JP5615714B2 - ヒドロキシシラン被覆剤を含むタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

ヒドロキシシラン被覆剤を含むタイヤ用ゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、とりわけタイヤまたはトレッドのようなタイヤ用の半製品の製造において使用することのできる、シリカのような無機充填剤で補強したジエンエラストマー組成物に関する。
また、本発明は、そのようなゴム組成物の加工性を改良し且つ生状態の粘度を低下させ得る加工助剤、さらに具体的には、上記無機充填剤の表面官能部位に共有結合によって結合することのできる被覆剤に関する。
最近の15年間において、低い転がり抵抗性、乾燥表面および湿潤または積雪表面の双方上での改良されたグリップ性および優れた耐摩耗性を同時に示すタイヤを、とりわけ、高分散性を示し、補強の観点からはタイヤ級カーボンブラックと拮抗し得、且つ、これらエラストマー組成物を含むタイヤにおける低転がり抵抗性と同義である低減されたヒステリシスをこれらの組成物にさらに与える、“補強用”として説明されている特定の無機充填剤によって補強した新規なエラストマー組成物の開発によって得ることができるようになってきている。
にもかかわらず、そのような無機充填剤、とりわけ、シリカを含むゴム組成物の加工性は、充填剤としてカーボンブラックを通常含むゴム組成物におけるよりも困難な状態にある。この困難性は、知られている通り、無機充填剤粒子の高表面反応性、ひいては、これら粒子の互いに凝集し、従って、ゴムマトリックス中での充填剤の分散性を低下させる強い自然性向に基づいている。
知られている通り、結合剤とも称するカップリング剤を使用することがとりわけ必要であり、その役割は、一方では無機充填剤の粒子表面とエラストマー間に結合を与え、他方ではこの無機充填剤のエラストマーマトリックス内での分散を、粒子表面を部分的に被覆することによって容易にすることである。
ここで、(無機充填剤/エラストマー)“カップリング”剤とは、知られている通り、無機充填剤と上記ジエンエラストマー間に化学的および/または物理的性質を有する満足し得る結合を確立することのできる薬剤を意味するものとして理解しなければならないことを思い起すべきである。
そのようなカップリング剤は、少なくとも二官能性であり、簡略化された一般式“Y‐W‐X”を有し、式中、
Yは、上記無機充填剤に物理的および/または化学的に結合させることのできる官能基(“Y”官能基)を示し、そのような結合を、例えば、上記カップリング剤のケイ素原子と上記無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えば、シリカに関する場合の表面シラノール)間に確立させるのを可能にし;
Xは、上記ジエンエラストマーに、例えばイオウ原子によって物理的および/または化学的に結合させことのできる官能基(“X”官能基)を示し;
Wは、“Y”と“X”の連結を可能にする二価の基を示す。
シリカ/ジエンエラストマーカップリング剤は当業者にとって周知であり、最も良く知られているのは、充填剤としてシリカを含む加硫物において、スコーチ安全性、加工の容易性および補強力に関して最良の妥協点に寄与している製品として現在のところみなされているシラン二官能性スルフィド類、とりわけ、アルコキシシランスルフィド類である。とりわけ、これらのシランスルフィドのうちでは、ビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPTと略記する)、即ち、そのタイヤゴム組成物によって得られるエネルギー節減用の“グリーンタイヤ”として説明されている低転がり抵抗性を有するタイヤ(“Energy-saving Green Tyres”の概念)における参照カップリング剤を挙げなければならない。
また、無機充填剤粒子用の“被覆”剤も使用することができ、この剤は、無機充填剤の表面官能部位に結合することにより、従って、上記無機充填剤を少なくとも部分的に被覆することにより、エラストマーマトリックス内での無機充填剤の分散をさらに改良し、それによってエラストマーマトリックスの生状態の粘度を低下させ、全体的エラストマーマトリックスの加工性を改良することができる。
そのような被覆剤は、本質的に、ポリオール類(例えば、ジオール類またはグリセリンもしくはその誘導体のようなトリオール類);ポリエーテル類(例えば、ポリエチレングリコール類);第一級、第二級または第三級アミン類(例えば、トリアルカノールアミン類);ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサン類、例えば、α,ω‐ジヒドロキシポリオルガノシロキサン類(とりわけ、α,ω‐ジヒドロキシポリジメチルシロキサン);ヒドロキシシランまたはアルキルアルコキシシラン類、とりわけ、例えば、Degussa社から品名“Dynasylan Octeo”として販売されている(1‐オクチル)トリエトキシシランのようなアルキルトリエトキシシラン類の群に属する。これらの被覆剤は、無機充填剤によって補強するタイヤゴム組成物において周知である;これらの被覆剤は、例えば、特許出願WO 00/05300号、WO 01/55252号、WO 01/96442号、WO 02/031041号、WO 02/053634, WO 02/083782, WO 03/002648, WO 03/002653, WO 03/016387, WO 2006/002993号、WO 2006/125533号、WO 2007/017060号およびWO 2007/003408号に記載されている。
これらの被覆剤は、上記のカップリング剤と混同してはならない。これらのカップリング剤は、知られている通り、無機充填剤に対しては活性な“Y”官能基を含み得るが、全ての場合において、ジエンエラストマーに対しては活性な“X”官能基を欠いている。
調査研究の続行中に、本出願法人は、特定のヒドロキシルシラン被覆剤により、グリーンタイヤ用に知られている最良のゴム組成物と比較してさらに改良されている性質を示す新規なゴム組成物を見出した。
従って、本発明の第1の主題は、少なくとも、ジエンエラストマー、補強用無機充填剤、カップリング剤および下記の式(I)のヒドロキシシランをベースとするゴム組成物である:

R1 (R2)n Si (OH)3‐n

(式中、nは、0、1または2に等しく;
R1は、少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素基を示し;
R2は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を示し、R2アルキルは、nが2に等しい場合、同一または異なるものである)。
そのような式(I)のヒドロキシシランを使用することによって、本発明のゴム組成物は、生状態における改良された加工性のみならず、低い転がり抵抗性、ひいては本発明に従う組成物を使用しているタイヤを装着した自動車における節減されたエネルギー消費と同義である低減されたヒステリシスをも示す。
本発明のもう1つの主題は、本発明に従うゴム組成物の製造方法であり、該方法は、下記の工程:
ジエンエラストマー中に、第1の“非生産”段階において、少なくとも1種の補強用無機充填剤および1種のカップリングを混入し、混ぜ合せた混合物を、110℃〜190℃の最高温度に達するまで、熱機械的に混練する工程;
混合物を100℃よりも低い温度に冷却する工程;
その後、第2の“生産”段階において、架橋(または加硫)系を混入する工程;
混ぜ合せた混合物を、120℃よりも低い最高温度に達するまで混練する工程;
を含み、上記の式(I)を有するヒドロキシシランを、上記非生産段階および/または上記生産段階において、さらに混入することを特徴とする。
本発明のもう1つの主題は、本発明に従う組成物の、本発明に従うゴム組成物を含む最終物品または半製品の製造における使用であり、これらの物品または製品は、とりわけ、タイヤ、タイヤ用の内部安全支持体、車輪、ゴムスプリング、弾性接合部、他の懸架要素および振動ダンパーのようなあらゆる自動車接地系を意図する。
本発明の主題は、とりわけ、本発明に従う組成物の、タイヤ類またはこれらタイヤ用に意図するゴム製半製品の製造における使用であり、これらの半製品は、とりわけ、トレッド、クラウン補強プライ、側壁、カーカス補強プライ、ビード、プロテクター、下地層、ゴムブロック、および他の内部ゴム、とりわけタイヤの上記各領域間の結合または界面を構成することを意図するデカップリングゴムからなる群から選ばれる。
本発明のもう1つの主題は、本発明に従うゴム組成物を含む場合のこれらの最終物品、とりわけこれらのタイヤおよびこれらの半製品自体である。本発明は、とりわけ、タイヤトレッドに関し、本発明は、これらのトレッドを新品タイヤの製造または消耗タイヤの再トレッド形成において使用するのを可能にする。
本発明に従う組成物は、乗用車; 4×4 (4輪駆動)車;二輪車;バン類;重量車両、即ち、地下鉄、バス、重量道路輸送車両(トラック、トラクター、トレーラー)または道路外車両;航空機、地ならし機、重量農業用車両または作業用車両に装着するのを意図するタイヤまたはタイヤトレッドの製造においてとりわけ適切である。
本発明およびその利点は、以下の説明および例示としての実施態様に照らして容易に理解し得るであろう。
I. 使用する測定および試験法
上記ゴム組成物は、以下で示すようにして、硬化の前後において特性決定する。
A) ムーニー可塑度
フランス規格 NF T 43‐005(1991年)に記載されているような振動(oscillating)稠度計を使用する。ムーニー可塑度測定は、次の原理に従って実施する:生状態(即ち、硬化前)の組成物を、100℃に加熱した円筒状の囲い内で成形する。1分間の予熱後、ローターが試験標本内で2回転/分で回転し、この運動を維持するための仕事トルクを4分間の回転後に測定する。ムーニー可塑度(ML 1 + 4)は、“ムーニー単位”(MU、1MU = 0.83ニュートン.メートル)で表す。
