JPWO2020250413A1 - バルーンカテーテル - Google Patents

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Abstract

狭窄部の通過性能およびバルーンの拡張性能の両方に優れたバルーンカテーテルを提供することを目的とする。本発明のバルーンカテーテル(100)は、アウターチューブ(10)と、バルーン(30)と、インナーチューブ(40)とを備えてなるラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルであって、インナーチューブは、PEEK樹脂のみによって構成されており、バルーンの内圧が6atmであるときに、バルーン部(33)の外径が0.7〜0.9mm、バルーン部における膜厚が6.0〜9.0μmであり、バルーンの内圧(p)を2atmから14atmまで増加させたときに、バルーン部の外径(D)が直線的に増加し、回帰分析による近似直線(D=a・p+b)の傾き(a)が0.02mm/atm以上である。

Description

本発明は、ラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルに関する。
従来、アウターチューブと、アウターチューブの先端に接続されたバルーンと、アウターチューブのルーメンおよびバルーン内部に挿通されてガイドワイヤルーメンを形成するインナーチューブと、アウターチューブのルーメンに挿通されているコアワイヤとを備えてなるラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルが知られている(下記特許文献1参照)。
また、細い血管部位に対する通過性能に優れているとともに、狭窄部などの病変を通過させる際のプッシャビリティに優れたラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルとして、本出願人は、ポリアミド系樹脂により構成されるアウターチューブと、前記アウターチューブの先端に接続されたポリアミド系樹脂からなるバルーンと、前記アウターチューブのルーメンおよび前記バルーンの内部に挿通されてガイドワイヤルーメンを形成するインナーチューブとを備えてなり、前記インナーチューブの先端部が、前記バルーンの先端部に固着されているとともに、前記インナーチューブの基端部が、前記アウターチューブの側面において開口するガイドワイヤポートを形成する前記アウターチューブの構成部分に固着されているラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルであって、前記インナーチューブはPEEK樹脂のみによって構成され、前記インナーチューブの内径が0.39〜0.42mm、その肉厚が30〜50μmであり、前記インナーチューブの3点曲げ試験において、支点間距離を20mmとし、その中間点に曲げ荷重をかけて撓み量を5mmとしたときの当該曲げ荷重の大きさが1.5〜5.0gfであるバルーンカテーテルを提案している(下記特許文献2参照)。
特許文献2に記載されたバルーンカテーテルによれば、機械的特性に優れているPEEK樹脂のみによってインナーチューブが構成されていることにより、その肉厚を30〜50μmと、従来のバルーンカテーテルを構成するインナーチューブと比較して十分に小さくすることができるので、当該インナーチューブの外径、延いては、当該インナーチューブを備えたバルーンカテーテルのラッピング径(インナーチューブにバルーンを巻回したときの外径)を小さくすることができる。これにより、このバルーンカテーテルは、細い血管部位に対する通過性能に優れたものとなる。
また、上記3点曲げ試験におけるインナーチューブの曲げ荷重が1.5gf以上であることにより、特許文献2に記載されたバルーンカテーテルは、優れたプッシャビリティを発揮することができ、狭窄部などの病変にバルーンを通過させる際に当該バルーンの撓みを抑制することができる。
更に、上記3点曲げ試験におけるインナーチューブの曲げ荷重が5.0gf以下であることにより、特許文献2に記載のバルーンカテーテルは、優れた血管追従性を発揮することができ、蛇行する血管の形状に追従してバルーンを変形させることができる。
特開2013−154021号公報 特許第6222763号公報
PTCA(経皮的冠動脈形成術)などに使用するバルーンカテーテルにおいて、狭窄部などの病変に対する通過性能の向上が望まれている。
ここに、バルーンカテーテルにおける病変通過性能は、上記のように、PEEK樹脂のみからなる高剛性で細径のインナーチューブを採用することによりある程度達成することができるが、病変通過性能の更なる向上を図るために、バルーンカテーテルのラッピング径をより小さくすることが考えられる。
ここに、ラッピング径を小さくするための手段として、膜厚が小さくて小径のバルーンを採用することが考えられる。
しかしながら、膜厚が小さくて小径のバルーンは、その拡張性能に劣るため、狭窄部に留置したバルーンを十分な大きさに拡張することができない。
このように、バルーンカテーテルにおいて、病変通過性能とバルーンの拡張性能をともに向上させることは困難である。
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、狭窄部などの病変通過性能およびバルーンの拡張性能の両方に優れたバルーンカテーテルを提供することにある。
