JP5616217B2 - 医療器具の製造方法および医療器具組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、血管、消化管、胆管等の体腔内に挿入するための医療器具の挿入部をシリコーンゴムで成形しこの成形部を挿入に適した形状に電子線を用いて形状固定したものである。
この医療器具の挿入部は、一般的にはチューブまたは棒状長尺体であり、前記チューブの一部、例えば先端に、弓形、波状またはくの字状、L字状等のアングル状などに形状付けしたものが使われている。この形状付けを電子線照射により行おうとするものである。
特に、本発明は、電子線滅菌と同時に医療器具の形状固定が可能となる。
一般的に、カテーテルなどの体腔内挿入器具は、使用前にEOG(エチレン・オキシド・ガス)滅菌に代わって、最近、設備的な面と管理的な面、かつ取り扱いが簡便な面から電子線照射が注目されるようになってきた。
シリコーンゴムチューブとその放射線滅菌について、次のようなことが知られている(特許文献1参照)。二つ折り或いは四つ折りに折畳んだ状態で包装されているシリコーンチューブを滅菌した場合、シリコーンチューブ同士が癒着してしまうという現象が多々見られた。このため放射線照射はチューブの滅菌には使用できないものと考えられていた。この問題を解決するために、包装した状態のチューブに滅菌を行なう前に、未包装のチューブに対して、電子線の様な放射線を事前照射する。この事前照射では、チューブ同士が接触しない様に、内部に仕切板等を設けた事前照射用トレーにチューブを入れた後、該トレーに放射線照射装置により、2.5 〜20 Mrad のエネルギーを与える様な放射線を照射し、これによって残留しているモノマーやオリゴマーを除去、安定化した後、滅菌処理を行なう。この滅菌の際、放射線を使用してもシリコーンゴムチューブ同士の癒着を防止することができる。また、この公開特許公報には、滅菌時においては、特にシリコーンチューブを二つ折り或いは四つ折りに折畳んだ状態、すなわちシリコーンチューブ同士を接触した状態で電子線を照射していることが開示されている。
次に、血管、消化管、腹腔内に挿入し、留置するチューブには、化学的に安定で耐薬品性に優れたシリコーンゴムを使用することがあるが、熱可塑性樹脂ではないので、末梢到達性を追及するためのアングル付けなどの後加工が困難であった。医療用チューブの形状付けは、所定の形状を持つ金型にシリコーンゴムを射出成形で形状付けする、押出し成形した後のチューブを所定形状に変形した後、変形状態で熱固定することが一般的であった。
そこで、本発明者らは、シリコーンゴムを用いた医療器具の放射線照射による滅菌との医療器具の形状付けが同時に行うことができれば、工程および時間の短縮および設備の簡略化にもつながるとの思いで検討を開始した。
ところが、前記公開特許公報には、2回の放射線の照射において、シリコーンゴムチューブの癒着防止目的と滅菌時はチューブを四つ折りに畳んだことが記載されているだけで、意思を持って形状付けを行うこと、そのために、電子線を照射する技術を利用することは、開示も示唆もされていなかった。
また、特許文献1には、シリコーンチューブに照射するのは電子線だけでなく、放射線でよいことも記載されている。
本発明者らは、先ず、シリコーンゴムを強制的に変形させ、この変形形状を維持したままガンマ線を照射したところ、強制的変形手段を除去した後、照射前の形状に戻ってしまった。
ところが、次に、シリコーンゴムを強制的に変形させ、この変形形状を維持したまま電子線を照射したところ、強制的変形手段を除去しても、形状が残ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
特開平4-371157号
形状付けしたい部分がシリコーンゴム成形品からなる医療器具は、加熱手段を用いた場合安定的な形状付けができなかった。また、高熱を用いない滅菌法の1つであるEOG(エチレンオキサイド)滅菌では残留ガスの生体への影響が懸念されていた。そこで加熱せずに形状付けするためにガンマ線と電子線照射を行ったところ、ガンマ線では形状付けができなかったが、電子線により形状付けが可能で、条件によっては滅菌も兼ねることを見出した。
前記の課題は、以下の(1)ないし(12)に記載の構成により解決することができる。
