JP5619080B2 - エレベータシステム - Google Patents

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Description

本発明の実施の形態は、複数のエレベータ号機間で相互に電力エネルギーを授受するエレベータシステムに関する。
一般に、エレベータシステムにおける主回路電源は、商用交流電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータと、このコンバータで変換された直流電力(電圧)を平滑する平滑コンデンサと、この平滑コンデンサで平滑された直流電力を可変電圧及び可変周波数の交流電力に変換するインバータとを備え、このインバータから出力される交流電圧及び周波数を変化させつつ巻上機用電動機の回転速度を制御し、エレベータ号機対応の乗りかごを昇降制御する構成である。
従来、複数のエレベータ号機を備えたエレベータシステムでは、システム全体の電力エネルギーを有効に利用するために幾つかの電力利用技術が提案されている。
このエレベータシステムの電力利用技術は、商用交流電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータの出力端に、平滑コンデンサ及びインバータを備えた複数のエレベータ号機を並列的に接続し、コンバータで変換された直流電力を複数のエレベータ号機に並列的に供給する構成である。
また、別の電力利用技術は、商用交流電源の他、新たな電力発生源(例えば太陽電池モジュール)を設置し、この電力発生源で得られた電力エネルギーをエレベータ号機の運転に利用する。なお、電力発生源で得られた電力エネルギーが余ったとき、商用交流電源側に回生し、商用交流電源のエネルギーを低減化する。
しかし、前者の電力利用技術は、コンバータの設備容量が大きくなり、コストの増大や大型化は避けられない。また、回生号機と力行号機が存在する場合に限り、回生号機の回生エネルギーを力行号機の運転に利用するものであり、複数のエレベータ号機相互間で力行エネルギーと回生エネルギーとを融通し合うものではない。
後者の電力利用技術は、商用交流電源とは別に、太陽電池などの電力発生源を増設し、この増設された電力発生源で生成された電力エネルギーを補充的に必要な機器に利用することにより、商用交流電源の電力を節減するものである。従って、既存電源の電力エネルギーを有効に利用したり、複数のエレベータ号機間で相互に電力エネルギーを融通し合うものではない。
特開2010−168154号公報 国際公開第98/25849号パンフレット
本発明が解決しようとする課題は、主回路電源で生成される直流電源を複数のエレベータ号機で共有し、かつ、複数のエレベータ号機間で回生エネルギーと力行エネルギーとを相互に融通し合うことで、電力エネルギーの利用効率を高めるエレベータシステムを提供することにある。
上記課題を解決するために、実施の形態に係るエレベータシステムは、スイッチング制御信号を出力する各号機制御装置と、客先交流電源を、前記号機制御装置のスイッチング制御信号を受ける少なくとも順逆変換機能を有する1つの号機対応のPWMコンバータと前記スイッチング制御信号を受けない複数号機対応のダイオードコンバータを用いて直流電力に変換し、かつ、これら変換された直流電力を、号機制御装置のスイッチング制御信号を受ける号機対応のインバータを用いて所望の交流電力に変換し、各号機対応電動機を駆動する号機対応主回路電源と、前記各号機対応主回路電源の直流電源ライン間にそれぞれ直流リンクスイッチを介して共通直流母線が接続され、外部からの指示を受けて直流リンクスイッチを選択的にオンする号機電源接続手段と、前記各号機対応主回路電源の直流電源電圧の大小関係に基づいて、各号機の力行・回生を判定し、この判定された各号機の力行・回生の状態に応じて、前記直流リンクスイッチを選択的にオンし、回生エネルギーを融通制御する複数号機制御装置とを備え、
前記複数号機制御装置は、前記各号機対応主回路電源の直流電源電圧と予め定める直流電圧との大小関係から各エレベータ号機の力行・回生を判定する力行・回生判定手段と、この力行・回生判定手段によって判定されたエレベータ号機の力行・回生の状態に応じて前記直流リンクスイッチを選択的にオンし、少なくとも全エレベータ号機の回生時には前記PWMコンバータに対して逆変換動作指令を出して前記回生エネルギーの前記客先交流電源への回生を実施し、各エレベータ号機間で力行・回生状態が混在する場合には前記各号機対応主回路電源に生じる力行エネルギーと回生エネルギーとを相互に融通制御する複数号機制御処理手段とを設け
前記複数号機制御処理手段は、前記力行・回生判定手段の判定結果に基づいて、少なくとも1つの号機が回生であれば、その回生号機に対応する前記直流リンクスイッチをオンし、回生エネルギーを前記共通直流母線に出力する接点操作手段と、この接点操作手段による前記直流リンクスイッチのオン後に前記PWMコンバータの順変換動作を実施するコンバータ動作制御手段と、前記PWMコンバータの順変換動作時、予め定める順序に従って前記力行号機に対応する前記直流リンクスイッチを順次オンし、前記回生エネルギーを当該力行号機の運転に利用するエネルギー利用手段とを設けた構成である。
第1の実施の形態に係るエレベータシステムの概略的な構成図。 複数号機制御装置の一構成例を示す図。 号機管理テーブルのデータ配列例図。 第1の実施の形態に係るエレベータシステムにおける一連の処理の流れを説明するフロー図。 第2の実施の形態に係るエレベータシステムの概略的な構成図。 第2の実施の形態に係るエレベータシステムにおける一連の処理の流れを説明するフロー図。 第3の実施の形態に係るエレベータシステムの概略的な構成図。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態は、例えばPWMコンバータを適用したエレベータ号機とダイオードコンバータとを適用したエレベータ号機とを備え、各エレベータ号機が主回路電源の直流電源部分を選択的に共有する関係を作り出すエレベータシステムである。