(1)本発明のバルーンカテーテルは、ポリアミド系樹脂により構成されるアウターチューブと、拡張収縮するバルーン部の両端にネック部(先端側ネック部および基端側ネック部)を有し、前記アウターチューブの先端部に基端側ネック部が固着されているポリアミド系樹脂からなるバルーンと、前記アウターチューブのルーメンおよび前記バルーンの内部に挿通されてガイドワイヤルーメンを形成するインナーチューブとを備えてなり、前記インナーチューブの先端部に、前記バルーンの先端側ネック部が固着されているとともに、前記インナーチューブの基端部が、前記アウターチューブの側面において開口するガイドワイヤポートを形成する当該アウターチューブの構成部分に固着されているラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルであって、
前記インナーチューブは、PEEK樹脂のみによって構成され、その内径が0.39〜0.44mm、その肉厚が30〜50μmであり、
前記バルーンの内圧が6atmであるときに、前記バルーン部の外径が0.7〜0.9mm、前記バルーン部における膜厚が6.0〜9.0μmであり、
前記バルーンの内圧(p)を2atmから14atmまで増加させたときに、前記バルーン部の外径(D)が直線的に増加し(折れ曲がりのない1本の直線で近似することができ)、回帰分析による近似直線(D=a・p+b)の傾きaが0.02mm/atm以上であることを特徴とする。
このような構成のバルーンカテーテルによれば、バルーンの内圧が6atmであるときのバルーン部の外径が0.7〜0.9mmであって、内圧が6atmであるときのバルーン部の膜厚が6.0〜9.0μmであり、従来のバルーンカテーテルを構成するバルーンよりも小径かつ薄肉である(膜厚が小さい)ため、従来のバルーンカテーテルよりもラッピング径を小さくすることができ、これにより、狭窄部などの病変通過性能を更に向上させることができる。
また、バルーンの内圧(p)を2atmから14atmまで増加させたときにバルーン部の外径(D)が直線的に増加し、回帰分析による近似直線(D=a・p+b)の傾きaが0.02mm/atm以上と、従来のバルーンカテーテルを構成するバルーンと比較し
て、内圧の増加に伴うバルーンの拡張率が高く、このような拡張性能に優れたバルーンによれば、これが留置された狭窄部を十分に拡張することができる。
(2)本発明のバルーンカテーテルにおいて、前記近似直線(D=a・p+b)の傾きaが0.02〜0.03mm/atmであることが好ましい。
このような構成のバルーンカテーテルによれば、近似直線(D=a・p+b)の傾きaが0.03mm/atm以下であることにより、バルーン材料の伸び特性が、バルーンの円周方向に対して均一となり、そのようなバルーンによれば、これが留置された狭窄部を均一に拡張することができる。
(3)本発明のバルーンカテーテルにおいて、前記バルーンはブロー成形体からなり、
前記バルーンの内圧が6atmであるときの前記バルーン部の内径は、前記バルーンを成形するために使用された原材料チューブ(以下、単に「原材料チューブ」という。)の内径の3.0〜5.0倍であることが好ましい。
このような構成のバルーンカテーテルによれば、バルーンの内圧が6atmであるときのバルーン部の内径が、原材料チューブの内径の3.0倍以上であることにより、拡張時におけるバルーン部の膜厚を、円周方向においてバラツキのない均一なものにすることができる。
また、バルーンの内圧が6atmであるときのバルーン部の内径が、原材料チューブの内径の5.0倍以下であることにより、バルーンの拡張代(バルーン材料の伸び代)が確保され、上記のような小径のバルーンであっても、前記近似直線(D=a・p+b)の傾きaを0.02mm/atm以上にすることができ、優れた拡張性能を発揮することができる。
(4)本発明のバルーンカテーテルにおいて、前記インナーチューブの前記先端部と前記バルーンの前記先端側ネック部とが、厚さ20〜40μmのウレタン樹脂層を介して固着されていることが好ましい。
このような構成のバルーンカテーテルによれば、PEEK樹脂により構成されるインナーチューブの先端部と、ポリアミド系樹脂により構成されるバルーンの先端側ネック部との間に、ウレタン樹脂層が介在していることにより、両者を強固に固着させることができ、バルーンの膜厚が小さいものでありながら、その先端側ネック部がインナーチューブの先端部から剥離することを確実に防止することができる。
また、ウレタン樹脂層の厚さは20〜40μmときわめて薄いため、インナーチューブの先端部とバルーンの先端側ネック部との固着部分の径が過大となることを回避することができ、ウレタン樹脂層の介在によって病変通過性能の向上効果が損なわれることはない。
(5)本発明のバルーンカテーテルにおいて、前記バルーンの前記先端側ネック部が固着されている前記インナーチューブの前記先端部の外表面、および、前記アウターチューブの前記構成部分に固着されている前記インナーチューブの前記基端部の外表面には、PEEK樹脂の構成分子にOH基および/またはCOOH基が結合された分子構造を有する表面改質層が形成されていることが好ましい。
このような構成のバルーンカテーテルによれば、インナーチューブの先端部とバルーンの先端側ネック部との固着強度、および、インナーチューブの基端部とアウターチューブの構成部分との固着強度を更に高いものとすることができる。