B) 流動度測定
測定は、規格DIN 53529:パート3 (1983年6月)従い、振動ディスクレオメーターにより150℃で実施する。時間の関数としての流動度測定トルクの変化によって、加硫反応の結果としての組成物の剛化の変化を説明する。測定値を規格DIN 53529:パート2 (1983年3月)従い処理する:Tiは、誘導時間、即ち、加硫反応を開始するのに必要な時間であり;Tα(例えば、T99)は、α%、即ち、最低トルクと最高トルクとの差のα%(例えば、99%)の転換を達成するのに必要な時間である。30%転換と80%転換の間で算出した最初の位数であり、加硫速度の評価を可能にするK(min-1として表す)として記録した転換速度定数も測定する。
C) ショアA硬度
硬化後の組成物のショアA硬度は、規格ASTM D 2240‐86に従って評価する。
D) 引張試験
これらの試験は、弾性応力および破壊点諸特性の測定を可能にする。特に断らない限り、これらの試験は、1988年9月のフランス規格 NF T 46‐002に従って行う。公称割線モジュラス(即ち、見掛け応力、MPa)を、10%伸び(M10で示す)、100%伸び(M100)および300%伸び(M300)での伸びにおいて測定する。破壊応力(MPaでの)および破壊点伸び(%での)も測定する。
E) 動的特性
動的特性ΔG*およびtan(δ)maxは、規格ASTM D 5992‐96に従って、粘度アナライザー(Metravib VA4000)において測定する。単純な交互正弦剪断応力に10Hzの周波数で供した加硫組成物のサンプル(厚さ4mmおよび400mm2の断面積を有する円筒状試験片)の応答を、23℃または40℃で記録する。歪み振幅掃引を、0.1%から50%まで行い(外方向サイクル)、次いで50%から1%まで行う(戻りサイクル)。使用した結果が、複素動的剪断モジュラス(G*)および損失係数(tanδ)である。観察されたtanδの最高値(tan(δ)max)および0.1%歪みと50%歪み間の複素モジュラスの差(ΔG*) (パイネ効果)が戻りサイクルにおいて示される。
II. 発明の詳細な説明
本発明に従うゴム組成物は、少なくとも、(i) (即ち、少なくとも1種の)ジエンエラストマー、(ii) 補強用充填剤としての(少なくとも1種の)無機充填剤、(iii) 上記充填剤を上記エラストマーにカップリングさせるための(少なくとも1種の)薬剤、および(iv) 上記補強用無機充填剤に対する被覆剤の役割を果す式(I)の(少なくとも1種の)特定のヒドロキシシランをベースとする。
勿論、“ベースとする組成物”なる表現は、使用する上記各種構成成分の混合物および/または反応生成物を含む組成物を意味するものと理解すべきであり、これらのベース構成成分のある種のもの(例えば、上記補強用無機充填剤、上記カップリング剤および上記被覆剤)は、上記組成物製造の種々の段階において、とりわけその加硫(硬化)中に、少なくとも部分的に一緒に反応し得るか或いは反応するように意図する。
本説明においては、特に明確に断らない限り、パーセント(%)は、全て質量%を示す。さらにまた、“aとbの間”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aよりも大きくbよりも小さい範囲の値の領域を示し(即ち、限界値aとbを除く)、一方、“a〜b”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aからbまでの範囲である値を意味する(即ち、厳格な限定値aおよびbを含む)。
II‐1. ジエンエラストマー
“ジエン”エラストマーまたはゴムなる用語は、知られている通り、ジエンモノマー(共役型であってもまたはなくてもよい2個の炭素-炭素二重結合を担持するモノマー)に少なくとも一部由来する(1種以上の)エラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解すべきである。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー、即ち、“本質的に不飽和”または“本質的に飽和”に分類し得る。“本質的に不飽和”なる用語は、一般に、15%(モル%)よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の単位量を有する共役ジエンモノマー類に少なくとも一部由来するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい;従って、ブチルゴムまたはEPDMタイプのジエン類とα‐オレフィン類とのコポリマー類のようなジエンエラストマーは、上述の定義に属さず、詳細には、“本質的に飽和”のジエンエラストマー類(常に15%未満である低いまたは極めて低いジエン起原単位量)として説明し得る。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、用語“高不飽和”ジエンエラストマーは、とりわけ、50%よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の単位量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
これらの定義を考慮すると、本発明に従う組成物中で使用し得るジエンエラストマーなる用語は、さらに詳細には、下記を意味するものと理解されたい:
(a) 4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られる任意のホモポリマー;
(b) 1種以上の共役ジエン類相互間或いは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c) エチレンおよび3〜6個の炭素原子を有するα-オレフィンと6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる3成分コポリマー、例えば、エチレンおよびプロピレンととりわけ1,4‐ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンのような上述のタイプの非共役ジエンモノマーとから得られるエラストマー;
(d) イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、さらにまた、このタイプのコポリマーのハロゲン化形、とりわけ塩素化または臭素化形。
本発明は任意のタイプのジエンエラストマーに適応するけれども、タイヤ技術における熟練者であれば、本発明は、好ましくは、とりわけ上記のタイプ(a)または(b)の本質的に不飽和のジエンエラストマー類において使用するものであることを理解されたい。
以下は、共役ジエン類として、とりわけ適している:1,3‐ブタジエン;2‐メチル‐1,3‐ブタジエン;例えば、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,3‐ジエチル‐1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐3‐エチル‐1,3‐ブタジエンまたは2‐メチル‐3‐イソプロピル‐1,3‐ブタジエンのような2,3‐ジ(C1〜C5アルキル)‐1,3‐ブタジエン類;アリール‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエンまたは2,4‐ヘキサジエン。以下は、例えば、ビニル芳香族化合物として適している:スチレン;オルソ‐、メタ‐またはパラ‐メチルスチレン;“ビニルトルエン” 市販混合物;パラ‐(tert‐ブチル)スチレン;メトキシスチレン類;クロロスチレン類;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンまたはビニルナフタレン。
コポリマー類は、99質量%と20質量%の間のジエン単位と1質量%と80質量%の間のビニル芳香族単位を含有し得る。これらのエラストマーは、使用する重合条件、とりわけ、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在並びに使用する変性剤および/またはランダム化剤の量に依存する任意のミクロ構造を有し得る。これらのエラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、序列または微細序列エラストマーであり得、分散液または溶液中で調製し得る;これらのエラストマーは、カップリング剤および/または星型化剤(starring agent)或いは官能化剤によってカップリング化および/または星型化或いは官能化し得る。カーボンブラックとのカップリングにおいては、例えば、C‐Sn結合を含む官能基または、例えば、ベンゾフェノンのようなアミノ化官能基を挙げることができる。シリカのような補強用無機充填剤とのカップリングにおいては、例えば、シラノール官能基またはシラノール末端を有するポリシロキサン基(例えば、FR 2 740 778号またはUS 6 013 718号に記載されているような)、アルコキシシラン基(例えば、FR 2 765 882号またはUS 5 977 238号に記載されているような)、カルボキシル基(例えば、WO 01/92402号またはUS 6 815 473号、WO 2004/096865号またはUS 2006/0089445号に記載されているような)、またはポリエーテル基(例えば、EP 1 127 909号またはUS 6 503 973号に記載されているような)を挙げることができる。また、官能化エラストマーの他の例としては、エポキシ化タイプのエラストマー(SBR、BR、NRまたはIRのような)も挙げることができる。
