有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の炉内洗浄装置において、前記走行部は、走行車輪および操舵車輪と、これらの車輪を駆動する駆動部とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の炉内洗浄装置において、前記洗浄装置本体にカメラおよびライトを搭載したことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の炉内洗浄装置において、前記洗浄装置本体を収納するとともに前記吸引ホースおよび前記ケーブルの繰出しと引込みを行うホースケーブル処理装置を有することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の炉内洗浄装置において、前記ホースケーブル処理装置は、前記洗浄装置本体を収納する収納部と、カメラおよびライトと、前記洗浄装置本体の移動距離に応じて吸引ホースおよびケーブルの繰出しと引込みを行うホース処理部とを有することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、吸引ホースを接続しクラッドや異物を吸引し回収する吸引回収部、およびケーブルと接続し原子炉圧力容器内のバッフルプレート上を走行しながら前記吸引回収部を走行駆動する走行部を備えた洗浄装置本体に、洗浄装置本体の転倒を防止するための気体を導入可能な気室を接続し、原子炉圧力容器内の水中でクラッドや異物を吸引し回収することを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明に係る洗浄方法は、洗浄装置本体に洗浄装置本体の転倒を防止するための気体を導入可能な気室を接続し、シュラウド上部胴と原子炉圧力容器壁の間の0°または 180°のシュラウドブラケットの脇から吊り降ろしてバッフルプレート上の水中に設置した後に、バッフルプレート上を走行させて90°分の範囲の洗浄と回収作業を行い、次に向きを変えて反対側の90°分の範囲の洗浄と回収作業を行なって、炉内のバッフルプレートの洗浄と回収を行うことを特徴とする。
【0016】
【作用】
請求項1記載の発明によれば、洗浄装置本体が原子炉圧力容器内の水中でアニュラス部におけるバッフルプレート上を走行部により走行すると共に、吸引回収部において堆積し付着したクラッドや異物を洗浄し、吸引ホースと吸引ポンプおよびフィルタにより回収する。
また、洗浄装置本体は吸引ホースおよびケーブルの繰出しと引込みを行うホースケーブル処理装置内に収納されて、アニュラス部の所定の場所に設置された後に制御部から作業員の操作により運転される。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、洗浄装置本体の走行に伴い吸引回収部の洗浄ブラシによりバッフルプレートに付着したクラッドや異物を掻き出され、吸引ポンプの運転により吸引ノズルから吸引されてフィルタにて捕捉回収される。
請求項3記載の発明によれば、制御部から作業員の操作により、洗浄装置本体のクローラ駆動部を介して1対のクローラを運転して、洗浄装置本体の方向と走行を自在に行なってバッフルプレート上各部の洗浄を行う。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、制御部から作業員の操作により、洗浄装置本体の走行車輪による走行と、操舵車輪による方向変更をすることにより、洗浄装置本体を自在に走行させてバッフルプレート上各部の洗浄を行う。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、洗浄装置本体に搭載した監視カメラおよびライトにより、洗浄装置本体の走行進路および浄化作業の状態を操作卓のモニタに伝達して、作業員の操作を支援する。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、ホースケーブル処理装置は洗浄装置本体を収納して原子炉圧力容器内の所定位置に設置されると共に、この洗浄装置本体に接続された吸引ホースおよびケーブルに対して、洗浄装置本体の走行に伴う送り出しと引込み操作を行う。