本発明のバルーンカテーテルは、狭窄部などの病変通過性能に優れているとともに、バルーンの拡張性能にも優れている。
本発明のバルーンカテーテルの一実施形態を示す側面図である。 図1に示したバルーンカテーテルの要部を示す部分拡大断面図である。 図2のIII部詳細図である。 図1のIV部詳細図である。 実施例1(1)で得られたインナーチューブについて実施した3点曲げ試験(曲げ荷重の測定方法)を説明するための図面である。 実施例1で得られたバルーンカテーテルおよび市販のバルーンカテーテルについて、バルーンの内圧と、バルーン部の外径との関係を示すグラフである。
<実施形態>
図1〜図4に示す本実施形態のバルーンカテーテル100は、PTCA(経皮的冠動脈形成術)に使用される。
このバルーンカテーテル100は、ポリアミド系樹脂により構成されるアウターチューブ10(先端側シャフト)と、アウターチューブ10の基端に接続された金属チューブ20(基端側シャフト)と、拡張収縮するバルーン部33の両端にネック部(先端側ネック部31および基端側ネック部32)を有し、アウターチューブ10の先端部に基端側ネック部32が固着されているポリアミド系樹脂のブロー成形体からなるバルーン30と、アウターチューブ10のルーメンおよびバルーン30の内部に挿通されてガイドワイヤルーメンを形成するインナーチューブ40と、金属チューブ20の基端に接続されたハブ50と、金属チューブ20の基端とハブ50との接続部に設けられたストレインリリーフ60とを備えてなり、インナーチューブ40の先端部41に、ウレタン樹脂層70を介して、バルーン30の先端側ネック部31が固着されているとともに、インナーチューブ40の基端部42が、アウターチューブ10の側面において開口するガイドワイヤポートGPを形成する当該アウターチューブ10の構成部分11に固着されているラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルであって、
インナーチューブ40は、PEEK樹脂のみによって構成され、インナーチューブ40の内径が0.39〜0.44mm、インナーチューブ40の肉厚が30〜50μmであり、インナーチューブ40の3点曲げ試験において、支点間距離を20mmとし、その中間点に曲げ荷重をかけて撓み量を5mmとしたときの当該曲げ荷重の大きさが1.5〜5.0gfであり、
バルーン30の先端側ネック部31が固着されているインナーチューブ40の先端部41の外表面、および、アウターチューブ10の構成部分11に固着されているインナーチューブ40の基端部42の外表面には、PEEK樹脂の構成分子にOH基および/またはCOOH基が結合された分子構造を有する表面改質層(図示省略)が形成されており、
バルーンの内圧(p)が6atmであるときに、バルーン部33の外径が0.7〜0.9mm、バルーン部33における膜厚が6.0〜9.0μmであり、
バルーン30の内圧(p)を2atmから14atmまで増加させたときに、バルーン部33の外径(D)が直線的に増加し、回帰分析による近似直線(D=a・p+b)の傾きaが0.02〜0.03mm/atmである。
図1および図2において、80は、透視マーカーである。
図1に示すように、本実施形態のバルーンカテーテル100は、アウターチューブ10と金属チューブ20とバルーン30とインナーチューブ40とハブ50とストレインリリーフ60とを備えている。
先端側シャフトとしてバルーンカテーテル100を構成するアウターチューブ10は、ポリアミド系樹脂からなり、アウターチューブ10には、バルーン30を拡張させるための流体を流通させるルーメン(拡張ルーメン)が形成されている。
アウターチューブ10の構成材料であるポリアミド系樹脂としては、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリエーテルブロックアミド〔PEBAX(登録商標)〕およびナイロンなどの熱可塑性樹脂を挙げることができ、これらのうちPEBAXが好ましい。
アウターチューブ10の硬度としては、D型硬度計による硬度で63〜80であることが好ましい。
なお、アウターチューブ10は、軸方向に沿って同じ硬度のポリアミド系樹脂により構成してもよいが、軸方向に沿って硬度の異なるポリアミド系樹脂を使用して一体的に形成することもできる。
アウターチューブ10の外径は、通常0.72〜0.76mmとされ、好適な一例を示せば0.74mmとされる。
アウターチューブ10の内径は、通常0.60〜0.64mmとされ、好適な一例を示せば0.62mmとされる。
アウターチューブ10の長さは、通常360〜400mmとされ、好適な一例を示せば380mmとされる。
基端側シャフトとしてバルーンカテーテル100を構成する金属チューブ20には、アウターチューブ10のルーメンに連通するルーメン(拡張ルーメン)が形成されている。金属チューブ20を構成する金属材料としては、ステンレススチール、Ni−Ti合金、Cu−Mn−Al系合金などを挙げることができる。
金属チューブ20の先端部分には、螺旋状のスリットが形成されていてもよい。
金属チューブ20の先端はアウターチューブ10の基端部に挿入されているとともに、金属チューブ20の基端はハブ50に挿入されている。