図1は、例えば4台のエレベータ号機(以下、単に号機と呼ぶ)を備えた第1の実施の形態に係るエレベータシステムの概略構成図である。
エレベータシステムは、号機の数に相当する複数の主回路スイッチ1−1〜1−4と、号機対応の主回路電源2−1〜2−4と、これら主回路電源2−1〜2−4にスイッチング制御信号(ゲート信号)を送出して運転制御を司る号機制御装置3−1〜3−4と、各号機制御装置3−1〜3−4からのスイッチング制御信号(ゲート信号)のもとに、前記号機対応の主回路電源2−1〜2−4から出力される所望の交流電圧及び周波数の交流電力を受けて回転駆動し、乗りかご(図示せず)を昇降移動させる巻上機用の交流電動機4−1〜4−4と、複数号機制御装置5とを含む構成である。
なお、複数号機制御装置5は、コントローラ、統括制御装置、群管理制御部、あるいは群管理制御装置と呼ぶ場合もあるが、何れも用途、機能が同一であれば、これらの名称に拘らずに全て含むものとする。
複数の主回路スイッチ1−1〜1−4は、客先電源(商用交流電源)に接続され、各スイッチの投入することにより、客先電源を対応するエレベータ号機の主回路電源2−1〜2−4に供給する。
主回路電源2−1〜2−4は、客先電源の交流電力を利用して、号機ごとの可変交流電圧及び可変周波数の交流電力に変換し、各交流電動機4−1〜4−4へ駆動電力として供給する電力変換部分である。
主回路電源2−1〜2−4は、1号機エレベータに適用するPWMコンバータ21−1、2号機〜4号機エレベータに適用するダイオードコンバータ21−2〜21−4と、平滑コンデンサ22−1〜22−4と、半導体スイッチング素子で構成されるインバータ23−1〜23−4と、余剰エネルギー吸収回路24−1(Q1)〜24−4(Q4)とが設けられている。
PWMコンバータ21−1は、主回路スイッチ1−1に接続され、客先電源側への回生制動が可能な直交(順逆)変換機能を有する。すなわち、PWMコンバータ21−1は、力行・回生の双方向特性を持っており、力行運転時にはコンバータとしての役割を有する。
PWMコンバータ21−1は、主回路スイッチ1−1を通して供給される交流電力を直流電力に変換し、号機直流電源ライン25−1a,b(25−1a,bは、25−1a及び25−1bを意味する。以下、25−2a,b〜25−4a,bも同じである)に出力する。
ダイオードコンバータ21−2〜21−4は、主回路スイッチ1−2〜1−4にそれぞれ個別に接続され、客先電源からの交流電力を直流電力に変換し、対応する号機直流電源ライン25−2a,b〜25−4a,bに出力する。
平滑コンデンサ22−1〜22−4は、各コンバータ21−1〜21−4で変換された直流電力(直流電圧)を平滑化する。
インバータ23−1〜23−4は、号機制御装置3−1〜3−4から出力されるスイッチング制御信号(ゲート信号)に従って半導体スイッチング素子がオン・オフ制御され、前記平滑コンデンサ22−1〜22−4で平滑化された直流電圧を、所望とする可変交流電圧及び可変周波数の交流電力を変換し、乗りかご(図示せず)を昇降させる号機交流電動機4−1〜4−4に供給する。
各号機直流電源ライン25−1a,b〜25−4a,b間には対をなす2つの接点を備えた直流リンク接点(直流リンクスイッチ)6−1〜6−4が介在され、各直流リンク接点6−1〜6−4の一方の接点側には共通直流母線7P、他方の接点側には共通直流母線7Nが接続されている。
共通直流母線7P−7N間には、母線間直流電圧検出器8−0が設けられ、また、号機直流電源ライン25−1a,b〜25−4a,b間には、それぞれ直流電源電圧検出器8−1〜8−4が設けられている。これら電圧検出器8−0〜8−4で検出された直流電圧(電圧監視信号)は複数号機制御装置5に送られる。
複数号機制御装置5は、図2に示すように各種データ、プログラムデータ及び必要な制御指示を入力するキーボード・ポインティングデバイス等の入力部51と、ROMで構成されるプログラムデータ記憶部52と、運転制御上必要な各種のデータを記憶する補助記憶装置53と、CPUで構成された複数号機制御処理部54と、表示部55とを備えている。
プログラムデータ記憶部52には、例えば図4に示すように複数号機のエネルギーの融通処理の流れを規定するエネルギー融通制御用プログラムが格納されている。
補助記憶装置53には、例えば直流電源の定格電圧Vdrが設定されるデータ設定部53a、エネルギー消費判定時間を生成する遅延タイマ53b、号機管理テーブル53cなどが設けられている。
号機管理テーブル53cは、図3に示すように複数号機制御処理部54が各号機の力行状態及び回生状態を判定し、各号機が力行には「0」、回生時には「1」のデータを設定するテーブルである。
複数号機制御処理部54は、機能的には、力行・回生判定手段54Aと複数号機制御処理手段54Bとを有する。
力行・回生判定手段54Aは、各号機直流電源ライン25−1a,b〜25−4a,b間の直流電圧(電圧監視信号)Vd1〜Vd4及び各号機制御装置3−1〜3−4の間で授受し合う号機運転制御信号を用いて、各号機の力行及び回生の状態を判定する。
複数号機制御処理手段54Bは、複数の号機間で相互に回生エネルギー及び力行エネルギーを融通制御するものであって、接点操作手段54Ba、コンバータ動作制御手段54Bb及びエネルギー利用手段54Bcを備えている。
接点操作手段54Baは、各号機の回生状態に応じて、各号機直流リンク接点6−1〜6−4を選択的にオン操作し、各号機が直流電源ライン25−1a,b〜25−4a,b間に現れる回生エネルギーを共有できる状態に設定する機能を有する。
コンバータ動作制御手段54Bbは、全号機の回生有無に応じて、力行・回生の双方向特性を持つPWMコンバータ21−1に対して逆変換(客先電源回生)又は順変換(本来のコンバータ機能)を行わせるためのPWMコンバータ動作指令を与える機能を有する。
エネルギー利用手段54Bcは、各号機の力行、回生の状態に応じて、各号機直流リンク接点6−1〜6−4を選択的にオン・オフ操作し、複数号機間で回生エネルギー及び力行エネルギーを相互に融通制御することにより、回生エネルギーを有効に利用する機能を有する。
なお、PWMコンバータを適用したエレベータ台数とダイオードコンバータを適用したエレベータ台数は、図1の例に限らず、任意の台数の組み合わせであっても構わない。