(1)少なくともシリコーンゴムが用いられ、該シリコーンゴムの物性が優先して現れる電子線照射による所定形状部を有する医療器具の製造方法において、該所定形状部は、成形時は該所定形状部と異なる形状を有し、該シリコーンゴムとは接触による接着、粘着、架橋結合をしない材料で形成された該成形時の形状から該所定形状部の所定形状を超えてさらに変形した形状付与用形状を有するまたは後に該形状付与用形状を付与できる矯正部材と該医療器具を接触させ、該医療器具を強制的に該成形時の形状を該形状付与用形状とした該医療器具と矯正部材との医療器具組立体とし、該医療器具組立体に電子線を照射し、該医療器具組立体から矯正部材を除去することを特徴とする、少なくとも該シリコーンゴムが用いられた該所定形状部を有する医療器具の製造方法。
(2)少なくともシリコーンゴムが用いられ、該シリコーンゴムの物性が優先して現れる電子線照射による所定形状部を有する医療器具において、該シリコーンゴムとは接触による接着、粘着、架橋結合をしない材料で形成された該所定形状部の所定形状を超えてさらに変形した形状付与用形状を有する矯正部材と該医療器具が接触状態にあり、この状態で電子線照射を受けている、該矯正部材を除去したとき該医療器具が電子線未照射時の自由な状態にある形状と異なる該所定形状部を有することを特徴とする医療器具組立体。
(3) 該シリコーンゴムの電子線照射前のショア硬度Aが15から80である前記(1)の医療器具の製造方法。
(4) 該シリコーンゴムの電子線照射後のショア硬度Aが25から90である前記(1)または(3)の製造方法または前記(2)の医療器具組立体。
(5) 該矯正部材が、形状付けされた線条体または棒状体である前記(1)ないし(4)の医療器具の製造方法または医療器具組立体。
(6) 該矯正部材が、形状付けされた筒状体または溝である前記(1)ないし(5)の医療器具の製造方法または医療器具組立体。
(7) 該矯正部材が、該医療器具の包装体の一部である前記(1)ないし(6)の医療器具の製造方法または医療器具組立体。
(8) 該電子線照射が該医療器具の滅菌である前記(1)ないし(7)の医療器具の製造方法または医療器具組立体。
(9) 該所定形状部の形状がチューブまたは筒状体である前記(1)ないし(8)の医療器具の製造方法または医療器具組立体。
(10)該所定形状部の形状が線条体または棒状体のような長尺体である前記(1)ないし(9)の医療器具の製造方法または医療器具組立体。
(11) 少なくともシリコーンゴムが用いられた部分を電子線照射により所定形状に成形する医療器具の製造方法において、該シリコーンゴムと接触状態で所定量の電子線照射をされても接着、粘着あるいは架橋結合が起こらず、該医療器具を該所定形状の屈曲状態より大きな屈曲状態に保持する矯正部材と該医療器具との医療器具組立体とし、該医療器具組立体に該処理量の電子線を照射することを特徴とする医療器具の製造方法。
(12)少なくともシリコーンゴムが用いられた部分を電子線照射により所定形状に成形された医療器具であって、該シリコーンゴムと接触状態で所定量の電子線照射をされても接着、粘着あるいは架橋結合が起こらず、該医療器具を該所定形状のなす屈曲状態より大きな屈曲状態に保持する矯正部材と該医療器具との医療器具組立体とされて該処理量の電子線が照射されてなることを特徴とする医療器具。
本発明は、シリコーンゴムの成形品に後加工で形状を付与することができるので、形状付け工程を変化させるだけで済むので、工程が簡単で、多種の形状付けが可能となり、費用も低減可能である。
また、電子線の線量によっては滅菌を兼ねることも可能であり、工程、時間の短縮だけでなく、1回の電子線照射で済み、経済効率も高い。
また、本発明を用いた医療用チューブは、チューブの成形加工時の形状でなく、前記成形加工時の形状と矯正形状との間の形状を維持しているので、変形加工部分は伸びと圧縮の微妙なバランスで形状が保たれており、微妙な外力でも反応変化し、元に戻ろうとする力が働き、柔軟なため体腔内の末梢到達性に優れている。
本発明は、シリコーンゴムを用い、シリコーンゴムの特性が優位に現れる構造および部位に用いられる医療器具において電子線照射による形状固定に関するものであり、特に、導尿用カテーテル、腹膜用カテーテル、栄養カテーテル、静脈用カテーテル等のカテーテル類の中空先端チップの形状付け、複雑な血管経路を形成する血管モデルの形状付けおよびバルーンの折癖付け、ガイドワイヤ、超音波診断装置のカテーテルなどの無垢棒の先端チップの形状付け、に有用である。