以下が適切である:ポリブタジエン類、とりわけ、4%と80%の間の1,2‐単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン類または80%よりも多いシス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン類;ポリイソプレン類;ブタジエン/スチレンコポリマー類、とりわけ、0℃と−70℃との間、とりわけ−10℃と〜−60℃の間のガラス転移温度(Tg、ASTM規格 D3418に従って測定)、5質量%と60質量%の間とりわけ20質量%と50質量%の間のスチレン含有量、4%と75%の間のブタジエン成分1,2‐結合含有量(モル%)および10%と80%の間のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するコポリマー類;ブタジエン/イソプレンコポリマー類、とりわけ、5質量%と90質量%の間のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のTgを有するコポリマー類;または、イソプレン/スチレンコポリマー類、とりわけ、5質量%と50質量%のスチレン含有量および−25℃と−50℃のTgを有するコポリマー類。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマー類の場合、5質量%と50質量%との間とりわけ10質量%と40質量%の間のスチレン含有量、15質量%と60質量%との間とりわけ20質量%と50質量%の間のイソプレン含有量、5質量%〜50質量%とりわけ20質量%〜40質量%のブタジエン含有量、4%と85%の間のブタジエン成分1,2‐単位含有量(モル%)、6%と80%の間のブタジエン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)、5%と70%の間のイソプレン成分1,2‐+3,4‐単位含有量(モル%)および10%と50%の間のイソプレン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するコポリマー類、さらに一般的には、−20℃と−70℃の間のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが、とりわけ適している。
要するに、本発明に従う組成物のジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(“BR”と略称する)類、合成ポリイソプレン(IR)類、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー類、イソプレンコポリマー類およびこれらエラストマー類の混合物からなる高不飽和ジエンエラストマーの群から選択する。そのようなコポリマー類は、さらに好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)類、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)類、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)類およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)類からなる群から選択する。
特定の実施態様によれば、ジエンエラストマーは、主として(即ち、50pecよりも多くにおいて)、SBR(エマルジョン中で調製したSBR (“ESBR”)または溶液中で調製したSBR (“SSBR”)のいずれか)、或いはSBR/BR、SBR/NR(またはSBR/IR)、BR/NR(またはBR/IR)またはSBR/BR/NR(またはSBR/BR/IR)ブレンド(混合物)である。SBR(ESBRまたはSSBR)エラストマーの場合、とりわけ、例えば20質量%と35質量%の中程度のスチレン含有量または例えば35〜45質量%の高スチレン含有量、15%と70%の間のブタジエン成分ビニル結合含有量、15%〜75%のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)および−10℃と−55℃の間のTgを有するSBRを使用する;そのようなSBRは、有利には、好ましくは90%(モル%)よりも多いシス‐1,4‐結合を有するBRとのブレンドとして使用し得る。
もう1つの特定の実施態様によれば、ジエンエラストマーは、主として(50pceよりも多くにおいて)、イソプレンエラストマーである。これは、とりわけ、本発明の組成物を、タイヤにおいて、ある種のトレッド類(例えば、産業用車両用)、クラウン補強用プライ(例えば、作動プライ、保護プライまたはフーピングプライ)、カーカス補強用プライ、側壁、ビード、プロテクター、下地層、ゴムブロック、および上記タイヤ領域間の界面を提供する他の内部ゴムのゴムマトリックスを構成させることを意図する場合である。
用語“イソプレンエラストマー”は、知られている通り、イソプレンホモポリマーまたはコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、イソプレンの各種コポリマーおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれたジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。イソプレンコポリマーのうちでは、とりわけ、イソブテン/イソプレンコポリマー(ブチルゴム;IIR)類、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)類、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)類またはイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)類が挙げられる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴムまたは合成シス‐1,4‐ポリイソプレンである;これらの合成ポリイソプレンのうちでは、好ましくは90%よりも多い、より好ましくは98%よりも多いシス‐1,4‐結合量(モル%)を有するポリイソプレンを使用する。
もう1つの特定の実施態様によれば、とりわけ、本発明をタイヤ側壁またはチューブレスタイヤの気密内部ゴム(または他の空気不透過性部材)として意図する場合、本発明に従う組成物は、少なくとも1種の本質的に飽和のジエンエラストマー、とりわけ、少なくとも1種のEPDMコポリマーまたは1種のブチルゴム(必要に応じて塩素化または臭素化した)を、これらのコポリマーが単独でまたは上述したような高不飽和ジエンエラストマー、とりわけNRもしくはIR、BRまたはSBRとのブレンドとして使用されるかどうかにかかわらず含み得る。
本発明のもう1つの好ましい実施態様によれば、上記ゴム組成物は、−70℃と0℃の間のTgを示す(1種以上の)“高Tg”ジエンエラストマーと、−110℃と−80℃の間、より好ましくは−105℃と−90℃の間の(1種以上の)“低Tg”ジエンエラストマーとのブレンドを含む。高Tgエラストマーは、好ましくは、S‐SBR類、E‐SBR類、天然ゴム、合成ポリイソプレン(好ましくは95%よりも多いシス‐1,4‐構造体量(モル%)を示す)、BIR類、SIR類、SBIR類およびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる。低Tgエラストマーは、好ましくは、少なくとも70%に等しい量(モル%)に従うブタジエン単位を含む;低Tgエラストマーは、好ましくは、90%よりも多いシス‐1,4‐構造体量(モル%)を示すポリブタジエン(BR)からなる。
本発明のもう1つの特定の実施態様によれば、上記ゴム組成物は、例えば、30〜100pce、とりわけ50〜100pceの高Tgエラストマーを、0〜70pce、とりわけ0〜50pceの低Tgエラストマーとのブレンドとして含む;もう1つの例によれば、上記ゴム組成物は、100pce全体において、溶液中で調製した1種以上のSBRを含む。
本発明のもう1つの特定の実施態様によれば、本発明に従う組成物のジエンエラストマーは、90%よりも多いシス‐1,4‐構造体量(モル%)を示すBR(低Tgエラストマーとして)の1種以上のE‐SBRまたはS‐SBR(高Tgエラストマーとして)とのブレンドを含む。
本発明の組成物は、単一のジエンエラストマーまたは数種のジエンエラストマーの混合物を含み得、これら1種以上のジエンエラストマーを、ジエンエラストマー以外の任意のタイプの合成エラストマーと、実際には、エラストマー以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーとさえも組合せて使用し得る。
II‐2. 補強用無機充填剤
用語“補強用無機充填剤”とは、本明細書においては、知られている通り、カーボンブラックと対比して“白色”充填剤、“透明”充填剤または“非黒色”充填剤としてさえも知られている、その色合およびその起源(天然または合成)の如何にかかわらない任意の無機または鉱質充填剤を意味するものと理解すべきである;この無機充填剤は、それ自体単独で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤトレッドの製造を意図するゴム組成物を補強し得、換言すれば、通常のトレッド用のタイヤ級カーボンブラックとその補強役割において置換わり得る。そのような充填剤は、一般に、その表面での官能基、とりわけ、ヒドロキシル(‐OH)基の存在に特徴を有し、従って、上記イソプレンエラストマーと該充填剤との間に安定な化学結合を付与することを意図するカップリング剤またはカップリング系の使用を必要とする。
好ましくは、補強用無機充填剤は、シリカ質またはアルミナ質タイプの充填剤、或いはこれら2つのタイプの充填剤の混合物である。