(1) 次に、第1の実施の形態に係るエレベータシステムの作用について、図4を参照して説明する。ここでは、複数号機制御装置5が、プログラムデータ記憶部52に格納されるエネルギー融通制御用プログラムに従って、各号機間で力行エネルギーと回生エネルギーを融通し、電力エネルギーの有効活用を図る一連の処理手順について説明する。
複数号機制御装置5は、動作が開始すると、プログラムデータ記憶部52からエネルギー融通制御用プログラムを読み出し、補助記憶装置53の適宜な領域(ワークメモリ)に格納し、力行・回生判定手段54Aを実行する。
複数号機制御装置5の力行・回生判定手段54Aは、電圧検出器8−1〜8−4で検出される各号機直流電源ライン25−1a,b〜25−4a,b間の直流電圧Vd1〜Vd4を取得して補助記憶装置53に一時記憶した後(S1)、各号機が力行であるか、回生であるかを判定する(S2)。
この力行・回生の判定は、具体的には、各号機制御装置3−1〜3−4に対する号機運転制御信号から各号機エレベータが昇降中であり、かつ、補助記憶装置53に一時的に記憶される各号機対応の直流電圧Vd1〜Vd4と補助記憶装置53のデータ設定部53aに設定される直流電源定格電圧Vdrとを比較する。この比較の結果、各号機が昇降中であり、かつ直流電圧Vd1〜Vd4が定格電圧Vdr以下のとき、該当号機は力行と判定する。一方、各号機が昇降中であり、かつ直流電圧Vd1〜Vd4が定格電圧Vdrを超えているとき、該当号機は回生と判定する。この判定結果は、図3に示すように号機管理テーブル53cに保存する。
すなわち、該当号機昇降中、かつ、Vdn(n=1〜4)≦Vdr … 力行運転。
該当号機昇降中、かつ、Vdn(n=1〜4)>Vdr … 回生運転。
次に、複数号機制御装置5は接点操作手段54Baを実行する。接点操作手段54Baは何れの直流リンク接点6−1〜6−4をオン・オフ操作するかを決定する。
先ず、接点操作手段54Baは、号機管理テーブル53cから全号機が力行か否かを判断する(S3)。全号機が力行であれば、全号機とも電力エネルギーの融通が難しいと判断し、全部の直流リンク接点6−1〜6−4をオフする(S4)。
接点操作手段54Baは、ステップS3において、全号機が力行で無いと判断した場合、回生号機に対応する直流リンク接点だけ、例えば図3に基づき直流リンク接点6−1、6−4をオンする(S5)。さらに、接点操作手段54Baは、回生号機に対応する直流リンク接点のオン後、全号機が回生であるか否かを判断する(S6)。
複数号機制御装置5は、ステップS6の判断結果を反映させるためにコンバータ動作制御手段54Bbを実行する。すなわち、コンバータ動作制御手段54Bbは、全号機が回生でない場合には力行号機と回生号機が混在していると判断し、PWMコンバータ21−1に対して回生スイッチング動作を停止させるための動作指令を送出し(S7)、本来の順変換(コンバータ)機能を活かす。
一方、コンバータ動作制御手段54Bbは、ステップS6の判断結果から全号機回生と判断されたとき、PWMコンバータ21−1に対して回生スイッチング動作を開始させるための動作指令を送出し(S7)、客先電源側へ回生するための逆変換機能を活かす(S8)。
複数号機制御装置5は、PWMコンバータ21−1の順逆変換後、エネルギー利用手段54Bcを実行する。
エネルギー利用手段54Bcは、PWMコンバータ21−1に対して本来の順変換(コンバータ)機能を活かした後(S7)、図3の号機管理テーブル53cを参照し、1号機が回生号機であるか否かを判断する(S9)。
エネルギー利用手段54Bcは、例えば1号機が回生号機で無いと判断したとき、1号機以外の他の号機が回生号機となっているので、その回生号機の回生エネルギーを利用するために、1号機対応の直流リンク接点6−1をオンする(S10)。
一方、エネルギー利用手段54Bcは、例えば1号機が回生号機で有ると判断したとき、号機管理テーブル53cに従い、力行号機に対応する直流リンク接点6−2をオンし(S11)、少なくとも1号機の回生エネルギーを2号機の力行運転に利用する。なお、1号機が回生号機である場合、既にステップS5にて直流リンク接点6−1はオンしている。
エネルギー利用手段54Bcは、回生エネルギーを利用するためにステップS10又はS11にて直流リンク接点6−1又は6−2をオンした後、補助記憶装置53の遅延タイマ53bを起動し、予め定めた遅延時間を計測する(S12)。
そして、エネルギー利用手段54Bcは、遅延タイマ53bが遅延時間に達したとき、直流電源電圧検出器8−1で検出される直流電圧Vd1(共通母線電圧Vd0と同じ)と定格電圧Vdrとの大小関係を比較する(S13)。ここで、Vd1≦Vdrであれば、S10による1号機の力行運転又はS11による1号機以外の号機の力行運転によって、
回生エネルギーが消費されていると判断する。
エネルギー利用手段54Bcは、Vd1>Vdrであれば、ステップS14に移行し、全ての力行号機に対応する直流リンク接点6−1〜6−4がオンしているか判断する。ここで、オンしていない場合には、ステップS11に移行し、号機管理テーブル53cに従い、次の力行運転の3号機に対応する直流リンク接点6−3をオンし、同様の処理を繰り返し実行し(S12〜S14)、全ての力行号機の直流リンク接点6−1〜6−4がオンし、かつ、Vd1>Vdrの関係にあるとき、ステップS8に移行する。
ステップS8では、前述したようにコンバータ動作制御手段54Bbを実行する。すなわち、コンバータ動作制御手段54Bbは、全号機が回生号機であるか(S6)、あるいは全号機の直流リンク接点6−1〜6−4がオンしているとき(S14)、何れも回生エネルギーが消費しきれていないと判断し、PWMコンバータ21−1の回生スイッチング開始の動作指令を送出し(S8)、かつ、1号機制御装置3−1に号機運転制御信号を送出する。これにより、未だ余っている回生エネルギーを客先電源側に回生する。
すなわち、エネルギー利用手段54Bcは、PWMコンバータ21−1を逆変換した後、遅延タイマ53bを起動し、予め定めた所定時間を計測する(S15)。