本発明におけるシリコーンゴムを用い、シリコーンゴムの特性が優位に現れる構造とは、チューブのような中空体であればシリコーンゴムと他の樹脂あるいは薄膜金属の多層体であり、シリコーンゴム層以外の層は非常に薄くシリコーンゴムの物性が支配している構造をいう。また、棒状体であれば、シリコーンゴムの棒状体の表面を別の素材である樹脂、金属の薄層で形成するものであってもシリコーンゴムの特性が現れるものであれば良い。
本発明に用いられるシリコーンゴムは、電子線照射前のショアA硬度が15〜80である。シリコーンゴムは、ショアA硬度が15未満の場合、柔らかすぎて形状付け難しく、80を越えるものは、形状付け後の硬度との関係で体腔に挿入する先端の硬さとしては硬すぎるので、好ましくない。
シリコーンゴムは電子線照射により照射後の硬度は上がり、照射前、例えばショアA硬度が等間隔の3点でみると、20(NuSil社シリコーンMED−4020)、35(同MED−4035)、50(同MED−4050)のものは、同一線量で照射後の硬度が、約12、8、6と硬度が低いものほど上昇した。従って、硬度の変化を重視した場合は、比較的硬度変化の少ない35以上が望ましい。また、照射線量によって、シリコーンゴムの硬度は調整できる。
シリコーンゴムの電子線照射後の形状付けされたもののショアA硬度は、25〜90が望ましい。ショアA硬度が25未満のものは、使用時の形状保持性が良くなく、90を越えるものは、体腔に挿入する先端の硬さとしては硬すぎるので、好ましくない。
シリコーンゴムが中空状に成形されている場合、形状付けの治具としての矯正部材は、 該シリコーンゴムとは接触による接着、粘着、架橋結合をしない材料で形成された 該所定形状を超えてさらに変形した形状付与用形状を有することが必要であり、ポリプロピレン、ポリエチレンあるいはポリスチレン等で前記形状付与用形状に対応した溝を形成し、中空状に形成されたシリコーンゴムを前記溝に収納して電子線照射を行うことができる。
好ましい形態としては、針金のような曲げ加工がし易い線条体、棒状体を前記中空状の部分に挿入して行う。
これら線条体、棒状体は鉄、ステンレス、銅、アルミなどの金属を用いることができるが、電子線照射により形状付けされた後、前記中空状の部分から抜去し易いように、表面を銀メッキ、PTFE被覆などの加工をすることが望ましい。また、これらの被覆により、矯正部材そのものの腐食を防ぐという効果も得られる。
本発明に用いられる矯正部材は、予め形状付与用形状を有するものであってもよいし、
形状付けすべき医療器具と組み合わせた後、形状付与用形状に変形させても良い。
また、シリコーンゴムが棒状体または線条体のような長尺体に成形されている場合の形状付けの治具としての矯正部材は、外力で塑性変形して、外力を取り去ったら形状を保持するチューブ等の筒状体、溝などが望ましい。矯正部材がチューブの場合、この中にシリコーンゴムの棒状体を挿入してチューブを変形させ、チューブの保持力で変形を維持させるか、補助手段を用いてチューブの戻りを阻止することもできる。また、チューブを予め形状付けしてあっても良い。矯正部材が溝の場合、予め溝は形状付けの形に成形されており、この溝に棒状体を曲げながら収納する。この場合、棒状体は着脱自在の筒状体に挿入または溝に収納することが望ましい。さらに、治具の筒状体および溝は包装体の一部でもよく、包装体と別の物でも良い。この場合、包装後電子線を照射して、滅菌と形状固定が同時に可能である。治具が包装体の一部であった場合、使用時に包装を開封したとき、治具も一緒に外すことが可能である。
本発明に係る医療器具を処理する電子線の照射エネルギーとしては、医療器具を透過する強さが必要であり、1〜10MeVがよく、好ましくは5〜10MeVが良い。また、本発明に係る医療器具を処理する所定量の電子線の照射線量については、1〜100kGy、好ましくは10〜80kGy、特に好ましくは20〜60kGyが良い。線量が1kGy未満であると形状付けが難しく、100kGyを越えると照射対象物である医療器具のシリコーンゴムの劣化が起こり易い。電子線の照射は対象物の医療器具の大きさ(密度)にもよるが、小さなものなら片面照射、大きなものでも片面ずつの両面照射または多方向からの照射なら均一に照射することができる。