金属チューブ20の外径は、通常0.62〜0.66mmとされ、好適な一例を示せば0.64mmとされる。
金属チューブ20の内径は、通常0.44〜0.48mmとされ、好適な一例を示せば0.46mmとされる。
金属チューブ20の長さは、通常1150〜1250mmとされ、好適な一例を示せば1200mmとされる。
図2に示すように、バルーンカテーテル100を構成するバルーン30は、拡張収縮する円筒状のバルーン部33と、その先端側に位置する先端側ネック部31と、バルーン部33の基端側に位置する基端側ネック部32とを有している。
同図において、331は、バルーン部33と先端側ネック部31との間における先端側コーン部であり、332は、バルーン部33と基端側ネック部32との間における基端側コーン部である。
アウターチューブ10の先端部に基端側ネック部32が融着されることにより、アウターチューブ10の先端にバルーン30が接続されている。
ポリアミド系樹脂からなるバルーン30は、アウターチューブ10および金属チューブ20のルーメンを流通する流体が充填されることによって拡張する。ここに、流体としては、生理食塩水や造影剤を挙げることができる。
バルーン30を構成するポリアミド系樹脂としては、ポリアミド、ポリエーテルポリア
ミド、PEBAXおよびナイロンなどの熱可塑性樹脂を挙げることができ、これらのうち、ナイロン12などのナイロンが好ましい。
バルーン30の長さ(L30)としては、通常5〜10mmとされ、好適な一例を示せば6mmとされる。
バルーン30の外径、内径および膜厚については後述する。
バルーンカテーテル100を構成するインナーチューブ40は、アウターチューブ10のルーメンおよびバルーン30の内部(内腔)に挿通されており、このインナーチューブ40によりガイドワイヤルーメンが形成される。
図3に示すように、インナーチューブ40の先端部41には、ウレタン樹脂層70を介して、バルーン30の先端側ネック部31が固着されている。
インナーチューブ40の先端部41と、バルーン30の先端側ネック部31との間に、ウレタン樹脂層70が介在していることにより、インナーチューブ40の先端部41とバルーン30の先端側ネック部31とを強固に固着させることができ、先端部41から先端側ネック部31が剥離するようなことを確実に防止することができる。
ウレタン樹脂層70の厚さは20〜40μmとされ、通常のウレタン接着層などと比較してきわめて薄い層である。
これにより、インナーチューブ40の先端部41とバルーン30の先端側ネック部31との固着部分の径が過大となることを回避することができ、ウレタン樹脂層70によって細い血管部位および狭窄部などの病変に対する通過性能が損なわれることはない。
図4に示すように、インナーチューブ40の基端部42は、アウターチューブ10の側面において開口するガイドワイヤポートGPを形成するアウターチューブ10の構成部分(ガイドワイヤポートGPの周囲におけるポリアミド系樹脂部分)11に固着されている。
インナーチューブ40は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂からなる。
インナーチューブ40の構成材料であるPEEK樹脂は、下記化学式1(式中、nは繰り返し数である)に示す分子構造を有する、機械的特性に優れた結晶性の熱可塑性樹脂である。
Figure 2020250413
機械的特性に優れたPEEK樹脂でインナーチューブ40を構成することにより、このインナーチューブ40の肉厚を、従来のバルーンカテーテルを構成するインナーチューブと比較して十分に小さくすることができる。
インナーチューブ40の肉厚(壁厚)としては通常30〜50μmとされ、好適な一例を示せば40μmとされる。
この肉厚(30〜50μm)は、従来のバルーンカテーテルを構成する、ポリアミド系樹脂からなるインナーチューブの肉厚(例えば60〜80μm)と比較して十分に小さい
ものである。
インナーチューブ40の薄肉化により、当該インナーチューブ40の外径を小さくすることができる。
そして、拡張前(血管内の挿通時)におけるバルーン30は、インナーチューブ40を巻回するように折り畳まれているので、インナーチューブ40の外径を小さくすることによれば、当該インナーチューブ40にバルーン30を巻回したときの外径であるラッピング径を小さくすることができる。
この結果、インナーチューブ40を備えた本実施形態のバルーンカテーテル100は、細い血管部位や狭窄部などの病変に対する通過性能に優れたものとなる。
肉厚が30μm未満であるインナーチューブは、折れやすくなるために十分な曲げ剛性(強度)を有するものとならず、そのようなインナーチューブを備えたバルーンカテーテルによっては十分なプッシャビリティを発揮することができない。
他方、肉厚が50μmを超えるインナーチューブによっては、後述する内径を確保することができなかったり、その外径を十分に小さくすることができなかったりする。また、肉厚が50μmを超えるインナーチューブは曲げ剛性(強度)が過大となる傾向があり、そのようなインナーチューブを備えたバルーンカテーテルは血管追従性に劣るものとなる。
インナーチューブ40の内径は、通常0.39〜0.44mmとされ、好適な一例を示せば0.42mmとされる。
インナーチューブの内径が0.39mm未満であると、そのようなインナーチューブのルーメンに所期のガイドワイヤ(例えば外径が0.014インチのガイドワイヤ)を挿通させることが困難となる。