エネルギー利用手段54Bcは、遅延タイマ53bが所定時間を計測したとき、直流電源電圧検出器8−1で検出された直流電圧Vd1(共通母線電圧Vd0と同じ)と定格電圧Vdrとの大小関係を比較する(S16)。ここで、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーが消費しきれていると判断する。
エネルギー利用手段54Bcは、Vd1≦Vdrで無ければ、未だ回生エネルギーが消費しきれていないと判断し、抵抗を備えた余剰エネルギー吸収回路24−1(Q1)を起動し、過剰となっている余剰エネルギーを消費する(S17)。そして、余剰エネルギー吸収回路24−1を起動した後、Vd1≦Vdrとなるまで(S18,S16)、余剰エネルギー吸収回路24−2,24−3,…を順次増やしていく。
最後に、昇降停止中の号機があれば、その停止中号機に対応する直流リンク接点をオフした後(S19)、ステップS1に戻って同様の処理を繰り返し実行する。
従って、以上のような実施の形態によれば、回生号機の直流リンク接点をオンすることにより、他の力行号機を選択的に共有可能な状態に生成する。そして、他の力行号機に対応する直流リンク接点をオンしたとき、該当号機間で力行エネルギーと回生エネルギーとの融通が行われる。このとき、主回路電源2−1の直流電圧と定格電圧との大小関係を監視することにより、回生エネルギーの利用状態を確認する。
また、力行号機で回生エネルギーを消費しきれずに余剰エネルギーが発生した場合やPWMコンバータ21−1が回生過負荷の状態となったとき、余剰エネルギー吸収回路24−1〜24−4を順次起動して消費する。
(2) 次に、複数号機制御装置5における一連の処理手順について説明したが、以下、複数号機の力行、回生の運転状態に分けて、直流リンク接点等の動作例を整理して説明する。
(イ) 全号機力行時(1〜4号機:力行)
複数号機制御装置5は、全ての号機対応の直流リンク接点6−1〜6−4をオフし、各号機間で電力エネルギーの融通を行わない。
(ロ) 力行号機・回生号機混在時(例えば1・4号機:回生,2・3号機:力行、図3参照)
複数号機制御装置5は、回生号機に対応する直流リンク接点6−1,6−4をオンする(S5)。該当号機の直流電源ライン25−1a,b、25−4a,bの直流電圧が同じなので単純にオンして問題ない。
複数号機制御装置5は、1号機が回生号機である場合、まず、PWMコンバータ21−1の回生スイッチングを停止し、1号機の回生エネルギーを力行号機である2号機に対応する直流リンク接点6−2をオンし、回生エネルギーの利用処理を実行する(S11)。そして、所定時間後、直流電圧Vd1と定格電圧Vdrとを比較し、Vd1≦Vdrであれば、1号機の回生エネルギーの全てが2号機である力行号機で回収できていると判断し(S13)、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、ステップS13−S14にて他の力行号機に対応する直流リンク接点6−3をオンする(S11)。そして、所定の遅延時間後、Vd1≦Vdrであれば、1号機の回生エネルギーの全てが力行の2号機及び3号機で回収できていると判断し(S13)、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
しかし、複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、PWMコンバータ21−1の回生スイッチングを開始させ(S8)、回生エネルギーを客先電源側に回生する。
複数号機制御装置5は、所定の遅延時間後、Vd1≦Vdrであれば、全ての回生エネルギーが2号機・3号機及び客先電源側へ回生できていると判断し、この回生エネルギーの融通状態を維持する。ここで、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、余剰エネルギー吸収回路24−1、…を順次接続し、余剰エネルギーを消費する。
(ハ) 力行号機・回生号機混在時(1・2号機:力行,3・4号機:回生)
複数号機制御装置5は、全ての回生号機に対応する直流リンク接点6−3,6−4をオンする(S5)。該当号機の直流電源25−3a,b、25−4a,bの直流電圧が同じなので単純にオンして問題ない。
複数号機制御装置5は、1号機が力行号機である場合、まず、PWMコンバータ21−1の回生スイッチングを停止させて順変換を実施した後、直流リンク接点6−1をオンし(S10)、エネルギーの利用処理を実行する(S12〜S14、S11)。すなわち、所定時間後、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが1号機である力行号機で回収できていると判断し(S13)、このこの回生エネルギーの融通状態を維持する。
複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、ステップS13−S14を経て他の力行号機に対応する直流リンク接点6−2をオンする(S11)。そして、所定時間経過後、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが力行の1号機及び2号機で回収できていると判断し(S13)、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、1号機対応のPWMコンバータ21−1の回生スイッチングを開始(S8)、客先電源へ回生する。さらに、所定の遅延時間後、Vd1≦Vdrであれば、全ての回生エネルギーが1号機・2号機及び客先電源へ回生できていると判断し、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
しかし、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、余剰エネルギー吸収回路24−1、…を順次接続し、余剰エネルギーを消費する。
(ニ) 全号機回生時(1〜4号機:回生)
複数号機制御装置5は、全号機対応の直流リンク接点6−1〜6−4をオンする(S5,S6)。該当号機の直流電源ライン25−1a,b〜25−4a,bの直流電圧が同じなので単純にオンして問題ない。