使用するシリカ(SiO2)は、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、とりわけ、共に450 m2/g未満、好ましくは30〜400 m2/gであるBET比表面積とCTAB比表面積を示す任意の沈降または焼成シリカであり得る。高分散性沈降シリカ(“HDS”)類が、とりわけ本発明を低転がり抵抗性を示すタイヤの製造において使用する場合に好ましい;そのようなシリカ類の例としては、Degussa社からのUltrasil 7000シリカ類;Rhodia社からのZeosil 1165 MP、1135 MPおよび1115 MPシリカ類;PPG社からのHi-Sil EZ150Gシリカ;Huber社からのZeopol 8715、8745または8755シリカ類;および上述の出願WO 03/016387号に記載されているシリカ類を挙げることができる。
好ましく使用する補強用アルミナ(Al2O3)は、30〜400m2/g、より好ましくは60m2/gと250m2/gの間の範囲のBET比表面積および大きくとも500nmに等しい、より好ましくは大きくとも200nmに等しい平均粒度を有する高分散性アルミナである。そのような補強用アルミナ類の非限定的な例としては、とりわけ、“Baikalox A125”または“CR125”(Baikowski社)、“APA-100RDX”(Condea社)、“Aluminoxide C”(Degussa社)または“AKP-G015”(Sumitomo Chemicals社)のアルミナ類を挙げることができる。
また、本発明のゴム組成物において使用し得る無機充填剤の他の例としては、水酸化(酸化)アルミニウム類、アルミノシリケート類、酸化チタン類、炭化または窒化ケイ素類;例えば、出願WO 99/28376号、WO 00/73372号、WO 02/053634号、WO 2004/003067号およびWO 2004/056915号に記載されているような補強用タイプの全てを挙げることができる。
本発明のトレッドを低転がり抵抗性を有するタイヤ用に意図する場合、使用する補強用無機充填剤は、とりわけシリカである場合、好ましくは、60m2/gと350m2/gの間のBET比表面積を有する。本発明の有利な実施態様は、そのような充填剤において認められる高補強力故に、130〜300m2/gの範囲内の高BET比表面積を有する補強用無機充填剤、とりわけシリカを使用することからなる。本発明のもう1つの好ましい実施態様によれば、好ましくは60m2/gと130m2/gの間のような場合の、130 m2/g未満のBET比表面積を示す補強用無機充填剤、とりわけシリカを使用し得る(例えば、出願WO03/002648号およびWO03/002649号を参照されたい)。
補強用無機充填剤を使用するその物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒、球形または任意の他の適切な濃密形のいずれの形状であれ重要ではない。勿論、補強用無機充填剤なる用語は、種々の補強用無機充填剤の、とりわけ、上述したような高分散性シリカ質および/またはアルミナ質充填剤の混合物を意味することも理解されたい。
当業者であれば、補強用無機充填剤の量を、使用する無機充填剤の性質に応じて、さらに、関連するタイヤのタイプ、例えば、オートバイ用、乗用車用或いはバンまたは重量車両のような実用車用のタイヤに応じて如何に調整するかは承知していることであろう。好ましくは、この補強用無機充填剤の量は、20pceと200pceの間、より好ましくは30pceと150pceの間、とりわけ40pceよりも多く(例えば、40pceと120pceの間、とりわけ40pceと100pceの間)から選択する。
本明細書においては、BET比表面積は、知られている通り、"The Journal of the American Chemical Society", Vol. 60, page 309, February 1938に記載されているBrunauer-Emmett-Teller法を使用して、さらに具体的には、1996年12月のフランス規格 NF ISO 9277の従って、ガス吸着によって測定する(多点容量測定法(5点法);ガス:窒素、脱ガス:160℃で1時間、相対圧力範囲 p/po:0.05〜0.17)。CTAB比表面積は、1987年11月のフランス規格 NF T 45-007 (方法B)に従って測定した外表面積である。
最後に、当業者であれば、他の性質を有する補強用充填剤、とりわけ有機充填剤を、この補強用充填剤がシリカのような無機層によって被覆されているか或いはその表面に、官能部位、とりわけヒドロキシル部位を含み、該充填剤と上記エラストマー間の結合を確立するためのカップリング剤の使用を必要とすることを条件として、この項で説明する補強用無機充填剤と等価の充填剤として使用し得ることを理解されたい。そのような有機充填剤の例としては、出願WO 2006/069792号およびWO 2006/069793号に記載されているような官能化ポリビニル芳香族有機充填剤を挙げることができる。
II‐3. カップリング剤
補強用無機充填剤をジエンエラストマーに“カップリング”させる、即ち、上記充填剤とエラストマー間に結合を付与するためには、知られている通り、上記無機充填剤(その粒子表面)とジエンエラストマー間に化学的および/または物理的性質の満足し得る結合を付与することを意図する少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)、とりわけ、少なくとも二官能性のオルガノシランまたはポリオルガノシロキサンを使用する。
とりわけ、出願WO 03/002648号(またはUS 2005/016651号)およびWO 03/002649号(またはUS 2005/016650号)に記載されているような、その特定の構造により“対称形”または“非対称形”と称するシランポリスルフィド類を使用する。
下記の一般式(II)に相応するシランポリスルフィド類は、下記の定義に限定することなしに、とりわけ適している。

(II) Z‐A‐Sx‐A‐Z

(式中、xは、2〜8 (好ましくは2〜5)の整数であり;
符号Aは、同一または異なるものであって、2価の炭化水素基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、とりわけC1〜C10、とりわけC1〜C4アルキレン基、特にプロピレン)であり;
符号Zは、同一または異なるものであって、下記の3つの式の1つに相応する:
Figure 0005615714
(式中、R3基は、置換されているかまたは置換されてなくて、互いに同一かまたは異なるものであり、C1〜C18アルキル、C5〜C18シクロアルキルまたはC6〜C18アリール基(好ましくはC1〜C6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基、とりわけC1〜C4アルキル、とりわけメチルおよび/またはエチル基)を示し;
R4基は、置換されているかまたは置換されてなくて、互いに同一かまたは異なるものであり、C1〜C18アルコキシルまたはC5〜C18シクロアルコキシル基(好ましくは、C1〜C8アルコキシルまたはC5〜C8シクロアルコキシル基から選ばれる基、さらに好ましくはC1〜C4アルコキシル基、とりわけ、メトキシルおよびエトキシル基から選ばれる基)を示す)。
上記式(II)に相応するアルコキシシランポリスルフィド類の混合物、とりわけ、商業的に入手し得る通常の混合物の場合、“x”指数の平均値は、好ましくは2と5の間、より好ましくは4に近い分数である。しかしながら、本発明は、例えば、アルコキシシランジスルフィド(x = 2)によっても有利に実施し得る。
シランポリスルフィドの例としては、とりわけ、例えば、ビス(3‐トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド類のような、ビス((C1〜C4)アルコキシル(C1〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキル)ポリスルフィド類(とりわけ、ジスルフィド類、トリスルフィド類またはテトラスルフィド類)が挙げられる。これらの化合物のうちでは、とりわけ、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2を有するTESPTと略称されるビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、または式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2を有するTESPDと略称されるビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用する。また、好ましい剤の例としては、上述の特許出願WO 02/083782号(またはUS 7 217 751号)に記載されているような、ビス(モノ(C1〜C4)アルコキシルジ(C1〜C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド類(とりわけ、ジスルフィド類、トリスルフィド類またはテトラスルフィド類)、とりわけ、ビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げられる。
アルコキシシランポリスルフィド類以外のカップリング剤の例としては、とりわけ、二官能性POS (ポリオルガノシロキサン)類;または、例えば特許出願WO 02/30939号(またはUS 6 774 255号)、WO 02/31041号(またはUS 2004/051210号)およびWO 2007/061550号に記載されているようなヒドロキシシランポリスルフィド類(上記式(II)においてR4 = OH);または、例えば特許出願WO 2006/125532号、WO 2006/125533号およびWO 2006/125534号に記載されているようなアゾジカルボニル官能基を担持するシラン類またはPOS類が挙げられる。
他のシランスルフィド類の例としては、例えば、例えば特許または特許出願US 6 849 754号、WO 99/09036号、WO 2006/023815号およびWO 2007/098080号に記載されているような、少なくとも1個のチオール(‐SH)官能基および/または少なくとも1個のマスクドチオール官能基を担持するシラン(メルカプトシランと称する)類が挙げられる。