請求項7記載の発明によれば、ホースケーブル処理装置は洗浄装置本体を収納して原子炉圧力容器内の所定位置に設置されると共に、この洗浄装置本体に接続された吸引ホースおよびケーブルに対して、洗浄装置本体の走行に伴う送り出しと引込み操作を、洗浄装置本体の走行距離に応じて行う。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、洗浄装置本体に気室を設けたことにより、洗浄装置本体に気室の浮力によりモーメントが作用して姿勢保持が容易となる。これにより、走行に際して洗浄装置本体に加わる牽引する吸引ホースやケーブルの反力などによる転倒が防止される。
【0022】
請求項9記載の発明によれば、バッフルプレート上に洗浄装置本体を走行させて行う洗浄作業について、ホースケーブル処理装置は洗浄装置本体を収納したまま、シュラウド上部胴と原子炉圧力容器壁の間の0°のブラケットの脇から吊り降ろしてバッフルプレート上に設置する。
【0023】
洗浄装置本体をシュラウドサポートシリンダとジェットポンプアダプタ間を走行させてバッフルプレート上の90°分の範囲の洗浄作業を行い、この後に向きを変えて反対側の90°分の範囲について行ない、洗浄装置本体を収納する。
【0024】
次に、ホースケーブル処理装置をシュラウド上部胴と原子炉圧力容器壁の間の 180°のブラケットの脇に移動させると共に、上記と同様にバッフルプレート上の2方向に対して洗浄装置本体を走行させることにより、バッフルプレート全周の洗浄作業が行われる。
【0025】
【実施例】
本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
第1実施例は、図1の斜視図に示すように炉内洗浄装置は、自走式の洗浄装置本体1と、この洗浄装置本体1を収納するホースケーブル処理装置2、このホースケーブル処理装置2と離れた位置に設置した吸引ポンプ3およびフィルタ4と、これらを連通した異物などを吸引する吸引ホース5、さらに制御部である制御盤6およびモニタを備えた操作卓7と、これらを接続した電源及び制御のためのケーブル8により構成されている。
【0026】
洗浄装置本体1は図2(a)の側面図と、図2(b)の(a)におけるA−A矢視断面図に示すように、吸引回収部の洗浄ブラシ9と吸引ノズル10が走行部である走行台車11の前後に配置され、吸引ホース5により連結されている。
【0027】
さらに、走行台車11には作業用の監視カメラ12と照明用のライト13が搭載されていて、この走行台車11は監視カメラ12により、周囲の機器との距離などの環境情報を得ながら、走行部である一対のクローラ14をクローラ駆動部15により駆動して、前後進および左右旋回して走行する。なお、走行台車11の上には姿勢保持用の気室16を備えて構成されている。
【0028】
この洗浄装置本体1は自走して、図1に示す原子炉圧力容器壁17とシュラウド18の間でシュラウドサポートシリンダ18aと、ジェットポンプ19の根元のジェットポンプアダプタ19a間を通過し、バッフルプレート20上の全周において、ジェットポンプアダプタ19a回りへ、洗浄ブラシ9と吸引ノズル10を移動してクラッドや異物の吸引と洗浄を行う。
【0029】
この吸引と洗浄を行う際に、吸引ノズル10のみで吸引した場合は、流体力により粘性で引き剥されるクラッドや異物のみの吸引と回収が可能であるが、洗浄ブラシ9を設けることにより、洗浄面が擦れるので軽微に付着したクラッドや異物を容易に剥離させることから洗浄能力が高い。
なお、洗浄ブラシ9を図示しない回転駆動部を設けて回転させると、さらに容易にクラッドや異物を剥離させることができるので洗浄効果が向上する。
【0030】
また、洗浄装置本体1は1対のクローラ駆動部15の同時、あるいは別個に正転、または逆転することにより、1対のクローラ14は前後直進と左右に方向転換して自在に走行することができる。
なお、クローラ14は走行面との摩擦抵抗が高いことから、走行面への走行駆動力の伝達が良好で、バッフルプレート20上に多少の凸凹があっても容易に走行が可能であり走行安定性も高い。