しかる後、複数号機制御装置5は、PWMコンバータ21−1の回生スイッチングを開始し(S8)、客先電源へ回生する。所定の遅延時間後、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが客先電源へ回生できていると判断し、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
しかし、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、余剰エネルギー吸収回路24−1,…を順次接続し、余剰エネルギーを消費する。
従って、以上のような実施の形態によれば、回生号機の直流リンク接点をオンした後、他の力行号機に対応する直流リンク接点をオンし、1号機直流電圧Vd1と定格電圧Vdrとを比較し、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、力行号機の直流リンク接点を順次オンして回生エネルギーを力行号機に順次融通し、さらに回生エネルギーが余っている場合にはPWMコンバータ21−1の回生スイッチングを開始して客先電源側に回生していくので、回生エネルギーを効率良く利用できる。
また、複数号機制御装置5は、回生エネルギーを回生しきれずに余剰エネルギーが発生したり、PWMコンバータ21−1が回生過負荷となっている場合、余剰エネルギー吸収回路24−1〜24−4を順次動作させて消費させることができる。
また、複数号機制御装置5は、力行号機の直流リンク接点を順次オンし、力行号機に回生エネルギーを融通していくが、力行号機の直流リンク接点をオンした後に所定の遅延時間経過後に直流検出電圧Vd1と定格電圧Vdrとの大小関係を判定するので、余剰回生エネルギーの消化状態を正確に把握することができる。
なお、本実施の形態では、遅延タイマ53bを設け、予め所定の時間を計測した後、直流検出電圧Vd1と定格電圧Vdrとの大小関係を判定している。しかし、図4に示す一連の処理が繰り返し実行されていることから、当該一連の処理を実行する前、或いは一連の処理の所定段階で遅延タイマ53bの計測時間をクリアし、所定の起動指令を与えたときに速やかに起動できる状態に備えているものとする。
(第1のその他の実施の形態)
(1) 上記実施の形態では、主回路電源2−1の直流電圧Vd1と定格電圧Vdrとの大小関係を判定し、回生エネルギーの消費状態を判断しているが、判定時のハンチングによる不安定動作を無くするために、予めヒステリシス特性を持たせることにより電圧Vd1とVdrとの大小関係を判定する構成としてもよい。
(2) 上記実施の形態では、図1に示す構成を前提として説明したが、例えば号機台数、PWMコンバータ21−1及びインバータコンバータ21−2〜21−4の組合せ台数、直流リンク接点6−1〜6−4のオン順序、余剰エネルギー吸収回路24−1〜24−4のオン順序などが異なっても、図4に示す処理とほぼ同様な処理手順を適用して回生エネルギーを効率良く利用することができる。
(3) また、複数号機のうち、停止号機、故障号機、メンテナンス号機、休止号機等、直流電源を共有しない号機については、該当号機に対する処理を行わず、また該当号機に対応する直流リンク接点をオフとする。
さらに、各号機がそれぞれ独立して運転したい場合、各号機対応の直流リンク接点6−1〜6−4を全てオフとすることで共通直流母線7P,7Nと各号機対応の直流電源ライン25−1a,b〜25−4a,bとを切り離し、各号機を独立運転させるようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
図5は第2の実施の形態に係るエレベータシステムの概略的な構成図である。
第2の実施の形態は、第1の実施形態で説明した共通直流母線7P,7N間に充放電コンバータ31を介して蓄電池32を追加したこと。また、複数号機制御装置5には、充放電制御手段54Bdを追加する。
充放電制御手段54Bdは、充放電コンバータ31に対して充電/放電指令を送出し、主回路電源2−1〜2−4の回生エネルギーを蓄電池32に蓄電させ、あるいは蓄電池32に蓄電された電力エネルギーを共通直流母線7P,7N側に還元放電させる機能を持っている。
その他は、図1とほぼ同じ構成であるので、同一又は等価な構成部分には全て図1と同一の符号を付し、その重複する説明は省略する。
なお、複数号機制御装置5の補助記憶装置53のデータ設定部53aには、予め蓄電池32の充電電流上限値が設定され、複数号機制御装置5が充電電流上限値を超えて充電しないように制御する。また、データ設定部53aまたは号機管理テーブル53cには、必要に応じて各号機の負荷容量の大きさが規定されている。
(1) 次に、複数号機制御装置5を用いて、各号機間で力行エネルギーと回生エネルギーとを融通し、エネルギー効率を高めて運転する一連の処理手順について、図6を参照して説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態(図4参照)とほぼ同じ処理手順に従って行われる。特に異なるところは、蓄電池32に対する充放電制御処理を追加したことにある。
先ず、複数号機制御装置5は力行・回生判定手段54Aを実行する。力行・回生判定手段54Aの処理(ステップS1,S2)は、第1の実施の形態と同様であるので、ここでは図4の説明に譲る。
引き続き、複数号機制御装置5は、接点操作手段54Baを実行する。接点操作手段54Baは、各号機の力行・回生判定結果に基づき、何れの号機の直流リンク接点6−1〜6−4をオン・オフ操作することを決定し、各号機の回生・力行エネルギーを各号機間で選択的に共有する。
すなわち、接点操作手段54Baは、号機管理テーブル53cから全号機が力行であるか否かを判定する(S3)。ここで、全号機が力行であれば、データ設定部53aなどに設定される号機負荷容量の中から最も負荷容量の大きい力行号機に対応する直流リンク接点例えば6−2をオンする(S21)。