勿論、上述の出願WO 2006/125534号に詳細に記載されているような、上記のカップリング剤の混合物も使用し得る。
本発明に従うゴム組成物においては、カップリング剤の含有量は、好ましくは2pceと15pceの間、より好ましくは4pceと10pceの間である。
当業者であれば、他の性質、とりわけ有機性を有する補強用充填剤、とりわけ有機充填剤を、この補強用充填剤がシリカのような無機層によって被覆されているか或いはその表面に、官能部位、とりわけヒドロキシルを含み、該充填剤と上記エラストマー間の結合を形成させるためのカップリング剤の使用を必要とすることを条件として、この項で説明する補強用無機充填剤と等価の充填剤として使用し得ることを理解されたい。
II‐4. 被覆剤
本発明のゴム組成物は、下記の式(I)のヒドロキシシランを含むと言う本質的な特徴を有する:

R1 (R2)n Si (OH)3‐n

(式中、nは、0、1または2に等しく;
R1は、少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素基を示し;
R2は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を示し、R2アルキルは、nが2に等しい場合、同一または異なるものである)。
換言すれば、上記化合物(I)は、下記の特定の式の1つに相応するヒドロキシシランである:
Figure 0005615714
上記のモノヒドロキシシラン(式III)、ジヒドロキシシラン(式IV)およびトリヒドロキシシラン(式V)は、そのヒドロキシル基の存在故に、無機充填剤の表面官能部位に、例えば、知られている通り、補強用無機充填剤がシリカである場合、シリカの表面ヒドロキシル部位に共有結合により結合することによって、無機充填剤に対する被覆剤として作用する能力を有する。従って、これらのヒドロキシシランは、上記組成物の加工性を改良し、上記組成物の生状態における粘度を低下させる。
R1は、必要に応じて、O、NおよびSから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含み得る。
本発明の第1の好ましい実施態様によれば、R1は、少なくとも4個の炭素原子、とりわけ4〜36個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選ばれ、これらのアルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルは、O、NおよびSから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含んでいても或いは含んでいなくてもよい。
R1は、とりわけ、4〜28個の炭素原子を有するアルキル、6〜28個の炭素原子を有するシクロアルキル、6〜28個の炭素原子を有するアリール、および7〜28個の炭素原子を有するアラルキルからなる群から選ばれる。
本発明のもう1つの好ましい形態によれば、R1は、4個よりも多い炭素原子、とりわけ5〜36個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選ばれ、これらのアルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルは、O、NおよびSから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含んでいても或いは含んでいなくてもよい。R1は、さらに好ましくは、5〜36個、とりわけ5〜28個(例えば、5〜20個)の炭素原子を有するアルキルからなる群から選ばれ、これらのアルキルは、O、NおよびSから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含み得る。
R2は、好ましくは、メチルまたはエチル基、より好ましくはメチル基を示す。
本発明のもう1つのさらに好ましい形態によれば、nは1または2に等しい、即ち、上記被覆剤は式(III)のモノヒドロキシシランまたは式(IV)のジヒドロキシシランであり;とりわけ、R2は、メチル基であり;R1は、4〜36個(例えば、4〜28個)の炭素原子、より好ましくは5〜36個(例えば、5〜28個)の炭素原子を含むアルキルである。
一般式(III)または(IV)のそのような好ましいモノヒドロキシシランまたはジヒドロキシシラン化合物のうちでは、R2がメチルであり、R1が‐(CH2)mCH3であり、“m”が2よりも大きい(とりわけ、3〜35、とりわけ3〜27の範囲内に含まれる)、より好ましくは3よりも大きい(とりわけ、4〜35、とりわけ4〜27の範囲内に含まれる)整数である下記の式(VI)または(VII)のヒドロキシシランが挙げられる:
Figure 0005615714
また、一般式(IV)および下記の特定の式(VIII)のトリヒドロキシシラン化合物、とりわけ、R1が‐(CH2)mCH3であり、2よりも大きい(とりわけ、3〜35、とりわけ3〜27の範囲内に含まれる)mを有する、より好ましくは3よりも大きい(とりわけ、4〜35、とりわけ4〜27の範囲内に含まれる)mを有する化合物も使用し得る:
Figure 0005615714
しかしながら、上記の式(VI)および(VII)のモノヒドロキシシランおよびジヒドロキシシランが好ましい。
式(VI)の好ましいモノヒドロキシシラン化合物の例としては、とりわけ、R2がメチルであり、R1がオクチル(‐(CH2)7‐CH3)である一般式(III)に相応する下記の特定の式(VI-1)のオクチルジメチルヒドロキシシランが挙げられる:
Figure 0005615714
また、とりわけ、R2がメチルであり、R1がオクタデシル(‐(CH2)17‐CH3)である一般式(III)に相応する下記の特定の式(VI-2)のオクタデシルジメチルヒドロキシシランも挙げられる:
Figure 0005615714
式(VII)の好ましいジヒドロキシシラン化合物の例としては、とりわけ、R2がメチルであり、R1がオクチル(‐(CH2)7‐CH3)である一般式(IV)に相応する下記の式(VII-1)のオクチルメチルジヒドロキシシランが挙げられる:
Figure 0005615714
また、とりわけ、R2がメチルであり、R1がオクタデシル(‐(CH2)17‐CH3)である一般式(IV)に相応する下記の式(VII-2)のオクタデシルメチルジヒドロキシシランも挙げられる:
Figure 0005615714
II‐5. 各種添加剤
また、本発明に従うゴム組成物は、例えば、可塑剤または増量剤オイル(後者は本質的に芳香族系または非芳香族系である);上述の式(I)の被覆剤以外の被覆剤;顔料;オゾン劣化防止ワックス、化学オゾン劣化防止剤、酸化防止剤のような保護剤;疲労防止剤;補強用樹脂;可塑化用樹脂;ビスマレイミド;メチレン受容体(例えば、フェノールノボラック樹脂)またはメチレン供与体(例えば、HMTまたはH3M);イオウまたはイオウ供与体および/または過酸化物および/またはビスマレイミドをベースとする架橋系;加硫促進剤および/または活性化剤;または、例えば、ヘキサチオスルホン酸ナトリウムまたはN,N'‐m‐フェニレンビスシトラコンイミドのような戻り防止剤のような、タイヤまたはタイヤ半製品の製造を意図するエラストマー組成物において一般的に使用する通常の添加剤の全部または1部を含む。当業者であれば、上記組成物の配合を特定の条件に従い如何にして調整するかは承知していることであろう。
好ましくは、本発明のこれらの組成物は、好ましい非芳香族または極めて僅かに芳香族系の可塑剤として、ナフテン系オイル;パラフィン系オイル;MESオイル;TDAEオイル;エステル可塑剤(例えば、グリセリントリオレート);例えば、出願WO 2005/087859号、WO 2006/061064号およびWO 2007/017060号に記載されているような、好ましくは30℃よりも高い高Tgを示す炭化水素樹脂;および、そのような化合物の混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む。そのような好ましい可塑剤の全体量は、好ましくは10pceと100pceの間、より好ましくは20pceと80pceの間、とりわけ10〜50pceの範囲内である。
上記可塑化用炭化水素樹脂(“樹脂”なる名称は、定義によれば、固形化合物に対して付されていることを再認識すべきである)のうちでは、α‐ピネン、β‐ピネン、ジペンテンまたはポリリモネン、C5留分のホモ‐またはコポリマーから調製した、例えばC5留分/スチレンコポリマーから調製した或いはC5留分/ C9留分コポリマーから調製した樹脂類が挙げられ、これらの樹脂は、単独で、或いは、例えば、MESオイルまたはTDAEオイルのような可塑化用オイルと組合せて使用し得る。
また、例えば、着色タイヤトレッドまたは側壁において使用し得るクレー、ベントナイト、タルク、チョーク、カオリンの粒子のような不活性充填剤(即ち、非補強用充填剤)も、目的とする用途に応じて、上述の補強用充填剤、即ち、補強用充填剤+必要に応じてのカーボンブラックに添加することができる。
II‐6. ゴム組成物の製造
上記組成物は、適切なミキサー内で、当業者にとって周知の以下の2つの連続する製造段階を使用して製造する:110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度(Tmaxと記録する)までの高温で熱機械加工または混練する第1段階(“非生産”段階とも称する);および、その後の典型的には120℃よりも低い、例えば、60℃と100℃の間の低めの温度で機械加工する第2段階(“生産”段階とも称する)、この仕上げ段階において、架橋または加硫系を混入する。