他方、インナーチューブの内径が0.42mmを超えると、当該インナーチューブの外径を十分に小さくすることができない場合があり、そのようなインナーチューブを備えたバルーンカテーテルによっては、細い血管部位および狭窄部などの病変に対する通過性能を十分に発揮することができない。
インナーチューブ40の外径は、通常0.45〜0.52mmとされ、好適な一例を示せば0.50mmとされる。
また、インナーチューブ40の3点曲げ試験において、支点間距離を20mmとして、その中間点に曲げ荷重(垂直方向の荷重)をかけて撓み量を5mmとしたときの当該曲げ荷重の大きさは、通常1.5〜5.0gfとされ、好ましくは2.0〜4.0gfとされる。この曲げ荷重(1.5〜5.0gf)は、ポリアミド系樹脂により構成されるインナーチューブについて測定される曲げ荷重(通常1.0gf未満である)と比較して十分に大きいものである。
この曲げ荷重が1.5gf未満であるインナーチューブを備えたバルーンカテーテルによっては所望のプッシャビリティを発揮することができず、狭窄部などの病変にバルーンを通過させようとしても、当該バルーンが撓んでしまって通過させることができない。
他方、この曲げ荷重が5.0gfを超えるインナーチューブを備えたバルーンカテーテルによっては、所望の血管追従性を発揮することができず、デリバリーが困難となる。
インナーチューブ40の硬度としては、D型硬度計による硬度で85以上であることが
好ましい。
このような構成のインナーチューブ40を備えていることにより、本実施形態のバルーンカテーテル100は、優れたプッシャビリティ、細い血管部位および狭窄部などの病変に対する通過性能および血管追従性を発揮することができる。
本実施形態のバルーンカテーテル100においては、ウレタン樹脂層70を介してバルーン30の先端側ネック部31が固着されているインナーチューブ40の先端部41の外表面、および、ガイドワイヤポートGPを形成するアウターチューブ10の構成部分11に固着されているインナーチューブ40の基端部42の外表面に、それぞれ、表面改質層(図示省略)が形成されている。
この表面改質層は、上記化学式1に示したPEEK樹脂を構成する分子にOH基および/またはCOOH基が結合された分子構造を有している。
具体的には、下記化学式2に示すようなOH基が結合された分子構造、下記化学式3に示すようなCOOH基が末端に結合された分子構造を有している。
Figure 2020250413
Figure 2020250413
インナーチューブ40の先端部41および基端部42の外表面に表面改質層が形成されていることにより、バルーン30の先端側ネック部31との固着強度、および、アウターチューブ10の構成部分11との固着強度を更に高いものとすることができる。
先端部41および基端部42の外表面に表面改質層が形成されてなるインナーチューブ40を作製する方法としては、PEEK樹脂からなるインナーチューブ形成材料の先端部および基端部の外表面に紫外線照射、電子線照射、プラズマ放電、コロナ放電などの表面処理を施す方法を挙げることができる。これらのうち、紫外線を照射する方法が好ましい。
インナーチューブ形成材料の先端部および基端部の外表面に紫外線照射する場合において、照射エネルギーとしては40,000〜120,000mJ/cm2 であることが好ましく、更に好ましくは60,000〜100,000mJ/cm2 とされる。
照射エネルギーが過少であると十分な固着強度を発揮することができない。他方、照射エネルギーが過剰であると、PEEKの主鎖が必要以上に切断され、インナーチューブの
強度低下を招く。
本実施形態のバルーンカテーテル100を構成するバルーン30は、充填される流体によってバルーン30の内圧が増減することにより拡張収縮する。
ここに、バルーン30の内圧が6atm(このバルーンカテーテル100の推奨拡張圧に相当する)であるときのバルーン部33の外径(いわゆるバルーン径)は、通常0.7〜0.9mmとされ、好適な一例を示せば0.8mmとされる。
また、バルーン30の内圧が6atmであるときのバルーン部33の膜厚は、通常6.0〜9.0μmとされ、好適な一例を示せば8.0μmとされる。
内圧が6atmであるときのバルーン部33の外径が0.7〜0.9mmであり、その膜厚が6.0〜9.0μmであるバルーン30は、従来のバルーンカテーテルを構成するバルーンよりも小径で薄肉であり、このようなバルーン30を、インナーチューブ40に巻回することによりラッピング径を格段に小さくすることができる。この結果、本実施形態のバルーンカテーテル100によれば、狭窄部などの病変に対する通過性能を更に向上させることができる。
バルーン30の内圧が6atmであるときのバルーン部33の内径は0.782〜0.788mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.784mmとされる。
本実施形態のバルーンカテーテル100において、バルーン30の内圧を2atmから14atm(このバルーンカテーテル100の最大拡張圧に相当する)まで増加させたときに、バルーン部33の外径は、バルーン30の内圧にほぼ比例して増加し、バルーン30の内圧(p)とバルーン部33の外径(D)との関係は、折れ曲がりのない直線で近似することができる。