さらに、複数号機制御処理部54の充放電制御手段54Bdは、充放電コンバータ31に対して放電指令を送出し、放電制御を実施する。これにより、蓄電池32に蓄電中のエネルギーは、充放電コンバータ31にて電圧変換され、共通直流母線7P,7N側に出力し、最も負荷容量の大きい力行号機の運転に利用される(S22)。なお、放電対象号機としては、最も負荷容量の大きい力行号機としたが、任意の号機であっても構わない。
また、複数号機制御処理部54は、ステップS6にて全号機回生と判断されたとき、あるいはステップS14にて回生エネルギーが消費されない状態で全ての力行号機に対応する直流リンク接点6−1〜6−4がオン状態と判断されたとき、充放電制御手段54Bdを実行する。
充放電制御手段54Bdは、図4に示すようにPWMコンバータ1−1の回生スイッチングの開始(S8)に先立ち、充放電コンバータ31に対して充電指令を送出し、未だ消費されていない回生エネルギーを蓄電池32に充電するとともに(S23)、エネルギー利用手段54Bcを実行し、遅延タイマ53bを起動する。
エネルギー利用手段54Bcは、遅延タイマ53bが所定時間を計測したとき(S24)、直流電源電圧検出器8−1の直流電圧Vd1と定格電圧Vdrとの大小関係を比較する(S25)。ここで、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーは力行号機と蓄電池32の充電によって消費されていると判断する。
エネルギー利用手段54Bcは、Vd1>Vdrであれば、ステップS8に移行し、前述したようにPWMコンバータ21−1に対して回生スイッチング動作を開始させるための動作指令を送出し、回生エネルギーを客先電源側へ回生するための逆変換機能を活かす(S8)。
その他の処理については、第1の実施の形態と同様であるので省略する。
(2) 次に、複数号機の力行、回生の運転状態に分けて、直流リンク接点等のオン・オフ動作例について説明する。
(イ) 力行号機・回生号機混在時(1・4号機:回生、2・3号機:力行)
全ての回生号機の直流リンク接点6−1、6−4をオンする。今、1号機が回生号機である場合、先ず、1号機のPWMコンバータ1−1の回生スイッチングを停止して順変換を行った後(S7)、2号機である力行号機の直流リンク接点6−2をオンする(S11)、所定時間経過した後、直流電圧Vd1を取得し、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが2号機である力行号機で回収できていると判断し(S13)、このこの回生エネルギーの融通状態を維持する。
複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、3号機である力行号機の直流リンク接点6−3をオンする(S11)。そして、所定時間経過後、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが力行号機である2号機及び3号機で回収できていると判断し(S13)、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
しかし、複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、充放電コンバータ31に対して充電指令を送出し、回生エネルギーを蓄電池32に充電することによって吸収する。所定時間経過後、直流電圧Vd1を取得し、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが力行号機である2号機、3号機及び蓄電池32へ回生できていると判断し(S25)、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
しかし、複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、1号機のPWMコンバータ21−1の回生スイッチングを開始させ(S8)、回生エネルギーを客先電源側に回生する(S8)。
複数号機制御装置5は、所定の遅延時間後、直流電圧Vd1を取得し、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが2号機・3号機、蓄電池32及び客先電源側へ回生できていると判断し、この回生エネルギーの融通状態を維持する。ここで、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、余剰エネルギー吸収回路24−1、…を順次接続し、余剰エネルギーを消費する。
(ロ) 力行号機・回生号機混在時(1・2号機:力行、3・4号機:回生)
全ての回生号機の直流リンク接点6−3、6−4をオンする(S5)。該当号機の直流電源ライン25−1a,b、25−4a,bの直流電圧が同じなので単純にオンして問題ない。
今、1号機が力行号機である場合、まず、1号機のPWMコンバータ1−1の回生スイッチングを停止させ、直流リンク接点6−1をオンする(S10)。所定時間経過後、直流電圧Vd1を取得し、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが1号機である力行号機で回収できていると判断し(S13)、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、2号機である力行号機の直流リンク接点6−2をオンする(S11)。そして、所定時間経過後、直流電圧Vd1を取得し、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが力行号機である1号機及び2号機で回収できていると判断し(S13)、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
しかし、複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、充放電コンバータ31に対して充電指令を送出し、回生エネルギーを蓄電池32に充電することによって吸収する。所定時間経過後、直流電圧Vd1を取得し、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが力行号機である1号機、2号機及び蓄電池32へ回生できていると判断し(S25)、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