本発明の医療器具のシリコーンゴムの物性が優位に現れる部位の形状付けは、目的の屈曲形状の角度の約5〜6倍の曲げ角度を付与した状態で電子線照射する必要がある。この曲げ角度の倍率は、シリコーンゴムの硬度および電子線照射線量によっても異なる。
例えば、シリコーンゴムがチューブのような筒状体の場合、矯正部材としての治具は、線条体であり、表面を銀メッキした銅線を使うことができる。この銅線をチューブに挿入して、別の半径3mmの棒の半円に銅線入りチューブを巻きつけ、Uターン形状として、電子線照射した場合、照射後に銅線を抜いた後は約30度の曲げ形状が残る。同様にして、銅線入りチューブを前記棒に巻きつけ約135度のV字状にした場合、形状付け後の曲げ角度は約25度となる。このように25度より、さらに小さな曲げ角度が必要なら、V字状の曲げを緩和する方向にすればよく、30度よりさらに大きな曲げ角度が必要なら、前記棒に銅線入りチューブを1回(360度)巻きつけ、チューブの両端が1直線になるようにしても良い。
このような形状付けは、シリコーンゴムが線条体または棒状体でも前記チューブと同じような手段で形状付けが可能であり、チューブと同じように電子線照射時の曲げ形状と矯正材料を除去したときの曲げ形状は異なる。
これらの関係は、実験によって設定可能である。
次に、電子線の照射線量が10kGy以上(ISO11137より)であれば、電子滅菌したのと同様の効果があるので、医療器具を矯正部材と共に包装した状態で電子線を照射することによって、滅菌と曲げ形状付けが同時にできる。
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
タイガースポリマー株式会社のシリコーンゴムSR−1554(ショアA硬度55±5)を用いて、外径4mm、内径2mmのチューブを成形した。この成形品を10cmの長さに切断し、形状付け用の芯金として、表面に銀メッキを施した直径1.9mmの銅線を10cmの長さに切断したものを用いた。
次に、シリコーンゴムチューブに矯正部材である芯金を通し、チューブの長手軸に対して、そのチューブの中央部を中心として、棒状体に巻きつけてUターンするような形状に180度折り曲げた。このとき芯金を入れたシリコーンゴムチューブの中央部の曲げ半径は、3mmであった。
次に、電子線照射装置として、ベルギーIBA製ロードトロンTT−200を用いて、前記折り曲げチューブに電子線を照射エネルギー10MeVで、27.5kGy照射し、反対側からも電子線を27.5kGy照射し、累計55kGyの照射を行った。
次に、前記折り曲げチューブから芯金を除去した後、チューブの長手軸に対する曲がり角度を測定したところ、30度であった。
実施例1の芯金を挿入した状態のシリコーンゴムチューブを長手軸に対して、棒状体に引っ掛けてV字状に135度折り曲げた。このとき芯金を入れたシリコーンゴムチューブの中央部の曲げ半径は、3mmであった。
次に、実施例1と同じ電子線照射装置を用いて、同じ条件で前記折り曲げチューブに電子線を照射した。
次に、前記折り曲げチューブから芯金を除去した後、チューブの長手軸に対する曲がり角度を測定したところ、25度であった。
(比較例1ないし4)
実施例1と2に記載と同じ手順で、電子線照射だけ行わなかったものをそれぞれ比較例1、2とした。いずれの折り曲げ角度の場合も、芯金除去後のものは曲げ癖が残らなかった。
また、実施例1と2に記載と同じ手順で、電子線の代わりにガンマ線を照射したものをそれぞれ比較例3、4とした。比較例3、4は芯金除去後のものは曲げ癖が残らなかった。
実施例1と同じの品番のシリコーンゴムを用いて、外径3.5mm、内径2mmのチューブを成形した。
実施例1と同様に芯金を用いて、チューブの長手軸に対して180度折り曲げた。
その後、実施例1と同じ手順で電子線照射し、芯金を除去した。チューブの長手軸に対する曲がり角度を測定したところ、32度であった。
実施例3の芯金を挿入した状態のシリコーンゴムチューブを長手軸に対して、135度折り曲げた以外は、実施例3と同様にシリコーンゴムチューブに電子線照射を行った。
次に、前記折り曲げチューブから芯金を除去した後、チューブの長手軸に対する曲がり角度を測定したところ、23度であった。
(比較例5ないし8)
実施例3と4に記載と同じ手順で、電子線照射だけ行わなかったものをそれぞれ比較例5、6とした。180度で折り曲げたものは芯金除去後、3度と僅かに曲げ癖が残ったが、135度で折り曲げたものは曲げ癖が残らなかった。