上記第1の“非生産”段階において、少なくとも補強用無機充填剤およびカップリング剤を、ジエンエラストマー中に、混練することによって混入する;これらのベース成分を、上記ミキサー内に導入し、110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する(1工程または数工程において)。
例えば、第1(非生産)段階は、1回の熱機械工程で実施し、その間に、ジエンエラストマー(1種以上)、補強用無機充填剤およびカップリング剤を通常の密閉ミキサーのような適切なミキサーに導入し、次いで、第2工程において、例えば、1〜2分間の混練後に、加硫系を除いた各種添加剤を導入する。この非生産段階における総混練時間は、好ましくは、2〜10分である。その後、そのようにして得られた混合物を冷却した後、加硫系を、一般的には開放ミルのような開放ミキサー内で、低温で混入する;次いで、混ぜ合せた混合物を数分間、例えば、5〜15分間で混合する(生産段階)。
上記被覆剤は、全てを上記非生産段階において(即ち、密閉ミキサー内で)、上記無機充填剤と同時に混入してもよく;或いは、上記被覆剤の全てを上記生産段階において(開放ミキサーによって)混入してもよく;或いは、上記被覆剤は、上記連続する2つの段階に亘って分割して混入してもよい。また、本発明は、補強用無機充填剤、とりわけシリカを、本発明のゴム組成物中に混入する前に、式(I)のヒドロキシシランで前以って処理している場合にも当てはまる。
上記被覆剤の全てまたは1部を、この化合物に相応する化学構造体と適合性である固形物上に支持された形(支持体上への取込みは前以って実施する)で導入し得ることに注目すべきである。例えば、上記の2つの連続する段階間で分割する場合、支持体上に取込ませその混入および分散を容易にした後の上記被覆剤の第2の部分を開放ミキサーに導入することは有利であり得る。
その後、そのようにして得られた最終組成物は、例えば、シートの形にカレンダー加工するか、或いは押出加工して、例えば、トレッド、クラウン補強プライ、側壁、カーカス補強プライ、ビード、プロテクター、空気室、またはチューブレスタイヤ用の気密内部ゴムのような半製品の製造において使用するゴム形状要素を形成する。
加硫(即ち、硬化)は、公知の方法において、一般的に130℃と200℃の間の温度で、好ましくは加圧下に、とりわけ硬化温度、使用する加硫系および当該検討中の組成物の加硫速度によって、例えば、5〜90分で変動し得る十分な時間で実施する。
適切な加硫系は、好ましくは、イオウと一次加硫促進剤、とりわけ、スルフェンアミドタイプの促進剤とをベースとする。上記第1の非生産段階中および/または生産段階中に混入した酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(とりわけジフェニルグアニジン)のような各種既知の加硫活性化剤または二次促進剤;任意成分としての戻り防止剤等は、この架橋系に対しては付加的である。イオウは、本発明をタイヤトレッドに応用する場合、好ましくは0.5pceと10pceの間、好ましくは0.5pceと5.0pceの間、例えば、0.5pceと3.0pceの間の量で使用する。一次加硫促進剤は、とりわけ本発明をタイヤトレッドに応用する場合、好ましくは0.5pceと10pceの間、好ましくは0.5pceと5.0pceの間の量で使用する。
本発明は、“生”状態(即ち、硬化前)および“硬化”即ち加硫状態(即ち、架橋または加硫後)の双方の上記ゴム組成物に関する。本発明に従う組成物は、単独でまたはタイヤの製造において使用し得る任意の他のゴム組成物とのブレンドとして(即ち、混合物として)使用することができる。
III. 本発明の実施例
III‐1. 試験1:化合物オクチルメチルジヒドロキシシランの合成
本実施例は、下記の式(VII-1)の特定のジヒドロキシシラン、即ち、オクチルメチルジヒドロキシシランの調製を説明する:
Figure 0005615714
この化合物の合成(CAS No. 156218-16-5)は、"Procedures for the preparation of silanols", Journal of Organometallic Chemistry, 480 (1994), 23-26において、ジメチルジヒドロキシシラン(即ちジメチルシランジオール)についてJ.A. CellaおよびJ.C. Carpenterよって説明されている手順を適応化することによって実施した。
合成スキームは、下記のとおりである:
Figure 0005615714
反応物の全てを、Sigma Aldrich社から入手し、さらなる精製なしで使用した。
手順は、さらに詳細には、以下のとおりである。前以ってオーブン内で乾燥させた滴下漏斗内の無水ジエチルエーテル(300ml)中溶液中のジクロロオクチルメチルシラン(CAS No. 14799-93-0) (50.0g、即ち、0.22モル)を、0℃で、窒素雰囲気下に、機械的撹拌機を備え、トリエチルアミン(45.4g、0.45モル、2.04当量)、水(8.6g、0.48モル、2.2当量)、ジエチルエーテル(700ml)および均質媒質を得るのに十分なアセトン(約70ml)を収容する2リットルの丸底フラスコに滴下して添加する。上記ジクロロオクチルメチルシランの付加を約1時間に亘って実施し、得られる懸濁液を0℃でさらに30分間撹拌する。トリエチルアミンヒドロクロリド沈降物を、濾過によって取出し、エーテル(約100ml)で1回洗浄する。溶液を、回転蒸発器において、周囲温度で、溶液の初期容量のおよそ1/10まで濃縮した。過剰のペンタン(約50〜100ml)を添加し、蒸発を続行する。沈降物を濾過によって集め、ペンタンで2回洗浄して痕跡量のトリエチルアミンを除去する。
残留溶媒を減圧下に蒸発させた後、白色固形物を得る(31.7g、76%、融点58℃)。洗浄液を再度蒸発させ、得られた固形物をペンタンで1回洗浄する。残留溶媒を減圧下に除去した後、オクチルメチルシランジオールの第2の部分を得る(4.9g、12%、融点57℃)。1Hおよび29Si NMR分析は、得られた生成物が上記式(VII-1)に実際に相応していることを示している;この合成例によれば、得られる純度は、さらなる精製工程なしで、99%よりも高い。
III‐2. 試験2:ゴム組成物の製造
以下の試験は、次の方法で実施する:ジエンエラストマー(SBRとBRのブレンド)、少量のカーボンブラックを補充したシリカ、カップリング剤を、次いで、1〜2分間混練した後、加硫系を除く各種他の成分を、70%まで満たし且つ約90℃の初期容器温度を有する密閉ミキサー内に導入する。その後、熱機械加工(非生産段階)を、1工程で、約165℃の最高“落下”温度に達するまで実施する(約5分に等しい総混練時間)。そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、被覆剤(存在させる場合)および加硫系(イオウおよびスルフェンアミド促進剤)を開放ミキサー(ホモフィニシャー)において70℃にて添加し、混ぜ合せた混合物を約5〜6分間混合する(生産段階)。
引続き、そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的性質を測定するためのゴムのシート(2〜3mm厚)または微細シートの形に、或いは、所望寸法に切断および/または組立てた後、例えば、タイヤ半製品として、とりわけ、タイヤトレッドとして直接使用することのできる形状要素の形にカレンダー加工する。
III‐3. 試験3:ゴム組成物の特性決定
本試験の目的は、本発明に従うゴム組成物の改良された性質を、被覆剤を含むまたは含まない通常のゴム組成物と比較して実証することである。
このために、高分散性シリカ(HDS)で補強したジエンエラストマー(SBR/BRブレンド)をベースとする5通りの組成物を調製する;これらの組成物は、下記の技術的特性において本質的に異なる。
・組成物C‐1:被覆剤を含まない;
・組成物C‐2およびC‐3:オクチルトリエトキシシラン被覆剤を含む;
・組成物C‐4およびC‐5:オクチルメチルジヒドロキシシラン被覆剤を含む。
各組成物において使用するカップリング剤はTESPTであり、このカップリング剤は、下記の式を有することを再認識すべきである(式中、“Et”はエチルを示す):
Figure 0005615714
組成物C‐2およびC‐3の通常の被覆剤は、トリアルコキシシラン、とりわけ、下記の式のオクチルトリエトキシシランである(式中、“Et”はエチルを示す):
Figure 0005615714
この化合物は、当業者にとって周知であり(例えば、本明細書の序章において説明した特許出願を参照されたい)、とりわけDegussa社より、品名“Dynasylan Octeo”として販売されている。
本発明のC‐4およびC‐5の組成物においては、上記アルコキシシランを、上記で調製した下記の式(VII-1)のジヒドロキシシランで置換えている:
Figure 0005615714
従って、組成物C‐4およびC‐5のみが本発明に従っている。
上記の2種類の被覆剤は、シリカの表面ヒドロキシル基と反応し得るそれら被覆剤の官能基(Y)の性質において本質的に異なることに注目すべきである:対照組成物C‐2およびC‐3においてはアルコキシル(エトキシル)基、本発明に従う組成物C‐4およびC‐5においてはヒドロキシル基。
さらにまた、本発明に従う組成物C‐4およびC‐5は、対照組成物C‐2およびC‐3のそれぞれと比較して、等価である、即ち、ケイ素において等モルである量の被覆剤を含むこと、換言すれば、ヒドロキシル基またはエトキシル官能基いずれかの反応性官能基を担持するケイ素原子数が組成物相互(C‐2と対比してのC‐4、 C‐3に対比してのC‐5)において同じであることを重視すべきである。
各組成物の配合および硬化(150℃で約40分間)前後の各組成物の諸性質を下記の表1および2に示している(表1:pce、即ち、エラストマー100質量部当りの質量部で表す各成分の量);加硫系は、イオウおよびスルフェンアミドからなる。
表2の各種結果の検証をすれば、先ずは、対照組成物C‐1との比較において、被覆剤を含ませて調製した対照組成物C‐2およびC‐3が、下記の改良された硬化前諸性質を常に示しているが照明されている:
‐低下しているムーニー粘度、即ち、被覆剤が寄与した加工性改良の明白な指標;
‐高めの転換速度定数Kおよび硬化時間(T99-Ti)の短縮によって例証されている速い加硫速度。
しかしながら、予期に反して、本発明の組成物C‐4およびC‐5は、対照組成物C‐2およびC‐3のぞれぞれと比較して、この場合も、とりわけ下記によって大いに改良されている硬化前諸性質を示している:
‐この場合も約10%低下しているムーニー粘度;
‐促進された加硫速度(定数K)、その上昇は30%よりも高くに達し得る;
‐この場合も、安定である誘導期間(Ti)によって確証されているように、スコーチ安全性をさらに危うくすることなく(即ち、密閉ミキサー内での組成物の製造中に早期加硫のリスクなしで)、短縮している硬化時間。
硬化時間短縮は、“低温”再トレッド形成(事前硬化トレッドを使用する)または通常の“高温”再トレッド形成(生状態のトレッドを使用する)のいずれであれ、再トレッド形成を意図するトレッドにおいてとりわけ有利である。後者の場合、硬化時間の短縮は、この短縮が生産コストを節減するという事実に加え、磨耗タイヤ(既に加硫している)のフレーム残余(カーカス)に負わす過硬化(または後硬化)も抑制する。
硬化後、試験した各組成物は、モジュラス(M100およびM300)および破断点特性の点では比較的僅かしか異なっていない;せいぜい、僅かでさえ改良されていないにしても少なくとも同等である補強指数(M300/M100比)と相俟った本発明の組成物C‐4およびC‐5における僅かに低いショア硬度値、即ち、参照組成物C‐1の能力と少なくとも同然の本発明の組成物の磨耗に耐える極めて良好な能力の当業者に対する明白な指標に注目し得る。
最後に、また何にもまして、本発明の組成物C‐4およびC‐5は、3つの対照組成物C‐1〜C‐3と比較して、極めて実質的に低下しているtan(δ)maxおよびΔG*値によって確証されているように、著しく低下したヒステリシスを明白にしている;この低下は、タイヤの転がり抵抗性の低下の、ひいてはそのようなタイヤを装着した自動車のエネルギー消費の節減の認識された指標である。
III‐4. 試験4
この新たなゴム試験においては、2つの他のヒドロキシシランを、上記ゴム試験において試験したオクチルトリエトキシシランおよびオクチルメチルジヒドロキシシランと比較する。これらの2つのジヒドロキシシラン、即ち、ジメチルジヒドロキシシランおよびプロピルメチルジヒドロキシシランは、それら自体、R1基が、僅か1〜3個の炭素原子しか有さない炭化水素基を示すという一方での違いを除けば、式(I)に相応する。
III‐4‐1. ジメチルジヒドロキシシランおよびプロピルメチルジヒドロキシシランの合成
下記の式(IX)のジメチルジヒドロキシシラン(CAS No. 1066-42-8)の合成を、式(VII-1)のジヒドロキシシランについて上記で示したのと同じフローチャートに従い実施する;ア全ての反応物をSigma Aldrich社から入手し、さらなる精製は行わない:
Figure 0005615714
手順は、さらに詳細には、以下の通りであった:無水ジエチルエーテル(300ml)中溶液中のジクロロジメチルシラン(30g、即ち、0.23モル)を、トリエチルアミン(0.47モル、即ち、2.01当量)、水(0.5モル、即ち、2.15当量)、ジエチルエーテル(700ml)およびアセトン(70ml)の0℃に維持した撹拌溶液に45分に亘って滴下して添加する。添加終了後、撹拌を20分間維持し、その後、トリエチルアミンヒドロクロリド沈降物を濾別する。濾液を、減圧下に周囲温度で蒸発させることによって1/10に濃縮する。その後、過剰のペンタンを添加し、蒸発を続行する。得られた白色固形物を冷ペンタンで洗浄し、次いで、減圧下に乾燥させる。そのようにして、ジメチルジヒドロキシシラン即ちジメチルシランジオール(17.5g)を83%の収率で得、NMR分析によって、得られた生成物の構造を、99%よりも高いモル純度でもって確認する。
また、下記の式(X)のプロピルメチルジヒドロキシシラン(CAS No. 18165-69-0)の合成も、同様な方法で、以下のように実施する:
Figure 0005615714
無水ジエチルエーテル(300ml)中溶液中のジクロロプロピルメチルシラン(36.1g、即ち、0.23モル)を、トリエチルアミン(0.47モル、即ち、2.01当量)、水(0.5モル、即ち、2.15当量)、ジエチルエーテル(700ml)およびアセトン(70ml)の0℃に維持した撹拌溶液に45分に亘って滴下して添加する。添加終了後、撹拌を20分間維持し、その後、トリエチルアミンヒドロクロリド沈降物を濾別する。濾液を、減圧下に周囲温度で蒸発させることによって1/10に濃縮する。その後、過剰のペンタンを添加し、蒸発を続行する。得られた白色固形物を冷ペンタンで洗浄し、次いで、減圧下に乾燥させる。そのようにして、プロピルメチルジヒドロキシシラン即ちプロピルメチルシランジオール(18.8g)を70%の収率で得、NMR分析によって、得られた生成物の構造を、93%のモル純度でもって確認する。
III‐4‐2. ゴム試験
引続き、前述の組成物C‐3およびC‐5と同様であり、これら組成物とは、被覆剤として使用するシラン化合物の本質においてのみ異なるC‐6およびC‐7と称する2通りの新たなゴム組成物を調製する:
・組成物C‐3:オクチルトリエトキシシラン被覆剤を含む;
・組成物C‐5:式(VII-1)のオクチルメチルジヒドロキシシラン被覆剤を含む;
・組成物C‐6:式(IX)のジメチルジヒドロキシシラン被覆剤を含む:
・組成物C‐7:式(X)のプロピルメチルジヒドロキシシラン被覆剤を含む。
これらの2つの新たな組成物C‐6およびC‐7は、それらの式において、R1基(メチルまたはプロピル)が4個よりも少ない炭素原子を有するアルキルを示すので、本発明に従っていない。
各組成物の配合および硬化(150℃で40分間)前後の各組成物の諸性質を下記の表3および4に示している。表3におけるように、被覆剤の量は、等価、即ち、ケイ素において等モルである;換言すれば、ヒドロキシル基またはエトキシル官能基いずれかの反応性官能基を担持するケイ素原子数は、組成物相互において同じである。
表4の各種結果を検証するに、先ずは、対照組成物C‐3との比較において、試験した2つの新たな組成物に関して、加硫速度(定数K)は実際に改良されているとしても、ムーニー粘度は、本発明に従う組成物C‐5の場合とは対照的に、実質的に低下していないことに注目し得る。
しかしながら、とりわけ、また何にもまして、参照組成物C‐3との比較において式(VII-1)のジヒドロキシシランを含む本発明に従う組成物C‐5によって得られた主要な技術的効果、即ち、ヒステリシスの有意且つ予想外の低下(tan(δ)maxおよびΔG*の値から分かる)は、式(IX)および(X)のジヒドロキシシラン(組成物C‐6およびC‐7)によっては再現されてなく、そのtan(δ)max値は、出発値(組成物C‐3)と同じかまたは高いままである。
従って、上記から、結果におけるこの予期に反した相違は、式(I)のR1炭化水素(アルキル)基の長さ、即ち、式(IX)および(X)の2つのシランの場合における不適切である長さ(4個よりも少ない炭素原子数)に基づくものと結論付けしなければならない。
III‐5. 試験5
この新たなゴム試験においては、2つの新たなヒドロキシシランを、上記ゴム試験において試験したオクチルトリエトキシシランおよびオクチルメチルジヒドロキシシランと比較する。これらの2つのジヒドロキシシラン、即ち、オクタデシルメチルジヒドロキシシランおよびオクチルジメチルヒドロキシシランは、R1基が少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素基を明らかに示している式(I)に相応する。
III‐5‐1. オクタデシルメチルジヒドロキシシランおよびオクチルジメチルヒドロキシシランの合成
下記の式(XI):
Figure 0005615714
を有するオクタデシルメチルジヒドロキシシラン(CAS No. 7522-59-0)の合成;および、下記の式(XII):
Figure 0005615714
を有するオクチルジメチルヒドロキシシラン(CAS No. 64451-51-0)の合成を上述と同じフローチャートに従って実施する。
さらに詳細には、無水ジエチルエーテル(250ml)中溶液中のオクタデシルメチルジクロロシラン[CAS No. 5157-75-5] (1500g、即ち、4.08モル)を、水(345g)、トリエチルアミン(1138g)およびジエチルエーテル(29l)の−2℃と6℃の間の温度に維持した混合物に滴下して添加する(90分)。混合物を、引続き、0℃と5℃の間の温度で2時間撹拌する。生成した沈降物を濾別し、6リットルの脱塩水により、次いで、4リットルの脱塩水により3回連続して洗浄する。得られた固形物を、開放空気中で、一定質量が得られるまで乾燥させる。そのようにして、オクタデシルメチルジヒドロキシシラン即ちオクタデシルメチルシランジオール(1226g)を、87℃の融点を有する白色固形物の形で91%の収率でもって得、NMR分析により、得られた生成物の構造を95%のモル純度でもってさらに確認する。
さらにまた、オクチルジメチルクロロシラン(17.3g、即ち、0.80モル)を、水(5.77g)、トリエチルアミン(12.18g)およびジエチルエーテル(700ml)の混合物に−10℃で滴下して添加する(20分)。引続き、混合物を90分間混合する。その後、トリエチルアミンヒドロクロリド沈降物を濾別し、100mlのジエチルエーテルで洗浄する。溶媒を減圧下に約200mlの容量まで蒸発させた後、溶液を、100mlの水で2回洗浄する。沈降によって分離させたのち、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させる。ジエチルエーテルを減圧下に周囲温度で蒸発させた後、残留物を蒸留する(65〜67℃、14ミリバール)。その後、オクチルジメチルヒドロキシシラン即ちオクチルジメチルシラノール(13.01g)を、無色液体の形で87%の収率でもって得、NMR分析により、得られた生成物の構造を99.5%のモル純度でもって確認する。