しかし、複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、1号機のPWMコンバータ21−1の回生スイッチングを開始させ(S8)、回生エネルギーを客先電源側に回生する(S8)。
複数号機制御装置5は、所定の遅延時間後、直流電圧Vd1を取得し、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが1号機・2号機、蓄電池32及び客先電源側へ回生できていると判断し、この回生エネルギーの融通状態を維持する。ここで、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、余剰エネルギー吸収回路24−1、…を順次接続し、余剰エネルギーを消費する。
(ハ) 全号機回生時(1〜4号機:回生)
全ての直流リンク接点6−1〜6−4をオンする(S5)。各号機の直流電源ライン25−1a,b、25−4a,bの直流電圧が同じなので単純にオンして問題ない。
複数号機制御装置5は、充放電コンバータ31に対して充電指令を送出し、回生エネルギーを蓄電池32に充電することによって吸収する。所定時間経過後、直流電圧Vd1を取得し、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが蓄電池32へ回生できていると判断し(S25)、この回生エネルギーの融通状態を維持する。
しかし、複数号機制御装置5は、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、1号機のPWMコンバータ21−1の回生スイッチングを開始させ(S8)、回生エネルギーを客先電源側に回生する(S8)。
複数号機制御装置5は、所定の遅延時間後、直流電圧Vd1を取得し、Vd1≦Vdrであれば、回生エネルギーの全てが客先電源側へ回生できていると判断し、この回生エネルギーの融通状態を維持する。ここで、Vd1>Vdrであれば、回生エネルギーが未だ余っていると判断し、余剰エネルギー吸収回路24−1、…を順次接続し、余剰エネルギーを消費する。
従って、以上のような実施の形態は、第1の実施の形態で得られる効果の他、回生エネルギーが余っている場合、充放電コンバータ31の回生スイッチングの開始に先立ち、充放電コンバータ31の充電制御を実施し、回生エネルギーを蓄電池32に充電吸収させているので、全号機力行時に適宜な力行号機を選択し、蓄電池32に蓄電中のエネルギーを選択力行号機に有効に活用することができる。
すなわち、この実施の形態では、回生号機の直流リンク接点をオンし、直流電源ラインの直流電圧Vd1と定格電圧Vdrとを比較し、Vd1>Vdrの関係にあるとき、力行号機の直流リンク接点、蓄電池32、充放電コンバータ31を順次オンしていくので、回生エネルギーを有効に利用することができる。
なお、直流電源ラインの直流電圧、すなわち、共通直流母線7P−7N間電圧と蓄電池32の蓄電圧との電圧差が大きいとき、電圧の不一致による突入電流によって充放電コンバータ31を保護する必要がある。そこで、電圧検出器8−0で検出される直流電圧と蓄電池32の電圧との差が予め定める範囲内のとき、充放電コンバータ31に対して充電/放電指令を送出する。
(第3の実施の形態)
図7は第3の実施の形態に係るエレベータシステムの概略的な構成図である。第3の実施の形態は、客先電源の停電時に蓄電池32の蓄電エネルギーを複数号機制御装置5や各号機制御装置3−1〜3−4のバックアップ電源に利用する実施の形態例である。
第3の実施の形態は、第2の実施の形態の構成(図5参照)に、新たに停電切替スイッチ35及び停電時電源供給ライン36を設けた構成である。さらに、複数号機制御装置5の複数号機制御処理部54としては、蓄電池32の蓄電エネルギーを有効に利用するために、予め定める運転順序に従って各号機を運転制御する運転順序制御手段54beが設けられている。
停電切替スイッチ35は、蓄電池32(図5参照)の正負電源ラインと停電時電源供給ライン36との間に設けられ、客先電源の停電検出時に複数号機制御装置5からの停電切替信号を受けてオンする。
停電時電源供給ライン36は、停電切替スイッチ35のオン時に蓄電池電源を複数号機制御装置5や各号機制御装置3−1〜3−4に供給する。
複数号機制御処理部54としては、予め補助記憶装置53のデータ設定部53aに停電時の各号機運転順序(優先順位)データを記憶しておく。ここで、各号機の運転順序は、停電時におけるユーザの要望や使い勝手等を考慮して定める。
複数号機制御処理部54の運転順序制御手段54beとしては、停電時に充放電コンバータ31に放電指令を送出するとともに、運転順序データに従って直流リンク接点例えば6−1をオンし、かつ、停電切替スイッチ35のオンに伴って蓄電池電源を停電時電源供給ライン36を介して対象号機制御装置3−1に供給し、例えば1号機を運転する。
1号機が基準階または最寄階に到着し利用客を降ろしたとき、引き続き、運転順序データに従って直流リンク接点例えば6−2をオンし、例えば2号機を基準階または最寄階に移動させる。
このように運転順序に従って運転対象号機に順次直流リンク接点を通して蓄電池電源から得られる主回路直流電源を供給し、最寄階等に利用客を下ろすと、次の順位の号機を運転する。このように停電時には蓄電池32の蓄電エネルギーのみを利用して各号機を運転順序に従って順次運転していくる。
なお、蓄電池32の蓄電容量が十分大きい場合には複数号機を同時に運転させることも可能である。
従って、この実施の形態によれば、第1及び第2の実施の形態から得られる各種の効果の他、客先電源の停電時、予め定める運転順序(優先順位)の号機に従って蓄電池32の蓄電エネルギーを供給して運転を継続するので、故障冗長をもたせて複数のエレベータ号機を運転することができる。