ここに、バルーン30の内圧(p)とバルーン部33の外径(D)との関係を示す回帰分析による近似直線(D=a・p+b)の傾きaは、通常0.02〜0.03mm/atmとされ、好適な一例を示せば0.022mm/atmとされる。
この傾きaが0.02mm/atm以上と、内圧の増加に伴う拡張率の高い(すなわち拡張性能に優れた)バルーン30によれば、小径でありながら、これが留置された狭窄部を十分に拡張することができる。
他方、この傾きaが0.03mm/atm以下であることにより、バルーン材料の伸び特性が、バルーン30の円周方向に対して均一となり、そのようなバルーン30によれば、これが留置された狭窄部を均一に拡張することができる。
上記のように、本実施形態のバルーンカテーテル100は、ラッピング径を小さくできることによる優れた病変通過性能と、バルーン部33の拡張率が高いことによるバルーン30の優れた拡張性能とを併せ持つものである。
バルーンカテーテル100を構成するバルーン30は、ポリアミド系樹脂からなる原材料チューブをブロー成形することにより得られる。
ここに、原材料チューブの外径は0.283〜0.307mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.295mmとされる。
また、原材料チューブの内径は0.165〜0.190mmであることが好ましく、好適な一例を示せば0.178mmとされる。
また、原材料チューブの膜厚は46.5〜71.0μmであることが好ましく、好適な一例を示せば58.5μmとされる。
バルーン30の内圧が6atmであるときのバルーン部33の内径は、原材料チューブの内径の3.0〜5.0倍であることが好ましく、好適な一例を示せば4.4倍(0.784mm/0.178mm)とされる。
バルーン30の内圧が6atmであるときのバルーン部33の内径と、原材料チューブの内径との比は、ブロー成形に使用する原材料チューブおよび金型の寸法を調整することにより調整することがきる。
内圧が6atmであるときのバルーン部33の内径が、原材料チューブの内径の3.0倍以上であることにより、拡張時におけるバルーン部33の膜厚を円周方向においてバラツキのない均一なものにすることができる。
また、内圧が6atmであるときのバルーン部33の内径が、原材料チューブの内径の5.0倍以下であることにより、バルーンの拡張代(バルーン材料の伸び代)を十分に確保することができ、上記のような小径のバルーン30であっても、前記近似直線(D=a・p+b)の傾きaを0.02mm/atm以上に調整することができ、当該バルーン30に優れた拡張性能を付与することができる。
本実施形態のバルーンカテーテル100によれば、バルーン30の内圧が6atmであるときのバルーン部33の外径が0.7〜0.9mmであり、バルーン部33における膜厚が6.0〜9.0μmであることにより、従来のバルーンカテーテルよりもラッピング径を格段に小さくすることができ、狭窄部などの病変通過性能の更なる向上を図ることができる。
また、バルーン30の内圧(p)を2atmから14atmまで増加させたときにバルーン部33の外径(D)が直線的に増加し、回帰分析による近似直線(D=a・p+b)の傾きaが0.02mm/atm以上であることにより、バルーン30が留置された狭窄部を十分に拡張することができる。
また、この傾きaが、0.03mm/atm以下であることにより、バルーン30が留置された狭窄部を均一に拡張することができる。
また、バルーン30の内圧(p)が6atmであるときのバルーン部33の内径が、原材料チューブの内径の3.0〜5.0倍であることにより、拡張時におけるバルーン部33の膜厚を円周方向において均一なものにすることができるとともに、小径のバルーン30でありながら前記近似直線(D=a・p+b)の傾きaを0.02mm/atm以上に調整することができる。
また、PEEK樹脂により構成されるインナーチューブ40の先端部41と、ポリアミド系樹脂により構成されるバルーン30の先端側ネック部31との間にウレタン樹脂層70が介在されていることにより、両者を強固に固着させることができ、バルーン30の膜厚が小さいものでありながら、その先端側ネック部31が、インナーチューブ40の先端部41から剥離するようなことを確実に防止することができる。
また、ウレタン樹脂層70の厚さが20〜40μmときわめて薄いため、病変通過性能の向上効果が損なわれることはない。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)インナーチューブの作製:
外径0.50mm、内径0.42mm、肉厚40μm、長さ250mmのPEEK樹脂からなるインナーチューブ形成材料を準備し、このインナーチューブ形成材料の先端部および基端部のそれぞれの外表面に紫外線照射することによりインナーチューブ(40)を作製した。ここに、紫外線照射条件は下記のとおりである。
・照射装置:2分岐ライトガイドを備えた紫外線照射装置「LC8」(浜松ホトニクス(株)製)
・照射強度=696mW/cm2 (352mW/cm2 +344mW/cm2
〔照度計「LIGHT POWER METER Model C6080−13」(浜松ホトニクス(株)製)により測定〕
・照射時間=3分間
・照射エネルギー=125J/cm2
(2)インナーチューブについての曲げ荷重の測定:
このようにして作製したインナーチューブ(40)について、下記のようにして3点曲げ試験を行うことにより曲げ荷重(支点間距離:20mm、撓み量:5mm)を測定した。図5に示すように、インナーチューブを挿通させるための溝(図示省略)が円周方向に沿って形成されているロール状の支持体911,912を、両者の軸間距離(支点間距離)が20mmとなるように配置し、前記溝に挿通させることによってインナーチューブ40を支持体911,912上に載置した。同図における92および93は、それぞれ、インナーチューブ40が支持体911,912から脱落するのを防止するためのチューブ保持手段である。
なお、インナーチューブ40の両端は固定されておらず、また、チューブ保持手段92,93は、インナーチューブ40を摺動自在に保持しているため、支持体911,912に載置されているインナーチューブ40は、軸方向へ自由に移動することができる。
支持体911,912に載置されているインナーチューブ40に対して、支持体911,912の中間点に相当する当該インナーチューブ40の軸方向位置において垂直方向の荷重である曲げ荷重Fをかけて、荷重計94によって測定される当該曲げ荷重Fの大きさと、垂直方向の変位である撓み量Sとの関係を測定した。ここに、試験は室温下で行い、撓み速度を10m/分とした。
この結果、撓み量Sを5mmとしたときの曲げ荷重Fの大きさは2.92gfと大きいものであった。
(3)バルーンの作製:
外径0.295mm、内径0.178mm、肉厚58.5μmのナイロン12からなる原材料チューブを準備し、この原材料チューブを金型に装着してブロー成形することにより、バルーン径(内圧6atmのときのバルーン部の外径)0.8mm、膜厚(内圧6atmのときのバルーン部の膜厚)8.0μm、長さ(L30)6mmのバルーン(30)を作製した。
(4)バルーンカテーテルの製造:
外径0.74mm、内径0.62mm、長さ230mmのPEBAX(Pebax7233)からなるアウターチューブ(10)を準備し、このアウターチューブ(10)の先端部に、上記(3)で得られたバルーン(30)の基端側ネック部(32)を固着するとともに、このバルーン(30)の先端側ネック部(31)を、厚さ30μmのウレタン樹脂層(70)を介して、上記(1)で得られたインナーチューブ(40)の先端部(41)に固着し、このインナーチューブ(40)の基端部(42)を、ガイドワイヤポート(GP)を形成するアウターチューブ(10)の構成部分(11)に固着することにより、図1〜図4に示したようなPTCA用の本発明のバルーンカテーテル(100)を製造し
た。
(5)バルーンの拡張性能の測定:
上記(4)で得られたバルーンカテーテルについて、バルーン(30)の内圧(p)を2atmから14atmまで、1atmずつ増加させてバルーン部(33)の外径(D)を測定し、回帰分析による近似直線(D=a・p+b)を求めた。
なお、比較のために、下記に示す市販のバルーンについて、同様にして回帰分析による近似直線(D=a・p+b)を求めた。
結果を下記表1および図6に示す。
(市販品A)
バルーン径1.0mm、バルーン長さ6mmのバルーンカテーテル「IKAZUCHI
ZERO」(株式会社カネカ製)
(市販品B)
バルーン径1.0mm、バルーン長さ5mmのバルーンカテーテル「Sapphire
II PRO」(オーバスネイチメディカル株式会社製)

Figure 2020250413
<ラッピング径の測定>
実施例1で得られた本発明のバルーンカテーテル、および上記に示した市販のバルーンカテーテル(市販品Aおよび市販品B)の各々について、デジタルマイクロスコープを使用してラッピング径を測定した。
結果を下記表2に示す。
Figure 2020250413
<病変通過性能の評価試験>
実施例1で得られた本発明のバルーンカテーテル、上記に示した市販のバルーンカテーテル(市販品A)および下記に示す市販のバルーンカテーテルの各々について、下記試験方法により病変通過性を評価した。なお、試験は、同種のカテーテルについて5本の検体を使用して行った。結果を下記表3に示す。
(市販品C)
バルーン径2.0mm、バルーン長さ15mmのバルーンカテーテル「can Pass」(日本ライフライン株式会社製)
(試験方法)
37±2℃に温度調整されている恒温水槽中に模擬血管を固定し、この模擬血管の先端に、孔径0.8mmの貫通孔が形成された模擬狭窄病変部を装着した。
0.014インチのガイドワイヤを模擬血管内に挿入して模擬狭窄病変部を通過させた後、このガイドワイヤに沿わせてバルーンカテーテルを模擬血管内に挿入し、模擬狭窄病変部の孔内にバルーンの基端を収めることができたか否かを確認した。ここに、収めることができた場合を「通過」と判定し、できなかった場合を「不通過」と判定した。
次に、孔径0.8mmの模擬狭窄病変部を通過したバルーンカテーテルについて、孔径0.7mmの模擬狭窄病変部に交換し、上記と同様にして、模擬狭窄病変部への「通過」、「不通過」を判定した。以下、模擬狭窄病変部の孔径を0.6mm、0.55mm、0.5mmと段階的にサイズダウンしたこと以外は上記と同様にして、模擬狭窄病変部への「通過」、「不通過」を判定した。
Figure 2020250413
表3に示すように、実施例1で得られたバルーンカテーテルによって、孔径0.55mmの模擬狭窄病変部を通過することができ、このバルーンカテーテルは、優れた病変通過性を有していることが確認された。