また、実施例3と4に記載と同じ手順で、電子線の代わりにガンマ線を照射したものをそれぞれ比較例7、8とした。芯金除去後のものは、僅かな曲げ癖が残っただけであった。
信越ポリマー株式会社のシリコーンゴム3X4.5CR(ショアA硬度65〜70)の外径4.5mm、内径3mmのチューブを用意した。
実施例1と同様に芯金を用いて、チューブの長手軸に対して180度折り曲げた。
その後、実施例1と同じ手順で電子線照射し、芯金を除去した。チューブの長手軸に対する曲がり角度を測定したところ、33度であった。
実施例5の芯金を挿入した状態のシリコーンゴムチューブを長手軸に対して、135度折り曲げた以外は、実施例3と同様にシリコーンゴムチューブに電子線照射を行った。
次に、前記折り曲げチューブから芯金を除去した後、チューブの長手軸に対する曲がり角度を測定したところ、24度であった。
(比較例9ないし12)
実施例5と6に記載と同じ手順で、電子線照射だけ行わなかったものをそれぞれ比較例9、10とした。180度で折り曲げたものは芯金除去後4度と僅かに曲げ癖が残ったが、135度で折り曲げたものは曲げ癖が残らなかった。
また、実施例5と6に記載と同じ手順で、電子線の代わりにガンマ線を照射したものをそれぞれ比較例11、12とした。比較例11、12は、芯金除去後のものは、僅かな曲げ癖が残っただけであった。
実施例1ないし6、比較例1ないし12で実施した折り曲げ角度、電子線照射の有無、ガンマ線照射の検討について、 ショアA硬度が、20、35、50であるシリコーンゴムを用いて、上記実施例および比較例と同じように電子線照射したものとしなかったものを評価したが、上述のような傾向を示した。また、上述の実施例と比較例では、チューブについて記載したが、シリコーンゴム製の線状体または棒状体を、一部に形状付与用形状に応じた溝を有するポリプロピレン製トレイを矯正部材とし、前記溝にシリコーンゴム製の棒状体をその溝に合わせて嵌めこみ電子線照射による形状付けを検討したが、同じ傾向を示した。
また、同じ筒状体であってもカテーテルチューブとは異なり、バルーンのような薄膜の筒状体は、バルーンを萎ませて、バルーンの中心軸から外方に突出するように2翼、3翼、4翼を形成させ、これらの翼の間にポリプロピレンシート製矯正部材を介在させ、バルーンの中心軸に沿って矯正部材と翼を巻きつけ、あるいは、さらに巻きつけた翼の上から矯正部材または形状固定部材として熱収縮チューブで覆って、電子線照射することによって、シリコーンゴム製のバルーンに形状付けすることができ、バルーンを萎ませたときの形状を付与することができる。
なお、ショアA硬度は、カタログ記載値およびテクロック社製GS−719N「タイプAデュロメータ」の測定値を用いた。

Claims (4)

  1. 少なくともシリコーンゴムが用いられ、該シリコーンゴムの物性が優先して現れる電子線照射による所定形状部を有する医療器具の製造方法において、
    該所定形状部は、成形時は該所定形状部と異なる形状を有し、
    該シリコーンゴムとは接触による接着、粘着、架橋結合をしない材料で形成された該成形時の形状から該所定形状部の所定形状を超えてさらに変形した形状付与用形状を有するまたは後に該形状付与用形状を付与できる矯正部材と該医療器具を接触させ、該医療器具を強制的に該成形時の形状を該形状付与用形状とした該医療器具と矯正部材との医療器具組立体とし、該医療器具組立体に電子線を照射し、
    該医療器具組立体から矯正部材を除去することを特徴とする、少なくとも該シリコーンゴムが用いられた該所定形状部を有する医療器具の製造方法。
  2. 該シリコーンゴムの電子線照射前のショア硬度Aが15から80である請求項1に記載の医療器具の製造方法。
  3. 該矯正部材が、形状付けされた線条体または棒状体である請求項1または2に記載の医療器具の製造方法。
  4. 少なくともシリコーンゴムが用いられた部分を電子線照射により所定形状に成形する医療器具の製造方法において、
    該シリコーンゴムと接触状態で所定量の電子線照射をされても接着、粘着あるいは架橋結合が起こらず、該医療器具を該所定形状の屈曲状態より大きな屈曲状態に保持する矯正部材と該医療器具との医療器具組立体とし、
    該医療器具組立体に該処理量の電子線を照射することを特徴とする医療器具の製造方法。
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