なお、上記第1〜第3の実施の形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1−1〜1−4…主回路スイッチ、2−1〜2−4…主回路電源、3−1〜3−4…号機制御装置、4−1〜4−4…巻上機用交流電動機、5…複数号機制御装置、6−1〜6−4…直流リンク接点、7P,7N…共通直流母線、8−0〜8−4…電圧検出器、21−1…PWMコンバータ、21−2〜21−4…ダイオードコンバータ、22−1〜22−4…平滑コンデンサ、23−1〜23−4…インバータ、24−1(Q1)〜24−4(Q4)…余剰エネルギー吸収回路、25−1a,b〜25−4a,b…号機直流電源ライン、31…充放電コンバータ、32…蓄電池、35…停電切替スイッチ、36…停電時電源供給ライン、53…補助記憶装置、53a…データ設定部、53b…遅延タイマ、53c…号機管理テーブル、54…複数号機制御処理部、54A…力行・回生判定手段、54B…複数号機制御処理手段、54Ba…接点操作手段、54Bb…コンバータ動作制御手段、54Bc…エネルギー利用手段、54Bd…充放電制御手段、54Be…運転順序制御手段。

Claims (5)

  1. スイッチング制御信号を出力する各号機制御装置と、客先交流電源を、前記号機制御装置のスイッチング制御信号を受ける少なくとも順逆変換機能を有する1つの号機対応のPWMコンバータと前記スイッチング制御信号を受けない複数号機対応のダイオードコンバータを用いて直流電力に変換し、かつ、これら変換された直流電力を、前記号機制御装置のスイッチング制御信号を受ける号機対応のインバータを用いて所望の交流電力に変換し、各号機対応電動機を駆動する号機対応主回路電源と、前記各号機対応主回路電源の直流電源ライン間にそれぞれ直流リンクスイッチを介して共通直流母線が接続され、外部からの指示を受けて当該直流リンクスイッチを選択的にオンする号機電源接続手段と、各号機対応主回路電源の直流電源電圧の大小関係に基づいて、前記各号機の力行・回生を判定し、この判定された各号機の力行・回生の状態に応じて、前記直流リンクスイッチを選択的にオンし、回生エネルギーを融通制御する複数号機制御装置とを備え、
    前記複数号機制御装置は、前記各号機対応主回路電源の直流電源電圧と予め定める直流電圧との大小関係から各エレベータ号機の力行・回生を判定する力行・回生判定手段と、この力行・回生判定手段によって判定されたエレベータ号機の力行・回生の状態に応じて、前記直流リンクスイッチを選択的にオンし、少なくとも全エレベータ号機の回生時には前記PWMコンバータに対して逆変換動作指令を出して前記回生エネルギーの前記客先交流電源への回生を実施し、各エレベータ号機間で力行・回生状態が混在する場合には前記各号機対応主回路電源に生じる力行エネルギーと回生エネルギーとを相互に融通制御する複数号機制御処理手段とを設け
    前記複数号機制御処理手段は、前記力行・回生判定手段の判定結果に基づいて、少なくとも1つの号機が回生であれば、その回生号機に対応する前記直流リンクスイッチをオンし、回生エネルギーを前記共通直流母線に出力する接点操作手段と、この接点操作手段による前記直流リンクスイッチのオン後に前記PWMコンバータの順変換動作を実施するコンバータ動作制御手段と、前記PWMコンバータの順変換動作時、予め定める順序に従って前記力行号機に対応する前記直流リンクスイッチを順次オンし、前記回生エネルギーを当該力行号機の運転に利用するエネルギー利用手段とを設けたことを特徴とするエレベータシステム。
  2. 請求項に記載のエレベータシステムにおいて、
    前記コンバータ動作制御手段は、前記力行・回生判定手段の判定結果から全号機が回生であるか、又は前記エネルギー利用手段によって前記力行号機の全部に対応する前記直流リンクスイッチをオンさせても回生エネルギーが消費できないとき、前記PWMコンバータの逆変換動作を実施し、当該回生エネルギーを前記客先交流電源に回生することを特徴とするエレベータシステム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエレベータシステムにおいて、
    前記共通直流母線間に接続され、外部からの充電指令又は放電指令を受けて充放電の制御を行う充放電コンバータと、
    この充放電コンバータの充放電制御に従って電力エネルギーを充放電する蓄電池と、
    前記複数号機制御処理手段に設けられ、前記力行・回生判定手段の判定結果から全号機が回生と判定されたとき、前記コンバータ動作制御手段による前記PWMコンバータの逆変換動作に先立ち、前記充電指令を送出して前記各号機対応主回路電源側の回生エネルギーを前記蓄電池に充電し、一方、前記力行・回生判定手段の判定結果から全号機が力行であれば、予め定める力行号機の順序に従って対応する前記直流リンクスイッチを選択的にオンし、前記充電指令を送出して前記蓄電池の蓄電エネルギーを前記共通直流母線を通して前記力行号機の運転に利用する充放電制御手段とをさらに設けたことを特徴とするエレベータシステム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のエレベータシステムにおいて、
    前記PWMコンバータによる逆変換動作の実施により回生エネルギーを前記客先交流電源に回生しても、未だ回生エネルギーが余っているとき、前記各号機対応主回路電源の直流電源のライン間に余剰エネルギー吸収回路を順次介挿し、余剰回生エネルギーを消費することを特徴とするエレベータシステム。
  5. 請求項3又は請求項4に記載のエレベータシステムにおいて、
    前記蓄電池の正負電源ラインに接続された停電切替スイッチと、
    この停電切替スイッチの出力側から前記複数号機制御装置及び各号機制御装置に接続される停電時電源供給ラインと、
    前記複数号機制御処理手段に設けられ、予め定められた号機運転順序データが記憶され、前記客先交流電源の停電時に停電切替スイッチを投入するとともに、前記充放電コンバータに放電指令を出力し、かつ、前記号機運転順序データに従って対応号機の前記直流リンクスイッチをオンし、当該対応号機を運転制御する運転順序制御手段とをさらに設けたことを特徴とするエレベータシステム。
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