<バルーンの拡張性能の評価試験>
下記試験方法により、実施例1で得られたバルーンカテーテルにおけるバルーンの拡張性能を評価した。なお、試験は、5本の検体(バルーンカテーテル)を使用して行った。結果を下記表4に示す。
(試験方法)
37±2℃に温度調整されている恒温水槽中に模擬血管を固定し、この模擬血管の先端に、孔径0.6mmの貫通孔が形成された模擬狭窄病変部を装着した。
0.014インチのガイドワイヤを模擬血管内に挿入して模擬狭窄病変部を通過させた後、このガイドワイヤに沿わせて、本発明のバルーンカテーテルを模擬血管内に挿入して、模擬狭窄病変部の孔内にバルーンを配置した。
次に、このバルーンを6atmで拡張(一次拡張)させた後、バルーンを収縮させて、模擬狭窄病変部からバルーンを引き抜き、模擬血管から本発明のバルーンカテーテルを抜去した。一次拡張前後においてデジタルマイクロスコープ「VHX−1000」(KEYENCE製)により測定した貫通孔の孔径を表4に示す。
次に、ガイドワイヤに沿わせて、上記に示した市販のバルーンカテーテル(市販品C)を模擬血管内に挿入し、模擬狭窄病変部の孔内にバルーン(バルーン径=2.0mm)の基端を収めることができたか否かを確認した。
模擬狭窄病変部の孔内にバルーンの基端を収めることができた(通過)場合には、このバルーンを6atmで拡張(二次拡張)させた後、バルーンを収縮させて、模擬狭窄病変部からバルーンを引き抜き、模擬血管から市販のバルーンカテーテル(市販品C)を抜去し、二次拡張後の孔径をデジタルマイクロスコープを使用して測定することにより、このバルーンによる拡張がなされたか否かを確認した。
Figure 2020250413
表4に示すように、実施例1で得られたバルーンカテーテルによって孔径0.6mmの模擬狭窄病変部を拡張(一次拡張)することにより、バルーン径が2.0mmのバルーンカテーテル(市販品C)を通過させて二次拡張を実施することができた。これにより、実施例1で得られたバルーンカテーテルは、拡張性能にも優れていることが確認された。
100 バルーンカテーテル
10 アウターチューブ(先端側シャフト)
11 アウターチューブの構成部分
20 金属チューブ(基端側シャフト)
30 バルーン
31 先端側ネック部
32 基端側ネック部
33 バルーン部
331 先端側コーン部
332 基端側コーン部
40 インナーチューブ
41 インナーチューブの先端部
42 インナーチューブの基端部
50 ハブ
60 ストレインリリーフ
70 ウレタン樹脂層
80 透視マーカー

Claims (5)

  1. ポリアミド系樹脂により構成されるアウターチューブと、拡張収縮するバルーン部の両端にネック部を有し、前記アウターチューブの先端部に基端側ネック部が固着されているポリアミド系樹脂からなるバルーンと、前記アウターチューブのルーメンおよび前記バルーンの内部に挿通されてガイドワイヤルーメンを形成するインナーチューブとを備えてなり、前記インナーチューブの先端部に、前記バルーンの先端側ネック部が固着されているとともに、前記インナーチューブの基端部が、前記アウターチューブの側面において開口するガイドワイヤポートを形成する当該アウターチューブの構成部分に固着されているラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルであって、
    前記インナーチューブは、PEEK樹脂のみによって構成され、その内径が0.39〜0.44mm、その肉厚が30〜50μmであり、
    前記バルーンの内圧が6atmであるときに、前記バルーン部の外径が0.7〜0.9mm、前記バルーン部における膜厚が6.0〜9.0μmであり、
    前記バルーンの内圧(p)を2atmから14atmまで増加させたときに、前記バルーン部の外径(D)が直線的に増加し、回帰分析による近似直線(D=a・p+b)の傾きaが0.02mm/atm以上であることを特徴とするバルーンカテーテル。
  2. 前記近似直線の傾きaが0.02〜0.03mm/atmであることを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
  3. 前記バルーンはブロー成形体からなり、
    前記バルーンの内圧が6atmであるときの前記バルーン部の内径は、前記バルーンを成形するために使用された原材料チューブの内径の3.0〜5.0倍であることを特徴とする請求項1または2に記載のバルーンカテーテル。
  4. 前記インナーチューブの前記先端部と前記バルーンの前記先端側ネック部とが、厚さ20〜40μmのウレタン樹脂層を介して固着されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のバルーンカテーテル。
  5. 前記バルーンの前記先端側ネック部が固着されている前記インナーチューブの前記先端部の外表面、および、前記アウターチューブの前記構成部分に固着されている前記インナーチューブの前記基端部の外表面には、PEEK樹脂の構成分子にOH基および/またはCOOH基が結合された分子構造を有する表面改質層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のバルーンカテーテル。
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