【0031】
洗浄装置本体1に接続されている吸引ホース5は、回転継手21を介して連結されているので、吸引ホース5の捻れによって走行台車11に過剰な負荷が作用しない構造となっている。
また、走行台車11の上部に設けられた気室16は、姿勢保持のためのもので、走行台車11が細長い場合は、牽引する吸引ホース5やケーブル8の反力により転倒し易くなることが考えられるが、気室16における浮力によりモーメントが作用して、洗浄装置本体1の転倒を防止することができる。
【0032】
ホースケーブル処理装置2は、図3(a)の縦断面図および図3(b)の(a)におけるB−B矢視断面図に示すように、正面が開口して、上部に吸引ホース5およびケーブル8を引き出すケーシング22内に、前記洗浄装置本体1を収納する空間の装置本体収納部23を持ち、吸引ホース5およびケーブル8をローラ24と押付けプーリ25により挟んだホース処理部が設置されている。
【0033】
このホース処理部の押付けプーリ25は、バネ26によりローラ24へ押し付けた状態として、ローラ駆動部27によりローラ24を回転させることで、吸引ホース5およびケーブル8の送り出しと引込みが行われる。
なお、この吸引ホース5およびケーブル8の送り出しや引込みは、洗浄装置本体1の移動距離に応じて適宜行われる。また、ケーシング22内の下部で本体収納部23に取付けた監視カメラ28とライト29により洗浄装置本体1の収納状態や装置本体収納部23からの移動状況や収納状態を把握する構成となっている。
【0034】
次に上記構成による作用について説明する。
洗浄装置本体1は装置本体収納部23に収納したまま、このホースケーブル処理装置2を原子炉圧力容器内の水中に沈めて、アニュラス部のバッフルプレート20上に設置する。
【0035】
この装置本体収納部23は、バッフルプレート20上へ洗浄装置本体1を走行させるが、アニュラス部はホースケーブル処理装置2を設置する箇所についても狭く複雑であるが、洗浄装置本体1を直接設置する場合を比べると、吸引ホース5やケーブル8が周囲の機器に干渉することがなく、設置が容易になるので作業時間が短縮される。
【0036】
また、ホース処理部においては吸引ホース5およびケーブル8をローラ24と押付けプーリ25により挟んでバネ26により保持し、ローラ駆動部27により適度の張力を与える。
さらに、洗浄装置本体1の移動に合わせて吸引ホース5やケーブル8の送り出しと、引込みを能動的に行うため、洗浄装置本体1の走行に際して洗浄装置本体1とホースケーブル処理装置2の双方に、過大な負担が作用せず、したがって洗浄作業に支障をきたさない。
【0037】
本炉内洗浄装置では、バッフルプレート20上で走行する洗浄装置本体1からの吸引ホース5やケーブル8をホースケーブル処理装置2によって送り込みと引込みを行うが、この洗浄装置本体1の操作および制御は、オペレーションフロア30上の制御部である制御盤6および操作卓7において作業員により行う。
【0038】
このときに、洗浄装置本体1のホースケーブル処理装置2における収納状態は、ホースケーブル処理装置2内に設置した照明用のライト29と監視カメラ28により、またバッフルプレート20上での走行や洗浄作業状態は、洗浄装置本体1が搭載したライト13と監視カメラ12により撮影して、この映像が操作卓7のモニタに送られて作業員の操作を支援する。
【0039】
洗浄装置本体1が走行することにより、バッフルプレート20上のクラッドや異物は洗浄ブラシ9により剥離され、炉内やプール内に設置された吸引ポンプ3の運転により吸引ノズル10にて吸引される。
このクラッドや異物は、吸引ホース5を経由して吸引ポンプ3に至り、フィルタ4によって回収されるが、炉水は再び原子炉圧力容器内に戻される。
【0040】
これにより、従来は先端にノズルのついた長尺のポールを操作して燃料交換機や作業台車上から作業しなければならず、洗浄箇所に応じて作業員が移動する必要もあったが、本発明によれば、作業員はオペレーションフロア30上の固定した場所で操作卓7における遠隔操作により容易に洗浄作業を行うことができるので、被曝も大幅に低減する。
【0041】