III‐5‐2. ゴム試験
引続き、高分散性シリカ(HDS)で補強した新たなジエンエラストマー(即ち、新たなSBR/BRブレンド)をベースとするC‐8〜C‐12と称する5通りの新たなゴム組成物を調製した;これらの組成物は、下記の技術的特徴において本質的に異なる:
・組成物C‐8:シラン被覆剤を含まない;
・組成物C‐9:対照被覆剤オクチルトリエトキシシランを含む;
・組成物C‐10:上記で既に試験した式(VII-1)の被覆剤オクチルメチルジヒドロキシシランを含む;
・組成物C‐11:式(XI)の被覆剤オクタデシルメチルジヒドロキシシランを含む;
・組成物C‐12:式(XII)の被覆剤オクチルジメチルヒドロキシシランを含む。
組成物C‐10、C‐11およびC‐12は、それらの式において、R1基が少なくとも4個の炭素原子を有するアルキルを実際に示しているので、本発明に従っている。
これらの各組成物の配合および硬化(150℃で40分間)前後の各組成物の諸性質を下記の表5および6に示している。上述の試験におけるように、被覆剤の量は、等価、即ち、ケイ素において等モルである;換言すれば、ヒドロキシル基またはエトキシル官能基いずれかの反応性官能基を担持するケイ素原子数は、組成物相互において同じである。
表6の各種結果を検証するに、式(I)のヒドロキシシランを含む本発明に従う各組成物は、ムーニー粘度の低下(改良された加工性)および高めの転換速度定数K(同等または速い加硫速度)でもって、諸性質の改良された妥協点を示し、また、最後に、何にもまして、2つの対照組成物C‐8およびC‐9との比較において、tan(δ)maxおよびΔG*の値から分かるヒステリシスの有意且つ予想外の低下を示していることが明らかに確証されている。
とりわけ、ヒステリシスに関しての最良の結果(組成物C‐11)は、式(XI)のヒドロキシシラン化合物、即ち、18個の炭素原子を含むR1基によって得られていることは特筆される。
結論として、本発明は、今や、ゴム組成物およびタイヤに、生状態の加工性の点で、硬化速度の点で、さらに、とりわけまた何にもまして、本発明に従うタイヤを装着した自動車における低い転がり抵抗性ひいては節減されたエネルギー消費と同義であるヒステリシスの低下の点で、有意で且つ予期に反して改良された諸性質の妥協点を与えている。
Figure 0005615714
(1) 25%のスチレン、59%の1,2‐ポリブタジエン単位および20%のトランス‐1,4‐ポリブタジエン単位を含むSSBR (Tg = −24℃);乾燥SBRとして表した量 (9%のMESオイルで増量したSBR、即ち、59pceに等しいSSBR+オイルの合計);
(2) 0.7%の1,2‐、1.7%のトランス‐1,4‐、 98%のシス‐1,4‐を含むBR (Nd) (Tg = −105℃);
(3) Rhodia社からのシリカ“Zeosil 1165 MP”、マイクロビーズ形状 (BETおよびCTAB:約150〜160m2/g);
(4) TESPT (Degussa社からの“Si69”);
(5) オクチルトリエトキシシラン(Degussa社からの“Octeo”シラン);
(6) 式(VI)のジヒドロキシシラン(オクチルメチルジヒドロキシシラン);
(7) N234 (Degussa社);
(8) MESオイル(Shell社からの“Catenex SNR”);
(9) グリセリントリオレート(85質量%のオレイン酸を含むヒマワリ油;Novance社からの“Lubrirob Tod 1880”);
(10) ポリリモネン樹脂(DRT社からの“Dercolyte L120”);
(11) ジフェニルグアニジン(Flexsys社からのPerkacit DPG);
(12) 大結晶性および微結晶性オゾン劣化防止ワックスの混合物;
(13) 酸化亜鉛(工業級;Umicore社);
(14) N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン(Flexsys社からの“Santoflex 6-PPD”);
(15) ステアリン(“Pristerene 4931”、Uniqema社);
(16) N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(Flexsys社からの“Santocure CBS”)。
Figure 0005615714
Figure 0005615714
(1) 25%のスチレン、59%の1,2‐ポリブタジエン単位および20%のトランス‐1,4‐ポリブタジエン単位を含むSSBR (Tg = −24℃);乾燥SBRとして表した量 (9%のMESオイルで増量したSBR、即ち、59pceに等しいSSBR+オイルの合計);
(2) 0.7%の1,2‐、1.7%のトランス‐1,4‐、 98%のシス‐1,4‐を含むBR (Nd) (Tg = −105℃);
(3) Rhodia社からのシリカ“Zeosil 1165 MP”、マイクロビーズ形状 (BETおよびCTAB:約150〜160m2/g);
(4) TESPT (Degussa社からの“Si69”);
(5) オクチルトリエトキシシラン(Degussa社からの“Octeo”シラン);
(6a) 式(VII-1)のジヒドロキシシラン(オクチルメチルジヒドロキシシラン);
(6b) 式(X)のジヒドロキシシラン(プロピルメチルジヒドロキシシラン);
(6c) 式(IX)のジヒドロキシシラン(ジメチルジヒドロキシシラン);
(7) N234 (Degussa社);
(8) MESオイル(Shell社からの“Catenex SNR”);
(9) グリセリントリオレート(85質量%のオレイン酸を含むヒマワリ油;Novance社からの“Lubrirob Tod 1880”);
(10) ポリリモネン樹脂(DRT社からの“Dercolyte L120”);
(11) ジフェニルグアニジン(Flexsys社からのPerkacit DPG);
(12) 大結晶性および微結晶性オゾン劣化防止ワックスの混合物;
(13) 酸化亜鉛(工業級;Umicore社);
(14) N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン(Flexsys社からの“Santoflex 6-PPD”);
(15) ステアリン(“Pristerene 4931”、Uniqema社);
(16) N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(Flexsys社からの“Santocure CBS”)。
Figure 0005615714
Figure 0005615714
(1) 25%のスチレン、59%の1,2‐ポリブタジエン単位および20%のトランス‐1,4‐ポリブタジエン単位を含むSSBR (Tg = −24℃);乾燥SBRとして表した量 (9%のMESオイルで増量したSBR、即ち、76pceに等しいSSBR+オイルの合計);
(2) 0.7%の1,2‐、1.7%のトランス‐1,4‐、 98%のシス‐1,4‐を含むBR (Nd) (Tg = −105℃);
(3) Rhodia社からのシリカ“Zeosil 1165 MP”、マイクロビーズ形状 (BETおよびCTAB:約150〜160m2/g);
(4) TESPT (Degussa社からの“Si69”);
(5) オクチルトリエトキシシラン(Degussa社からの“Octeo”シラン);
(6a) 式(VII-1)のジヒドロキシシラン(オクチルメチルジヒドロキシシラン);
(6b) 式(XI)のジヒドロキシシラン(オクタデシルメチルジヒドロキシシラン);
(6c) 式(XII)のジヒドロキシシラン(オクチルジメチルヒドロキシシラン);
(7) N234 (Degussa社);
(8) MESオイル(Shell社からの“Catenex SNR”);
(9) ポリリモネン樹脂(DRT社からの“Dercolyte L120”);
(10) ジフェニルグアニジン(Flexsys社からのPerkacit DPG);
(11) 大結晶性および微結晶性オゾン劣化防止ワックスの混合物;
(12) 酸化亜鉛(工業級;Umicore社);
(13) N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン(Flexsys社からの“Santoflex 6-PPD”);
(14) ステアリン(“Pristerene 4931”、Uniqema社);
(15) N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド(Flexsys社からの“Santocure CBS”)。
Figure 0005615714

Claims (6)

  1. 少なくとも、ジエンエラストマー、補強用無機充填剤、カップリング剤および下記の式式(VI)、(VII)または(VIII)のヒドロキシシランをベースとするゴム組成物:
    Figure 0005615714
    (式中、mは、2よりも大きくの範囲内に含まれる)。
  2. mが3〜35の範囲内である、請求項1記載の組成物。
  3. mが、3よりも大きい、請求項記載の組成物。
  4. mが4〜27の範囲内である、請求項3記載の組成物。
  5. 前記ジエンエラストマーが、ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、天然ゴム、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜のいずれか1項記載の組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤまたはタイヤ半製品。
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