次に、本炉内洗浄装置を用いたときの作業手順例について説明する。原子炉圧力容器内のアニュラス部で環状のバッフルプレート20上の洗浄を行うために、洗浄装置本体1をホースケーブル処理装置2に収納した状態で、シュラウド18の上部胴と原子炉圧力容器壁17の間の0°方向側のブラケットの脇から吊り降ろして、バッフルプレート20上に設置する。
【0042】
先ず、ホースケーブル処理装置2内より洗浄装置本体1を、シュラウドサポートシリンダ18aとジェットポンプアダプタ19a間を走行させて、バッフルプレート20上の90°分の範囲の洗浄と回収作業を行い、次に、向きを変えて反対側の90°分の範囲の洗浄作業を行い、洗浄装置本体1をホースケーブル処理装置2内に収納する。これにより、環状のバッフルプレート20における0°方向側の半分の洗浄が終了する。
【0043】
次は、ホースケーブル処理装置2を反対側の 180°方向側のブラケットの脇から吊り降ろしてバッフルプレート20上に設置し、前記0°方向側と同様に環状のバッフルプレート20上の90°分の範囲の洗浄と、次いで、向きを変えて反対側の90°分の範囲の洗浄作業を行うことにより残りの半分を洗浄する。
以上のように、バッフルプレート20において、ホースケーブル処理装置2の設置回数が2回で各々2方向に洗浄装置本体1を走行させることにより、バッフルプレート20の全範囲の洗浄作業を行うことができる。
【0044】
このように構成された炉内洗浄装置と、それを用いた洗浄作業によれば、作業性の悪いアニュラス部のバッフルプレート20上のクラッドや異物の洗浄と回収を行う際に、従来は洗浄作業が不可能であったジェットポンプライザー下のジェットポンプアダプタ19a間も洗浄することが可能になった。
さらに、吸込ノズルの挿入が困難であったジェットポンプ19相互間の洗浄作業が容易に行えるようになり、ジェットポンプ19などの炉内機器を取り外さずにバッフルプレート20上の全範囲の洗浄と回収が可能である。
【0045】
また、従来はジェットポンプ19間で先端に吸引ノズルを付けたアクセス用のポールを上下させなければならず作業性の悪化と作業量の増大を招いていたが、この方法によりバッフルプレート20全周の洗浄と回収作業を容易に、かつ少ない期間で行うことができるので、作業性を向上させ工期の短縮を実現することが可能である。
【0046】
第2実施例は、図4の側面図に示すように洗浄装置本体31の走行台車32は、走行車輪33と操舵車輪34により支持されており、それぞれ走行駆動部35と操舵駆動部36により駆動される。
走行は走行車輪33を駆動しながら操舵車輪34を旋回させて方向制御を行う。走行方向を変えるには操舵車輪34の向きのみを変化させればよいので、走行方向の制御が簡単で操縦性と操作性に優れている。なお、その他の構成と作用効果は上記した第1実施例と同様であるので省略する。
【0047】
第3実施例は、上記第1実施例における洗浄装置本体1に設けた姿勢保持用の気室16に相当する部分に、走行台車11に鉛直軸を回転軸とする姿勢保持用の図示しない高速回転体を搭載した構成としている。
なお、前記高速回転体は、その駆動源と共に走行台車11と鉛直軸回りに回転自由に設置するとさらに良い。
【0048】
この構成による作用としては、高速回転体は洗浄装置本体1の運転中は回転させている。これにより走行台車11が細長い場合に、牽引する吸引ホース5やケーブル8の反力により左右に転倒しようとしても、高速回転体はジャイロ効果により走行方向と直行する水平軸回りに回転しようとする。
しかし高速回転体の回転軸の位置は走行台車11に対して固定されているので、この回転力は走行台車11により抑えられる。これにより、洗浄装置本体1の転倒が防止できる。
【0049】
なお、高速回転体をその駆動源も含めて走行台車11と鉛直軸回りに回転可能としておくことにより、洗浄装置本体1が走行時に方向変更したときは、高速回転体の慣性の影響を受けることがないので、方向変更が容易になる利点がある。
【0050】
【発明の効果】
以上本発明によれば、遠隔操作による自走行式の洗浄装置本体により、原子炉圧力容器壁とシュラウド間のアニュラス部でバッフルプレート上に堆積し付着したクラッドや異物を容易に洗浄して水中で回収するので、作業員の被曝が低減できる。
また、洗浄装置本体を収納したホースケーブル処理装置をバッフルプレートに対して2回設置することで、バッフルプレート全周の洗浄作業が行なえることから、作業性が向上して工期が短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の炉内洗浄装置の斜視構成図。
【図2】本発明に係る第1実施例の洗浄装置本体で、(a)は側面図、(b)は(a)におけるA−A矢視断面図。
【図3】本発明に係る第1実施例のホースケーブル処理装置で、(a)は縦断面図、(b)は(a)におけるB−B矢視断面図。
【図4】本発明に係る第2実施例の洗浄装置本体の側面図。
【符号の説明】
1,31…洗浄装置本体、2…ホースケーブル処理装置、3…吸引ポンプ、4…フィルタ、5…吸引ホース、6…制御盤、7…操作卓、8…ケーブル、9…洗浄ブラシ、10…吸引ノズル、11,32…走行台車、12,28…監視カメラ、13,29…ライト、14…クローラ、15…クローラ駆動部、16…気室、17…原子炉圧力容器壁、18…シュラウド,18a…シュラウドサポートシリンダ、19…ジェットポンプ、19a…ジェットポンプアダプタ、20…バッフルプレート、21…回転継手、22…ケーシング、23…装置本体収納部、24…ローラ、25…押付けローラ、26…バネ、27…ローラ駆動部、30…オペレーションフロア、33…走行車輪、34…操舵車輪、35…走行駆動部、36…操舵駆動部。
Claims (9)
- 原子炉圧力容器内の水中でバッフルプレート上を走行しながら洗浄作業を行う炉内洗浄装置において、
吸引ホースを接続しクラッドや異物を吸引し回収する吸引回収部、およびケーブルと接続し前記吸引回収部を走行駆動する走行部を備えた洗浄装置本体と、
前記洗浄装置本体に接続され洗浄装置本体の転倒を防止するための気体を導入可能な気室と、
前記吸引ホースに接続した吸引ポンプと、
前記ケーブルに接続された制御部とを有することを特徴とする炉内洗浄装置。 - 前記吸引回収部は、原子炉圧力容器内のクラッドや異物を掻き出すための洗浄ブラシと、掻き出されたクラッドや異物を吸引する吸引ノズルとを有することを特徴とする請求項1記載の炉内洗浄装置。
- 前記走行部は、1対のクローラと、これらクローラを駆動するクローラ駆動部とを有することを特徴とする請求項1記載の炉内洗浄装置。
- 前記走行部は、走行車輪および操舵車輪と、これらの車輪を駆動する駆動部とを有することを特徴とする請求項1記載の炉内洗浄装置。
- 前記洗浄装置本体にカメラおよびライトを搭載したことを特徴とする請求項1記載の炉内洗浄装置。
- 前記洗浄装置本体を収納するとともに前記吸引ホースおよび前記ケーブルの繰出しと引込みを行うホースケーブル処理装置を有することを特徴とする請求項1記載の炉内洗浄装置。
- 前記ホースケーブル処理装置は、前記洗浄装置本体を収納する収納部と、カメラおよびライトと、前記洗浄装置本体の移動距離に応じて吸引ホースおよびケーブルの繰出しと引込みを行うホース処理部とを有することを特徴とする請求項6記載の炉内洗浄装置。
- 吸引ホースを接続しクラッドや異物を吸引し回収する吸引回収部、およびケーブルと接続し原子炉圧力容器内のバッフルプレート上を走行しながら前記吸引回収部を走行駆動する走行部を備えた洗浄装置本体に、洗浄装置本体の転倒を防止するための気体を導入可能な気室を接続し、原子炉圧力容器内の水中でクラッドや異物を吸引し回収することを特徴とする洗浄方法。
- 洗浄装置本体に洗浄装置本体の転倒を防止するための気体を導入可能な気室を接続し、シュラウド上部胴と原子炉圧力容器壁の間の0°または 180°のシュラウドブラケットの脇から吊り降ろしてバッフルプレート上の水中に設置した後に、バッフルプレート上を走行させて90°分の範囲の洗浄と回収作業を行い、次に向きを変えて反対側の90°分の範囲の洗浄と回収作業を行なって、炉内のバッフルプレートの洗浄と回収を行うことを特徴とする洗浄方法。
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